説明

感圧導電性材料

【課題】比較的低電圧での利用が可能で、柔軟性や緩衝性に優れ、圧力の変動幅に応じて抵抗値がきわめて大幅に変動することで、圧力検出精度も向上させることができる感圧導電性材料を提供すること。
【解決手段】本発明の感圧導電性材料は、熱可塑性エラストマーに対して軟化剤を配合してなる組成物を母材として、この母材中に気相成長炭素繊維が配合された導電性樹脂組成物に対し、発泡剤を添加することにより、前記導電性樹脂組成物を発泡させたものである。気相成長炭素繊維としては、直径が0.01μm〜0.2μm、繊維長が1μm〜500μm、アスペクト比が10〜500程度のものを配合すると好ましい。また、発泡剤としては、独立気泡を形成可能なものを利用して発泡させると好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感圧素子として利用するのに好適な感圧導電性材料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、圧力センサー等の感圧素子を製造する際に利用される感圧導電性材料としては、母材となる合成ゴムや熱可塑性エラストマーに対して、金属系または炭素系の粒子や短繊維を、導電性フィラーとして配合したものが知られている。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、シリコーンゴムを母材として、その母材中に金属めっき粒子を配合してなる感圧導電性シリコーンゴム組成物が開示されている。また、このような感圧導電性シリコーンゴム組成物は、加圧、圧縮変形に対し良好な抵抗値の変化を示し、圧力センサー、圧力接点スイッチ、コネクター等として好適に用いられるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−323652号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の感圧導電性材料は、後述するような複数の問題の内、ある問題を改善しようとすると、他の問題が顕在化してしまう傾向があり、それらの問題すべてを改善するのは容易なことではなかった。
【0006】
具体的には、従来の感圧導電性材料には、(1)過剰に抵抗値が高いため低電圧での利用が困難、(2)柔軟性や緩衝性に欠ける、(3)圧力が比較的大きく変動しても抵抗値の変動幅が狭い、(4)逆に、圧力が僅かに変動しても過剰に大幅に抵抗値が変動してしまう、といった欠点を有するものも多い。
【0007】
こうした問題に対し、例えば、上記欠点(2)を改善したい場合、一般的な手法としては「樹脂材料を発泡させる」といった対策も考えられる。しかし、感圧導電性材料を発泡させると、導電性フィラーの形成する導電経路が気泡によって寸断されるため、抵抗値が上昇して上記欠点(1)が顕在化する。
【0008】
また、上記欠点(1)を改善したい場合、一般的な手法としては「導電性フィラーの配合率を高める」といった対策も考えられる。しかし、このような対策をとると、材料が硬くなりやすく、上記欠点(2)が顕在化する。特に、グラファイト粉末等で導電性を得るには配合量を多くする必要があるため、柔軟性が損なわれたり、脆性が過剰に高くなったりする傾向が強い。
【0009】
あるいは、上記欠点(1)を改善したい場合、より電気抵抗の低い銀系フィラーなどを利用することも一案であるが、金属系フィラーには耐食性が低いという問題があり、用途によっては、長期信頼性に劣る点で問題がある。
【0010】
さらに、どの程度の圧力が作用しているのかをアナログ的に検出したい場合、上記(3)のような特性を持つものは、抵抗値の僅かな変化で圧力の変化を検出することになるので、僅かなノイズの影響で検出誤差が大きくなりやすいという問題がある。
【0011】
しかし、上記(4)のような特性を持つものでも、ON−OFFだけを見るスイッチとして利用する分には問題はないが、圧力の幅広い変化を検出するには好ましくない。
つまり、従来の感圧導電性材料には、未だ改良の余地がいくつも残されており、特にこれらの欠点すべてを解消することは、きわめて困難であった。
【0012】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その目的は、比較的低電圧での利用が可能で、柔軟性や緩衝性に優れ、圧力の変動幅に応じて抵抗値がきわめて大幅に変動することで、圧力検出精度も向上させることができる感圧導電性材料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、本発明においては、次のような構成を採用した。
すなわち、本発明の感圧導電性材料は、熱可塑性エラストマーに対して軟化剤を配合してなる組成物を母材として、前記母材中に気相成長炭素繊維が配合された導電性樹脂組成物に対し、発泡剤を添加することにより、前記導電性樹脂組成物を発泡させてなることを特徴とする。
【0014】
このように構成される本発明の感圧導電性材料によれば、比較的低電圧での利用が可能で、柔軟性や緩衝性に優れ、圧力の変動幅に応じて抵抗値がきわめて大幅に変動することで、圧力検出精度も向上させることができる。
【0015】
すなわち、本発明の場合、導電性樹脂組成物を発泡させてあるので、従来品に比べ、柔軟性や緩衝性が比較的優れたものとなる。しかも、本発明においては、導電性フィラーとして気相成長炭素繊維を利用しているので、導電性樹脂組成物を発泡させてあるにもかかわらず、比較的抵抗値を低く抑えることができ、低電圧での利用が可能となる。
【0016】
この点、他の一般的な炭素繊維や炭素系粒子、金属めっき粒子などを導電性フィラーとして利用する従来品の場合、発泡させると導電性フィラーの形成する導電経路が気泡により寸断されるため、本発明ほど抵抗値を低くすることは困難である。
【0017】
また、本発明の場合、導電性フィラーとして気相成長炭素繊維を利用しているので、単に抵抗値が低くなるだけにとどまらず、抵抗値の変動幅が広くなり、これにより、圧力検出精度も向上させることができる。
【0018】
この点に関し、気相成長炭素繊維を利用した場合に、抵抗値の変動幅が格段に広くなる理由は、明確に解明されてはいない。ただし、気相成長炭素繊維は、一般的な炭素繊維よりも細くて短いため、同重量の導電性フィラーを配合した場合でも、繊維の総数が格段に多く、気泡間にある僅かな連続部分にも導電経路が形成されやすく、このことが良好な特性が発現する要因の一つではないかと推察される。
【0019】
ちなみに、樹脂材料中に気相成長炭素繊維を配合すること自体は既に実施されている技術であり、また、樹脂材料を発泡させる技術そのものも広く知られた技術である。しかし、熱可塑性エラストマーに対して軟化剤を配合してなる組成物を母材として、このような母材に対して気相成長炭素繊維が配合された導電性樹脂組成物を発泡させた場合に、感圧導電性材料として優れた特性が発現することは、本件発明者が知る限り、過去に類例のない技術である。
【0020】
特に、この種の感圧導電性材料においては、母材の発泡は必ずしも好ましいことではなく、例えば、上記特許文献1の段落[0023]の記載を見ても、発泡を問題視する旨が示唆されている。しかし、本発明は、このような技術常識にとらわれることなく、気相成長炭素繊維を配合した導電性樹脂組成物を、あえて発泡させるという特異な手段を採用し、その結果、上述のような優れた特性を発現させたものである。
【0021】
このような優れた特性を備えた本発明の感圧導電性材料を利用すれば、従来品以上に感圧素子の性能を大幅に改善することができるものと期待でき、例えば、パーソナルコンピュータのタッチパッド、ゲーム機のコントローラ、その他、アナログ的に圧力の程度を検知するための圧力センサーの性能を向上させることができる。
【0022】
なお、本発明において、母材に対する気相成長炭素繊維や発泡剤の配合量については、必要とする性能が発現する範囲内で調節されていればよいが、目安としては、母材となる組成物100重量部に対して気相成長炭素繊維が20〜45重量部配合されているとよく、また、母材となる組成物100重量部に対し、発泡剤1〜10重量部を添加することにより、導電性樹脂組成物を1.45〜3.6倍に発泡させてあると好ましい。
【0023】
また、母材中に含まれる熱可塑性エラストマーについても、必要とする性能が発現する材料であれば、様々な熱可塑性エラストマーを任意に利用できるが、その中でも、スチレン系エラストマーを利用すると、感圧導電性樹脂材料としては好適なものとなる。
【0024】
スチレン系エラストマーとしては、スチレンエチレンエチレンプロピレンスチレンブロック共重合体(SEEPS)、スチレンイソプレンスチレンブロック共重合体(SIS)、スチレンブタジエンスチレンブロック共重合体(SBS)、スチレンエチレンプロピレンブロック共重合体(SEP)、スチレンエチレンブチレンスチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレンエチレンプロピレンスチレンブロック共重合体(SEPS)などのスチレン系エラストマーなどを挙げることができ、これらはいずれも本発明で用いるのに好適なものである。これらのスチレン系エラストマーは、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。
【0025】
また、軟化剤としては、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイルなどの炭化水素系プロセスオイルを用いるとよい。これらのプロセスオイルについても、パラフィン系、ナフテン系を単独で用いてもよいし、混合して用いてもよい。
【0026】
さらに、気相成長炭素繊維の物性についても、必要とする性能が発現するものであれば特に限定されないが、一例を挙げれば、直径が0.01μm〜0.2μm、繊維長が1μm〜500μm、アスペクト比が10〜500のものを採用すると好ましい。
【0027】
また、発泡剤についても特に限定されないが、発泡剤が独立気泡を形成可能なものであると、吸湿性を低くすることができるので、吸湿に伴う特性変化などが生じにくい感圧導電性材料とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】性能試験に用いた装置の概略構成を示す説明図。
【図2】実施例1の特性を示すグラフ。
【図3】比較例1および比較例2の特性を示すグラフ。
【図4】比較例3および比較例4の特性を示すグラフ。
【図5】実施例1〜実施例4および比較例5の特性を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0029】
次に、本発明の実施形態について一例を挙げて説明する。
まず、下記表1に示すような配合比で、母材となる組成物中に各導電性フィラーを配合するとともに、一部のものについては発泡剤を配合した。
【0030】
【表1】

なお、上記表1中、母材としては、スチレン系エラストマー〔スチレンエチレンエチレンプロピレンスチレンブロック共重合体(SEEPS)、分子量:10万、スチレン含有率:30重量%、製品名:セプトン(登録商標)4033、株式会社クラレ製〕に対して、軟化剤としての炭化水素系プロセスオイル〔パラフィン系プロセスオイル、40℃での動粘度:30.9mm2/s、分子量:400、SP値7.4〕を配合してなる組成物〔配合比:SEEPS/炭化水素系プロセスオイル=22.8/77.2(重量部)〕を利用した。
【0031】
また、気相成長炭素繊維は、昭和電工株式会社製の市販品(品名:VGCF(登録商標)−H、平均繊維径150nm、繊維長10〜20μm)を利用し、発泡剤としては、大日精化工業株式会社製の市販品(品名:ダイフォームH850)を利用した。
【0032】
また、比較例として挙げた試作品において導電性フィラーとして利用した比較用炭素繊維は、繊維径10μmの市販品(品名:ダイアリード(登録商標)K223SE、三菱化学産資株式会社製)である。また、銀めっきウィスカーとしては、大塚化学株式会社製の市販品(品名:スーパーデントール(登録商標)SD100)を使用し、人造黒鉛としては、昭和電工株式会社製の市販品(品名:UF−G30)を使用した。
【0033】
以上のような原料から、Tダイ(シートダイ)を付加した二軸押出機を用いて、シートを作成した。具体的には、上記表1に示した配合比となるように計量した各原料を混合した後、二軸押出機に投入し、混練して押し出した。なお、二軸押出機としては東洋精機製作所製のラボプラストミルを利用し、Tダイ寸法は幅160mm×厚み2mmとし、混練部温度は180℃、Tダイ温度は140℃に設定した。その結果、無数の独立気泡を含む発泡材料がシート状に加工された成形品を得ることができた。
【0034】
以上のような手順で製造した各シート状材料から、50×50×2mmの試験片を切り出して、各試験片について、圧力と抵抗率との関係を、引張圧縮試験機(ミネベア株式会社製;TCM−50)に図1に示すような材料試験装置を組み合わせて測定した。
【0035】
図1に示す材料試験装置は、絶縁性の下圧縮盤1の上に載せられた試験片Sを絶縁性の上圧縮盤3で挟み、引張圧縮試験機により上下圧縮可能な構造になっていて、引張圧縮試験器により圧縮量を任意に変更して、そのときに試験片Sに作用する圧力を測定可能となっている。なお、この試験例では、クロスヘッドスピードを20mm/minとした。
【0036】
また、試験片Sと下圧縮盤1との間には一対の電極5を配置して、電極5間の抵抗値をマルチメーター7で測定できるように構成した。各電極5の試験片Sに対する接触面は直径10mmの円形とし、電極の中心間距離は20mmとした。測定結果を図2〜図4に示す。
【0037】
図2から明らかなように、実施例1は、圧力の変動幅に応じて抵抗値が大幅に変動し、感圧導電性材料としての特性に優れたものであった。一方、図3に示したように、比較例1は、実施例1と同じ導電性フィラーを用いているものの、発泡剤が配合されていないため、実施例1ほど抵抗値が大幅に変動しないものとなった。
【0038】
このような傾向は、炭素繊維の種類を変更しても同じであり、例えば、比較例2などは、さらに抵抗値の変動幅が小さいものとなった。また、比較例1,比較例2は、発泡させていないため密度が高く、実施例1ほど柔軟性や緩衝性を高くすることは困難であった。
【0039】
さらに、実施例1において、上記のように抵抗値が大幅に変動する特性は、母材を発泡させたことのみに起因して生じる特性ではない。このことは、図4に示した比較例3,比較例4を見ると明らかである。
【0040】
比較例4は、炭素系導電性フィラーを利用しているという観点からは、実施例1に近い構成であると考えられるものの、抵抗値が比較的高い領域にあり、低電圧での利用が困難な特性となっていた。
【0041】
一方、比較例3は、抵抗値が比較的低い領域にあるので、低電圧での利用が容易ではあるが、導電性フィラーを多量に配合する必要があるため、強度が弱くなった。
以上の説明から明らかなように、実施例1として挙げた感圧導電性材料であれば、比較例4などに比べ低電圧での利用が可能で、比較例1,比較例2,比較例3などに比べ柔軟性や緩衝性に優れる。
【0042】
次に、発泡剤の配合比と特性の関係を調べるため、下記表2に示すような配合比で発泡剤を配合した。なお、母材(スチレン系エラストマー+軟化剤)および導電性フィラー(気相成長炭素繊維)の配合比は固定した。
【0043】
【表2】

これらの各組成物は、上述の実験例と同様にシート化し、そこから切り出した試験片について、上述した通りの試験を実施した。測定結果を図5に示す。
【0044】
図5から明らかなように、実施例1〜実施例4は、いずれも圧力の変動幅に応じて抵抗値が大きく変化し、その変動幅は、比較例5を上回る結果となった。
最も発泡倍率が低い実施例2で発泡倍率は1.45倍、最も発泡倍率が高い実施例4で発泡倍率は3.60倍なので、この事実から発泡倍率を1.45〜3.6倍程度に設定すると、抵抗値の変動幅が大きくなり、感圧導電性材料としての特性を改善できることが判明した。
【0045】
なお、発泡倍率はさらに大きくすることも可能であるが、実施例4を見ると明らかなように、発泡倍率が大きくなると抵抗値は全体的に高くなってゆく傾向がある。したがって、いたずらに発泡倍率を高めても、抵抗値の変動幅が大きくならない割には、抵抗値が高くなってゆくことになるので、この抵抗値上昇という問題と上述した感圧導電性材料としての特性改善ができる発泡倍率との双方を考慮すれば、発泡倍率は3.6倍以下にすることが好ましいと考えられる。
【0046】
ちなみに、気相成長炭素繊維以外の導電性フィラー(上述の比較用炭素繊維、銀めっきウィスカー、人造黒鉛)についても、発泡剤の配合比を増量する実験を行ったが、いずれも抵抗値が高くなりすぎて、ほぼ絶縁状態になってしまった。
【0047】
また、上記のような発泡剤の増量によって高くなりすぎた抵抗値を下げるため、さらに導電性フィラーの配合比を高めたところ、混合後に脆性が高くなりすぎて、一定形状に硬化させることができなくなってしまった。
【0048】
したがって、気相成長炭素繊維以外の導電性フィラー(上述の比較用炭素繊維、銀めっきウィスカー、人造黒鉛)では、発泡剤による性能改善は困難であり、気相成長炭素繊維の持つ特異な物性と発泡剤とを組み合わせることで、初めて感圧導電性材料としての特性を改善できることが判明した。
【0049】
なお、気相成長炭素繊維を導電性フィラーとして用いる場合でも、その配合比が過大になると脆性が高くなる傾向はある。より具体的には、気相成長炭素繊維の配合比が45重量部を上回ると脆性が高くなる傾向があり、この場合、一定形状に硬化させることが困難な状態になることがあった。一方、気相成長炭素繊維の配合比が20重量部を下回ると、抵抗値が期待するほど大幅に変動しなくなることがあった。
【0050】
したがって、気相成長炭素繊維の配合比は20〜45重量部程度の範囲内で調節すると好ましいものと考えられ、このような事情から、上記各実施例では、気相成長炭素繊維の配合比を35重量部とした。その結果、各実施例とも、脆性が高すぎず、かつ、抵抗値の変動幅も十分に大きく、これら二つの性能がバランス良く優れた感圧導電性材料を得ることができた。
【0051】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の具体的な一実施形態に限定されず、この他にも種々の形態で実施することができる。
例えば、上記実施形態では、熱可塑性エラストマーとして、スチレンエチレンエチレンプロピレンスチレンブロック共重合体(SEEPS)を利用する例を示したが、他の熱可塑性エラストマーを利用しても本発明を実施することができる。他の熱可塑性エラストマーの具体例を挙げれば、例えば、スチレンイソプレンスチレンブロック共重合体(SIS)、スチレンブタジエンスチレンブロック共重合体(SBS)、スチレンエチレンプロピレンブロック共重合体(SEP)、スチレンエチレンブチレンスチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレンエチレンプロピレンスチレンブロック共重合体(SEPS)などのスチレン系エラストマーが好適である。これらのスチレン系エラストマーは、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。
【0052】
また、上記実施形態においては、軟化剤として、パラフィン系プロセスオイルを用いる例を示したが、ナフテン系プロセスオイルを軟化剤として用いてもよい。これらのプロセスオイルについても、パラフィン系、ナフテン系を単独で用いてもよいし、混合して用いてもよい。
【符号の説明】
【0053】
1・・・下圧縮盤、3・・・上圧縮盤、5・・・電極、7・・・マルチメーター。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性エラストマーに対して軟化剤を配合してなる組成物を母材として、前記母材中に気相成長炭素繊維が配合された導電性樹脂組成物に対し、発泡剤を添加することにより、前記導電性樹脂組成物を発泡させてなる
ことを特徴とする感圧導電性材料。
【請求項2】
前記導電性樹脂組成物は、前記母材となる組成物100重量部に対して前記気相成長炭素繊維が20〜45重量部配合されたものであり、
前記母材となる組成物100重量部に対し、前記発泡剤1〜10重量部を添加することにより、前記導電性樹脂組成物を1.45〜3.6倍に発泡させてなる
ことを特徴とする請求項1に記載の感圧導電性材料。
【請求項3】
前記熱可塑性エラストマーは、スチレン系エラストマーである
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の感圧導電性材料。
【請求項4】
前記気相成長炭素繊維は、直径が0.01μm〜0.2μm、繊維長が1μm〜500μm、アスペクト比が10〜500のものである
ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の感圧導電性材料。
【請求項5】
前記発泡剤は、独立気泡を形成可能なものである
ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の感圧導電性材料。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−32322(P2011−32322A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−177790(P2009−177790)
【出願日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【出願人】(000242231)北川工業株式会社 (268)
【Fターム(参考)】