説明

把持装置

【課題】膨張体により対象物を把持する場合に、対象物が、従来においては把持に困難な姿勢や位置をとっていても、対象物を把持できるようにする。
【解決手段】開口1aを持つ対象物を把持する把持装置である。開口1aから対象物1の内部空間1bに挿入され、膨張可能な膨張体3を備える。膨張体3は、内部空間1b内で膨張することで対象物1の内面に接触圧を作用させ、該接触圧により対象物1を把持する。膨張体3には挿入案内部5が取り付けられ、該挿入案内部5は、開口1aへの膨張体3の挿入を案内するように膨張体3から突出している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物を把持する把持装置に関する。より詳しくは、対象物の開口に膨張体を挿入し、その後、膨張体を膨張させることで、対象物の内面と膨張体との接触圧により対象物を把持する把持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、膨張体31を有する把持装置30による把持を示す。まず、図1(A)のように、膨張体31を、対象物1(例えば配管)の開口1aに挿入させ、その後に、図1(B)のように、膨張体31を膨張させることで、対象物1の内面と膨張体31との接触圧により対象物1を把持する。このような把持装置は、例えば下記の特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−180672号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述の把持装置30では、対象物1の姿勢や位置によって把持が困難となる場合がある。例えば、図2のように、バラ積みされている各対象物1は、様々な姿勢を取り様々な位置にある。この場合、姿勢や位置によっては膨張体31を開口1aに挿入することが困難となる。例えば、図2において、矢印Aで示す対象物1の開口1aへは、膨張体31を挿入できるが、矢印Bで示す対象物1の開口1aへは、膨張体31を挿入することが困難となる。このように、対象物1の姿勢や位置によって、把持が困難となる。
【0005】
そこで、本発明の目的は、対象物の把持を容易にすることにある。即ち、本発明の目的は、膨張体により対象物を把持する場合に、対象物が、従来においては把持に困難な姿勢や位置をとっていても、対象物を把持できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明によると、開口を持つ対象物を把持する把持装置であって、
前記開口から前記対象物の内部空間に挿入され、膨張可能な膨張体を備え、該膨張体は、前記内部空間内で膨張することで前記対象物の内面に接触圧を作用させ、該接触圧により前記対象物を把持し、
前記膨張体には挿入案内部が取り付けられ、該挿入案内部は、前記開口への膨張体の挿入を案内するように前記膨張体から突出している、ことを特徴とする把持装置が提供される。
【0007】
上述した本発明の把持装置では、膨張体から突出した挿入案内部を設けることで、対象物の開口への膨張体の挿入を、挿入案内部により案内できるので、対象物を把持し易くなる。即ち、挿入案内部により、対象物の開口から膨張体を挿入し易くなるので、対象物が、従来においては把持に困難な姿勢や位置をとっていても、対象物の開口から膨張体3を挿入して、膨張体の膨張により対象物を把持できる。
【0008】
本発明の好ましい実施形態によると、前記挿入案内部を支持する弾性機構を備え、該弾性機構は、細長く延びてその先端に前記挿入案内部が結合され弾性変形可能である。
【0009】
このように、細長く延びてその先端に前記挿入案内部が結合され弾性変形可能な弾性機構を備えるので、弾性機構は、挿入案内部と共に、対象物の内部空間に挿入されていくにつれ、対象物の内部空間の形状に応じて変形できる。従って、膨張体を、内部空間の奥の方まで挿入でき、その後、膨張体を膨張させることで、膨張体と対象物の内面との接触面積を大きくとれ、または、内部空間の奥で膨張体を内面と接触させることができる。よって、確実な把持が可能となる。
【0010】
弾性機構は、次の構成を有してよい。
【0011】
前記弾性機構は、複数のアーム、関節、および弾性体とを有し、
前記複数のアームは、前記関節を介して互いに連結されるとともに、該関節を中心に揺動可能であり、
前記関節に連結され、かつ、該関節の両側にある2つの前記アームが、外力により、互いに対する基本姿勢から揺動した場合、該外力が無くなると、前記弾性体により基本姿勢に戻される。
【0012】
本発明の好ましい実施形態によると、前記挿入案内部を移動させる動作機構と、
前記開口を認識する認識部と、
該認識に基づいて、前記挿入案内部を、前記開口から前記対象物の内部空間に挿入させるように前記動作機構を制御する動作制御部と、を備える。
【0013】
このように、認識部による開口の認識に基づいて、前記挿入案内部を、前記開口から前記対象物の内部空間に挿入させる場合に、前記挿入案内部は、上述のように、前記膨張体から突出して挿入を案内するので、動作制御部による挿入制御が容易になる。
【発明の効果】
【0014】
上述した本発明によると、膨張体により対象物を把持する場合に、対象物が、従来においては把持に困難な姿勢や位置をとっていても、対象物を把持できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】膨張体により対象物を把持する従来の構成を示す。
【図2】本発明の課題を説明する図である。
【図3】本発明の実施形態による把持装置の構成を示す。
【図4】(A)は、図3における膨張体付近の拡大図であり、(B)は、膨張体が膨張した状態を示す。
【図5】弾性体の構成例を示す。
【図6】本発明の実施形態による把持装置の動作を示す。
【図7】本発明の他の実施形態による把持装置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明を実施するための最良の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0017】
図3は、本発明の実施形態による把持装置10を示す。把持装置10は、膨張体3、挿入案内部5、弾性機構7、動作機構8、認識部9、および動作制御部11を備える。
【0018】
膨張体3は、対象物1(この例では、L字型の配管)の開口1aから対象物1の内部空間1bに挿入され、膨張可能である。該膨張体3は、内部空間1b内で膨張することで対象物1の内面に接触圧を作用させ、該接触圧により対象物1を把持できる。
【0019】
膨張体3をより詳しく説明する。図4(A)は、膨張体3付近の拡大図である。膨張体3は、例えば、ゴムやビニール等で形成された袋状である。膨張体3の内部に、空気導入部13を通して空気が供給されることで、図4(B)のように膨張体3が膨張する。一方、膨張体3の内部に空気が導入されず空気導入部13を通して外気へ開放されている場合には、図4(A)のように膨張体3はしぼむ。空気導入部13は、例えば、支持体15の内部に形成された空気流路であってよい。空気導入部13には、変形可能なエアチューブ(図示せず)が接続されており、このエアチューブから空気導入部13を通って膨張体3内の空気室3aに空気が導入される。図3、図4の例では、膨張体3の先端が、挿入案内部5に結合され、膨張体3の後端が、支持体15に結合され、これにより、膨張体3が、挿入案内部5と支持体15に支持される。ただし、本発明によると、膨張体3が挿入案内部5に結合されていればよく、支持体15に結合されていなくてもよく、空気導入部13は、支持体15に設けられていなくてもよい。
【0020】
挿入案内部5は、膨張体3に取り付けられる。挿入案内部5は、開口1aへの膨張体3の挿入を案内するように膨張体3から突出している。
【0021】
挿入案内部5をより詳しく説明する。図3、図4の例では、挿入案内部5は、膨張体3より細い形状を持つ。また、図3、図4の例では、挿入案内部5は、膨張体3の先端から突出するように膨張体3の先端に取り付けられている。また、図3、図4の例では、挿入案内部5の先端は、球形になっており、これにより、挿入案内部5の先端が対象物1に接触することで対象物1が傷付くことが防止される。
【0022】
弾性機構7は、挿入案内部5を支持する。弾性機構7は、細長く延びてその先端に挿入案内部5が結合され弾性変形可能である。
【0023】
弾性機構7をより詳しく説明する。弾性機構7は、複数のアーム7a、関節7b、および弾性体7cとを有する。複数のアーム7aは、関節7bを介して互いに連結されるとともに、該関節7bを中心に揺動可能である。関節7bに連結され、かつ、該関節7bの両側にある2つのアーム7aが、外力により、互いに対する基本姿勢(この例では、該2つのアーム7aが一直線上に位置する姿勢)から揺動した場合、該外力が無くなると、弾性体7cにより基本姿勢に戻される。図4の例では、4つのアーム7aが設けられている。弾性機構7の後端部(この例では、最後尾のアーム7aの後端)は、上述の支持体15に結合されている。なお、弾性機構7は、その姿勢に係わらず、挿入案内部5や膨張体3の重量や自重によっては、ほとんど弾性変形しないのがよい。
【0024】
弾性機構7をより具体的に説明する。各関節7bは、図4の例では、球面ジョイントにより構成される。球面ジョイントは、一方のアーム7aの端部に設けられた球体17と、他方のアーム7aの端部に設けられた窪み形成部19とからなる。窪み形成部19は、球体17の球面に嵌合する球形の窪み面19aを持つ。球体17と窪み面19aとは、球体17の球面に沿った任意の方向に互いに摺動可能である。球体17には、切り欠き部17aが形成され、この切り欠き部17a(即ち、空間)を通るように弾性体7cが配置される。即ち、弾性体7cは、一端部が、球体17に結合され、中間部が、切り欠き部17a内に位置し、他端部が、窪み形成部19に結合される。これにより、弾性体7cが、切り欠き部17aの内面21(図4を参照)に接触しない範囲内で湾曲しながら、アーム7aは、球面ジョイントを中心に外力により揺動でき、外力が無くなると、弾性体7cにより元の姿勢に戻される。内面21は、例えば、アーム7aが前記基本姿勢にある時の球体17の軸(即ち、弾性体7cの軸)に対して一定の角度を維持するように、該軸を回る周方向に延びて1周している。
【0025】
なお、弾性体7cは、図5のように、湾曲可能なチューブ23と、該チューブ23内に設けられたコイルバネ25とからなっていてよいし、弾性的に湾曲可能な他の構成からなっていてもよい。
なお、弾性機構7は、図4の例では、膨張体3の内部(空気室3a)に設けられているが、膨張体3の外部に設けられていてもよい。この場合、膨張体3が、挿入案内部5に結合されることで、挿入案内部5と弾性機構7を介して支持体15に支持されてよい。
【0026】
動作機構8は、挿入案内部5を移動させる。動作機構8は、例えば、図3のように、3次元的に動作可能なアーム機構であり、該アーム機構の先端部に支持体15が取り付けられている。図3の例では、動作機構8は、支持体15と弾性機構7を介して挿入案内部5を支持する。即ち、動作機構8の先端には、支持体15が結合され、支持体15には、弾性機構7の後端が結合され、弾性機構7の先端には、挿入案内部5が結合されている。従って、動作機構8の動作に伴って挿入案内部5が動作する。
【0027】
動作機構8をより詳しく説明する。図3の例では、動作機構8は、互いに連結された第1アーム部8aと第2アーム部8bなどから構成される。第1アーム部8aは、例えばシリンダ装置により構成されることで伸縮動作可能となっている。第1アーム部8aの先端(この例では、シリンダ装置のピストン先端)に、支持体15が固定されている。従って、第1アーム部8aが伸縮動作することで、支持体15が前後動(例えば昇降)する。また、第1アーム部8aは、例えばサーボモータ(図示せず)などにより、第1回転軸C1(図3において紙面と直交する軸)を中心として第2アーム部8bに対し回転動作させられる。第2アーム部8bは、第1アーム部8aと同様に伸縮動作可能に構成されてよい。また、第2アーム部8bは、例えばサーボモータにより第2回転軸C2(図3において、第2アーム部8bの中心軸と一致)を中心として回転動作させられる。このように、動作機構8(アーム)の動作は、例えば、第1アーム部8aと第2アーム部8bの伸縮動作および回転動作として行われる。また、第2アーム部8bは、図示しない機構により3次元的に動作(移動)させられるものであってよい。このような動作機構8により、挿入案内部5は、支持体15および弾性機構7と一体的に、3次元的に移動する。
【0028】
認識部9は、開口1aを認識する。認識部9は、撮像装置9aと画像処理装置9bを有する。撮像装置9aは、対象物1が積載されている場所を撮影できるように所定位置に設置される。撮像装置9aは、例えば、CCD(Charge Coupled Device)カメラであってよい。画像処理装置9bは、撮像装置9aが撮影により取得した画像データを処理することで、開口1aの輪郭を認識して、開口1aの位置と向きを認識する。例えば、画像処理装置9bは、開口1aの形状と寸法のデータを予め記憶しておき、このデータに基づいて、画像データ内にある開口1aの位置と向きを認識する。撮像装置9aは、それぞれ対象物1を異なる方向から撮影できるように複数箇所(図3の例では2箇所)に設けられてよいが、1箇所だけに設けられてもよい。
【0029】
動作制御部11は、認識部9による認識(即ち、開口1aの位置と向き)に基づいて、挿入案内部5を、開口1aから対象物1の内部空間1bに挿入させるように動作機構8を制御する。即ち、動作制御部11は、認識部9によって認識された開口1aの位置と向きに基づいて、動作機構8を制御することで、開口1aの手前まで挿入案内部5を移動させ、その後、挿入案内部5を開口1a内へ向けて移動させる。
【0030】
動作制御部11をより詳しく説明する。動作制御部11は、第1アーム部8aと第2アーム部8bの伸縮動作や回転動作などを動作機構8に行わせる。これにより、挿入案内部5を3次元的に移動させる。即ち、動作制御部11は、(1)第1アーム部8aを構成するシリンダ装置を伸縮させる制御、(2)第1アーム部8aを第1回転軸C1周りに回転駆動させるサーボモータの回転角制御、(3)第2アーム部8bを構成するシリンダ装置を伸縮させる制御、および(4)第2アーム部8bを第2回転軸C2周りに回転駆動させるサーボモータの回転角制御の少なくともいずれかを行うことで、挿入案内部5を3次元的に移動させる。
【0031】
なお、動作制御部11は、挿入案内部5を開口1aから内部空間1bへ所定の距離だけ挿入させたら、空気を、エア源から前記エアチューブ(図示せず)と空気導入部13を通して膨張体3内に導入させる制御を行う。この制御は、例えば、前記エア源と接続されている前記エアチューブに設けられた弁を開く制御である。また、前記エアチューブには、その内部を、外気に対し開放または閉鎖させる開閉弁が設けられていてよく、膨張体3内に空気を導入する時には、動作制御部11は、該開閉弁を開放し、膨張体3内に空気を導入しない時には、該開閉弁を閉じる制御を行ってよい。
【0032】
図6は、本実施形態による把持装置10の動作を示す。まず、図6(A)のように、動作制御部11の制御により、挿入案内部5を、対象物1の開口1aへ挿入させる。次いで、動作制御部11の制御により、挿入案内部5を、対象物1の内部空間1b内へさらに進入させる。この時、挿入案内部5が対象物1の内面に接触することで、弾性機構7が内部空間1bの形状に応じて弾性変形しながら、挿入案内部5が膨張体3と共に内部空間1bの奥の方へ進入する。その後、図6(B)のように、膨張体3を膨張させることで、膨張体3と対象物1の内面との接触面積を大きくとれ、内部空間1bの奥で膨張体3を内面と接触させることができる。
【0033】
上述の第1実施形態の搬送ロボット10によると、以下の効果(A)〜(C)が得られる。
【0034】
(A)上述した本発明の把持装置10では、膨張体3から突出した挿入案内部5を設けることで、対象物1の開口1aへの膨張体3の挿入を、挿入案内部5により案内できるので、対象物1を把持し易くなる。即ち、挿入案内部5により、対象物1の開口1aから膨張体3を挿入し易くなるので、対象物1が、従来においては把持に困難な姿勢や位置をとっていても、対象物1の開口1aから膨張体3を挿入して、膨張体3の膨張により対象物1を把持できる。
【0035】
(B)細長く延びてその先端に挿入案内部5が結合され弾性変形可能な弾性機構7を備えるので、弾性機構7は、挿入案内部5と共に、対象物1の内部空間1bに挿入されていくにつれ、対象物1の内面からの接触圧により、対象物1の内部空間1bの形状に応じて変形できる。従って、膨張体3を、内部空間1bの奥の方まで挿入でき、その後、膨張体3を膨張させることで、膨張体3と対象物1の内面との接触面積を大きくとれ、または、内部空間1bの奥で膨張体3を内面と接触させることができる。よって、確実な把持が可能となる。
【0036】
(C)認識部9による開口1aの認識に基づいて、挿入案内部5を、開口1aから対象物1の内部空間1bに挿入させる場合に、挿入案内部5は、上述のように、膨張体3から突出し、膨張体3より細い形状を持つので、動作制御部11による挿入制御が容易になる。
【0037】
本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、以下のように変更可能である。
【0038】
弾性機構7は、上述の構成の代わりに、他の構成を有してよい。例えば、図7のように、挿入案内部5が先端に結合され、支持体15が後端に結合され、弾性的に湾曲する棒状弾性体であってよい。この棒状弾性体7は、例えば、図5の弾性体7bと同様に湾曲可能なチューブ23と、このチューブ23内に設けられるコイルバネ25とから構成されてよい。図7の構成の弾性機構7を採用する場合、把持装置10の他の構成は、上述の実施形態と同じであってよい。
【0039】
また、対象物1は、上述の実施形態ではL字型の配管であったが、本発明によると配管に限定されず、開口1aと内部空間1bを有する他の物品や部品などであってよい。
【0040】
本発明は、バラ積みされている対象物1を把持する場合にも、バラ積みされていない対象物1を把持する場合にも適用できる。
【符号の説明】
【0041】
1 対象物、1a 対象物の開口、1b 対象物の内部空間、
3 膨張体、3a 空気室、5 挿入案内部、7 弾性機構、
7a アーム、7b 関節、7c 弾性体、8 動作機構、
8a 第1アーム部、8b 第2アーム部、9a 撮像装置、
9b 画像処理装置、10 把持装置、11 動作制御部、
13 空気導入部、15 支持体、17 球体、17a 切り欠き部、
19 窪み形成部、19a 窪み面、21 切り欠き部の内面、
23 チューブ、25 コイルバネ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を持つ対象物を把持する把持装置であって、
前記開口から前記対象物の内部空間に挿入され、膨張可能な膨張体を備え、該膨張体は、前記内部空間内で膨張することで前記対象物の内面に接触圧を作用させ、該接触圧により前記対象物を把持し、
前記膨張体には挿入案内部が取り付けられ、該挿入案内部は、前記開口への膨張体の挿入を案内するように前記膨張体から突出している、ことを特徴とする把持装置。
【請求項2】
前記挿入案内部を支持する弾性機構を備え、該弾性機構は、細長く延びてその先端に前記挿入案内部が結合され弾性変形可能である、ことを特徴とする請求項1に記載の把持装置。
【請求項3】
前記弾性機構は、複数のアーム、関節、および弾性体とを有し、
前記複数のアームは、前記関節を介して互いに連結されるとともに、該関節を中心に揺動可能であり、
前記関節に連結され、かつ、該関節の両側にある2つの前記アームが、外力により、互いに対する基本姿勢から揺動した場合、該外力が無くなると、前記弾性体により基本姿勢に戻される、ことを特徴とする請求項2に記載の把持装置。
【請求項4】
前記挿入案内部を移動させる動作機構と、
前記開口を認識する認識部と、
該認識に基づいて、前記挿入案内部を、前記開口から前記対象物の内部空間に挿入させるように前記動作機構を制御する動作制御部と、を備える、ことを特徴とする請求項1、2または3に記載の把持装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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