説明

手書き情報送信システム及び手書き情報送信サーバ

【課題】電子ペンを用いて、時間や場所を問わず簡単な操作で手書きの情報を所望のアドレスに送信する。
【解決手段】手書き情報送信システム100は、電子ペン1、携帯電話2、サーバ3及び端末4を含む。電子ペン1は、利用者が帳票に文字や絵図を書き、送信先を指定するために使用されるのに伴って、小型カメラが帳票上の特殊なドットパターンを読み取り、画像処理プロセッサがそのドットパターンからペン先の位置情報を割り出し、一連の位置情報から筆跡情報を生成し、内蔵メモリに記憶する。携帯電話2は、電子ペン1から無線通信によって筆跡情報等を受信し、ネットワーク5を介してサーバ3に送信する。サーバ3は、携帯電話2から筆跡情報等を受信し、メールアドレスの登録や、手書きされた情報の復元を行い、その手書き情報の記憶アドレスや手書き情報そのものを指定された送信先のメールアドレス、すなわち、端末4に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子ペンを利用した手書き情報送信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
小型カメラ及び画像処理プロセッサを備えた電子ペンを用いて、特殊なドットパターン(位置符号化パターン)を有する専用用紙に手書きすることによって、書いた文字や絵図をデジタルな画像情報に変換する技術がある。この技術では、電子ペンが専用用紙上を移動する際に、小型カメラが逐次ドットパターンを読み取り、画像処理プロセッサがドットパターンからペン先の位置情報を割り出し、一連の位置情報をまとめて筆跡情報としてメモリに記憶する。そして、他の情報処理装置が、電子ペンから筆跡情報を取得し、その筆跡情報から元々専用用紙に手書きされた画像の情報を復元する。このような特徴を持つ電子ペンの例が特許文献1に開示されている。
【特許文献1】特開2006−141062号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、現在、手書きした画像をどこかに送信しようとすれば、ファクシミリを使うか、スキャナで取り込んだ画像情報をメールに添付するといった繁雑な操作を行う必要がある。この操作は、いつでもどこでもできるというわけではなく、ファクシミリやスキャナ付きのPC(Personal Computer)のある場所でなければできない。
【0004】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、電子ペンを用いて、時間や場所を問わず簡単な操作で手書きの情報を所望のアドレスに送信することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明は、所定のドットパターンを有する用紙と、電子ペンと、前記電子ペンと無線通信可能な携帯端末と、前記携帯端末と通信可能な情報処理装置とを備える手書き情報送信システムであって、前記電子ペンが、固有の書式IDを有する前記用紙に当該電子ペンによって手書きされ、その手書きの軌跡を示す手書き情報の送信先番号が指定されるのに伴って移動する際に、前記ドットパターンを逐次読み取るとともに、前記書式IDを読み取る読取部と、前記読取部が読み取ったドットパターンから前記用紙上の前記電子ペンのペン先位置情報を算出する位置算出部と、前記電子ペンに固有の利用者IDを予め記憶するとともに、前記読取部が読み取った書式ID及び前記位置算出部が算出した一連のペン先位置情報を記憶するメモリとを備え、前記携帯端末が、前記電子ペンから前記メモリに記憶された書式ID、利用者ID及びペン先位置情報を含む筆跡元情報を受信し、前記筆跡元情報を前記情報処理装置に送信する第1の通信処理部を備え、前記情報処理装置が、前記書式IDごとに、前記用紙上の位置で特定される各領域と、当該領域が有する機能との対応を示す座標系情報と、前記書式ID及び前記利用者IDごとに、前記手書き情報の送信先番号と、送信先アドレスとの対応を示すアドレス情報とを記憶する記憶部と、前記携帯端末から前記筆跡元情報を受信し、当該筆跡元情報から前記書式ID、前記利用者ID及び前記ペン先位置情報を抽出し、前記記憶部を参照して、前記書式IDから前記座標系情報を特定し、前記座標系情報に基づいて、抽出した前記ペン先位置情報から前記手書き情報及び前記送信先番号を復元し、前記記憶部に記憶されたアドレス情報を参照して、前記書式ID、前記利用者ID及び前記送信先番号から前記送信先アドレスを特定し、前記送信先アドレスに前記手書き情報を送信する第2の通信処理部とを備えることを特徴とする。
【0006】
この構成によれば、用紙、電子ペン及び携帯端末を所持することによって、手書きの情報をいつでもどこでも所望のアドレスに送信することができる。また、予めアドレスを番号に対応させて記憶しておくことによって、送信先アドレスの指定を簡単に行うことができる。さらに、複数のアドレスを指定することによって、手書きの情報を一括して複数の送信先に送信することができる。
【0007】
また、本発明は、手書き情報送信システムであって、前記第2の通信処理部が、前記書式IDに応じて、復元した前記手書き情報をOCR機能によってテキストコード情報に変換し、当該テキストコード情報を前記送信先アドレスに送信することを特徴とする。
この構成によれば、各種注文や各種予約を、従来行っていた携帯端末の繁雑な操作をすることなく、電子ペンで帳票に記入するという自然で簡単な操作により行うことができる。
【0008】
また、本発明は、手書き情報送信システムであって、前記送信先アドレスが、メールアドレス又はFAX番号であることを特徴とする。
この構成によれば、手書き情報を所望の携帯端末、PC、サーバやFAXに送信することができる。
【0009】
なお、本発明は、手書き情報送信サーバを含む。また、特許請求の範囲における第1の通信処理部は、実施の形態における無線通信部21、ネットワーク通信部22及び処理部25を合わせたものに相当する。特許請求の範囲における第2の通信処理部及び通信処理部は、実施の形態におけるネットワーク通信部31及び処理部34を合わせたものに相当する。その他、本願が開示する課題及びその解決方法は、発明を実施するための最良の形態の欄、及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、時間や場所を問わず簡単な操作で手書きの情報を所望のアドレスに送信することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
【0012】
≪システムの構成と概要≫
図1は、手書き情報送信システム100の構成を示す図である。手書き情報送信システム100は、電子ペン1、携帯電話2、サーバ3及び端末4を含んで構成される。電子ペン2と、携帯電話2との間は、無線通信(例えば、Bluetooth等)によって通信可能になっている。携帯電話2とサーバ3との間、及び、サーバ3と端末4との間は、ネットワーク5を介して通信可能になっている。ネットワーク5は、例えば、インターネット等によって実現される。
【0013】
電子ペン1は、利用者が帳票(用紙)に文字や絵図などの画像を書くために使用されるのに伴って、小型カメラ(読取部)が帳票上の特殊なドットパターンを読み取り、画像処理プロセッサ(位置算出部)がそのドットパターンからペン先の位置情報を算出し、一連の位置情報から筆跡情報を生成し、内蔵メモリに記憶する。筆跡情報は、電子ペン1の位置情報、電子ペン1の軌跡(書き順)、電子ペン1の傾き、書く速さ、筆圧及び書いた日時を含む。そして、電子ペン1は、無線通信によって、内蔵メモリに記憶した筆跡情報を携帯電話2に送信する。また、電子ペン1は、利用者に固有の利用者IDを内蔵メモリに記憶しており、筆跡情報を送信する際に利用者IDを付加する。なお、電子ペン1の内部構造や、筆跡情報の生成及び画像情報の復元に関する原理については、特許文献1に詳細に記載されている。
【0014】
携帯電話2は、電子ペン1から無線通信によって筆跡情報や利用者ID等を受信し、ネットワーク5を介してサーバ3に送信する。また、携帯電話2は、固有の携帯電話IDを記憶部に記憶している。そして、電子ペン1と、携帯電話2とは、予め利用者ID及び携帯電話IDをお互いにやり取りし、記憶し合い(ペアリング設定)、無線通信の際にお互いに送信元のIDを確認し合うことによって、相互に限定した無線通信を行うことができる。このペアリング設定は、利用者が所定の電子ペン1と、所定の携帯電話2とを常時併用する場合に有効かつ便利な機能である。
【0015】
サーバ3は、携帯電話2からネットワーク5を介して筆跡情報や利用者ID等を受信し、メールアドレスの登録や、手書きされた画像の情報の復元を行い、その画像情報の特定情報や画像情報そのものを指定された送信先のメールアドレスに送信する。
【0016】
端末4は、その送信先となる装置であり、メールアドレスによって特定される携帯電話、PDA(Personal Digital Assistance)、PC、サーバ等が該当する。端末4は、サーバ3から画像情報の特定情報や画像情報そのものを受信し、受信した画像情報をディスプレイに表示する。
【0017】
以上によれば、利用者が電子ペン1を用いて帳票に手書きすることによって、筆跡情報が携帯電話2を経由してサーバ3に送信され、サーバ3で筆跡情報から手書きされた画像の情報が復元され、画像情報が端末4に送信され、表示される。以下、その詳細について説明する。
【0018】
≪携帯電話の構成≫
図2は、携帯電話2の構成を示す図である。携帯電話2は、無線通信部21、ネットワーク通信部22、操作部23、表示部24、処理部25及び記憶部26を備える。無線通信部21は、電子ペン1との無線通信を行う部分であり、例えば、携帯電話2に内蔵されたBluetooth通信機能によって実現される。ネットワーク通信部22は、ネットワーク5を介した通信を行う部分であり、例えば、携帯電話2に内蔵されたIP(Internet Protocol)通信機能によって実現される。操作部23は、利用者が携帯電話2の操作を行う部分であり、入力キー等によって実現される。表示部24は、情報を表示して、利用者に参照させる部分であり、液晶ディスプレイ等によって実現される。
【0019】
処理部25は、他の各部間のデータの受渡しや編集を行うことによって、携帯電話2の機能を実現する。処理部25は、CPU(Central Processing Unit)が所定のメモリに格納されたプログラムを実行することによって実現される。記憶部26は、処理部25からデータ(携帯電話ID等)を記憶したり、記憶したデータを読み出したりする部分であり、フラッシュメモリやハードディスク装置等の不揮発性記憶装置によって実現される。
【0020】
≪サーバの構成≫
図3は、サーバ3の構成を示す図である。サーバ3は、ネットワーク通信部31、入力部32、表示部33、処理部34及び記憶部35を備える。ネットワーク通信部31は、ネットワーク5を介して携帯電話2や端末4と通信を行う部分であり、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。入力部32は、オペレータがデータ(例えば、座標系情報)を入力する部分であり、操作ボタン、キーボードやマウス等によって実現される。表示部33は、処理部34の指示に従ってデータを表示する部分であり、例えば、液晶ディスプレイによって実現される。処理部34は、他の各部間のデータの受渡しや編集を行うことによって、サーバ3の機能を実現する。処理部34は、CPUが所定のメモリに格納されたプログラムを実行することによって実現される。記憶部35は、処理部34からデータ(筆跡変換情報やメールアドレス情報等)を記憶したり、記憶したデータを読み出したりする部分であり、フラッシュメモリやハードディスク装置等の不揮発性記憶装置によって実現される。
【0021】
≪データの構成≫
図4は、サーバ3の記憶部35に記憶されるデータの構成を示す図である。図4(a)は、筆跡変換情報35Aの構成を示す。筆跡変換情報35Aは、筆跡情報をコード情報や画像情報に変換する際に必要な情報であり、書式ID35A1及び座標系情報35A2を含むレコードから構成される。書式ID35A1は、帳票の書式に固有のIDであって、同じ種類の帳票には共通の書式があり、その書式を一意に特定するものである。座標系情報35A2は、書式ID35A1ごとに、2次元(X−Y)の座標系における各領域と、当該領域が有する機能(送信先番号や手書きメッセージ等)との対応を定義したものであり、筆跡情報に含まれる一連のペン先の位置情報から、指定された数字やアルファベット等のコード情報や手書きされた画像の情報等を復元するために基礎となる情報である。なお、帳票の書式の具体例については、後記する。
【0022】
図4(b)は、メールアドレス情報35Bの構成を示す。メールアドレス情報35Bは、書式及び利用者ごとに登録番号と、メールアドレスとの対応を示す情報であり、書式ID35B1、利用者ID35B2、登録番号35B3及びメールアドレス35B4を含むレコードから構成される。書式ID35B1は、帳票の書式に固有のIDである。利用者ID35B2は、情報の出所としては電子ペン1の内蔵メモリに記憶された利用者IDであるが、登録番号及びメールアドレスの対応は帳票の書式及び利用者ごとに定義されるべきであるから、書式ID35B1の帳票及び電子ペン1を併用する利用者を特定する意義を有する。登録番号及びメールアドレスの対応は、帳票があっても利用者が分からなければ特定できないし、利用者が分かっていても帳票がなければ特定できないからである。
【0023】
登録番号35B3は、帳票においてメールアドレスの指定を簡単に行うために、メールアドレスとともに予め登録しておく番号である。手書き情報の送信時には、帳票上の送信先番号のいずれかに○をすることで送信先のメールアドレスを指定することができる。メールアドレス35B4は、登録番号35B3に対応する送信先のメールアドレスであり、手書きされた情報を送信すべき端末4に対応する。
【0024】
≪帳票の具体例≫
図5〜図7は、電子ペン1で手書きする対象となる帳票の具体例を示す図である。図5は、送信先メールアドレスの登録を行う際に用いる帳票の例を示す。「1.アドレス登録」は、メールアドレスを登録する際に用いる欄であり、登録番号は、メールアドレスを対応させる番号を指定する部分であり、アドレス入力は、メールアドレスのユーザ名、@(アットマーク)及びドメイン名を指定する部分である。「2.アドレス削除」は、登録されているメールアドレスを削除する際に用いる欄であり、登録番号は、削除する番号を指定する部分である。「3.確認」は、「1.アドレス登録」及び「2.アドレス削除」の欄に記入した内容の取り扱いを指定する欄であり、キャンセルボックスは、記入内容を解除して記入し直す場合にチェックする部分であり、OKボックスは、記入内容を送信する場合にチェックする部分である。
【0025】
「ペン太さ」は、電子ペン1で手書きした際におけるペン先の軌跡の幅を指定する欄であり、例えば、文字を手書きした場合には、文字の太さを指定することになる。「バッテリー」は、電子ペン1が備えるバッテリーの残容量を知るために用いられる欄であり、電子ペン1で%が表示された帯を上方向又は下方向になぞっていった場合に、電子ペン1が備える表示ランプが点灯したときの、電子ペン1のペン先が示す位置の%表示が、バッテリーの残容量[%]として認識できる。「ペアリング」は、帳票の近くにある電子ペン1及び携帯電話2のペアリング設定を行う場合にチェックする欄である。「ご利用内容確認」の確認ボックスは、利用者のシステムの利用状況を確認したり、グループメール(メーリングリスト)のアドレス、定型文(テンプレート)、写真等を番号登録したりする場合にチェックする部分である。
【0026】
図6は、送信先メールアドレス等の登録を行う際に用いるメモ用紙の例を示す。「個人」は、図5の帳票でメールアドレスを登録した場合に、その番号に対応したメールアドレス又はその個人名をメモする欄である。また、「グループ」、「A.定型文(テンプレート)」及び「B.写真」は、各登録番号に関してメモ書きをする欄である。例えば、「グループ」には、お得意様、中学校同窓会等をメモし、「A.定型文(テンプレート)」には、新年ご挨拶、新製品のお知らせ等をメモし、「B.写真」には、初詣、新製品その1、新製品その2等をメモする。
【0027】
図7は、手書き情報を送信する際に用いる帳票の例を示す。「1.定型文(テンプレート)を選ぶ」は、図6の「A.定型文(テンプレート)」を選択する欄であり、定型文(テンプレート)の番号を指定する部分である。「2.写真を選ぶ」は、図6の「B.写真」を選択する欄であり、写真の番号を指定する部分である。「3.手書きメールと写真を重ねる」は、手書き情報を送信する場合に、選択した写真を重ねることを指定する欄である。写真を選択した場合に、この欄を指定しなければ、写真と、手書き情報とが別々に添付されたメールが送信される。「4.予約配信にする」は、手書き情報を送信する場合に、すぐに送信するのではなく、予約した時刻に行う場合に指定する欄であり、年、月、日、時及び分を指定する部分である。
【0028】
「A.手書きメッセージ」は、手書きする画像を記入する欄であり、カラーを指定する部分と、手書きメッセージの部分とがある。カラーのいずれかの○をチェックすることによって、そのチェック以降は、その色で画像を書くことができる。手書きメッセージには、任意の画像を書くことができる。この際、電子ペン1によって手書きされた軌跡を示す手書きメッセージ(手書き情報)が、ドットパターンとして読み取られる。なお、図面上カラーを指定する部分には、「赤」、「桃」等の色の名前が書かれているが、実際には、色そのものが表示されていてもよい。
【0029】
「B.送り先」は、手書きメッセージの送信先を指定する欄であり、個人メール及びグループメールについてそれぞれ1〜20の番号を選択することができる。「C.配信」は、1.〜4.、A.及びB.の各欄に記入した内容の取り扱いを指定する欄であり、確認ボックスは、OKボックスをチェックした場合に、確認メールを受け取る際にチェックする部分である。キャンセルボックスは、記入した内容を解除して記入し直す場合にチェックする部分である。OKボックスは、記入した内容を送信する場合にチェックする部分である。
【0030】
なお、図5〜図7に示した帳票は、送信先メールアドレスの登録及び手書き情報の送信という一連の処理を行うためのものであるので、帳票ごとに座標系情報があるのではなく、1つのまとまった帳票として固有の書式IDに対応したグローバルな座標系情報が作成される。例えば、図5に示す帳票の「1.アドレス登録」の部分と、図7の帳票の「1.定型文(テンプレート)を選ぶ」の部分とは、全く異なるX−Y座標が割り当てられる。
【0031】
≪システムの処理 −メールアドレスの登録−≫
次に、手書き情報送信システム100の処理について説明する。
図8は、メールアドレス登録の処理を示すフローチャートである。フローチャート上、破線のボックスは、利用者が行う操作であることを示す(他のフローチャートも同様)。まず、利用者は、登録番号の入力を行う(S801)。具体的には、電子ペン1を用いて、図5に示す帳票の「1.アドレス登録」の登録番号のうち、所望の番号を○で囲む。次に、利用者は、メールアドレスの入力を行う(S802)。具体的には、図5に示す帳票の「1.アドレス登録」のアドレス入力欄のキーボードを順番にチェックすることによりユーザ名を入力した後、@をチェックし、さらにドメイン名(ezweb.ne.jp等)の左側にある矩形の中に○を記入することによりドメイン名を指定する。S801及びS802の入力操作に伴う電子ペン1の移動によって、電子ペン1が筆跡情報を逐次取得し、内蔵メモリに記憶する(S803)。
【0032】
利用者は、登録番号の入力(S801)及びメールアドレスの入力(S802)の後、図5に示す帳票の「3.確認」のOKボックスをチェックする(S804)。これは、利用者にとっては、登録番号及びメールアドレスの入力が完了した旨を示す。一方、電子ペン1にとっては、内蔵メモリに記憶された筆跡情報を送信するトリガとなる。そこで、電子ペン1は、「3.確認」のOKボックスにドットパターンで書かれている書式IDを取得し、コード情報に変換した後、コード化された書式IDを内蔵メモリに記憶する(S805)。そして、電子ペン1は、内蔵メモリに記憶された書式ID、利用者ID及び筆跡情報をアドレス登録情報として一括して携帯電話2に無線送信する(S806)。この場合、アドレス登録情報のうち、先頭から所定バイト数のデータが書式IDであり、その次の所定バイト数のデータが利用者IDであり、その次が筆跡情報である。なお、利用者IDは、予め電子ペン1の内蔵メモリに記憶されているものとする。
【0033】
携帯電話2は、電子ペン1からアドレス登録情報を受信し、そのままサーバ3に送信する(S807)。具体的には、携帯電話2の無線通信部21が電子ペン1からアドレス登録情報を受信し、処理部25に渡す。処理部25は、受けたアドレス登録情報をネットワーク通信部22に渡す。ネットワーク通信部22は、受けたアドレス登録情報をネットワーク5経由でサーバ3に送信する。
【0034】
サーバ3は、携帯電話2からネットワーク5経由でアドレス登録情報を受信する(S808)。具体的には、サーバ3のネットワーク通信部31がアドレス登録情報を受信し、処理部34に渡す。次に、処理部34は、受けたアドレス登録情報から書式IDを抽出し、記憶部35に記憶された筆跡変換情報35Aを参照して、書式ID35A1に対応する座標系情報35A2を特定する(S809)。そして、特定した座標系情報35A2に基づいて、アドレス登録情報から抽出した筆跡情報から、登録番号及びメールアドレスを特定する(S810)。続いて、記憶部35のメールアドレス情報35Bを登録する(S811)。具体的には、アドレス登録情報から書式ID及び利用者IDを抽出し、メールアドレス情報35Bのうち、書式ID35B1及び利用者ID35B2に対応させて、特定した登録番号及びメールアドレスを登録番号35B3及びメールアドレス35B4に記憶する。
【0035】
その後、サーバ3は、携帯電話2に登録完了メッセージを送信する(S812)。具体的には、サーバ3の処理部34が、登録完了メッセージを作成し、ネットワーク通信部31に渡す。そして、ネットワーク通信部31が、受けた登録完了メッセージをネットワーク5経由で携帯電話2に送信する。
【0036】
携帯電話2は、サーバ3からネットワーク5経由で登録完了メッセージを受信し、表示する(S813)。具体的には、携帯電話2のネットワーク通信部22が、ネットワーク5を介して登録完了メッセージを受信し、処理部25に渡す。処理部25は、受けた登録完了メッセージを表示部24に渡す。そして、表示部24は、受けた登録完了メッセージを表示する。表示部24に表示された登録完了メッセージを参照することによって、利用者は、S801及びS802で入力した登録番号及びメールアドレスがサーバ3に登録されたことを確認することができる。
【0037】
以上では、帳票、電子ペン1及び携帯電話2を用いてサーバ3にメールアドレスを登録するようにしたが、事前に利用者又はオペレータが、書式ID、利用者ID、登録番号及びメールアドレスをサーバ3の入力部32から入力し、サーバ3の記憶部35にメールアドレス情報35Bを記憶させておくようにしてもよい。
【0038】
≪システムの処理 −手書き情報の送信−≫
図9及び図10は、手書き情報送信の処理を示すフローチャートである。図9を参照すると、まず、利用者は、手書きメッセージの入力を行う(S901)。具体的には、電子ペン1を用いて、図7に示す帳票の「A.手書きメッセージ」の枠の中に所望の画像を手書きする。文字であってもよいし、絵図であってもよい。次に、利用者は、送り先番号の入力を行う(S902)。具体的には、電子ペン1を用いて、図7に示す帳票の「B.送り先」の番号を○で囲む。そして、S901及びS902の入力操作に伴う電子ペン1の移動によって、電子ペン1が筆跡情報を逐次取得し、内蔵メモリに記憶する(S903)。
【0039】
利用者は、手書きメッセージの入力(S901)及び送り先番号の入力(S902)の後、図7に示す帳票の「C.配信」のOKボックスをチェックする(S904)。これは、利用者にとっては、手書きメッセージ及び送り先番号の入力が完了した旨を示す。一方、電子ペン1にとっては、内蔵メモリに記憶された筆跡情報を送信するトリガとなる。そこで、電子ペン1は、「C.配信」のOKボックスにドットパターンで書かれている書式IDを取得し、コード情報に変換した後、コード化された書式IDを内蔵メモリに記憶する(S905)。そして、電子ペン1は、内蔵メモリに記憶された書式ID、利用者ID及び筆跡情報を筆跡元情報として一括して携帯電話2に無線送信する(S906)。
【0040】
携帯電話2は、電子ペン1から筆跡元情報を受信し、そのままサーバ3に送信する(S907)。具体的には、携帯電話2の無線通信部21が電子ペン1から筆跡元情報を受信し、処理部25に渡す。処理部25は、受けた筆跡元情報をネットワーク通信部22に渡す。ネットワーク通信部22は、受けた筆跡元情報をネットワーク5経由でサーバ3に送信する。
【0041】
サーバ3は、携帯電話2からネットワーク5経由で筆跡元情報を受信する(S908)。具体的には、サーバ3のネットワーク通信部31が筆跡元情報を受信し、処理部34に渡す。次に、処理部34は、受けた筆跡元情報から書式IDを抽出し、記憶部35に記憶された筆跡変換情報35Aを参照して、書式ID35A1に対応する座標系情報35A2を特定する(S909)。そして、座標系情報35A2に基づいて、筆跡元情報から抽出した筆跡情報から、手書きメッセージ(手書き情報)を復元し、記憶部35に記憶する(S910)。また、座標系情報35A2に基づいて、筆跡情報から送り先番号を特定する(S911)。
【0042】
続いて、図10を参照すると、サーバ3の処理部34は、手書きメッセージの送信先のメールアドレスを特定する(S1001)。具体的には、筆跡元情報から書式ID及び利用者IDを抽出し、記憶部35に記憶されたメールアドレス情報35Bを参照して、書式ID35B1、利用者ID35B2及び登録番号35B3(特定した送り先番号と同じ)に対応するメールアドレス35B4を特定する。そして、そのメールアドレスに対して、手書きメッセージを記憶したサーバ3の記憶部35のアドレス(URL:Uniform Resource Locator)をネットワーク5経由で送信する(S1002)。これは、端末4が携帯電話等である場合には、特に、大容量のファイルが添付されたメールを突然受信することを利用者が嫌がる場合が多いからである。
【0043】
そのメールアドレスに該当する端末4は、ネットワーク5経由で手書きメッセージの記憶アドレスを受信し、ディスプレイに表示する(S1003)。端末4の利用者は、端末4のディスプレイに表示された記憶アドレスを選択する(S1004)。この操作をトリガにして、端末4は、記憶アドレスの情報を要求するメッセージをサーバ3に送信する(S1005)。
【0044】
サーバ3は、端末4から記憶アドレスの情報要求メッセージを受信する(S1006))。具体的には、サーバ3のネットワーク通信部31がネットワーク5経由で当該メッセージを受信し、処理部34に渡す。処理部34は、受けたメッセージ内の記憶アドレスに従って、記憶部35に記憶された手書きメッセージを取得し、ネットワーク通信部31及びネットワーク5経由で端末4に送信する(S1007)。
【0045】
端末4は、サーバ3から手書きメッセージを受信し、ディスプレイに表示する(S1008)。これによって、端末4の利用者は、帳票に電子ペン1で書かれた手書きメッセージを参照することができる。
【0046】
さらに、サーバ3の処理部34は、手書きメッセージの送信が完了し旨を示すメッセージをネットワーク通信部31及びネットワーク5経由で携帯電話2に送信する(S1009)。携帯電話2は、手書きメッセージの送信完了メッセージを受信し、表示する(S1010)。具体的には、携帯電話2のネットワーク通信部22が、ネットワーク5を介して送信完了メッセージを受信し、処理部25に渡す。処理部25は、受けた送信完了メッセージを表示部24に渡す。そして、表示部24は、受けた送信完了メッセージを表示する。表示部24に表示された送信完了メッセージを参照することによって、利用者は、S901で入力した手書きメッセージがS902で入力した送り先番号のメールアドレスに送信されたことを確認することができる。
【0047】
以上の手書き情報送信システム100を適用した具体的な実施例について、以下に説明する。
【0048】
≪実施例1≫
手書き情報をSNS(Social Networking Service)のブログサーバに配信することが考えられる。まず、利用者ごとに、例えば、10件までのブログ送信用メールアドレスを登録できるようにする。これは、ブログ送信用の帳票を作成し、サーバ3の記憶部35に筆跡変換情報35Aを登録するとともに、その帳票の書式ID35B1及び各利用者ID35B2に対して、10件までの登録番号35B3及びメールアドレス35B4の登録が可能な領域を記憶部35に確保することで実現することができる。ブログ送信用の帳票には、少なくとも1から10までの送り先番号、手書き画像の記入欄及びOKボックスが設定されている。
【0049】
メールアドレスの登録は、図5に示すような帳票を使って行う。この場合、「個人」及び「グループ」の分類に対して「ブログ」という新分類を追加する。そして、手書き情報をブログサーバに送信する場合には、先に説明したブログ送信用の帳票に対して電子ペン1で、手書き画像を記入し、送り先番号のうち、少なくとも1つを○で囲み、OKボックスをチェックする。サーバ3では、電子ペン1から携帯電話2経由で筆跡元情報を受信し、手書き情報を復元し、送り先のメールアドレスを特定し、当該メールアドレスに当該手書き情報を送信する。ここでは、ブログサーバが送信先なので、先行してサーバ3の記憶部35のアドレス(URL)を送信することなく、復元した手書き情報をそのままメールに添付して送信する。メールアドレスに該当するブログサーバは、サーバ3から受信した手書き情報をSNSの会員が参照できるように、所定のメモリに設定、記憶する。
【0050】
≪実施例2≫
筆跡元情報をFAXに配信することが考えられる。まず、利用者ごとに、FAX番号を登録できるようにする。これは、FAX送信用の帳票を作成し、サーバ3の記憶部35に筆跡変換情報35Aを登録するとともに、その帳票の書式ID35B1及び各利用者ID35B2に対して、登録番号35B3及びFAX番号(メールアドレス35B4の代わり)の登録が可能な領域を、記憶部35に確保することで実現することができる。FAX送信用の帳票には、少なくとも送り先番号、手書き画像の記入欄及びOKボックスが設定されている。
【0051】
FAX番号の登録は、図5に示すような帳票を使って行う。この場合、数字を使用するので、数字以外の記号は不要になる。そして、手書き情報をFAXに送信する場合には、先に説明したFAX送信用の帳票に対して電子ペン1で、手書き画像を記入し、送り先番号のうち、少なくとも1つを○で囲み、OKボックスをチェックする。サーバ3では、電子ペン1から携帯電話2経由で筆跡元情報を受信し、手書き情報を復元し、送り先のFAX番号を特定し、当該FAX番号に当該手書き情報を送信する。
【0052】
この際、サーバ3では、筆跡元情報から抽出した筆跡情報を画像(手書き情報)に変換するが、その変換後の画像はJPEG(Joint Photographic Experts Group)形式になる。この画像をFAX送信するために、さらにTIFF(Tagged Image File Format)形式に変換する。FAX送信においては、白黒2階調にすることでデータ量を圧縮することできる。すなわち、白の場合、RGBの各色番号=255、255、255となり、黒の場合、RGBの各色番号=0、0、0となる。しかし、JPEGのファイルの白は、必ずしも固定の「255、255、255」ではなく、微妙に変化した白(例えば、「254、255、255」)になっている。そこで、データ量を圧縮するためには、この微妙に変化する白を一律固定の「255、255、255」に変換し、白の個数で表現する。具体的な変換処理としては、筆跡部分はJPEG形式で固定の黒(RGBの各色番号=0、0、0)に変換されるため、「0、0、0」以外は全て固定の「255、255、255」であると判断し、TIFF形式に変換する。電子ペン1の手書き情報のままでは多大なコストがかかってしまうFAX送信を、以上の変換処理を行うことによって低コストに行うことができる。
【0053】
そして、サーバ3は、FAX送信の結果を通知するメッセージをメールで携帯電話2に送信する。携帯電話2では、ネットワーク通信部22が当該メッセージを受信し、処理部25が前記メッセージを表示部24に表示する。これによって、利用者は、手書き情報が所望のFAX番号に正常に送信されたか否かを確認することができる。
【0054】
なお、FAX配信を実施するためには、FAX番号や送信料を管理することが必要である。当該管理機能をサーバ3に持たせるようにしてもよいし、別に「FAX配信サーバ」なるものを設置して当該管理機能を実現する専用サーバとしてもよい。また、FAX送信に係る課金については、課金結果を請求DB(Data Base)に格納し、現行の請求システムで処理するものとする。
【0055】
≪実施例3≫
サーバ3で復元した手書き情報をさらにOCR(Optical Character Reader)機能によってテキストコード情報に変換し、当該テキストコード情報を送信先アドレスに送信することが考えられる。この場合、電子ペン1で手書きするのは、絵図ではなく、文字や数字であり、例えば、帳票として図11に示すような伝票を用いる。伝票には、スタートボックス、文字や数字の記入枠及び送信ボックスが設定されている。利用者は、電子ペン1を用いて、まずスタートボックスをチェックし、次に記入枠に従って必要事項を記述し、最後に送信ボックスをチェックする。
【0056】
電子ペン1では、スタートボックスのチェックに伴って、スタートボックス内の伝票記入開始の印を読み取り、その印を認識したことをトリガにして、伝票記入モードに入る。伝票記入モードの間は、電子ペン1のペン先の位置情報を逐次読み取って、一連の位置情報をまとめて筆跡情報としてメモリに記憶する。そして、送信ボックスのチェックに伴って、送信ボックス内の伝票記入終了の印及び書式IDを読み取り、その印を認識したことをトリガにして、伝票記入モードを解除する。続いて、メモリに記憶された筆跡情報、書式ID及び利用者IDを筆跡元情報として、無線通信で携帯電話2に送信する。携帯電話2は、筆跡元情報を電子ペン1から無線通信で受信し、ネットワーク5を介してサーバ3に送信する。
【0057】
サーバ3では、携帯電話2から筆跡元情報を受信し、筆跡元情報から伝票に記入された文字や数字の画像情報を復元する。次に、筆跡元情報から抽出した書式IDがOCR機能に係るものであった場合には、当該画像情報をOCRソフトウェア(OCR機能)によってテキストコード情報に変換し、受付処理を行う。そして、書式IDに対応した送信先にテキストコード情報を送信する。例えば、株式注文伝票を示す書式IDであれば、所定の証券会社のサーバに送信し、電車の席を予約する帳票を示す書式IDであれば、所定の鉄道会社又は旅行会社のサーバに送信する。その後、受付処理がOKである旨のメッセージを携帯電話2にメールで送信する。携帯電話2では、ネットワーク通信部22が当該メッセージを受信し、処理部25が表示部24に表示する。これによって、当該メッセージが表示部24に表示されるので、利用者は伝票に記入した情報が受け付けられたことを確認することができる。
【0058】
以上本発明の実施の形態について説明したが、図1に示す手書き情報送信システム100内の各部を機能させるために、画像処理プロセッサや処理部で実行されるプログラムをコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録し、その記録したプログラムをコンピュータに読み込ませ、実行させることにより、本発明の実施の形態に係る手書き情報送信システム100が実現されるものとする。なお、プログラムをインターネット等のネットワーク経由でコンピュータに提供してもよいし、プログラムが書き込まれた半導体チップ等をコンピュータに組み込んでもよい。
【0059】
以上説明した本発明の実施の形態によれば、帳票、電子ペン1及び携帯端末2を所持することによって、手書きの画像情報をいつでもどこでも所望のアドレス(携帯端末、PC、サーバやFAX等)に送信することができる。また、予めアドレスを番号に対応させて記憶しておくことによって、送信先アドレスの指定を簡単に行うことができる。さらに、複数のアドレスを指定することによって、手書きの画像情報を一括して複数の送信先に送信することができる。
【0060】
また、サーバ3にOCR機能を持たせることによって、復元した手書き情報をテキストコード情報に変換することができる。これによれば、例えば、帳票として各種注文や各種予約の書式を有する伝票を使用することによって、電子ペン1で伝票に記入するという自然で簡単な操作で注文や予約を行うことができる。すなわち、利用者は、携帯電話2の煩雑な操作をする必要がなくなる。
【0061】
以上、本発明を実施するための最良の形態について説明したが、上記実施の形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】手書き情報送信システムの構成を示す図である。
【図2】携帯電話2の構成を示す図である。
【図3】サーバ3の構成を示す図である。
【図4】サーバ3の記憶部35に記憶されるデータの構成を示す図であり、(a)は筆跡変換情報35Aの構成を示し、(b)はメールアドレス情報35Bの構成を示す。
【図5】送信先メールアドレスを登録する際に用いる帳票の例を示す図である。
【図6】送信先メールアドレス等の登録を行う際に用いるメモ用紙の例を示す図である。
【図7】手書き情報を送信する際に用いる帳票の例を示す図である。
【図8】送信先メールアドレス登録の処理を示すフローチャートである。
【図9】手書き情報送信の処理(1/2)を示すフローチャートである。
【図10】手書き情報送信の処理(2/2)を示すフローチャートである。
【図11】OCR機能によって手書き情報をテキストコード情報に変換する場合に用いる帳票の具体例を示す図である。
【符号の説明】
【0063】
100 手書き情報送信システム
1 電子ペン
2 携帯電話(携帯端末)
21 無線通信部(第1の通信処理部)
22 ネットワーク通信部(第1の通信処理部)
25 処理部(第1の通信処理部)
3 サーバ(情報処理装置、手書き情報送信サーバ)
31 ネットワーク通信部(第2の通信処理部、通信処理部)
34 処理部(第2の通信処理部、通信処理部)
35 記憶部
35A 筆跡変換情報
35A1 書式ID
35A2 座標系情報
35B メールアドレス情報(アドレス情報)
35B1 書式ID
35B2 利用者ID
35B3 登録番号
35B4 メールアドレス(アドレス)
4 端末
5 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のドットパターンを有する用紙と、電子ペンと、前記電子ペンと無線通信可能な携帯端末と、前記携帯端末と通信可能な情報処理装置とを備える手書き情報送信システムであって、
前記電子ペンは、
固有の書式IDを有する前記用紙に当該電子ペンによって手書きされ、その手書きの軌跡を示す手書き情報の送信先番号が指定されるのに伴って移動する際に、前記ドットパターンを逐次読み取るとともに、前記書式IDを読み取る読取部と、
前記読取部が読み取ったドットパターンから前記用紙上の前記電子ペンのペン先位置情報を算出する位置算出部と、
前記電子ペンに固有の利用者IDを予め記憶するとともに、前記読取部が読み取った書式ID及び前記位置算出部が算出した一連のペン先位置情報を記憶するメモリと、
を備え、
前記携帯端末は、
前記電子ペンから前記メモリに記憶された書式ID、利用者ID及びペン先位置情報を含む筆跡元情報を受信し、前記筆跡元情報を前記情報処理装置に送信する第1の通信処理部を備え、
前記情報処理装置は、
前記書式IDごとに、前記用紙上の位置で特定される各領域と、当該領域が有する機能との対応を示す座標系情報と、
前記書式ID及び前記利用者IDごとに、前記手書き情報の送信先番号と、送信先アドレスとの対応を示すアドレス情報と、
を記憶する記憶部と、
前記携帯端末から前記筆跡元情報を受信し、当該筆跡元情報から前記書式ID、前記利用者ID及び前記ペン先位置情報を抽出し、
前記記憶部を参照して、前記書式IDから前記座標系情報を特定し、
前記座標系情報に基づいて、抽出した前記ペン先位置情報から前記手書き情報及び前記送信先番号を復元し、
前記記憶部に記憶されたアドレス情報を参照して、前記書式ID、前記利用者ID及び前記送信先番号から前記送信先アドレスを特定し、
前記送信先アドレスに前記手書き情報を送信する第2の通信処理部と、
を備える
ことを特徴とする手書き情報送信システム。
【請求項2】
請求項1に記載の手書き情報送信システムであって、
前記第2の通信処理部は、前記書式IDに応じて、復元した前記手書き情報をOCR機能によってテキストコード情報に変換し、当該テキストコード情報を前記送信先アドレスに送信する
ことを特徴とする手書き情報送信システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の手書き情報送信システムであって、
前記送信先アドレスは、メールアドレス又はFAX番号である
ことを特徴とする手書き情報送信システム。
【請求項4】
電子ペンを用いて、所定のドットパターンを有する用紙に当該電子ペンによって手書きされ、その手書きの軌跡を示す手書き情報の送信先番号が指定されるのに伴って、前記電子ペンから前記用紙に固有の書式ID、前記電子ペンに固有の利用者ID及び前記用紙上のペン先位置情報を受信し、前記手書き情報を復元し、前記送信先番号に対応するアドレスに送信する手書き情報送信サーバであって、
前記書式IDごとに、前記用紙上の位置で特定される各領域と、当該領域が有する機能との対応を示す座標系情報と、
前記書式ID及び前記利用者IDごとに、前記手書き情報の送信先番号と、送信先アドレスとの対応を示すアドレス情報と、
を記憶する記憶部と、
前記記憶部を参照して、受信した前記書式IDから前記座標系情報を特定し、
前記座標系情報に基づいて、受信した前記ペン先位置情報から前記手書き情報及び前記送信先番号を復元し、
前記記憶部に記憶されたアドレス情報を参照して、前記書式ID、受信した前記利用者ID及び前記送信先番号から前記送信先アドレスを特定し、
前記送信先アドレスに前記手書き情報を送信する通信処理部と、
を備える
ことを特徴とする手書き情報送信サーバ。
【請求項5】
請求項4に記載の手書き情報送信サーバであって、
前記通信処理部は、前記書式IDに応じて、復元した前記手書き情報をOCR機能によってテキストコード情報に変換し、当該テキストコード情報を前記送信先アドレスに送信する
ことを特徴とする手書き情報送信サーバ。
【請求項6】
請求項4又は請求項5に記載の手書き情報送信サーバであって、
前記送信先アドレスは、メールアドレス又はFAX番号である
ことを特徴とする手書き情報送信サーバ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図5】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2008−181407(P2008−181407A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−15256(P2007−15256)
【出願日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(300009309)
【Fターム(参考)】