説明

情報管理システム

【課題】顧客の個人情報を暗号化して容易に送信することができる情報管理システムを提供する。
【解決手段】情報送信装置12で原稿の画情報を読み取るだけで、プログラムの実行により、自動的にイメージデータが生成され、暗号化され、イメージデータがファイル形式でメール送信プロトコルによって情報受信装置14に送信される。情報受信装置14では、情報送信装置からのイメージデータを受信すると、復号化処理が実行され、所定の日付フォルダに移動されて格納される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、入会申込書などのデータを入力する際の入力作業を支援するための情報管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の店舗などでは、顧客が個人情報を記載した所定の申込書を1枚ずつあるいは数枚まとめて情報入力センタに配送したり、あるいは通信装置(例えば、ファクシミリなど)により送信する。情報入力センタでは、配送又はFAX送信されてきた申込書の内容を入力担当者が手作業にて文字情報として入力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−55316号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の方法では、FAXなどで送信する顧客の個人情報が流出するおそれがある。例えば、店舗の通信装置がコンピュータウイルスに犯されていたり、誤送信したときには、顧客の個人情報が第三者に伝わる。
【0005】
また、通信装置のセキュリティ機能を利用して、顧客の個人情報を閲覧不可能にするためのロックをかけたり、暗号化することも考えられるが、顧客の個人情報毎にかかる作業を行うと、手間になる。
【0006】
また、個人情報を配送すると、配送途中で個人情報を紛失したり、漏洩するおそれがある。また、トラックなどの車両を用いて個人情報を配送すると、排気ガスの増加に伴い、排気ガス中の二酸化炭素の放出量が増加して、環境資源に悪影響を与えることになる。さらに、トラックなどの車両を用いて個人情報を配送すると、コスト高になる。
【0007】
本発明は、上記問題を解決するためのものであり、顧客(例えば、顧客一人一人)の個人情報を暗号化して容易に送信することができる情報管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、原稿に記載された情報をイメージ画像として読み取り、暗号化してイメージデータとして送信する情報送信装置と、前記情報送信装置から送信されたイメージデータを受信して復号化する情報受信装置と、を有する情報管理システムであって、前記情報送信装置は、スキャナ機能により原稿に記載された情報をイメージ画像として読み取る情報読取部と、前記情報読取部で原稿に記載された情報が読み取られたときに直ちにイメージ画像に基づいてイメージデータを生成するデータ生成部と、前記データ生成部によりイメージデータが生成されたときに直ちにイメージデータに対して暗号化処理を実行する暗号化処理部と、前記暗号化処理部により暗号化されたイメージデータを前記情報受信装置に対して送信するデータ送信部と、を有し、前記情報受信装置は、前記データ送信部から送信されたイメージデータを受信するデータ受信部と、前記データ受信部によりイメージデータが受信されたときに直ちにイメージデータに対して復号化処理を実行する復号化処理部と、前記復号化処理部により復号化されたイメージデータを記憶するデータ記憶部と、を有することを特徴とする。
【0009】
前記情報送信装置と前記情報受信装置は、ネットワーク網(例えば、インターネットやイントラネットなど)に接続されており、前記情報送信装置の前記データ生成部は、イメージデータのファイルを作成し、前記情報送信装置の前記データ送信部は、前記ファイルをメール送信プロトコルによって送信することを特徴とする。
【0010】
前記情報受信装置は、前記情報送信装置の前記データ送信部から送信されたイメージデータの件数をカウントするカウント処理部と、前記カウント処理部によるカウント値を示したカウントデータを生成するデータ生成部と、前記データ生成部により生成されたカウントデータを前記情報送信装置に送信するデータ送信部と、を有することを特徴とする。
【0011】
前記情報送信装置は、前記情報送信装置の前記データ生成部で生成されたイメージデータを記憶するデータ記憶部と、前記情報送信装置の前記データ記憶部に記憶されたイメージデータを所定期間が経過したときに削除するデータ削除部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、顧客の個人情報を暗号化して容易に送信することができる。また、顧客の個人情報を紛失したり、外部に漏洩することを防止できる。さらに、原稿の個人情報をイメージデータとして送信することにより、情報管理が低コストで実現でき。さらに、イメージデータの送信で情報管理が実現できるため、車両などによる配送工程を排除することができ、二酸化炭素の放出量を削減して環境保護にも寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態の情報管理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態の情報管理システムの情報送信装置の制御処理工程を示すフローチャートである。
【図3】本発明の一実施形態の情報管理システムの情報受信装置の全体制御処理工程を示すフローチャートである。
【図4】本発明の一実施形態の情報管理システムの情報受信装置の受信処理工程を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の第1実施形態に係る情報管理システムについて、図面を参照して説明する。
【0015】
図1に示すように、情報管理システム10は、原稿に記載された情報をイメージ画像として読み取り、暗号化してイメージデータとして送信する情報送信装置12と、情報送信装置12から送信されたイメージデータを受信して復号化する情報受信装置14と、を有している。例えば、情報送信装置12は、各店舗に設置されており、情報受信装置14は、所定の情報入力センタの内部に設置されている。
【0016】
情報送信装置12は、スキャナ機能により原稿に記載された情報をイメージ画像として読み取る情報読取部12Aと、情報読取部12Aで原稿に記載された情報が読み取られたときに直ちにイメージ画像に基づいてイメージデータを生成するデータ生成部12Bと、データ生成部12Bによりイメージデータが生成されたときに直ちにイメージデータに対して暗号化処理を実行する暗号化処理部12Cと、暗号化処理部12Cにより暗号化されたイメージデータを情報受信装置14に対して送信するデータ送信部12Dと、データ生成部12Bで生成されたイメージデータを記憶するデータ記憶部12Eと、データ記憶部12Eに記憶されたイメージデータを所定期間が経過したときに削除するデータ削除部12Fと、これらの各部を統括的に制御する制御部12Gと、各部を実行するための各種実行プログラム(ソフトウエア)を格納したメモリ12Hと、所定の情報を表示するディスプレイ12Iと、を有している。情報送信装置12は、ネットワーク網(例えば、インターネットあるいはイントラネットなど)に接続されている。
【0017】
具体的には、情報送信装置12の情報読取部12Aは、原稿の画情報をイメージ画像として読み取ることができるスキャナ装置で構成されている。スキャナ装置の動作ボタンを押すことにより、セットされた原稿が1枚ずつスキャンされて、それぞれの画情報がイメージ画像として読み取られる。
【0018】
情報送信装置12の情報読取部以外の上記構成要素は、例えば、端末装置に設けられている。端末装置は、ネットワーク網(例えば、インターネットあるいはイントラネットなど)に接続されている。なお、スキャナ装置と端末装置とは、別体である構成を示したが、単一の装置で構成されていてもよい。
【0019】
データ生成部12Bは、情報読取部12Aで原稿に記載された画情報が読み取られたときに直ちにそのイメージ画像に基づいてイメージデータを生成する。このイメージデータは、ファイルの形式で所定時間だけデータ記憶部12Eに格納される。なお、データ生成部12Bは、例えば、CPUで構成されている。CPUがメモリに予め格納されていたデータ生成プログラムに基づいて、イメージデータを生成する。データ記憶部12Eは、例えば、イメージデータを保管するための日付フォルダを作成し、読み取ったイメージデータを日付フォルダに保管する。このとき、日付フォルダに保管期間を設定することも可能である。
【0020】
暗号化処理部12Cは、データ生成部12Bによりイメージデータが生成されたときに直ちにイメージデータに対して暗号化処理を実行する。暗号化処理部12Cは、所定のパスワードファイルにより、暗号化処理を行う。なお、暗号化処理部12Cは、例えば、CPUで構成されている。CPUがメモリに予め格納されていた暗号化プログラムに基づいて、イメージデータ(ファイル)を暗号化する。これにより、第三者がイメージデータ(ファイル)の内容を確認することができず、セキュリティ機能を実現することができる。
【0021】
データ送信部12Dは、暗号化処理部12Cにより暗号化されたイメージデータを情報受信装置14に対して送信する。すなわち、データ送信部12Dは、暗号化処理部12Cにより暗号化された後、直ちにイメージデータを情報受信装置14に対して1件ずつ送信する。なお、イメージデータの送信タイミングは、イメージデータの件数が予め設定された件数値になってからでもよいし、所定時間が経過してからでもよい。
【0022】
ここで、情報送信装置12と情報受信装置14がネットワーク網(例えば、インターネットあるいはイントラネットなど)に接続されている構成では、メール送信プロトコルを利用してイメージデータを送受信することが可能になる。例えば、生成されたイメージデータを格納したファイルをメール送信プロトコルによって情報受信装置14に送信できる。このとき、複数個所へ同時に送信できる機能により、予め設定されていた複数の情報受信装置14(宛先)に対してファイルを同時に送信することも可能である。なお、アウトルックなどのアプリケーションソフトを使用して、ファイルを添付した電子メールにより送信することも可能である。
【0023】
また、送信エラーが発生した場合には、読み取られたイメージデータの送信処理が待機状態になり、次回、別のイメージデータが送信されるときに同時に再送信される(イメージデータの再送信機能)。
【0024】
データ削除部12Fは、データ記憶部12Eに記憶されたイメージデータ(ファイル)を所定期間が経過したときに削除する。すなわち、データ削除部には、時間を計測するタイマが内蔵されており、タイマにより所定時間がカウントされた後、データ記憶部12Eに記憶されたイメージデータ(ファイル)を削除する。なお、データ削除部12Fは、例えば、CPUで構成されている。CPUがメモリに予め格納されていたデータ削除プログラムに基づいて、イメージデータ(ファイル)をデータ記憶部から削除する。
【0025】
制御部12Gは、情報送信装置12の全体の制御を司るものである。特に、本発明の情報管理システム10の情報送信装置12は、原稿の画情報が情報読取部12Aにより読み取られた後、直ちに、データ生成部12Bによりイメージデータが生成される。そして、イメージデータ(ファイル)が生成されると、直ちに、暗号化処理部12Cによってイメージデータ(ファイル)が暗号化される。さらに、暗号化処理部12Cによってイメージデータ(ファイル)が暗号化されると、データ送信部12Dによってイメージデータがメール送信プロトコルによって情報受信装置14に対して送信される。このようにして、情報送信者は、各店舗において、専用のソフトウエアをインストール(プログラム)した情報送信装置12により原稿を読み取らせるだけで、自動的に、原稿の画情報をイメージデータとして情報入力センタの情報受信装置14に送信することが可能になる。すなわち、情報送信者が店舗に設置されている情報送信装置12によって原稿を読み取らせるだけで、プログラムの実行により、瞬時に、情報入力センタ内の情報受信装置14にイメージデータが送信される。
【0026】
ディスプレイ12Iは、例えば、液晶表示部で構成されており、送信エラー情報、読取エラー情報、データ記憶部に記憶されているイメージデータの画情報やファイル状態などを表示する。情報送信者は、ディスプレイを見ながら、イメージデータの閲覧、イメージデータ(ファイル)の日付及び件数の確認、イメージデータ(ファイル)の削除などの処理を行うことができる。
【0027】
情報受信装置14は、情報送信装置12のデータ送信部12Dから送信されたイメージデータを受信するデータ受信部14Aと、データ受信部14Aによりイメージデータが受信されたときに直ちにイメージデータに対して復号化処理を実行する復号化処理部14Bと、復号化処理部14Bにより復号化されたイメージデータを記憶するデータ記憶部14Cと、情報送信装置12のデータ送信部12Dから送信されたイメージデータの件数をカウントするカウント処理部14Dと、カウント処理部14Dによるカウント値を示したカウントデータを生成するデータ生成部14Eと、データ生成部14Eにより生成されたカウントデータを情報送信装置12に対して送信するデータ送信部14Fと、これらの各部を統括的に制御する制御部14Gと、各部を実行するための各種実行プログラム(ソフトウエア)を格納したメモリ14Hと、所定の情報を表示するディスプレイ14Iと、を有している。
【0028】
データ受信部14Aは、所定の時間間隔で情報送信装置12のデータ送信部12Dから送信されたイメージデータ(ファイル)を受信する。
【0029】
復号化処理部14Bは、データ受信部14Aによりイメージデータ(ファイル)が受信されたときに直ちにイメージデータ(ファイル)に対して復号化処理を実行する。復号化処理部14Bは、所定のパスワードファイルにより復号化処理を行う。なお、復号化処理部14Bは、例えば、CPUで構成されている。CPUがメモリに予め格納されていた復号化プログラムに基づいて、イメージデータ(ファイル)を復号化する。これにより、情報入力者は、暗号化されていたイメージデータ(ファイル)の情報を確認することができる。
【0030】
データ記憶部14Cは、復号化処理部14Bにより復号化されたイメージデータを記憶する。復号化されたイメージデータは、ファイル形式で記憶されてもよい。例えば、イメージデータを保管するための日付フォルダを作成し、受信したイメージデータを日付フォルダに保管する。このとき、送信元メールアカウント、受信時間、保管先、受信結果を記録するようにしてもよい。
【0031】
カウント処理部14Dは、情報送信装置12のデータ送信部12Dから送信されてきたイメージデータ(ファイル)の件数をカウントしたり、情報送信装置12に受信件数を報告するための集計時刻をカウントする。なお、カウント処理部14Dは、例えば、CPUで構成されている。CPUがメモリに予め格納されていた演算プログラムに基づいて、イメージデータ(ファイル)の件数をカウントする。
【0032】
データ生成部14Eは、カウント処理部14Dによるカウント値を示したカウントデータ(テキストデータ)を生成する。これにより、情報送信装置12から送信されてきたイメージデータ(ファイル)の件数が特定されたテキストデータ(カウントデータ)が生成される。なお、データ生成部14Eは、例えば、CPUで構成されている。CPUがメモリに予め格納されていたデータ生成プログラムに基づいて、テキストデータを作成する。データ生成部14Eは、受信したイメージデータのタイトル一覧(受信リスト)を作成し、このタイトル一覧をテキストデータの内部に挿入してもよいし、別のファイルにイメージデータのタイトル一覧を作成してもよい。
【0033】
データ送信部14Fは、データ生成部14Eにより生成されたテキストデータを情報送信装置12に対して送信する。また、データ送信部14Fは、上記タイトル一覧を、カウント値を示したカウントデータ(テキストデータ)の内部に挿入して送信してもよいし(カウントデータとタイトル一覧の両方が記載された単一のテキストデータ)、カウント値を示したカウントデータ(テキストデータ)と別のファイルで作成したタイトル一覧の2つのテキストデータを同時に送信してもよい。なお、テキストデータの送信タイミングは、所定時間(例えば、毎日午後7時)が経過した後に設定されている。
【0034】
ここで、情報送信装置12と情報受信装置14がネットワーク網(例えば、インターネットあるいはイントラネットなど)に接続されている構成では、メール送信プロトコルや電子メールを利用してテキストデータを送受信することが可能になる。例えば、生成されたテキストデータを格納したファイルを電子メールに添付して情報送信装置12に送信することが好ましい。このとき、複数宛先に対する同時送信機能により、予め設定されていた複数のメールアドレス(宛先)に対してファイルを送信することも可能である。
【0035】
制御部14Gは、情報受信装置14の全体の制御を司るものである。特に、本発明の情報管理システム10の情報受信装置14は、イメージデータ(ファイル)を受信したときに直ちにイメージデータ(ファイル)に対して復号化処理を実行する。
【0036】
ディスプレイ14Iは、例えば、液晶表示部で構成されており、受信エラー情報、データ記憶部に記憶されているイメージデータの画情報やファイル状態、テキストデータの内容などを表示する。情報入力者は、イメージデータの情報をディスプレイ14Iに表示させて、イメージデータに記載されている個人情報を文字情報(電子情報)として入力することができる。また、情報入力者は、ディスプレイを見ながら、イメージデータ(ファイル)やテキストデータの削除などの処理を行うことができる。
【0037】
なお、情報入力者により入力された個人情報は、所定のサービスに提供される。
【0038】
次に、本発明の情報管理システムの各制御処理工程をフローチャートに基づいて説明する。
【0039】
先ず、情報送信装置12の制御処理工程の一例を説明する。図2に示すように、情報送信装置12のボタン操作によりスキャナ起動が実行される(S100)。次に、データ生成部12Bにより日付フォルダが作成される(S110))。そして、データ削除部12Fにより保管期間が経過した日付フォルダがデータ記憶部12Eから削除される(S120)。
【0040】
次に、制御部12Gによりスキャニングデータ(原稿の読取データ)の有無が判別される(S130)。スキャニングデータが無ければ、フローが終了する。
【0041】
スキャニングデータが有れば、制御部12Gによりスキャニングデータの枚数がカウントされる(S140)。そして、スキャニングデータの枚数が0よりも大きければ(S150:YES)、データ生成部12Bによりイメージデータ(ファイル)が生成される(S160)。なお、生成されたイメージデータ(ファイル)は、データ記憶部12Eに記憶される。そして、データ生成部12Bにより生成されたイメージデータ(ファイル)が暗号化処理部12Cにより暗号化される(S170)。暗号化の処理後、データ送信部12Dにより暗号化されたイメージデータ(ファイル)が1件ずつ情報受信装置14に対して送信される(S180)。ここで、暗号化されたイメージデータ(ファイル)は、メール送信プロトコルによって送信される。なお、ファイルを電子メールに添付して送信することも可能である。
【0042】
次に、制御部12G(あるいはデータ送信部12D)によりイメージデータの送信リスト(イメージ送信リスト)が更新される(S190)。そして、制御部12G(あるいはデータ送信部12D)により正常に送信されたか否かが判断される(S200)。正常に送信された場合には、送信されたイメージデータが日付フォルダに移動されて(S210)、S150の直前に移行する。
【0043】
次に、情報受信装置14の全体制御処理工程の一例を説明する。図3に示すように、データ生成部14Eにより日付フォルダが作成される(S300)。そして、カウント処理部14D(あるいは制御部14G)により所定の集計時刻であるか否かが判断される(S310)。所定の集計時刻であれば、データ生成部14Eにより生成されたカウントデータ(テキストデータ)とタイトル一覧のテキストデータ(受信リスト)を電子メールに添付して情報送信装置12に送信する(S320)。さらに、イメージデータの集計結果を所定の連絡先に電子メールなどにより報告する(S330)。
【0044】
次に、情報送信装置12から送信されたイメージデータがデータ受信部14Aで受信されたか否かが判断される(S340)。なお、S310において、所定の集計時刻でなければ、S320及びS330を経ずに、そのままS340に移行する。
【0045】
情報送信装置12から送信されたイメージデータがデータ受信部14Aで受信された場合には、受信処理が実行される(S350)。なお、受信処理の各工程については、図4に示すフローチャートに基づいて後述する。
【0046】
受信処理の後、制御部14Gにより、受信したイメージデータ内の識別コード(一例として、QRコード(登録商標)やバーコードなど)であらわす文字列をフォルダ名として分類する(S360)。
【0047】
情報受信装置14のディスプレイ14Iに、データ受信部14Aで受信された情報送信装置12からのイメージデータの受信件数及び直前に受信した受信時刻が表示される(S370)。なお、S340で情報送信装置12から送信されたイメージデータがデータ受信部14Aで受信されていない場合には、S350及びS360を経ずに、S370に移行する。その後、一定時間待機(S380)の後、S300に戻る。
【0048】
次に、情報受信装置14の受信処理の一例を説明する。図4に示すように、データ受信部14Aによりイメージデータが受信される(S400)。データ受信部14Aは、所定の時間間隔で情報送信装置12のデータ送信部12Dから送信されたイメージデータ(ファイル)を受信する。
【0049】
イメージデータの受信件数が0よりも多くなれば(S410:YES)、受信したファイルのタイプが制御部14Gにより判別され(S420:YES)、問題がなければ、イメージデータが復号化処理部14Bにより復号化される(S430)。次に、図3のS300で作成した日付フォルダに、復号化されたイメージデータが移動される(S440)。そして、イメージデータの受信リストがデータ生成部14Eにより更新される(S450)。なお、S450により更新された受信リストは、図3のS320において、情報送信装置12への報告の際に使用される。そして、受信結果が記録され(S460)、終了する。
【0050】
なお、S410においてイメージデータの受信件数が0よりも多くなければ(すなわち、イメージデータの受信件数が0であれば)、又はS420においてイメージデータのファイルに問題があれば、直ちに終了する。
【0051】
以上のように、本発明の情報管理システム10によれば、情報送信装置12で原稿の画情報を読み取るだけで、プログラムの実行により、自動的にイメージデータが生成され、暗号化される。そして、自動的に、イメージデータがファイル形式でメール送信プロトコルによって情報受信装置14に送信される。情報受信装置14では、情報送信装置からのイメージデータを受信すると、復号化処理が実行される。そして、所定の日付フォルダに移動されて格納される。なお、情報受信装置14で受信したイメージデータは、復号化処理後、イメージデータとしてディスプレイ14Iに表示される。入力担当者がディスプレイ14I上のイメージデータを参照して、その個人情報を文字情報として入力する。このようにして、原稿に記載された個人情報が文字情報として入力され、所定の管理が行われる。
【0052】
このようにして、本発明の情報管理システム10によれば、店舗において顧客の個人情報を情報送信装置12により暗号化して、直ちに、メール送信プロトコルを利用して情報入力センタに送信することができる。暗号化や復号化がプログラムにより実行されるため、セキュリティ機能を強化することができるとともに、情報送信者及び情報入力者が端末装置を手動で操作して暗号化及び復号化する作業がなくなり、手間を大幅に省くことができる。
【0053】
特に、顧客の個人情報をイメージデータの形式でファイルを作成し、メール送信プロトコルを利用してファイルを送信することにより、既存のネットワーク設備(例えば、インターネットあるいはイントラネットなどが使用可能な設備))と専用のソフトウエアがあれば容易に実施することができる。特に、店舗に設置される情報送信装置12のハード面については、ネットワーク設備が整った端末装置があれば、それを利用して使用することができる。
【0054】
情報送信装置12には、情報受信装置14におけるイメージデータの受信件数及びタイトル一覧を示したテキストデータが受信レポートとして電子メールなどで送信されてくるため、情報受信装置14に送信したファイル数と比較することにより、情報受信装置14に正常に受信されているか否かを確認することができる。これにより、イメージデータの送受信を確実に実行することができる。
【0055】
情報送信装置12で生成されたイメージデータのファイルは、所定時間が経過してから自動的に削除されるため、顧客情報が情報送信装置12に残り続けることがない。これにより、顧客情報の外部流出を防止することができ、システムのセキュリティ機能を高めることができる。
【0056】
さらに、本実施形態の情報管理システム10によれば、車両による配送工程を削除できるため、顧客の個人情報を紛失したり、外部に漏洩することを防止できる。また、原稿の個人情報をイメージデータとして送信することにより、情報送信及び情報管理が低コストで実現できる。また、車両による配送工程が不要となるため、二酸化炭素の放出量を削減でき、環境保護にも寄与することができる。
【符号の説明】
【0057】
10 情報管理システム
12 情報送信装置
12A 情報読取部
12B データ生成部
12C 暗号化処理部
12D データ送信部
12E データ記憶部
12F データ削除部
14 情報受信装置
14A データ受信部
14B 復号化処理部
14C データ記憶部
14D カウント処理部
14E データ生成部
14F データ送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿に記載された情報をイメージ画像として読み取り、暗号化してイメージデータとして送信する情報送信装置と、前記情報送信装置から送信されたイメージデータを受信して復号化する情報受信装置と、を有する情報管理システムであって、
前記情報送信装置は、スキャナ機能により原稿に記載された情報をイメージ画像として読み取る情報読取部と、前記情報読取部で原稿に記載された情報が読み取られたときに直ちにイメージ画像に基づいてイメージデータを生成するデータ生成部と、前記データ生成部によりイメージデータが生成されたときに直ちにイメージデータに対して暗号化処理を実行する暗号化処理部と、前記暗号化処理部により暗号化されたイメージデータを前記情報受信装置に対して送信するデータ送信部と、
を有し、
前記情報受信装置は、前記データ送信部から送信されたイメージデータを受信するデータ受信部と、前記データ受信部によりイメージデータが受信されたときに直ちにイメージデータに対して復号化処理を実行する復号化処理部と、前記復号化処理部により復号化されたイメージデータを記憶するデータ記憶部と、
を有することを特徴とする情報管理システム。
【請求項2】
前記情報送信装置と前記情報受信装置は、ネットワーク網に接続されており、
前記情報送信装置の前記データ生成部は、イメージデータのファイルを作成し、
前記情報送信装置の前記データ送信部は、前記ファイルをメール送信プロトコルによって送信することを特徴とする請求項1に記載の情報管理システム。
【請求項3】
前記情報受信装置は、前記情報送信装置の前記データ送信部から送信されたイメージデータの件数をカウントするカウント処理部と、前記カウント処理部によるカウント値を示したカウントデータを生成するデータ生成部と、前記データ生成部により生成されたカウントデータを前記情報送信装置に送信するデータ送信部と、を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報管理システム。
【請求項4】
前記情報送信装置は、
前記情報送信装置の前記データ生成部で生成されたイメージデータを記憶するデータ記憶部と、
前記情報送信装置の前記データ記憶部に記憶されたイメージデータを所定期間が経過したときに削除するデータ削除部と、
を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−135052(P2012−135052A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−83604(P2012−83604)
【出願日】平成24年4月2日(2012.4.2)
【基礎とした実用新案登録】実用新案登録第3162337号
【原出願日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【出願人】(510169790)株式会社ハーレー (1)
【Fターム(参考)】