投射型表示装置
【課題】
映像表示素子の画像を拡大してテーブルなどの略水平な面上に投射して画像表示を行うことが可能な投射型表示装置を提供することを目的とする。
【解決手段】
光源の光軸と、光軸に対して対称に配置された複数のレンズ素子を有するレンズ群の光軸が略垂直となるように、光源からの光を反射する反射ミラーを配置する。
映像表示素子の画像を拡大してテーブルなどの略水平な面上に投射して画像表示を行うことが可能な投射型表示装置を提供することを目的とする。
【解決手段】
光源の光軸と、光軸に対して対称に配置された複数のレンズ素子を有するレンズ群の光軸が略垂直となるように、光源からの光を反射する反射ミラーを配置する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像表示素子の画像を、略垂直な面に拡大投射して画像表示を可能とし、また、机上などの略水平な面上に対しても拡大投射して画像表示を可能とした投射型表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特開平5−134213号公報に記載されているように、投射画像を投射光学系の光軸に対して垂直方向にシフトすると共に、投射光学系の光軸に対して所定の角度傾けて配置された付加光学系とを用いて、映像をスクリーンに対して斜め方向に拡大投射する投射型表示装置が知られている。なお、ここで言う付加光学系(アフォーカルコンバータ)とは、投射画像の大きさを変換する作用を有する光学系であり、スクリーンに対する斜め方向からの投射に伴う投射画像の歪を補正・低減して長方形の投射画像を得るためのものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−134213号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の投射型表示装置の使用形態のほとんどは、図13に示すように、壁面19などの略垂直な面にスクリーン等(図示せず)を設置し、壁面19から離れた位置の台20などの上に投射型表示装置101を配置し、該スクリーンに投射画像5を投射していた。以下、図13のような投射型表示装置101の設置状態を略水平置きという。
【0005】
上記のような使用状態に加えて、近年は、テーブルなどの略水平な面に投射したいという要望が増えている。
【0006】
図12は、従来の投射型表示装置101を用いて、テーブル14等の略水平な面に映像を投射した状態を示す図である。図12(a)に示すように、従来の投射型表示装置101を固定部材16により、天井15に投射方向が下になるように固定し、テーブル14に投射画像5を表示している。すなわち、投射型表示装置101は、天井15に固定しなければならない。しかし、図12(a)のように、テーブルなどの略水平な面に投射する用途ばかりではない。当然、図13のように、壁面などの略垂直な面に投射する用途もある。従って、使用状況に応じて投射型表示装置101を天井15への取り付け・取り外しという作業が発生し、使い勝手が良くない。
【0007】
また、図12(b)のように投射型表示装置101をテーブル14上に配置し、上向きに投射し、その投射光路の途中に折り返しミラー17を配置(固定部材18によりテーブル14に固定)し、投射光路を折り曲げてテーブル14上に投射する方法がある。この方法の場合、投射型表示装置101は固定する必要は無く、また、テーブル14上にあるため、この状態から、投射型表示装置101の投射方向を変えて配置させるだけで、簡単に図13のように壁面などの略垂直な面に投射することができる。以下、図12(a)、(b)のような投射型表示装置の設置状態を略垂直置きという。
【0008】
しかし、特開平5−134213号公報に記載の投射光学ユニットは、投射面側に配置された付加光学系(アフォーカルコンバータ)を偏心させており、広角化が困難である。そのため、必要な倍率の投射映像を得るためには、投射装置から投射面までの距離(以降、投射距離という)が長くなってしまう。すなわち、特開平5−134213号公報に記載の投射光学ユニットで図12(b)のように投射させた場合、必要な倍率の投射映像を得るためには、折り返しミラー17を上方に配置しなければならない。また、折り返しミラー17は、テーブル14などの略水平面上に投射する場合にのみ必要なものであり、使用状況に応じて、設置・撤去することになり、使い勝手が良くない。仮に広角化が実現できたとしても、折り返しミラー17が大きく投射画像5側(図中左方向)にせり出す形となるため、投射型表示装置101の投射画像5と反対側にいる人からは、この折り返しミラー17が邪魔になって投射画像5を見ることができないという問題も発生する。
【0009】
本発明は、上記した課題に鑑みて成されたもので、映像表示素子の画像を拡大してテーブルなどの略水平な面上に投射して画像表示を行うことが可能な投射型表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一面は、光源の光軸と、光軸に対して対称に配置された複数のレンズ素子を有するレンズ群の光軸が略垂直となるように、光源からの光を反射する反射ミラーを配置する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、広角で投射面(スクリーン)までの距離を最小限にして、歪みや収差を抑えて映像を投射することが可能となり、性能が良好で、かつ、便利で使い勝手にも優れた投射型表示装置を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施例1の投射型表示装置の全体図である。
【図2】実施例1の投射型表示装置の投射光学ユニットの断面図である。
【図3】実施例1の投射型表示装置を略垂直な面に投射した状態の全体を示す図である。
【図4】図2の投射光学ユニットにおけるレンズ配置の一例を示す斜視図である。
【図5】投射光学ユニットのレンズ面を説明するための断面図である。
【図6】投射光学ユニットの光軸を説明するための断面図である。
【図7】実施例1の図1とは異なる投射型表示装置の全体図である。
【図8】図7の投射型表示装置における投射光学ユニットのレンズ配置の一例を示す斜視図である。
【図9】図7の投射型表示装置を略垂直な面に投射した状態の全体図である。
【図10】実施例1の投射型表示装置における光路を示すYZ断面図である。
【図11】実施例1の投射型表示装置における光路を示すXZ断面図である。
【図12】従来の投射型表示装置において略水平面に投射した状態を示す図である。
【図13】従来の投射型表示装置において略垂直面に投射した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、実施例について、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0014】
図1は、実施例1の投射型表示装置を示す斜視図である。この図において、投射型表示装置100は略箱型の筐体を持ち、その内部には、例えば、外部から入力される画像又は映像を表示する映像表示素子1と、高輝度の白色光を発生するランプなどの光源8とを備えており、光源8から出射した光は、反射ミラー9(第1の反射部)で約90度方向を変え、映像表示素子1に照射される。そして、映像表示素子1で変調された光学像を拡大して照射するための投射光学ユニットが搭載されている。投射光学ユニットはプリズム(図示せず)と前方レンズ群(第1のレンズ群)2と後方レンズ群(第2のレンズ群)3とを含む2つのレンズ群とで形成された透過(レンズ)光学系、そして、回転対称でない(即ち、非回転対称)の自由曲面形状の反射面を有する反射鏡(以下、自由曲面ミラーと言う)4を含む反射光学系とで形成される。自由曲面ミラー4(第2の反射部)で反射した光は、テーブル14上に結像され、投射画像5として表示される。すなわち、投射型表示装置100の載置面(テーブル14の上面)と同一面に投射画像5が表示されることになる。
【0015】
図2は、実施例1の投射型表示装置の投射光学ユニットを示す図である。なお、図2は、図1のX方向から見た断面(YZ断面)を示している。上記したように、投射光学ユニットは、光源8からの光を入射して所望の映像を出射する映像表示素子1、プリズム10、前方レンズ群2と後方レンズ群3とを含む2つのレンズ群とで形成される透過(レンズ)光学系と、自由曲面ミラー4を含む反射光学系を有する。
【0016】
映像表示素子1として、例えば、液晶パネルに代表される透過型のものを採用した例を示しているが、反射型の映像表示素子を用いてもよい。また、映像表示素子1として、3板式のように、R、G、Bの複数の画像を合成する方式でもよく、その場合には、映像合成用のプリズム等が必要となる。
【0017】
以上、説明した投射光学ユニットでは、映像表示素子1からプリズム10を介して出射した光は、まず、レンズ光学系である前方レンズ群2に入射される。なお、後にもその詳細を説明するが、この前方レンズ群2は、回転対称な面形状を有する正のパワー及び負のパワーを有する複数の屈折レンズを含んでいる。その後、この前方レンズ群2から出射した光は、少なくとも一方の面が回転対称でない(回転非対称の)自由曲面の形状を有する複数(実施例1では2枚)のレンズを含めた複数のレンズで形成される後方レンズ群3を通過する。そして、この後方レンズ群3から出射した光は、更に、自由曲面ミラー4を含む反射光学系で拡大反射された後、所定の投射画像5として、テーブル14(図示せず)上に投射される。
【0018】
なお、実施例1では、図2からも明らかなように、上述した背景技術のように投影画面(表示素子)を投影系の光軸に対して垂直方向にシフトし、更には、投影系の光軸に対して所定の角度傾けて付加光学系を配置する光学系とは異なり、映像表示素子1は、その表示画面の中央がレンズ光学系の略光軸上に位置するように配置されている(即ち、共軸光学系を形成している)。従って、映像表示素子1の表示画面の中央から出てレンズ光学系の入射瞳の中央を通って投射画像5上の画面中央に向かう光線11は、ほぼ、レンズ光学系(前方レンズ群2と後方レンズ群3を含む)の光軸に沿って進む(以下、これを「画面中央光線」という)。その後、この画面中央光線11は、自由曲面ミラー4の反射面上の点P2で反射した後、投射画像5上の画面中央の点P5に、投射面の法線7に対して−Y方向(左方向)から斜めに入射する。この角度を以下、「斜め入射角度」と称し、θsで表わすこととする。このことは、即ち、レンズ光学系の光軸に沿って通過した光線が投射面に対して斜めに入射していることで、実質的にレンズ光学系の光軸が投射面に対して斜めに設けられている(斜め入射系となる)ことを意味することとなる。
【0019】
なお、上述したように、投射面に対して光線を斜めに入射すると、映像表示素子1から投射された長方形の形状が台形になる、所謂、台形歪を含め、その他にも、光軸に対して回転対称でないことによる種々の収差が生じることとなる。しかし、実施例1では、これらをレンズ光学系の後方レンズ群3により補正するものである。そして、反射光学系である自由曲面ミラーにおいては、広角化による倍率色収差が発生しないというメリットがある。
【0020】
特に、映像表示素子1から出射された光線を、自由曲面ミラー4の反射面で反射して、投射画像5上に斜めに入射することによれば、レンズにより得られる光の偏心量(偏向角)に比較し、より大きな偏心量(偏向角)が得られ、また、収差も生じ難くいことから、装置の大型化を抑え、且つ、広画角化を図ることが可能となる。即ち、前方レンズ群2と後方レンズ群3を含むレンズ光学系を、上述した背景技術の付加光学系(アフォーカルコンバータ)を偏心させて台形歪み抑えるものと比較して、より口径の小さな光学系とすることが可能となる。
【0021】
また、反射光学系を形成する反射鏡4の反射面に入射する光を、上述したように、レンズ光学系により所定の大きさまで拡大して投射するため、その製造が容易となる。即ち、レンズ光学系を反射光学系とは個別に製造し、その後、装置筐体内において、これら両者の位置を固定調整することにより、特に、量産に適したものとなる。
【0022】
また、上記のように、台形歪等を補正するための後方レンズ群3を、前方レンズ群2の前方に配置すれば、この後方レンズ群3と前方レンズ群2との間の間隔を小さくして配置することが可能となるため、投射光学ユニットを搭載する装置を全体的にコンパクト化することができる。
【0023】
このように、自由曲面形状を有する透過型のレンズ光学系と、自由曲面形状を有する反射光学系とを組み合わせることによれば、強く要求される広画角化を、確実かつ比較的容易に実現し、かつ、装置全体を小さくしたコンパクトな投射型表示装置として実現することが可能となる。
【0024】
図3は、実施例1の投射型表示装置100を略水平置きとし、壁面19等の略垂直な面に投射画像5を表示させた状態である。このように、投射型表示装置100の設置方法を変更するだけで、テーブル等の略水平な面と壁面等の略垂直な面の両方に投射画像を表示させることが可能となる。
【0025】
図1のように、略水平な面に投射する場合、図中左方向(+Y方向)から視聴する場合が多い。従って、投射画面5の下は、人物150の映像で示すように、+Y方向となる。一方、図3のように略垂直な面に投射する場合は、投射画面5の下は、人物150の映像で示すように、図中下方向(−Y方向)である。このように、投射面により投射される画像の上下方向が異なるため、そのままでは、一方の状態で上下逆さまの映像となってしまう。この場合、映像表示素子1上において、上下左右を反転させて表示させる必要がある。これらの映像(光学像)の反転は、反転部(図示せず)により使用者が使用状況に応じて切り替えてもよいが、装置内に重力センサなどを配置し、装置の設置状態を検出する検出部(図示せず)により検出し、自動的に切り替えても良い。上記においては、上下と左右の両方を反転させたが、上下のみの反転でもよい。
【0026】
このとき、光源8と映像表示素子1の間に反射ミラー9を配置することにより、光源8の光軸8cと後方レンズ3の光軸3cが略垂直になるようにしている。光源8としては、一般的には、高圧水銀ランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、LED、レーザ光源等のランプを用いることが多い。例えば、高圧水銀ランプを用いた場合、光源8の光軸の方向が重力に対して水平方向又は垂直方向の何れか一方となるように使用することにより、ランプが長寿命となるように設計されている。すなわち、長寿命となるように設計された向きとは異なる向きで使用した場合、寿命が短くなるという問題がある。実施例1の投射型表示装置101においては、光源8の光軸8cと後方レンズ群3の光軸3cが略垂直になるようにすることにより、略垂直置き(図1)、略水平置き(図3)のどちらの状態で設置しても、光源8の光軸8cは略水平となるようし、長寿命化を図っている。
【0027】
図4、図5は、投射型表示装置の投射光学ユニットのレンズ光学系及び反射光学系を含む光学素子を示す図である。ここで、図4の座標軸のXは、図1、図2のXと同一であり、前方レンズ群2と後方レンズ群3の光軸をZ’軸とし、X、Z’に垂直な軸をY’軸とする。後述するが、Z’軸は図1、図2のZ軸とは異なる。図5は、図4のY’Z’断面(図5(a))及びそのXZ’断面(図5(b))をそれぞれ示している。
【0028】
これらの図にも示されるように、レンズ光学系では、映像表示素子1からプリズム10を介して出射される映像は、まず、回転対称形状を有する複数のレンズを含む前方レンズ群2に入射される。上述したように、前方レンズ群2は、回転対称の球面レンズと非球面レンズとを含んでいる。
【0029】
また、後方レンズ群3は、少なくとも2つの自由曲面レンズにより形成されている。これらの図にも示すように、反射鏡4の反射面S23に最も近い自由曲面レンズ31は、その光の出射方向に凹部を向けており、かつ、投射面の−Y´側端(図4において下側)に入射する光線が通過する部分の曲率が、投射面の+Y´側端(図4において上側)に入射する光線が通過する部分の曲率よりも大きく設定されている。即ち、自由曲面レンズとは、その光の出射方向に凹部を向けて湾曲されており、かつ、投射面の−Y´側端に入射する光線が通過する部分の曲率が、投射面の+Y´側端に入射する光線が通過する部分の曲率よりも大きい形状を有するものとする。
【0030】
また、実施例1では、次の条件を満たすように形成されている。即ち、図2に示す断面内において、映像表示素子1の画面左端から出射されて前方レンズ群2の入射瞳の中央を通り、投射画像5の画面右端の点P6に入射する光線を光線12とする。この光線12が自由曲面ミラー4を通過する点P3から投射面上の点P6に至るまでの光路長をL1とする。また、映像表示素子1の画面右端から出射されて前方レンズ群2の入射瞳の中央を通り、投射面の画面左端の点P4に入射する光線を光線13とする。この光線13が自由曲面ミラー4を通過する点P1から投射面上の点P4にまで至る光路長をL2とする。そして、上述した投射光学ユニットでは、L1、L2が次の式を満足するように形成されている。
【0031】
【数1】
【0032】
但し、Dvは、図2の断面内での投射面上の画面の大きさであり、言い換えると、投射面上の画面右端の点P6から画面左端の点P4までの距離である。また、θsは斜め入射角度である。
【0033】
一方、映像表示素子1は、その表示画面の中央を前記レンズ光学系の光軸上に位置するように配置されているが、或いは、図6にも示すように、表示画面の法線はレンズ光学系の光軸に対して僅かに傾けて配置することが望ましい。
【0034】
なお、図2を見ると、前述したように、点P3から点P6に到る光路長は、点P1から点P4に到る光路長よりも長い。これは、レンズ光学系から見て、投射面上の像点P6が像点P4よりも遠くにあることを意味している。そこで、投射面上の像点P6に対応する物点(表示画面左の点)がよりレンズ光学系に近い点に、また、像点P4に対応する物点がよりレンズ光学系から遠い点にあれば、像面の傾きを補正できる。そのためには、図6にも示すように、映像表示素子1の表示画面中央の法線ベクトルを、投射画像5の法線と画面中央光線を含む平面内において、レンズ光学系の光軸に対して僅かに傾けるようにすることが好ましい。そして、その傾斜の方向は、投射画像5が位置する方向と反対方向とすることが好ましい。
【0035】
なお、光軸に対して傾いた像平面を得るのに物平面を傾ける方法は知られているが、実用的な大きさの画角では、物平面の傾きによる像面は、光軸に対して非対称な変形を生じ、回転対称な投射レンズでは補正が困難であった。実施例1では、後方レンズ群3において、回転非対称の自由曲面レンズ31を、更には、自由曲面レンズ32を用いているため、非対称な像面の変形に対応することができる。このため、物平面を傾けること、すなわち映像表示素子の表示面を傾けることで、低次の像面の歪を大きく低減できることから、自由曲面による収差補正を補助する上で効果的である。
【0036】
次に、各光学要素の作用については、レンズ光学系ではその前方レンズ群2(レンズ21〜25)が、映像表示素子1の表示画面を投射画像5上に投射するための主レンズを形成しており、回転対称な光学系における基本的な収差を補正する。また、レンズ光学系の後方レンズ群3(レンズ31〜34)は回転対称でない(回転非対称)自由曲面形状を有するレンズで形成されている。更に、反射光学系4は、回転対称でない自由曲面形状を有する反射面であるため、主として、斜め入射によって生じる収差の補正を行う。このように、反射光学系をなすミラー4が主として台形歪を補正し、他方、レンズ光学系の後方レンズ群3が主として像面の歪みなどの非対称な収差の補正を行う。
【0037】
以上のように、実施例1では、反射光学系は回転対称でない自由曲面形状を有する1枚の反射面(ミラー)4で形成され、レンズ光学系の後方レンズ群3は、両面共に回転非対称な自由曲面形状を有する2枚の透過型レンズを(反射ミラー4側のレンズ31及び32)含んでいる。なお、ここで、自由曲面ミラー4は、その反射方向に凸部を向けるように湾曲されている。そして、自由曲面ミラー4の投射面の装置側端に入射する光線を反射する部分の曲率は、投射面の反装置側端に入射する光線を反射する部分の曲率よりも大きく設定されている。また、投射面の装置側端に入射する光線を反射する部分がその反射方向に対し凸形状を為し、他方、投射面の反装置側端に入射する光線を反射する部分がその反射方向に凹形状を為すようにしてもよい。
【0038】
反射光学系の反射面(ミラー)4における座標原点と、前方レンズ群2のうち最も反射面(ミラー)4に近いレンズ面との間の光軸方向での距離は、前方レンズ群2の焦点距離の5倍、又は、それ以上に設定することが望ましい。これによれば、反射光学系の自由曲面形状を有する反射面により、台形歪収差をより効果的に補正し、もって、良好な性能を得ることができる。
【0039】
図7、図8、図9は前方レンズ群2と後方レンズ群3の間に折り返しミラー35を配置した場合の投射型表示装置の説明図である。
【0040】
図に示すように、折り返しミラー35(第1の反射部)により、前方レンズ群2の光軸と後方レンズ群3の光軸は略90°となっている。この場合、映像表示素子1と光源8との間に反射ミラーを配置しなくても、光源8の光軸8cと後方ミラー群3の光軸3cは略垂直となる。作用、効果等は上記と変わらないため、ここでは、説明を省略する。
【0041】
次に、実施例1の具体的な数値例について説明する。
【0042】
まず、図10及び図11、更には、以下の表1〜表4を用いて、上記に説明した実施例1である投射光学ユニットの詳細を、特に、そのレンズ光学系及び反射光学系を含む光学素子の具体的な数値を示しながら説明する。なお、これらの図は、第1の数値例に基づく実施例1の光学系の光線図を示している。即ち、図10は、図1のXYZ直交座標系におけるYZ断面、図11はXZ断面を示している。なお、図11では、その詳細構造を図7及び図8に示すように、レンズ光学系を形成するレンズ光学系の前方レンズ群2と後方レンズ群3との途中に折り曲げミラー35を設置し、光路をX軸方向に一度折り曲げている例を示している。
【0043】
図10の左側に表示した映像表示素子1から出射した光は、複数のレンズを含むレンズ光学系のうち、まず回転対称形状の面のみを有するレンズのみで形成された前方レンズ群2を通過する。そして、回転非対称の自由曲面レンズを含む後方レンズ群3を通り、反射光学系である自由曲面ミラー4の反射面で反射される。その反射された光は、その後投射画像5に入射される。
【0044】
ここで、レンズ光学系の前方レンズ群2は、全て、回転対称な形状の屈折面を持つ複数のレンズで形成されており、これらレンズの屈折面のうち4つは回転対称な非球面であり、他は球面である。なお、ここに用いられた回転対称な非球面は、各面毎のローカルな円筒座標系を用いて、次の式で表される。
【0045】
【数2】
【0046】
ここで、「r」は光軸からの距離であり、「Z」はサグ量を表している。また、「c」は頂点での曲率、「k」は円錐定数、「A」から「J」は「r」のべき乗の項の係数である。
【0047】
一方、レンズ光学系の後方レンズ群3である自由曲面は、各面の面頂点を原点とするローカルな直交座標系(x、y、z)を用い、X、Yの多項式を含む次の式で表される。
【0048】
【数3】
【0049】
ここで、「Z」はX、Y軸に垂直な方向で自由曲面の形状のサグ量を表わしており、「c」は頂点での曲率、「r」はX、Y軸の平面内での原点からの距離、「k」は円錐定数、「C(m、n)」は多項式の係数である。
【0050】
次に、表1は、実施例1に係る光学系の数値データを示している。表1において、S0〜S23は、図5に示された符号S0〜S23にそれぞれ対応している。ここで、符号S0は映像表示素子1の表示面、すなわち物面を示しており、S23は自由曲面ミラー5の反射面を示している。また、符号S24は、これらの図では示されていないが、図2の投射画像5の入射面、すなわち、像面を示している。
【0051】
【表1】
【0052】
また、表1において、「Rd」は各面の曲率半径であり、図5において面の左側に曲率の中心がある場合は正の値で、逆の場合は負の値で表わしている。また、表1において、「TH」は面間距離であり、そのレンズ面の頂点から次のレンズ面の頂点までの距離を示す。そのレンズ面に対して、次のレンズ面が図の中で左側にある時には面間距離は正の値、右側にある場合は負の値で表している。
【0053】
更に、表1において、S5、S6、S17、S18は回転対称な非球面であり、表1では面の番号の横に「*」を付けて分かり易く表示しており、これら4つ面の非球面の係数を以下の表2に示している。
【0054】
【表2】
【0055】
また、表1においてS19からS22は、レンズ光学系の後方レンズ群を形成する自由曲面形状を有する屈折面であり、S23は反射光学系の自由曲面S23形状を有する反射面であって、面の番号の横に#を付けて表示した。これら5つの自由曲面の形状を表す係数の値を以下の表3に示す。
【0056】
【表3】
【0057】
また、本数値例おいて、図6に示すように、映像表示素子1の表示画面である物面をレンズ光学系の光軸に対して−1.163度傾けている。なお、傾斜の方向は、図6の断面内で物面の法線が時計回りに回転する方向を正の値で表わすことにする。従って、本数値例では、物面を図6の断面内で、レンズ光学系の光軸に垂直な位置から反時計回り方向に1.163度傾けていることになる。
【0058】
また、図5又は図6中の符号S23で示す自由曲面ミラー4は、そのローカル座標の原点をレンズ光学系の光軸上に置き、ローカル座標の原点での法線、すなわち、Z軸を、レンズ光学系の光軸と平行な位置から約+29度だけ傾斜して配置している。なお、この傾きの方向は、物面と同様に、図5又は図6の断面内で反時計回りに回転する方向を正とし、従って、反時計回りに傾けていることになる。これによって、映像表示素子1の画面中央から出て、ほぼ、前記レンズ光学系の光軸に沿って進んできた画面中央光線は、S23で反射した後、前記レンズ光学系の光軸に対して前記傾き角度の2倍の58度だけ傾いた方向に進む(図の矢印を参照)。
【0059】
更に、本数値例における、各面のローカル座標系の傾き又は偏心の様子を表4に示す。表4において、面番号の右側に傾き角度、偏心の値を示しており、「ADE」は、図5の断面と平行な面内での傾きの大きさであり、その表示規則は上に示した通りである。また、「YDE」は偏心の大きさであり、偏心は図5の断面と平行な面内でかつ光軸に垂直な方向で設定され、図5の断面において下側への偏心を正とする。なお、以降に説明する実施例においても、光学要素の傾きや偏心は、表示した断面に平行な断面内での方向で設定される。
【0060】
【表4】
【0061】
なお、表1、表3を見ると、本数値例では、曲率「c」とコーニック係数「k」が零(0)となっていることがわかる。即ち、斜め入射による台形歪は、斜め入射の方向に極端に大きく発生し、これと垂直な方向での歪量は小さい。従って、斜め入射の方向とこれに垂直な方向とでは、大幅に異なる機能が必要であり、回転対称で全方向に機能する曲率「c」やコーニック係数「k」を利用しないことにより、非対称な収差を良好に補正することが可能となる。
【0062】
また、表4において、面S23の「ADE」は、図2に示すθmと同じであり、投射画像5の面上での「ADE」は、図2に示すように、θsである。
【符号の説明】
【0063】
1 映像表示素子、2 前方レンズ群、3 後方レンズ群、4 自由曲面ミラー、5 投射画像、8 光源、100、101 投射型表示装置、150 人物。
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像表示素子の画像を、略垂直な面に拡大投射して画像表示を可能とし、また、机上などの略水平な面上に対しても拡大投射して画像表示を可能とした投射型表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特開平5−134213号公報に記載されているように、投射画像を投射光学系の光軸に対して垂直方向にシフトすると共に、投射光学系の光軸に対して所定の角度傾けて配置された付加光学系とを用いて、映像をスクリーンに対して斜め方向に拡大投射する投射型表示装置が知られている。なお、ここで言う付加光学系(アフォーカルコンバータ)とは、投射画像の大きさを変換する作用を有する光学系であり、スクリーンに対する斜め方向からの投射に伴う投射画像の歪を補正・低減して長方形の投射画像を得るためのものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−134213号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の投射型表示装置の使用形態のほとんどは、図13に示すように、壁面19などの略垂直な面にスクリーン等(図示せず)を設置し、壁面19から離れた位置の台20などの上に投射型表示装置101を配置し、該スクリーンに投射画像5を投射していた。以下、図13のような投射型表示装置101の設置状態を略水平置きという。
【0005】
上記のような使用状態に加えて、近年は、テーブルなどの略水平な面に投射したいという要望が増えている。
【0006】
図12は、従来の投射型表示装置101を用いて、テーブル14等の略水平な面に映像を投射した状態を示す図である。図12(a)に示すように、従来の投射型表示装置101を固定部材16により、天井15に投射方向が下になるように固定し、テーブル14に投射画像5を表示している。すなわち、投射型表示装置101は、天井15に固定しなければならない。しかし、図12(a)のように、テーブルなどの略水平な面に投射する用途ばかりではない。当然、図13のように、壁面などの略垂直な面に投射する用途もある。従って、使用状況に応じて投射型表示装置101を天井15への取り付け・取り外しという作業が発生し、使い勝手が良くない。
【0007】
また、図12(b)のように投射型表示装置101をテーブル14上に配置し、上向きに投射し、その投射光路の途中に折り返しミラー17を配置(固定部材18によりテーブル14に固定)し、投射光路を折り曲げてテーブル14上に投射する方法がある。この方法の場合、投射型表示装置101は固定する必要は無く、また、テーブル14上にあるため、この状態から、投射型表示装置101の投射方向を変えて配置させるだけで、簡単に図13のように壁面などの略垂直な面に投射することができる。以下、図12(a)、(b)のような投射型表示装置の設置状態を略垂直置きという。
【0008】
しかし、特開平5−134213号公報に記載の投射光学ユニットは、投射面側に配置された付加光学系(アフォーカルコンバータ)を偏心させており、広角化が困難である。そのため、必要な倍率の投射映像を得るためには、投射装置から投射面までの距離(以降、投射距離という)が長くなってしまう。すなわち、特開平5−134213号公報に記載の投射光学ユニットで図12(b)のように投射させた場合、必要な倍率の投射映像を得るためには、折り返しミラー17を上方に配置しなければならない。また、折り返しミラー17は、テーブル14などの略水平面上に投射する場合にのみ必要なものであり、使用状況に応じて、設置・撤去することになり、使い勝手が良くない。仮に広角化が実現できたとしても、折り返しミラー17が大きく投射画像5側(図中左方向)にせり出す形となるため、投射型表示装置101の投射画像5と反対側にいる人からは、この折り返しミラー17が邪魔になって投射画像5を見ることができないという問題も発生する。
【0009】
本発明は、上記した課題に鑑みて成されたもので、映像表示素子の画像を拡大してテーブルなどの略水平な面上に投射して画像表示を行うことが可能な投射型表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一面は、光源の光軸と、光軸に対して対称に配置された複数のレンズ素子を有するレンズ群の光軸が略垂直となるように、光源からの光を反射する反射ミラーを配置する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、広角で投射面(スクリーン)までの距離を最小限にして、歪みや収差を抑えて映像を投射することが可能となり、性能が良好で、かつ、便利で使い勝手にも優れた投射型表示装置を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施例1の投射型表示装置の全体図である。
【図2】実施例1の投射型表示装置の投射光学ユニットの断面図である。
【図3】実施例1の投射型表示装置を略垂直な面に投射した状態の全体を示す図である。
【図4】図2の投射光学ユニットにおけるレンズ配置の一例を示す斜視図である。
【図5】投射光学ユニットのレンズ面を説明するための断面図である。
【図6】投射光学ユニットの光軸を説明するための断面図である。
【図7】実施例1の図1とは異なる投射型表示装置の全体図である。
【図8】図7の投射型表示装置における投射光学ユニットのレンズ配置の一例を示す斜視図である。
【図9】図7の投射型表示装置を略垂直な面に投射した状態の全体図である。
【図10】実施例1の投射型表示装置における光路を示すYZ断面図である。
【図11】実施例1の投射型表示装置における光路を示すXZ断面図である。
【図12】従来の投射型表示装置において略水平面に投射した状態を示す図である。
【図13】従来の投射型表示装置において略垂直面に投射した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、実施例について、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0014】
図1は、実施例1の投射型表示装置を示す斜視図である。この図において、投射型表示装置100は略箱型の筐体を持ち、その内部には、例えば、外部から入力される画像又は映像を表示する映像表示素子1と、高輝度の白色光を発生するランプなどの光源8とを備えており、光源8から出射した光は、反射ミラー9(第1の反射部)で約90度方向を変え、映像表示素子1に照射される。そして、映像表示素子1で変調された光学像を拡大して照射するための投射光学ユニットが搭載されている。投射光学ユニットはプリズム(図示せず)と前方レンズ群(第1のレンズ群)2と後方レンズ群(第2のレンズ群)3とを含む2つのレンズ群とで形成された透過(レンズ)光学系、そして、回転対称でない(即ち、非回転対称)の自由曲面形状の反射面を有する反射鏡(以下、自由曲面ミラーと言う)4を含む反射光学系とで形成される。自由曲面ミラー4(第2の反射部)で反射した光は、テーブル14上に結像され、投射画像5として表示される。すなわち、投射型表示装置100の載置面(テーブル14の上面)と同一面に投射画像5が表示されることになる。
【0015】
図2は、実施例1の投射型表示装置の投射光学ユニットを示す図である。なお、図2は、図1のX方向から見た断面(YZ断面)を示している。上記したように、投射光学ユニットは、光源8からの光を入射して所望の映像を出射する映像表示素子1、プリズム10、前方レンズ群2と後方レンズ群3とを含む2つのレンズ群とで形成される透過(レンズ)光学系と、自由曲面ミラー4を含む反射光学系を有する。
【0016】
映像表示素子1として、例えば、液晶パネルに代表される透過型のものを採用した例を示しているが、反射型の映像表示素子を用いてもよい。また、映像表示素子1として、3板式のように、R、G、Bの複数の画像を合成する方式でもよく、その場合には、映像合成用のプリズム等が必要となる。
【0017】
以上、説明した投射光学ユニットでは、映像表示素子1からプリズム10を介して出射した光は、まず、レンズ光学系である前方レンズ群2に入射される。なお、後にもその詳細を説明するが、この前方レンズ群2は、回転対称な面形状を有する正のパワー及び負のパワーを有する複数の屈折レンズを含んでいる。その後、この前方レンズ群2から出射した光は、少なくとも一方の面が回転対称でない(回転非対称の)自由曲面の形状を有する複数(実施例1では2枚)のレンズを含めた複数のレンズで形成される後方レンズ群3を通過する。そして、この後方レンズ群3から出射した光は、更に、自由曲面ミラー4を含む反射光学系で拡大反射された後、所定の投射画像5として、テーブル14(図示せず)上に投射される。
【0018】
なお、実施例1では、図2からも明らかなように、上述した背景技術のように投影画面(表示素子)を投影系の光軸に対して垂直方向にシフトし、更には、投影系の光軸に対して所定の角度傾けて付加光学系を配置する光学系とは異なり、映像表示素子1は、その表示画面の中央がレンズ光学系の略光軸上に位置するように配置されている(即ち、共軸光学系を形成している)。従って、映像表示素子1の表示画面の中央から出てレンズ光学系の入射瞳の中央を通って投射画像5上の画面中央に向かう光線11は、ほぼ、レンズ光学系(前方レンズ群2と後方レンズ群3を含む)の光軸に沿って進む(以下、これを「画面中央光線」という)。その後、この画面中央光線11は、自由曲面ミラー4の反射面上の点P2で反射した後、投射画像5上の画面中央の点P5に、投射面の法線7に対して−Y方向(左方向)から斜めに入射する。この角度を以下、「斜め入射角度」と称し、θsで表わすこととする。このことは、即ち、レンズ光学系の光軸に沿って通過した光線が投射面に対して斜めに入射していることで、実質的にレンズ光学系の光軸が投射面に対して斜めに設けられている(斜め入射系となる)ことを意味することとなる。
【0019】
なお、上述したように、投射面に対して光線を斜めに入射すると、映像表示素子1から投射された長方形の形状が台形になる、所謂、台形歪を含め、その他にも、光軸に対して回転対称でないことによる種々の収差が生じることとなる。しかし、実施例1では、これらをレンズ光学系の後方レンズ群3により補正するものである。そして、反射光学系である自由曲面ミラーにおいては、広角化による倍率色収差が発生しないというメリットがある。
【0020】
特に、映像表示素子1から出射された光線を、自由曲面ミラー4の反射面で反射して、投射画像5上に斜めに入射することによれば、レンズにより得られる光の偏心量(偏向角)に比較し、より大きな偏心量(偏向角)が得られ、また、収差も生じ難くいことから、装置の大型化を抑え、且つ、広画角化を図ることが可能となる。即ち、前方レンズ群2と後方レンズ群3を含むレンズ光学系を、上述した背景技術の付加光学系(アフォーカルコンバータ)を偏心させて台形歪み抑えるものと比較して、より口径の小さな光学系とすることが可能となる。
【0021】
また、反射光学系を形成する反射鏡4の反射面に入射する光を、上述したように、レンズ光学系により所定の大きさまで拡大して投射するため、その製造が容易となる。即ち、レンズ光学系を反射光学系とは個別に製造し、その後、装置筐体内において、これら両者の位置を固定調整することにより、特に、量産に適したものとなる。
【0022】
また、上記のように、台形歪等を補正するための後方レンズ群3を、前方レンズ群2の前方に配置すれば、この後方レンズ群3と前方レンズ群2との間の間隔を小さくして配置することが可能となるため、投射光学ユニットを搭載する装置を全体的にコンパクト化することができる。
【0023】
このように、自由曲面形状を有する透過型のレンズ光学系と、自由曲面形状を有する反射光学系とを組み合わせることによれば、強く要求される広画角化を、確実かつ比較的容易に実現し、かつ、装置全体を小さくしたコンパクトな投射型表示装置として実現することが可能となる。
【0024】
図3は、実施例1の投射型表示装置100を略水平置きとし、壁面19等の略垂直な面に投射画像5を表示させた状態である。このように、投射型表示装置100の設置方法を変更するだけで、テーブル等の略水平な面と壁面等の略垂直な面の両方に投射画像を表示させることが可能となる。
【0025】
図1のように、略水平な面に投射する場合、図中左方向(+Y方向)から視聴する場合が多い。従って、投射画面5の下は、人物150の映像で示すように、+Y方向となる。一方、図3のように略垂直な面に投射する場合は、投射画面5の下は、人物150の映像で示すように、図中下方向(−Y方向)である。このように、投射面により投射される画像の上下方向が異なるため、そのままでは、一方の状態で上下逆さまの映像となってしまう。この場合、映像表示素子1上において、上下左右を反転させて表示させる必要がある。これらの映像(光学像)の反転は、反転部(図示せず)により使用者が使用状況に応じて切り替えてもよいが、装置内に重力センサなどを配置し、装置の設置状態を検出する検出部(図示せず)により検出し、自動的に切り替えても良い。上記においては、上下と左右の両方を反転させたが、上下のみの反転でもよい。
【0026】
このとき、光源8と映像表示素子1の間に反射ミラー9を配置することにより、光源8の光軸8cと後方レンズ3の光軸3cが略垂直になるようにしている。光源8としては、一般的には、高圧水銀ランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、LED、レーザ光源等のランプを用いることが多い。例えば、高圧水銀ランプを用いた場合、光源8の光軸の方向が重力に対して水平方向又は垂直方向の何れか一方となるように使用することにより、ランプが長寿命となるように設計されている。すなわち、長寿命となるように設計された向きとは異なる向きで使用した場合、寿命が短くなるという問題がある。実施例1の投射型表示装置101においては、光源8の光軸8cと後方レンズ群3の光軸3cが略垂直になるようにすることにより、略垂直置き(図1)、略水平置き(図3)のどちらの状態で設置しても、光源8の光軸8cは略水平となるようし、長寿命化を図っている。
【0027】
図4、図5は、投射型表示装置の投射光学ユニットのレンズ光学系及び反射光学系を含む光学素子を示す図である。ここで、図4の座標軸のXは、図1、図2のXと同一であり、前方レンズ群2と後方レンズ群3の光軸をZ’軸とし、X、Z’に垂直な軸をY’軸とする。後述するが、Z’軸は図1、図2のZ軸とは異なる。図5は、図4のY’Z’断面(図5(a))及びそのXZ’断面(図5(b))をそれぞれ示している。
【0028】
これらの図にも示されるように、レンズ光学系では、映像表示素子1からプリズム10を介して出射される映像は、まず、回転対称形状を有する複数のレンズを含む前方レンズ群2に入射される。上述したように、前方レンズ群2は、回転対称の球面レンズと非球面レンズとを含んでいる。
【0029】
また、後方レンズ群3は、少なくとも2つの自由曲面レンズにより形成されている。これらの図にも示すように、反射鏡4の反射面S23に最も近い自由曲面レンズ31は、その光の出射方向に凹部を向けており、かつ、投射面の−Y´側端(図4において下側)に入射する光線が通過する部分の曲率が、投射面の+Y´側端(図4において上側)に入射する光線が通過する部分の曲率よりも大きく設定されている。即ち、自由曲面レンズとは、その光の出射方向に凹部を向けて湾曲されており、かつ、投射面の−Y´側端に入射する光線が通過する部分の曲率が、投射面の+Y´側端に入射する光線が通過する部分の曲率よりも大きい形状を有するものとする。
【0030】
また、実施例1では、次の条件を満たすように形成されている。即ち、図2に示す断面内において、映像表示素子1の画面左端から出射されて前方レンズ群2の入射瞳の中央を通り、投射画像5の画面右端の点P6に入射する光線を光線12とする。この光線12が自由曲面ミラー4を通過する点P3から投射面上の点P6に至るまでの光路長をL1とする。また、映像表示素子1の画面右端から出射されて前方レンズ群2の入射瞳の中央を通り、投射面の画面左端の点P4に入射する光線を光線13とする。この光線13が自由曲面ミラー4を通過する点P1から投射面上の点P4にまで至る光路長をL2とする。そして、上述した投射光学ユニットでは、L1、L2が次の式を満足するように形成されている。
【0031】
【数1】
【0032】
但し、Dvは、図2の断面内での投射面上の画面の大きさであり、言い換えると、投射面上の画面右端の点P6から画面左端の点P4までの距離である。また、θsは斜め入射角度である。
【0033】
一方、映像表示素子1は、その表示画面の中央を前記レンズ光学系の光軸上に位置するように配置されているが、或いは、図6にも示すように、表示画面の法線はレンズ光学系の光軸に対して僅かに傾けて配置することが望ましい。
【0034】
なお、図2を見ると、前述したように、点P3から点P6に到る光路長は、点P1から点P4に到る光路長よりも長い。これは、レンズ光学系から見て、投射面上の像点P6が像点P4よりも遠くにあることを意味している。そこで、投射面上の像点P6に対応する物点(表示画面左の点)がよりレンズ光学系に近い点に、また、像点P4に対応する物点がよりレンズ光学系から遠い点にあれば、像面の傾きを補正できる。そのためには、図6にも示すように、映像表示素子1の表示画面中央の法線ベクトルを、投射画像5の法線と画面中央光線を含む平面内において、レンズ光学系の光軸に対して僅かに傾けるようにすることが好ましい。そして、その傾斜の方向は、投射画像5が位置する方向と反対方向とすることが好ましい。
【0035】
なお、光軸に対して傾いた像平面を得るのに物平面を傾ける方法は知られているが、実用的な大きさの画角では、物平面の傾きによる像面は、光軸に対して非対称な変形を生じ、回転対称な投射レンズでは補正が困難であった。実施例1では、後方レンズ群3において、回転非対称の自由曲面レンズ31を、更には、自由曲面レンズ32を用いているため、非対称な像面の変形に対応することができる。このため、物平面を傾けること、すなわち映像表示素子の表示面を傾けることで、低次の像面の歪を大きく低減できることから、自由曲面による収差補正を補助する上で効果的である。
【0036】
次に、各光学要素の作用については、レンズ光学系ではその前方レンズ群2(レンズ21〜25)が、映像表示素子1の表示画面を投射画像5上に投射するための主レンズを形成しており、回転対称な光学系における基本的な収差を補正する。また、レンズ光学系の後方レンズ群3(レンズ31〜34)は回転対称でない(回転非対称)自由曲面形状を有するレンズで形成されている。更に、反射光学系4は、回転対称でない自由曲面形状を有する反射面であるため、主として、斜め入射によって生じる収差の補正を行う。このように、反射光学系をなすミラー4が主として台形歪を補正し、他方、レンズ光学系の後方レンズ群3が主として像面の歪みなどの非対称な収差の補正を行う。
【0037】
以上のように、実施例1では、反射光学系は回転対称でない自由曲面形状を有する1枚の反射面(ミラー)4で形成され、レンズ光学系の後方レンズ群3は、両面共に回転非対称な自由曲面形状を有する2枚の透過型レンズを(反射ミラー4側のレンズ31及び32)含んでいる。なお、ここで、自由曲面ミラー4は、その反射方向に凸部を向けるように湾曲されている。そして、自由曲面ミラー4の投射面の装置側端に入射する光線を反射する部分の曲率は、投射面の反装置側端に入射する光線を反射する部分の曲率よりも大きく設定されている。また、投射面の装置側端に入射する光線を反射する部分がその反射方向に対し凸形状を為し、他方、投射面の反装置側端に入射する光線を反射する部分がその反射方向に凹形状を為すようにしてもよい。
【0038】
反射光学系の反射面(ミラー)4における座標原点と、前方レンズ群2のうち最も反射面(ミラー)4に近いレンズ面との間の光軸方向での距離は、前方レンズ群2の焦点距離の5倍、又は、それ以上に設定することが望ましい。これによれば、反射光学系の自由曲面形状を有する反射面により、台形歪収差をより効果的に補正し、もって、良好な性能を得ることができる。
【0039】
図7、図8、図9は前方レンズ群2と後方レンズ群3の間に折り返しミラー35を配置した場合の投射型表示装置の説明図である。
【0040】
図に示すように、折り返しミラー35(第1の反射部)により、前方レンズ群2の光軸と後方レンズ群3の光軸は略90°となっている。この場合、映像表示素子1と光源8との間に反射ミラーを配置しなくても、光源8の光軸8cと後方ミラー群3の光軸3cは略垂直となる。作用、効果等は上記と変わらないため、ここでは、説明を省略する。
【0041】
次に、実施例1の具体的な数値例について説明する。
【0042】
まず、図10及び図11、更には、以下の表1〜表4を用いて、上記に説明した実施例1である投射光学ユニットの詳細を、特に、そのレンズ光学系及び反射光学系を含む光学素子の具体的な数値を示しながら説明する。なお、これらの図は、第1の数値例に基づく実施例1の光学系の光線図を示している。即ち、図10は、図1のXYZ直交座標系におけるYZ断面、図11はXZ断面を示している。なお、図11では、その詳細構造を図7及び図8に示すように、レンズ光学系を形成するレンズ光学系の前方レンズ群2と後方レンズ群3との途中に折り曲げミラー35を設置し、光路をX軸方向に一度折り曲げている例を示している。
【0043】
図10の左側に表示した映像表示素子1から出射した光は、複数のレンズを含むレンズ光学系のうち、まず回転対称形状の面のみを有するレンズのみで形成された前方レンズ群2を通過する。そして、回転非対称の自由曲面レンズを含む後方レンズ群3を通り、反射光学系である自由曲面ミラー4の反射面で反射される。その反射された光は、その後投射画像5に入射される。
【0044】
ここで、レンズ光学系の前方レンズ群2は、全て、回転対称な形状の屈折面を持つ複数のレンズで形成されており、これらレンズの屈折面のうち4つは回転対称な非球面であり、他は球面である。なお、ここに用いられた回転対称な非球面は、各面毎のローカルな円筒座標系を用いて、次の式で表される。
【0045】
【数2】
【0046】
ここで、「r」は光軸からの距離であり、「Z」はサグ量を表している。また、「c」は頂点での曲率、「k」は円錐定数、「A」から「J」は「r」のべき乗の項の係数である。
【0047】
一方、レンズ光学系の後方レンズ群3である自由曲面は、各面の面頂点を原点とするローカルな直交座標系(x、y、z)を用い、X、Yの多項式を含む次の式で表される。
【0048】
【数3】
【0049】
ここで、「Z」はX、Y軸に垂直な方向で自由曲面の形状のサグ量を表わしており、「c」は頂点での曲率、「r」はX、Y軸の平面内での原点からの距離、「k」は円錐定数、「C(m、n)」は多項式の係数である。
【0050】
次に、表1は、実施例1に係る光学系の数値データを示している。表1において、S0〜S23は、図5に示された符号S0〜S23にそれぞれ対応している。ここで、符号S0は映像表示素子1の表示面、すなわち物面を示しており、S23は自由曲面ミラー5の反射面を示している。また、符号S24は、これらの図では示されていないが、図2の投射画像5の入射面、すなわち、像面を示している。
【0051】
【表1】
【0052】
また、表1において、「Rd」は各面の曲率半径であり、図5において面の左側に曲率の中心がある場合は正の値で、逆の場合は負の値で表わしている。また、表1において、「TH」は面間距離であり、そのレンズ面の頂点から次のレンズ面の頂点までの距離を示す。そのレンズ面に対して、次のレンズ面が図の中で左側にある時には面間距離は正の値、右側にある場合は負の値で表している。
【0053】
更に、表1において、S5、S6、S17、S18は回転対称な非球面であり、表1では面の番号の横に「*」を付けて分かり易く表示しており、これら4つ面の非球面の係数を以下の表2に示している。
【0054】
【表2】
【0055】
また、表1においてS19からS22は、レンズ光学系の後方レンズ群を形成する自由曲面形状を有する屈折面であり、S23は反射光学系の自由曲面S23形状を有する反射面であって、面の番号の横に#を付けて表示した。これら5つの自由曲面の形状を表す係数の値を以下の表3に示す。
【0056】
【表3】
【0057】
また、本数値例おいて、図6に示すように、映像表示素子1の表示画面である物面をレンズ光学系の光軸に対して−1.163度傾けている。なお、傾斜の方向は、図6の断面内で物面の法線が時計回りに回転する方向を正の値で表わすことにする。従って、本数値例では、物面を図6の断面内で、レンズ光学系の光軸に垂直な位置から反時計回り方向に1.163度傾けていることになる。
【0058】
また、図5又は図6中の符号S23で示す自由曲面ミラー4は、そのローカル座標の原点をレンズ光学系の光軸上に置き、ローカル座標の原点での法線、すなわち、Z軸を、レンズ光学系の光軸と平行な位置から約+29度だけ傾斜して配置している。なお、この傾きの方向は、物面と同様に、図5又は図6の断面内で反時計回りに回転する方向を正とし、従って、反時計回りに傾けていることになる。これによって、映像表示素子1の画面中央から出て、ほぼ、前記レンズ光学系の光軸に沿って進んできた画面中央光線は、S23で反射した後、前記レンズ光学系の光軸に対して前記傾き角度の2倍の58度だけ傾いた方向に進む(図の矢印を参照)。
【0059】
更に、本数値例における、各面のローカル座標系の傾き又は偏心の様子を表4に示す。表4において、面番号の右側に傾き角度、偏心の値を示しており、「ADE」は、図5の断面と平行な面内での傾きの大きさであり、その表示規則は上に示した通りである。また、「YDE」は偏心の大きさであり、偏心は図5の断面と平行な面内でかつ光軸に垂直な方向で設定され、図5の断面において下側への偏心を正とする。なお、以降に説明する実施例においても、光学要素の傾きや偏心は、表示した断面に平行な断面内での方向で設定される。
【0060】
【表4】
【0061】
なお、表1、表3を見ると、本数値例では、曲率「c」とコーニック係数「k」が零(0)となっていることがわかる。即ち、斜め入射による台形歪は、斜め入射の方向に極端に大きく発生し、これと垂直な方向での歪量は小さい。従って、斜め入射の方向とこれに垂直な方向とでは、大幅に異なる機能が必要であり、回転対称で全方向に機能する曲率「c」やコーニック係数「k」を利用しないことにより、非対称な収差を良好に補正することが可能となる。
【0062】
また、表4において、面S23の「ADE」は、図2に示すθmと同じであり、投射画像5の面上での「ADE」は、図2に示すように、θsである。
【符号の説明】
【0063】
1 映像表示素子、2 前方レンズ群、3 後方レンズ群、4 自由曲面ミラー、5 投射画像、8 光源、100、101 投射型表示装置、150 人物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を出射する光源と、
前記光源からの光を前記光源の光軸に対して略垂直に反射する第1の反射部と、
前記第1の反射部からの光を光学像に変調する映像表示素子と、
前記映像表示素子からの光が通過し、複数個のレンズ素子で形成されたレンズ群と、
前記レンズ群からの光を反射し、前記光源の光軸に対して非軸対称な形状であり、前記光源の光軸に対して所定角度傾けて配置された第2の反射部を備えたことを特徴とする投射型表示装置。
【請求項2】
光を出射する光源と、
前記光源からの光を反射する第1の反射部と、
前記第1の反射部からの光を光学像に変調する映像表示素子と、
前記映像表示素子からの光が通過し、複数個のレンズ素子で形成されたレンズ群と、
前記レンズ群からの光を反射し、前記光源の光軸に対して非軸対称な形状であり、前記光源の光軸に対して所定角度傾けて配置された第2の反射部を備え、
前記光源の光軸と前記レンズ群の光軸は、略垂直であることを特徴とする投射型表示装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の投射型表示装置であって、
前記光学像を反転させる反転部を備えたことを特徴とする投射型表示装置。
【請求項4】
請求項1から3の何れか1項に記載の投射型表示装置であって、
前記レンズ群は、前方レンズ群と後方レンズ群で形成されたことを特徴とする投射型表示装置。
【請求項5】
請求項1から4の何れか1項に記載の投射型表示装置であって、
前記レンズ群は、前記映像表示素子の光軸に対して、所定角度傾けて配置されたことを特徴とする投射型表示装置。
【請求項6】
光を出射する光源と、
前記光源からの光を光学像に変調する映像表示素子と、
複数個のレンズ素子で形成された前方レンズ群及び後方レンズ群を有するレンズ群と、
前記前方レンズ群と前記後方レンズ群の間に配置され、前記前方レンズ群からの光を略垂直に反射し、前記後方レンズ群に入射させる第1の反射部と、
前記光源の光軸に対して非軸対称な形状であり、前記光源の光軸に対して所定角度の傾斜して配置された第2の反射部を備えたことを特徴とする投射型表示装置。
【請求項7】
請求項6に記載の投射型表示装置であって、
前記光学像を反転させる反転部を備えたことを特徴とする投射型表示装置。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の投射型表示装置であって、
前記レンズ群は、前記映像表示素子の光軸に対して、所定角度傾けて配置されたことを特徴とする投射型表示装置。
【請求項1】
光を出射する光源と、
前記光源からの光を前記光源の光軸に対して略垂直に反射する第1の反射部と、
前記第1の反射部からの光を光学像に変調する映像表示素子と、
前記映像表示素子からの光が通過し、複数個のレンズ素子で形成されたレンズ群と、
前記レンズ群からの光を反射し、前記光源の光軸に対して非軸対称な形状であり、前記光源の光軸に対して所定角度傾けて配置された第2の反射部を備えたことを特徴とする投射型表示装置。
【請求項2】
光を出射する光源と、
前記光源からの光を反射する第1の反射部と、
前記第1の反射部からの光を光学像に変調する映像表示素子と、
前記映像表示素子からの光が通過し、複数個のレンズ素子で形成されたレンズ群と、
前記レンズ群からの光を反射し、前記光源の光軸に対して非軸対称な形状であり、前記光源の光軸に対して所定角度傾けて配置された第2の反射部を備え、
前記光源の光軸と前記レンズ群の光軸は、略垂直であることを特徴とする投射型表示装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の投射型表示装置であって、
前記光学像を反転させる反転部を備えたことを特徴とする投射型表示装置。
【請求項4】
請求項1から3の何れか1項に記載の投射型表示装置であって、
前記レンズ群は、前方レンズ群と後方レンズ群で形成されたことを特徴とする投射型表示装置。
【請求項5】
請求項1から4の何れか1項に記載の投射型表示装置であって、
前記レンズ群は、前記映像表示素子の光軸に対して、所定角度傾けて配置されたことを特徴とする投射型表示装置。
【請求項6】
光を出射する光源と、
前記光源からの光を光学像に変調する映像表示素子と、
複数個のレンズ素子で形成された前方レンズ群及び後方レンズ群を有するレンズ群と、
前記前方レンズ群と前記後方レンズ群の間に配置され、前記前方レンズ群からの光を略垂直に反射し、前記後方レンズ群に入射させる第1の反射部と、
前記光源の光軸に対して非軸対称な形状であり、前記光源の光軸に対して所定角度の傾斜して配置された第2の反射部を備えたことを特徴とする投射型表示装置。
【請求項7】
請求項6に記載の投射型表示装置であって、
前記光学像を反転させる反転部を備えたことを特徴とする投射型表示装置。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の投射型表示装置であって、
前記レンズ群は、前記映像表示素子の光軸に対して、所定角度傾けて配置されたことを特徴とする投射型表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−8044(P2013−8044A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−183749(P2012−183749)
【出願日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【分割の表示】特願2012−11625(P2012−11625)の分割
【原出願日】平成19年2月27日(2007.2.27)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【分割の表示】特願2012−11625(P2012−11625)の分割
【原出願日】平成19年2月27日(2007.2.27)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
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