説明

情報記録装置および情報記録方法

【課題】面倒な操作なく、ユーザごとに画像や音声などのデータを分類整理し、ユーザが自分のデータを個別に検索あるいは再生可能な情報記録の仕組みを提供する。
【解決手段】画像記録装置1は、無線タグ30から取得された個人情報に対応する固有の情報記録領域を大容量記録媒体19に確保する。撮影モードが選択された場合、シャッターボタンの全押しに応じて記録用の静止画データの取得を行うと、取得された記録用画像データを、所定の形式のファイルに変換した上、無線タグ30から取得された個人情報に対応する固有の情報記録領域に、この画像ファイルを記録する。再生モードが選択された場合、無線タグ30から取得された個人情報に対応する情報記録領域に記録された画像をメモリ部13に展開し、展開した画像を表示部12に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子機器におけるユーザごとの記録データの分類に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、メモリカードやハードディスクなど比較的大容量の記憶媒体を備えている、デジタルカメラ、ハードディスクレコーダ、パソコンその他の情報記録装置が普及している。このような装置は、ユーザが好きな画像・映像・音声を大量に記憶再生できるため、便利である。
【特許文献1】特開平11−249963号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、例えば一般的なデジタルカメラでは、撮影者が誰であるかにかかわらず、撮影した画像に連番のファイル名が付与されて、単一の記憶媒体にあるいは単一の記録領域に順次格納されていくのが通常である(図8参照)。
【0004】
このように、複数のユーザがそれぞれ別個の機会に取得した画像を、同一の記憶媒体ないし記録領域に順次格納していくと、だれがどの画像を撮ったのか分からなくなり、後から特定のユーザが自分の撮った画像を検索するのは困難である。ハードディスクレコーダでこのような格納方式をとっても同じことが生じ、誰がどの番組を録画したのか容易に判別できず、自分が再生したい番組を探し出すのにいちいち再生して内容を確認しなければならず苦労する。
【0005】
また、このような方式をとると、画像検索の過程で、自分の記録した画像が他人に見られてしまい、プライバシーの点で問題がある。
【0006】
このような問題を解決するには、単一の記憶媒体内にユーザごとにフォルダを作成して、各人別に画像をフォルダで分類することが考えられる。しかし、フォルダを逐一作成する操作の手間が必要で面倒であるし、電子機器の操作に不慣れな者には余計な負担となる。
【0007】
あるいは、ユーザ各人がそれぞれ異なる記憶媒体を保持しておき、自分が機器を使用する度に記憶媒体を入れ換えることが考えられる。しかし、いちいち記憶媒体を入れ換える手間が必要であるし、各人が不必要に大容量の記憶媒体を保持していてもその容量を十分生かせず、コストメリットに乏しい。
【0008】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、面倒な操作なく、ユーザごとに画像や音声などのデータを分類整理し、ユーザが自分のデータを個別に検索あるいは再生可能な情報記録の仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る情報記録装置は、画像データおよび音声データのうち少なくとも1つを含む記録用データの取得を指示する取得指示部と、指示部の指示に応じ、記録用データを取得するデータ取得部と、ユーザに固有のユーザ情報を取得するユーザ情報取得部と、ユーザ情報取得部の取得したユーザ情報に対応する記録区分を所定の記録媒体内に確保する記録区分確保部と、データ取得部の取得した記録用データをユーザ情報取得部の取得したユーザ情報に対応する記録区分に記録する記録部と、を備える。
【0010】
この発明によると、ユーザ情報取得部がユーザ情報を取得すると、その取得したユーザ情報に対応する記録区分が確保され、以後、ユーザ情報取得部の取得したユーザ情報に対応する記録区分に記録用データが記録される。
【0011】
これにより、ユーザ情報ごとに区分されてデータが記録されていくから、各ユーザが自分で記録したデータを、自分のユーザ情報およびそれに対応する記録区分で区別することができ、自分の記録したデータの検索が容易になる。
【0012】
この情報記録装置は、記録媒体中の記録用データの内所望の記録用データの再生を指示する再生指示部と、再生指示部の指示に応じ、所望の記録用データを再生する再生部と、を備え、再生指示部は、ユーザ情報取得部の取得したユーザ情報に対応する記録区分の記録用データのみの再生を指示するとよい。
【0013】
すなわち、ユーザ情報取得部の取得したユーザ情報に対応する記録区分の記録用データのみの再生が許可されるため、自分の記録した画像や音声が他人によって再生され、プライバシーが害される心配がない。
【0014】
また、本発明に係る情報記録装置は、画像データおよび音声データのうち少なくとも1つを含む記録用データの取得を指示する取得指示部と、指示部の指示に応じ、記録用データを取得するデータ取得部と、ユーザに固有のユーザ情報を取得するユーザ情報取得部と、データ取得部の取得した記録用データの識別情報の少なくとも一部としてユーザ情報取得部の取得したユーザ情報を付与した上で、識別情報の少なくとも一部としてユーザ情報の付与された記録用データを所定の記録媒体に記録する記録部と、を備える。
【0015】
この発明によると、ユーザ情報取得部がユーザ情報を取得すると、その取得したユーザ情報が記録用データの識別情報の一部として付与される。
【0016】
これにより、ユーザごとに識別情報が付与されてデータが記録されていくから、各ユーザが自分で記録したデータを、識別情報に自分のユーザ情報が付与されているか否かで区別でき、自分の記録したデータの検索が容易になる。
【0017】
この情報記録装置は、記録媒体中の記録用データの内所望の記録用データの再生を指示する再生指示部と、再生指示部の指示に応じ、所望の記録用データを再生する再生部と、を備え、再生指示部は、ユーザ情報取得部の取得したユーザ情報が少なくとも識別情報の一部として付与された記録用データのみを再生する。
【0018】
すなわち、ユーザ情報取得部の取得したユーザ情報が識別情報の一部に付与されている記録用データのみの再生が許可されるため、自分の記録した画像や音声が他人によって再生され、プライバシーが害される心配がない。
【0019】
ユーザ情報取得部は、非接触型ICタグに記録されたユーザの識別情報およびユーザの人体に固有の生体情報のうち少なくとも1つをユーザ情報として取得する。
【0020】
こうすると、ユーザが複雑な操作を意識することなく容易にユーザ情報を情報記録装置に取得させ、これに基づいて自分の記録したデータだけを検索あるいは再生できる。
【0021】
本発明に係る情報記録方法は、画像データおよび音声データのうち少なくとも1つを含む記録用データの取得を指示するステップと、指示に応じ、記録用データを取得するステップと、ユーザに固有のユーザ情報を取得するステップと、取得したユーザ情報に対応する記録区分を所定の記録媒体内に確保するステップと、取得した記録用データを取得したユーザ情報に対応する記録区分に記録するステップと、を含む。
【0022】
本発明に係る情報記録方法は、画像データおよび音声データのうち少なくとも1つを含む記録用データの取得を指示するステップと、指示に応じ、記録用データを取得するステップと、ユーザに固有のユーザ情報を取得するステップと、取得した記録用データの識別情報の少なくとも一部として取得したユーザ情報を付与した上で、識別情報の少なくとも一部としてユーザ情報の付与された記録用データを所定の記録媒体に記録するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0023】
この発明によると、ユーザ情報ごとに区分されてデータが記録されていくから、各ユーザが自分で記録したデータを、自分のユーザ情報およびそれに対応する記録区分で区別することができ、自分の記録したデータの検索が容易になる。
【0024】
またこの発明によると、ユーザごとに識別情報が付与されてデータが記録されていくから、各ユーザが自分で記録したデータを、識別情報に自分のユーザ情報が付与されているか否かで区別でき、自分の記録したデータの検索が容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、添付した図面を参照し本発明の好ましい実施の形態を説明する。
【0026】
<第1実施形態>
図1は、本発明の好ましい実施形態に係る画像記録装置1の機能ブロック図である。画像記録装置1は、撮像部11、制御部20、外部I/F部16、大容量記録媒体19、表示部12、電源部14、メモリ部13、処理部15を備えている。
【0027】
撮像部11は、CCDやCMOSなどの画像エリアセンサおよびレンズを含む光学ユニットから構成され、画像エリアセンサの取得した画像データは制御部20内の画像処理部に送られる。
【0028】
制御部20は、画像記録装置1の各ブロックの制御を統合するCPUを中核としたデータ処理回路である。制御部20は、撮像部11からのアナログ画像データをデジタル画像データに処理したり、この画像データをJPEG形式やExif形式など所定のファイル形式に圧縮し大容量記録媒体19に記録したり、あるいは該圧縮画像ファイルをメモリ部13に展開して表示部12の映像信号に変換する機能を有する。
【0029】
外部I/F部16は、パソコンその他の外部電子機器と有線(例えばUSB、IEEE1394、SCSI、LAN)または無線(例えばIrDA、Bluetooth,W−LAN、UWB)で接続し、画像データその他の各種データを互いに通信する。
【0030】
大容量記録媒体19は、メモリカードなどの取り外し可能な記録媒体か、またはフラッシュメモリ、ハードディスクユニット(HDD)、DVDなどの書き込み/消去可能な大容量の記録媒体である。
【0031】
表示部12は、大容量記録媒体19に記録された画像(静止画像または動画像のうち少なくとも一方を含む。以下同じ。)や、ROMに記録されたメニュー、アイコン、キャラクタなどを表示する画面であり、LCDなどで構成される。
【0032】
電源部14は、図示しないバッテリーや外部電源と接続し、各ブロックに所望の電圧を供給する。
【0033】
メモリ部13は、プログラムを格納するEEPROMや、制御部20の処理に必要なデータを一時的に格納するワーク領域としてのRAMで構成される。
【0034】
無線タグ処理部15は、外部に存在する無線タグ30(RFID)を認識し、無線タグ30内に格納されている各ユーザに固有の識別情報(以下「個人情報」という)その他の情報を読み取り、その情報をメモリ部13に記憶する。
【0035】
無線タグ30は、ユーザの保有する免許証、保険証、クレジットカードなどの携帯型のカードや、ユーザの保有するアクセサリや携帯電話などに埋め込まれている。
【0036】
図2は画像記録装置1の実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0037】
S1では、電源スイッチの押下に応じて電源部14が各ブロックへの電源供給を開始する。
【0038】
S2では、制御部20は、大容量記録媒体19の全記憶容量および記憶可能残容量や、これまで無線タグ30から取得した個人情報の数などの各種情報を、メモリ部13から取得する。
【0039】
S3では、制御部20は、無線タグ処理部15が無線タグ30の存在を認識したか否かを判断する。無線タグ30の存在を認識した場合はS4、認識しない場合はS8に移行する。
【0040】
S4では、無線タグ処理部15は、無線タグ30と通信して個人情報(ここでは一例として「AAA」)を取得する。
【0041】
S5では、無線タグ30から取得された個人情報(以下「現在個人情報」とする)と、EEPROMの個人情報とをマッチングすることで、無線タグ30の所有者が画像記録装置1を過去に使用した実績を有しているか否かを判断する。無線タグ30の所有者に画像記録装置1を過去に使用した実績があると判断した場合はS6、実績がない場合はS7に移行する。
【0042】
S6では、現在個人情報に対応する固有の情報記録領域を大容量記録媒体19に確保する。この情報記録領域は、単一の大容量記録媒体19において、個人情報ごとに論理的あるいは物理的に区別されるものであり、一例を挙げると、フォルダ、ディレクトリ、ノード、パーティション、セクタ、ブロックなどで区別される。また、現在個人情報は、使用実績のあるユーザの個人情報として、EEPROMに記憶される。なお、確保すべき固有の情報記録領域の容量は、大容量記録媒体19の全容量の10%など、全容量に基づいて決めてもよい。あるいは大容量記録媒体19の残容量の10%など、残容量に基づいて決めてもよい。
【0043】
S7では、大容量記録媒体19にすでに確保されている記録領域のうち、現在個人情報に対応する固有の情報記録領域を特定し、その領域を使用可能にする。
【0044】
S8では、無線タグ30からの個人情報取得が不可能なユーザ(無名ユーザ)に対応したデフォルトの領域を使用可能にする。
【0045】
S9では、図示しないモード切替スイッチや操作メニューから、撮影モードまたは再生モードへの移行の指示を受け付ける。撮影モードが指示された場合はS10へ移行する。再生モードが指示された場合はS15へ移行する。
【0046】
S10では、スルー画像を表示部12に表示し、図示しないシャッターボタンの全押しを待機する。
【0047】
S11では、シャッターボタンの全押しに応じて記録用の静止画データの取得を行う。
【0048】
S12では、取得された記録用画像データを、所定の形式のファイルに変換した上、無線タグ30から取得された個人情報に対応する固有の情報記録領域に、この画像ファイルを記録する。
【0049】
図3は現在個人情報に対応して作成された情報記録領域に画像ファイルが記録されていく様子を概念的に示している。例えば、図3(a)に示すように、大容量記録媒体19には、使用実績のあるユーザ「父親」の個人情報「AAA」に対応する画像記録領域である「フォルダAAA」だけがすでに確保されているとする。ここで個人情報「BBB」のユーザ「子供」が自己の保有する免許証、保険証、クレジットカード、アクセサリ、携帯電話などの物品に埋め込まれた無線タグ30を画像記録装置1に近づけて自己の個人情報を読み取らせると、個人情報「BBB」に対応した画像記録領域である「フォルダBBB」が「フォルダAAA」と区別されて大容量記録媒体19に確保される。シャッターボタンの押下に応じて画像が取得されると、その画像は「子供」の画像記録領域に記録される。「子供」の撮影した画像の「フォルダBBB」への記録は、「子供」が電源をオフにするまで続行される。
【0050】
このように、各ユーザは無線タグ30によって個人情報を画像記録装置1に読み取らせることで、自己に固有の領域に画像を区分けして記録することができる。また、単一の記録媒体19の内部にユーザごとの領域が確保されるため、ユーザごとに個別に記録媒体19を保持する必要がないし、単一の記録媒体19を複数のユーザで共有でき、無駄な残容量が発生しにくい。
【0051】
なお、個人情報が取得できなかった場合(S8)は、デフォルトの記録領域に画像が記録される。
【0052】
S13では、電源スイッチが押下されたか否かを判断し、電源スイッチが押下された場合はS14、押下されない場合はS10に移行する。
【0053】
S14では、電源部14が各ブロックへの電源供給を停止する。
【0054】
S15では、現在個人情報に対応する情報記録領域に記録された画像の一つ(例えば撮影日時の一番古いものあるいは一番新しいものや、ファイル名の連番の一番小さいものあるいは一番大きいもの)をメモリ部13に展開し、展開した画像を表示部12に表示する。
【0055】
S16では、図示しない十字キーなどが操作されて画像のコマ送りが指示されたことに応じ、現在表示されている画像の次の順番の画像を現在個人情報に対応する記録領域から読み出して表示部12に表示する。
【0056】
S17では、電源スイッチが押下されたか否かを判断し、電源スイッチが押下された場合はS18、押下されない場合はS16に移行する。
【0057】
S18では、電源部14が各ブロックへの電源供給を停止する。
【0058】
図4は個人情報ごとのフォルダに記録された画像のうち、現在個人情報に対応するフォルダのみから再生すべき画像が選択されていく様子を示す。例えば図4(a)に示すように、現在個人情報が「AAA」であれば、「AAA」に対応する領域に格納された画像だけをコマ送り表示する画像として選択できる。あるいは図4(b)に示すように、現在個人情報が「BBB」であれば、「BBB」に対応する領域に格納された画像だけをコマ送り表示する画像として選択できる。このように、現在個人情報に応じて再生画像の選択に制限をかけることで、自分に固有の領域に格納された画像が他のユーザによって閲覧されてしまうことを防げ、プライバシーの保護ができる。
【0059】
<第2実施形態>
第1実施形態では、現在個人情報に対応する画像を別々の記録領域に格納することで分類していたが、画像ファイルの名称の一部に現在個人情報を付与することで各ユーザの撮影した画像を分類してもよい。
【0060】
図5は画像記録装置1の実行する処理の流れの他の一例を示すフローチャートである。
【0061】
S21では、電源スイッチの押下に応じて電源部14が各ブロックへの電源供給を開始する。
【0062】
S22では、制御部20は、大容量記録媒体19の全記憶容量および記憶可能残容量や、無線タグ30からのユーザ情報取得数数などの各種情報を、メモリ部13から取得する。
【0063】
S23では、制御部20は、無線タグ処理部15が無線タグ30の存在を認識したか否かを判断する。無線タグ30の存在を認識した場合はS24、認識しない場合はS26に移行する。
【0064】
S24では、無線タグ処理部15は、無線タグ30と通信して個人情報(ここでは一例として「AAA」とする)を取得する。以下この個人情報を現在個人情報とする。
【0065】
S25では、新たに記録する画像ファイル名の一部に共通して付与する文字列を現在個人情報である「AAA」に設定する。
【0066】
S26では、無線タグ30からの個人情報取得が不可能な無名ユーザに対応したデフォルトの文字列(例えば「XXX」)を画像ファイル名の一部に共通して付与する文字列に設定する。
【0067】
S27では、図示しないモード切替スイッチや操作メニューから、撮影モードまたは再生モードへの移行の指示を受け付ける。撮影モードが指示された場合はS28へ移行する。再生モードが指示された場合はS32へ移行する。
【0068】
S28では、スルー画像を表示部12に表示し、図示しないシャッターボタンの全押しを待機する。
【0069】
S29では、シャッターボタンの全押しに応じて記録用の静止画データの取得を行う。
【0070】
S30では、取得された記録用画像データを、所定の形式のファイルに変換した上、この画像ファイルの識別情報(ファイル名)のいずれにも、現在個人情報の文字列を含んだ名称を付与する。
【0071】
図6は現在個人情報が画像ファイル名に付与された様子を概念的に示している。例えば、図6(a)に示すように、大容量記録媒体19には、個人情報「AAA」のユーザが撮影した画像である「AAA00001.JPG」だけがすでに記録されているとする。ここで個人情報「BBB」のユーザが自己の保有する免許証、保険証、クレジットカード、アクセサリなどの物品に埋め込まれた無線タグ30を画像記録装置1に近づけて自己の個人情報を読み取らせると、現在個人情報「BBB」がファイル名に付与される文字列として設定される。シャッターボタンの押下に応じて画像が取得されると、その画像のファイル名の一部には「BBB」が付与される。「BBB」の文字列が付与された画像ファイルの記録は、「BBB」のユーザが電源をオフにするまで続行される。
【0072】
このように、各ユーザは無線タグ30によって個人情報を画像記録装置1に読み取らせることで、自己に固有の情報を画像ファイル名に付与して記録することができ、他人の撮った画像ファイルと区別できる。
【0073】
S31では、電源スイッチが押下されたか否かを判断し、電源スイッチが押下された場合はS40、押下されない場合はS28に移行する。
【0074】
S40では、電源部14が各ブロックへの電源供給を停止する。
【0075】
S32では、制御部20は、無線タグ処理部15がS23と同一の無線タグ30の存在を認識したか否かを判断する。無線タグ30の存在を再び認識した場合はS33、認識しない場合はS36に移行する。
【0076】
S33では、現在個人情報の文字列がファイル名に付与された画像ファイルを大容量記録媒体19から検索する。
【0077】
S34では、現在個人情報の文字列がファイル名に付与された画像のうちユーザの指定した所望の画像をRAMに展開して表示部に表示する。
【0078】
S36では、大容量記録媒体19の全ファイルの閲覧を禁止(ロック)する。あるいは、無名ユーザ用のデフォルトのファイル名が付与された画像ファイルのみを閲覧できるようにしてもよい。
【0079】
S37では、図示しない十字キーなどによって、現在個人情報の文字列が付与された画像の中から所望の再生すべき画像の指示を待つ。
【0080】
S38では、指示された画像を大容量記録媒体19から読み出して表示部12に表示する。
【0081】
S39では、電源スイッチが押下されたか否かを判断し、電源スイッチが押下された場合はS41、押下されない場合はS37に移行する。
【0082】
S41では、電源部14が各ブロックへの電源供給を停止する。
【0083】
図7は現在個人情報の付与された画像から所望の画像が選択される様子を示す。図7(a)に示すように、現在個人情報が「AAA」であれば共通の文字列「AAA」がファイル名の一部に付与された画像だけを再生すべき画像として選択できる。あるいは図7(b)に示すように、現在個人情報が「BBB」であれば共通の文字列「BBB」がファイル名の一部に付与された画像だけを再生すべき画像として選択できる。こうすることで、自分の画像が他のユーザによって選択されて閲覧されてしまうことを防げ、プライバシーの保護ができる。また、他人の撮った無関係な画像は表示されないので、自分の撮った画像から目的の画像を素早く探し出すことができる。
【0084】
<第3実施形態>
無線タグ処理部15は、指紋認証装置、静脈認証装置、音声認証装置その他のユーザ個人に固有の生体情報に基づく情報を取得する装置であってもよい。つまり、生体情報取得装置が、ユーザの指紋画像、静脈画像、あるいは音声を個人情報として取得できれば、無線タグ30からユーザ情報を取得することは必須でなくなる。
【0085】
例えば、電源ボタンや十字ボタンなどの必然的に指が触れる部分に指紋画像取得装置を搭載し、ユーザがそれらの操作部を触れたときに指紋画像を個人情報として取得するとよい。
【0086】
あるいは、画像記録装置1を遠隔操作する信号を送信するリモコンに静脈画像取得装置を搭載する。質のよい手の静脈の画像が取得できるよう、リモコンを把持したときに掌の中にリモコンが自然に収まるような形状とすることが好ましい。そして、ユーザがリモコンを把持したときに静脈画像すなわち個人情報を取得するとよい。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】画像記録装置のブロック構成図
【図2】第1実施形態に係る処理の流れを示すフローチャート
【図3】個人情報ごとのフォルダに撮影された画像が記録されていく様子を概念的に示した図
【図4】個人情報ごとのフォルダに記録された画像から再生すべき画像が選択されていく様子を概念的に示した図
【図5】第2実施形態に係る処理の流れを示すフローチャート
【図6】個人情報ごとのファイル名が付与された画像が記録されていく様子を概念的に示した図
【図7】個人情報ごとのファイル名が付与された画像から再生すべき画像が選択されていく様子を概念的に示した図
【図8】従来のデジタルカメラにおける画像の記録方式を概念的に示す図
【符号の説明】
【0088】
11:撮像部、12:表示部、13:メモリ部、14:電源部、15:無線タグ処理部、16:外部I/F部、19:大容量記録媒体、20:制御部、30:無線タグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データおよび音声データのうち少なくとも1つを含む記録用データの取得を指示する取得指示部と、
前記指示部の指示に応じ、前記記録用データを取得するデータ取得部と、
ユーザに固有のユーザ情報を取得するユーザ情報取得部と、
前記ユーザ情報取得部の取得したユーザ情報に対応する記録区分を所定の記録媒体内に確保する記録区分確保部と、
前記データ取得部の取得した記録用データを前記ユーザ情報取得部の取得したユーザ情報に対応する記録区分に記録する記録部と、
を備える情報記録装置。
【請求項2】
前記記録媒体中の記録用データの内所望の記録用データの再生を指示する再生指示部と、
前記再生指示部の指示に応じ、所望の記録用データを再生する再生部と、
を備え、
前記再生指示部は、前記ユーザ情報取得部の取得したユーザ情報に対応する記録区分の記録用データのみの再生を指示する請求項1に記載の情報記録装置。
【請求項3】
画像データおよび音声データのうち少なくとも1つを含む記録用データの取得を指示する取得指示部と、
前記指示部の指示に応じ、前記記録用データを取得するデータ取得部と、
ユーザに固有のユーザ情報を取得するユーザ情報取得部と、
前記データ取得部の取得した記録用データの識別情報の少なくとも一部として前記ユーザ情報取得部の取得したユーザ情報を付与した上で、前記識別情報の少なくとも一部として前記ユーザ情報の付与された記録用データを所定の記録媒体に記録する記録部と、
を備える情報記録装置。
【請求項4】
前記記録媒体中の記録用データの内所望の記録用データの再生を指示する再生指示部と、
前記再生指示部の指示に応じ、所望の記録用データを再生する再生部と、
を備え、
前記再生指示部は、前記ユーザ情報取得部の取得したユーザ情報が少なくとも識別情報の一部として付与された記録用データのみを再生する請求項3に記載の情報記録装置。
【請求項5】
前記ユーザ情報取得部は、非接触型ICタグに記録されたユーザの識別情報およびユーザの人体に固有の生体情報のうち少なくとも1つを前記ユーザ情報として取得する請求項1〜4のいずれかに記載の情報記録装置。
【請求項6】
画像データおよび音声データのうち少なくとも1つを含む記録用データの取得を指示するステップと、
前記指示に応じ、前記記録用データを取得するステップと、
ユーザに固有のユーザ情報を取得するステップと、
取得したユーザ情報に対応する記録区分を所定の記録媒体内に確保するステップと、
取得した記録用データを取得したユーザ情報に対応する記録区分に記録するステップと、
を含む情報記録方法。
【請求項7】
画像データおよび音声データのうち少なくとも1つを含む記録用データの取得を指示するステップと、
前記指示に応じ、前記記録用データを取得するステップと、
ユーザに固有のユーザ情報を取得するステップと、
取得した記録用データの識別情報の少なくとも一部として前記取得したユーザ情報を付与した上で、前記識別情報の少なくとも一部としてユーザ情報の付与された記録用データを所定の記録媒体に記録するステップと、
を含む情報記録方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−334938(P2007−334938A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−162481(P2006−162481)
【出願日】平成18年6月12日(2006.6.12)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】