説明

手摺

【課題】廊下、階段、浴室等に取り付けられる手摺に関し、暗闇において視認性を高めるとともに、且つ濡れた手で掴んだ場合でも滑り難い手摺を提供する。
【解決手段】断面円形状もしくは楕円形状の、パイプあるいは柱状の棒からなる芯材10の外周に、シリコンゴム部材20が被覆されてなる手摺1であって、前記シリコンゴム部材20には、蓄光剤が練り込まれてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手摺に関し、詳しくは、廊下、階段、浴室等に取り付けらる手摺に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の手摺として、例えば、特許文献1または特許文献2に記す技術が既に知られている。特許文献1に記す技術では、芯材の外周にゴム部材が被覆された手摺が開示されている。このようにゴム部材によって被覆されていると、手摺を掴んだときの感触が良く、例えば浴室などにおいて、濡れた手で手摺を掴んだ場合でも滑り難いものとなっている。また、特許文献2に記す技術では、芯材の外周に合成樹脂が被覆された手摺が開示されている。そして、この合成樹脂には、成形時に予め蓄光剤が混入されている。このように蓄光剤が混入された合成樹脂によって被覆されていると、暗闇において、発光するため手摺が視認され易くなっていた。
【特許文献1】特開平8−260644号公報
【特許文献2】特開2004−314487号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した特許文献1では、暗闇において、発光しないため手摺が視認されることなく、例えば停電時の安全性に欠けるものであった。また、上述した特許文献2では、合成樹脂によって被覆されているため、手摺を掴んだときの感触が悪く、また浴室などにおいて、濡れた手で手摺を掴んだ場合には滑り易いものとなっていた。
【0004】
本発明は、このような課題を解決しようとするもので、その目的は、暗闇において視認性を高めるとともに、且つ濡れた手で掴んだ場合でも滑り難い手摺を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の目的を達成するためのものであって、以下のように構成されている。
請求項1に記載の発明は、芯材の外周にシリコンゴム部材が被覆されてなる手摺である。そして、前記シリコンゴム部材には、蓄光剤が練り込まれている。
これにより、暗闇において手摺の視認性を高めることができる。さらに、且つ濡れた手で手摺を掴んだ場合でも、外周面がシリコンゴム部材によって被覆されているため、滑り難くなっている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図1〜2を用いて説明する。
図1は、本発明の手摺1の全体斜視図であり、シリコンゴム部材20の一部を切り欠いた状態である。図2は、本発明の手摺1の製造方法を示す説明図である。
【0007】
本発明の手摺1は、図1に示すように、芯材10の外周にシリコンゴム部材20が被覆されてなるものである。この芯材10は、断面円形状もしくは、断面楕円形状のパイプからるものであり、例えばアルミ製パイプである。
【0008】
シリコンゴム部材20は、円筒形状となるように予め形成されている。また、シリコンゴム部材20には、形成時において、蓄光剤が練り込まれている。この蓄光剤とは、例えば根元特殊化学株式会社製のN夜光(ルミノーバ)であり、シリコンゴム部材20は、この蓄光剤を、シリコンゴム100に対して15%練り込んで成されているものである。
【0009】
次に、これら上述した芯材10とシリコンゴム部材20とから手摺1を製造する方法を説明する。図2(A)に示すように、シリコンゴム部材20の一端(図において、右端)と圧縮エアー吹出装置40のホース42の先端とを接続する。このホース42からは圧縮エアーが吹き出されるため、シリコンゴム部材20とホース42との接続部位から圧縮エアーが漏れることの無いようにして接続する。
【0010】
続いて、図2(B)に示すように、圧縮エアー吹出装置40から圧縮エアーを吹き出させる。このように圧縮エアーを吹き出させると、シリコンゴム部材20の内部は膨らみ状態となり、その他端(図において、左端)から圧縮エアーが吹き出ていく。そして、この状態において、図2(C)に示すように、シリコンゴム部材20の他端から芯材10を押し込んでいく。このとき、芯材10の外周面にはシリコン水溶液(例えば、水:シリコン液=8:2)を塗布しておく。すると、このシリコン水溶液によって、芯材10の外周面とシリコンゴム部材20の内周面とに生じる摩擦力が低減され、シリコンゴム部材20の内部へ滑らかに芯材10を押し込むことができる。
【0011】
図2(D)に示すように、芯材10をシリコンゴム部材20の内部へ全て押し込み乾かして、その両端に略L字形状からなるカバー部材30を嵌め込ませる。ここで、シリコンゴム部材20は酸素透過性であるため、シリコン水溶液は比較的短時間で蒸発することになる。なお、芯材10の外径は、シリコンゴム部材20の内径と同径、もしくは若干、芯材10の外形の方が大きくなるように設定されている。
【0012】
これにより、シリコン水溶液が蒸発してしまうと、芯材10シリコンゴム部材20とは一体に固着されるため、手摺1を掴んだ際に、シリコンゴム部材20が芯材10に対して滑ったり、回転したりすることはない。そして、図1に示すように、ネジ部材34によるネジ締めによって、カバー部材30をシリコンゴム部材20に固定させて手摺1が完成する。完成した手摺1は、カバー部材30のフランジ32を廊下、階段、浴室等の壁部材(図示しない)と固着させて使用される。
【0013】
上記構成の手摺1を使用すると、シリコンゴム部材20には蓄光剤が練り込まれているため、暗闇において手摺の視認性を高めることができる。さらに、且つ濡れた手で手摺1を掴んだ場合でも、外周面がシリコンゴム部材20によって被覆されているため、滑り難くなっている。
【0014】
上述した内容は、あくまでも本発明の一実施の形態に関するものであって、本発明が上記内容に限定されることを意味するものではない。
実施例では、芯材10は、断面円形状もしくは、断面楕円形状のパイプである例を説明した。しかし、これに限定されるものでなく、断面円形状もしくは、断面楕円形状の柱状の棒であっても構わない。手摺としての強度を有する部材であれば、材質は限定されることはない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本発明の手摺1の全体斜視図であり、シリコンゴム部材20の一部を切り欠いた状態である。
【図2】図2は、本発明の手摺1の製造方法を示す説明図である。
【符号の説明】
【0016】
1 手摺
10 芯材
20 シリコンゴム部材
30 カバー部材
32 フランジ
34 ネジ部材
40 圧縮エアー吹出装置
42 ホース





【特許請求の範囲】
【請求項1】
芯材の外周にシリコンゴム部材が被覆されてなる手摺であって、
前記シリコンゴム部材には、蓄光剤が練り込まれてなる手摺。






【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−197988(P2007−197988A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−17160(P2006−17160)
【出願日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【出願人】(506029989)
【Fターム(参考)】