説明

情報認識装置

【課題】3次元空間で描いた軌跡を文字等として認識することができる情報認識装置を提供すること。
【解決手段】
筐体2と、筐体2に配置され、筐体2の3軸方向における加速度を検出する加速度検出部11と、加速度検出部11によって検出された検出値に基づいて、筐体2が変位した軌跡に基づく仮想平面を設定する仮想ループ生成部13と、加速度検出部11の検出値に基づいて、仮想平面に対する筐体の軌跡を情報として認識する認識部14を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報の認識を行う機能を有する情報認識装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、パーソナルコンピュータ等の電子機器では、マウスやタブレット等を用いて、手書きによる軌跡データが入力され、当該軌跡データを軌跡データとして取り込んだり、又は当該軌跡データを様々な形式のデータ(文字データや画像データ等)に変換して取り込む機能が備えられている。
【0003】
また、特許文献1では、3次元空間において、入力装置を操作することにより、表示部に表示されているオブジェクトを迅速にズームイン(拡大)又はズームアウト(縮小)する技術が提案されている。
【0004】
また、特許文献2では、空間上に描かれたパターンを特定の平面上のストロークとして記憶し、そのストロークデータと、予め登録されているストロークデータが一致した場合に所定のデータに置換する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−257037号公報
【特許文献2】特開2009−187565号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、表示部に表示されているオブジェクトの縮尺を単に変更するのであれば、特許文献1に提案される技術で可能であるが、3次元空間で描いた軌跡を2次元の文字や図形として認識する場合には、特許文献2に提案されているように、物理的な筆記表面のような2次元平面が必要となる。
【0007】
本発明は、物理的な2次元平面を必要とせず、3次元空間で描いた軌跡を文字等として認識することができる情報認識装置を提供することを一つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る情報認識装置は、上記課題を解決するために、筐体と、前記筐体に配置され、前記筐体の3軸方向における加速度を検出する加速度検出部と、前記加速度検出部によって検出された検出値に基づいて、前記筐体が変位した軌跡に基づく仮想平面を設定する仮想平面設定部と、前記加速度検出部の検出値に基づいて、前記仮想平面に対する前記筐体の軌跡を情報として認識する認識部を備える構成である。
【0009】
また、情報認識装置では、前記仮想平面設定部は、前記軌跡の終点の座標位置が前記軌跡の始点の座標位置の所定範囲に入ったことを条件に、前記仮想平面を設定する構成でも良い。
【0010】
また、情報認識装置では、前記認識部は、前記加速度検出部の検出値に基づいて、前記筐体が前記仮想平面から所定の距離以上離れたことを条件に情報の入力の停止又は終了を判断する構成でも良い。
【0011】
また、情報認識装置では、タイマ部を備え、前記認識部は、前記仮想平面に対して前記加速度検出部による検出が行われてから前記タイマ部の計時に基づいて、所定の時間内に前記加速度検出部による検出が完了した場合には、前記仮想平面に対する前記筐体の軌跡を文字情報として認識し、前記所定の時間外に前記加速度検出部による検出が完了した場合には、当該仮想平面に対する前記筐体の軌跡を図形情報として認識する構成でも良い。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、3次元空間で描いた軌跡を文字等として認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】情報認識装置の構成を示すブロック図である。
【図2】仮想ループの生成方法についての説明に供する図である。
【図3】情報認識装置の動作についての説明に供するフローチャートである。
【図4】仮想ループに対して描かれた軌跡についての説明に供する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
情報認識装置1は、図1に示すように、筐体2と、加速度検出部11と、処理部12と、仮想ループ生成部13(仮想平面設定部)と、認識部14と、電源部15と、通信部16と、メモリ17を備える。
筐体2は、先端部がテーパー状に形成されてなる。例えば、筐体2は、ユーザが手に持って文字や絵を描くのに適したペン型の形状に形成されている。
【0015】
加速度検出部11は、先端部の付近に配置され、筐体2の変位に応じて3軸方向における加速度を検出する。このようにして、情報認識装置1は、加速度検出部11が筐体2の先端部の付近に配置されることによって、ユーザにより描かれた軌跡を3軸方向の変位として最適に検出することができる。
【0016】
処理部12は、加速度検出部11により検出された検出値を仮想ループ生成部13又は認識部14に供給する。具体的には、処理部12は、仮想ループLを生成するときには、加速度検出部11により検出された検出値を仮想ループ生成部13に供給し、生成された仮想ループLに対する描かれた軌跡を情報として認識するときには、加速度検出部11により検出された検出値を認識部14に供給する。
【0017】
仮想ループ生成部13は、加速度検出部11によって検出された検出値に基づいて、空間上に描かれた軌跡を示す仮想ループLを生成する。また、仮想ループ生成部13は、生成した仮想ループLの情報(座標値)をメモリ17に記憶させる構成であっても良い。また、仮想ループ生成部13は、仮想ループLを生成後に、所定の時間が経過しても仮想ループLに対して軌跡が描かれない場合には、メモリ17に記憶している仮想ループLの情報を削除する構成でも良い。
【0018】
認識部14は、仮想ループ生成部13により生成された仮想ループLに対して軌跡が描かれることにより、加速度検出部11による検出が行われた場合には、当該加速度検出部11の検出値に基づいて、当該仮想ループLに対して描かれた軌跡を情報として認識する。
【0019】
ここで、仮想ループLについて説明する。例えば、仮想ループLは、ユーザによって任意の空間に対して描かれる仮想的に概ね閉じられたループのことである。また、仮想ループLの形状及び大きさは、ユーザの操作によって自由に決まるものであり、制限はない。よって、仮想ループLの形状は、円形形状や四角形状等の様々な形状が考えられる。
【0020】
また、電源部15は、情報認識装置1の各部に対して電源を供給する。
通信部16は、有線又は無線によって外部機器と通信可能なように、所定の規格に準拠して構成されており、認識部14により認識された情報を外部機器に送信する機能を有している。例えば、外部機器が表示部の場合には、情報認識装置1により描かれた軌跡の情報が表示される。
【0021】
このようにして、情報認識装置1は、タブレットのような物理的な2次元平面を必要とせずに、3次元空間で描いた軌跡を情報として認識することができる。
【0022】
また、仮想ループ生成部13は、一連の操作によって、終点の座標位置が始点の座標位置の所定範囲に入ったことを条件に、仮想ループLを生成する構成でも良い。
【0023】
厳密に言えば、仮想ループLの始点と終点が空間上で結ばれないと閉ループを生成することができないが、実際の空間上で仮想ループLを視覚化することができないため、始点と終点を一致させることは困難であると予測される。そこで、仮想ループ生成部13は、空間上における終点の座標位置が始点の座標位置の所定の範囲に入ったことを条件にして、仮想ループLを生成する構成を採用する。このようにして情報認識装置1は、仮想ループLを簡易に生成することができる。
【0024】
また、仮想ループ生成部13は、図2に示すように、空間上の任意の場所に始点Psを定め、半円弧状のループL1を描いて終点Peを定めた場合、すなわち、終点Peを検出して以降、加速度検出部11から検出値が供給されない場合、始点Psと終点Peを結ぶ補助線L2を生成して仮想ループLを生成しても良い。
【0025】
また、認識部14は、加速度検出部11の検出値に基づいて、先端部が仮想ループLから所定の距離以上離れたことを条件に情報の入力の停止又は終了を判断する構成でも良い。
【0026】
認識部14は、仮想ループLに対して軌跡が描かれて、先端部が仮想ループLから所定の距離以上離れた場合、すなわち、仮想ループLが生成されている座標範囲から所定の距離以上離れた検出値を加速度検出部11が検出した場合には、情報の入力の停止又は停止を判断する。
【0027】
このように構成されることにより、情報認識装置1は、仮想ループLに対して一つ目の軌跡を描き終えたときに、仮想ループLから所定の距離離すことにより、一つ目の軌跡による情報を認識し、その後、仮想ループLに対して二つ目の軌跡を描くようにして、一連の操作を行うことにより、複数の情報を一つひとつ認識することができる。
【0028】
また、情報認識装置1は、タイマ部18を備える構成でも良い。
このような構成の場合には、認識部14は、仮想ループLに対して加速度検出部11による検出が行われてからタイマ部18による計時に基づいて、所定の時間内に加速度検出部11による検出が完了した場合には、当該仮想ループLに対して描かれた軌跡を文字情報として認識し、所定の時間外に加速度検出部11による検出が完了した場合には、当該仮想ループLに対して描かれた軌跡を図形情報として認識する。
【0029】
なお、認識部14は、上述したこととは逆に、仮想ループLに対して加速度検出部11による検出が行われてからタイマ部18による計時に基づいて、所定の時間外に加速度検出部11による検出が完了した場合には、当該仮想ループLに対して描かれた軌跡を文字情報として認識し、所定の時間内に加速度検出部11による検出が完了した場合には、当該仮想ループLに対して描かれた軌跡を図形情報として認識する構成でも良い。
【0030】
ここで、所定の時間とは、数秒から数十秒を想定するが、それ以下でも良いし、それ以上でも良い。また、情報認識装置1は、ユーザの好みに応じて、所定の時間の設定を自由に行える構成であっても良い。
【0031】
このようにして、情報認識装置1は、タイマ部18により計時される所定の時間を基準にして、仮想ループLに対して描かれた軌跡を文字情報又は図形情報として認識するので、ユーザによる意思を最適に反映することができる。
【0032】
つぎに、情報認識装置1による具体的な動作の流れについて、図3に示すフローチャートを参照しながら説明する。なお、以下では、仮想ループLを作成し、当該仮想ループLに対して軌跡を描き、当該軌跡から文字情報を認識するための一連の動作について説明を行う。
【0033】
ステップST1において、情報認識装置1は、ユーザが空間中に任意のループを書き始めたことを認識する。具体的には、処理部12は、加速度検出部11により検出された検出値と、そのときのタイマ部18による時刻情報を仮想ループ生成部13に供給する。なお、ステップST1の工程では、処理部12は、メモリ17を参照し、仮想ループLが既に生成されているか否かを判断し、まだ仮想ループLが生成されていないことを条件に、加速度検出部11により検出された検出値と、そのときのタイマ部18による時刻情報を仮想ループ生成部13に供給する。
【0034】
ステップST2において、仮想ループ生成部13は、処理部12から供給された加速度検出部11の検出値G(空間上の座標値(G、G、G))と、タイマ部18により計時された時刻情報(t)とに基づいて、仮想ループLを構成するための座標情報P(x、y、z、t)を生成し、メモリ17に記憶する。例えば、仮想ループ生成部13は、ある時刻(T)における加速度検出部11の検出値Gnと、前回時刻(Tn−1)との時間間隔(Δt)より、座標情報Pn(x、y、z、t)をメモリ17に記憶する。
【0035】
ステップST3において、情報認識装置1は、ユーザが仮想ループLを書き終えたかどうかを判断する。具体的には、仮想ループ生成部13は、処理部12を介して、加速度検出部11から検出値が供給されているかどうかによって、仮想ループLを書き終えたかどうかを判断する。仮想ループLを描き終えたと判断した場合(No)には、ステップST4に進み、仮想ループLを描き終えていないと判断した場合(Yes)には、ステップST5に進む。
【0036】
ステップST4において、仮想ループ生成部13は、タイマ部18の計時に基づいて、次の時刻(n+1)における検出値が加速度検出部11から供給される。なお、情報認識装置1は、所定の時間間隔(例えば、0.1秒間ごとの間隔)で加速度検出部11の検出値を仮想ループ生成部13に供給する。また、情報認識装置1は、仮想ループLを生成するだけの座標情報がメモリ17に記憶されたと判断するまで、ステップST2〜ステップST4の工程の処理を実行する。
【0037】
ステップST5において、仮想ループ生成部13は、メモリ17上において、すべての座標情報に基づいて仮想ループLを生成する。なお、本実施例では、仮想ループLは、仮想的に想定される平面(仮想平面)であるとして説明を行う(図4を参照)。
【0038】
ステップST6において、ユーザによる操作に応じて、一文字目の軌跡の入力を受け付ける。具体的には、処理部12は、加速度検出部11により検出された検出値と、そのときのタイマ部18による時刻情報を認識部14に供給する。なお、ステップST6の工程では、処理部12は、メモリ17を参照し、仮想ループLが既に生成されているか否かを判断し、仮想ループLが生成されており、かつ、仮想ループLに対して軌跡が描かれたことを条件に、加速度検出部11により検出された検出値と、そのときのタイマ部18による時刻情報を認識部14に供給する。
【0039】
ステップST7において、認識部14は、処理部12から供給された加速度検出部11の検出値G(空間上の座標値(G、G、G))と、タイマ部18により計時された時刻情報(t)とに基づいて、一の文字を構成するための座標情報P(x、y、z、t)を生成し、メモリ17に記憶する。例えば、仮想ループ生成部13は、ある時刻(T)における加速度検出部11の検出値Gmと、前回時刻(Tm−1)との時間間隔(Δt)より、座標情報Pm(x、y、z、t)をメモリ17に記憶する。
【0040】
ステップST8において、情報認識装置1は、ユーザが一の文字を書き終えたかどうかを判断する。具体的には、認識部14は、仮想ループLに対して一の文字に相当する軌跡を描き終えたかどうかを判断する。軌跡を描き終えたと判断した場合(Yes)には、ステップST10に進み、軌跡を描き終わっていないと判断した場合(No)には、ステップST11に進む。
【0041】
ここで、認識部14は、仮想ループLに対して軌跡が描かれて、先端部が仮想ループLから所定の距離以上離れた場合、すなわち、仮想ループLが生成されている座標範囲から所定の距離以上離れた検出値を加速度検出部11が検出した場合に、一つの文字に相当する軌跡を描き終えたと判断するが、特にこれに限られない。例えば、認識部14は、加速度検出部11からの検出値が所定時間以上、変位しない場合に、一つの文字に相当する軌跡を描き終えたと判断しても良い。
【0042】
ステップST9において、認識部14は、タイマ部18の計時に基づいて、次の時刻(m+1)における検出値が加速度検出部11から供給される。なお、情報認識装置1は、所定の時間間隔(例えば、0.1秒間ごとの間隔)で加速度検出部11の検出値を認識部14に供給する。また、情報認識装置1は、一つの文字に相当する座標情報がメモリ17に記憶されたと判断するまで、ステップST7〜ステップST9の工程の処理を実行する。
【0043】
ステップST10において、認識部14は、仮想ループLに対して描かれた軌跡に基づく座標情報に、文字区切り符号を設定する。
【0044】
ステップST11において、情報認識装置1は、ユーザが文字の入力を終えたかどうかを判断する。具体的には、認識部14は、処理部12を介して、加速度検出部11から検出値が供給されているかどうかによって、文字の入力を終えたかどうかを判断する。文字の入力を終えたと判断した場合(Yes)には、ステップST12に進み、文字の入力を終えていないと判断した場合(No)には、ステップST6に戻る。
【0045】
ここで、認識部14は、仮想ループLに対して軌跡が描かれて、先端部が仮想ループLから所定の距離以上離れた場合、すなわち、仮想ループLが生成されている座標範囲から所定の距離以上離れた検出値を加速度検出部11が検出した場合に、一つの文字に相当する軌跡を描き終えたと判断するが、特にこれに限られない。例えば、認識部14は、加速度検出部11からの検出値が所定時間以上、変位しない場合に、一つの文字に相当する軌跡を描き終えたと判断しても良い。
【0046】
ステップST12において、認識部14は、メモリ17上において、座標情報に基づいて文字情報を認識する。具体的には、認識部14は、図4に示すように、仮想ループLに対して描かれた軌跡に基づく座標情報Xを処理し、ひらがなの「あ」を認識する。
【0047】
<仮想ループLの生成方法の例>
つぎに、仮想ループ生成部13による仮想ループLの生成方法についての例を説明する。なお、情報認識装置1は、GPS(Global Positioning System)により位置情報(緯度(x)、経度(y))を取得する位置情報取得部(不図示)と、地表からの高さ情報(z)を検出する高度検出部(不図示)を備えるものとする。
【0048】
仮想ループ生成部13は、メモリ17を参照して、タイマ部18により計時された時刻情報のうち、最も古い時刻情報(t)に対応する加速度検出部11の検出値Gに基づいて、仮想ループLの開始点を算出する。なお、仮想ループLの開始点は、位置情報取得部から取得される位置情報(x、y)と、高度検出部による高さ情報(z)から、座標情報P1(x、y、z、t)として算出される。
【0049】
このようにして、仮想ループ生成部13は、メモリ17を参照して、タイマ部18により計時された時刻情報と、加速度検出部11により検出された検出値に基づいて、仮想ループLを構成する開始点を含む各点の座標情報を算出し、算出した座標情報を結合することにより仮想ループLを生成する。
【0050】
また、情報認識装置1は、電話による通話を行うことが可能な電話通信機能を備えることにより、以下の使用形態が考えられる。
情報認識装置1は、上述の方法によって、仮想ループLを生成し、当該仮想ループLに対して複数桁の数字を示す軌跡を描き、これを電話番号として認識する。そして、情報認識装置1は、所定の動作(例えば、本体を振動させる)を行うことにより、電話通信機能を起動し、認識した電話番号を宛先として電話発信を行う。
【0051】
また、情報認識装置1は、メールによる通信を行う機能を行うことが可能なメール通信機能を備えていても良い。このような構成の場合には、情報認識装置1は、上述の方法によって、仮想ループLを生成し、当該仮想ループLに対して複数の文字を示す軌跡を描き、これをメールのメッセージとして認識し、次に、当該仮想ループLに対して複数の英数字記号を示す軌跡を描き、これをメールの宛先として認識する。そして、情報認識装置1は、所定の動作(例えば、本体を振動させる)を行うことにより、メール通信機能を起動し、認識した宛先に対して、認識したメールメッセージを送信する。
【0052】
また、以下に、情報認識装置1の主な利点について列挙する。なお、情報認識装置1は、以下の利点以外にも多くの利点を有している。
【0053】
情報認識装置1は、照明を必要とせず、わずかな自由空間さえあれば、屋内屋外に関わらず、直感的に文字情報や図形情報等を入力することができる。
【0054】
また、情報認識装置1は、例えば、ペン型の形状に形成されているので、困難な操作を要しない文字区切り検出を併用することにより、文字抽出率を高めることができる。
【0055】
また、情報認識装置1は、使用するシチュエーションに応じて、ユーザによる容易な所作によって、所望する大きさや形状等の仮想ループLを作成することができる。
【0056】
また、情報認識装置1は、結果的に、3次元空間に作成した空間文字を2次元の平面文字に変換する際の仮想ループLを最適化することができ、文字認識率を高めることができる。
【0057】
なお、仮想ループLの生成方法としては、上述以外でも良く、例えば、LEDやレーザ等の光線や、超音波等の音波を用いて、地表からの高さを検出するように構成しても良い。また、ユーザが空間に任意のループを描き始める前に、情報認識装置1を振るなどの所定の動作を行い、この動作をトリガーとして仮想ループの始点を決める構成でも良い。
【符号の説明】
【0058】
1 情報認識装置
2 筐体
11 加速度検出部
12 処理部
13 仮想ループ生成部
14 認識部
15 電源部
16 通信部
17 メモリ
18 タイマ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体に配置され、前記筐体の3軸方向における加速度を検出する加速度検出部と、
前記加速度検出部によって検出された検出値に基づいて、前記筐体が変位した軌跡に基づく仮想平面を設定する仮想平面設定部と、
前記加速度検出部の検出値に基づいて、前記仮想平面に対する前記筐体の軌跡を情報として認識する認識部を備える情報認識装置。
【請求項2】
前記仮想平面設定部は、前記軌跡の終点の座標位置が前記軌跡の始点の座標位置の所定範囲に入ったことを条件に、前記仮想平面を設定する請求項1記載の情報認識装置。
【請求項3】
前記認識部は、前記加速度検出部の検出値に基づいて、前記筐体が前記仮想平面から所定の距離以上離れたことを条件に情報の入力の停止又は終了を判断する請求項1又は2に記載の情報認識装置。
【請求項4】
タイマ部を備え、
前記認識部は、前記仮想平面に対して前記加速度検出部による検出が行われてから前記タイマ部の計時に基づいて、所定の時間内に前記加速度検出部による検出が完了した場合には、前記仮想平面に対する前記筐体の軌跡を文字情報として認識し、前記所定の時間外に前記加速度検出部による検出が完了した場合には、当該仮想平面に対する前記筐体の軌跡を図形情報として認識する請求項1から3のいずれか一項に記載の情報認識装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−208602(P2012−208602A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−72315(P2011−72315)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】