感応式放出光収集及び検出システム
【課題】
【解決手段】導波管試料ホルダと、1つ又はより多くの検出器とを備える照度計が提供される。導波管試料ホルダは、試料を保持する中空の領域を含み、また、放出光を導波管試料ホルダの下端まで案内する材料にて出来たものとすることができる。導波管試料ホルダの底部からの放出光を検出する1つ又はより多くの検出器を提供することができる。また、導波管試料ホルダと、1つ又はより多くの励起光源と、1つ又はより多くの光検出器とを備える、フルオロメータ/フォトメータも提供される。励起光は、導波管試料ホルダの1つの面に対してある角度にて又は垂直に導入される。導波管試料ホルダは、放出光を導波管試料ホルダの下端まで案内することができる材料にて出来ている。導波管試料ホルダの底部からの放出光を検出する1つ又はより多くの検出器が存在する。
【解決手段】導波管試料ホルダと、1つ又はより多くの検出器とを備える照度計が提供される。導波管試料ホルダは、試料を保持する中空の領域を含み、また、放出光を導波管試料ホルダの下端まで案内する材料にて出来たものとすることができる。導波管試料ホルダの底部からの放出光を検出する1つ又はより多くの検出器を提供することができる。また、導波管試料ホルダと、1つ又はより多くの励起光源と、1つ又はより多くの光検出器とを備える、フルオロメータ/フォトメータも提供される。励起光は、導波管試料ホルダの1つの面に対してある角度にて又は垂直に導入される。導波管試料ホルダは、放出光を導波管試料ホルダの下端まで案内することができる材料にて出来ている。導波管試料ホルダの底部からの放出光を検出する1つ又はより多くの検出器が存在する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本発明は、最小限、試料を保持することのできる導波管試料ホルダを含む感応式ルミネッセンス検出システムに関する。本発明は、励起光源と、導波管試料ホルダ内にて試料から励起信号及び放出信号の双方の変化を検出する感応式検出システムとを含むシステムにも関する。導波管試料ホルダは、放出光を集め且つその光を検出器に案内するのに効果的である。導波管試料ホルダの設計、励起光の照射の配置、及び光フィルタは、試料及び放出試薬の極めて低濃度を検出するのを容易にし且つ、使用が容易な形態とすることができる。
【0002】
[0002] 本明細書に使用するように、「一体型導波管センサ(Integrating Waveguide Sensor)」技術という語は、導波管の表面上又は導波管試料ホルダ内の溶液中の励起信号及び放出信号を検出することを意味する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 一体型導波管バイオセンサの固相の具体化は、導波管の表面にて放出試薬を使用して検出することに基づく。放出試薬に適した光源は光導波管を90°の角度にて照射する。放出された信号は、導波管によって効率的に集められ且つ導波管の端部から出る。放出信号は、1組みのレンズ及びフィルタを介して検出器に送られる。この技術は、2000年10月24日に発行されたマーク・J・フェルドスティン(Mark J.Feldstein)、ブライアン・D・マッククライス(Brian D.MacCraith)及びフランシス・S・リグラー(Frances S.Ligler)の「一体型多導波管センサ(Integrating Multi−Waveguide Sensor)」という米国特許番号6,137,117、また、分析化学(Anal.Chem.)2002、74、713−719にてフランシス・S・リグラー、マルク・ブレイマー(Marc Breimer)、ジョエル・P・ゴールデン(Joel P.Golden)、デラナ・A・ニブンス(Delana D.Nivens)、ジェームズ・P・ドッドソン(James P.Dodson)、ティファニー・M・グリーン(Tiffanee M.Green)、ダニエル・P・ハダーズ(Daniel P.Haders)及びオモウンミ・A・サディック(Omowunmi A.Sadik)による「一体型導波管バイオセンサ(Integrating Waveguide Biosensor)」が更に記載されており、これら双方の文献の開示内容の全体は、参考として引用し本明細書に含められている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
[0004] 本発明の1つの目的は、放出試薬が溶液を保持することのできる容器内の溶液中にあり、溶液及び容器は共に、導波管として作用する、一体型導波管センサの液相の具体化である。放出試薬に適した光源は、導波管試料ホルダの表面に対して垂直な又はある角度を成す方向から溶液を保持する導波管を照射する。放出された信号は、励起光と共に、導波管によって効率的に集められ且つ、導波管の端部から出る。励起信号及び放出信号は、1組みのレンズ及びフィルタを介して検出器に送られる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0005] 本明細書にて使用するように、「試料」という語は、主として液体を意味することを意図しており、液体は、小さい固体粒子、化学物質、分子、タンパク質、DNA、放出試薬、微生物、細胞等のような、多種多様なその他の材料も含むことがあろう。
【0006】
[0006] 本明細書にて使用するように、「光学素子(Optical Elements)」という語は、レンズ、フィルタ、光導波管(光ファイバを含むが、導波管試料ホルダは除く)及び格子の任意の1つ又はそれらの組み合わせから成る要素を含む。光学素子は、(1)放出光の改良された収集及び、例えば、レンズ及び光導波管(光ファイバのような)を使用して検出器への光の案内を改良することにより増大される、信号(放出光)を増大させるべく、また、(2)フィルタ、格子等を使用して望ましくない波長からの光を解消することにより、雑音、背景及び(又は)その他の望ましくない蛍光源を減少させるべく使用される。
【0007】
[0007] 本明細書にて使用するように、「導波管試料ホルダ」という語は、試料を保持することのできる容器を意味し、試料及び容器の組み合わせは、試料中にて発生される放出光を検出器まで案内する導波管として作用する。
【0008】
[0008] 本明細書にて使用するように、「放出光(Emission light)」及び(又は)「放出信号(Emission Signal)」という語は、ルミネッセンス、蛍光、リン光によって発生された光を意味し、及び(又は)その他の放出試薬は、コロイド金、コロイド銀、その他のコロイド金属、及び非金属、プラズモン共鳴粒子、量子ドット、その他の蛍光性ナノ粒子、格子粒子、フォトニック結晶試薬、及び同様のものを含む。
【0009】
[0009] 本明細書にて使用するように、「ルミネッセンス」という語は、放出試薬として使用され又は放出試薬により発生される化学的又は生化学的材料によって電磁放射線が発生されることを意味する。「化学ルミネセント」とは、励起エネルギが化学的反応から得られたとき、光が発生されることを意味する。「バイオルミネセント」とは、光が生物学的又は生化学的反応によって発生される、サブセットの化学ルミネッセンスを意味する。バイオルミネッセンスの特定の例は、基質ルシフェリン(Luciferin)が酵素ルシフェラーゼ(Luciferase)及び反応剤ATP(アデノシン三リン酸)及び酸素と組み合わさる、蛍によって光を発生させるものである。「電気化学的ルミネッセンス(ECL)」とは、光を放出する化学ルミネセントの反応よりも先に電気化学的反応が行われるルミネッセンスの形態である。
【0010】
[0010] 本明細書にて使用するように、「蛍光」という語は、外部光源からエネルギを吸収した後の光の放出を意味する。蛍光性放出は化学的又は生化学的試薬によって得ることができる。放出される波長は、吸収される波長よりも長い。蛍光性材料の特定の例は、Cy−3及びCy−5のような有機染料、アレクサフルオロ、緑蛍光性タンパク質(GFP)、シリコンナノ粒子、量子ドット及び当該技術にて周知のその他の材料の各種の集合体を含む。
【0011】
[0011] 本明細書にて使用するように、「リン光」とは、励起された生成物が比較的より安定的である点を除いて、蛍光と同様の現象を意味する。従って、エネルギが解放される迄の時間は、蛍光と比較して長く、その結果、励起光後のグローは除去されている。リン光性放出は、化学的又は生化学的試薬から得ることもできる。
【0012】
[0012] 本明細書にて使用したように、「放出試薬」という語は、ルミネセント、蛍光性又はリン光性材料を意味する。その他の放出試薬は、コロイド金、コロイド銀、その他のコロイド金属、及び非金属、量子ドット、その他の蛍光性ナノ粒子、プラズモン共鳴粒子、格子粒子、フォトニック結晶試薬、及び同様のものを含む。
【0013】
[0013] 本明細書にて使用するように、「検出器」という語は、試料又は放出試薬により発生された放出光を電気信号又は像に変換することのできる装置を意味する。検出器の例は、光ダイオード、一次元的電荷結合素子(CCD)アレイ、二次元的CCDアレイ、光電子増倍管(PMT)、位置感応性PMT、相補型金属酸化ケイ素(CMOS)像アレイ、分光器等である。検出器は、放出光の周波数領域内にて最大の感度を有するよう選ぶことができ、励起光源をブロックするフィルタを設けることができる。1つ又はより多くの検出器を使用することができる。
【0014】
[0014] 放出試薬によって発生された放出信号は、全エネルギ又は波長の関数としてのエネルギとして検出することができる。
[0015] 放出試薬によって発生された放出信号は、時間平均化した同時的エネルギ又は時間積分したエネルギとして検出することができる。有機染料と比較して、長期間、励起光源に露出させた後、光安定性のままであることができる量子ドットのような放出試薬の場合、有機染料よりも長期間にわたって信号を積分することが可能となり、また、この積分を使用して検出感度を向上させることができる。
【0015】
[0016] 本明細書にて使用したように、「励起光源」という語は、光源と、光学素子とから成る放射線照射部材を意味する。コロイド金及び銀のような一部の適用例に対し、励起光源は、広域スペクトル光源とすることができる一方、その他の適用例において、励起光源は、狭スペクトル光源とすることができる。一部の試料は、多数光源を使用して一層良く照射することができる。例えば、同一の試料中に1つ以上の蛍光性放出試薬を有する一部の多数分析物質の適用例において、一部の放出試薬は、1つ又はより多くの狭帯域の励起光源を必要とする一方、量子ドットのようなその他の放出試薬は、全ての放出波長に対して単一の狭帯域又は広帯域の励起光源によって照射することができる。所望の又は最適照度を実現するため、レンズ、フィルタ及びその他の光学素子を採用することができる。
【0016】
[0017] 本発明の一例としての実施の形態における励起光源は、当該技術にて既知の色々な方法の任意のものを用いる任意の光源を使用することができる。一例としての光源は、レーザ、発光ダイオード(LED)及びその他の狭小帯域及び広帯域の光源を含む。
【0017】
[0018] 簡単に説明すれば、レーザからの光は、コヒーレンスな性質を有し、また、潜在的に高パワー、狭小な波長帯域であり、また、レンズにより広いコリメートしたビーム、円錐形ビーム、又は扇ビームに変えることができるビームである。コヒーレンス及び高パワーは、より大きいパワー密度を提供する。有機染料放出試薬に対しては、狭帯域が望まれる。任意の型式のレーザを本発明の一例としての実施の形態による装置及び方法にて使用することができる。ダイオードレーザは、一般的に入手可能であり、小型で且つ比較的低コストである。
【0018】
[0019] LEDは、コヒーレントでなく且つレーザよりも広帯域幅の光を発生させる。LEDは、比較的低廉で且つ小型である。このため、LEDは、一部の用途にて更に適している。これと代替的に、LEDのようなアドレス可能な多数要素の光源アレイは、試料中の色々な蛍光性材料を順次に探知するため使用することができる。この多数要素の光源アレイは、LED又はLEDのグループは任意の時間的又は空間的順序にてアドレスすることができるから、可動部品がないこと、また、ステップ状又は振動型励起光よりもより自由度を提供するという有利な効果を有して、特に低コストの技術を提供する。
【0019】
[0020] 例えば、白熱灯、蛍光灯、キセノン灯、水銀灯及びアーク灯を含む広帯域の非コヒーレントな光源は、本発明の一例としての実施の形態の装置にて有用である。例えば、広帯域の紫外線(UV)源は、量子ドットを照射するため使用することができる。
[0021] 放射線照射部材にて多様な励起光源の形態が使用可能である。代替例中の選択は、一部分、放出試薬及び試料に依存するであろう。
【0020】
[0022] 本発明の一例としての実施の形態において、放射線照射及び放射線検出の時間的モードは、例えば、多様な方法及び改変例を含むことができる。かかるモードの特定の例は、瞬間的信号、時間平均化した瞬間的信号、時間積分した部分的信号、時間積分した連続的な全体信号、周波数変調信号、又はそれらの色々な変形例又は組み合わせを含む。照射及び検出の時間的モードは、励起光の空間的照射方法、蛍光性放出試薬、導波管の幾何学的形態、検出すべき分析物質の数、分析物質の濃度レベル、及び所望の検出感度に関係している。
【0021】
[0023] 励起光源は、各分析物質の検出期間の全体にわたって試料の放出試薬に衝突するであろう。励起光源は、周囲光から干渉を無くすため、変調し又は「チョップする(chopped)」ことができる。次に、ロックイン増幅器のようなものにて形成される放出信号を復調することは、背景干渉を減少させることができる。かかる変調は、周囲光が光学的隔離又は遮蔽によって解消される場合、不要であろう。
【0022】
[0024] 1つの照射方法は、励起光源が広い領域又は拡散した領域から出るようにし、また、試料の全体を一方向又はより多くの方向から照射することである。この非収束又は拡散照射方法の有利な点は、(1)試料の実質的に全体を照射すること、(2)照射領域は試料の寸法よりも大きくすることができるため、整合手順を最小にすることを含む。
【0023】
[0025] 1つ又はより多くの励起光源を順次に又は同時に使用して異なる照射波長を提供し且つ(又は)異なる空間的及び時間的カバー範囲を提供することができる。励起光の入射角度は、導波管試料ホルダの入射面に対して垂直に、導波管試料ホルダの長さに対して垂直に、又は導波管試料ホルダの表面に対して1つ又はより多くの角度とすることができる。最適な照射角度は、励起光に起因する背景雑音を少なくし又は装置のその他の望ましい特徴を向上させ得るよう選ぶことができる。励起光は、多点光源、拡散光源又は広領域の非収束光源からコリメートし、コリメートしない、点光源とすることができる。照射角度は、導波管試料ホルダの表面に対して垂直な励起にのみ限定する必要はない。
【0024】
[0026] 最適な照射角度は、導波管試料ホルダの寸法及び形状並びに所望の検出限界値に依存する。長い導波管試料ホルダは、励起光が導波管試料ホルダの境界にて反射する毎に、励起光の一部分は、導波管外に伝送するとき失われるため、検出器に収集された励起光を減少させることができる。この反射損失は、導波管試料ホルダの表面に対し垂直な角度のとき、最大となる。
【0025】
[0027] 本発明の一例としての実施の形態の1つの形態は、器具と、試料を保持する導波管試料ホルダとを備える感応式ルミネッセンス検出システムを提供することである。導波管試料ホルダは、ルミネセント放出光を集め且つ、光を検出器まで案内する点にて効率的である。
【0026】
[0028] 本発明の別の形態は、励起光源と、導波管試料ホルダ中の試料から励起信号及び放出信号の双方の変化を検出する感応式検出システムとを含むシステムである。上述したように、導波管試料ホルダは、放出光を集め且つその光を検出器まで案内するのに効率的である。導波管試料ホルダの設計、励起光の照射の配置、及び光フィルタは、極めて低濃度の放出試薬の検出を容易にし且つ使用が容易である形態とすることができる。
【0027】
[0029] ルミネッセンスの適用例に対する一例としての実施の形態の上記の形態を実現するため、導波管試薬ホルダと、1つ又はより多くの検出器とを備える照度計が提供される。導波管試料ホルダは、試料を保持する中空領域を含むことができる。導波管試料ホルダは、放出光を導波管試料ホルダの閉塞端まで案内する材料にて出来たものとすることができる。器具は、試料及び試薬を導波管試料ホルダ内に導入する装置を含むことができる。導波管試料ホルダの閉塞端から現れる放出光を検出する1つ又はより多くの検出器を提供することができる。その例は、図1ないし図8及び図23に示されている。
【0028】
[0030] また、蛍光及び吸光の適用例に対する一例としての実施の形態の上記の目的を実現するため、導波管試料ホルダと、1つ又はより多くの励起光源と、1つ又はより多くの光検出器とを備えるフルオロメータ又はフォトメータが提供される。導波管試料ホルダは、試料を保持する中空の領域を有している。励起光は、導波管試料ホルダの1つの面に対してある角度にて又は垂直に導入される。導波管試料ホルダは、放出光を導波管試料ホルダの閉塞端まで案内することができる材料にて出来ている。図9ないし図19、図22及び図23にて示したように、導波管試料ホルダの閉塞端から現れる放出光を検出する1つ又はより多くの検出器が存在する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
[0055] 一体型導波管センサの液相の具体化に基づくルミネッセンスの用途による一例としての実施の形態が図1a、図1bに示されている。照度計は、導波管ホルダと、1つ又はより多くの検出器とを備えている。導波管試料ホルダは、試料を保持する中空の領域を有している。試料及び試薬は、器具によって試料及び試薬の投入室内に手操作にて入れ又は圧送することができる。導波管試料ホルダは、放出光を導波管試料ホルダの底端部内に案内する材料にて出来たものとすることができる。導波管試料ホルダの底部から現れる放出光を検出する1つ又はより多くの検出器を設けることができる。
【0030】
[0056] 照度計及び照度計の構成要素に対し多様な適した構造体及び配置を使用することができる。
[0057] 例えば、図1aに示したように、導波管試料ホルダの外部形状は、軸方向対称の円錐形の形状とすることができる。また、図1aに示したように、導波管試料ホルダから出る放出光を収束し又はコリメートし且つ試料を保持するため、端部に湾曲面が提供される。
【0031】
[0058] 図1bにおいて、導波管試料ホルダの外面及び試料領域の断面形状は丸形とすることができる。
[0059] 図1aに示したように、導波管試料ホルダの開放端には、試料投入室があるようにすることができる。図1に示したように、放出光を収束し、案内し又は濾波するため、1組みの光学要素があるようにすることができる。検出器は、分光器、PMT、CCD、CMOS画像化アレイ又はフォトダイオード又は任意のその他の光検出器の1つとすることができる。
【0032】
[0060] 導波管試料ホルダの外面及び試料領域の断面形状は、図2aに示したように、共に四角形とすることができる。導波管試料ホルダの外面及び試料領域の断面形状は、これらの幾何学的形態にのみ限定されず、その他の適した形状及び配置を使用することができる。光を導波管試料ホルダの出口端まで良好に案内する任意の適した形状を使用することができる。導波管試料ホルダの外面の断面形状は、例えば、四角形のような1つの形状を有することができ、試料領域の断面形状は、例えば、図2bに示したように、丸形のような異なる形状とすることができる。
【0033】
[0061] 端部に平坦面を有する導波管試料ホルダが図3に示されている。
[0062] 導波管試料ホルダは、両端にて開放しており、また、該導波管試料ホルダは、図4に示すように、平坦な透明材料、光フィルタ又はレンズに近接する位置に配置することができる。
【0034】
[0063] 放出光を収束させ得るように、円錐形の形状と、閉塞端における湾曲面とを有する導波管試料ホルダが図5に示されている。
[0064] 図6に示したように、導波管試料ホルダと検出器との間に光学要素が存在しない装置を使用することもできる。
【0035】
[0065] 導波管試料ホルダは、キャップを含むこともできる。試薬の追加を許容するため、キャップは、試験する前に除去し又はキャップは、試薬の追加を許容する入口を有することができる。この配置は、図7の一例としての実施の形態にて示されている。
【0036】
[0066] 2つの電極を導波管試料ホルダの内部に装着することができる。2つの電極の間に電圧差が印加されたとき、図8に示したように、電気化学ルミネッセンスを励起し且つ検出することができる。
[0067] 導波管試料ホルダの長さに沿って、境界の一部分は、不変とし、また、一部分は可変とし、例えば、実質的に円錐形の形状としてもよい。
【0037】
[0068] 導波管試料ホルダの外面全体の一部分は、導波管試料ホルダの光出口端を除いて、鏡又は高反射性であるようにすることができる。導波管試料ホルダは、ガラス、プラスチック等のような、任意の高屈折率の材料にて出来たものとしてよい。導波管試料ホルダは、均一な断面である一部分と、断面が変化する部分とを有することができる。
【0038】
[0069] 蛍光及び吸光の用途のための、図9ないし図19及び図22及び図23に示したような、別の実施の形態において、1つ又はより多くの導波管試料ホルダと、1つ又はより多くの光学系と、1つ以上の励起光源と、1つ又はより多くの光検出器とを備えるフルオロメータ/フォトメータが提供される。導波管試料ホルダは、試料を保持する中空の領域を有している。励起光は、導波管試料ホルダの1つの面に対してある角度にて又は垂直に導入される。導波管試料ホルダは、放出光を導波管試料ホルダの閉塞端に案内することのできる材料にて出来ている。導波管試料ホルダの閉塞端から現れる放出光を検出する1つ又はより多くの検出器がある。円管状壁を有する導波管試料ホルダの概略図が図9に示されている。
【0039】
[0070] 励起光は、表面に対してほぼ垂直であるが、導波管試料ホルダの試料投入室に向けて僅かに傾いた状態にて入射する。
[0071] 検出のために使用されない導波管試料ホルダの端部に試料投入室がある。
【0040】
[0072] 励起光を濾波し且つ、励起光の形状を形成すると共に、励起光を導波管試料ホルダに導くため、励起光源と導波管試料ホルダとの間に1組みの光学要素がある。
[0073] 放出光を収束し、案内し又は濾波する1組みの光学要素があるようにすることができる。
[0074] 検出器は、次のもの、すなわち分光器、PMT、CCD、CMOS画像化
【0041】
アレイ又はフォトダイオード、又は任意のその他の光検出器の1つとすることができる。
[0075] 適用例は、次の配置及び設計の代替例を含むことができる。
[0076] 円錐形の形状の導波管試料ホルダは、図10に示されている。導波管試料ホルダから出る放出光を収束し又はコリメートし且つ試料を保持するため、大径端に湾曲面がある。
【0042】
[0077] 例えば、導波管試料ホルダの長さに沿って、境界の一部は均一とし、また、一部は変化するようにすることができる。励起光源の光が衝突する導波管試料ホルダの外面は、図11aに示したように、側面図にて、その他の面に対して平行である。90°偏位した側面図は、図10に示したものと同一であり、この場合、導波管試料ホルダの頂部の断面積は閉塞端の断面積よりも小さい。
【0043】
[0078] 導波管試料ホルダの外面の断面形状は矩形とすることができ、また、試料領域の断面形状は、図11bに示したように、四角形とすることができる。
[0079] 導波管試料ホルダの外面及び試料領域の色々な断面形状が図12aないし図12hに示されている。導波管試料ホルダの外面及び試料領域の断面形状は、これらの幾何学的形態にのみ限定されるものではない。光を導波管試料ホルダの出口端に良好に案内する任意の形状を使用することができる。励起光は図12aないし図12hに示したように、垂直とする必要はない。
【0044】
[0080] 導波管試料ホルダの外面の断面形状は、例えば、四角形のような1つの形状を有し、また、試料領域の断面形状は、例えば、図12c、図12d、図12e、図12f、図12g、図12hに示したように、丸形のような異なる形状とすることができる。
【0045】
[0081] 導波管試料ホルダの外側形状は、図13に示したように、軸方向に対称の円錐形の形状を有する。励起光は、励起光が試料領域に入ることができるが、検出器に向けて反射されないよう表面に対してある角度にて入射しなければならない。
【0046】
[0082] 導波管試料ホルダは、図14に示したように、端部に平坦面を有することができる。
[0083] 導波管試料ホルダは、両端にて開放しており、また、該導波管試料ホルダは、平坦な透明材料(図15に示したように)、光フィルタ(図面に図示せず)及び(又は)レンズ(図面に図示せず)に対し近接する位置に配置することができる。
【0047】
[0084] 導波管試料ホルダと表面との間に、試料を検出器から分離するが、外壁によって保持された空隙がある場合、試料は流れることができる。信号の検出は、試料が流れる特定の時間の間、定期的に収集することができる。
【0048】
[0085] 導波管試料ホルダの湾曲部分は、光フィルタ材料にて出来たものとし、フィルタが、図16に示したように、導波管試料ホルダと組み合わされるようにすることができる。
【0049】
[0086] 図17に示したように、導波管試料ホルダと検出器との間には光学要素が存在しないようにすることができる。
[0087] 図18に示したように、1つ又はより多くの励起光源が存在するようにすることができる。
【0050】
[0088] 励起光は、図19に示したように、平行にコリメートする必要はない。
[0089] 導波管試料ホルダは、ガラス、プラスチック等のような任意の高屈折率の材料にて出来たものとすることができる。
[0090] 光源は、レーザ、LED、アーク灯、白熱灯等とすることができる。
[0091] 同一波長の1つ又はより多くの励起光源を使用することができる。
[0092] 異なる波長の1つ又はより多くの励起光源を使用することができる。
[0093] 励起光は、試料の全部又は一部を照射することができる。
[0094] フィルタは長通過、着色ガラス、二色フィルタ又は帯域通過型フィルタとすることができる。
[0095] 検出器の前方には、1つ又はより多くのフィルタが存在するようにすることができる。
[0096] 検出器の前方には、1つ又はより多くのレンズが存在するようにすることができる。
[0097] 導波管試料ホルダは、均一な断面の部分と、断面が変化する部分とを有することができる。
[0098] 器具は、1つ以上の導波管試料ホルダを含むことができる。器具はまた、参照用の導波管試料ホルダを含むこともできる。
[0099] 器具はまた、励起光を検出することもできるため、試料及び(又は)放出試薬による励起光の吸収を検出し且つ報告することができる。
[00100] 試料は、1つ以上の蛍光性材料を保持することができ、また、検出は、適正な波長の励起を使用し、また、色々な異なる放出波長と関係した信号を判別する適正なフィルタを有する検出器を使用して、多重化することができる。
[00101] ルミネッセンス及び蛍光に対する信号は、時間の点にて繰り返して読み取ることができる。
【0051】
[00102] 器具は、導波管試料ホルダに対する温度制御された環境を提供するであろう。温度は、0℃ないし100℃の範囲にプログラム化することができる。例えば、温度は、一定の値に保持することができる。別の適用例に対し、温度は、1つの値まで一定の率にて増大させ且つ後の時点にて別の値に変化させることができる。別の適用例に対し、温度は2つの温度の間にて繰り返すことができる。温度及び持続時間はユーザがプログラム化すべきである。
【0052】
[00103] 吸収の適用例の場合、励起源は使用されるが、導波管試料ホルダと検出器との間にフィルタは必要とし又は不要であるようにしてもよい。
[00104] 本発明の一例としての実施の形態の原理は、放出光は光案内部として設計された導波管試料ホルダを使用して効率的に検出器内に収集することができ、また、検出限界値は、従来の器具及び導波管試料ホルダと比較して改良することができることである。図20には、導波管試料ホルダの端部における放出信号の検出原理が示されている。放出光、すなわち光線(1)は、導波管試料ホルダの壁に衝突する。入射角度が臨界角よりも大きい場合、全ての光は光線(3)として、導波管試料ホルダ内にて内反射されるであろう。入射角度が臨界角よりも小さい場合、一部の光は、光線(2)として導波管試料ホルダから伝送され、また、一部の光は、光線(3)として導波管試料ホルダ内にて内反射されるであろう。導波管試料ホルダ内の全試料からの放出光線の一部分は、導波管試料ホルダの端部から出るであろう。
【0053】
[00105] 光の一部分が光線(2)として、導波管試料ホルダ外に伝送される毎に、光の損失、また、検出器に達する放出信号の減少が生ずる。損失は、最適な厚さの導波管試料ホルダの壁を使用し又は円錐形の形状を使用することにより最小にすることができ、それは、これら特徴の双方の結果、放出光が導波管試料ホルダの端部から出る前に反射量が減少することになるからである。図21には、円錐形の形状の導波管試料ホルダを使用する状態が示されている。この場合にも、放出光の入射角度が臨界角よりも大きい場合、全ての光は内反射されよう。放出光、すなわち光線(4)の入射角度が臨界角よりも小さい場合、光の一部は、光線(5)として導波管試料ホルダ外に伝送され、また、一部は、光線(6)として導波管試料ホルダ内にて内反射されるであろう。反射した光線(6)は、導波管試料ホルダの別の外面に遭遇する前に、より長い距離を進み、その結果、平行な壁を有する導波管試料ホルダの場合よりも損失は少なくなる。導波管試料ホルダ内の全試料からの放出光線のより大部分は、導波管試料ホルダの端部から出るであろう。このことは、平行な壁を有する導波管試料ホルダの場合よりも改良された信号を提供することになるであろう。
【0054】
[00106] 蛍光の適用例の場合、検出器における励起光は最小にしなければならず、このことは、導波管試料ホルダに沿って垂直に又はほぼ垂直な角度にて励起光を照射することにより実現することができる。これによって導波管試料ホルダに入る励起光は、大きい(ほぼ90°の)入射角度及び多数の反射の結果として、導波管試料ホルダの壁から伝送することを通じて実質的に損失する。このため、少量の反射した励起光のみが導波管試料ホルダの端部から出ることになろう。光濾波技術を使用することは、導波管試料ホルダの端部にて検出される励起光のレベルを更に減少させることができる。
【0055】
[00107] 本発明の液相一体型導波管センサの2つの特定的な実施例及びその実験データについて以下に説明する。本発明の第一の実施の形態は、励起光源としてレーザを利用するフルオロメータである。レーザクリーン−アップフィルタを通して平行な光を発生させるため、レンズが使用される。レーザ光は、扇状に拡げられ、次に、レーザ光が導波管試料ホルダに衝突する前に、コリメートされる。放出された蛍光性光は、導波管試料ホルダの端部にて収集される。放出された蛍光性光は、レンズにより収束され且つフィルタを通過した後、分光器によって検出される。信号は、1回収集し又は所定の期間にわたって反復的に収集することができる。器具は、1回の手順にて多数の試料及び参照を検出し得る設計とすることができる。
【0056】
[00108] 本発明の第二の実施の形態は、励起光源として発光ダイオード(LED)を利用する照度計、フルオロメータ及びフォトメータの組み合わせた器具である。LEDの各々からの光は、レンズによって平行な光線にコリメートされる。フィルタは、LED放出光線の波長帯域を通過させ且つこの帯域外の放射線の透過量を著しく減少させることを許容する。この波長帯域は、1組みの二色フィルタ及び1組のビーム整形レンズを介して導波管試料ホルダに向けられて導波管試料ホルダの表面に対して約90°の入射角度の照射状態を導波管試料ホルダにて形成する。LEDは、図23にて左側から右側に相応して長い波長から短い波長への順序にて配置されている。二色フィルタは、関心のある波長を反射し且つより長い波長を図23に示した形態にて伝送することを許容する。二色フィルタを出た後、LED光は、導波管試料ホルダの形状に適合するようレンズを使用して整形される。1組みの4つのLEDは、少なくとも4つの異なる染料を使用することを許容する。放出され且つ励起された光は、導波管試料ホルダの端部にて収集される。光は、レンズにより収束され且つフィルタホイール内に取り付けられた1つのフィルタ又は1組みのフィルタを通過した後、分光器によって検出される。
【0057】
[00109] 器具のこの第二の実施の形態を照度計として使用するため、LEDは照射されず、フィルタホイールは、フィルタが存在しない位置まで回転させることができる。試料及び試薬を導波管試料ホルダ内に投入した後、ルミネッセンス信号を収集する。この信号は、1回収集し又はルミネッセンスの持続時間の間、繰り返して収集することができる。
【0058】
[00110] 器具のこの第二の実施の形態をフルオロメータとして使用するため、4つの蛍光性染料を同一の導波管試料ホルダ内にて検出することができる。例えば、LEDは、630nm、590nm、530nm、470nmの励起波長を提供することができる。フィルタホイールは、LEDに相応する長通過フィルタを含むことになろう。分光器は、例えば、400ないし750nmの範囲にわたって光を収集する。フィルタホイール内のフィルタを適正に選ぶことにより1回に1つのLEDを作動させることにより4つの蛍光性染料を順次に励起させることができる。放出試薬に相応する波長領域の適正な信号が得られる。
【0059】
[00111] 器具のこの第二の実施の形態をフォトメータとして適用するため、試料の結果をLEDの波長領域内の標準と比較することにより、試料による励起光の吸収程度が得られる。適正なLEDを作動させることができるが、LED光が分光器に達するのを許容するため、フィルタホイール内にてフィルタは必要でないであろう。データは、標準試料から収集して吸収量を得ることができる。
【0060】
[00112] 器具の第二の実施の形態は、多数の試料及び参照を1回の手順にて検出し得る設計とすることができる。
【0061】
[00113] 器具の第二の実施の形態は、周囲温度以外の環境にて分析を実行することを許容し得るよう温度制御機能を含む設計とすることができる。例えば、試料の温度を制御するため、試料ホルダ付近にて正温度係数(PTC)サーミスタを使用することができる。当業者により理解されるように、PTCサーミスタの作動は、コンピュータ制御によるものとすることができる。温度制御を必要とする一部の一般的な適用例は、以下に掲げてある。例えば、温度は、細胞を生存し且つ再生状態に維持し得るよう37℃に保持することができる。第二の例の場合、温度は、二本鎖DNAを一本鎖に変化させるため95℃に達するようプログラム化することができる。約65℃に維持することによりこれに従うとき、適正な試薬を使用して等温DNA増幅を実現することができる。第三の適用例に対し、温度は、適正な試薬を使用してDNAを増幅するため、約95℃ないし65℃の範囲にて繰り返すことができる。
【0062】
[00114] 器具の第二の実施の形態は、代替的なLED波長及び(又は)より多数及び少数のLEDを含むような設計とすることができる。
[00115] 器具の第二の実施の形態の構造とした。Cy5蛍光の検出に対する実験データの一例が図24に示されている。示した信号は、背景を除外した後のものであり、一体型導波管センサの液相は、35マイクロリットル試料容積中にて2.5ピコモルCy5染料の濃度又はCy5染料の0.088フェムトモルを検出することが可能であることを実証する。
【0063】
[00116] 本発明は、その特定の一例としての実施の形態に関して示し且つ説明したが、当該技術の当業者は、特許請求の範囲により規定された本発明の精神及び範囲から逸脱せずに、形態及び細部の点にて色々な変更を為すことが可能であることが理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】図1aは導波管試料ホルダがその長さに沿って丸形の同一の断面形状と、光信号を収束させるように一端に湾曲面とを有する、ルミネセント検出システムの概略側面図である。光信号を検出器に収束させるため追加的な光学要素が必要とされる。図1bは導波管試料ホルダの断面図である。
【図2】図2aは導波管試料ホルダの代替的な断面形状、すなわち四角形の内側及び外側形状の断面図である。図2bは外側が四角形で内側が丸形の導波管試料ホルダの断面図である。
【図3】閉鎖端にレンズが無い導波管試料ホルダの変形図である。
【図4】導波管試料ホルダが両端にて開放し、平坦な透明な材料(図示したように)、光フィルタ(図示せず)及び(又は)レンズ(図示せず)に近接して配置することができる、ルミネセント検出システムの概略側面図である。
【図5】導波管試料ホルダが円錐形の形状を有する、ルミネセント検出システムの概略側面図である。
【図6】導波管試料ホルダと検出器との間に光学要素が存在しない、ルミネセント検出システムの概略側面図である。
【図7】キャップを含む導波管試料ホルダの変形例の図である。
【図8】2つの電極が導波管試料ホルダの内側に装着された導波管試料ホルダの変形例の図である。電圧差が2つの電極の間に印加されたとき、電気化学的ルミネッセンスが生じる。
【図9】導波管試料ホルダが長軸線に沿って同一の断面形状を有し、また、光学要素を通過する放出光を検出器に収束させるため、端部に湾曲面を有する、蛍光/吸収検出システムの概略側面図である。光を形成する光源と、光学素子とがある。試料投入室及びキャップが存在するようにすることができる。
【図10】導波管試料ホルダが一端にてより小さい断面積を有し、閉塞端にてより大きい断面積を有する、蛍光/吸収検出システムの概略側面図である。
【図11】図11は導波管試料ホルダが異なる断面図を有する、すなわち長軸線に沿った同一の断面形状を図11aに示した方向から見る一方、長軸線に沿った異なる断面形状、すなわち頂部にて小さい断面積及び底部にて大きい断面積を有する、導波管試料ホルダを図10に示したように垂直軸線に沿って90°回転させた方向から見たときの、蛍光/検出システムの概略側面図である。図11bは導波管試料ホルダの断面図である。
【図12】導波管試料ホルダの断面図の例を示す図である。
【図13】検出器に入る励起光を最小限にし得るよう調節することができる励起光角度の角度を示す図である。
【図14】導波管試料ホルダが端部にて平坦である、蛍光/吸収検出システムの概略側面図である。
【図15】導波管試料ホルダが両端にて開放しており、導波管試料ホルダを平坦な透明な材料(図面に図示するように)、光フィルタ(図面に図示せず)及び(又は)レンズ(図面に図示せず)に近接して配置することができる、蛍光/吸光検出システムの概略側面図である。
【図16】導波管試料ホルダの湾曲端部が光フィルタ材料にて出来ている、蛍光/吸光検出システムの概略側面図である。
【図17】導波管試料ホルダと検出器との間に光学要素が存在しない、蛍光/吸光検出システムの概略側面図である。
【図18】試料を励起させるため2つ又はより多くの励起光源が使用される蛍光/吸光検出システムの概略側面図である。
【図19】励起光源がコリメートされず、また、導波管試料ホルダの表面に対して垂直とされる必要はない、蛍光/吸光検出システムの概略側面図である。
【図20】同一の断面形状を有する円筒状の形状の導波管試料ホルダに対する空気及び導波管試料ホルダの境界面における光信号の伝播及び反射状態を示す概略図である。
【図21】円錐形の形状の導波管試料ホルダに対する空気及び導波管試料ホルダの境界面における光信号の伝播及び反射状態を示す概略図である。
【図22】フルオロメータとして使用することができる器具である本発明の特定の実施例の概略図である。導波管試料ホルダは、端部にレンズを有する毛管である。励起光源はレーザである。信号は、導波管試料ホルダの端部にて収集される。光は、レンズによって収束され且つフィルタを通過した後、分光器に入る。分光器は、励起波長及び放出波長の双方の信号を集める。
【図23】照度計、フルオロメータ及びフォトメータとして使用することのできる器具である本発明の別の特定の実施例の概略図である。導波管試料ホルダは、端部にレンズを有する毛管である。励起光源は、4つ1組みのLEDから成っている。信号は導波管試料ホルダの端部にて収集される。光は、レンズによって収束され且つフィルタホイール内のフィルタ又は1組みのフィルタを通った後、分光器に入る。分光器は励起波長及び放出波長の双方の信号を集める。
【図24】図23に示したLED器具を使用して35マイクロリットルの試料を保持する導波管試料ホルダ内にてCy5蛍光性染料を使用して得られた実験データを示す図である。
【技術分野】
【0001】
[0001] 本発明は、最小限、試料を保持することのできる導波管試料ホルダを含む感応式ルミネッセンス検出システムに関する。本発明は、励起光源と、導波管試料ホルダ内にて試料から励起信号及び放出信号の双方の変化を検出する感応式検出システムとを含むシステムにも関する。導波管試料ホルダは、放出光を集め且つその光を検出器に案内するのに効果的である。導波管試料ホルダの設計、励起光の照射の配置、及び光フィルタは、試料及び放出試薬の極めて低濃度を検出するのを容易にし且つ、使用が容易な形態とすることができる。
【0002】
[0002] 本明細書に使用するように、「一体型導波管センサ(Integrating Waveguide Sensor)」技術という語は、導波管の表面上又は導波管試料ホルダ内の溶液中の励起信号及び放出信号を検出することを意味する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 一体型導波管バイオセンサの固相の具体化は、導波管の表面にて放出試薬を使用して検出することに基づく。放出試薬に適した光源は光導波管を90°の角度にて照射する。放出された信号は、導波管によって効率的に集められ且つ導波管の端部から出る。放出信号は、1組みのレンズ及びフィルタを介して検出器に送られる。この技術は、2000年10月24日に発行されたマーク・J・フェルドスティン(Mark J.Feldstein)、ブライアン・D・マッククライス(Brian D.MacCraith)及びフランシス・S・リグラー(Frances S.Ligler)の「一体型多導波管センサ(Integrating Multi−Waveguide Sensor)」という米国特許番号6,137,117、また、分析化学(Anal.Chem.)2002、74、713−719にてフランシス・S・リグラー、マルク・ブレイマー(Marc Breimer)、ジョエル・P・ゴールデン(Joel P.Golden)、デラナ・A・ニブンス(Delana D.Nivens)、ジェームズ・P・ドッドソン(James P.Dodson)、ティファニー・M・グリーン(Tiffanee M.Green)、ダニエル・P・ハダーズ(Daniel P.Haders)及びオモウンミ・A・サディック(Omowunmi A.Sadik)による「一体型導波管バイオセンサ(Integrating Waveguide Biosensor)」が更に記載されており、これら双方の文献の開示内容の全体は、参考として引用し本明細書に含められている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
[0004] 本発明の1つの目的は、放出試薬が溶液を保持することのできる容器内の溶液中にあり、溶液及び容器は共に、導波管として作用する、一体型導波管センサの液相の具体化である。放出試薬に適した光源は、導波管試料ホルダの表面に対して垂直な又はある角度を成す方向から溶液を保持する導波管を照射する。放出された信号は、励起光と共に、導波管によって効率的に集められ且つ、導波管の端部から出る。励起信号及び放出信号は、1組みのレンズ及びフィルタを介して検出器に送られる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0005] 本明細書にて使用するように、「試料」という語は、主として液体を意味することを意図しており、液体は、小さい固体粒子、化学物質、分子、タンパク質、DNA、放出試薬、微生物、細胞等のような、多種多様なその他の材料も含むことがあろう。
【0006】
[0006] 本明細書にて使用するように、「光学素子(Optical Elements)」という語は、レンズ、フィルタ、光導波管(光ファイバを含むが、導波管試料ホルダは除く)及び格子の任意の1つ又はそれらの組み合わせから成る要素を含む。光学素子は、(1)放出光の改良された収集及び、例えば、レンズ及び光導波管(光ファイバのような)を使用して検出器への光の案内を改良することにより増大される、信号(放出光)を増大させるべく、また、(2)フィルタ、格子等を使用して望ましくない波長からの光を解消することにより、雑音、背景及び(又は)その他の望ましくない蛍光源を減少させるべく使用される。
【0007】
[0007] 本明細書にて使用するように、「導波管試料ホルダ」という語は、試料を保持することのできる容器を意味し、試料及び容器の組み合わせは、試料中にて発生される放出光を検出器まで案内する導波管として作用する。
【0008】
[0008] 本明細書にて使用するように、「放出光(Emission light)」及び(又は)「放出信号(Emission Signal)」という語は、ルミネッセンス、蛍光、リン光によって発生された光を意味し、及び(又は)その他の放出試薬は、コロイド金、コロイド銀、その他のコロイド金属、及び非金属、プラズモン共鳴粒子、量子ドット、その他の蛍光性ナノ粒子、格子粒子、フォトニック結晶試薬、及び同様のものを含む。
【0009】
[0009] 本明細書にて使用するように、「ルミネッセンス」という語は、放出試薬として使用され又は放出試薬により発生される化学的又は生化学的材料によって電磁放射線が発生されることを意味する。「化学ルミネセント」とは、励起エネルギが化学的反応から得られたとき、光が発生されることを意味する。「バイオルミネセント」とは、光が生物学的又は生化学的反応によって発生される、サブセットの化学ルミネッセンスを意味する。バイオルミネッセンスの特定の例は、基質ルシフェリン(Luciferin)が酵素ルシフェラーゼ(Luciferase)及び反応剤ATP(アデノシン三リン酸)及び酸素と組み合わさる、蛍によって光を発生させるものである。「電気化学的ルミネッセンス(ECL)」とは、光を放出する化学ルミネセントの反応よりも先に電気化学的反応が行われるルミネッセンスの形態である。
【0010】
[0010] 本明細書にて使用するように、「蛍光」という語は、外部光源からエネルギを吸収した後の光の放出を意味する。蛍光性放出は化学的又は生化学的試薬によって得ることができる。放出される波長は、吸収される波長よりも長い。蛍光性材料の特定の例は、Cy−3及びCy−5のような有機染料、アレクサフルオロ、緑蛍光性タンパク質(GFP)、シリコンナノ粒子、量子ドット及び当該技術にて周知のその他の材料の各種の集合体を含む。
【0011】
[0011] 本明細書にて使用するように、「リン光」とは、励起された生成物が比較的より安定的である点を除いて、蛍光と同様の現象を意味する。従って、エネルギが解放される迄の時間は、蛍光と比較して長く、その結果、励起光後のグローは除去されている。リン光性放出は、化学的又は生化学的試薬から得ることもできる。
【0012】
[0012] 本明細書にて使用したように、「放出試薬」という語は、ルミネセント、蛍光性又はリン光性材料を意味する。その他の放出試薬は、コロイド金、コロイド銀、その他のコロイド金属、及び非金属、量子ドット、その他の蛍光性ナノ粒子、プラズモン共鳴粒子、格子粒子、フォトニック結晶試薬、及び同様のものを含む。
【0013】
[0013] 本明細書にて使用するように、「検出器」という語は、試料又は放出試薬により発生された放出光を電気信号又は像に変換することのできる装置を意味する。検出器の例は、光ダイオード、一次元的電荷結合素子(CCD)アレイ、二次元的CCDアレイ、光電子増倍管(PMT)、位置感応性PMT、相補型金属酸化ケイ素(CMOS)像アレイ、分光器等である。検出器は、放出光の周波数領域内にて最大の感度を有するよう選ぶことができ、励起光源をブロックするフィルタを設けることができる。1つ又はより多くの検出器を使用することができる。
【0014】
[0014] 放出試薬によって発生された放出信号は、全エネルギ又は波長の関数としてのエネルギとして検出することができる。
[0015] 放出試薬によって発生された放出信号は、時間平均化した同時的エネルギ又は時間積分したエネルギとして検出することができる。有機染料と比較して、長期間、励起光源に露出させた後、光安定性のままであることができる量子ドットのような放出試薬の場合、有機染料よりも長期間にわたって信号を積分することが可能となり、また、この積分を使用して検出感度を向上させることができる。
【0015】
[0016] 本明細書にて使用したように、「励起光源」という語は、光源と、光学素子とから成る放射線照射部材を意味する。コロイド金及び銀のような一部の適用例に対し、励起光源は、広域スペクトル光源とすることができる一方、その他の適用例において、励起光源は、狭スペクトル光源とすることができる。一部の試料は、多数光源を使用して一層良く照射することができる。例えば、同一の試料中に1つ以上の蛍光性放出試薬を有する一部の多数分析物質の適用例において、一部の放出試薬は、1つ又はより多くの狭帯域の励起光源を必要とする一方、量子ドットのようなその他の放出試薬は、全ての放出波長に対して単一の狭帯域又は広帯域の励起光源によって照射することができる。所望の又は最適照度を実現するため、レンズ、フィルタ及びその他の光学素子を採用することができる。
【0016】
[0017] 本発明の一例としての実施の形態における励起光源は、当該技術にて既知の色々な方法の任意のものを用いる任意の光源を使用することができる。一例としての光源は、レーザ、発光ダイオード(LED)及びその他の狭小帯域及び広帯域の光源を含む。
【0017】
[0018] 簡単に説明すれば、レーザからの光は、コヒーレンスな性質を有し、また、潜在的に高パワー、狭小な波長帯域であり、また、レンズにより広いコリメートしたビーム、円錐形ビーム、又は扇ビームに変えることができるビームである。コヒーレンス及び高パワーは、より大きいパワー密度を提供する。有機染料放出試薬に対しては、狭帯域が望まれる。任意の型式のレーザを本発明の一例としての実施の形態による装置及び方法にて使用することができる。ダイオードレーザは、一般的に入手可能であり、小型で且つ比較的低コストである。
【0018】
[0019] LEDは、コヒーレントでなく且つレーザよりも広帯域幅の光を発生させる。LEDは、比較的低廉で且つ小型である。このため、LEDは、一部の用途にて更に適している。これと代替的に、LEDのようなアドレス可能な多数要素の光源アレイは、試料中の色々な蛍光性材料を順次に探知するため使用することができる。この多数要素の光源アレイは、LED又はLEDのグループは任意の時間的又は空間的順序にてアドレスすることができるから、可動部品がないこと、また、ステップ状又は振動型励起光よりもより自由度を提供するという有利な効果を有して、特に低コストの技術を提供する。
【0019】
[0020] 例えば、白熱灯、蛍光灯、キセノン灯、水銀灯及びアーク灯を含む広帯域の非コヒーレントな光源は、本発明の一例としての実施の形態の装置にて有用である。例えば、広帯域の紫外線(UV)源は、量子ドットを照射するため使用することができる。
[0021] 放射線照射部材にて多様な励起光源の形態が使用可能である。代替例中の選択は、一部分、放出試薬及び試料に依存するであろう。
【0020】
[0022] 本発明の一例としての実施の形態において、放射線照射及び放射線検出の時間的モードは、例えば、多様な方法及び改変例を含むことができる。かかるモードの特定の例は、瞬間的信号、時間平均化した瞬間的信号、時間積分した部分的信号、時間積分した連続的な全体信号、周波数変調信号、又はそれらの色々な変形例又は組み合わせを含む。照射及び検出の時間的モードは、励起光の空間的照射方法、蛍光性放出試薬、導波管の幾何学的形態、検出すべき分析物質の数、分析物質の濃度レベル、及び所望の検出感度に関係している。
【0021】
[0023] 励起光源は、各分析物質の検出期間の全体にわたって試料の放出試薬に衝突するであろう。励起光源は、周囲光から干渉を無くすため、変調し又は「チョップする(chopped)」ことができる。次に、ロックイン増幅器のようなものにて形成される放出信号を復調することは、背景干渉を減少させることができる。かかる変調は、周囲光が光学的隔離又は遮蔽によって解消される場合、不要であろう。
【0022】
[0024] 1つの照射方法は、励起光源が広い領域又は拡散した領域から出るようにし、また、試料の全体を一方向又はより多くの方向から照射することである。この非収束又は拡散照射方法の有利な点は、(1)試料の実質的に全体を照射すること、(2)照射領域は試料の寸法よりも大きくすることができるため、整合手順を最小にすることを含む。
【0023】
[0025] 1つ又はより多くの励起光源を順次に又は同時に使用して異なる照射波長を提供し且つ(又は)異なる空間的及び時間的カバー範囲を提供することができる。励起光の入射角度は、導波管試料ホルダの入射面に対して垂直に、導波管試料ホルダの長さに対して垂直に、又は導波管試料ホルダの表面に対して1つ又はより多くの角度とすることができる。最適な照射角度は、励起光に起因する背景雑音を少なくし又は装置のその他の望ましい特徴を向上させ得るよう選ぶことができる。励起光は、多点光源、拡散光源又は広領域の非収束光源からコリメートし、コリメートしない、点光源とすることができる。照射角度は、導波管試料ホルダの表面に対して垂直な励起にのみ限定する必要はない。
【0024】
[0026] 最適な照射角度は、導波管試料ホルダの寸法及び形状並びに所望の検出限界値に依存する。長い導波管試料ホルダは、励起光が導波管試料ホルダの境界にて反射する毎に、励起光の一部分は、導波管外に伝送するとき失われるため、検出器に収集された励起光を減少させることができる。この反射損失は、導波管試料ホルダの表面に対し垂直な角度のとき、最大となる。
【0025】
[0027] 本発明の一例としての実施の形態の1つの形態は、器具と、試料を保持する導波管試料ホルダとを備える感応式ルミネッセンス検出システムを提供することである。導波管試料ホルダは、ルミネセント放出光を集め且つ、光を検出器まで案内する点にて効率的である。
【0026】
[0028] 本発明の別の形態は、励起光源と、導波管試料ホルダ中の試料から励起信号及び放出信号の双方の変化を検出する感応式検出システムとを含むシステムである。上述したように、導波管試料ホルダは、放出光を集め且つその光を検出器まで案内するのに効率的である。導波管試料ホルダの設計、励起光の照射の配置、及び光フィルタは、極めて低濃度の放出試薬の検出を容易にし且つ使用が容易である形態とすることができる。
【0027】
[0029] ルミネッセンスの適用例に対する一例としての実施の形態の上記の形態を実現するため、導波管試薬ホルダと、1つ又はより多くの検出器とを備える照度計が提供される。導波管試料ホルダは、試料を保持する中空領域を含むことができる。導波管試料ホルダは、放出光を導波管試料ホルダの閉塞端まで案内する材料にて出来たものとすることができる。器具は、試料及び試薬を導波管試料ホルダ内に導入する装置を含むことができる。導波管試料ホルダの閉塞端から現れる放出光を検出する1つ又はより多くの検出器を提供することができる。その例は、図1ないし図8及び図23に示されている。
【0028】
[0030] また、蛍光及び吸光の適用例に対する一例としての実施の形態の上記の目的を実現するため、導波管試料ホルダと、1つ又はより多くの励起光源と、1つ又はより多くの光検出器とを備えるフルオロメータ又はフォトメータが提供される。導波管試料ホルダは、試料を保持する中空の領域を有している。励起光は、導波管試料ホルダの1つの面に対してある角度にて又は垂直に導入される。導波管試料ホルダは、放出光を導波管試料ホルダの閉塞端まで案内することができる材料にて出来ている。図9ないし図19、図22及び図23にて示したように、導波管試料ホルダの閉塞端から現れる放出光を検出する1つ又はより多くの検出器が存在する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
[0055] 一体型導波管センサの液相の具体化に基づくルミネッセンスの用途による一例としての実施の形態が図1a、図1bに示されている。照度計は、導波管ホルダと、1つ又はより多くの検出器とを備えている。導波管試料ホルダは、試料を保持する中空の領域を有している。試料及び試薬は、器具によって試料及び試薬の投入室内に手操作にて入れ又は圧送することができる。導波管試料ホルダは、放出光を導波管試料ホルダの底端部内に案内する材料にて出来たものとすることができる。導波管試料ホルダの底部から現れる放出光を検出する1つ又はより多くの検出器を設けることができる。
【0030】
[0056] 照度計及び照度計の構成要素に対し多様な適した構造体及び配置を使用することができる。
[0057] 例えば、図1aに示したように、導波管試料ホルダの外部形状は、軸方向対称の円錐形の形状とすることができる。また、図1aに示したように、導波管試料ホルダから出る放出光を収束し又はコリメートし且つ試料を保持するため、端部に湾曲面が提供される。
【0031】
[0058] 図1bにおいて、導波管試料ホルダの外面及び試料領域の断面形状は丸形とすることができる。
[0059] 図1aに示したように、導波管試料ホルダの開放端には、試料投入室があるようにすることができる。図1に示したように、放出光を収束し、案内し又は濾波するため、1組みの光学要素があるようにすることができる。検出器は、分光器、PMT、CCD、CMOS画像化アレイ又はフォトダイオード又は任意のその他の光検出器の1つとすることができる。
【0032】
[0060] 導波管試料ホルダの外面及び試料領域の断面形状は、図2aに示したように、共に四角形とすることができる。導波管試料ホルダの外面及び試料領域の断面形状は、これらの幾何学的形態にのみ限定されず、その他の適した形状及び配置を使用することができる。光を導波管試料ホルダの出口端まで良好に案内する任意の適した形状を使用することができる。導波管試料ホルダの外面の断面形状は、例えば、四角形のような1つの形状を有することができ、試料領域の断面形状は、例えば、図2bに示したように、丸形のような異なる形状とすることができる。
【0033】
[0061] 端部に平坦面を有する導波管試料ホルダが図3に示されている。
[0062] 導波管試料ホルダは、両端にて開放しており、また、該導波管試料ホルダは、図4に示すように、平坦な透明材料、光フィルタ又はレンズに近接する位置に配置することができる。
【0034】
[0063] 放出光を収束させ得るように、円錐形の形状と、閉塞端における湾曲面とを有する導波管試料ホルダが図5に示されている。
[0064] 図6に示したように、導波管試料ホルダと検出器との間に光学要素が存在しない装置を使用することもできる。
【0035】
[0065] 導波管試料ホルダは、キャップを含むこともできる。試薬の追加を許容するため、キャップは、試験する前に除去し又はキャップは、試薬の追加を許容する入口を有することができる。この配置は、図7の一例としての実施の形態にて示されている。
【0036】
[0066] 2つの電極を導波管試料ホルダの内部に装着することができる。2つの電極の間に電圧差が印加されたとき、図8に示したように、電気化学ルミネッセンスを励起し且つ検出することができる。
[0067] 導波管試料ホルダの長さに沿って、境界の一部分は、不変とし、また、一部分は可変とし、例えば、実質的に円錐形の形状としてもよい。
【0037】
[0068] 導波管試料ホルダの外面全体の一部分は、導波管試料ホルダの光出口端を除いて、鏡又は高反射性であるようにすることができる。導波管試料ホルダは、ガラス、プラスチック等のような、任意の高屈折率の材料にて出来たものとしてよい。導波管試料ホルダは、均一な断面である一部分と、断面が変化する部分とを有することができる。
【0038】
[0069] 蛍光及び吸光の用途のための、図9ないし図19及び図22及び図23に示したような、別の実施の形態において、1つ又はより多くの導波管試料ホルダと、1つ又はより多くの光学系と、1つ以上の励起光源と、1つ又はより多くの光検出器とを備えるフルオロメータ/フォトメータが提供される。導波管試料ホルダは、試料を保持する中空の領域を有している。励起光は、導波管試料ホルダの1つの面に対してある角度にて又は垂直に導入される。導波管試料ホルダは、放出光を導波管試料ホルダの閉塞端に案内することのできる材料にて出来ている。導波管試料ホルダの閉塞端から現れる放出光を検出する1つ又はより多くの検出器がある。円管状壁を有する導波管試料ホルダの概略図が図9に示されている。
【0039】
[0070] 励起光は、表面に対してほぼ垂直であるが、導波管試料ホルダの試料投入室に向けて僅かに傾いた状態にて入射する。
[0071] 検出のために使用されない導波管試料ホルダの端部に試料投入室がある。
【0040】
[0072] 励起光を濾波し且つ、励起光の形状を形成すると共に、励起光を導波管試料ホルダに導くため、励起光源と導波管試料ホルダとの間に1組みの光学要素がある。
[0073] 放出光を収束し、案内し又は濾波する1組みの光学要素があるようにすることができる。
[0074] 検出器は、次のもの、すなわち分光器、PMT、CCD、CMOS画像化
【0041】
アレイ又はフォトダイオード、又は任意のその他の光検出器の1つとすることができる。
[0075] 適用例は、次の配置及び設計の代替例を含むことができる。
[0076] 円錐形の形状の導波管試料ホルダは、図10に示されている。導波管試料ホルダから出る放出光を収束し又はコリメートし且つ試料を保持するため、大径端に湾曲面がある。
【0042】
[0077] 例えば、導波管試料ホルダの長さに沿って、境界の一部は均一とし、また、一部は変化するようにすることができる。励起光源の光が衝突する導波管試料ホルダの外面は、図11aに示したように、側面図にて、その他の面に対して平行である。90°偏位した側面図は、図10に示したものと同一であり、この場合、導波管試料ホルダの頂部の断面積は閉塞端の断面積よりも小さい。
【0043】
[0078] 導波管試料ホルダの外面の断面形状は矩形とすることができ、また、試料領域の断面形状は、図11bに示したように、四角形とすることができる。
[0079] 導波管試料ホルダの外面及び試料領域の色々な断面形状が図12aないし図12hに示されている。導波管試料ホルダの外面及び試料領域の断面形状は、これらの幾何学的形態にのみ限定されるものではない。光を導波管試料ホルダの出口端に良好に案内する任意の形状を使用することができる。励起光は図12aないし図12hに示したように、垂直とする必要はない。
【0044】
[0080] 導波管試料ホルダの外面の断面形状は、例えば、四角形のような1つの形状を有し、また、試料領域の断面形状は、例えば、図12c、図12d、図12e、図12f、図12g、図12hに示したように、丸形のような異なる形状とすることができる。
【0045】
[0081] 導波管試料ホルダの外側形状は、図13に示したように、軸方向に対称の円錐形の形状を有する。励起光は、励起光が試料領域に入ることができるが、検出器に向けて反射されないよう表面に対してある角度にて入射しなければならない。
【0046】
[0082] 導波管試料ホルダは、図14に示したように、端部に平坦面を有することができる。
[0083] 導波管試料ホルダは、両端にて開放しており、また、該導波管試料ホルダは、平坦な透明材料(図15に示したように)、光フィルタ(図面に図示せず)及び(又は)レンズ(図面に図示せず)に対し近接する位置に配置することができる。
【0047】
[0084] 導波管試料ホルダと表面との間に、試料を検出器から分離するが、外壁によって保持された空隙がある場合、試料は流れることができる。信号の検出は、試料が流れる特定の時間の間、定期的に収集することができる。
【0048】
[0085] 導波管試料ホルダの湾曲部分は、光フィルタ材料にて出来たものとし、フィルタが、図16に示したように、導波管試料ホルダと組み合わされるようにすることができる。
【0049】
[0086] 図17に示したように、導波管試料ホルダと検出器との間には光学要素が存在しないようにすることができる。
[0087] 図18に示したように、1つ又はより多くの励起光源が存在するようにすることができる。
【0050】
[0088] 励起光は、図19に示したように、平行にコリメートする必要はない。
[0089] 導波管試料ホルダは、ガラス、プラスチック等のような任意の高屈折率の材料にて出来たものとすることができる。
[0090] 光源は、レーザ、LED、アーク灯、白熱灯等とすることができる。
[0091] 同一波長の1つ又はより多くの励起光源を使用することができる。
[0092] 異なる波長の1つ又はより多くの励起光源を使用することができる。
[0093] 励起光は、試料の全部又は一部を照射することができる。
[0094] フィルタは長通過、着色ガラス、二色フィルタ又は帯域通過型フィルタとすることができる。
[0095] 検出器の前方には、1つ又はより多くのフィルタが存在するようにすることができる。
[0096] 検出器の前方には、1つ又はより多くのレンズが存在するようにすることができる。
[0097] 導波管試料ホルダは、均一な断面の部分と、断面が変化する部分とを有することができる。
[0098] 器具は、1つ以上の導波管試料ホルダを含むことができる。器具はまた、参照用の導波管試料ホルダを含むこともできる。
[0099] 器具はまた、励起光を検出することもできるため、試料及び(又は)放出試薬による励起光の吸収を検出し且つ報告することができる。
[00100] 試料は、1つ以上の蛍光性材料を保持することができ、また、検出は、適正な波長の励起を使用し、また、色々な異なる放出波長と関係した信号を判別する適正なフィルタを有する検出器を使用して、多重化することができる。
[00101] ルミネッセンス及び蛍光に対する信号は、時間の点にて繰り返して読み取ることができる。
【0051】
[00102] 器具は、導波管試料ホルダに対する温度制御された環境を提供するであろう。温度は、0℃ないし100℃の範囲にプログラム化することができる。例えば、温度は、一定の値に保持することができる。別の適用例に対し、温度は、1つの値まで一定の率にて増大させ且つ後の時点にて別の値に変化させることができる。別の適用例に対し、温度は2つの温度の間にて繰り返すことができる。温度及び持続時間はユーザがプログラム化すべきである。
【0052】
[00103] 吸収の適用例の場合、励起源は使用されるが、導波管試料ホルダと検出器との間にフィルタは必要とし又は不要であるようにしてもよい。
[00104] 本発明の一例としての実施の形態の原理は、放出光は光案内部として設計された導波管試料ホルダを使用して効率的に検出器内に収集することができ、また、検出限界値は、従来の器具及び導波管試料ホルダと比較して改良することができることである。図20には、導波管試料ホルダの端部における放出信号の検出原理が示されている。放出光、すなわち光線(1)は、導波管試料ホルダの壁に衝突する。入射角度が臨界角よりも大きい場合、全ての光は光線(3)として、導波管試料ホルダ内にて内反射されるであろう。入射角度が臨界角よりも小さい場合、一部の光は、光線(2)として導波管試料ホルダから伝送され、また、一部の光は、光線(3)として導波管試料ホルダ内にて内反射されるであろう。導波管試料ホルダ内の全試料からの放出光線の一部分は、導波管試料ホルダの端部から出るであろう。
【0053】
[00105] 光の一部分が光線(2)として、導波管試料ホルダ外に伝送される毎に、光の損失、また、検出器に達する放出信号の減少が生ずる。損失は、最適な厚さの導波管試料ホルダの壁を使用し又は円錐形の形状を使用することにより最小にすることができ、それは、これら特徴の双方の結果、放出光が導波管試料ホルダの端部から出る前に反射量が減少することになるからである。図21には、円錐形の形状の導波管試料ホルダを使用する状態が示されている。この場合にも、放出光の入射角度が臨界角よりも大きい場合、全ての光は内反射されよう。放出光、すなわち光線(4)の入射角度が臨界角よりも小さい場合、光の一部は、光線(5)として導波管試料ホルダ外に伝送され、また、一部は、光線(6)として導波管試料ホルダ内にて内反射されるであろう。反射した光線(6)は、導波管試料ホルダの別の外面に遭遇する前に、より長い距離を進み、その結果、平行な壁を有する導波管試料ホルダの場合よりも損失は少なくなる。導波管試料ホルダ内の全試料からの放出光線のより大部分は、導波管試料ホルダの端部から出るであろう。このことは、平行な壁を有する導波管試料ホルダの場合よりも改良された信号を提供することになるであろう。
【0054】
[00106] 蛍光の適用例の場合、検出器における励起光は最小にしなければならず、このことは、導波管試料ホルダに沿って垂直に又はほぼ垂直な角度にて励起光を照射することにより実現することができる。これによって導波管試料ホルダに入る励起光は、大きい(ほぼ90°の)入射角度及び多数の反射の結果として、導波管試料ホルダの壁から伝送することを通じて実質的に損失する。このため、少量の反射した励起光のみが導波管試料ホルダの端部から出ることになろう。光濾波技術を使用することは、導波管試料ホルダの端部にて検出される励起光のレベルを更に減少させることができる。
【0055】
[00107] 本発明の液相一体型導波管センサの2つの特定的な実施例及びその実験データについて以下に説明する。本発明の第一の実施の形態は、励起光源としてレーザを利用するフルオロメータである。レーザクリーン−アップフィルタを通して平行な光を発生させるため、レンズが使用される。レーザ光は、扇状に拡げられ、次に、レーザ光が導波管試料ホルダに衝突する前に、コリメートされる。放出された蛍光性光は、導波管試料ホルダの端部にて収集される。放出された蛍光性光は、レンズにより収束され且つフィルタを通過した後、分光器によって検出される。信号は、1回収集し又は所定の期間にわたって反復的に収集することができる。器具は、1回の手順にて多数の試料及び参照を検出し得る設計とすることができる。
【0056】
[00108] 本発明の第二の実施の形態は、励起光源として発光ダイオード(LED)を利用する照度計、フルオロメータ及びフォトメータの組み合わせた器具である。LEDの各々からの光は、レンズによって平行な光線にコリメートされる。フィルタは、LED放出光線の波長帯域を通過させ且つこの帯域外の放射線の透過量を著しく減少させることを許容する。この波長帯域は、1組みの二色フィルタ及び1組のビーム整形レンズを介して導波管試料ホルダに向けられて導波管試料ホルダの表面に対して約90°の入射角度の照射状態を導波管試料ホルダにて形成する。LEDは、図23にて左側から右側に相応して長い波長から短い波長への順序にて配置されている。二色フィルタは、関心のある波長を反射し且つより長い波長を図23に示した形態にて伝送することを許容する。二色フィルタを出た後、LED光は、導波管試料ホルダの形状に適合するようレンズを使用して整形される。1組みの4つのLEDは、少なくとも4つの異なる染料を使用することを許容する。放出され且つ励起された光は、導波管試料ホルダの端部にて収集される。光は、レンズにより収束され且つフィルタホイール内に取り付けられた1つのフィルタ又は1組みのフィルタを通過した後、分光器によって検出される。
【0057】
[00109] 器具のこの第二の実施の形態を照度計として使用するため、LEDは照射されず、フィルタホイールは、フィルタが存在しない位置まで回転させることができる。試料及び試薬を導波管試料ホルダ内に投入した後、ルミネッセンス信号を収集する。この信号は、1回収集し又はルミネッセンスの持続時間の間、繰り返して収集することができる。
【0058】
[00110] 器具のこの第二の実施の形態をフルオロメータとして使用するため、4つの蛍光性染料を同一の導波管試料ホルダ内にて検出することができる。例えば、LEDは、630nm、590nm、530nm、470nmの励起波長を提供することができる。フィルタホイールは、LEDに相応する長通過フィルタを含むことになろう。分光器は、例えば、400ないし750nmの範囲にわたって光を収集する。フィルタホイール内のフィルタを適正に選ぶことにより1回に1つのLEDを作動させることにより4つの蛍光性染料を順次に励起させることができる。放出試薬に相応する波長領域の適正な信号が得られる。
【0059】
[00111] 器具のこの第二の実施の形態をフォトメータとして適用するため、試料の結果をLEDの波長領域内の標準と比較することにより、試料による励起光の吸収程度が得られる。適正なLEDを作動させることができるが、LED光が分光器に達するのを許容するため、フィルタホイール内にてフィルタは必要でないであろう。データは、標準試料から収集して吸収量を得ることができる。
【0060】
[00112] 器具の第二の実施の形態は、多数の試料及び参照を1回の手順にて検出し得る設計とすることができる。
【0061】
[00113] 器具の第二の実施の形態は、周囲温度以外の環境にて分析を実行することを許容し得るよう温度制御機能を含む設計とすることができる。例えば、試料の温度を制御するため、試料ホルダ付近にて正温度係数(PTC)サーミスタを使用することができる。当業者により理解されるように、PTCサーミスタの作動は、コンピュータ制御によるものとすることができる。温度制御を必要とする一部の一般的な適用例は、以下に掲げてある。例えば、温度は、細胞を生存し且つ再生状態に維持し得るよう37℃に保持することができる。第二の例の場合、温度は、二本鎖DNAを一本鎖に変化させるため95℃に達するようプログラム化することができる。約65℃に維持することによりこれに従うとき、適正な試薬を使用して等温DNA増幅を実現することができる。第三の適用例に対し、温度は、適正な試薬を使用してDNAを増幅するため、約95℃ないし65℃の範囲にて繰り返すことができる。
【0062】
[00114] 器具の第二の実施の形態は、代替的なLED波長及び(又は)より多数及び少数のLEDを含むような設計とすることができる。
[00115] 器具の第二の実施の形態の構造とした。Cy5蛍光の検出に対する実験データの一例が図24に示されている。示した信号は、背景を除外した後のものであり、一体型導波管センサの液相は、35マイクロリットル試料容積中にて2.5ピコモルCy5染料の濃度又はCy5染料の0.088フェムトモルを検出することが可能であることを実証する。
【0063】
[00116] 本発明は、その特定の一例としての実施の形態に関して示し且つ説明したが、当該技術の当業者は、特許請求の範囲により規定された本発明の精神及び範囲から逸脱せずに、形態及び細部の点にて色々な変更を為すことが可能であることが理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】図1aは導波管試料ホルダがその長さに沿って丸形の同一の断面形状と、光信号を収束させるように一端に湾曲面とを有する、ルミネセント検出システムの概略側面図である。光信号を検出器に収束させるため追加的な光学要素が必要とされる。図1bは導波管試料ホルダの断面図である。
【図2】図2aは導波管試料ホルダの代替的な断面形状、すなわち四角形の内側及び外側形状の断面図である。図2bは外側が四角形で内側が丸形の導波管試料ホルダの断面図である。
【図3】閉鎖端にレンズが無い導波管試料ホルダの変形図である。
【図4】導波管試料ホルダが両端にて開放し、平坦な透明な材料(図示したように)、光フィルタ(図示せず)及び(又は)レンズ(図示せず)に近接して配置することができる、ルミネセント検出システムの概略側面図である。
【図5】導波管試料ホルダが円錐形の形状を有する、ルミネセント検出システムの概略側面図である。
【図6】導波管試料ホルダと検出器との間に光学要素が存在しない、ルミネセント検出システムの概略側面図である。
【図7】キャップを含む導波管試料ホルダの変形例の図である。
【図8】2つの電極が導波管試料ホルダの内側に装着された導波管試料ホルダの変形例の図である。電圧差が2つの電極の間に印加されたとき、電気化学的ルミネッセンスが生じる。
【図9】導波管試料ホルダが長軸線に沿って同一の断面形状を有し、また、光学要素を通過する放出光を検出器に収束させるため、端部に湾曲面を有する、蛍光/吸収検出システムの概略側面図である。光を形成する光源と、光学素子とがある。試料投入室及びキャップが存在するようにすることができる。
【図10】導波管試料ホルダが一端にてより小さい断面積を有し、閉塞端にてより大きい断面積を有する、蛍光/吸収検出システムの概略側面図である。
【図11】図11は導波管試料ホルダが異なる断面図を有する、すなわち長軸線に沿った同一の断面形状を図11aに示した方向から見る一方、長軸線に沿った異なる断面形状、すなわち頂部にて小さい断面積及び底部にて大きい断面積を有する、導波管試料ホルダを図10に示したように垂直軸線に沿って90°回転させた方向から見たときの、蛍光/検出システムの概略側面図である。図11bは導波管試料ホルダの断面図である。
【図12】導波管試料ホルダの断面図の例を示す図である。
【図13】検出器に入る励起光を最小限にし得るよう調節することができる励起光角度の角度を示す図である。
【図14】導波管試料ホルダが端部にて平坦である、蛍光/吸収検出システムの概略側面図である。
【図15】導波管試料ホルダが両端にて開放しており、導波管試料ホルダを平坦な透明な材料(図面に図示するように)、光フィルタ(図面に図示せず)及び(又は)レンズ(図面に図示せず)に近接して配置することができる、蛍光/吸光検出システムの概略側面図である。
【図16】導波管試料ホルダの湾曲端部が光フィルタ材料にて出来ている、蛍光/吸光検出システムの概略側面図である。
【図17】導波管試料ホルダと検出器との間に光学要素が存在しない、蛍光/吸光検出システムの概略側面図である。
【図18】試料を励起させるため2つ又はより多くの励起光源が使用される蛍光/吸光検出システムの概略側面図である。
【図19】励起光源がコリメートされず、また、導波管試料ホルダの表面に対して垂直とされる必要はない、蛍光/吸光検出システムの概略側面図である。
【図20】同一の断面形状を有する円筒状の形状の導波管試料ホルダに対する空気及び導波管試料ホルダの境界面における光信号の伝播及び反射状態を示す概略図である。
【図21】円錐形の形状の導波管試料ホルダに対する空気及び導波管試料ホルダの境界面における光信号の伝播及び反射状態を示す概略図である。
【図22】フルオロメータとして使用することができる器具である本発明の特定の実施例の概略図である。導波管試料ホルダは、端部にレンズを有する毛管である。励起光源はレーザである。信号は、導波管試料ホルダの端部にて収集される。光は、レンズによって収束され且つフィルタを通過した後、分光器に入る。分光器は、励起波長及び放出波長の双方の信号を集める。
【図23】照度計、フルオロメータ及びフォトメータとして使用することのできる器具である本発明の別の特定の実施例の概略図である。導波管試料ホルダは、端部にレンズを有する毛管である。励起光源は、4つ1組みのLEDから成っている。信号は導波管試料ホルダの端部にて収集される。光は、レンズによって収束され且つフィルタホイール内のフィルタ又は1組みのフィルタを通った後、分光器に入る。分光器は励起波長及び放出波長の双方の信号を集める。
【図24】図23に示したLED器具を使用して35マイクロリットルの試料を保持する導波管試料ホルダ内にてCy5蛍光性染料を使用して得られた実験データを示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料ホルダにおいて、
内部に試料を受容する室と、
前記室への第一のアクセス部を提供する末端と、
少なくとも光透過可能な部分を備える基端と、
前記基端から長手方向に向けて前記末端まで伸びる少なくとも1つの壁とを備え、
前記室は、前記少なくとも1つの壁によって画成された長手方向内面と、長手方向外面とを備え、
前記長手方向内面は、長手方向に対して垂直な面内にて見たとき、第一の断面形状を備え、
前記長手方向外面は、長手方向に対して垂直な面内にて見たとき、第二の断面形状を備え、
前記少なくとも1つの壁は、光を前記基端に向けて導く導波管の形態を備える、試料ホルダ。
【請求項2】
請求項1に記載の試料ホルダにおいて、前記少なくとも1つの壁は環状壁である、試料ホルダ。
【請求項3】
請求項2に記載の試料ホルダにおいて、前記環状壁は、前記末端に向けて長手方向にテーパーが付けられた截頭円錐体の形態をしたテーパー付きの形状である、試料ホルダ。
【請求項4】
請求項1に記載の試料ホルダにおいて、前記環状壁は、長手方向に向けて円筒状の形状である、試料ホルダ。
【請求項5】
請求項1に記載の試料ホルダにおいて、前記末端から長手方向に向けて前記基端まで伸びる複数の接続された壁を更に備え、前記長手方向内面及び前記長手方向外面は、前記複数の接続された壁によって画成される、試料ホルダ。
【請求項6】
請求項1に記載の試料ホルダにおいて、前記第一の断面形状及び前記第二の断面形状の少なくとも一方は、多角形及び連続的な湾曲部の少なくとも一方である、試料ホルダ。
【請求項7】
請求項1に記載の試料ホルダにおいて、前記第一の断面形状及び前記第二の断面形状の少なくとも一方は、前記室の長手方向軸線に対して軸方向に対称である、試料ホルダ。
【請求項8】
請求項1に記載の試料ホルダにおいて、前記第一の断面形状及び前記第二の断面形状の少なくとも一方は、励起光が前記少なくとも1つの壁を通過するのを容易にする形態とされた少なくとも一部分を備える、試料ホルダ。
【請求項9】
請求項1に記載の試料ホルダにおいて、前記基端には前記少なくとも1つの壁が一体的に形成される、試料ホルダ。
【請求項10】
請求項1に記載の試料ホルダにおいて、前記基端は、第一の面と、第二の面とを備え、前記室は、前記基端の第一の面により画成された基端側内面と、前記基端の第二の面により画成された基端側外面とを備える、試料ホルダ。
【請求項11】
請求項10に記載の試料ホルダにおいて、前記基端の第二の面は、前記基端を透過する光の収束を容易にする湾曲部分を備える、試料ホルダ。
【請求項12】
請求項10に記載の試料ホルダにおいて、前記基端の第一の面は、実質的に平坦な部分を備える、試料ホルダ。
【請求項13】
請求項1に記載の試料ホルダにおいて、前記末端に形成された投入室を更に備える、試料ホルダ。
【請求項14】
請求項13に記載の試料ホルダにおいて、前記室への第一のアクセス部を選択的にブロックし得るように前記投入室に対して除去可能な形態とされたキャップを更に備える、試料ホルダ。
【請求項15】
請求項1に記載の試料ホルダにおいて、前記基端は、前記室への第二のアクセス部を提供する開放部分を備える、試料ホルダ。
【請求項16】
請求項15に記載の試料ホルダにおいて、前記基端は、平坦な光透過可能な材料、光フィルタ及びレンズの少なくとも1つに近接して配置し得る形態とされる、試料ホルダ。
【請求項17】
請求項1に記載の試料ホルダを備えるシステムにおいて、前記試料ホルダの前記末端から発した光の収束、案内及び濾波の少なくとも1つを行い得る形態とされた少なくとも1つの光学要素を更に備える、試料ホルダを備えるシステム。
【請求項18】
請求項1に記載の試料ホルダを備えるシステムにおいて、前記試料ホルダの前記末端から発した光を検出する検出器を更に備える、試料ホルダを備えるシステム。
【請求項19】
請求項1に記載の試料ホルダを備えるシステムにおいて、前記室内の試料を選択的に照射する形態とされた少なくとも1つの光源を更に備える、試料ホルダを備えるシステム。
【請求項20】
請求項19に記載のシステムにおいて、前記光源は、前記室の長手方向外面に対して約90°の角度にて室を照射するように光を発する形態とされる、システム。
【請求項21】
請求項19に記載のシステムにおいて、前記少なくとも1つの光源及び室に対して、前記少なくとも1つの光源から前記室に向けて発した光を濾波し、案内し、収束させることの少なくとも1つを容易にし得るような形態とされた少なくとも1つの光学要素を更に備える、システム。
【請求項22】
請求項15に記載のシステムにおいて、前記少なくとも1つの光学要素によって収束、案内及び濾波の少なくとも1つが行われた光を検出する検出器を更に備える、システム。
【請求項23】
請求項1に記載の試料ホルダにおいて、前記室内にて形成された電極を更に備え、これにより電圧差が電極の間に印加されたとき、検出のための電気化学的ルミネッセンスが促進される、試料ホルダ。
【請求項24】
請求項1に記載の試料ホルダにおいて、前記長手方向外面は反射性材料から成る、試料ホルダ。
【請求項25】
請求項16に記載の試料ホルダにおいて、前記基端を平坦な光透過可能材料、光フィルタ及びレンズの少なくとも1つに対して配置することが、試料を通る流れを促進する、試料ホルダ。
【請求項26】
請求項1に記載の試料ホルダにおいて、試料の温度を制御する手段を更に備える、試料ホルダ。
【請求項27】
請求項17に記載のシステムにおいて、前記試料ホルダからの光と関係したデータを反復的に収集することができる、システム。
【請求項28】
請求項17に記載のシステムにおいて、請求項1に記載の複数の試料ホルダを備える、システム。
【請求項29】
請求項18に記載のシステムにおいて、前記検出器は、分光器、光電管(PMT)、電荷結合素子(CCD)、CMOS画像化アレイ又はフォトダイオード及び光検出器の少なくとも1つである、システム。
【請求項30】
請求項19に記載のシステムにおいて、前記少なくとも1つの光源は、レーザ、LED、アーク灯及び白熱灯の少なくとも1つである、システム。
【請求項1】
試料ホルダにおいて、
内部に試料を受容する室と、
前記室への第一のアクセス部を提供する末端と、
少なくとも光透過可能な部分を備える基端と、
前記基端から長手方向に向けて前記末端まで伸びる少なくとも1つの壁とを備え、
前記室は、前記少なくとも1つの壁によって画成された長手方向内面と、長手方向外面とを備え、
前記長手方向内面は、長手方向に対して垂直な面内にて見たとき、第一の断面形状を備え、
前記長手方向外面は、長手方向に対して垂直な面内にて見たとき、第二の断面形状を備え、
前記少なくとも1つの壁は、光を前記基端に向けて導く導波管の形態を備える、試料ホルダ。
【請求項2】
請求項1に記載の試料ホルダにおいて、前記少なくとも1つの壁は環状壁である、試料ホルダ。
【請求項3】
請求項2に記載の試料ホルダにおいて、前記環状壁は、前記末端に向けて長手方向にテーパーが付けられた截頭円錐体の形態をしたテーパー付きの形状である、試料ホルダ。
【請求項4】
請求項1に記載の試料ホルダにおいて、前記環状壁は、長手方向に向けて円筒状の形状である、試料ホルダ。
【請求項5】
請求項1に記載の試料ホルダにおいて、前記末端から長手方向に向けて前記基端まで伸びる複数の接続された壁を更に備え、前記長手方向内面及び前記長手方向外面は、前記複数の接続された壁によって画成される、試料ホルダ。
【請求項6】
請求項1に記載の試料ホルダにおいて、前記第一の断面形状及び前記第二の断面形状の少なくとも一方は、多角形及び連続的な湾曲部の少なくとも一方である、試料ホルダ。
【請求項7】
請求項1に記載の試料ホルダにおいて、前記第一の断面形状及び前記第二の断面形状の少なくとも一方は、前記室の長手方向軸線に対して軸方向に対称である、試料ホルダ。
【請求項8】
請求項1に記載の試料ホルダにおいて、前記第一の断面形状及び前記第二の断面形状の少なくとも一方は、励起光が前記少なくとも1つの壁を通過するのを容易にする形態とされた少なくとも一部分を備える、試料ホルダ。
【請求項9】
請求項1に記載の試料ホルダにおいて、前記基端には前記少なくとも1つの壁が一体的に形成される、試料ホルダ。
【請求項10】
請求項1に記載の試料ホルダにおいて、前記基端は、第一の面と、第二の面とを備え、前記室は、前記基端の第一の面により画成された基端側内面と、前記基端の第二の面により画成された基端側外面とを備える、試料ホルダ。
【請求項11】
請求項10に記載の試料ホルダにおいて、前記基端の第二の面は、前記基端を透過する光の収束を容易にする湾曲部分を備える、試料ホルダ。
【請求項12】
請求項10に記載の試料ホルダにおいて、前記基端の第一の面は、実質的に平坦な部分を備える、試料ホルダ。
【請求項13】
請求項1に記載の試料ホルダにおいて、前記末端に形成された投入室を更に備える、試料ホルダ。
【請求項14】
請求項13に記載の試料ホルダにおいて、前記室への第一のアクセス部を選択的にブロックし得るように前記投入室に対して除去可能な形態とされたキャップを更に備える、試料ホルダ。
【請求項15】
請求項1に記載の試料ホルダにおいて、前記基端は、前記室への第二のアクセス部を提供する開放部分を備える、試料ホルダ。
【請求項16】
請求項15に記載の試料ホルダにおいて、前記基端は、平坦な光透過可能な材料、光フィルタ及びレンズの少なくとも1つに近接して配置し得る形態とされる、試料ホルダ。
【請求項17】
請求項1に記載の試料ホルダを備えるシステムにおいて、前記試料ホルダの前記末端から発した光の収束、案内及び濾波の少なくとも1つを行い得る形態とされた少なくとも1つの光学要素を更に備える、試料ホルダを備えるシステム。
【請求項18】
請求項1に記載の試料ホルダを備えるシステムにおいて、前記試料ホルダの前記末端から発した光を検出する検出器を更に備える、試料ホルダを備えるシステム。
【請求項19】
請求項1に記載の試料ホルダを備えるシステムにおいて、前記室内の試料を選択的に照射する形態とされた少なくとも1つの光源を更に備える、試料ホルダを備えるシステム。
【請求項20】
請求項19に記載のシステムにおいて、前記光源は、前記室の長手方向外面に対して約90°の角度にて室を照射するように光を発する形態とされる、システム。
【請求項21】
請求項19に記載のシステムにおいて、前記少なくとも1つの光源及び室に対して、前記少なくとも1つの光源から前記室に向けて発した光を濾波し、案内し、収束させることの少なくとも1つを容易にし得るような形態とされた少なくとも1つの光学要素を更に備える、システム。
【請求項22】
請求項15に記載のシステムにおいて、前記少なくとも1つの光学要素によって収束、案内及び濾波の少なくとも1つが行われた光を検出する検出器を更に備える、システム。
【請求項23】
請求項1に記載の試料ホルダにおいて、前記室内にて形成された電極を更に備え、これにより電圧差が電極の間に印加されたとき、検出のための電気化学的ルミネッセンスが促進される、試料ホルダ。
【請求項24】
請求項1に記載の試料ホルダにおいて、前記長手方向外面は反射性材料から成る、試料ホルダ。
【請求項25】
請求項16に記載の試料ホルダにおいて、前記基端を平坦な光透過可能材料、光フィルタ及びレンズの少なくとも1つに対して配置することが、試料を通る流れを促進する、試料ホルダ。
【請求項26】
請求項1に記載の試料ホルダにおいて、試料の温度を制御する手段を更に備える、試料ホルダ。
【請求項27】
請求項17に記載のシステムにおいて、前記試料ホルダからの光と関係したデータを反復的に収集することができる、システム。
【請求項28】
請求項17に記載のシステムにおいて、請求項1に記載の複数の試料ホルダを備える、システム。
【請求項29】
請求項18に記載のシステムにおいて、前記検出器は、分光器、光電管(PMT)、電荷結合素子(CCD)、CMOS画像化アレイ又はフォトダイオード及び光検出器の少なくとも1つである、システム。
【請求項30】
請求項19に記載のシステムにおいて、前記少なくとも1つの光源は、レーザ、LED、アーク灯及び白熱灯の少なくとも1つである、システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公表番号】特表2009−510475(P2009−510475A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−534598(P2008−534598)
【出願日】平成18年10月3日(2006.10.3)
【国際出願番号】PCT/US2006/038464
【国際公開番号】WO2007/041507
【国際公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【出願人】(508102314)クリアティーヴィ・マイクロテク,インコーポレーテッド (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年10月3日(2006.10.3)
【国際出願番号】PCT/US2006/038464
【国際公開番号】WO2007/041507
【国際公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【出願人】(508102314)クリアティーヴィ・マイクロテク,インコーポレーテッド (1)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]