説明

扉装置

【課題】扉本体の解錠操作部及び開閉操作部を室外側から視認できないようするとともに、扉本体を多重的な施錠状態とすることにより、セキュリティー性を向上できる扉装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、扉本体10と、この扉本体10の室外側に形成された凹所11と、この凹所11内に配設された扉本体10の解錠操作部12及び開閉操作部13と、前記凹所11を開閉可能に、かつ前記解錠操作部12及び開閉操作部13を室外側から視認できないように覆うカバー手段14と、このカバー手段14を閉塞状態に保持するロック手段17と、このロック手段17の前記閉塞状態の保持を解除するロック解除操作手段23aとを備える扉装置1である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、玄関の扉等に用いるのに適する扉装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、住宅、マンションや事務所等の玄関に設けられる扉は、主として鍵により施錠されて防犯対策が行われている。しかしながら、近時の犯罪例にみられるように、ピッキングと呼ばれる鍵穴に工具を差し込んで施錠を解く手口やサムターン回しと呼ばれる例えば、新聞受けの付いている扉であれば、その隙間から、また、ドアスコープが付いている扉であれば、ドアスコープを外してその穴から工具を差し込んで直接サムターンを動かし施錠を解く手口で不正に解錠し、住居に侵入する事例が発生している。
【0003】
このため、従来、鍵穴が室外側に露出しないように、鍵穴を鍵穴隠し部材としての新聞受けで覆うようにした玄関ドア提案されている(特許文献1参照)。また、玄関扉に開閉ハンドル、鍵穴、ドアスコープのような最小限の機能を備え、表札、インターホン、新聞受け、傘立てなどの玄関に要求される他の機能設備を袖壁パネルに集約して玄関扉には新聞受けのための大きな開口を不要とし、防犯性を高める多機能玄関ユニットが提案されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−32150号公報
【特許文献2】特開平11−270234号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に示されたものは、鍵穴を室外側から見えないようにしたものではあるが、鍵穴隠し部材としての新聞受けは、容易に着脱できるものであり、防犯上、十分な対策とはいえない。さらに、扉には、扉を開閉するプッシュハンドルが露出して設けられているものであり、この点においても防犯上、好ましい状態とはいえない。
【0006】
また、特許文献2に示されたものは、玄関扉に最小限の機能を備えるという技術的な開示はあるが、開閉ハンドル、鍵穴は、扉の外面に露出して設けられものであり、同様に、防犯上、十分な対策がとられている構成ではない。
【0007】
本発明は、上記のような課題に鑑みなされたもので、扉本体の解錠操作部及び開閉操作部を室外側から視認できないようするとともに、扉本体を多重的な施錠状態とすることにより、セキュリティー性を向上できる扉装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の扉装置は、扉本体と、この扉本体の室外側に形成された凹所と、この凹所内に配設された扉本体の解錠操作部及び開閉操作部と、前記凹所を開閉可能に、かつ前記解錠操作部及び開閉操作部を室外側から視認できないように覆うカバー手段と、このカバー手段を閉塞状態に保持するロック手段と、このロック手段の前記閉塞状態の保持を解除するロック解除操作手段と、を具備することを特徴とする。
【0009】
本発明及び以下の発明において、特に指定しない限り用語の技術的意味及び解釈は次による。凹所は、必ずしも壁面で区画されてひとつの部分として構成されている必要はなく、解錠操作部及び開閉操作部が配設できるスペースを確保して構成されていれば、あらゆる形態を含み、その形態が格別に限定されるものではない。また、凹所が扉本体の室外側又は室内側に突出して形成される場合も許容される。開閉操作部とは、扉本体を開閉する操作部であり、例えば、ハンドル、ノブ、握玉等と指称されるものが含まれる。
【0010】
解錠操作部は、鍵穴、IDカード、暗証番号入力、生体認証方式等、各種方式を採用することができる。また、同様に、ロック解除操作手段についても鍵穴、IDカード、暗証番号入力、生体認証方式等、各種方式が適用可能である。
【0011】
請求項2に記載の扉装置は、請求項1に記載の扉装置において、前記凹所は、扉本体の厚さ寸法内において形成されていることを特徴とする。これにより、扉本体の室内側に、凹所が突出することなく扉本体を構成できる。
【0012】
請求項3に記載の扉装置は、請求項1又は請求項2に記載の扉装置において、前記扉本体の解錠操作部は、鍵穴であり、ロック解除操作手段は、電気的な操作手段であることを特徴とする。電気的な操作手段とは、例えば、暗証番号の入力手段やIDカードによる入力手段等を意味する。このような構成により機械的な施錠と電気的な施錠との組み合わせとなるため、セキュリティー性の向上が期待できる。
【0013】
請求項4に記載の扉装置は、請求項1乃至請求項3のいずれか一に記載の扉装置において、前記扉本体の室外側は、略平坦面に形成されていることを特徴とする。この構成によりデザイン性の向上を図ることができる。
【0014】
請求項5に記載の扉装置は、請求項1乃至請求項4のいずれか一に記載の扉装置において、前記扉本体の室外側には、実質的に室外側と室内側とが通じる開口部が存在しないことを特徴とする。したがって、新聞受け等の開口部がなく、防犯上、有効となる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、解錠操作部及び開閉操作部は、室外側から視認できないようにカバー手段によって覆われるので、不正解錠を心理的に抑制することができる。また、多重な施錠状態によりセキュリティー性を有効に高めることができ、防犯上、効果的な扉装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る扉装置を示す正面図である。
【図2】同じく扉装置を示す正面図である。
【図3】同扉装置の要部を示す斜視図である。
【図4】図2のA−A線に沿って切断して示す要部の断面図である。
【図5】同扉装置の要部において開閉ハンドルの操作状態を示す斜視図である。
【図6】同カバー手段の駆動機構を示す概略構成図である。
【図7】図6のY−Y線に沿って切断して示す断面図である。
【図8】同扉装置のブロック構成図である。
【図9】同操作及び動作を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る扉装置の凹所を示す正面図である。
【図11】本発明の第3の実施形態に係る扉装置の開閉ハンドルを示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の第1の実施形態に係る扉装置について図1乃至図9を参照して説明する。なお、各図において、同一又は相当部分には、同一符号を付し、重複した説明は省略する。
【0018】
まず、図1及び図2において、マンション等の住居の玄関に設置された扉装置1と、この扉装置1に隣接して並設するように設置された多機能ユニット装置2とが示されている。扉装置1は、扉本体10と、この扉本体10に形成された凹所11と、この凹所11内に配設された解錠操作部としての鍵穴12及び開閉操作部としての開閉ハンドル13と、凹所を開閉可能に覆うカバー手段14と、このカバー手段14のロック状態を解除するロック解除操作手段とを備えている。なお、ロック解除操作手段は、具体的には、多機能ユニット装置2側に配設されているインターホン23に設けられた暗証番号入力手段23aである。
【0019】
扉本体10は、軸吊りヒンジ等によって玄関の構造物に開閉自在に固定されており、所定の厚さ寸法を有して室外側の表面は略平坦面に構成されている。この扉本体10の室外側であって、ヒンジ等とは反対側、すなわち、開閉側には、正面視、三角形状をなした凹所11が形成されている。図3及び図4に示すように、凹所11は、扉本体10の室外側から室内側へ向かって凹んで薄形の三角柱をなして扉本体10の厚さ寸法内において形成されており、この凹所11内には、鍵穴12及び開閉ハンドル13が配設されている。
【0020】
鍵穴12は、凹所11の底面側に位置しており、シリンダー錠15の一部をなすものである。また、シリンダー錠15の一端、すなわち、室内側には、サムターン15aが設けられている。シリンダー錠15は、鍵穴12からキーを差し込んで操作することにより、この操作に連動するデッドボルト15bの動作にしたがって扉本体10を施錠、解錠するものである。なお、凹所11は、必ずしも壁面で区画されてひとつの部分として構成されている必要はなく、鍵穴12及び開閉ハンドル13が配設できるスペースを確保して構成されていればよい。
【0021】
開閉ハンドル13は、細長の長方形の板状をなし、凹所11の一辺の縁部に沿うように図示しない回転軸によって軸止されており、凹所11の開口方向(図4、矢印で示す)にばね13aによって付勢されている。また、この開閉ハンドル13の操作によって連動するラッチボルト13bが動作するようになっている。したがって、開閉ハンドル13を操作する場合には、図5に示すように、凹所11の縁部に指をかけ握るように開閉ハンドル13をばね13aの弾性力に抗して操作し、ラッチボルト13bを動作させて扉本体10を開けることができる。なお、扉本体10の室内側には、内側から扉本体10を開閉するための握玉18が取付けられている。
【0022】
次に、カバー手段14は、金属や強化プラスチック等で形成された略矩形の平板状をなし、凹所11の開口に対してスライドして開閉可能であり、凹所11を覆って凹所11内に配設された鍵穴12及び開閉ハンドル13を室外側から視認できないようにする機能を有している。図1は、凹所11をカバー手段14が覆い閉塞している状態を示し、図2は、カバー手段14がスライド動作して扉本体10内に収納され凹所11を開放している状態を示している。
【0023】
ここで、図6及び図7を参照してカバー手段14について詳細に説明する。図6は、扉本体10の室内側から見たカバー手段14の駆動機構を示す概略構成図であり、図7は、図6のY−Y線に沿って切断した場合を示す断面図である。カバー手段14の室内側(裏側)には、上下にラック14aが形成されている。そして、このラック14aと噛合うようにピニオン14bが配置されており、このピニオン14bは、プーリ14cを介してベルト14d掛けされ、電源に接続されたモータ16に連結されている。したがって、モータ16が駆動するとラック14aとピニオン14bとの連結関係により、カバー手段14はスライドして移動できるようになっている。
【0024】
また、カバー手段14の閉塞位置における一側に対応してロック手段17が扉本体10の内壁面に取付けられている。ロック手段17は、カバー手段14を凹所11に対して閉塞状態に保持する機能を有するもので、ケース17a、このケース17a内に収納されたプランジャ金具17b、ソレノイド17c及び圧縮コイルばね17dを備えている。プランジャ金具17bは、その後端部に圧縮コイルばね17dが取付けられて、ケース17a内に往復動可能に設けられている。したがって、プランジャ金具17bは、圧縮コイルばね17dによって、常時は、突出方向に付勢されている。ソレノイド17cは、電源に接続されてプランジャ金具17bの周囲に巻回されており、後述するように電力が供給されると励磁され、プランジャ金具17bをケース17a内に没入するように動作する。
【0025】
このような構成により、プランジャ金具17bが出没し、カバー手段14の一側に係脱して、カバー手段14が閉塞位置にロックされ、又はロックが解除されるようになっている。
【0026】
なお、前記凹所11、この凹所11内に配設された鍵穴12及び開閉ハンドル13、カバー手段14等は、ユニット化されて扉本体10に取付けられるようにしてもよい。これにより扉装置1の製作を簡素化することが可能となる。
【0027】
次に、多機能ユニット装置2は、図1及び図2に示すように、扉装置1に隣接して設置されており、利便性及び防犯性を高めるように構成されている。まず、上段には、24時間監視可能な防犯カメラ21、照明装置22、2段目には、インターホン23、3段目には、宅配ボックス24、下段には、郵便及び新聞受け25が配設されている。
【0028】
防犯カメラ21は、人感センサや衝撃感知センサを備えており、常時稼動し、人を検知した時点で15秒前にさかのぼって録画を開始し、検知されなくなった時点で停止するようになっており、また、衝撃を検知した時点で15秒前にさかのぼって録画を開始し、検知されなくなってから30秒後に停止するようになっている。これにより、不必要な録画をすることなく効率的に、かつ防犯上影響のある現場の状況を録画し把握できるようになっている。なお、これら情報を適宜パソコンや携帯電話に送信するように構成してもよい。
【0029】
照明装置22は、周囲の明るさに応じて自動的に点灯、消灯するように制御されるもので、蛍光ランプ等の光源をボール形のカバーで覆って構成されている。
【0030】
インターホン23は、呼出しボタンをはじめカメラやスピーカ等を備えており、また、このインターホン23には、詳細を後述する前記ロック手段17のロックを解除するロック解除操作手段としての電気的な暗証番号入力手段23aが設けられている。なお、防犯カメラ21と同様に、インターホン23に保存されている情報を適宜パソコンや携帯電話に送信するように構成してもよい。
【0031】
宅配ボックス24は、セキュリティー部24aと納品ボックス24bとから構成されている。図2に示すように、セキュリティー部24aの蓋を開いてパスワード入力部24cにパスワードを入力することにより、納品ボックス24bの蓋を開けることができ、宅配業者は納品ボックス24bに宅配物を入れることができるようになっている。パスワードは、納品ボックス24bに宅配物を入れて蓋を閉めることにより失効するものであり、1回限りの効力を有するようになっている。したがって、予め宅配業者にパスワードを発行しておくことにより、安全、確実に宅配物を受け取ることができる。なお、宅配物の受け取りは、室内側から行うことができる。また、宅配物が例えば、冷凍食品等である場合に対応して納品ボックス24b内を温度調整可能なように構成することもできる。
【0032】
郵便及び新聞受け25は、郵便及び新聞挿入用の開口25aを有しており、また、開口25aから挿入された郵便物は、室内側から受け取ることができるようになっている。この場合、室内側には、仕切り壁等が設けられて開口25aから室内が見えないようになっており、セキュリティー面で強化されている。
【0033】
次に、本実施形態のブロック構成について図8を参照して説明する。インターホン23は、制御装置23b、呼出しボタン、カメラ、スピーカ及びマイク等の機能部品23c、暗証番号入力手段23aを備えている。制御装置23bは、演算手段、記憶部、タイマー及び比較回路を備え、機能部品23c、暗証番号入力手段23aが接続されているとともに、カバー手段14を駆動するモータ16、ロック手段17のソレノイド17cが接続されている。
【0034】
暗証番号入力手段23aは、数字キー、クリアキーC、セットキーSを備えており、このキーの操作により暗証番号を入力して、ロック手段17のロックを解除し、カバー手段14をスライド移動して凹所11を開放状態とすることができるようになっている。具体的には、暗証番号を数字キーで入力し、セットキーSを入力すると、その入力内容は、記憶部に予め格納されている番号と照合される。照合結果が正しければ、制御装置23bからソレノイド17c及びモータ16へ駆動信号が出力され、ソレノイド17cが通電により励磁され、プランジャ金具17bが吸引されてロックが解除される。これとともにモータ16が駆動しカバー手段14が移動して凹所11が開放状態となる。
【0035】
以上のように構成された本実施形態の操作及び動作について主として図9のフローチャートを参照して説明する。
【0036】
常時は、カバー手段14は、凹所11を覆って閉塞状態としており、鍵穴12及び開閉ハンドル13は、室外側から見ることはできない。また、カバー手段14の一側には、ロック手段17のプランジャ金具17bが係合しており、カバー手段14は、ロック状態となっている(図7参照)。
【0037】
この状態から扉本体10を開ける場合には、まず、暗証番号入力手段23aにより暗証番号を入力する(S1)。この入力内容は、制御装置23bにおいて予め格納されている番号と照合され(S2)、照合結果が正しければ、ソレノイド17cに通電され、その励磁によりプランジャ金具17bが吸引されてケース17a内に没入し、カバー手段14の一側からロック手段17のプランジャ金具17bの係合が解かれる(S3)。次いで、モータ16が駆動し、カバー手段14がスライド移動され(図1における左方向)、凹所11が開放状態となる(S4)。
【0038】
この状態で鍵穴12に鍵を差込み操作して解錠する(S5)。続いて、鍵を鍵穴12から抜き、開閉ハンドル13を操作して扉本体10開け、入室し、扉本体10を閉める(S7)。扉本体10を閉めた後は、モータ16が駆動し、カバー手段14が凹所11の閉塞方向にスライド移動し、ロック手段17のプランジャ金具17bがカバー手段14の一側に再び係合し、カバー手段14をロック状態に保持する(S8)。
【0039】
以上のように本実施形態によれば、鍵穴12及び開閉ハンドル13は、室外側から視認できないようにカバー手段14によって覆われているので、これらを外観において見ることができず、防犯上、不正解錠が困難であると予見させることができ、犯罪を心理的に抑制することができる。また、カバー手段14は、ロック手段によって閉塞状態が保持され、さらに、扉本体10は、鍵により施錠されるので、二重の施錠状態、すなわち、少なくとも二重の関門を形成して、多重な施錠状態とすることができ、セキュリティー性を有効に高めることが可能で防犯上、効果的な扉装置1を提供することができる。
【0040】
さらにまた、凹所11は、扉本体10の厚さ寸法内において形成されているので、扉本体10の室内側に、格別に突出部分が形成されることなく、扉本体10を構成できる。
【0041】
解錠操作部としては、鍵穴12であり、ロック解錠操作手段としては、暗証番号入力手段23aであり、いわゆる機械的な施錠と電気的な施錠の組み合わせであるため、セキュリティーを破壊するのに困難性を伴い、また、故障等においても両者が同時的に発生することを回避することができる。
【0042】
また、扉本体10の室外側は、略平坦面に形成されているので、ハンドル等の突出物がなく、デザイン性に優れ、加えて、扉本体10の室外側には、室外側と室内側とが通じる郵便受けや新聞受け等の開口部がなく、さらに、ドアスコープ等も設けられておらず、外観上、何もない状態であるため、一層セキュリティー性を高めることができる。
【0043】
次に、本発明の第2の実施形態に係る扉装置について図10を参照して説明する。本実施形態では、凹所11の別な形態を示している。なお、前記実施形態と同一又は相当部分には、同一符号を付し重複した説明は省略する。
【0044】
まず、図10(a)は、前記第1の実施形態の凹所11を示している。正面視、三角形状をなし、下方一辺に沿って開閉ハンドル13が軸止されている。そして、この凹所11は、図10(b)及び(c)に示すように、四角形や円形に形成することができる。この凹所11の形態は、格別その形状が限定されるものではない。このような形態によっても第1の実施形態と同様な効果を奏することとができる。
【0045】
続いて、本発明の第3の実施形態に係る扉装置について図11を参照して説明する。本実施形態では、開閉ハンドル13の別な形態を示している。なお、前記実施形態と同一又は相当部分には、同一符号を付し重複した説明は省略する。図11(a)は、凹所11内に配設されたレバー式の開閉ハンドル13を示しており、図11(b)は、握玉式の開閉ハンドル13を示している。このような形態によっても第1の実施形態と同様な効果を奏することとができる。
【0046】
なお、本発明は、上記各実施形態の構成に限定されることなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、カバー手段14は、モータ16の駆動により自動的に開くような形態が好ましいが、自動的に開くように構成しなくてもよい。すなわち、ロック解錠操作手段の操作により、ロックを解除し、その後、手動で開くように構成してもよい。また、カバー手段14は、左右方向にスライド移動する形式のみならず、上下方向にスライド移動する形式であってもよい。さらには、扉状に開閉する方式であってもよく、格別開閉方式が限定されるものではない。
【0047】
加えて、上記実施形態においては、凹所は、扉本体の厚さ寸法内において形成され、かつ扉本体の室外側は、略平坦面に形成されているものについて説明したが、凹所が扉本体の室外側又は室内側に突出して形成される場合も許容されるものである。さらに、解錠操作部、ロック解除操作手段には、IDカード、暗証番号入力、生体認証方式等、各種方式が採用可能である。
【符号の説明】
【0048】
1・・・扉装置、10・・・扉本体、11・・・凹所、12・・・解錠操作部(鍵穴)、13・・・開閉操作部(開閉ハンドル)、14・・・カバー手段、
17・・・ロック手段、23a・・・ロック解除操作手段(暗証番号入力手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
扉本体と、
この扉本体の室外側に形成された凹所と、
この凹所内に配設された扉本体の解錠操作部及び開閉操作部と、
前記凹所を開閉可能に、かつ前記解錠操作部及び開閉操作部を室外側から視認できないように覆うカバー手段と、
このカバー手段を閉塞状態に保持するロック手段と、
このロック手段の前記閉塞状態の保持を解除するロック解除操作手段と、
を具備することを特徴とする扉装置。
【請求項2】
前記凹所は、扉本体の厚さ寸法内において形成されていることを特徴とする請求項1に記載の扉装置。
【請求項3】
前記扉本体の解錠操作部は、鍵穴であり、ロック解除操作手段は、電気的な操作手段であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の扉装置。
【請求項4】
前記扉本体の室外側は、略平坦面に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一に記載の扉装置。
【請求項5】
前記扉本体の室外側には、実質的に室外側と室内側とが通じる開口部が存在しないことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一に記載の扉装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−58250(P2011−58250A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−208730(P2009−208730)
【出願日】平成21年9月9日(2009.9.9)
【出願人】(509253859)
【Fターム(参考)】