説明

扉パネルの固定構造

【課題】 扉パネルの固定構造に関し、扉パネルの固定状態を解除するための解除操作部を設けることで、扉パネルの取り替え作業を容易に且つ迅速に行うことができるようにしたものである。
【解決手段】 固定装置(50)には、扉フレーム(30)の取付部(例えば開口部31)の一端部と、当該一端部と対向する扉パネル(40)の一端部との間に設けられた第1支持部(60)、扉フレーム(30)の取付部(例えば開口部31)の一端部と対向する他端部と、当該他端部と対向する扉パネル(40)の他端部との間に設けられた第2支持部(70)、第1支持部(60)と第2支持部(70)とのいずれか少なくとも一方の固定状態を解除可能であり、扉フレーム(30)と扉パネル(40)とのいずれか少なくとも一方に取り付けられた解除操作部(80)を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、扉パネルの固定構造に関し、扉パネルの固定状態を解除するための解除操作部を設けることで、扉パネルの取り替え作業を容易に且つ迅速に行うことができるようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
従来、襖等の建具の本体の表面に切り込み部分を設け、この切り込み部分に取り替え建具をマグネットを使用して着脱可能に固定できるようにした組み替え建具が知られている(例えば特許文献1の段落番号「0011」、図1〜4参照)。
また、従来、建具の下框やたて框に溝を設け、当該溝にパネルをはめ込めるようにしたデザイン及び機能を容易に変える仕組みを持った建具が知られている(例えば特許文献2の請求項1、図1及び図2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平7-23184号公報
【特許文献2】特開2004-324202号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記した前者の従来の組み替え建具では、マグネットの磁力を弱く設定すると、取り替え建具の取り外しが容易となるが、取り替え建具が外れやすくなり、逆にマグネットの磁力を強く設定すると、取り替え建具の取り外しが困難となるという問題点があった。
また、上記した後者の従来の建具では、溝にパネルをはめ込んでいるため、パネルの取り替え時に建具を分解する必要性があるという問題点があった。
【0005】
そこで、各請求項にそれぞれ記載された各発明は、上記した従来の技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、次の点にある。
(請求項1)
請求項1に記載の発明は、次の点を目的とする。
すなわち、請求項1に記載の発明は、扉パネルの固定状態を解除するための解除操作部を設けることで、扉パネルの取り替え作業を容易に且つ迅速に行うことができるようにしたものである。
(請求項2)
請求項2に記載の発明は、上記した請求項1に記載の発明の目的に加え、次の点を目的とする。
【0006】
すなわち、請求項2に記載の発明は、扉の端面から解除操作部を操作することができるようにしたものである。
(請求項3)
請求項3に記載の発明は、上記した請求項1又は請求項2に記載の発明の目的に加え、次の点を目的とする。
【0007】
すなわち、請求項3に記載の発明は、解除操作部の操作により固定状態が解除された場合に、押出装置により扉フレームの取付部から扉パネルを押し出すことができるようにしたものである。
このため、請求項3に記載の発明によれば、押出装置により押し出された扉パネルを持って、当該扉パネルを扉フレームの取付部から容易に且つ迅速に取り外すことができる。
(請求項4)
請求項4に記載の発明は、上記した請求項3に記載の発明の目的に加え、次の点を目的とする。
【0008】
すなわち、請求項4に記載の発明は、押出装置をラッチに組み込むことができるようにしたものである。
このため、請求項4に記載の発明によれば、部品点数を減少でき、又、取り付け作業を省力化することができる。
(請求項5)
請求項5に記載の発明は、上記した請求項1〜4のいずれか1項に記載の発明の目的に加え、次の点を目的とする。
【0009】
すなわち、請求項5に記載の発明は、扉の表裏面の扉パネルを個別に取り付けたり、取り替えることができるようにしたものである。
(請求項6)
請求項6に記載の発明は、上記した請求項5に記載の発明の目的に加え、次の点を目的とする。
【0010】
すなわち、請求項6に記載の発明は、扉の表裏面の扉パネルを個別に取り外したり、取り替えることができるようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
各請求項にそれぞれ記載された各発明は、上記した各目的を達成するためになされたものであり、各発明の特徴点を図面に示した発明の実施の形態を用いて、以下に説明する。
なお、カッコ内の符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
また、図面番号も、発明の実施の形態において用いた図番を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(請求項1)
請求項1に記載の発明は、次の点を特徴とする。
【0012】
第1に、扉パネル(40)の固定構造には、例えば図1に示すように、次の構成を備える。
(1)扉フレーム(30)
扉フレーム(30)は、例えば図1に示すように、開口部又は凹部から構成される取付部(例えば開口部31)を有するものである。
(2)扉パネル(40)
扉パネル(40)は、例えば図1に示すように、扉フレーム(30)の取付部(例えば開口部31)に取り付けられるものである。
【0013】
(3)固定装置(50)
固定装置(50)は、例えば図1に示すように、扉フレーム(30)の取付部(例えば開口部31)に扉パネル(40)を着脱可能に固定するためのものである。
第2に、固定装置(50)には、例えば図1に示すように、次の構成を備える。
(4)第1支持部(60)
第1支持部(60)は、例えば図1に示すように、扉フレーム(30)の取付部(例えば開口部31)の一端部と、当該一端部と対向する扉パネル(40)の一端部との間に設けられたものである。
【0014】
(5)第2支持部(70)
第2支持部(70)は、例えば図1に示すように、扉フレーム(30)の取付部(例えば開口部31)の一端部と対向する他端部と、当該他端部と対向する扉パネル(40)の他端部との間に設けられたものである。
(6)解除操作部(80)
解除操作部(80)は、例えば図1に示すように、第1支持部(60)と第2支持部(70)とのいずれか少なくとも一方の固定状態を解除可能であり、扉フレーム(30)と扉パネル(40)とのいずれか少なくとも一方に取り付けられたものである。
(請求項2)
請求項2に記載の発明は、上記した請求項1に記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
【0015】
第1に、第1支持部(60)には、例えば図1及び図2に示すように、次の構成を備える。
(1)ソケット(100)
ソケット(100)は、例えば図1及び図2に示すように、扉フレーム(30)の取付部(例えば開口部31)の一端部に取り付けられたものである。
(2)ストライカー(110,111)
ストライカー(110,111)は、例えば図1及び図2に示すように、ソケット(100)と対向させて扉パネル(40)に取り付けられ、当該ソケット(100)に差し込み可能なものである。
【0016】
第2に、第2支持部(70)には、例えば図1及び図3に示すように、次の構成を備える。
(3)ラッチ(120)
ラッチ(120)は、例えば図1及び図3に示すように、扉フレーム(30)の取付部(例えば開口部31)の一端部に取り付けられ、解除操作部(80)を有するものである。
(4)キャッチャー(130)
キャッチャー(130)は、例えば図1及び図3に示すように、ラッチ(120)と対向させて扉パネル(40)に取り付けられ、当該ラッチ(120)に保持されるものである。
【0017】
第3に、解除操作部(80)は、例えば図1及び図3に示すように、扉フレーム(30)の端面に臨ませている。
(請求項3)
請求項3に記載の発明は、上記した請求項1又は請求項2に記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
【0018】
すなわち、扉フレーム(30)の取付部(例えば開口部31)と、扉パネル(40)との間には、例えば図3及び図4に示すように、次の構成を備える。
(1)押出装置(90)
押出装置(90)は、例えば図3及び図4に示すように、解除操作部(80)の操作により固定状態が解除された場合に、扉フレーム(30)の取付部(例えば開口部31)から扉パネル(40)を押し出すためのものである。
(請求項4)
請求項4に記載の発明は、上記した請求項3に記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
【0019】
すなわち、押出装置(90)は、例えば図3及び図4に示すように、ラッチ(120)に組み込まれている。
(請求項5)
請求項5に記載の発明は、上記した請求項1〜4のいずれか1項に記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
【0020】
第1に、取付部(例えば開口部31)は、例えば図1に示すように、扉フレーム(30)の表裏面を貫通する。
第2に、扉フレーム(30)の表面側には、例えば図1に示すように、表面側の扉パネル(40)を固定するようにしている。
第3に、扉フレーム(30)の裏面側には、例えば図1に示すように、裏面側の扉パネル(40a)を固定するようにしている。
(請求項6)
請求項6に記載の発明は、上記した請求項5に記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
【0021】
すなわち、解除操作部(80)には、例えば図3に示すように、次の構成を備える。
(1)第1解除操作部(例えば第1ボタン81)
第1解除操作部(例えば第1ボタン81)は、例えば図1及び図3に示すように、表面側の扉パネル(40)の固定状態を解除するためのものである。
(2)第2解除操作部(例えば第2ボタン82)
第2解除操作部(例えば第2ボタン82)は、例えば図1及び図3に示すように、裏面側の扉パネル(40b)の固定状態を解除するためのものである。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、以上のように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
(請求項1)
請求項1に記載の発明によれば、次のような効果を奏する。
すなわち、請求項1に記載の発明によれば、扉パネルの固定状態を解除するための解除操作部を設けることで、扉パネルの取り替え作業を容易に且つ迅速に行うことができる。
(請求項2)
請求項2に記載の発明によれば、上記した請求項1に記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
【0023】
すなわち、請求項2に記載の発明によれば、扉の端面から解除操作部を操作することができる。
(請求項3)
請求項3に記載の発明によれば、上記した請求項1又は請求項2に記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
【0024】
すなわち、請求項3に記載の発明によれば、解除操作部の操作により固定状態が解除された場合に、押出装置により扉フレームの取付部から扉パネルを押し出すことができる。
このため、請求項3に記載の発明によれば、押出装置により押し出された扉パネルを持って、当該扉パネルを扉フレームの取付部から容易に且つ迅速に取り外すことができる。
(請求項4)
請求項4に記載の発明によれば、上記した請求項3に記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
【0025】
すなわち、請求項4に記載の発明によれば、押出装置をラッチに組み込むことができる。
このため、請求項4に記載の発明によれば、部品点数を減少でき、又、取り付け作業を省力化することができる。
(請求項5)
請求項5に記載の発明によれば、上記した請求項1〜4のいずれか1項に記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
【0026】
すなわち、請求項5に記載の発明によれば、扉の表裏面の扉パネルを個別に取り付けたり、取り替えることができる。
(請求項6)
請求項6に記載の発明によれば、上記した請求項5に記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
【0027】
すなわち、請求項6に記載の発明によれば、扉の表裏面の扉パネルを個別に取り外したり、取り替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】扉の分解斜視図である。
【図2】第1支持部の斜視図である。
【図3】第2支持部の斜視図である。
【図4】ラッチの分解斜視図である。
【図5】第1支持部の取付状態の一部断面図である。
【図6】第2支持部の取付状態の一部断面図である。
【図7】図6のVII−VII線に沿う断面図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態を示し、同図は扉の分解斜視図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態を示し、同図は扉の分解斜視図である。
【図10】本発明の第4の実施の形態を示し、同図は扉の分解斜視図である。
【図11】本発明の第5の実施の形態を示し、同図は扉の分解斜視図である。
【図12】本発明の第6の実施の形態を示し、同図は扉の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
(固定構造10)
図1中、10は、扉パネル40の固定構造に関する。
固定構造10を有する扉20は、図示しないが、住宅用の内装扉として使用され、引き戸や開き戸等に使用される。
なお、扉20として、住宅用を例示したが、住宅用に限定されず、オフィス用等の広く居住空間に使用できるばかりでなく、船舶、航空機、列車等の乗り物等の扉として使用しても良い。扉20として、内装扉を例示したが、内装扉に限定されず、外装扉に使用しても良く、外装扉の場合には、屋内側に面した扉パネルの固定に好適である。
【0030】
具体的には、扉20は、図1に示すように、大別すると、次のパーツを備える。
なお、次の(1)〜(3)については、後述する。
(1)扉フレーム30
(2)扉パネル40
(3)固定装置50
なお、扉20のパーツは、上記した(1)〜(3)に限定されない。
(扉フレーム30)
扉フレーム30は、図1に示すように、開口部31(取付部)を有するものである。
【0031】
具体的には、扉フレーム30は、上框、左右の縦框、下框をカタカナの「ロ」や漢字の「口」の字形に組んでいる。左右の縦框の高さの途中には、桟を渡し、全体として漢字の「日」の字形に扉フレーム30を組んでいる。開口部31は、扉20の表裏面を貫通し、桟を挟んで扉フレーム30の上下一対設けられている。
開口部31は、後述する扉パネル40を取り付ける取付部を構成するものである。
【0032】
なお、取付部として、開口部31を例示したが、これに限定されず、扉20の表裏面に貫通してない、凹部であっても良い。また、開口部31を扉20の上下に一対設けたが、一対の限定されず、1個或いは3個以上設けても良い。
各開口部31には、図1に示すように、中枠32がそれぞれ取り付けられている。中枠32は、周囲の框や桟より一段低くなり、当該中枠32を介して後述する扉パネル40が開口部31(取付部)に取り付けられる。
(扉パネル40)
扉パネル40は、図1に示すように、扉フレーム30の開口部31(取付部)に取り付けられるものである。
【0033】
具体的には、扉パネル40,40aは、扉フレーム30の開口部31の表裏面からそれぞれ取り付けられる。また、扉フレーム30には、開口部31が上下に一対あることから、扉フレーム30の1個に対して、扉パネル40,40a,40b・・・が計4枚取り付けられる。
扉パネル40は、図1に示すように、大別すると、パネル本体41と、パネル本体41の裏面に固定される補強枠42とから構成される。
【0034】
補強枠42は、扉フレーム30の中枠32より一回り小さく、中枠32内にはまり込む。
すなわち、扉フレーム30の上側の開口部31においては、補強枠42は扉フレーム30の桟に載り、当該桟に沿って扉パネル40を摺動させることできるようにしている。また、扉フレーム30の上側の開口部31においては、補強枠42は扉フレーム30の下框に載り、当該下框に沿って扉パネル40を摺動させることできるようにしている。このため、扉パネル40の取り付け時に、扉パネル40の重量を手で支える必要ない。
(固定装置50)
固定装置50は、図1に示すように、扉フレーム30の開口部31(取付部)に扉パネル40を着脱可能に固定するためのものである。
【0035】
具体的には、固定装置50には、図1に示すように、大別すると、次のパーツを備える。
なお、次の(1)〜(4)については、後述する。
(1)第1支持部60
(2)第2支持部70
(3)解除操作部80
(4)押出装置90
なお、固定装置50のパーツは、上記した(1)〜(4)に限定されない。
(第1支持部60)
第1支持部60は、図1に示すように、扉フレーム30の開口部31(取付部)の一端部と、当該一端部と対向する扉パネル40の一端部との間に設けられたものである。
【0036】
具体的には、第1支持部60には、図1及び図2に示すように、次のパーツを備える。
なお、次の(1)及び(2)については、後述する。
(1)ソケット100
(2)ストライカー110,111
なお、第1支持部60のパーツは、上記した(1)及び(2)に限定されない。
(第2支持部70)
第2支持部70は、図1に示すように、扉フレーム30の開口部31(取付部)の一端部と対向する他端部と、当該他端部と対向する扉パネル40の他端部との間に設けられたものである。
【0037】
具体的には、第2支持部70には、図1及び図3に示すように、次のパーツを備える。
なお、次の(1)及び(2)については、後述する。
(1)ラッチ120
(2)キャッチャー130
なお、第2支持部70のパーツは、上記した(1)及び(2)に限定されない。
(ソケット100)
ソケット100は、図1及び図2に示すように、扉フレーム30の開口部31(取付部)の一端部に取り付けられたものである。
【0038】
ソケット100には、後述するストライカー110,111を差し込むための上下一対の差込穴101,102を設けている。
そして、ソケット100は、開口部31(取付部)の1個に対し2個使用される。2個のソケット100は、扉フレーム30の中枠32の片側の縦枠に上下に離れて取り付けられる。
なお、ソケット100には、上下一対の差込穴101,102を設けたが、これに限定されず、1個或いは3個以上設けても良い。また、ソケット100を、中枠32に取り付けたが、扉フレーム30の片側の縦框に直接、取り付けるようにしても良い。
(ストライカー110,111)
ストライカー110,111は、図1及び図2に示すように、ソケット100と対向させて扉パネル40に取り付けられ、当該ソケット100に差し込み可能なものである。
【0039】
ストライカー110,111は、ソケット100の各差込穴101,102にそれぞれ差し込み可能なものである。
そして、ストライカー110,111は、パネル40の1枚に対して2個使用される。2個のストライカー110,111は、扉パネル40の補強枠42の片側の縦枠に上下に離れて取り付けられる。
【0040】
取付位置は、上表側の扉パネル40の場合には、2個のストライカー110,111が、扉フレーム30側の2個のソケット100の各上側の差込穴101に差し込み可能な位置に取り付けられる。これに対し、上裏側の扉パネル40aの場合には、2個のストライカー110,111が、扉フレーム30側の2個のソケット100の各下側の差込穴102に差し込み可能な位置に取り付けられる。
【0041】
なお、ストライカー110,111は、パネル40の1枚に対して2個使用したが、これに限定されずに、1個或いは3個以上使用しても良い。また、ストライカー110,111を、補強枠42に取り付けたが、これに限定されない。また、上表側の扉パネル40に取り付けたストライカー110,111を、ソケット100の上側の差込穴101に、又、上裏側の扉パネル40aに取り付けたソケット100の下側の差込穴102にそれぞれ差し込んだが、これらに限定されず、上表側の扉パネル40のストライカー110,111をソケット100の下側の差込穴102に、上裏側の扉パネル40aのストライカー110,111をソケット100の上側の差込穴101にそれぞれ差し込むようにしたり、或いは互い違いに差し込むようにしても良い。
(ラッチ120)
ラッチ120は、図1及び図3に示すように、扉フレーム30の開口部31(取付部)の一端部に取り付けられ、解除操作部80を有するものである。
【0042】
具体的には、ラッチ120は、扉フレーム30の中枠32に取り付けられる。
また、ラッチ120には、図3及び図4に示すように、後述する解除操作部80、押出装置90が組み込まれている。
具体的には、ラッチ120には、図3及び図4に示すように、大別すると、次のパーツを備える。
【0043】
なお、次の(1)〜(4)については、後述する。
(1)ケース140
(2)キャップ150
(3)第1、第2ラッチ本体160,161
(4)復帰バネ170
なお、ラッチ120のパーツは、上記した(1)〜(4)に限定されない。
(キャッチャー130)
キャッチャー130は、図1及び図3に示すように、ラッチ120と対向させて扉パネル40に取り付けられ、当該ラッチ120に保持されるものである。
【0044】
キャッチャー130には、図3に示すように、後述する第1、第2ラッチ本体160,161がそれぞれはまり込むキャッチ穴131が設けられている。キャッチ穴131は、上下方向に貫通している。
取付位置は、上表側の扉パネル40の場合には、キャッチャー130のキャッチ穴131に、扉フレーム30側に取り付けたラッチ120の後述する上側に突出する第1ラッチ本体160がはまり込む位置に取り付けられる。これに対し、上裏側の扉パネル40aの場合には、キャッチャー130のキャッチ穴131に、扉フレーム30側に取り付けたラッチ120の後述する下側に突出する第2ラッチ本体161がはまり込む位置に取り付けられる。
【0045】
なお、キャッチ穴131を、上下方向に貫通させたが、これに限定されず、凹状に形成しても良い。また、上表側の扉パネル40に取り付けたキャッチャー130のキャッチ穴131に、ラッチ120の上側に突出する第1ラッチ本体160が、上裏側の扉パネル40aに取り付けたキャッチャー130のキャッチ穴131に、ラッチ120の下側に突出する第2ラッチ本体161がそれぞれはまり込むようにしたが、これに限定されず、上表側の扉パネル40のキャッチャー130に下側に突出する第2ラッチ本体161が、上裏側の扉パネル40aのキャッチャー130に上側に突出する第1ラッチ本体160がそれぞれはまり込むようにしても良い。
(解除操作部80)
解除操作部80は、図1に示すように、第1支持部60と第2支持部70とのいずれか少なくとも一方の固定状態を解除可能であり、扉フレーム30と扉パネル40とのいずれか少なくとも一方に取り付けられたものである。
【0046】
解除操作部80は、図3及び図4に示すように、ラッチ120の後述するケース140内に組み込まれている。
具体的には、解除操作部80は、プッシュ式の2個の第1、第2ボタン81,82から構成されている。2個の第1、第2ボタン81,82は、扉パネル40の開口部31(取付部)側から片側の縦框を貫通し、当該縦框の外側面に臨む。
【0047】
第1、第2ボタン81,82の先端部は、縦框の外側面から内部に向かって少し引っ込む位置か、或いは外側面と面一となるように取り付けられる。
また、第1、第2ボタン81,82の後端部は、後述するラッチ120のケース140内に、スライド可能に取り付けられる。そして、ケース140内に収容される第1、第2ボタン81,82の後端部には、左右方向に貫く突軸83,84が取り付けられている。
【0048】
なお、解除操作部80として、プッシュ式の2個の第1、第2ボタン81,82を例示したが、これに限定されず、回転式のボタン、或いはレバーや摘み等でも良い。また、第1、第2ボタン81,82として、2個を例示したが、これに限定されず、1個或いは3個以上としても良い。
(押出装置90)
押出装置90は、図3及び図4に示すように、解除操作部80の操作により固定状態が解除された場合に、扉フレーム30の開口部31(取付部)から扉パネル40を押し出すためのものである。
【0049】
押出装置90は、図3及び図4に示すように、ラッチ120の後述するケース140内に組み込まれている。
具体的には、押出装置90は、2個のスペーサー91,92と、1個の突出バネ93とから構成されている。
2個のスペーサー91,92は、対向面が互いに開口した箱形に形成され、開口に突出バネ93の両端部がそれぞれ挿入される。また、スペーサー91,92の外側面には、ガイド突起94,95がそれぞれ設けられている。
【0050】
突出バネ93には、コイルスプリングが使用され、バネ復元力を利用して両スペーサー91,92を互いに離隔する方向に付勢する。
なお、押出装置90を、ラッチ120のケース140内に組み込んだが、これに限定されず、別体としても良い。また、押出装置90に、突出バネ93を使用したが、これに限定されず、スペーサー91,92をゴム等の弾力のある材質から構成し、突出バネ93を省いても良い。突出バネ93として、コイルスプリングを例示したが、これに限定されず、板バネを使用しても良い。突出バネ93を1個としたが、これに限定されず、複数個使用しても良い。
(ケース140)
ケース140は、図4に示すように、一側面が開放した箱形に形成され、解除操作部80の2個の第1、第2ボタン81,82、押出装置90の2個のスペーサー91,92及び1個のスペーサー93が組み込まれる。
【0051】
ケース140は、扉フレーム30の開口部31(取付部)内に取り付けられ、具体的には中枠32の片側の縦枠の高さの途中に取り付けられる。
具体的には、ケース140には、図3及び図4に示すように、次の各部を備える。
なお、ケース140の各部は、次の(1)〜(4)に限定されない。
(1)スライド溝141
スライド溝141は、第1、第2ボタン81,82の突軸83,84がはまり込むものであり、上下に離れて2個形成されている。スライド溝141は、第1、第2ボタン81,82のスライド方向に沿って長く延びている。
【0052】
(2)ガイド枠142
ガイド枠142は、押出装置90の2個のスペーサー91,92と、1個の突出バネ93とを収納するものであり、両面が開口した角筒形に形成されている。
(3)ガイド溝143
ガイド溝143は、ガイド枠142に形成され、2個のスペーサー91,92のガイド突起94,95がそれぞれはまり込むものである。ガイド溝143は、スペーサー91,92のスライド方向に沿って長く延び、スペーサー91,92の最大突出量を規制する。
【0053】
(4)ロック爪144
ロック爪144は、ケース140の外側面から複数個、突出し、後述するキャップ150を固定するためのものである。
(キャップ150)
キャップ150は、ケース140は、図3及び4に示すように、ケース140の開放した側面を塞ぐものである。
【0054】
具体的には、キャップ150には、図3及び4に示すように、次の各部を備える。
なお、キャップ150の各部は、次の(1)〜(3)に限定されない。
(1)スライド溝151
スライド溝151は、ケース140のスライド溝141と対向して形成され、ケース140のスライド溝141と同様に、第1、第2ボタン81,82の突軸83,84をスライド可能にガイドするためのものである。
【0055】
(2)貫通孔152
貫通孔152は、ケース140のガイド枠142の開口と対向して形成され、片側のスペーサー92を突出させるためのものである。
(3)ロック穴153
ロック穴153は、ケース140のロック爪144がはまり込むものであり、ロック爪144と同数形成されている。
(第1、第2ラッチ本体160,161)
第1、第2ラッチ本体160,161は、ケース140から上下方向にそれぞれ突出し、キャッチャー130のキャッチ穴131にはまり込むものである。第1、第2ラッチ本体160,161には、第1、第2ボタン81,82のスライド方向に対して斜めに傾斜したカム溝162,163がそれぞれ形成され、カム溝162,163には第1、第2ボタン81,82の突軸83,84がそれぞれはまり込む。カム溝162,163は、第1、第2ラッチ本体160,161の表裏面にそれぞれ貫通し、第1、第2ボタン81,82の突軸83,84はカム溝162,163を通ってケース140のスライド溝141、或いはキャップ150のスライド溝151にはまり込む。
【0056】
具体的には、上側に突出する第1ラッチ本体160のカム溝162には、第1ボタン81の突軸83がはまり込み、当該突軸83はカム溝162を通ってキャップ150のスライド溝151にはまり込む。このとき、突軸83の他端部は、ケース140のスライド溝141にはまり込む。
第1ボタン81をケース140内に向かって押し込むと、その突軸83がカム溝162内を相対的に移動することで、第1ラッチ本体160は下降して、ケース140内に向かって引っ込む。このため、第1ラッチ本体160がキャッチャー130のキャッチ穴131にはまり込んでいる場合には、当該キャッチ穴131から抜ける。
【0057】
また、下側に突出する第2ラッチ本体161のカム溝163には、第2ボタン82の突軸84がはまり込み、当該突軸84はカム溝163を通ってケース140のスライド溝141にはまり込む。このとき、突軸84他端部は、キャップ150のスライド溝151にはまり込む。
第2ボタン82をケース140内に向かって押し込むと、その突軸84がカム溝163内を相対的に移動することで、第2ラッチ本体161が上昇して、ケース140内に向かって引っ込む。このため、第2ラッチ本体161がキャッチャー130のキャッチ穴131にはまり込んでいる場合には、当該キャッチ穴131から抜ける。
【0058】
なお、ラッチ本体160,161の2個使用したが、これに限定されず、1個或いは3個以上としても良い。
(復帰バネ170)
復帰バネ170は、2個の第1、第2ラッチ本体160,161を互いに離隔する方向に付勢するためのものである。復帰バネ170には、コイルスプリングが使用され、第1、第2ラッチ本体160,161の間に復帰バネ170を位置させ、バネ復元力を利用して第1、第2ラッチ本体160,161を互いに離隔する方向に付勢する。
【0059】
また、第1、第2ラッチ本体160,161と第1、第2ボタン81,82とが連結されていることから、復帰バネ170のバネ復元力は、第1、第2ボタン81,82にも作用し、第1、第2ボタン81,82をケース140から突出する方向に付勢する。このため、第1、第2ボタン81,82を押し込む力を解放すると、第1、第2ボタン81,82は、復帰バネ170のバネ復元力により再度、突出して復元する。
【0060】
なお、復帰バネ170として、コイルスプリングを例示したが、これに限定されず、板バネを使用しても良い。復帰バネ170を1個としたが、これに限定されず、複数個使用しても良い。
(扉パネル40のバリエーション)
扉パネル40は、図示しないが、デザインや機能、構造等が異なるものを複数種類用意しておく。
【0061】
なお、扉パネル40の種類は、次の(1)〜(5)に限定されない。
(1)扉パネル40のパネル本体41の表面の色や柄、或いは表面に貼付する壁紙の色や柄を異ならせたものを用意する。例えば、四季に合わせた色や柄のものを用意する。これにより、季節に適合した扉パネル40に交換することができる。また、パネル本体41の表面にミラーパネルを貼付したものを用意する。これにより、扉20をミラーとして使用できる。パネル本体41の表面に本革や合成皮のシートを貼付したものを用意する。これにより、室内の高級感を醸し出すことができる。
【0062】
(2)パネル本体41に通気性を持たせたものを用意する。これにより、室内の通気を可能とできる。
(3)パネル本体41に透過性を持たせたものを用意する。これにより、室内の明かり取りとして使用することができる。なお、表裏面の扉パネル40,40aの間隔内に、照明を内蔵することで、扉パネル40,40aを光らせることも可能である。
【0063】
(4)パネル本体41に防音材や断熱材を使用したものを用意する。これにより、防音や断熱効果を持たせることができる。
(5)パネル本体41に薄型の液晶TVを組み込んだり、スピーカを組み込むんだものを用意する。これにより、室内のAV環境を向上できる。
(使用方法)
つぎに、上記した構成を有する扉パネル40の固定構造10の使用方法について説明する。
【0064】
扉パネル40から扉フレーム30に装着された状態から、扉パネル40を取り外すには、第1、第2ボタン81,82を押し込めば良い。
上表側の扉パネル40を取り外すには、上側の第1ボタン81を押し込めば良い。
第1ボタン81を押すと、上方に向かって突出する第1ラッチ本体160が下降し、扉パネル40に取り付けたキャッチャー130のキャッチ穴131から係脱する。
【0065】
このとき、押出装置90のスペーサー91により、上表側の扉パネル40のパネル本体41の裏面が押されることで、パネル本体41が扉フレーム30の開口部31(取付部)から少し浮き上がる。
このため、パネル本体41を持って横にスライドすることで、上表側の扉パネル40を扉フレーム30の開口部31(取付部)から取り外すことができる。
【0066】
すなわち、上表側の扉パネル40を横にスライドすると、当該扉パネル40側に取り付けた2個のストライカー110,111が、扉フレーム30側に取り付けた2個のソケット100の上側の差込穴101から抜ける。
また、押出装置90により、上表側の扉パネル40が押し出されたときに、扉パネル40の裏側の補強枠42が扉フレーム30の中枠32内にはまり込み、下側から桟で支えられることから、
扉パネル40が扉フレーム30の開口部31(取付部)から落下するおそれがない。
【0067】
その後、上表側の扉パネル40を取り付けるには、補強枠42を扉フレーム30の中枠32内に合わせてはめ込み、パネル本体41を持って横にスライドすることで、扉パネル40を扉フレーム30の開口部31(取付部)に取り付けることができる。
パネル本体41を持って横にスライドすると、当該扉パネル40側に取り付けた2個のストライカー110,111が、扉フレーム30側に取り付けた2個のソケット100の上側の差込穴101に差し込まれる。
【0068】
このとき、扉パネル40のスライドにより横に移動するキャッチャー130に、上方に向かって突出する第1ラッチ本体160が押されて下降して引っ込む。その後、扉パネル40が更にスライドすると、キャッチャー130のキャッチ穴131と第1ラッチ本体160との位置が一致する。このため、第1ラッチ本体160は、復帰バネ170のバネ復元力により上昇して、キャッチ穴131内にはまり込み、上表側の扉パネル40が扉フレーム30の開口部31(取付部)に固定される。
【0069】
なお、下側の第2ボタン82を押し込むことで、同様に上裏側の扉パネル40aを取り外したり、或いは取り付けることが可能である。
(第2の実施の形態)
つぎに、本発明の第2の実施の形態について、図8を用いて説明する。
本実施の形態の特徴は、第2支持部200と押出装置210とを分離した点である。
【0070】
すなわち、第2支持部200を、図8に示すように、2個のラッチ201と、2個のストライカー202とから構成する。ラッチ201は、扉フレーム30の開口部31(取付部)の上下に離れて取り付ける。ストライカー202は、扉パネル40,40aの裏面の上下に離れて取り付ける。
なお、ラッチ201の個数として、2個を例示したが、これに限定されず、1個或いは3個以上としても良い。また、ストライカー202も、ラッチ201と同様に、2個に限定されず、1個或いは3個以上としても良い。
【0071】
押出装置210は、図8に示すように、回転押出部211と、回転操作部212とから構成する。回転押出部211は、扉フレーム30の開口部31(取付部)に取り付けられ、上下のラッチ201の間に位置させる。回転操作部212は、回転押出部211を回転させるためのものであり、扉フレーム30の縦框を貫通させて取り付ける。
なお、本実施の形態の説明においては、先に図1〜7を用いて説明した第1の実施の形態と同一の構成部分については同一の符号を付し、説明を省略する。
【0072】
ストライカー202をラッチ201に合わせてはめ込むと、ストライカー202は、ラッチ201にくわえ込まれ、扉パネル40,40aが扉フレーム30の開口部31(取付部)に固定される。
一方、扉パネル40,40aを取り外す場合には、図示しないが、プラス・ドライバーの刃先を回転操作部212の十字溝に合わせて回転すると、回転押出部211が回転して扉パネル40,40aを裏面から押し出すことができる。
(第3の実施の形態)
つぎに、本発明の第3の実施の形態について、図9を用いて説明する。
【0073】
本実施の形態の特徴は、図8を用いて説明した第2の実施の形態と同様に、第2支持部300と押出装置310とを分離した点である。
すなわち、第2支持部300を、図9に示すように、2個の穴301と、2個のクリップ302とから構成する。穴301は、扉フレーム30の開口部31(取付部)の上下に離れて設けられる。クリップ302は、扉パネル40,40aの裏面の上下に離れて取り付ける。
【0074】
なお、穴301の個数として、2個を例示したが、これに限定されず、1個或いは3個以上としても良い。また、クリップ302も、穴301と同様に、2個に限定されず、1個或いは3個以上としても良い。
押出装置310は、図8に示すように、突出部311と、プッシュボタン312とから構成する。突出部311は、扉フレーム30の開口部31(取付部)に取り付けられ、上下の穴301の間に位置させる。プッシュボタン312は、突出部311を突出させるためのものであり、扉フレーム30の縦框を貫通させて取り付ける。
【0075】
なお、本実施の形態の説明においては、先に図1〜7を用いて説明した第1の実施の形態と同一の構成部分については同一の符号を付し、説明を省略する。
クリップ302を穴301に合わせてはめ込むと、扉パネル40,40aが扉フレーム30の開口部31(取付部)に固定される。
一方、扉パネル40,40aを取り外す場合には、プッシュボタン312を押し込むと、突出部311が突出して扉パネル40,40aを裏面から押し出すことができる。
(第4の実施の形態)
つぎに、本発明の第4の実施の形態について、図10を用いて説明する。
【0076】
本実施の形態の特徴は、図8を用いて説明した第2の実施の形態や、図9を用いて説明した第3の実施の形態と同様に、第2支持部400と押出装置410とを分離した点である。
すなわち、第2支持部400を、図10に示すように、2個の穴401と、2個のOリング付きボス402とから構成する。穴401は、扉フレーム30の開口部31(取付部)の上下に離れて設けられる。Oリング付きボス402は、扉パネル40,40aの裏面の上下に離れて取り付ける。
【0077】
なお、穴401の個数として、2個を例示したが、これに限定されず、1個或いは3個以上としても良い。また、Oリング付きボス402も、穴401と同様に、2個に限定されず、1個或いは3個以上としても良い。
押出装置410は、図8を用いて説明した第2の実施の形態の押出装置210と同様の構造を有し、図10に示すように、回転押出部411と、回転操作部412とから構成する。
【0078】
なお、本実施の形態の説明においては、先に図1〜7を用いて説明した第1の実施の形態と同一の構成部分については同一の符号を付し、説明を省略する。
Oリング付きボス402を穴401に合わせてはめ込むと、扉パネル40,40aが扉フレーム30の開口部31(取付部)に固定される。
一方、扉パネル40,40aを取り外す場合には、図示しないが、プラス・ドライバーの刃先を回転操作部412の十字溝に合わせて回転すると、回転押出部411が回転して扉パネル40,40aを裏面から押し出すことができる。
(第5の実施の形態)
つぎに、本発明の第5の実施の形態について、図11を用いて説明する。
【0079】
本実施の形態の特徴は、図8を用いて説明した第2の実施の形態や、図9を用いて説明した第3の実施の形態、図10を用いて説明した第4の実施の形態と同様に、第2支持部500と押出装置510とを分離した点である。
すなわち、第2支持部500を、図11に示すように、かんぬき501,502と、掛け金503,504とから構成する。かんぬき501,502は、上表側の扉パネル40用と、上裏側の扉パネル40a用とに計2個取り付ける。かんぬき501,502は、扉フレーム30の縦框を貫通させて、スライド可能に取り付ける。掛け金503,504は、扉パネル40,40aの裏面に取り付ける。
【0080】
押出装置510は、図示しないが、バネ等により弾性的に突出する、2個のポップアップボタン511から構成する。ポップアップボタン511は、扉フレーム30の開口部31(取付部)の上下に離れて取り付けられる。
なお、本実施の形態の説明においては、先に図1〜7を用いて説明した第1の実施の形態と同一の構成部分については同一の符号を付し、説明を省略する。
【0081】
扉パネル40,40aが扉フレーム30の開口部31(取付部)に合わせてはめ込み、扉パネル40,40aの掛け金503,504にかんぬき501,502を通すことで、扉パネル40,40aが扉フレーム30の開口部31(取付部)に固定される。
一方、扉パネル40,40aを取り外す場合には、かんぬき501,502を引き抜くと、ポップアップボタン511が弾性的に突出し、扉パネル40,40aを裏面から押し出すことができる。
(第6の実施の形態)
つぎに、本発明の第6の実施の形態について、図12を用いて説明する。
【0082】
本実施の形態の特徴は、第2支持部600に、押出装置の機能を持たせた点である。
すなわち、第2支持部600は、図12に示すように、2個の浮き出しラッチ601と、1個のロックレバー602と、2個のストライカー603とから構成する。
浮き出しラッチ601は、ストライカー603が押し込まれると、当該ストライカー603をくわえ込んだ状態にロックする。当該ロック状態から、浮き出しラッチ601内にストライカー603が更に押し込まれると、ロック状態が解除され、図示しないが、浮き出しラッチ601内のバネの復元力により、ストライカー603を押し出す。浮き出しラッチ601がストライカー603を押し出す作用を利用して、浮き出しラッチ601に、扉パネル40,40aを扉フレーム30の開口部31(取付部)から押し出す押出装置の機能を兼用させている。
【0083】
具体的には、浮き出しラッチ601は、扉フレーム30の開口部31(取付部)の上下に離れて取り付けられる。
ロックレバー602は、浮き出しラッチ601のロック状態を不用意に解除されるを防止するためのものである。例えば、ロックレバー602を上昇させると、浮き出しラッチ601のロック状態の解除が不能となり、扉パネル40,40aが不用意に押され、ストライカー603が浮き出しラッチ601内に押し込まれてもロック状態が解除しないようにしている。これに対し、ロックレバー602を下降させると、浮き出しラッチ601のロック状態の解除が可能となり、扉パネル40,40aを押すことで、ストライカー603が浮き出しラッチ601内に押し込まれて、浮き出しラッチ601のロック状態が解除される。
【0084】
ストライカー603は、扉パネル40,40aの裏面の上下に離れて取り付ける。
なお、浮き出しラッチ601の個数として、2個を例示したが、これに限定されず、1個或いは3個以上としても良い。また、ストライカー603も、浮き出しラッチ601と同様に、2個に限定されず、1個或いは3個以上としても良い。
さらに、本実施の形態の説明においては、先に図1〜7を用いて説明した第1の実施の形態と同一の構成部分については同一の符号を付し、説明を省略する。
(第7の実施の形態)
つぎに、図示しないが、本発明の第7の実施の形態について説明する。
【0085】
本実施の形態の特徴は、ソケット100とストライカー110との間(図2参照)に、両者が衝突した場合のガタ付き音の発生を防止するために、ガタ押さえ機構を設けた点である。
例えば、ソケット100の差込穴101,102(図2参照)内に、図示しないが、差込穴101,102内にスライド可能に保持されたプレートと、差込穴101,102内に収納され、差込穴101,102の奥の壁とプレートとの間で圧縮され、プレートを差込穴101,102の開口に向かって弾性的に付勢するスプリングを内蔵する。
【0086】
例えば、扉20の開閉時に、扉パネル30が慣性でスライドすることがある。扉パネル30が慣性でスライドすると、ストライカー110が差込穴101,102(図2参照)の奥に向かってスライドする。このとき、ストライカー110の先端部がプレートに当接し、スプリングが圧縮・伸長される。
これにより、ソケット100とストライカー110との間のガタが吸収され、両者のガタ付き音の発生を防止することができる。
【0087】
特に、ソケット100やストライカー110を金属製とした場合に、金属の衝突音の発生を防止することができる。
本実施の形態の変形例としては、プレートをゴム等の弾性材から構成し、スプリングを省くことも可能である。また、ソケット100側でなく、ストライカー110の先端部に弾性材を装着しておいても良い。
【符号の説明】
【0088】
(第1の実施の形態)
10 固定構造 20 扉
30 扉フレーム
31 開口部(取付部) 32 中枠
40 扉パネル(上表側) 40a 扉パネル(上裏側)
40b 扉パネル(下裏側)
41 パネル本体 42 補強枠
50 固定装置
60 第1支持部 70 第2支持部
80 解除操作部
81,82 第1、第2ボタン(第1、第2解除操作部)
83,84 突軸
90 押出装置
91,92 スペーサー 93 突出バネ
94.95 ガイド突起
100 ソケット 101,102 差込穴
110,111 ストライカー 120 ラッチ
130 キャッチャー 131 キャッチ穴
140 ケース
141 スライド溝 142 ガイド枠
143 ガイド溝 144 ロック爪
150 キャップ
151 スライド溝 152 貫通孔
153 ロック穴
160,161 第1、第2ラッチ本体 162,163 カム溝
170 復帰バネ
(第2の実施の形態)
200 第2支持部
201 ラッチ 202 ストライカー
210 押出装置
211 回転押出部 212 回転操作部
(第3の実施の形態)
300 第2支持部
301 穴 302 クリップ
310 押出装置
311 突出部 312 プッシュボタン
(第4の実施の形態)
400 第2支持部
401 穴 402 Oリング付きボス
410 押出装置
411 回転押出部 412 回転操作部
(第5の実施の形態)
500 第2支持部
501,502 かんぬき 503,504 掛け金
510 押出装置 511 ポップアップボタン
(第6の実施の形態)
600 押出装置兼用の第2支持部
601 浮き出しラッチ 602 ロックレバー
603 ストライカー


【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部又は凹部から構成される取付部を有する扉フレームと、
前記扉フレームの前記取付部に取り付けられる扉パネルと、
前記扉フレームの前記取付部に扉パネルを着脱可能に固定するための固定装置とを備える扉パネルの固定構造において、
前記固定装置には、
前記扉フレームの前記取付部の一端部と、当該一端部と対向する前記扉パネルの一端部との間に設けられた第1支持部と、
前記扉フレームの前記取付部の一端部と対向する他端部と、当該他端部と対向する前記扉パネルの他端部との間に設けられた第2支持部と、
前記第1支持部と第2支持部とのいずれか少なくとも一方の固定状態を解除可能であり、前記扉フレームと前記扉パネルとのいずれか少なくとも一方に取り付けられた解除操作部とを備えていることを特徴とする扉パネルの固定構造。
【請求項2】
請求項1に記載の扉パネルの固定構造であって、
前記第1支持部には、
前記扉フレームの前記取付部の一端部に取り付けられたソケットと、
前記ソケットと対向させて前記扉パネルに取り付けられ、当該ソケットに差し込み可能なストライカーとを備え、
前記第2支持部には、
前記扉フレームの前記取付部の一端部に取り付けられ、前記解除操作部を有するラッチと、
前記ラッチと対向させて前記扉パネルに取り付けられ、当該ラッチに保持されるキャッチャーとを備え、
前記解除操作部は、
前記扉フレームの端面に臨ませていることを特徴とする扉パネルの固定構造。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の扉パネルの固定構造であって、
前記扉フレームの前記取付部と、前記扉パネルとの間には、
前記解除操作部の操作により固定状態が解除された場合に、前記扉フレームの前記取付部から前記扉パネルを押し出すための押出装置を備えていることを特徴とする扉パネルの固定構造。
【請求項4】
請求項3に記載の扉パネルの固定構造であって、
前記押出装置は、前記ラッチに組み込まれていることを特徴とする扉パネルの固定構造。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の扉パネルの固定構造であって、
前記取付部は、
前記扉フレームの表裏面を貫通し、
前記扉フレームの表面側に、表面側の扉パネルを固定し、
前記扉フレームの裏面側に、裏面側の扉パネルを固定するようにしていることを特徴とする扉パネルの固定構造。
【請求項6】
請求項5に記載の扉パネルの固定構造であって、
前記解除操作部には、
前記表面側の扉パネルの固定状態を解除するための第1解除操作部と、
前記裏面側の扉パネルの固定状態を解除するための第2解除操作部とを備えていることを特徴とする扉パネルの固定構造。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−203065(P2010−203065A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−46845(P2009−46845)
【出願日】平成21年2月27日(2009.2.27)
【出願人】(000135209)株式会社ニフコ (972)
【Fターム(参考)】