説明

情報表示システム

【課題】 ディスプレイ情報の保存、表示がより簡便な情報表示システムを提供する。
【解決手段】本発明によれば、ディスプレイと、タッチパネルと、前記タッチパネルに入力された位置情報を検出する検出部と、前記検出部が検出した位置情報の軌跡に基づいてユーザーの署名情報を認識する署名情報認識部と、前記署名情報認識部が認識した署名情報と前記ディスプレイに表示されたディスプレイ情報とを関連づけて記憶する記憶部とを備える情報表示システムが提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報表示システムに関し、特にタッチパネル付きインフォメーションディスプレイシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
情報表示システムにおいて、タッチパネル付きインフォメーションディスプレイパネル(IDP)が文字や図画(図絵)の描画に用いられている。インフォメーションディスプレイパネルに描画した文字等は、通常記録用紙に印刷するか、インフォメーションディスプレイパネルに接続されたパソコンに出力され、ハードディスクやメモリー等の記憶装置にデータとして保存されている。
【0003】
例えば、入力ペンとして機能するプローブと、ディスプレイ装置と、前記ディスプレイ装置の画面上に近接して配設され、前記プローブが当接されるタッチパネルと、前記タッチパネルにおける前記プローブの当接位置座標を検知するタッチパネルコントローラーとを備える電子式ホワイトボードが知られている(例えば、特許文献1参照)。この電子式ホワイトボードは、前記タッチパネルにおける前記プローブによる筆記内容の情報を記憶する記憶手段を備え、記憶させた筆記内容の情報をディスプレイ装置の画面上に表示させる。このような電子式ホワイトボードは、例えば、ユーザーがキーボードを用いて、記憶手段(ハードディスクドライブ(HDD)装置等)の保存場所やファイル名を指定することにより、筆記内容の情報を記憶手段に記憶させたり、同情報をディスプレイ装置の画面上に表示させたりする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−232033号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の電子式ホワイトボードは、記憶手段の保存場所等を指定する必要があり、筆記内容等のディスプレイ情報を保存したり表示したりする作業に手間がかかる。特に、従来の電子式ホワイトボードは、会社や学校の共有スペースに置かれて、多数の者が使用するので、ディスプレイ情報を記憶手段(HDD装置等)に保存する場合でも、その管理が煩雑である。このため、ディスプレイ情報の保存、表示がより簡便な情報表示システムが望まれている。また、ディスプレイ情報の管理がより容易な情報表示システムが望まれている。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、ディスプレイ情報の保存、表示がより簡便な情報表示システムを提供するものである。また、ディスプレイ情報の管理がより容易な情報表示システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、ディスプレイと、タッチパネルと、前記タッチパネルに入力された位置情報を検出する検出部と、前記検出部が検出した位置情報の軌跡に基づいてユーザーの署名情報を認識する署名情報認識部と、前記署名情報認識部が認識した署名情報と前記ディスプレイに表示されたディスプレイ情報とを関連づけて記憶する記憶部とを備える情報表示システムが提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明の情報表示システムは、ディスプレイと、タッチパネルと、前記タッチパネルに入力された位置情報を検出する検出部と、前記検出部が検出した位置情報の軌跡に基づいてユーザーの署名情報を認識する署名情報認識部とを備えるので、ユーザーはタッチパネルを用いて自身の署名情報を本情報表示システムに入力できる。このため、本情報表示システムは、署名情報の入力や署名情報の管理が簡便である。さらに、本情報表示システムは前記署名情報認識部が認識した署名情報と前記ディスプレイに表示されたディスプレイ情報とを関連づけて記憶する記憶部とを備えるので、どのディスプレイ情報がどのユーザーに関するものであるか判別が容易である。このため、本情報表示システムは、ユーザーの署名情報でディスプレイ情報を保存、表示、管理できる。
従って、本発明によれば、ディスプレイ情報の保存、表示がより簡便な情報表示システムが提供され、ディスプレイ情報の管理がより容易な情報表示システムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態に係る情報表示システムの全体図及びブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る情報表示システムの署名によるデータ管理の処理フローを示す図である。
【図3】図2の処理フローの続く処理フローを示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る情報表示システムのICカードによるデータ管理の処理フローを示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る情報表示システムのディスプレイに表示される画像の例を示す図である。
【図6】署名によるデータ管理(データ書き込み)の処理フローにおいて、ディスプレイに表示される画像を示す図である。
【図7】署名によるデータ管理(データ書き込み)の処理フローにおいて、ディスプレイに表示される画像を示す図である。
【図8】署名によるデータ管理(データ読み出し)の処理フローにおいて、ディスプレイに表示される画像を示す図である。
【図9】署名によるデータ管理(データ読み出し)の処理フローにおいて、ディスプレイに表示される画像を示す図である。
【図10】署名によるデータ管理(データ読み出し)の処理フローにおいて、ディスプレイに表示される画像を示す図である。
【図11】ICカードによるデータ管理(データ読み出し)の処理フローにおいて、ディスプレイに表示される画像を示す図である。
【図12】ICカードによるデータ管理(データ書き込み)の処理フローにおいて、ディスプレイに表示される画像を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の情報表示システムは、ディスプレイと、タッチパネルと、前記タッチパネルに入力された位置情報を検出する検出部と、前記検出部が検出した位置情報の軌跡に基づいてユーザーの署名情報を認識する署名情報認識部と、前記署名情報認識部が認識した署名情報と前記ディスプレイに表示されたディスプレイ情報とを関連づけて記憶する記憶部とを備える。
【0011】
ここで、前記記憶部は、署名情報とディスプレイ情報とを関連づけて記憶するが、他の情報をさらに関連づけてもよい。例えば、前記記憶部に記憶するときの時刻情報(年月日及び時刻等)をさらに関連づけて記憶してもよいし、ディスプレイ情報を記憶する毎にその回数をカウントして連続番号をさらに関連づけて記憶してもよい。この場合、ユーザーはタッチパネルを用いて自身の署名情報を入力するだけで、ディスプレイ情報の管理が可能である。
また、前記タッチパネルは、例えば、前記ディスプレイに対向して配置され、前記情報表示システムには、例えば、タッチパネル付きインフォメーションディスプレイシステムが含まれる。
【0012】
また、本発明の実施形態において、前記構成に加え、前記署名情報認識部が署名情報を認識したときに、既に一致する署名情報が前記記憶部に記憶されているかを判定する署名情報判定部を備えてもよい。
【0013】
このような実施形態であれば、予め署名情報を記憶部に記憶させておき、前記署名情報判定部に署名情報が一致するかを判定させることにより、ユーザーは一致する署名情報と関連づけられたディスプレイ情報を読み出すことができ、ディスプレイ情報の管理が容易となる。
【0014】
例えば、本発明の実施形態において、前記構成に加え、前記ディスプレイは、前記署名情報判定部が一致すると判定した場合に、その署名情報に関連づけられ、前記記憶部に記憶されているディスプレイ情報を表示してもよい。
【0015】
また、本発明の実施形態において、前記署名情報のほか、ユーザー認証情報を用いてもよい。例えば、一実施形態において、前記構成に加え(又は前記署名情報に代えて)、ユーザー認証情報を用いてもよい。例えば、記録媒体からユーザー認証情報を読み取る読み取り部と、前記読み取り部が読み取ったユーザー認証情報を判定するユーザー認証情報判定部とを備え、前記記憶部は、少なくとも1つのユーザー認証情報を記憶し、前記ユーザー認証情報判定部は、前記読み取り部がユーザー認証情報を読み取ったときに、一致するユーザー認証情報が前記記憶部に記憶されているかを判定してもよい。
【0016】
このような実施形態であれば、例えば、ICカード等の記録媒体に予めユーザー認証情報を記憶させておき、ユーザーは、この記録媒体でユーザー認証させて、各ユーザーのディスプレイ情報を管理できる。
ここで、記憶部は、署名情報、署名情報に関連づけられたディスプレイ情報、及びユーザー認証情報が記憶されるが、これらは一つの記憶部に記憶されてもよいし、別々の記憶部に記憶されてもよい。
また、記録媒体は、前記記憶部と別々に構成され、例えば、前記記録媒体をユーザーが携帯して用いる。
【0017】
例えば、本実施形態(ユーザー認証情報を用いる形態)において、前記記憶部は、前記ユーザー認証情報判定部が一致すると判定した場合に、そのユーザー認証情報と前記ディスプレイに表示されたディスプレイ情報とを関連づけて記憶してもよい。また、前記ディスプレイは、前記ユーザー認証情報判定部が一致すると判定した場合に、そのユーザー認証情報に関連づけられ、前記記憶部に記憶されているディスプレイ情報を表示してもよい。
【0018】
また、本実施形態(ユーザー認証情報を用いる形態)において、ユーザー認証情報のほか、記録媒体情報を用いてもよい。すなわち、一実施形態において、前記読み取り部は、記録媒体からユーザー認証情報及び記録媒体情報を読み取り、前記記憶部は、前記ユーザー認証情報判定部が一致すると判定した場合に、前記読み取り部が読み取った記録媒体情報と前記ディスプレイに表示されたディスプレイ情報とを関連づけて記憶してもよい。
ここで、記憶部は、記録媒体情報と、これに関連づけられたディスプレイ情報とが記憶されるが、上記で説明したように、他の情報と同じ、1つの記憶部に記憶されてもよいし、別々の記憶部に記憶されてもよい。
【0019】
このような実施形態であれば、記録媒体情報として、例えば、ICカード情報を用いてカード毎にディスプレイ情報を管理できる。より具体的には、例えば、1人のユーザーが1つのユーザー認証情報に対して複数のICカードを利用でき、カード毎に、ディスプレイにディスプレイ情報のリストを表示したり、ディスプレイ情報それ自体を表示したりできる。
【0020】
例えば、本実施形態(ユーザー認証情報を用いる形態)において、前記構成に加え、前記ディスプレイは、前記ユーザー認証情報判定部が一致すると判定した場合に、前記記憶部に記憶され、前記読み取り部が読み取った記録媒体情報に関連づけられたディスプレイ情報を表示してもよい。
【0021】
ここで、本実施形態(ユーザー認証情報を用いる形態)において、前記記録媒体は、例えばICカードであってもよい。非接触で読み取り、書き込みができる記録媒体であれば、より簡便に利用できる情報表示システムが提供される。
【0022】
また、本発明の実施形態において、前記発明の構成に加え、前記ディスプレイは、前記記憶部にディスプレイ情報を記憶するときに、前記ディスプレイ情報の表示を消去してもよい。
【0023】
このような実施形態であれば、ディスプレイに表示された前記ディスプレイ情報を前記記憶部に記憶するとともに、そのディスプレイ情報を前記ディスプレイの表示から消去するので、ディスプレイにディスプレイ情報が表示されたまま放置されることがない。従って、本情報表示システムが共有スペースに置かれて、多数の者が使用する場合でも、本実施形態によれば、不特定多数の者にディスプレイ情報が不用意にさらされることがない。
【0024】
なお、本発明の実施形態に係るディスプレイは、例えば、前記検出部が検出した位置情報の軌跡に基づいて作成された画像情報を表示する。具体的には、本ディスプレイは、タッチパネルを用いてユーザーが入力した図画や文字(いわゆる手書き文字等)を表示する。この画像情報には、写真やグラフ等、他のソフトウエアで作成された画像に、タッチパネルを用いてユーザーが入力した図画や文字が重なって描画された画像が含まれる。従って、本ディスプレイは、上記位置情報の軌跡に基づいて作成された画像情報を含む画像を表示すればよい。
【0025】
次に、図面を用いて実施形態について説明する。なお、以下の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、この発明を限定するものと解されるべきではない。
【0026】
〔実施形態〕
(情報表示システムの構成)
図1は、本発明の実施形態に係る情報表示システムの全体図及びブロック図である。図1の(1)が情報表示システムの外観を示す全体図であり、図1の(2)が情報表示システムのハードウエアのブロック図である。
【0027】
図1に示すように、この発明の実施形態に係る情報表示システムは、ディスプレイの表示部10と、ディスプレイ10に対向するタッチパネル20と、これらを制御する制御部30と、制御部30に制御される記憶部40と、ICカード読み取り部50(読み取り部)とを備えている。この情報表示システムは、いわゆるタッチパネル付きインフォメーションディスプレイパネル(IDP)であり、図1の(1)に示すように、ほぼ同じ大きさの、ディスプレイの表示部10及びタッチパネル20の入力面が互いにほぼ平行に配置されて構成されている。この情報表示システムは、このような配置により、タッチパネルから入力されたユーザーの署名情報(いわゆるサイン)を用いて、表示部10に表示された画像や記憶部40に保存(記憶)された画像を管理する。
【0028】
ディスプレイ及びタッチパネル20は、互いに対向するように配置され、タッチパネル20にタッチペン等を用いてユーザーが接触すると、タッチパネル20に入力された平面的な位置情報(タッチパネル20平面におけるタッチペン等の位置座標)が検出されるように構成されている。すなわち、ディスプレイの表示部10とタッチパネル20の入力面とが略平行に配置され、制御部30からディスプレイに、表示画像の信号(ディスプレイ情報)が入力され、かつタッチパネル20から制御部30にタッチされた位置情報の信号(位置座標)が出力されるように、ディスプレイとタッチパネル20とが制御部30に接続されている。表示部10における平面上の位置関係がタッチパネル20の入力面における平面上の位置関係に1対1に対応しているので、タッチパネル20における位置情報信号から表示部10のタッチされた位置情報(位置座標)が検出できることになる。
【0029】
ここで、ディスプレイは、図形等の画像を表示する平面ディスプレイであれば特に制限されない。例えば、バックライトを備えた液晶ディスプレイ、ELディスプレイがこれに該当する。また、タッチパネル20も、ディスプレイの表示部10の平面(又はこれに対応する平面)における、タッチペンやユーザーの指等の接触位置を検出できるものであれば、特に制限されない。例えば、静電容量方式のタッチパネルが該当する。このタッチパネル20は、複数の位置(点)を同時に検出できるタッチパネルであってもよく、一般的に、その形態はディスプレイと一体化された形態である。
【0030】
制御部30は、図1に示すように、表示制御部32と、入力検出部34と、署名情報認識部36(署名情報認識部及び署名情報判定部)と、時間測定部37とを備えている。制御部30は、これら各部と情報表示システム(タッチパネル付きインフォメーションディスプレイパネル)とを制御し、システム全体を制御している(プログラムそれ自体は図示せず、全体の処理フローの説明は省略する)。
【0031】
表示制御部32は、ディスプレイの表示部10に接続され、表示部10に入力する表示画像の信号を生成し、表示部10に画像が表示されるように信号を制御する。例えば、この実施形態に係る情報表示システムは、ユーザーがタッチパネル20を用いて署名を入力しその署名によってデータの管理をするので、署名に関するアイコンや署名を入力する領域を表示部10に表示する。このため、表示制御部32は、表示部に表示する図形(例えば、アイコンや後述する署名領域)を作成、消去する図形描画部32Aと、ユーザーがタッチパネル20を用いて署名を入力するときの、署名領域の位置(位置座標),サイズ、範囲を決定する署名領域決定部32Bとを備えている。具体的には、図形描画部32Aは、ユーザーの設定に応じて、コマンド制御用アイコン(例えば、ペンアイコン、消しゴムアイコン、線種アイコン、色アイコン、署名領域アイコン)を生成、消去する。また、署名領域決定部32Bは、ユーザーがタッチペンでタッチパネル20に描いた軌跡の始点、終点に応じて、署名領域を決定する。例えば、始点、終点を四角形の対角線とする四角形状の署名領域を決定する。表示制御部32は、これら各部が生成し決定した図形、領域をディスプレイの表示部10に出力する。また、表示制御部32は、後述する入力検出部34で検出された、タッチパネルを用いてユーザーが入力した図画や文字も表示部10に出力する。
【0032】
入力検出部34は、タッチパネル20に接続され、タッチパネル20への接触情報(タッチされた位置情報の信号(位置座標))を検出する機能を有する。この機能を実現するため、入力検出部34は、タッチパネル20がタッチされた位置を検出する位置検出部34A(検出部)と、タッチパネル20がタッチされたか否か(入力の有無)を検出する接触検出部34Cとを備えている。
また、この実施形態に係る情報表示システムは、コマンド制御用アイコンを表示してユーザーにアイコンを選択させ、そのアイコンに対応するコマンドを実行するシステムであるので、入力検出部34は、どのコマンドが選択されたかを検出するコマンド検出部34Bを備え、コマンド検出部34Bは、例えば、署名領域コマンドがタッチされて選択されたかを検出する機能を有する。
ここで、署名領域コマンドは、所望の大きさの署名領域を画面に生成し、書き込みモード(表示部10に表示された画像を記憶部40に書き込むモード)、読み出しモード(記憶部40に保存された画像を読み出して表示部10に表示するモード)のいずれかを実行するコマンドである。
また、入力検出部34は、矢印や領域を用いるコマンドで、矢印のサイズ又は選択された範囲の大きさを検出するサイズ検出部34Dを備えている。例えば、上記署名領域コマンドでは、サイズ検出部34Dは、タッチパネル20で描かれた軌跡の始点、終点から矢印のサイズ(対角線のサイズ。選択された範囲に対応する)の大きさを検出し、署名領域のサイズを出力する(すなわち、アイコンサイズを生成して出力する)。
【0033】
この実施形態に係る情報表示システムは、上記で説明した署名領域コマンドが実行される(ユーザーにより署名領域アイコンが選択される)と、表示部10に署名領域が表示され、その領域にユーザーはタッチパネル20を介して自身の署名(サイン)を入力できる。このとき、署名情報認識部36(署名情報認識部及び署名情報判定部)は、位置検出部34Aが検出した、ユーザーの入力位置に基づいて、署名領域内におけるユーザー入力の軌跡(以下、署名情報ともいう)を認識し、記憶部40に保存する。また、署名情報認識部36は、選択されたコマンド(例えば、署名領域コマンドの読み出しモード時)に応じて、記憶部40に保存されている署名情報を読み出し、署名領域内に入力された軌跡と比較して「一致しているか否か」を判定する。すなわち、署名情報認識部36は、認識した署名情報と、記憶部40に保存されている署名情報とが一致するかを判定する。署名情報認識部36の判定結果は、例えば、表示部10に表示する画像の選択に用いる。具体的には、例えば、署名領域コマンドの読み出しモードにおいて、署名情報が一致すると署名情報認識部36が判定した場合、制御部30は、記憶部40に保存されている署名情報と関連づけられて保存されている表示部の描画情報を、記憶部40から読み出して表示部10に表示させる。
ここで、署名領域の大きさはユーザーにより任意の大きさにすることができ、かつ署名の大きさもユーザー次第であるので、上記「一致しているか否か」の判定は、例えば、相似形であるか否かの判定である。ほか、画像処理等を施し抽出された特徴的な形状が含まれるか否かの判定である。
【0034】
時間測定部37は、タッチパネル20に対する入力時間や解除時間等の時間を測定する。例えば、署名領域コマンドの処理フローにおいて、署名領域アイコンの選択後の所定の時間内に入力があるか否かを検出するステップで、時間測定部37は、署名領域アイコンの選択後の時間(所定の時間内に入力がない場合、署名領域アイコンの選択が解除されるので、解除時間に相当する)を測定する。
【0035】
記憶部40は、タッチパネル20に対する入力の位置座標(位置情報)を記憶する入力座標記憶部41と、アイコンや指定ファンクションなどのコマンドを記憶するコマンド記憶部42と、表示部に表示する描画情報を記憶する図形描画情報記憶部43と、描画した時刻情報を記憶する描画時刻記憶部44と、署名情報としての位置情報を記憶する署名情報記憶部45とを備え、図形描画情報記憶部43の描画情報と、描画時刻記憶部44の時刻情報と、署名情報記憶部45の署名情報としての位置情報とがそれぞれ関連づけて記憶されるように構成されている。記憶部40は、制御部30の求めに応じて、これらの各部に情報を記憶するとともに、記憶された情報を制御部30に出力する。
また、記憶部40には、記憶されたデータの入出力を行うファイル入出力部が設けられ、外部装置に、タッチパネル20に対して入力されたイメージデータを出力したり、外部装置からデータの入力を受けたりするように構成されている。
【0036】
また、この実施形態に係る情報表示システムは、署名情報の替わりに、ICカードのカード情報を読み取ったカード情報を用いて画像を管理するシステムでもあるので、情報表示システムは、ICカードからユーザー認証情報やカード情報を読み取るICカード読み取り部50を備え、記憶部40は、ICカードのユーザー認証情報やカード情報を記憶するICカード情報記憶部46を有している。また、制御部30は、ICカードのユーザー認証情報等とICカード情報記憶部46のユーザー認証情報等とを照合し、一致するかを判定するICカード情報照合部38(ユーザー認証情報判定部)を有している。
【0037】
ICカード読み取り部50は、ICカード(記憶媒体)に記憶されたユーザー認証情報やカード情報を読み取る。例えば、ICカード保有者を識別する保有者識別番号(例えば、ID番号)や、カード自体を識別するカード識別番号を読み取る。ユーザー認証情報やカード情報は、署名情報等の替わりに実用いるため、これらの情報が記録される媒体はICカードに限定されない。例えば、ICカードは、2次元コードが印刷されたカードであり、ICカード読み取り部50が2次元コードリーダーであってもよい。記憶できる情報量が多くセキュリティが維持されるので、一般にはICカードが好ましい。
【0038】
ICカード情報記憶部46は、上記ICカードに対応した、ユーザー認証情報やカード情報を記憶する。ファイル入出力部47を介して外部装置(例えば、パーソナルコンピューター)を用いて、予めユーザー認証情報やカード情報をICカード情報記憶部46に記憶させるように構成してもよいし、また、ICカード情報記憶部46にICカード読み取り部50から読み取ったユーザー認証情報等を記憶させるように構成してもよい。前者であれば、この実施形態に係る情報表示システムにアクセスできる者を外部装置で予め登録できる。
【0039】
ICカード情報照合部38は、ICカード読み取り部50が読み取ったICカード情報(例えば、ユーザー認証情報、ICカード番号情報等)とICカード情報記憶部46に記憶されたICカード情報とを照合し、一致するかを判定する。ICカード情報照合部38の判定結果は、例えば、記憶部40にどのようなICカード情報と関連づけて記憶するかの判別に用いたり、どのような画像を表示部10に表示するかの選択に用いたりする。具体的には、ICカード情報記憶部46に既に記憶されたユーザー認証情報のいずれかとICカード読み取り部50が読み取ったユーザー認証情報が一致すると、ICカード情報照合部38が判定すると、制御部30は、書き込みモード(表示部10に表示された画像を記憶部40に書き込むモード)、読み出しモード(記憶部40に保存された画像を読み出して表示部10に表示するモード)のいずれかを選択するアイコンを表示部10に表示する。ユーザーが書き込みモードのアイコンを選択すると、制御部30は、例えば、一致すると判定したユーザー認証情報(又はユーザー認証情報及びICカード番号情報)と表示部10に表示された画像とを関連づけて記憶部40に記憶させる。一方、ユーザーが読み出しモードのアイコンを選択すると、制御部30は、例えば、一致すると判定したユーザー認証情報(又はユーザー認証情報及びICカード番号情報)に関連づけられた画像を読み出して表示部10に表示させる(関連づけられた画像が複数ある場合、制御部30は、そのリストを表示部10に表示させる)。
【0040】
ここで、署名情報記憶部45の署名情報と同様に、ICカードのユーザー認証情報が、図形描画情報記憶部43の描画情報及び描画時刻記憶部44の時刻情報と関連づけて記憶されるように記憶部40が構成される。これにより、ICカードのユーザー認証情報が署名情報と同様の機能を果たすことになるが、記憶部40は、ICカードのユーザー認証情報のほか、ICカードのカード情報がユーザー認証情報とともに、図形描画情報記憶部43の描画情報及び描画時刻記憶部44の時刻情報と関連づけて記憶されるように構成されてもよい。ユーザー認証情報とカード情報が別々に設定されることにより、例えば、同一ユーザーが複数のカード情報を扱い、複数のICカードを情報表示システムで用いることが可能となる。
【0041】
なお、本実施形態では、図1に示すように、記憶部40は、入力座標記憶部41、コマンド記憶部42、図形描画情報記憶部43、描画時刻記憶部44、署名情報記憶部45、ICカード情報記憶部46等が一体的に構成されている形態であるが、例えば、これらが別々の記憶部で構成されてもよい。(例えば、1つのハードディスクドライブで構成されるものに限らず、複数のハードディスクドライブで構成されていてもよい)
また、制御部30も、図1に示すように、表示制御部32からICカード情報照合部38までの各部が一体的に構成されているが、これらが別々に構成されてもよい。
【0042】
(署名によるデータ管理の処理フロー)
次に、これらの構成による処理フローを説明する。まず、タッチパネルから入力されたユーザーの署名情報(いわゆるサイン)で、表示部10に表示された画像や記憶部40に記憶された画像を管理((データ書き込み又はデータ読み出し))する処理フローの例について説明する。
図2及び図3は、本発明の実施形態に係る情報表示システムの署名によるデータ管理の処理フローを示す図である。また、図5は、本発明の実施形態に係る情報表示システムのディスプレイに表示される画像の例を示す図であり、図6〜図10は、署名によるデータ管理(データ書き込み又はデータ読み出し)の処理フローにおいて、ディスプレイに表示される画像を示す図である。
なお、図3は図2の処理フローの続く処理フローを示す図であり、図6及び図7はデータ書き込みの処理フロー、図8〜図10はデータ読み出しの処理フローに対応している。
【0043】
まず、署名によるデータ管理の処理フローは、ディスプレイの表示部10に署名領域アイコン15が表示された状態で開始する(図2の「START」)。すなわち、この実施形態に係る情報表示システムは、図5に示すように、コマンド制御用アイコンと、タッチパネル20及びタッチペン60を用いてユーザーが入力した文字(図5の例では定例会議の議事録)とで構成される画像がディスプレイの表示部10に表示されている状態で、フローを開始する。
【0044】
ここで、図5は、表示部10に表示される画像の一例であり、図5では、その左側にコマンド制御用アイコンとして、ペンアイコン11、消しゴムアイコン12、線種アイコン13、色アイコン14、署名領域アイコン15が表示されている。これらのコマンド制御用アイコンは、ユーザーが図5に示すタッチペン60等を用いて選択すると、選択されたアイコンに対応するコマンドを実行するように設定されている。
【0045】
次に、タッチペン60やユーザーの指等がタッチパネル20に接触しているか否かを入力検出部34(接触検出部34C)が検出し(図2に示すS001)、タッチパネル20等の接触を検出した場合、入力検出部34(位置検出部34A)は、その接触位置を検出する(図2に示すS002)。
【0046】
次に、入力検出部34(コマンド検出部34B)は、その接触位置からコマンド制御用アイコンが選択されたか否かを判定し(図2に示す「アイコンへの入力検出」(S003))、コマンド制御用アイコンが選択されていない場合、表示部10への描画処理等のコマンドを実行し(図2に示すS004)、コマンド制御用アイコンが選択されている場合、次のステップに進む。
【0047】
次に、入力検出部34(コマンド検出部34B)は、選択されているコマンド制御用アイコンが署名領域アイコンであるか否かを判定する(図2に示す「署名領域アイコン入力検出」(S005))。選択されているコマンド制御用アイコンが署名領域アイコンでない場合、制御部は、そのアイコンに対応するコマンドを実行し(図2に示すS006)、選択されているコマンド制御用アイコンが署名領域アイコンである場合、次のステップに進む。
【0048】
ここで、図6の(1)及び図8の(1)に、ユーザーがタッチペン60をタッチパネル20に接触させているときの画像の例を示す(図6の(1)はユーザーによるタッチペン60による描画が表示部10に表示されている例であり、図8の(1)はそのような描画が表示されていない例である)。これらの例の場合、タッチペン60の先端が署名領域アイコン15の領域(署名領域)に触れているので、上記ステップ(S005)において、入力検出部34(コマンド検出部34B)は、選択されているコマンド制御用アイコンが署名領域アイコンであると判定する。
【0049】
次に、入力検出部34(接触検出部34C)は、タッチペン60やユーザーの指等がタッチパネル20に接触しているか否かを検出する(図2に示すS007)。所定時間が経過するまで、この検出ステップを続け(図2に示すS008)、所定時間が経過してもタッチペン60等の接触が検出されない場合、フロー開示状態に戻る(図2の「START」に戻る)。一方、タッチペン60等の接触が検出された場合、入力検出部34(位置検出部34A)は、その接触位置を検出し(図2に示すS009)、その座標を始点座標とする(図2に示すS010)。
【0050】
ここで、図6の(2)に、文字等が表示されていない余白部分(タッチパネル20)にユーザーがタッチペン60を接触させているときの画像の例を示す。この例の場合、入力検出部34(位置検出部34A)は、タッチペン60の先端が接触している位置座標を始点座標とする。図8の(2)も同様である。
【0051】
続いて、入力検出部34(位置検出部34A)は、上記タッチペン60等の接触についてドラッグが終了したか否か(上記タッチペン60等が接触したまま移動している状態が終了したか否か)を判定する(図2に示すS011)。ドラッグが終了したと判定されない場合、入力検出部34(位置検出部34A)は、時間とともに接触位置を検出し(図2に示すS012)、その時間における接触位置を終点座標とする(図2に示すS013)。また、表示制御部32(署名領域決定部32B)は、上記始点座標とこの終点座標とから署名領域を表示する(図2に示すS014)。すなわち、表示制御部32は、検出された始点座標及び終点座標を1つの対角線とする四角形状の署名領域を表示する。
一方、ドラッグが終了したと入力検出部34(位置検出部34A)が判定した場合、表示制御部32(署名領域決定部32B)は前記署名領域の端部に読み出しコマンドボタン及び書き込みコマンドボタンを表示し(図2に示すS015)、次のステップに進む。
【0052】
ここで、図6の(3)に、ユーザーがタッチペン60でドラッグし、そのドラッグが終了するときの画像の例を示す。図6の(3)に示すように、ユーザーはタッチペン60を例えば右斜め下方向にドラッグする。この場合、タッチペン60がタッチパネル20から離れドラッグが終了しているので、表示部10には、始点座標と終点座標とそれぞれ頂点の1つとする四角形(図では、始点座標から終点座標に延びる矢印を対角線にもつ四角形)が署名領域として表示され、その四角形の右下端に「書込」「読出」ボタンが表示される。なお、図8の(3)も同様である。
【0053】
次に、入力検出部34(接触検出部34C)は、上記のドラッグ終了後、再度、タッチペン60等がタッチパネル20に接触しているか否かを検出する(図2に示すS016)。所定時間が経過するまで、この検出ステップを続け(図2に示すS017)、所定時間が経過してもタッチペン60等の接触が検出されない場合、上記署名領域及び読み出しコマンドボタン、書き込みコマンドボタンの表示を消去する(図2に示すS018)
一方、タッチペン60等の接触が検出された場合、入力検出部34(位置検出部34A)は、その接触位置を検出する(図2に示すS019)。
【0054】
次に、入力検出部34(コマンド検出部34B)は、上記の読み出しコマンドボタン及び書き込みコマンドボタンに入力があるか否かを検出する(図2に示すS020)。これらコマンドボタンに入力がない場合、制御部30は、定期的に接触位置を検出し、描画処理を行う(図2に示すS021)。すなわち、入力検出部34は、タッチペン60等の接触位置を定期的に検出し、表示制御部32は、検出された接触位置を逐次、表示部10に表示する(このステップでユーザーは署名領域に署名を行うことができる)。
一方、コマンドボタンへの入力が検出された場合、次のステップに進む。
【0055】
ここで、図7の(4)に、ユーザーがタッチペン60で署名領域に署名を行っているときの画像の例を示す。この例の状態では、読み出しコマンドボタン及び書き込みコマンドボタンの入力はまだされていないので、表示制御部32が、ユーザーのタッチペン60による入力を逐次、検出して、その検出結果を表示部10に表示する。(これにより、ユーザーの「ひろし」なる署名が表示部10に表示される。なお、図9(4)も同様である。)
【0056】
次に、入力検出部34(コマンド検出部34B)は、コマンドボタンへの入力が書き込みコマンドボタンへの入力であるか否かを判定する(図3に示す「書込コマンド検出」(S022))。すなわち、入力検出部34は、書き込みコマンドボタンへの入力であるか、読み出しコマンドボタンへの入力であるか、を判定する。
【0057】
コマンドボタンへの入力が書き込みコマンドボタンへの入力でない場合(読み出しコマンドボタンへの入力である場合)、制御部30(署名情報認識部36)は、上記署名領域に描画(S021の処理による描画)があるか否かを判定し(図3に示すS023)、上記署名領域に描画が無い場合、表示部10に「署名情報無し」との表示を所定時間表示し、表示部10に表示された署名領域を消去する(図3に示すS032、S033)。上記署名領域に描画がある場合、制御部30(署名情報認識部36)は、その描画を署名情報として記録部40に記憶し、続いて記憶部40に記憶された、既存の署名情報と比較する(図3に示すS024、S025)。記憶部40に一致した署名情報がある場合(図3に示すS026)、制御部30(署名情報認識部36)は、その署名情報と関連づけられた描画情報を記憶部から読み出し、読み出した描画情報のファイル一覧を表示部に表示させる(例えば、ファイルの一覧として登録時刻、サムネールを表示させる。図3に示すS027)。そして、タッチペン60の接触位置から、上記ファイル一覧のいずれかがユーザーにより選択されたことを検出された場合(図3に示すS028)、制御部30は、その描画情報を表示部に表示させ、表示部10に表示された上記署名領域を消去するとともに処理フローを終了させる(図3に示すS029、S030)。
なお、記憶部40に一致した署名情報がない場合(図3に示すS026)、表示部10に「署名情報無し」との表示を所定時間表示し、表示部10に表示された署名領域を消去する(図3に示すS032、S033)。
【0058】
ここで、図9の(5)に、ユーザーがタッチペン60で読み出しコマンドボタンに入力しているときの画像の例を示す。この例の場合、署名領域に「ひろし」の署名があるので、この「ひろし」の描画が署名情報として記録部40に記憶され、記録部40に記憶された、既存の署名情報とこの描画が比較される。そして、一致する署名情報がある場合、図9の(6)に示すように、「ひろし」の署名情報と関連づけられたファイル一覧18(図9の(6)は時刻情報の一覧)が表示され、この例の場合、3番目のファイルをユーザーがタッチペン60で選択しているので、そのファイルの描画情報が表示部10に表示される(図10の(7))。
【0059】
一方、コマンドボタンへの入力が書き込みコマンドボタンへの入力である場合、制御部30(署名情報認識部36)は、上記署名領域に描画(S021の処理による描画)があるか否かを判定し(図3に示すS031)、上記署名領域に描画が無い場合、表示部10に「署名情報無し」との表示を所定時間表示し、表示部10に表示された署名領域を消去する(図3に示すS032、S033)。上記署名領域に描画がある場合、制御部30(署名情報認識部36)は、その描画を署名情報として記録部40に記憶する(図3に示すS034)。続いて表示部10に表示されている描画情報を記憶部40に上記署名情報と関連づけて記憶し(図形描画情報記憶部43に記憶する。図3に示すS035)、さらに、この記憶時刻(保存時刻)も上記署名情報と関連づけて記憶する(描画時刻記憶部44に記憶する。図3に示すS036)。続いて、表示部10に表示された上記署名領域を消去し(図3に示すS037)、処理フローを終了させる。
【0060】
ここで、図7の(5)に、ユーザーがタッチペン60で書き込みコマンドボタンに入力しているときの画像の例を示す。この例の場合、署名領域に「ひろし」の署名があるので、この「ひろし」の描画が署名情報として記録部40に記憶され、表示部10に表示された「○月度定例会議」で始まる議事録が描画情報として「ひろし」の署名情報と関連づけて記憶される。そして、図7の(6)に示すように、「ひろし」と署名された署名領域が消去され処理フローが終了する。
【0061】
(ICカードによるデータ管理の処理フロー)
次に、ICカード読み取り部から読み取ったカード情報(例えば、ユーザー認証情報)で、表示部10に表示された画像や記憶部40に記憶された画像を管理((データ書き込み又はデータ読み出し))する処理フローの例について説明する。
図4は、本発明の実施形態に係る情報表示システムのICカードによるデータ管理の処理フローを示す図である。また、図11及び図12は、ICカードによるデータ管理(データ読み出し及び書き込み)の処理フローにおいて、ディスプレイに表示される画像を示す図である。
【0062】
まず、ICカード読み取り部50がICカードに記録された情報(ICカード情報。例えば、ユーザー認証情報、ICカード番号情報等)を読み取り、ICカード情報照合部38がユーザー認証を行う(図4に示すS101及びS102)。
具体的には、ICカード読み取り部50が読み取った情報のうち、ユーザー認証情報について、ICカード情報照合部38がICカード情報記憶部46に予め記憶されているユーザー認証情報と一致するか否か判定して、ユーザー認証を行う。ユーザー認証がない場合、ユーザー認証不可の処理フローとなり(図4に示すS103)、処理はスタートに戻る。一方、ユーザー認証がある場合、表示制御部32は、上記の「署名によるデータ管理の処理フロー」で説明した書き込みコマンドボタン及び読み出しコマンドボタンに相当するアイコンを表示する(図4に示すS104。以下、上記アイコンを書き込みアイコン、読み出しアイコンともいう)。これに対して、ユーザーは、これらのアイコンを選択したり、そのまま放置したりすることになる。
【0063】
次に、入力検出部34(コマンド検出部34B)は、書き込みアイコンが選択されたか否かを検出する(図4に示す「書込検出」(S105))。書き込みアイコンの選択が検出されない場合、さらに入力検出部34(コマンド検出部34B)は、読み出しアイコンが選択されたか否かを検出する(図4に示す「読出検出」(S106))。そして、さらに読み出しアイコンの選択が検出されない場合、所定時間経過前であれば、書き込みアイコンが選択されたか否かを検出するステップに戻り(図4に示すS107)、所定時間経過後であれば、制御部20は「保存情報無し」との表示を表示部10に所定時間表示し、その後書き込みアイコン及び読み出しアイコンの表示を消去する(図4に示すS110、S111。処理はスタートに戻る)。
【0064】
一方、入力検出部34(コマンド検出部34B)が書き込みアイコンの選択を検出せず、かつ読み出しアイコンの選択を検出した場合、ICカード情報照合部38は、記憶部40のICカード情報記憶部46に記憶された、既存のICカード情報(例えば、ICカード番号情報等)と、ICカード読み取り部50が読み取ったそれを照合する(図4に示すS108)。一致するICカード情報がない場合、制御部30は、上記の「保存情報無し」との表示を表示するステップ(図4に示すS110、S111)に進み、一致するICカード情報がある場合、制御部30は、その情報に関連づけられた描画情報があるか否かを判定する。このとき、関連づけられた描画情報がない場合、上記の「保存情報無し」との表示を表示するステップ(図4に示すS110、S111)に進み、関連づけられた描画情報がある場合、制御部30は、その関連づけられた描画情報描画情報を記憶部から読み出し、読み出した描画情報のファイル一覧を表示部に表示させる。そして、タッチペン60の接触位置から、上記ファイル一覧のいずれかが選択されたことが検出された場合(図4に示すS115)、制御部30は、その描画情報を表示部に表示させ、表示部10に表示された上記書き込みアイコン及び読み出しアイコンを消去するとともに処理フローを終了させる(図3に示すS116、S117)。
【0065】
ここで、図11に、ユーザーがICカードをICカード読み取り部50に接触させて、本実施形態に係る情報表示システムからデータ読み出している図を示す。図11(1)に示すように、ユーザーがICカード70をICカード読み取り部50に接触させると、上記で説明したように、この情報表示システムはユーザー認証を行う。そして、ユーザーが読み出しアイコンを選択し、かつこの情報表示システムに一致するICカード情報がある場合、図11(2)に示すように、この情報表示システムは、そのICカード情報に関連づけられた描画情報のファイル一覧18(図11の(2)は時刻情報の一覧)を表示部10に表示する。ユーザーがタッチペン60で表示したい描画情報ファイルを選択すると、図11(3)に示すように、この情報表示システムは、選択された描画情報を表示部10に表示する。
【0066】
他方、入力検出部34(コマンド検出部34B)が書き込みアイコンの選択を検出した場合、制御部30は、ICカード読み取り部50が読み取ったICカード情報(例えば、ICカード番号情報等)を記憶部40のICカード情報記憶部46に記憶させ(図4に示すS118)、続いて、表示部10に表示された描画情報を記憶部40にそのICカード情報と関連づけて記憶し(描画時刻記憶部44に記憶する。図4に示すS119)、さらにその記憶時刻(保存時刻)も上記署名情報と関連づけて記憶する(描画時刻記憶部44に記憶する。図4に示すS120)。続いて、表示部10に表示された上記書き込みアイコン及び読み出しアイコンを消去して、処理フローを終了させる(図4に示すS121)。
【0067】
ここで、図12に、ユーザーがICカードをICカード読み取り部50に接触させて、本実施形態に係る情報表示システムにデータ書き込みをしている図を示す。上記で説明したように、ユーザーがICカード70をICカード読み取り部50に接触させた後、所定のフローを経ることにより、図12の表示部10に示される描画情報がこの情報表示システムに書き込まれる。
【0068】
以上の実施形態で示した種々の特徴は、互いに組み合わせることができる。1つの実施形態中に複数の特徴が含まれている場合、そのうちの1又は複数個の特徴を適宜抜き出して、単独で又は組み合わせて、本発明に採用することができる。例えば、署名によるデータ管理の処理フローと、ICカードによるデータ管理の処理フローとが組み合わせられてもよく、上記で説明したドラッグ終了(図2に示すS011)後に、署名情報の比較ではなく、ICカード情報の照合を行ってもよい。
【符号の説明】
【0069】
10 表示部(ディスプレイ)
20 タッチパネル
30 制御部
32 表示制御部
32A 図形描画部
32B 署名領域決定部
34 入力検出部
34A 位置検出部(検出部)
34B コマンド検出部
34C 接触検出部
34D サイズ検出部
36 署名情報認識部 (署名情報認識部、署名情報判定部)
37 時間測定部
38 ICカード情報照合部(ユーザー認証情報判定部)
40 記憶部
41 入力座標記憶部
42 コマンド記憶部
43 図形描画情報記憶部
44 描画時刻記憶部
45 署名情報記憶部
46 ICカード情報記憶部
50 ICカード読み取り部(読み取り部)
60 ICカード (記録媒体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイと、
タッチパネルと、
前記タッチパネルに入力された位置情報を検出する検出部と、
前記検出部が検出した位置情報の軌跡に基づいてユーザーの署名情報を認識する署名情報認識部と、
前記署名情報認識部が認識した署名情報と前記ディスプレイに表示されたディスプレイ情報とを関連づけて記憶する記憶部とを備える情報表示システム。
【請求項2】
前記署名情報認識部が署名情報を認識したときに、既に一致する署名情報が前記記憶部に記憶されているかを判定する署名情報判定部を備える請求項1に記載の情報表示システム。
【請求項3】
前記ディスプレイは、前記署名情報判定部が一致すると判定した場合に、その署名情報に関連づけられ、前記記憶部に記憶されているディスプレイ情報を表示する請求項2に記載の情報表示システム。
【請求項4】
記録媒体からユーザー認証情報を読み取る読み取り部と、
前記読み取り部が読み取ったユーザー認証情報を判定するユーザー認証情報判定部とを備え、
前記記憶部は、少なくとも1つのユーザー認証情報を記憶し、
前記ユーザー認証情報判定部は、前記読み取り部がユーザー認証情報を読み取ったときに、一致するユーザー認証情報が前記記憶部に記憶されているかを判定する請求項1〜3のいずれか1つに記載の情報表示システム。
【請求項5】
前記記憶部は、前記ユーザー認証情報判定部が一致すると判定した場合に、そのユーザー認証情報と前記ディスプレイに表示されたディスプレイ情報とを関連づけて記憶する請求項4に記載の情報表示システム。
【請求項6】
前記ディスプレイは、前記ユーザー認証情報判定部が一致すると判定した場合に、そのユーザー認証情報に関連づけられ、前記記憶部に記憶されているディスプレイ情報を表示する請求項5に記載の情報表示システム。
【請求項7】
前記読み取り部は、記録媒体からユーザー認証情報及び記録媒体情報を読み取り、
前記記憶部は、前記ユーザー認証情報判定部が一致すると判定した場合に、前記読み取り部が読み取った記録媒体情報と前記ディスプレイに表示されたディスプレイ情報とを関連づけて記憶する請求項4〜6のいずれか1つに記載の情報表示システム。
【請求項8】
前記ディスプレイは、前記ユーザー認証情報判定部が一致すると判定した場合に、前記記憶部に記憶され、前記読み取り部が読み取った記録媒体情報に関連づけられたディスプレイ情報を表示する請求項7に記載の情報表示システム。
【請求項9】
前記記録媒体はICカードである請求項4〜8のいずれか1つに記載の情報表示システム。
【請求項10】
前記ディスプレイは、前記記憶部にディスプレイ情報を記憶するときに、前記ディスプレイ情報の表示を消去する請求項1〜9のいずれか1つに記載の情報表示システム。
【請求項11】
前記ディスプレイは、前記検出部が検出した位置情報の軌跡に基づいて作成された画像情報を表示する請求項1〜10のいずれか1つに記載の情報表示システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−252495(P2012−252495A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−124316(P2011−124316)
【出願日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】