情報設定システム
【課題】複数の装置が複数の装置群に分類されている環境で使用される装置に対し、装置群への分類及び設定情報の設定を行うユーザの作業負荷を低減する。
【解決手段】分類された同一のグループに属するプリンタ20から、プリンタ20の設定情報と識別情報とを取得する取得部185と、取得部185で取得した識別情報と設定情報とを記憶するグループ情報記憶部17とを有するスキャナ10と、スキャナ10のグループ情報記憶部17から識別情報および設定情報を取得する取得部265と、識別情報および設定情報に基づいて自己のグループを決定する決定部266と、決定部266で決定したグループに属するプリンタの設定情報に基づいて自己に設定情報を設定する設定部267とを有するプリンタ20と、を有する。
【解決手段】分類された同一のグループに属するプリンタ20から、プリンタ20の設定情報と識別情報とを取得する取得部185と、取得部185で取得した識別情報と設定情報とを記憶するグループ情報記憶部17とを有するスキャナ10と、スキャナ10のグループ情報記憶部17から識別情報および設定情報を取得する取得部265と、識別情報および設定情報に基づいて自己のグループを決定する決定部266と、決定部266で決定したグループに属するプリンタの設定情報に基づいて自己に設定情報を設定する設定部267とを有するプリンタ20と、を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報設定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタやスキャナ等の電子機器をオフィスに設置する際には、電子機器をオフィス内のLAN(Local Area Network)等に接続して使用するのが一般的である。オフィスでは複数の電子機器を用いることが多いので、LANには複数の電子機器が接続される。その際、同一のLANに接続された複数の電子機器をグループ化し、グループ管理する手法がある。
【0003】
特許文献1では、1つの装置が、情報ファイルを他の複数の装置に逐次自動的に送信伝達して、情報ファイル中に包含される登録情報の設定を自動で行う。
特許文献2では、ユーザ毎の使用環境情報を記憶し、ユーザを識別するための識別情報に基づいて、機器の使用環境を設定する。
特許文献3では、設定情報提供サーバ装置が、通信端末装置の使用環境を特定し、使用環境に対応する設定情報を通信端末装置に設定する。
特許文献4では、管理装置と接続された情報処理装置が、管理装置に記憶されたユーザ毎の設定情報を利用できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−119511号公報
【特許文献2】特開2004−38228号公報
【特許文献3】特開2007−219953号公報
【特許文献4】特開2007−228635号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、複数の装置が複数の装置群に分類されている環境で使用される装置に対し、装置群への分類及び設定情報の設定を行うユーザの作業負荷を低減する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の情報設定システムは、分類された同一の装置群に属する他の装置から、該他の装置の設定情報と識別情報とを取得する取得部と、前記取得部で取得した前記識別情報と前記設定情報とを記憶する記憶部と、を有する第1の装置と、前記第1の装置の記憶部から前記識別情報および前記設定情報を取得する取得部と、前記識別情報および前記設定情報に基づいて自己の装置群を決定する決定部と、前記決定部で決定した装置群に属する装置の前記設定情報に基づいて自己に設定情報を設定する設定部と、を有する第2の装置と、を有する。
【0007】
請求項2に記載の情報設定システムは、請求項1に記載の情報設定システムにおいて、前記識別情報は、前記他の装置の型式に関する情報を含み、前記決定部は、前記他の装置の型式及び前記第2の装置の型式に基づいて、自己の装置群を決定することを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の情報設定システムは、請求項1または2に記載の情報設定システムにおいて、前記識別情報は、前記他の装置が有する機能に関する情報を含み、前記決定部は、前記他の装置が有する機能及び前記第2の装置が有する機能に基づいて、自己が属する装置群を決定することを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の情報設定システムは、請求項1または2に記載の情報設定システムにおいて、前記識別情報は、前記他の装置が有する機能に関する情報を含み、前記決定部は、前記機能に設定された重み付けと前記第2の装置が前記機能を有するか否かとに基づいて、自己の装置群を決定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の発明は、装置が装置群に分類されている場合に、装置群の設定および設定情報の設定に伴うユーザの作業負荷を低減する。
【0011】
請求項2に記載の情報設定システムは、装置群に属する装置の型式を考慮して装置群の決定を行う。
【0012】
請求項3に記載の情報設定システムは、装置群に属する装置が有する機能を考慮した装置群の決定を行う。
【0013】
請求項4に記載の情報設定システムは、装置群を決定する際に重視する機能を考慮して装置群を決定する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明が適用されるスキャナ・プリンタ環境の構成の一例を示す図である。
【図2】プリンタの構成の一例を示す図である。
【図3】個別グループ情報記憶部が記憶するデータの一例を示す図である。
【図4】個別グループ情報記憶部が記憶するデータの一例を示す図である。
【図5】スキャナの構成の一例を示す図である。
【図6】グループ情報記憶部が記憶するデータの一例を示す図である。
【図7】スキャナおよびプリンタのハードウェア構成の一例を示す図である。
【図8】スキャナのグループ情報制御部が有する機能の一例を示す機能ブロック図である。
【図9】プリンタのグループ情報制御部が有する機能の一例を示す機能ブロック図である。
【図10】決定部がグループの決定に用いるデータの一例を示す図である。
【図11】プリンタのグループ情報制御部が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【図12】グループ決定前及びグループ決定後の個別グループ情報および統合グループ情報の一例を示す図である。
【図13】グループ決定前及びグループ決定後の個別グループ情報および統合グループ情報の一例を示す図である。
【図14】プリンタのグループ情報制御部が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【図15】グループ決定前及びグループ決定後の個別グループ情報および統合グループ情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
【実施例1】
【0016】
まず、図1を用いて本発明が適用されるスキャナ・プリンタ環境について説明する。
【0017】
本発明が適用されるスキャナ・プリンタ環境は、Ethernet(登録商標)等で構成されたネットワーク30と、ネットワーク30に接続されたスキャナ10−1、スキャナ10−2およびプリンタ20−1〜20−6を備える。また、図1中のプリンタ20−7、20−8、20−9は、ネットワーク30に新たに接続されるプリンタ、または、プリンタの識別情報および設定情報の更新を実行するプリンタである。
以後、特に区別する必要のない限り、スキャナ10−1およびスキャナ10−2をスキャナ10と記載し、プリンタ20−1〜プリンタ20−9をプリンタ20と記載する。
【0018】
スキャナ10−1(第1の装置)およびスキャナ10−2(第1の装置)は、不図示の端末装置等からの依頼や、操作部がユーザから受付けた操作に基づいて、原稿台に置かれた原稿を読取り、画像データに変換する画像読取装置である。
【0019】
プリンタ20−1〜プリンタ20−9(第2の装置)は、端末装置から受付けた画像データに基づいて、記録用紙に画像を形成する画像形成装置である。また、プリンタ20−1〜プリンタ20−6は、スキャナ10−1またはスキャナ10−2から画像データを受付け、記録用紙に画像を形成し出力することで、コピー機能を実現する。
プリンタ20−1〜プリンタ20−9は、識別情報および設定情報で構成される個別グループ情報を記憶している。識別情報は、自己が属しているグループや、機種・マシンファミリー・同一の機能を有するプリンタの分類等を表すモデル(型式)IDや、画像形成時に使用できる機能の有無を識別する情報である。設定情報は、前述した機能毎に設定される設定値の情報であり、この設定値に基づいて画像形成動作が制御される。
個別グループ情報の具体例については、後述する。
【0020】
本実施例のスキャナ・プリンタ環境では、スキャナ10−1およびプリンタ20−1〜20−3は、グループ(装置群)G1に分類され、スキャナ10−1およびプリンタ20−4〜20−6はグループG2に分類されている。
ここで、グループG1およびグループG2は、ネットワーク30に接続されたスキャナおよびプリンタをグループ化し、グループ管理するためのものである。ユーザは、営業部、販売部等の組織毎にグループを設定したり、あるいは、同じ組織内でも、モノクロ印刷のみ行う、あるいは、カラー印刷のみ行うといったプリンタやスキャナの用途等に応じてグループを設定しても良い。また、ユーザは、電力消費や印刷コストといった観点からグループを設定しても良い。
なお、本実施例では、ネットワーク30に接続されているスキャナ10およびプリンタ20が形成するグループは2つであるが、設定できるグループの数は2つに限定されるものではない。また、各グループはスキャナ及びプリンタをそれぞれ有しているが、各グループがプリンタのみ、あるいは、スキャナのみで構成されていても良い。
【0021】
プリンタ20−7、20−8、20−9(第2の装置)は、ネットワーク30に新たに接続される、または、個別グループ情報を更新するプリンタである。プリンタ20−7〜20−9は、ネットワーク30に接続されると、あるいは、ユーザから個別グループ情報の更新指示を受付けると、自己が分類されるグループをグループG1及びグループG2のいずれかに決定する。そして、プリンタ20−7〜20−9は、分類されたグループに属するプリンタの設定情報に基づいて、自己の設定情報を更新する。
【0022】
次に、図2を参照しながら、プリンタ20の構成について説明する。
プリンタ20は、通信部21と、制御部22と、画像処理部23と、画像形成部24と、操作・表示部25と、グループ情報制御部26と、個別グループ情報記憶部27とを備える。
【0023】
通信部21は、制御部22と接続する。通信部21は、ネットワークとのインターフェースとして動作するもので、印刷データをネットワークから受信し、制御部22へ出力する。また、個別グループ情報の取得要求を、制御部22の指示に基づいてネットワーク上の宛先に送信する。
【0024】
制御部22は、通信部21と、画像処理部23と、画像形成部24と、操作・表示部25と、グループ情報制御部26と接続する。
制御部22は、通信部21から印刷データを受付けると、印刷データを画像処理部23に出力する。制御部22は、画像処理部23が印刷データを画像データに変換する処理を終了すると、画像形成部24に画像形成を指示する。また、制御部22は、グループ情報制御部26からグループ情報の取得要求を受付けると、通信部21にグループ情報取得要求を出力する。
【0025】
画像処理部23は、制御部22と、画像形成部24と接続する。画像処理部23は、制御部22から印刷データを受付ける。画像処理部23は、制御部22からの指示に基づいて、受付けた印刷データを画像データに変換し、画像データを画像形成部24へ出力する。
【0026】
画像形成部24は、制御部22と、画像処理部23と接続する。
画像形成部24は、画像処理部23から画像データを受付ける。画像形成部24は、制御部22からの指示に基づいて、記録用紙に画像データに基づく画像を形成し、出力する。
【0027】
操作・表示部25は、制御部22と接続する。操作・表示部25は、ユーザインタフェースとして動作するもので、制御部22から表示情報を受付け、ユーザに対してエラー情報等の各種情報を提供する。また、操作・表示部25は、ユーザからの操作入力を受付け、制御部22へ操作情報を出力する。また、操作・表示部25は、ユーザからプリンタ20の設定値を設定する操作や、個別グループ情報記憶部27が記憶するグループ情報を更新する操作を受付け、制御部22へ出力する。
【0028】
グループ情報制御部26は、制御部22と、個別グループ情報記憶部27と接続する。グループ情報制御部26は、個別グループ情報記憶部27に個別グループ情報が設定されていない場合、あるいは、操作・表示部25が個別グループ情報の更新操作を受付けた場合等に、制御部22へ統合グループ情報(詳細は後述する)の取得要求を出力する。
また、グループ情報制御部26は、統合グループ情報を取得すると、取得した統合グループ情報に基づいてプリンタ20が属するグループを決定する。そして、決定したグループに属するプリンタの設定情報に基づいて、自己の個別グループ情報を作成し、個別グループ情報記憶部27に記録させる。
【0029】
個別グループ情報記憶部27は、グループ情報制御部26と接続する。個別グループ情報記憶部27は、個別グループ情報を記憶する。また、グループ情報制御部26が決定したグループおよび個別グループ情報をグループ情報制御部26から受付けて記憶する。
【0030】
ここで、図3および図4を参照しつつ、個別グループ情報記憶部27が記憶する個別グループ情報の具体例について説明する。
図3及び図4は、グループG1およびグループG2に属するプリンタ20−1〜プリンタ20−6の個別グループ情報記憶部27が記憶している個別グループ情報の一例を示している。
【0031】
ここでは、プリンタ20−1の個別グループ情報記憶部27が記憶している個別グループ情報を例にとり、各項目について説明する。
個別グループ情報は、グループID、スキャナID、プリンタID、モデルID、節電モード、カラーコピー、カラープリント、印刷上限枚数および管理者パスワード等から構成される。
【0032】
グループIDは、プリンタ20−1が属しているグループを識別する項目である。図1においてプリンタ20−1はグループG1に属しているため、個別グループ情報記憶部27には「グループG1」が記憶されている。
【0033】
スキャナIDは、プリンタ20−1と同一のグループに属するスキャナのIDを識別する項目である。図1においてプリンタ20−1が属するグループG1には、スキャナ10−1が属している。従って、個別グループ情報記憶部27には「スキャナ10−1」が記憶されている。
【0034】
プリンタIDは、自己のIDを示す項目である。プリンタIDには、たとえばMAC(Media Access Control)アドレスや、製造番号等を使用することができる。本実施例では、プリンタ20−1のプリンタIDがプリンタ20−1であるとし、個別グループ情報記憶部27には「プリンタ20−2」が記憶されている。
【0035】
モデルIDは、プリンタ20−1のモデル(型式)を識別する項目である。本実施例では、プリンタ20−1のモデルIDが「Model1」であるとし、個別グループ情報記憶部27には「Model1」が記憶されている。
【0036】
節電モード〜印刷上限枚数は、プリンタが有する機能に関する項目である。節電モード〜印刷上限枚数は、それぞれ、プリンタがその機能を有するか否かの「有無」の項目と、その機能に対する設定値を示す「設定値」の項目を有する。
また、「有無」の項目には、プリンタがその機能を有していれば「OK」、プリンタがその機能を有していなければ「NA」が記憶される。
【0037】
節電モードとは、プリンタ20−1が予め定められた時間が経過しても印刷依頼や操作を受付けない場合に、いわゆるスリープ状態となって電力消費を抑える状態を示す。
プリンタ20−1は節電モードを有しているため、個別グループ情報記憶部27には「有無」の項目に「OK」が記憶されている。また、個別グループ情報記憶部27には「設定値」の項目に節電モードが有効であることを示す「ON」が記憶されている。
【0038】
カラーコピーとは、プリンタ20−1がスキャナ10と連携してコピー機能を実現する場合に、カラーでコピーを行う機能(以後、カラーコピー機能という)である。
プリンタ20−1は、カラーコピー機能を有するため、個別グループ情報記憶部27には「有無」の項目に「OK」が記憶されている。また、プリンタ20−1は、コピー機能を実現する際にカラーコピーを行うため、個別グループ情報記憶部27には、「設定値」の項目に「Color」が記憶されている。
【0039】
カラープリントとは、プリンタ20−1が画像形成動作を行う際に、カラーで画像形成(印刷)を行う機能(以後、カラープリント機能という)である。
プリンタ20−1は、カラープリント機能を有するため、個別グループ情報記憶部27には「有無」の項目に「OK」が記憶される。また、プリンタ20−1は、画像形成動作を行う際にカラープリントを行うため、個別グループ情報記憶部27には、「設定値」の項目に「Color」が記憶されている。
【0040】
印刷上限枚数とは、プリンタ20−1が画像を形成できる記録用紙の枚数の上限を設定する機能(以後、印刷上限枚数設定機能という)である。
プリンタ20−1は、印刷上限枚数を設定できる機能を有するため、個別グループ情報記憶部27には「有無」の項目に「OK」が記憶される。また、プリンタ20−1は印刷上限枚数を1000枚に設定されているため、個別グループ情報記憶部27には、「設定値」の項目に「1000」が記憶される。
【0041】
管理者パスワードは、ユーザがグループ管理を行う際に必要なパスワードであり、グループ毎に決定される。本実施例では、グループG1のグループ管理を行う際に必要なパスワードは「1111」であるため、個別グループ情報記憶部27には、「1111」が記憶される。
【0042】
上述のようにして、プリンタ20−1〜プリンタ20−6の個別グループ情報記憶部27はそれぞれ、個別グループ情報を記憶している。
次に、図3(2)プリンタ20−2および図4(5)プリンタ20−5を用いて、他の具体例について説明する。
【0043】
図3(2)においてプリンタ20−2は、節電モードを有しているが、節電モードを使用しないため、個別グループ情報記憶部27には、設定値「OFF」が記憶される。
また、プリンタ20−2は、カラーコピー機能を有しているが、コピー機能を実現する際に、カラーコピーを行わずモノクロコピーを行うため、個別グループ情報記憶部27には、設定値「Mono」が記憶される。
また、プリンタ20−2は印刷上限枚数設定機能を有するが、印刷上限枚数を設けないため、個別グループ情報記憶部27には、設定値「−」が記憶される。
【0044】
図4(5)においてプリンタ20−5は、節電モードを有さないため、個別グループ情報記憶部27には「有無」の項目に「NA」が記憶される。そして、プリンタ20−5には節電モードがなく、節電モードを有効にすることはできないため、個別グループ情報記憶部27には節電モードを使用しないことを示す設定値「OFF」が記憶される。
また、プリンタ20−5にはカラーコピー機能およびカラープリント機能が無いため、個別グループ情報記憶部27には、それぞれの機能においてモノクロ印刷を示す設定値「Mono」が記憶される。
また、プリンタ20−5には印刷上限枚数設定機能が無いため、個別グループ情報記憶部27には「有無」の項目に「NA」が記憶される。そして、個別グループ情報記憶部27に記憶される設定値は「−」となる。
【0045】
次に、図5を用いて、スキャナ10の構成の一例について説明する。
スキャナ10は、操作・表示部11、制御部12、原稿読取部13、画像記憶部14、印刷要求生成部15、印刷要求送信制御部16、グループ情報記憶部17、グループ情報制御部18及び通信部19を備える。
操作・表示部11は、制御部12と接続する。操作・表示部11は、ユーザインタフェースとして動作するもので、制御部12から表示情報を受付け、ユーザに対してエラー情報等の各種情報を提供する。また、操作・表示部11は、ユーザからの操作を受付け、制御部12へ操作情報を出力する。
【0046】
制御部12は、操作・表示部11、原稿読取部13、印刷要求生成部15、印刷要求送信制御部16、通信部19及びグループ情報制御部18と接続する。
制御部12は、操作・表示部11から操作情報を受付ける。制御部12は、操作情報が原稿の読取りを指示するものであった場合、原稿読取部13に対し原稿の読取りを指示する。または、制御部12は、通信部19がネットワークを介して端末装置等から受信した原稿の読取り依頼を受付けると、原稿読取部13に対し原稿の読取りを指示する。
【0047】
制御部12は、原稿読取部13が原稿の読取りを終了した後、印刷要求生成部15に印刷要求を生成するように指示する。制御部12は、印刷要求の生成が終了した後、印刷要求送信制御部16に生成した印刷要求を送信するように指示する。または、制御部12は、原稿読取部13が原稿の読取りを終了した後、画像データを通信部19へ出力し、端末装置等へ送信する。
また、制御部12は、通信部19から統合グループ情報(詳細は後述する)の取得要求を受付けると、グループ情報制御部18に対して、グループ情報記憶部17に記憶されている統合グループ情報を出力するように指示する。
【0048】
原稿読取部13は、制御部12と画像記憶部14と接続する。原稿読取部13は、制御部12からの指示に基づき、原稿を光学的に読み取って得た光学信号を電気信号に変換し、画像データを生成する。原稿読取部13は、生成した画像データを画像記憶部14に記憶させる。
または、原稿読取部13は、端末装置からの原稿読取り依頼によって原稿を読取った場合、生成した画像データを制御部12へ出力する。
【0049】
画像記憶部14は、原稿読取部13と印刷要求生成部15と接続する。画像記憶部14は、原稿読取部13が原稿を読み取って生成した画像データを記憶する。また、画像記憶部14は、印刷要求生成部15からの要求に応じて、記憶した画像データを印刷要求生成部15へ出力する。
【0050】
印刷要求生成部15は、制御部12と、画像記憶部14と、印刷要求送信制御部16と接続する。
印刷要求生成部15は、制御部12からの指示に基づいて、画像記憶部14から画像データを取得する。そして、印刷要求生成部15は、取得した画像データを印刷データに変換し、印刷要求送信制御部16へ出力する。
【0051】
印刷要求送信制御部16は、制御部12と、印刷要求生成部15と、通信部19と接続する。印刷要求送信制御部16は、印刷要求生成部15から印刷データを受付ける。そして、印刷要求送信制御部16は制御部12からの指示に基づいて、印刷データを通信部19へ出力する。
【0052】
グループ情報記憶部17は、グループ情報制御部18と接続する。 グループ情報記憶部17は、スキャナ10と同一のグループに属するプリンタ20から個別グループ情報を取得し、各プリンタの個別グループ情報を統合して、統合グループ情報として記憶する。
【0053】
ここで、図6を用いて、スキャナ10のグループ情報記憶部17が記憶する統合グループ情報の一例について説明する。
図6(1)はスキャナ10−1のグループ情報記憶部17に記憶されている統合グループ情報の一例を示した図である。
スキャナ10−1は、グループG1に属するプリンタ20−1〜プリンタ20−3のそれぞれから個別グループ情報を取得すると、図6(1)に示すように個別グループ情報を統合して統合グループ情報として記憶する。
各項目の詳細については、図3において説明したので、説明を省略する。
【0054】
図1で説明したように、スキャナ10−1はグループG1に属しているため、図6(1)において、グループIDの項目には「グループG1」が記憶される。
また、スキャナ10−1のスキャナIDは「スキャナ10−1」であるため、スキャナIDの項目には「スキャナ10−1」が記憶される。
そして、グループ情報記憶部17は、グループG1に属するプリンタ20−1〜20−2の個別グループ情報を統合した統合グループ情報を記憶する。
【0055】
図6(2)はスキャナ10−2のグループ情報記憶部17に記憶されている統合グループ情報の一例を示した図である。
図1で説明したように、スキャナ10−2はグループG2に属しているため、図6(2)においてグループIDの項目には「グループG1」が記憶される。
また、スキャナ10−2が属するグループG2には、プリンタ20−4〜プリンタ20−6が属しているため、グループ情報記憶部17は、プリンタ20−4〜プリンタ20−6の個別グループ情報を統合した統合グループ情報を記憶する。
つまり、本実施例では、スキャナ10−1およびスキャナ10−2がそれぞれ統合グループ情報を記憶し、管理している。なお、本実施例ではスキャナが統合グループ情報を記憶及び管理しているが、統合グループ情報の記憶及び管理は、スキャナではなく、例えば、グループに属するプリンタが行っても良い。
【0056】
再度、図5を参照して、スキャナ10を構成するグループ情報制御部18について説明する。
グループ情報制御部18は、制御部12と、グループ情報記憶部17と、通信部19と接続する。グループ情報制御部18は、制御部12から統合グループ情報の出力指示を受付けると、グループ情報記憶部17から統合グループ情報を取得する。そして、グループ情報制御部18は、制御部12が指定したネットワーク上の宛先へ統合グループ情報を出力するように、通信部19に宛先と統合グループ情報とを出力する。
また、グループ情報制御部18は、通信部19からスキャナ10と同一のグループに属するプリンタ20の個別グループ情報を受付け、グループ情報記憶部17へ記憶させる。
【0057】
通信部19は、制御部12と、印刷要求送信制御部16と、グループ情報制御部18と接続する。通信部19は、ネットワークとのインターフェースとして動作するものである。通信部19は、印刷要求送信制御部16から印刷データを受付けると、印刷データをネットワーク上の宛先に送信する。また、ネットワークに接続されたプリンタ等からグループ情報の取得要求を受信すると、取得要求を送信したプリンタ等の宛先を制御部12へ通知する。
また、通信部19は、グループ情報制御部18から統合グループ情報を送信する宛先及び統合グループ情報を受付け、統合グループ情報をネットワーク上の宛先に送信する。
【0058】
次に、図7を用いて、スキャナ10及びプリンタ20のグループ情報制御部のハードウェア構成の一例について説明する。
図7(A)は、スキャナ10を構成するグループ情報制御部18のハードウェア構成の一例を示す図である。
グループ情報制御部18は、信号の入出力を行う入出力部184と、同じグループに属するプリンタから個別グループ情報を取得するプログラム(詳細は後述)等が格納されたROM(Read Only Memory)183と、ROM183に格納されたプログラムを読み込んで実行する中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)181と、プログラムを実行する際に使用される一時的なデータを保存するRAM(Random Access Memory)182とから構成される。
また、ROM183に格納されたプログラムのCPU181による演算によって、図8に示す取得部185、出力部186が有する機能が実行される。
【0059】
図7(B)は、プリンタ20を構成するグループ情報制御部26のハードウェア構成の一例を示す図である。
グループ情報制御部26は、信号の入出力を行う入出力部264と、ネットワークに接続されているスキャナから統合グループ情報を取得するプログラム(詳細は後述)等が格納されたROM263と、ROM263に格納されたプログラムを読み込んで実行する中央処理装置(CPU)261と、プログラムを実行する際に使用される一時的なデータを保存するRAM262とから構成される。
また、ROM263に格納されたプログラムのCPU261による演算によって、図9に示す取得部265、決定部266及び設定部267が有する機能が実行される。
【0060】
次に、図8を参照しつつ、スキャナ10を構成するグループ情報制御部18において、上述したCPU181などのハードウェアとROM183に格納されたソフトウェアとの協働によって実現される機能の一例について説明する。
【0061】
グループ情報制御部18は、取得部185と出力部186とを備える。
取得部185は、制御部12と、グループ情報記憶部17と、通信部19と接続する。取得部185は、同じグループに属するプリンタ20から個別グループ情報を取得するために、制御部12へ個別グループ情報の取得要求を出力する。制御部12は個別グループ情報の取得要求を通信部19を介して同じグループに属するプリンタ20へ送信する。個別グループ情報の取得要求を受信したプリンタ20から送信された個別グループ情報は、通信部19が受信する。
【0062】
取得部185は、通信部19から個別グループ情報を取得する。そして、取得した個別グループ情報から統合グループ情報を作成し、グループ情報記憶部17に記憶させる。この結果、図6において説明した統合グループ情報がグループ情報記憶部17に記憶される。
【0063】
出力部186は、制御部12と、グループ情報記憶部17と、通信部19と接続する。
出力部186は、制御部12から統合グループ情報の出力指示を受付けると、グループ情報記憶部17から統合グループ情報を取得する。そして、出力部186は、統合グループ情報取得要求を送信したプリンタ20を宛先として、統合グループ情報を通信部19へ出力する。
【0064】
次に、図9を参照して、プリンタ20のグループ情報制御部26において、上述したCPU261などのハードウェアとROM263に格納されたソフトウェアとの協働によって実現される機能の一例について説明する。
グループ情報制御部26は、取得部265と、決定部266と、設定部267とを備える。
【0065】
取得部265は、通信部21と、制御部22と、個別グループ情報記憶部27と、決定部266と接続する。
取得部265は、制御部22から個別グループ情報の更新操作を受付けると、制御部22に統合グループ情報取得要求を出力する。あるいは、取得部265は、個別グループ情報記憶部27に個別グループ情報が記憶されているか否かを判定し、個別グループ情報が記憶されていない場合、制御部22に統合グループ情報取得要求を出力する。ここで、個別グループ情報が記憶されていない場合とは、個別グループ情報の「グループID」の項目に、グループIDが記憶されていない場合をいう。あるいは、各機能の設定値の項目に設定値が記憶されていない場合に、個別グループ情報が記憶されていないとしても良い。
取得部265は、通信部21を介して、統合グループ情報取得要求に応じたスキャナ10−1およびスキャナ10−2が送信した統合グループ情報を取得する。そして、取得部265は取得した統合グループ情報を決定部266へ出力する。
【0066】
決定部266は、取得部265と設定部267と接続する。決定部266は、取得部265から統合グループ情報を取得すると、図10に示すように各グループの統合グループ情報をまとめたテーブルを作成する。
そして、決定部266は、図10に示すテーブルを利用して、プリンタ20を分類するグループを決定する。(決定部266が、プリンタ20を分類するグループを決定する詳細については、後述する。)
そして、決定部266は、決定したグループを設定部267へ出力する。
【0067】
設定部267は、決定部266と個別グループ情報記憶部27と接続する。設定部267は、決定部266から、決定部266が決定したプリンタ20が分類されるグループを受付ける。
設定部267は、図10に示されるテーブルを用い、プリンタ20が分類されたグループに属しているプリンタの個別グループ情報に基づいて、自己の設定情報を決定する。そして、決定部266で決定したグループの情報および設定情報を個別グループ情報として、個別グループ情報記憶部27に記憶させる。
【0068】
次に、図11を参照しつつ、グループ情報制御部26が実行する処理の一例について説明する。図11は、グループ情報制御部26が実行する処理の一例を示したフローチャートである。
グループ情報制御部26は、操作・表示部25が個別グループ情報の更新操作を受付けたか否かを判定する(ステップS10)。グループ情報制御部26は、操作・表示部25が個別グループ情報の更新操作を受付けていない場合(ステップS10/NO)、個別グループ情報記憶部27に個別グループ情報が記憶されているか否かを判定する(ステップS11)。グループ情報制御部26は、個別グループ情報記憶部27に個別グループ情報が記憶されている場合(ステップS11/YES)、処理を終了する。
【0069】
グループ情報制御部26は、操作・表示部25が個別グループ情報の更新操作を受付けた場合(ステップS10/YES)、または、個別グループ情報記憶部27に個別グループ情報が記憶されていない場合(ステップS11/NO)、統合グループ情報取得要求を制御部22に出力する(ステップS12)。
【0070】
グループ情報制御部26は、統合グループ情報取得要求に対して送信される統合グループ情報を、ネットワークに接続されている全スキャナから取得したか否かを判定する(ステップS13)。グループ情報制御部26は、全スキャナから統合グループ情報を取得していない場合(ステップS13/NO)、統合グループ情報を全スキャナから取得するまでステップS13の処理を繰り返す。本ステップによって、図10に示すテーブルが作成される。
【0071】
グループ情報制御部26は、全スキャナから統合グループ情報を取得した場合(ステップS13/YES)、自己のモデルIDと同一のモデルIDを持つプリンタが存在するか否か判定する(ステップS14)。本判定には、図10に示すテーブルを用いる。グループ情報制御部26は、同一のモデルIDを持つプリンタが存在する場合(ステップS14/YES)、同一のモデルIDを持つプリンタが最も多く存在するグループを、自己を分類するグループとして選択する(ステップS15)。ここで、グループ情報制御部26は、同一のモデルIDを持つプリンタの数が等しいグループが複数存在する場合には、自己を分類するグループとしてグループ番号が小さいグループを選択しても良い。あるいは、グループ情報制御部26は、グループに接続されているプリンタの総数が少ないグループを、自己を分類するグループとしても良い。このような制御の結果、自己を分類するグループが一意に決定される。
【0072】
グループ情報制御部26は、同一のモデルIDを持つプリンタが存在しない場合(ステップS14/NO)、各グループに属するプリンタが有する機能と自己が有する機能とを比較する(ステップS16)。
そして、グループ情報制御部26は、自己が有する機能および自己に無い機能が共通するプリンタを機能の能力が最も近いプリンタであるとし、機能の能力が最も近いプリンタが属するグループを、自己を分類するグループとして選択する(ステップS17)。
【0073】
グループ情報制御部26は、ステップS15あるいはステップS17での処理により、自己を分類するグループを決定すると、グループに属するプリンタに最も多く設定されている設定値を自己の設定値として設定する(ステップS18)。
グループ情報制御部26は、各機能に設定値を設定すると、処理を終了する。
なお、設定値の決定方法は、上記のものに限られるわけではなく、例えば、各プリンタから設定値の変更情報を取得し、旧設定値から新設定値に変更されたプリンタの数に基づいて決定したり、あるいは、各プリンタの設定値の変更情報を統計処理し、設定値の変更を頻繁に行っているプリンタに設定されている設定値を自己の設定値として決定することもできる。あるいは、グループごとに設定値のデフォルト値を決定しておいて、その値を設定するようにしても良い。
【0074】
なお、ステップS10からステップS13の処理を実行するCPU261が、図9における取得部265に相当し、ステップS14からステップS17の処理を実行するCPU261が図9における決定部266に相当し、ステップS18の処理を実行するCPU261が図9における設定部267に相当する。
【0075】
次に、上述したグループ情報制御部26が実行する処理を具体的に説明するため、図12(A)に示すプリンタ20−7を、新規にネットワークに接続する場合について、図11で示したフローチャートの処理と対応させながら説明する。図12(A)はグループを決定する前のプリンタ20−7の個別グループ情報を示した図である。
プリンタ20−7は、モデルIDが「Model1」で、節電モード、カラーコピー機能、カラープリント機能、印刷上限枚数設定機能を有している。ただし、未だ、ネットワークに接続されていないので、グループID、スキャナIDおよび設定値は個別グループ情報記憶部27に記憶されていない。
【0076】
プリンタ20−7のグループ情報制御部26は、個別グループ情報記憶部27に、個別グループ情報が記憶されていないため(図11:ステップS11/YES)、統合グループ情報取得要求を制御部22へ出力する(図11:ステップS12)。
そして、グループ情報制御部26は、全スキャナから統合グループ情報を取得すると、図10に示したテーブルを用いて、モデルIDが「Model1」であるプリンタが存在するか否かを判定する(図11:ステップS14)。
【0077】
図10に示すテーブルには、モデルIDが「Model1」であるプリンタが存在するため、グループ情報制御部26は、モデルIDが「Model1」であるプリンタを最も多く含むグループを、自己を分類するグループとして選択する(図11:ステップS15)。
図10に示すテーブルでは、グループG1にモデルIDが「Model1」であるプリンタが2つ存在し、グループG2には存在しないため、グループ情報制御部26は、自己を分類するグループとしてグループG1を選択する。
【0078】
次に、グループ情報制御部26は、グループG1に属するプリンタに最も多く設定されている設定値を自己に設定する(図11:ステップS18)。
図10に示すテーブルの節電モードにおいて、グループG1に属するプリンタに最も多く設定されている設定値は「ON」である。従って、グループ情報制御部26は、節電モードの設定値に「ON」を設定する。
また、カラーコピー、カラープリントにおいて、最も多く設定されている設定値は「Color」であるため、グループ情報制御部26は、カラーコピーおよびカラープリントの設定値に「Color」を設定する。
【0079】
そして、印刷上限枚数において、最も多く設定されている設定値は「1000」であるため、グループ情報制御部26は、印刷上限枚数の設定値に「1000」設定する。本実施例では、設定値の設定がない場合、つまり、設定値が「−」である場合、「−」は設定値として考慮しないものとした。グループ情報制御部26は、設定値「−」についても設定値として考慮すれば、印刷上限枚数において最も多く設定されている設定値は「−」であるため、プリンタ20−7の印刷上限枚数の設定値に「−」を設定するようにしても良い。
【0080】
グループ情報制御部26は、上述の処理を行いグループおよび設定値を設定した個別グループ情報を、個別グループ情報記憶部27に記憶させる。
図12(B)(1)に、グループ決定後のプリンタ20−7の個別グループ情報記憶部27が記憶する個別グループ情報の一例を示す。また、図12(B)(2)に、グループ決定後のスキャナ10−1のグループ情報記憶部17が記憶する統合グループ情報の一例を示す。
【0081】
プリンタ20−7の個別グループ情報記憶部27は、グループ情報制御部26によって作成された個別グループ情報を記憶する。
また、スキャナ10−1のグループ情報記憶部17は、プリンタ20−7の個別グループ情報を追加した統合グループ情報を記憶する。
【0082】
次に、図13(A)に示すプリンタ20−8を、新規にネットワークに接続する場合について、図11で示したフローチャートの処理と対応させながら説明する。図13(A)はグループを決定する前のプリンタ20−8の個別グループ情報を示した図である。
プリンタ20−7は、モデルIDが「Model4」で、節電モードを有するが、カラーコピー機能、カラープリント機能、印刷上限枚数設定機能は無い。そして、未だ、ネットワークに接続されていないので、グループID、スキャナIDおよび設定値は個別グループ情報記憶部27に記憶されていない。
【0083】
プリンタ20−8のグループ情報制御部26は、個別グループ情報記憶部27に、個別グループ情報が記憶されていないため(図11:ステップS11/YES)、統合グループ情報取得要求を制御部22へ出力する(図11:ステップS12)。そして、グループ情報制御部26は、全スキャナから統合グループ情報を取得すると、図10に示したテーブルを用いて、モデルIDが「Model4」であるプリンタが存在するか否かを判定する(図11:ステップS14)。
【0084】
図10に示すテーブルには、モデルIDが「Model4」であるプリンタが存在しないため(図11:ステップS14/NO)、グループ情報制御部26は、プリンタ毎に機能の有無を比較する(図11:ステップS16)。
【0085】
まず、グループ情報制御部26は、図10に示すテーブルを用いて、プリンタ20−8が有する機能と、プリンタ20−1が有する機能とを比較する。プリンタ20−8もプリンタ20−1も、節電モードを有しているが、プリンタ20−8はカラーコピー機能、カラープリント機能、印刷上限枚数設定機能を有さない。一方、プリンタ20−1は、カラーコピー機能、カラープリント機能、印刷上限枚数機能を有している。従って、プリンタ20−8とプリンタ20−1に共通する機能は、節電モードの1つである。同様にして、プリンタ20−2〜プリンタ20−4においてプリンタ20−8と共通する機能は1つ、プリンタ20−5およびプリンタ20−6においてプリンタ20−8と共通する機能は3つである。
【0086】
よって、グループ情報制御部26は、共通する機能が最も多いプリンタ20−5およびプリンタ20−6を機能の能力が最も近いプリンタであると判定し、プリンタ20−5およびプリンタ20−6が属するグループG2を、自己を分類するグループに決定する(図11:ステップS17)。ここで、仮に、プリンタ20−5およびプリンタ20−6が属するグループがグループG1およびグループG2に分かれていた場合、グループ情報制御部26は、自己を分類するグループとしてグループ番号が小さいグループを選択するようにしても良い。あるいは、グループ情報制御部26は、グループに接続されているプリンタの総数が少ないグループを、自己を分類するグループを選択するようにしても良い。このような制御の結果、自己を分類するグループが一意に決定される。
【0087】
次に、グループ情報制御部26は、グループG2に属するプリンタに最も多く設定されている設定値を自己に設定する(図11:ステップS18)。図10に示すテーブルの節電モードにおいて、グループG2に属するプリンタに最も多く設定されている設定値は「OFF」である。従って、グループ情報制御部26は、節電モードの設定値に「OFF」を設定する。プリンタ20−8がカラーコピー機能、カラープリント機能を有さないため、グループ情報制御部26は、カラーコピーおよびカラープリントの設定値に「Mono」を設定する。また、プリンタ20−8が印刷上限枚数設定機能を有さないため、グループ情報制御部26は、印刷上限枚数の設定値に「−」を設定する。
【0088】
グループ情報制御部26は、上述の処理を行いグループおよび設定値を設定した個別グループ情報を、個別グループ情報記憶部27に記憶させる。
図13(B)(1)に、グループ決定後のプリンタ20−8の個別グループ情報記憶部27が記憶する個別グループ情報の一例を示す。また、図13(B)(2)に、グループ決定後のスキャナ10−2のグループ情報記憶部17が記憶する統合グループ情報の一例を示す。
【0089】
プリンタ20−8の個別グループ情報記憶部27は、グループ情報制御部26によって作成された個別グループ情報を記憶する。
また、スキャナ10−2のグループ情報記憶部17は、プリンタ20−8の個別グループ情報を追加した統合グループ情報を記憶する。
【0090】
以上の説明から明らかなように、実施例1によれば、スキャナ10は同一のグループに属するプリンタ20から、個別グループ情報を取得し、記憶する。そして、新規にネットワークに接続されるプリンタ20、または、個別グループ情報を更新するプリンタ20は、スキャナ10から統合グループ情報を取得し、統合グループ情報に基づいてグループを決定し、かつ、設定値を決定するため、グループ管理されたスキャナ・プリンタ環境において、プリンタ20に対してグループの設定および設定値の設定に伴うユーザの作業負荷が低減される。
【0091】
より詳しく説明すると、グループ管理されたスキャナ・プリンタ環境において、そのプリンタに最適なグループを選択し、かつ、選択したグループにおいて最適な設定を行うために、ユーザが1台ずつ個別にプリンタの設定を行う必要がない。
さらに、実施例1によれば、スキャナ・プリンタ環境に存在するスキャナおよびプリンタの協働により、プリンタが個別グループ情報を設定するため、スキャナ及びプリンタの設定を管理するためのサーバ等の設置が不要であり、コストが抑制される。また、サーバ等を設置してプリンタの設定を管理する場合、サーバ上にツールが必要となり、プリンタと所属グループの関連情報を記憶しておく必要がある。この場合、プリンタの入替などが発生するたびに関連情報の更新が必要となるため、ユーザの作業負荷が増大すると共に、設定ミスや設定漏れの可能性が高まるが、実施例1によれば、プリンタ20は個別グループ情報の更新が必要か否かを判定して、グループの決定及び設定値の設定を行うため、ユーザの作業負荷が低減され、かつ、設定ミスや設定漏れの可能性も低減される。
【実施例2】
【0092】
実施例1では、プリンタ20は、モデルIDまたは機能の有無に基づいてグループを決定したが、グループの用途・目的に合うプリンタをグループに分類できるように、重み付けを用いてグループを決定することもできる。
【0093】
実施例2において、スキャナ・プリンタ環境の構成、スキャナ10の構成、プリンタ20の構成、スキャナ10のグループ情報制御部17の構成及びプリンタ20−のグループ情報制御部26の構成は、実施例1における説明と重複するため、省略する。ここでは、プリンタ20の決定部266がグループを決定する処理について、図14に示すフローチャートを用いて説明する。
図14は、実施例2において、グループ情報制御部26が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0094】
グループ情報制御部26は、操作・表示部25が個別グループ情報の更新操作を受付けたか否かを判定する(ステップS20)。グループ情報制御部26は、操作・表示部25が個別グループ情報の更新操作を受付けていない場合(ステップS20/NO)、個別グループ情報記憶部27に個別グループ情報が記憶されているか否かを判定する(ステップS21)。
【0095】
グループ情報制御部26は、個別グループ情報記憶部27に個別グループ情報が記憶されている場合(ステップS21/YES)、処理を終了する。グループ情報制御部26は、操作・表示部25が個別グループ情報の更新操作を受付けた場合(ステップS20/YES)、または、個別グループ情報記憶部27に個別グループ情報が設定されていない場合(ステップS21/NO)、統合グループ情報取得要求を制御部22に出力する(ステップS22)。
【0096】
グループ情報制御部26は、統合グループ情報取得要求に応じて、各スキャナから送信された統合グループ情報を、ネットワークに接続されている全スキャナから取得したか否かを判定する(ステップS23)。
【0097】
グループ情報制御部26は、全スキャナから統合グループ情報を取得していない場合(ステップS23/NO)、統合グループ情報を全スキャナから取得するまでステップS13の処理を繰り返す。
グループ情報制御部26は、全スキャナから統合グループ情報を取得した場合(ステップS23/YES)、グループ毎・機能毎に設定された重み係数と機能の有無とに基づいて、グループ毎にポイントを算出する(ステップS24)。詳細は、具体例を用いて、後述する。
【0098】
グループ情報制御部26は、ステップ24で算出した各プリンタのポイントの中で最もポイントの高いプリンタが属するグループを、自己を分類するグループとして決定する(ステップS25)。グループ情報制御部26は、ステップS25での処理により、自己を分類するグループを決定すると、機能毎にグループ内で最も多い設定値を自己の設定値として設定する(ステップS26)。
【0099】
なお、ステップS20からステップS23の処理を実行するCPU261が、図9における取得部265に相当し、ステップS24及びステップS25の処理を実行するCPU261が図9における決定部266に相当し、ステップS26の処理を実行するCPU261が図9における設定部267に相当する。
【0100】
次に、実施例2においてグループ情報制御部26が実行する処理を具体的に説明するため、図15に示すプリンタ20−9の個別グループ情報を更新する場合について、図14で示したフローチャートの処理と対応させながら説明する。図15(A)は、新しいグループ決定する前の個別グループ情報を示した図である。
プリンタ20−9は、操作・表示部25が個別グループ情報の更新操作を受付けるまでは、グループG4に属していたため、グループIDには「グループG4」が記憶されており、各機能に設定値も設定されている。
【0101】
プリンタ20−9のグループ情報制御部26は、操作・表示部25が個別グループ情報の更新操作を受付けたので(図14:ステップS20/YES)、統合グループ情報取得要求を制御部22へ出力する(図14:ステップS22)。
【0102】
グループ情報制御部26は、全スキャナから統合グループ情報を取得すると(図14:ステップS23/YES)、グループ毎・機能毎に設定された重み係数と機能の有無とに基づいて、各グループに属するプリンタ毎にポイントを算出する(図14:ステップS24)。重み係数は、図15(B)に示されるように、グループ毎・機能毎に設定される。グループG1では、節電モードの有無およびカラーコピー機能について重み係数が「5」であり、カラープリント機能および印刷上限枚数設定機能について重み係数が「1」である。
【0103】
グループ情報制御部26は、プリンタ20−9に機能があれば1ポイント、プリンタ20−9に機能が無ければ0ポイントとして、機能に設定された重み係数との乗算を実行する。そして、グループ情報制御部26は、機能毎の乗算結果を総和してポイントを算出する。
まず、グループ情報制御部26は、グループG1のポイントを算出する。プリンタ20−9は、節電モードを有する。そして、グループG1における節電モードの重み係数は5である。従って、グループ情報制御部26は、1ポイントと重み係数の5を乗算する。同様にして、グループ情報制御部26は、機能毎に乗算を行う。プリンタ20−9にはカラーコピー機能、カラープリント機能および印刷上限枚数設定機能が無いため、各機能の乗算結果は0となる。従って、グループ情報制御部26は、乗算結果を総和して、グループG1のポイントを5ポイントと算出する。
グループ情報制御部26が同様の処理をグループG2についても行う。グループG2のポイントは1ポイントとなる。
【0104】
従って、グループ情報制御部26は、プリンタ20−9を分類するグループとして、最もポイントが高いグループG1を選択する(図14:ステップS25)。
その後の処理は、実施例1での説明と重複するため、省略する。
【0105】
図15(C)(1)は、グループ決定後、プリンタ20−9の個別グループ情報記憶部27が記憶する個別グループ情報の一例であり、図15(C)(2)は、グループ決定後、スキャナ10−1のグループ情報記憶部17が記憶する統合グループ情報の一例である。個別グループ情報のデータ及び統合グループ情報のデータは、実施例1での説明と重複するため、説明を省略する。
【0106】
以上の説明から明らかなように、実施例2によれば、グループの用途・目的に合わせて機能毎に重み係数を設定することにより、グループの用途・目的に合ったプリンタ20が分類される可能性が高まる。より詳しく説明すると、実施例2のグループG1では、節電モードおよびカラーコピー機能に対する重み係数が「5」と、他の機能と比較して重い重み付けがされている。従って、例えば、グループG1が、電力消費の低減を目的としており節電モードの有無を重要視している場合、節電モードの重み係数を大きな数としておくことで、節電モードを有するプリンタがグループG1に分類される可能性が高くなる。
【0107】
上述した実施例は、本発明の実施例の一部である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
実施例では、スキャナ・プリンタ環境を用いて説明したが、ネットワークに接続され、グループ管理されるFAX、コピー機、あるいはプリント機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能およびコピー機能のうちいずれかを複合的に有する複合機等に対しても本発明を適用しても良い。
また、実施例1において、プリンタ20は自己と同一のモデルIDであるプリンタが存在しない場合には機能の有無に基づいてグループを決定する処理を実行したが、実施例2で説明した処理を実行するように構成しても良い。
【符号の説明】
【0108】
10、10−1、10−2…スキャナ
11…操作・表示部
12…制御部
13…原稿読取部
14…画像記憶部
15…印刷要求生成部
16…印刷要求送信制御部
17…グループ情報記憶部
18…グループ情報制御部
19…通信部
20、20−1〜20−9…プリンタ
21…通信部
22…制御部
23…画像処理部
24…画像形成部
25…操作・表示部
26…グループ情報制御部
27…個別グループ情報記憶部
181…CPU
182…RAM
183…ROM
184…入出力部
185…取得部
186…出力部
261…CPU
262…RAM
263…ROM
264…入出力部
265…取得部
266…決定部
267…設定部
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報設定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタやスキャナ等の電子機器をオフィスに設置する際には、電子機器をオフィス内のLAN(Local Area Network)等に接続して使用するのが一般的である。オフィスでは複数の電子機器を用いることが多いので、LANには複数の電子機器が接続される。その際、同一のLANに接続された複数の電子機器をグループ化し、グループ管理する手法がある。
【0003】
特許文献1では、1つの装置が、情報ファイルを他の複数の装置に逐次自動的に送信伝達して、情報ファイル中に包含される登録情報の設定を自動で行う。
特許文献2では、ユーザ毎の使用環境情報を記憶し、ユーザを識別するための識別情報に基づいて、機器の使用環境を設定する。
特許文献3では、設定情報提供サーバ装置が、通信端末装置の使用環境を特定し、使用環境に対応する設定情報を通信端末装置に設定する。
特許文献4では、管理装置と接続された情報処理装置が、管理装置に記憶されたユーザ毎の設定情報を利用できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−119511号公報
【特許文献2】特開2004−38228号公報
【特許文献3】特開2007−219953号公報
【特許文献4】特開2007−228635号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、複数の装置が複数の装置群に分類されている環境で使用される装置に対し、装置群への分類及び設定情報の設定を行うユーザの作業負荷を低減する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の情報設定システムは、分類された同一の装置群に属する他の装置から、該他の装置の設定情報と識別情報とを取得する取得部と、前記取得部で取得した前記識別情報と前記設定情報とを記憶する記憶部と、を有する第1の装置と、前記第1の装置の記憶部から前記識別情報および前記設定情報を取得する取得部と、前記識別情報および前記設定情報に基づいて自己の装置群を決定する決定部と、前記決定部で決定した装置群に属する装置の前記設定情報に基づいて自己に設定情報を設定する設定部と、を有する第2の装置と、を有する。
【0007】
請求項2に記載の情報設定システムは、請求項1に記載の情報設定システムにおいて、前記識別情報は、前記他の装置の型式に関する情報を含み、前記決定部は、前記他の装置の型式及び前記第2の装置の型式に基づいて、自己の装置群を決定することを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の情報設定システムは、請求項1または2に記載の情報設定システムにおいて、前記識別情報は、前記他の装置が有する機能に関する情報を含み、前記決定部は、前記他の装置が有する機能及び前記第2の装置が有する機能に基づいて、自己が属する装置群を決定することを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の情報設定システムは、請求項1または2に記載の情報設定システムにおいて、前記識別情報は、前記他の装置が有する機能に関する情報を含み、前記決定部は、前記機能に設定された重み付けと前記第2の装置が前記機能を有するか否かとに基づいて、自己の装置群を決定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の発明は、装置が装置群に分類されている場合に、装置群の設定および設定情報の設定に伴うユーザの作業負荷を低減する。
【0011】
請求項2に記載の情報設定システムは、装置群に属する装置の型式を考慮して装置群の決定を行う。
【0012】
請求項3に記載の情報設定システムは、装置群に属する装置が有する機能を考慮した装置群の決定を行う。
【0013】
請求項4に記載の情報設定システムは、装置群を決定する際に重視する機能を考慮して装置群を決定する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明が適用されるスキャナ・プリンタ環境の構成の一例を示す図である。
【図2】プリンタの構成の一例を示す図である。
【図3】個別グループ情報記憶部が記憶するデータの一例を示す図である。
【図4】個別グループ情報記憶部が記憶するデータの一例を示す図である。
【図5】スキャナの構成の一例を示す図である。
【図6】グループ情報記憶部が記憶するデータの一例を示す図である。
【図7】スキャナおよびプリンタのハードウェア構成の一例を示す図である。
【図8】スキャナのグループ情報制御部が有する機能の一例を示す機能ブロック図である。
【図9】プリンタのグループ情報制御部が有する機能の一例を示す機能ブロック図である。
【図10】決定部がグループの決定に用いるデータの一例を示す図である。
【図11】プリンタのグループ情報制御部が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【図12】グループ決定前及びグループ決定後の個別グループ情報および統合グループ情報の一例を示す図である。
【図13】グループ決定前及びグループ決定後の個別グループ情報および統合グループ情報の一例を示す図である。
【図14】プリンタのグループ情報制御部が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【図15】グループ決定前及びグループ決定後の個別グループ情報および統合グループ情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
【実施例1】
【0016】
まず、図1を用いて本発明が適用されるスキャナ・プリンタ環境について説明する。
【0017】
本発明が適用されるスキャナ・プリンタ環境は、Ethernet(登録商標)等で構成されたネットワーク30と、ネットワーク30に接続されたスキャナ10−1、スキャナ10−2およびプリンタ20−1〜20−6を備える。また、図1中のプリンタ20−7、20−8、20−9は、ネットワーク30に新たに接続されるプリンタ、または、プリンタの識別情報および設定情報の更新を実行するプリンタである。
以後、特に区別する必要のない限り、スキャナ10−1およびスキャナ10−2をスキャナ10と記載し、プリンタ20−1〜プリンタ20−9をプリンタ20と記載する。
【0018】
スキャナ10−1(第1の装置)およびスキャナ10−2(第1の装置)は、不図示の端末装置等からの依頼や、操作部がユーザから受付けた操作に基づいて、原稿台に置かれた原稿を読取り、画像データに変換する画像読取装置である。
【0019】
プリンタ20−1〜プリンタ20−9(第2の装置)は、端末装置から受付けた画像データに基づいて、記録用紙に画像を形成する画像形成装置である。また、プリンタ20−1〜プリンタ20−6は、スキャナ10−1またはスキャナ10−2から画像データを受付け、記録用紙に画像を形成し出力することで、コピー機能を実現する。
プリンタ20−1〜プリンタ20−9は、識別情報および設定情報で構成される個別グループ情報を記憶している。識別情報は、自己が属しているグループや、機種・マシンファミリー・同一の機能を有するプリンタの分類等を表すモデル(型式)IDや、画像形成時に使用できる機能の有無を識別する情報である。設定情報は、前述した機能毎に設定される設定値の情報であり、この設定値に基づいて画像形成動作が制御される。
個別グループ情報の具体例については、後述する。
【0020】
本実施例のスキャナ・プリンタ環境では、スキャナ10−1およびプリンタ20−1〜20−3は、グループ(装置群)G1に分類され、スキャナ10−1およびプリンタ20−4〜20−6はグループG2に分類されている。
ここで、グループG1およびグループG2は、ネットワーク30に接続されたスキャナおよびプリンタをグループ化し、グループ管理するためのものである。ユーザは、営業部、販売部等の組織毎にグループを設定したり、あるいは、同じ組織内でも、モノクロ印刷のみ行う、あるいは、カラー印刷のみ行うといったプリンタやスキャナの用途等に応じてグループを設定しても良い。また、ユーザは、電力消費や印刷コストといった観点からグループを設定しても良い。
なお、本実施例では、ネットワーク30に接続されているスキャナ10およびプリンタ20が形成するグループは2つであるが、設定できるグループの数は2つに限定されるものではない。また、各グループはスキャナ及びプリンタをそれぞれ有しているが、各グループがプリンタのみ、あるいは、スキャナのみで構成されていても良い。
【0021】
プリンタ20−7、20−8、20−9(第2の装置)は、ネットワーク30に新たに接続される、または、個別グループ情報を更新するプリンタである。プリンタ20−7〜20−9は、ネットワーク30に接続されると、あるいは、ユーザから個別グループ情報の更新指示を受付けると、自己が分類されるグループをグループG1及びグループG2のいずれかに決定する。そして、プリンタ20−7〜20−9は、分類されたグループに属するプリンタの設定情報に基づいて、自己の設定情報を更新する。
【0022】
次に、図2を参照しながら、プリンタ20の構成について説明する。
プリンタ20は、通信部21と、制御部22と、画像処理部23と、画像形成部24と、操作・表示部25と、グループ情報制御部26と、個別グループ情報記憶部27とを備える。
【0023】
通信部21は、制御部22と接続する。通信部21は、ネットワークとのインターフェースとして動作するもので、印刷データをネットワークから受信し、制御部22へ出力する。また、個別グループ情報の取得要求を、制御部22の指示に基づいてネットワーク上の宛先に送信する。
【0024】
制御部22は、通信部21と、画像処理部23と、画像形成部24と、操作・表示部25と、グループ情報制御部26と接続する。
制御部22は、通信部21から印刷データを受付けると、印刷データを画像処理部23に出力する。制御部22は、画像処理部23が印刷データを画像データに変換する処理を終了すると、画像形成部24に画像形成を指示する。また、制御部22は、グループ情報制御部26からグループ情報の取得要求を受付けると、通信部21にグループ情報取得要求を出力する。
【0025】
画像処理部23は、制御部22と、画像形成部24と接続する。画像処理部23は、制御部22から印刷データを受付ける。画像処理部23は、制御部22からの指示に基づいて、受付けた印刷データを画像データに変換し、画像データを画像形成部24へ出力する。
【0026】
画像形成部24は、制御部22と、画像処理部23と接続する。
画像形成部24は、画像処理部23から画像データを受付ける。画像形成部24は、制御部22からの指示に基づいて、記録用紙に画像データに基づく画像を形成し、出力する。
【0027】
操作・表示部25は、制御部22と接続する。操作・表示部25は、ユーザインタフェースとして動作するもので、制御部22から表示情報を受付け、ユーザに対してエラー情報等の各種情報を提供する。また、操作・表示部25は、ユーザからの操作入力を受付け、制御部22へ操作情報を出力する。また、操作・表示部25は、ユーザからプリンタ20の設定値を設定する操作や、個別グループ情報記憶部27が記憶するグループ情報を更新する操作を受付け、制御部22へ出力する。
【0028】
グループ情報制御部26は、制御部22と、個別グループ情報記憶部27と接続する。グループ情報制御部26は、個別グループ情報記憶部27に個別グループ情報が設定されていない場合、あるいは、操作・表示部25が個別グループ情報の更新操作を受付けた場合等に、制御部22へ統合グループ情報(詳細は後述する)の取得要求を出力する。
また、グループ情報制御部26は、統合グループ情報を取得すると、取得した統合グループ情報に基づいてプリンタ20が属するグループを決定する。そして、決定したグループに属するプリンタの設定情報に基づいて、自己の個別グループ情報を作成し、個別グループ情報記憶部27に記録させる。
【0029】
個別グループ情報記憶部27は、グループ情報制御部26と接続する。個別グループ情報記憶部27は、個別グループ情報を記憶する。また、グループ情報制御部26が決定したグループおよび個別グループ情報をグループ情報制御部26から受付けて記憶する。
【0030】
ここで、図3および図4を参照しつつ、個別グループ情報記憶部27が記憶する個別グループ情報の具体例について説明する。
図3及び図4は、グループG1およびグループG2に属するプリンタ20−1〜プリンタ20−6の個別グループ情報記憶部27が記憶している個別グループ情報の一例を示している。
【0031】
ここでは、プリンタ20−1の個別グループ情報記憶部27が記憶している個別グループ情報を例にとり、各項目について説明する。
個別グループ情報は、グループID、スキャナID、プリンタID、モデルID、節電モード、カラーコピー、カラープリント、印刷上限枚数および管理者パスワード等から構成される。
【0032】
グループIDは、プリンタ20−1が属しているグループを識別する項目である。図1においてプリンタ20−1はグループG1に属しているため、個別グループ情報記憶部27には「グループG1」が記憶されている。
【0033】
スキャナIDは、プリンタ20−1と同一のグループに属するスキャナのIDを識別する項目である。図1においてプリンタ20−1が属するグループG1には、スキャナ10−1が属している。従って、個別グループ情報記憶部27には「スキャナ10−1」が記憶されている。
【0034】
プリンタIDは、自己のIDを示す項目である。プリンタIDには、たとえばMAC(Media Access Control)アドレスや、製造番号等を使用することができる。本実施例では、プリンタ20−1のプリンタIDがプリンタ20−1であるとし、個別グループ情報記憶部27には「プリンタ20−2」が記憶されている。
【0035】
モデルIDは、プリンタ20−1のモデル(型式)を識別する項目である。本実施例では、プリンタ20−1のモデルIDが「Model1」であるとし、個別グループ情報記憶部27には「Model1」が記憶されている。
【0036】
節電モード〜印刷上限枚数は、プリンタが有する機能に関する項目である。節電モード〜印刷上限枚数は、それぞれ、プリンタがその機能を有するか否かの「有無」の項目と、その機能に対する設定値を示す「設定値」の項目を有する。
また、「有無」の項目には、プリンタがその機能を有していれば「OK」、プリンタがその機能を有していなければ「NA」が記憶される。
【0037】
節電モードとは、プリンタ20−1が予め定められた時間が経過しても印刷依頼や操作を受付けない場合に、いわゆるスリープ状態となって電力消費を抑える状態を示す。
プリンタ20−1は節電モードを有しているため、個別グループ情報記憶部27には「有無」の項目に「OK」が記憶されている。また、個別グループ情報記憶部27には「設定値」の項目に節電モードが有効であることを示す「ON」が記憶されている。
【0038】
カラーコピーとは、プリンタ20−1がスキャナ10と連携してコピー機能を実現する場合に、カラーでコピーを行う機能(以後、カラーコピー機能という)である。
プリンタ20−1は、カラーコピー機能を有するため、個別グループ情報記憶部27には「有無」の項目に「OK」が記憶されている。また、プリンタ20−1は、コピー機能を実現する際にカラーコピーを行うため、個別グループ情報記憶部27には、「設定値」の項目に「Color」が記憶されている。
【0039】
カラープリントとは、プリンタ20−1が画像形成動作を行う際に、カラーで画像形成(印刷)を行う機能(以後、カラープリント機能という)である。
プリンタ20−1は、カラープリント機能を有するため、個別グループ情報記憶部27には「有無」の項目に「OK」が記憶される。また、プリンタ20−1は、画像形成動作を行う際にカラープリントを行うため、個別グループ情報記憶部27には、「設定値」の項目に「Color」が記憶されている。
【0040】
印刷上限枚数とは、プリンタ20−1が画像を形成できる記録用紙の枚数の上限を設定する機能(以後、印刷上限枚数設定機能という)である。
プリンタ20−1は、印刷上限枚数を設定できる機能を有するため、個別グループ情報記憶部27には「有無」の項目に「OK」が記憶される。また、プリンタ20−1は印刷上限枚数を1000枚に設定されているため、個別グループ情報記憶部27には、「設定値」の項目に「1000」が記憶される。
【0041】
管理者パスワードは、ユーザがグループ管理を行う際に必要なパスワードであり、グループ毎に決定される。本実施例では、グループG1のグループ管理を行う際に必要なパスワードは「1111」であるため、個別グループ情報記憶部27には、「1111」が記憶される。
【0042】
上述のようにして、プリンタ20−1〜プリンタ20−6の個別グループ情報記憶部27はそれぞれ、個別グループ情報を記憶している。
次に、図3(2)プリンタ20−2および図4(5)プリンタ20−5を用いて、他の具体例について説明する。
【0043】
図3(2)においてプリンタ20−2は、節電モードを有しているが、節電モードを使用しないため、個別グループ情報記憶部27には、設定値「OFF」が記憶される。
また、プリンタ20−2は、カラーコピー機能を有しているが、コピー機能を実現する際に、カラーコピーを行わずモノクロコピーを行うため、個別グループ情報記憶部27には、設定値「Mono」が記憶される。
また、プリンタ20−2は印刷上限枚数設定機能を有するが、印刷上限枚数を設けないため、個別グループ情報記憶部27には、設定値「−」が記憶される。
【0044】
図4(5)においてプリンタ20−5は、節電モードを有さないため、個別グループ情報記憶部27には「有無」の項目に「NA」が記憶される。そして、プリンタ20−5には節電モードがなく、節電モードを有効にすることはできないため、個別グループ情報記憶部27には節電モードを使用しないことを示す設定値「OFF」が記憶される。
また、プリンタ20−5にはカラーコピー機能およびカラープリント機能が無いため、個別グループ情報記憶部27には、それぞれの機能においてモノクロ印刷を示す設定値「Mono」が記憶される。
また、プリンタ20−5には印刷上限枚数設定機能が無いため、個別グループ情報記憶部27には「有無」の項目に「NA」が記憶される。そして、個別グループ情報記憶部27に記憶される設定値は「−」となる。
【0045】
次に、図5を用いて、スキャナ10の構成の一例について説明する。
スキャナ10は、操作・表示部11、制御部12、原稿読取部13、画像記憶部14、印刷要求生成部15、印刷要求送信制御部16、グループ情報記憶部17、グループ情報制御部18及び通信部19を備える。
操作・表示部11は、制御部12と接続する。操作・表示部11は、ユーザインタフェースとして動作するもので、制御部12から表示情報を受付け、ユーザに対してエラー情報等の各種情報を提供する。また、操作・表示部11は、ユーザからの操作を受付け、制御部12へ操作情報を出力する。
【0046】
制御部12は、操作・表示部11、原稿読取部13、印刷要求生成部15、印刷要求送信制御部16、通信部19及びグループ情報制御部18と接続する。
制御部12は、操作・表示部11から操作情報を受付ける。制御部12は、操作情報が原稿の読取りを指示するものであった場合、原稿読取部13に対し原稿の読取りを指示する。または、制御部12は、通信部19がネットワークを介して端末装置等から受信した原稿の読取り依頼を受付けると、原稿読取部13に対し原稿の読取りを指示する。
【0047】
制御部12は、原稿読取部13が原稿の読取りを終了した後、印刷要求生成部15に印刷要求を生成するように指示する。制御部12は、印刷要求の生成が終了した後、印刷要求送信制御部16に生成した印刷要求を送信するように指示する。または、制御部12は、原稿読取部13が原稿の読取りを終了した後、画像データを通信部19へ出力し、端末装置等へ送信する。
また、制御部12は、通信部19から統合グループ情報(詳細は後述する)の取得要求を受付けると、グループ情報制御部18に対して、グループ情報記憶部17に記憶されている統合グループ情報を出力するように指示する。
【0048】
原稿読取部13は、制御部12と画像記憶部14と接続する。原稿読取部13は、制御部12からの指示に基づき、原稿を光学的に読み取って得た光学信号を電気信号に変換し、画像データを生成する。原稿読取部13は、生成した画像データを画像記憶部14に記憶させる。
または、原稿読取部13は、端末装置からの原稿読取り依頼によって原稿を読取った場合、生成した画像データを制御部12へ出力する。
【0049】
画像記憶部14は、原稿読取部13と印刷要求生成部15と接続する。画像記憶部14は、原稿読取部13が原稿を読み取って生成した画像データを記憶する。また、画像記憶部14は、印刷要求生成部15からの要求に応じて、記憶した画像データを印刷要求生成部15へ出力する。
【0050】
印刷要求生成部15は、制御部12と、画像記憶部14と、印刷要求送信制御部16と接続する。
印刷要求生成部15は、制御部12からの指示に基づいて、画像記憶部14から画像データを取得する。そして、印刷要求生成部15は、取得した画像データを印刷データに変換し、印刷要求送信制御部16へ出力する。
【0051】
印刷要求送信制御部16は、制御部12と、印刷要求生成部15と、通信部19と接続する。印刷要求送信制御部16は、印刷要求生成部15から印刷データを受付ける。そして、印刷要求送信制御部16は制御部12からの指示に基づいて、印刷データを通信部19へ出力する。
【0052】
グループ情報記憶部17は、グループ情報制御部18と接続する。 グループ情報記憶部17は、スキャナ10と同一のグループに属するプリンタ20から個別グループ情報を取得し、各プリンタの個別グループ情報を統合して、統合グループ情報として記憶する。
【0053】
ここで、図6を用いて、スキャナ10のグループ情報記憶部17が記憶する統合グループ情報の一例について説明する。
図6(1)はスキャナ10−1のグループ情報記憶部17に記憶されている統合グループ情報の一例を示した図である。
スキャナ10−1は、グループG1に属するプリンタ20−1〜プリンタ20−3のそれぞれから個別グループ情報を取得すると、図6(1)に示すように個別グループ情報を統合して統合グループ情報として記憶する。
各項目の詳細については、図3において説明したので、説明を省略する。
【0054】
図1で説明したように、スキャナ10−1はグループG1に属しているため、図6(1)において、グループIDの項目には「グループG1」が記憶される。
また、スキャナ10−1のスキャナIDは「スキャナ10−1」であるため、スキャナIDの項目には「スキャナ10−1」が記憶される。
そして、グループ情報記憶部17は、グループG1に属するプリンタ20−1〜20−2の個別グループ情報を統合した統合グループ情報を記憶する。
【0055】
図6(2)はスキャナ10−2のグループ情報記憶部17に記憶されている統合グループ情報の一例を示した図である。
図1で説明したように、スキャナ10−2はグループG2に属しているため、図6(2)においてグループIDの項目には「グループG1」が記憶される。
また、スキャナ10−2が属するグループG2には、プリンタ20−4〜プリンタ20−6が属しているため、グループ情報記憶部17は、プリンタ20−4〜プリンタ20−6の個別グループ情報を統合した統合グループ情報を記憶する。
つまり、本実施例では、スキャナ10−1およびスキャナ10−2がそれぞれ統合グループ情報を記憶し、管理している。なお、本実施例ではスキャナが統合グループ情報を記憶及び管理しているが、統合グループ情報の記憶及び管理は、スキャナではなく、例えば、グループに属するプリンタが行っても良い。
【0056】
再度、図5を参照して、スキャナ10を構成するグループ情報制御部18について説明する。
グループ情報制御部18は、制御部12と、グループ情報記憶部17と、通信部19と接続する。グループ情報制御部18は、制御部12から統合グループ情報の出力指示を受付けると、グループ情報記憶部17から統合グループ情報を取得する。そして、グループ情報制御部18は、制御部12が指定したネットワーク上の宛先へ統合グループ情報を出力するように、通信部19に宛先と統合グループ情報とを出力する。
また、グループ情報制御部18は、通信部19からスキャナ10と同一のグループに属するプリンタ20の個別グループ情報を受付け、グループ情報記憶部17へ記憶させる。
【0057】
通信部19は、制御部12と、印刷要求送信制御部16と、グループ情報制御部18と接続する。通信部19は、ネットワークとのインターフェースとして動作するものである。通信部19は、印刷要求送信制御部16から印刷データを受付けると、印刷データをネットワーク上の宛先に送信する。また、ネットワークに接続されたプリンタ等からグループ情報の取得要求を受信すると、取得要求を送信したプリンタ等の宛先を制御部12へ通知する。
また、通信部19は、グループ情報制御部18から統合グループ情報を送信する宛先及び統合グループ情報を受付け、統合グループ情報をネットワーク上の宛先に送信する。
【0058】
次に、図7を用いて、スキャナ10及びプリンタ20のグループ情報制御部のハードウェア構成の一例について説明する。
図7(A)は、スキャナ10を構成するグループ情報制御部18のハードウェア構成の一例を示す図である。
グループ情報制御部18は、信号の入出力を行う入出力部184と、同じグループに属するプリンタから個別グループ情報を取得するプログラム(詳細は後述)等が格納されたROM(Read Only Memory)183と、ROM183に格納されたプログラムを読み込んで実行する中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)181と、プログラムを実行する際に使用される一時的なデータを保存するRAM(Random Access Memory)182とから構成される。
また、ROM183に格納されたプログラムのCPU181による演算によって、図8に示す取得部185、出力部186が有する機能が実行される。
【0059】
図7(B)は、プリンタ20を構成するグループ情報制御部26のハードウェア構成の一例を示す図である。
グループ情報制御部26は、信号の入出力を行う入出力部264と、ネットワークに接続されているスキャナから統合グループ情報を取得するプログラム(詳細は後述)等が格納されたROM263と、ROM263に格納されたプログラムを読み込んで実行する中央処理装置(CPU)261と、プログラムを実行する際に使用される一時的なデータを保存するRAM262とから構成される。
また、ROM263に格納されたプログラムのCPU261による演算によって、図9に示す取得部265、決定部266及び設定部267が有する機能が実行される。
【0060】
次に、図8を参照しつつ、スキャナ10を構成するグループ情報制御部18において、上述したCPU181などのハードウェアとROM183に格納されたソフトウェアとの協働によって実現される機能の一例について説明する。
【0061】
グループ情報制御部18は、取得部185と出力部186とを備える。
取得部185は、制御部12と、グループ情報記憶部17と、通信部19と接続する。取得部185は、同じグループに属するプリンタ20から個別グループ情報を取得するために、制御部12へ個別グループ情報の取得要求を出力する。制御部12は個別グループ情報の取得要求を通信部19を介して同じグループに属するプリンタ20へ送信する。個別グループ情報の取得要求を受信したプリンタ20から送信された個別グループ情報は、通信部19が受信する。
【0062】
取得部185は、通信部19から個別グループ情報を取得する。そして、取得した個別グループ情報から統合グループ情報を作成し、グループ情報記憶部17に記憶させる。この結果、図6において説明した統合グループ情報がグループ情報記憶部17に記憶される。
【0063】
出力部186は、制御部12と、グループ情報記憶部17と、通信部19と接続する。
出力部186は、制御部12から統合グループ情報の出力指示を受付けると、グループ情報記憶部17から統合グループ情報を取得する。そして、出力部186は、統合グループ情報取得要求を送信したプリンタ20を宛先として、統合グループ情報を通信部19へ出力する。
【0064】
次に、図9を参照して、プリンタ20のグループ情報制御部26において、上述したCPU261などのハードウェアとROM263に格納されたソフトウェアとの協働によって実現される機能の一例について説明する。
グループ情報制御部26は、取得部265と、決定部266と、設定部267とを備える。
【0065】
取得部265は、通信部21と、制御部22と、個別グループ情報記憶部27と、決定部266と接続する。
取得部265は、制御部22から個別グループ情報の更新操作を受付けると、制御部22に統合グループ情報取得要求を出力する。あるいは、取得部265は、個別グループ情報記憶部27に個別グループ情報が記憶されているか否かを判定し、個別グループ情報が記憶されていない場合、制御部22に統合グループ情報取得要求を出力する。ここで、個別グループ情報が記憶されていない場合とは、個別グループ情報の「グループID」の項目に、グループIDが記憶されていない場合をいう。あるいは、各機能の設定値の項目に設定値が記憶されていない場合に、個別グループ情報が記憶されていないとしても良い。
取得部265は、通信部21を介して、統合グループ情報取得要求に応じたスキャナ10−1およびスキャナ10−2が送信した統合グループ情報を取得する。そして、取得部265は取得した統合グループ情報を決定部266へ出力する。
【0066】
決定部266は、取得部265と設定部267と接続する。決定部266は、取得部265から統合グループ情報を取得すると、図10に示すように各グループの統合グループ情報をまとめたテーブルを作成する。
そして、決定部266は、図10に示すテーブルを利用して、プリンタ20を分類するグループを決定する。(決定部266が、プリンタ20を分類するグループを決定する詳細については、後述する。)
そして、決定部266は、決定したグループを設定部267へ出力する。
【0067】
設定部267は、決定部266と個別グループ情報記憶部27と接続する。設定部267は、決定部266から、決定部266が決定したプリンタ20が分類されるグループを受付ける。
設定部267は、図10に示されるテーブルを用い、プリンタ20が分類されたグループに属しているプリンタの個別グループ情報に基づいて、自己の設定情報を決定する。そして、決定部266で決定したグループの情報および設定情報を個別グループ情報として、個別グループ情報記憶部27に記憶させる。
【0068】
次に、図11を参照しつつ、グループ情報制御部26が実行する処理の一例について説明する。図11は、グループ情報制御部26が実行する処理の一例を示したフローチャートである。
グループ情報制御部26は、操作・表示部25が個別グループ情報の更新操作を受付けたか否かを判定する(ステップS10)。グループ情報制御部26は、操作・表示部25が個別グループ情報の更新操作を受付けていない場合(ステップS10/NO)、個別グループ情報記憶部27に個別グループ情報が記憶されているか否かを判定する(ステップS11)。グループ情報制御部26は、個別グループ情報記憶部27に個別グループ情報が記憶されている場合(ステップS11/YES)、処理を終了する。
【0069】
グループ情報制御部26は、操作・表示部25が個別グループ情報の更新操作を受付けた場合(ステップS10/YES)、または、個別グループ情報記憶部27に個別グループ情報が記憶されていない場合(ステップS11/NO)、統合グループ情報取得要求を制御部22に出力する(ステップS12)。
【0070】
グループ情報制御部26は、統合グループ情報取得要求に対して送信される統合グループ情報を、ネットワークに接続されている全スキャナから取得したか否かを判定する(ステップS13)。グループ情報制御部26は、全スキャナから統合グループ情報を取得していない場合(ステップS13/NO)、統合グループ情報を全スキャナから取得するまでステップS13の処理を繰り返す。本ステップによって、図10に示すテーブルが作成される。
【0071】
グループ情報制御部26は、全スキャナから統合グループ情報を取得した場合(ステップS13/YES)、自己のモデルIDと同一のモデルIDを持つプリンタが存在するか否か判定する(ステップS14)。本判定には、図10に示すテーブルを用いる。グループ情報制御部26は、同一のモデルIDを持つプリンタが存在する場合(ステップS14/YES)、同一のモデルIDを持つプリンタが最も多く存在するグループを、自己を分類するグループとして選択する(ステップS15)。ここで、グループ情報制御部26は、同一のモデルIDを持つプリンタの数が等しいグループが複数存在する場合には、自己を分類するグループとしてグループ番号が小さいグループを選択しても良い。あるいは、グループ情報制御部26は、グループに接続されているプリンタの総数が少ないグループを、自己を分類するグループとしても良い。このような制御の結果、自己を分類するグループが一意に決定される。
【0072】
グループ情報制御部26は、同一のモデルIDを持つプリンタが存在しない場合(ステップS14/NO)、各グループに属するプリンタが有する機能と自己が有する機能とを比較する(ステップS16)。
そして、グループ情報制御部26は、自己が有する機能および自己に無い機能が共通するプリンタを機能の能力が最も近いプリンタであるとし、機能の能力が最も近いプリンタが属するグループを、自己を分類するグループとして選択する(ステップS17)。
【0073】
グループ情報制御部26は、ステップS15あるいはステップS17での処理により、自己を分類するグループを決定すると、グループに属するプリンタに最も多く設定されている設定値を自己の設定値として設定する(ステップS18)。
グループ情報制御部26は、各機能に設定値を設定すると、処理を終了する。
なお、設定値の決定方法は、上記のものに限られるわけではなく、例えば、各プリンタから設定値の変更情報を取得し、旧設定値から新設定値に変更されたプリンタの数に基づいて決定したり、あるいは、各プリンタの設定値の変更情報を統計処理し、設定値の変更を頻繁に行っているプリンタに設定されている設定値を自己の設定値として決定することもできる。あるいは、グループごとに設定値のデフォルト値を決定しておいて、その値を設定するようにしても良い。
【0074】
なお、ステップS10からステップS13の処理を実行するCPU261が、図9における取得部265に相当し、ステップS14からステップS17の処理を実行するCPU261が図9における決定部266に相当し、ステップS18の処理を実行するCPU261が図9における設定部267に相当する。
【0075】
次に、上述したグループ情報制御部26が実行する処理を具体的に説明するため、図12(A)に示すプリンタ20−7を、新規にネットワークに接続する場合について、図11で示したフローチャートの処理と対応させながら説明する。図12(A)はグループを決定する前のプリンタ20−7の個別グループ情報を示した図である。
プリンタ20−7は、モデルIDが「Model1」で、節電モード、カラーコピー機能、カラープリント機能、印刷上限枚数設定機能を有している。ただし、未だ、ネットワークに接続されていないので、グループID、スキャナIDおよび設定値は個別グループ情報記憶部27に記憶されていない。
【0076】
プリンタ20−7のグループ情報制御部26は、個別グループ情報記憶部27に、個別グループ情報が記憶されていないため(図11:ステップS11/YES)、統合グループ情報取得要求を制御部22へ出力する(図11:ステップS12)。
そして、グループ情報制御部26は、全スキャナから統合グループ情報を取得すると、図10に示したテーブルを用いて、モデルIDが「Model1」であるプリンタが存在するか否かを判定する(図11:ステップS14)。
【0077】
図10に示すテーブルには、モデルIDが「Model1」であるプリンタが存在するため、グループ情報制御部26は、モデルIDが「Model1」であるプリンタを最も多く含むグループを、自己を分類するグループとして選択する(図11:ステップS15)。
図10に示すテーブルでは、グループG1にモデルIDが「Model1」であるプリンタが2つ存在し、グループG2には存在しないため、グループ情報制御部26は、自己を分類するグループとしてグループG1を選択する。
【0078】
次に、グループ情報制御部26は、グループG1に属するプリンタに最も多く設定されている設定値を自己に設定する(図11:ステップS18)。
図10に示すテーブルの節電モードにおいて、グループG1に属するプリンタに最も多く設定されている設定値は「ON」である。従って、グループ情報制御部26は、節電モードの設定値に「ON」を設定する。
また、カラーコピー、カラープリントにおいて、最も多く設定されている設定値は「Color」であるため、グループ情報制御部26は、カラーコピーおよびカラープリントの設定値に「Color」を設定する。
【0079】
そして、印刷上限枚数において、最も多く設定されている設定値は「1000」であるため、グループ情報制御部26は、印刷上限枚数の設定値に「1000」設定する。本実施例では、設定値の設定がない場合、つまり、設定値が「−」である場合、「−」は設定値として考慮しないものとした。グループ情報制御部26は、設定値「−」についても設定値として考慮すれば、印刷上限枚数において最も多く設定されている設定値は「−」であるため、プリンタ20−7の印刷上限枚数の設定値に「−」を設定するようにしても良い。
【0080】
グループ情報制御部26は、上述の処理を行いグループおよび設定値を設定した個別グループ情報を、個別グループ情報記憶部27に記憶させる。
図12(B)(1)に、グループ決定後のプリンタ20−7の個別グループ情報記憶部27が記憶する個別グループ情報の一例を示す。また、図12(B)(2)に、グループ決定後のスキャナ10−1のグループ情報記憶部17が記憶する統合グループ情報の一例を示す。
【0081】
プリンタ20−7の個別グループ情報記憶部27は、グループ情報制御部26によって作成された個別グループ情報を記憶する。
また、スキャナ10−1のグループ情報記憶部17は、プリンタ20−7の個別グループ情報を追加した統合グループ情報を記憶する。
【0082】
次に、図13(A)に示すプリンタ20−8を、新規にネットワークに接続する場合について、図11で示したフローチャートの処理と対応させながら説明する。図13(A)はグループを決定する前のプリンタ20−8の個別グループ情報を示した図である。
プリンタ20−7は、モデルIDが「Model4」で、節電モードを有するが、カラーコピー機能、カラープリント機能、印刷上限枚数設定機能は無い。そして、未だ、ネットワークに接続されていないので、グループID、スキャナIDおよび設定値は個別グループ情報記憶部27に記憶されていない。
【0083】
プリンタ20−8のグループ情報制御部26は、個別グループ情報記憶部27に、個別グループ情報が記憶されていないため(図11:ステップS11/YES)、統合グループ情報取得要求を制御部22へ出力する(図11:ステップS12)。そして、グループ情報制御部26は、全スキャナから統合グループ情報を取得すると、図10に示したテーブルを用いて、モデルIDが「Model4」であるプリンタが存在するか否かを判定する(図11:ステップS14)。
【0084】
図10に示すテーブルには、モデルIDが「Model4」であるプリンタが存在しないため(図11:ステップS14/NO)、グループ情報制御部26は、プリンタ毎に機能の有無を比較する(図11:ステップS16)。
【0085】
まず、グループ情報制御部26は、図10に示すテーブルを用いて、プリンタ20−8が有する機能と、プリンタ20−1が有する機能とを比較する。プリンタ20−8もプリンタ20−1も、節電モードを有しているが、プリンタ20−8はカラーコピー機能、カラープリント機能、印刷上限枚数設定機能を有さない。一方、プリンタ20−1は、カラーコピー機能、カラープリント機能、印刷上限枚数機能を有している。従って、プリンタ20−8とプリンタ20−1に共通する機能は、節電モードの1つである。同様にして、プリンタ20−2〜プリンタ20−4においてプリンタ20−8と共通する機能は1つ、プリンタ20−5およびプリンタ20−6においてプリンタ20−8と共通する機能は3つである。
【0086】
よって、グループ情報制御部26は、共通する機能が最も多いプリンタ20−5およびプリンタ20−6を機能の能力が最も近いプリンタであると判定し、プリンタ20−5およびプリンタ20−6が属するグループG2を、自己を分類するグループに決定する(図11:ステップS17)。ここで、仮に、プリンタ20−5およびプリンタ20−6が属するグループがグループG1およびグループG2に分かれていた場合、グループ情報制御部26は、自己を分類するグループとしてグループ番号が小さいグループを選択するようにしても良い。あるいは、グループ情報制御部26は、グループに接続されているプリンタの総数が少ないグループを、自己を分類するグループを選択するようにしても良い。このような制御の結果、自己を分類するグループが一意に決定される。
【0087】
次に、グループ情報制御部26は、グループG2に属するプリンタに最も多く設定されている設定値を自己に設定する(図11:ステップS18)。図10に示すテーブルの節電モードにおいて、グループG2に属するプリンタに最も多く設定されている設定値は「OFF」である。従って、グループ情報制御部26は、節電モードの設定値に「OFF」を設定する。プリンタ20−8がカラーコピー機能、カラープリント機能を有さないため、グループ情報制御部26は、カラーコピーおよびカラープリントの設定値に「Mono」を設定する。また、プリンタ20−8が印刷上限枚数設定機能を有さないため、グループ情報制御部26は、印刷上限枚数の設定値に「−」を設定する。
【0088】
グループ情報制御部26は、上述の処理を行いグループおよび設定値を設定した個別グループ情報を、個別グループ情報記憶部27に記憶させる。
図13(B)(1)に、グループ決定後のプリンタ20−8の個別グループ情報記憶部27が記憶する個別グループ情報の一例を示す。また、図13(B)(2)に、グループ決定後のスキャナ10−2のグループ情報記憶部17が記憶する統合グループ情報の一例を示す。
【0089】
プリンタ20−8の個別グループ情報記憶部27は、グループ情報制御部26によって作成された個別グループ情報を記憶する。
また、スキャナ10−2のグループ情報記憶部17は、プリンタ20−8の個別グループ情報を追加した統合グループ情報を記憶する。
【0090】
以上の説明から明らかなように、実施例1によれば、スキャナ10は同一のグループに属するプリンタ20から、個別グループ情報を取得し、記憶する。そして、新規にネットワークに接続されるプリンタ20、または、個別グループ情報を更新するプリンタ20は、スキャナ10から統合グループ情報を取得し、統合グループ情報に基づいてグループを決定し、かつ、設定値を決定するため、グループ管理されたスキャナ・プリンタ環境において、プリンタ20に対してグループの設定および設定値の設定に伴うユーザの作業負荷が低減される。
【0091】
より詳しく説明すると、グループ管理されたスキャナ・プリンタ環境において、そのプリンタに最適なグループを選択し、かつ、選択したグループにおいて最適な設定を行うために、ユーザが1台ずつ個別にプリンタの設定を行う必要がない。
さらに、実施例1によれば、スキャナ・プリンタ環境に存在するスキャナおよびプリンタの協働により、プリンタが個別グループ情報を設定するため、スキャナ及びプリンタの設定を管理するためのサーバ等の設置が不要であり、コストが抑制される。また、サーバ等を設置してプリンタの設定を管理する場合、サーバ上にツールが必要となり、プリンタと所属グループの関連情報を記憶しておく必要がある。この場合、プリンタの入替などが発生するたびに関連情報の更新が必要となるため、ユーザの作業負荷が増大すると共に、設定ミスや設定漏れの可能性が高まるが、実施例1によれば、プリンタ20は個別グループ情報の更新が必要か否かを判定して、グループの決定及び設定値の設定を行うため、ユーザの作業負荷が低減され、かつ、設定ミスや設定漏れの可能性も低減される。
【実施例2】
【0092】
実施例1では、プリンタ20は、モデルIDまたは機能の有無に基づいてグループを決定したが、グループの用途・目的に合うプリンタをグループに分類できるように、重み付けを用いてグループを決定することもできる。
【0093】
実施例2において、スキャナ・プリンタ環境の構成、スキャナ10の構成、プリンタ20の構成、スキャナ10のグループ情報制御部17の構成及びプリンタ20−のグループ情報制御部26の構成は、実施例1における説明と重複するため、省略する。ここでは、プリンタ20の決定部266がグループを決定する処理について、図14に示すフローチャートを用いて説明する。
図14は、実施例2において、グループ情報制御部26が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0094】
グループ情報制御部26は、操作・表示部25が個別グループ情報の更新操作を受付けたか否かを判定する(ステップS20)。グループ情報制御部26は、操作・表示部25が個別グループ情報の更新操作を受付けていない場合(ステップS20/NO)、個別グループ情報記憶部27に個別グループ情報が記憶されているか否かを判定する(ステップS21)。
【0095】
グループ情報制御部26は、個別グループ情報記憶部27に個別グループ情報が記憶されている場合(ステップS21/YES)、処理を終了する。グループ情報制御部26は、操作・表示部25が個別グループ情報の更新操作を受付けた場合(ステップS20/YES)、または、個別グループ情報記憶部27に個別グループ情報が設定されていない場合(ステップS21/NO)、統合グループ情報取得要求を制御部22に出力する(ステップS22)。
【0096】
グループ情報制御部26は、統合グループ情報取得要求に応じて、各スキャナから送信された統合グループ情報を、ネットワークに接続されている全スキャナから取得したか否かを判定する(ステップS23)。
【0097】
グループ情報制御部26は、全スキャナから統合グループ情報を取得していない場合(ステップS23/NO)、統合グループ情報を全スキャナから取得するまでステップS13の処理を繰り返す。
グループ情報制御部26は、全スキャナから統合グループ情報を取得した場合(ステップS23/YES)、グループ毎・機能毎に設定された重み係数と機能の有無とに基づいて、グループ毎にポイントを算出する(ステップS24)。詳細は、具体例を用いて、後述する。
【0098】
グループ情報制御部26は、ステップ24で算出した各プリンタのポイントの中で最もポイントの高いプリンタが属するグループを、自己を分類するグループとして決定する(ステップS25)。グループ情報制御部26は、ステップS25での処理により、自己を分類するグループを決定すると、機能毎にグループ内で最も多い設定値を自己の設定値として設定する(ステップS26)。
【0099】
なお、ステップS20からステップS23の処理を実行するCPU261が、図9における取得部265に相当し、ステップS24及びステップS25の処理を実行するCPU261が図9における決定部266に相当し、ステップS26の処理を実行するCPU261が図9における設定部267に相当する。
【0100】
次に、実施例2においてグループ情報制御部26が実行する処理を具体的に説明するため、図15に示すプリンタ20−9の個別グループ情報を更新する場合について、図14で示したフローチャートの処理と対応させながら説明する。図15(A)は、新しいグループ決定する前の個別グループ情報を示した図である。
プリンタ20−9は、操作・表示部25が個別グループ情報の更新操作を受付けるまでは、グループG4に属していたため、グループIDには「グループG4」が記憶されており、各機能に設定値も設定されている。
【0101】
プリンタ20−9のグループ情報制御部26は、操作・表示部25が個別グループ情報の更新操作を受付けたので(図14:ステップS20/YES)、統合グループ情報取得要求を制御部22へ出力する(図14:ステップS22)。
【0102】
グループ情報制御部26は、全スキャナから統合グループ情報を取得すると(図14:ステップS23/YES)、グループ毎・機能毎に設定された重み係数と機能の有無とに基づいて、各グループに属するプリンタ毎にポイントを算出する(図14:ステップS24)。重み係数は、図15(B)に示されるように、グループ毎・機能毎に設定される。グループG1では、節電モードの有無およびカラーコピー機能について重み係数が「5」であり、カラープリント機能および印刷上限枚数設定機能について重み係数が「1」である。
【0103】
グループ情報制御部26は、プリンタ20−9に機能があれば1ポイント、プリンタ20−9に機能が無ければ0ポイントとして、機能に設定された重み係数との乗算を実行する。そして、グループ情報制御部26は、機能毎の乗算結果を総和してポイントを算出する。
まず、グループ情報制御部26は、グループG1のポイントを算出する。プリンタ20−9は、節電モードを有する。そして、グループG1における節電モードの重み係数は5である。従って、グループ情報制御部26は、1ポイントと重み係数の5を乗算する。同様にして、グループ情報制御部26は、機能毎に乗算を行う。プリンタ20−9にはカラーコピー機能、カラープリント機能および印刷上限枚数設定機能が無いため、各機能の乗算結果は0となる。従って、グループ情報制御部26は、乗算結果を総和して、グループG1のポイントを5ポイントと算出する。
グループ情報制御部26が同様の処理をグループG2についても行う。グループG2のポイントは1ポイントとなる。
【0104】
従って、グループ情報制御部26は、プリンタ20−9を分類するグループとして、最もポイントが高いグループG1を選択する(図14:ステップS25)。
その後の処理は、実施例1での説明と重複するため、省略する。
【0105】
図15(C)(1)は、グループ決定後、プリンタ20−9の個別グループ情報記憶部27が記憶する個別グループ情報の一例であり、図15(C)(2)は、グループ決定後、スキャナ10−1のグループ情報記憶部17が記憶する統合グループ情報の一例である。個別グループ情報のデータ及び統合グループ情報のデータは、実施例1での説明と重複するため、説明を省略する。
【0106】
以上の説明から明らかなように、実施例2によれば、グループの用途・目的に合わせて機能毎に重み係数を設定することにより、グループの用途・目的に合ったプリンタ20が分類される可能性が高まる。より詳しく説明すると、実施例2のグループG1では、節電モードおよびカラーコピー機能に対する重み係数が「5」と、他の機能と比較して重い重み付けがされている。従って、例えば、グループG1が、電力消費の低減を目的としており節電モードの有無を重要視している場合、節電モードの重み係数を大きな数としておくことで、節電モードを有するプリンタがグループG1に分類される可能性が高くなる。
【0107】
上述した実施例は、本発明の実施例の一部である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
実施例では、スキャナ・プリンタ環境を用いて説明したが、ネットワークに接続され、グループ管理されるFAX、コピー機、あるいはプリント機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能およびコピー機能のうちいずれかを複合的に有する複合機等に対しても本発明を適用しても良い。
また、実施例1において、プリンタ20は自己と同一のモデルIDであるプリンタが存在しない場合には機能の有無に基づいてグループを決定する処理を実行したが、実施例2で説明した処理を実行するように構成しても良い。
【符号の説明】
【0108】
10、10−1、10−2…スキャナ
11…操作・表示部
12…制御部
13…原稿読取部
14…画像記憶部
15…印刷要求生成部
16…印刷要求送信制御部
17…グループ情報記憶部
18…グループ情報制御部
19…通信部
20、20−1〜20−9…プリンタ
21…通信部
22…制御部
23…画像処理部
24…画像形成部
25…操作・表示部
26…グループ情報制御部
27…個別グループ情報記憶部
181…CPU
182…RAM
183…ROM
184…入出力部
185…取得部
186…出力部
261…CPU
262…RAM
263…ROM
264…入出力部
265…取得部
266…決定部
267…設定部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分類された同一の装置群に属する他の装置から、該他の装置の設定情報と識別情報とを取得する取得部と、前記取得部で取得した前記識別情報と前記設定情報とを記憶する記憶部と、を有する第1の装置と、
前記第1の装置の記憶部から前記識別情報および前記設定情報を取得する取得部と、前記識別情報および前記設定情報に基づいて自己の装置群を決定する決定部と、前記決定部で決定した装置群に属する装置の前記設定情報に基づいて自己に設定情報を設定する設定部と、を有する第2の装置と、
を有する情報設定システム。
【請求項2】
前記識別情報は、前記他の装置の型式に関する情報を含み、
前記決定部は、前記他の装置の型式及び前記第2の装置の型式に基づいて、自己の装置群を決定することを特徴とする請求項1に記載の情報設定システム。
【請求項3】
前記識別情報は、前記他の装置が有する機能に関する情報を含み、
前記決定部は、前記他の装置が有する機能及び前記第2の装置が有する機能に基づいて、自己が属する装置群を決定することを特徴とする請求項1または2に記載の情報設定システム。
【請求項4】
前記識別情報は、前記他の装置が有する機能に関する情報を含み、
前記決定部は、前記機能に設定された重み付けと前記第2の装置が前記機能を有するか否かとに基づいて、自己の装置群を決定することを特徴とする請求項1または2に記載の情報設定システム。
【請求項1】
分類された同一の装置群に属する他の装置から、該他の装置の設定情報と識別情報とを取得する取得部と、前記取得部で取得した前記識別情報と前記設定情報とを記憶する記憶部と、を有する第1の装置と、
前記第1の装置の記憶部から前記識別情報および前記設定情報を取得する取得部と、前記識別情報および前記設定情報に基づいて自己の装置群を決定する決定部と、前記決定部で決定した装置群に属する装置の前記設定情報に基づいて自己に設定情報を設定する設定部と、を有する第2の装置と、
を有する情報設定システム。
【請求項2】
前記識別情報は、前記他の装置の型式に関する情報を含み、
前記決定部は、前記他の装置の型式及び前記第2の装置の型式に基づいて、自己の装置群を決定することを特徴とする請求項1に記載の情報設定システム。
【請求項3】
前記識別情報は、前記他の装置が有する機能に関する情報を含み、
前記決定部は、前記他の装置が有する機能及び前記第2の装置が有する機能に基づいて、自己が属する装置群を決定することを特徴とする請求項1または2に記載の情報設定システム。
【請求項4】
前記識別情報は、前記他の装置が有する機能に関する情報を含み、
前記決定部は、前記機能に設定された重み付けと前記第2の装置が前記機能を有するか否かとに基づいて、自己の装置群を決定することを特徴とする請求項1または2に記載の情報設定システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2010−198360(P2010−198360A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−42843(P2009−42843)
【出願日】平成21年2月25日(2009.2.25)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月25日(2009.2.25)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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