説明

情報配信方法

【課題】互いに類似したプロファイルを持ち同じ領域にいる複数の利用者に対して同じ広告画像が提供されないようにすること。
【解決手段】広告制御装置40は、各携帯端末装置10について、その所在位置を広告配布地域に含む広告画像データのレコードを宣伝情報管理テーブル43から抽出し、更に、その利用者のプロファイルにプロファイル条件が合致するレコードを抽出する(ステップS107〜S110)。また、広告制御装置40は、同一広告配布地域に所在するとともに利用者のプロファイルが類似している複数の携帯端末装置10同士で、レコードが重複せぬよう、レコードの割付先を調整し(ステップS112)、その後、各携帯端末装置10について、その携帯端末装置10に割り付けられているレコードの格納位置情報にて特定される広告画像データ41を、その携帯端末装置10に送信する(ステップS115、S116)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末装置に情報を配信するためのプログラム及び装置に、関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載された携帯端末システムは、サーバが、キー入力部側の表示部とは別の表示部を背面側に有する携帯電話機に対し、その背面側表示部に広告画像を表示するための広告画像データを配信するというものである。この携帯端末システムによると、利用者が、第三者の目に触れやすい背面側表示部に広告画像を表示すれば、広告提供企業は、利用者だけでなく第三者にも宣伝できるようになる。また、広告提供企業は、その宣伝の見返りとして、利用者の携帯電話機の利用料金の一部を肩代わりできるため、広告画像の表示についての利用者の意欲を刺激でき、その結果として、より宣伝効果が高まることとなる。
【0003】
特許文献2に記載されたデータ処理システムは、放送局(のサーバ)が、テレビジョン受像器の近傍に配置された受信ボックスを通じて視聴者の携帯端末から視聴者のプロファイル情報を取得し、そのプロファイル情報に基づいてその視聴者が宣伝対象となる広告を多数の広告の中から選択し、その選択した広告をテロップとして表示するための情報をテレビジョン受像器に送信するというものである。このデータ処理システムによると、視聴者が視聴しているテレビジョン受像器に対し、その視聴者の生活や趣味や嗜好に密接に関連する広告が、表示されるようになるため、広告主は、効果のある宣伝手段を得ることができる。
【0004】
ところで、特許文献2記載のデータ処理システムにおけるプロファイル情報を携帯端末から収集する技術と、プロファイル情報に基づいて広告を選択する技術とを、特許文献1に記載された携帯端末システムに応用すると、サーバは、受信ボックスのような中継装置の通信可能範囲に存在する複数の携帯電話機に対し、その携帯電話機の利用者の生活や趣味や嗜好に密接に関連する広告画像を、的確に提供することができるようになる。このため、広告提供企業は、特許文献1記載の携帯端末システムよりも高い効果のある宣伝手段を、得ることができる。
【0005】
しかしながら、この場合、中継装置の通信可能範囲に、互いに類似のプロファイルを持つ利用者が複数存在していると、それら利用者の携帯電話機の背面側表示部に、同じ広告画像が表示されることとなり、複数の携帯電話機に多種類の広告画像が表示されている場合に比べて、宣伝効果が上がらないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−336581号公報(段落0024〜0026)
【特許文献2】特開2002−074153号公報(段落0124〜0135)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前述した従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題は、互いに類似したプロファイルを持ち同じ領域にいる複数の利用者に対して同じ広告画像が提供されないようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために案出された情報配信方法は、コンピュータが、筐体の外面に表示装置を有するとともに測位機能を有する複数の携帯端末装置のそれぞれについて、その携帯端末装置を特定するための識別情報と、その携帯端末装置の利用者のプロファイルとを含むレコードを、記憶装置内の第1テーブルに記憶する第1の記憶手順、広告を表示するための複数の画像データのそれぞれについて、その画像データが格納されている位置を特定する格納位置情報と、その広告が配布されるべき対象となる利用者のプロファイルの条件と、その広告が配布されるべき地域を特定する地域情報とを含むレコードを、記憶装置内の第2のテーブルに記憶する第2の記憶手順、前記第1のテーブル内の各レコードについて、そのレコード内の識別情報が特定する携帯端末装置から、その携帯端末装置の測位機能により生成される位置情報を、通信装置を通じて取得する取得手順、前記第2のテーブル内のレコードの中から、前記取得手順で携帯端末装置から取得した位置情報が特定する位置を前記地域情報が特定する地域に含んでいるレコードを抽出し、記憶装置内の第3のテーブルに記録する抽出手順、前記第1のテーブル内の各レコードに対し、そのレコード内のプロファイルが合致しているプロファイル条件を含むレコードを前記第3のテーブルから抽出して割り付ける割付手順、前記第3のテーブル内のレコードのうち、前記割付手順により前記第1のテーブル内の複数のレコードに対して割り付けられたレコードに対し、その割付先を何れか1つのレコードに特定する特定手順、前記第1のテーブル内の各レコードについて、そのレコードに割り付けられているレコード内の格納位置情報にて特定される位置から画像データを読み出す読出手順、及び、前記第1のテーブル内の各レコードについて、そのレコード内の識別情報が特定する携帯端末装置へ、前記読出手順で読み出した画像データを、通信装置を通じて送信する送信手順を実行することを、特徴としている。
【0009】
このように構成されると、コンピュータは、各携帯端末装置について、その所在位置を広告配布地域に含む広告画像データのレコードを第2のテーブルから抽出して第3のテーブルに記録するとともに、その利用者のプロファイルにプロファイル条件が合致するレコードを第3テーブルから抽出するよう、動作する。さらに、コンピュータは、同一広告配布地域に所在するとともに利用者のプロファイルが類似している複数の携帯端末装置同士で、第3のテーブルから抽出したレコードが重複せぬよう、レコードの割付先を調整し、その後、各携帯端末装置について、その携帯端末装置に割り付けられているレコードの格納位置情報にて特定される画像データを、その携帯端末装置に送信するよう、動作する。このように作用するため、互いに類似したプロファイルを持ち同じ領域にいる複数の利用者の携帯端末装置に対し、同じ画像データは、提供されないこととなる。
【発明の効果】
【0010】
このように、本発明によれば、互いに類似したプロファイルを持ち同じ領域にいる複数の利用者に対して同じ広告画像が提供されないようになる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施形態のコンピュータネットワークシステムの構成図
【図2】携帯端末装置の構成図
【図3】広告制御装置の構成図
【図4】宣伝者情報管理テーブルのデータ構造の一例を示す図
【図5】宣伝情報管理テーブルのデータ構造の一例を示す図
【図6】利用者情報管理テーブルのデータ構造の一例を示す図
【図7】広告送信履歴管理テーブルのデータ構造の一例を示す図
【図8】利用料金管理テーブルのデータ構造の一例を示す図
【図9】広告送信処理の流れを示す図
【図10】広告送信処理の流れを示す図
【図11】広告送信処理の流れを示す図
【図12】割引反映処理の流れを示す図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態について、詳細に説明する。
【0013】
図1は、本実施形態のコンピュータネットワークシステムの構成図である。
【0014】
図1に示すように、本実施形態のコンピュータネットワークシステムは、携帯端末装置10、中継装置20、宣伝者端末装置30、及び、広告制御装置40からなる。このうち、携帯端末装置10以外の装置20〜40は、ネットワークNを介して通信自在に接続されている。
【0015】
携帯端末装置10は、通信サービスを運営するキャリアによって利用者に提供された携帯電話機やPDA[Personal Digital Assistant]である。この携帯端末装置10の構成については、図2を用いて後述する。
【0016】
中継装置20は、携帯端末装置10とネットワークN上の図示せぬコンピュータとの間でデータを中継する装置であり、前述したキャリアが管理する各地の基地局内に、設置されている。この中継装置20は、電柱やビル屋上などに設置された図示せぬアンテナを幾つか備えており、そのアンテナを通じて携帯端末装置10との間で電波の形態でデータを遣り取りする。
【0017】
宣伝者端末装置30は、携帯端末装置10の利用者へ商品やサービスの宣伝を行う事業者(宣伝者)が使用する端末装置である。この宣伝者端末装置30は、電子メールの送受信及び編集を実現するためのメーラー、及び、インターネットアクセスを実現するためのウェブブラウザが導入された一般的なパーソナルコンピュータである。従って、宣伝者端末装置30は、図示していないが、液晶ディスプレイ等の表示装置と、キーボードやマウス等の入力装置と、これら装置が接続された本体とからなる。また、その本体は、ストレージユニット,CPU[Central Processing Unit],及び、メモリユニットを、内蔵し
ている。なお、ストレージユニットは、各種のプログラム及び各種のデータを記憶するユニットである。CPUは、ストレージユニット内のプログラムに従って処理を行うユニットである。メモリユニットは、ストレージユニットから読み出されたプログラムがキャッシュされたりCPUの作業領域が展開されたりするユニットである。メーラーやウェブブラウザは、ストレージユニットに導入されている。
【0018】
広告制御装置40は、前述した事業者の代わりに携帯端末装置10に定期的に後述の広告画像データを送信するための装置である。この広告制御装置40の構成についても、図3を用いて後述する。
【0019】
図2は、携帯端末装置10の構成図である。
【0020】
図2に示すように、携帯端末装置10は、RFユニット10a、ベースバンド処理ユニット10b、通話用スピーカ10c、マイクロフォン10d、呼出用スピーカ10e、音源コントローラ10f、キーボタン10g、キー入力コントローラ10h、RFユニット10i、測位信号処理ユニット10j、LCD[Liquid Crystal Display]10k、LCDコントローラ10m、電子ペーパー10n、電子ペーパーコントローラ10p、ストレージユニット10q、CPU[Central Processing Unit]10r、及び、メモリユニッ
ト10sを、内蔵している。
【0021】
RFユニット10aは、搬送波をベースバンド信号波で変調して変調波をアンテナから出力したり、アンテナで受信した変調波を復調(検波)してベースバンド信号波を取り出したりするためのユニットである。ベースバンド処理ユニット10bは、ベースバンド信号に復号化及び伸長の処理を施してデジタルデータを生成したり、デジタルデータに圧縮及び符号化の処理を施してベースバンド信号を生成したりするためのユニットである。なお、このベースバンド処理ユニット10bは、音声信号のアナログデジタル変換及び逆変換の機能をも、備えている。通話用スピーカ10cは、ベースバンド処理ユニット10bから出力されるアナログの音声信号を音声に変換して外部に出力するための機器であり、マイクロフォン10dは、音声をアナログの音声信号に変換してベースバンド処理ユニット10bに入力するための機器である。
【0022】
呼出用スピーカ10eは、着信中であることを示す音声を出力するための機器である。音源コントローラ10fは、音声データをアナログの音声信号に変換するためのユニットである。キーボタン10gは、操作者によって操作される複数のボタンであり、携帯端末装置10の筐体表面に備えられている。キー入力コントローラ10hは、キーボタン10gのうちの何れかのボタンに対する押下を監視し、何れかのボタンの押下があると、そのボタンの種類に応じた割り込み信号をCPU10sに出力するユニットである。
【0023】
RFユニット10iは、上空の衛星から受信した衛星信号に対し、ダウンコンバート、サンプリング、及び、アナログデジタル変換を施すユニットである。測位信号処理ユニット10jは、衛星信号に含まれるC/Aコードの復号、及び、衛星信号に含まれる航法メッセージのデコードを行うとともに、それらC/Aコードや航法メッセージに基づいて位置情報(緯度及び経度)を算出するユニットである。LCD10kは、各種の画面を表示するための表示装置であり、携帯端末装置10の筐体表面に備えられている。LCDコントローラ10mは、画面データに基づいてLCD10kの動作を制御するためのユニットである。
【0024】
電子ペーパー10nは、周知のように、可撓性のある薄型の表示装置であり、電気的に表示内容を書き換える機能と、無通電状態で表示を維持する機能とを、備えている。電子ペーパーコントローラ10pは、画像データに基づいて電子ペーパー10nの動作を制御するためのユニットである。
【0025】
ストレージユニット10qは、各種のプログラム及び各種のデータを記憶するユニットである。CPU10rは、ストレージユニット10q内のプログラムに従って処理を行うユニットである。メモリユニット10sは、ストレージユニット10qから読み出されたプログラムがキャッシュされたりCPU10の作業領域が展開されたりするユニットである。
【0026】
このようなハードウエア構成の携帯端末装置10は、図示していないが、ストレージユニット10qに、電話帳テーブル、電話帳機能を実現するためのプログラム、電子メールの送受信及び編集を実現するためのメーラー、インターネットアクセスを実現するためのウェブブラウザといった一般的なプログラムやデータを、記憶している。更に、本実施形態では、携帯端末装置10は、ストレージユニット10qに、広告制御装置40から後述の広告画像データを受信するための受信モジュールプログラム11を、記憶している。
【0027】
図3は、広告制御装置40の構成図である。
【0028】
広告制御装置40は、携帯端末装置10に定期的に広告画像データ41を送信する機能が導入された汎用コンピュータである。従って、広告制御装置40は、図3に示すように、通信アダプタ40a、ストレージユニット40b、CPU40c、及び、メモリユニッ
ト40dを、内蔵している。なお、通信アダプタ40aは、ネットワークN上の他のコンピュータとの間でデータの遣り取りをするためのユニットである。
【0029】
このようなハードウエア構成の広告制御装置40は、ストレージユニット40bに、広告画像データ41、宣伝者情報管理テーブル42、宣伝情報管理テーブル43、利用者情報管理テーブル44、広告送信履歴管理テーブル45、利用料金管理テーブル46、広告受付プログラム47、広告送信プログラム48、及び、割引反映プログラム49を、記憶している。
【0030】
広告画像データ41は、商品やサービスの売り文句や写真がデザイン的に記述され配置された広告の画像を表示するためのデータである。この広告画像データ41は、宣伝者端末装置30の使用者である事業者(宣伝者)が事前に広告制御装置40に登録したものである。
【0031】
図4は、宣伝者情報管理テーブル42のデータ構造の一例を示す図である。
【0032】
宣伝者情報管理テーブル42は、宣伝者に係る情報を管理するためのテーブルである。図2に示すように、宣伝者情報管理テーブル42の各レコードは、「宣伝者識別情報」、「宣伝者名」、「住所」、「電話番号」及び「ウェブサイト」の各フィールドを、有している。「宣伝者識別情報」フィールドは、その宣伝者を一意に特定するための識別情報が記録されるフィールドである。「宣伝者名」フィールドは、その宣伝者の名称が記録されるフィールドである。「住所」及び「電話番号」の各フィールドは、その宣伝者の店舗がある住所及びのその店舗の電話番号がそれぞれ記録されるフィールドである。「ウェブサイト」フィールドは、その宣伝者が開設しているウェブサイトのトップページのURL[Uniform Resource Locator]が記録されるフィールドである。
【0033】
図5は、宣伝情報管理テーブル43のデータ構造の一例を示す図である。
【0034】
宣伝情報管理テーブル43は、広告画像データ41とその広告画像データ41を使った宣伝の対象とに関する情報を管理するためのテーブルである。図5に示すように、宣伝情報管理テーブル43の各レコードは、「宣伝識別情報」、「広告格納位置情報」、「宣伝者識別情報」及び「宣伝条件」の各フィールドを、有している。「宣伝告識別情報」フィールドは、広告画像データ41と宣伝条件との組み合わせからなる複数の宣伝のうち、その宣伝を一意に特定するための識別情報が記録されるフィールドである。「広告格納位置情報」フィールドは、その宣伝で使用される広告画像データ41のストレージユニット40b内での格納位置を特定するパス等の格納位置情報が記録されるフィールドである。「宣伝者識別情報」フィールドは、その宣伝の主体である宣伝者の宣伝者識別情報が記録されるフィールドである。「宣伝条件」フィールドは、その宣伝の対象となる人のプロファイルや所在位置の条件が記録されるフィールドであり、複数のサブフィールドに区分されている。この「宣伝条件」フィールドは、「性別」、「年齢層」、「趣味」、「職業」、「緯度」及び「経度」のサブフィールドを、有している。このうち、「性別」、「年齢層」、「趣味」及び「職業」の各サブフィールドは、その宣伝の対象となる人のプロファイルの条件である性別、年齢層、趣味及び職業がそれぞれ記録されるフィールドである。「緯度」及び「経度」の各サブフィールドは、その宣伝がなされるべき領域の中心の緯度及び経度がそれぞれ記録されるフィールドである。
【0035】
なお、広告制御装置40が広告画像データ41と宣伝対象とに関する情報をこの宣伝情報管理テーブル43に記憶することは、前述した第2の記憶手順に相当している。
【0036】
図6は、利用者情報管理テーブル44のデータ構造の一例を示す図である。
【0037】
利用者情報管理テーブル44は、携帯端末装置10の利用者に関する情報を管理するためのテーブルである。図6に示すように、利用者情報管理テーブル44の各レコードは、「電話番号」、「氏名」、「電子メールアドレス」、「プロファイル」及び「前回送信」の各フィールドを、有している。「電話番号」フィールドは、携帯端末装置10の電話番号が記録されるフィールドである。「氏名」フィールドは、その携帯端末装置10の利用者の氏名が記録されるフィールドである。「電子メールアドレス」フィールドは、その携帯端末装置10の電子メールアドレスが記録されるフィールドである。「プロファイル」フィールドは、その利用者のプロファイルが記録されるフィールドであり、複数のサブフィールドに区分されている。この「プロファイル」フィールドは、「性別」、「年齢」、「趣味」及び「職業」の各フィールドを、有している。これらサブフィールドは、その利用者の性別、年齢、趣味及び職業がそれぞれ記録されるフィールドである。「前回送信」フィールドは、その利用者の携帯端末装置10に広告画像データ41が送信されたことに関する最新の情報が記録されるフィールドであり、複数のサブフィールドに区分されている。この「前回送信」フィールドは、「緯度」、「経度」及び「送信時刻」の各サブフィールドを、有している。このうち、「緯度」及び「経度」の各サブフィールドは、その利用者の携帯端末装置10へ広告画像データ41が送信されたときのその携帯端末装置10の位置を特定する緯度及び経度がそれぞれ記録されるフィールドである。「送信時刻」サブフィールドは、その利用者の携帯端末装置10へ広告画像データ41が送信されたときの時刻が記録されるフィールドである。
【0038】
なお、広告制御装置40がこの利用者情報管理テーブル44に利用者に関する情報を記憶することは、前述した第1の記憶手順に相当している。
【0039】
図7は、広告送信履歴管理テーブル45のデータ構造の一例を示す図である。
【0040】
広告送信履歴管理テーブル45は、広告画像データ41を携帯端末装置10に送信した履歴に関する情報を管理するためのテーブルである。図7に示すように、広告送信履歴管理テーブル45の各レコードは、「電話番号」、「宣伝識別情報」及び「送信時刻」の各フィールドを、有している。「電話番号」フィールドは、その携帯端末装置10の電話番号が記録されるフィールドである。「宣伝識別情報」フィールドは、その携帯端末装置10へ広告画像データ41が送信された宣伝の識別番号が記録されるフィールドである。「送信時刻」フィールドは、その携帯端末装置10へ広告画像データ41が送信されたときの時刻が記録されるフィールドである。
【0041】
なお、本実施形態では、説明の便宜上、利用者情報管理テーブル44と広告送信履歴管理テーブル45を別個のファイルとして説明するが、これらを一つのファイルとして実現することも可能である。
【0042】
図8は、利用料金管理テーブル46のデータ構造の一例を示す図である。
【0043】
利用料金管理テーブル46は、携帯端末装置10の利用料金を管理するためのテーブルである。図8に示すように、利用料金管理テーブル46の各レコードは、少なくとも、「電話番号」及び「利用料金」の各フィールドを、有している。「電話番号」フィールドは、その携帯端末装置10の電話番号が記録されるフィールドである。「利用料金」フィールドは、その携帯端末装置10の利用料金が記録されるフィールドである。
【0044】
図3の広告受付プログラム47は、宣伝者からの宣伝者端末装置30を通じた要求に応じて広告画像データ41を登録するためのプログラムである。具体的には、広告受付プログラム47(に従ったCPU40c)は、宣伝者端末装置30を通じて宣伝者からアクセ
スがあると、認証処理を行う。認証処理によりアクセスが認可できたときには、広告受付プログラム47は、広告画像データ、宣伝条件に関する情報とを、宣伝者端末装置30を通じて宣伝者から取得する。その後、広告受付プログラム47は、広告画像データ41を保存するとともに、新たな広告識別情報を発行し、その広告識別情報と、保存した広告画像データ41の広告格納位置情報と、宣伝者識別情報と、宣伝条件に関する情報とを、図5の宣伝情報管理テーブル43に登録する。
【0045】
図3の広告送信プログラム48は、携帯端末装置10に定期的に広告画像データ41を送信するためのプログラムである。この広告送信プログラム48に従ってCPU40cが実行する処理の内容については、図9及び図10を用いて後述する。
【0046】
図3の割引反映プログラム49は、利用者の利用料金を割り引くためのプログラムである。この割引反映プログラム49に従ったCPU40cが実行する処理の内容については、図11を用いて後述する。
【0047】
このように構成される広告制御装置40では、CPU40cが、広告送信プログラム48を定期的に実行するようになっている。広告送信プログラム48が、ストレージユニット40bから読み出されて起動されると、広告送信処理が開始される。
【0048】
図9乃至図11は、広告送信処理の流れを示す図である。
【0049】
広告送信処理の開始後、最初のステップS101では、CPU40cは、宣伝識別情報を蓄積するためのワークテーブルをメモリユニット40d上に生成する。但し、この時点では、このワークテーブルにはレコードが1つも記録されていない。すなわち、ステップS101では、新規のワークテーブルが生成される。
【0050】
このステップS101の実行後、CPU40cは、第1の処理ループL1を実行する。第1の処理ループL1では、CPU40cは、図6の利用者情報管理テーブル44内の全てのレコードについて、一つずつ、ステップS102乃至S118の処理を、実行する。
【0051】
ステップS102では、CPU40cは、処理対象レコードの「電話番号」フィールドの値(電話番号)にて特定される携帯端末装置10へ、所定の通信回線を通じて、現時点の所在位置の位置情報(緯度及び経度)の送信を要求し、その携帯端末装置10から位置情報を取得する。
【0052】
なお、このステップS102は、前述した取得手順に相当している。
【0053】
次のステップS103では、CPU40cは、処理対象レコードの「緯度」及び「経度」の各サブフィールドの値(緯度及び経度)と、ステップS102で取得した位置情報(緯度及び経度)とに基づいて、前回送信時点から現時点までの移動距離を算出する。
【0054】
次のステップS104では、CPU40cは、ステップS103で算出した移動距離が所定の上限値未満であるか否かを、判別する。そして、移動距離が所定の上限値以上であった場合、CPU40cは、ステップS104からステップS107へ処理を分岐させる。一方、移動距離が所定の上限値未満であった場合、CPU40cは、ステップS105へ処理を進める。
【0055】
ステップS105では、CPU40cは、処理対象レコードの「送信時刻」サブフィールドの値(送信時刻)と、現時点の時刻とから、経過時間を算出する。
【0056】
次のステップS106では、CPU40cは、ステップS105で算出した経過時間が所定の上限値未満であるか否かを、判別する。そして、経過時間が所定の上限値未満であった場合、CPU40cは、この処理対象レコードに対する処理を終了する。一方、経過時間が所定の上限値以上であった場合、CPU40cは、ステップS106からステップS107へ処理を分岐させる。
【0057】
ステップS107では、CPU40cは、以下の条件で、図5の宣伝情報管理テーブル43を検索する。その条件とは、「緯度」及び「経度」の各サブフィールドの値(緯度及び経度)と、ステップS102で取得した位置情報(緯度及び経度)とに基づいて算出される距離が、所定の上限値未満であることである。すなわち、このステップS107では、処理対象レコードにて特定される携帯端末装置10の現在位置を、広告画像データ41が送信されるべき領域(「緯度」及び「経度」の各サブフィールドの値(緯度及び経度)にて特定される位置を中心とした所定の上限値を半径とする領域)内に含んでいる宣伝のレコードが、検索される。
【0058】
次のステップS108では、CPU40cは、ステップS107の検索の結果、レコードが検出できたか否かを、判別する。そして、レコードが検出できなかった場合、CPU40cは、ステップS108から処理を分岐し、この処理対象レコードに対する処理を終了する。一方、レコードが検出できた場合、CPU40cは、検出されたレコードを、図示せぬワークテーブル(ステップS101のワークテーブルとは別途用意されたもの)に記録し、その後、ステップS190へ処理を進める。
【0059】
なお、これらステップS107及びS108は、前述した抽出手順に相当している。
【0060】
ステップS109では、CPU40cは、ステップS107で検出されたレコード群の中から、更に、処理対象レコードにて特定されるプロファイル(性別、年齢、趣味、職業)を包含する宣伝条件(性別、年齢層、趣味、職業)を持つレコードを、検索する。
【0061】
次のステップS110では、CPU40cは、ステップS109の検索の結果、レコードが検出できたか否かを、判別する。そして、レコードが検出できなかった場合、CPU40cは、ステップS110から処理を分岐し、この処理対象レコードに対する処理を終了する。一方、レコードが検出できた場合、CPU40cは、ステップS111へ処理を進める。
【0062】
なお、これらステップS109及びS110は、前述した割付手順に相当している。
【0063】
ステップS111では、CPU40cは、ステップS109で検出されたレコード群の中から、そのレコード内の宣伝識別情報と処理対象レコード内の電話番号の組み合わせが図7の広告送信履歴管理テーブル45に登録されているレコードを、除去する。
【0064】
次のステップS112では、CPU40cは、ステップS110での除去後に残ったレコードの中から、同一の宣伝識別情報がワークテーブル(ステップS101で生成されたもの)に記録されているレコードを、除去する。
【0065】
次のステップS113では、CPU40cは、ステップS112での除去後に残ったレコードが複数であるか否かを、判別する。そして、残ったレコードが1つであった場合、CPU40cは、ステップS113からステップS115へ処理を分岐させる。一方、残ったレコードが複数であった場合、CPU40cは、ステップS114へ処理を進める。
【0066】
ステップS114では、CPU40cは、残った複数のレコードの中から、無作為に一
つ選択する。その後、CPU40cは、ステップS115へ処理を進める。
【0067】
なお、これらステップS109乃至S114は、前述した検索手順に相当している。
【0068】
ステップS115では、CPU40cは、当該レコードの広告格納位置情報にて特定される広告画像データ41を読み出す。
【0069】
なお、このステップS115は、前述した読出手順に相当している。
【0070】
次のステップS116では、CPU40cは、ステップS115で読み出した広告画像データ41を、所定の通信回線を通じて、処理対象レコードの「電話番号」フィールドの値(電話番号)にて特定される携帯端末装置10へ、送信する。
【0071】
なお、このステップS116は、前述した送信手順に相当している。
【0072】
次のステップS117では、CPU40cは、図6の利用者情報管理テーブル44における処理対象レコードの「前回送信」フィールドの値を、ステップS116での送信の時刻と、ステップS102で取得した位置情報とで、更新する。また、CPU40cは、図7の広告送信履歴管理テーブル45に、処理対象レコード内の電話番号と、ステップS107乃至S114で特定された一つのレコード内の宣伝識別情報と、ステップS116での送信の時刻とで、更新する。
【0073】
次のステップS118では、CPU40cは、ステップS107乃至S114で特定された一つのレコード内の宣伝識別情報を、ワークテーブル(ステップS101で生成されたもの)に追加記録する。
【0074】
なお、ステップS112及びS118は、前述した特定手順に相当している。
【0075】
CPU40cは、図6の利用者情報管理テーブル44内の全てのレコードについて、以上のステップS102乃至S118の処理を実行し終えると、図9乃至図11に係る広告送信処理を終了する。
【0076】
この広告送信処理によれば、携帯端末装置10が所定の上限値以上の距離を移動していたか、上限値以上の距離を移動していなくとも前回送信時から所定の上限値以上の時間が経過していたときには(ステップS104;いいえ、S104;いいえ)、その携帯端末装置10に送信される広告画像データ41が、選定される(ステップS107〜S114)。その選定では、各携帯端末装置10について、その携帯端末装置10の所在位置を広告画像データ41を送信すべき領域に含んでいて、尚且つ、携帯端末装置10の利用者のプロファイルが宣伝条件に合致する宣伝が、一つ以上選定される(ステップS107〜S110)。こうして、各携帯端末装置10について、幾つか宣伝が選定された後、広告画像データ41が送信済みである宣伝が除外される(ステップS111)。また、同一広告配布地域に所在するとともに利用者のプロファイルが類似している複数の携帯端末装置同士で、同一の宣伝が重複していた場合には、宣伝が重複せぬよう調整される(ステップS112)。さらに、一つの携帯端末装置に対して複数の宣伝が選定されていた場合には、無作為に1つの宣伝が決定される(ステップS113;いいえ、S114)。以上のようにして、各携帯端末装置10に対して一つの宣伝が特定され、その宣伝に係る広告画像データ41が、その携帯端末装置10へ送信される(ステップS115〜S117)。各携帯端末装置10について、定期的に、このような処理が行われるため(第1の処理ループL1)、各携帯端末装置10は、定期的に、内容の異なる広告画像データ41を受信することとなる。なお、この受信は、受信モジュールプログラム11による機能を通じて行わ
れる。
【0077】
携帯端末装置10の利用者は、広告制御装置40から広告画像データ41を受信すると、その広告画像データ41に基づく広告画像を電子ペーパー10nに表示する。これにより、広告画像は、携帯端末装置10の外観デザイン(特に模様)を構成することになる。
【0078】
その後、利用者は、宣伝者端末装置30を管理する宣伝者の店舗で買い物をする際、携帯端末装置10の筐体外面に表示された広告画像を提示して勘定をすることができる。広告画像内に例えばスタック型又はマトリクス型の二次元シンボルが含まれていれば、当該店舗の帳場での広告画像の提示の際、宣伝者は、その二次元シンボルを図示せぬリーダで読み取ることにより、電話番号や宣伝識別番号などの情報を宣伝者端末装置30に取り込むことができる。
【0079】
宣伝者は、宣伝者端末装置30に利用者の携帯端末装置10の電話番号等の情報を取り込むと、その情報とともに、利用者から広告画像の提示を受け付けた旨を、広告制御装置40へ通知することができる。宣伝者は、その通知を、例えば、広告制御装置40が宣伝者端末装置30に提供するウェブページ上の入力欄を通じて、行うことができる。
【0080】
広告制御装置40が、その情報と、広告画像の提示を受け付けた旨を、宣伝者端末装置30から受信すると、割引反映プログラム49が起動され、割引反映処理が開始される。
【0081】
図12は、割引反映処理の流れを示す図である。
【0082】
割引反映処理の開始後、最初のステップS201では、CPU40cは、図6の利用者情報管理テーブル44から、宣伝者端末装置30から受信した電話番号と同一の電話番号を含むレコードを、読み出す。
【0083】
次のステップS202では、CPU40cは、読み出したレコードの「利用料金」フィールドの値から所定の金額を差し引くことにより、割引後の利用料金を算出する。
【0084】
次のステップS203では、CPU40cは、ステップS202で算出した割引後の利用料金で、図6の利用者情報管理テーブル44内の該当レコードの「利用料金」フィールドの値を更新する。
【0085】
次のステップS204では、CPU40cは、ステップS203で利用料金が更新されたレコードの「電子メールアドレス」フィールドから電子メールアドレスを読み出し、その電子メールアドレス宛に、利用料金の割り引きに関する情報が記述された電子メールを送信する。その後、CPU40cは、図12に係る割引反映処理を終了する。
【0086】
この割引反映処理によれば、宣伝者端末装置30を管理する宣伝者の店舗で、その宣伝者による広告画像を提示して買い物をした利用者に対し、携帯端末装置10の利用料金を割り引くことができる。
【0087】
このように、本実施形態のコンピュータネットワークシステムによれば、同一広告配布地域に所在するとともに利用者のプロファイルが類似している複数の携帯端末装置に、同一の広告画像データ41が送信されない。従って、従来のシステムに比べて、高い宣伝効果を得ることができる。
【0088】
また、本実施形態では、利用者の携帯端末装置10へ送信すべき広告画像データ41が複数検出された場合に、無作為に1つの広告画像データ41が選出されるので、同じ領域
内に居て同じプロファイルを持つ複数の利用者に対し、互いに異なる内容の広告画像データ41が送信されることとなる。これにより、広告が分散化される。
【0089】
なお、本実施形態では、広告制御装置40は、宣伝者端末装置30からの通知を受けて割引反映処理を実行するものとなっていたが、割引反映処理の実行トリガは、これに限定されなくてよい。例えば、利用者が、広告画像データ41を電子ペーパー10nに表示させると、それをトリガとして、携帯端末装置10が、広告制御装置40にその旨を通知し、この通知を受けて、広告制御装置40が、割引反映処理を実行しても良い。この場合、利用者は、携帯端末装置10の電子ペーパー10nに表示された広告画像を宣伝者の店舗で提示せずとも、広告画像を電子ペーパー10nに表示しただけで、携帯端末装置10の利用料金の割り引きを受けられることとなる。
【符号の説明】
【0090】
10 携帯端末装置
10n 電子ペーパー
10p 電子ペーパーコントローラ
10q ストレージユニット
10r CPU
10s メモリユニット
11 受信モジュールプログラム
30 宣伝者端末装置
40 広告制御装置
40b ストレージユニット
40c CPU
40d メモリユニット
41 広告画像データ
42 宣伝者情報管理テーブル
43 宣伝情報管理テーブル
44 利用者情報管理テーブル
45 広告送信履歴管理テーブル
46 利用料金管理テーブル
47 広告受付プログラム
48 広告送信プログラム
49 割引反映プログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動端末の移動距離が所定の距離を越えたことの検出を行い、
該検出に応じて、移動後の該移動端末の位置を配信対象の位置範囲に含む配信情報を、それぞれ配信対象の位置範囲が設定された複数の配信情報の中から選択し、
選択した前記配信情報を前記移動端末に送信する、
ことを特徴とする情報配信方法。
【請求項2】
記憶部に記憶された、それぞれ配信対象の位置範囲が設定された複数の配信情報についての情報配信を行う情報配信方法において、
ある移動端末への前回の情報の配信から所定時間以上経過したことの検出を行い、
該検出に応じて、情報の配信履歴を記憶した記憶部を参照して、該ある移動端末の位置を配信対象の位置範囲に含む配信情報であって、該移動端末に対して未送信の配信情報を、前記複数の配信情報の中から選択し、
選択した前記配信情報を前記ある移動端末に送信する、
ことを特徴とする情報配信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−9423(P2013−9423A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−201004(P2012−201004)
【出願日】平成24年9月12日(2012.9.12)
【分割の表示】特願2007−65361(P2007−65361)の分割
【原出願日】平成19年3月14日(2007.3.14)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】