説明

情報通信端末

【課題】携帯時の小型化を図りつつ、使用時には表示手段の画像表示面をより大きくして表示することができる情報通信端末を提供する。
【解決手段】情報通信端末10の第2筺体30は画像表示用開口30aを有し、その画像表示用開口の面積が変化するように画像表示用開口に隣接する筺体端部31を筺体本体に対して移動可能に構成されている。情報通信端末10は、画像表示用開口30aから画像表示面の少なくとも一部が露出するように前記筺体に収納された可撓性を有するシート状の表示部材17と、筺体端部31の位置で表示部材17を折り曲げた状態で、筺体端部31の移動に伴って画像表示用開口30aから露出している画像表示面の露出部分の面積が変化するように、第2筺体30に収納された表示部材17を支持する表示部材支持手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を表示可能な情報通信端末に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報通信端末として携帯電話機やモバイル型パーソナルコンピュータが普及している。携帯電話機は通話機能に加えてインターネットの閲覧機能やワンセグによるテレビ視聴機能が付加されてきており、液晶等の表示部は大きい方が利用者にとって使いやすい。また、モバイル型パーソナルコンピュータにおいてもインターネットを閲覧したり、文書を作成したりするためには表示部の画面サイズが大きい方が使いやすい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、携帯電話機は持ち運んで携帯することを前提に製造されているため、液晶等の表示部を本体より大きくすることはできず、表示部の大型化には限界がある。また、モバイル型パーソナルコンピュータも本体を小型軽量化するために表示部も小型化せざるを得ない。
【0004】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、携帯時の小型化を図りつつ、使用時には表示手段の画像表示面をより大きくして表示することができる情報通信端末を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る情報通信端末は、画像表示用開口を有し、該画像表示用開口の面積が変化するように該画像表示用開口に隣接する筺体端部を筺体本体に対して移動可能に構成された筺体と、前記画像表示用開口から画像表示面の少なくとも一部が露出するように前記筺体に収納された可撓性を有するシート状の表示部材と、前記筺体端部の位置で前記表示部材を折り曲げた状態で、前記筺体端部の移動に伴って前記画像表示用開口から露出している前記画像表示面の露出部分の面積が変化するように、前記筺体に収納された前記表示部材を支持する表示部材支持手段と、を備える。
【0006】
前記情報通信端末において、前記表示部材支持手段は、前記表示部材を支持しながら前記画像表示用開口の面積を変化させるように前記筺体本体に対して移動可能に設けられた可動支持部材と、前記筺体端部の位置で前記表示部材を折り曲げる表示部材折り曲げ手段と、を備えてもよい。
また、前記情報通信端末において、前記表示部材折り曲げ手段は、前記表示部材の画像表示面とは反対側の裏面に外周面が接触し前記可動支持部材の移動に伴って回転可能に該可動支持部材に軸支されたローラ部材を備え、前記可動支持部材は、前記表示部材の画像表示面の前記ローラ部材の外周面に支持されている部分に接触又は近接して対向するように設けられた折り曲げガイド部を備えてもよい。
また、前記情報通信端末において、前記表示部材の前記画像表示用開口から露出している露出部分の大きさの変化を検出する検出手段と、前記検出手段の検出結果に基づいて、前記表示部材の画像表示面への画像の表示を制御する制御手段と、を更に備えてもよい。
また、前記情報通信端末において、前記表示部材のたわみを防ぐたわみ防止手段を更に備えてもよい。
また、前記情報通信端末において、前記たわみ防止手段は、前記表示部材の端部を引っ張る向きに付勢する付勢手段を有してもよい。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、表示部材の画像表示面の画像表示用開口から露出している露出部分の面積を小さくして携帯時の小型化を図り、使用時には当該表示部材の露出部分の面積を大きくし画像表示面をより大きくして画像を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】(a)は本発明の一実施形態に係るユーザ端末装置の一構成例を示す外観図。(b)は同ユーザ端末装置の表示画面を拡大した状態を示す外観図。
【図2】のハードウェア構成の一例を示すブロック図。
【図3】(a)はユーザ端末装置の第2筺体(表示画面部)の分解斜視図。(b)はA−A’断面図。
【図4】(a)及び(b)はそれぞれユーザ端末装置の第2筺体の正面図及びA−A’断面図。
【図5】(a)及び(b)はそれぞれ同ユーザ端末装置の第2筺体の表示画面を拡大した状態の正面図及びA−A’断面図。
【図6】図5(a)中のB部の拡大断面図。
【図7】ユーザ端末装置の制御系の一構成例を示すブロック図。
【図8】ディスプレイドライバの動作の一例を説明するフローチャート。
【図9】(a)及び(b)はそれぞれ他の実施形態に係るユーザ端末装置の第2筺体の正面図及びA−A’断面図。
【図10】(a)及び(b)はそれぞれ同ユーザ端末装置の第2筺体の表示画面を拡大した状態の正面図及びA−A’断面図。
【図11】同ユーザ端末装置の制御系の一構成例を示すブロック図。
【図12】(a)は更に他の実施形態に係るユーザ端末装置の斜視図。(b)は同ユーザ端末装置の表示画面を拡大した状態の斜視図。
【図13】(a)は図12(a)の第2筐体のC−C’断面図。(b)は図12(b)の第2筐体のC−C’断面図。
【図14】(a)は更に他の実施形態に係るユーザ端末装置の斜視図。(b)は同ユーザ端末装置の表示画面を拡大した状態の斜視図。
【図15】(a)及び(b)はそれぞれ、更に他の実施形態に係るユーザ端末装置におけるローラ回転補助手段を備えた第2筺体の側面図及び平面図。(c)は、同ローラ回転補助手段を構成するギヤ機構の部分拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1(a)及び(b)は本発明の一実施形態に係る表示画面の大きさを変更することができる情報通信端末としての携帯電話機等の移動体通信端末であるユーザ端末装置(UE:User Equipment)10の一構成例を示す外観図である。図1(a)は通常の大きさの表示画面の状態を示し、図(b)は表示画面を拡大した状態を示している。ユーザ端末装置10は、図中上下方向に互いにスライド可能に構成された第1筺体20と第2筺体30とからなり、これらをスライドして収納すると、第1筺体20が第2筺体30で覆われた状態になる。また、図1(a)に示す状態で第2筺体30の筺体端部であるサイドカバー31を右方向に引っ張ると、サイドカバー31が右方向にスライドする。このスライド動作に伴って、折り曲げ可能な可撓性を有する略長方形状のシート状の表示部材であるフレキシブルディスプレイ17の筺体内部に収納されていた部分の表示画面が画像表示用開口30aから露出し、図1(b)に示すように表示画面を拡大できる構成になっている。この表示画面の大きさの変更については後述する。
【0010】
図2はユーザ端末装置10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。ユーザ端末装置10は、システムバス100、処理制御部を構成するプロセッサとしてのCPU101、RAM102やROM103等の記憶装置、入力装置104、出力装置105、移動体通信ネットワーク側と無線通信する無線通信装置106、ワンセグ放送等の放送局から送信される電波放送を選局して受信するチューナー装置107を備えている。CPU101やRAM102等の構成要素は、システムバス100を介して、互いに各種データやプログラムの命令等のやり取りを行っている。
【0011】
CPU101は、上記記憶装置から所定のプログラムを読み込んで実行することにより、ネイティブ側の電話機プラットフォームの基本ソフトOS上で、音声通話機能や、TV視聴機能及びアプリケーションソフト(以下「アプリケーション」という。)による各種機能を実現することができる。このアプリケーションによる機能としては、WEBブラウザー、メーラー、音楽再生、動画表示、外部装置とのデータ送受信、アドレス帳管理、スケジューラ、メモ帳等がある。このWEBブラウザー、メーラー、音楽再生、動画表示等のアプリケーションを起動し、そのアプリケーション上で各種メッセージ(メール)の送受信を行ったり、受信したメッセージに含まれるテキストや画像(静止画、動画)コンテンツや音声や音楽等のオーディオコンテンツを出力したり、配信情報を出力したりすることができる。
【0012】
入力装置104は、データ入力キー(テンキー、*キー、#キー)11、通話開始キー12、終話キー13、スクロールキー14、多機能キー15、マイク16、WEBアクセスキー19等から構成されている(図1(a)参照)。この入力装置104のテンキー11、通話開始キー12、終話キー13等により、利用者が操作可能な操作部が構成される。この操作部を操作することにより、利用者は、各種メッセージを送受信したり、メッセージに添付されている画像ファイルを展開して表示したり、音楽ファイルを展開して再生したり、配信情報を出力したり、テレビ放送を視聴したり、アプリケーションプログラムを選択して実行したりすることができる。また、利用者は上記操作部を操作することにより、情報取得先のURL等のデータを入力したり、電話着信の際に通話の開始及び終了を行ったり、アプリケーションプログラムの選択、起動及び停止を行ったりすることができる。また、利用者は上記操作部を操作することにより、移動体通信ネットワーク上のサーバから画像ファイル、音楽ファイル、アプリケーションプログラム等のコンテンツをダウンロードして登録することができる。
【0013】
出力装置105は、フレキシブルディスプレイ17、スピーカ18、図示しない振動デバイス等から構成されている。フレキシブルディスプレイ17は、折り曲げ可能な略長方形状のシート状の表示部材であり、詳細は後述する。フレキシブルディスプレイ17やスピーカ18等からなる出力装置で構成されている出力部は、移動体通信ネットワーク側から各種メッセージ及び配信情報やその着信通知を受信した旨を利用者に知らせたり、各種テキストやテレビ放送等の画像(動画、静止画)をフレキシブルディスプレイ17に表示したり、各種音声や音楽をスピーカ18から出力したりするときに用いられる。上記受信した配信情報、メッセージ及びそれらの着信通知の受信を利用者に知らせるときは、出力部のフレキシブルディスプレイ17に着信報知画像を表示したり、スピーカ18から着信音を出力させたりする。
【0014】
また、出力装置105は、移動体通信ネットワークを介して受信した配信情報やWEBページのコンテンツをフレキシブルディスプレイ17に表示したり、移動体通信ネットワークから配信情報等を着信した旨を利用者に知らせたりするときにも用いられる。また、出力装置105は、上記ゲーム等のアプリケーションプログラムの実行中に、そのプログラム実行に関連した画像の表示や音の出力に用いたり、WEBサーバから受信した情報を表示したりするときにも用いられる。
なお、スピーカ18は、通話中の音声を聞くための受話器用スピーカ(レシーバ)と、着信音や音楽などを出力する外部出力用スピーカとを別々に設けて構成してもいいし、これらの受話器用スピーカ及び外部出力用スピーカを兼用するように一つのスピーカで構成してもよい。
【0015】
出力装置105を構成する振動デバイスは、マナーモード(サイレントモード)設定時などに音声電話を着信したりメッセージや各種配信情報を受信したりしたときに、ユーザ端末装置10の全体を振動させ、その着信等を利用者に知らせるように制御することができる。
【0016】
無線通信装置106は、変復調器、シンセサイザ、周波数変換器,高周波増幅器などにより構成され、基地局と所定の周波数及び通信方式で無線通信を行い、移動体通信ネットワークを介して他のユーザ端末装置や各種サーバ等と通信するときに用いられる。この無線通信装置106は、移動体通信ネットワークを介して他のユーザ端末装置と各種メッセージのやり取りを行ったり、移動体通信ネットワークからゲートウェイサーバを介して、インターネット等の外部の移動体通信ネットワークに接続し、インターネット上の通信端末との各種メッセージのやり取り等を行ったりするための通信手段としても用いられる。更に、この無線通信装置106は、移動体通信ネットワークを介して、ダウンロードサーバが提供するアプリケーションプログラムをダウンロードしたり、現在位置の位置情報を含む配信情報を受信したりする情報受信手段としても用いられる。
【0017】
また、ユーザ端末装置10は、利用者が移動体通信ネットワーク上のサーバからアプリケーションのプログラムをダウンロードして登録し、その登録済みのアプリケーションをユーザが任意に選択して実行可能に構成してもよい。この利用者が選択実行可能なアプリケーションとして、テレビのワンセグ放送番組を受信して表示するためのTV放送受信用のアプリケーションを登録しておいてもよい。
【0018】
なお、ユーザ端末装置10は、携帯電話機等の移動体通信端末に限定されるものではなく、例えば、PDA(Personal Digital Assistants)やノート型のパソコン等の情報通信端末であってもよい。
【0019】
図3(a)は第2筺体30の分解斜視図であり、図3(b)は図3(a)のA−A’断面図である。第2筺体30は、筺体本体としての本体側支持筺体32と、可動支持部材としてのスライダ33と、表示部材としてのフレキシブルディスプレイ17と、本体側支持筺体32に対して移動可能な筺体端部としてのサイドカバー31とを備える。本体側支持筺体32は、スライダ33、フレキシブルディスプレイ17、サイドカバー31を支持するベースとなっており、例えば高強度樹脂の成形品又はアルミダイカスト等の鋳造品で構成される。本体側支持筺体32の外枠とサイドカバー31とにより、フレキシブルディスプレイ17の表示画面の一部が露出する画像表示用開口30aが形成されている。
【0020】
スライダ33は、断面略正方形の一対のスライドアーム331、332と、中空ローラ等からなるローラ部材333と、一対のスライドアーム331、332に設けられた位置決めストッパ335と、位置決めストッパ335を外側に付勢するコイルスプリング(後述の図6参照)とを備える。一方のスライドアーム331は本体側支持筺体32に設けられたスライドガイド孔32aとスライド可能に嵌合し、もう一方のスライドアーム332はスライドガイド孔32bとスライド可能に嵌合している。ローラ部材333は、例えばステンレス等の金属材料からなり、その回転軸であるローラシャフト334が図示しない軸受で回転自在に支持されている。ローラ部材333の外周の半径はフレキシブルディスプレイ17の最小曲げ半径以上となっている。ローラ部材333の外周表面にはウレタンゴム等の滑り止めを施してもよい。
【0021】
フレキシブルディスプレイ17は、自由に折り曲げることができるシート状の表示部材であり、例えば電気泳動ディスプレイ(EPD:Electro Phoretic Display)を用いることができる。この電気泳動ディスプレイは、モノクロ表示の電子ペーパーとして用いることもでき、その最小曲げ半径5mm程度である。また、フレキシブルディスプレイ17としては、最小曲げ半径が電気泳動ディスプレイよりもやや大きい有機EL(Organic Electro Luminescence)ディスプレイを用いることも可能である。図示の例では、フレキシブルディスプレイ17の長手方向の左側端部には複数の電極171が設けられており、本体側支持筺体32の図示しない電極と電気的に接続され、行方向(横方向)及び列方向(縦方向)の表示制御用信号が供給される。また、フレキシブルディスプレイ17の長手方向における移動可能な端部には、その端部を強度的に補強する補強部材172が設けられている。なお、フレキシブルディスプレイ17の裏面にアラミドフィルム等のベース層を設け、たわみを防いでよりフラットな表示画面を実現しつつ、折り曲げ耐久性を向上させてもよい。
【0022】
サイドカバー31は、ローラ部材333を覆うようにスライダ33に組み付けられている。これらのサイドカバー31及びスライダ33とを用いて表示部材折り曲げ手段が構成されている。ローラ部材333とサイドカバー31に形成された折り曲げガイド部31aとの間にフレキシブルディスプレイ17を挟み込むようにして折り曲げることができる。また、サイドカバー31の下端には、フレキシブルディスプレイ17を裏面側から覆いながらフレキシブルディスプレイ17をガイドする背面カバーガイド部31bが形成されており、この背面カバーガイド部31bにより、ディスプレイの表示画面の拡大時にフレキシブルディスプレイ17がガイドされるとともにフレキシブルディスプレイ17が裏面側に露出するのを防止できる。また、背面カバーガイド部31bにより、フレキシブルディスプレイ17が本体側支持筺体32の内部に収納されるときに、フレキシブルディスプレイ17の長手方向における移動可能な端部にある補強部材172が本体側支持筺体32の内壁等に干渉するのを防ぐことができる。
なお、図3の構成例では、第2筺体30の上下長手方向(ディスプレイ拡大方向と直交する方向)における中央部のみを背面側からカバーするように背面カバーガイド部31bが設けられているが、この背面カバーガイド部31bは、ディスプレイの表示画面の拡大時によって開いた開口部の全体を裏面側から覆うように設けてもよい。
【0023】
図4(a)及び(b)はそれぞれ通常の表示画面の状態を示す第2筺体30の正面図及びA−A’断面図である。また、図5(a)及び(b)はそれぞれ表示画面を拡大した状態を示す第2筺体30の正面図及びA−A’断面図である。図4に示す状態は、通常の大きさの表示画面となっており、フレキシブルディスプレイ17の画像表示用開口30aから露出していない拡大画面部分は折り曲げられてサイドカバー31及び本体側支持筺体32の内部に収納されている。この状態でサイドカバー31を右側に引っ張ると、サイドカバー31及びスライダ33が右方向にスライドする。このスライド動作に伴ってサイドカバー31及び本体側支持筺体32の内部に収納されていたフレキシブルディスプレイ17の拡大画面部分が表面に露出し、図5に示すように表示画面が拡大する。
【0024】
図6は、図5(a)中のB部拡大断面図である。上述したようにスライドアーム332には、位置決めストッパ335がコイルスプリング336により図中下側に付勢された状態でストッパ格納孔332aに格納されている。また、本体側支持筺体32のスライドガイド孔32bの内側には、スライドアーム332が引き出されたときに、位置決めストッパ335と対向する位置に位置決め孔32dが設けられていている。コイルスプリング336の付勢力により位置決めストッパ335の頭部が、位置決め孔32dと係合し、スライドアーム332が所定の位置で位置決めされる。なお、図示しないが、上記位置決め機構はスライドアーム331と本体側支持筺体32のスライドガイド孔32aにも設けられている。
【0025】
本体側支持筺体32には、スライドアーム332の端部を検出するアーム端部検出器34が設けられている。このアーム端部検出器34は、スライドアーム332の端部に設けられた被検知部としての磁石34aと組み合わせて用いるホール素子等の磁気センサで構成されている。表示画面が拡大されてスライドアーム332が右端に達して位置決めされると、スライドアーム332の端部に設けられた磁石34aとアーム端部検出器34とが対向し、アーム端部検出器34によってスライドアーム332の端部が検出され、アーム端部検出器34から制御部に所定の端部検出信号が出力される。この端部検出信号により、制御部では画面が拡大表示されたことを認識し、拡大画面用の表示制御に切り替えることができる。アーム端部検出器34としては、発光素子及び受光素子を組み合わせてスライドアーム332の端部を光学的に検出するものや、スライドアーム332の端部に当接するレバー等が機械的に動くことによって接点のオン/オフが切り換わる接点方式のマイクロスイッチを用いることもできる。
【0026】
図7はユーザ端末装置10の制御系の一構成例を示すブロック図である。本制御系は、本体制御部310と、無線制御部320と、表示出力制御部350と、音声入出力制御部340とを備えている。
【0027】
本体制御部310は、主制御部311と、内部メモリ312と、拡大ディスプレイ開閉検出部313と、キー操作部314とを備えている。主制御部311は、無線制御部320、表示出力制御部350及び音声入出力制御部340などと信号の送受信を行って各部を制御する機能を有するものであり、CPU101等で構成される(図2参照)。内部メモリ312はプログラムやデータを記憶しておく機能を有するものであり、RAM102やROM103に相当する(図2参照)。拡大ディスプレイ開閉検出部313は、フレキシブルディスプレイ17の一部である第2ディスプレイ17bが裏側に折り曲げられて表示されない通常のディスプレイ状態である「閉」状態か、第2ディスプレイ17bが引き出されて表側に露出しディスプレイの表示画面が拡大した状態である「開」状態かを検出するセンサであり、前述のアーム端部検出器34に相当する(図6参照)。この拡大ディスプレイ開閉検出部313は、フレキシブルディスプレイ17の画面表示面のうち画像表示用開口30aから露出している露出部分(露出画像表示面)の大きさの変化を検出する検出手段として機能する。
キー操作部314は、テレビ放送チャネルの切り替えやインターネットの閲覧操作、通話操作を行う機能を有しており、前述のデータ入力キー11、通話開始キー12、終話キー13、スクロールキー14、多機能キー15、WEBアクセスキー19等に相当する(図1参照)。
【0028】
無線制御部320は、基地局と無線通信を行い通話やメールの送受信、インターネット閲覧等を行うとともに、ワンセグ放送等のデジタルTV放送電波を受信する機能を有しており、無線通信装置106及びチューナー装置107に相当する(図2参照)。
【0029】
表示出力制御部350は、表示制御部351と、第1列電極駆動部352と、第2列電極駆動部353と、行電極駆動部354とを備えている。表示制御部351は主制御部311から入力された画像信号に基づいてフレキシブルディスプレイ17に出力するビデオ信号を生成する。第1列電極駆動部352は、表示制御部351からの制御信号に基づき行電極駆動部354と協働してフレキシブルディスプレイ17の一部である左側の第1ディスプレイ17aに文字や画像を表示するようにフレキシブルディスプレイ17を駆動する。第2列電極駆動部353は、表示制御部351からの制御信号に基づき行電極駆動部354と協働してフレキシブルディスプレイ17の一部である右側の第2ディスプレイ17bに文字や画像を表示するようにフレキシブルディスプレイ17を駆動する。第1ディスプレイ17aは表示面が常に表側に向いていて画像表示可能な状態となっている。一方、第2ディスプレイ17bは裏側に折り曲げて収容可能となっており、収容された閉状態では画像を表示しないが、引き伸ばして表示面が表側に向いた開状態のときに画像を表示することができる。
【0030】
音声入出力制御部340は、音声信号処理部341と、スピーカ342と、ヘッドセット343と、マイク344とを備えている。音声信号処理部341は、主制御部311から入力された音声信号に基づいてスピーカ342又はヘッドセット343に出力する音声信号を生成し出力するとともに、マイク344から入力された音声信号を処理する制御部である。スピーカ342はフレキシブルディスプレイ17に表示されている画像に対応した音声を出力したり、音楽を出力したりする機能を有し、スピーカ18に相当する(図1参照)。ヘッドセット343はステレオヘッドフォンであり図示しないステレオミニジャックを図示しないステレオミニ端子に接続することによってスピーカ342の出力を右出力343Rと左出力343Lとに切り替えて出力する。マイク344は、通話時に利用者が話した音声を集音し音声信号処理部341に入力する。
【0031】
図8は、上記構成の制御系を備えたユーザ端末装置10における画像表示動作の一例を説明するフローチャートである。図8の初期状態は、拡大ディスプレイ開閉検出部313が、拡大ディスプレイとしての第2ディスプレイ17bが収納された「閉」状態を検出し、第1ディスプレイ17aのみに画像を表示し第2ディスプレイ17bには画像を表示しない制御が行われる状態である(S101)。また、第2ディスプレイ17bへの出力コンテンツ及び音声出力の初期設定として、第2ディスプレイ17bにはコンテンツAの画像が出力され、ヘッドセット343からの音声出力は左右両側から出力できるように設定されている(S101)。この初期状態から、利用者がフレキシブルディスプレイ17の表示画面を拡大するように操作して第2ディスプレイ17bを引き出した「開」状態にすると、拡大ディスプレイ開閉検出部313がその「開」状態を検出し(S102)、第1ディスプレイ17aに加えて第2ディスプレイ17bが画像表示用開口30aから露出し表示画面が拡大した画像表示が可能となる。すると、第2ディスプレイ17aには「表示を拡大しますか?」のポップアップが表示される(S103)。ここで「はい」を選択すると、第1ディスプレイ17aと第2ディスプレイ17bとを合わせた拡大表示画面を一つの画面として拡大表示する(S104)。この状態で利用者がフレキシブルディスプレイ17の表示画面を元の通常サイズにするように操作して第2ディスプレイ17bを筺体内に収納した「閉」状態にすると、拡大ディスプレイ開閉検出部313がその「閉」状態を検出し(S105)、第2ディスプレイ17bへの画像表示を停止し第1ディスプレイ17aのみに画像を縮小して表示する(S106)。
【0032】
また、上記第1ディスプレイ17aと第2ディスプレイ17bとを合わせた拡大表示画面に画像を表示する状態において、メニュー操作で「2画面同時閲覧」を選択すると(S107)、第1ディスプレイ17aの表示画面への画像表示がそのまま継続表示されるとともに、第2ディスプレイ17bの表示画面には他の画像、例えば本例の場合はコンテンツAの画像が表示される(S108)。上記ステップS103において、「表示を拡大しますか?」のポップアップ表示に対して「いいえ」を選択した場合も同様の表示画面となる。そして、メニュー操作で「音声はどちらもヘッドセットから出力」を選択すると(S109)、ヘッドセットの左出力343Lには第1ディスプレイ17aの音声が出力され、右出力343Rには第2ディスプレイ17bの音声が出力される(S110)。一方、メニュー操作で「音声はどちらもヘッドセットから出力」を選択しない場合(S109でNo)には、ヘッドセットの音声は同一のコンテンツ、例えば第1ディスプレイ17aの音声を左出力343Lと右出力343Rからステレオ出力する(S111)。そして、メニュー操作で「第1・第2ディスプレイの画像表示をスワップする」を選択すると(S112)、第1ディスプレイ17aと第2ディスプレイ17bの表示がスワップする(S113)。すなわち表示が左右逆になる。これに伴って音声出力も左右逆に出力される(S113)。また、メニュー操作で「1画面拡大閲覧」を選択すると(S114)、第1ディスプレイ17aと第2ディスプレイ17bとを合わせた拡大表示画面の全体を一つの表示画面として、例えば第1ディスプレイ17aに表示されていた画像が拡大表示される(S104)。
【0033】
以上、本実施形態によれば、フレキシブルディスプレイ17を用いて表示画面の大きさを変更することができるので、画面を大きくして拡大表示したり、拡大した画面に左右別々の画像を表示したりすることができる。また、フレキシブルディスプレイ17の一部である第2ディスプレイ17bを使用しないときは筐体内にコンパクトに収納することができ、持ち運び時に携帯しやすく便利である。
【0034】
なお、本実施形態ではフレキシブルディスプレイ17を右側に広げて画面を拡大する構成について説明したが、表示画面を左側や上側もしくは下側に拡大できるように構成したり、表示画面を左右両側に拡大できるように構成してもよい。
【0035】
図9及び10は他の実施形態におけるフレキシブルディスプレイ17を左右両側に拡大可能に構成した第2筺体30の一構成例の説明図である。図9(a)及び(b)はそれぞれ拡大する部分が閉じた状態を示す第2筺体30の正面図及びA−A’断面図であり、図10(a)及び(b)はそれぞれ左右に拡大した状態を示す第2筺体30の正面図及びA−A’断面図である。図9に示すように、第2筺体30は、本体側支持部材としての本体側支持筺体35と、その左右両側でスライド移動可能な2つの可動支持部材としての右サイドカバー36と左サイドカバー37とを備えており、フレキシブルディスプレイ17の左右両側部分が本体側支持筺体35の内部に折り曲げられて収納されている。そして、この状態から右サイドカバー36と左サイドカバー37とをそれぞれ左右方向に移動させて広げると、フレキシブルディスプレイ17の内部に収納されていた部分が表側に露出し、図10に示すように、表示画面の大きさが約2倍に拡大する。なお、フレキシブルディスプレイ17の表示画面は3分割して表示してもよい。
【0036】
図11は画面を3分割して表示することができるユーザ端末装置10の制御系の一構成例を示すブロック図である。フレキシブルディスプレイ17は、第1ディスプレイ17a、第2ディスプレイ17b、第3ディスプレイ17cの3つに分割されている。図示の制御系は、これらの3つにディプレイ17a〜17cを切り替えて表示することができるように、各ディプレイ17a〜17cにそれぞれ対応した第1列電極駆動部352、第2列電極駆動部353、第3列電極駆動部356を備えている。これらの列電極駆動部352、353、356は表示制御部351からの制御信号に基づき行電極駆動部354と協働してフレキシブルディスプレイ17のディプレイ17a〜17cそれぞれに文字や画像を表示する。3つのディスプレイ17a〜17cにはそれぞれ異なるコンテンツを表示してもよいし、一つのコンテンツを拡大表示してもよい。また、例えば第1ディスプレイ17aと第2ディスプレイ17bとに同一のコンテンツを表示し、第3ディスプレイ17cには異なるコンテンツを表示し、同時に2つのコンテンツを表示しても良い。
【0037】
音声入出力制御部340では、表示画面に対応した音声出力を行うが、例えばスピーカ342から第1ディスプレイ17aの音声を出力し、ヘッドセット343の右出力343Rから第2ディスプレイ17bの音声を出力し、左出力343Lから第3ディスプレイ17cの音声を出力するようにしても良い。メニュー操作で声出力を選択することができる。
【0038】
また、上記実施形態では、ユーザ端末装置10の第2筺体30の厚み以下の最小曲げ半径を有するフレキシブルディスプレイを用いた構成について説明したが、これよりも最小曲げ半径が大きいフレキシブルディスプレイを用いることもできる。
【0039】
図12は更に他の実施形態に係るユーザ端末装置10の構成の斜視図である。この実施形態では、サイドカバー31の厚みがユーザ端末装置10の本体厚み(第1筺体20と第2筺体30とを合わせた厚み)と同じ程度に設定されている。図12(a)は表示画面を拡大していない通常のディスプレイ状態を示し、図12(b)は表示画面を拡大した状態を示す。また、図13(a)は通常のディスプレイ状態のC−C’断面図であり、図13(b)は表示画面を拡大した状態のC−C’断面図である。
【0040】
図12、13の例によれば、サイドカバー31の厚みが第1筺体20と第2筺体30とを合わせたユーザ端末装置10の本体の厚みと同じ程度に設定されているので、ローラ部材333の外径を上記図3〜5,9,10の実施形態よりも大きくすることができる。これにより、上記図3〜5,9,10の実施形態に比べてフレキシブルディスプレイ17の最小曲げ半径を大きくすることができ、フレキシブルディスプレイ17の選択の幅が広がるとともに設計上の自由度を向上させることができる。
【0041】
また、図13(b)に示すようにフレキシブルディスプレイ17のたわみ防止手段を設けてもよい。図示の例では、上記たわみ防止手段として、フレキシブルディスプレイ17の端部を引っ張る向きに付勢する付勢手段としてのコイルスプリング39を設けている。コイルスプリング39は、第2筺体30の本体側支持筺体32の内壁部と、フレキシブルディスプレイ17の長手方向における移動可能な端部にある補強部材172との間に設けられている。コイルスプリング39は、周囲の部材との接触による破損を防止するために、変形可能な材料で形成された筒状のカバー部材で覆ったり、所定のガイド溝やガイドパイプ等の内部で伸縮するように配設したりしてもよい。このコイルスプリング39により、フレキシブルディスプレイ17の移動可能な端部が図中左側に引っ張られるように付勢されるため、フレキシブルディスプレイ17の画像表示面のたわみを防ぎ、よりフラットな画面表示を実現することができる。また、フレキシブルディスプレイ17の収納時にコイルスプリングの付勢力によってフレキシブルディスプレイ17を筺体内部にスムーズに収納することが可能となる。
【0042】
また、図13の例において、前述の背面カバーガイド部31bは板状部材で形成され、本体側支持筺体32の背面側内壁部に形成されたスリット状のガイド溝32aの中を移動可能に構成されている。この背面カバーガイド部31bにより、ディスプレイの表示画面の拡大時にフレキシブルディスプレイ17及びコイルスプリング39が裏面側に露出するのを防止できる。
【0043】
図12及び図13の例では、フレキシブルディスプレイ17を正面から操作して右側に拡大させる構成について説明したが、左右両側に拡大させる構成とすることもできる。
図14は更に他の実施形態に係るユーザ端末装置10の厚み以下の最小曲げ半径を有し且つ左右両側に拡大可能なフレキシブルディスプレイ17を用いた構成の斜視図である。図14(a)は閉じた状態の小さい画面構成の場合を示し、図14(b)は開いた状態の大きい画面構成の場合を示す。本例によれば、3分割の画面表示が可能になるとともに、利用者が見やすい画面を提供することができる。
【0044】
図15(a)及び(b)はそれぞれ、更に他の実施形態に係るユーザ端末装置におけるローラ回転補助手段を備えた第2筺体30の側面図及び平面図である。図15(c)は、同ローラ回転補助手段を構成するギヤ機構の部分拡大図である。本例では、ギヤ機構と補助駆動ベルトとにより、フレキシブルディスプレイ17の折り曲げ部に接しているローラ部材333の回転を補助するローラ回転補助手段が構成されている。
【0045】
図15の構成例では、第2筺体30の一部を構成する本体側支持筺体32の上下端部32U,32Dの内部を移動するスライドアーム331、332それぞれに、ギヤ機構が設けられている。各ギヤ機構は、外周面に凸状の歯40aが所定ピッチで形成されたローラ状のギヤ部材40を備えている。各ギヤ部材40は、スライダ33のスライドアーム331、332と一緒に移動するように、スライドアーム331、332の中空構造になっている内部で回転可能に軸支されている。各ギヤ部材40の下端部はそれぞれ、スライドアーム331、332に形成された長孔状の開口を介して、本体側支持筺体32の背面側に露出している。この本体側支持筺体32の上下端部32U,32Dのの一部である背面側内壁部32U−IS,32D−IS上には、スライドアーム331、332と一緒に移動するギヤ部材40の移動方向に沿って延在するように、ギヤ部材40の各歯40aがかみ合って係合する凹状の切り欠きである複数の係合溝42が所定のピッチで形成されている。また、各ギヤ部材40の軸41にはギヤ側プーリが形成され、ローラ部材333のローラシャフト334の端部にはローラ側プーリが形成されている。ギヤ側プーリとローラ側プーリとの間には補助駆動ベルト44がクロスして架けられている。補助駆動ベルト44としては、例えばゴムベルトを用いることができる。このギヤ側プーリ、ローラ側プーリ及び補助駆動ベルト44を介して、各ギヤ部材40の回転力がローラ部材333に伝達される。
なお、図15の例では、スライドアーム331、332の両方にギヤ機構を設けているが、スライドアーム331、332のいずれか一方にギヤ機構を設けてもよい。
また、上記ギヤ機構としては、ラックギヤとこれと噛合うピニオンギヤとを組み合わせた一般的なラック・アンド・ピニオン構造のギヤ機構を用いてもよい。
【0046】
上記ギヤ機構により、本体側支持筺体32を固定した状態でスライダ33を図中右方向に移動させると、本体側支持筺体32の上下端部32U,32Dの背面側内壁部上の係合溝42と噛合うギヤ部材40は時計回りに回転しながら右方向に移動する(図15参照)。このギヤ部材40の回転駆動力が、補助駆動ベルト44を介してローラ部材333のローラシャフト334の端部にあるローラ側プーリに伝達されるので、ローラ部材333を反時計回りに回転させる。このローラ部材333の回転によりフレキシブルディスプレイ17が表側に露出する際の折り曲げ動作を補助することができる。一方、スライダ33を図中左方向に移動させると、本体側支持筺体32の上下端部32U,32Dの背面側内壁部上の係合溝42と噛合うギヤ部材40が反時計回りに回転しながら左方向に移動する。このギヤ部材40の回転駆動力が、補助駆動ベルト44を介してローラ部材333のローラシャフト334の端部にあるローラ側プーリに伝達されるので、ローラ部材333が時計回りに回転し、フレキシブルディスプレイ17を本体側支持筺体32の内部に導いて収納することができる。このように、フレキシブルディスプレイ17のスムーズな出し入れが可能となり、フレキシブルディスプレイ17を表側に引き出して表示画面を拡大する場合や、内部に収納する場合に良好な操作性が得られる。
【0047】
また、図15の構成例においても、上記たわみ防止手段(付勢手段)としてのコイルスプリング39を、第2筺体30の本体側支持筺体32の内壁部と、フレキシブルディスプレイ17の長手方向における移動可能な端部にある補強部材172との間に設けている。図15におけるコイルスプリング39についても、周囲の部材との接触による破損を防止するために、変形可能な材料で形成された筒状のカバー部材で覆ったり、所定のガイド溝やガイドパイプ等の内部で伸縮するように配設したりしてもよい。このコイルスプリング39により、フレキシブルディスプレイ17の端部が図中左側に引っ張られるように付勢されるため、フレキシブルディスプレイ17の画像表示面のたわみを防ぎ、よりフラットな画面表示を実現することができる。また、フレキシブルディスプレイ17の収納時にコイルスプリングの付勢力によってフレキシブルディスプレイ17を筺体内部にスムーズに収納することが可能となる。
【0048】
また、図15の構成例においても、前述のサイドカバー31を右側に引っ張ってフレキシブルディスプレイ17の画像表示面を拡大したときにスライドアーム331、332が所定の位置で位置決めされるとともに、フレキシブルディスプレイ17への画像表示制御を適切に行うことができるように構成してもよい。具体的には、前述の図6で示したように、各スライドアーム331、332の端部に、磁石34aと、ストッパ格納孔332aと、そのストッパ格納孔332aに格納されコイルスプリング336で付勢された位置決めストッパ335とを設ける。そして、本体側支持筺体32の上下端部32U,32Dには、フレキシブルディスプレイ17の画像表示面を拡大すべく各スライドアーム331、332の右側に移動したときに磁石34aと対向する位置にアーム端部検出器34が設けられ、位置決めストッパ335と対向する位置に位置決め孔32dが設けられる。
【符号の説明】
【0049】
10 ユーザ端末装置
17 フレキシブルディスプレイ
20 第1筺体
30 第2筺体
31 サイドカバー
31a 折り曲げガイド部
31b 背面カバーガイド部
32、35 本体側支持筺体
33 スライダ
34 アーム端部検出器
36 右サイドカバー
37 左サイドカバー
39 コイルスプリング
310 本体制御部
320 無線制御部
333 ローラ部材
340 音声入出力制御部
350 表示出力制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示可能な情報通信端末であって、
画像表示用開口を有し、該画像表示用開口の面積が変化するように該画像表示用開口に隣接する筺体端部を筺体本体に対して移動可能に構成された筺体と、
前記画像表示用開口から画像表示面の少なくとも一部が露出するように前記筺体に収納された可撓性を有するシート状の表示部材と、
前記筺体端部の位置で前記表示部材を折り曲げた状態で、前記筺体端部の移動に伴って前記画像表示用開口から露出している前記画像表示面の露出部分の面積が変化するように、前記筺体に収納された前記表示部材を支持する表示部材支持手段と、
を備えたことを特徴とする情報通信端末。
【請求項2】
請求項1の情報通信端末において、
前記表示部材支持手段は、
前記表示部材を支持しながら前記画像表示用開口の面積を変化させるように前記筺体本体に対して移動可能に設けられた可動支持部材と、
前記筺体端部の位置で前記表示部材を折り曲げる表示部材折り曲げ手段と、を備えることを特徴とする情報通信端末。
【請求項3】
請求項1又は2の情報通信端末において、
前記表示部材折り曲げ手段は、
前記表示部材の画像表示面とは反対側の裏面に外周面が接触し前記可動支持部材の移動に伴って回転可能に該可動支持部材に軸支されたローラ部材を備え、
前記可動支持部材は、前記表示部材の画像表示面の前記ローラ部材の外周面に支持されている部分に接触又は近接して対向するように設けられた折り曲げガイド部を備えることを特徴とする情報通信端末。
【請求項4】
請求項1、2又は3の情報通信端末において、
前記表示部材の前記画像表示用開口から露出している露出部分の大きさの変化を検出する検出手段と、
前記検出手段の検出結果に基づいて、前記表示部材の画像表示面への画像の表示を制御する制御手段と、
を更に備えることを特徴とする情報通信端末。
【請求項5】
請求項1、2、3又は4の情報通信端末において、
前記表示部材のたわみを防ぐたわみ防止手段を更に備えることを特徴とする情報通信端末。
【請求項6】
請求項5の情報通信端末において、
前記たわみ防止手段は、前記表示部材の端部を引っ張る向きに付勢する付勢手段を有することを特徴とする情報通信端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−178188(P2010−178188A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−20363(P2009−20363)
【出願日】平成21年1月30日(2009.1.30)
【出願人】(501440684)ソフトバンクモバイル株式会社 (654)
【Fターム(参考)】