投光器付き画像生成装置、投光器および画像生成装置
【課題】対向車が照射する光線の影響を受けることなく、自車前方の画像を生成することができる投光器付き画像生成装置、投光器および画像生成装置を提供する。
【解決手段】自車の進路前方に光線を照射する光線照射手段101と、対向車が照射する光線との干渉を回避するように上記光線の照射を制御する光線照射制御手段102と、前記光線の反射光線、および前記対向車が照射する光線の少なくとも一方を含む光線を受光する光線受光手段103と、前記光線受光手段103が受光した光線から画像を生成する画像生成手段104という構成により、自車と対向車の両方の投光器が照射する光線が衝突しないように照射を制御することが出来るという作用を有する。
【解決手段】自車の進路前方に光線を照射する光線照射手段101と、対向車が照射する光線との干渉を回避するように上記光線の照射を制御する光線照射制御手段102と、前記光線の反射光線、および前記対向車が照射する光線の少なくとも一方を含む光線を受光する光線受光手段103と、前記光線受光手段103が受光した光線から画像を生成する画像生成手段104という構成により、自車と対向車の両方の投光器が照射する光線が衝突しないように照射を制御することが出来るという作用を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両前方の暗視画像生成の技術分野に関し、特に、投光器付き画像生成装置、投光器および画像生成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車のヘッドライト等に適用される投光器の従来技術として、特許文献1に記載したものが知られている。この投光器を図11に示す。
【0003】
この従来技術では、光源16と、前記光源16の後方に配置され前記光源16からの光を赤外光IRと可視光Bとに分光して一方を反射し他方を透過可能なまたは一方を透過し他方を反射可能なダイクロイックミラー18と、前記ダイクロイックミラー18の後方に配置され前記ダイクロイックミラー18を透過した光を前方へ反射する反射ミラー20とを備え、前記ダイクロイックミラー18によって反射する光と前記反射ミラー20によって反射する光とのうち赤外光IRの光軸が可視光Bの光軸よりも上方へ向くように前記ダイクロイックミラー18と反射ミラー20の相対位置を設定することを特徴とする投光器10である。単一の投光器10によって、可視光Bを投光できるのみならず赤外光IRをも投光できるため、暗視装置の光源としても用いることが可能になり、コストや配置スペースが増加することがなく、しかもランプの光エネルギーを有効に利用できるという効果がある。
【0004】
この従来技術が前提としているランプとしては、近赤外線を含むハロゲンランプ、HIDランプなどが考えられる。この従来技術は、夜間の車両前方を暗視画像(近赤外線領域)で表示することで夜間の視界を補助する夜間視界補助システムにおける投光器などへの適用が可能である。
【0005】
また、特許文献2記載の方法によれば、対向車のヘッドライトで眩惑されて見えなくなる領域を近赤外線画像で補完して表示モニタに表示することが出来る。これにより、蒸発現象により見えなくなった歩行者を暗視画像により確認できる。
【0006】
また、近年、歩行者が発する遠赤外線を受動的に受光して、暗視画像を生成するシステムも実用化されている。
【特許文献1】特開2000-235803号公報
【特許文献2】特開平11-308609号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、夜間に対向車とすれ違う状況において、対向車も同様に夜間視界補助システムを搭載している場合、対向車からも近赤外線の照射が行われているため、自車の取得する暗視画像が対向車の近赤外線の影響を受けてしまうという問題があった。
【0008】
一方で、遠赤外線を受動的に受光して画像を生成する方法は、対向車の近赤外線の影響は受けないが、路上に存在するダンボール箱など、道路環境に比べて温度の差が小さい物体の検出が困難という問題がある。
【0009】
本発明は、前記従来の問題を解決するためになされたものであって、対向車が照射する光線の影響を受けることなく、自車前方の画像を生成することができる投光器付き画像生成装置、投光器および画像生成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る投光器付き画像生成装置は、自車の進行方向前方に光線を照射する光線照射手段と、前記光線照射手段が照射した光線の反射光線、および対向車が照射した光線の少なくとも一方を受光する光線受光手段と、前記光線照射手段が照射する光線と前記対向車が照射する光線との干渉を回避するように前記光線照射手段が照射する光線を制御する光線照射制御手段と、前記光線受光手段が受光した光線から画像を生成する画像生成手段と、を有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、自車と対向車の両方の投光器が照射する光線が衝突しないように照射を制御することが出来るため、対向車が照射する光線の影響を受けることなく、自車前方の画像を生成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0013】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1における投光器付き画像生成装置を説明する。図1は、本発明の実施の形態1における投光器付き画像生成装置の構成を示すブロック図である。図1において、投光器付き画像生成装置100は、LEDなど近赤外線を自車の進路前方にパルス状に照射する近赤外線照射部101、近赤外線照射部101から照射される近赤外線の照射タイミングを制御する近赤外線照射制御部102、近赤外線照射部101から照射された近赤外線が車両の進路前方に存在する物体(車両、歩行者、路上落下物など)に反射した反射光や、対向車が照射する近赤外線を受光する近赤外線受光部103、近赤外線受光部103で受光した近赤外線から暗視画像を生成する暗視画像生成部104から構成される。
【0014】
尚、近赤外線照射制御部102において、近赤外線照射部101から照射される近赤外線の照射タイミングを制御する方法としては、近赤外線を照射するLEDの点滅パターンを電気的に制御する方法などが考えられる。
【0015】
また、近赤外線受光部103は、近赤外線照射制御部102の制御下において、特定のタイミングで受光するCCDカメラなどとして実現される。特定のタイミングで受光する方法としては、カメラのシャッタースピードを動的に変更する方法などが考えられる。暗視画像生成部104は、近赤外線受光部103の受光タイミングに応じて、画像を生成する。
【0016】
尚、他の方法として、暗視画像生成部104にて十分に高いフレームレートで画像を生成した後に、意図する画像のみを、得られた画像から抽出する方法なども考えられる。
【0017】
図2は、本発明の実施の形態1における投光器付き画像生成装置の動作を示すフロー図である。
【0018】
夜間、運転者が前照灯を付けると、投光器付き画像生成装置100は、近赤外線照射部101によって近赤外線を前方に照射し、同時に近赤外線照射部101が照射した近赤外線の反射光を近赤外線受光部103によって受光し、暗視画像生成部104によって暗視画像を連続的に生成する(S200)。投光器付き画像生成装置100は、近赤外線を照射する対向車が存在しない状況で、自車が前照灯を付けて通常走行を行っている期間(以後、通常走行時と呼ぶ)には、S200の動作を行う。これにより、運転者は夜間でも前方視野に存在する歩行者などの障害物を検出することができる。
【0019】
しかしながら、自車が道路を走行中に、自車の進路前方から接近する対向車が存在し、対向車から近赤外線が照射されていることが近赤外線受光部103によって検知されると(S201:Yes)、近赤外線照射制御部102は、近赤外線照射部101が照射している近赤外線の照射タイミングと近赤外線受光部103が受光した対向車の近赤外線の照射タイミングとが重なっていないかの判定(近赤外線衝突判定)を行う(S202)。
【0020】
近赤外線の照射タイミングが重なっている場合(S203:Yes)、近赤外線照射制御部102が近赤外線の照射タイミングと受光タイミングを同期させてランダムに更新する(S204)。照射タイミングの更新方法としては、周期を変更しても良いし、位相を変更しても良い。その後、近赤外線照射部101は、近赤外線照射制御部102の制御に応じて新たな照射タイミングで近赤外線の照射を行い(S205)、近赤外線照射制御部102は再度近赤外線衝突判定(S202)を行う。
【0021】
一方、近赤外線照射判定(S202)において近赤外線の照射タイミングの衝突が無いと判定された場合(S203:No)、近赤外線照射制御部102は近赤外線の照射タイミングの変更を行わずに、近赤外線照射部101による近赤外線の照射を継続する(S206)。
【0022】
ここで、対向車からの近赤外線の照射を検知することにより対向車の接近を検知する方法としては、赤外線照度計を用いる方法や、自車の近赤外線照射部101が近赤外線を照射していない状況下で、一定以上のエネルギー量を持った近赤外線の光源の接近を画像処理により抽出する方法などが考えられる。その他、通信手段(図1には図示しない)により対向車の位置情報(絶対座標等)を取得する方法などが考えられる。
【0023】
また、対向車の近赤外線の照射タイミングが重なっていないかの判定方法の一例について、図10を用いて説明する。まず、自車の近赤外線照射部101の近赤外線の照射タイミングを調整し、近赤外線を照射していない状況下で、暗視画像生成部104が生成した図10(a)に示すような暗視画像(画像A)と、近赤外線を照射している状況下での暗視画像生成部104が生成した図10(b)に示すような暗視画像(画像B)とを比較し、画像A上にある近赤外線の光源1001が画像B上にも近赤外線の光源1002として存在している場合には照射のタイミングが重なっていると判定すればよい。図10(a)、(b)は、対向車の近赤外線照射がある場合について示したものである。
【0024】
このようにして、自車の近赤外線照射部101が照射する近赤外線の照射タイミングと対向車が照射する近赤外線の照射タイミングとに重なりがなくなったら、暗視画像生成部104において暗視画像を生成する。
【0025】
図8は、自車の近赤外線照射部101が照射する近赤外線の照射タイミングと対向車が照射する近赤外線の照射タイミングとに重なりが無い場合の自車と対向車の近赤外線照射パターン、近赤外線受光パターンを示している。
【0026】
図8(a)〜(d)を縦断する破線Aに示すように、自車が近赤外線を照射するタイミング(LEDが点灯しているタイミング)では自車の近赤外線が受光するタイミング(カメラのシャッターが開いているタイミング)になっているが、対向車は近赤外線の照射、受光共に行っていないタイミングになっている。
【0027】
一方、破線Bを見ると、対向車が近赤外線を照射、近赤外線を受光するタイミングになっているが、自車は近赤外線の照射、受光共に行っていないタイミングになっている。
【0028】
尚、暗視画像生成部104が暗視画像を生成する際には、十分に高いフレームレートで暗視画像を生成することにより、必ずしも近赤外線受光部103は近赤外線照射部101の照射タイミングに同期して近赤外線の受光を行う必要はなくなる。
【0029】
図4は、近赤外線受光部103が近赤外線照射部101の照射タイミングに同期して近赤外線の受光を行わない場合の近赤外線受光部103、暗視画像生成部104の動作を示すフロー図である。
【0030】
通常走行時の動作(S400)は、S200と同様である。しかしながら、近赤外線受光部103が近赤外線を受光すると(S401)、暗視画像生成部104は無条件で暗視画像を生成する(S402)。
【0031】
次に、生成した暗視画像内に対向車が照射していると思われる近赤外線が映っているかを判断する(S403)。近赤外線が映っている場合(S403:Yes)、生成した暗視画像は棄却する(S404)。一方、近赤外線成分が映っていない場合(S403:No)、生成した暗視画像を採用する(S405)。
【0032】
以上の動作により、本発明の実施の形態1における投光器付き画像生成装置100は、対向車が照射する近赤外線の影響を受けていない暗視画像を得ることが出来る。
【0033】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2における投光器付き画像生成装置を説明する。本発明の実施の形態2における投光器付き画像生成装置のブロック図は、図1に示した本発明の実施の形態1と同様であるが、一部動作が異なる。以下で、特に本発明の実施の形態1との相違点を説明する。
【0034】
本実施の形態の投光器付き画像生成装置100は、近赤外線を照射するLED、もしくはハロゲンランプやHID(High Intensity Discharge)ランプなどの光源に近赤外線透過フィルタ、ダイクロイックミラーを取り付けて抽出した近赤外線を自車の進路前方に向けて照射する近赤外線照射部101、近赤外線照射部101から照射される近赤外線の分光分布を制御する近赤外線照射制御部102、近赤外線照射部101から照射された近赤外線が車両の進路前方に存在する物体(車両、歩行者、路上落下物など)に反射した反射光や、対向車が照射する近赤外線を受光する近赤外線受光部103、近赤外線受光部103で受光した近赤外線から暗視画像を生成する暗視画像生成部104から構成される。
【0035】
尚、近赤外線照射制御部102において、近赤外線照射部101から照射される近赤外線の分光分布を制御する方法としては、LEDが照射する光線の波長を電気的に変化させたり、特定帯域の波長の光線のみを反射するダイクロイックミラーや特定帯域の波長のみを透過させるダイクロイックフィルタ、バンドパスフィルタなどの光学フィルタを複数用意してそれらを切り替えたり、エレクトロミック素材の光学フィルタを用いて透過する光線の波長を電気的に切り替えたりすることで光源から照射される近赤外線の分光分布を変える方法などが考えられる。
【0036】
また、近赤外線受光部103は、近赤外線照射制御部102の制御下において、特定帯域の波長の近赤外線のみを受光するCCDカメラなどとして実現される。特定帯域の波長の近赤外線のみを受光する方法としては、カメラにダイクロイックフィルタ、バンドパスフィルタなどの光学フィルタを複数用意してそれらを切り替えたり、エレクトロミック素材の光学フィルタを用いて透過する光線の波長を電気的に切り替えたりすることによって透過する近赤外線の帯域を変えることで入射する近赤外線の波長を制限する方法などが考えられる。
【0037】
図3は、本発明の実施の形態2における投光器付き画像生成装置の動作を示すフロー図である。
【0038】
通常走行時の動作(S300)は、本発明の実施の形態1におけるS200と同様である。しかしながら、自車が道路を走行中に自車の進路前方から接近する対向車が存在し、近赤外線受光部103によって対向車から近赤外線が照射されていることが検知されると(S301:Yes)、近赤外線照射制御部102において、近赤外線照射部101が照射している近赤外線の分光分布と近赤外線受光部103が受光した対向車の近赤外線の分光分布とが重なっていないかの判定(近赤外線照射衝突判定)を行う(S302)。
【0039】
近赤外線の分光分布が重なっている場合(S303)、近赤外線照射制御部102は、近赤外線の分光分布をランダムに更新する(S304)。その後、近赤外線照射部101は、近赤外線照射制御部102の制御に応じて新たな分光分布で近赤外線の照射を行い(S305)、近赤外線照射制御部102は再度近赤外線衝突判定(S302)を行う。
【0040】
一方、近赤外線照射判定(S302)において近赤外線の分光分布の重なりが無いと判定された場合(S303:No)、近赤外線照射制御部102は近赤外線の分光分布の変更を行わずに、近赤外線照射部101による近赤外線の照射を継続する(S306)。
【0041】
ここで、対向車が照射する近赤外線の分光分布と重なりが無いかを判定する方法としては、近赤外線照射制御部102が近赤外線を照射していない状況下で、暗視画像生成部104が、近赤外線照射部102が照射する近赤外線の分光分布に対応した帯域成分の反射光を受光するように設定された近赤外線受光部103を用いて暗視画像を生成したときに、暗視画像の中に高輝度部分が含まれている場合に重なりがあると判定する方法がある。
【0042】
このようにして、自車の近赤外線照射部101が照射する近赤外線の分光分布と対向車が照射する近赤外線の分光分布とに重なりがなくなったら、近赤外線受光部103は近赤外線照射部101が照射している近赤外線の分光分布と同様の分光分布を持つ近赤外線のみを受光する。
【0043】
図9は、自車の近赤外線照射部101が照射する近赤外線の分光分布と対向車が照射する近赤外線の分光分布とに重なりが無い場合の自車と対向車が照射、受光する近赤外線の分光分布を示している。
【0044】
図9(a)〜(d)を縦断する破線Aに示すように、自車が照射する近赤外線の分光分布においてエネルギーの大きい波長を含むような帯域が、受光の際も透過率が高くなっているが、対向車は当該帯域の波長の近赤外線を照射せず、同時に受光の際にも透過率が低くなっている。一方、破線Bを見ると、対向車が近赤外線を照射、近赤外線を受光する帯域の近赤外線を、自車は照射、受光共に行わないようになっている。
【0045】
以上の動作により、本発明の実施の形態2における投光器付き画像生成装置100は、対向車が照射する近赤外線の影響を受けていない暗視画像を得ることが出来る。
【0046】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3における投光器付き画像生成装置を説明する。図5は、本発明の実施の形態3における投光器付き画像生成装置の構成を示すブロック図である。図5において、投光器付き画像生成装置500の構成要素は、本発明の実施の形態1における投光器付き画像生成装置100(図1参照)の構成要素を含んでおり、同等の機能を持つ。
【0047】
すなわち、近赤外線照射部501は本発明の実施の形態1における近赤外線照射部101と、近赤外線照射制御部502は本発明の実施の形態1における近赤外線照射制御部102と、近赤外線受光部503は本発明の実施の形態1における近赤外線受光部103と、暗視画像生成部504は本発明の実施の形態1における暗視画像生成部104と同等の機能を有する。
【0048】
しかしながら、本発明の実施の形態3における投光器付き画像生成装置500は、対向車との間で近赤外線の照射タイミングが衝突しないように、電磁波を利用した通信手段を用いて近赤外線の照射タイミングを交渉する近赤外線照射方法交渉部505を有する点が本発明の実施の形態1と異なる。
【0049】
尚、近赤外線照射方法交渉部505において、対向車との間で近赤外線の照射タイミングを交渉する際に用いる電磁波を利用した通信手段としては、車両間で直接的に通信を行う車車間通信、道路脇などに設置された路側システムや基地局を介して間接的に通信を行う車路車通信が考えられる。
【0050】
車車間通信としては、具体的には、可視光LEDなど可視光帯域の電磁波を使って通信を行う可視光通信、赤外線帯域の電磁波を使って通信を行う赤外線通信、さらに高周波の電磁波を使って通信を行うDSRC(Dedicated Short Range Communication)などが考えられる。車路車通信としては、DSRC、無線LAN、携帯電話のデータ通信などが考えられる。
【0051】
図6は、本発明の実施の形態3における投光器付き画像生成装置の動作を示すフロー図である。
【0052】
通常走行時の動作(S600)は、本発明の実施の形態1におけるS200と同様である。しかしながら、自車が道路を走行中に自車の進路前方から接近する対向車が存在し、近赤外線受光部503によって対向車から近赤外線が照射されていることが検知されると(S601:Yes)、近赤外線照射方法交渉部505は、電磁波を利用した通信手段によって、対向車との間で互いの近赤外線の照射タイミングが重ならないように交渉(近赤外線照射タイミング交渉)を行う(S602)。例えば、照射タイミングの周波数と開始タイミング(位相)を互いに共有する。交渉が完了すると、近赤外線照射制御部502は、交渉結果に合わせて近赤外線の照射タイミングを更新し(S603)、近赤外線照射部501は、新たな照射タイミングで近赤外線の照射を開始する。(S604)。
【0053】
このようにして、自車の近赤外線照射部501が照射する近赤外線の照射タイミングと対向車が照射する近赤外線の照射タイミングとに重なりがなくなったら、近赤外線受光部503は近赤外線照射部501の照射タイミングに同期して近赤外線の受光を行い、暗視画像生成部504において暗視画像を生成する。
【0054】
以上の動作により、本発明の実施の形態3における投光器付き画像生成装置500は、対向車が照射する近赤外線の影響を受けていない暗視画像を得ることが出来る。
【0055】
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4における投光器付き画像生成装置を説明する。本発明の実施の形態4における投光器付き画像生成装置のブロック図は、図5に示した本発明の実施の形態3と同様であるが、一部動作が異なる。以下で、特に本発明の実施の形態3との相違点を説明する。
【0056】
本実施の形態の投光器付き画像生成装置500は、本発明の実施の形態2における投光器付き画像生成装置100の構成要素を含んでおり、同等の機能を持つ。すなわち、近赤外線照射部501は本発明の実施の形態1における近赤外線照射部101と、近赤外線照射制御部502は本発明の実施の形態1における近赤外線照射制御部102と、近赤外線受光部503は本発明の実施の形態1における近赤外線受光部103と、暗視画像生成部504は本発明の実施の形態1における暗視画像生成部104と同等の機能を有する。
【0057】
しかしながら、本発明の実施の形態4における投光器付き画像生成装置500は、更に対向車との間で近赤外線の分光分布が重ならないように、電磁波を利用した通信手段を用いて近赤外線の分光分布を交渉する近赤外線照射方法交渉部505を有する。
【0058】
図7は、本発明の実施の形態4における投光器付き画像生成装置の動作を示すフロー図である。
【0059】
通常走行時の動作(S700)は、本発明の実施の形態1におけるS200と同様である。しかしながら、夜間、自車が道路を走行中に自車の進路前方から接近する対向車が存在し、近赤外線受光部503によって対向車から近赤外線が照射されていることが検知されると(S701)、近赤外線照射方法交渉部505は、電磁波を利用した通信手段によって、対向車との間で互いの近赤外線の分光分布が重ならないように交渉(近赤外線の分光特性交渉)を行う(S702)。例えば、分光分布を、エネルギー値が最大となる波長が互いに異なるように設定し、かつ相手のエネルギー値が最大となる波長を含まないように設定する。交渉が完了すると、近赤外線照射制御部502は、交渉結果に合わせて近赤外線の分光分布を更新し(S703)、近赤外線照射部501は、新たな分光特性で近赤外線の照射を開始する。(S704)。
【0060】
このようにして、自車の近赤外線照射部501が照射する近赤外線の分光分布と対向車が照射する近赤外線の分光分布とに重なりがなくなったら、近赤外線受光部503は近赤外線照射部501の分光分布に合わせてエネルギー値が最大の波長に対する透過率が高くなるようなフィルタリングを行って近赤外線の受光を行い、暗視画像生成部504において暗視画像を生成する。
【0061】
以上の動作により、本発明の実施の形態2における投光器付き画像生成装置は、対向車が照射する近赤外線の影響を受けていない暗視画像を得ることが出来る。
【0062】
尚、近赤外線照射部101、501は光線照射手段の一例、近赤外線照射制御部102、502は光線照射制御手段の一例、近赤外線受光部103、503は光線受光手段の一例、暗視画像生成部104、504は画像生成手段の一例、近赤外線照射方法交渉部505は光線照射方法交渉手段の一例である。
【0063】
また、上記の実施の形態で説明した、暗視画像生成部104、504で生成した暗視画像の用途としては、運転席の前面に設置したHUD(Head Up Display)やLCD(Liquid Crystal Display)などに表示することで、対向車のヘッドライトに眩惑されて見えない領域を補完することができる。
【0064】
また、暗視画像生成部104、504で生成した暗視画像と同じ領域を可視光線帯域で撮影した画像と、暗視画像生成部104、504で生成した暗視画像とを比較するとことで、対向車のヘッドライトによる眩惑や蒸発現象によって運転者に見えにくくなっている歩行者を抽出して警告することもできる。
【0065】
また、上記の実施の形態では、近赤外線照射部101、501が自車の進路前方に近赤外線を照射してその反射光を近赤外線受光部103、503が受光し、暗視画像生成部104、504が暗視画像を生成する例を示したが、本発明は近赤外線領域での利用に限定するものではない。すなわち、可視光領域、紫外線領域でも同様に適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明にかかる投光器付き画像生成装置は、車に搭載される投光器やカメラ等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の実施の形態1、2における投光器付き画像生成装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態1における投光器付き画像生成装置の動作を示すフロー図
【図3】本発明の実施の形態2における投光器付き画像生成装置の構成を示すフロー図
【図4】本発明の実施の形態1において、近赤外線受光部が近赤外線照射部の照射タイミングに同期して近赤外線の受光を行わない場合の近赤外線受光部、暗視画像生成部の動作を示すフロー図
【図5】本発明の実施の形態3、4における投光器付き画像生成装置の構成を示すブロック図
【図6】本発明の実施の形態3における投光器付き画像生成装置の構成を示すフロー図
【図7】本発明の実施の形態4における投光器付き画像生成装置の構成を示すフロー図
【図8】本発明の実施の形態1における自車の近赤外線照射部が照射する近赤外線と対向車が照射する近赤外線の照射タイミングに重なりが無い場合の自車と対向車の近赤外線照射パターン、近赤外線受光パターンを示す図
【図9】本発明の実施の形態2における自車の近赤外線照射部が照射する近赤外線と対向車が照射する近赤外線の分光分布に重なりが無い場合の自車と対向車が照射、受光する近赤外線の分光分布を示す図
【図10】本発明の実施の形態1における対向車の近赤外線の照射タイミングが重なっていないかの判定方法の一例を示す図
【図11】従来の投光器の構造を説明するための図
【符号の説明】
【0068】
10 投光器
12 ハウジング
14 レンズ
18 ダイクロイックミラー
20 反射ミラー
100,500 投光器付き画像生成装置
101,501 近赤外線照射部
102,502 近赤外線照射制御部
103,503 近赤外線受光部
104,504 暗視画像生成部
505 近赤外線照射方法交渉部
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両前方の暗視画像生成の技術分野に関し、特に、投光器付き画像生成装置、投光器および画像生成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車のヘッドライト等に適用される投光器の従来技術として、特許文献1に記載したものが知られている。この投光器を図11に示す。
【0003】
この従来技術では、光源16と、前記光源16の後方に配置され前記光源16からの光を赤外光IRと可視光Bとに分光して一方を反射し他方を透過可能なまたは一方を透過し他方を反射可能なダイクロイックミラー18と、前記ダイクロイックミラー18の後方に配置され前記ダイクロイックミラー18を透過した光を前方へ反射する反射ミラー20とを備え、前記ダイクロイックミラー18によって反射する光と前記反射ミラー20によって反射する光とのうち赤外光IRの光軸が可視光Bの光軸よりも上方へ向くように前記ダイクロイックミラー18と反射ミラー20の相対位置を設定することを特徴とする投光器10である。単一の投光器10によって、可視光Bを投光できるのみならず赤外光IRをも投光できるため、暗視装置の光源としても用いることが可能になり、コストや配置スペースが増加することがなく、しかもランプの光エネルギーを有効に利用できるという効果がある。
【0004】
この従来技術が前提としているランプとしては、近赤外線を含むハロゲンランプ、HIDランプなどが考えられる。この従来技術は、夜間の車両前方を暗視画像(近赤外線領域)で表示することで夜間の視界を補助する夜間視界補助システムにおける投光器などへの適用が可能である。
【0005】
また、特許文献2記載の方法によれば、対向車のヘッドライトで眩惑されて見えなくなる領域を近赤外線画像で補完して表示モニタに表示することが出来る。これにより、蒸発現象により見えなくなった歩行者を暗視画像により確認できる。
【0006】
また、近年、歩行者が発する遠赤外線を受動的に受光して、暗視画像を生成するシステムも実用化されている。
【特許文献1】特開2000-235803号公報
【特許文献2】特開平11-308609号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、夜間に対向車とすれ違う状況において、対向車も同様に夜間視界補助システムを搭載している場合、対向車からも近赤外線の照射が行われているため、自車の取得する暗視画像が対向車の近赤外線の影響を受けてしまうという問題があった。
【0008】
一方で、遠赤外線を受動的に受光して画像を生成する方法は、対向車の近赤外線の影響は受けないが、路上に存在するダンボール箱など、道路環境に比べて温度の差が小さい物体の検出が困難という問題がある。
【0009】
本発明は、前記従来の問題を解決するためになされたものであって、対向車が照射する光線の影響を受けることなく、自車前方の画像を生成することができる投光器付き画像生成装置、投光器および画像生成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る投光器付き画像生成装置は、自車の進行方向前方に光線を照射する光線照射手段と、前記光線照射手段が照射した光線の反射光線、および対向車が照射した光線の少なくとも一方を受光する光線受光手段と、前記光線照射手段が照射する光線と前記対向車が照射する光線との干渉を回避するように前記光線照射手段が照射する光線を制御する光線照射制御手段と、前記光線受光手段が受光した光線から画像を生成する画像生成手段と、を有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、自車と対向車の両方の投光器が照射する光線が衝突しないように照射を制御することが出来るため、対向車が照射する光線の影響を受けることなく、自車前方の画像を生成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0013】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1における投光器付き画像生成装置を説明する。図1は、本発明の実施の形態1における投光器付き画像生成装置の構成を示すブロック図である。図1において、投光器付き画像生成装置100は、LEDなど近赤外線を自車の進路前方にパルス状に照射する近赤外線照射部101、近赤外線照射部101から照射される近赤外線の照射タイミングを制御する近赤外線照射制御部102、近赤外線照射部101から照射された近赤外線が車両の進路前方に存在する物体(車両、歩行者、路上落下物など)に反射した反射光や、対向車が照射する近赤外線を受光する近赤外線受光部103、近赤外線受光部103で受光した近赤外線から暗視画像を生成する暗視画像生成部104から構成される。
【0014】
尚、近赤外線照射制御部102において、近赤外線照射部101から照射される近赤外線の照射タイミングを制御する方法としては、近赤外線を照射するLEDの点滅パターンを電気的に制御する方法などが考えられる。
【0015】
また、近赤外線受光部103は、近赤外線照射制御部102の制御下において、特定のタイミングで受光するCCDカメラなどとして実現される。特定のタイミングで受光する方法としては、カメラのシャッタースピードを動的に変更する方法などが考えられる。暗視画像生成部104は、近赤外線受光部103の受光タイミングに応じて、画像を生成する。
【0016】
尚、他の方法として、暗視画像生成部104にて十分に高いフレームレートで画像を生成した後に、意図する画像のみを、得られた画像から抽出する方法なども考えられる。
【0017】
図2は、本発明の実施の形態1における投光器付き画像生成装置の動作を示すフロー図である。
【0018】
夜間、運転者が前照灯を付けると、投光器付き画像生成装置100は、近赤外線照射部101によって近赤外線を前方に照射し、同時に近赤外線照射部101が照射した近赤外線の反射光を近赤外線受光部103によって受光し、暗視画像生成部104によって暗視画像を連続的に生成する(S200)。投光器付き画像生成装置100は、近赤外線を照射する対向車が存在しない状況で、自車が前照灯を付けて通常走行を行っている期間(以後、通常走行時と呼ぶ)には、S200の動作を行う。これにより、運転者は夜間でも前方視野に存在する歩行者などの障害物を検出することができる。
【0019】
しかしながら、自車が道路を走行中に、自車の進路前方から接近する対向車が存在し、対向車から近赤外線が照射されていることが近赤外線受光部103によって検知されると(S201:Yes)、近赤外線照射制御部102は、近赤外線照射部101が照射している近赤外線の照射タイミングと近赤外線受光部103が受光した対向車の近赤外線の照射タイミングとが重なっていないかの判定(近赤外線衝突判定)を行う(S202)。
【0020】
近赤外線の照射タイミングが重なっている場合(S203:Yes)、近赤外線照射制御部102が近赤外線の照射タイミングと受光タイミングを同期させてランダムに更新する(S204)。照射タイミングの更新方法としては、周期を変更しても良いし、位相を変更しても良い。その後、近赤外線照射部101は、近赤外線照射制御部102の制御に応じて新たな照射タイミングで近赤外線の照射を行い(S205)、近赤外線照射制御部102は再度近赤外線衝突判定(S202)を行う。
【0021】
一方、近赤外線照射判定(S202)において近赤外線の照射タイミングの衝突が無いと判定された場合(S203:No)、近赤外線照射制御部102は近赤外線の照射タイミングの変更を行わずに、近赤外線照射部101による近赤外線の照射を継続する(S206)。
【0022】
ここで、対向車からの近赤外線の照射を検知することにより対向車の接近を検知する方法としては、赤外線照度計を用いる方法や、自車の近赤外線照射部101が近赤外線を照射していない状況下で、一定以上のエネルギー量を持った近赤外線の光源の接近を画像処理により抽出する方法などが考えられる。その他、通信手段(図1には図示しない)により対向車の位置情報(絶対座標等)を取得する方法などが考えられる。
【0023】
また、対向車の近赤外線の照射タイミングが重なっていないかの判定方法の一例について、図10を用いて説明する。まず、自車の近赤外線照射部101の近赤外線の照射タイミングを調整し、近赤外線を照射していない状況下で、暗視画像生成部104が生成した図10(a)に示すような暗視画像(画像A)と、近赤外線を照射している状況下での暗視画像生成部104が生成した図10(b)に示すような暗視画像(画像B)とを比較し、画像A上にある近赤外線の光源1001が画像B上にも近赤外線の光源1002として存在している場合には照射のタイミングが重なっていると判定すればよい。図10(a)、(b)は、対向車の近赤外線照射がある場合について示したものである。
【0024】
このようにして、自車の近赤外線照射部101が照射する近赤外線の照射タイミングと対向車が照射する近赤外線の照射タイミングとに重なりがなくなったら、暗視画像生成部104において暗視画像を生成する。
【0025】
図8は、自車の近赤外線照射部101が照射する近赤外線の照射タイミングと対向車が照射する近赤外線の照射タイミングとに重なりが無い場合の自車と対向車の近赤外線照射パターン、近赤外線受光パターンを示している。
【0026】
図8(a)〜(d)を縦断する破線Aに示すように、自車が近赤外線を照射するタイミング(LEDが点灯しているタイミング)では自車の近赤外線が受光するタイミング(カメラのシャッターが開いているタイミング)になっているが、対向車は近赤外線の照射、受光共に行っていないタイミングになっている。
【0027】
一方、破線Bを見ると、対向車が近赤外線を照射、近赤外線を受光するタイミングになっているが、自車は近赤外線の照射、受光共に行っていないタイミングになっている。
【0028】
尚、暗視画像生成部104が暗視画像を生成する際には、十分に高いフレームレートで暗視画像を生成することにより、必ずしも近赤外線受光部103は近赤外線照射部101の照射タイミングに同期して近赤外線の受光を行う必要はなくなる。
【0029】
図4は、近赤外線受光部103が近赤外線照射部101の照射タイミングに同期して近赤外線の受光を行わない場合の近赤外線受光部103、暗視画像生成部104の動作を示すフロー図である。
【0030】
通常走行時の動作(S400)は、S200と同様である。しかしながら、近赤外線受光部103が近赤外線を受光すると(S401)、暗視画像生成部104は無条件で暗視画像を生成する(S402)。
【0031】
次に、生成した暗視画像内に対向車が照射していると思われる近赤外線が映っているかを判断する(S403)。近赤外線が映っている場合(S403:Yes)、生成した暗視画像は棄却する(S404)。一方、近赤外線成分が映っていない場合(S403:No)、生成した暗視画像を採用する(S405)。
【0032】
以上の動作により、本発明の実施の形態1における投光器付き画像生成装置100は、対向車が照射する近赤外線の影響を受けていない暗視画像を得ることが出来る。
【0033】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2における投光器付き画像生成装置を説明する。本発明の実施の形態2における投光器付き画像生成装置のブロック図は、図1に示した本発明の実施の形態1と同様であるが、一部動作が異なる。以下で、特に本発明の実施の形態1との相違点を説明する。
【0034】
本実施の形態の投光器付き画像生成装置100は、近赤外線を照射するLED、もしくはハロゲンランプやHID(High Intensity Discharge)ランプなどの光源に近赤外線透過フィルタ、ダイクロイックミラーを取り付けて抽出した近赤外線を自車の進路前方に向けて照射する近赤外線照射部101、近赤外線照射部101から照射される近赤外線の分光分布を制御する近赤外線照射制御部102、近赤外線照射部101から照射された近赤外線が車両の進路前方に存在する物体(車両、歩行者、路上落下物など)に反射した反射光や、対向車が照射する近赤外線を受光する近赤外線受光部103、近赤外線受光部103で受光した近赤外線から暗視画像を生成する暗視画像生成部104から構成される。
【0035】
尚、近赤外線照射制御部102において、近赤外線照射部101から照射される近赤外線の分光分布を制御する方法としては、LEDが照射する光線の波長を電気的に変化させたり、特定帯域の波長の光線のみを反射するダイクロイックミラーや特定帯域の波長のみを透過させるダイクロイックフィルタ、バンドパスフィルタなどの光学フィルタを複数用意してそれらを切り替えたり、エレクトロミック素材の光学フィルタを用いて透過する光線の波長を電気的に切り替えたりすることで光源から照射される近赤外線の分光分布を変える方法などが考えられる。
【0036】
また、近赤外線受光部103は、近赤外線照射制御部102の制御下において、特定帯域の波長の近赤外線のみを受光するCCDカメラなどとして実現される。特定帯域の波長の近赤外線のみを受光する方法としては、カメラにダイクロイックフィルタ、バンドパスフィルタなどの光学フィルタを複数用意してそれらを切り替えたり、エレクトロミック素材の光学フィルタを用いて透過する光線の波長を電気的に切り替えたりすることによって透過する近赤外線の帯域を変えることで入射する近赤外線の波長を制限する方法などが考えられる。
【0037】
図3は、本発明の実施の形態2における投光器付き画像生成装置の動作を示すフロー図である。
【0038】
通常走行時の動作(S300)は、本発明の実施の形態1におけるS200と同様である。しかしながら、自車が道路を走行中に自車の進路前方から接近する対向車が存在し、近赤外線受光部103によって対向車から近赤外線が照射されていることが検知されると(S301:Yes)、近赤外線照射制御部102において、近赤外線照射部101が照射している近赤外線の分光分布と近赤外線受光部103が受光した対向車の近赤外線の分光分布とが重なっていないかの判定(近赤外線照射衝突判定)を行う(S302)。
【0039】
近赤外線の分光分布が重なっている場合(S303)、近赤外線照射制御部102は、近赤外線の分光分布をランダムに更新する(S304)。その後、近赤外線照射部101は、近赤外線照射制御部102の制御に応じて新たな分光分布で近赤外線の照射を行い(S305)、近赤外線照射制御部102は再度近赤外線衝突判定(S302)を行う。
【0040】
一方、近赤外線照射判定(S302)において近赤外線の分光分布の重なりが無いと判定された場合(S303:No)、近赤外線照射制御部102は近赤外線の分光分布の変更を行わずに、近赤外線照射部101による近赤外線の照射を継続する(S306)。
【0041】
ここで、対向車が照射する近赤外線の分光分布と重なりが無いかを判定する方法としては、近赤外線照射制御部102が近赤外線を照射していない状況下で、暗視画像生成部104が、近赤外線照射部102が照射する近赤外線の分光分布に対応した帯域成分の反射光を受光するように設定された近赤外線受光部103を用いて暗視画像を生成したときに、暗視画像の中に高輝度部分が含まれている場合に重なりがあると判定する方法がある。
【0042】
このようにして、自車の近赤外線照射部101が照射する近赤外線の分光分布と対向車が照射する近赤外線の分光分布とに重なりがなくなったら、近赤外線受光部103は近赤外線照射部101が照射している近赤外線の分光分布と同様の分光分布を持つ近赤外線のみを受光する。
【0043】
図9は、自車の近赤外線照射部101が照射する近赤外線の分光分布と対向車が照射する近赤外線の分光分布とに重なりが無い場合の自車と対向車が照射、受光する近赤外線の分光分布を示している。
【0044】
図9(a)〜(d)を縦断する破線Aに示すように、自車が照射する近赤外線の分光分布においてエネルギーの大きい波長を含むような帯域が、受光の際も透過率が高くなっているが、対向車は当該帯域の波長の近赤外線を照射せず、同時に受光の際にも透過率が低くなっている。一方、破線Bを見ると、対向車が近赤外線を照射、近赤外線を受光する帯域の近赤外線を、自車は照射、受光共に行わないようになっている。
【0045】
以上の動作により、本発明の実施の形態2における投光器付き画像生成装置100は、対向車が照射する近赤外線の影響を受けていない暗視画像を得ることが出来る。
【0046】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3における投光器付き画像生成装置を説明する。図5は、本発明の実施の形態3における投光器付き画像生成装置の構成を示すブロック図である。図5において、投光器付き画像生成装置500の構成要素は、本発明の実施の形態1における投光器付き画像生成装置100(図1参照)の構成要素を含んでおり、同等の機能を持つ。
【0047】
すなわち、近赤外線照射部501は本発明の実施の形態1における近赤外線照射部101と、近赤外線照射制御部502は本発明の実施の形態1における近赤外線照射制御部102と、近赤外線受光部503は本発明の実施の形態1における近赤外線受光部103と、暗視画像生成部504は本発明の実施の形態1における暗視画像生成部104と同等の機能を有する。
【0048】
しかしながら、本発明の実施の形態3における投光器付き画像生成装置500は、対向車との間で近赤外線の照射タイミングが衝突しないように、電磁波を利用した通信手段を用いて近赤外線の照射タイミングを交渉する近赤外線照射方法交渉部505を有する点が本発明の実施の形態1と異なる。
【0049】
尚、近赤外線照射方法交渉部505において、対向車との間で近赤外線の照射タイミングを交渉する際に用いる電磁波を利用した通信手段としては、車両間で直接的に通信を行う車車間通信、道路脇などに設置された路側システムや基地局を介して間接的に通信を行う車路車通信が考えられる。
【0050】
車車間通信としては、具体的には、可視光LEDなど可視光帯域の電磁波を使って通信を行う可視光通信、赤外線帯域の電磁波を使って通信を行う赤外線通信、さらに高周波の電磁波を使って通信を行うDSRC(Dedicated Short Range Communication)などが考えられる。車路車通信としては、DSRC、無線LAN、携帯電話のデータ通信などが考えられる。
【0051】
図6は、本発明の実施の形態3における投光器付き画像生成装置の動作を示すフロー図である。
【0052】
通常走行時の動作(S600)は、本発明の実施の形態1におけるS200と同様である。しかしながら、自車が道路を走行中に自車の進路前方から接近する対向車が存在し、近赤外線受光部503によって対向車から近赤外線が照射されていることが検知されると(S601:Yes)、近赤外線照射方法交渉部505は、電磁波を利用した通信手段によって、対向車との間で互いの近赤外線の照射タイミングが重ならないように交渉(近赤外線照射タイミング交渉)を行う(S602)。例えば、照射タイミングの周波数と開始タイミング(位相)を互いに共有する。交渉が完了すると、近赤外線照射制御部502は、交渉結果に合わせて近赤外線の照射タイミングを更新し(S603)、近赤外線照射部501は、新たな照射タイミングで近赤外線の照射を開始する。(S604)。
【0053】
このようにして、自車の近赤外線照射部501が照射する近赤外線の照射タイミングと対向車が照射する近赤外線の照射タイミングとに重なりがなくなったら、近赤外線受光部503は近赤外線照射部501の照射タイミングに同期して近赤外線の受光を行い、暗視画像生成部504において暗視画像を生成する。
【0054】
以上の動作により、本発明の実施の形態3における投光器付き画像生成装置500は、対向車が照射する近赤外線の影響を受けていない暗視画像を得ることが出来る。
【0055】
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4における投光器付き画像生成装置を説明する。本発明の実施の形態4における投光器付き画像生成装置のブロック図は、図5に示した本発明の実施の形態3と同様であるが、一部動作が異なる。以下で、特に本発明の実施の形態3との相違点を説明する。
【0056】
本実施の形態の投光器付き画像生成装置500は、本発明の実施の形態2における投光器付き画像生成装置100の構成要素を含んでおり、同等の機能を持つ。すなわち、近赤外線照射部501は本発明の実施の形態1における近赤外線照射部101と、近赤外線照射制御部502は本発明の実施の形態1における近赤外線照射制御部102と、近赤外線受光部503は本発明の実施の形態1における近赤外線受光部103と、暗視画像生成部504は本発明の実施の形態1における暗視画像生成部104と同等の機能を有する。
【0057】
しかしながら、本発明の実施の形態4における投光器付き画像生成装置500は、更に対向車との間で近赤外線の分光分布が重ならないように、電磁波を利用した通信手段を用いて近赤外線の分光分布を交渉する近赤外線照射方法交渉部505を有する。
【0058】
図7は、本発明の実施の形態4における投光器付き画像生成装置の動作を示すフロー図である。
【0059】
通常走行時の動作(S700)は、本発明の実施の形態1におけるS200と同様である。しかしながら、夜間、自車が道路を走行中に自車の進路前方から接近する対向車が存在し、近赤外線受光部503によって対向車から近赤外線が照射されていることが検知されると(S701)、近赤外線照射方法交渉部505は、電磁波を利用した通信手段によって、対向車との間で互いの近赤外線の分光分布が重ならないように交渉(近赤外線の分光特性交渉)を行う(S702)。例えば、分光分布を、エネルギー値が最大となる波長が互いに異なるように設定し、かつ相手のエネルギー値が最大となる波長を含まないように設定する。交渉が完了すると、近赤外線照射制御部502は、交渉結果に合わせて近赤外線の分光分布を更新し(S703)、近赤外線照射部501は、新たな分光特性で近赤外線の照射を開始する。(S704)。
【0060】
このようにして、自車の近赤外線照射部501が照射する近赤外線の分光分布と対向車が照射する近赤外線の分光分布とに重なりがなくなったら、近赤外線受光部503は近赤外線照射部501の分光分布に合わせてエネルギー値が最大の波長に対する透過率が高くなるようなフィルタリングを行って近赤外線の受光を行い、暗視画像生成部504において暗視画像を生成する。
【0061】
以上の動作により、本発明の実施の形態2における投光器付き画像生成装置は、対向車が照射する近赤外線の影響を受けていない暗視画像を得ることが出来る。
【0062】
尚、近赤外線照射部101、501は光線照射手段の一例、近赤外線照射制御部102、502は光線照射制御手段の一例、近赤外線受光部103、503は光線受光手段の一例、暗視画像生成部104、504は画像生成手段の一例、近赤外線照射方法交渉部505は光線照射方法交渉手段の一例である。
【0063】
また、上記の実施の形態で説明した、暗視画像生成部104、504で生成した暗視画像の用途としては、運転席の前面に設置したHUD(Head Up Display)やLCD(Liquid Crystal Display)などに表示することで、対向車のヘッドライトに眩惑されて見えない領域を補完することができる。
【0064】
また、暗視画像生成部104、504で生成した暗視画像と同じ領域を可視光線帯域で撮影した画像と、暗視画像生成部104、504で生成した暗視画像とを比較するとことで、対向車のヘッドライトによる眩惑や蒸発現象によって運転者に見えにくくなっている歩行者を抽出して警告することもできる。
【0065】
また、上記の実施の形態では、近赤外線照射部101、501が自車の進路前方に近赤外線を照射してその反射光を近赤外線受光部103、503が受光し、暗視画像生成部104、504が暗視画像を生成する例を示したが、本発明は近赤外線領域での利用に限定するものではない。すなわち、可視光領域、紫外線領域でも同様に適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明にかかる投光器付き画像生成装置は、車に搭載される投光器やカメラ等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の実施の形態1、2における投光器付き画像生成装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態1における投光器付き画像生成装置の動作を示すフロー図
【図3】本発明の実施の形態2における投光器付き画像生成装置の構成を示すフロー図
【図4】本発明の実施の形態1において、近赤外線受光部が近赤外線照射部の照射タイミングに同期して近赤外線の受光を行わない場合の近赤外線受光部、暗視画像生成部の動作を示すフロー図
【図5】本発明の実施の形態3、4における投光器付き画像生成装置の構成を示すブロック図
【図6】本発明の実施の形態3における投光器付き画像生成装置の構成を示すフロー図
【図7】本発明の実施の形態4における投光器付き画像生成装置の構成を示すフロー図
【図8】本発明の実施の形態1における自車の近赤外線照射部が照射する近赤外線と対向車が照射する近赤外線の照射タイミングに重なりが無い場合の自車と対向車の近赤外線照射パターン、近赤外線受光パターンを示す図
【図9】本発明の実施の形態2における自車の近赤外線照射部が照射する近赤外線と対向車が照射する近赤外線の分光分布に重なりが無い場合の自車と対向車が照射、受光する近赤外線の分光分布を示す図
【図10】本発明の実施の形態1における対向車の近赤外線の照射タイミングが重なっていないかの判定方法の一例を示す図
【図11】従来の投光器の構造を説明するための図
【符号の説明】
【0068】
10 投光器
12 ハウジング
14 レンズ
18 ダイクロイックミラー
20 反射ミラー
100,500 投光器付き画像生成装置
101,501 近赤外線照射部
102,502 近赤外線照射制御部
103,503 近赤外線受光部
104,504 暗視画像生成部
505 近赤外線照射方法交渉部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車の進行方向前方に光線を照射する光線照射手段と、
前記光線照射手段が照射した光線の反射光線、および対向車が照射した光線の少なくとも一方を受光する光線受光手段と、
前記光線照射手段が照射する光線と前記対向車が照射する光線との干渉を回避するように前記光線照射手段が照射する光線を制御する光線照射制御手段と、
前記光線受光手段が受光した光線から画像を生成する画像生成手段と、
を有する投光器付き画像生成装置。
【請求項2】
前記光線照射制御手段は、自車と対向車間で、光線の照射タイミングが重ならないように制御するものを含む請求項1に記載の投光器付き画像生成装置。
【請求項3】
前記光線受光手段は、前記光線照射手段における光線の照射タイミングに同期して反射光を受光するものを含む請求項1に記載の投光器付き画像生成装置。
【請求項4】
前記光線照射制御手段は、前記光線照射手段が光線を照射していないタイミングで前記光線受光手段が所定以上のエネルギー量の光線を受光した場合に、前記対向車の接近を検出するものを含む請求項1に記載の投光器付き画像生成装置。
【請求項5】
前記光線照射制御手段は、前記光線照射手段が光線を照射していないタイミングで前記画像生成手段が生成した第1の画像と、前記光線照射手段が光線を照射しているタイミングで前記画像生成手段が生成した第2の画像とを比較し、前記第1の画像に存在する高輝度部と同一光源の高輝度部が第2の画像内に存在しないように、前記光線照射手段における光線の照射タイミングと前記光線受光手段における反射光の受光タイミングを変更するものを含む請求項2または3に記載の投光器付き画像生成装置。
【請求項6】
前記画像生成手段は、処理の途中で生成した中間画像の内、前記対向車が照射する光線に対応する高輝度部が含まれる中間画像を除去し、前記高輝度部が含まれない中間画像を用いて画像を生成するものを含む請求項1に記載の投光器付き画像生成装置。
【請求項7】
前記光線照射制御手段は、自車と対向車間で、前記光線照射手段が照射した光線の分光分布が重ならないように制御するものを含む請求項1に記載の投光器付き画像生成装置。
【請求項8】
前記光線受光手段は、前記光線照射手段が照射した光線の分光分布に対応した帯域成分の反射光を受光するものを含む請求項7に記載の投光器付き画像生成装置。
【請求項9】
前記光線照射制御手段は、前記画像生成手段が、前記光線照射手段が光線を照射していない状況下で、前記光線照射手段が照射する光線の分光分布に対応した帯域成分の反射光を受光するように設定された前記光線受光手段を用いて生成した画像の中に、高輝度部分が含まれないように、前記光線照射手段における光線の分光分布と前記光線受光手段における反射光を受光する帯域を変更するものを含む請求項7または8に記載の投光器付き画像生成装置。
【請求項10】
前記光線照射制御手段は、前記光線照射手段における光線の照射タイミングまたは分光分布をランダムに変更するものを含む請求項2または7に記載の投光器付き画像生成装置。
【請求項11】
対向車の接近を検知し、前記光線照射手段が照射する光線と前記対向車が照射する光線とが互いに干渉しないように、前記光線照射手段が照射する光線の照射方法を交渉する光線照射方法交渉手段を有し、
前記光線照射制御手段は、前記光線照射方法交渉手段が交渉した照射方法に基づいて前記光線照射手段を制御するものを含む請求項1に記載の投光器付き画像生成装置。
【請求項12】
前記光線照射方法交渉手段は、自車と対向車間で、電磁波を利用して交渉するものを含む請求項11に記載の投光器付き画像生成装置。
【請求項13】
前記光線照射方法交渉手段は、自車と対向車間で、光線の照射タイミングが重ならないように交渉するものを含む請求項11に記載の投光器付き画像生成装置。
【請求項14】
前記光線照射方法交渉手段は、自車と対向車間で、光線の分光分布が重ならないように交渉するものを含む請求項11に記載の投光器付き画像生成装置。
【請求項15】
前記光線照射手段は、近赤外線を照射するものを含む請求項1乃至14のいずれか一項に記載の投光器付き画像生成装置。
【請求項16】
自車の進行方向前方に光線を照射する光線照射手段と、
前記光線照射手段が照射する光線と対向車が照射する光線との干渉を回避するように前記光線照射手段を制御する光線照射制御手段と、を有する投光器。
【請求項17】
対向車の接近を検知する接近検知手段と、
前記対向車の接近を検知した場合に、前記光線照射手段が照射する光線と前記対向車が照射する光線とが互いに干渉しないように、照射する光線の照射方法を交渉する光線照射方法交渉手段と、を有する請求項16に記載の投光器。
【請求項18】
自車が照射した光線の反射光線、および対向車が照射する光線の少なくとも一方を受光する光線受光手段と、
自車が照射する光線と前記対向車が照射する光線との干渉を回避するように自車が照射する光線を制御する光線照射制御手段と、
前記光線受光手段が受光した光線から画像を生成する画像生成手段と、を有する画像生成装置。
【請求項19】
対向車の接近を検知する接近検知手段と、
前記対向車の接近を検知した場合に、自車が照射する光線と前記対向車が照射する光線とが互いに干渉しないように、照射する光線の照射方法を交渉する光線照射方法交渉手段を有する請求項18に記載の画像生成装置。
【請求項1】
自車の進行方向前方に光線を照射する光線照射手段と、
前記光線照射手段が照射した光線の反射光線、および対向車が照射した光線の少なくとも一方を受光する光線受光手段と、
前記光線照射手段が照射する光線と前記対向車が照射する光線との干渉を回避するように前記光線照射手段が照射する光線を制御する光線照射制御手段と、
前記光線受光手段が受光した光線から画像を生成する画像生成手段と、
を有する投光器付き画像生成装置。
【請求項2】
前記光線照射制御手段は、自車と対向車間で、光線の照射タイミングが重ならないように制御するものを含む請求項1に記載の投光器付き画像生成装置。
【請求項3】
前記光線受光手段は、前記光線照射手段における光線の照射タイミングに同期して反射光を受光するものを含む請求項1に記載の投光器付き画像生成装置。
【請求項4】
前記光線照射制御手段は、前記光線照射手段が光線を照射していないタイミングで前記光線受光手段が所定以上のエネルギー量の光線を受光した場合に、前記対向車の接近を検出するものを含む請求項1に記載の投光器付き画像生成装置。
【請求項5】
前記光線照射制御手段は、前記光線照射手段が光線を照射していないタイミングで前記画像生成手段が生成した第1の画像と、前記光線照射手段が光線を照射しているタイミングで前記画像生成手段が生成した第2の画像とを比較し、前記第1の画像に存在する高輝度部と同一光源の高輝度部が第2の画像内に存在しないように、前記光線照射手段における光線の照射タイミングと前記光線受光手段における反射光の受光タイミングを変更するものを含む請求項2または3に記載の投光器付き画像生成装置。
【請求項6】
前記画像生成手段は、処理の途中で生成した中間画像の内、前記対向車が照射する光線に対応する高輝度部が含まれる中間画像を除去し、前記高輝度部が含まれない中間画像を用いて画像を生成するものを含む請求項1に記載の投光器付き画像生成装置。
【請求項7】
前記光線照射制御手段は、自車と対向車間で、前記光線照射手段が照射した光線の分光分布が重ならないように制御するものを含む請求項1に記載の投光器付き画像生成装置。
【請求項8】
前記光線受光手段は、前記光線照射手段が照射した光線の分光分布に対応した帯域成分の反射光を受光するものを含む請求項7に記載の投光器付き画像生成装置。
【請求項9】
前記光線照射制御手段は、前記画像生成手段が、前記光線照射手段が光線を照射していない状況下で、前記光線照射手段が照射する光線の分光分布に対応した帯域成分の反射光を受光するように設定された前記光線受光手段を用いて生成した画像の中に、高輝度部分が含まれないように、前記光線照射手段における光線の分光分布と前記光線受光手段における反射光を受光する帯域を変更するものを含む請求項7または8に記載の投光器付き画像生成装置。
【請求項10】
前記光線照射制御手段は、前記光線照射手段における光線の照射タイミングまたは分光分布をランダムに変更するものを含む請求項2または7に記載の投光器付き画像生成装置。
【請求項11】
対向車の接近を検知し、前記光線照射手段が照射する光線と前記対向車が照射する光線とが互いに干渉しないように、前記光線照射手段が照射する光線の照射方法を交渉する光線照射方法交渉手段を有し、
前記光線照射制御手段は、前記光線照射方法交渉手段が交渉した照射方法に基づいて前記光線照射手段を制御するものを含む請求項1に記載の投光器付き画像生成装置。
【請求項12】
前記光線照射方法交渉手段は、自車と対向車間で、電磁波を利用して交渉するものを含む請求項11に記載の投光器付き画像生成装置。
【請求項13】
前記光線照射方法交渉手段は、自車と対向車間で、光線の照射タイミングが重ならないように交渉するものを含む請求項11に記載の投光器付き画像生成装置。
【請求項14】
前記光線照射方法交渉手段は、自車と対向車間で、光線の分光分布が重ならないように交渉するものを含む請求項11に記載の投光器付き画像生成装置。
【請求項15】
前記光線照射手段は、近赤外線を照射するものを含む請求項1乃至14のいずれか一項に記載の投光器付き画像生成装置。
【請求項16】
自車の進行方向前方に光線を照射する光線照射手段と、
前記光線照射手段が照射する光線と対向車が照射する光線との干渉を回避するように前記光線照射手段を制御する光線照射制御手段と、を有する投光器。
【請求項17】
対向車の接近を検知する接近検知手段と、
前記対向車の接近を検知した場合に、前記光線照射手段が照射する光線と前記対向車が照射する光線とが互いに干渉しないように、照射する光線の照射方法を交渉する光線照射方法交渉手段と、を有する請求項16に記載の投光器。
【請求項18】
自車が照射した光線の反射光線、および対向車が照射する光線の少なくとも一方を受光する光線受光手段と、
自車が照射する光線と前記対向車が照射する光線との干渉を回避するように自車が照射する光線を制御する光線照射制御手段と、
前記光線受光手段が受光した光線から画像を生成する画像生成手段と、を有する画像生成装置。
【請求項19】
対向車の接近を検知する接近検知手段と、
前記対向車の接近を検知した場合に、自車が照射する光線と前記対向車が照射する光線とが互いに干渉しないように、照射する光線の照射方法を交渉する光線照射方法交渉手段を有する請求項18に記載の画像生成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−18723(P2009−18723A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−183497(P2007−183497)
【出願日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]