説明

情報表示パネル用積層シート、及び情報表示パネル、及び情報表示機器

【課題】光源の点灯により、文字・絵柄等に立体感を生じさせるとともに、光源の非点灯時との色変化をつけて文字・絵柄を美しく表現できる情報表示パネルを提供する。
【解決手段】積層シート4は、第1の領域1と、第1の領域1に隣接し且つ互いに離れた、第2の領域2、第3の領域3に分かれている。支持体8の観察者7側の面のうち、第2の領域2には第2の反射層11、第1の加飾層12が順に積層され、第3の領域3には開口部を有する第3の反射層13と第2の遮光層14順に積層された後、開口部も含め第3の領域全域に第2の加飾層15が積層される。支持体8の光源6側の面のうち、第1の領域1には第1の反射層21、第1の遮光層23が順に積層され、第3の領域の前記第3の反射層13の開口部に相当する領域には、第4の反射層22、第1の遮光層23が順に積層され、第2の領域2には、光透過性着色層24が積層される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表裏の印刷層を備える情報表示パネル用積層シートに関し、特に遮光層および反射層を備えた情報表示パネル用積層シート、及び情報表示パネル、及び情報表示機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の情報表示パネルとして、透明基板の背面の文字・絵柄に対応する部分に開口部を含む有彩色の遮光反射層と白色の透過性反射層が順に積層され、表面には白色層と暗色層が順に積層され、文字・絵柄に対応する部分が開口部となっている構成を有するものがある。
【0003】
上記の情報表示パネルの構成を用いることで、ランプ非点灯時は、外光により、文字・絵柄部分が有彩色で囲まれた白色で視認され、文字・絵柄の周囲は暗色で視認される。また、ランプ点灯時は白色の透過反射層を透過し、有彩色の遮光反射層の開口部を抜けた白色の光が視認されるとともに、裏面から入射し、表面の白色層で反射した光が裏面の有彩色の遮光反射層で再度反射されて表面の開口部から抜けて有彩色の間接光状に視認される(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平4−120990号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の技術ではランプ点灯時に有彩の間接光と白色の直接光で文字・絵柄の立体感を表現するものの、ランプ非点灯に外光により観察する場合と色は変わらず、ランプ点灯、非点灯で色変化をつけて表現することができなかった。
本発明は光源の点灯により、文字・絵柄等の外周部から漏れる間接光を観察者が視認することで文字・絵柄等に立体感を生じさせるとともに、光源の非点灯時との色変化をつけて文字・絵柄を美しく表現することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するために次のような構成を備えている。
請求項1に記載の発明は、背面に設置された光源により照明されることで情報を表示する情報表示パネル用の積層シートであって、光透過性を有する支持体と、前記支持体の光源側の面のうち、第1の領域に積層された第1の反射層と、前記支持体の光源と逆側の面のうち、前記支持体の厚さ方向から見て前記第1の領域に隣接する第2の領域に積層された第2の反射層と、前記支持体の前記光源と逆側の面のうち、前記支持体の厚さ方向から見て前記第1の領域に隣接し、かつ第2の領域と離隔した第3の領域に積層され、開口部を有する第3の反射層と、前記支持体の光源側の面のうち、前記第3の反射層の開口部に相当する領域に積層された第4の反射層と、前記第1の反射層及び前記第4の反射層の前記光源側の面に積層された第1の遮光層と、前記支持体の光源側の面のうち、前記第1の反射層及び第4の反射層が設けられていない面に積層された光透過性着色層と、前記第2の反射層の前記光源と逆側の面に積層された第1の加飾層と、前記第3の反射層の前記光源と逆側の面に積層され、前記第3の反射層と同位置の開口部を有する第2の遮光層と、前記支持体の前記光源と逆側の面のうち前記第3の反射層の開口部に相当する面、及び前記第2の遮光層の前記光源と逆側の面に積層され、第3の領域全域に亘る第2の加飾層とを有することを特徴とする積層シートである。
【0007】
請求項2に記載の発明は、背面に設置された光源により照明されることで情報を表示する情報表示パネル用の積層シートであって、光透過性を有する支持体と、前記支持体の光源側の面のうち、第1の領域に積層された第1の反射層と、前記支持体の光源と逆側の面のうち、前記支持体の厚さ方向から見て前記第1の領域に隣接する第2の領域に積層された第2の反射層と、前記支持体の前記光源と逆側の面のうち、前記支持体の厚さ方向から見て前記第1の領域に隣接し、かつ第2の領域と離隔した第3の領域に積層され、開口部を有する第3の反射層と、前記支持体の光源側の面のうち、前記第3の反射層の開口部に相当する領域に積層された第4の反射層と、前記支持体の前記光源側の面のうち前記第1の反射層及び第4の反射層が設けられていない面、並びに前記第1の反射層及び第4の反射層の前記光源側の面に積層され、全域に亘る光透過性着色層と、前記光透過性着色層の前記光源側の面のうち、第1の反射層及び第4の反射層と同じ領域に設けられた第1の遮光層と、前記第2の反射層の前記光源と逆側の面に積層された第1の加飾層と、前記第3の反射層の前記光源と逆側の面に積層され、前記第3の反射層と同位置の開口部を有する第2の遮光層と、前記支持体の前記光源と逆側の面のうち前記第3の反射層の開口部に相当する面、及び前記第2の遮光層の前記光源と逆側の面に積層され、第1の領域全域に亘る第2の加飾層とを有することを特徴とする積層シートである。
【0008】
請求項3に記載の発明は、背面に設置された光源により照明されることで情報を表示する情報表示パネル用の積層シートであって、光透過性を有する支持体と、前記支持体の光源側の面のうち、第1の領域に積層された第1の反射層と、前記支持体の光源と逆側の面のうち、前記支持体の厚さ方向から見て前記第1の領域に隣接する第2の領域に積層された第2の反射層と、前記支持体の前記光源と逆側の面のうち、前記支持体の厚さ方向から見て前記第1の領域に隣接し、かつ第2の領域と離隔した第3の領域に積層された第3の反射層と、前記第1の反射層の前記光源側の面に積層された第1の遮光層と、前記支持体の光源側の面のうち、前記第1の反射層が設けられていない面に積層された光透過性着色層と、前記第2の反射層の前記光源と逆側の面に積層された第1の加飾層と、前記第3の反射層の前記光源と逆側の面に積層された第2の加飾層と、前記第2の加飾層の前記光源と逆側の面に積層され、開口部を有する第2の遮光層とを有することを特徴とする積層シートである。
【0009】
請求項4に記載の発明は、背面に設置された光源により照明されることで情報を表示する情報表示パネル用の積層シートであって、光透過性を有する支持体と、前記支持体の光源側の面のうち、第1の領域に積層された第1の反射層と、前記支持体の光源と逆側の面のうち、前記支持体の厚さ方向から見て前記第1の領域に隣接する第2の領域に積層された第2の反射層と、前記支持体の前記光源と逆側の面のうち、前記支持体の厚さ方向から見て前記第1の領域に隣接し、かつ第2の領域と離隔した第3の領域に積層された第3の反射層と、前記支持体の前記光源側の面のうち前記第1の反射層が設けられていない面、及び前記第1の反射層の前記光源側の面に積層され、全域に亘る光透過性着色層と、前記光透過性着色層の前記光源側の面のうち、第1の反射層と同じ領域に設けられた第1の遮光層と、前記第2の反射層の前記光源と逆側の面に積層された第1の加飾層と、前記第3の反射層の前記光源と逆側の面に積層された第2の加飾層と、前記第2の加飾層の前記光源と逆側の面に積層され、開口部を有する第2の遮光層とを有することを特徴とする積層シートである。
【0010】
請求項5に記載の発明は、前記第1の領域の最も広い部分の幅をw1とし、前記第2の領域の最も狭い部分の幅をw2とした時に、以下の式(1)が成り立つことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の積層シートである。
w2/w1≧0.15・・・(1)
【0011】
請求項6に記載の発明は、前記第3の領域の最も狭い部分の幅をw3、前記第2の遮光層の開口率をpとした時に、前記第1の領域の最も広い部分の幅w1との関係が以下の式(2)のように成ることを特徴とする請求項1、2、5のいずれかに記載の積層シートである。
【0012】
【数1】

【0013】
請求項7に記載の発明は、前記第3の領域の最も狭い部分の幅をw3とした時に、前記第1の領域の最も広い部分の幅w1との関係が以下の式(3)のように成ることを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載の積層シートである。
w3/w1≧0.15・・・(3)
【0014】
請求項8に記載の発明は、前記支持体の厚さをdとした時に、前記第2の領域の最も狭い部分の幅w2との関係が以下の式(4)のように成ることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の積層シートである。
d×w2≧1.00mm・・・(4)
【0015】
請求項9に記載の発明は、前記支持体の厚さdと前記第3の領域の最も狭い部分の幅w3及び前記第2の遮光層の開口率pとの関係が以下の式(5)のように成ることを特徴とする請求項1、2、5、6、8のいずれかに記載の積層シートである。
【0016】
【数2】

【0017】
請求項10に記載の発明は、前記支持体の厚さdと前記第3の領域の最も狭い部分の幅w3との関係が以下の式(6)のように成ることを特徴とする請求項3、4、5、7、8のいずれかに記載の積層シートである。
d×w3≧1.00mm・・・(6)
【0018】
請求項11に記載の発明は、前記支持体の厚さが0.1mmから5mmまでの範囲であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の積層シートである。
【0019】
請求項12に記載の発明は、前記支持体の前記光源と逆側の面のうち、前記第2の遮光層の開口部に対応する位置に透明加飾層が積層され、前記透明加飾層の全光線透過率が80%以上であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の積層シートである。
【0020】
請求項13に記載の発明は、前記第2の加飾層は全光線透過率が4%以上40%以下であることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の積層シートである。
【0021】
請求項14に記載の発明は、前記第1の加飾層の全光線透過率が20%以下であることを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の積層シートである。
【0022】
請求項15に記載の発明は、前記第2の遮光層の全光線透過率が20%以下であることを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の積層シートである。
【0023】
請求項16に記載の発明は、前記第2の遮光層の全光線透過率が20%以下であることを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載の積層シートである。
【0024】
請求項17に記載の発明は、前記第2の反射層における380〜780nmの光線の反射率が60%以上であり、前記第2の反射層の全光線透過率が5%以上40%以下であることを特徴とする請求項1乃至16にのいずれかに記載の積層シートである。
【0025】
請求項18に記載の発明は、前記第3の反射層における380〜780nmの光線の反射率が60%以上であり、前記第2の反射層の全光線透過率が5%以上40%以下であることを特徴とする請求項1乃至17のいずれかに記載の積層シートである。
【0026】
請求項19に記載の発明は、前記第1の反射層における380〜780nmの光線の反射率が20%以上であることを特徴とする請求項1乃至18のいずれかに記載の積層シートである。
【0027】
請求項20に記載の発明は、前記第4の反射層における380〜780nmの光線の反射率が20%以上であることを特徴とする請求項1、2、5、6、8、9、11乃至19のいずれかに記載の積層シートである。
【0028】
請求項21に記載の発明は、前記第1の加飾層において文字等意匠形状の開口部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至20のいずれかに記載の積層シートである。
【0029】
請求項22に記載の発明は、前記第2の反射層において文字等意匠形状の開口部が設けられていることを特徴とする請求項21に記載の積層シートである。
【0030】
請求項23に記載の発明は、前記光透過性着色層において、前記第1の加飾層の前記文字等意匠形状の開口部の外周から0.050mm以上外側に外周を有する開口部を有し、前記光透過性着色層の開口部の外周が前記第2の領域と前記第1の領域との境界から1.000mm以上離れていることを特徴とする請求項21又は22に記載の積層シートである。
【0031】
請求項24に記載の発明は、前記光透過性着色層は全光線透過率が20%以上の有彩色の層であることを特徴とする請求項1乃至23のいずれかに記載の積層シートである。
【0032】
請求項25に記載の発明は、前記支持体はポリカーボネート、ポリプロピレン、発泡ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリメタクリル酸メチル、アクリル、ポリスチレン、メタクリル・スチレン共重合体またはアクリルニトリル・スチレン共重合体のいずれかの樹脂であることを特徴とする請求項1乃至24のいずれかに記載の積層シートである。
【0033】
請求項26に記載の発明は、前記支持体はヘイズ値が12%以上の樹脂であることを特徴とする請求項1乃至24のいずれかに記載の積層シートである。
【0034】
請求項27に記載の発明は、前記支持体は光透過層と光拡散層を含み、前記光透過層はポリカーボネート、ポリプロピレン、発泡ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリメタクリル酸メチル、アクリル、ポリスチレン、メタクリル・スチレン共重合体またはアクリルニトリル・スチレン共重合体のいずれかの樹脂であり、前記光拡散層はヘイズ値が12%以上の樹脂であることを特徴とする請求項1乃至24のいずれかに記載の積層シートである。
【0035】
請求項28に記載の発明は、前記支持体の前記光源と逆側の面うちの第1の領域にヘイズ値5%以上90%以下、全光線透過率60%以上の第1の拡散層が設けられていることを特徴とする請求項1乃至27のいずれかに記載の積層シートである。
【0036】
請求項29に記載の発明は、前記第2の領域の前記支持体と前記第2の反射層の間及び前記第3の領域の前記支持体と前記第3の反射層の間にヘイズ値5%以上、全光線透過率60%以上の第2の拡散層が設けられていることを特徴とする請求項1乃至28のいずれかに記載の積層シートである。
【0037】
請求項30に記載の発明は、前記支持体の前記光源と逆側の第1の領域に全光線透過率が20%以下の第4の加飾層が積層されていることを特徴とする請求項1乃至29のいずれかに記載の積層シートである。
【0038】
請求項31に記載の発明は、光源と、請求項1乃至30のいずれかに記載の積層シートを少なくとも含む情報表示パネルである。
【0039】
請求項32に記載の発明は、前記光源がエッジライト式光源と導光板からなる面光源であることを特徴とする請求項31記載の情報表示パネルである。
【0040】
請求項33に記載の発明は、前記光源がLED光源であることを特徴とする請求項31に記載の情報表示パネルである。
【0041】
請求候34に記載の発明は、請求項31乃至33のいずれかに記載の情報表示パネルを具備した情報表示機器である。
【発明の効果】
【0042】
本発明は光源の射出光が反射層で拡散反射され、文字・絵柄等の外周部である第1の領域から間接光として観察者に視認されるため、文字・絵柄等に立体感を生じさせる効果がある。また、光源射出光が光透過性着色層を透過して、間接光として視認されるため、光源の点灯時と非点灯時とで色の変化をつけて文字・絵柄を美しく表現することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る積層シートの断面図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る積層シートの断面図である。
【図3】本発明の第3の実施形態に係る積層シートの断面図である。
【図4】本発明の第4の実施形態に係る積層シートの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下に図面を参照して、本発明に係る情報表示パネルの好適な実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る情報表示パネル5用の積層シート4をシート延在方向に垂直な面で切った断面図である。(A)は積層の順序をわかりやすくするために各層を分離してあらわしたものであり、(B)は実際に積層された状態を表したものである。
図1に示すように、積層シート4は、シートの厚さ方向からみて、第1の領域1と、第1の領域1に隣接し且つ互いに離れた、第2の領域2、第3の領域3に分かれている。
積層シート4の延在面上における第1乃至第3の領域の形状により絵柄等の意匠形状が構成されている。
なお、第2、第3の領域と離れた他の領域がさらに設けられていても構わない。その場合、第1の領域は、さらに設けた領域とも隣接する配置となる。
図1において、観察者7は光透過性の支持体8の一方の面側から目視し、光源6は支持体8の他方の面側に設置される。
【0045】
支持体8の観察者6側の面のうち第1の領域1に、第1の拡散層31、第4の加飾層17が順に積層されている。
また、支持体8の観察者6側の面のうち第2の領域2に、第2の拡散層32、第2の反射層11、第2の加飾層12が順に積層されている。
さらに、支持体8の観察者6側の面のうち第3の領域3に、第2の拡散層32、第3の反射層13、第2の遮光層14、第2の加飾層15、透明加飾層16が順に積層されている。
支持体8の光源6側の面のうち第1の領域1に、第1の反射層21、第1の遮光層23、光透過性着色層24が順に積層されている。
また、支持体8の光源6側の面のうち第2の領域2に、光透過性着色層24が設けられている。
さらに、支持体8の光源6側の面のうち第3の領域3に、第4の反射層22、第1の遮光層23、光透過性着色層24が順に積層されている。
【0046】
支持体8は、透明樹脂のみで構成するか、又は拡散性樹脂のみで構成するか、又は透明樹脂層と拡散性樹脂層との積層によって構成することができる。
ここで、支持体4のヘイズ値は12%以上92%以下であることが望ましい。
支持体4のヘイズ値が12%未満の場合、支持体4に入射して拡散反射して第1の領域1に抜ける光が減少するために、間接光の輝度が低下するという弊害があるからである。
【0047】
支持体8を透明樹脂のみで構成する場合、ポリカーボネート、ポリプロピレン、発泡ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、メタクリル・スチレン共重合体、アクリルニトリル・スチレン共重合体、ポリメタクリル酸メチルまたはアクリルを利用することができる。この時の支持体8の厚さは第2の反射層11及び第3の反射層13で拡散反射された光を多く第1の領域1に進ませるために0.1mm以上が好ましく、情報表示機器筐体内の空間的制約を受けないために5mm以下が好ましい。また、透明樹脂のみで構成すると支持体8における光量の損失を少なく出来るため、光源6の点灯時により明るく文字・絵柄を表示することができる。
【0048】
支持体8を拡散性樹脂のみで構成する場合、球形または無定形の形状であり有機又は無機からなる光拡散性微粒子を含んだポリカーボネート、PS、MS、アクリルのうち少なくともいずれかを含む有機系樹脂を利用することができる。この時の支持体8の厚さは第2の反射層11及び第3の反射層13で拡散反射された光を多く第1の領域1に進ませるために0.1mm以上が好ましく、情報表示機器筐体内の空間的制約を受けないために5mm以下が好ましい。また、拡散樹脂のみで構成することにより、光源6からの直接入射光の一部が拡散樹脂で拡散されて第2の反射層11と第3の反射層13及び第1の領域1に出るために間接光の光量を高められる。
【0049】
支持体8を透明樹脂層と拡散性樹脂層との積層構成にする場合、透明樹脂層にはポリカーボネート、ポリプロピレン、発泡ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、メタクリル・スチレン共重合体、アクリルニトリル・スチレン共重合体、ポリメタクリル酸メチルまたはアクリルを、拡散性樹脂層には球形または無定形の形状であり有機又は無機からなる光拡散性微粒子を含んだポリカーボネート、ポリスチレン、メタクリルスチレン共重合体、アクリルのうち少なくともいずれかを含む有機系樹脂を利用することができる。この時の支持体8の厚さは第2の反射層11及び第3の反射層13で拡散反射された光を多く第1の領域1に進ませるために0.1mm以上が好ましく、情報表示機器筐体内の空間的制約を受けないために5mm以下が好ましい。また、拡散樹脂層を含む構成であることにより、光源6からの直接入射光の一部が拡散樹脂層で拡散されて第2の反射層11と第3の反射層13及び第1の領域1の観察者の方向に出るために間接光の光量を高められる。
ここで、拡散性樹脂層はヘイズ値が12%以上92%以下の樹脂であることが望ましい。拡散性樹脂層のヘイズ値が12%未満の場合、支持体に入射して拡散反射して、第1の領域1に抜ける光が減少するために、間接光の輝度が低下するという弊害があるからである。
【0050】
次に支持体8の観察者6側の積層構造について詳細に説明する。
支持体8の観察者6側の面のうち第1の領域に第1の拡散層31が配置される。
第1の拡散層31はスクリーン印刷によって設けることができる。特にスクリーン印刷に限定することなく、凸版印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、インクジェット等を用いることができる。
第1の拡散層31には透明インキを用いるのが望ましいが、光の拡散効果、透過効果があれば透明インキに限らない。厚みに制限は無いが、5μm〜30μmにすると拡散効果が出やすい。
また、第1の拡散層31のヘイズ値は5%以上、全光線透過率は60%以上であることが望ましい。この数値範囲は、第1の拡散層31のヘイズ値が5%未満の場合、第1の拡散層31への入射光を第2の領域2、第3の領域3へ拡散反射する効果が十分に得られず、第1の拡散層31の全光線透過率が60%未満の場合、第1の領域1に通り抜ける光が減少するために輝度が低下するという弊害があるからである。
第1の拡散層31は光源6の非点灯時に第1の領域1を観察した際における支持体8表面での反射光による眩しさを低減させる効果がある。同時に光透過性があるため光源6の点灯時の第1の領域1における間接光の視認を妨げない。
第1の拡散層31は必ず設けなければならないわけではなく、前述の支持体8表面での反射光の低減及びデザイン上の必要性がなければ設ける必要はない。
【0051】
第1の拡散層31(第1の拡散層31がない場合は支持体8)の観察者6側の面のうち第1の領域1の一部に第4の加飾層17を設ける。
なお、図1(A)において、積層の順序、種類をわかりやすくするため、加飾層13を第1の加飾層と同じ段に表示しているが、実際は(B)のように拡散層31の観察者6側の面に積層されている。
第4の加飾層17はスクリーン印刷によって設けることができる。特にスクリーン印刷に限定することなく、凸版印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、インクジェット等を用いることができる。
第4の加飾層17には黒色インキを用いるのが望ましいが、遮光効果があれば黒色インキに限らない。厚みに制限は無いが、5μm〜30μmにすると遮光効果が出やすい。
また、第4の加飾層17の全光線透過率は20%以下であることが望ましい。
第4の加飾層17の全光線透過率が20%より大きい場合に、第4の加飾層17の透過光が視認され、第1の領域における第4の加飾層17のない部分とのコントラストが低下し、第4の加飾層17の視認性が低下するという弊害があるからである。
光源が点灯した際に第1の領域1には間接光が広がるが、第1の領域1の一部に第4の加飾層17があるためにその部分は遮光され、絵柄として視認される。第4の加飾層17はデザイン上必要があれば設けることができ、第4の加飾層17が無くても情報表示パネル5における他の機能には影響がない。
【0052】
支持体8の観察者6側の面のうち第2の領域2及び第3の領域3に第2の拡散層32が配置される。
第2の拡散層32はスクリーン印刷によって設けることができる。特にスクリーン印刷に限定することなく、凸版印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、インクジェット等を用いることができる。
第2の拡散層32には透明インキを用いるのが望ましいが、光の拡散効果、透過効果があれば透明インキに限らない。厚みに制限は無いが、5μm〜30μmにすると拡散効果が出やすい。
第2の拡散層32のヘイズ値は5%以上、全光線透過率は60%以上98%以下であることが望ましい。この数値範囲は、第2の拡散層32のヘイズ値が5%未満の場合、第2の拡散層32への入射光を第1の領域1へ拡散反射する効果が十分に得られず、第2の拡散層32の全光線透過率が60%未満の場合、第2の反射層11、第3の反射層13に入射する光量が低下することにより、第1の領域1への反射光の輝度が低下して立体感が損なわれることを考慮したものである。
第2の拡散層32は光源6の点灯時に支持体8から入射した光の一部を拡散して第1の領域1に出射することにより、第1の領域1における間接光の輝度をあげて第1の領域1と第2の領域2の境界及び第1の領域1と第3の領域3の境界における立体感を向上させる効果がある。
第2の拡散層32は必ず設けなければならないわけではなく、第1の領域1における輝度の向上が必要な場合に設けることができる。
【0053】
第2の拡散層32(第2の拡散層32がない場合は支持体8)の観察者6側の面のうち第2の領域2に第2の反射層11が配置される。
第2の反射層11は入射した光が所定の確率で拡散反射する効果を有するものである。
第2の反射層11はスクリーン印刷によって設けることができる。特にスクリーン印刷に限定することなく、凸版印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、インクジェット等を用いることができる。
第2の反射層11には白色インキを用いるのが望ましいが、光の反射効果、透過効果があれば白色インキに限らない。厚みに制限は無いが、5μm〜30μmにすると反射効果が出やすい。
また、第2の反射層11における380〜780nmの光線の反射率は60%以上であり、第2の反射層11の全光線透過率は5%以上40%以下であることが望ましい。
第2の反射層11の反射率が60%未満であった場合、第2の反射層11で反射される間接光の輝度が低下し、第1の領域1と第2の領域2の境界における立体感が損なわれるからである。また、第2の反射層11の全光線透過率が5%未満であると、第1の加飾層12に文字等意匠形状の開口部が設けられた場合にその部分の輝度が低く、文字等意匠形状が視認されないからである。一方、全光線透過率が40%以上であると反射率が低下して、前述のように間接光の輝度低下による第1の領域と第2の領域の境界における立体感の低下が起こるためである。
光源6が点灯した際には第2の反射層11で反射した光が第1の領域1で間接光として視認される。この時、第2の領域2の第2の反射層11の幅が広い方が第1の領域1に向けて拡散反射される光が多いために輝度が高くなり、第1の領域1と第2の領域2の境界における立体感が高まる。また、デザイン上第2の領域2に文字等意匠形状を設ける場合、第2の反射層11または第2の反射層11の開口部を透過した光が後述する第1の加飾層12の開口部を抜けることにより、観察者から直接光として文字等意匠形状が視認される。
【0054】
第2の反射層11の観察者7側の面に第1の加飾層12が積層される。第1の加飾層12はスクリーン印刷によって設けることができる。特にスクリーン印刷に限定することなく、凸版印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、インクジェット等を用いることができる。第1の加飾層6には黒色インキを用いるのが望ましいが、遮光効果があれば黒色インキに限らない。厚みに制限は無いが、5μm〜30μmにすると遮光効果が出やすい。
また、第1の加飾層12の全光線透過率は、20%以下の範囲で略一定であることが望ましい。
全光線透過率が20%より大きい場合、第2の領域2における第2の反射層11の透過光を遮光できず、第1の領域1と第2の領域2との間のコントラストが低下し、立体感が損なわれるという弊害があるからである。
第1の加飾層12は第2の領域2における絵柄を表すとともに、第2の反射層11を透過する光源6の光を遮光する。また、第2の領域2に文字等意匠形状が設けられる場合、第1の加飾層12に文字等意匠形状の開口部が設けられ、第2の反射層11を透過した光が第1の加飾層12の開口部を抜けることにより、観察者から文字等意匠形状が直接光として視認される。
【0055】
第2の拡散層32(第2の拡散層32がない場合は支持体8)の観察者6側の面のうち第3の領域3に開口部を有する第3の反射層13が配置される。
第3の反射層13は入射した光が所定の確率で拡散反射する効果を有するものである。
第3の反射層13はスクリーン印刷によって設けることができる。特にスクリーン印刷に限定することなく、凸版印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、インクジェット等を用いることができる。
第3の反射層13には白色インキを用いるのが望ましいが、光の反射効果があれば白色インキに限らない。厚みに制限は無いが、5μm〜30μmにすると反射効果が出やすい。
また、第3の反射層13における380〜780nmの光線の反射率は60%以上であることが望ましい。
第3の反射層13の反射率が60%未満であった場合、第3の反射層13で反射される間接光の輝度が低下し、第1の領域1と第2の領域2の境界における立体感が損なわれるからである。
光源6が点灯した際には第3の反射層13で反射した光が、支持体8の光源側の面のうち第1の領域に設けられた第1の反射層21及び第3の領域3に設けられた第4の反射層22に入射する。このうち第1の領域1のものは間接光として視認され、第3の領域3のものは第3の反射層13と第2の遮光層14の開口部を抜けて第2の加飾層15と透明加飾層16を透過して観察者に視認される。
この時、第3の反射層13の開口部を除いた面積が大きい方が第3の反射層13で反射されて第1の領域で間接光として観察される光が多く、第1の領域1と第3の領域3の境界における立体感が高まる。
【0056】
第3の反射層13の観察者7側の面に第2の遮光層14が積層される。
第2の遮光層14はスクリーン印刷によって設けることができる。特にスクリーン印刷に限定することなく、凸版印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、インクジェット等を用いることができる。
第2の遮光層14には黒色インキを用いるのが望ましいが、遮光効果があれば黒色インキに限らない。厚みに制限は無いが、5μm〜30μmにすると遮光効果が出やすい。
第2の遮光層14の全光線透過率は20%以下であることが望ましい。第2の遮光層14の全光線透過率が20%より大きい場合、第3の反射層13を透過した光が直接視認されてしまい、第2の遮光層14の開口部を透過する光とのコントラストが低下して、第2の加飾層15、透明加飾層16を通してみえる絵柄を美しく表示できないためである。
光源6が点灯した際には第2の拡散層32から第3の反射層13へ進入した光が第3の反射層13で概ね反射、吸収されるが、反射されなかった光が第2の遮光層14に進入する。第2の遮光層14はその光を遮光することで、第1の領域1の間接光と第3の領域3の境界部分のコントラストを高めて立体感を出し、また第3の反射層13の開口部を抜けて第2の加飾層15と透明加飾層16を透過する光との輝度差を出すことで第3の領域の絵柄を表現できる。
【0057】
第2の拡散層32(第2の拡散層32がない場合は支持体8)の観察者6側の面のうち第3の反射層13の開口部に相当する面、及び第2の遮光層14の観察者6側の面に積層された第2の加飾層15が、第3の領域全域に亘って配置される。
第2の加飾層15はスクリーン印刷によって設けることができる。特にスクリーン印刷に限定することなく、凸版印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、インクジェット等を用いることができる。
第2の加飾層15には灰色インキを用いるのが望ましいが、半透過性であれば灰色インキに限らない。厚みに制限は無いが、5μm〜30μmにすると半透過性が出やすい。
また、第2の加飾層15の全光線透過率は4%以上40%以下であることが望ましい。
第2の加飾層15の全光線透過率が4%未満の場合、第2の遮光層14の開口部を抜ける光が視認できず、光源点灯時に第3の領域3の絵柄が視認できないという弊害があるからである。一方、第2の加飾層15の全光線透過率が40%より大きい場合、光源非点灯時に第2の遮光層14の開口部14を隠蔽することができず、光源の点灯時、非点灯時の第3の領域3の絵柄の違いを表現することができないという弊害があるからである。
第2の加飾層15は光源6の非点灯時には第3の反射層13及び第2の遮光層14とその開口部を隠蔽し、観察者から第三の加飾層3は第2の加飾層15及び透明加飾層16だけで構成されているように視認される。一方、光源6の点灯時に第2の加飾層15は第3の反射層13及び第2の遮光層14の開口部を抜ける光を透過させて透明加飾層16に入射させることにより、非点灯時と別の美しい意匠性を表現することができる。
【0058】
第2の加飾層15の観察者6側の面にのうち第3の反射層13の開口部に略対応する位置に透明加飾層16が積層される。
透明加飾層16はスクリーン印刷によって設けることができる。特にスクリーン印刷に限定することなく、凸版印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、インクジェット等を用いることができる。
透明加飾層16には透明インキを用いるのが望ましいが、光透過性があれば透明インキに限らない。厚みに制限は無いが、5μm〜30μmにすると観察者から視認しやすい。
また、透明加飾層16の全光線透過率は80%以上であることが望ましい。
透明加飾層16の全光線透過率が80%未満である場合、光源点灯時の第3の領域3の輝度が低下し、視認を妨げてしますという弊害があるからである。
透明加飾層16は光源6の非点灯時においては第2の加飾層15の表面で絵柄として観察され、光源6の点灯時においては第3の反射層13及び第2の遮光層14の開口部を抜け、第2の加飾層15を透過した光を透過させて絵柄として観察される。
透明加飾層16はデザイン上必要があれば設けることができ、透明加飾層16が無くても情報表示パネル5における他の機能には影響がない。
【0059】
次に支持体8の光源6側の積層構造について詳細に説明する。
支持体8の光源6側の面のうち第1の領域1に第1の反射層21が配置される。また、支持体8の光源6側の面のうち、第3の領域3における第3の反射層13の開口部に対応する位置に第4の反射層22が配置される。
第1の反射層21及び第4の反射層22はスクリーン印刷によって設けることができる。特にスクリーン印刷に限定することなく、凸版印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、インクジェット等を用いることができる。
第1の反射層21及び第4の反射層22には白色インキを用いるのが望ましいが、光の反射効果、透過効果があれば白色インキに限らない。厚みに制限は無いが、5μm〜30μmにすると反射効果が出やすい。
また、第1の反射層21及び第4の反射層22における380〜780nmの光線の反射率は20%以上であることが望ましい。
第1の反射層21及び第4の反射層22における反射率が20%未満であった場合に、第1の反射層21及び第4の反射層22で反射される間接光の輝度が低下し、立体感が損なわれるという弊害があるからである。
光源6が点灯した際には第2の反射層11と第3の反射層13で反射した光及び支持体8と第2の拡散層32で拡散した光が第1の反射層21に入射後に反射され、観察者から間接光として視認される。これにより、第1の領域1と第2の領域2の境界及び第1の領域1と第3の領域3の境界において立体感を感じさせる効果がある。
【0060】
第1の反射層21及び第4の反射層22の光源側の面に第1の遮光層23が積層される。
第1の遮光層23はスクリーン印刷によって設けることができる。特にスクリーン印刷に限定することなく、凸版印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、インクジェット等を用いることができる。
第1の遮光層23には黒色インキを用いるのが望ましいが、遮光効果があれば黒色インキに限らない。厚みに制限は無いが、5μm〜30μmにすると遮光効果が出やすい。
第1の遮光層23の全光線透過率は20%以下であることが望ましい。第1の遮光層23の全光線透過率が20%より大きい場合、第1の遮光層23の入射光を遮光できず、第1の領域及び第3の反射層の開口部において直接光が視認されるために間接光の視認性が低下し立体感が損なわれるという弊害があるからである。
光源6が点灯した際、第1の遮光層23で第1の反射層21へ向かう直接光は遮光される。それにより、他方の面側から第1の反射層21に入射して透過する光が無くなるため、第1の領域1における間接光の視認性が高まり、第1の領域1と第2の領域2の境界及び第1の領域1と第3の領域3の境界における立体感を高める効果がある。
【0061】
支持体8の光源6側の面のうち、第1の反射層21及び第4の反射層22が設けられていない面に光透過性着色層24を設ける。特に第1の反射層21及び第4の反射層22が設けられていない面にだけ限定することはなく、第2の遮光層23の光源6側の面にも積層されてもかまわない。
光透過性着色層24はスクリーン印刷によって設けることができる。特にスクリーン印刷に限定することなく、凸版印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、インクジェット等を用いることができる。
光透過性着色層24には光透過性のある有彩色のインキが用いられるのが望ましいが、光透過性のある有彩色の層を設けられるのであればこれに限らない。
また、光透過性着色層24は全光線透過率が20%以上であることが望ましい。光透過性着色層24の全光線透過率が20%未満の場合、第2の反射層11及び第3の反射層13に入射して反射され第1の領域で視認される間接光の輝度が低くなることから立体感が損なわれるという弊害があるからである。
光源6が点灯した際に光透過性着色層24を透過した光が第2の反射層11と第3の反射層13で反射され、さらに支持体8と第2の拡散層32で拡散されて第1の反射層21に入射した後に反射され、観察者から間接光として視認されるため、間接光は光透過性着色層24の色に依存する。光透過性着色層24を任意の色にすることにより、文字・絵柄等が美しく表示される。
【0062】
また、第2の領域2に文字等意匠形状が設けられる場合、光透過性着色層24の文字等意匠形状に対応する部分よりやや大きい領域に開口部を設けることができる。光透過性着色層24に開口部を設けると、光源6の点灯時に直接光が光透過性着色層24を通らないため、観察者から文字等意匠形状が第2の反射層に依存する白色の直接光として視認される。ここで、光透過性着色層24の開口部を文字等意匠形状よりやや大きくするのは、光透過性着色層9を透過した光が文字等意匠形状の端部へ干渉することを防ぐためである。
具体的には、光透過性着色層24の開口部は、第1の加飾層12の開口部の外周から0.050mm以上外側に外周を有し、光透過性着色層24の開口部の外周が第2の領域2と第1の領域1との境界から1.000mm以上離れているのが望ましい。
光透過性着色層24の開口部が第1の加飾層12の開口部の外周から0.050mm以上外側にない場合、第1の加飾層12の開口部から視認される光が、白色光でなく光透過性着色層24を透過した有彩色の光として視認されてしまうという弊害があるからである。なお、デザイン上、第1の加飾層12の開口部から視認される光が有彩色でよい場合は、この限りではない。
また、光透過性着色層24の開口部の外周が第2の領域と第1の領域の境界から1.000mm以上離れていない場合、光透過性着色層24の開口部から第2の反射層に入射して第1の領域に反射される間接光が有彩色でなくなるという弊害があるからである。
なお、この開口部は必ず設けなければならないわけではなく、デザイン上、光源点灯時の文字等意匠形状が光透過性着色層24の色に依存する必要があるのであれば開口部を設ける必要はない。
【0063】
光源6からの光はシート4の入射面より光透過性着色層24に入射する。光透過性着色層24を透過した光は第2の領域2及び第4の反射層22の開口部から支持体8及び第2の拡散層32を通って第2の反射層11及び第3の反射層13に入射する。この際に支持体8に拡散層を含んでいれば支持体8の透過光の一部が拡散されて第1の反射層21、第4の反射層22に入射する。また、第2の拡散層32でも透過光の一部が拡散されて支持体8を再度透過して第1の反射層21、第4の反射層22に入射する。一方、第2の反射層11及び第3の反射層13の入射光はそこで反射されて第1の反射層21、第4の反射層22に入射する。第1の反射層21、第4の反射層22に入射した光はそこで反射されて第1の領域1から間接光として観察される。この時、第2の領域2の直接光は第1の加飾層12で遮光され、第3の領域3の第1の領域1との境界の直接光は第2の遮光層14で遮光されるために、第1の領域1の間接光の輝度と第2の領域2と第3の領域3の輝度の差が出る。それにより、第1の領域1と第2の領域2の境界及び第1の領域1と第3の領域3の境界の立体感を出すことができる。
前述の第4の反射層22の反射光は、第3の反射層13及び第2の遮光層14の開口部を抜けて第2の加飾層15と透明加飾層16を透過して観察者7に視認される。光源6からの直接光は第1の遮光層23及び第2の遮光層14により遮光されるので、この明暗により第3の領域3の絵柄が表現される。
【0064】
図2は、本発明の第2の実施形態に係る情報表示パネル5用の積層シート4をシート延在方向に垂直な面で切った断面図である。(A)は積層の順序をわかりやすくするために各層を分離してあらわしたものであり、(B)は実際に積層された状態を表したものである。
図2に示すように、積層シート4は、シートの厚さ方向からみて、第1の領域1と、第1の領域1に隣接し且つ互いに離れた、第2の領域2、第3の領域3に分かれている。
積層シート4の延在面上における第1乃至第3の領域の形状により絵柄等の意匠形状が構成されている。
なお、第2、第3の領域と離れた他の領域がさらに設けられていても構わない。その場合、第1の領域は、さらに設けた領域とも隣接する配置となる。
図2において、観察者7は光透過性の支持体8の一方の面側から目視し、光源6は支持体8の他方の面側に設置される。
【0065】
支持体8の観察者6側の面のうち第1の領域1に、第1の拡散層31、第4の加飾層17が順に積層されている。
また、支持体8の観察者6側の面のうち第2の領域2に、第2の拡散層32、第2の反射層11、第2の加飾層12が順に積層されている。
さらに、支持体8の観察者6側の面のうち第3の領域3に、第2の拡散層32、第3の反射層13、第2の遮光層14、第2の加飾層15、透明加飾層16が順に積層されている。
支持体8の光源6側の面のうち第1の領域1に、第1の反射層21、光透過性着色層24、第1の遮光層23が順に積層されている。
また、支持体8の光源6側の面のうち第2の領域2に、光透過性着色層24が設けられている。
さらに、支持体8の光源6側の面のうち第3の領域3に、第4の反射層22、光透過性着色層24、第1の遮光層23が順に積層されている。
【0066】
支持体8の構成、材料、作成方法、効果は、第1の実施形態の場合と同様である。
【0067】
また、支持体8の観察者7側の積層構造は前述した第1の実施形態と同様である。
【0068】
支持体8の光源6側の面のうち第1の領域1に第1の反射層21が配置される。また、支持体8の光源6側の面のうち、第3の領域3における第3の反射層13の開口部に対応する位置に第4の反射層22が配置される。
第1の反射層21及び第4の反射層22の材料、作成方法、効果は、前述した第1の実施形態の場合と同様である。
【0069】
支持体8の光源6側の面のうち、第1の反射層21及び第4の反射層22が設けられていない面に光透過性着色層24を設ける。特に第1の反射層21及び第4の反射層22が設けられていない面にだけ限定することはなく、第1の反射層21及び第4の反射層22の光源6側の面にも積層されてもかまわない。
光透過性着色層24の材料、作成方法、効果は、前述した第1の実施形態の場合と同様である。
【0070】
光透過性着色層24が配置された後に、第1の反射層21及び第4の反射層22に対応する位置に第1の遮光層23が積層される。
第1の遮光層23の材料、作成方法、効果は、前述した第1の実施形態の場合と同様である。
【0071】
光源6からの光はシート4の入射面より第1の遮光層23の開口部を通り光透過性着色層24に入射する。光透過性着色層24を透過した光は第2の領域2及び第4の反射層22の開口部から支持体8及び第2の拡散層32を通って第2の反射層11及び第3の反射層13に入射する。この際に支持体8に拡散層を含んでいれば支持体8の透過光の一部が拡散されて第1の反射層21、第4の反射層22に入射する。また、第2の拡散層32でも透過光の一部が拡散されて支持体8を再度透過して第1の反射層21、第4の反射層22に入射する。一方、第2の反射層11及び第3の反射層13の入射光はそこで反射されて第1の反射層21、第4の反射層22に入射する。第1の反射層21、第4の反射層22に入射した光はそこで反射されて第1の領域1から間接光として観察される。この時、第2の領域2の直接光は第1の加飾層12で遮光され、第3の領域3の第1の領域1との境界の直接光は第2の遮光層14で遮光されるために、第1の領域1の間接光の輝度と第2の領域2と第3の領域3の輝度の差が出る。それにより、第1の領域1と第2の領域2の境界及び第1の領域1と第3の領域3の境界の立体感を出すことができる。
前述の、第4の反射層22の反射光は第3の反射層13及び第2の遮光層14の開口部を抜けて第2の加飾層15と透明加飾層16を透過して観察者7に視認される。光源6からの直接光は第1の遮光層23及び第2の遮光層14により遮光されるので、この明暗により第3の領域3の絵柄が表現される。
【0072】
図3は、本発明の第3の実施形態に係る情報表示パネル5用の積層シート4をシート延在方向に垂直な面で切った断面図である。(A)は積層の順序をわかりやすくするために各層を分離してあらわしたものであり、(B)は実際に積層された状態を表したものである。
図3に示すように、積層シート4は、シートの厚さ方向からみて、第1の領域1と、第1の領域1に隣接し且つ互いに離れた、第2の領域2、第3の領域3に分かれている。
積層シート4の延在面上における第1乃至第3の領域の形状により絵柄等の意匠形状が構成されている。
なお、第2、第3の領域と離れた他の領域がさらに設けられていても構わない。その場合、第1の領域は、さらに設けた領域とも隣接する配置となる。
図3において、観察者7は光透過性の支持体8の一方の面側から目視し、光源6は支持体8の他方の面側に設置される。
【0073】
支持体8の観察者6側の面のうち第1の領域1に、第1の拡散層31、第4の加飾層17が順に積層されている。
また、支持体8の観察者6側の面のうち第2の領域2に、第2の拡散層32、第2の反射層11、第2の加飾層12が順に積層されている。
さらに、支持体8の観察者6側の面のうち第3の領域3に、第2の拡散層32、第3の反射層13、第2の加飾層15、第2の遮光層14、透明加飾層16が順に積層されている。
【0074】
支持体8の光源6側の面のうち第1の領域1に、第1の反射層21、第1の遮光層23、光透過性着色層24が順に積層されている。
また、支持体8の光源6側の面のうち第2の領域2及び第3の領域に、光透過性着色層24が設けられている。
【0075】
支持体8の構成、材料、作成方法、効果は、第1の実施形態の場合と同様である。
【0076】
また、支持体8の観察者7側の積層構造のうち、第1の領域、第2の領域の構造は前述した第1の実施形態と同様である。
【0077】
支持体8の観察者6側の面のうち第3の領域3に第2の拡散層32が配置される。
第2の拡散層32の材料、作成方法は、前述した第1の実施形態の場合と同様である。
【0078】
第2の拡散層32(第2の拡散層32がない場合は支持体8)の観察者6側の面のうち第3の領域3全域に第3の反射層13が配置される。
第3の反射層13の材料、作成方法は、前述した第1の実施形態の場合と同様である。
ここで、第3の反射層13における380〜780nmの光線の反射率は60%以上であり、第3の反射層13の全光線透過率は5%以上40%以下であることが望ましい。
第3の反射層13の反射率が60%未満であった場合、第3の反射層13で反射される間接光の輝度が低下し、第1の領域1と第2の領域2の境界における立体感が損なわれるからである。また、第3の反射層13の全光線透過率が5%未満であると、第2の遮光層14の開口部を抜けて透明加飾層16を透過して視認される光の輝度が低下して第3の領域3の絵柄を美しく表示できないからである。
一方、全光線透過率が40%以上であると反射率が低下して、前述のように間接光の輝度低下による第1の領域と第2の領域の境界における立体感の低下が起こるためである。
光源6が点灯した際には第3の反射層13で反射した光が第1の領域1の第1の反射層21に入射し、観察者7からは間接光として視認される。この時、第3の反射層13の幅が大きい方が第3の反射層13で反射されて第1の領域で間接光として観察される光が多く、第1の領域1と第3の領域3の境界における立体感が高まる。
【0079】
第3の反射層13の観察者6側の面に第2の加飾層15が積層される。
第2の加飾層15の材料、作成方法は、前述した第1の実施形態の場合と同様である。
光源6の非点灯時には外光が透明加飾層16と第2の遮光層14の開口部を通って第2の加飾層15で反射し、観察者7からは第2の加飾層15の色が視認される。
一方、光源6の点灯時に透明加飾層16が積層された第2の遮光層14の開口部では、第2の加飾層15が半透過性であるため、光透過性着色層24を透過した有彩色の光が観察され、非点灯時と別の美しい意匠性を表現することができる。第2の加飾層15がないと光源6の非点灯時に第3の反射層13を通して光透過性着色層24の有彩色が見えてしまうため、光源6の点灯時との意匠性の違いを表現できない。
【0080】
第2の加飾層15の観察者7側の面に開口部を持つ第2の遮光層14が積層される。
第2の遮光層14の材料、作成方法は、前述した第1の実施形態の場合と同様である。
光源6が点灯した際には第2の加飾層15を透過した光を遮光して第3の領域3における絵柄を表す。さらに、第1の領域1との境界において遮光するため、第1の領域1で視認される間接光とのコントラストを高めて立体感を高めることができる。
【0081】
第2の遮光層14の配置後に第3の反射層13の開口部に対応する位置に透明加飾層16が積層される。
透明加飾層16の材料、作成方法は、前述した第1の実施形態の場合と同様である。
透明加飾層16は光源6の非点灯時においては第3の領域3の最表面で絵柄として観察され、光源6の点灯時においては第3の反射層13の開口部を抜ける光を透過させて第3の反射層13とともに絵柄として観察者に視認させる。
透明加飾層16はデザイン上必要があれば設けることができ、透明加飾層16が無くても情報表示パネル5における他の機能には影響がない。
【0082】
支持体8の光源6側の面のうち、第1の領域1に第1の反射層21が配置される。
第1の反射層21の材料、作成方法、効果は、前述した第1の実施形態の場合と同様である。
【0083】
第1の反射層21の光源6側の面に第1の遮光層23が積層される。
第1の遮光層23の材料、作成方法、効果は、前述した図1の場合と同様である。
【0084】
支持体8の光源6側の面のうち、第2の領域及び第3の領域に光透過性着色層24を設ける。特に第2の領域及び第3の領域だけ限定することはなく、第1の遮光層23に積層されてもかまわない。
光透過性着色層24の材料、作成方法、効果は、前述した図1の場合と同様である。
【0085】
光源6からの光はシート4の入射面より光透過性着色層24に入射する。光透過性着色層24を透過した光は第1の遮光層23及び第1の反射層21の開口部から支持体8及び第2の拡散層32を通って第2の反射層11及び第3の反射層13に入射する。この際に支持体8に拡散層を含んでいれば支持体8の透過光の一部が拡散されて第1の反射層21に入射する。また、第2の拡散層32でも透過光の一部が拡散されて支持体8を再度透過して第1の反射層21に入射する。一方、第2の反射層11及び第3の反射層13の入射光はそこで反射されて第1の反射層21に入射する。第1の反射層21に入射した光はそこで反射されて第1の領域1から間接光として観察される。この時、第2の領域2の直接光は第1の加飾層12で遮光され、第3の領域3の第1の領域1との境界の直接光は第2の遮光層14で遮光されるために、第1の領域1の間接光の輝度と第2の領域2と第3の領域3の輝度の差が出る。それにより、第1の領域1と第2の領域2の境界及び第1の領域1と第3の領域3の境界の立体感を出すことができる。
また、第3の領域3において第3の反射層13と第2の加飾層15を透過した直接光の一部は第2の遮光層14の開口部を抜け、透明加飾層16を透過して美しい絵柄として視認される。
【0086】
図4は、本発明の第4の実施形態に係る情報表示パネル5用の積層シート4をシート延在方向に垂直な面で切った断面図である。(A)は積層の順序をわかりやすくするために各層を分離してあらわしたものであり、(B)は実際に積層された状態を表したものである。
図4に示すように、積層シート4は、シートの厚さ方向からみて、第1の領域1と、第1の領域1に隣接し且つ互いに離れた、第2の領域2、第3の領域3に分かれている。
積層シート4の延在面上における第1乃至第3の領域の形状により絵柄等の意匠形状が構成されている。
なお、第2、第3の領域と離れた他の領域がさらに設けられていても構わない。その場合、第1の領域は、さらに設けた領域とも隣接する配置となる。
図4において、観察者7は光透過性の支持体8の一方の面側から目視し、光源6は支持体8の他方の面側に設置される。
【0087】
支持体8の観察者6側の面のうち第1の領域1に、第1の拡散層31、第4の加飾層17が順に積層されている。
また、支持体8の観察者6側の面のうち第2の領域2に、第2の拡散層32、第2の反射層11、第2の加飾層12が順に積層されている。
さらに、支持体8の観察者6側の面のうち第3の領域3に、第2の拡散層32、第3の反射層13、第2の加飾層15、第2の遮光層14、透明加飾層16が順に積層されている。
【0088】
支持体8の光源6側の面のうち第1の領域1に、第1の反射層21、光透過性着色層24、第1の遮光層23が順に積層されている。
また、支持体8の光源6側の面のうち第2の領域2及び第3の領域に、光透過性着色層24が設けられている。
【0089】
支持体8の構成、材料、作成方法、効果は、第1の実施形態の場合と同様である。
【0090】
また、支持体8の観察者7側の積層構造は前述した第3の実施形態と同様である。
【0091】
支持体8の光源6側の面のうち、第1の領域1に第1の反射層21が配置される。
第1の反射層21の材料、作成方法、効果は、前述した第1の実施形態の場合と同様である。
【0092】
支持体8の光源6側の面のうち、第2の領域及び第3の領域に光透過性着色層24を設ける。特に第2の領域及び第3の領域だけ限定することはなく、第1の反射層21に積層されてもかまわない。
光透過性着色層24の材料、作成方法、効果は、前述した第1の実施形態の場合と同様である。
【0093】
第1の反射層21の光源6側の面に第1の遮光層23が積層される。
第1の遮光層23の材料、作成方法、効果は、前述した図1の場合と同様である。
【0094】
支持体8の光源6側の面のうち、第2の領域及び第3の領域に光透過性着色層24を設ける。特に第2の領域及び第3の領域だけ限定することはなく、第1の遮光層23に積層されてもかまわない。
光透過性着色層24の材料、作成方法、効果は、前述した図1の場合と同様である。
支持体8の他方の面側の第1の領域1に第1の反射層21が配置される。
第1の反射層21の材料、作成方法、効果は、前述した第1の実施形態の場合の場合と同様である。
【0095】
支持体8の光源6側の面に第1の反射層21の開口部に光透過性着色層24を設ける。特に第三の加飾層21の開口部だけ限定することはなく、第三の加飾層21に積層されてもかまわない。
光透過性着色層24の材料、作成方法、効果は、前述した図1の場合と同様である。
【0096】
光透過性着色層24が配置された後に、第1の反射層21に対応する位置に第1の遮光層23が積層される。
第1の遮光層23の材料、作成方法、効果は、前述した第1の実施形態の場合と同様である。
【0097】
光源6からの光はシート4の入射面より第1の遮光層23の開口部を通って光透過性着色層24に入射する。光透過性着色層24を透過した光は第1の反射層21の開口部から支持体8及び第2の拡散層32を通って第2の反射層11及び第3の反射層13に入射する。この際に支持体8に拡散層を含んでいれば支持体8の透過光の一部が拡散されて第1の反射層21に入射する。また、第2の拡散層32でも透過光の一部が拡散されて支持体8を再度透過して第1の反射層21に入射する。一方、第2の反射層11及び第3の反射層13の入射光はそこで反射されて第1の反射層21に入射する。第1の反射層21に入射した光はそこで反射されて第1の領域1から間接光として観察される。この時、第2の領域2の直接光は第1の加飾層12で遮光され、第3の領域3の第1の領域1との境界の直接光は第2の遮光層14で遮光されるために、第1の領域1の間接光の輝度と第2の領域2と第3の領域3の輝度の差が出る。それにより、第1の領域1と第2の領域2の境界及び第1の領域1と第3の領域3の境界の立体感を出すことができる。
また、第3の領域3において第3の反射層13と第2の加飾層15を透過した直接光の一部は第2の遮光層14の開口部を抜け、透明加飾層16を透過して美しい絵柄として視認される。
【0098】
本発明に係る情報表示パネル5は、前述した積層シート4と光源6を少なくとも備える。
光源6は、例えば、LED光源等のエッジライト式光源と導光板からなる面光源が用いられる。
【0099】
本発明に係る輸送機器は、例えば、自動車および飛行機等がある。輸送機器は、前述した情報表示パネル5を少なくとも具備しており、例えば、情報表示パネル5の観察者7側に樹脂製カバーを備えた形で、速度計測器の表示パネル等に使用される。輸送機器の構造は一般的に用いられるものである。
【実施例1】
【0100】
本発明の第1の実施例について図1の構成に沿って具体的に説明する。
支持体8として厚さdのポリカーボネートの一方の面側の第1の領域1にスクリーン印刷で透明インキの第1の拡散層31が配置され、第1の領域1の一部に第4の加飾層17が積層され、透明インキの第2の拡散層32が第2の領域2及び第3の領域3に設けられ、白インキの第2の反射層11が第2の領域2の第2の拡散層32に重ねられ、黒インキの第1の加飾層12が第2の反射層11上に積層され、開口部を持つ白インキの第3の反射層13が第3の領域3の第2の拡散層32に積層され、黒インキの第2の遮光層14が第3の反射層13の上に積層され、灰色インキの第2の加飾層15が第2の遮光層14の配置後に第3の領域3の略全域に配置され、透明インキの透明加飾層16が第2の加飾層15の配置後に第3の領域3の第3の反射層13の開口部に略対応する位置に積層される。
支持体8の他方の面側には白インキの第1の反射層21が第1の領域1に設けられ、白インキの第4の反射層22が第3の領域3の第3の反射層13の開口部に設けられ、黒インキの第1の遮光層23が第1の反射層21及び第4の反射層22の上に積層され、青インキの光透過性着色層24が第1の遮光層23が設けられた後から第1の領域1、第2の領域2及び第3の領域3に設けられている。
そして、本発明の情報表示パネル5の他方の面側に光源6となる1,000cd/m2のLED光源を置き、非点灯時と点灯時に一方の面側の観察者7が目視した。
【0101】
表1に図1の構成で、支持体8の厚さdを1mm、第3の領域3の最も狭い部分の幅w3を40mm、第2の遮光層14の開口率pを0.50、第1の領域1の最も広い部分の幅w1と第2の領域2の最も狭い部分の幅w2を変えた際のw2/w1の計算結果及び光源6の非点灯時の色と点灯時の第1の領域1における色及び第1の領域1と第2の領域2の境界部分の立体感を示す。
【0102】
【表1】

【0103】
なお、立体感は目視による官能評価であり、評価が3以上で合格とする。
【0104】
表1から第1の領域1において、各条件で光源6の点灯時は青色が視認され、非点灯時の白色と異なることから、光源6の点灯、非点灯により色の変化を表現できていることがわかる。また、第1の領域1で十分な立体感を得るためにはw2/w1が0.15以上である必要があることが確認できる。w1/w2が0.15未満では第2の領域2が狭いために、第2の反射層11で拡散反射され第1の領域1に向かう光の輝度が低くなってしまうためと推測される。
【0105】
表2に図1の構成で、支持体8の厚さdを1mm、第2の領域2の最も狭い部分の幅w2を20mmとし、第1の領域1の最も広い部分の幅w1と第3の領域3の最も狭い部分の幅w3及び第2の遮光層14の開口率pを変えた際の式(7)で表わされるkの計算結果及び光源6の非点灯時の色と点灯時の第1の領域1における色及び第1の領域1と第3の領域3の境界部分の立体感を示す。
【0106】
【数3】

【0107】
【表2】

【0108】
表2から第1の領域1において、各条件で光源6の点灯時は青色が視認され、非点灯時の白色と異なることから、光源6の点灯、非点灯により色の変化を表現できていることがわかる。また、第1の領域1で十分な立体感を得るためには、式(7)で表わされるkの値が0.15以上である必要があることが確認できる。kが0.15未満では第3の反射層13の面積が狭いために、第3の反射層13で拡散反射され第1の領域1に向かう光の輝度が低くなってしまうためと推測される。
【0109】
表3に図1の構成で、第1の領域1の最も広い部分の幅w1と第2の領域2の最も狭い部分の幅w2と第3の領域3の最も狭い部分の幅w3及び第2の遮光層14の開口率pにおいて、w2/w1が1であり、式(7)で表わされるkの値が1であったときに、支持体8の厚さdとw2を変えた際のd×w2の計算値及び光源6の非点灯時の色と点灯時の第1の領域1における色及び第1の領域1と第2の領域2の境界部分の立体感を示す。なお、dは情報表示機器筺体内の空間的な設計上の制約を受けないようにするため、0.1mm〜5.00mmの範囲にしている。
【0110】
【表3】

【0111】
表3から第1の領域1において、各条件で光源6の点灯時は青色が視認され、非点灯時の白色と異なることから、光源6の点灯、非点灯により色の変化を表現できていることがわかる。また、第1の領域1で十分な立体感を得るためにはd×w2が1.00以上である必要があることが確認できる。d×w2が1.00未満では第2の反射層11で拡散反射された光が第2の領域2の支持体8で広がる範囲が狭く、第1の領域1に向かう光の輝度が低くなってしまうためと推測される。
【0112】
表4に図1の構成で、第1の領域1の最も広い部分の幅w1と第2の領域2の最も狭い部分の幅w2と第3の領域3の最も狭い部分の幅w3及び第2の遮光層14の開口率pにおいて、w2/w1が1であり、式(7)で表わされるkの値が1であったときに、支持体8の厚さdとw3及びpを変えた際の式(8)のhの計算値及び光源6の非点灯時の色と点灯時の第1の領域1における色及び第1の領域1と第3の領域3の境界部分の立体感を示す。なお、dは情報表示機器筺体内の空間的な設計上の制約を受けないようにするため、0.1mm〜5.00mmの範囲にしている。
【0113】
【数4】

【0114】
【表4】

【0115】
表4から第1の領域1において、各条件で光源6の点灯時は青色が視認され、非点灯時の白色と異なることから、光源6の点灯、非点灯により色の変化を表現できていることがわかる。また、第1の領域1で十分な立体感を得るためには式(8)で表わされるhの値が1.00以上である必要があることが確認できる。hの値が1.00未満では第3の反射層13で拡散反射された光が第3の領域3の支持体8で広がる範囲が狭く、第1の領域1に向かう光の輝度が低くなってしまうためと推測される。
【実施例2】
【0116】
本発明の第2の実施例について図2の構成に沿って具体的に説明する。
支持体8として厚さdのポリカーボネートの一方の面側の第1の領域1にスクリーン印刷で透明インキの第1の拡散層31が配置され、第1の領域1の一部に第4の加飾層17が積層され、透明インキの第2の拡散層32が第2の領域2及び第3の領域3に設けられ、白インキの第2の反射層11が第2の領域2の第2の拡散層32に重ねられ、黒インキの第1の加飾層12が第2の反射層11上に積層され、開口部を持つ白インキの第3の反射層13が第3の領域3の第2の拡散層32に積層され、黒インキの第2の遮光層14が第3の反射層13の上に積層され、灰色インキの第2の加飾層15が第2の遮光層14の配置後に第3の領域3の略全域に配置され、透明インキの透明加飾層16が第2の加飾層15の配置後に第3の領域3の第3の反射層13の開口部に略対応する位置に積層される。
支持体8の他方の面側には白インキの第1の反射層21が第1の領域1に設けられ、白インキの第4の反射層22が第3の領域3の第3の反射層13の開口部に設けられ、青インキの光透過性着色層24が第1の反射層21が設けられた後から第1の領域1、第2の領域2及び第3の領域3に配置されて、黒インキの第1の遮光層23が光透過性着色層24が配置された後に第1の反射層21及び第4の反射層22に対応する位置に積層されている。
そして、本発明の情報表示パネル5の他方の面側に光源6となる1,000cd/m2のLED光源を置き、非点灯時と点灯時に一方の面側の観察者7が目視した。
【0117】
表5に図2の構成で、支持体8の厚さdを1mm、第3の領域3の最も狭い部分の幅w3を40mm、第2の遮光層14の開口率pを0.50、第1の領域1の最も広い部分の幅w1と第2の領域2の最も狭い部分の幅w2を変えた際のw2/w1の計算結果及び光源6の非点灯時の色と点灯時の第1の領域1における色及び第1の領域1と第2の領域2の境界部分の立体感を示す。
【0118】
【表5】

【0119】
なお、立体感は目視による官能評価であり、評価が3以上で合格とする。
【0120】
表5から第1の領域1において、各条件で光源6の点灯時は青色が視認され、非点灯時の白色と異なることから、光源6の点灯、非点灯により色の変化を表現できていることがわかる。また、第1の領域1で十分な立体感を得るためにはw2/w1が0.15以上である必要があることが確認できる。w1/w2が0.15未満では第2の領域2が狭いために、第2の反射層11で拡散反射され第1の領域1に向かう光の輝度が低くなってしまうためと推測される。
【0121】
表6に図2の構成で、支持体8の厚さdを1mm、第2の領域2の最も狭い部分の幅w2を20mmとし、第1の領域1の最も広い部分の幅w1と第3の領域3の最も狭い部分の幅w3及び第2の遮光層14の開口率pを変えた際の前述の式(7)のkの計算結果及び光源6の非点灯時の色と点灯時の第1の領域1における色及び第1の領域1と第3の領域3の境界部分の立体感を示す。
【0122】
【表6】

【0123】
表6から第1の領域1において、各条件で光源6の点灯時は青色が視認され、非点灯時の白色と異なることから、光源6の点灯、非点灯により色の変化を表現できていることがわかる。また、第1の領域1で十分な立体感を得るためには前述の式(7)で表わされるkの値が0.15以上である必要があることが確認できる。kの値が0.15未満では第3の反射層13の面積が狭いために、第3の反射層13で拡散反射され第1の領域1に向かう光の輝度が低くなってしまうためと推測される。
【0124】
表7に図2の構成で、第1の領域1の最も広い部分の幅w1と第2の領域2の最も狭い部分の幅w2と第3の領域3の最も狭い部分の幅w3及び第2の遮光層14の開口率pにおいて、w2/w1が1であり、式(7)で表わされるkの値が1であったときに、支持体8の厚さdとw2を変えた際のd×w2の計算値及び光源6の非点灯時の色と点灯時の第1の領域1における色及び第1の領域1と第2の領域2の境界部分の立体感を示す。なお、dは情報表示機器筺体内の空間的な設計上の制約を受けないようにするため、0.1mm〜5.00mmの範囲にしている。
【0125】
【表7】

【0126】
表7から第1の領域1において、各条件で光源6の点灯時は青色が視認され、非点灯時の白色と異なることから、光源6の点灯、非点灯により色の変化を表現できていることがわかる。また、第1の領域1で十分な立体感を得るためにはd×w2が1.00以上である必要があることが確認できる。d×w2が1.00未満では第2の反射層11で拡散反射された光が第2の領域2の支持体8で広がる範囲が狭く、第1の領域1に向かう光の輝度が低くなってしまうためと推測される。
【0127】
表8に図2の構成で、第1の領域1の最も広い部分の幅w1と第2の領域2の最も狭い部分の幅w2と第3の領域3の最も狭い部分の幅w3及び第2の遮光層14の開口率pにおいて、w2/w1が1であり、式(7)のkの値が1であったときに、支持体8の厚さdとw3及びpを変えた際の前述の式(8)のhの計算値及び光源6の非点灯時の色と点灯時の第1の領域1における色及び第1の領域1と第3の領域3の境界部分の立体感を示す。なお、dは情報表示機器筺体内の空間的な設計上の制約を受けないようにするため、0.1mm〜5.00mmの範囲にしている。
【0128】
【表8】

【0129】
表8から第1の領域1において、各条件で光源6の点灯時は青色が視認され、非点灯時の白色と異なることから、光源6の点灯、非点灯により色の変化を表現できていることがわかる。また、第1の領域1で十分な立体感を得るためには式(8)のhの値が1.00以上である必要があることが確認できる。hの値が1.00未満では第3の反射層13で拡散反射された光が第3の領域3の支持体8で広がる範囲が狭く、第1の領域1に向かう光の輝度が低くなってしまうためと推測される。
【0130】
実施例1の表1〜表4とそれに対応する実施例2の表5〜表8は同じ結果となっている。
これは光透過性着色層24が図1のように第1の遮光層23の後に積層されても、図2のように第1の反射層21の後に積層されても、第1の遮光層23の開口部に配置されるので効果が同じなのだと考えられる。
【実施例3】
【0131】
本発明の第3の実施例について図3の構成に沿って具体的に説明する。
支持体8として厚さdのポリカーボネートの一方の面側の第1の領域1にスクリーン印刷で透明インキの第1の拡散層31が配置され、第1の領域1の一部に第4の加飾層17が積層され、透明インキの第2の拡散層32が第2の領域2及び第3の領域3に設けられ、白インキの第2の反射層11が第2の領域2の第2の拡散層32に重ねられ、黒インキの第1の加飾層12が第2の反射層11上に積層され、白インキの第3の反射層13が第3の領域3の第2の拡散層32に積層され、灰色インキの第2の加飾層15が第3の反射層13の上に配置され、開口部を持つ黒インキの第2の遮光層14が第2の加飾層15の上に積層され、透明インキの透明加飾層16が第2の遮光層14の配置後に第3の領域3の第2の遮光層14の開口部に略対応する位置に積層される。
支持体8の他方の面側には白インキの第1の反射層21が第1の領域1に設けられ、黒インキの第1の遮光層23が第1の反射層21の上に積層され、青インキの光透過性着色層24が第1の遮光層23が設けられた後から第1の領域1、第2の領域2及び第3の領域3に設けられている。
そして、本発明の情報表示パネル5の他方の面側に光源6となる1,000cd/m2のLED光源を置き、非点灯時と点灯時に一方の面側の観察者7が目視した。
【0132】
表9に図3の構成で、支持体8の厚さdを1mm、第3の領域3の最も狭い部分の幅w3を40mm、第1の領域1の最も広い部分の幅w1と第2の領域2の最も狭い部分の幅w2を変えた際のw2/w1の計算結果及び光源6の非点灯時の色と点灯時の第1の領域1における色及び第1の領域1と第2の領域2の境界部分の立体感を示す。
【0133】
【表9】

【0134】
なお、立体感は目視による官能評価であり、評価が3以上で合格とする。
【0135】
表9から第1の領域1において、各条件で光源6の点灯時は青色が視認され、非点灯時の白色と異なることから、光源6の点灯、非点灯により色の変化を表現できていることがわかる。また、第1の領域1で十分な立体感を得るためにはw2/w1が0.15以上である必要があることが確認できる。w2/w1が0.15未満では第2の領域2が狭いために、第2の反射層11で拡散反射され第1の領域1に向かう光の輝度が低くなってしまうためと推測される。
【0136】
表10に図3の構成で、支持体8の厚さdを1mm、第2の領域2の最も狭い部分の幅w2を20mmとし、第1の領域1の最も広い部分の幅w1及び第3の領域3の最も狭い部分の幅w3を変えた際のw3/w1の計算結果及び光源6の非点灯時の色と点灯時の第1の領域1における色及び第1の領域1と第3の領域3の境界部分の立体感を示す。
【0137】
【表10】

【0138】
表10から第1の領域1において、各条件で光源6の点灯時は青色が視認され、非点灯時の白色と異なることから、光源6の点灯、非点灯により色の変化を表現できていることがわかる。また、第1の領域1で十分な立体感を得るためにはw3/w1が0.15以上である必要があることが確認できる。w3/w1が0.15未満では第3の反射層13の幅が狭いために、第3の反射層13で拡散反射され第1の領域1に向かう光の輝度が低くなってしまうためと推測される。
【0139】
表11に図3の構成で、第1の領域1の最も広い部分の幅w1と第2の領域2の最も狭い部分の幅w2及び第3の領域3の最も狭い部分の幅w3において、w2/w1が1であり、w3/w1が1としたときに、支持体8の厚さdとw2を変えた際のd×w2の計算値及び光源6の非点灯時の色と点灯時の第1の領域1における色及び第1の領域1と第2の領域2の境界部分の立体感を示す。なお、dは情報表示機器筺体内の空間的な設計上の制約を受けないようにするため、0.1mm〜5.00mmの範囲にしている。
【0140】
【表11】

【0141】
表11から第1の領域1において、各条件で光源6の点灯時は青色が視認され、非点灯時の白色と異なることから、光源6の点灯、非点灯により色の変化を表現できていることがわかる。また、第1の領域1で十分な立体感を得るためにはd×w2が1.00以上である必要があることが確認できる。d×w2が1.00未満では第2の反射層11で拡散反射された光が第2の領域2の支持体8で広がる範囲が狭く、第1の領域1に向かう光の輝度が低くなってしまうためと推測される。
【0142】
表12に図3の構成で、第1の領域1の最も広い部分の幅w1と第2の領域2の最も狭い部分の幅w2及び第3の領域3の最も狭い部分の幅w3において、w2/w1が1であり、w3/w1が1としたときに、支持体8の厚さdとw3を変えた際のd×w3の計算値及び光源6の非点灯時の色と点灯時の第1の領域1における色及び第1の領域1と第3の領域3の境界部分の立体感を示す。なお、dは情報表示機器筺体内の空間的な設計上の制約を受けないようにするため、0.1mm〜5.00mmの範囲にしている。
【0143】
【表12】

【0144】
表12から第1の領域1において、各条件で光源6の点灯時は青色が視認され、非点灯時の白色と異なることから、光源6の点灯、非点灯により色の変化を表現できていることがわかる。また、第1の領域1で十分な立体感を得るためにはd×w3が1.00以上である必要があることが確認できる。d×w3が1.00未満では第3の反射層13で拡散反射された光が第3の領域3の支持体8で広がる範囲が狭く、第1の領域1に向かう光の輝度が低くなってしまうためと推測される。
【実施例4】
【0145】
本発明の第4の実施例について図4の構成に沿って具体的に説明する。
支持体8として厚さdのポリカーボネートの一方の面側の第1の領域1にスクリーン印刷で透明インキの第1の拡散層31が配置され、第1の領域1の一部に第4の加飾層17が積層され、透明インキの第2の拡散層32が第2の領域2及び第3の領域3に設けられ、白インキの第2の反射層11が第2の領域2の第2の拡散層32に重ねられ、黒インキの第1の加飾層12が第2の反射層11上に積層され、白インキの第3の反射層13が第3の領域3の第2の拡散層32に積層され、灰色インキの第2の加飾層15が第3の反射層13の上に配置され、開口部を持つ黒インキの第2の遮光層14が第2の加飾層15の上に積層され、透明インキの透明加飾層16が第2の遮光層14の配置後に第3の領域3の第2の遮光層14の開口部に略対応する位置に積層される。
支持体8の他方の面側には白インキの第1の反射層21が第1の領域1に設けられ、青インキの光透過性着色層24が第1の反射層21が設けられた後から第1の領域1、第2の領域2及び第3の領域3に設けられて、黒インキの第1の遮光層23が光透過性着色層24が設けられた後から第1の反射層21に対応する位置に積層され、
そして、本発明の情報表示パネル5の他方の面側に光源6となる1,000cd/m2のLED光源を置き、非点灯時と点灯時に一方の面側の観察者7が目視した。
【0146】
表13に図4の構成で、支持体8の厚さdを1mm、第3の領域3の最も狭い部分の幅w3を40mm、第1の領域1の最も広い部分の幅w1と第2の領域2の最も狭い部分の幅w2を変えた際のw2/w1の計算結果及び光源6の非点灯時の色と点灯時の第1の領域1における色及び第1の領域1と第2の領域2の境界部分の立体感を示す。
【0147】
【表13】

【0148】
なお、立体感は目視による官能評価であり、評価が3以上で合格とする。
【0149】
表13から第1の領域1において、各条件で光源6の点灯時は青色が視認され、非点灯時の白色と異なることから、光源6の点灯、非点灯により色の変化を表現できていることがわかる。また、第1の領域1で十分な立体感を得るためにはw2/w1が0.15以上である必要があることが確認できる。w2/w1が0.15未満では第2の領域2が狭いために、第2の反射層11で拡散反射され第1の領域1に向かう光の輝度が低くなってしまうためと推測される。
【0150】
表14に図4の構成で、支持体8の厚さdを1mm、第2の領域2の最も狭い部分の幅w2を20mmとし、第1の領域1の最も広い部分の幅w1及び第3の領域3の最も狭い部分の幅w3を変えた際のw3/w1の計算結果及び光源6の非点灯時の色と点灯時の第1の領域1における色及び第1の領域1と第3の領域3の境界部分の立体感を示す。
【0151】
【表14】

【0152】
表14から第1の領域1において、各条件で光源6の点灯時は青色が視認され、非点灯時の白色と異なることから、光源6の点灯、非点灯により色の変化を表現できていることがわかる。また、第1の領域1で十分な立体感を得るためにはw3/w1が0.15以上である必要があることが確認できる。w3/w1が0.15未満では第3の反射層13の幅が狭いために、第3の反射層13で拡散反射され第1の領域1に向かう光の輝度が低くなってしまうためと推測される。
【0153】
表15に図4の構成で、第1の領域1の最も広い部分の幅w1と第2の領域2の最も狭い部分の幅w2及び第3の領域3の最も狭い部分の幅w3において、w2/w1が1であり、w3/w1が1としたときに、支持体8の厚さdとw2を変えた際のd×w2の計算値及び光源6の非点灯時の色と点灯時の第1の領域1における色及び第1の領域1と第2の領域2の境界部分の立体感を示す。なお、dは情報表示機器筺体内の空間的な設計上の制約を受けないようにするため、0.1mm〜5.00mmの範囲にしている。
【0154】
【表15】

【0155】
表15から第1の領域1において、各条件で光源6の点灯時は青色が視認され、非点灯時の白色と異なることから、光源6の点灯、非点灯により色の変化を表現できていることがわかる。また、第1の領域1で十分な立体感を得るためにはd×w2が1.00以上である必要があることが確認できる。d×w2が1.00未満では第2の反射層11で拡散反射された光が第2の領域2の支持体8で広がる範囲が狭く、第1の領域1に向かう光の輝度が低くなってしまうためと推測される。
【0156】
表16に図4の構成で、第1の領域1の最も広い部分の幅w1と第2の領域2の最も狭い部分の幅w2及び第3の領域3の最も狭い部分の幅w3において、w2/w1が1であり、w3/w1が1としたときに、支持体8の厚さdとw3を変えた際のd×w3の計算値及び光源6の非点灯時の色と点灯時の第1の領域1における色及び第1の領域1と第3の領域3の境界部分の立体感を示す。なお、dは情報表示機器筺体内の空間的な設計上の制約を受けないようにするため、0.1mm〜5.00mmの範囲にしている。
【0157】
【表16】

【0158】
表16から第1の領域1において、各条件で光源6の点灯時は青色が視認され、非点灯時の白色と異なることから、光源6の点灯、非点灯により色の変化を表現できていることがわかる。また、第1の領域1で十分な立体感を得るためにはd×w3が1.00以上である必要があることが確認できる。d×w3が1.00未満では第3の反射層13で拡散反射された光が第3の領域3の支持体8で広がる範囲が狭く、第1の領域1に向かう光の輝度が低くなってしまうためと推測される。
【0159】
実施例3の表9〜表12とそれに対応する実施例4の表13〜表16は同じ結果となっている。これは光透過性着色層24が図3のように第1の遮光層23の後に積層されても、図4のように第1の反射層21の後に積層されても、第1の遮光層23の開口部に配置されるので効果が同じなのだと考えられる。
【0160】
前記実施例のシート4を用いた情報表示パネル5において、光源6を点灯させることにより、文字・絵柄等に相当する第1の領域1に立体感を生じさせるとともに、光源6の点灯時と非点灯時とに色変化をつけて文字・絵柄を美しく表現することができた。
【0161】
実施例1乃至4で作製した情報表示パネルを背面に光源を、前面の観察者側に樹脂製カバーを備えた輸送機器に用いた。
【符号の説明】
【0162】
1 第1の領域
2 第2の領域
3 第3の領域
4 シート
5 情報表示パネル
6 光源
7 観察者
8 支持体
11 第2の反射層
12 第1の加飾層
13 第3の反射層
14 第2の遮光層
15 第2の加飾層
16 透明加飾層
17 第4の加飾層
21 第1の反射層
22 第4の反射層
23 第1の遮光層
24 光透過性着色層
31 第1の拡散層
32 第2の拡散層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
背面に設置された光源により照明されることで情報を表示する情報表示パネル用の積層シートであって、
光透過性を有する支持体と、
前記支持体の光源側の面のうち、第1の領域に積層された第1の反射層と、
前記支持体の光源と逆側の面のうち、前記支持体の厚さ方向から見て前記第1の領域に隣接する第2の領域に積層された第2の反射層と、
前記支持体の前記光源と逆側の面のうち、前記支持体の厚さ方向から見て前記第1の領域に隣接し、かつ第2の領域と離隔した第3の領域に積層され、開口部を有する第3の反射層と、
前記支持体の光源側の面のうち、前記第3の反射層の開口部に相当する領域に積層された第4の反射層と、
前記第1の反射層及び前記第4の反射層の前記光源側の面に積層された第1の遮光層と、
前記支持体の光源側の面のうち、前記第1の反射層及び第4の反射層が設けられていない面に積層された光透過性着色層と、
前記第2の反射層の前記光源と逆側の面に積層された第1の加飾層と、
前記第3の反射層の前記光源と逆側の面に積層され、前記第3の反射層と同位置の開口部を有する第2の遮光層と、
前記支持体の前記光源と逆側の面のうち前記第3の反射層の開口部に相当する面、及び前記第2の遮光層の前記光源と逆側の面に積層され、第3の領域全域に亘る第2の加飾層とを有する、
ことを特徴とする積層シート。
【請求項2】
背面に設置された光源により照明されることで情報を表示する情報表示パネル用の積層シートであって、
光透過性を有する支持体と、
前記支持体の光源側の面のうち、第1の領域に積層された第1の反射層と、
前記支持体の光源と逆側の面のうち、前記支持体の厚さ方向から見て前記第1の領域に隣接する第2の領域に積層された第2の反射層と、
前記支持体の前記光源と逆側の面のうち、前記支持体の厚さ方向から見て前記第1の領域に隣接し、かつ第2の領域と離隔した第3の領域に積層され、開口部を有する第3の反射層と、
前記支持体の光源側の面のうち、前記第3の反射層の開口部に相当する領域に積層された第4の反射層と、
前記支持体の前記光源側の面のうち前記第1の反射層及び第4の反射層が設けられていない面、並びに前記第1の反射層及び第4の反射層の前記光源側の面に積層され、全域に亘る光透過性着色層と、
前記光透過性着色層の前記光源側の面のうち、第1の反射層及び第4の反射層と同じ領域に設けられた第1の遮光層と、
前記第2の反射層の前記光源と逆側の面に積層された第1の加飾層と、
前記第3の反射層の前記光源と逆側の面に積層され、前記第3の反射層と同位置の開口部を有する第2の遮光層と、
前記支持体の前記光源と逆側の面のうち前記第3の反射層の開口部に相当する面、及び前記第2の遮光層の前記光源と逆側の面に積層され、第1の領域全域に亘る第2の加飾層とを有する、
ことを特徴とする積層シート。
【請求項3】
背面に設置された光源により照明されることで情報を表示する情報表示パネル用の積層シートであって、
光透過性を有する支持体と、
前記支持体の光源側の面のうち、第1の領域に積層された第1の反射層と、
前記支持体の光源と逆側の面のうち、前記支持体の厚さ方向から見て前記第1の領域に隣接する第2の領域に積層された第2の反射層と、
前記支持体の前記光源と逆側の面のうち、前記支持体の厚さ方向から見て前記第1の領域に隣接し、かつ第2の領域と離隔した第3の領域に積層された第3の反射層と、
前記第1の反射層の前記光源側の面に積層された第1の遮光層と、
前記支持体の光源側の面のうち、前記第1の反射層が設けられていない面に積層された光透過性着色層と、
前記第2の反射層の前記光源と逆側の面に積層された第1の加飾層と、
前記第3の反射層の前記光源と逆側の面に積層された第2の加飾層と、
前記第2の加飾層の前記光源と逆側の面に積層され、開口部を有する第2の遮光層とを有する、
ことを特徴とする積層シート。
【請求項4】
背面に設置された光源により照明されることで情報を表示する情報表示パネル用の積層シートであって、
光透過性を有する支持体と、
前記支持体の光源側の面のうち、第1の領域に積層された第1の反射層と、
前記支持体の光源と逆側の面のうち、前記支持体の厚さ方向から見て前記第1の領域に隣接する第2の領域に積層された第2の反射層と、
前記支持体の前記光源と逆側の面のうち、前記支持体の厚さ方向から見て前記第1の領域に隣接し、かつ第2の領域と離隔した第3の領域に積層された第3の反射層と、
前記支持体の前記光源側の面のうち前記第1の反射層が設けられていない面、及び前記第1の反射層の前記光源側の面に積層され、全域に亘る光透過性着色層と、
前記光透過性着色層の前記光源側の面のうち、第1の反射層と同じ領域に設けられた第1の遮光層と、
前記第2の反射層の前記光源と逆側の面に積層された第1の加飾層と、
前記第3の反射層の前記光源と逆側の面に積層された第2の加飾層と、
前記第2の加飾層の前記光源と逆側の面に積層され、開口部を有する第2の遮光層とを有する、
ことを特徴とする積層シート。
【請求項5】
前記第1の領域の最も広い部分の幅をw1とし、前記第2の領域の最も狭い部分の幅をw2とした時に、以下の式(1)が成り立つことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の積層シート。
w2/w1≧0.15・・・(1)
【請求項6】
前記第3の領域の最も狭い部分の幅をw3、前記第2の遮光層の開口率をpとした時に、前記第1の領域の最も広い部分の幅w1との関係が以下の式(2)のように成ることを特徴とする請求項1、2、5のいずれかに記載の積層シート。
【数1】

【請求項7】
前記第3の領域の最も狭い部分の幅をw3とした時に、前記第1の領域の最も広い部分の幅w1との関係が以下の式(3)のように成ることを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載の積層シート。
w3/w1≧0.15・・・(3)
【請求項8】
前記支持体の厚さをdとした時に、前記第2の領域の最も狭い部分の幅w2との関係が以下の式(4)のように成ることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の積層シート。
d×w2≧1.00mm・・・(4)
【請求項9】
前記支持体の厚さdと前記第3の領域の最も狭い部分の幅w3及び前記第2の遮光層の開口率pとの関係が以下の式(5)のように成ることを特徴とする請求項1、2、5、6、8のいずれかに記載の積層シート。
【数2】

【請求項10】
前記支持体の厚さdと前記第3の領域の最も狭い部分の幅w3との関係が以下の式(6)のように成ることを特徴とする請求項3、4、5、7、8のいずれかに記載の積層シート。
d×w3≧1.00mm・・・(6)
【請求項11】
前記支持体の厚さが0.1mmから5mmまでの範囲であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の積層シート。
【請求項12】
前記支持体の前記光源と逆側の面のうち、前記第2の遮光層の開口部に対応する位置に透明加飾層が積層され、前記透明加飾層の全光線透過率が80%以上であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の積層シート。
【請求項13】
前記第2の加飾層は全光線透過率が4%以上40%以下であることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の積層シート。
【請求項14】
前記第1の加飾層の全光線透過率が20%以下であることを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の積層シート。
【請求項15】
前記第2の遮光層の全光線透過率が20%以下であることを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の積層シート。
【請求項16】
前記第2の遮光層の全光線透過率が20%以下であることを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載の積層シート。
【請求項17】
前記第2の反射層における380〜780nmの光線の反射率が60%以上であり、前記第2の反射層の全光線透過率が5%以上40%以下であることを特徴とする請求項1乃至16のいずれかに記載の積層シート。
【請求項18】
前記第3の反射層における380〜780nmの光線の反射率が60%以上であり、前記第2の反射層の全光線透過率が5%以上40%以下であることを特徴とする請求項1乃至17のいずれかに記載の積層シート。
【請求項19】
前記第1の反射層における380〜780nmの光線の反射率が20%以上であることを特徴とする請求項1乃至18のいずれかに記載の積層シート。
【請求項20】
前記第4の反射層における380〜780nmの光線の反射率が20%以上であることを特徴とする請求項1、2、5、6、8、9、11乃至19のいずれかに記載の積層シート。
【請求項21】
前記第1の加飾層において文字等意匠形状の開口部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至20のいずれかに記載の積層シート。
【請求項22】
前記第2の反射層において文字等意匠形状の開口部が設けられていることを特徴とする請求項21に記載の積層シート。
【請求項23】
前記光透過性着色層において、前記第1の加飾層の前記文字等意匠形状の開口部の外周から0.050mm以上外側に外周を有する開口部を有し、前記光透過性着色層の開口部の外周が前記第2の領域と前記第1の領域との境界から1.000mm以上離れていることを特徴とする請求項21又は22に記載の積層シート。
【請求項24】
前記光透過性着色層は全光線透過率が20%以上の有彩色の層であることを特徴とする請求項1乃至23のいずれかに記載の積層シート。
【請求項25】
前記支持体はポリカーボネート、ポリプロピレン、発泡ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリメタクリル酸メチル、アクリル、ポリスチレン、メタクリル・スチレン共重合体またはアクリルニトリル・スチレン共重合体のいずれかの樹脂であることを特徴とする請求項1乃至24のいずれかに記載の積層シート。
【請求項26】
前記支持体はヘイズ値が12%以上の樹脂であることを特徴とする請求項1乃至24のいずれかに記載の積層シート。
【請求項27】
前記支持体は光透過層と光拡散層を含み、前記光透過層はポリカーボネート、ポリプロピレン、発泡ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリメタクリル酸メチル、アクリル、ポリスチレン、メタクリル・スチレン共重合体またはアクリルニトリル・スチレン共重合体のいずれかの樹脂であり、前記光拡散層はヘイズ値が12%以上の樹脂であることを特徴とする請求項1乃至24のいずれかに記載の積層シート。
【請求項28】
前記支持体の前記光源と逆側の面うちの第1の領域にヘイズ値5%以上、全光線透過率60%以上98%以下の第1の拡散層が設けられていることを特徴とする請求項1乃至27のいずれかに記載の積層シート。
【請求項29】
前記第2の領域の前記支持体と前記第2の反射層の間及び前記第3の領域の前記支持体と前記第3の反射層の間にヘイズ値5%以上、全光線透過率60%以上の第2の拡散層が設けられていることを特徴とする請求項1乃至28のいずれかに記載の積層シート。
【請求項30】
前記支持体の前記光源と逆側の第1の領域に全光線透過率が20%以下の第4の加飾層が積層されていることを特徴とする請求項1乃至29のいずれかに記載の積層シート。
【請求項31】
光源と、請求項1乃至30のいずれかに記載の積層シートを少なくとも含む情報表示パネル。
【請求項32】
前記光源がエッジライト式光源と導光板からなる面光源であることを特徴とする請求項31記載の情報表示パネル。
【請求項33】
前記光源がLED光源であることを特徴とする請求項31に記載の情報表示パネル。
【請求項34】
請求項31乃至33のいずれかに記載の情報表示パネルを具備した情報表示機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−203605(P2011−203605A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−72224(P2010−72224)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】