投写型映像表示装置
【課題】光変調素子の数を減らしながら、さらにコストダウンを図ることを可能とする投写型映像表示装置を提供する。
【解決手段】投写型映像表示装置100は、色分離部40と、偏光調整素子60と、液晶パネル71Gと、液晶パネル71RBと、入射側偏光板72RBとを備える。偏光調整素子60は、赤成分光Rの偏光成分及び青成分光Bの偏光成分を個別に調整する。第1偏光成分は、入射側偏光板72RBを透過する偏光成分である。
【解決手段】投写型映像表示装置100は、色分離部40と、偏光調整素子60と、液晶パネル71Gと、液晶パネル71RBと、入射側偏光板72RBとを備える。偏光調整素子60は、赤成分光Rの偏光成分及び青成分光Bの偏光成分を個別に調整する。第1偏光成分は、入射側偏光板72RBを透過する偏光成分である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、白色光源が発する白色光を複数の色成分光に分離した上で、各色成分光を変調する投写型映像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、白色光源が発する白色光を3つの色成分光(赤成分光R、緑成分光G及び青成分光B)に分離する色分離部と、3つの色成分光をそれぞれ変調する3つの光変調素子とを有する投写型映像表示装置が知られている。
【0003】
一方で、コスト削減を目的として、2つの光変調素子を有する投写型映像表示装置も提案されている。具体的には、色分離部は、白色光から1つの色成分光を分離するとともに、白色光から2つの色成分光の合成光を分離する。2つの色成分光の合成光の光路上には、2つの色成分光のそれぞれを時分割で出射するカラースイッチが設けられる(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−244203号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、一般的には、上述したカラースイッチは、液晶パネル及び偏光板によって構成される。また、光変調素子が液晶パネルである場合には、液晶パネルの光入射側に偏光板が設けられる。このように、上述した技術では、カラースイッチを構成する偏光板及び光変調素子の光入射側に設けられる偏光板が重複してしまう。
【0006】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、光変調素子の数を減らしながら、さらにコストダウンを図ることを可能とする投写型映像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の特徴に係る投写型映像表示装置(投写型映像表示装置100)は、第1色成分光(例えば、緑成分光G)、第2色成分光(例えば、赤成分光R)及び第3色成分光(例えば、青成分光B)を含む白色光を分離する色分離部(色分離部40)と、前記第2色成分光及び前記第3色成分光を含む合成光の光路上に設けられた偏光調整素子(偏光調整素子60)と、第1信号値(例えば、緑入力信号Gin)に基づいて、前記第1色成分光を変調する第1光変調素子(液晶パネル71G)と、第2信号値(例えば、赤入力信号Rin)に基づいて、前記第2色成分光を変調するとともに、第3信号値(例えば、青入力信号Bin)に基づいて、前記第3色成分光を変調する第2変調素子(液晶パネル71RB)と、前記第2変調素子の光入射側に設けられており、第1偏光成分を透過して、第2偏光成分を遮光する入射側偏光板(入射側偏光板72RB)とを備える。前記偏光調整素子は、前記第2色成分光の偏光成分及び前記第3色成分光の偏光成分を個別に調整する。
【0008】
第1の特徴において、前記偏光調整素子は、前記第3色成分光の偏光成分を調整せずに前記第2色成分光の偏光成分を調整する第1偏光調整素子と、前記第2色成分光の偏光成分を調整せずに前記第3色成分光の偏光成分を調整する第2偏光調整素子とによって構成される。
【0009】
第1の特徴において、前記偏光調整素子は、所定期間において、前記第2色成分光及び前記第3色成分光を構成する偏光成分の全てを前記第2偏光成分に調整する。
【0010】
第1の特徴において、前記偏光調整素子は、前記第1信号又は前記第2信号が前記第2変調素子に入力されてから前記第2変調素子の応答が完了するまでの期間において、前記第2色成分光及び前記第3色成分光を構成する偏光成分の全てを前記第2偏光成分に調整する。
【0011】
第1の特徴において、前記偏光調整素子は、所定期間において、前記第2色成分光及び前記第3色成分光を構成する偏光成分の全てを前記第1偏光成分に調整する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、光変調素子の数を減らしながら、さらにコストダウンを図ることを可能とする投写型映像表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、第1実施形態に係る投写型映像表示装置100を示す図である。
【図2】図2は、第1実施形態に係る偏光調整素子60を説明するための図である。
【図3】図3は、第1実施形態に係る偏光調整素子60を説明するための図である。
【図4】図4は、第1実施形態に係る制御ユニット200を示すブロック図である。
【図5】図5は、第1実施形態に係る制御例1を示す図である。
【図6】図6は、第1実施形態に係る制御例2を示す図である。
【図7】図7は、第1実施形態に係る制御例3を示す図である。
【図8】図8は、第1実施形態に係る制御例4を示す図である。
【図9】図9は、変更例1に係る偏光調整素子60を説明するための図である。
【図10】図10は、変更例2に係る偏光調整素子60を説明するための図である。
【図11】図11は、変更例3に係る制御例を示す図である。
【図12】図12は、変更例3に係る偏光調整素子60を説明するための図である。
【図13】図13は、変更例3に係る色再現範囲を説明するための図である。
【図14】図14は、変更例4に係る投写型映像表示装置100を示す図である。
【図15】図15は、変更例4に係る制御例を示す図である。
【図16】図16は、変更例4に係る他の制御例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下において、本発明の実施形態に係る投写型映像表示装置について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。
【0015】
ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0016】
[実施形態の概要]
実施形態に係る投写型映像表示装置は、第1色成分光、第2色成分光及び第3色成分光を含む白色光を分離する色分離部と、前記第2色成分光及び前記第3色成分光を含む合成光の光路上に設けられた偏光調整素子と、第1信号値に基づいて、前記第1色成分光を変調する第1光変調素子と、第2信号値に基づいて、前記第2色成分光を変調するとともに、第3信号値に基づいて、前記第3色成分光を変調する第2変調素子と、前記第2変調素子の光入射側に設けられており、第1偏光成分を透過して、第2偏光成分を遮光する入射側偏光板とを備える。前記偏光調整素子は、前記第2色成分光の偏光成分及び前記第3色成分光の偏光成分を個別に調整する。
【0017】
実施形態によれば、偏光調整素子は、第2色成分光の偏光成分及び第3色成分光の偏光成分を個別に調整する。すなわち、第2色成分光及び第3色成分光のそれぞれについて、入射側偏光板を透過して第2変調素子に導かれる光量が調整される。
【0018】
これによって、光変調素子の数を減らすことができる。また、偏光調整素子が偏光板を有する必要がないため、さらにコストダウンを図ることができる。
【0019】
[第1実施形態]
(投写型映像表示装置の構成)
以下において、第1実施形態に係る投写型映像表示装置の構成について、図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係る投写型映像表示装置100の構成を示す図である。
【0020】
図1に示すように、投写型映像表示装置100は、光源10と、フライアイレンズ20と、PBSアレイ30と、色分離部40と、複数のミラー50(ミラー51及びミラー52)と、偏光調整素子60とを有する。投写型映像表示装置100は、1対の液晶パネル71(液晶パネル71G、液晶パネル71RB)と、1対の入射側偏光板72(入射側偏光板72G、入射側偏光板72RB)と、1対の出射側偏光板73(出射側偏光板73G、出射側偏光板73RB)とを有する。投写型映像表示装置100は、合成部80と、投写レンズユニット90とを有する。なお、投写型映像表示装置100は、必要なレンズ群(レンズ111、レンズ112、レンズ113)を有する。
【0021】
光源10は、白色光を出射するUHPランプなどである。すなわち、光源10が出射する白色光は、赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bを少なくとも含む。白色光は、黄成分光Yeを含んでいる。
【0022】
なお、第1実施形態において、緑成分光Gは、第1色成分光の一例であり、赤成分光Rは、第2色成分光の一例であり、青成分光Bは、第3色成分光の一例である。
【0023】
フライアイレンズ20は、光源10が出射する白色光を均質化する素子である。詳細には、フライアイレンズ20は、複数の微小レンズを有しており、各レンズから出射される光は、液晶パネル71に照射される。
【0024】
PBSアレイ30は、光源10が出射する白色光の偏光方向を揃える素子(Polarized Beam Splitter)である。例えば、PBSアレイ30は、光源10が出射する白色光の偏光方向をY軸方向(或いは、Z軸方向)に揃える。
【0025】
色分離部40は、光源10が出射する白色光を分離する。詳細には、色分離部40は、第1色成分光(ここでは、緑成分光G)を白色光から分離するとともに、第2色成分光(ここでは、赤成分光R)及び第3色成分光(ここでは、青成分光B)を含む合成光を白色光から分離する。
【0026】
ミラー51は、第1色成分光(ここでは、緑成分光G)を液晶パネル71G側に反射する。ミラー52は、第2色成分光(ここでは、赤成分光R)及び第3色成分光(ここでは、青成分光B)を含む合成光を液晶パネル71RB側に反射する。
【0027】
偏光調整素子60は、第2色成分光(ここでは、赤成分光R)及び第3色成分光(ここでは、青成分光B)を含む合成光の光路上に設けられる。偏光調整素子60は、第2色成分光(ここでは、赤成分光R)の偏光成分及び第3色成分光(ここでは、青成分光B)の偏光成分を個別に調整する。
【0028】
詳細には、偏光調整素子60は、図2示すように、第1偏光調整素子61及び第2偏光調整素子62によって構成される。
【0029】
第1偏光調整素子61は、第1偏光調整素子61に印加される電圧V61に応じて、第3色成分光(ここでは、青成分光B)の偏光成分を調整せずに第2色成分光(ここでは、赤成分光R)の偏光成分を調整する。
【0030】
例えば、第1偏光調整素子61は、図3に示すように、電圧V61が印加されている場合に、第2色成分光(ここでは、赤成分光R)を構成する偏光成分を第1偏光成分に調整する。一方で、第1偏光調整素子61は、電圧V61が印加されない場合に、第2色成分光(ここでは、赤成分光R)を構成する偏光成分を第2偏光成分に調整する。
【0031】
なお、第1偏光調整素子61は、電圧V61の大きさに応じて、第2色成分光(ここでは、赤成分光R)を構成する第1偏光成分の量を調整する。
【0032】
第2偏光調整素子62は、第2偏光調整素子62に印加される電圧V62に応じて、第2色成分光(ここでは、赤成分光R)の偏光成分を調整せずに第3色成分光(ここでは、青成分光B)の偏光成分を調整する。
【0033】
例えば、第2偏光調整素子62は、図3に示すように、電圧V62が印加されている場合に、第3色成分光(ここでは、青成分光B)を構成する偏光成分を第1偏光成分に調整する。一方で、第2偏光調整素子62は、電圧V62が印加されない場合に、第3色成分光(ここでは、青成分光B)を構成する偏光成分を第2偏光成分に調整する。
【0034】
なお、第2偏光調整素子62は、電圧V62の大きさに応じて、第3色成分光(ここでは、青成分光B)を構成する第1偏光成分の量を調整する。
【0035】
例えば、図2に示すように、電圧V61及び電圧V62がオンである場合には、偏光調整素子60は、第2色成分光(ここでは、赤成分光R)及び第3色成分光(ここでは、青成分光B)を構成する偏光成分の全てを第2偏光成分に調整する。従って、第2色成分光及び第3色成分光は、入射側偏光板72で遮光され、液晶パネル71に導かれない(最小光量表示)。
【0036】
電圧V61がオフであり、電圧V62がオンである場合には、偏光調整素子60は、第2色成分光(ここでは、赤成分光R)を構成する偏光成分の全てを第1偏光成分に調整し、第3色成分光(ここでは、青成分光B)を構成する偏光成分の全てを第2偏光成分に調整する。従って、第2色成分光は、入射側偏光板72を透過して、液晶パネル71に導かれ、第3色成分光は、入射側偏光板72で遮光され、液晶パネル71に導かれない(R表示)。
【0037】
電圧V61がオンであり、電圧V62がオフである場合には、偏光調整素子60は、第2色成分光(ここでは、赤成分光R)を構成する偏光成分の全てを第2偏光成分に調整し、第3色成分光(ここでは、青成分光B)を構成する偏光成分の全てを第1偏光成分に調整する。従って、第2色成分光は、入射側偏光板72で遮光され、液晶パネル71に導かれず、第3色成分光は、入射側偏光板72を透過して、液晶パネル71に導かれる(B表示)。
【0038】
電圧V61及び電圧V62がオフである場合には、偏光調整素子60は、第2色成分光(ここでは、赤成分光R)及び第3色成分光(ここでは、青成分光B)を構成する偏光成分の全てを第1偏光成分に調整する。従って、第2色成分光及び第3色成分光は、入射側偏光板72を透過して、液晶パネル71に導かれる(最大光量表示)。
【0039】
なお、例えば、偏光調整素子60に印加される電圧のオン/オフによって偏光を調整する特性が切り替わる波長は、図3に示すように、黄成分光Yeの波長帯に跨っている。これによって、偏光調整素子60に電圧が印加されていない場合に、黄成分光Yeの一部(短波長側)を青成分光Bに重畳される。また、偏光調整素子60に電圧が印加されている場合に、黄成分光Yeが赤成分光Rに重畳される。
【0040】
なお、図3の縦軸は、偏光調整素子60から出射される第1偏光成分の強度を示している。また、図3の横軸は、色成分光の波長を示している。
【0041】
なお、色分離部40の特性(カットオフ波長)によっては、黄成分光Yeが緑成分光Gに重畳されてもよい。
【0042】
液晶パネル71Gは、緑入力信号Gin(緑出力信号Gout)に基づいて緑成分光Gを変調する。液晶パネル71Gの光入射側には、第1偏光成分を有する光透過して、第2偏光成分を有する光を遮光する入射側偏光板72Gが設けられる。一方で、液晶パネル71Gの光出射側には、第1偏光成分を有する透過して、第2偏光成分を有する光を遮光する出射側偏光板73Gが設けられる。
【0043】
なお、第1実施形態において、液晶パネル71Gは、第1信号値(ここでは、緑入力信号Gin)に基づいて、第1色成分光(ここでは、緑成分光G)を変調する第1光変調素子の一例である。
【0044】
液晶パネル71RBは、赤入力信号Rin(赤出力信号Rout)に基づいて赤成分光Rを変調し、青入力信号Bin(青出力信号Bout)に基づいて青成分光Bを変調する。液晶パネル71RBの光入射側には、第1偏光成分を有する光を透過して、第2偏光成分を有する光を遮光する入射側偏光板72RBが設けられる。一方で、液晶パネル71RBの光出射側には、第1偏光成分を有する光を透過して、第2偏光成分を有する光を遮光する出射側偏光板73RBが設けられる。
【0045】
ここで、液晶パネル71RBは、赤成分光R及び青成分光Bを時分割で変調する。例えば、1つのフレームが2つのサブフレームによって構成される場合には、液晶パネル71RBは、一方のサブフレームにおいて赤成分光Rを変調し、他方のサブフレームにおいて青成分光Bを変調する。但し、液晶パネル71RBは、同一のサブフレームにおいて、赤成分光R及び青成分光Bを変調してもよい。
【0046】
なお、第1実施形態において、液晶パネル71RBは、第2信号値(ここでは、赤入力信号Rin)に基づいて、第2色成分光(ここでは、赤成分光R)を変調するとともに、第3信号値(ここでは、青入力信号Bin)に基づいて、第3色成分光(ここでは、青成分光B)を変調する第2変調素子の一例である。
【0047】
合成部80は、液晶パネル71Gから出射される光及び液晶パネル71RBから出射される光を合成する。例えば、合成部80は、液晶パネル71Gから出射される光を反射して、液晶パネル71RBから出射される光を透過するダイクロイックプリズムである。なお、合成部80は、液晶パネル71Gから出射される光を反射して、液晶パネル71RBから出射される光を透過するダイクロイックミラーであってもよい。
【0048】
或いは、合成部80は、液晶パネル71Gから出射される光を反射して、液晶パネル71RBから出射される光を透過するPBSプリズムやPBSミラーであってもよい。このようなケースでは、液晶パネル71Gから出射される光の偏光は、液晶パネル71RBから出射される光の偏光と異なることに留意すべきである。
【0049】
投写レンズユニット90は、合成部80から出射される光(映像光)を投写面(不図示)上などに投写する。
【0050】
なお、光源10、色分離部40、偏光調整素子60、液晶パネル71及び入射側偏光板72は、照明装置を構成してもよい。照明装置は、これらの素子以外にも、出射側偏光板73や合成部80などを含んでもよい。
【0051】
(制御ユニットの構成)
以下において、第1実施形態に係る制御ユニットについて、図面を参照しながら説明する。図4は、第1実施形態に係る制御ユニット200を示すブロック図である。制御ユニット200は、投写型映像表示装置100に設けられており、投写型映像表示装置100を制御する。
【0052】
なお、制御ユニット200は、映像入力信号を映像出力信号に変換する。映像入力信号は、赤入力信号Rin、緑入力信号Gin及び青入力信号Binによって構成される。映像出力信号は、赤出力信号Rout、緑出力信号Gout及び青出力信号Boutによって構成される。映像入力信号及び映像出力信号は、1フレームを構成する画素毎に入力される信号である。
【0053】
図4に示すように、制御ユニット200は、映像信号受付部210と、制御部220とを有する。
【0054】
映像信号受付部210は、パーソナルコンピュータ、DVDなどの外部装置から映像入力信号を受付ける。
【0055】
制御部220は、偏光調整素子60及び液晶パネル71に接続されており、偏光調整素子60及び液晶パネル71を制御する。
【0056】
第1に、制御部220は、偏光調整素子60に印加する電圧を制御することによって、液晶パネル71RBに導かれる光を制御する。詳細には、制御部220は、第1偏光調整素子61に印加する電圧V61を制御することによって、液晶パネル71RBに導かれる第2色成分光(ここでは、赤成分光R)の光量を制御する。また、制御部220は、第2偏光調整素子62に印加する電圧V62を制御することによって、液晶パネル71RBに導かれる第3色成分光(ここでは、青成分光B)の光量を制御する。
【0057】
なお、制御部220は、電圧V61及びV62を個別に制御可能である。従って、制御部220は、液晶パネル71RBに導かれる第2色成分光の光量及び第3色成分光の光量を個別に制御可能である。
【0058】
ここで、制御部220は、1フレーム期間において、液晶パネル71RBに導かれる第2色成分光のDuty比及び第3色成分光の光量のDuty比の合計が100%になるように、偏光調整素子60に印加する電圧を制御してもよい。或いは、制御部220は、1フレーム期間において、液晶パネル71RBに導かれる第2色成分光のDuty比及び第3色成分光のDuty比の合計が100%を超えるように、偏光調整素子60に印加する電圧を制御してもよい。
【0059】
第2に、制御部220は、映像入力信号を映像出力信号に変換して、映像出力信号に基づいて、液晶パネル71を制御する。具体的には、制御部220は、緑出力信号Goutに基づいて、液晶パネル71Gを制御する。一方で、制御部220は、赤出力信号Routに基づいて液晶パネル71RBを制御し、青出力信号Boutに基づいて液晶パネル71RBを制御する。
【0060】
なお、制御部220は、赤出力信号Rout及び青出力信号Boutに基づいて、液晶パネル71RBを時分割で制御する。例えば、1つのフレームが2つのサブフレームによって構成される場合には、制御部220は、一方のサブフレームにおいて、赤出力信号Routに基づいて液晶パネル71RBを制御し、他方のサブフレームにおいて、青出力信号Boutに基づいて、液晶パネル71RBを制御する。
【0061】
(制御例1)
以下において、第1実施形態に係る制御例1について、図5を参照しながら説明する。図5は、第1実施形態に係る制御例1を説明するための図である。なお、図5では、合成部80に導かれる光量(すなわち、投写型映像表示装置100から出射される映像光の光量)が示されていることに留意すべきである。
【0062】
図5の上段に示すように、通常モードにおいては、第1色成分光(ここでは、緑成分光G)の光量は、2つのサブフレームにおいて均等に分配される。
【0063】
これに対して、図5の下段に示すように、特定モードにおいては、第1色成分光(ここでは、緑成分光G)の光量は、2つのサブフレームのそれぞれにおいて異なる。
【0064】
詳細には、制御部220は、1つのフレームにおける総光量が変化しないように、2つのサブフレームのうち、いずれか一方のサブフレームに、緑成分光Gの光量が偏るように、液晶パネル71Gを制御する。なお、1つのフレームにおける総光量は、緑入力信号Ginに基づいて定まることに留意すべきである。
【0065】
すなわち、第1光変調素子(ここでは、液晶パネル71G)は、第1信号値(ここでは、緑入力信号Gin)に基づいて、2つのサブフレームのそれぞれにおいて投写型映像表示装置100から出射される第1色成分光(ここでは、緑成分光G)の光量が変化するように、第1色成分光を変調する。
【0066】
例えば、緑入力信号Ginが“153/255≒60%”である場合には、1フレーム全体において、60%の緑成分光Gが出力されればよい。このようなケースにおいて、制御部220は、一方のサブフレームにおいて、100%の緑成分光Gが出力されるように液晶パネル71Gを制御する。また、制御部220は、他方のサブフレームにおいて、20%の緑成分光Gが出力されるように液晶パネル71Gを制御する。
【0067】
このように、2つのサブフレームのうち、一方のサブフレームの輝度を低下させることによって、黒挿入のような動ボケ改善効果が得られる。
【0068】
(制御例2)
以下において、第1実施形態に係る制御例2について、図6を参照しながら説明する。図6は、第1実施形態に係る制御例2を説明するための図である。なお、図6では、合成部80に導かれる光量(すなわち、投写型映像表示装置100から出射される映像光の光量)が示されていることに留意すべきである。
【0069】
図6の上段に示すように、通常モードにおいては、第1色成分光(ここでは、緑成分光G)の光量は、2つのサブフレームにおいて均等に分配される。
【0070】
これに対して、図6の下段に示すように、特定モードにおいては、第1色成分光(ここでは、緑成分光G)の光量は、2つのサブフレームのそれぞれにおいて異なる。
【0071】
詳細には、制御部220は、1つのフレームにおける総光量が変化しないように、赤入力信号Rinと青入力信号Binとの比率に基づいて、緑成分光Gの光量が2つのサブフレームに分配されるように、液晶パネル71Gを制御する。なお、1つのフレームにおける総光量は、緑入力信号Ginに基づいて定まることに留意すべきである。
【0072】
すなわち、第1光変調素子(ここでは、液晶パネル71G)は、第2信号値(ここでは、赤入力信号Rin)及び第3信号値(ここでは、青入力信号Bin)の比率に基づいて、2つのサブフレームのそれぞれにおいて投写型映像表示装置100から出射される第1色成分光(ここでは、緑成分光G)の光量が変化するように、第1色成分光を変調する。
【0073】
例えば、緑入力信号Ginが“153/255≒60%”であり、赤入力信号Rinが“204/255≒80%”であり、青入力信号Binが“51/255≒20%”である場合には、1フレーム全体において、60%の緑成分光Gが出力されればよい。このようなケースにおいて、制御部220は、赤成分光Rが出力されるサブフレーム(すなわち、赤入力信号Rinに基づいて制御されるサブフレーム)において、96%の緑成分光Gが出力されるように液晶パネル71Gを制御する。また、制御部220は、青成分光Bが出力されるサブフレーム(すなわち、青入力信号Binに基づいて制御されるサブフレーム)において、24%の緑成分光Gが出力されるように液晶パネル71Gを制御する。
【0074】
これによって、1つのサブフレームにおいて、緑成分光Gが赤成分光R(或いは、青成分光B)よりも著しく大きいことに起因するカラーブレイクが抑制される。
【0075】
(制御例3)
以下において、第1実施形態に係る制御例3について、図7を参照しながら説明する。図7は、第1実施形態に係る制御例3を説明するための図である。なお、図7では、合成部80に導かれる光量(すなわち、投写型映像表示装置100から出射される映像光の光量)が示されていることに留意すべきである。
【0076】
図7の上段に示すように、通常モードにおいては、第1色成分光(ここでは、緑成分光G)の光量は、2つのサブフレームにおいて均等に分配される。
【0077】
これに対して、図7の下段に示すように、特定モードにおいては、一方のサブフレームにおいて、オリジナル映像が出力され、他方のサブフレームにおいて、補間フレームが出力される。なお、オリジナル映像は、外部装置から入力されるオリジナル信号に基づいて表示される映像であり、補間映像は、オリジナル信号に基づいて生成される補間信号に基づいて表示される映像である。補間映像の生成方法は任意である。
【0078】
詳細には、制御部220は、一方のサブフレームにおいて、オリジナル信号に基づいて液晶パネル71Gを制御する。また、制御部220は、他方のサブフレームにおいて、補間信号に基づいて液晶パネル71Gを制御する。
【0079】
すなわち、第1光変調素子(ここでは、液晶パネル71G)は、一方のサブフレームにおいて、オリジナル信号値に基づいて第1色成分光(ここでは、緑成分光G)を変調し、他方のサブフレームにおいて、補間信号値に基づいて第1色成分光(ここでは、緑成分光G)を変調する。
【0080】
このように、2つのサブフレームのいずれかにおいて補間映像が出力されるため、動ボケ改善効果が得られる。
【0081】
(制御例4)
以下において、第1実施形態に係る制御例4について、図8を参照しながら説明する。図8は、第1実施形態に係る制御例4を説明するための図である。
【0082】
図8に示すように、偏光調整素子60は、所定期間において、第2色成分光(赤成分光R)の偏光成分及び第3色成分光(青成分光B)を構成する偏光成分の全てを前記第2偏光成分に調整する(上述した最小光量表示)。
【0083】
例えば、偏光調整素子60は、第2信号(ここでは、赤入力信号Rin)又は第3信号(青入力信号Bin)が液晶パネル71RBに入力されてから液晶パネル71RBの応答が完了するまでの期間において、第2色成分光(赤成分光R)の偏光成分及び第3色成分光(青成分光B)を構成する偏光成分の全てを第2偏光成分に調整する。すなわち、所定期間は、液晶パネル71RBの書き換え期間である。
【0084】
或いは、最小光量表示が行われる所定期間は、フリッカー対策として黒挿入を行うべき期間であってもよい。或いは、所定期間は、周期的に割当てられる期間であってもよい。
【0085】
(作用及び効果)
第1実施形態では、偏光調整素子60は、第2色成分光(赤成分光R)の偏光成分及び第3色成分光(青成分光B)の偏光成分を個別に調整する。すなわち、第2色成分光及び第3色成分光のそれぞれについて、入射側偏光板72RBを透過して液晶パネル71RBに導かれる光量が調整される。
【0086】
これによって、光変調素子(液晶パネル71)の数を減らすことができる。また、偏光調整素子60が偏光板を有する必要がないため、さらにコストダウンを図ることができる。
【0087】
第1実施形態では、偏光調整素子60は、所定期間において、第2色成分光(赤成分光R)の偏光成分及び第3色成分光(青成分光B)を構成する偏光成分の全てを前記第2偏光成分に調整する。例えば、所定期間が液晶パネル71RBの書き換え期間である場合には、第2信号(ここでは、赤入力信号Rin)に基づいて第3色成分光(青成分光B)が変調される状態、第3信号(青入力信号Bin)に基づいて第2色成分光(赤成分光R)が変調される状態が回避される。また、黒挿入効果も得られる。
【0088】
なお、制御例1では、第1光変調素子(液晶パネル71G)は、第1信号値(緑入力信号Gin)に基づいて、2つのサブフレームのそれぞれにおいて投写型映像表示装置100から出射される第1色成分光(緑成分光G)の光量が変化するように、第1色成分光を変調する。
【0089】
このように、2つのサブフレームのうち、一方のサブフレームの輝度を低下させることによって、黒挿入のような動ボケ改善効果が得られる。
【0090】
制御例2では、第1光変調素子(液晶パネル71G)は、第2信号値(赤入力信号Rin)及び第3信号値(青入力信号Bin)の比率に基づいて、2つのサブフレームのそれぞれにおいて投写型映像表示装置100から出射される第1色成分光(緑成分光G)の光量が変化するように、第1色成分光を変調する。
【0091】
これによって、1つのサブフレームにおいて、緑成分光Gが赤成分光R(或いは、青成分光B)よりも著しく大きいことに起因するカラーブレイクが抑制される。
【0092】
制御例3では、第1光変調素子(液晶パネル71G)は、一方のサブフレームにおいて、オリジナル信号値に基づいて第1色成分光(緑成分光G)を変調し、他方のサブフレームにおいて、補間信号値に基づいて第1色成分光(緑成分光G)を変調する。
【0093】
このように、2つのサブフレームのいずれかにおいて補間映像が出力されるため、動ボケ改善効果が得られる。
【0094】
第1実施形態では、緑成分光Gが2つのサブフレームで出力されるため、映像の輝度が優先される。また、赤成分光R及び青成分光Bが時分割で出力される。赤成分光Rの波長帯及び青成分光Bの波長帯が離れているため、偏光調整素子60が赤成分光R及び青成分光Bを分離することが容易である。
【0095】
第1実施形態では、偏光調整素子60に印加される電圧のオン/オフによって偏光を調整する特性が切り替わる波長が黄成分光Yeの波長帯を跨っているため、赤成分光R又は青成分光Bを重畳して、映像の高輝度化を図ることができる。
【0096】
[変更例1]
以下において、第1実施形態の変更例1について説明する。以下においては、第1実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0097】
第1実施形態では、第1色成分光が緑成分光Gであり、第2色成分光が赤成分光Rであり、第3色成分光が青成分光Bであるケースについて例示した。
【0098】
これに対して、変更例1では、第1色成分光が赤成分光Rであり、第2色成分光が緑成分光Gであり、第3色成分光が青成分光Bである。変更例1では、上述した色分離部40の構成などが第1実施形態と異なることは勿論である。
【0099】
ここで、変更例1において、偏光調整素子60に印加される電圧のオン/オフによって偏光を調整する特性が切り替わる波長は、図9に示すように、シアン成分光Cyの波長帯に跨っている。これによって、偏光調整素子60に電圧が印加されていない場合に、シアン成分光Cyの一部(短波長側)が青成分光Bに重畳される。また、偏光調整素子60に電圧が印加されている場合に、シアン成分光Cyを緑成分光Gに重畳される。
【0100】
なお、図9の縦軸は、偏光調整素子60から出射される第1偏光成分の強度を示している。また、図9の横軸は、色成分光の波長を示している。
【0101】
(作用及び効果)
変更例1では、赤成分光Rが2つのサブフレームで出力されるため、映像の色味が優先される。また、緑成分光G及び青成分光Bが時分割で出力される。緑成分光Gの波長帯及び青成分光Bの波長帯が離れているため、偏光調整素子60が緑成分光G及び青成分光Bを分離することが容易である。
【0102】
[変更例2]
以下において、第1実施形態の変更例2について説明する。以下においては、第1実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0103】
第1実施形態では、第1色成分光が緑成分光Gであり、第2色成分光が赤成分光Rであり、第3色成分光が青成分光Bであるケースについて例示した。
【0104】
これに対して、変更例2では、第1色成分光が青成分光Bであり、第2色成分光が赤成分光Rであり、第3色成分光が緑成分光Gである。変更例2では、上述した色分離部40の構成などが第1実施形態と異なることは勿論である。
【0105】
ここで、変更例2において、偏光調整素子60に印加される電圧のオン/オフによって偏光を調整する特性が切り替わる波長は、図10に示すように、黄成分光Yeの波長帯に跨っている。これによって、偏光調整素子60に電圧が印加されていない場合に、黄成分光Yeが緑成分光Gに重畳される。また、偏光調整素子60に電圧が印加されている場合に、シアン成分光Cyを赤成分光Rに重畳される。
【0106】
なお、図10の縦軸は、偏光調整素子60から出射される第1偏光成分の強度を示している。また、図10の横軸は、色成分光の波長を示している。
【0107】
(作用及び効果)
変更例2では、青成分光Bが2つのサブフレームで出力されるため、映像の色温度が優先される。
【0108】
変更例2では、偏光調整素子60に印加される電圧のオン/オフによって偏光を調整する特性が切り替わる波長が黄成分光Yeの波長帯を跨っているため、緑成分光Gに黄成分光Yeを重畳して、映像の高輝度化を図ることができる。
【0109】
[変更例3]
以下において、第1実施形態の変更例3について説明する。以下においては、第1実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0110】
第1実施形態では、赤入力信号Rinに基づいて制御されるサブフレームにおいては、赤成分光Rが出力されており、青入力信号Binに基づいて制御されるサブフレームにおいては、青成分光Bが出力される。
【0111】
これに対して、偏光調整素子60は、1つのフレーム内において、第2色成分光(ここでは、赤成分光R)及び第3色成分光(ここでは、青成分光B)を構成する第1偏光成分が1つのサブフレーム内で混合されるように、偏光調整素子に入射する光の偏光を調整する。
【0112】
詳細には、図11に示すように、フレーム#1のサブフレーム1aにおいては、赤成分光Rが出力されており、フレーム#1のサブフレーム1bにおいては、青成分光Bが出力される。すなわち、フレーム#1は、第1実施形態と同様である。
【0113】
これに対して、フレーム#2のサブフレーム2bにおいては、青成分光Bに加えて、赤成分光Rが出力される。また、フレーム#4のサブフレーム4aにおいては、赤成分光Rに加えて、青成分光Bが出力される。
【0114】
なお、図11では、液晶パネル71RBに導かれる光量(すなわち、入射側偏光板72RBを透過する光量)が示されていることに留意すべきである。すなわち、図11に示す光量は、上述した図5〜図7に示す光量と異なっていることに留意すべきである。
【0115】
ここで、偏光調整素子60によって第1偏光成分に調整される光量は、図12に示すように、偏光調整素子60に印加される電圧によって異なる。例えば、電圧V1が偏光調整素子60に印加される場合には、上述したフレーム#2のサブフレーム2bに示すように、1つのサブフレームにおいて、赤成分光R及び青成分光Bを構成する第1偏光成分が混合される。
【0116】
すなわち、上述した制御部220は、偏光調整素子60に印加する電圧を制御することによって、液晶パネル71RBに導かれる赤成分光R及び青成分光Bの混合比を制御する。
【0117】
このように、赤入力信号Rinに基づいて制御されるサブフレームにおいて、赤成分光Rに加えて青成分光Bを出力することによって、図13に示すように、色再現範囲がマゼンタ方向に縮小するが、映像の輝度を向上することができる。同様に、青入力信号Binに基づいて制御されるサブフレームにおいて、青成分光Bに加えて赤成分光Rを出力することによって、図13に示すように、色再現範囲がマゼンタ方向に縮小するが、映像の輝度を向上することができる。
【0118】
[変更例4]
以下において、第1実施形態の変更例4について、図面を参照しながら説明する。以下においては、第1実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0119】
第1実施形態では、緑成分光Gが白色光から分離されるとともに、赤成分光R及び青成分光Bを含む合成光が白色光から分離されるケースについて例示した。
【0120】
これに対して、変更例4では、緑成分光G及び青成分光Bの一部を含む合成光が白色光から分離可能であり、赤成分光R及び青成分光Bの一部を含む合成光が白色光から分離可能である。
【0121】
変更例4においては、緑成分光Gは、第1色成分光の一例であり、青成分光Bは、第2色成分光の一例であり、赤成分光Rは、第3色成分光の一例である。
【0122】
(投写型映像表示装置の構成)
以下において、変更例4に係る投写型映像表示装置の構成について、図面を参照しながら説明する。図14は、変更例4に係る投写型映像表示装置100の構成を示す図である。なお、図14では、図1と同様の構成について同様の符号を付している。
【0123】
図14に示すように、投写型映像表示装置100は、液晶パネル71G、入射側偏光板72G及び出射側偏光板73Gに代えて、液晶パネル71GB、入射側偏光板72GB及び出射側偏光板73GBを有する。投写型映像表示装置100は、分離前偏光調整素子130と、色分離部140と、偏光調整素子160RBと、偏光調整素子160GBとを有する。なお、色分離部140は、色分離部40に代えて設けられている。
【0124】
分離前偏光調整素子130は、色分離部140の光入射側に設けられる。具体的には、分離前偏光調整素子130は、偏光調整素子60に入射する光の偏光を波長帯毎に制御する。
【0125】
分離前偏光調整素子130は、第1色成分光(ここでは、緑成分光G)と第3色成分光(ここでは、赤成分光R)とが色分離部140によって異なる光路に分離されるように、第1色成分光及び第3色成分光の偏光を調整する。
【0126】
分離前偏光調整素子130は、第1色成分光(ここでは、緑成分光G)が導かれる光路及び/又は第3色成分光(ここでは、赤成分光R)が導かれる光路に第2色成分光が色分離部140によって分離されるように、第2色成分光(ここでは、青成分光B)の偏光を調整する。
【0127】
例えば、分離前偏光調整素子130は、緑成分光GをP偏光成分に調整し、赤成分光RをS偏光成分に調整する。また、分離前偏光調整素子130は、分離前偏光調整素子130に印加される電圧に応じて、青成分光Bを構成するP偏光成分及びS偏光成分の比率を調整する。例えば、分離前偏光調整素子130は、分離前偏光調整素子130に電圧が印加されている場合に、青成分光Bを構成するS偏光成分に調整する。一方で、分離前偏光調整素子130は、分離前偏光調整素子130に電圧が印加されていない場合に、青成分光Bを構成するP偏光成分に調整する。
【0128】
色分離部140は、色分離部140に入射する光の偏光に応じて、白色成分光を分離する。具体的には、色分離部140は、一方の偏光成分(例えば、P偏光成分)を透過して、他方の偏光成分(例えば、S偏光成分)を反射するPBS(Polarized Beam Splitter)である。
【0129】
偏光調整素子160GBは、偏光調整素子160GBに入射する光の偏光を波長帯毎に制御する。
【0130】
詳細には、偏光調整素子160GBは、第1色成分光(ここでは、緑成分光G)を構成する第1偏光成分の量及び第2色成分光(ここでは、青成分光B)を構成する第1偏光成分の量が変わるように、偏光調整素子160GBに入射する光の偏光を調整する。なお、第1偏光成分とは、入射側偏光板72GBを透過する偏光成分であることに留意すべきである。
【0131】
偏光調整素子160RBは、第3色成分光(ここでは、赤成分光R)を構成する第1偏光成分の量及び第2色成分光(ここでは、青成分光B)を構成する第1偏光成分の量が変わるように、偏光調整素子160RBに入射する光の偏光を調整する。なお、第1偏光成分とは、入射側偏光板72RBを透過する偏光成分であることに留意すべきである。
【0132】
液晶パネル71GBは、緑入力信号Gin(緑出力信号Gout)に基づいて緑成分光Gを変調し、青入力信号Bin(青出力信号Bout)に基づいて青成分光Bを変調する。液晶パネル71GBの光入射側には、第1偏光成分を有する光を透過して、第2偏光成分を有する光を遮光する入射側偏光板72GBが設けられる。一方で、液晶パネル71GBの光出射側には、第1偏光成分を有する光を透過して、第2偏光成分を有する光を遮光する出射側偏光板73GBが設けられる。
【0133】
変更例4では、分離前偏光調整素子130によって青成分光Bの偏光を調整することによって、偏光調整素子160GBに導かれる青成分光Bと偏光調整素子160RBに導かれる青成分光Bとの比率を調整することができる。
【0134】
また、偏光調整素子160GBによって緑成分光G及び青成分光Bの偏光を調整することによって、液晶パネル71GBに導かれる緑成分光Gと青成分光Bとの比率を調整することができる。同様に、偏光調整素子160RBによって赤成分光R及び青成分光Bの偏光を調整することによって、液晶パネル71RBに導かれる赤成分光Rと青成分光Bとの比率を調整することができる。
【0135】
従って、映像の色バランスに応じて、1フレーム内において、液晶パネル71に導かれる赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bの光量を任意に調整することが可能である。
【0136】
(制御例)
以下において、変更例4に係る制御例について、図15を参照しながら説明する。図15は、変更例4に係る制御例を説明するための図である。なお、図15では、液晶パネル71に導かれる光量(すなわち、入射側偏光板72を透過する光量)が示されていることに留意すべきである。
【0137】
上述したように、分離前偏光調整素子130、偏光調整素子160GB及び偏光調整素子160RBによって、液晶パネル71に導かれる赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bの光量を任意に調整することが可能である。
【0138】
従って、例えば、図15に示すように、1つのフレーム内において、赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bが出射されるサブフレームの組み合わせを任意に変更することができる。
【0139】
詳細には、フレーム#1のように、緑成分光Gが出力されるサブフレーム数を2つにして、赤成分光R(或いは、青成分光B)が出力されるサブフレーム数を1つにしてもよい。また、フレーム#2のように、赤成分光Rが出力されるサブフレーム数を2つにして、緑成分光G(或いは、青成分光B)が出力されるサブフレーム数を1つにしてもよい。さらに、フレーム#3のように、緑成分光G(或いは、赤成分光R)が出力されるサブフレーム数を2つにして、青成分光Bが出力されるサブフレーム数を0にしてもよい。
【0140】
なお、図15では、説明を簡略化するために、1つのサブフレームで出力される色成分光が1色であるケースについて例示したが、1つのサブフレームで出力される色成分光が2色であってもよい。
【0141】
(他の制御例)
以下において、変更例4に係る他の制御例について、図16を参照しながら説明する。図16は、変更例4に係る他の制御例を説明するための図である。なお、図16では、液晶パネル71に導かれる光量(すなわち、入射側偏光板72を透過する光量)が示されていることに留意すべきである。
【0142】
他の制御例では、偏光調整素子160GB及び偏光調整素子160RBのいずれか一方が設けられるケースについて説明する。ここでは、偏光調整素子160RBのみが設けられているケースについて例示する。
【0143】
上述したように、分離前偏光調整素子130によって、緑成分光Gの光路に導かれる青成分光Bと赤成分光Rの光路に導かれる青成分光Bとの比率が調整される。
【0144】
従って、例えば、図16に示すように、サブフレーム毎に、青成分光Bの重畳量を調整することが可能である。
【0145】
詳細には、フレーム#1のように、青成分光Bの全てを赤成分光Rの光路に導いた上で、赤成分光Rが出力されるサブフレームと青成分光Bが出力されるサブフレームとが切り替えられてもよい。
【0146】
サブフレーム#2のサブフレーム2aのように、青成分光Bの全てを緑成分光Gの光路に導いた上で、青成分光Bが緑成分光Gに重畳されてもよい。サブフレーム#2のサブフレーム2bのように、緑成分光G及び赤成分光Rの光路に青成分光Bを分離した上で、青成分光Bが緑成分光Gに重畳されるとともに、青成分光Bが単独で出力されてもよい。
【0147】
サブフレーム#2のサブフレーム3aのように、緑成分光G及び赤成分光Rの光路に青成分光Bを分離した上で、青成分光Bが緑成分光Gに重畳されるとともに、青成分光Bが出力されなくてもよい。
【0148】
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0149】
実施形態では特に触れていないが、偏光調整素子60は、所定期間において、第2色成分光(赤成分光R)の偏光成分及び第3色成分光(青成分光B)を構成する偏光成分の全てを前記第1偏光成分に調整してもよい。所定期間は、例えば、1フレームの映像に含まれる白成分が所定閾値よりも大きい期間などである。
【0150】
実施形態では特に触れていないが、偏光調整素子60、偏光調整素子160GB及び偏光調整素子160RBは、1枚の液晶パネルによって構成されていてもよい。
【0151】
実施形態では特に触れていないが、単色の色成分光を変調する液晶パネル71Gの駆動周波数(例えば、60Hz)は、複数色の色成分光を変調する液晶パネル71RBの駆動周波数(例えば、120Hz)よりも低くてもよい。
【0152】
実施形態では特に触れていないが、単色の色成分光を変調する液晶パネル71Gの解像度は、複数色の色成分光を変調する液晶パネル71RBの解像度よりも低くてもよい。なお、液晶パネル71Gは、2つのサブフレームにおいて緑成分光Gを変調するため、例えば、制御例3のように、補間映像の表示によって、低解像度を補うことが可能である。
【0153】
第1実施形態では特に触れていないが、制御例1〜制御例3は、映像入力信号に基づいて切り替えられてもよい。例えば、映像入力信号に基づいて特定される動きベクトルに基づいて、制御例1〜制御例3の中から適切な制御例が選択される。或いは、映像入力信号に基づいて特定される映像の色バランスに基づいて、制御例1〜制御例3の中から適切な制御例が選択される。
【0154】
変更例4では特に触れていないが、MacAdamの楕円によれば、短波長側の光が混ざっても、人間は色の変化を認識しにくいことが知られている。従って、他の色成分光に重畳される第2色成分光は青成分光Bであることが好ましい。
【符号の説明】
【0155】
10…光源、20…フライアイレンズ、30…PBSアレイ、40…色分離部、50…ミラー、60…偏光調整素子、61…第1偏光調整素子、62…第2偏光調整素子、71…液晶パネル、72…入射側偏光板、73…出射側偏光板、80…合成部、90…投写レンズユニット、100…投写型映像表示装置、111〜113…レンズ、130…分離前偏光調整素子、140…色分離部、160GB…偏光調整素子、160RB…偏光調整素子、200…制御ユニット、210…映像信号受付部、220…制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、白色光源が発する白色光を複数の色成分光に分離した上で、各色成分光を変調する投写型映像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、白色光源が発する白色光を3つの色成分光(赤成分光R、緑成分光G及び青成分光B)に分離する色分離部と、3つの色成分光をそれぞれ変調する3つの光変調素子とを有する投写型映像表示装置が知られている。
【0003】
一方で、コスト削減を目的として、2つの光変調素子を有する投写型映像表示装置も提案されている。具体的には、色分離部は、白色光から1つの色成分光を分離するとともに、白色光から2つの色成分光の合成光を分離する。2つの色成分光の合成光の光路上には、2つの色成分光のそれぞれを時分割で出射するカラースイッチが設けられる(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−244203号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、一般的には、上述したカラースイッチは、液晶パネル及び偏光板によって構成される。また、光変調素子が液晶パネルである場合には、液晶パネルの光入射側に偏光板が設けられる。このように、上述した技術では、カラースイッチを構成する偏光板及び光変調素子の光入射側に設けられる偏光板が重複してしまう。
【0006】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、光変調素子の数を減らしながら、さらにコストダウンを図ることを可能とする投写型映像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の特徴に係る投写型映像表示装置(投写型映像表示装置100)は、第1色成分光(例えば、緑成分光G)、第2色成分光(例えば、赤成分光R)及び第3色成分光(例えば、青成分光B)を含む白色光を分離する色分離部(色分離部40)と、前記第2色成分光及び前記第3色成分光を含む合成光の光路上に設けられた偏光調整素子(偏光調整素子60)と、第1信号値(例えば、緑入力信号Gin)に基づいて、前記第1色成分光を変調する第1光変調素子(液晶パネル71G)と、第2信号値(例えば、赤入力信号Rin)に基づいて、前記第2色成分光を変調するとともに、第3信号値(例えば、青入力信号Bin)に基づいて、前記第3色成分光を変調する第2変調素子(液晶パネル71RB)と、前記第2変調素子の光入射側に設けられており、第1偏光成分を透過して、第2偏光成分を遮光する入射側偏光板(入射側偏光板72RB)とを備える。前記偏光調整素子は、前記第2色成分光の偏光成分及び前記第3色成分光の偏光成分を個別に調整する。
【0008】
第1の特徴において、前記偏光調整素子は、前記第3色成分光の偏光成分を調整せずに前記第2色成分光の偏光成分を調整する第1偏光調整素子と、前記第2色成分光の偏光成分を調整せずに前記第3色成分光の偏光成分を調整する第2偏光調整素子とによって構成される。
【0009】
第1の特徴において、前記偏光調整素子は、所定期間において、前記第2色成分光及び前記第3色成分光を構成する偏光成分の全てを前記第2偏光成分に調整する。
【0010】
第1の特徴において、前記偏光調整素子は、前記第1信号又は前記第2信号が前記第2変調素子に入力されてから前記第2変調素子の応答が完了するまでの期間において、前記第2色成分光及び前記第3色成分光を構成する偏光成分の全てを前記第2偏光成分に調整する。
【0011】
第1の特徴において、前記偏光調整素子は、所定期間において、前記第2色成分光及び前記第3色成分光を構成する偏光成分の全てを前記第1偏光成分に調整する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、光変調素子の数を減らしながら、さらにコストダウンを図ることを可能とする投写型映像表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、第1実施形態に係る投写型映像表示装置100を示す図である。
【図2】図2は、第1実施形態に係る偏光調整素子60を説明するための図である。
【図3】図3は、第1実施形態に係る偏光調整素子60を説明するための図である。
【図4】図4は、第1実施形態に係る制御ユニット200を示すブロック図である。
【図5】図5は、第1実施形態に係る制御例1を示す図である。
【図6】図6は、第1実施形態に係る制御例2を示す図である。
【図7】図7は、第1実施形態に係る制御例3を示す図である。
【図8】図8は、第1実施形態に係る制御例4を示す図である。
【図9】図9は、変更例1に係る偏光調整素子60を説明するための図である。
【図10】図10は、変更例2に係る偏光調整素子60を説明するための図である。
【図11】図11は、変更例3に係る制御例を示す図である。
【図12】図12は、変更例3に係る偏光調整素子60を説明するための図である。
【図13】図13は、変更例3に係る色再現範囲を説明するための図である。
【図14】図14は、変更例4に係る投写型映像表示装置100を示す図である。
【図15】図15は、変更例4に係る制御例を示す図である。
【図16】図16は、変更例4に係る他の制御例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下において、本発明の実施形態に係る投写型映像表示装置について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。
【0015】
ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0016】
[実施形態の概要]
実施形態に係る投写型映像表示装置は、第1色成分光、第2色成分光及び第3色成分光を含む白色光を分離する色分離部と、前記第2色成分光及び前記第3色成分光を含む合成光の光路上に設けられた偏光調整素子と、第1信号値に基づいて、前記第1色成分光を変調する第1光変調素子と、第2信号値に基づいて、前記第2色成分光を変調するとともに、第3信号値に基づいて、前記第3色成分光を変調する第2変調素子と、前記第2変調素子の光入射側に設けられており、第1偏光成分を透過して、第2偏光成分を遮光する入射側偏光板とを備える。前記偏光調整素子は、前記第2色成分光の偏光成分及び前記第3色成分光の偏光成分を個別に調整する。
【0017】
実施形態によれば、偏光調整素子は、第2色成分光の偏光成分及び第3色成分光の偏光成分を個別に調整する。すなわち、第2色成分光及び第3色成分光のそれぞれについて、入射側偏光板を透過して第2変調素子に導かれる光量が調整される。
【0018】
これによって、光変調素子の数を減らすことができる。また、偏光調整素子が偏光板を有する必要がないため、さらにコストダウンを図ることができる。
【0019】
[第1実施形態]
(投写型映像表示装置の構成)
以下において、第1実施形態に係る投写型映像表示装置の構成について、図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係る投写型映像表示装置100の構成を示す図である。
【0020】
図1に示すように、投写型映像表示装置100は、光源10と、フライアイレンズ20と、PBSアレイ30と、色分離部40と、複数のミラー50(ミラー51及びミラー52)と、偏光調整素子60とを有する。投写型映像表示装置100は、1対の液晶パネル71(液晶パネル71G、液晶パネル71RB)と、1対の入射側偏光板72(入射側偏光板72G、入射側偏光板72RB)と、1対の出射側偏光板73(出射側偏光板73G、出射側偏光板73RB)とを有する。投写型映像表示装置100は、合成部80と、投写レンズユニット90とを有する。なお、投写型映像表示装置100は、必要なレンズ群(レンズ111、レンズ112、レンズ113)を有する。
【0021】
光源10は、白色光を出射するUHPランプなどである。すなわち、光源10が出射する白色光は、赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bを少なくとも含む。白色光は、黄成分光Yeを含んでいる。
【0022】
なお、第1実施形態において、緑成分光Gは、第1色成分光の一例であり、赤成分光Rは、第2色成分光の一例であり、青成分光Bは、第3色成分光の一例である。
【0023】
フライアイレンズ20は、光源10が出射する白色光を均質化する素子である。詳細には、フライアイレンズ20は、複数の微小レンズを有しており、各レンズから出射される光は、液晶パネル71に照射される。
【0024】
PBSアレイ30は、光源10が出射する白色光の偏光方向を揃える素子(Polarized Beam Splitter)である。例えば、PBSアレイ30は、光源10が出射する白色光の偏光方向をY軸方向(或いは、Z軸方向)に揃える。
【0025】
色分離部40は、光源10が出射する白色光を分離する。詳細には、色分離部40は、第1色成分光(ここでは、緑成分光G)を白色光から分離するとともに、第2色成分光(ここでは、赤成分光R)及び第3色成分光(ここでは、青成分光B)を含む合成光を白色光から分離する。
【0026】
ミラー51は、第1色成分光(ここでは、緑成分光G)を液晶パネル71G側に反射する。ミラー52は、第2色成分光(ここでは、赤成分光R)及び第3色成分光(ここでは、青成分光B)を含む合成光を液晶パネル71RB側に反射する。
【0027】
偏光調整素子60は、第2色成分光(ここでは、赤成分光R)及び第3色成分光(ここでは、青成分光B)を含む合成光の光路上に設けられる。偏光調整素子60は、第2色成分光(ここでは、赤成分光R)の偏光成分及び第3色成分光(ここでは、青成分光B)の偏光成分を個別に調整する。
【0028】
詳細には、偏光調整素子60は、図2示すように、第1偏光調整素子61及び第2偏光調整素子62によって構成される。
【0029】
第1偏光調整素子61は、第1偏光調整素子61に印加される電圧V61に応じて、第3色成分光(ここでは、青成分光B)の偏光成分を調整せずに第2色成分光(ここでは、赤成分光R)の偏光成分を調整する。
【0030】
例えば、第1偏光調整素子61は、図3に示すように、電圧V61が印加されている場合に、第2色成分光(ここでは、赤成分光R)を構成する偏光成分を第1偏光成分に調整する。一方で、第1偏光調整素子61は、電圧V61が印加されない場合に、第2色成分光(ここでは、赤成分光R)を構成する偏光成分を第2偏光成分に調整する。
【0031】
なお、第1偏光調整素子61は、電圧V61の大きさに応じて、第2色成分光(ここでは、赤成分光R)を構成する第1偏光成分の量を調整する。
【0032】
第2偏光調整素子62は、第2偏光調整素子62に印加される電圧V62に応じて、第2色成分光(ここでは、赤成分光R)の偏光成分を調整せずに第3色成分光(ここでは、青成分光B)の偏光成分を調整する。
【0033】
例えば、第2偏光調整素子62は、図3に示すように、電圧V62が印加されている場合に、第3色成分光(ここでは、青成分光B)を構成する偏光成分を第1偏光成分に調整する。一方で、第2偏光調整素子62は、電圧V62が印加されない場合に、第3色成分光(ここでは、青成分光B)を構成する偏光成分を第2偏光成分に調整する。
【0034】
なお、第2偏光調整素子62は、電圧V62の大きさに応じて、第3色成分光(ここでは、青成分光B)を構成する第1偏光成分の量を調整する。
【0035】
例えば、図2に示すように、電圧V61及び電圧V62がオンである場合には、偏光調整素子60は、第2色成分光(ここでは、赤成分光R)及び第3色成分光(ここでは、青成分光B)を構成する偏光成分の全てを第2偏光成分に調整する。従って、第2色成分光及び第3色成分光は、入射側偏光板72で遮光され、液晶パネル71に導かれない(最小光量表示)。
【0036】
電圧V61がオフであり、電圧V62がオンである場合には、偏光調整素子60は、第2色成分光(ここでは、赤成分光R)を構成する偏光成分の全てを第1偏光成分に調整し、第3色成分光(ここでは、青成分光B)を構成する偏光成分の全てを第2偏光成分に調整する。従って、第2色成分光は、入射側偏光板72を透過して、液晶パネル71に導かれ、第3色成分光は、入射側偏光板72で遮光され、液晶パネル71に導かれない(R表示)。
【0037】
電圧V61がオンであり、電圧V62がオフである場合には、偏光調整素子60は、第2色成分光(ここでは、赤成分光R)を構成する偏光成分の全てを第2偏光成分に調整し、第3色成分光(ここでは、青成分光B)を構成する偏光成分の全てを第1偏光成分に調整する。従って、第2色成分光は、入射側偏光板72で遮光され、液晶パネル71に導かれず、第3色成分光は、入射側偏光板72を透過して、液晶パネル71に導かれる(B表示)。
【0038】
電圧V61及び電圧V62がオフである場合には、偏光調整素子60は、第2色成分光(ここでは、赤成分光R)及び第3色成分光(ここでは、青成分光B)を構成する偏光成分の全てを第1偏光成分に調整する。従って、第2色成分光及び第3色成分光は、入射側偏光板72を透過して、液晶パネル71に導かれる(最大光量表示)。
【0039】
なお、例えば、偏光調整素子60に印加される電圧のオン/オフによって偏光を調整する特性が切り替わる波長は、図3に示すように、黄成分光Yeの波長帯に跨っている。これによって、偏光調整素子60に電圧が印加されていない場合に、黄成分光Yeの一部(短波長側)を青成分光Bに重畳される。また、偏光調整素子60に電圧が印加されている場合に、黄成分光Yeが赤成分光Rに重畳される。
【0040】
なお、図3の縦軸は、偏光調整素子60から出射される第1偏光成分の強度を示している。また、図3の横軸は、色成分光の波長を示している。
【0041】
なお、色分離部40の特性(カットオフ波長)によっては、黄成分光Yeが緑成分光Gに重畳されてもよい。
【0042】
液晶パネル71Gは、緑入力信号Gin(緑出力信号Gout)に基づいて緑成分光Gを変調する。液晶パネル71Gの光入射側には、第1偏光成分を有する光透過して、第2偏光成分を有する光を遮光する入射側偏光板72Gが設けられる。一方で、液晶パネル71Gの光出射側には、第1偏光成分を有する透過して、第2偏光成分を有する光を遮光する出射側偏光板73Gが設けられる。
【0043】
なお、第1実施形態において、液晶パネル71Gは、第1信号値(ここでは、緑入力信号Gin)に基づいて、第1色成分光(ここでは、緑成分光G)を変調する第1光変調素子の一例である。
【0044】
液晶パネル71RBは、赤入力信号Rin(赤出力信号Rout)に基づいて赤成分光Rを変調し、青入力信号Bin(青出力信号Bout)に基づいて青成分光Bを変調する。液晶パネル71RBの光入射側には、第1偏光成分を有する光を透過して、第2偏光成分を有する光を遮光する入射側偏光板72RBが設けられる。一方で、液晶パネル71RBの光出射側には、第1偏光成分を有する光を透過して、第2偏光成分を有する光を遮光する出射側偏光板73RBが設けられる。
【0045】
ここで、液晶パネル71RBは、赤成分光R及び青成分光Bを時分割で変調する。例えば、1つのフレームが2つのサブフレームによって構成される場合には、液晶パネル71RBは、一方のサブフレームにおいて赤成分光Rを変調し、他方のサブフレームにおいて青成分光Bを変調する。但し、液晶パネル71RBは、同一のサブフレームにおいて、赤成分光R及び青成分光Bを変調してもよい。
【0046】
なお、第1実施形態において、液晶パネル71RBは、第2信号値(ここでは、赤入力信号Rin)に基づいて、第2色成分光(ここでは、赤成分光R)を変調するとともに、第3信号値(ここでは、青入力信号Bin)に基づいて、第3色成分光(ここでは、青成分光B)を変調する第2変調素子の一例である。
【0047】
合成部80は、液晶パネル71Gから出射される光及び液晶パネル71RBから出射される光を合成する。例えば、合成部80は、液晶パネル71Gから出射される光を反射して、液晶パネル71RBから出射される光を透過するダイクロイックプリズムである。なお、合成部80は、液晶パネル71Gから出射される光を反射して、液晶パネル71RBから出射される光を透過するダイクロイックミラーであってもよい。
【0048】
或いは、合成部80は、液晶パネル71Gから出射される光を反射して、液晶パネル71RBから出射される光を透過するPBSプリズムやPBSミラーであってもよい。このようなケースでは、液晶パネル71Gから出射される光の偏光は、液晶パネル71RBから出射される光の偏光と異なることに留意すべきである。
【0049】
投写レンズユニット90は、合成部80から出射される光(映像光)を投写面(不図示)上などに投写する。
【0050】
なお、光源10、色分離部40、偏光調整素子60、液晶パネル71及び入射側偏光板72は、照明装置を構成してもよい。照明装置は、これらの素子以外にも、出射側偏光板73や合成部80などを含んでもよい。
【0051】
(制御ユニットの構成)
以下において、第1実施形態に係る制御ユニットについて、図面を参照しながら説明する。図4は、第1実施形態に係る制御ユニット200を示すブロック図である。制御ユニット200は、投写型映像表示装置100に設けられており、投写型映像表示装置100を制御する。
【0052】
なお、制御ユニット200は、映像入力信号を映像出力信号に変換する。映像入力信号は、赤入力信号Rin、緑入力信号Gin及び青入力信号Binによって構成される。映像出力信号は、赤出力信号Rout、緑出力信号Gout及び青出力信号Boutによって構成される。映像入力信号及び映像出力信号は、1フレームを構成する画素毎に入力される信号である。
【0053】
図4に示すように、制御ユニット200は、映像信号受付部210と、制御部220とを有する。
【0054】
映像信号受付部210は、パーソナルコンピュータ、DVDなどの外部装置から映像入力信号を受付ける。
【0055】
制御部220は、偏光調整素子60及び液晶パネル71に接続されており、偏光調整素子60及び液晶パネル71を制御する。
【0056】
第1に、制御部220は、偏光調整素子60に印加する電圧を制御することによって、液晶パネル71RBに導かれる光を制御する。詳細には、制御部220は、第1偏光調整素子61に印加する電圧V61を制御することによって、液晶パネル71RBに導かれる第2色成分光(ここでは、赤成分光R)の光量を制御する。また、制御部220は、第2偏光調整素子62に印加する電圧V62を制御することによって、液晶パネル71RBに導かれる第3色成分光(ここでは、青成分光B)の光量を制御する。
【0057】
なお、制御部220は、電圧V61及びV62を個別に制御可能である。従って、制御部220は、液晶パネル71RBに導かれる第2色成分光の光量及び第3色成分光の光量を個別に制御可能である。
【0058】
ここで、制御部220は、1フレーム期間において、液晶パネル71RBに導かれる第2色成分光のDuty比及び第3色成分光の光量のDuty比の合計が100%になるように、偏光調整素子60に印加する電圧を制御してもよい。或いは、制御部220は、1フレーム期間において、液晶パネル71RBに導かれる第2色成分光のDuty比及び第3色成分光のDuty比の合計が100%を超えるように、偏光調整素子60に印加する電圧を制御してもよい。
【0059】
第2に、制御部220は、映像入力信号を映像出力信号に変換して、映像出力信号に基づいて、液晶パネル71を制御する。具体的には、制御部220は、緑出力信号Goutに基づいて、液晶パネル71Gを制御する。一方で、制御部220は、赤出力信号Routに基づいて液晶パネル71RBを制御し、青出力信号Boutに基づいて液晶パネル71RBを制御する。
【0060】
なお、制御部220は、赤出力信号Rout及び青出力信号Boutに基づいて、液晶パネル71RBを時分割で制御する。例えば、1つのフレームが2つのサブフレームによって構成される場合には、制御部220は、一方のサブフレームにおいて、赤出力信号Routに基づいて液晶パネル71RBを制御し、他方のサブフレームにおいて、青出力信号Boutに基づいて、液晶パネル71RBを制御する。
【0061】
(制御例1)
以下において、第1実施形態に係る制御例1について、図5を参照しながら説明する。図5は、第1実施形態に係る制御例1を説明するための図である。なお、図5では、合成部80に導かれる光量(すなわち、投写型映像表示装置100から出射される映像光の光量)が示されていることに留意すべきである。
【0062】
図5の上段に示すように、通常モードにおいては、第1色成分光(ここでは、緑成分光G)の光量は、2つのサブフレームにおいて均等に分配される。
【0063】
これに対して、図5の下段に示すように、特定モードにおいては、第1色成分光(ここでは、緑成分光G)の光量は、2つのサブフレームのそれぞれにおいて異なる。
【0064】
詳細には、制御部220は、1つのフレームにおける総光量が変化しないように、2つのサブフレームのうち、いずれか一方のサブフレームに、緑成分光Gの光量が偏るように、液晶パネル71Gを制御する。なお、1つのフレームにおける総光量は、緑入力信号Ginに基づいて定まることに留意すべきである。
【0065】
すなわち、第1光変調素子(ここでは、液晶パネル71G)は、第1信号値(ここでは、緑入力信号Gin)に基づいて、2つのサブフレームのそれぞれにおいて投写型映像表示装置100から出射される第1色成分光(ここでは、緑成分光G)の光量が変化するように、第1色成分光を変調する。
【0066】
例えば、緑入力信号Ginが“153/255≒60%”である場合には、1フレーム全体において、60%の緑成分光Gが出力されればよい。このようなケースにおいて、制御部220は、一方のサブフレームにおいて、100%の緑成分光Gが出力されるように液晶パネル71Gを制御する。また、制御部220は、他方のサブフレームにおいて、20%の緑成分光Gが出力されるように液晶パネル71Gを制御する。
【0067】
このように、2つのサブフレームのうち、一方のサブフレームの輝度を低下させることによって、黒挿入のような動ボケ改善効果が得られる。
【0068】
(制御例2)
以下において、第1実施形態に係る制御例2について、図6を参照しながら説明する。図6は、第1実施形態に係る制御例2を説明するための図である。なお、図6では、合成部80に導かれる光量(すなわち、投写型映像表示装置100から出射される映像光の光量)が示されていることに留意すべきである。
【0069】
図6の上段に示すように、通常モードにおいては、第1色成分光(ここでは、緑成分光G)の光量は、2つのサブフレームにおいて均等に分配される。
【0070】
これに対して、図6の下段に示すように、特定モードにおいては、第1色成分光(ここでは、緑成分光G)の光量は、2つのサブフレームのそれぞれにおいて異なる。
【0071】
詳細には、制御部220は、1つのフレームにおける総光量が変化しないように、赤入力信号Rinと青入力信号Binとの比率に基づいて、緑成分光Gの光量が2つのサブフレームに分配されるように、液晶パネル71Gを制御する。なお、1つのフレームにおける総光量は、緑入力信号Ginに基づいて定まることに留意すべきである。
【0072】
すなわち、第1光変調素子(ここでは、液晶パネル71G)は、第2信号値(ここでは、赤入力信号Rin)及び第3信号値(ここでは、青入力信号Bin)の比率に基づいて、2つのサブフレームのそれぞれにおいて投写型映像表示装置100から出射される第1色成分光(ここでは、緑成分光G)の光量が変化するように、第1色成分光を変調する。
【0073】
例えば、緑入力信号Ginが“153/255≒60%”であり、赤入力信号Rinが“204/255≒80%”であり、青入力信号Binが“51/255≒20%”である場合には、1フレーム全体において、60%の緑成分光Gが出力されればよい。このようなケースにおいて、制御部220は、赤成分光Rが出力されるサブフレーム(すなわち、赤入力信号Rinに基づいて制御されるサブフレーム)において、96%の緑成分光Gが出力されるように液晶パネル71Gを制御する。また、制御部220は、青成分光Bが出力されるサブフレーム(すなわち、青入力信号Binに基づいて制御されるサブフレーム)において、24%の緑成分光Gが出力されるように液晶パネル71Gを制御する。
【0074】
これによって、1つのサブフレームにおいて、緑成分光Gが赤成分光R(或いは、青成分光B)よりも著しく大きいことに起因するカラーブレイクが抑制される。
【0075】
(制御例3)
以下において、第1実施形態に係る制御例3について、図7を参照しながら説明する。図7は、第1実施形態に係る制御例3を説明するための図である。なお、図7では、合成部80に導かれる光量(すなわち、投写型映像表示装置100から出射される映像光の光量)が示されていることに留意すべきである。
【0076】
図7の上段に示すように、通常モードにおいては、第1色成分光(ここでは、緑成分光G)の光量は、2つのサブフレームにおいて均等に分配される。
【0077】
これに対して、図7の下段に示すように、特定モードにおいては、一方のサブフレームにおいて、オリジナル映像が出力され、他方のサブフレームにおいて、補間フレームが出力される。なお、オリジナル映像は、外部装置から入力されるオリジナル信号に基づいて表示される映像であり、補間映像は、オリジナル信号に基づいて生成される補間信号に基づいて表示される映像である。補間映像の生成方法は任意である。
【0078】
詳細には、制御部220は、一方のサブフレームにおいて、オリジナル信号に基づいて液晶パネル71Gを制御する。また、制御部220は、他方のサブフレームにおいて、補間信号に基づいて液晶パネル71Gを制御する。
【0079】
すなわち、第1光変調素子(ここでは、液晶パネル71G)は、一方のサブフレームにおいて、オリジナル信号値に基づいて第1色成分光(ここでは、緑成分光G)を変調し、他方のサブフレームにおいて、補間信号値に基づいて第1色成分光(ここでは、緑成分光G)を変調する。
【0080】
このように、2つのサブフレームのいずれかにおいて補間映像が出力されるため、動ボケ改善効果が得られる。
【0081】
(制御例4)
以下において、第1実施形態に係る制御例4について、図8を参照しながら説明する。図8は、第1実施形態に係る制御例4を説明するための図である。
【0082】
図8に示すように、偏光調整素子60は、所定期間において、第2色成分光(赤成分光R)の偏光成分及び第3色成分光(青成分光B)を構成する偏光成分の全てを前記第2偏光成分に調整する(上述した最小光量表示)。
【0083】
例えば、偏光調整素子60は、第2信号(ここでは、赤入力信号Rin)又は第3信号(青入力信号Bin)が液晶パネル71RBに入力されてから液晶パネル71RBの応答が完了するまでの期間において、第2色成分光(赤成分光R)の偏光成分及び第3色成分光(青成分光B)を構成する偏光成分の全てを第2偏光成分に調整する。すなわち、所定期間は、液晶パネル71RBの書き換え期間である。
【0084】
或いは、最小光量表示が行われる所定期間は、フリッカー対策として黒挿入を行うべき期間であってもよい。或いは、所定期間は、周期的に割当てられる期間であってもよい。
【0085】
(作用及び効果)
第1実施形態では、偏光調整素子60は、第2色成分光(赤成分光R)の偏光成分及び第3色成分光(青成分光B)の偏光成分を個別に調整する。すなわち、第2色成分光及び第3色成分光のそれぞれについて、入射側偏光板72RBを透過して液晶パネル71RBに導かれる光量が調整される。
【0086】
これによって、光変調素子(液晶パネル71)の数を減らすことができる。また、偏光調整素子60が偏光板を有する必要がないため、さらにコストダウンを図ることができる。
【0087】
第1実施形態では、偏光調整素子60は、所定期間において、第2色成分光(赤成分光R)の偏光成分及び第3色成分光(青成分光B)を構成する偏光成分の全てを前記第2偏光成分に調整する。例えば、所定期間が液晶パネル71RBの書き換え期間である場合には、第2信号(ここでは、赤入力信号Rin)に基づいて第3色成分光(青成分光B)が変調される状態、第3信号(青入力信号Bin)に基づいて第2色成分光(赤成分光R)が変調される状態が回避される。また、黒挿入効果も得られる。
【0088】
なお、制御例1では、第1光変調素子(液晶パネル71G)は、第1信号値(緑入力信号Gin)に基づいて、2つのサブフレームのそれぞれにおいて投写型映像表示装置100から出射される第1色成分光(緑成分光G)の光量が変化するように、第1色成分光を変調する。
【0089】
このように、2つのサブフレームのうち、一方のサブフレームの輝度を低下させることによって、黒挿入のような動ボケ改善効果が得られる。
【0090】
制御例2では、第1光変調素子(液晶パネル71G)は、第2信号値(赤入力信号Rin)及び第3信号値(青入力信号Bin)の比率に基づいて、2つのサブフレームのそれぞれにおいて投写型映像表示装置100から出射される第1色成分光(緑成分光G)の光量が変化するように、第1色成分光を変調する。
【0091】
これによって、1つのサブフレームにおいて、緑成分光Gが赤成分光R(或いは、青成分光B)よりも著しく大きいことに起因するカラーブレイクが抑制される。
【0092】
制御例3では、第1光変調素子(液晶パネル71G)は、一方のサブフレームにおいて、オリジナル信号値に基づいて第1色成分光(緑成分光G)を変調し、他方のサブフレームにおいて、補間信号値に基づいて第1色成分光(緑成分光G)を変調する。
【0093】
このように、2つのサブフレームのいずれかにおいて補間映像が出力されるため、動ボケ改善効果が得られる。
【0094】
第1実施形態では、緑成分光Gが2つのサブフレームで出力されるため、映像の輝度が優先される。また、赤成分光R及び青成分光Bが時分割で出力される。赤成分光Rの波長帯及び青成分光Bの波長帯が離れているため、偏光調整素子60が赤成分光R及び青成分光Bを分離することが容易である。
【0095】
第1実施形態では、偏光調整素子60に印加される電圧のオン/オフによって偏光を調整する特性が切り替わる波長が黄成分光Yeの波長帯を跨っているため、赤成分光R又は青成分光Bを重畳して、映像の高輝度化を図ることができる。
【0096】
[変更例1]
以下において、第1実施形態の変更例1について説明する。以下においては、第1実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0097】
第1実施形態では、第1色成分光が緑成分光Gであり、第2色成分光が赤成分光Rであり、第3色成分光が青成分光Bであるケースについて例示した。
【0098】
これに対して、変更例1では、第1色成分光が赤成分光Rであり、第2色成分光が緑成分光Gであり、第3色成分光が青成分光Bである。変更例1では、上述した色分離部40の構成などが第1実施形態と異なることは勿論である。
【0099】
ここで、変更例1において、偏光調整素子60に印加される電圧のオン/オフによって偏光を調整する特性が切り替わる波長は、図9に示すように、シアン成分光Cyの波長帯に跨っている。これによって、偏光調整素子60に電圧が印加されていない場合に、シアン成分光Cyの一部(短波長側)が青成分光Bに重畳される。また、偏光調整素子60に電圧が印加されている場合に、シアン成分光Cyを緑成分光Gに重畳される。
【0100】
なお、図9の縦軸は、偏光調整素子60から出射される第1偏光成分の強度を示している。また、図9の横軸は、色成分光の波長を示している。
【0101】
(作用及び効果)
変更例1では、赤成分光Rが2つのサブフレームで出力されるため、映像の色味が優先される。また、緑成分光G及び青成分光Bが時分割で出力される。緑成分光Gの波長帯及び青成分光Bの波長帯が離れているため、偏光調整素子60が緑成分光G及び青成分光Bを分離することが容易である。
【0102】
[変更例2]
以下において、第1実施形態の変更例2について説明する。以下においては、第1実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0103】
第1実施形態では、第1色成分光が緑成分光Gであり、第2色成分光が赤成分光Rであり、第3色成分光が青成分光Bであるケースについて例示した。
【0104】
これに対して、変更例2では、第1色成分光が青成分光Bであり、第2色成分光が赤成分光Rであり、第3色成分光が緑成分光Gである。変更例2では、上述した色分離部40の構成などが第1実施形態と異なることは勿論である。
【0105】
ここで、変更例2において、偏光調整素子60に印加される電圧のオン/オフによって偏光を調整する特性が切り替わる波長は、図10に示すように、黄成分光Yeの波長帯に跨っている。これによって、偏光調整素子60に電圧が印加されていない場合に、黄成分光Yeが緑成分光Gに重畳される。また、偏光調整素子60に電圧が印加されている場合に、シアン成分光Cyを赤成分光Rに重畳される。
【0106】
なお、図10の縦軸は、偏光調整素子60から出射される第1偏光成分の強度を示している。また、図10の横軸は、色成分光の波長を示している。
【0107】
(作用及び効果)
変更例2では、青成分光Bが2つのサブフレームで出力されるため、映像の色温度が優先される。
【0108】
変更例2では、偏光調整素子60に印加される電圧のオン/オフによって偏光を調整する特性が切り替わる波長が黄成分光Yeの波長帯を跨っているため、緑成分光Gに黄成分光Yeを重畳して、映像の高輝度化を図ることができる。
【0109】
[変更例3]
以下において、第1実施形態の変更例3について説明する。以下においては、第1実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0110】
第1実施形態では、赤入力信号Rinに基づいて制御されるサブフレームにおいては、赤成分光Rが出力されており、青入力信号Binに基づいて制御されるサブフレームにおいては、青成分光Bが出力される。
【0111】
これに対して、偏光調整素子60は、1つのフレーム内において、第2色成分光(ここでは、赤成分光R)及び第3色成分光(ここでは、青成分光B)を構成する第1偏光成分が1つのサブフレーム内で混合されるように、偏光調整素子に入射する光の偏光を調整する。
【0112】
詳細には、図11に示すように、フレーム#1のサブフレーム1aにおいては、赤成分光Rが出力されており、フレーム#1のサブフレーム1bにおいては、青成分光Bが出力される。すなわち、フレーム#1は、第1実施形態と同様である。
【0113】
これに対して、フレーム#2のサブフレーム2bにおいては、青成分光Bに加えて、赤成分光Rが出力される。また、フレーム#4のサブフレーム4aにおいては、赤成分光Rに加えて、青成分光Bが出力される。
【0114】
なお、図11では、液晶パネル71RBに導かれる光量(すなわち、入射側偏光板72RBを透過する光量)が示されていることに留意すべきである。すなわち、図11に示す光量は、上述した図5〜図7に示す光量と異なっていることに留意すべきである。
【0115】
ここで、偏光調整素子60によって第1偏光成分に調整される光量は、図12に示すように、偏光調整素子60に印加される電圧によって異なる。例えば、電圧V1が偏光調整素子60に印加される場合には、上述したフレーム#2のサブフレーム2bに示すように、1つのサブフレームにおいて、赤成分光R及び青成分光Bを構成する第1偏光成分が混合される。
【0116】
すなわち、上述した制御部220は、偏光調整素子60に印加する電圧を制御することによって、液晶パネル71RBに導かれる赤成分光R及び青成分光Bの混合比を制御する。
【0117】
このように、赤入力信号Rinに基づいて制御されるサブフレームにおいて、赤成分光Rに加えて青成分光Bを出力することによって、図13に示すように、色再現範囲がマゼンタ方向に縮小するが、映像の輝度を向上することができる。同様に、青入力信号Binに基づいて制御されるサブフレームにおいて、青成分光Bに加えて赤成分光Rを出力することによって、図13に示すように、色再現範囲がマゼンタ方向に縮小するが、映像の輝度を向上することができる。
【0118】
[変更例4]
以下において、第1実施形態の変更例4について、図面を参照しながら説明する。以下においては、第1実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0119】
第1実施形態では、緑成分光Gが白色光から分離されるとともに、赤成分光R及び青成分光Bを含む合成光が白色光から分離されるケースについて例示した。
【0120】
これに対して、変更例4では、緑成分光G及び青成分光Bの一部を含む合成光が白色光から分離可能であり、赤成分光R及び青成分光Bの一部を含む合成光が白色光から分離可能である。
【0121】
変更例4においては、緑成分光Gは、第1色成分光の一例であり、青成分光Bは、第2色成分光の一例であり、赤成分光Rは、第3色成分光の一例である。
【0122】
(投写型映像表示装置の構成)
以下において、変更例4に係る投写型映像表示装置の構成について、図面を参照しながら説明する。図14は、変更例4に係る投写型映像表示装置100の構成を示す図である。なお、図14では、図1と同様の構成について同様の符号を付している。
【0123】
図14に示すように、投写型映像表示装置100は、液晶パネル71G、入射側偏光板72G及び出射側偏光板73Gに代えて、液晶パネル71GB、入射側偏光板72GB及び出射側偏光板73GBを有する。投写型映像表示装置100は、分離前偏光調整素子130と、色分離部140と、偏光調整素子160RBと、偏光調整素子160GBとを有する。なお、色分離部140は、色分離部40に代えて設けられている。
【0124】
分離前偏光調整素子130は、色分離部140の光入射側に設けられる。具体的には、分離前偏光調整素子130は、偏光調整素子60に入射する光の偏光を波長帯毎に制御する。
【0125】
分離前偏光調整素子130は、第1色成分光(ここでは、緑成分光G)と第3色成分光(ここでは、赤成分光R)とが色分離部140によって異なる光路に分離されるように、第1色成分光及び第3色成分光の偏光を調整する。
【0126】
分離前偏光調整素子130は、第1色成分光(ここでは、緑成分光G)が導かれる光路及び/又は第3色成分光(ここでは、赤成分光R)が導かれる光路に第2色成分光が色分離部140によって分離されるように、第2色成分光(ここでは、青成分光B)の偏光を調整する。
【0127】
例えば、分離前偏光調整素子130は、緑成分光GをP偏光成分に調整し、赤成分光RをS偏光成分に調整する。また、分離前偏光調整素子130は、分離前偏光調整素子130に印加される電圧に応じて、青成分光Bを構成するP偏光成分及びS偏光成分の比率を調整する。例えば、分離前偏光調整素子130は、分離前偏光調整素子130に電圧が印加されている場合に、青成分光Bを構成するS偏光成分に調整する。一方で、分離前偏光調整素子130は、分離前偏光調整素子130に電圧が印加されていない場合に、青成分光Bを構成するP偏光成分に調整する。
【0128】
色分離部140は、色分離部140に入射する光の偏光に応じて、白色成分光を分離する。具体的には、色分離部140は、一方の偏光成分(例えば、P偏光成分)を透過して、他方の偏光成分(例えば、S偏光成分)を反射するPBS(Polarized Beam Splitter)である。
【0129】
偏光調整素子160GBは、偏光調整素子160GBに入射する光の偏光を波長帯毎に制御する。
【0130】
詳細には、偏光調整素子160GBは、第1色成分光(ここでは、緑成分光G)を構成する第1偏光成分の量及び第2色成分光(ここでは、青成分光B)を構成する第1偏光成分の量が変わるように、偏光調整素子160GBに入射する光の偏光を調整する。なお、第1偏光成分とは、入射側偏光板72GBを透過する偏光成分であることに留意すべきである。
【0131】
偏光調整素子160RBは、第3色成分光(ここでは、赤成分光R)を構成する第1偏光成分の量及び第2色成分光(ここでは、青成分光B)を構成する第1偏光成分の量が変わるように、偏光調整素子160RBに入射する光の偏光を調整する。なお、第1偏光成分とは、入射側偏光板72RBを透過する偏光成分であることに留意すべきである。
【0132】
液晶パネル71GBは、緑入力信号Gin(緑出力信号Gout)に基づいて緑成分光Gを変調し、青入力信号Bin(青出力信号Bout)に基づいて青成分光Bを変調する。液晶パネル71GBの光入射側には、第1偏光成分を有する光を透過して、第2偏光成分を有する光を遮光する入射側偏光板72GBが設けられる。一方で、液晶パネル71GBの光出射側には、第1偏光成分を有する光を透過して、第2偏光成分を有する光を遮光する出射側偏光板73GBが設けられる。
【0133】
変更例4では、分離前偏光調整素子130によって青成分光Bの偏光を調整することによって、偏光調整素子160GBに導かれる青成分光Bと偏光調整素子160RBに導かれる青成分光Bとの比率を調整することができる。
【0134】
また、偏光調整素子160GBによって緑成分光G及び青成分光Bの偏光を調整することによって、液晶パネル71GBに導かれる緑成分光Gと青成分光Bとの比率を調整することができる。同様に、偏光調整素子160RBによって赤成分光R及び青成分光Bの偏光を調整することによって、液晶パネル71RBに導かれる赤成分光Rと青成分光Bとの比率を調整することができる。
【0135】
従って、映像の色バランスに応じて、1フレーム内において、液晶パネル71に導かれる赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bの光量を任意に調整することが可能である。
【0136】
(制御例)
以下において、変更例4に係る制御例について、図15を参照しながら説明する。図15は、変更例4に係る制御例を説明するための図である。なお、図15では、液晶パネル71に導かれる光量(すなわち、入射側偏光板72を透過する光量)が示されていることに留意すべきである。
【0137】
上述したように、分離前偏光調整素子130、偏光調整素子160GB及び偏光調整素子160RBによって、液晶パネル71に導かれる赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bの光量を任意に調整することが可能である。
【0138】
従って、例えば、図15に示すように、1つのフレーム内において、赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bが出射されるサブフレームの組み合わせを任意に変更することができる。
【0139】
詳細には、フレーム#1のように、緑成分光Gが出力されるサブフレーム数を2つにして、赤成分光R(或いは、青成分光B)が出力されるサブフレーム数を1つにしてもよい。また、フレーム#2のように、赤成分光Rが出力されるサブフレーム数を2つにして、緑成分光G(或いは、青成分光B)が出力されるサブフレーム数を1つにしてもよい。さらに、フレーム#3のように、緑成分光G(或いは、赤成分光R)が出力されるサブフレーム数を2つにして、青成分光Bが出力されるサブフレーム数を0にしてもよい。
【0140】
なお、図15では、説明を簡略化するために、1つのサブフレームで出力される色成分光が1色であるケースについて例示したが、1つのサブフレームで出力される色成分光が2色であってもよい。
【0141】
(他の制御例)
以下において、変更例4に係る他の制御例について、図16を参照しながら説明する。図16は、変更例4に係る他の制御例を説明するための図である。なお、図16では、液晶パネル71に導かれる光量(すなわち、入射側偏光板72を透過する光量)が示されていることに留意すべきである。
【0142】
他の制御例では、偏光調整素子160GB及び偏光調整素子160RBのいずれか一方が設けられるケースについて説明する。ここでは、偏光調整素子160RBのみが設けられているケースについて例示する。
【0143】
上述したように、分離前偏光調整素子130によって、緑成分光Gの光路に導かれる青成分光Bと赤成分光Rの光路に導かれる青成分光Bとの比率が調整される。
【0144】
従って、例えば、図16に示すように、サブフレーム毎に、青成分光Bの重畳量を調整することが可能である。
【0145】
詳細には、フレーム#1のように、青成分光Bの全てを赤成分光Rの光路に導いた上で、赤成分光Rが出力されるサブフレームと青成分光Bが出力されるサブフレームとが切り替えられてもよい。
【0146】
サブフレーム#2のサブフレーム2aのように、青成分光Bの全てを緑成分光Gの光路に導いた上で、青成分光Bが緑成分光Gに重畳されてもよい。サブフレーム#2のサブフレーム2bのように、緑成分光G及び赤成分光Rの光路に青成分光Bを分離した上で、青成分光Bが緑成分光Gに重畳されるとともに、青成分光Bが単独で出力されてもよい。
【0147】
サブフレーム#2のサブフレーム3aのように、緑成分光G及び赤成分光Rの光路に青成分光Bを分離した上で、青成分光Bが緑成分光Gに重畳されるとともに、青成分光Bが出力されなくてもよい。
【0148】
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0149】
実施形態では特に触れていないが、偏光調整素子60は、所定期間において、第2色成分光(赤成分光R)の偏光成分及び第3色成分光(青成分光B)を構成する偏光成分の全てを前記第1偏光成分に調整してもよい。所定期間は、例えば、1フレームの映像に含まれる白成分が所定閾値よりも大きい期間などである。
【0150】
実施形態では特に触れていないが、偏光調整素子60、偏光調整素子160GB及び偏光調整素子160RBは、1枚の液晶パネルによって構成されていてもよい。
【0151】
実施形態では特に触れていないが、単色の色成分光を変調する液晶パネル71Gの駆動周波数(例えば、60Hz)は、複数色の色成分光を変調する液晶パネル71RBの駆動周波数(例えば、120Hz)よりも低くてもよい。
【0152】
実施形態では特に触れていないが、単色の色成分光を変調する液晶パネル71Gの解像度は、複数色の色成分光を変調する液晶パネル71RBの解像度よりも低くてもよい。なお、液晶パネル71Gは、2つのサブフレームにおいて緑成分光Gを変調するため、例えば、制御例3のように、補間映像の表示によって、低解像度を補うことが可能である。
【0153】
第1実施形態では特に触れていないが、制御例1〜制御例3は、映像入力信号に基づいて切り替えられてもよい。例えば、映像入力信号に基づいて特定される動きベクトルに基づいて、制御例1〜制御例3の中から適切な制御例が選択される。或いは、映像入力信号に基づいて特定される映像の色バランスに基づいて、制御例1〜制御例3の中から適切な制御例が選択される。
【0154】
変更例4では特に触れていないが、MacAdamの楕円によれば、短波長側の光が混ざっても、人間は色の変化を認識しにくいことが知られている。従って、他の色成分光に重畳される第2色成分光は青成分光Bであることが好ましい。
【符号の説明】
【0155】
10…光源、20…フライアイレンズ、30…PBSアレイ、40…色分離部、50…ミラー、60…偏光調整素子、61…第1偏光調整素子、62…第2偏光調整素子、71…液晶パネル、72…入射側偏光板、73…出射側偏光板、80…合成部、90…投写レンズユニット、100…投写型映像表示装置、111〜113…レンズ、130…分離前偏光調整素子、140…色分離部、160GB…偏光調整素子、160RB…偏光調整素子、200…制御ユニット、210…映像信号受付部、220…制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1色成分光、第2色成分光及び第3色成分光を含む白色光を分離する色分離部と、
前記第2色成分光及び前記第3色成分光を含む合成光の光路上に設けられた偏光調整素子と、
第1信号値に基づいて、前記第1色成分光を変調する第1光変調素子と、
第2信号値に基づいて、前記第2色成分光を変調するとともに、第3信号値に基づいて、前記第3色成分光を変調する第2変調素子と、
前記第2変調素子の光入射側に設けられており、第1偏光成分を透過して、第2偏光成分を遮光する入射側偏光板とを備えており、
前記偏光調整素子は、前記第2色成分光の偏光成分及び前記第3色成分光の偏光成分を個別に調整することを特徴とする投写型映像表示装置。
【請求項2】
前記偏光調整素子は、前記第3色成分光の偏光成分を調整せずに前記第2色成分光の偏光成分を調整する第1偏光調整素子と、前記第2色成分光の偏光成分を調整せずに前記第3色成分光の偏光成分を調整する第2偏光調整素子とによって構成されることを特徴とする請求項1に記載の投写型映像表示装置。
【請求項3】
前記偏光調整素子は、所定期間において、前記第2色成分光及び前記第3色成分光を構成する偏光成分の全てを前記第2偏光成分に調整することを特徴とする請求項1に記載の投写型映像表示装置。
【請求項4】
前記偏光調整素子は、前記第1信号又は前記第2信号が前記第2変調素子に入力されてから前記第2変調素子の応答が完了するまでの期間において、前記第2色成分光及び前記第3色成分光を構成する偏光成分の全てを前記第2偏光成分に調整することを特徴とする請求項3に記載の投写型映像表示装置。
【請求項5】
前記偏光調整素子は、所定期間において、前記第2色成分光及び前記第3色成分光を構成する偏光成分の全てを前記第1偏光成分に調整することを特徴とする請求項1に記載の投写型映像表示装置。
【請求項1】
第1色成分光、第2色成分光及び第3色成分光を含む白色光を分離する色分離部と、
前記第2色成分光及び前記第3色成分光を含む合成光の光路上に設けられた偏光調整素子と、
第1信号値に基づいて、前記第1色成分光を変調する第1光変調素子と、
第2信号値に基づいて、前記第2色成分光を変調するとともに、第3信号値に基づいて、前記第3色成分光を変調する第2変調素子と、
前記第2変調素子の光入射側に設けられており、第1偏光成分を透過して、第2偏光成分を遮光する入射側偏光板とを備えており、
前記偏光調整素子は、前記第2色成分光の偏光成分及び前記第3色成分光の偏光成分を個別に調整することを特徴とする投写型映像表示装置。
【請求項2】
前記偏光調整素子は、前記第3色成分光の偏光成分を調整せずに前記第2色成分光の偏光成分を調整する第1偏光調整素子と、前記第2色成分光の偏光成分を調整せずに前記第3色成分光の偏光成分を調整する第2偏光調整素子とによって構成されることを特徴とする請求項1に記載の投写型映像表示装置。
【請求項3】
前記偏光調整素子は、所定期間において、前記第2色成分光及び前記第3色成分光を構成する偏光成分の全てを前記第2偏光成分に調整することを特徴とする請求項1に記載の投写型映像表示装置。
【請求項4】
前記偏光調整素子は、前記第1信号又は前記第2信号が前記第2変調素子に入力されてから前記第2変調素子の応答が完了するまでの期間において、前記第2色成分光及び前記第3色成分光を構成する偏光成分の全てを前記第2偏光成分に調整することを特徴とする請求項3に記載の投写型映像表示装置。
【請求項5】
前記偏光調整素子は、所定期間において、前記第2色成分光及び前記第3色成分光を構成する偏光成分の全てを前記第1偏光成分に調整することを特徴とする請求項1に記載の投写型映像表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2013−15731(P2013−15731A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−149478(P2011−149478)
【出願日】平成23年7月5日(2011.7.5)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月5日(2011.7.5)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
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