説明

感光性樹脂組成物

【課題】基材との密着性に優れ、画像形成性が良く、長時間使用されても組成物の染み出しや昇華生成物が少ないレジストパターンが形成できる感光性樹脂組成物および感光性樹脂積層体の提供。
【解決手段】(A)酸当量が100〜600であり、かつ重量平均分子量が5000〜500000であるアルカリ可溶性高分子30〜70質量%、(B)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物20〜60質量%、(C)光重合開始剤0.1〜20質量%、そしてさらに(F)455〜600nmの範囲に吸収極大を有し、かつ融点が120℃以上である非イオン性化合物を含むことを特徴とする感光性樹脂組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光性樹脂組成物および積層体に関し、密着性に優れ、着色性が良く、加熱時の色安定性に優れ、昇華物の発生が少ないレジストパターンの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子材料又は表示材料には感光性のレジストパターンを利用した微細構造材料が広く用いられている。その中にはレジストパターンが着色されていることが必要な用途も有る。例えば、液晶ディスプレイのカラーフィルター又はブラックマトリックスと呼ばれる遮光層などである。一般に着色された感光性のレジストパターンは、可視光領域の着色の目的で顔料又は染料などが添加されるが、これらの着色剤が露光波長の光線を吸収するために、底面まで露光し硬化させることが難しくなる。このような密着性の確保という課題があった。このような課題は、厚膜化した場合に顕著になるが、これに関する技術として、赤、黄及び青の顔料を配合した黒色感光性脂組成物が開示されている(特許文献1)。
【0003】
一般に、電子材料又は表示材料に永久パターンとして感光性のレジストパターンが用いられる場合は、レジストパターンと基材との密着性に優れ、画像形成性が良く、長時間使用されてもレジストパターンからの組成物の染み出し及び昇華物が少ないようなレジストパターンが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−304710号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、密着性に優れ、着色性が良く、加熱時の色安定性に優れ、昇華物の発生が少ないレジストパターンを形成できる感光性樹脂組成物および感光性樹脂積層体の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、特定の感光性樹脂組成物を用いることによって、密着性に優れ、着色性が良く、加熱時の色安定性に優れ、昇華物の発生が少ないレジストパターンを形成できることを見いだした。すなわち、本発明は、下記の通りである。
【0007】
[1] (A)酸当量が100〜600であり、かつ重量平均分子量が5000〜500000であるアルカリ可溶性高分子30〜70質量%、(B)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物20〜60質量%、(C)光重合開始剤0.1〜20質量%、そしてさらに(F)455〜600nmの範囲に吸収極大を有し、かつ融点が120℃以上である非イオン性化合物を含むことを特徴とする感光性樹脂組成物。
【0008】
[2] 前記(F)非イオン性化合物は、その分子内に下記式(I):
【化1】

{式中、Rは、水素または炭素数1〜4のアルキル基であり、そしてRは、水素、水酸基、カルボキシル基、ハロゲン基、炭素数1〜4のアルキル基、置換基を有してもよいアミノ基、置換基を有してもよいアミド基、ニトロ基、またはスルホニル基を表す。}
で表される基を有する、前記[1]に記載の感光性樹脂組成物。
【0009】
[3] 前記(F)非イオン性化合物は、その分子内に前記式(I)で表される基を2つ以上有する、前記[2]に記載の感光性樹脂組成物。
【0010】
[4] 少なくとも支持層の上に前記[1]〜[3]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物から成る感光性樹脂層が積層された感光性樹脂積層体。
【0011】
[5] 前記[4]に記載の感光性樹脂積層体を基材にラミネートする工程、露光する工程、及び現像する工程を含む、レジストパターンの形成方法。
【0012】
[6] 前記[4]に記載の感光性樹脂積層体を基材にラミネートする工程、露光する工程、現像する工程、及びベークする工程を含む、レジストパターンの形成方法。
【発明の効果】
【0013】
本発明の感光性樹脂組成物を用いれることにより、密着性に優れ、着色性が良く、加熱時の色安定性に優れ、昇華物の発生が少ないレジストパターンを形成できる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の感光性樹脂組成物は、(A)酸当量が100〜600であり、かつ重量平均分子量が5000〜500000であるアルカリ可溶性高分子30〜70質量%、(B)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物20〜60質量%、(C)光重合開始剤0.1〜20質量%、そしてさらに(F)455〜600nmの範囲に吸収極大を有し、かつ融点が120℃以上である非イオン性化合物を含むことを特徴とする。
【0015】
<(F)非イオン性化合物>
(F)非イオン性化合物について説明する。
本発明において、(F)非イオン性化合物は、455〜600nmの範囲に、より好ましくは、455〜550nmの範囲に、吸収極大を有する。
【0016】
吸収極大の波長は、密着性の観点から455nmよりも大きい。また、緑もしくは青系の染料と組み合わせた場合に十分な着色性を有するために、吸収極大の波長は600nmよりも小さい。より好ましくは、吸収極大の波長は、550nm以下である。
【0017】
本発明において、吸収極大は以下のようにして確認する。
本発明における(A)アルカリ可溶性高分子60質量部、(B)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物40質量部、及び(F)非イオン性化合物0.1質量部を、メチルエチルケトンを溶媒として固形分50質量%で均一に混合する。得られた樹脂組成物溶液をPETフィルムにバーコーターで均一に塗布する。膜厚は、乾燥後に50umとなるように調整する。得られたフィルムの透過率を波長ごとに測定し、最も吸収の大きい波長を吸収極大とする。
【0018】
(F)非イオン性化合物の融点は、昇華物発生量の観点から120℃以上である。この融点は、より好ましくは、130℃以上であり、さらに好ましくは140℃以上である。
【0019】
本発明において(F)非イオン性化合物は、下記式(I):
【化2】

{式中、Rは水素または炭素数1〜4のアルキル基、Rは水素、水酸基、カルボキシル基、ハロゲン基、炭素数1〜4のアルキル基、置換基を有してもよいアミノ基、置換基を有してもよいアミド基、ニトロ基、またはスルホニル基を表す。}
【0020】
で表される基を有する化合物を含むことが好ましい。
【0021】
は、着色性及び有機溶媒への溶解性の観点から炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましく、合成上の収率の観点から、メチル基が好ましい。Rは、吸収極大の波長、有機溶媒への溶解性、及び着色性の観点からヒドロキシル基が好ましい。
【0022】
本発明において、式(I)で表される基を有する(F)非イオン性化合物の配合量は、感光性樹脂組成物100質量部に対して0.01質量%〜1質量%が好ましい。着色性の観点から0.01質量%以上が好ましく、感光性樹脂組成物の感度の観点から1質量%以下が好ましい。(F)非イオン性化合物の配合量は、より好ましくは、0.05〜0.7質量%であり、さらに好ましくは0.1〜0.5質量%である。
【0023】
本発明において、(F)非イオン性化合物は、その分子内に前記式(I)で表される基を2つ以上有することが、着色性および耐熱性及び感光性樹脂積層体としたときの保護層への着色性の観点から好ましい。そのような化合物としては、例えば、下記式(II):
【化3】

下記式(III):
【化4】

及び下記式(IV):
【化5】

などで表される化合物が挙げられる。
【0024】
<(A)アルカリ可溶性高分子>
【0025】
次に(A)アルカリ可溶性高分子について説明する。
本発明において、(A)アルカリ可溶性高分子とは、アルカリ性水溶液に可溶な樹脂をいう。アルカリ性水溶液に可溶であれば、その他の液体に可溶であってもよい。(A)アルカリ可溶性高分子としては、カルボキシル基を含有したビニル系樹脂、ポリビニルアルコールおよびその誘導体、ポリビニルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリヒドロキシスチレンおよびその誘導体、ポリアミド酸樹脂およびその誘導体、ノボラック樹脂およびその誘導体、セルロースおよびその誘導体などを挙げることができる。中でも、有機溶媒への溶解性、感光性樹脂積層体とした場合の製膜性、及びラミネート性の観点から、カルボキシル基を含有したビニル系樹脂が好ましい。例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド等の共重合体である。
【0026】
(A)アルカリ可溶性高分子は、カルボキシル基を含有し、酸当量が100〜600である。酸当量とは、その中に1当量のカルボキシル基を有するアルカリ可溶性高分子の質量をいう。酸当量は、より好ましくは250以上450以下である。酸当量は、現像耐性が向上し、解像度及び密着性が向上する点から、100以上であり、現像性及び剥離性が向上する点から600以下である。酸当量の測定は、平沼産業(株)製平沼自動滴定装置(COM−555)を使用し、0.1mol/Lの水酸化ナトリウムを用いて電位差滴定法により行われる。
【0027】
(A)アルカリ可溶性高分子の重量平均分子量は、5,000以上500,000以下である。(A)アルカリ可溶性高分子の重量平均分子量は、現像性が向上する点から500,000以下であり、現像凝集物の性状、感光性樹脂積層体とした場合のエッジフューズ性、及びカットチップ性などの未露光膜の性状の観点から5,000以上である。エッジフューズ性とは、感光性樹脂積層体としてロール状に巻き取った場合ロールの端面から感光性樹脂組成物層がはみ出す現象をいう。カットチップ性とは未露光膜をカッターで切断した場合にチップが飛ぶ現象のことで、チップが感光性樹脂積層体の上面などに付着すると、後の露光行程などでマスクに転写し不良の原因となる。アルカリ可溶性高分子の重量平均分子量は、さらに好ましくは、20,000以上200,000以下であり、より好ましくは、40,000以上70,000以下である。重量平均分子量は、日本分光(株)製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(ポンプ:Gulliver、PU−1580型、カラム:昭和電工(株)製Shodex(登録商標)(KF−807、KF−806M、KF−806M、KF−802.5)4本直列、移動層溶媒:テトラヒドロフラン、ポリスチレン標準サンプル(昭和電工(株)製Shodex STANDARD SM−105)による検量線使用)によりポリスチレン換算として求められる。
【0028】
(A)アルカリ可溶性高分子は、後述する第一の単量体の少なくとも一種以上及び後述する第二の単量体の少なくとも一種以上から成る共重合体であることが好ましい。
【0029】
第一の単量体は、分子中に重合性不飽和基を一個有するカルボン酸又は酸無水物である。例えば、(メタ)アクリル酸、フマル酸、ケイ皮酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸無水物、及びマレイン酸半エステルが挙げられる。特に(メタ)アクリル酸が好ましい。ここで、(メタ)アクリルとは、アクリル及び/又はメタクリルを示す。以下同様である。
【0030】
第二の単量体は、非酸性で、分子中に重合性不飽和基を少なくとも一個有する単量体である。例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、iso−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ビニルアルコールのエステル類、例えば、酢酸ビニル、(メタ)アクリロニトリル、スチレン、及びスチレン誘導体が挙げられる。中でも、メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、スチレン、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートが好ましい。レジストパターンの密着性の観点からベンジル(メタ)アクリレートが好ましい。
【0031】
第一の単量体及び第二の単量体の共重合割合は、第一の単量体が10〜60質量%、第二の単量体が40〜90質量%であることが好ましく、より好ましくは第一の単量体が15〜35質量%、第二の単量体が65〜85質量%である。
【0032】
第一の単量体と第二の単量体の好ましい組み合わせとしては、以下の様な組み合わせを挙げることができる。すなわち、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸の共重合体、スチレン、メタクリル酸メチル、メタクリル酸の共重合体、スチレン、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸の共重合体、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸の共重合体、メタクリル酸ベンジル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸の共重合体などを挙げることができる。レジストパターンに適度の柔軟性を持たせかつ密着性を得る観点から、メタクリル酸ベンジル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸の共重合体の組合せが好ましい。
【0033】
(A)アルカリ可溶性高分子の配合量は、感光性樹脂組成物の全固形分100%に対して30〜70質量%の範囲であり、好ましくは40〜60質量%である。現像時間の観点から70質量%以下であり、エッジフューズ性の観点から30質量%以上である。
【0034】
<(B)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物>
次に、(B)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物について説明する。
(B)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物は、硬化性およびアルカリ可溶性樹脂との相溶性の観点から分子内にアクリロイル基を有する化合物が好ましい。
【0035】
例えば、ポリアルキレンオキシドの片方の末端に(メタ)アクリル酸を付加した化合物、又は片方の末端に(メタ)アクリル酸を付加し、他方の末端をアルキルエーテル若しくはアリルエーテル化したものなどを挙げることができる。
【0036】
このような化合物としては、ポリエチレングリコールをフェニル基に付加した化合物の(メタ)アクリレートであるフェノキシヘキサエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート又は、平均2モルのプロピレンオキサイドを付加したポリプロピレングリコールと平均7モルのエチレンオキサイドを付加したポリエチレングリコールをノニルフェノールに付加した化合物の(メタ)アクリレートである4−ノルマルノニルフェノキシヘプタエチレングリコールジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、平均1モルのプロピレンオキサイドを付加したポリプロピレングリコールと平均5モルのエチレンオキサイドを付加したポリエチレングリコールをノニルフェノールに付加した化合物の(メタ)アクリレートである4−ノルマルノニルフェノキシペンタエチレングリコールモノプロピレングリコール(メタ)アクリレートが挙げられる。平均8モルのエチレンオキサイドを付加したポリエチレングリコールをノニルフェノールに付加した化合物のアクリレートである4−ノルマルノニルフェノキシオクタエチレングリコール(メタ)アクリレート(東亞合成(株)製、M−114)も挙げられる。
【0037】
たとえば、アルキレンオキシド鎖の両末端に(メタ)アクリロイル基を有する化合物又は、エチレンオキシド鎖とプロピレンオキシド鎖とがランダムもしくはブロックで結合したアルキレンオキシド鎖の両末端に(メタ)アクリロイル基を有する化合物を挙げることができる。
【0038】
このような化合物としては、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘプタエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、オクタエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、デカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、12モルのエチレンオキシド鎖の両末端に(メタ)アクリロイル基を有する化合物などを挙げることができる。さらに、化合物中に少なくともエチレンオキシド基とプロピレンオキシド基とを含むポリアルキレンオキシドジ(メタ)アクリレート化合物が解像性、柔軟性、耐めっき性の観点から好ましい。同様の観点からさらに分子量が600〜1500であることが好ましい。より好ましくは900〜1300さらに好ましくは1000〜1200である。化合物中に少なくともエチレンオキシド基とプロピレンオキシド基とを含むポリアルキレンオキシドジ(メタ)アクリレート化合物としては例えば、平均12モルのプロピレンオキシドを付加したポリプロピレングリコールにエチレンオキシドをさらに両端にそれぞれ平均3モル付加したグリコールのジメタクリレート、平均18モルのプロピレンオキシドを付加したポリプロピレングリコールにエチレンオキシドをさらに両端にそれぞれ平均15モル付加したグリコールのジメタクリレートが挙げられる。
【0039】
また、ビスフェノールAをアルキレンオキシド変性し両末端に(メタ)アクリロイル基を有する化合物が密着性、耐めっき性の観点から好ましい。アルキレンオキシド変性にはエチレンオキシド変性、プロピレンオキシド変性、ブチレンオキシド変性、ペンチレンオキシド変性、へキシレンオキシド変性などがある。ビスフェノールAにエチレンオキシド変性し両末端に(メタ)アクリロイル基を有する化合物が好ましい。このような化合物としては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン(新中村化学工業(株)製NKエステルBPE−200)、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン(新中村化学工業(株)製NKエステルBPE−500)、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘプタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシオクタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシノナエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシウンデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシドデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサデカエトキシ)フェニル)プロパン等の2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパンなどが挙げられる。さらに、ビスフェノールAの両端にそれぞれ平均2モルのプロピレンオキサイドと平均6モルのエチレンオキサイドを付加したポリアルキレングリコールのジ(メタ)クリレート又は、ビスフェノールAの両端にそれぞれ平均2モルのプロピレンオキサイドと平均15モルのエチレンオキサイドを付加したポリアルキレングリコールのジ(メタ)クリレートなど、エチレンオキシド変性およびプロピレンオキシド変性した化合物も好ましい。これらビスフェノールAをアルキレンオキシド変性し両末端に(メタ)アクリロイル基を有する化合物中のエチレンオキシドのモル数は密着性、耐メッキ性、柔軟性の観点から10モル以上30モル以下が好ましく、10モル以上20モル以下がより好ましい。
【0040】
たとえば、一分子中に2を超える(メタ)アクリロイル基を有する化合物は、中心骨格として分子内にアルキレンオキシド基を付加させることができる基を3モル以上有し、これにエチレンオキシド基及びプロピレンオキシド又はブチレンオキシドなどのアルキレンオキシド基を付加させ得られたアルコールを(メタ)アクリレートとすることで得られる。中心骨格になりうる化合物としては、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、イソシアヌレート環などを挙げることができる。
【0041】
このような化合物としては、トリメチロールプロパンのEO3モル変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンのEO6モル変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンのEO9モル変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンのEO12モル変性トリアクリレートなどを挙げることができる。このような化合物としては、グリセリンのEO3モル変性トリアクリレート(新中村化学工業(株)製A−GLY−3E)、グリセリンのEO9モル変性トリアクリレート(新中村化学工業(株)製A−GLY−9E)、グリセリンのEO6モルPO6モル変性トリアクリレート(A−GLY−0606PE)、グリセリンのEO9モルPO9モル変性トリアクリレート(A−GLY−0909PE)を挙げることができる。このような化合物としては、ペンタエリスリトールの4EO変性テトラアクリレート(サートマージャパン(株)社製SR−494)、ペンタエリスリトールの35EO変性テトラアクリレート(新中村化学工業(株)社製NKエステルATM−35E)を挙げることができる。
【0042】
前記化合物以外にも以下に挙げる化合物などを適宜含むことができる。例えば、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ジ(p−ヒドロキシフェニル)プロパンジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス[(4−(メタ)アクリロキシポリプロピレンオキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[(4−(メタ)アクリロキシポリブチレンオキシ)フェニル]プロパン、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピルトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリ(メタ)アクリレート、β−ヒドロキシプロピル−β’−(アクリロイルキシ)プロピルフタレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリブチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。さらに以下のようなウレタン化合物も挙げられる。例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート又はジイソシアネート化合物(例えば、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート)と、一分子中にヒドロキシル基と(メタ)アクリル基を有する化合物、例えば、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、オリゴプロピレングリコールモノメタクリレートとのウレタン化合物が挙げられる。具体的には、ヘキサメチレンジイソシアネートとオリゴプロピレングリコールモノメタクリレート(日本油脂(株)製、ブレンマーPP1000)との反応生成物がある。また、ポリプロピレングリコール又はポリカプロラクトンにより変性したイソシアヌル酸エステルのジまたはトリ(メタ)アクリレートなども挙げられる。また、例えばジイソシアネートとポリオールとの重付加物として得られるウレタン化合物の末端とエチレン性不飽和二重結合およびヒドロキシル基を有する化合物とを反応させて得られるウレタンオリゴマーなども挙げることができる。
【0043】
(B)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物の配合量は、感光性樹脂組成物の全固形分100質量%に対して20〜60質量%である。(B)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物の配合量は、感度、解像性、密着性の観点から20質量%以上であり、解像性、密着性の観点から60質量%以下である。支持フィルムに塗工してドライフィルムとする場合の未露光膜の膜物性の観点からも、60質量%以下であり、より好ましくは、30〜45質量%である。
【0044】
<(C)光重合開始剤>
次に、(C)光重合開始剤について説明する。
本発明において、(C)光重合開始剤は、それ単独で露光波長の光線を吸収し感光性樹脂組成物を硬化させ、現像液に不溶とさせるもの、および、それ単独では感光性樹脂組成物を硬化させ現像液に不溶とすることができないが光重合開始剤と組み合わせて用いることで光重合開始剤の効果を促進するものである。但し、本発明において(D)ロイコ染料は(C)光重合開始剤に含まれない。
【0045】
(C)光重合開始剤としては、キノン類、芳香族ケトン類、アセトフェノン類、アシルフォスフィンオキサイド類、ベンゾイン又はベンゾインエーテル類、ジアルキルケタール類、チオキサントン類、ジアルキルアミノ安息香酸エステル類、オキシムエステル類、アクリジン類、ヘキサアリールビイミダゾール、ピラゾリン誘導体、N−アリールアミノ酸又はそのエステル化合物、及びハロゲン化合物などが挙げられる。
【0046】
キノン類としては、2−エチルアントラキノン、オクタエチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ベンズアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、2−メチル−1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、2−メチル−1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルアントラキノン、3−クロロ−2−メチルアントラキノンなどのキノン類を挙げることができる。
【0047】
芳香族ケトン類としては、例えば、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン[4,4´−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン]、4,4´−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−メトキシ−4'−ジメチルアミノベンゾフェノンを挙げることができる。
【0048】
アセトフェノン類としては、例えば、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、及び2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパノン−1を挙げることができる。市販品としては、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製のイルガキュアー907、イルガキュアー369、イルガキュアー379を挙げることができる。
【0049】
アシルフォスフィンオキサイド類としては、例えば、2,4,6−トリメチルベンジルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフォンオキサイドなどが挙げられる。市販品としてはBASF社製のルシリンTPO、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製のイルガキュアー819が挙げられる。
【0050】
ベンゾイン又はベンゾインエーテル類としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、メチルベンゾイン、エチルベンゾインを挙げることができる。
【0051】
ジアルキルケタール類としては、例えば、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタールを挙げることができる。
【0052】
チオキサントン類としては、例えば、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2−クロルチオキサントンを挙げることができる。
【0053】
ジアルキルアミノ安息香酸エステル類としては、例えば、ジメチルアミノ安息香酸エチル、ジエチルアミノ安息香酸エチル、エチル−p−ジメチルアミノベンゾエート、2−エチルヘキシル−4−(ジメチルアミノ)ベンゾエートなどを挙げることができる。
【0054】
オキシムエステル類としては、例えば、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−O−ベンゾイルオキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシムが挙げられる。市販品としては、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製のCGI−325、イルガキュアーOXE01、イルガキュアーOXE02が挙げることができる。
【0055】
アクリジン類としては、例えば、1,7−ビス(9,9'−アクリジニル)ヘプタン、9−フェニルアクリジン、9−メチルアクリジン、9−エチルアクリジン、9−クロロエチルアクリジン、9−メトキシアクリジン、9−エトキシアクリジン、9−(4−メチルフェニル)アクリジン、9−(4−エチルフェニル)アクリジン、9−(4−n−プロピルフェニル)アクリジン、9−(4−n−ブチルフェニル)アクリジン、9−(4−tert−ブチルフェニル)アクリジン、9−(4−メトキシフェニル)アクリジン、9−(4−エトキシフェニル)アクリジン、9−(4−アセチルフェニル)アクリジン、9−(4−ジメチルアミノフェニル)アクリジン、9−(4−クロロフェニル)アクリジン、9−(4−ブロモフェニル)アクリジン、9−(3−メチルフェニル)アクリジン、9−(3−tert−ブチルフェニル)アクリジン、9−(3−アセチルフェニル)アクリジン、9−(3−ジメチルアミノフェニル)アクリジン、9−(3−ジエチルアミノフェニル)アクリジン、9−(3−クロロフェニル)アクリジン、9−(3−ブロモフェニル)アクリジン、9−(2−ピリジル)アクリジン、9−(3−ピリジル)アクリジン、9−(4−ピリジル)アクリジンを挙げることができる。
【0056】
ヘキサアリールビイミダゾールの例としては、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルビイミダゾール、2,2’,5−トリス−(o−クロロフェニル)−4−(3,4−ジメトキシフェニル)−4’,5’−ジフェニルビイミダゾール、2,4−ビス−(o−クロロフェニル)−5−(3,4−ジメトキシフェニル)−ジフェニルビイミダゾール、2,4,5−トリス−(o−クロロフェニル)−ジフェニルビイミダゾール、2−(o−クロロフェニル)−ビス−4,5−(3,4−ジメトキシフェニル)−ビイミダゾール、2,2’−ビス−(2−フルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−ビイミダゾール、
【0057】
2,2’−ビス−(2,3−ジフルオロメチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−ビイミダゾール、2,2’−ビス−(2,4−ジフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−ビイミダゾール、2,2’−ビス−(2,5−ジフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−ビイミダゾール、2,2’−ビス−(2,6−ジフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−ビイミダゾール、2,2’−ビス−(2,3,4−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−ビイミダゾール、2,2’−ビス−(2,3,5−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−ビイミダゾール、2,2’−ビス−(2,3,6−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−ビイミダゾール、2,2’−ビス−(2,4,5−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−ビイミダゾール、2,2’−ビス−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−ビイミダゾール、2,2’−ビス−(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−ビイミダゾール、2,2’−ビス−(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−ビイミダゾール、及び2,2’−ビス−(2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−ビイミダゾール等が挙げられる。
【0058】
ピラゾリン誘導体としては、例えば、1−(4−tert−ブチル−フェニル)−3−スチリル−5−フェニル−ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−tert−ブチル−スチリル)−5−(4−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1,5−ビス−(4−tert−ブチル−フェニル)−3−(4−tert−ブチル−スチリル)−ピラゾリン、1−(4−tert−オクチル−フェニル)−3−スチリル−5−フェニル−ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−tert−ブチル−スチリル)−5−(4−エトキシ−フェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−tert−オクチル−スチリル)−5−(4−tert−オクチル−フェニル)−ピラゾリン、
【0059】
1,5−ビス−(4−tert−オクチル−フェニル)−3−(4−tert−オクチル−スチリル)−ピラゾリン、1−(4−ドデシル−フェニル)−3−スチリル−5−フェニル−ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−ドデシル−スチリル)−5−(4−ドデシル−フェニル)−ピラゾリン、1−(4−ドデシル−フェニル)−3−(4−ドデシル−スチニル)−5−(4−ドデシル−フェニル)−ピラゾリン、1−(4−tert−オクチル−フェニル)−3−(4−tert−ブチル−スチリル)−5−(4−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1−(4−tert−ブチル−フェニル)−3−(4−tert−オクチル−スチリル)−5−(4−tert−オクチル−フェニル)−ピラゾリン、1−(4−ドデシル−フェニル)−3−(4−tert−ブチル−スチリル)−5−(4−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1−(4−tert−ブチル−フェニル)−3−(4−ドデシル−スチリル)−5−(4−ドデシル−フェニル)−ピラゾリン、1−(4−ドデシル−フェニル)−3−(4−tert−オクチル−スチリル)−5−(4−tert−オクチル−フェニル)−ピラゾリン、1−(4−tert−オクチル−フェニル)−3−(4−ドデシル−スチリル)−5−(4−ドデシル−フェニル)−ピラゾリン、1−(2,4−ジブチル−フェニル)−3−(4−ドデシル−スチリル)−5−(4−ドデシル−フェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−スチリル)−5−(3,5−ジ−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(2,6−ジ−tert−ブチル−スチリル)−5−(2,6−ジ−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(2,5−ジ−tert−ブチル−スチリル)−5−(2,5−ジ−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(2,6−ジ−n−ブチル−スチリル)−5−(2,6−ジ−n−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1−(3,4−ジ−tert−ブチル−フェニル)−3−スチリル−5−フェニル−ピラゾリン、1−(3,5−ジ−tert−ブチル−フェニル)−3−スチリル−5−フェニル−ピラゾリン、1−(4−tert−ブチル−フェニル)−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−フェニル)−5−フェニル−ピラゾリン、1−(3,5−ジ−tert−ブチル−フェニル)−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−スチリル)−5−(3,5−ジ−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1−(4−(5−tert−ブチル−ベンゾオキサゾール−2−イル)フェニル)−3−スチリル−5−フェニル−ピラゾリン、1−(4−(ベンゾオキサゾール−2−イル)フェニル)−3−(4−tert−ブチル−スチリル)−5−(4−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1−(4−(4−tert−ブチル−ベンゾオキサゾール−2−イル)フェニル)−3−(4−tert−ブチル−スチリル)−5−(4−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1−(4−(5−tert−オクチル−ベンゾオキサゾール−2−イル)フェニル)−3−スチリル−5−フェニル−ピラゾリン、
【0060】
1−(4−(ベンゾオキサゾール−2−イル)フェニル)−3−(4−tert−オクチル−スチリル)−5−(4−tert−オクチル−フェニル)−ピラゾリン、1−(4−(5−tert−オクチル−ベンゾオキサゾール−2−イル)フェニル)−3−(4−tert−オクチル−スチリル)−5−(4−tert−オクチル−フェニル)−ピラゾリン、1−(4−(5−ドデシル−ベンゾオキサゾール−2−イル)フェニル)−3−スチリル−5−フェニル−ピラゾリン、1−(4−(ベンゾオキサゾール−2−イル)フェニル)−3−(4−ドデシル−スチリル)−5−(4−ドデシル−フェニル)−ピラゾリン、1−(4−(5−ドデシル−ベンゾオキサゾール−2−イル)フェニル)−3−(4−ドデシル−スチニル)−5−(4−ドデシル−フェニル)−ピラゾリン、1−(4−(5−tert−オクチル−ベンゾオキサゾール−2−イル)フェニル)−3−(4−tert−ブチル−スチリル)−5−(4−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1−(4−(5−tert−ブチル−ベンゾオキサゾール−2−イル)フェニル)−3−(4−tert−オクチル−スチリル)−5−(4−tert−オクチル−フェニル)−ピラゾリン、1−(4−(5−ドデシル−ベンゾオキサゾール−2−イル)フェニル)−3−(4−tert−ブチル−スチリル)−5−(4−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1−(4−(5−tert−ブチル−ベンゾオキサゾール−2−イル)フェニル)−3−(4−ドデシル−スチリル)−5−(4−ドデシル−フェニル)−ピラゾリン、
【0061】
1−(4−(5−ドデシル−ベンゾオキサゾール−2−イル)フェニル)−3−(4−tert−オクチル−スチリル)−5−(4−tert−オクチル−フェニル)−ピラゾリン、1−(4−(5−tert−オクチル−ベンゾオキサゾール−2−イル)フェニル)−3−(4−ドデシル−スチリル)−5−(4−ドデシル−フェニル)−ピラゾリン、1−(4−(4,6−ジブチル−ベンゾオキサゾール−2−イル)フェニル)−3−(4−ドデシル−スチリル)−5−(4−ドデシル−フェニル)−ピラゾリン、1−(4−(ベンゾオキサゾール−2−イル)フェニル)−3−(3,5−ジ−tert−ブチルスチリル)−5−(3,5−ジ−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1−(4−(ベンゾオキサゾール−2−イル)フェニル)−3−(2,6−ジ−tert−ブチル−スチリル)−5−(2,6−ジ−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1−(4−(ベンゾオキサゾール−2−イル)フェニル)−3−(2,5−ジ−tert−ブチル−スチリル)−5−(2,5−ジ−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1−(4−(ベンゾオキサゾール−2−イル)フェニル)−3−(2,6−ジ−n−ブチル−スチリル)−5−(2,6−ジ−n−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1−(4−(4,6−ジ−tert−ブチル−ベンゾオキサゾール−2−イル)フェニル)−3−スチリル−5−フェニル−ピラゾリン、1−(4−(5,7−ジ−tert−ブチル−ベンゾオキサゾール−2−イル)フェニル)−3−スチリル−5−フェニル−ピラゾリン、1−(4−(5−tert−ブチル−ベンゾオキサゾール−2−イル)フェニル)−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−スチリル)−5−フェニル−ピラゾリン、1−(4−(4,6−ジ−tert−ブチル−ベンゾオキサゾール−2−イル)フェニル)−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−スチリル)−5−(3,5−ジ−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−tert−ブチル−スチリル)−5−(4−アミノ−フェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−tert−ブチル−スチリル)−5−(4−N−エチル−フェニル)−ピラゾリン、及び1−フェニル−3−(4−tert−ブチル−スチリル)−5−(4−N,N−ジエチル−フェニル)−ピラゾリンが挙げられる。
【0062】
さらに、例えば、1−フェニル−3−(4−ビフェニル)−5−(4−n−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−ビフェニル)−5−(4−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−ビフェニル)−5−(4−イソブチル−フェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−ビフェニル)−5−(4−n−ペンチル−フェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−ビフェニル)−5−(4−イソペンチル−フェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−ビフェニル)−5−(4−ネオペンチル−フェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−ビフェニル)−5−(4−ヘキシル−フェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−ビフェニル)−5−(4−ヘプチル−フェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−ビフェニル)−5−(4−n−オクチル−フェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−ビフェニル)−5−(4−tert−オクチル−フェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−ビフェニル)−5−(4−ノニル−フェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−ビフェニル)−5−(4−デシル−フェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−ビフェニル)−5−(4−ウンデシル−フェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−ビフェニル)−5−(4−ドデシル−フェニル)−ピラゾリンが挙げられる。
【0063】
中でも、密着性とレジストパターンの矩形性の観点から、1−フェニル−3−(4−tert−ブチル−スチリル)−5−(4−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−ビフェニル)−5−(4−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン及び1−フェニル−3−(4−ビフェニル)−5−(4−tert−オクチル−フェニル)−ピラゾリンが好ましい。
【0064】
ピラゾリン誘導体は、感光性樹脂組成物の固形分100質量%に対して0.01〜0.3質量%であることが好ましい。感度の観点から0.01質量%以上が好ましく、密着性の観点から0.3質量%以下が好ましい。
【0065】
N−アリールアミノ酸またはそのエステル化合物としては、例えば、N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシンのメチルエステル、N−フェニルグリシンのエチルエステル、N−フェニルグリシンのn−プロピルエステル、N−フェニルグリシンのイソプロピルエステル、N−フェニルグリシンの1−ブチルエステル、N−フェニルグリシンの2−ブチルエステル、N−フェニルグリシンのtertブチルエステル、N−フェニルグリシンのペンチルエステル、N−フェニルグリシンのヘキシルエステル、N−フェニルグリシンのペンチルエステル、N−フェニルグリシンのオクチルエステル等が挙げられる。特にN−フェニルグリシンは増感効果が高く好ましい。
【0066】
ハロゲン化合物としては、例えば、臭化アミル、臭化イソアミル、臭化イソブチレン、臭化エチレン、臭化ジフェニルメチル、臭化ベンジル、臭化メチレン、トリブロモメチルフェニルスルフォン、四臭化炭素、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、トリクロロアセトアミド、ヨウ化アミル、ヨウ化イソブチル、1,1,1−トリクロロ−2,2−ビス(p−クロロフェニル)エタン、クロル化トリアジン化合物、ジアリルヨードニウム化合物などが挙げられる。
【0067】
(C)光重合開始剤は、感光性樹脂組成物の固形分100質量%に対して0.1〜20質量%含まれる。実用的な光感度及びレジストパターンの密着性の観点から0.1質量%以上であり、現像液中に発生するスカムおよび有機溶媒に対する溶解性の観点から20質量%以下である。(C)光重合開始剤の配合量は、0.1〜5質量%がより好ましく、0.5〜1質量%がさらに好ましい。
【0068】
<(D)ロイコ染料>
本発明の感光性樹脂組成物は、必要に応じて(D)ロイコ染料を含有することができる。ロイコ染料は、トリフェニルメタン染料の無色の中間物であり、ロイコ塩基とも呼ばれる(岩波書店、「岩波 理化学辞典 第5版」、1505頁参照)。
【0069】
ロイコ染料としては、例えば、トリス(4−ジメチルアミノフェニル)メタン、トリス(4−ジエチルアミノフェニル)メタン、ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)メタン、ビス(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−(4−ジエチルアミノフェニル)メタン、ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−フェニルメタン、(4−ジメチルアミノ−2−メトキシフェニル)−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)メタン、(4−ジメチルアミノ−2−エトキシフェニル)−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)メタン、(4−ジメチルアミノ−2−ブトキシフェニル)−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)メタン、(4−ジメチルアミノ−2−クロロフェニル)−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)メタン、(4−ジメチルアミノ−2−フルオロフェニル)−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)メタン、(4−ジエチルアミノ−2−メトキシフェニル)−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)メタン、(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)メタン、(4−ジエチルアミノ−2−イソプロポキシフェニル)−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)メタン、(4−ジエチルアミノ−2−ブトキシフェニル)−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)メタン、(4−ジエチルアミノ−2−ヘキシルオキシフェニル)−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)メタン、(4−ジエチルアミノ−2−オクチルオキシフェニル)−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)メタン、(4−ジエチルアミノ−2−ドデシルオキシフェニル)−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)メタン、(4−ジエチルアミノ−2−ベンジルオキシフェニル)−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)メタン、(4−ジエチルアミノ−2−クロロフェニル)−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)メタン、(4−ジエチルアミノ−2−フルオロフェニル)−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)メタン、(4−ジメチルアミノ−2−メトキシフェニル)−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)メタン、(4−ジメチルアミノ−2−エトキシフェニル)−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)メタン、
【0070】
(4−ジエチルアミノ−2−メトキシフェニル)−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)メタン、(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)メタン、(4−ピペリジリノ−2−エトキシフェニル)−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)メタン、〔4−(1−ピロリジニル)−2−エトキシフェニル〕−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)メタン、(4−モルホリノ−2−エトキシフェニル)−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)メタン、(4−ピペリジリノ−2−エトキシフェニル)−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)メタン、〔4−(1−ピロリジニル)−2−エトキシフェニル〕−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)メタン、(4−モルホリノ−2−エトキシフェニル)−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)メタン、(4−N−エチル−N−p−トリルアミノ−2−エトキシフェニル)−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)メタン、(4−N−エチル−N−フェニルアミノ−2−エトキシフェニル)−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)メタン、(4−ジフェニルアミノ−2−エトキシフェニル)−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)メタン、(4−ジエチルアミノ−2−ベンジルオキシフェニル)−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)メタンなどが挙げられる。なかでも、トリス(4−ジメチルアミノフェニル)メタンが感度およびレジストパターンのマスク線幅再現性の観点から好ましい。トリス(4−ジメチルアミノフェニル)メタンはロイコクリスタルバイオレットとも呼ばれる。
【0071】
(D)ロイコ染料の配合量は、感光性樹脂組成物の固形分100質量%に対して0.1〜1質量%であることが好ましい。感度の観点から0.1質量%以上が好ましく、レジストパターンのマスク線幅再現性の観点から1質量%以下が好ましい。0.2〜0.8質量%がより好ましく、0.4〜0.6質量%がさらに好ましい。
【0072】
<(E)着色剤>
本発明の感光性樹脂組成物は、必要に応じて(E)550〜700nmに吸収極大を有する着色剤を含むことができる。
【0073】
本発明において吸収極大は以下のようにして確認する。
本発明における(A)アルカリ可溶性高分子60部、(B)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物40部、及び(E)着色剤0.1部をメチルエチルケトンを、溶媒として固形分50質量%で均一に混合する。得られた樹脂組成物溶液をPETフィルムにバーコーターで均一に塗布する。膜厚は、乾燥後に50umとなるように調整する。得られたフィルムの透過率を波長ごとに測定し、最も吸収の大きい波長を吸収極大とする。
【0074】
550〜700nmに吸収極大を有する(E)着色剤としては、青色または緑色の着色剤を挙げることができる。例えば、α型銅フタロシアニン・ブルー、α型モノクロル銅フタロシアニン・ブルー、β型銅フタロシアニン・ブルー、ε型銅フタロシアニン・ブルー、コバルトフタロシアニン・ブルー、メタルフリーフタロシアニン・ブルーなどのフタロシアニン・ブルー系の染料または顔料、アミノアントラキノンなどのアントラキノン系の染料または顔料、ダイヤモンドグリーン、ビクトリアピュアブルー、マラカイトグリーンなどのトリフェニルメタン系の染料または顔料を挙げることができる。
【0075】
カラーインデックス(C.I.;The Society of Dyers and Colourists 社発行)番号を用いれば以下のようなものを挙げることができる。
【0076】
顔料系としては、Pigment Blue 15、Pigment Blue 15:1、Pigment Blue 15:2、Pigment Blue 15:3、Pigment Blue 15:4、Pigment Blue 15:6、Pigment Blue 16、Pigment Blue 60、染料系としてはSolvent Blue 35、Solvent Blue 63、Solvent Blue 68、Solvent Blue 70、Solvent Blue 83、Solvent Blue 87、Solvent Blue 94、Solvent Blue 97、Solvent Blue 122、Solvent Blue 136、Solvent Blue 67、Solvent Blue 70等を使用することができる。
【0077】
そのほか、緑系の顔料または染料としてPigment Green 7、Pigment Green 36、Solvent Green 3、Solvent Green 5、Solvent Green 20、Solvent Green 28等を使用することができる。上記以外にも金属置換もしくは無置換のフタロシアニン化合物も使用することができる。
【0078】
本発明における(E)550〜700nmに吸収極大を有する着色剤は、昇華性、ベーク後の透過率安定性の観点から非イオン性であることが好ましい。
【0079】
本発明における(E)550〜700nmに吸収極大を有する着色剤は、昇華性、着色性、及び保存安定性の観点から下記式(V):
【化6】

{式中、RおよびRは、各々独立に、直鎖もしくは分岐アルキル基、アルキル置換もしくは無置換フェニル基、シクロヘキシル基、カルボニル基、カルボニル基を介した直鎖もしくは分岐アルキル基、置換もしくは無置換フェニル基である。RおよびRは、各々独立に、水素、水酸基、シクロヘキシル基、直鎖もしくは分岐アルキル基、置換もしくは無置換フェニル基、NH基を介して直鎖もしくは分岐アルキル基、アルキル置換もしくは無置換フェニル基、シクロヘキシル基、アミド基を介した直鎖もしくは分岐アルキル基、置換もしくは無置換フェニル基を表す。}で表されるアントラキノン系染料が好ましい。
【0080】
およびRは昇華性、着色性、保存安定性の観点からアルキル置換もしくは無置換フェニル基が好ましく、さらにアルキル置換のフェニル基が好ましい。RおよびRは水素またはヒドロキシル基が好ましい。
【0081】
(E)550〜700nmに吸収極大を有する着色剤の配合量は、感光性樹脂組成物の固形分100質量%に対して0.1〜1質量%であることが好ましい。着色性の観点から0.1質量%以上が好ましく、感度、昇華性、保存安定性の観点から1質量%以下が好ましい。0.1〜0.5質量%がより好ましい。
【0082】
また、感光性樹脂組成物の熱安定性及び保存安定性を向上させるために、感光性樹脂組成物は、ラジカル重合禁止剤、ベンゾトリアゾール類、及びカルボキシベンゾトリアゾール類、ビスフェノールAのエポキシ化合物類から成る群から選ばれる少なくとも1種以上の化合物をさらに含有してもよい。
【0083】
ラジカル重合禁止剤としては、例えば、p−メトキシフェノール、ハイドロキノン、ピロガロール、ナフチルアミン、tert−ブチルカテコール、塩化第一銅、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、ニトロソフェニルヒドロキシアミンアルミニウム塩、ジフェニルニトロソアミンなどが挙げられる。感度を損なわない観点からニトロソフェニルヒドロキシアミンアルミニウム塩が好ましい。
【0084】
ベンゾトリアゾール類としては、例えば、1,2,3−ベンゾトリアゾール、1−クロロ−1,2,3−ベンゾトリアゾール、ビス(N−2−エチルヘキシル)アミノメチレン−1,2,3−ベンゾトリアゾール、ビス(N−2−エチルヘキシル)アミノメチレン−1,2,3−トリルトリアゾール、ビス(N−2−ヒドロキシエチル)アミノメチレン−1,2,3−ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
【0085】
カルボキシベンゾトリアゾール類としては、例えば、4−カルボキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール、5−カルボキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール、N−(N,N−ジ−2−エチルヘキシル)アミノメチレンカルボキシベンゾトリアゾール、N−(N,N−ジ−2−ヒドロキシエチル)アミノメチレンカルボキシベンゾトリアゾール、N−(N,N−ジ−2−エチルヘキシル)アミノエチレンカルボキシベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
【0086】
ビスフェノールAのエポキシ化合物類としては、ビスフェノールAをポリプロピレングリコールで修飾し末端をエポキシ化した化合物などが挙げられる。
【0087】
ラジカル重合禁止剤、ベンゾトリアゾール類、カルボキシベンゾトリアゾール類及びビスフェノールAのエポキシ化合物類の合計含有量は、好ましくは感光性樹脂組成物全体に対して、0.001〜0.2質量%であり、より好ましくは0.01〜0.1質量%である。当該含有量は、感光性樹脂組成物に保存安定性を付与するという観点から、0.001質量%以上が好ましく、感度を維持し、染料の脱色および発色を抑える観点から、0.1質量%以下がより好ましい。
【0088】
本発明の別の態様は、少なくとも支持層の上に上記感光性樹脂組成物から成る感光性樹脂層が積層された感光性樹脂積層体に関する。
【0089】
本発明の感光性樹脂積層体は、感光性樹脂組成物から成る感光性樹脂層と支持層を含む。必要により、感光性樹脂層の支持層側とは反対側の表面に保護層を有してもよい。ここで用いられる支持層としては、露光光源から放射される光を透過する透明なものが望ましい。このような支持層としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、塩化ビニリデン共重合フィルム、ポリメタクリル酸メチル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、スチレン共重合体フィルム、ポリアミドフィルム、セルロース誘導体フィルムなどが挙げられる。これらのフィルムは、必要に応じて延伸されたものも使用可能である。ヘーズは5以下のものが好ましい。より好ましくは1以下であり、さらに好ましくは0.5以下であり、きわめて好ましくは0.2以下である。フィルムの厚みは、薄い方が画像形成性及び経済性の面で有利であるが、強度を維持するために10〜30μmのものが好ましく用いられる。
【0090】
感光性樹脂積層体に用いられる保護層の重要な特性は、感光性樹脂層との密着力について支持層よりも保護層の方が充分小さく、容易に剥離できることである。例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムが保護層として好ましく使用できる。また、特開昭59−202457号公報に示された剥離性の優れたフィルムを用いることもできる。保護層の膜厚は10〜100μmが好ましく、10〜50μmがより好ましい。感光性樹脂積層体における感光性樹脂層の厚さは、用途において異なるが、好ましくは5〜100μm、より好ましくは7〜60μmであり、薄いほど解像度は向上し、また厚いほど膜強度が向上する。
【0091】
保護層にポリエチレンを用いた場合は、ポリエチレンフィルム表面にフィッシュアイと呼ばれるゲルがあり、これが感光性樹脂層に転写することがある。フィッシュアイが感光性樹脂層に転写するとラミネート時に空気を巻き込んで空隙になることがあり、レジストパターンの欠損につながる。フィッシュアイの観点から保護層の材質は延伸ポリプロピレンが好ましい。具体例としては王子製紙(株)製アルファンE−200Aを挙げることができる。
【0092】
支持層、感光性樹脂層、及び必要により保護層を順次積層して、感光性樹脂積層体を作製する方法として、公知の方法を採用することができる。例えば、感光性樹脂層に用いる感光性樹脂組成物を、これらを溶解する溶剤と混ぜ合わせ均一な溶液にし、まず支持層上にバーコーター又はロールコーターを用いて塗布し、次いで乾燥して支持フィルム上に感光性樹脂組成物から成る感光性樹脂層を積層することができる。
【0093】
乾燥後の感光性樹脂層の厚さは用途に応じて適宜選択することができる。乾燥後の感光性樹脂層の厚さは、ダイコーターを用いる場合には10〜200μmの範囲で、リバースロールコーターを用いる場合には、1〜150μm程度の範囲で調整することができる。
【0094】
本発明の感光性樹脂積層体は、支持層に感光性樹脂組成物を塗工し乾燥した後、感光性樹脂層上に保護層をラミネートすることにより作製することができる。
【0095】
感光性樹脂組成物を溶解する溶剤としては、メチルエチルケトン(MEK)に代表されるケトン類、メタノール、エタノール又はイソプロパノールに代表されるアルコール類などが挙げられる。当該溶剤は、塗工方式と所望する膜厚に応じて適宜選択されて、配合される。例えば、ダイコーターを用いて塗工する場合は、支持層上に塗布する感光性樹脂組成物の溶液の粘度が25℃で500〜4000mPa・sとなるように、感光性樹脂組成物に添加することが好ましい。
【0096】
<レジストパターン形成方法>
感光性樹脂積層体を用いたレジストパターンは、ラミネートするラミネート工程、活性光を露光する露光工程、及び未露光部を除去する現像工程を含む工程によって形成することができる。さらにレジストパターンの強度及び昇華物の発生などを考慮してパターンを一定温度で加熱するベーク工程を追加することもできる。
【0097】
以下、レジストパターン形成方法の具体的な一例を示す。
基板としては、銅張積層板、ITO及びIZOなどの透明電極がスパッタ又は蒸着されたガラス基板、同様のフィルム基板、誘電体ペーストが塗布されたガラス基板、シリコンウエハ、アモルファスシリコンが蒸着されたガラスウエハ、銅、タンタル、モリブデンなどの金属薄膜がスパッタされたシリコンウエハなどを用いることができる。
【0098】
基材に感光性樹脂を積層するためには、まず、ラミネーターを用いてラミネート工程を行う。感光性樹脂積層体が保護層を有する場合には保護層を剥離した後、ラミネーターで感光性樹脂層を基板表面に加熱圧着して積層する。この場合、感光性樹脂層は基板表面の片面だけに積層してもよいし、両面に積層してもよい。この時の加熱温度は一般に約40〜160℃である。また前記加熱圧着は二回以上行うことにより密着性と耐薬品性が向上する。加熱圧着は二連のロールを備えた二段式ラミネーターを使用してもよいし、何回か繰り返してロールに通し圧着してもよい。
【0099】
次に、露光機を用いて露光工程を行う。必要ならば支持層を剥離し、フォトマスクを通して活性光により露光する。露光量は、光源照度と露光時間により決定される。露光量は、光量計を用いて測定してもよい。露光機としては、超高圧水銀灯を光源とした散乱光露光機、同じく平行度を調整した平行光露光機、同じくマスクとワークの間にギャップを設けるプロキシミティ露光機を挙げることができる。さらに、マスクと画像のサイズ比が1:1の投影型露光機、高照度のステッパー(登録商標)といわれる縮小投影露光機又はミラープロジェクションアライナ(登録商標)と呼ばれる凹面鏡を利用した露光機を挙げることができる。
【0100】
また、露光工程において、直接描画露光方法を用いてもよい。直接描画露光とはフォトマスクを使用せず、基板上にパターンを直接描画して露光する方式である。光源としては、例えば、波長350〜410nmの半導体レーザー又は超高圧水銀灯が用いられる。
【0101】
次に、現像装置を用いて現像工程を行う。露光後、感光性樹脂層上に支持フィルムがある場合には、必要に応じてこれを除き、続いてアルカリ水溶液の現像液を用いて未露光部を現像除去してレジスト画像を得る。アルカリ水溶液としては、NaCO又はKCOの水溶液を用いる。前記アルカリ水溶液は、感光性樹脂層の特性に合わせて適宜選択されるが、約0.2〜2質量%の濃度、約20〜40℃のNaCO水溶液が一般的である。該アルカリ水溶液中には、表面活性剤、消泡剤、現像を促進させるための少量の有機溶剤などを混入させてもよい。基材への影響を考慮してテトラアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液などアミン系のアルカリ水溶液を用いることもできる。現像速度に応じて濃度を適宜選択することができる。
【0102】
上記の各工程を経てレジストパターンを得ることができるが、場合により、さらに約100〜300℃の加熱工程を行うこともできる。この加熱工程を実施することにより、レジストパターン中の未反応のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物を反応させたり、レジストパターンを部材として組み込む前に昇華性成分を昇華させてしまうことができる。また、この加熱工程により、耐薬品性も向上する。加熱には熱風、赤外線、遠赤外線の方式の加熱炉を用いることができる。
【0103】
<導体パターンの製造方法、及びプリント配線板の製造方法>
プリント配線板は、基板として銅張積層板又はフレキシブル基板を用いた上述のレジストパターン形成方法に続いて、以下の工程を経ることで得ることができる。
【0104】
まず、現像により露出した基板の銅面をエッチングまたはめっきし導体パターンを製造する。
【0105】
その後、レジストパターンを現像液よりも強いアルカリ性を有する水溶液により基板から剥離して所望のプリント配線板を得る。剥離用のアルカリ水溶液(以下、「剥離液」ともいう。)についても特に制限はないが、濃度約2〜5質量%、温度約40〜70℃のNaOH及び/又はKOHの水溶液が一般に用いられる。剥離液に、少量の水溶性溶媒を加えることもできる。
【0106】
<リードフレームの製造方法>
リードフレームは、基板として金属板、例えば、銅、銅合金、鉄系合金を用いた上述のレジストパターンの形成方法に続いて、以下の工程を経ることで得ることができる。
【0107】
まず、現像により露出した基板をエッチングして導体パターンを形成する。その後、レジストパターンを上述のプリント配線板の製造方法と同様の方法で剥離して、所望のリードフレームを得る。
【0108】
<ITO電極の製造方法>
ITO電極は、基材としてITO膜を形成したガラス基板またはフィルム基板を用いた上述のレジストパターンの形成方法に続いて、以下の工程を経ることで得ることができる。
【0109】
まず、現像により露出したITO膜をエッチングする。エッチング液は塩化鉄系、シュウ酸系、混酸系のものがありITO膜の膜質に応じて適宜選択することができる。エッチング後、上述のプリント配線板の製造方法と同様の方法で剥離して、所望の電極パターンを得ることができる。
【0110】
<ブラックマトリックスの製造方法>
ブラックマトリックスは、ガラスまたはITO膜を形成したガラス基板を用いた上述のレジストパターンの形成方法に続いて、以下の工程を経ることで得られる。
【0111】
まず、基板とともにレジストパターンをベークする。熱風式乾燥炉または赤外線ヒーターで加熱してベークすることができる。目的に応じて窒素雰囲気下などの空気以外の雰囲気下でベークすることができる。目的に応じたベーク温度と時間でベークした後、ブラックマトリックスを得ることができる。
【0112】
<半導体バンプの製造方法>
半導体バンプは以下の方法で作製することができる。
シリコンウエハ基板に絶縁層を設け、必要部分にシリコンウエハと接続するための電極を形成する。次いで、銅などの導電膜をスパッタなど方法で形成する。
【0113】
液状レジストを用いる場合は、こうして得られた基板上に液状レジストをスピンコートする。プリベークにより溶媒を除去して乾燥し、レジスト塗布膜を得る。ついで露光及び現像によりパターンを形成する。ドライフィルムを用いる場合は、前記<レジストパターンの形成方法>と同様な方法でパターンを形成する。
【0114】
その後、パターン内にめっきを行うが、前処理としては、水又はめっき液そのものに浸けるなどの方法が挙げられる。はんだバンプを形成する場合は、バンプとの密着性を確保するためアンダーバンプメタルと呼ばれるニッケル膜などをめっきにより形成し、この上にめっき法によりはんだをめっきしバンプを形成する。銅ポストを形成する場合は、パターン内に銅めっきを行い、次いではんだバンプを形成する。めっきに用いるめっき浴としては以下のようなものを挙げることができる。ニッケルめっき浴としてはワット浴、スルファミン酸浴などを挙げることができる。はんだめっき浴としては、はんだの性質に応じて、高鉛、共晶、無鉛などの浴が選択される。銅めっき浴としては硫酸銅など電解銅めっき浴が一般的である。
【0115】
めっき後は、レジストを剥離液により剥離する。剥離液は、エタノールアミンなどのアルカノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)など、有機アルカリの一種又は二種以上を組み合わせたアルカリ成分、グリコール及びジメチルスルホキシドなどの極性の高い水溶性有機溶媒、水などを組み合わせた有機系の剥離液を用いることができる。銅めっきは硫酸銅などのめっき浴が一般的である。
【0116】
レジスト剥離後は、エッチングにより導電膜を除去する。エッチングは塩化銅などによる公知の方法を用いることができる。エッチング後はリフローと呼ばれる加熱工程によりはんだ部分を加熱しはんだボールを作製し半導体バンプとなる。
【実施例】
【0117】
以下、本発明の実施形態の例を具体的に説明する。
(実施例1〜5、比較例1〜4)
最初に実施例及び比較例の評価用サンプルの作製方法を説明し、次いで、得られたサンプルについての評価方法およびその評価結果を示す。
【0118】
1.評価用サンプルの作製
実施例及び比較例における評価用サンプルは次のとおりに作製した。
<感光性樹脂積層体の作製>
下記表1に示す組成(但し、各成分の数字は固形分としての配合量(質量部)を示す)の感光性樹脂組成物及び溶媒を十分に攪拌及び混合して感光性樹脂組成物調合液とし、支持体として16μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人フィルム(株)製、GR−16)の表面にバーコーターを用いて均一に塗布し、95℃の乾燥機中で5分間乾燥して感光性樹脂層を形成した。感光性樹脂層の厚みは45μmであった。
【0119】
次いで、感光性樹脂層のポリエチレンテレフタレートフィルムを積層していない表面上に、保護層として20μm厚のポリエチレンフィルム(タマポリ(株)製、GF−18)を張り合わせて感光性樹脂積層体を得た。
【0120】
表1には感光性樹脂組成物調合液中の材料成分の名称を、表2には感光性樹脂組成物調合液中の配合量ならびに評価結果を示す。
【0121】
<材料成分の吸収極大について>
表1に記載した材料成分の吸収極大を、前述の方法により測定したところ、F−1〜F−6の吸収極大の波長は、以下のようであった。F−1:525nm、F−2:480nm、F−3:500nm、F−4:425nm、F−5:420nm、F−6:400nm。
<材料成分の融点について>
また、表1に記載した材料成分の融点を測定したところ、融点は、以下のようであった。F−1:180℃、F−2:130℃、F−3:160℃、F−4:95℃、F−5:180℃、F−6:180℃。
【0122】
2.密着性評価
<基板>
PET表面にITOがスパッタ加工された透明導電性フィルム(東洋紡(株)製、300R(125Ω、20nm))を用いた。
【0123】
<ラミネート>
感光性樹脂積層体のポリエチレンフィルムを剥がしながら、ホットロールラミネーター(旭化成エレクトロニクス(株)製、AL−700)により、ロール温度105℃でラミネートした。エアー圧力は0.35MPaとし、ラミネート速度は1.5m/min.とした。
【0124】
<露光>
クロムガラスフォトマスクを用いて、オーク株式会社製高精度露光機(HMW−801、ghi線、7mW)により1J/cmで露光した。
【0125】
なお、クロムガラスフォトマスクには、露光部と未露光部の幅が1:100の比率の独立細線パターンマスクを用いた。クロムガラスフォトマスクと感光性樹脂積層体とのギャップは100μmとした。
【0126】
<現像>
ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離した後、30℃の0.4質量%NaCO水溶液をスプレーして現像し、感光性樹脂層の未露光部分を溶解除去した。このとき、未露光部分の感光性樹脂層が完全に溶解するのに要する最も少ない時間を最小現像時間として測定し、最小現像時間の2倍の時間同条件で現像してレジストパターンを作製した。レジストパターンが正常に形成されている最小マスクライン幅を密着性の値として、以下の評価基準に従って評価して格付けした。
◎:密着性の値が20μm以下。
○:密着性の値が20μmを超え、かつ30μm以下。
△:密着性の値が30μmを超え、かつ50μm以下。
×:密着性の値が50μmを超える。
【0127】
3.昇華性評価
<評価基板の作製>
クロムガラスフォトマスクを用いること以外は上記2.密着性評価と同様に現像まで行い評価用のベタパターンを作製した。これを熱風式オーブンで120℃/1時間加熱処理し評価基板を作製した。
【0128】
<昇華性評価>
評価基板を2mm×5mmに切り出し、これをパイロライザー(FRONTIER LAB社製、DOUBLE SHOT PYROLYZER)で加熱し、発生した昇華物をガスクロマトグラフィー(Agilent Technologies社製、6890N Network GC System)に接続した30cmのカラムを通して、FID検出器により検出し、連続的にモニターした。パイロライザーの条件は、100℃〜10℃/分で200℃まで昇温し、200℃で5分間保持した。インターフェース温度は300℃とした。ガスクロマトグラフィーの条件は、インジェクション温度350℃、カラムオーブン温度350℃で15分間昇華物の検出を行った。FID検出器の温度は370℃、キャリアガス(He)のフローレートは2.0m/minとした。
【0129】
横軸に検出時間、縦軸にFID検出強度を出力し、検出時間全体の検出強度の積分値を昇華物発生量とした。実施例1で用いられた組成物の昇華物発生量を1として各実施例および比較例の昇華物発生量を相対量で算出し、その値に基づき以下の評価基準に従って、評価して格付けした。
○:昇華物発生量相対値の値が1.5以下。
△:昇華物発生量相対値の値が1.5を超える。
【0130】
4.透過率
<評価基板の作製>
クロムガラスフォトマスクを用いること以外は上記2.密着性評価と同様に現像まで行い評価用のベタパターンを作製した。これを熱風式オーブンを用いて200℃/1時間加熱処理し評価基板を作製した。
【0131】
<透過率評価>
分光測定器((株)日立ハイテクノロジーズ製、U3010)により評価基板の吸光度を測定し、基材との差分を求め、これを透過率に直した値をレジストパターンの透過率とした。400nm〜700nmの波長における透過率を1nmごとに求めこれを平均した値を透過率平均値として、以下の評価基準に従って評価して、格付けした。
○:透過率平均値の値が40%以下。
△:透過率平均値の値が40%を超え、かつ60%以下。
×:透過率平均値の値が60%を超える。
【0132】
5.着色性
<保護層の着色性>
感光性樹脂積層体を作製した後、23℃及び相対湿度(RH)50%の環境下で1週間保存し、保護層を剥離した。保護層の着色を目視により観察し、以下の評価基準に従って評価して、格付けした。
○:保護層の着色がほとんど見られない。
△:保護層の着色が見られる。
【0133】
【表1】

【0134】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0135】
本発明によれば密着性に優れ、着色性が良く、加熱時の色安定性に優れ、昇華物の発生が少ないレジストパターンを形成できる感光性樹脂組成物および感光性樹脂積層体を提供できる。また、本発明は、ブラックマトリックス、及びその他の着色が必要な微細パターンの製造にも有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)酸当量が100〜600であり、かつ重量平均分子量が5000〜500000であるアルカリ可溶性高分子30〜70質量%、(B)エチレン性不飽和二重結合を有する化合物20〜60質量%、(C)光重合開始剤0.1〜20質量%、そしてさらに(F)455〜600nmの範囲に吸収極大を有し、かつ融点が120℃以上である非イオン性化合物を含むことを特徴とする感光性樹脂組成物。
【請求項2】
前記(F)非イオン性化合物は、その分子内に下記式(I):
【化1】

{式中、Rは、水素または炭素数1〜4のアルキル基であり、そしてRは、水素、水酸基、カルボキシル基、ハロゲン基、炭素数1〜4のアルキル基、置換基を有してもよいアミノ基、置換基を有してもよいアミド基、ニトロ基、またはスルホニル基を表す。}
で表される基を有する、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項3】
前記(F)非イオン性化合物は、その分子内に前記式(I)で表される基を2つ以上有する、請求項2に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項4】
少なくとも支持層の上に請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物から成る感光性樹脂層が積層された感光性樹脂積層体。
【請求項5】
請求項4に記載の感光性樹脂積層体を基材にラミネートする工程、露光する工程、及び現像する工程を含む、レジストパターンの形成方法。
【請求項6】
請求項4に記載の感光性樹脂積層体を基材にラミネートする工程、露光する工程、現像する工程、及びベークする工程を含む、レジストパターンの形成方法。

【公開番号】特開2011−186214(P2011−186214A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−51806(P2010−51806)
【出願日】平成22年3月9日(2010.3.9)
【出願人】(309002329)旭化成イーマテリアルズ株式会社 (771)
【Fターム(参考)】