説明

情報端末装置、送信方法及びプログラム

【課題】撮影した画像データのシーンに応じて、適切なタイミングで簡便な操作によって画像データを送信可能にする。
【解決手段】情報端末装置1は、カメラ部21で撮影した画像データについて、撮影シーン検出部25にて撮影シーンの検出を行い、制御部10のアップロード条件生成部13にて撮影シーンに応じたアップロード条件を生成し、タイミング判定部14にてアップロード条件が満たされる場合の画像データの送信タイミングを判定する。アップロード条件を満足する画像データが存在し、送信タイミングに該当する場合、制御部10は、アップロード機能部12により、通信部31を介してアップロード先のサーバ装置またはメールアドレスに対して画像データをアップロードする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影された画像情報を送信する情報端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、カメラ付き携帯電話機、無線LAN等のネットワーク機能を搭載した携帯通信機器、カメラ機能及び通信機能を有するスマートフォンなどの情報端末装置が普及している。この種の情報端末装置を用いて、SNS(Social Networking Service)などのコミュニケーションサービスを提供するサーバ、あるいは、ブログ(Blog、Weblog)またはウェブページ(Web page)などのサイトに、多くの撮影画像を掲載する機会が増えている。
【0003】
従来、ユーザは、カメラで撮影した後、撮影された画像データを情報端末装置のデータフォルダに保存し、このデータフォルダから所望の画像データを選択して保存先のサーバにアップロードする操作を行っていた。画像データをアップロードする際、後から検索し易いように、画像データにラベルを埋め込むことなどが行われていた。
【0004】
この種の従来技術として、ローカルサイト・リモートサイト間でユーザが動画通信を行う通信システムが知られている(特許文献1参照)。また、自動撮像により取り込まれた画像のうち、重要と考えられる画像にインデックスを付し、効率的な画像閲覧を行う技術が知られている(特許文献2参照)。
【0005】
また、画像を、その撮影日時と撮影条件に関連付けて記憶し、この画像にテーマを付与した後、撮影日時や撮影条件を基に、このテーマに対する撮影者の評価値を生成する画像処理装置が知られている(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2010−529738号公報
【特許文献2】特開2009−111571号公報
【特許文献3】特開2009−93433号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来技術では、次のような問題があった。カメラで撮影した画像データを撮り溜めしておき、後で画像データをアップロードしようとした場合、アップロードのタイミングを逃したり、あるいは忘れてしまうことがあった。この結果、適時画像を掲載する、あるいは生中継を行うなど、画像掲載のリアルタイム性が損われていた。また、撮影した多くの画像データの中から所望の画像データを選択するといった絞り込む操作に手間がかかっていた。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、適切なタイミングで撮影した画像データを送信可能にすることにある。また、本発明の他の目的は、撮影した画像データの撮影シーンに応じて、適切なタイミングで簡便な操作によって画像データを送信可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の情報端末装置は、撮影された画像データを送信する通信機能を有する情報端末装置であって、前記画像データの撮影シーンを検出する撮影シーン検出部と、前記撮影シーンに応じてアップロード条件を生成するアップロード条件生成部と、前記アップロード条件が満たされる場合の前記画像データの送信タイミングを判定するタイミング判定部と、前記送信タイミングにおいて前記画像データの送信を実行するアップロード機能部と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、適切なタイミングで撮影した画像データを送信可能にすることができる。また、撮影した画像データのシーンに応じて、適切なタイミングで簡便な操作によって画像データを送信可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態における情報端末装置の構成を示すブロック図
【図2】撮影シーンのシーン選択画面を示す図
【図3】シーン判定テーブルの格納情報の内容を示す図
【図4】本実施形態の情報端末装置の外観構成を示す斜視図
【図5】本実施形態の情報端末装置における撮影動作及びアップロード動作の手順を示すフローチャート
【図6】カメラ部によって撮影された画像データの例を示す図
【図7】表示部の画面に表示されるアップロードお知らせ画面を示す図
【図8】本実施形態の情報端末装置における撮影動作の処理手順を示すフローチャート
【図9】本実施形態における待受け動作の処理手順を示すフローチャート
【図10】本実施形態における撮影シーンごとの条件判定動作の処理手順を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0012】
本実施形態では、情報端末装置の一例として、カメラ付き携帯電話機またはスマートフォン等のカメラ機能付き携帯端末など、撮影機能及び通信機能を有する電子機器に適用した構成例を示す。なお、通信機能を有する情報端末装置と撮影機能を有する別体のカメラ部とを備える構成であってもよい。
【0013】
図1は本発明の実施形態における情報端末装置1の構成を示すブロック図である。情報端末装置1は、制御部10、カメラ部21、撮影データ保持部23、撮影シーン検出部25、通信部31、アップロード先保持部33、表示部36、音声入出力部38、GPS受信部41、操作部42、及び時計部45を有して構成される。
【0014】
制御部10は、情報端末装置1全体を制御するものであり、周知のプロセッサ、メモリ等を有する。また、制御部10は、カメラ部21で撮影した画像データをアップロードする際のブラウザ機能部11とアップロード機能部12とを有する。また、制御部10は、画像データのアップロードに際して利用するアップロード条件生成部13、タイミング判定部14、時間情報記憶部15、位置情報記憶部16、及びシーン判定テーブル17を有する。
【0015】
カメラ部21は、撮影部の機能を有するもので、静止画像及び動画像を撮影可能なCMOSイメージセンサ、CCDイメージセンサ等を有して構成され、撮影した画像データを出力する。撮影データ保持部23は、画像メモリ等により構成され、撮影された画像データを記憶する。制御部10は、撮影データ保持部23に記憶される画像データに、現在時刻情報及び位置情報を付加することが可能である。
【0016】
撮影シーン検出部25は、カメラ部21によって撮影される被写体の撮影シーンを検出するものである。撮影シーン検出の一例として、表示部36に複数の撮影シーンが表示されたシーン選択画面から、ユーザがシーン選択ボタン25aを押下することによって、選択された撮影シーンの設定情報が撮影シーン検出部25にて取得される。なお、撮影シーン検出としては、撮影時のカメラ部21の設定パラメータから被写体種別などを判定したり、画像データの解析結果から被写体種別または撮影状況などを判定し、撮影シーンを判定することも可能である。
【0017】
図2は表示部36の画面に表示される撮影シーンのシーン選択画面を示す図である。シーン選択画面51には、被写体の撮影シーンの一例として、「旅行先(場所)」、「成長記録」、「観察記録」、「集合写真」、「料理」が選択可能に表示されている。
【0018】
通信部31は、無線通信機能を有し、携帯電話等の移動通信網の基地局との無線通信、あるいは、無線LANのアクセスポイントとの無線通信を行い、通信回線を介したデータの送受信が可能である。制御部10のアップロード機能部12によって、通信部31を用いて画像データのアップロードを行うようになっている。アップロードは、画像を含む情報またはサービスの提供を行うサーバ装置(情報処理装置)への送信、所定のメールアドレスへのメール送信などのデータ送信を含むものとする。
【0019】
アップロード先保持部33は、情報端末装置1に設けられるメモリの所定領域によって実現されるもので、画像データのアップロード先のアドレス情報を保持するものである。アップロード先のアドレス情報としては、通信回線を介して画像データを閲覧可能に保存するネットワーク上のサーバ装置のURL、あるいは、人物等のメールアドレス等の送信先の情報が、アドレス帳等によって保持されたものが用いられる。
【0020】
表示部36は、液晶ディスプレイ等の表示装置と、表示動作を制御する表示制御部とを有して構成され、表示画面に情報端末装置に関する各種情報を表示する。また、表示部36は、撮影データの表示、前述のシーン選択画面の表示、及び、報知部の機能として後述するアップロードお知らせ画面などのアップロード実行を報知する表示を行う。また、表示部36は、制御部10のブラウザ機能部11によって、各種のコミュニケーションサービスまたはサイトからの提供情報の表示及び操作が可能なブラウザ画面を表示する。音声入出力部38は、マイク及びスピーカを有し、音声を発したり、通話を可能にする。
【0021】
操作部42は、情報端末装置1の前面に配置された各種ボタン、あるいは、表示部36の表示画面に設けられたタッチパネル等により構成され、ユーザによる操作指示を入力する。なお、前述したシーン選択ボタン25aは、操作部42のボタンとして設けてもよいし、タッチパネルを使用した所定領域の接触操作のオブジェクトとして設けてもよい。
【0022】
GPS(Global Positioning System)受信部41は、複数のGPS衛星からの電波を受信し、情報端末装置1の現在位置情報、つまりGPS座標(緯度、経度)を取得する。時計部45は、計時機能を持つ電子回路により構成され、電波時計などを用いたり、ネットワークを介して時間情報を取得し、正確な現在日時を計時する。
【0023】
制御部10の時間情報記憶部15は、時計部45によって計時された時間情報を用いて、カメラ部21によって撮影された画像データの撮影日時情報を記憶する。制御部10の位置情報記憶部16は、GPS受信部41によって取得された現在位置情報を用いて、カメラ部21によって撮影された画像データの撮影位置情報を記憶する。位置情報記憶部16には、撮影された画像データごとに、撮影位置情報として、撮影開始位置が登録されている。また、時間情報記憶部15には、撮影された画像データごとに、撮影日時情報として、撮影開始日時が登録されている。
【0024】
制御部10のアップロード条件生成部13は、カメラ部21で撮影された画像データのアップロード条件(送信条件)を生成する。この際、アップロード条件生成部13は、シーン判定テーブル17の情報に基づき、時間情報記憶部15に記憶された撮影日時情報、及び位置情報記憶部16に記憶された撮影位置情報を用いて、アップロード条件を生成する。
【0025】
図3はシーン判定テーブル17の格納情報の内容を示す図である。シーン判定テーブル17は、制御部10のメモリに格納されている。ここでは、被写体の撮影シーンとして、「旅行先(場所)」、「成長記録」、「観察記録」、「集合写真」、「料理」が挙げられている。
【0026】
例えば、撮影シーンが旅行先である場合、撮影開始位置として緯度「35」、経度「135」、撮影開始日時として「2010年12月20日」が記録されているとする。この場合、作成されるアップロード条件は、「現在位置と撮影開始位置が異なった場合」である。そして、アップロード条件が満たされた場合の動作は、「同じ場所での撮影データの表示」と「自動アップロード」である。
【0027】
また、例えば撮影シーンが観察記録である場合、アップロード条件は「撮影後」であり、アップロード条件が満たされた場合の動作は「すぐにアップロード」である。
【0028】
「旅行先(場所)」の撮影シーンで撮影した画像データは、場所移動ログ、行動日記、旅行日記などにアップロードすることが想定される。この場合、撮影場所が移動する度に画像データをアップロードすればよく、同じ場所では1枚の画像データをアップロードすれば十分である。また、撮影場所の移動と時間経過とを組み合わせて画像データをアップロードしてもよい。
【0029】
「成長記録」の撮影シーンで撮影した画像データは、日付が変わる度に画像データをアップロードすればよく、1日の撮影画像の中から数枚の画像データをアップロードすれば十分である。この場合、1日のうちで決まった時間にアップロードするのが好ましい。一方、「観察記録」の撮影シーンで撮影した画像データは、撮影した直後に画像データをアップロードするのが好ましい。
【0030】
「集合写真」の撮影シーンで撮影した画像データは、撮影された人物のそれぞれに画像データを配信するのが好ましい。また、「料理」の撮影シーンで撮影した画像データは、画像データにおいて料理を検出した場合に直ちにアップロードする、あるいは、撮影場所が移動する度に(店を出たときに)画像データをアップロードするのが好ましい。
【0031】
タイミング判定部14は、アップロード条件生成部13によって生成されたアップロード条件が満たされた場合にアップロードするタイミングを判定する。例えば、撮影シーンが旅行先である場合、タイミング判定部14は、アップロード条件である「現在位置と撮影開始位置が異なった場合」が満たされると、「自動アップロード」の動作を行うので、現在位置が異なった時点で送信タイミングであると判定する。また、撮影シーンが観察記録である場合、タイミング判定部14は、アップロード条件である「撮影後」が満たされると、「すぐにアップロード」であるので、撮影が終了した時点で送信タイミングであると判定する。
【0032】
制御部10のブラウザ機能部11、アップロード機能部12、アップロード条件生成部13、タイミング判定部14は、制御部10を構成する各種情報処理を行うコンピュータが、所定のプログラムを実行することにより、各部の機能が実現される。
【0033】
図4は本実施形態の情報端末装置1の外観構成を示す斜視図である。情報端末装置1は、例えば折り畳み自在な筐体を有する。筐体の内側前面には、表示部36及び操作部42が設けられている。また、筐体の上部には、カメラ部21が取り付けられている。カメラ部21は、例えば筐体の前面側から背面側まで旋回自在に配置されている。
【0034】
次に、本実施形態における情報端末装置の動作を説明する。図5は本実施形態の情報端末装置1における撮影動作及びアップロード動作の手順を示すフローチャートである。図5の手順は、主に制御部10においてプログラムを実行することにより、各手順の処理が行われる。
【0035】
制御部10は、操作部42を介して行われるユーザからの撮影指示に従って、カメラ部21の撮影動作を実行する(ステップS1)。図6は、カメラ部21によって撮影された画像データの例を示す図である。図6(A)は複数の人が集まる場所で撮影された画像データである。図6(B)は旅先などで風景が撮影された画像データである。
【0036】
次に、撮影シーン検出部25において撮影シーンの検出を行い、制御部10は、撮影シーンの検出結果を入力する(ステップS2)。情報端末装置1では、カメラ部21にて実行する撮影に先立ち、ユーザ操作による手動設定などによって、撮影シーンが選択され設定されるものとする。撮影シーン設定においては、制御部10は、表示部36にシーン選択画面51を表示させる(図2参照)。そして、ユーザは、表示されたシーン選択画面51から、シーン選択ボタン25aを用いて、予め設けられた複数の撮影シーンの中から、撮影状況に最も近いと判断される撮影シーンを選択して設定する。撮影シーン検出部25は、撮影時の撮影シーンを取得し、制御部10に撮影シーン情報を出力する。
【0037】
例えば、撮影された画像データが図6(A)に示すものである場合、撮影シーンは「集合写真」であると考えられる。また、撮影された画像データが図6(B)に示すものである場合、撮影シーンは「旅行先(場所)」であると考えられる。
【0038】
次に、制御部10は、検出された撮影シーンに基づき、アップロード条件生成部13により、図3に示すアップロード条件を生成する(ステップS3)。前述したように、アップロード条件の生成においては、撮影位置(撮影開始位置)または撮影日時(撮影開始日時)が用いられる。さらに、制御部10は、生成したアップロード条件を参照し、送信タイミングを決定する(ステップS4)。決定された送信タイミングは、制御部10内のメモリに記憶する。
【0039】
上記送信タイミングは、前述したように、例えば、撮影シーンが「旅行先(場所)」であった場合、現在位置と撮影開始位置が異なるときに、同じ場所での撮影データが表示された後、自動アップロードを行うように設定される。また、「成長記録」である場合、日付が変更されたときに、1日分の撮影データが表示された後、自動もしくは選択指示によりアップロードを行うように設定される。なお、送信前に表示す撮影データは、撮影画像の画像データを縮小表示するサムネイル画像などを用いる。なお、撮影データとして表示する画像は、サムネイル画像ではなく、元の画像データを用いてもよい。また、撮影データは、複数枚ある場合、スライドショー表示などによって時系列に切り替わる画像としてもよい。
【0040】
また、撮影シーンが「観察記録」である場合、直ちにアップロードを行うように設定される。また、「集合写真」である場合、撮影画像から被写体の複数の人物を認識し、該当する人物の予め登録されているメールアドレスにそれぞれ自動送信するように設定される。また、「料理」である場合、撮影時間から一定時間が経過した後、この一定期間の撮影データが表示された後、自動もしくは選択指示によりアップロードを行うように設定される。
【0041】
そして、制御部10は、タイミング判定部14により、決定した送信タイミングに達したかどうかを判定する。ここでは、タイミング判定部14は、撮影された画像データ(撮影データ)を直ちにアップロードするか否かを判別する(ステップS5)。ここで、撮影シーンとして「観察記録」または「集合写真」が検出された場合、直ちにアップロードを行う処理を開始する。
【0042】
制御部10は、直ちにアップロードを行う場合、アップロード実行を報知する報知部の機能として、表示部36の表示画面に、アップロードお知らせ画面を表示させる(ステップS6)。図7は表示部36の画面に表示されるアップロードお知らせ画面を示す図である。アップロードお知らせ画面52には、「ただいまから、撮影データ****をアップロードします」のメッセージの他、サムネイル画像が表示される。なお、撮影データの「****」には、撮影データのファイル名が記述される。また、このとき、報知部の他の例として、音声入出力部38のスピーカから音による報知を行ってもよい。このように、アップロードお知らせ画面52によって、撮影データをアップロード(送信)することがユーザに報知される。
【0043】
この後、制御部10は、ブラウザ機能部11により、アップロード先保持部33に登録されているサーバ装置のURL、あるいは人物等のメールアドレスに対し、指定された撮影データをアップロードする指示を行う。そして、制御部10は、アップロード機能部12により、通信部31を介して撮影データのアップロードを実行する(ステップS7)。アップロードの実行後、制御部10は本処理を終了する。
【0044】
一方、制御部10は、ステップS5において直ちにアップロードを行わない場合、待受け状態に移行し(ステップS8)、本処理を終了する。
【0045】
図8は本実施形態における撮影動作の処理手順を示すフローチャートである。この撮影動作は、図5のステップS1におけるカメラ部21の撮影動作を詳しく示したものである。
【0046】
ユーザによって撮影指示がなされると、制御部10は、GPS受信部41から現在位置情報を取得し、これを撮影開始位置として位置情報記憶部16に記録する(ステップS11)。続いて、制御部10は、時計部45によって計時された現在日時情報を取得し、これを撮影開始日時として時間情報記憶部15に記録する(ステップS12)。
【0047】
次に、制御部10は、カメラ部21での撮影の実行を指示し、カメラ部21により撮影された画像データを撮影データ保持部23に保存する(ステップS13)。
【0048】
なお、撮影データ保持部23に保存される画像データには、撮影開始位置及び撮影開始日時の情報を付加し、撮影データの一部として取り扱うようにしてもよい。ここで、撮影される画像データが静止画像である場合、1回の撮影ごとに撮影開始位置及び撮影開始日時を記録する。一方、動画像である場合、撮影開始時に、1回だけ撮影開始位置及び撮影開始日時を記録する。なお、動画像において撮影終了位置及び撮影終了日時を合わせて記録してもよい。
【0049】
この後、制御部10は、カメラ部21による撮影が終了したか否かを判別する(ステップS14)。撮影が終了していない場合、制御部10はステップS13の処理に戻る。一方、撮影が終了した場合、制御部10は元の処理に復帰する。
【0050】
図9は本実施形態における待受け動作の処理手順を示すフローチャートである。図9の手順は、主に制御部10においてプログラムを実行することにより、各手順の処理が行われる。
【0051】
制御部10は、まず、撮影データ保持部23に保存されている未送信の画像データに対し、撮影シーンごとのアップロード条件を基に決定された送信タイミングを判定する(ステップS21)。
【0052】
制御部10は、アップロード条件に該当し送信タイミングに達したアップロードすべき画像データがあるか否かを判別する(ステップS22)。アップロードすべき画像データがある場合、制御部10は、表示部36にアップロードお知らせ画面52(図7参照)を表示させる(ステップS23)。
【0053】
次に、制御部10は、ブラウザ機能部11により、アップロード先保持部33に登録されているサーバ装置のURL、あるいは人物等のメールアドレスに対し、該当する画像データをアップロードする指示を行う。そして、制御部10は、アップロード機能部12により、通信部31を介して撮影データのアップロードを実行する(ステップS24)。アップロードの実行後、制御部10は本処理を終了する。
【0054】
一方、制御部10は、ステップS22においてアップロードすべき画像データがない場合、本処理を終了し、待受け状態を継続する。
【0055】
図10は本実施形態における撮影シーンごとの条件判定動作の処理手順を示すフローチャートである。この条件判定動作は、図9のステップS21における制御部10の動作を詳しく示したものである。
【0056】
制御部10は、まず、時計部45で計時される現在日時情報を取得する(ステップS31)。そして、制御部10は、取得した現在日時が送信タイミングに合致した画像データの有無を確認する(ステップS32)。この場合の送信タイミングとしては、所定時間が経過した場合、または日付が変更になった場合など、撮影シーンに応じて待受け後に時間変更によりアップロードする状況でのタイミングが挙げられる。このような時間変更による送信タイミングに対応する撮影シーンは、時間変更シーンに相当するものとする。
【0057】
ステップS32において現在日時が送信タイミングに合致した画像データがある場合、制御部10は、撮影シーンが時間変更シーンである撮影データが存在すると判断し、その画像データをアップロードすべき画像データとして特定する(ステップS36)。この後、制御部10は元の処理に戻る。
【0058】
一方、ステップS32において現在日時が送信タイミングに合致した画像データがない場合、制御部10は、GPS受信部41から現在位置情報を取得する(ステップS33)。そして、制御部10は、取得した現在位置が送信タイミングに合致した画像データの有無を確認する(ステップS34)。この場合の送信タイミングとしては、撮影場所が変更になった場合など、撮影シーンに応じて待受け後に場所移動によりアップロードする状況でのタイミングが挙げられる。このような場所移動による送信タイミングに対応する撮影シーンは、場所移動シーンに相当するものとする。
【0059】
ステップS34において現在位置が送信タイミングに合致した画像データがある場合、制御部10は、撮影シーンが場所移動シーンである撮影データが存在すると判断し、その画像データをアップロードすべき画像データとして特定する(ステップS35)。この後、制御部10は元の処理に戻る。
【0060】
一方、ステップS34において送信タイミングに合致した画像データがない場合、制御部10はそのまま元の処理に戻る。
【0061】
なお、アップロード条件としては、現在日時情報と現在位置情報の両方を条件とするものであってもよい。この場合、現在日時及び現在位置の両方が送信タイミングに合致した画像データの有無を判別することになる。
【0062】
上述したように、本実施形態の情報端末装置では、撮影シーンに応じて生成されたアップロード条件が満たされる送信タイミングを判定し、この送信タイミングで画像データを送信する。これにより、ユーザがアップロードのタイミングを逃したり、忘れたりすることなく、適切なタイミングで撮影した画像データを送信できる。また、撮影後直ちにアップロードする場合は、リアルタイム性を損なうことなく、アップロードすることができる。よって、適時画像を掲載する、あるいは生中継を行うなどの場合に、画像掲載をリアルタイムで実行できる。また、撮影シーンに応じて、適切なタイミングで簡単な操作によって画像データを送信できるので、アップロードに必要な操作を簡便にできる。
【0063】
なお、上記実施形態では、アップロード条件に従って送信タイミングを判定するために、現在位置及び現在日時の情報を用いたが、その他のカメラ部または撮影に関する情報、例えば装置の電池残量を用いてもよい。この場合、電池残量に応じて送信タイミングを判定し、電池残量が少ないときは、速やかにアップロードすることが可能となる。
【0064】
また、上記実施形態では、撮影シーンを検出する方法として、撮影前に表示部にシーン選択画面を表示させ、撮影シーンをユーザに選択させて設定したが、他の方法を用いてもよい。他の方法として、カメラ部で撮影された画像データを解析し、解析結果から撮影シーンを検出するなどが挙げられる。この場合、例えば、画像データに対して顔検出処理を施し、撮影された画像に含まれる顔の数が所定数以上である場合に撮影シーンを「集合写真」と判断する。また、特定の人物の顔を検出して「成長記録」と判断してもよい。また、例えば、撮影された画像データに画像処理を施し、被写体の色分布などから、水色が多い場合には「空」であると推定して撮影シーンを「旅行先」と判断し、また、肌色が多い場合には「赤ちゃん」であると推定して「成長記録」と判断することも可能である。
【0065】
また、撮影シーンを検出する方法として、撮影時のカメラ部の設定パラメータから撮影シーンを判断してもよい。例えば、撮影レンズの焦点距離が無限に設定されて撮影された場合、風景写真であるとして撮影シーンを「旅行先(場所)」と判断する。また、撮影レンズのズーム状態が望遠側で撮影された場合、行事の撮影であると推定して「成長記録」と判断してもよい。また、マクロ撮影である場合、「観察記録」または「料理」と判断してもよい。さらに、各種情報を複合的に用いて撮影シーンを判断することもできる。
【0066】
また、上記実施形態では、撮影シーンが「集合写真」である場合、登録された各人物のメールアドレスに画像データを送信したが、サーバ装置にアップロードする場合、撮影シーンごとにアップロード先を変更するようにしてもよい。
【0067】
また、上記実施形態では、撮影開始位置及び撮影開始日時の情報は、撮影された画像データごとに対応付けて情報端末装置に登録していたが、前述したように、画像データにこれらの情報を付加、あるいは埋め込みを行い、撮影データの一部として登録してもよい。
【0068】
また、上記実施形態では、情報端末装置として、カメラ部が搭載された携帯電話機またはスマートフォン等の撮影機能及び通信機能を有する電子機器に適用した構成例を示したが、その他の装置にも適用することも可能である。また、撮影機能を装置本体に有しない機器にも適用可能である。例えば、パーソナルコンピュータ等のネットワークを介した通信機能を有する情報端末装置に適用できる。この場合、通信インタフェース、記録媒体等を介して撮影された画像データを取り込み、アップロードする構成などにおいて、実施形態を同様に適用可能である。
【0069】
また、本発明は、上記実施形態の機能を実現するプログラムを、ネットワークまたは各種記憶媒体を介して情報端末装置に供給し、その装置内のコンピュータが読み出して実行するプログラム自体も適用範囲である。
【0070】
本発明に係る実施形態の種々の態様として、以下のものが含まれる。
撮影された画像データを送信する通信機能を有する情報端末装置であって、前記画像データの撮影シーンを検出する撮影シーン検出部と、前記撮影シーンに応じてアップロード条件を生成するアップロード条件生成部と、前記アップロード条件が満たされる場合の前記画像データの送信タイミングを判定するタイミング判定部と、前記送信タイミングにおいて前記画像データの送信を実行するアップロード機能部と、を備える情報端末装置。
上記構成により、ユーザがアップロードのタイミングを逃したり、忘れたりすることなく、適切なタイミングで撮影した画像データを送信可能となる。また、撮影シーンに応じて、適切なタイミングで簡単な操作によって画像データを送信可能であり、アップロードに必要な操作を簡便にすることができる。
【0071】
上記の情報端末装置であって、被写体を撮影して前記画像データを出力する撮影部を備える情報端末装置。
上記構成により、撮影部により撮影した画像データについて、撮影シーンに応じて適切なタイミングで簡便な操作によってアップロード先に送信することが可能となる。
【0072】
上記の情報端末装置であって、前記撮影シーン検出部は、前記画像データの撮影に際して設定された撮影シーンの設定情報を取得することにより、撮影シーンを検出する情報端末装置。
上記構成により、撮影時に設定された撮影シーンを取得し、この撮影シーンに基づき、アップロード条件と送信タイミングを判定し、画像データを送信することができる。
【0073】
上記の情報端末装置であって、前記撮影シーン検出部は、撮影時の撮影部の設定パラメータまたは前記画像データの解析結果に基づき、撮影シーンを検出する情報端末装置。
上記構成により、撮影時の撮影部の設定パラメータまたは画像データの解析結果に基づいて、撮影シーンを判定し、この撮影シーンに基づき、アップロード条件と送信タイミングを判定し、画像データを送信することができる。
【0074】
上記の情報端末装置であって、前記アップロード条件は、前記画像データの撮影時の位置情報と時間情報の少なくとも一方を用いて生成される、情報端末装置。
上記構成により、撮影時の位置情報または時間情報に基づいてアップロード条件を判定することにより、例えば現在位置が撮影位置から移動した場合、所定の時間が経過した場合などに、ユーザからの操作指示または自動的な処理実行によってアップロードを実行することができる。したがって、撮影シーンに応じたアップロード条件によって、適切なタイミングで画像データを送信できる。
【0075】
上記の情報端末装置であって、前記送信タイミングに該当する場合に前記画像データの送信実行を報知する報知部をさらに備える情報端末装置。
上記構成により、画像データのアップロードが実行されるときに、ユーザが認識できる。この際、例えばユーザがアップロード実行を指示したり、アップロードする画像データを選択するなどの操作が可能である。
【0076】
上記の情報端末装置であって、前記アップロード機能部は、前記送信タイミングに該当する場合に直ちに前記画像データの送信を実行する情報端末装置。
上記構成により、撮影シーンに応じたアップロード条件によって決定した送信タイミングにおいて、速やかに画像データを送信可能である。したがって、ユーザがアップロードのタイミングを逃したり、忘れたりすることなく、またリアルタイム性を損なうことなく、画像データのアップロードが可能である。
【0077】
上記の情報端末装置であって、前記画像データは静止画像または動画像のデータである情報端末装置。
上記構成により、撮影した静止画像または動画像の画像データを撮影シーンに応じた適切なタイミングでアップロードすることが可能となる。
【0078】
撮影された画像データを所定の送信先へ送信する情報端末装置における送信方法であって、前記画像データの撮影シーンを検出するステップと、前記撮影シーンに応じてアップロード条件を生成するステップと、前記アップロード条件が満たされる場合の前記画像データの送信タイミングを判定するステップと、前記送信タイミングにおいて前記画像データの送信を実行するステップと、を有する送信方法。
【0079】
撮影された画像データを送信する通信機能を有する情報端末装置において、前記画像データの撮影シーンを検出するステップと、前記撮影シーンに応じてアップロード条件を生成するステップと、前記アップロード条件が満たされる場合の前記画像データの送信タイミングを判定するステップと、前記送信タイミングにおいて前記画像データの送信を実行するステップと、をコンピュータに実行させるプログラム。
【0080】
なお、本発明は、本発明の趣旨ならびに範囲を逸脱することなく、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が様々な変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明は、適切なタイミングで撮影した画像データを送信可能にできる効果を有する。また、撮影した画像データのシーンに応じて、適切なタイミングで簡便な操作によって画像データを送信可能にできる効果を有する。よって、本発明は、例えばカメラ付き携帯電話機またはスマートフォン等のカメラ機能付き携帯端末など、撮影された画像情報を送信する情報端末装置等として有用である。
【符号の説明】
【0082】
1 情報端末装置
10 制御部
11 ブラウザ機能部
12 アップロード機能部
13 アップロード条件生成部
14 タイミング判定部
15 時間情報記憶部
16 位置情報記憶部
17 シーン判定テーブル
21 カメラ部
23 撮影データ保持部
25 撮影シーン検出部
25a シーン選択ボタン
31 通信部
33 アップロード先保持部
36 表示部
38 音声入出力部
41 GPS受信部
42 操作部
45 時計部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影された画像データを送信する通信機能を有する情報端末装置であって、
前記画像データの撮影シーンを検出する撮影シーン検出部と、
前記撮影シーンに応じてアップロード条件を生成するアップロード条件生成部と、
前記アップロード条件が満たされる場合の前記画像データの送信タイミングを判定するタイミング判定部と、
前記送信タイミングにおいて前記画像データの送信を実行するアップロード機能部と、
を備える情報端末装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報端末装置であって、
被写体を撮影して前記画像データを出力する撮影部を備える情報端末装置。
【請求項3】
請求項1に記載の情報端末装置であって、
前記撮影シーン検出部は、前記画像データの撮影に際して設定された撮影シーンの設定情報を取得することにより、撮影シーンを検出する情報端末装置。
【請求項4】
請求項1に記載の情報端末装置であって、
前記撮影シーン検出部は、撮影時の撮影部の設定パラメータまたは前記画像データの解析結果に基づき、撮影シーンを検出する情報端末装置。
【請求項5】
請求項1に記載の情報端末装置であって、
前記アップロード条件は、前記画像データの撮影時の位置情報と時間情報の少なくとも一方を用いて生成される、情報端末装置。
【請求項6】
請求項1に記載の情報端末装置であって、
前記送信タイミングに該当する場合に前記画像データの送信実行を報知する報知部をさらに備える情報端末装置。
【請求項7】
請求項1に記載の情報端末装置であって、
前記アップロード機能部は、前記送信タイミングに該当する場合に直ちに前記画像データの送信を実行する情報端末装置。
【請求項8】
請求項1に記載の情報端末装置であって、
前記画像データは静止画像または動画像のデータである情報端末装置。
【請求項9】
撮影された画像データを所定の送信先へ送信する情報端末装置における送信方法であって、
前記画像データの撮影シーンを検出するステップと、
前記撮影シーンに応じてアップロード条件を生成するステップと、
前記アップロード条件が満たされる場合の前記画像データの送信タイミングを判定するステップと、
前記送信タイミングにおいて前記画像データの送信を実行するステップと、
を有する送信方法。
【請求項10】
撮影された画像データを送信する通信機能を有する情報端末装置における送信方法を実行するプログラムであって、
前記画像データの撮影シーンを検出するステップと、
前記撮影シーンに応じてアップロード条件を生成するステップと、
前記アップロード条件が満たされる場合の前記画像データの送信タイミングを判定するステップと、
前記送信タイミングにおいて前記画像データの送信を実行するステップと、
をコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−199811(P2012−199811A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−63069(P2011−63069)
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】