説明

情報表示装置及びプログラム

【課題】表示されている説明情報の中から、新たな検索対象を簡単に設定することのできる情報表示装置等を提供することを目的とする。
【解決手段】ユーザは、キーボード上の文字キーを押下して「air」と入力すると、「air」の説明情報が表示される。ここでユーザがジャンプキーを押下すると、見出語「air」が反転表示332される((a))。さらにこの状態で、ユーザが文字キーとして“M”のキーを押下すると、それまで反転表示されていた「air」より後方であって、先頭文字候補「m、M」の何れかの文字を先頭文字とする単語「moist」が検知され、反転表示332が「air」から「moist」に移動される((b))。「moist」が反転表示されている状態で、ユーザが訳/決定キーを押下すると、「moist」の説明情報が表示される((c))。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯型の電子辞書装置等の情報表示装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、各見出語と、見出語に対応づけた説明情報とを記憶する辞書データベース(Data Base;以下「DB」と言う。)を備え、入力された入力文字に適合する見出語を辞書DBから読み出し、当該見出語と、当該見出語に対応する説明情報とを表示させる情報表示装置の一種として、携帯型の電子辞書装置(以下「電子辞書」という。)が知られている。
【0003】
この電子辞書には、ユーザの利便性を向上させるために、いわゆるジャンプ機能を備えたものがある。ジャンプ機能とは、説明情報が表示されている際に、この説明情報の中から、意味内容を調べたい単語をユーザが選択すると、当該選択した単語に適合する見出語が再度検索される機能のことである。
【0004】
具体的には、一度辞書引きがなされ、見出語と説明情報とが表示された状態でジャンプ機能が実行されると、見出語が反転表示される。この説明情報が表示された画面において、ユーザは方向キーの操作により、反転表示を上下左右に1単語単位で移動させることができる。ユーザが反転表示を所望の単語に移動させ、訳/決定キーを押下すると、反転表示されている単語が検索対象の単語に設定される。検索対象の単語が設定されると、当該検索対象の単語に適合する見出語が辞書DBから読み出され、当該見出語と当該見出語に対応する説明情報とが表示される。
【0005】
このジャンプ機能に関する先行技術として、特許文献1に開示された技術が知られている。この技術は、複数の辞書DBを備えた電子辞書において、ジャンプ機能による再検索先の辞書DBを選択可能とする技術である。
【特許文献1】特開2001−134585号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、近年、紙の辞書をまるごと電子化したいわゆるフルコンテンツタイプの電子辞書が普及している。特に、かかる電子辞書においては、ジャンプ機能使用時の操作が非常に煩雑になることが多々あった。
【0007】
具体的には、1つの見出語に関して表示される説明情報が膨大であるのに対し、反転表示はユーザの方向キーの操作により、上下左右に1単語単位でしか移動されない。このため、所望の単語の位置まで反転表示を移動させるには、反転表示が現在どこにあるかを目で追いかけつつ、方向キーを何度も押下するといった操作が必要であった。また、反転表示の現在位置に対する注意が散漫になると、反転表示が所望の単語の位置を通り過ぎてしまう場合があり、使い勝手が悪かった。
【0008】
本発明の目的は、表示されている説明情報の中から、新たな検索対象を簡単に設定することのできる情報表示装置等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、請求項1に記載の情報表示装置は、各見出語に対応づけてそれぞれ説明情報を記憶する説明情報記憶手段(例えば、図2(a)の英和辞書DB83及び国語辞書DB85)と、前記見出語の何れかに対応する説明情報を前記説明情報記憶手段から読み出して表示させる説明情報表示手段(例えば、図2(a)の表示部3、CPU6;図4のステップA7)と、キーボード上の何れかの文字キー(例えば、図1の文字キー53)の押下に応じて文字を入力する文字キー入力手段(例えば、図2(a)の入力部5、CPU6;図4のステップA15)と、この文字キー入力手段によって入力された文字に対応する単語を前記説明情報表示手段により表示された説明情報から検知して検索対象に設定する文字キー対応単語設定手段(例えば、図2(a)の入力部5、CPU6;図4のステップA19、A31及びA33)と、この文字キー対応単語設定手段により設定された単語を見出語として、対応する説明情報を前記説明情報記憶手段から読み出して表示させる単語説明情報表示手段(例えば、図2(a)の表示部3、CPU6;図4のステップA35)とを有することを特徴としている。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の情報表示制御装置であって、入力文字の文字種を変更する文字種変更手段(例えば、図2(a)の入力部5、CPU6;図4のステップA23)を有し、前記文字キー対応単語設定手段は、前記文字種変更手段により文字種が変更された後に前記文字キー入力手段によって前記文字キーが押下された際、当該変更された文字種の入力文字に対応する単語を前記説明情報表示手段により表示された説明情報の中から検知して検索対象に設定する文字種変更後文字キー対応単語設定手段(例えば、図2(a)の入力部5、CPU6;図4のステップA27、A31及びA33)を有することを特徴としている。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の情報表示制御装置であって、前記文字キー対応単語設定手段により検索対象に設定された単語を識別表示する単語識別表示手段(例えば、図2(a)の表示部3、CPU6;図4のステップA13、A21及びA29)を有することを特徴としている。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の情報表示制御装置であって、前記単語識別表示手段により何れかの単語が検索対象として識別表示された後に、キーボード上の何れかの文字キーの押下に応じて文字を再入力する文字キー再入力手段(例えば、図2(a)の入力部5、CPU6;図4のステップA21→A15)と、この文字キー再入力手段により文字が再入力された後、前記検索対象として識別表示された単語より後方において、当該再入力された文字に対応する単語を、前記説明情報表示手段により表示された説明情報から検知して検索対象に設定する文字キー対応単語再設定手段(例えば、図2(a)の入力部5、CPU6;図4のステップA21→A15→A17→A19)とを有し、前記単語説明情報表示手段は、前記文字キー対応単語設定手段又は前記文字キー対応単語再設定手段により、何れかの単語が検索対象に設定された状態で特定のキー操作に応じて当該検索対象に設定された単語を見出語として、この見出語に対応する説明情報を前記説明情報記憶手段から読み出して表示させることを特徴としている。
【0013】
請求項5に記載の発明のプログラムは、コンピュータに、各見出語と当該見出語の説明情報を有する説明情報データ(例えば、図2(a)の英和辞書DB83、国語辞書DB85)の中から前記見出語の何れかに対応する説明情報を読み出して表示させる説明情報表示機能(例えば、図4のステップA7)と、キーボード上の何れかの文字キーの押下に応じて文字を入力する文字キー入力機能(例えば、図4のステップA15)と、この文字キー入力機能によって入力された文字に対応する単語を前記説明情報表示機能により表示された説明情報から検知して検索対象に設定する文字キー対応単語設定機能(例えば、図4のステップA19、A31及びA33)と、この文字キー対応単語設定機能により設定された単語を見出語として、対応する説明情報を前記説明情報データの中から読み出して表示させる単語説明情報表示機能(例えば、図4のステップA35)とを実現させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の発明によれば、キーボード上の何れかの文字キーの押下に応じた文字が入力されると、説明情報表示手段により表示されている説明情報の中から、入力された文字に対応する単語が検知されて検索対象に設定され、この検索対象の単語を見出語として、対応する説明情報が読み出されて表示される。従って、ユーザは、検索対象に設定したい単語に対応する文字を指定する文字キーを押下するだけで、その所望の単語を検索対象に設定することができ、新たな検索対象を簡単に設定できる。請求項5に記載の発明の作用効果も同様である。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、文字種変更手段により文字種が変更された後に文字キー入力手段により文字が入力されると、説明情報表示手段により表示されている説明情報の中から、当該変更された文字種の入力文字に対応する単語が検知されて検索対象に設定される。従って文字キーの押下に応じて入力される文字の文字種を文字種変更手段によって変更できるため、説明情報中の所望の単語が何れの文字種であろうと、当該単語を検索対象に設定できる。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、検索対象に設定された単語が識別表示される。そのため、現在設定されている検索対象を明瞭に視認できる。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、文字キー入力手段により一度文字が入力された後であっても、文字キー再入力手段により新たな文字の再入力がなされ得る。そして、文字が再入力されたときには、先に入力された文字に対応する識別表示がなされた単語より後方であって、当該再入力された文字に対応する単語が検知された検索対象に設定される。さらに、特定のキー操作がなされた場合に、当該検索対象の単語を見出語として、対応する説明情報が読み出されて表示される。従って、ユーザは、一旦、文字キーを押下操作した後であっても、文字キーの再度の押下による検索対象の再設定が可能である。よって、例えば、識別表示されている単語が所望の単語でない場合、所望の単語に対応する文字を指定する文字キーを新たに押下するといった簡単な操作で検索対象を再設定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図1〜図9を参照して、本発明に係る情報表示装置を電子辞書1に適用した実施の形態について詳細に説明する。
【0019】
まず、電子辞書1の構成を説明する。図1(a)は本実施形態における電子辞書1の斜視概観図の一例である。電子辞書1は、表示部3及び入力部5を備える。表示部3は、ユーザによる入力部5の操作に応じた文字や符号等、各種データが表示される部分であり、LCD(Liquid Crystal Display)やELD(Electronic Luminescent Display)等の、単数または複数の素子の組合せによって構成される。
【0020】
入力部5は、ユーザが電子辞書1を操作するための各種キー群で構成されている。図1(b)に、入力部5のキー配列を示す。具体的には、入力部5は、訳/決定キー51と、文字キー53としての“A”〜“Z”キーと、辞書選択キー55としての英和キー55a及び国語キー55bと、カーソルキー57としての上下左右の方向キーと、シフトキー59と、ジャンプキー61とを備えている。
【0021】
各キーの機能について説明する。訳/決定キー51は、検索の実行や、ジャンプ対象の単語の決定等に使用される。文字キー53は、ユーザによる文字の入力等に使用される。辞書選択キー55は、辞書DBの選択に使用される。例えば、ユーザは英和キー55aを押下することで辞書引きする辞書DBとして英和辞書を選択することができ、国語キー55bを押下することで国語辞書を選択することができる。カーソルキー57は、画面内の反転表示の移動等に使用される。シフトキー59は、日本語の単語を検索対象に設定するとき等に使用される。ジャンプキー61は、ジャンプ機能を起動するときに使用される。
【0022】
図2(a)は、電子辞書1の構成を示すブロック図である。電子辞書1は表示部3、入力部5、CPU6、RAM7、ROM8を備えて構成されている。
【0023】
CPU6は、入力される指示に応じて所定のプログラムに基づいた処理を実行し、各機能部への指示やデータの転送等を行い、電子辞書1を統括的に制御する。具体的には入力部5から入力される押下信号等に応じてROM8に格納された各種プログラムを読み出し、当該プログラムに従って処理を実行する。そして、処理結果をRAM7に保存するとともに、当該処理結果を表示するための表示信号を適宜表示部3に出力して、対応した表示内容を表示させる。
【0024】
また、CPU6は、ROM8よりジャンプ検索プログラム81を読み出し、実行することにより、ジャンプ検索処理を実行する。ジャンプ検索処理の内容は、フローチャート(図4参照)を参照して詳細に後述するが、ここで簡単に処理内容を説明する。ジャンプ検索処理において、CPU6は、まず、ユーザが文字入力するための画面(以下「文字入力画面」という。)を表示させる。このとき、ユーザの文字キー53の押下に応じて、入力された文字を文字入力画面内に備えられた文字入力欄に表示させる。ここで入力される文字は1文字である場合に限らず、複数文字からなる文字であってもよい。そして、CPU6はユーザにより入力された文字と前方一致する見出語を辞書DBから読み出し、当該辞書DBに記憶されている当該見出語以降の見出語を一覧として表示させる。この見出語一覧の中からユーザが一の見出語を選択すると、選択された見出語に対応する説明情報を辞書DBから読み出して表示させる。
【0025】
そして、説明情報が表示された画面(以下「説明情報表示画面」という。)において、ユーザのジャンプキー61の押下に応じて、CPU6は、画面上の1つの単語を反転表示させる。この反転表示をCPU6は、ユーザのカーソルキー57の押下に応じて移動させる。また、この説明情報表示画面において、文字キー53が押下された場合、CPU6は、押下された文字キー53に対応する1文字を先頭文字とする説明情報中の単語に、反転表示を移動させる。そして、訳/決定キー51が押下された場合、反転表示されている単語を新たな検索対象の単語であるジャンプ対象単語とし、ジャンプ対象単語に該当する見出語の説明情報を辞書DBから読み出して、表示させる。
【0026】
入力部5は、押下されたキーの押下信号等をCPU6に出力する。表示部3は、CPU6から入力される表示信号に基づいて各種画面を表示する。
【0027】
RAM7は、CPU6が実行する各種プログラムや、これらプログラムの実行に係るデータ等を一時的に保持するメモリ領域を備える。本実施の形態では、特に選択見出語記憶領域71、頭文字候補記憶領域73、ジャンプ対象単語記憶領域75を備えている。
【0028】
選択見出語記憶領域71には、選択見出語が記憶される。選択見出語とは、入力文字に前方一致する見出語からアルファベット順或いは五十音順に辞書DBから読み出された見出語の一覧の中から、辞書引きする対象の見出語としてユーザによって選択された見出語のことである。頭文字候補記憶領73には頭文字候補が記憶される。頭文字候補とは、ジャンプ検索処理において、ジャンプ対象単語の先頭文字を指定するためにユーザが押下操作する文字キー53に対応する1文字のことである。ジャンプ対象単語記憶領域75には、ジャンプ対象単語が記憶される。
【0029】
図2(b)は選択見出語記憶領域71に記憶される選択見出語71aの一例を示す図である。同図(b)において、選択見出語71aとして「air」が記憶されている。同図(c)は頭文字候補記憶領域73に記憶される頭文字候補73aの一例を示す図である。同図(c)において、頭文字候補73aとして「m、M」が記憶されている。同図(d)はジャンプ対象単語記憶領域75に記憶されるジャンプ対象単語75aの一例を示す図である。同図(d)において、ジャンプ対象単語75aとして「air」が記憶されている。
【0030】
ROM8は、電子辞書1の各種機能を実現する為のプログラムやデータを記憶するメモリである。本実施の形態において、ROM8には、CPU6にジャンプ検索処理を実行させるためのジャンプ検索プログラム81と、辞書DBである英和辞書DB83及び国語辞書DB85とが記憶されている。
【0031】
英和辞書DB83及び国語辞書DB85それぞれには、複数の見出語と、当該見出語の意味内容を説明・解説する説明情報と、当該説明情報の読みを示す読み情報とが対応づけて記憶されている。
【0032】
図3(a)は英和辞書DB83のテーブル構成の一例を示す図である。英和辞書DB83において、見出語と、当該見出語の意味内容を説明・解説する説明情報831と、読み情報832とが対応づけて記憶されている。読み情報832とは、説明情報831の読みを示す情報であり、説明情報831の単語と単語の間にスペースが挿入され、漢字が読み仮名に置き換えられたものである。例えば、図3(a)において、見出語「moist」には、説明情報として「1 a.湿った、雨の多い・・・」が対応付けられている。また、読み情報として「1 a.しめった、あめ の おおい・・・」が対応づけられている。
【0033】
図3(b)は国語辞書DB85のテーブル構成である。英和辞書DB83の構成と同様に、見出語と、説明情報851と、読み情報852とが対応づけて記憶されている。
【0034】
次に、電子辞書1の動作を説明する。図4は、CPU6がジャンプ検索プログラム81を読み出して実行するジャンプ検索処理の動作を説明するためのフローチャートである。また、図5〜図9はジャンプ検索処理の際に表示部3に表示される画面の一例を示した図である。ジャンプ検索処理の流れを、図5〜図9の画面例を参照しながら以下詳細に説明する。
【0035】
まず、CPU6は、文字入力画面を表示部3に表示させる。そして、CPU6は文字キー53の押下に応じて入力された文字を文字入力欄に表示させる(ステップA1)。
【0036】
図5(a)はステップA1時点の表示画面例を示す図であり、ユーザが英和辞典を選択して「air」と文字入力した際の文字入力画面31の一例である。文字入力画面31には、辞書名称311として「英和辞典」が表示され、辞書名称311の下の文字入力欄312に「air」が入力・表示されている。
【0037】
次いで、CPU6は入力された文字に前方一致する見出語を先頭にして、英和辞書DB83に記憶されている順に見出語を読み出して、見出語一覧として表示する。ここでCPU6は見出語一覧の先頭の単語を反転表示させる。尚、CPU6は、この反転表示をカーソルキー57の押下操作に応じて、該当する方向に移動させる(ステップA3)。
【0038】
図5(b)はステップA3時点の表示画面例を示す図であり、入力された文字「air」に前方一致する見出語から順番に英和辞書DB83に記憶されている見出語が見出語一覧として表示された画面32の一例である。画面32には、「英和辞典」の辞書名称321と、文字入力欄322と、文字入力欄322の下に「air、air bag、air alert・・・」の見出語一覧324とが表示され、見出語一覧324の先頭の単語「air」が反転表示323されている。
【0039】
続いて、見出語一覧において、ユーザによる訳/決定キー51の押下に応じて、CPU6は反転表示されている見出語を選択見出語として、選択見出語記憶領域71に記憶し(ステップA5)、この選択見出語と一致する見出語の説明情報を英和辞書DB83より読み出して表示部3に表示させる(ステップA7)。
【0040】
図5(c)はステップA7時点の表示画面例を示す図であり、「air」が反転表示323された図5(b)の見出語一覧画面においてユーザが訳/決定キー51を押下し、「air」の説明情報が表示された画面33の一例である。画面33には「英和辞典」の辞書名称331の下に、見出語「air」と、見出語「air」の説明情報「[「大気の下層部分」が原義]・・・」とが表示されている。
【0041】
説明情報が表示されている状態(ステップA7)において、CPU6はジャンプキー61が押下されるか否かを判定する(ステップA9)。ジャンプキー61がユーザにより押下されないと判定した場合(ステップA9;No)、CPU6は他の処理へ移行し(ステップA11)、ジャンプキー61が押下されたと判定した場合(ステップA9;Yes)、表示されている説明情報中の先頭の単語を反転表示させる(ステップA13)。
【0042】
図6(a)は、ステップA13時点の表示画面例を示す図であり、見出語「air」と見出語「air」の説明情報「[「大気の下層部分」が原義]・・・」とが表示された図5(c)の画面33において、ユーザがジャンプキー61を押下したときの例である。図6(a)において、説明情報中の先頭の単語として、見出語「air」が反転表示される。
【0043】
次いで、CPU6は文字キー53の何れかの押下がなされたか否かを判定する(ステップA15)。押下されたと判定した場合(ステップA15;Yes)、CPU6は、押下された文字キー53に対応する1文字を頭文字候補として頭文字候補記憶領域73に記憶する。具体的には、CPU6は押下された文字キー53に対応する英文字の大文字及び小文字を頭文字候補として頭文字候補記憶領域73に記憶する(ステップA17)。頭文字候補が記憶されると、CPU6は、説明情報中の反転表示されている単語より後方において、頭文字候補の何れかを先頭文字とする単語を検知する(ステップA19)。ここで、頭文字候補が英文字であることから、英単語が検知されることとなる。そして、検知した単語を反転表示することで反転表示を移動させる(ステップA21)。
【0044】
図6(b)は、ステップA21時点の表示画面例を示す図であり、見出語「air」の説明情報「[「大気の下層部分」が原義]・・・」が表示された図6(a)の画面33において、ユーザが文字キー53として “M”のキーを押下したときの画面例である。図6(b)において、それまで反転表示されていた「air」より後方であって、頭文字候補「M、m」の何れかの文字を先頭文字とする単語「moist」が検知され、反転表示332が「air」から「moist」に移動される。
【0045】
ステップA21の処理の後、CPU6は処理をステップA15へ移行する。仮に、文字キー53が押下されず(ステップA15;No)、シフトキー59及び文字キー53の押下もなされず(ステップA23;No)、訳/決定キー51が押下された場合には(ステップA31;Yes)、CPU6は反転表示されている単語をジャンプ対象単語としてジャンプ対象単語記憶領域75に記憶し(ステップA33)、このジャンプ対象単語と一致する見出語の説明情報を英和辞書DB83から読み出して、表示部3に表示させる(ステップA35)。説明情報を表示させた後は、CPU6はステップA9に処理を移行してステップA9〜A35の処理を繰り返し実行する。
【0046】
図6(c)は、ステップA35時点の表示画面例を示す図であり、見出語「air」の説明情報中、単語「moist」が反転表示されている図6(b)の画面33において、ユーザが訳/決定キー51を押下することで、「moist」の説明情報が表示された画面例である。図6(c)において、画面33には「英和辞典」の辞書名称331と、見出語「moist」と、見出語「moist」の説明情報「1 a. 湿った、雨の多い・・・」とが表示されている。
【0047】
尚ここで、ステップA21の処理の後、文字キー53の何れかが再度押下された場合には(ステップA15;Yes)、CPU6はステップA17〜A21の処理を繰り返し実行する。
【0048】
図7(a)は、ステップA17〜A21の処理を繰り返し実行した場合のステップ21時点の表示画面例を示す図であり、見出語「air」の説明情報が表示された図6(b)の画面33において、ユーザが文字キー53として “B”のキーを押下したときの画面例である。図6(b)において反転表示された「moist」より後方であって、頭文字候補「B、b」の何れかの文字を先頭文字とする単語「breeze」が検知され、反転表示332が「moist」から「breeze」に移動される。
【0049】
図7(b)は図7(a)の画面33において、ユーザが訳/決定キー51を押下することで、「breeze」の説明情報が表示された画面例である。図7(b)において、画面33には「英和辞典」の辞書名称331と、見出語「breeze」と、見出語「breeze」の説明情報「1 n.そよ風・・・」とが表示されている。
【0050】
一方、ステップA15において、何れの文字キー53も押下されないと判定した場合には(ステップA15;No)、CPU6は、シフトキー59及び文字キー53の組合せ操作がなされたか否かを判定する(ステップA23)。シフトキー59及び文字キー53の組合せ操作がなされたと判定した場合(ステップA23;Yes)、CPU6は、押下された文字キー53に対応する1文字を頭文字候補として頭文字候補記憶領域73に記憶する(ステップA25)。
【0051】
具体的には、ここで押下された文字キー53が「A、I、U、E、O」の何れかであった場合、それぞれに対応する日本語の母音「あ、い、う、え、お」を頭文字候補とする。例えば、文字キー53の“A”のキーがユーザにより押下されたときは、「あ」が頭文字候補となる。「A、I、U、E、O」以外の場合、文字キー53の文字を子音として、この子音の末尾に母音5つをそれぞれ追加して構成される日本語を頭文字候補とする。例えば、文字キー53中の“M”のキーがユーザにより押下された場合は、「ま、み、む、め、も」を頭文字候補とする。尚、押下された文字キー53のキーが表す文字に対応する子音が無いとき(Q、C等)には、頭文字候補を記憶しない。
【0052】
頭文字候補が記憶されると、CPU6は、反転表示されている単語に対応する読み情報中の読みの後方であって、頭文字候補の何れかを先頭文字とする単語の読みを検知することで、当該頭文字候補の何れかを先頭文字とする説明情報中の単語を検知する(ステップA27)。ここで、頭文字候補が日本語であることから、日本語の単語が検知されることとなる。そして、検知した単語を反転表示することで反転表示を移動させる(ステップA29)。
【0053】
図8(a)は、ステップA29時点の表示画面例を示す図であり、「air」の説明情報「[「大気の下層部分」が原義]・・・」が表示された図6(a)の画面33において、ユーザがシフトキー59と、文字キー53の“M”キーとの組合わせ操作を行ったときの画面例である。図5(c)において反転表示された「air」より後方の読み情報中であって、頭文字候補「ま、み、む、め、も」の何れかの文字を先頭文字とする単語「むげん」が検知され、反転表示332が「air」から「無限」の先頭文字「無」に移動される。
【0054】
ステップA29の処理の後、CPU6は処理をステップA15へと移行する。仮に、文字キー53が押下されず(ステップA15;No)、シフトキー59及び文字キー53の押下もなされず(ステップA23;No)、訳/決定キー51が押下された場合には(ステップA31;Yes)、CPU6は反転表示されている単語をジャンプ対象単語としてジャンプ対象単語記憶領域75に記憶し(ステップA33)、このジャンプ対象単語と一致する見出語の説明情報を国語辞書DB85から読み出して、表示部3に表示させる(ステップA35)。説明情報を表示させた後は、CPU6はステップA9に処理を移行してステップA9〜A35の処理を繰り返し実行する。
【0055】
図8(b)は、ステップA35時点の表示画面例を示す図であり、見出語「air」の説明情報中、単語「無限」の先頭文字「無」が反転表示されている図8(a)の画面33において、ユーザが訳/決定キー51を押下することで、「むげん」の説明情報が表示された画面例である。図8(b)において、画面33には「国語辞典」の辞書名称331と、見出語「むげん」と、見出語「むげん」の説明情報「[無限] (名・形動)[文]ナリ・・・」とが表示されている。
【0056】
尚ここで、ステップA29の処理の後に、文字キー53が押下されず(ステップA15;No)、シフトキー59及び文字キー53の組合わせ操作がなされた場合には(ステップA23;Yes)、CPU6はステップA25〜A29の処理を繰り返し実行する。
【0057】
図9(a)は、ステップA25〜A29の処理を繰り返し実行した場合のステップ29時点の表示画面例を示す図であり、見出語「air」の説明情報が表示された図8(a)の画面33において、ユーザがシフトキー59及び文字キー53として “I”のキーの組合せ操作を行ったときの画面例である。図8(a)において反転表示された「むげん」より後方であって、頭文字候補「い」の文字を先頭文字とする単語「いちめん」が検知され、反転表示332が「無限」の先頭文字「無」から「一面」の先頭文字「一」に移動される。
【0058】
図9(b)は図9(a)の画面33において、ユーザが訳/決定キー51を押下することで、「いちめん」の説明情報が表示された画面例である。図9(b)において、画面33には「国語辞典」の辞書名称331と、見出語「いちめん」と、見出語「いちめん」の説明情報「[一面](1)(ア)物体の一つの面。・・・」とが表示されている。
【0059】
以上、実施の形態を説明したが、電子辞書1は、説明情報が表示されている状態において、ジャンプキー61が押下されると、画面上の1つの単語を反転表示させ、続いて文字キー53の何れかの押下に応じて、押下された文字キー53に対応する文字を頭文字とする単語を検知して反転表示を移動させ、新たな検索対象に設定する。また、電子辞書1は、文字キー53の押下に応じて反転表示を移動させた後も、再度の文字キー53の押下に応じて、新たな検索対象を再設定できる。
【0060】
従って、ユーザはカーソルキー57を何度も操作して反転表示を所望の単語まで移動させることなく、当該単語の読みの頭文字を示す文字キー53を押下するだけで簡単に所望の単語まで反転表示を移動させて新たな検索対象を設定できる。このため、使い勝手の良い電子辞書を実現できる。
【0061】
更に、シフトキー59及び文字キー53の組合せ操作がなされると、押下された文字キー53に対応する文字群を頭文字とする日本語の単語を検知して、新たな検索対象に設定することも可能である。
【0062】
尚、本発明は上述した実施形態に限らず、他の実施形態への適用も可能であることは言うまでもない。例えば、上述した実施形態の電子辞書1では辞書DBとして英和辞書DB83と国語辞書DB85とを備えることとしたが、仏日辞書DBや、独日辞書DB、中日辞書DB等、他の辞書DBを備えることとしても良い。この場合、上述したジャンプ検索処理のステップA21及びA29において、ジャンプ先の辞書DBをユーザが選択する処理を加えることで、所望の辞書で検索できるようになる。
【0063】
また、ジャンプ検索処理のステップA23〜A29において、シフトキー59と文字キー53との組合せ操作により日本語の単語を検索対象として指定することとしたが、日本語の単語を検索対象として指定する操作方法はこの操作方法に限らない。例えば、同一の文字キー53の2回連続押下によって日本語の単語を検索対象とすることとしてもよい。より具体的には、同一の文字キー53が2回連続操作された場合、ステップA23の判定をYesと判定する。
【0064】
また、電子辞書を情報表示装置の適用例として説明したが、辞書機能を有する電子機器であれば、本発明を、携帯電話機やパソコン、PDA(Personal Digital Assistants)等にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】(a)本実施形態における電子辞書の斜視概観図の一例を示す図。(b)本実施形態における電子辞書のキー配列の一例を示す図。
【図2】(a)本実施形態における電子辞書の構成を示すブロック図。(b)選択見出語記憶領域の状態の一例を示す図。(c)頭文字候補記憶領域の状態の一例を示す図。(d)ジャンプ対象単語記憶領域の状態の一例を示す図。
【図3】(a)英和辞書DBのテーブル構成の一例を示す図。(b)国語辞書DBのテーブル構成の一例を示す図。
【図4】本実施形態におけるジャンプ検索処理を説明するためのフローチャート。
【図5】本実施形態における表示部に表示される表示画面の一例を示す図。
【図6】本実施形態における表示部に表示される表示画面の一例を示す図。
【図7】本実施形態における表示部に表示される表示画面の一例を示す図。
【図8】本実施形態における表示部に表示される表示画面の一例を示す図。
【図9】本実施形態における表示部に表示される表示画面の一例を示す図。
【符号の説明】
【0066】
1 電子辞書
3 表示部
5 入力部
51 訳/決定キー
53 文字キー
55 辞書選択キー
55a 英和キー
55b 国語キー
57 カーソルキー
59 シフトキー
61 ジャンプキー
6 CPU
7 RAM
71 選択見出語記憶領域
73 頭文字候補記憶領域
75 ジャンプ対象単語記憶領域
8 ROM
81 ジャンプ検索プログラム
83 英和辞書DB
85 国語辞書DB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各見出語に対応づけてそれぞれ説明情報を記憶する説明情報記憶手段と、
前記見出語の何れかに対応する説明情報を前記説明情報記憶手段から読み出して表示させる説明情報表示手段と、
キーボード上の何れかの文字キーの押下に応じて文字を入力する文字キー入力手段と、
この文字キー入力手段によって入力された文字に対応する単語を前記説明情報表示手段により表示された説明情報から検知して検索対象に設定する文字キー対応単語設定手段と、
この文字キー対応単語設定手段により設定された単語を見出語として、対応する説明情報を前記説明情報記憶手段から読み出して表示させる単語説明情報表示手段と、
を有する情報表示装置。
【請求項2】
入力文字の文字種を変更する文字種変更手段を有し、
前記文字キー対応単語設定手段は、前記文字種変更手段により文字種が変更された後に前記文字キー入力手段によって前記文字キーが押下された際、当該変更された文字種の入力文字に対応する単語を前記説明情報表示手段により表示された説明情報の中から検知して検索対象に設定する文字種変更後文字キー対応単語設定手段を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報表示装置。
【請求項3】
前記文字キー対応単語設定手段により検索対象に設定された単語を識別表示する単語識別表示手段を有することを特徴とする請求項1に記載の情報表示装置。
【請求項4】
前記単語識別表示手段により何れかの単語が検索対象として識別表示された後に、キーボード上の何れかの文字キーの押下に応じて文字を再入力する文字キー再入力手段と、
この文字キー再入力手段により文字が再入力された後、前記検索対象として識別表示された単語より後方において、当該再入力された文字に対応する単語を、前記説明情報表示手段により表示された説明情報から検知して検索対象に設定する文字キー対応単語再設定手段と、
を有し、
前記単語説明情報表示手段は、前記文字キー対応単語設定手段又は前記文字キー対応単語再設定手段により、何れかの単語が検索対象に設定された状態で特定のキー操作に応じて当該検索対象に設定された単語を見出語として、この見出語に対応する説明情報を前記説明情報記憶手段から読み出して表示させることを特徴とする請求項3に記載の情報表示装置。
【請求項5】
コンピュータに、
各見出語と当該見出語の説明情報を有する説明情報データの中から前記見出語の何れかに対応する説明情報を読み出して表示させる説明情報表示機能と、
キーボード上の何れかの文字キーの押下に応じて文字を入力する文字キー入力機能と、
この文字キー入力機能によって入力された文字に対応する単語を前記説明情報表示機能により表示された説明情報から検知して検索対象に設定する文字キー対応単語設定機能と、
この文字キー対応単語設定機能により設定された単語を見出語として、対応する説明情報を前記説明情報データの中から読み出して表示させる単語説明情報表示機能と、
を実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−323645(P2006−323645A)
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−146577(P2005−146577)
【出願日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】