説明

情報表示装置、情報表示システム、情報表示制御方法及び情報表示制御プログラム

【課題】他人に気づかれることなく利用者に関する情報を隠すことができる情報表示装置を提供する。
【解決手段】情報表示装置10によれば、表示装置12は利用者が個人で使用する場合に全ての情報を表示し、情報表示装置10は外部機器20から登録情報を取得したときに、利用者が他人から隠す第1情報の表示を阻止して第2情報のみを表示するようにしたことから、利用者は他人が居合わせる場合等に外部機器20を介して第1情報の阻止を設定することができるため、他人に気づかれることなく、他人に知られたくない情報を隠すことができ且つ他人に不信感、不快感等を与えることも防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者が他人から隠す第1情報と該第1情報以外の第2情報との表示装置に対する表示を制御する情報表示装置、情報表示システム、情報表示制御方法及び情報表示制御プログラム等の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
カーナビゲーション装置、パーソナル・コンピュータ(パソコン)、ハードディスク・レコーダ、PDA(personal digital assistant)、携帯電話機等の情報表示装置においては、個人情報の保護、セキュリティの向上のために、セキュリティモード等の装置の利用者、認証者等のみが操作できるようにして、利用者を制限する機能を有している。そして、セキュリティモードが設定されると、情報表示装置は利用者に対して暗証番号等の入力を促し、正しい暗証番号等が入力されたときにのみ、各種情報の参照が可能となる。
【0003】
また、特許文献1に示す情報処理装置では、携帯情報機器を利用者の身につけさせ、情報処理装置と携帯情報機器の間で通信リンクが確立されるまでは、パスワード入力画面に移行しないようにすることで、さらなるセキュリティ機能の向上が図られてきた。
【特許文献1】WO 02/42890 A1号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の情報表示装置にようにセキュリティ機能の向上を図るには、常時セキュリティモード等に設定しておく必要があるが、利用する度に暗証番号の入力等の認証作業が必要となり、手間が掛かるという問題があった。
【0005】
また、情報表示装置が個人所有の専用機器である場合、通常はセキュリティモード等を設定しないで使用することになるが、突然他人が居合わせる、突然他人に貸すことになってセキュリティ機能を動作させたい場合、その他人の前でセキュリティモード等を設定する必要があり、セキュリティモード等を設定したこと又はそのモードに入っていることが他人に知られてしまうという問題があった。そのため、セキュリティモード等を設定すること自体が困難な場合もあり、その時に設定を行わないと、他人に利用者の個人に関する情報が知られてしまうという問題が生じる。本発明が解決しようとする課題は、上記した問題が一例として挙げられる。
【0006】
よって本発明は、上述した問題点に鑑み、他人に気づかれることなく利用者に関する情報を隠すことができる情報表示装置、情報表示システム、情報表示制御方法及び情報表示制御プログラムを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため本発明によりなされた請求項1記載の情報表示装置は、利用者が他人から隠す第1情報と該第1情報以外の第2情報との表示装置に対する表示を制御する表示制御手段を有する情報表示装置であって、前記情報表示装置とは別体に形成された外部機器から予め定められた登録情報を取得する登録情報取得手段と、前記登録情報取得手段による登録情報の取得に応じて前記表示装置に対する前記第1情報の表示を阻止する表示阻止手段と、を有し、そして、前記表示制御手段は、前記表示阻止手段によって第1情報の表示が阻止されている間は前記第2情報のみを表示する手段であることを特徴とする。
【0008】
上記課題を解決するため本発明によりなされた請求項3記載の情報表示システムは、請求項1又は2に記載の情報表示装置と、前記情報表示装置によって表示が制御される表示装置と、前記情報表示装置の利用者が所持する外部機器と、を有することを特徴とする。
【0009】
上記課題を解決するため本発明によりなされた請求項4記載の情報表示制御方法は、利用者が他人から隠す第1情報と該第1情報以外の第2情報との表示装置に対する表示を情報表示装置で制御する情報表示制御方法であって、前記情報表示装置は、別体に形成された外部機器から予め定められた登録情報を取得すると、前記第1情報の表示を阻止して前記第2情報のみを前記表示装置に表示することを特徴とする。
【0010】
上記課題を解決するため本発明によりなされた請求項5記載の情報表示制御プログラムは、情報表示装置のコンピュータを利用者が他人から隠す第1情報と該第1情報以外の第2情報との表示装置に対する表示を制御する表示制御手段として機能させるための情報表示制御プログラムであって、前記情報表示装置とは別体に形成された外部機器から予め定められた登録情報を取得する登録情報取得手段、前記登録情報取得手段による登録情報の取得に応じて前記表示装置に対する前記第1情報の表示を阻止する表示阻止手段、前記表示阻止手段によって第1情報の表示が阻止されている間は、前記表示制御手段を前記第2情報のみを表示する手段として前記情報表示装置のコンピュータを機能させることを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明に係る情報表示装置、情報表示システム、情報表示制御方法及び情報表示制御プログラムの一最良の形態を、図1の図面を参照して以下に説明する。なお、図1は本発明に係る情報表示装置及び情報表示システムの基本構成の一例を示す構成図である。
【0012】
図1において、情報表示装置10は、利用者が他人から隠す第1情報と該第1情報以外の第2情報とを記憶する記憶手段15と、前記記憶手段15に記憶している第1情報と第2情報の表示装置12に対する表示を制御する表示制御手段11aを有する情報表示装置10であって、前記情報表示装置10とは別体に形成された外部機器20から予め定められた登録情報を取得する登録情報取得手段11bと、前記登録情報取得手段11bによる登録情報の取得に応じて前記表示装置12に対する前記第1情報の表示を阻止する表示阻止手段11cと、を有し、そして、前記表示制御手段11aは、前記表示阻止手段11cによって第1情報の表示が阻止されている間は前記第2情報のみを表示する手段となっている。
【0013】
この情報表示装置10によれば、外部機器20に割り振られた識別データ、アドレスや登録キーデータ等の登録情報が、登録情報取得手段11bによって外部機器20から取得されると、他人に知られたくない第1情報の表示が表示阻止手段11cによって阻止され、その間は表示制御手段11aによって第2情報のみを表示装置12に表示する。
【0014】
また、情報表示制御プログラムは、情報表示装置10のコンピュータを利用者が他人から隠す第1情報と該第1情報以外の第2情報との表示装置12に対する表示を制御する表示制御手段11aとして機能させるための情報表示制御プログラムであって、前記情報表示装置10とは別体に形成された外部機器20から予め定められた登録情報を取得する登録情報取得手段11b、前記登録情報取得手段11bによる登録情報の取得に応じて前記表示装置12に対する前記第1情報の表示を阻止する表示阻止手段11c、前記表示阻止手段11cによって第1情報の表示が阻止されている間は、前記表示制御手段11aを前記第2情報のみを表示する手段として前記情報表示装置10のコンピュータを機能させる。
【0015】
この情報表示装置10のコンピュータは、情報表示制御プログラム実行し、外部機器20に割り振られた識別データ、アドレスや登録キーデータ等の登録情報を外部機器20から取得すると、他人に知られたくない第1情報の表示を阻止し、その間は第2情報のみを表示装置12に表示する。
【0016】
よって、表示装置12は利用者が個人で使用する場合に全ての情報を表示し、外部機器20から登録情報を取得したときに、利用者が他人から隠す第1情報の表示を阻止して第2情報のみを表示するようにしたことから、利用者は他人が居合わせる場合等に外部機器20を介して第1情報の阻止を設定することができるため、他人に気づかれることなく、他人に知られたくない情報を隠すことができ且つ他人に不信感、不快感等を与えることも防止できる。また、利用者は周りに他人が居合わせない場合は、従来のセキュリティモード等を設定する必要がないため、暗証番号の入力等の認証作業が不要となり、手間が掛かるという問題も発生しないから、利用者が個人で利用する場合におけるセキュリティ及び操作性の向上を図ることができる。
【0017】
また、前記登録情報取得手段11bは、前記外部機器20から受信した無線信号から前記登録情報を取得する手段となっている。
【0018】
この情報表示装置10によれば、外部機器20から受信した無線信号から登録情報を登録情報取得手段11bによって取得するようにしたことから、外部機器20として小型の無線器等を用いることができるため、利用者は居合わせた他人により確実に気づかれることなく第1情報の阻止を設定することができる。
【0019】
図1において、情報表示システム1は、上述した情報表示装置10と、前記情報表示装置10によって表示が制御される表示装置12と、前記情報表示装置10の利用者が所持する外部機器20と、を有している。
【0020】
また、情報表示制御方法は、利用者が他人から隠す第1情報と該第1情報以外の第2情報との表示装置12に対する表示を情報表示装置10で制御する情報表示制御方法であって、前記情報表示装置10は、別体に形成された外部機器20から予め定められた登録情報を取得すると、前記第1情報の表示を阻止して前記第2情報のみを前記表示装置12に表示することを特徴とする。
【0021】
この情報表示システム1及び情報表示制御方法によれば、情報表示装置10は、外部機器20に割り振られた識別データ、アドレスや登録キーデータ等の登録情報を外部機器20から取得すると、他人に知られたくない第1情報の表示を阻止して第2情報のみを表示装置12に表示する。
【0022】
よって、表示装置12は利用者が個人で使用する場合に全ての情報を表示し、情報表示装置10は外部機器20から登録情報を取得したときに、利用者が他人から隠す第1情報の表示を阻止して第2情報のみを表示するようにしたことから、利用者は他人が居合わせる場合等に外部機器20を介して第1情報の阻止を設定することができるため、他人に気づかれることなく、他人に知られたくない情報を隠すことができ且つ他人に不信感、不快感等を与えることも防止できる。また、利用者は周りに他人が居合わせない場合は、従来のセキュリティモード等を設定する必要がないため、暗証番号の入力等の認証作業が不要となり、手間が掛かるという問題も発生しないから、利用者が個人で利用する場合におけるセキュリティ及び操作性の向上を図ることができる。
【実施例】
【0023】
次に、上述した情報表示装置及び情報表示システムをカーナビゲーション装置に適用する場合の実施例を、図2乃至図5の図面を参照して以下に説明する。なお、上述した図1に示す基本構成のところで説明したものと同一あるいは相当する部分には同一符号を付して説明する。
【0024】
図2において、カーナビゲーションシステム1は、車両に搭載されるカーナビゲーション装置10と、該カーナビゲーション装置10を所有する利用者が携帯可能な例えばキーホルダ状に形成された外部機器20と、を有している。そして、本実施例では、カーナビゲーション装置10が、プライバシーを保護するプライベートモードと通常表示モードとを有している。
【0025】
カーナビゲーション装置10は、上述した情報表示装置に相当し、コンピュータとしての制御部11と、表示装置としての表示部12と、操作部13と、通信部14と、記憶手段としての記憶部15と、を有している。
【0026】
制御部11には、表示部12、操作部13、通信部14、記憶部15等が接続されている。なお、本実施例では、情報表示装置をカーナビゲーション装置10で実現していることから、制御部11には、図示しない速度センサ、GPS(Global Positioning System)受信機、光学ドライブ等が接続されており、各種信号が入力される。
【0027】
制御部11は、カーナビゲーション装置10全体の制御を司り、周知である中央演算処理装置(CPU)等が用いられる。つまり、本実施例では、制御部11がカーナビゲーション装置10におけるコンピュータに相当している。なお、CPUには、該CPUのためのプログラム等を格納した読み出し専用のメモリであるROM、各種のデータを格納するとともにCPUの処理作業に必要なエリアを有する読み出し書き込み自在のメモリであるRAM等が接続されている。
【0028】
表示部12は、例えば、周知のLCD(Liquid Crystal Display)等の各種表示装置が用いられる。この表示部12は、制御部11の制御によって、例えば、地図画像や車両の現在地点、これに重畳された検索経路(ルート)、この検索経路に関連する経路案内、経由地点等が表示される。なお、本実施例では、上述した情報表示装置と表示装置をカーナビゲーション装置10として、一体に実現する場合について説明するが、別体で実現することもできる。
【0029】
操作部13は、検索条件やルート設定等の指令入力用の各種キースイッチ等の入力装置を有する。そして、操作部13は、入力装置における入力に応じた入力信号を制御部11に入力する。なお、操作部13の構成については、音声入力装置等の各種入力装置を用いることもできる。
【0030】
通信部14は、電波や赤外線などを用いて通信を行う無線通信装置が用いられている。なお、本実施例では、Bluetoothの規格による近距離無線接続が可能な無線通信装置を用いることで、他人に知られることなくプライベートモードへの切り替え操作を可能としている。なお、通信部14としては、無線通信装置の他にも、有線による通信装置を用いるなど種々異なる実施形態とすることができる。
【0031】
記憶部15は、ハードディスク装置、大容量メモリ等が用いられており、上述した情報表示制御プログラムと、モード設定情報と、登録情報と、第1情報と、第2情報と、を記憶している。情報表示制御プログラムは、制御部11が実行することで、制御部11を上述した表示制御手段、登録情報取得手段及び表示阻止手段として制御部11を機能させる。
【0032】
モード設定情報は、プライベートモードを適用するか否かを示すモード設定データを有している。そして、モード設定データは、利用者等によって設定されたプライベートモードのON/OFFを示すデータである。
【0033】
登録情報は、外部機器20を認証するために予め定められた情報となっており、例えば、外部機器20に割り振られた識別コード、アドレス、パスワード等が挙げられる。このように登録情報は、外部機器20からその情報を取得したときに、プライベートモードが要求されたと判定するための情報となっている。
【0034】
第1情報は、利用者が他人から隠したい情報であり、カーナビゲーション装置10においては、例えば、走行履歴、登録地点、最近探した場所等の普段使うには便利な機能ではあるが、他人にはあまり知られたくない情報となっている。また、第2情報は、第1情報以外の情報、つまり、利用者が他人に見せても差し支えのない情報となっている。
【0035】
なお、第1情報については、設定用アプリケーション・プログラムを記憶部15に記憶しておき、プライベートモードで隠す情報を利用者が任意に設定する、又は、予め定められた情報のみを隠すなど種々異なる実施形態とすることができる。
【0036】
外部機器20は、メモリ21と、通信部22と、操作部23と、を有している。メモリ21は、上述した登録情報等を記憶している。通信部22は、無線信号を出力する、カーナビゲーション装置10の通信部14と通信可能な無線通信装置が用いられている。操作部23は、利用者によって押圧される操作ボタンを有している。そして、外部機器20は、操作部23が操作されると、メモリ21の登録情報を有する無線信号が通信部22から発信する。なお、外部機器20は、携帯電話機、携帯型の外部記憶装置など種々異なる実施形態とすることができる。
【0037】
次に、図2に示す制御部11が実行する情報表示制御プログラムの一例を、図3のフローチャートを参照して以下に説明する。
【0038】
制御部11は、情報表示制御プログラムを実行すると、ステップS11において、記憶部15のモード設定情報がONであるか否かを判定する。ONではないと判定した場合(S11でN)、ステップS18に進む。一方、ONであると判定した場合(S11でY)、ステップS12に進む。
【0039】
ステップS12において、通信部14によって無線信号を受信したか否かを判定する。無線信号を受信していないと判定した場合(S12でN)、ステップS18に進む。一方、無線信号を受信したと判定した場合(S12でY)、ステップS13に進む。
【0040】
ステップS13(登録情報取得手段)において、予め定められて記憶部15に記憶している登録情報が無線信号に含まれているか否かを判定する。登録情報を含んでいないと判定した場合(S13でN)、ステップS18に進む。一方、登録情報を含んでいると判定した場合(S13でY)、登録情報を取得できたと判定して、ステップS14に進む。
【0041】
ステップS14において、プライベートモード情報にONを設定し、ステップS15において、第1情報を隠して第2情報のみを表示するプライベートモード用表示画面を表示部12に表示する制御を行うプライベートモード表示処理を実行し、その後ステップS16に進む。
【0042】
なお、プライベートモード表示画面は、他人にモードが設定されていることが知られないプライベートモード用の画面構成となっているが、例えば、通常用の画面構成から利用者によって設定された項目、表示エリア等を隠すなど種々異なる実施形態とすることができる。そして、メニュー画面等については、第1情報の表示を要求する項目等は構成から排除している。
【0043】
ステップS16において、通信部14によって無線信号を受信したか否かを判定する。無線信号を受信していないと判定した場合(S16でN)、ステップS15に戻り、一連の処理を繰り返すことで、プライベートモードでの表示を継続する。一方、無線信号を受信したと判定した場合(S16でY)、ステップS17において、プライベートモード情報にOFFを設定し、ステップS18に進む。
【0044】
ステップS18において、第1情報と第2情報の全てを表示する通常用表示画面を表示部12に表示する制御を行う通常表示処理を実行し、その後ステップS19に進む。なお、通常表示画面は、利用者のみが使用中であると前提として全ての情報を表示する画面構成となっている。
【0045】
ステップS19において、終了要求を受けたか否かを判定する。終了要求を受けていないと判定した場合(S19でN)、ステップS11に戻り、一連の処理を繰り返す。一方、終了要求を受けたと判定した場合(S19でY)、処理を終了する。
【0046】
次に、上述したカーナビゲーションシステム1におけるカーナビゲーション装置10の動作(作用)の一例を、図4の図面を参照して以下に説明する。
【0047】
カーナビゲーション装置10は、設定モード状態T1において、外部機器20と通信を確立すると、外部機器20から登録情報を受信して記憶部15に記憶することで、外部機器20の登録を行う。
【0048】
カーナビゲーション装置10は、登録済モード状態T2において起動されると、第1情報と第2情報を表示する通常表示モード状態T3に遷移する。よって、利用者の周りに他人が居ない場合、この通常表示モード状態T3でカーナビゲーション装置10を利用するので、パスワードの入力等の認証作業が不要なので、利用者を煩わせることはない。
【0049】
また、通常表示モード状態T3において、利用者の周りに他人が存在する場合に、利用者が外部機器20の操作部23を操作することで、外部機器20から無線信号を受信すると、その無線信号から登録情報を取得して、他人には隠したい第1状態情報を隠すプライベートモード状態T4に遷移する。よって、表示部12には、第2情報のみが表示されるので、第1情報が他人に見られることを防止することができる。
【0050】
プライベートモード状態T4において、第1情報を隠す必要が無くなった場合、操作部13の所定の操作、外部機器20の操作等を利用者が行うことで、通常表示モード状態T3に遷移して、通常の第1情報と第2情報の表示を行う。
【0051】
以上説明したカーナビゲーション装置10によれば、表示部12は利用者が個人で使用する場合に全ての情報を表示し、外部機器20から登録情報を取得したときに、利用者が他人から隠す第1情報の表示を阻止して第2情報のみを表示するようにしたことから、利用者は他人が居合わせる場合等に外部機器20を介して第1情報の阻止を設定することができるため、他人に気づかれることなく、他人に知られたくない情報を隠すことができ且つ他人に不信感、不快感等を与えることも防止できる。また、利用者は周りに他人が居合わせない場合は、従来のセキュリティモード等を設定する必要がないため、暗証番号の入力等の認証作業が不要となり、手間が掛かるという問題も発生しないから、利用者が個人で利用する場合におけるセキュリティ及び操作性の向上を図ることができる
【0052】
また、外部機器20から受信した無線信号から登録情報を取得するようにしたことから、外部機器20として小型の無線器等を用いることができるため、利用者は居合わせた他人により確実に気づかれることなく第1情報の阻止を設定することができる。
【0053】
さらに、本実施例では、カーナビゲーション装置10が上述した図3に示すフローチャートのように、外部機器20の操作によってプライベートモードをOFFさせる場合について説明したが、本発明はこれに限定するものではなく、種々異なる実施形態とすることができる。
【0054】
例えば、利用者によるプライベートモードのOFF設定を不要とするには、図5に示すフローチャートとすれば対応することができる。なお、上述した図3に示すフローチャートと同一あるいは相当する部分には、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0055】
制御部11は、情報表示制御プログラムを実行すると、ステップS10において、節電状態等で動作してカーナビゲーション装置10の電源ONを監視し、電源ONの検出に応じて覚醒する。
【0056】
そして、上述したようにステップS11でモード設定情報がONではないと判定した(S11でN)、または、ステップS12で無線信号を受信していないと判定した(S12でN)、または、ステップS13で登録情報を含んでいないと判定した(S13でN)場合は、ステップS18において、第1情報と第2情報の全てを表示する通常用表示画面を表示部12に表示する制御を行う通常表示処理を実行し、ステップS11に戻り、一連の処理を繰り返す。
【0057】
また、上述したようにステップS11でモード設定情報がONであると判定した(S11でY)、かつ、ステップS12で無線信号を受信したと判定した(S12でY)、かつ、ステップS13で登録情報を含んでいると判定した(S13でN)場合は、ステップS14において、プライベートモード情報にONを設定し、ステップS15において、上述したプライベートモード表示処理を実行して、ステップS20に進む。
【0058】
ステップS20において、カーナビゲーション装置10の電源がOFFされたか否かを判定する。OFFされていないと判定した場合(S20でN)、ステップS15に戻り、プライベートモード表示処理を継続する。一方、OFFされていると判定した場合(S20でY)、ステップS21において、プライベートモード情報にOFFを設定し、処理を終了する。
【0059】
このようにカーナビゲーション装置10は、通常表示モード状態T3において、利用者の周りに他人が存在する場合、利用者が外部機器20の操作部23を操作することで、外部機器20から無線信号を受信すると、その無線信号から登録情報を取得して、他人には隠したい第1状態情報を隠すプライベートモード状態T4に遷移する。そして、プライベートモード状態T4において、カーナビゲーション装置10の電源がOFFされることで、通常表示モード状態T3に遷移して処理を終了する。
【0060】
以上説明したカーナビゲーション装置10によれば、上述した作用効果に加え、利用者によるプライベートモード解除操作が不要となるため、操作性の向上を図ることができる。また、外部機器20の操作部23の構造の簡単化を図ることができ、コストダウンに貢献することができる。
【0061】
なお、上述した本実施例では、カーナビゲーション装置10と外部機器20とを無線にて通信を確立する場合について説明するが、有線により通信を確立したり、着脱自在の記憶媒体をアクセスして登録情報を読み出す(取得する)等の各種実施形態とすることもできる。
【0062】
また、上述した本実施例では、情報表示装置をカーナビゲーション装置10で実現する場合について説明したが、本発明はこれに限定するものではなく、ハードディスク(HDD)/DVD(digital versatile disk)プレイヤー装置、パーソナル・コンピュータ(パソコン)、ビデオデッキ、携帯電話機、PDA等で実現することもできる。
【0063】
HDD/DVDプレイヤー装置の場合、第1情報として録画した内容の一部やデータを他人が居合わせた際に隠す、再生できないようにする。パソコンの場合、第1情報として写真や閲覧したホームページの履歴、他人に見せたくないフォルダなどを隠す。ビデオデッキの場合、第1情報として予約した内容の閲覧ができない、再生できないようにする。携帯電話機の場合、第1情報として他人に携帯電話を貸し出したときに、見られたくない電話帳やメールを閲覧できないようにする。PDAの場合、第1情報として他のもとの同様に、見られたくない情報を閲覧できなくする。
【0064】
その他、本発明の実施の際の具体的な構成および手順は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構成などに適宜変更できる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明に係る情報表示装置の基本構成の一例を示す構成図である。
【図2】本発明の情報表示装置を適用したカーナビゲーションシステムの概略構成の一例を示す構成図である。
【図3】図2中の制御部が実行する情報表示制御処理の処理概要の一例を示すフローチャートである。
【図4】情報表示装置としてのカーナビゲーション装置の状態遷移を説明するための図である。
【図5】図2中の制御部が実行する情報表示制御処理の処理概要の他の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0066】
1 カーナビゲーションシステム
10 情報表示装置(カーナビゲーション装置)
11a 表示制御手段(制御部)
11b 登録情報取得手段(制御部)
11c 表示阻止手段(制御部)
12 表示装置(表示部)
15 記憶手段(記憶部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が他人から隠す第1情報と該第1情報以外の第2情報とを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶している第1情報と第2情報の表示装置に対する表示を制御する表示制御手段を有する情報表示装置であって、
前記情報表示装置とは別体に形成された外部機器から予め定められた登録情報を取得する登録情報取得手段と、
前記登録情報取得手段による登録情報の取得に応じて前記表示装置に対する前記第1情報の表示を阻止する表示阻止手段と、
を有し、そして、
前記表示制御手段は、前記表示阻止手段によって第1情報の表示が阻止されている間は前記第2情報のみを表示する手段であることを特徴とする情報表示装置。
【請求項2】
前記登録情報取得手段は、前記外部機器から受信した無線信号から前記登録情報を取得する手段であることを特徴とする請求項1に記載の情報表示装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の情報表示装置と、前記情報表示装置によって表示が制御される表示装置と、前記情報表示装置の利用者が所持する外部機器と、を有することを特徴とする情報表示システム。
【請求項4】
利用者が他人から隠す第1情報と該第1情報以外の第2情報との表示装置に対する表示を情報表示装置で制御する情報表示制御方法であって、
前記情報表示装置は、別体に形成された外部機器から予め定められた登録情報を取得すると、前記第1情報の表示を阻止して前記第2情報のみを前記表示装置に表示することを特徴とする情報表示制御方法。
【請求項5】
情報表示装置のコンピュータを利用者が他人から隠す第1情報と該第1情報以外の第2情報との表示装置に対する表示を制御する表示制御手段として機能させるための情報表示制御プログラムであって、
前記情報表示装置とは別体に形成された外部機器から予め定められた登録情報を取得する登録情報取得手段、
前記登録情報取得手段による登録情報の取得に応じて前記表示装置に対する前記第1情報の表示を阻止する表示阻止手段、
前記表示阻止手段によって第1情報の表示が阻止されている間は、前記表示制御手段を前記第2情報のみを表示する手段として前記情報表示装置のコンピュータを機能させることを特徴とする情報表示制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−46173(P2008−46173A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−219151(P2006−219151)
【出願日】平成18年8月11日(2006.8.11)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】