成膜用治具
【課題】パターン化された膜を成膜するための成膜用治具において、成膜されない島領域を囲んで枠状またはリング状に全周が繋がっているパターン形状の膜を1つの工程で成膜可能とする。
【解決手段】成膜用治具1は、ブリッジ部材4と、アクチュエータ5と、基板表面Sの島領域をマスクする島部マスク部材31と、基板表面Sにおけるパターンの外部領域をマスクする外周マスク部材32とを備える。ブリッジ部材4は、島部マスク部材31側に配置された支持部41と外周マスク部材32側に配置された支持部51とを介して、両マスク部材3を互いに結合し、両マスク部材3および基板表面Sに対し基板表面Sに沿う並進移動自在とされている。アクチュエータ5は、ブリッジ部材4をその長手方向に直交する方向に並進移動させる。成膜源Gから見たブリッジ部材4の基板表面Sにおける陰が基板表面S上で移動するので、途切れることなくリング状に成膜できる。
【解決手段】成膜用治具1は、ブリッジ部材4と、アクチュエータ5と、基板表面Sの島領域をマスクする島部マスク部材31と、基板表面Sにおけるパターンの外部領域をマスクする外周マスク部材32とを備える。ブリッジ部材4は、島部マスク部材31側に配置された支持部41と外周マスク部材32側に配置された支持部51とを介して、両マスク部材3を互いに結合し、両マスク部材3および基板表面Sに対し基板表面Sに沿う並進移動自在とされている。アクチュエータ5は、ブリッジ部材4をその長手方向に直交する方向に並進移動させる。成膜源Gから見たブリッジ部材4の基板表面Sにおける陰が基板表面S上で移動するので、途切れることなくリング状に成膜できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成膜しない領域となる島領域を囲むパターン形状の膜を基板の表面に直接的に成膜するための成膜用治具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基板上にパターン化された膜を形成する方法として、露光現像とエッチング処理とを用いるフォトリソグラフィ法が知られている。この方法は、例えば、蒸着やスパッタリング等の成膜方法によって基板表面全体に金属や有機物などの機能膜を形成し、機能膜の上にレジスト膜を形成し、露光現像によってレジスト膜を処理して、所望のパターンを有するレジスト製のエッチングマスクを形成する。その後、機能膜をエッチング処理して所望の形状にパターン化された膜とし、最後に基板上からレジスト膜を除去する。このようなフォトリソグラフィ法による方法は、微細なパターン形状の膜形成に有効に多用されているが、多工程であり、使用する機器数が多く、工程が煩雑である。そこで、パターン寸法との兼ね合いで、フォトリソグラフィ法によるエッチングマスクを用いることなく、成膜用マスクを通して成膜することにより、成膜時にパターン化された膜を直接形成することも行われる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−12944号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したような方法によって島領域を囲むパターン形状の膜を成膜する場合、島領域を遮蔽する島部マスク部材を支持して基板上に固定するための支持部材の陰の部分に膜を形成できないという問題がある。特許文献1の場合は、成膜できなかった部分の影響が、成膜後のエッチング工程の存在と基板の両面に成膜するという特殊な構造とによって回避されているが、通常、このような回避ができるとは限らない。
【0005】
本発明は、上記課題を解消するものであって、簡単な構成により、成膜しない領域を囲んで枠状またはリング状に全周が繋がっているパターン形状の膜を1つの工程で形成することができる成膜用治具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を達成するために、本発明の成膜用治具は、成膜源から飛来する成膜材を堆積させる乾式の成膜方法を用いて基板の表面に島領域を囲むパターン形状の膜を成膜するための成膜用治具において、基板表面の島領域をマスクする島部マスク部材と、基板表面におけるパターンの外部領域をマスクする外周マスク部材と、島部マスク部材と外周マスク部材とを結合するブリッジ部材と、ブリッジ部材、または両マスク部材および基板を、成膜源に対して相対移動させるアクチュエータと、を備え、アクチュエータは、成膜源から見たブリッジ部材の基板表面における陰が基板表面上で移動するように前記相対移動を行わせることを特徴とする。
【0007】
この成膜用治具において、ブリッジ部材は、両マスク部材および基板表面に対し基板表面に沿う並進移動自在に、島部マスク部材と外周マスク部材とを結合し、アクチュエータは、ブリッジ部材を並進移動させることが好ましい。
【0008】
この成膜用治具において、ブリッジ部材は、成膜領域を跨ぐアーチ形状を有し、ブリッジ部材の両端がそれぞれ島部マスク部材と外周マスク部材とに回動自在に固定され、アクチュエータは、ブリッジ部材を回動して起伏させることが好ましい。
【0009】
この成膜用治具において、島部マスク部材は互いに同等のものが複数備えられ、各島部マスク部材はそれぞれ個別のブリッジ部材に支持されて外周マスク部材に対して移動自在とされており、アクチュエータは、複数の島部マスク部材を互いに異なる方向から交互に出し入れすることが好ましい。
【0010】
この成膜用治具において、アクチュエータは、基板、両マスク部材、およびブリッジ部材の全体を、成膜源に対する角度が変化するように揺動させることが好ましい。
【0011】
この成膜用治具において、ブリッジ部材は、島部マスク部材の周りを回転自在とされ、アクチュエータは、ブリッジ部材を両マスク部材および基板表面に対して回転移動させることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の成膜用治具によれば、島部マスク部材と外周マスク部材とを結合するブリッジ部材の基板表面における成膜源から見た陰の影響を薄めることができ、枠状またはリング状のパターンを1つの工程で成膜することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】(a)は本発明の第1の実施形態に係る成膜用治具の使用状態を示す断面図、(b)は同治具を用いた成膜例を示す基板の斜視図。
【図2】同治具の斜視図。
【図3】(a)〜(d)は同治具の使用方法を説明する平面図。
【図4】(a)(b)は同治具の第1の変形例と使用方法を説明する平面図。
【図5】(a)は同治具の第2の変形例と使用状態を示す断面図、(b)は同第2の変形例の平面図。
【図6】同第2の変形例の斜視図。
【図7】(a)〜(d)は同第2の変形例の使用方法を説明する平面図。
【図8】(a)は第2の実施形態に係る成膜用治具の断面図、(b)は同平面図。
【図9】(a)は同治具の使用方法を説明する断面図、(b)は同平面図。
【図10】同治具の第1の変形例を示す平面図。
【図11】(a)は第3の実施形態に係る成膜用治具の使用状態を示す断面図、(b)は同治具の平面図、(c)は同断面図。
【図12】(a)(b)は同治具の使用方法を説明する斜視図。
【図13】(a)は第4の実施形態に係る成膜用治具の断面図、(b)は同平面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1の実施形態)
以下、本発明の実施形態に係る成膜用治具について、図面を参照して説明する。図中のxyz直交座標軸を適宜参照する。図1、図2、図3は第1の実施形態に係る成膜用治具を示す。成膜用治具1は、図1(a)(b)、図2に示すように、上方(z方向)の成膜源Gから飛来する成膜材を堆積させる乾式の成膜方法を用いて、xy面内に配置した基板2の表面Sに島領域21を囲むパターン形状の膜22を成膜するための治具である。成膜用治具1は、マスク部材3と、ブリッジ部材4と、アクチュエータ5と、を備え、マスク部材3は、ベース部材10に載置された基板2の基板表面Sをマスクする。マスク部材3は、基板表面Sの島領域21をマスクする島部マスク部材31と、基板表面Sにおけるパターンの外部領域をマスクする外周マスク部材32とを備えている。ブリッジ部材4は、島部マスク部材31側に配置された支持部41と外周マスク部材32側に配置された支持部51とを介して、両マスク部材3を互いに結合し、両マスク部材3に対し基板表面Sに沿う並進移動自在にとされている。アクチュエータ5は、支持部51側におけるブリッジ部材4の端部に駆動力を作用させることにより、ブリッジ部材4を並進移動させる。すなわち、ブリッジ部材4は、その長手方向に直交する方向(y方向)に沿って移動する。ブリッジ部材4とアクチュエータ5の対は、島部マスク部材31を左右(x方向が右)互いに反対側から支持するように2対設けられている。
【0015】
成膜時における成膜用治具1の動作を説明する。図3(a)〜(d)に示すように、アクチュエータ5は、成膜源Gから見たブリッジ部材4の基板表面Sにおける陰が基板表面S上で移動するようにブリッジ部材4の並進移動を行わせる。ブリッジ部材4は、この並進移動の際に島部マスク部材31を基板表面Sに対して静止させておく必要がある。そこで、2つのブリッジ部材4を、交互に片方ずつ並進移動させることにより、いずれか一方が移動中に、静止している他方のブリッジ部材4によって、より安定に島部マスク部材31を基板表面Sに対して静止させる。このような静止のために、ブリッジ部材4の支持部41側に、アクチュエータ5側から開閉自在に操作できるクランプを設けることができる。成膜中に、図3(a)に示すように、白抜き矢印aで示すように右側のブリッジ部材4を移動させて図3(b)に示す状態とし、その状態から、白抜き矢印bで示すように左側のブリッジ部材4を移動させて図3(c)に示す状態とする。さらに、図3(c)に示す状態から、白抜き矢印cで示すように右側のブリッジ部材4を移動させて図3(d)に示す状態とし、その状態から、白抜き矢印dで示すように左側のブリッジ部材4を移動させて、もとの図3(a)に示す状態とし、以下同様に繰り返す。なお、成膜源Gから飛来する成膜材を堆積させる乾式の成膜方法として、例えば、蒸着、スパッタ、CVDなどの成膜方法を用いることができる。これらの場合、成膜源Gは、蒸発源であり、スパッタターゲットであり、プラズマである。
【0016】
本実施形態の成膜用治具1によれば、ブリッジ部材4を成膜源Gに対して相対移動させるアクチュエータ5を備えているので、成膜時に成膜源Gから見たブリッジ部材4の基板表面Sにおける陰の影響を時間的に薄めて成膜することができる。なお、島領域21を囲むパターン形状の膜22として、四角い枠状の膜22の例を示したが、膜22のパターン形状は、四角い枠状に限らず、リング状や曲線の内側境界と外側境界と有する任意境界形状の膜22の成膜に対しても成膜用治具1を適用することができる。また、成膜用治具1は、マスク部材3を、基板表面Sに接触させないで、または、接触させて基板表面Sに対して静止させることができるが、基板表面Sに接触させない方が好ましい。
【0017】
(第1の実施形態の第1の変形例)
図4(a)(b)は第1の実施形態の第1の変形例を示す。この変形例の成膜用治具1は、第1の実施形態における2組のブリッジ部材4がそれぞれ2つづつ並列に構成されており、各組における2つのブリッジ部材4が互いに接近または離反する並進移動を行うものである。各アクチュエータ5は、一方の組が離反移動するとき、他方の組は接近移動するように、互いに逆向きに、ブリッジ部材4の並進移動を行わせる。このような構成によると、島部マスク部材31が確実に3点以上で支持されるので、ブリッジ部材4の動作中に島部マスク部材31を容易かつ安定に静止させることができる。
【0018】
(第1の実施形態の第2の変形例)
図5、図6、図7は第1の実施形態の第2の変形例を示す。この変形例の成膜用治具1は、図5(a)(b)、図6に示すように、第1の実施形態におけるブリッジ部材4が成膜領域を跨ぐアーチ形状を有し、ブリッジ部材4の両端がそれぞれ島部マスク部材31と外周マスク部材32とに回動自在に固定されものである。また、アクチュエータ5は、ブリッジ部材4を回動して起伏させる構成とされている。言い換えると、この変形例の構成は、アクチュエータ5の機構を並進機構から回転機構に変更し、ブリッジ部材4の移動を、直線的移動から半回転移動にしたものである。ブリッジ部材4は、回動して起伏されることにより、成膜源G側から見たブリッジ部材4が、基板表面Sに対して並進移動することになる。成膜時におけるこの変形例の成膜用治具1の動作は、ブリッジ部材4の並進移動の動作が、ブリッジ部材4の回動起伏によることを除いて、第1の実施形態における動作と同様である。すなわち、図7(a)〜(d)において白抜き矢印a,b,c,dで示すように、成膜源Gから見たブリッジ部材4の基板表面Sにおける陰は、図3(a)〜(d)で説明した動作と同様に、基板表面S上で交互に並進移動する。ここで示した変形例の構成では、ブリッジ部材4とアクチュエータ5が左右2対であるが、3方向以上から支持するように少なくとも3対設けることにより、ブリッジ部材4の動作中に島部マスク部材31を容易かつ安定に静止させることができる。
【0019】
(第2の実施形態)
図8(a)(b)、図9(a)(b)は第2の実施形態を示す。本実施形態の成膜用治具1は、島部マスク部材31として互いに同等のものを2つ、一般には複数備え、各島部マスク部材31はそれぞれ個別のブリッジ部材4に支持、または一体化されて外周マスク部材32に対して移動自在とされている。ブリッジ部材4は、1つの島部マスク部材31に対して2本としているが、1本でも、3本以上でもよい。アクチュエータ5は、複数の島部マスク部材31を互いに異なる方向から交互に出し入れする構成とされている。この成膜用治具1のブリッジ部材4は、島部マスク部材31とともに成膜源Gに対して並進移動されるので、その移動は成膜中には行わずに、成膜を一旦中断してから、図9(a)(b)に示すように行われる。この場合、成膜された膜の膜厚は、左右のブリッジ部材4が交互に出し入れされるので、ブリッジ部材4の陰の部分では、他の部分の半分の厚さになる。本実施形態によれば、ブリッジ部材4と島部マスク部材31とが一体化されているので、成膜中に島部マスク部材31を容易かつ安定に静止させることができる。
【0020】
(第2の実施形態の第1の変形例)
図10(a)(b)は第1の実施形態の第1の変形例を示す。この変形例の成膜用治具1は、第2の実施形態における各島部マスク部材31を支持する2本のブリッジ部材4を、島部マスク部材31に対して固定させるのではなく、互いに接近と離反を繰り返す構成としたものである。アクチュエータ5は、成膜を中断した状態で、各島部マスク部材31およびブリッジ部材4を出し入れすると共に、島部マスク部材31とともに挿入されている2本のブリッジ部材4を、成膜中に互いに接近離反させる並進移動を行わせる。この変形例によれば、ブリッジ部材4による陰の部分の膜厚の減少をより抑制することができる。
【0021】
(第3の実施形態)
図11(a)(b)(c)、図12(a)(b)は第3の実施形態を示す。本実施形態の成膜用治具1は、ブリッジ部材4がアーチ状をしており、アクチュエータ5が、基板2、両マスク部材3、ブリッジ部材4、およびベース部材10の全体を、成膜源Gに対する角度が変化するように所定の回転軸11のまわりに揺動させるものである。他は第1の実施形態と同様である。回転軸11の方向と、ブリッジ部材4の長手方向の向きとは同じ方向となるよう構成されており、ベース部材10を含む全体を、例えば、±5°程度、周期的に交互に傾けることにより、ブリッジ部材4の陰となる部分を基板表面S上で移動させることができる。ブリッジ部材4がアーチ状をしていることにより、揺動に伴うブリッジ部材4の陰の移動を大きくすることができる。本実施形態によると、島部マスク部材31と外周マスク部材32とが一体的に固定された状態とすることができるので、安定状態のもとで成膜をすることができる。
【0022】
(第4の実施形態)
図13(a)(b)は第4の実施形態を示す。本実施形態の成膜用治具1は、ブリッジ部材4が、島部マスク部材31の周りを回転自在とされており、アクチュエータ5は、ブリッジ部材4を両マスク部材3および基板表面Sに対して回転移動させるものである。アクチュエータ5は、島部マスク部材31とその回りの成膜領域とを囲むリング状の支持部51、および支持部51を回転自在に支持するガイドリング52を備えている。本実施形態の島部マスク部材31は円形であり、その中心と支持部51の中心とは一致しており、4つのブリッジ部材4が、島部マスク部材31と支持部51とを一体的に固定支持している。アクチュエータ5は、支持部51を回転することにより、島部マスク部材31とブリッジ部材4とを基板表面Sに平行な面内で回転させる。成膜中にアクチュエータ5を動作させて、円形の島部マスク部材31の中心を回転軸にし、ブリッジ部材4と島部マスク部材31とを一定速度で面内を回転させることで、内部に円形の非成膜領域を有するリング状や枠状の成膜を行う。これにより、各回点円周上の膜厚が均一となる。また、島部マスク部材31が円形状ではない場合には、島部マスク部材31に対して回転自在にブリッジ部材4を備えて島部マスク部材31を支持することにより、島部マスク部材31を静止させた状態でブリッジ部材4を回転させて成膜することができる。
【0023】
なお、本発明は、上記構成に限られることなく種々の変形が可能である。例えば、上述した各実施形態の構成を互いに組み合わせた構成とすることができる。本発明は、より一般的に述べると、成膜源Gに対して、ブリッジ部材4、または両マスク部材3および基板2を、相対移動させるアクチュエータ5と、を備える成膜用治具である。アクチュエータ5は、成膜源Gから見たブリッジ部材4の基板表面Sにおける陰が基板表面S上で移動するように相対移動を行わせる。相対移動には、並進移動や回動、揺動が含まれる。これらの相対移動は、それぞれ単独に行うこともでき、同時に複合させて行うこともできる。例えば、第3の実施形態における揺動動作中にブリッジ部材4を並進移動させるように、揺動機構と並進機構とをともに組み込んだ成膜用治具とすることができる。
【符号の説明】
【0024】
1 成膜用治具
2 基板
21 島領域
22 膜
3 マスク部材
31 島部マスク部材
32 外周マスク部材
4 ブリッジ部材
5 アクチュエータ
G 成膜源
S 基板表面
【技術分野】
【0001】
本発明は、成膜しない領域となる島領域を囲むパターン形状の膜を基板の表面に直接的に成膜するための成膜用治具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基板上にパターン化された膜を形成する方法として、露光現像とエッチング処理とを用いるフォトリソグラフィ法が知られている。この方法は、例えば、蒸着やスパッタリング等の成膜方法によって基板表面全体に金属や有機物などの機能膜を形成し、機能膜の上にレジスト膜を形成し、露光現像によってレジスト膜を処理して、所望のパターンを有するレジスト製のエッチングマスクを形成する。その後、機能膜をエッチング処理して所望の形状にパターン化された膜とし、最後に基板上からレジスト膜を除去する。このようなフォトリソグラフィ法による方法は、微細なパターン形状の膜形成に有効に多用されているが、多工程であり、使用する機器数が多く、工程が煩雑である。そこで、パターン寸法との兼ね合いで、フォトリソグラフィ法によるエッチングマスクを用いることなく、成膜用マスクを通して成膜することにより、成膜時にパターン化された膜を直接形成することも行われる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−12944号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したような方法によって島領域を囲むパターン形状の膜を成膜する場合、島領域を遮蔽する島部マスク部材を支持して基板上に固定するための支持部材の陰の部分に膜を形成できないという問題がある。特許文献1の場合は、成膜できなかった部分の影響が、成膜後のエッチング工程の存在と基板の両面に成膜するという特殊な構造とによって回避されているが、通常、このような回避ができるとは限らない。
【0005】
本発明は、上記課題を解消するものであって、簡単な構成により、成膜しない領域を囲んで枠状またはリング状に全周が繋がっているパターン形状の膜を1つの工程で形成することができる成膜用治具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を達成するために、本発明の成膜用治具は、成膜源から飛来する成膜材を堆積させる乾式の成膜方法を用いて基板の表面に島領域を囲むパターン形状の膜を成膜するための成膜用治具において、基板表面の島領域をマスクする島部マスク部材と、基板表面におけるパターンの外部領域をマスクする外周マスク部材と、島部マスク部材と外周マスク部材とを結合するブリッジ部材と、ブリッジ部材、または両マスク部材および基板を、成膜源に対して相対移動させるアクチュエータと、を備え、アクチュエータは、成膜源から見たブリッジ部材の基板表面における陰が基板表面上で移動するように前記相対移動を行わせることを特徴とする。
【0007】
この成膜用治具において、ブリッジ部材は、両マスク部材および基板表面に対し基板表面に沿う並進移動自在に、島部マスク部材と外周マスク部材とを結合し、アクチュエータは、ブリッジ部材を並進移動させることが好ましい。
【0008】
この成膜用治具において、ブリッジ部材は、成膜領域を跨ぐアーチ形状を有し、ブリッジ部材の両端がそれぞれ島部マスク部材と外周マスク部材とに回動自在に固定され、アクチュエータは、ブリッジ部材を回動して起伏させることが好ましい。
【0009】
この成膜用治具において、島部マスク部材は互いに同等のものが複数備えられ、各島部マスク部材はそれぞれ個別のブリッジ部材に支持されて外周マスク部材に対して移動自在とされており、アクチュエータは、複数の島部マスク部材を互いに異なる方向から交互に出し入れすることが好ましい。
【0010】
この成膜用治具において、アクチュエータは、基板、両マスク部材、およびブリッジ部材の全体を、成膜源に対する角度が変化するように揺動させることが好ましい。
【0011】
この成膜用治具において、ブリッジ部材は、島部マスク部材の周りを回転自在とされ、アクチュエータは、ブリッジ部材を両マスク部材および基板表面に対して回転移動させることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の成膜用治具によれば、島部マスク部材と外周マスク部材とを結合するブリッジ部材の基板表面における成膜源から見た陰の影響を薄めることができ、枠状またはリング状のパターンを1つの工程で成膜することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】(a)は本発明の第1の実施形態に係る成膜用治具の使用状態を示す断面図、(b)は同治具を用いた成膜例を示す基板の斜視図。
【図2】同治具の斜視図。
【図3】(a)〜(d)は同治具の使用方法を説明する平面図。
【図4】(a)(b)は同治具の第1の変形例と使用方法を説明する平面図。
【図5】(a)は同治具の第2の変形例と使用状態を示す断面図、(b)は同第2の変形例の平面図。
【図6】同第2の変形例の斜視図。
【図7】(a)〜(d)は同第2の変形例の使用方法を説明する平面図。
【図8】(a)は第2の実施形態に係る成膜用治具の断面図、(b)は同平面図。
【図9】(a)は同治具の使用方法を説明する断面図、(b)は同平面図。
【図10】同治具の第1の変形例を示す平面図。
【図11】(a)は第3の実施形態に係る成膜用治具の使用状態を示す断面図、(b)は同治具の平面図、(c)は同断面図。
【図12】(a)(b)は同治具の使用方法を説明する斜視図。
【図13】(a)は第4の実施形態に係る成膜用治具の断面図、(b)は同平面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1の実施形態)
以下、本発明の実施形態に係る成膜用治具について、図面を参照して説明する。図中のxyz直交座標軸を適宜参照する。図1、図2、図3は第1の実施形態に係る成膜用治具を示す。成膜用治具1は、図1(a)(b)、図2に示すように、上方(z方向)の成膜源Gから飛来する成膜材を堆積させる乾式の成膜方法を用いて、xy面内に配置した基板2の表面Sに島領域21を囲むパターン形状の膜22を成膜するための治具である。成膜用治具1は、マスク部材3と、ブリッジ部材4と、アクチュエータ5と、を備え、マスク部材3は、ベース部材10に載置された基板2の基板表面Sをマスクする。マスク部材3は、基板表面Sの島領域21をマスクする島部マスク部材31と、基板表面Sにおけるパターンの外部領域をマスクする外周マスク部材32とを備えている。ブリッジ部材4は、島部マスク部材31側に配置された支持部41と外周マスク部材32側に配置された支持部51とを介して、両マスク部材3を互いに結合し、両マスク部材3に対し基板表面Sに沿う並進移動自在にとされている。アクチュエータ5は、支持部51側におけるブリッジ部材4の端部に駆動力を作用させることにより、ブリッジ部材4を並進移動させる。すなわち、ブリッジ部材4は、その長手方向に直交する方向(y方向)に沿って移動する。ブリッジ部材4とアクチュエータ5の対は、島部マスク部材31を左右(x方向が右)互いに反対側から支持するように2対設けられている。
【0015】
成膜時における成膜用治具1の動作を説明する。図3(a)〜(d)に示すように、アクチュエータ5は、成膜源Gから見たブリッジ部材4の基板表面Sにおける陰が基板表面S上で移動するようにブリッジ部材4の並進移動を行わせる。ブリッジ部材4は、この並進移動の際に島部マスク部材31を基板表面Sに対して静止させておく必要がある。そこで、2つのブリッジ部材4を、交互に片方ずつ並進移動させることにより、いずれか一方が移動中に、静止している他方のブリッジ部材4によって、より安定に島部マスク部材31を基板表面Sに対して静止させる。このような静止のために、ブリッジ部材4の支持部41側に、アクチュエータ5側から開閉自在に操作できるクランプを設けることができる。成膜中に、図3(a)に示すように、白抜き矢印aで示すように右側のブリッジ部材4を移動させて図3(b)に示す状態とし、その状態から、白抜き矢印bで示すように左側のブリッジ部材4を移動させて図3(c)に示す状態とする。さらに、図3(c)に示す状態から、白抜き矢印cで示すように右側のブリッジ部材4を移動させて図3(d)に示す状態とし、その状態から、白抜き矢印dで示すように左側のブリッジ部材4を移動させて、もとの図3(a)に示す状態とし、以下同様に繰り返す。なお、成膜源Gから飛来する成膜材を堆積させる乾式の成膜方法として、例えば、蒸着、スパッタ、CVDなどの成膜方法を用いることができる。これらの場合、成膜源Gは、蒸発源であり、スパッタターゲットであり、プラズマである。
【0016】
本実施形態の成膜用治具1によれば、ブリッジ部材4を成膜源Gに対して相対移動させるアクチュエータ5を備えているので、成膜時に成膜源Gから見たブリッジ部材4の基板表面Sにおける陰の影響を時間的に薄めて成膜することができる。なお、島領域21を囲むパターン形状の膜22として、四角い枠状の膜22の例を示したが、膜22のパターン形状は、四角い枠状に限らず、リング状や曲線の内側境界と外側境界と有する任意境界形状の膜22の成膜に対しても成膜用治具1を適用することができる。また、成膜用治具1は、マスク部材3を、基板表面Sに接触させないで、または、接触させて基板表面Sに対して静止させることができるが、基板表面Sに接触させない方が好ましい。
【0017】
(第1の実施形態の第1の変形例)
図4(a)(b)は第1の実施形態の第1の変形例を示す。この変形例の成膜用治具1は、第1の実施形態における2組のブリッジ部材4がそれぞれ2つづつ並列に構成されており、各組における2つのブリッジ部材4が互いに接近または離反する並進移動を行うものである。各アクチュエータ5は、一方の組が離反移動するとき、他方の組は接近移動するように、互いに逆向きに、ブリッジ部材4の並進移動を行わせる。このような構成によると、島部マスク部材31が確実に3点以上で支持されるので、ブリッジ部材4の動作中に島部マスク部材31を容易かつ安定に静止させることができる。
【0018】
(第1の実施形態の第2の変形例)
図5、図6、図7は第1の実施形態の第2の変形例を示す。この変形例の成膜用治具1は、図5(a)(b)、図6に示すように、第1の実施形態におけるブリッジ部材4が成膜領域を跨ぐアーチ形状を有し、ブリッジ部材4の両端がそれぞれ島部マスク部材31と外周マスク部材32とに回動自在に固定されものである。また、アクチュエータ5は、ブリッジ部材4を回動して起伏させる構成とされている。言い換えると、この変形例の構成は、アクチュエータ5の機構を並進機構から回転機構に変更し、ブリッジ部材4の移動を、直線的移動から半回転移動にしたものである。ブリッジ部材4は、回動して起伏されることにより、成膜源G側から見たブリッジ部材4が、基板表面Sに対して並進移動することになる。成膜時におけるこの変形例の成膜用治具1の動作は、ブリッジ部材4の並進移動の動作が、ブリッジ部材4の回動起伏によることを除いて、第1の実施形態における動作と同様である。すなわち、図7(a)〜(d)において白抜き矢印a,b,c,dで示すように、成膜源Gから見たブリッジ部材4の基板表面Sにおける陰は、図3(a)〜(d)で説明した動作と同様に、基板表面S上で交互に並進移動する。ここで示した変形例の構成では、ブリッジ部材4とアクチュエータ5が左右2対であるが、3方向以上から支持するように少なくとも3対設けることにより、ブリッジ部材4の動作中に島部マスク部材31を容易かつ安定に静止させることができる。
【0019】
(第2の実施形態)
図8(a)(b)、図9(a)(b)は第2の実施形態を示す。本実施形態の成膜用治具1は、島部マスク部材31として互いに同等のものを2つ、一般には複数備え、各島部マスク部材31はそれぞれ個別のブリッジ部材4に支持、または一体化されて外周マスク部材32に対して移動自在とされている。ブリッジ部材4は、1つの島部マスク部材31に対して2本としているが、1本でも、3本以上でもよい。アクチュエータ5は、複数の島部マスク部材31を互いに異なる方向から交互に出し入れする構成とされている。この成膜用治具1のブリッジ部材4は、島部マスク部材31とともに成膜源Gに対して並進移動されるので、その移動は成膜中には行わずに、成膜を一旦中断してから、図9(a)(b)に示すように行われる。この場合、成膜された膜の膜厚は、左右のブリッジ部材4が交互に出し入れされるので、ブリッジ部材4の陰の部分では、他の部分の半分の厚さになる。本実施形態によれば、ブリッジ部材4と島部マスク部材31とが一体化されているので、成膜中に島部マスク部材31を容易かつ安定に静止させることができる。
【0020】
(第2の実施形態の第1の変形例)
図10(a)(b)は第1の実施形態の第1の変形例を示す。この変形例の成膜用治具1は、第2の実施形態における各島部マスク部材31を支持する2本のブリッジ部材4を、島部マスク部材31に対して固定させるのではなく、互いに接近と離反を繰り返す構成としたものである。アクチュエータ5は、成膜を中断した状態で、各島部マスク部材31およびブリッジ部材4を出し入れすると共に、島部マスク部材31とともに挿入されている2本のブリッジ部材4を、成膜中に互いに接近離反させる並進移動を行わせる。この変形例によれば、ブリッジ部材4による陰の部分の膜厚の減少をより抑制することができる。
【0021】
(第3の実施形態)
図11(a)(b)(c)、図12(a)(b)は第3の実施形態を示す。本実施形態の成膜用治具1は、ブリッジ部材4がアーチ状をしており、アクチュエータ5が、基板2、両マスク部材3、ブリッジ部材4、およびベース部材10の全体を、成膜源Gに対する角度が変化するように所定の回転軸11のまわりに揺動させるものである。他は第1の実施形態と同様である。回転軸11の方向と、ブリッジ部材4の長手方向の向きとは同じ方向となるよう構成されており、ベース部材10を含む全体を、例えば、±5°程度、周期的に交互に傾けることにより、ブリッジ部材4の陰となる部分を基板表面S上で移動させることができる。ブリッジ部材4がアーチ状をしていることにより、揺動に伴うブリッジ部材4の陰の移動を大きくすることができる。本実施形態によると、島部マスク部材31と外周マスク部材32とが一体的に固定された状態とすることができるので、安定状態のもとで成膜をすることができる。
【0022】
(第4の実施形態)
図13(a)(b)は第4の実施形態を示す。本実施形態の成膜用治具1は、ブリッジ部材4が、島部マスク部材31の周りを回転自在とされており、アクチュエータ5は、ブリッジ部材4を両マスク部材3および基板表面Sに対して回転移動させるものである。アクチュエータ5は、島部マスク部材31とその回りの成膜領域とを囲むリング状の支持部51、および支持部51を回転自在に支持するガイドリング52を備えている。本実施形態の島部マスク部材31は円形であり、その中心と支持部51の中心とは一致しており、4つのブリッジ部材4が、島部マスク部材31と支持部51とを一体的に固定支持している。アクチュエータ5は、支持部51を回転することにより、島部マスク部材31とブリッジ部材4とを基板表面Sに平行な面内で回転させる。成膜中にアクチュエータ5を動作させて、円形の島部マスク部材31の中心を回転軸にし、ブリッジ部材4と島部マスク部材31とを一定速度で面内を回転させることで、内部に円形の非成膜領域を有するリング状や枠状の成膜を行う。これにより、各回点円周上の膜厚が均一となる。また、島部マスク部材31が円形状ではない場合には、島部マスク部材31に対して回転自在にブリッジ部材4を備えて島部マスク部材31を支持することにより、島部マスク部材31を静止させた状態でブリッジ部材4を回転させて成膜することができる。
【0023】
なお、本発明は、上記構成に限られることなく種々の変形が可能である。例えば、上述した各実施形態の構成を互いに組み合わせた構成とすることができる。本発明は、より一般的に述べると、成膜源Gに対して、ブリッジ部材4、または両マスク部材3および基板2を、相対移動させるアクチュエータ5と、を備える成膜用治具である。アクチュエータ5は、成膜源Gから見たブリッジ部材4の基板表面Sにおける陰が基板表面S上で移動するように相対移動を行わせる。相対移動には、並進移動や回動、揺動が含まれる。これらの相対移動は、それぞれ単独に行うこともでき、同時に複合させて行うこともできる。例えば、第3の実施形態における揺動動作中にブリッジ部材4を並進移動させるように、揺動機構と並進機構とをともに組み込んだ成膜用治具とすることができる。
【符号の説明】
【0024】
1 成膜用治具
2 基板
21 島領域
22 膜
3 マスク部材
31 島部マスク部材
32 外周マスク部材
4 ブリッジ部材
5 アクチュエータ
G 成膜源
S 基板表面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
成膜源から飛来する成膜材を堆積させる乾式の成膜方法を用いて基板の表面に島領域を囲むパターン形状の膜を成膜するための成膜用治具において、
基板表面の島領域をマスクする島部マスク部材と、
前記基板表面における前記パターンの外部領域をマスクする外周マスク部材と、
前記島部マスク部材と外周マスク部材とを結合するブリッジ部材と、
前記ブリッジ部材、または前記両マスク部材および基板を、前記成膜源に対して相対移動させるアクチュエータと、を備え、
前記アクチュエータは、前記成膜源から見た前記ブリッジ部材の基板表面における陰が基板表面上で移動するように前記相対移動を行わせることを特徴とする成膜用治具。
【請求項2】
前記ブリッジ部材は、前記両マスク部材および基板表面に対し該基板表面に沿う並進移動自在に、前記島部マスク部材と外周マスク部材とを結合しており、
前記アクチュエータは、前記ブリッジ部材を並進移動させることを特徴とする請求項1に記載の成膜用治具。
【請求項3】
前記ブリッジ部材は、成膜領域を跨ぐアーチ形状を有し、該ブリッジ部材の両端がそれぞれ前記島部マスク部材と外周マスク部材とに回動自在に固定されており、
前記アクチュエータは、前記ブリッジ部材を回動して起伏させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の成膜用治具。
【請求項4】
前記島部マスク部材は互いに同等のものが複数備えられ、前記各島部マスク部材はそれぞれ個別のブリッジ部材に支持されて前記外周マスク部材に対して移動自在とされており、
前記アクチュエータは、前記複数の島部マスク部材を互いに異なる方向から交互に出し入れすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の成膜用治具。
【請求項5】
前記アクチュエータは、前記基板、両マスク部材、およびブリッジ部材の全体を、前記成膜源に対する角度が変化するように揺動させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の成膜用治具。
【請求項6】
前記ブリッジ部材は、前記島部マスク部材の周りを回転自在とされており、
前記アクチュエータは、前記ブリッジ部材を前記両マスク部材および基板表面に対して回転移動させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の成膜用治具。
【請求項1】
成膜源から飛来する成膜材を堆積させる乾式の成膜方法を用いて基板の表面に島領域を囲むパターン形状の膜を成膜するための成膜用治具において、
基板表面の島領域をマスクする島部マスク部材と、
前記基板表面における前記パターンの外部領域をマスクする外周マスク部材と、
前記島部マスク部材と外周マスク部材とを結合するブリッジ部材と、
前記ブリッジ部材、または前記両マスク部材および基板を、前記成膜源に対して相対移動させるアクチュエータと、を備え、
前記アクチュエータは、前記成膜源から見た前記ブリッジ部材の基板表面における陰が基板表面上で移動するように前記相対移動を行わせることを特徴とする成膜用治具。
【請求項2】
前記ブリッジ部材は、前記両マスク部材および基板表面に対し該基板表面に沿う並進移動自在に、前記島部マスク部材と外周マスク部材とを結合しており、
前記アクチュエータは、前記ブリッジ部材を並進移動させることを特徴とする請求項1に記載の成膜用治具。
【請求項3】
前記ブリッジ部材は、成膜領域を跨ぐアーチ形状を有し、該ブリッジ部材の両端がそれぞれ前記島部マスク部材と外周マスク部材とに回動自在に固定されており、
前記アクチュエータは、前記ブリッジ部材を回動して起伏させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の成膜用治具。
【請求項4】
前記島部マスク部材は互いに同等のものが複数備えられ、前記各島部マスク部材はそれぞれ個別のブリッジ部材に支持されて前記外周マスク部材に対して移動自在とされており、
前記アクチュエータは、前記複数の島部マスク部材を互いに異なる方向から交互に出し入れすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の成膜用治具。
【請求項5】
前記アクチュエータは、前記基板、両マスク部材、およびブリッジ部材の全体を、前記成膜源に対する角度が変化するように揺動させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の成膜用治具。
【請求項6】
前記ブリッジ部材は、前記島部マスク部材の周りを回転自在とされており、
前記アクチュエータは、前記ブリッジ部材を前記両マスク部材および基板表面に対して回転移動させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の成膜用治具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−7210(P2012−7210A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−144359(P2010−144359)
【出願日】平成22年6月25日(2010.6.25)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月25日(2010.6.25)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
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