説明

情報記録用紙

【課題】 水と接触した場合、塗工層とその支持体である基紙の少なくとも一部が容易に層間剥離、分散又は溶解する特性を有し、リターナブル容器用のラベルなどの用途に好適に用いられ、水との接触により剥離容易な情報記録用紙、特に、感熱記録方式、インクジェット記録方式又は感熱転写記録方式に適した情報記録用紙を提供する。
【解決手段】 水解性基材の少なくとも一面に情報記録用の塗工層を設けた情報記録用紙であって、該水解性基材が、l/D値が0.70以下かつL/D値が76以下の繊維ディメンションを有し、保水度が100%以下である水分散性繊維からなることを特徴とする情報記録用紙である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、水との接触により容易に層間剥離、分散又は溶解する基紙上に情報記録用の塗工層を設けた情報記録用紙に関し、更に、この情報記録用紙の非塗工面に粘着層を設けた情報記録用紙の粘着シートに関する。
【背景技術】
【0002】
最近の環境問題への関心の高まりから、リターナブル容器が注目されている。このリターナブル容器は、印刷又は印字された塗工紙、特に可変情報を容易に印刷又は印字できる情報記録用紙(感熱記録体、感熱転写記録媒体、インクジェット記録媒体など)の裏面に粘着層を設けた粘着ラベルが貼着されているのが一般的である。しかしながら、使用後にラベルを被着体より剥がすには手間のかかる洗浄作業を必要としている。この手間を軽減させるために、水に溶解する水溶性粘着剤を粘着層に用いることによって、ラベルの剥離性を向上させることが考えられるが、塗工紙が粘着層への水の浸入を阻害するため、十分な効果が得られないという問題があった。
【0003】
この問題に対応するため、水溶性材料又は水分散性材料を用いた基紙上に各種記録方式に適した塗工層を設け、非塗工面に粘着層を設けた水崩壊性粘着シートが開発されている(特許文献1)。この水崩壊性感熱記録シート及びそれを用いた水崩壊性粘着シートは、水溶紙又は水分散紙の基紙上に特定の構成の目止め層、塗工層(感熱記録層)を設け、非塗工面に粘着層を設けた構成を持ち、基紙に水溶紙又は水分散紙を用いることにより、ラベルをリターナブル容器から簡単に剥がすことを可能にするものである。
しかし、この水崩壊性感熱記録シート及びそれを用いた水崩壊性粘着シートは、高価な有機溶剤を使用することや、塗工層(感熱記録層)の塗工と別工程になることから、コストアップになるという問題がある。更に、有機溶剤に溶解する水溶性樹脂又は水分散性樹脂を用いた有機溶剤系塗工液を塗工・形成された目止め層は、基材として使用されている水溶紙又は水分散紙、基紙上に設けられた塗工層と比較して水による崩壊性が劣るため、水で洗浄した際にフィルム状に剥がれて排水管が詰まるなどの問題が生じる。
また、一般に、水溶紙又は水分散紙の基紙に水溶性樹脂の水溶液又は非水溶性樹脂の水分散液からなる塗工液をバーコーター法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法などを用いて塗工・乾燥した場合、基紙である水溶紙又は水分散紙が塗工液中の水分で過度に膨潤して強度が低下し、塗工機の中で断紙する問題が発生する。
一方、たばこのフィルター巻取り紙などを自然環境における雨水などにより容易に水解させるために、特定の繊維ディメンションや保水度を有する水分散性繊維からなる水解紙が開発され、効果を上げている(特許文献2,3)。
【0004】
【特許文献1】特開2004−314623
【特許文献2】特許第2883298号
【特許文献3】特許第2947735号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、水と接触した場合、塗工層とその支持体である基紙の少なくとも一部が容易に層間剥離、分散又は溶解する特性を有し、リターナブル容器用のラベルなどの用途に好適に用いられ、水との接触により剥離容易な情報記録用紙、特に、感熱記録方式、インクジェット記録方式又は感熱転写記録方式に適した情報記録用紙を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者等は、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、水分散性繊維からなる水解層を少なくとも1層以上有する単層又は2層以上の層状構造からなる基紙に、少なくとも1層以上の塗工層を設けた情報記録用紙において、該分散性繊維の平均繊維ディメンジョンがl/D値が0.70以下、L/D値が76以下、且つ保水度が100%以下であることが重要であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明は、水解性基材の少なくとも一面に情報記録用の塗工層を設けた情報記録用紙であって、該水解性基材が、l/D値が0.70以下かつL/D値が76以下の繊維ディメンションを有し、保水度が100%以下である水分散性繊維からなることを特徴とする情報記録用紙である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の情報記録用紙は、水と接触した場合、塗工層とその支持体である基紙の少なくとも一部が容易に層間剥離、分散又は溶解し、リターナブル容器用のラベルなどの用途に好適に用いることができる。この情報記録用紙は、特に、感熱記録方式、インクジェット記録方式又は感熱転写記録方式の情報記録用紙として提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の基紙(水解性基材)は、特定の繊維ディメンジョン及び保水性を有する水分散性繊維からなる水解層を少なくとも1層以上有する単層又は2層以上の層状構造からなる。この基紙は、水分解性を有する水解層を有するため、基紙全体としても水解性を有する。
本発明の水分散性繊維は、本質的に水への分散性能を有する繊維素材であり、一般的に製紙用として用いられるものである。例えば、針葉樹クラフトパルプ、広葉樹クラフトパルプ、溶解パルプなどの木材パルプ繊維、ケナフパルプ、亜麻パルプ、リンターなどの非木材系植物繊維から選ばれるものであり、水分散性繊維の平均繊維長は、0.1〜10mm、好ましくは0.5〜3mm、更に好ましくは0.8〜2mmである。
【0010】
本発明において、水分散性繊維の未叩解時の平均繊維ディメンジョン及び平均保水度を、l/D値が0.70以下、L/D値が76以下、保水度100%以下、より好ましくはl/D値が0.50〜0.70、L/D値が45〜76、保水度100%以下にすることにより、優れた水への分散性能が発現される。
なお、繊維ディメンションとは、繊維の長さ(L)、繊維の幅(D)、繊維のルーメンの幅(l)を光学顕微鏡などで拡大して測定し、下記(1)式、(2)式により計算される値であり、保水度とは、JAPAN TAPPI NO.26に規定されているパルプの膨潤度の指標であり、パルプ全体に占める膨潤繊維中に取り込まれて保持されている水分の割合を示すものである。
l/D=l÷D … (1)、 L/D=L÷D … (2)
【0011】
水解層を構成する水分散性繊維の未叩解時の平均繊維ディメンジョンをl/D値が0.70以下、L/D値が76以下とし、保水度が100%以下である範囲とすることにより、抄紙によるシート形成過程で膨潤及び圧潰し難く、繊維相互の接触や結合状態が不安定となるため、水中で分散し易くなる。繊維ディメンションや保水度は、パルプの原料となる植物の品種によって異なるため、水分散性繊維の平均l/D値、L/D値や保水度を特定範囲に調整するためには、各種パルプを単独、又は複数混合する。なお、上記特定範囲の繊維ディメンジョン及び保水性を有するパルプとしては、コナラ属、ハコヤナギ属、モクレン属、ユーカリ属、シイラカンバ属、マツ属、などの木材、エスパルト草などの非木材系植物が例示できる。水分散性繊維は、水中で分散させた状態又は叩解を施してから使用する。叩解の程度が高すぎると、シートの水分散性が不十分となり、叩解の程度が低すぎると、強度が低くなったりする。水解性基材への他の添加物や処理によって水分散性に差がでるので、叩解の程度の望ましい範囲は、他の添加物や処理に応じて適宜選定する。
【0012】
本発明において、基紙の水分散性を更に高める方法としては、1)水分散性繊維に水不溶性粉体及び/又は水難溶性粉を混抄する。2)水分散性繊維に、繊維状カルボキシメチルセルロース塩又は繊維状カルボキシエチルセルロース塩を混抄する。3)基紙にアルカリ含浸処理して水解性基材とする。4)水分散性繊維と繊維状カルボキシメチルセルロース又は繊維状カルボキシエチルセルロースを混抄した後、アルカリ含浸加工する。5)1)〜4)を併用することが可能ではある。しかし、3)、4)のように、アルカリで処理した基紙を用いた感熱記録体では感熱プリンターのヘッド腐食の問題が生じ、インクジェット記録媒体では印字物の彩度が低下する問題が生じるため望ましくない。
【0013】
水分散性繊維に水不溶性粉体及び/又は水難溶性粉体を混抄することにより、繊維相互の接触が阻害されて繊維間の結合状態が不安定となり、これらの粉体無添加の場合に比べて水中で分散し易くなり、基材の水分散性を高めることができる。また、これらの粉体の添加により、不透明度も高まる。
水不溶性粉体としては、非金属無機物、金属、水不溶性無機塩、熱硬化性樹脂粉末、熱可塑性樹脂粉末などが用いられ、水難溶性粉体としては、水難溶性無機塩が用いられる。水不溶性粉体の具体例は、酸化アルミニウム、二酸化チタン等の金属酸化物、炭化ケイ素、炭化ホウ素等の炭化物、四窒化三ケイ素、窒化ホウ素等の窒化物、雲母、長石族、シリカ鉱物族、粘土鉱物、合成ゼオライト、天然ゼオライト等の珪酸塩鉱物、チタン酸カリウム、チタン酸バリウム等のチタン酸塩化合物、珪酸マグネシウム等の珪酸塩化合物、リン酸亜鉛等のリン酸塩化合物、尿素樹脂系微粉末やスチレンアクリル樹脂系中空樹脂微粉末などが挙げられるがこれらに限定されるものではなく、単独又は水難溶性粉体を含めて2種以上を併用することも可能である。
【0014】
水難溶性粉体の具体例は、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物。炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛等の炭酸塩化合物。硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸ストロンチウム等の硫酸塩化合物など挙げることができるが、これらに限定されるものではなく、単独又は水不溶性粉体を含めて2種以上を併用することも可能である。
これらの水不溶性粉体及び/又は水難溶性粉体は、基紙中に、1〜40重量%含有することが望ましい。基紙中に含まれる水不溶性及び/又は水難溶性粉体の量が1重量%に満たない場合には、水分散率や不透明度の向上効果はごく僅かであり、添加する意味がない。一方、水不溶性又は水難溶性粉体の量が40重量%を越えると水分散率や不透明度は極めて高くなるが、強度が大きく低下する。
なお、抄紙工程中で流亡することを考慮して、一般的には、これら粉体を水分散性繊維に添加する際、水分散性繊維100重量部に対して、水不溶性及び/又は水難溶性粉体を1〜200重量部、好ましくは、5〜100重量部の範囲で含有させることで、上記含有量のものを得ることができる。
【0015】
また、繊維状カルボキシメチルセルロース塩及び/又は繊維状カルボキシエチルセルロース塩を添加すると、これらは水中でそれ自体が膨潤、ゲル化するため、これら同士又はこれらと水分散性繊維との繊維間結合は容易に解裂してシートは迅速に水中で分散する。
繊維状カルボキシメチルセルロース塩又は繊維状カルボキシエチルセルロース塩のエーテル化度は0.1〜1.5、好ましくは0.3〜0.5である。
繊維状カルボキシメチルセルロース塩又は繊維状カルボキシエチルセルロース塩は、ナトリウム塩(CMC−Na、CEC−Na)、カリウム塩(CMC−K、CEC−K)、リチウム塩(CMC−Li、CEC−Li)などのアルカリ金属塩か、該金属塩とアンモニウム塩、アミン塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩などとの混合塩でもよい。
繊維状カルボキシメチルセルロース塩及び/又は繊維状カルボキシエチルセルロース塩の配合率は、(繊維状カルボキシメチルセルロース塩又は繊維状カルボキシエチルセルロース塩):(水分散性繊維を含む抄紙用繊維全体)=1重量%:99重量%〜15重量%:85重量%、好ましくは3重量%:97重量%〜8重量%:92重量%である。繊維状カルボキシメチルセルロース塩及び/又は繊維状カルボキシエチルセルロース塩の配合率が15重量%を越えると、該塩を構成する金属イオンにより感熱プリンターのヘッド腐食の問題が生じ、インクジェット記録媒体では印字物の彩度が低下する問題が生じるため望ましくない。
【0016】
本発明の情報記録用紙をラベルなどの用途に使用する場合、基紙の坪量は20〜200g/m、好ましくは30〜120g/mである。
【0017】
本発明は上記の水解層を有する基紙上に、感熱記録方式やインクジェット記録方式などの特性を備える情報記録用の塗工層を塗設することが必要あるが、これら感熱記録層やインクジェット記録層などの塗工層の構成や塗工方法に特に制限はない。これら塗工層は、水系塗料を塗工・乾燥して形成された層であれば、適宜目的に応じて、単層又は2層以上にしてもよく、その塗工方式は適宜選択してよい。また、塗工層に用いられる材料等は従来から使用されている公知のものを使用することができる。
以下、感熱プリンター及びインクジェットプリンターに適応した塗工層の例を示す。
【0018】
本発明の情報記録用紙を感熱プリンターに適応させる場合、上記基紙上に顔料及びバインダーを主成分として含有するアンダーコート塗工層、無色ないし淡色の電子供与性ロイコ染料及び電子受容性顕色剤とを主成分として含有する感熱記録層を順次塗設することが好ましい。
また、基紙(水解性基材)と情報記録用の塗工層(即ち、感熱記録層やアンダーコート層など)との間に顔料及びバインダーを主成分とする目止め層を設けてもよい。目止め層は、支持体に含有しているイオン又は粘着剤に含有されている可塑剤などの感熱記録層へのマイグレーションを防止するため望ましい。また、上記基紙は繊維間結合が弱いため、ポーラスな層(断熱効果の高い)を有しており、目止め層を設けることにより、基紙発色感度、耐カス付着性、耐スティッキング性が良好な感熱記録体が得られる。
アンダーコート層を塗設する基紙表面(目止め層を設けた場合も含む)の平滑性は特に限定されないが、一般的には高平滑な表面が好まれ、ヤンキードライヤー接触面、カレンダリング処理面が好適に用いられる。アンダーコート層は、感熱記録体において、基紙表面の平滑性を高めて画像のシャープネスと高感度を達成するために設けるもので、公知の顔料、バインダー、各種添加剤を適宜選択して用いることができる。
アンダーコート層や目止め層に用いる顔料としては、シリカ、炭酸カルシウム、クレー、カオリン、焼成カオリン、ケイソウ土、タルク、酸化チタン、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸亜鉛、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、アルミノケイ酸ソーダ、アルミノケイ酸マグネシウムなどの無機顔料又はメラミン樹脂、尿素−ホルマリン樹脂、ポリエチレンパウダー、ナイロンパウダーなどの有機顔料が挙げられる。
【0019】
アンダーコート層や目止め層に用いるバインダーとしては、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アマイド変性ポリビニルアルコール、スルホン酸変性ポリビニルアルコール、ブチラール変性ポリビニルアルコール、その他の変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース塩、デンプン類、ゼラチン、カゼイン、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、アクリルアミド/アクリル酸エステル共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、エチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩等の水溶性樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン三元共重合体、エチルセルロース、アセチルセルロースのようなセルロース誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル/アクリル酸エステル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、ポリアクリル酸エステル、スチレン/アクリル酸エステル共重合体、ポリウレタン樹脂、ポリビニルブチラール、ポリスチロール及びそれらの共重合体、ポリアミド樹脂、シリコン樹脂、石油樹脂、テルペン樹脂、ケトン樹脂、クマロン樹脂等の非水溶性樹脂を例示することができる。これらの高分子物質は水、アルコール、ケトン、エステル、炭化水素等の溶剤に溶かして使用するほか、水又は他の媒体中に乳化又はペースト状に分散した状態で使用し、要求品質に応じて併用することも出来る。
これらのうち、水分散性の観点から、水溶性樹脂又は水分散性樹脂が好ましく、デンプン類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース塩、ゼラチン、カゼイン、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンをバインダーの主成分として使用することが望ましい。
【0020】
アンダーコート層や目止め層に用いるバインダーは、通常、充填剤100重量部に対して固形分で5〜100重量部である。アンダーコート層、目止め層には、充填剤及び結合剤のほか、慣用的に使用される各種添加剤を併用できる。各種添加剤としては、顔料分散剤、消泡剤、潤滑剤、紫外線吸収剤、サイズ剤、増感剤、蛍光染料、防腐剤等が挙げられる。
アンダーコート層は、前記顔料及びバインダーにその他の添加剤を分散混合して得られる塗料を、塗工機によって一層又は多層に分けて塗工し、ドライヤーで加熱乾燥することによって得られる。
アンダーコート層の塗工量は、乾燥後の重量として通常0.5〜50g/m2、好ましくは3〜15g/m2、目止め層の塗工量は0.5〜10g/m2である。塗工機としては、エアナイフコーター、バーコーター、ロールコーター、ブレードコーター、カーテンコーター、チャンプレックスコーター、グラビアコーター等が挙げられる。
【0021】
アンダーコート層又は目止め層上に設けられる感熱記録層において、公知のロイコ染料を単独又は2種以上混合して使用することができ、特にトリフェニルメタン系、フルオラン系、フエノチアジン系、オーラミン系、スピロピラン系、インドリノフタリド系等の染料のロイコ化合物が好ましく用いられる。具体例としては、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−フタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(別名クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−クロルフタリド、3,3−ビス(p−ジブチルアミノフェニル)フタリド、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロルフルオラン、3−ジメチルアミノ−5,7−ジメチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7,8−ベンズフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロルフルオラン、3−(N−p−トリル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2−{N−(3'−トリフルオルメチルフェニル)アミノ}−6−ジエチルアミノフルオラン、2−{3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9−(o−クロルアニリノ)キサンチル安息香酸ラクタム}、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリクロロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フルオラン、3−N−メチル−N,n−アミルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−5−メチル−7−(N,N−ジベンジルアミノ)フルオラン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、6'−クロロ−8'−メトキシ−ベンゾインドリノ−スピロピラン、6'−ブロモ−3'−メトキシ−ベンゾインドリノ−スピロピラン、3−(2'−ヒドロキシ−4'−ジメチルアミノフェニル)−3−(2'−メトキシ−5'−クロルフェニル)フタリド、3−(2'−ヒドロキシ−4'−ジメチルアミノフェニル)−3−(2'−メトキシ−5'−ニトロフェニル)フタリド、3−(2'−ヒドロキシ−4'−ジエチルアミノフェニル)−3−(2'−メトキシ−5'−メチルフェニル)フタリド、3−(2'−メトキシ−4'−ジメチルアミノフェニル)−3−(2'−ヒドロキシ−4'−クロル−5'−メチルフェニル)フタリド、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−(2−エトキシプロピル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−メチル−N−イソブチル−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−モルホリノ−7−(N−プロピル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−7−m−トリフルオロメチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−クロロ−7−(N−ベンジル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−7−(ジ−p−クロルフェニル)メチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−クロル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−メトキシカルボニルフェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ピペリジノフルオラン、2−クロロ−3−(N−メチルトルイジノ)−7−(p−n−ブチルアニリノ)フルオラン、3−(N−メチル−N−イソプロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3')−6'−ジメチルアミノフタリド、3−(N−ベンジル−N−シクロヘキシルアミノ)−5,6−ベンゾ−7−α−ナフチルアミノ−4'−ブロモフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−メシチジノ−4',5'−ベンゾフルオラン、3−N−メチル−N−イソプロピル−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−イソアミル−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2',4'−ジメチルアニリノ)フルオラン等である。
【0022】
本発明の情報記録用紙は使用後に排水溝ヘ洗い流される用途として使用される可能性もあることから、環境面を考慮し、これらの中でもより安全性の高い染料として、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソペンチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(3−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−4−メチルフェニルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(3−メチルアニリノ)フルオラン、3,3’−ビス(ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、2−(N−フェニル−N−メチルアミノ)−6−(N−p−トリル−N−エチルアミノ)フルオラン、3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチル−インドール−3−イル)フタリド、1,3−ジメチル−6−ジエチルアミノフルオラン、3−ブロモ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン等が好ましく使用される。
【0023】
感熱記録層にロイコ染料とともに含有される顕色剤としては、フェノール類、有機酸又は無機酸又はそれらエステルや塩などを使用することができる。具体例としては、没食子酸、サリチル酸、3−イソプロピルサリチル酸、3−シクロヘキシルサリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸、3,5−ジ−α−メチルベンジルサリチル酸、4,4'−イソプロピリデンジフェノール、1,1'−イソプロピリデンビス(2−クロロフェノール)、4,4'−イソプロピリンビス(2,6−ジブロモフェノール)、4,4'−イソプロピリデンビス(2,6−ジクロロフェノール)、4,4'−イソプロピリデンビス(2−メチルフェノール)、4,4'−イソプロピリデンビス(2,6−ジメチルフェノール)、4,4−イソプロピリデンビス(2−tert−ブチルフェノール)、4,4'−sec−ブチリデンジフェノール、4,4'−シクロヘキシリデンビスフェノール、4,4'−シクロヘキシリデンビス(2−メチルフェノール)、4−tert−ブチルフェノール、4−フェニルフェノール、4−ヒドロキシジフェノキシド、α−ナフトール、β−ナフトール、3,5−キシレノール、チモール、メチル−4−ヒドエロキシベンゾエート、4−ヒドロキシアセトフェノン、ノボラック型フェノール樹脂、2,2'−チオビス(4,6−ジクロロフェノール)、カテコール、レゾルシン、ヒドロキノン、ピロガロール、フロログリシン、フロログリシンカルボン酸、4−tert−オクチルカテコール、2,2'−メチレンビス(4−クロロフェノール)、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2'−ジヒドロキシジフェニル、p−ヒドロキシ安息香酸エチル、p−ヒドロキシ安息香酸プロピル、p−ヒドロキシ安息香酸ブチル、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸−p−クロロベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸−o−クロロベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸−p−メチルベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸−n−オクチル、安息香酸、サリチル酸亜鉛、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸亜鉛、4−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4'−クロロジフェニルスルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、2−ヒドロキシ−p−トルイル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸亜鉛、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸スズ、酒石酸、シュウ酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、ステアリン酸、4−ヒドロキシフタル酸、ホウ酸、チオ尿素誘導体、4−ヒドロキシチオフェノール誘導体、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸エチル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸n−プロピル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸n−ブチル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸フェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸フェネチル、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸n−プロピル、1,7−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)3,5−ジオキサヘプタン、1,5−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)3−オキサペンタン、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、4−ヒドロキシ−4'−メトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4'−エトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4'−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4'−プロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4'−ブトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4'−イソブトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4'−sec−ブトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4'−tert−ブトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4'−ベンジロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4'−フェノキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4'−(m−メチルベンジロキシ)ジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4'−(p−メチルベンジロキシ)ジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4'−(o−メチルベンジロキシ)ジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4'−(p−クロロベンジロキシ)ジフェニルスルホン等である。
【0024】
本発明の情報記録用紙は使用後に排水溝ヘ洗い流される用途として使用される可能性もあることから、環境面を考慮し、これらの中でもより安全性の高い顕色剤として、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、パラヒドロキシ安息香酸ベンジル、4−ヒドロキシ−4’−プロポキシジフェニルスルホン、3−{[(フェニルアミノ)カルボニル]アミノ}ベンゼンスルホンアミド、N−(4’−ヒドロキシフェニルチオ)アセチル−2−ヒドロキシアニリン、N−(4’−ヒドロキシフェニルチオ)アセチル−4−ヒドロキシアニリンとN−(4’−ヒドロキシフェニルチオ)アセチル−2−ヒドロキシアニリンとの1:1混合物、4,4’−ビス(3−(フェノキシカルボニルアミノ)メチルフェニルウレイド)ジフェニルスルホン、2,2’−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホン)フェノキシ〕ジフェニルエーテルを含有する顕色剤組成物、2,2’−メチレンビス(4−t−ブチルフェノール)を55%含有する縮合組成物(すなわち、2,2’−メチレンビス(4−t−ブチルフェノール)を55%含有し、残りがこれに対応する3核縮合物(29%)、4核縮合物(11%)及び5核縮合物(4%)からなる縮合組成物、その他(1%)等が好ましく使用される。
【0025】
感熱記録層には公知のバインダーを使用することができる。具体例しては、前記のバインダーを挙げることができ、これらの中でも水分散性の観点から、水溶性樹脂であるデンプン類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース塩、ゼラチン、カゼイン、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンをバインダーの主成分として使用することが望ましい。また、顔料としては、上記の各種無機顔料や有機顔料を使用することができる。
感熱記録層には、前記ロイコ染料、顕色剤及び結合剤と共に、必要に応じ、補助添加成分、例えば、増感剤、充填剤、p−ニトロ安息香酸金属塩(Ca、Zn)又はフタル酸モノベンジルエステル金属塩(Ca、Zn)等の安定剤、脂肪酸金属塩などの離型剤、ワックス類などの滑剤、圧力発色防止剤、ベンゾフェノン系やトリアゾール系の紫外線吸収剤、グリオキザールなどの耐水化剤、分散剤、消泡剤等を併用することができる。
【0026】
熱応答性を向上させる増感剤としては熱可融性物質が用いられ、50〜200℃程度の融点を持つ熱可融性有機化合物等を使用することができる。具体例としては、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド、N−ヒドロキシメチルステアリン酸アミド、N−ステアリルステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、N−ステアリル尿素、ベンジル−2−ナフチルエーテル、m−ターフェニル、4−ベンジルビフェニル、2,2'−ビス(4−メトキシフェノキシ)ジエチルエーテル、α,α’−ジフェノキシキシレン、ビス(4−メトキシフェニル)エーテル、アジピン酸ジフェニル、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ジ(4−クロルベンジル)エステル、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジベンジル、ベンゼンスルホン酸フェニルエステル、ビス(4−アリルオキシフェニル)スルホン、4−アセチルアセトフェノン、アセト酢酸アニリド類、脂肪酸アニリド類、モンタン系ワックス、ポリエチレンワックス、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、ジ−p−トリルカーボネート、フェニル−ナフチルカーボネート、1,4−ジエトキシナフタリン、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルエステル、1,2−ジ−(3−メチルフェノキシ)エタン、シュウ酸ジ(p−メチルベンジル)、シュウ酸ジ(p−クロロベンジル)、ベンジルオキシナフタレン、4−ビフェニルp−トリルエーテル、o−キシレリン−ビス−(フェニルエーテル)、4−(m−メチルフェノキシメチル)ビフェニル等が列挙される。
本発明の水分散性塗工紙は使用後に排水溝ヘ洗い流される用途として使用される可能性もあることから、環境面を考慮し、これらの中でもより安全性の高い増感剤として、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド、エチレンビスステアロアミド、パラベンジルオキシ安息香酸ベンジル、4−ビフェニルパラトリルエーテル、シュウ酸ビス(パラメチルベンジル)、シュウ酸ビス(パラクロロベンジル)、パラベンジルビフェニル、1,2−ビス(フェノキシメチル)ベンゼン、パラトルエンスルホンアミド、オルトトルエンスルホンアミド、ジフェニルスルホン、ベンジルオキシナフタレン、パラフェニルアセトフェノン、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン等が好ましく使用される。
【0027】
有機顕色剤及びロイコ染料の量、その他の各種成分の種類及び量は要求される性能及び記録適性に従って決定され、特に限定されるものではないが、通常ロイコ染料1部(乾燥固形分)に対して、有機顕色剤0.5〜10部(乾燥固形分)、増感剤0.5〜10部(乾燥固形分)を使用し、結合剤は全固形分中5〜50%が適当である。
前述の有機顕色剤、ロイコ染料及び必要に応じて添加する材料はボールミル、アトライター、サンドグラインダーなどの粉砕機又は適当な乳化装置によって数ミクロン以下の粒子径になるまで微粒化し、バインダー及び目的に応じて各種の添加材料を加えて塗液とする。
感熱記録層の形成方法については特に限定されず、例えば平版等の各種印刷方式をはじめ、エアナイフ塗工、ロッドブレード塗工、バー塗工、ブレード塗工、グラビア塗工、カーテン塗工等の方法によって塗液を基紙上に塗工乾燥する方法で形成される。また、塗液の塗工量については、通常2〜12g/m、好ましくは3〜10g/m程度の範囲である。
感熱記録層上に、保護層を塗設することによって、サーマルヘッド等のマッチング性や記録画像保存性を向上させることができる。
保護層に用いる結合剤は上記した結合剤と同種のものが使用でき、これらの中でも水剥離性の観点から、水溶性樹脂であるデンプン類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース塩、ゼラチン、カゼイン、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンをバインダーの主成分として使用することが望ましい。
【0028】
保護層に用いられる各種添加剤としては、充填剤、界面活性剤、熱可融性物質(又は滑剤)、圧力発色防止剤等が挙げられる。この場合、充填剤及び熱可融性物質の具体例としては、前記感熱発色層において例示されたものと同様のものが挙げられる。
保護層は、前記結合剤に各種添加剤を分散混合して得られる塗料を、塗工機によって一層又は多層に分けて塗工し、ドライヤーで加熱乾燥することによって得られる。
塗料の塗工量は、乾燥後の重量として通常0.2〜10g/m、好ましくは0.5〜5g/mである。塗工機としては、特に限定されるものではなく、エアナイフコーター、バーコーター、ロールコーター、ブレードコーター、カーテンコーター、チャンプレックスコーター、グラビアコーター等の公知の塗工機を使用することができ、特に制限されることはない。
本発明において、画像のシャープネス及び感度の向上を目的に、カレンダー、スーパーカレンダー、ソフトニップカレンダー等の平滑化装置を用いて感熱記録層側の表面平滑性を高めることは好ましい。感熱記録層側表面のベック平滑度は50〜2000sにすることが好ましく、より好ましくは100〜2000sである。ベック平滑度が50sに満たない場合は、印字画質の向上効果が乏しく平滑処理の効果がない。また、ベック平滑度が2000sを越えると、基紙の密度向上による水分散性の低下が目立つようになり好ましくない。
【0029】
本発明の情報記録用紙を、インクジェットプリンター(染料タイプ、顔料タイプ、水性タイプ、油性タイプ)に適応させる場合、基紙上に顔料及び水系バインダーを主成分としたピグメントコート層、又はカチオン性樹脂又は/及び水系バインダーを主成分としたクリアーコート層を設けることが好ましく、顔料、バインダー、各種添加剤は公知ものを適宜選択して用いることができ、配合量は要求される品質により適宜調整することができる。また、基紙とピグメントコート層又はクリアーコート層の間に顔料及びバインダーを主成分とする上記した目止め層を設けることは操業性、支持体に含有しているイオン又は粘着剤に含有されている可塑剤などのインクジェット記録層へのマイグレーションを防止するため望ましい。上記基紙は繊維間結合力が弱いため、ポーラスな層(インク吸収性の高い層)を有しており、インク吸収性が良好な感熱記録体が得られる。
インクジェット記録層には公知の顔料を使用することができる。具体例しては、前記のバインダーを挙げることができ、特に制限されるものではないが、インク吸収性及び発色性の点から、シリカ、アルミナ、焼成カオリン、炭酸カルシウムなどを用いることが好ましい。
インクジェット記録層には公知のバインダーを使用することができる。具体例しては、前記のバインダーを挙げることができ、特に制限されるものではないが、インク吸収性及び発色性の点から、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコールなどを主成分として用いることが好ましい。
各種添加剤としては、カチオン性樹脂(染料定着剤)、顔料分散剤、消泡剤、潤滑剤、紫外線吸収剤、サイズ剤、蛍光染料、防腐剤等が挙げられる。中でも、カチオン性樹脂は画像部の耐水性及び発色性を著しく向上させるため、併用することは望ましい。
塗工機としては、特に限定されるものではなく、エアナイフコーター、バーコーター、ロールコーター、ブレードコーター、カーテンコーター、キャストコーター、チャンプレックスコーター、グラビアコーター、2ロールコーター、トランスファーロールコーター等が使用される。
【0030】
本発明の情報記録用紙は、ラベルなどとして好適に用いられる。例えば、リターナブル容器の宛先表示ラベルとして貼付し、送り先到着後に水で洗い流すのみで、該表示ラベルを容器から取り除くことが可能となるので、ラベルを手で剥がす手間が省け、リターナブル容器の運用効率が向上する。
【0031】
本発明の情報用紙を用いた粘着シートは、塗工層(即ち、印刷面又は印字面)の反対面に、粘着剤層を設けたものである。この粘着剤層を構成する粘着剤としては、水溶性又は水再分散性を有する粘着剤、特にアクリル系粘着剤が好適に用いられる。
水溶性アクリル系粘着剤の例としては、アクリル酸アルコキシアルキルとスチレンスルホン酸塩と他の共重合性単量体とからなる共重合体や、(メタ)アクリル酸などのカルボキシル基含有ビニル系単量体と水酸基含有単量体と場合により用いられる共重合可能な他の単量体との共重合体をベースポリマーとして含有するものなどを挙げることができる。また、水再分散性アクリル系粘着剤の例としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとカルボキシル基含有ビニル系単量体とアルコキシ基を有するビニル系単量体と場合により用いられる共重合可能な他の単量体との共重合体や、カルボキシル化ロジンエステル含有ビニル系単量体とカルボキシル基含有ビニル系単量体と水溶性ビニル系単量体が共重合されてなる共重合体をベースポリマーとして含有するものなどを挙げることができる。なお、これらの共重合体のカルボキシル基は、必要に応じ一部又は全部がアルカリにより中和された塩型であってもよく、アルカリ金属塩、アミン塩、アルカノールアミン塩が好適に用いられる。
【0032】
これらのアクリル系粘着剤には、粘着力や水溶性又は水分散性の調整のために架橋剤を配合することができる。このような架橋剤としては特に制限はなく、従来アクリル系粘着剤において架橋剤として慣用されているものの中から、任意のものを適宜選択して用いることができる。例えば1,2−エチレンジイソシアネートのようなイソシアネート系架橋剤、ジグリシジルエーテル類のようなエポキシ系架橋剤をはじめ、メラミン樹脂、尿素樹脂、ジアルデヒド類、メチロールポリマー、金属キレート化合物、金属アルコキシド、金属塩などが挙げられる。また、前記アクリル系粘着剤には、必要に応じ性状を調整し、性能を高めるために、従来公知の可塑剤、粘着性付与剤、着色剤、増粘剤、消泡剤、レベリング剤、可塑剤、防黴剤、酸化防止剤等を適宜配合することができる。ここで、可塑剤、粘着性付与剤は水溶性又は水分散性のものが好ましく、可塑剤としては、例えば糖アルコールなどの多価アルコール、ポリエーテルポリオール、酸化ロジンのアルカノールアミン塩などが挙げられ、粘着付与剤としては、例えばロジン、不均化ロジン、水添ロジンなどのアルカリ金属塩や、アンモニウム塩、ポリエーテルエステルなどが挙げられる。
これらの粘着剤は、基紙の非塗工面に直接塗布して粘着剤層を設けてもよいし、剥離シートの剥離剤表面上に粘着剤を塗布して粘着剤層を設けたのち、非塗工面に貼着し、該粘着剤層を転写してもよい。何れの場合も、粘着剤層は使用時以外での不要な粘着を防ぐために剥離シートを貼合し、所望により剥がして使用してもよい。基紙に設けられる粘着剤層の塗工量は固形分として3〜60g/m、好ましくは10〜50g/m程度である。粘着剤塗工量が5g/m未満では、得られる粘着シートの接着性能が不足し、一方、60g/mを越えると粘着シートの製造時や後加工工程で粘着剤がはみ出し易くなり好ましくない。
【0033】
上記剥離シートとして特に制限はなく、従来公知のもの、例えばグラシン紙、コート紙、キャストコート紙などの紙基材、これらの紙基材にポリエチレンなどの熱可塑性樹脂をラミネートしたラミネート紙、又はポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの各種プラスチックフィルムの片面又は両面に、シリコーン樹脂などの剥離剤を塗布したものなどが挙げられる。この剥離シートの坪量については特に制限はないが、通常20〜120g/m程度である。
また、粘着剤の塗布を印刷方式で行い、エッジ部分等を除いてパターン状に塗布してもよく、この場合に用いる剥離シートも粘着剤の塗布パターンに対応して剥離剤を部分塗布することもできる。更に、本発明の情報用紙の塗工面側表面に、点状や矩形状の非連続パターンで剥離剤を部分塗布し、一方、反対面側の表面に剥離剤と対応するパターンで粘着剤を部分塗布し、粘着剤部分塗布面と剥離剤部分塗布面とを重ね合わせることにより、剥離シートが不要の粘着シートを形成することもできる。
かくして得られる本発明の水分散性塗工紙の粘着シートは、コンテナなどの被着体に貼付された後、水で洗い流すのみで、被着体から容易に取り除くことができる。
【実施例】
【0034】
以下、実施例にて本発明を例証するが本発明を限定することを意図するものではない。
なお、実施例及び皮革例中の部数及び%は特に断わらない限り、それぞれ重量部及び重量%を示す。
【0035】
また印字性、水分散性などの評価は、以下のようにして行った。
1.水分散性
23℃×50%RHの雰囲気で24時間以上調和させた試料(情報記録用紙)から3cm角の試験片5枚を作製した。次に300mlビーカーに脱イオン水300mlを入れてスターラーで650rpmに攪拌しながら上記試験片1枚を投入した。試験片が2つ以上に千切れる時間をストップウォッチで求め、5回測定の平均値を水分散時間とし、下記の基準で評価した。
◎:水分散時間が30秒以内であり、水分散性が優秀である
○:水分散時間が90秒以内であり、水分散性が良い
×:水分散時間が90秒を越え、不溶であると判断される
【0036】
2.印字性
2−1.感熱記録紙(感熱プリンターによる評価)
実施例1〜9,11及び比較例1〜4で作成した情報記録用紙について、Zebra社製「バーコードプリンター140XiII」を用いて印字した。サーマルヘッドの発熱エネルギー0.2mJで印字した試料の印字部分及び未印字部分の地肌を「マクベスRD−918型」反射濃度計にて測定した。印字部分の測定値は大きいほど発色感度に優れ、未印字部分の地肌は小さいほど、地肌かぶりが少なく優れている。
2−2.インクジェット記録紙(インクジェットプリンターによる評価)
実施例10及び比較例5で作成した情報記録用紙について、エプソン社製「PM−970C」を用いてベタ印字(黒)し、「マクベスRD−918型」反射濃度計にて印字濃度を測定した。また、前記プリンターを用いて「電」の文字をフォント8の大きさで印字し、インクの滲みを下記の基準で目視評価した。
○:ほとんどインクが滲まない又は若干インクが滲んでいるが文字の判別に支障はない。
×:インクが滲んでおり文字の判別に支障がある。
【0037】
製造例1(基紙の作製)
繊維ディメンションのl/D値が0.67、L/D値が49、保水度が86%の広葉樹晒クラフトパルプを80部と、l/D値が0.72、L/D値が80、保水度が103%の針葉樹晒クラフトパルプの20部とを配合し、全体のl/D値が0.69、L/D値が58、保水度が89%である水分散性繊維原料を450〜500mlCSFになるように叩解し、長網式抄紙機で坪量35〜40g/mになるように水解性基紙を抄紙した。
上記基紙に、カオリン(エンゲルハード社製)70部、二酸化チタン(古河機械金属株式会社製)30部、分散剤0.3部、冷水可溶性PVA(株式会社クラレ製)5.2部、リン酸エステル化澱粉(アベベ社製)13.8部、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩(日本製紙ケミカル株式会社製)0.35部、水102部からなる目止め層塗液を前記抄紙機に装着したゲートロールコーターを用いて片面の乾燥重量が2.5g/mとなるようにして両面に塗工し、乾燥させて目止め塗工層を形成した。
次いで、線圧175Kg/cm、温度90℃でスーパーカレンダー加工して目止め塗工層を有する坪量40g/mの水解性基紙を作製した。
得られた水解性基紙の、水分散時間は34秒、平滑度は500秒、縦方向の引張強さは1.77kN/mであった。
【0038】
実施例1
(アンダー層の塗設)
製造例1で得た水解性基紙について、フェルト面側に塗設された目止め塗工層の上に、焼成カオリン(XCI3OOFECC製、吸油量70ml/100g)100部、分散剤0.2部、10%PVA溶液80部、水50部からなるアンダー層塗液を乾燥重量6g/mとなるようにエアナイフコーター(塗工速度:200m/min)を用いて塗工・乾燥させアンダー層を形成した。
(感熱記録層の塗設)
次に、上記アンダー層の上に、顕色剤分散液36.0部、染料分散液9.2部、増感剤分散液12.0部、炭酸カルシウム(Brilliant−15白石工業製 平均粒子径0.20=50%分散液)12.0部からなる感熱記録層塗液を乾燥重量が5g/mになるようにエアナイフコーター(塗工速度:200m/min)を用いて、塗工・乾燥(50℃)させ感熱記録層を形成した。この際に使用した顕色剤分散液、染料分散液、増感剤分散液はそれぞれ次のようにして調製した。
(1)顕色剤分散液:10%PVA水溶液18.8部、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン6.0部、水11.2部を分散させサンドグラインダーを用いて平均粒子径lμmに粉砕した。
(2)染料分散液:3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン2.0部、10%PVA水溶液4.6部、水2.6部を分散させサンドグラインダーを用いて平均粒子径lμmに粉砕した。
(3)増感剤分散液:4−ビフェニルp−トリルエーテル4.0部、10%PVA水溶液5.0部、水3.0部を分散させサンドグラインダーを用いて平均粒子径lμmに粉砕した。
上記の感熱記録層塗設後に、カレンダーを用いて感熱記録層面のべック平滑度が200〜300秒になるように平滑化処理を行った。
以上のようにして情報記録用紙(感熱記録紙)を得た。
【0039】
実施例2
下記の水分散性繊維原料を用いた以外は実施例1と同様にして情報記録用紙を得た。
・広葉樹晒クラフトパルプ(l/D値:0.45、L/D値:54、保水度:77%)
80部
・針葉樹晒クラフトパルプ(l/D値:0.72、L/D値:80、保水度:103%)
20部
混合した水分散性繊維原料のl/D値、L/D値、保水度は、それぞれ0.55、63、82%であった。
【0040】
実施例3
下記の水分散性繊維原料を用いた以外は実施例1と同様にして情報記録用紙を得た。
・広葉樹晒クラフトパルプ(l/D値:0.64、L/D値:37、保水度:78%)
80部
・針葉樹晒クラフトパルプ(l/D値:0.64、L/D値:72、保水度:96%)
20部
混合した水分散性繊維原料のl/D値、L/D値、保水度は、それぞれ0.64、47、82%であった。
【0041】
実施例4
下記の水分散性繊維原料を用いた以外は実施例1と同様にして情報記録用紙を得た。
・広葉樹晒クラフトパルプ(l/D値:0.67、L/D値:49、保水度:86%)
80部
・針葉樹晒クラフトパルプ(l/D値:0.76、L/D値:69、保水度:114%)
20部
混合した水分散性繊維原料のl/D値、L/D値、保水度は、それぞれ0.70、55、91%であった。
【0042】
実施例5
下記の水分散性繊維原料を用いた以外は実施例1と同様にして情報記録用紙を得た。
・広葉樹晒クラフトパルプ(l/D値:0.38、L/D値:67、保水度:93%)
50部
・針葉樹晒クラフトパルプ(l/D値:0.72、L/D値:80、保水度:103%)
50部
混合した水分散性繊維原料のl/D値、L/D値、保水度は、それぞれ0.63、76、100%であった。
【0043】
実施例6
下記の水分散性繊維原料を用いた以外は実施例1と同様にして情報記録用紙を得た。
・広葉樹晒クラフトパルプ(l/D値:0.64、L/D値:37、保水度:78%)
80部
・針葉樹晒クラフトパルプ(l/D値:0.79、L/D値:78、保水度:92%)
20部
混合した水分散性繊維原料のl/D値、L/D値、保水度は、それぞれ0.68、48、81%であった。
【0044】
実施例7
実施例6で用いた混合パルプ100部に対して、繊維状カルボキシメチルセルロースナトリウム塩(エーテル化度0.43)5部添加した以外は実施例6と同様にして情報記録用紙を作製した。
【0045】
実施例8
実施例6で用いた混合パルプ100部に対して、炭酸カルシウム17部添加した以外は実施例6と同様にして情報記録用紙を作製した。
【0046】
実施例9
実施例6で用いた混合パルプ100部に対して、繊維状カルボキシメチルセルロースナトリウム塩(エーテル化度0.43)5部、炭酸カルシウム17部添加した以外は実施例6と同様にして情報記録用紙を作製した。
【0047】
実施例10
製造例1で得た基紙上に、シリカ20%分散液(トクヤマ製、商品名:ファインシールX37B)100部、10%PVA溶液 50部、カチオン性樹脂(星光PMC社製、商品名:SRD−150、固形分:50%)2部からなるピグメントコート層塗液を乾燥重量10g/mとなるようにブレードコーターで300m/minで塗布、乾燥しピグメントコート層を形成した。次いで、カレンダリング処理を行って本発明の情報記録用紙(インクジェット記録媒体)を作製した。
【0048】
実施例11
実施例1で得た情報記録用紙の非記録面に下記の粘着層を設けてに情報用紙記録ラベルを作成した。
(4)粘着剤層:水溶性のエマルジョン型アクリル系粘着剤[日本カーバイド工業(株)製、商品名「ニカゾールHS−002」、固形分濃度40重量%]100重量部、エポキシ樹脂系硬化剤[日本カーバイド工業株式会社製、商品名「FX−931」、固形分濃度10重量%]2重量部を混合し粘着剤塗液を調製した。この粘着剤塗液を、シリコーン剥離剤を塗布した剥離シート[三島製紙株式会社製、「35SIP」、坪量36g/m]の剥離処理面に固形分として30g/m塗布乾燥して、粘着剤層を設けた。
【0049】
比較例1
下記の水分散性繊維原料を用いた以外は実施例1と同様にして情報記録用紙を得た。
・針葉樹晒クラフトパルプ(l/D値:0.72、L/D値:80、保水度:103%) 100部
【0050】
比較例2〜4
下記の水分散性繊維原料を用いた以外は実施例7〜9と同様にして情報記録用紙を得た。
・針葉樹晒クラフトパルプ(l/D値:0.72、L/D値:80、保水度:103%) 100部
【0051】
比較例5
下記の水分散性繊維原料を用いた以外は実施例10と同様にして情報記録用紙を得た。
・針葉樹晒クラフトパルプ(l/D値:0.72、L/D値:80、保水度:103%) 100部
【0052】
上記で得られた情報記録用紙の評価結果を下表に示す。
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
水解性基材の少なくとも一面に情報記録用の塗工層を設けた情報記録用紙であって、該水解性基材が、l/D値が0.70以下かつL/D値が76以下の繊維ディメンションを有し、保水度が100%以下である水分散性繊維からなることを特徴とする情報記録用紙。
【請求項2】
前記水解基材が、繊維状カルボキシメチルセルロース塩及び/又はカルボキシエチルセルロース塩を含有する請求項1に記載の情報記録用紙。
【請求項3】
前記水解基材が、更に水不溶性粉体及び/又は水難溶性粉体を含有する請求項1又は2に記載の情報記録用紙。
【請求項4】
前記水解性基材と前記情報記録用の塗工層との間に目止め層を設けた請求項1〜3のいずれか一項に記載の情報記録用紙。
【請求項5】
前記情報記録用の塗工層が、感熱記録層又はインクジェット記録層である請求項1〜4のいずれか一項に記載の情報記録用紙。
【請求項6】
前記塗工層が無色ないし淡色の電子供与性ロイコ染料及び電子受容性顕色剤とを含有する請求項5に記載の情報記録用紙。
【請求項7】
前記塗工層がカチオン性樹脂を含有する請求項5に記載の情報記録用紙。
【請求項8】
前記基材の非塗工面に粘着剤層を塗設又は貼着した請求項1〜7のいずれか一項に記載の情報記録用紙。

【公開番号】特開2007−237634(P2007−237634A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−65214(P2006−65214)
【出願日】平成18年3月10日(2006.3.10)
【出願人】(000183484)日本製紙株式会社 (981)
【出願人】(000176637)三島製紙株式会社 (26)
【Fターム(参考)】