説明

感圧接着剤組成物と汎用のシリコーンライナーとを利用した積層体

本発明は表面材と、汎用シリコーンが剥離コートされたライナーに対して剥離可能に接着されたシリコーン感圧接着剤組成物を有する積層体に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は積層体に関するもので、これは感圧接着剤を利用する。より詳しくは、本発明は、汎用のシリコーン剥離コーティングとともに使用するための感圧接着剤を利用する積層体に関する。
【背景技術】
【0002】
シリコーン系の感圧接着剤(PSA)組成物は、周知の物質であり、内燃機関のシリンダー壁のラベル、または冷凍庫内の仕切った部分の内壁のラベルのような、広い実用温度範囲に渡って良好な接着性が要求される場所で広く使用される。これらの組成物は、典型的には、末端にシラノール基を有する高分子量の線状ポリジメチルシロキサンガムと、例えば、テトラアルキルオルトシリケートおよび/またはナトリウムシリケートの水分散液を使ったトリアルキルクロロシランの加水分解から誘導される、通常は部分的に加水分解された、粘着付与のMQレジンとのブレンドとして提供される。これらの組成物において、一部のジメチルシロキサンの代わりにジフェニルシロキサンまたはメチルフェニルシロキサンを有する線状シリコーンガムを使用することも度々行なわれる変更である。シリコーンガムとMQ粘着付与レジンの両方とも高分子量なので、シリコーン系PSAを芳香族または脂肪族の炭化水素溶媒中の溶液として提供したり、塗布することが必要になる。シリコーン系PSAは、熱活性化される有機過酸化物の硬化触媒を添加することによって接着性を向上させるために通常は硬化(架橋)されるが、この目的には過酸化ベンゾイル(BPO)が一般的に使われる。
【0003】
線状ポリジメチルシロキサン(PDMS)ガムとメチルMQレジン粘着付与剤からなるシリコーン感圧接着剤(PSA)は、当業者によく知られている。そのような物質は、広い範囲にわたる実用温度で、ラベルの基材への接着のような特殊な用途、すなわち汎用の有機PSAが必要な性能を満たさない場合の用途に特に有用である。感圧接着剤の大きな市場には、ライナーと一般に呼ばれるバッキング材上の剥離コーティングに貼り付けられる接着剤へのラベルまたは他の表面材の積層物が普及している。ライナーは、使用のかなり前に、およびラベルが利用される場所から遠距離で、ラベル、付箋、またはテープの製造を可能にする簡便な便利な媒体を提供する。大部分の有機PSAは、シリコーン剥離ライナーに軽く接着するが、使用時には容易に引き離され、利用される。シリコーンPSAはこのようなやり方では提供されなかった。これは汎用のシリコーン接着剤が大部分のシリコーン剥離剤から剥離しないからである。
【0004】
線状ポリジメチルシロキサン(PDMS)ガムとメチルMQレジン粘着付与剤からなるシリコーン感圧接着剤(PSA)は、当業者によく知られている。そのような物質は、広い範囲にわたる実用温度で、ラベルの基材への接着のような特殊な用途、すなわち汎用の有機PSAが必要な性能を満たさない場合の用途に特に有用である。感圧接着剤の大きな市場には、ライナーと一般に呼ばれるバッキング材上の剥離コーティングに貼り付けられる接着剤へのラベルまたは他の表面材の積層物が普及している。ライナーは、使用のかなり前に、およびラベルが利用される場所から遠距離で、ラベル、付箋、またはテープの製造を可能にする簡便な便利な媒体を提供する。大部分の有機PSAは、シリコーン剥離ライナーに軽く接着するが、使用時には容易に引き離され、利用される。シリコーンPSAはこのようなやり方では提供されなかった。これは汎用のシリコーン接着剤が大部分のシリコーン剥離剤から剥離しないからである。
【0005】
シリコーン接着剤のこのような望ましくない性質に打ち勝つために開発された先行技術は、シリコーン剥離コーティングの修飾に重点を置いてきた。例えば、構造の中にペルフルオロアルキル基を高濃度に組み入れたシリコーンコーティングは、汎用のPDMSシリコーン接着剤を剥離することが知られている。そのような剥離コーティングは、M−D−D−M型ポリマーとして表され、式中、Dは(CH)(CF(CFCHCH)SiO−であり、x>2である。そのような物質は非常に高価であり、それ故一般的な使用状況にはない。かなりの数のCFCHCH−基を有する「T−分岐型」コーティングとして知られる特殊クラスのシリコーンコーティングは、特定のいわゆるフェニルシリコーンPSAを剥離しうるが、汎用のメチルシリコーンPSAを剥離しえない。この場合もまた、この系の価格と限定された応用性が感圧粘着製品の広範囲に及ぶ使用を妨げた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
それゆえ、剥離ライナーに軽く接着し、使用時に容易に引き離されて利用される、経済的で実用的なシリコーン系の感圧接着剤(PSA)組成物の必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
i)フルオロシリコーンガム;
ii)フルオロアルキルシリル化されたMQレジン;および、任意選択で、充填材、ケイ素化合物系接着促進剤、可塑剤、溶媒、チキソトロープ剤、
紫外線安定剤、硬化剤および酸化防止剤からなる群から選ばれた少なくとも一つの付加的な成分;
(ここで、この感圧接着剤は、シリコーン剥離コーティングを有する剥離ライナーに剥離可能な状態で接着する)
を含む感圧接着剤層を有する表面材を含む積層体。
【0008】
本発明の積層体は、例えばラベル、デカール、テープ、などの機能的で効果的な多層製品または感圧製品を製造するため、汎用のシリコーンライナーおよび/または剥離コーティングと共に使うことの出来るシリコーン感圧接着剤を使用する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
積層体は、ここに広く定義されるが、例えば、紙、布、アスベスト、木材、ガラスなどに接着された、フェノールレジン、ポリエステル、エポキシ、またはシリコーン、のようないくつかの種類の熱硬化性プラスチックのいずれか一つから作ることのできる複合体である。
【0010】
「剥離可能な状態で接着された」は、接着された感圧接着剤層が取り去られる時まで剥離ライナーに接着されたままであり、次に、好ましくは、感圧接着剤フィルムを引き裂くことなく、および/または、好ましくは、感圧接着剤フィルムが永続的に接着されており、表面材から離れることなく、シリコーン剥離コーティングを剥き出にするように取り去られることを意味する。「永続的に接着された」は、接着剤、コーティングまたは表面処理剤のような物質が、これは例えば、表面材のような基材に接着されているが、物質の通常の使用中に基材に接着したままであり、もし取り去ることが可能なら、物質および/または基材を損傷することによってのみ基材から取り去ることができることを意味する。
【0011】
表面材は、紙または、当業者に既知で汎用である他の物質でよい。剥離ライナーは、有機感圧接着剤(PSA)を剥離させるために当業者に既知である汎用のシリコーンライナーのいずれでもよい。典型的には、剥離ライナーは、表面に低い表面エネルギーを与えるために、例えば、シリコーン剥離コーティングで処理した少なくとも一つの表面を有する可撓性のあるバッキングを含む。
【0012】
紙の表面材は、それを利用できる幅広い種類の用途の故に、特に有用である。紙はまた比較的安価であり、ブロッキング防止性、帯電防止性、寸法安定性のような望ましい性質を有し、リサイクルが潜在的に可能である。汎用の紙塗工処理装置で取り扱える充分な引張強度を有するいずれの種類の紙を利用してよい。したがって、いずれの種類の紙も最終的な用途におよび特定の個人の好みにより用いられる。用いることのできる紙の種類には、ソーダ法、亜硫酸塩法または硫酸塩(クラフト)法、中性硫化物蒸解法、アルカリ塩素法、硝酸法、セミケミカル法などのプロセスにより製造される、クレーコート紙、グラシン紙、ポリマーコート紙や、わら、樹皮、木材、綿、亜麻、とうもろこし、サトウキビ、バガス、竹、麻、および類似のセルロース物質からの板紙が含まれる。
【0013】
感圧接着剤組成物は、本発明の接着性積層体を作るために、溶液コーティング、溶液吹きつけ、ホットメルトコーティング、押出、共押出、積層、模様コーティング、などの広い範囲のプロセスによって、適当な表面材、剥離ライナーまたはテープバッキングに適用してよい。典型的には、接着/剥離ライナー積層体を形成するために、基材に、例えばシリコーン剥離物質で被覆したポリエチレンテレフタレートのような剥離ライナーに適用される。接着剤表面上にミクロ構造を形成するために、ライナーは、接着剤に付与されるミクロ構造をその表面に有してよい。接着剤転写テープの場合は、そのまま使用してもまたは応用してもよく、例えば、接着剤テープを作製するために、二軸延伸ポリエチレンまたは高密度ポリエチレンのような所望の基材の少なくとも片側に積層してよい。基材、例えば、バッキングフィルムまたは発泡体の片側のみに積層する時、片面テープが製造できる。基材、例えばフィルムまたは発泡体の両側に積層する時、両面テープが製造できる。さらに、両面テープの場合、テープは両面で同一の、または異なった接着剤を有してよく、例えば、一方の接着剤が感圧接着剤で他方が熱活性化接着剤であってよく、または一方の接着剤がシリコーン系で他方がアクリル系であってよい。
【0014】
本発明の接着剤製品における使用に適したバッキングは、広い範囲の基材となる物質を含み、その例は、ポリイミド、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、二軸延伸ポリプロピレン(BOPP)、およびメタロセン重合されたポリ(アルファ−オレフィン)コポリマーのようなポリマーフィルム、発泡体、布、紙、表面加工紙、綿織布および不織布、網製品、網目状の織物、などである。剥離ライナーを塗工するために、いずれの適切な方法を用いてよい。典型的な剥離コーティングの重量は、約0.2g/mより大きく、より典型的には、約0.7g/mから約1.9g/mである。例えば、充填剤、酸化防止剤、粘度調整剤、顔料、剥離調整剤のような添加物は、それらが最終製品の所望の性質を変えない程度で剥離コーティングに添加してよい。
【0015】
この発明の積層された接着剤製品は、下塗剤、バリアコーティング、金属および/または反射層、結合層、ならびにそれらの組合せ、のような付加的な層を含んでよい、テープまたはラベルである。この単層または複層の下塗りは、化学的な、または機械的な下塗りのような下塗り工程を含んでよい。有用で化学的な下塗剤の例は、アクリロニトリルブタジエンゴム、エポキシレジン、およびポリアミドレジンの溶媒溶液である。
【0016】
この発明の積層体は、抜き打ち、製品の膨張を起こすための加熱のような後処理工程、例えば、現場発泡など、を行ってよい。
【0017】
剥離ライナーを作製するのに使われるポリマーフィルムの例は、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリビニリデンジフルオリド(PVDF)、など、およびそれらの組合せを含む。ポリオレフィンのフィルムは、一分子あたり、炭素原子数が2から約12まで、一つの実施態様では炭素原子数が2から約8まで、一つの実施態様では炭素原子数が2から約4まで、を有するモノオレフィンのポリマーおよびコポリマーを含んでよい。そのようなホモポリマーの例は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、などを含む。上の定義に入るコポリマーの例は、エチレンと約1重量%から約10重量%のプロピレンとのコポリマー、プロピレンと約1重量%から約10重量%のエチレンまたは1−ブテンなどとのコポリマーを含む。コポリマーのブレンド、またはコポリマーとホモポリマーとのブレンドから調製されたフィルムもまた有用である。ポリマーフィルムは、単層または多層で押出し加工されてよい。基材として使用してよい別の種類の物質は、ポリマーコーティングでいずれかの片面または両面を被覆されたクラフトライナーを基本的に含む、ポリマーコートクラフトライナーである。
【0018】
シリコーン剥離コーティング
本発明のシリコーン剥離コーティング組成物の主要成分は、ポリオルガノシロキサンであり、一つの実施態様において、主要成分はポリジメチルシロキサンである。この発明において使用されるシリコーン剥離コーティング組成物は、湿気硬化、熱硬化、または放射線硬化であってよい。一般的には、湿気硬化および熱硬化の可能な組成物は、少なくとも一つのポリオルガノシロキサンおよび、そのようなポリオルガノシロキサン用の少なくとも一つの触媒(または硬化剤)を含む。そのような組成物は、少なくとも一つの硬化促進剤および/または接着力促進剤(時には固着用添加物として言及される)を含有してもよい。当業者に既知であるように、ある物質は、両方の機能、すなわち、速度を増大させ、硬化温度を下げるなどの硬化促進剤として作用する能力、および、基材へのシリコーン組成物の接着を向上させる接着力促進剤としても作用する能力、を有している。そのような多機能な添加物の使用は、適切な場合には、この発明の範囲に入る。
【0019】
多種多様なポリオルガノシロキサンは、時にはシリコーンと言及されるが、この発明の実施に使ってよい。そのようなポリオルガノシロキサンは、時には高分子シリコーンレジン、ゴム、油、または流体としても言及される。これらの組成物は周知であり、文献に充分に記載されている。これらの組成物は、ケイ素―酸素結合をとおして酸素原子によって互いに結合されたケイ素原子で基本的に構成される。この発明の実施において使われる組成物は、約5,000から約250,000の範囲にある分子量を有するポリマーおよびコポリマーを含む。これらのポリマーおよびコポリマーは、キシレン、トルエン、メチルエチルケトン、および四塩化炭素のような一般的な炭化水素溶媒にもはや溶けない重合度や縮合度で得るべきではない。一般的には、キシレンの沸点と同じかもしくはそれより低い沸点を有する有機溶媒のいずれも、この発明の実施に使われる組成物において使用してよい。溶媒は、基材への均一な塗布のための便利な媒体またはキャリアーの役目をしているだけである。したがって、高沸点の溶媒を使うことが可能ではあるが、制御に多くの時間を要するので、その使用は商業上経済的ではない。種々のポリオルガノシロキサンは、有機溶媒中、種々のパーセントの固形分濃度で、市販品を入手可能である。この発明のシリコーン剥離コーティング組成物を形成する際に使用してよいポリオルガノシロキサン物質の好例は、米国特許第2,258,218号;第2,258,220号;2,258,222、第2,494,920号;第3,432,333号;および第3,518,325号に開示されており、これらを参照により本明細書の一部としてここに編入する。
【0020】
シリコーン剥離コーティング組成物の硬化に利用しうる適当な触媒は、スズ、鉛、白金、ロジウム、などのような金属を含有する種々の化合物がある。一般的に、触媒は、ジアルキルスズエステルのようなスズ、白金またはロジウムの化合物である。触媒の具体例は、ジブチルスズジアセタート、ジブチルスズジ(エチルヘキサノアート)、ジヘキシルスズジ(2−エチルヘキサノアート)、エチルスズトリヘキサノアート、ジブチルスズジラウラート、オクタデシルスズジラウラート、ジブチルスズジアセタート、トリブチルスズアセタート、ジブチルスズスクシナート、鉛ナフテナートおよび鉛オクトアートのような種々の鉛の塩、亜鉛オクタアート、亜鉛ステアラート、鉄オクタアート、過酸化ベンゾイルおよび2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシドのような種々の有機過酸化物、ならびにポリオルガノシロキサン(シリコーン)物質用の硬化剤または触媒として当業者に既知の他の化合物を含む。有用な触媒は、先に記載したような、少なくとも一つの炭素−スズ結合を含有する有機スズ化合物のカルボン酸塩を含む。白金とロジウムの金属錯体もまた有用である。塩化白金酸の特に有用な形態は、これをジビニルテトラメチルジシロキサンのような脂肪族的に不飽和な有機ケイ素化合物と反応させた時に得られる組成物であり、これは参照により本明細書の一部としてここに編入する米国特許第3,419,593号に開示されている。。ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、およびエタノールアミンのようなアミンおよびアミン誘導体、ならびに、イソシアナート化合物のようなアミン前駆体およびガンマ−アミノプロピルトリエトキシシランのようなアミン官能性シランも、硬化触媒として使用してもよい。カルボン酸のアミン塩も使用してもよい。一つの実施態様では、触媒が白金金属錯体である。
【0021】
シリコーン剥離コーティング組成物において使用してよい硬化促進剤および/または接着力促進剤もまた当業者に周知である。そのような硬化促進剤および/または接着力促進剤の好例は、先に説明した、アミン、アミン官能性シランおよびアミン前駆体、ならびに、ビニル型のアセトキシ官能性シランのような他のシラン誘導体およびテトラ(ジエチレングルコールモノメチルエーテル)シランのようなオルトシリケートでもある。この発明の実施に効果的であることが見出されているイソシアナート化合物は、有機溶媒に可溶であり、一分子あたり、平均して少なくとも二つのイソシアナート基を有するイソシアナートのいずれも含む。
【0022】
これらの化合物の少なくとも一部は、硬化促進剤および/または接着力促進剤のと同様、それ自体で硬化触媒としても機能する。この発明のシリコーン剥離コーティングにおいて使用される、硬化剤または触媒、硬化促進剤および/または接着力促進剤の量は、硬化温度、用いる特定の触媒、選択する特定のポリオルガノシロキサン物質、用いる特定の硬化促進剤および/または接着力促進剤、基材、所望の硬化時間、などにより広範囲にわたって変動しうる。通常は、そのようないずれかの成分の量は、用いたシリコーン物質の0.5重量%から20重量%の範囲とする。
【0023】
ポリオルガノシロキサン剥離コーティング物質の硬化は、用いる特定のシリコーン物質と、前記シリコーン物質と一緒に使用される特定の硬化剤または触媒により室温で起こりうる。
【0024】
有用である放射線硬化型のシリコーン剥離組成物は、ベンゾフェノンのような光開始剤の助けで、または助けなしで、紫外線または電子線の照射によって硬化してよい。放射線硬化型の剥離コーティングの調製に有用なポリオルガノシロキサンの一種類は、アクリロキシ基、メタクリロキシ基、またはそれらの組合せを含む。種々の、アクリロキシまたはメタクリロキシを含有するポリオルガノシロキサンは既知であり、使用してよい。これらのポリオルガノシロキサンは、約25cps(センチポアズ)から10,000cpsまでの範囲の粘度を有する、典型的には流体である。この種類のポリオルガノシロキサンは、米国特許第3,878,263号、第4,064,286号、第4,301,268号、第4,306,050号、第4,908,274号、第4,963,438号、第4,978,726号、および第5,034,491号に記載されているが、アクリレートまたはアクリレートを含有するポリオルガノシロキサンと、アクリロキシ基および/またはメタクリロキシ基を含有するポリオルガノシロキサンを調製する方法とを開示するために、これらの特許を参照により本明細書の一部としてここに編入する。
【0025】
本発明で有用である放射線硬化型の剥離組成物は、任意選択で、少なくとも一つの光開始剤を含有してよい。剥離組成物に含まれる光開始剤の量は、放射線硬化型の組成物の全重量に基づいて約0重量%から10重量%までの範囲で、多くの場合は、約0.5重量%から約5重量%までの範囲で変動してよい。
【0026】
有用であるシリコーン剥離コーティング組成物は、有機溶媒の溶液、または水中乳濁液の形態でよく、またはシリコーン組成物が液体である場合は、ニート形態(無溶媒)でよい。本発明のシリコーン剥離コーティング組成物は、既知の、汎用の手段で基材に塗布してよい。
【0027】
感圧接着剤組成物
シロキサンレジンは、技術上既知である。これらのレジンは、一般にMQレジンとして言及され、芳香族系の溶媒に可溶であり、式RSiO1/2で表されるM単位、および式SiO4/2で表されるQ単位を含有する。MQレジンは、本来、M単位とQ単位から構成されるが、5モル%までの、式RSiOで表されるD単位、および式RSiO3/2で表されるT単位が存在してよい、と認識されている。Rは、一価の炭化水素基であり、炭素原子数が1から6までを有する基、例えば、メチル、エチル、およびイソプロピルのようなアルキル基;ビニル、アリル、エチレニル、プロペニルおよびヘキセニルのようなアルケニル基;ならびにシクロペンチルおよびシクロヘキシルのような環状脂肪族基である。Rは、有利には、メチルである。MQレジンは、好ましくは、約0.6:1から約1.2:1までのM:Q比を有するシラノールを含有するMQレジンである。MQレジンにおけるケイ素に結合した水酸基、すなわちシラノールの含有量は、MQレジンの全量に基づいて、約0.2重量%から約5重量%までの範囲、有利には、約1重量%から約3重量%までの範囲、さらに好ましくは、約1.5重量%から約2.5重量%までの範囲である。
【0028】
MQレジンは、キシレンまたはトルエンのような芳香族系の溶媒の溶液で、一般的には40重量%から60重量%の溶液として市販品を入手可能である。
【0029】
MQレジンのフルオロアルキルシリル化は、MQレジンを、少なくとも一つの加水分解性のアルコキシ、またはハロゲン基を有するフルオルアルキルシランと反応させることにより行なわれる。
【0030】
適当なフルオロアルキルシリル化の反応条件としては、キシレンまたはトルエンのような芳香族系の溶媒を使用し、約50℃から約150℃まで、有利には、約80℃から約120℃までのレベルの温度で、常圧で(適度なレベルの減圧または加圧を利用してよいが)、約30分から約6時間までの時間で、有利には、約1時間から約2時間、または反応が実質的に完了するまでの時間である。
【0031】
適当なフルオロアルキルシランのなかで、反応物は
【化1】

の一般式で表され、
式中、Rは、一部または全部がフッ素化された、炭素原子数が26まで、有利には、炭素原子数が1から20までを有するアルキル基であり;Rは、フルオロアルキル基RとSiとを連結する、化学的に安定な二価の架橋基であり、例えば、nが2から20の−(CH−基、−X−が−O−もしくは−C(O)O−であり、nが0から2であり、pが5から25である−(CH−X−(CH−基、またはQが少なくとも一つの酸素原子を含有する二価の基であり、qがnまたは3である−Q−S−(CH−基である;およびRは、炭素原子数が1から6のアルキル、または炭素原子数が6から8のアリールであり、Rはアルコキシまたはハロゲンであり、rは0、1または2である。
【0032】
そのようなフルオロアルキルシランの例は、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルメチルジメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルジメチルメトキシシラン、4,4,4−トリフルオロブチルトリメトキシシラン、4,4,4−トリフルオロブチルトリエトキシシラン、3,3,4,4,4−ペンタフルオロブチルトリメトキシシラン、3,3,4,4,4−ペンタフルオロブチルトリエトキシシラン、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシラン、15−(トリフルオロエトキシ)ペンタデシルトリメトキシシラン、15−(トリフルオロアセトキシ)ペンタデシルメチルジエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルジメチルクロロシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルメチルジクロロシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリクロロシラン、などである。これらの、および他のフルオルアルキルシランは、当業者に既知のプロセスにより調製することができ、例えば、米国特許第4,633,004号、第5,011,963号、第5,202,452号、および第6,323,356号に開示されているが、この特許を参照により、総ての内容を本明細書の一部としてここに編入する。
【0033】
フルオロアルキルシリル化されたMQ粘着付与レジンは、シリコーンガムと、任意選択で、充填材、ケイ素化合物系接着促進剤、可塑剤、溶媒、チキソトロープ剤、紫外線安定剤、硬化剤、酸化防止剤、などのような、一つもしくはそれ以上の既知の、または汎用の接着剤添加物と組み合わせることにより、本発明による耐溶剤性の感圧接着剤組成物を与える。
【0034】
シリコーンガムは、典型的にはシラノール末端ポリジメチルシロキサン、例えば、米国特許第5,602,214号に開示されたもののいずれかであり、この特許を参照により、総ての内容を本明細書の一部としてここに編入し、有利には、フルオロシリコーンポリマー、例えば、米国特許第5,436,303号に開示されたもののいずれかであり、この特許を参照により、総ての内容を本明細書の一部としてここに編入する。「フルオロシリコーン」の用語は、ポリマーを構成するジメチルシロキサン単位の一部または全部が、フルオロアルキルメチルシロキサン単位に置き換えられたポリジメチルシロキサンを意味する。フルオロシリコーンガムは、増大した耐溶剤性も有し、ここにフルオロアルキルシリル化されたMQ粘着付与レジンとの良好な混和性を示すことが見出された。フルオロシリコーンの耐溶剤性の性質は、Dとしても知られるSiRO;Dとしても知られるSiRO;Dとしても知られるSiR;M、またはビニルのようなアルケニルが存在する時はM’’としても知られるSiR1/2;およびMとしても知られるSiR1/2、のようなモノマー単位のフルオロシリコーンのホモポリマーまたはコポリマーを含有する出発物質の使用によって得られる。これらのモノマー単位において、RおよびRは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシルなどのような炭素原子数が1から10までを有するアルキル基、ビニル、アリル、プロペニル、またはヘキセニルのような炭素原子数が1から10までを有するアルケニル基、ならびに炭素原子数が6から10までを有する、フェニルおよびアリールアルキルのようなアリール基から、それぞれ独立して選択される。Rは、R、RおよびRが先に記載されたような、一般式−OSiRのケイ素を含有するペンダント基である。
【0035】
好ましくは、25℃で少なくとも約5,000cpsである高粘度のフルオロシリコーンガムおよび/または流体は、ここにフルオロアルキルシリル化されたMQ粘着付与レジンとの組み合わせるのに特に好ましい。フルオロシリコーン構造は、例えば、メチルおよびフェニルなど、アルキル、アリールおよびアリールアルキルを含むシリコーンに結合した有機基、ならびに、炭素原子数が1から8までのトリフルオロアルキル;炭素原子数が1から8までのフルオロ環状基;炭素原子数が1から8までのペルフルオロ化されたアルキル;炭素原子数が1から8までのペルフルオロ化された環状基;および骨格のケイ素原子に結合した、一部または全部がフッ素化された、アルキル、アルケニル、エーテルまたはエステル基を含む部分を、含有する高分子量のガムまたは流体である。シラノールおよびビニルのようなフルオロシリコーンと部分的に混和できる置換基の存在は望ましい。
【0036】
シリコーンガムは、ここに固形分に基づいて全組成物の約33重量%から約75重量%のレベルで、耐溶剤性の感圧接着剤に導入してよい。
【0037】
この発明の耐溶剤性のPSA組成物への添加に適する典型的な充填剤は、ヒュームドシリカ、沈降シリカおよび炭酸カルシウムを含む。約0.07μから約4μの粒径を有する処理した炭酸カルシウムが特に有用であり、いくつかの商標名で入手可能である;スペシャリティインミネラルズ社(Specialty in Minerals)からのウルトラピーフレックス(Ultra Pflex)、スーパーピーフレックス(Super Pflex)、ハイピーフレックス(Hi Pflex);ゼネカレジン社(Zeneca Resins)からのウィンノフィル(Winnofil)SPMおよびSPT;フーバー社(Huber)からのフーバーカーブ(Hubercarb)lat、フーバーカーブ3QtおよびフーバーカーブW、およびECC社からのコ−トマイト(Kotomite)である。これらの充填剤は、単独または組合せのいずれかを用いてよい。充填剤は、フルオロアルキルシリル化されたMQレジン組成物100部あたり、約200部まで含むことができ、フルオロアルキルシリル化されたMQレジン100部あたり、約80部から約150部までが大多数の接着剤用途に特に適する。
【0038】
シラン接着促進剤は、フルオロアルキルシリル化されたMQレジン100部あたり、約0.5部から約5部までのレベルで、有利には、フルオロアルキルシリル化されたMQレジン100部あたり、約0.8部から約1.5部までのレベルで使用してよい。適当な接着促進剤は、ケイ素化合物であるシルケスト(Silquest)A−1120、シルケストA−2120、シルケストA−1170およびシルケストA−187を含み、これらの総てがGEシリコーンズ社(GE Silicones)から入手可能である。
【0039】
可塑剤の好例は、フタラート、ジプロピレンおよびジエチレングリコールジベンゾアート、ならびにそれらの混合物、エポキシ化された大豆油、などを含む。ジオクチルフタラートおよびジイソデシルフタラートは、エクソンケミカル社(Exxon Chemical)から、ジェイフレックス(JayFlex)DOPおよびジェイフレックスDIDPの商標名で、市販品を入手可能である。ジベンゾアートは、ヴェルシコルケミカル社(Velsicol Chemical Corporation)から、ベンゾフレックス(Benzoflex)9−88、ベンゾフレックス50およびベンゾフレックス400として入手可能である。エポキシ化された大豆油は、ホートンケミカル社(Houghton Chemical Corporation)から、フレキソール(Flexol)EPOとして入手可能である。可塑剤は、フルオロアルキルシリル化されたMQレジンとフルオロシリコーンガムとの組合せの約100部まで含むことができ、有利には、この組合せ100部あたり、約40部から約80部までが充分である場合が多い。
【0040】
有用な溶媒は、フルオロアルキルシリル化されたMQレジンおよびフルオロシリコーンガムの組合せの100重量部あたり、約25部から約75部までの範囲にわたる芳香族系、脂肪族系、ハロゲン系、およびエステル系の溶媒を含む。
【0041】
有用なチキソトロープ剤の実例は、種々のキャスターワックス、ヒュームドシリカ、処理した粘土およびポリアミドである。これらの添加剤は、典型的には、ペルフルオロアルキルシリル化されたMQレジンおよびフルオロシリコーンガムの組合せ100部あたり、約1部から約10部までを含み、約1部から約6部までが大多数の用途に有用である。チキソトロープ剤は、デグサ社(Degussa)からのエアロジル(Aerosil)、キャボット社(Cabot)からのキャボ−シル(Cabo−Sil)TS720、キャスケム社(CasChem)からのキャスターワックス(Casterwax)、レックス社(Rheox)からのチクサトロール(Thixatrol)およびチクシン(Thixcin)、およびキングインダストリーズ社(King Industries)からのディルソン(Dilson)、として入手可能である。もし、チキソトロープ剤がケイ素化合物(例えば、シリカ)と反応する場合は、算出した量を補償するために、その量を調整する必要がありうる。
【0042】
紫外線安定剤および/または酸化防止剤は、この発明の感圧接着剤組成物中に、フルオロアルキルシリル化されたMQレジンおよびフルオロシリコーンガムの組合せ100部あたり、0部から約5部までの量で添加してよく、約0.5部から約2部までが一般に良好な結果を与える。これらの物質は、チバガイギー社(Ciba−Geigy)からチヌビン(Tinuvin)770、チヌビン327、チヌビン213、チヌビン622およびイルガノックス(Irganox)1010の商標名で入手可能である。
【0043】
ここに、過酸化ベンゾイル(BPO)のような汎用の過酸化物硬化触媒を含有するPSA組成物は、混合した後、溶媒を追い出し、架橋させる手段として熱に暴露することによって硬化される。硬化条件は、典型的には、溶媒を除去するために、室温または加温の条件で数分間の暴露、次いで、BPOまたは他の過酸化物の硬化触媒を分解させ、PSA組成物のフリーラジカル架橋反応を開始させるために、典型的には、150℃から250℃までのオーブン条件に数分間の暴露、を含む。
【0044】
本発明の積層体および感圧製品の接着剤剥離力は、剥離コート面から、特定の速度および角度で、感圧接着剤を引き剥がすのに要する力として、一般的に定義される。以下に開示される実施例において、剥離力は、180度引き剥がし接着試験(PSTC−101、第13版)を用いて測定される。この試験では、引き剥がし荷重が、適用する接着剤に垂直方角に作用する時、基材から感圧接着剤を除去するのに必要な引き剥がし力を測定する。
【0045】
この試験では、感圧接着剤の試片を剥離コート面に圧着し、エージングした後、接着剤の試片を角度90度で、1分あたり12inch(インチ)および300インチの速度で引き剥がす時、剥離力が測定される。用いた装置は、テスティングマシーンズインク社(Testing Machines Inc.)から、TMI No.80−90−02−0003型の名称で入手可能である剥離および接着試験機である。剥離力は、grams/inch(グラム/インチ)幅で表される。
【0046】
この発明の目的および長所を、以下の実施例でさらに示すが、これらの実施例に列挙した特定の物質およびその量、だけでなく、他の条件および詳細は、本発明を不当に限定するために解釈すべきではない。テープの調製および実施例において記載した総ての量は、明記されていない限り、重量である。
【0047】
以下の実施例は、フルオロシリコーンPSAの接着性を損なうことなく、ライナーからラベル/接着剤薄片またはテープ/接着剤薄片の容易な剥離を示す感圧接着剤を使用する積層体の実例である。
【0048】
フルオロシリコーンガムは、ジメチルシロキシ単位と、種々のモル%メチルトリフルオロプロピルシロキシ単位とから、先行技術に従って調製した。以下の実施例に、これらのコポリマーのモル%メチルトリフルオロプロピルシロキシが記載されている。すべてのコポリマーはシラノール末端であった。
【0049】
レジンは、約2重量%シラノール官能基を含有するレジンのトルエン溶液を還流することによって、酸触媒(塩酸)の存在下、実施例に開示されるケイ素化合物との反応によって調製された。反応が進行した時、トルエン溶液からフルオロシラン/レジンが沈殿し、単離され、真空オーブン中でおおよそ100℃から120℃までで乾燥された。
【実施例】
【0050】
PSA/PET実施例1
PSA/PET実施例1は、次の溶液からの非結合型のPSAブレンドを用いて調製した。
50モル%メチルトリフルオロプロピルシロキシ 2.4g
20モル%メチルトリフルオロプロピルシロキシ 4.8g
3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン処理MQレジン
3.6g
トリフルオロトルエン溶媒(シグマアルドリッチ社から入手可能)
25g
過酸化ベンゾイル(BPO、1重量%)(シグマアルドリッチ社から入手可能) 0.11g
【0051】
レジン/ガム比0.5であるPSA/PET実施例1は、2枚の2ミル(mil)PET基材に10ミル湿式コーティングとしてレジン/ガム比0.5のPSAをコートし、溶媒を除去し、75℃で5分間、次いで、177℃で10分間硬化させることによって調製した。このコーティングは、硬化後に3ミルの接着剤構造であることが分かった。PSA/PET実施例1のPSAでコートしたPETの1インチ試片は、ステンレス鋼パネルに貼り、周囲条件で1時間放置した。12インチ/分(inch/minute)、角度180°で、ステンレス鋼パネルからPSA/PET実施例1の接着剤薄片を引き剥がすのに要した力は、589g/in(グラム/インチ)であった。
【0052】
汎用の剥離コートPET実施例1
汎用の剥離コートPET実施例1は、次の組成であるコーティングから調製された、汎用の接着性シリコーン剥離コートPET基材からなる。
SL6625 20部
SS4300c 0.66部
ヘキサン 80部
GEアドバンストマテリアルシリコーンズ社(GE Advanced Material−Silocones):SL6625は、ビニル末端ポリジメチルシロキサン/抑制剤/白金触媒。
SS4300cは、トリメチルシロキシ末端メチル水素ポリシロキサン。
#10マイヤー(Meyer)ロッドを剥離コーティングのPETへの塗工に用いた。溶媒を除去し、強制エアオーブン中、120℃、滞留時間30秒でコーティングを硬化させ、PETライナー上に接着性のシリコーン剥離コーティング約1.5g/mコート重量を得た。
【0053】
汎用の剥離コートPET実施例2
汎用の剥離コートPET実施例2は、次の組成であるコーティングから調製された、汎用の接着性シリコーン剥離コートPET基材からなる。
FSR2000 20部
SS4300c 20.8部
ヘキサン 80部。
GEアドバンストマテリアルシリコーンズ社から入手可能であるビニル末端メチルトリフルオロプロピルジメチルポリシロキサン剥離コーティング。
#10マイヤーロッドを剥離コーティングのPETへの塗工に用いた。溶媒を除去し、強制エアオーブン中、120℃、滞留時間30秒でコーティングを硬化させ、PETライナー上に接着性のシリコーン剥離コーティング約1.5g/mコート重量を得た。
【0054】
積層体実施例1
積層体実施例1は、PSA/PET実施例1のフルオロシリコーンPSAを有するPETシートを、汎用の剥離コート実施例1の、汎用のシリコーン剥離コーティングを用いて調製したPETライナーに貼り、次に、実験室用ラミネーターのニップ圧で積層することにより、実施例1のPSAコートPET、および汎用の剥離コート実施例1の汎用のシリコーン剥離コートPET、からなる感圧製品を得た。
【0055】
積層体比較例1
積層体比較例1は、汎用の剥離コート実施例2のFSR2000コートPETライナーと、PSA/PET実施例1のPETコートフルオロシリコーンPSAとの積層により調製した。
【0056】
1インチ幅の試片を、積層体実施例1および積層体比較例2の各々の構造から切リ取り、周囲条件で1日間放置した。積層体実施例1および積層体比較例1で調製した薄片の剥離を、TMI試験装置を用いて、引き剥がし速度300インチ/分、角度180度で記録した。テープを周囲条件でエージングし、剥離を定期的に試験した。積層体実施例1の結果を表1に示す。
【0057】
【表1】

【0058】
積層体実施例1の接着層間引き剥がしは、完全な接着破壊が発生した、すなわち、引き剥がした後、剥離表面に接着したPSAはなかった。
【0059】
比較のため、積層体比較例1の剥離を測定する総ての試みは、引き剥がし速度に関係なく、失敗した。PSA/PET実施例1で調製したフルオロシリコーンPSA組成物は、汎用の剥離コート実施例2のフルオロシリコーンコート剥離ライナーから剥離しなかった。
【0060】
PSA/PET実施例2
PSA/PET実施例2のために、レジン/ガム比0.5の結合型のフルオロシリコーンPSAは、次の成分から調製した。
30モル%メチルトリフルオロプロピルシロキシガム 163.5g
トリフルオロプロピルトリメトキシシラン処理MQレジン 81.9g
トリフルオロトルエン(TFT) 200.6g
10%NaOH水溶液 0.15g
10%リン酸水溶液 0.20g
【0061】
トリフルオロトルエン、NaOH溶液、レジン、およびフルオロシリコーンガムを、ディーンスターク(Dean−Stark)トラップを備えた清浄なPSA反応器に入れた。反応混合物を、乾燥窒素下で1時間攪拌し、次いで115℃で2時間還流する間、トラップをトリフルオロトルエンで満たした。少量の水層がトラップに移った。リン酸を加え、混合物を30分間攪拌して粘性のある液体を得たが、150℃、オーブン時間45分における重量減により、固形分54.7%であると分析された。
【0062】
PSA/PET実施例2のPSAは、添加した1重量%のBPO触媒を含めて固形分30%で、ガードナー(Gardner)アプリケータを用いて、2ミル湿式厚みとして、2ミルPET基材に塗工した。溶媒の除去および硬化は、75℃で5分間、続いて、177℃で10分間であった。PSA/PET実施例1と同様な方法で、PSAの0.8ミルコーティングがPET上に得られ、PSA/PET実施例2となった。
【0063】
硬化されたPSA/PET実施例2の1インチの試片を、ステンレス鋼パネルに1時間貼り、12インチ/分、角度180°で測定した、パネルからテープの引き剥がし接着力は、397g/in引き剥がし力、であった。
【0064】
汎用の剥離コートPET実施例3
汎用の剥離コートPET実施例3は、次の組成であるコーティングから調製された、汎用の分岐型接着性シリコーン剥離コートPET基材からなる。
SL7025 20部
SS4300c 0.8部
ヘキサン 80部
GEアドバンストマテリアルシリコーンズ社から入手可能であるビニル末端分岐型ポリジメチルシロキサン。
#10マイヤーロッドを剥離コーティングのPETへの塗工に用いた。溶媒を除去し、強制エアオーブン中、120℃、滞留時間30秒でコーティングを硬化させ、PETライナー上に粘着性シリコーン剥離コーティング約1.5g/mコート重量を得た。
【0065】
積層体実施例2
積層体実施例2は、積層体実施例1において先に記載したとおりに、PSA/PET実施例2および汎用の剥離コートPET実施例3を積層することによって調製して、積層体構造を得た。1インチの試片を積層体実施例2から切り取り、その剥離を、引き剥がし速度300インチ/分、角度180°で記録した。次に、テープを周囲条件でエージングし、剥離を定期的に試験した。その結果を表2に示す。
【0066】
【表2】

【0067】
PSA/PET実施例3
PSA/PET実施例3は、30モル%メチルトリフルオロプロピルシロキシガムを20モル%メチルトリフルオロプロピルシロキシガムに置き換える以外は、PSA/PET実施例2に記載したようにして調製した。粘性のある濁りを帯びた溶液、シリコーン固形分54.7%を得た。フルオロシリコーンPSA組成物は、TFT中で固形分30%に希釈し、過酸化ベンゾイル(BPO)1重量%を混合し、ガードナーアプリケータを用いて2ミルPETに塗工して、8ミル湿式厚みを得た。70℃への5分間の暴露、次いで、177℃への10分間の暴露によって溶媒除去および硬化を行い、厚さ1.9ミルのべとつく接着剤沈着物を得た。12インチ/分、角度180°で、ステンレス鋼パネルから、PSA/PET実施例3の1インチ試片の引き剥がし接着力は、440g/inの力であると記録された。
【0068】
積層体実施例3
積層体実施例3は、すでに上で記載したように、PSA/PET実施例3および汎用の剥離コートPET実施例1を積層して調製した。積層体実施例3の積層体構造は、周囲条件で放置した。その構造から1インチテープを定期的な間隔で切り取り、接着性PSA/PET実施例3から、汎用の剥離コートPET実施例1ライナーを引き剥がすのに要した力を、300インチ/分、角度180°で記録した。得られた結果を表3に示す。
【0069】
【表3】

【0070】
積層体実施例3において観察された剥離結果は、各々のケースにおいてクリーンであった(ライナー上に残留接着剤はなかった)。エージングの12日目が経過した後、引き剥がれを測定した。
【0071】
積層体実施例3からの1インチ×6インチのテープをライナーから剥がし、次にステンレス鋼パネルに貼り、続いて1時間、滞留させた。パネルからの試片の引き剥がし接着力を、12インチ/分、角度180°で測定した。引き剥がし接着力の結果は、このケースでは566g/inであった。残留接着率は、100%より大きく(566/440)、これは、剥離ライナーに暴露された時、引き剥がし接着力において減少がないことを明示した。
【0072】
PSA/PET実施例4
PSA/PET実施例4は、20モル%または30モル%フルオロガムの100%の代わりに、20モル%メチルトリフルオロプロピルシロキシガムおよび30モル%メチルトリフルオロプロピルシリコーンガムの50/50(重量)の混合物を用いる以外は、上に記載したPSA/PET実施例3と同一の方法で調製した。粘性のある濁りを帯びた溶液、シリコーン固形分54.3%を、製品として回収した。BPO触媒1重量%を用いて、上に記載したように、フルオロシリコーンPSAをTFT溶媒中で30%に希釈し、2ミルのPET上に塗工し、硬化させ、PET基材上に厚さ0.8ミルおよび1.7ミルのべとつく接着剤を得た。SA接着剤コートPETの1インチ幅の試片を、ステンレス鋼パネルに張り、周囲条件で2時間放置した。12インチ/分、角度180°で鋼パネルからPSA/PET実施例4を引き剥がしに要する力を記録した。その結果を表4に示す。
【0073】
【表4】

【0074】
PSA/PET実施例4の各試験においては、鋼の上に留まっている残留接着剤がなかったことから、完全な接着破壊であった。
【0075】
積層体実施例4
積層体実施例4は、先に記載したとおり、PSA/PET実施例4に汎用の剥離コートPET実施例1を積層して調製した。次いで、引き剥がし速度300インチ/分でPSA/PET実施例4から汎用の剥離コートPET実施例1ライナーを引き剥がすのに要した力を、積層後の時間の関数として記録した。その結果を表5に示す。
【0076】
【表5】

【0077】
PSA/PET実施例5
PSA/PET実施例5のために、レジン/ガム比0.75の結合型のフルオロシリコーンPSAを、次のとおりに調製した。
10モル%メチルトリフルオロプロピルシロキシガム 163.6g
トリフルオロプロピルトリメトキシシラン処理MQレジン 122.7g
トリフルオロトルエン(TFT) 234g
10%NaOH水溶液 0.17g
10%リン酸水溶液 0.22g
トリフルオロトルエン、NaOH溶液、レジン、およびフルオロシリコーンガムを、ディーンスタックトラップおよび還流カラムを備えた清浄なPSA反応器に入れた。反応混合物を、乾燥窒素下で2時間還流する間、トラップをTFT溶液で満たした。少量の水相をトラップから除去した。リン酸溶液を加え、混合物を30分間攪拌し、粘性のある溶液、これは150℃、オーブン暴露45分における重量減として固形分52.3%、を得た。
【0078】
10モル%メチルトリフルオロプロピルシロキシガムをベースとしたPSA/PET実施例5を、TFT中の固形分30%に調整し、1重量%BPO硬化触媒を添加し、次いで、ガードナーアプリケータを用いて厚さ3ミル(湿式)コーティングとして2ミルPET基材に塗工した。溶媒除去および硬化を、75℃で5分間オーブン暴露し、続いて、177℃で10分間のオーブン暴露して行った。先に記載したように、PSA/PET実施例5に関する硬化された接着剤の1インチの試片を調製し、清浄なステンレス鋼パネルに貼り、12インチ/分、角度180°で測定した引き剥がし接着力は、292g/inであった。
【0079】
PSA/PET実施例6
PSA/PET実施例6のために、レジン/ガム比1.29の結合型のフルオロシリコーンPSAを、PSA/PET実施例5と同一の方法で次のとおりに調製した。
10モル%メチルトリフルオロプロピルシロキシガム 70g
トリフルオロプロピルトリメトキシシラン処理MQレジン 90g
トリフルオロトルエン(TFT) 240g
10%NaOH水溶液 0.15g
10%リン酸水溶液 0.20g
最終製品は、粘性のある溶液で、粘度12,600cps、固形分含量45.2%、であった。
【0080】
10モル%メチルトリフルオロプロピルシロキシガムをベースとしたPSA/PET実施例6を、TFT中の固形分30%に調整し、1重量%BPO硬化触媒を加え、次いでガードナーアプリケータを用いて厚さ3ミル(湿式)コーティングとして2ミルPET基材に塗工した。溶媒除去および硬化を、75℃で5分のオーブン暴露し、続いて177℃で10分のオーブン暴露して行った。先に記載したように、PSA/PET実施例6に関する硬化された接着剤の1インチの試片を調製し、清浄なステンレス鋼パネルに貼り、12インチ/分、角度180°で測定した引き剥がし接着力は、482g/inであった。
【0081】
PSA/PET実施例5および6の、コートされ、硬化されたPSAを、40psiの実験室用ラミネーターを用いて、種々の剥離ライナーに積層した。これらの積層体から1インチ幅のテープを切リ取り、積層体に加重をかけて室温でエージングをした時、フルオロシリコーンPSA/PET薄片からライナーの引き剥がし剥離を12インチ/分および300インチ/分で、両方とも角度180°、一定間隔をおいて測定した。その結果を表6に示す。
【0082】
【表6】

【0083】
次の実施例(積層体実施例5から8)は、PSA/PET実施例4のフルオロシリコーンPSAから熱硬化シリコーンライナーの剥離に関して、汎用の剥離力コントロール添加剤(CRA;controlled release additive)を明示するために調製された。PSA/PET実施例4を、上に記載したように調製した。PSA/PET実施例4の1ミルの硬化したフルオロシリコーンPSAは、先に記載したような溶媒除去および硬化の後に、PET表面材に沈着した。
【0084】
PSA/PET実施例4のシートを、幾つかの異なるシリコーン剥離コーティングに積層し、上で先に記載したように、2ミルPET上に塗工し、硬化した。積層体実施例5から8のPETライナーに塗工した、シリコーン剥離コーティングのためのシリコーン剥離コーティング組成を表7に示す。シリコーン剥離コーティングは、SL6625およびSL6635CRAと典型的な架橋剤SS4300cとのブレンド、および2.5のSiH/Vi比からなった。剥離ライナーからの薄片の剥離を、引き剥がし速度および室温における積層体のエージングの関数として記録した。種々のライナーからの薄片の剥離結果を表8に示す。
【0085】
【表7】

【0086】
【表8】

【0087】
上に示すように、剥離力コントロールライナーおよびフルオロシリコーンPSA薄片は、剥離コーティング組成において、汎用の剥離力コントロール添加剤(CRA)の低い濃度で、小さな剥離差異が達成されることを明示する。ここでは、きちんとした剥離が観察されたとはいえ、一貫性のない剥離も観察され、「ロックアップ」を示す凝集破壊が存在する。CRA含有量の最も高い剥離コーティングは、上の表9に示された凝集破壊により注記されるように、接着力剥離に失敗したことを明示した。
【0088】
同一の原料の、結合型(すなわち、フルオロシリコーンガムのフルオロアルキルシリル化されたMQレジンとの縮合)のPSA材料および非結合型のブレンド(すなわち、未硬化レジン組成物)の両方とも、過酸化ベンゾイル(BPO)のような過酸化物触媒と組み合わせる時、基材に使われて容易に薄膜を形成し、有用なPSA組成物へと架橋される。生成した接着性コーティングは、シリコーン剥離ライナーに積層した時、接着性を失うことなくライナーから容易に取り除くことができる。積層体実施例1から4ならびに表7および8に提示した積層体実施例で特に示すように、剥離は一貫性があり、安定であることを教えている。まさに本発明は、フルオロシリコーンPSAを含む感圧製品が、すなわち積層体が、汎用のシリコーン剥離ライナーに剥離可能な状態で接着されうることを明示する。ここで試験された、ライナーからのフルオロシリコーンPSAの剥離は、安定である、または積層体のエージングと共に減少しているようである。さらにこの観点から、剥離は、PSAのフルオロ含有量に反比例しているようである、すなわち、PSAのガム成分のメチルトリフルオロプロピルシロキシ含有量が高くなると剥離を低下させている。
【0089】
本発明は、限定された実施態様に関して記載されているが、当業者は、本発明の範囲から外れずに、種々の変更を行ってもよく、等価物は、その要素に置き換えられてよいことを理解するであろう。さらに、本発明の本質的な範囲から外れずに、特定の状況または物質を本発明の教示に適合させるために、多数の修飾を行なってよい。したがって、本発明は、本発明の方法を実施するために最良のモードとして開示した特定の実施態様に限定されず、添付した請求項の範囲に入る総ての実施態様を含む、と意図される。




【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層体であって、
i)フルオロシリコーンガム;
ii)フルオロアルキルシリル化されたMQレジン;および、任意選択で、充填材、ケイ素化合物系接着促進剤、可塑剤、溶媒、チキソトロープ剤、紫外線安定剤、硬化剤および酸化防止剤からなる群から選ばれた少なくとも一つの付加的な成分;
を含む感圧接着剤層を有する表面材を含み、
ここで、前記感圧接着剤は、シリコーン剥離コーティングを有する剥離ライナーに剥離可能な状態で接着する、
積層体。
【請求項2】
前記表面材が、紙、ポリイミド、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、およびポリオレフィンからなる群から選ばれた少なくとも一つである請求項1に記載の積層体。
【請求項3】
前記フルオロシリコーンガムが、少なくとも一つのフルオロアルキルメチルシロキサン単位を有するポリジメチルシロキサンである請求項1に記載の積層体。
【請求項4】
前記フルオロシリコーンガムが、25℃で少なくとも約5,000cpsの粘度を有する請求項1に記載の積層体。
【請求項5】
前記フルオロアルキルシリル化されたMQレジンが、シラノールを含有するMQレジンをフルオロアルキルシランと反応させることを含むプロセスによって得られる請求項1に記載の積層体。
【請求項6】
前記フルオロアルキルシランが一般式
【化2】

(式中、Rは、一部または全部がフッ素化された、炭素原子数が26までのアルキル基であり、Rは、フルオロアルキル基RとSiとを連結する、化学的に安定な二価の架橋基であり、Rは、炭素原子数が1から6のアルキル、または炭素原子数が6から8のアリールであり、Rは、アルコキシまたはハロゲンであり、rは0、1または2である)
である請求項5に記載の積層体。
【請求項7】
は、nが2から20である−(CH−基、xが−O−もしくは−C(O)O−であり、nが0から2であり、pが5から25である−(CH−x−(CH−基、またはQが少なくとも一つの酸素原子を有する二価の基であり、qが2または3である−Q−S−(CH−基である請求項6に記載の積層体。
【請求項8】
前記フルオロアルキルシランが、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルメチルジメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルジメチルメトキシシラン、4,4,4−トリフルオロブチルトリメトキシシラン、4,4,4−トリフルオロブチルトリエトキシシラン、3,3,4,4,4−ペンタフルオロブチルトリメトキシシラン、3,3,4,4,4−ペンタフルオロブチルトリエトキシシラン、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシラン、15−(トリフルオロエトキシ)ペンタデシルトリメトキシシランおよび15−(トリフルオロアセトキシ)ペンタデシルメチルジエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルジメチルクロロシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルメチルジクロロシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリクロロシラン、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される請求項7に記載の積層体。
【請求項9】
前記フルオロアルキルシリル化されたMQレジンが、フルオロアルキルシリル化されたMDViQレジンである請求項1に記載の積層体。
【請求項10】
前記フルオロアルキルシリル化されたMQレジンが、シラノールを含有するMDViQレジンをフルオロアルキルシランと反応させることを含むプロセスによって得られる請求項9に記載の積層体。
【請求項11】
前記フルオロアルキルシランが、一般式
【化3】

(式中、Rは、一部または全部がフッ素化された、炭素原子数が26までのアルキル基であり、Rは、フルオロアルキル基RとSiとを連結する、化学的に安定な二価の架橋基であり、Rは、炭素原子数が1から6までのアルキル、または炭素原子数が6から8までのアリールであり、Rは、アルコキシまたはハロゲンであり、rは0、1または2である)
である請求項10に記載の積層体。
【請求項12】
は、nが2から20である−(CH−基、xが−O−もしくは−C(O)O−であり、nが0から2であり、pが5から25である−(CH−x−(CH−基、またはQが少なくとも一つの酸素原子を有する二価の基であり、qが2または3である−Q−S−(CH−基である請求項11に記載の積層体。
【請求項13】
前記フルオロアルキルシランが、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルメチルジメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルジメチルメトキシシラン、4,4,4−トリフルオロブチルトリメトキシシラン、4,4,4−トリフルオロブチルトリエトキシシラン、3,3,4,4,4−ペンタフルオロブチルトリメトキシシラン、3,3,4,4,4−ペンタフルオロブチルトリエトキシシラン、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシラン、15−(トリフルオロエトキシ)ペンタデシルトリメトキシシランおよび15−(トリフルオロアセトキシ)ペンタデシルメチルジエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルメチルジクロロシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリクロロシラン、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される請求項12に記載の積層体。
【請求項14】
前記剥離ライナーが、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル(PVF)、およびポリビニリデンジフルオリド(PVDF)からなる群からの少なくとも一つから調製される請求項1に記載の積層体。
【請求項15】
前記シリコーン剥離コーティングが、ポリオルガノシロキサンから調製される請求項1に記載の積層体。
【請求項16】
前記シリコーン剥離コーティングが、ポリジメチルシロキサンから調製される請求項15に記載の積層体。
【請求項17】
前記シリコーン剥離コーティングが硬化される請求項1に記載の積層体。
【請求項18】
表面材と、その少なくとも一つの主要な表面上に配置された請求項1に記載の感圧接着剤とを含む接着剤製品。
【請求項19】
接着剤製品がテープである請求項18記載の接着剤製品。
【請求項20】
接着剤製品がラベルである請求項18記載の接着剤製品。
【請求項21】
シリコーン剥離コーティングと、その少なくとも一つの主要な表面上に配置された請求項1に記載の感圧接着剤とを含む接着剤製品。
【請求項22】
接着剤製品がテープである請求項21に記載の接着剤製品。
【請求項23】
接着剤製品がラベルである請求項21に記載の接着剤製品。




【公表番号】特表2010−502781(P2010−502781A)
【公表日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−526725(P2009−526725)
【出願日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際出願番号】PCT/US2007/019118
【国際公開番号】WO2008/027498
【国際公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願人】(508229301)モメンティブ パフォーマンス マテリアルズ インコーポレイテッド (120)
【Fターム(参考)】