説明

抗ウイルス化合物を調製する方法

本発明は、(a)C型肝炎ウイルス(HCV)を阻害するのにとりわけ有用である化合物およびこの塩を調製する方法、(b)該化合物および塩の調製に有用な中間体、(c)該化合物または塩を含む医薬組成物、ならびに(d)こうした組成物の使用方法を対象とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この特許出願は、米国仮特許出願第61/162,705号(2009年3月24日に出願)および米国仮特許出願第61/316,713号(2010年3月23日に出願)に対する優先権を主張するものである。これらの出願の本文の全文は、参照によりこの特許出願に組み込まれる。
【0002】
本発明は、(a)C型肝炎ウイルス(HCV)を阻害するのにとりわけ有用である化合物およびこの塩を調製する方法、(b)該化合物および塩の調製に有用な中間体、(c)該化合物または塩を含む医薬組成物、ならびに(d)こうした組成物の使用方法を対象とする。
【背景技術】
【0003】
C型肝炎は、HCVと呼ばれる肝指向性ウイルスによって引き起こされる血液由来の感染性ウイルス性疾患である。少なくとも6種の異なるHCV遺伝子型(各遺伝子型内にいくつかのサブタイプがある。)が、これまでに知られている。北米においては、HCV遺伝子型1が優位であり、続いてHCV遺伝子型1b、2a、2bおよび3aである。米国においては、HCV遺伝子型1、2および3が最も一般的であり、HCV遺伝子型1を有するC型肝炎患者は約80%である。欧州においては、HCV遺伝子型1bが優位であり、続いてHCV遺伝子型2a、2b、2cおよび3aである。HCV遺伝子型4および5は、アフリカにおいて殆ど独占して見られる。以下で考察される通り、該患者のHCV遺伝子型は、治療に対する患者の潜在的応答およびこうした治療の必要な持続期間を決定する際に、臨床的に重要である。
【0004】
HCV感染は、しばしば無症候性である肝臓の炎症(肝炎)を引き起こすことがあるが、確実に、慢性肝炎は、肝臓の硬変(肝臓の線維性瘢痕)、肝臓癌および/または肝不全をもたらす。世界保健機関は、世界中で約1億7千万の人間がHCVに慢性感染しており、約3百万から約4百万の人間が地球全体で毎年新たに感染していると推定している。疾病対策予防センターによると、米国においては約4百万の人々がHCVに感染している。ヒト免疫不全ウイルス(HIV)との同時感染が一般的であり、HIV陽性集団の中ではHCV感染の割合のほうが高い。
【0005】
ウイルスが自然に取り除かれる可能性はわずかにあるが、慢性C型肝炎を持つ患者の大多数では、治療しなければそれは取り除かれないであろう。治療の適応症として、通常、証明されたHCV感染および持続的な肝機能検査異常が挙げられる。C型肝炎を治療するために主に使用される2つの治療計画、単剤療法(「従来の」または長時間作用型ペグ化インターフェロンのいずれかのインターフェロン剤を使用する。)および併用療法(インターフェロン剤およびリバビリンを使用する。)がある。インターフェロンは、血流に注入され、HCVに対する免疫応答を強めることによって作用し、リバビリンは、経口的に摂取され、HCVの複製を防止することによって作用すると考えられている。単独で摂取されると、リバビリンはHCV量を有効に抑制することはないが、インターフェロン/リバビリンの組合せはインターフェロン単独より有効である。通常、C型肝炎は、HCV遺伝子型に依存して24週または48週の期間、ペグ化インターフェロンアルファおよびリバビリンの組合せで治療される。
【0006】
治療の目標は、治療が完了した後にHCVが血中において測定されないことを意味する持続性ウイルス応答である。ペグ化インターフェロンアルファおよびリバビリンの組合せを用いる治療に続いて、約75%以上の持続性治癒率(持続性ウイルス応答)が24週間の治療におけるHCV遺伝子型2および3を持つ人々に生じ、約50%の持続性治癒率が48週の治療をしたHCV遺伝子型1を持つ人々に生じ、約65%の持続性治癒率が48週の治療におけるHCV遺伝子型4を持つ人々に生じる。
【0007】
治療は、インターフェロンおよびリバビリンの両方が多数の副作用を及ぼすため、特に薬物またはアルコール濫用の前歴を持つ人々にとって肉体的に厳しい恐れがある。一般的なインターフェロン関連副作用として、インフルエンザ様症状、極度の疲労、吐き気、食欲の減少、甲状腺の問題、高血糖、脱毛、および注入部位での皮膚反応が挙げられる。可能性のある重篤性のインターフェロン関連副作用として、精神病(例えば、自殺行動)、心臓の問題(例えば、心臓発作、低血圧)、他の内臓の損傷、血液の問題(例えば、危険なレベルまで低下する血球数)、および新たなまたは悪化する自己免疫疾患(例えば、関節リウマチ)が挙げられる。リバビリン関連副作用として、貧血、疲労、易刺激性、皮膚発疹、鼻閉、副鼻腔炎および咳が挙げられる。リバビリンは出生時欠損も引き起こす恐れがあるので、女性患者および男性患者の女性パートナーにおける妊娠は、治療中およびその後6カ月間回避しなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
一部の患者は上記で考察されている重篤な副作用のために治療を完了せず、他の患者(非応答者)は治療にもかかわらず測定可能なHCV量を有し続け、また他の患者(再発者)は治療中にウイルスが「取り除かれる」が、治療計画の完了後しばらくしてウイルスが戻る。したがって、C型肝炎の症状を軽減することで部分的軽減または完全な軽減をもたらす代替組成物および治療の方法(インターフェロン剤および/もしくはリバビリンと組み合わせて使用される、またはこれらの代わりに使用される。)が必要とされ続けている。本発明は、1種のこうした化合物(E)−N−(4−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−ピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシスチリル)フェニル)メタンスルホンアミド)(化合物I)およびこの塩を調製する方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、(E)−N−(4−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシスチリル)フェニル)メタンスルホンアミド(化合物I)またはこの塩を調製する方法を対象とし、ここで該方法は、N−(4−((3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシ−フェニル)エチニル)フェニル)メタンスルホンアミド(化合物6)を還元することを含む。
【0010】
本発明は、上記方法によって調製される化合物Iおよびこの塩も対象とする。
【0011】
本発明は、化合物6を調製する方法も対象とする。
【0012】
本発明は、化合物6も対象とする。
【0013】
本発明は、化合物6を調製するのに有用な各種中間体、ならびにこれらの中間体を調製する方法も対象とする。
【0014】
本発明は、上記方法によって調製される化合物Iまたはこの塩を含む組成物(医薬組成物を含める。)も対象とする。場合によって、該組成物は、1種または複数の追加の治療剤を含むことができる。
【0015】
本発明は、例えば、リボ核酸(RNA)ウイルス(HCVを含める。)の複製を阻害するまたはHCV RNAポリメラーゼ(C型肝炎を含める。)を阻害することによって治療可能な疾患を治療するための上記組成物の使用方法も対象とする。
【0016】
出願人らの発明のさらなる利益は、この特許出願を読むことから当業者にあきらかになる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
この詳細な記述は、特別な使用の要件に最適である場合、同業者が多数の形態において本発明を適応および適用させることができるように、出願人らの発明、この原理およびこの実際の適用を同業者に熟知させることだけを意図する。この記述およびこの具体例は、例示のみの目的を意図する。本発明は、したがって、この特許出願に記載されている実施形態に限定されるものではなく、様々に改変され得る。
A.(E)−N−(4−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシスチリル)フェニル)メタンスルホンアミド(化合物I)を調製する方法。
【0018】
上記で考察されている通り、本発明は、一つには,(E)−N−(4−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシスチリル)フェニル)メタンスルホンアミド(化合物I)またはこの塩を調製する方法を対象とする。該方法は、N−(4−((3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)エチニル)フェニル)メタンスルホンアミド(化合物6)を還元することを含む。
【0019】
【化1】

【0020】
出発化合物6の調製は、下記で考察されている。
【0021】
化合物6は、還元剤を使用して還元される。
【0022】
一部の実施形態において、還元剤は水素供給源である。
【0023】
一部の実施形態において、還元剤はシランである。適当なシランとして、例えば、トリエチルシラン、フェニルシラン、ジフェニルシラン、トリプロピルシラン、トリフェニルシラン、トリベンジルシラン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、トリブチルシラン、ジ−tert−ブチルシラン、ジエチルオキシシラン、ジメトキシシラン、フェニルジエトキシエチルシラン、ジメチルシラン、ハロシランおよびトリス(トリメチルシリル)シランが挙げられる。一部の実施形態において、シランはトリエチルシランである。他の実施形態において、シランはフェニルシランである。また他のこうした実施形態において、シランはジフェニルシランである。また他の実施形態において、シランはトリプロピルシランである。また他の実施形態において、シランはトリフェニルシランである。また他の実施形態において、シランはトリベンジルシランである。また他の実施形態において、シランは1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサンである。さらなる実施形態において、シランはトリブチルシランである。またさらなる実施形態において、シランはジ−tert−ブチルシランである。またさらなる実施形態において、シランはジエチルオキシシランである。またさらなる実施形態において、シランはジメトキシシランである。また他の実施形態において、シランはフェニルジエトキシエチルシランである。またさらなる実施形態において、シランはジメチルシランである。またさらなる実施形態において、シランはハロシランである。またさらなる実施形態において、シランはトリス(トリメチルシリル)シランである。
【0024】
一部の実施形態において、還元剤はジシランである。適当なジシランとして、例えば、ヘキサメチルジシラン、ヘキサフェニルジシラン、1,2−ジフェニルテトラメチルジシラン、1,2−ジメチル−1,1,2,2−テトラ−フェニルジシラン、1,1,2,2−テトラメチルジシラン、1,2−ジエトキシ−1,1,2,2−テトラメチルジシラン、1,2−ジメトキシ−1,1,2,2−テトラメチルジシランおよびヘキサメトキシジシランが挙げられる。一部の実施形態において、ジシランはヘキサメチルジシランである。他の実施形態において、ジシランはヘキサフェニルジシランである。また他の実施形態において、ジシランは1,2−ジフェニルテトラメチルジシランである。また他の実施形態において、ジシランは1,2−ジメチル−1,1,2,2,−テトラフェニルジシランである。さらなる実施形態において、ジシランは1,1,2,2−テトラメチルジシランである。またさらなる実施形態において、ジシランは1,2−ジエトキシ−1,1,2,2−テトラメチルジシランである。またさらなる実施形態において、ジシランは1,2−ジメトキシ−1,1,2,2−テトラメチルジシランである。またさらなる実施形態において、ジシランはヘキサメトキシジシランである。
【0025】
化合物6は、通常、触媒の存在下で還元される。一部の実施形態において、触媒は遷移金属触媒である。一部のこうした実施形態において、触媒はパラジウム触媒である。適当なパラジウム触媒として、例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ジクロロビス(トリ−o−トリルホスフィン)パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、ジクロロ(ジベンジリデン−アセトン)ジパラジウム(II)、ジクロロトリス(シクロヘキシルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリフェニル−ホスフィン)パラジウム(II)およびクロロ(η3−アリル)パラジウム(II)二量体−トリフェニルホスフィンが挙げられる。一部の実施形態において、触媒は、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)である。他の実施形態において、触媒はジクロロビス(トリ−o−トリルホスフィン)パラジウム(II)である。他の実施形態において、触媒は酢酸パラジウム(II)である。他の実施形態において、触媒は[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)である。また他の実施形態において、触媒はトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)である。また他の実施形態において、触媒はジクロロ(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(II)である。さらなる実施形態において、触媒はジクロロトリス(シクロヘキシルホスフィン)パラジウム(II)である。またさらなる実施形態において、触媒はジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)である。またさらなる実施形態において、触媒はクロロ(η3−アリル)パラジウム(II)二量体−トリフェニルホスフィンである。
【0026】
一部の実施形態において、化合物6は、溶媒の存在下で還元される。適当な溶媒として、例えば、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドおよびN−メチル−ピロリドンが挙げられる。一部の実施形態において、溶媒はテトラヒドロフランである。一部のこうした他の実施形態において、溶媒はジメチルホルムアミドである。また他のこうした実施形態において、溶媒はジメチルアセトアミドである。また他のこうした実施形態において、溶媒はN−メチルピロリドンである。
【0027】
一部の実施形態において、化合物6は、約20℃から約130℃の温度で還元される。一部のこうした実施形態において、温度は約65℃から約85℃である。
【0028】
一部の実施形態において、化合物6は、不活性雰囲気において還元される。一部のこうした実施形態において、不活性雰囲気は窒素によって提供される。一部の他のこうした実施形態において、不活性雰囲気はアルゴンによって提供される。
B.N−(4−((3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)エチニル)フェニル)メタンスルホンアミド(化合物6)を調製する方法。
【0029】
一部の実施形態において、化合物6は、1−(3−tert−ブチル−5−エチニル−4−メトキシフェニル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(化合物4)を、N−(4−ヨードフェニル)メタンスルホンアミド(化合物2a)、N−(4−ブロモフェニル)メタンスルホンアミド(化合物2b)、N−(4−クロロフェニル)メタンスルホンアミド(化合物2c)、N−(4−[(アリールスルホニル)オキシ]フェニル)メタンスルホンアミド(化合物2d)およびN−(4−[(ペルフルオロアルキルスルホニル)オキシ]フェニル)メタンスルホンアミド(化合物2e)からなる群から選択される化合物2と、以下の通りに反応させることによって調製される。
【0030】
【化2】

【0031】
出発化合物2および化合物4の調製は下記で考察されている。
【0032】
一部の実施形態において、化合物4および化合物2は、薗頭反応において反応させる。
【0033】
一部の実施形態において、化合物4および化合物2は、パラジウム触媒の存在下で反応させる。適当なパラジウム触媒として、例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ジクロロビス(トリ−o−トリルホスフィン)パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、ジクロロ(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(II)およびジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)が挙げられる。一部の実施形態において、パラジウム触媒はテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)である。他の実施形態において、パラジウム触媒はジクロロビス(トリ−o−トリルホスフィン)パラジウム(II)である。他の実施形態において、パラジウム触媒は酢酸パラジウム(II)である。また他の実施形態において、パラジウム触媒は[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)である。また他の実施形態において、パラジウム触媒はトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)である。また他の実施形態において、パラジウム触媒はジクロロ(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(II)である。さらなる実施形態において、パラジウム触媒はジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)である。
【0034】
一部の実施形態において、化合物4および化合物2は、(パラジウム触媒に加えて)銅触媒の存在下で反応させる。適当な銅触媒として、例えば、酸化銅(I)および銅(I)のハロゲン化物塩が挙げられる。銅(I)の適当なハロゲン化物塩として、例えば、ヨウ化銅(I)、臭化銅(I)、ヨウ化銅(I)ジメチルスルフィドおよび塩化銅(I)が挙げられる。一部の実施形態において、銅触媒は酸化銅(I)である。他の実施形態において、銅触媒はヨウ化銅(I)である。他の実施形態において、銅触媒は臭化銅(I)である。また他の実施形態において、銅触媒はヨウ化銅(I)ジメチルスルフィドである。また他の実施形態において、銅触媒は塩化銅(I)である。
【0035】
一部の実施形態において、化合物4および化合物2は、塩基の存在下で反応させる。適当な塩基として、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、炭酸ナトリウム、炭酸セシウムおよび炭酸カリウムが挙げられる。一部の実施形態において、塩基はトリエチルアミンである。他の実施形態において、塩基はジイソプロピルエチルアミンである。また他の実施形態において、塩基は炭酸ナトリウムである。また他の実施形態において、塩基は炭酸セシウムである。また他の実施形態において、塩基は炭酸カリウムである。
【0036】
一部の実施形態において、化合物4および化合物2は、溶媒の存在下で反応させる。適当な溶媒として、例えば、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメトキシエタン、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンおよびトルエンが挙げられる。一部の実施形態において、溶媒はテトラヒドロフランである。他の実施形態において、溶媒はジメチルホルムアミドである。他の実施形態において、溶媒はジメトキシエタンである。他の実施形態において、溶媒はジメチルアセトアミドである。また他の実施形態において、溶媒はN−メチルピロリドンである。また他の実施形態において、溶媒はトルエンである。
【0037】
一部の実施形態において、化合物4および化合物2は、不活性雰囲気において反応させる。一部のこうした実施形態において、不活性雰囲気は窒素によって提供される。他のこうした実施形態において、不活性雰囲気はアルゴンによって提供される。
【0038】
一部の実施形態において、化合物4および化合物2は、約20℃から約130℃の温度で反応させる。一部のこうした実施形態において、温度は約20℃から約30℃である。
【0039】
一部の実施形態において、化合物2は化合物2aである。他の実施形態において、化合物2は化合物2bである。また他の実施形態において、化合物2は化合物2cである。また他の実施形態において、化合物2は化合物2dである。一部のこうした実施形態において、アリールは化合物2dにおいてフェニルである。一部の他のこうした実施形態において、アリールは化合物2dにおいてナフチルである。また他の実施形態において、化合物2は化合物2eである。一部のこうした実施形態において、ペルフルオロアルキルは化合物2eにおいてペルフルオロ−C−C−アルキルである。
【0040】
一部の実施形態において、化合物4および化合物2は、以下の通りに反応させる。
【0041】
【化3】

C.N−(4−((3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)エチニル)フェニル)メタンスルホンアミド(化合物6)。
【0042】
本発明は、一つには、N−(4−((3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)エチニル)フェニル)メタンスルホンアミド(化合物6)またはこの塩を対象とする。
【0043】
【化4】

D.化合物2の調製。
【0044】
上記で考察されている通り、化合物2は、N−(4−ヨードフェニル)メタンスルホンアミド(化合物2a)、N−(4−ブロモフェニル)メタンスルホンアミド(化合物2b)、N−(4−クロロフェニル)メタンスルホンアミド(化合物2c)、N−(4−[(アリールスルホニル)オキシ]フェニル)メタン−スルホンアミド(化合物2d)およびN−(4−[(ペルフルオロアルキルスルホニル)オキシ]フェニル)メタンスルホンアミド(化合物2e)からなる群から選択される。出願人らの理解によると化合物2は市販されている。これは、過度の実験をすることなく当業者によって調製することもできる。
【0045】
一部の実施形態において、化合物2は、メタンスルホニルクロリド(MsCl)を、4−ヨードアニリン(化合物1a)、4−ブロモアニリン(化合物1b)、4−クロロアニリン(化合物1c)および4−ヒドロキシアニリン(化合物1d)からなる群から選択される化合物1と反応させることによって調製される。化合物1dの場合、化合物2d(R=アリールスルホニルオキシ)および化合物2e(R=ペルフルオロアルキルスルホニルオキシ)の後続形成は、例えば、それぞれアリール−SOClまたはペルフルオロアルキル−SOClを用いる化合物1dのスルホニル化によって達成することができる。
【0046】
【化5】

【0047】
出願人らの理解によると化合物1は市販されている。これは、過度の実験をすることなく当業者によって調製することもできる。
E.1−(3−tert−ブチル−5−エチニル−4−メトキシフェニル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(化合物4)の調製。
【0048】
一部の実施形態において、化合物4は、エチニルトリメチルシラン
【0049】
【化6】

(化合物7)を、1−(3−tert−ブチル−5−ヨード−4−メトキシフェニル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(化合物3a)、1−(3−ブロモ−5−tert−ブチル−4−メトキシフェニル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(化合物3b)および1−(3−tert−ブチル−5−クロロ−4−メトキシフェニル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(化合物3c)からなる群から選択される化合物3と反応させることで、1−(3−tert−ブチル−4−メトキシ−5−((トリメチルシリル)エチニル)フェニル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(化合物8)を形成すること、
【0050】
【化7】

次いで、形成された1−(3−tert−ブチル−4−メトキシ−5−((トリメチルシリル)エチニル)フェニル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(化合物8)からトリメチルシリル(TMS)基を除去することによって調製される。
【0051】
【化8】

【0052】
化合物3の調製は下記で考察されている。化合物7は、市販供給源から購入することができる、または当業者によって調製することができる。
【0053】
一部の実施形態において、化合物3および化合物7は、パラジウム触媒の存在下で反応させる。適当なパラジウム触媒として、例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ジクロロビス(トリ−o−トリルホスフィン)パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、ジクロロ(ジベンジリデン−アセトン)ジパラジウム(II)およびジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)が挙げられる。一部の実施形態において、パラジウム触媒はテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)である。他の実施形態において、パラジウム触媒はジクロロビス(トリ−o−トリルホスフィン)パラジウム(II)である。他の実施形態において、パラジウム触媒は酢酸パラジウム(II)である。また他の実施形態において、パラジウム触媒は[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)である。また他の実施形態において、パラジウム触媒はトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)である。また他の実施形態において、パラジウム触媒はジクロロ(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(II)である。さらなる実施形態において、パラジウム触媒はジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)である。
【0054】
一部の実施形態において、化合物3および化合物7は、(パラジウム触媒に加えて)銅触媒の存在下で反応させる。適当な銅触媒として、例えば、酸化銅(I)および銅(I)のハロゲン化物塩が挙げられる。銅(I)の適当なハロゲン化物塩として、例えば、ヨウ化銅(I)、臭化銅(I)、ヨウ化銅(I)ジメチルスルフィドおよび塩化銅(I)が挙げられる。一部の実施形態において、銅触媒は酸化銅(I)である。他の実施形態において、銅触媒はヨウ化銅(I)である。他の実施形態において、銅触媒は臭化銅(I)である。また他の実施形態において、銅触媒はヨウ化銅(I)ジメチルスルフィドである。また他の実施形態において、銅触媒は塩化銅(I)である。
【0055】
一部の実施形態において、化合物3および化合物7は、塩基の存在下で反応させる。適当な塩基として、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、炭酸ナトリウム、炭酸セシウムおよび炭酸カリウムが挙げられる。一部の実施形態において、塩基はトリエチルアミンである。他のこうした実施形態において、塩基はジイソプロピルエチルアミンである。他の実施形態において、塩基は炭酸ナトリウムである。また他の実施形態において、塩基は炭酸セシウムである。さらなる実施形態において、塩基は炭酸カリウムである。
【0056】
一部の実施形態において、化合物3および化合物7は、溶媒の存在下で反応させる。適当な溶媒として、例えば、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメトキシエタン、N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミドおよびトルエンが挙げられる。一部の実施形態において、溶媒はテトラヒドロフランである。他の実施形態において、溶媒はジメチルホルムアミドである。また他の実施形態において、溶媒はジメトキシエタンである。また他の実施形態において、溶媒はN−メチルピロリドンである。また他の実施形態において、溶媒はジメチルアセトアミドである。さらなる実施形態において、溶媒はトルエンである。
【0057】
一部の実施形態において、化合物3および化合物7は、不活性雰囲気において反応させる。一部のこうした実施形態において、不活性雰囲気は窒素によって提供される。一部の他のこうした実施形態において、不活性雰囲気はアルゴンによって提供される。
【0058】
一部の実施形態において、化合物3および化合物7は、約20℃から約130℃の温度で反応させる。一部のこうした実施形態において、温度は約20℃から約50℃である。他のこうした実施形態において、温度は約20℃から約30℃である。また他のこうした実施形態において、温度は約40℃から約50℃である。
【0059】
一部の実施形態において、化合物3は化合物3aである。一部の他の実施形態において、化合物3は化合物3bである。また他の実施形態において、化合物3は化合物3cである。
【0060】
一部の実施形態において、TMS基は、化合物8を塩基と反応させることによって除去される。適当な塩基として、例えば、三塩基性リン酸カリウム、炭酸カリウム、カリウムメトキシド、水酸化カリウム、炭酸ナトリウムおよびナトリウムメトキシドが挙げられる。一部の実施形態において、塩基は三塩基性リン酸カリウムである。他の実施形態において、塩基は炭酸カリウムである。また他の実施形態において、塩基はカリウムメトキシドである。さらなる実施形態において、塩基は水酸化カリウムである。また他のこうした実施形態において、塩基は炭酸ナトリウムである。さらなる実施形態において、塩基はナトリウムメトキシドである。
【0061】
一部の実施形態において、TMS基は、化合物8をフッ化物供給源と反応させることによって除去される。適当なフッ化物供給源として、例えば、フッ化カリウム、フッ化テトラブチルアンモニウム、フッ化ピリジニウムおよびフッ化トリエチルアンモニウムが挙げられる。一部の実施形態において、フッ化物供給源はフッ化カリウムである。他の実施形態において、フッ化物供給源はフッ化テトラブチルアンモニウムである。また他の実施形態において、フッ化物供給源はフッ化ピリジニウムである。さらなる実施形態において、フッ化物供給源はフッ化トリエチルアンモニウムである。
【0062】
一部の実施形態において、TMS基除去は、溶媒の存在下で行われる。適当な溶媒として、例えば、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメトキシエタン、N−メチル−ピロリドン、メタノール、エタノールおよびイソプロパノールが挙げられる。一部の実施形態において、溶媒はテトラヒドロフランである。他の実施形態において、溶媒はジメチルホルムアミドである。他の実施形態において、溶媒はジメトキシエタンである。また他の実施形態において、溶媒はN−メチルピロリドンである。また他の実施形態において、溶媒はメタノールである。また他の実施形態において、溶媒はエタノールである。さらなる実施形態において、溶媒はイソプロパノールである。
F.1−(3−tert−ブチル−4−メトキシ−5−((トリメチルシリル)エチニル)フェニル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(化合物8)。
【0063】
本発明は、一つには、1−(3−tert−ブチル−4−メトキシ−5−((トリメチルシリル)エチニル)フェニル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(化合物8)またはこの塩を対象とする。
【0064】
【化9】

G.1−(3−tert−ブチル−5−エチニル−4−メトキシフェニル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(化合物4)。
【0065】
本発明は、一つには、1−(3−tert−ブチル−5−エチニル−4−メトキシフェニル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(化合物4)またはこの塩を対象とする。
【0066】
【化10】

H.N−(4−((3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)エチニル)フェニル)メタンスルホンアミド(化合物6)を調製するための代替方法。
【0067】
一部の実施形態において、化合物6は、N−(4−エチニルフェニル)メタンスルホンアミド(化合物5)を、1−(3−tert−ブチル−5−ヨード−4−メトキシフェニル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(化合物3a)、1−(3−ブロモ−5−tert−ブチル−4−メトキシフェニル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(化合物3b)および1−(3−tert−ブチル−5−クロロ−4−メトキシフェニル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(化合物3c)からなる群から選択される化合物3と反応させることで、N−(4−((3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)エチニル)フェニル)メタンスルホンアミド(化合物6)を形成することによって調製される。
【0068】
【化11】

【0069】
化合物3および化合物5の調製は下記で考察されている。
【0070】
一部の実施形態において、化合物3および化合物5は、パラジウム触媒の存在下で反応させる。適当なパラジウム触媒として、例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ジクロロビス(トリ−o−トリルホスフィン)パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、ジクロロ(ジベンジリデン−アセトン)ジパラジウム(II)およびジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)が挙げられる。一部の実施形態において、パラジウム触媒はテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)である。他の実施形態において、パラジウム触媒はジクロロビス(トリ−o−トリルホスフィン)パラジウム(II)である。他の実施形態において、パラジウム触媒は酢酸パラジウム(II)である。また他のこうした実施形態において、パラジウム触媒は[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)である。また他の実施形態において、パラジウム触媒はトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)である。また他の実施形態において、パラジウム触媒はジクロロ(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(II)である。さらなる実施形態において、パラジウム触媒はジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)である。
【0071】
一部の実施形態において、化合物3および化合物5は、(パラジウム触媒に加えて)銅触媒の存在下で反応させる。適当な銅触媒として、例えば、酸化銅(I)および銅(I)のハロゲン化物塩が挙げられる。適当な銅(I)のハロゲン化物塩として、例えば、ヨウ化銅(I)、臭化銅(I)、ヨウ化銅(I)ジメチルスルフィドおよび塩化銅(I)が挙げられる。一部の実施形態において、銅触媒は酸化銅(I)である。他の実施形態において、銅触媒はヨウ化銅(I)である。他の実施形態において、銅触媒は臭化銅(I)である。また他の実施形態において、銅触媒はヨウ化銅(I)ジメチルスルフィドである。また他の実施形態において、銅触媒は塩化銅(I)である。
【0072】
一部の実施形態において、化合物3および化合物5は、塩基の存在下で反応させる。適当な塩基として、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、炭酸ナトリウム、炭酸セシウムおよび炭酸カリウムが挙げられる。一部の実施形態において、塩基はトリエチルアミンである。他の実施形態において、塩基はジイソプロピルエチルアミンである。また他の実施形態において、塩基は炭酸ナトリウムである。また他の実施形態において、塩基は炭酸セシウムである。さらなる実施形態において、塩基は炭酸カリウムである。
【0073】
一部の実施形態において、化合物3および化合物5は、溶媒の存在下で反応させる。適当な溶媒として、例えば、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメトキシエタン、N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミドおよびトルエンが挙げられる。一部の実施形態において、溶媒はテトラヒドロフランである。他の実施形態において、溶媒はジメチルホルムアミドである。また他の実施形態において、溶媒はジメトキシエタンである。また他の実施形態において、溶媒はN−メチルピロリドンである。また他の実施形態において、溶媒はジメチルアセトアミドである。さらなる実施形態において、溶媒はトルエンである。
【0074】
一部の実施形態において、化合物3および化合物5は、不活性雰囲気において反応させる。一部のこうした実施形態において、不活性雰囲気は窒素によって提供される。一部の他のこうした実施形態において、不活性雰囲気はアルゴンによって提供される。
【0075】
一部の実施形態において、化合物3は化合物3aである。一部の他の実施形態において、化合物3は化合物3bである。また他の実施形態において、化合物3は化合物3cである。
I.化合物3の調製。
【0076】
化合物3の調製は、下記実施例1ならびに国際特許出願第PCT/US08/76576号に記載されている。
J.N−(4−エチニルフェニル)メタンスルホンアミド(化合物5)の調製。
【0077】
一部の実施形態において、N−(4−エチニルフェニル)メタンスルホンアミド(化合物5)は、エチニルトリメチルシラン
【0078】
【化12】

(化合物7)を化合物2と反応させることで、N−(4−((トリメチルシリル)エチニル)フェニル)メタンスルホンアミド(化合物9)を形成すること、
【0079】
【化13】

次いで、形成されたN−(4−((トリメチルシリル)エチニル)フェニル)メタンスルホンアミド(化合物9)からトリメチルシリル(TMS)基を除去することによって調製される。
【0080】
【化14】

【0081】
化合物2の調製は上記で考察されている。化合物7は市販されている、または別法として、当業者によって調製することができる。
【0082】
一部の実施形態において、化合物2および化合物7は、パラジウム触媒の存在下で反応させる。適当なパラジウム触媒として、例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ジクロロビス(トリ−o−トリルホスフィン)パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、ジクロロ(ジベンジリデン−アセトン)ジパラジウム(II)およびジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)が挙げられる。一部の実施形態において、パラジウム触媒はテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)である。他の実施形態において、パラジウム触媒はジクロロビス(トリ−o−トリルホスフィン)パラジウム(II)である。また他の実施形態において、パラジウム触媒は酢酸パラジウム(II)である。また他の実施形態において、パラジウム触媒は[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)である。また他の実施形態において、パラジウム触媒はトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)である。また他の実施形態において、パラジウム触媒はジクロロ(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(II)である。また他の実施形態において、パラジウム触媒はジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)である。
【0083】
一部の実施形態において、化合物2および化合物7は、(パラジウム触媒に加えて)銅触媒の存在下で反応させる。適当な銅触媒として、例えば、酸化銅(I)および銅(I)のハロゲン化物塩が挙げられる。適当な銅(I)のハロゲン化物塩として、例えば、ヨウ化銅(I)、臭化銅(I)、ヨウ化銅(I)ジメチルスルフィドおよび塩化銅(I)が挙げられる。一部の実施形態において、銅触媒は酸化銅(I)である。他の実施形態において、銅触媒はヨウ化銅(I)である。他の実施形態において、銅触媒は臭化銅(I)である。また他の実施形態において、銅触媒はヨウ化銅(I)ジメチルスルフィドである。また他の実施形態において、銅触媒は塩化銅(I)である。
【0084】
一部の実施形態において、化合物2および化合物7は、塩基の存在下で反応させる。適当な塩基として、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、炭酸ナトリウム、炭酸セシウムおよび炭酸カリウムが挙げられる。一部の実施形態において、塩基はトリエチルアミンである。他の実施形態において、塩基はジイソプロピルエチルアミンである。また他の実施形態において、塩基は炭酸ナトリウムである。また他の実施形態において、塩基は炭酸セシウムである。また他の実施形態において、塩基は炭酸カリウムである。
【0085】
一部の実施形態において、化合物2および化合物7は、溶媒の存在下で反応させる。適当な溶媒として、例えば、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメトキシエタン、N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミドおよびトルエンが挙げられる。一部の実施形態において、溶媒はテトラヒドロフランである。他の実施形態において、溶媒はジメチルホルムアミドである。また他の実施形態において、溶媒はジメトキシエタンである。また他の実施形態において、溶媒はN−メチルピロリドンである。また他の実施形態において、溶媒はジメチルアセトアミドである。さらなる実施形態において、溶媒はトルエンである。
【0086】
一部の実施形態において、化合物2および化合物7は、不活性雰囲気において反応させる。一部のこうした実施形態において、不活性雰囲気は窒素によって提供される。一部の他のこうした実施形態において、不活性雰囲気はアルゴンによって提供される。
【0087】
一部の実施形態において、化合物2および化合物7は、約20℃から約130℃の温度で反応させる。一部のこうした実施形態において、温度は約20℃から約50℃である。一部の他のこうした実施形態において、温度は約20℃から約30℃である。また他のこうした実施形態において、温度は約40℃から約50℃である。
【0088】
一部の実施形態において、化合物2は化合物2aである。一部の他の実施形態において、化合物2は化合物2bである。また他の実施形態において、化合物2は化合物2cである。また他の実施形態において、化合物2は化合物2dである。一部のこうした実施形態において、アリールは、化合物2dにおいてフェニルである。一部の他のこうした実施形態において、アリールは、化合物2dにおいてナフチルである。また他の実施形態において、化合物2は化合物2eである。一部のこうした実施形態において、ペルフルオロアルキルは、化合物2eにおいてペルフルオロ−C−C−アルキルである。
【0089】
一部の実施形態において、TMS基は、化合物9を塩基と反応させることによって除去される。適当な塩基として、例えば、三塩基性リン酸カリウム、炭酸カリウム、カリウムメトキシド、水酸化カリウム、炭酸ナトリウムおよびナトリウムメトキシドが挙げられる。一部の実施形態において、塩基は三塩基性リン酸カリウムである。他の実施形態において、塩基は炭酸カリウムである。また他の実施形態において、塩基はカリウムメトキシドである。さらなる実施形態において、塩基は水酸化カリウムである。また他のこうした実施形態において、塩基は炭酸ナトリウムである。さらなる実施形態において、塩基はナトリウムメトキシドである。
【0090】
一部の実施形態において、TMS基は、化合物9をフッ化物供給源と反応させることによって除去される。適当なフッ化物供給源として、例えば、フッ化カリウム、フッ化テトラブチルアンモニウム、フッ化ピリジニウムおよびフッ化トリエチルアンモニウムが挙げられる。一部の実施形態において、フッ化物供給源はフッ化カリウムである。他の実施形態において、フッ化物供給源はフッ化テトラブチルアンモニウムである。また他の実施形態において、フッ化物供給源はフッ化ピリジニウムである。さらなる実施形態において、フッ化物供給源はフッ化トリエチルアンモニウムである。
【0091】
一部の実施形態において、TMS基の除去は、溶媒の存在下で行われる。適当な溶媒として、例えば、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメトキシエタン、N−メチル−ピロリドン、メタノール、エタノールおよびイソプロパノールが挙げられる。一部の実施形態において、溶媒はテトラヒドロフランである。他の実施形態において、溶媒はジメチルホルムアミドである。他の実施形態において、溶媒はジメトキシエタンである。また他の実施形態において、溶媒はN−メチルピロリドンである。また他の実施形態において、溶媒はメタノールである。また他の実施形態において、溶媒はエタノールである。さらなる実施形態において、溶媒はイソプロパノールである。
K.N−(4−エチニルフェニル)メタンスルホンアミド(化合物5)。
【0092】
本発明は、一つには、N−(4−エチニルフェニル)メタンスルホンアミド(化合物5)またはこの塩も対象とする。
【0093】
【化15】

L.組成物。
【0094】
上記方法によって調製される(E)−N−(4−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシスチリル)フェニル)メタンスルホンアミド(化合物I)およびこの塩は、組成物を調製するために使用することができる。これらの組成物は、通常、1種または複数の従来の医薬として許容できる担体、アジュバントおよび/またはビヒクル(一緒にして「賦形剤」と称される。)も含む。
【0095】
経口投与用の組成物、特に固体剤形が好ましい。こうした固体剤形として、例えば、カプセル、錠剤、丸薬、粉末および顆粒が挙げられる。こうした固体剤形において、該化合物または塩は、一般に、1種または複数の賦形剤と組み合わせる。経口で投与される場合、該化合物または塩は、例えば、ラクトース、スクロース、デンプン粉末、アルカン酸のセルロースエステル、セルロースアルキルエステル、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、リン酸および硫酸のナトリウム塩およびカルシウム塩、ゼラチン、アカシアガム、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドンならびに/またはポリビニルアルコールと混合し、次いで、都合のよい投与のために錠剤またはカプセル化することができる。こうしたカプセルまたは錠剤は、例えば、該化合物または塩のヒドロキシプロピルメチルセルロース中分散液に供給されるように、制御放出製剤を含むことができる。カプセル、錠剤および丸薬の場合、該剤形は、クエン酸ナトリウム、または炭酸マグネシウムもしくは炭酸カルシウム、または重炭酸塩などの緩衝剤を含むこともできる。錠剤および丸薬は、追加として、腸溶コーティング剤を用いて調製することができる。
【0096】
化合物または塩(単一用量または分割用量で投与される。)の好ましい総1日用量は、通常約0.001mg/kgから約100mg/kg、より好ましくは約0.001mg/kgから約30mg/kg、いっそう好ましくは約0.01mg/kgから約10mg/kg(即ち、体重1kg当たりのmgの該化合物または塩)である。投与単位組成物は、こうした量またはこれらの約数量を含有して日用量を構成することができる。多くの例において、該化合物または塩の投与は複数回反復される。1日当たりの複数回投与は、通常、所望であれば総1日用量を増加するために使用することができる。
【0097】
好ましい投与計画に影響を及ぼす因子として、患者の型、年齢、重量、性別、食事療法および状態;病態の重症度;使用される特定の化合物または塩の活性、効力、薬物動態学的および毒性学的プロファイルなどの薬理学的考察;薬物送達システムが利用されるかどうか;ならびに特異的合剤が挙げられる。したがって、実際に用いられる該投与計画は非常に広範に変動してよく、したがって、上記に説明されている好ましい投与計画から得ることができる。
M.使用方法。
【0098】
本発明は、一つには、RNAウイルスの複製を阻害する方法も対象とする。該方法は、ウイルスを本発明の組成物に曝露することを含む。一部の実施形態において、RNAウイルスの複製はインビトロで阻害される。通常、RNAウイルスの複製はインビボで阻害される。一部の実施形態において、複製が阻害されているRNAウイルスは、一本鎖のプラスセンスRNAウイルスである。一部のこうした実施形態において、複製が阻害されているRNAウイルスは、フラビウイルス科ファミリー由来のウイルスである。一部のこうした実施形態において、複製が阻害されているRNAウイルスは、HCVである。
【0099】
本発明は、一つには、HCV RNAポリメラーゼを阻害する方法も対象とする。該方法は、本発明の化合物、塩および/または組成物を用いて該ポリメラーゼを曝露することを含む。一部の実施形態において、HCV RNAポリメラーゼの活性はインビトロで阻害される。通常、HCV RNAポリメラーゼの活性はインビボで阻害される。
【0100】
「阻害する」という用語は、インビトロまたはインビボのいずれかでRNAウイルス複製/HCVポリメラーゼ活性の量を低減することを意味する。例えば、本発明の組成物が、ウイルスが該組成物に曝露される前のRNAウイルス複製量と比較して、RNAウイルス複製量を少なくとも約10%低減するのであれば、該組成物はRNAウイルス複製を阻害している。一部の実施形態において、該組成物は、RNAウイルス複製を、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%または少なくとも約95%阻害することができる。
【0101】
本発明は、一つには、HCV RNAポリメラーゼを阻害することによって治療することができる疾患を治療する方法も対象とする。したがって、本発明は、一つには、こうした治療を必要としている動物におけるC型肝炎を治療する方法も対象とする。これらの方法は、本発明の化合物、塩および/または組成物を動物に投与することを含む。一部の実施形態において、該化合物(またはこの塩)の治療有効量が該動物に投与される。「治療する」は、治療されている疾患を寛解すること、抑制すること、根絶すること、予防すること、そのリスクを低減すること、および/またはその発症を遅延させることを意味する。出願人らは、「治療する」という用語が、臓器移植の候補であるHCV陰性患者に対する本発明の組成物の投与を包含することを特に意図する。該治療方法はヒトでの使用に特に適当であるが、他の動物、特に哺乳動物で使用してもよい。「治療有効量」または「有効量」は、標的とされる状態を治療するという目標を達成する量である。
【0102】
一部の実施形態において、該方法は、本発明の化合物、塩および/または組成物が、例えば、C型肝炎を治療するために使用される別の治療剤(例えば、インターフェロンもしくはインターフェロン/リバビリンの組合せ、または例えば、HCVポリメラーゼ阻害剤もしくはHCVプロテアーゼ阻害剤などのHCV阻害剤)など1種または複数の追加の治療剤と同時投与される併用療法を含む。本発明の化合物、塩および/または組成物は、C型肝炎を治療するために使用される治療剤以外の治療剤(例えば、抗HIV薬)と同時投与することもできる。これらの同時投与実施形態において、本発明の化合物、塩および/または組成物ならびに追加の治療剤(単数または複数)は、実質的に同時方式(例えば、または互いに約5分以内)、連続方式、または両方で投与することができる。こうした併用療法は、1種の治療剤を他方の投与間に複数回投与することを含めることができることが企図される。各薬剤の投与間の時間周期は、数秒(以下)から数時間または数日の範囲であってよく、例えば、それぞれの組成物および活性成分の特性(例えば、効力、溶解性、生物学的利用能、半減期、および動力学的プロファイル)、ならびに患者の状態に依存する。
【0103】
本発明は、一つには、薬物を調製するための、本発明の化合物、塩および/または組成物、ならびに場合によって1種または複数の追加の治療剤の使用も対象とする。
【0104】
一部の実施形態において、該薬物は、1種または複数の追加の治療剤との同時投与用である。
【0105】
一部の実施形態において、該薬物は、RNAウイルスの複製の阻害用である。
【0106】
一部の実施形態において、該薬物は、C型肝炎の治療用である。
【0107】
本発明はまた、一つには、薬物としての使用のための、本発明の1種または複数の組成物ならびに場合によって1種または複数の追加の治療剤を対象とする。一部の実施形態において、該薬物は、RNAウイルスの複製の阻害用である。他の実施形態において、該薬物は、C型肝炎の治療用である。
【0108】
(実施例)
以下の実施例は単に例示的なものであり、決してこの開示内容に限定されるものではない。
【実施例1】
【0109】
1−(3−tert−ブチル−5−ヨード−4−メトキシフェニル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオンの調製。
パートA.2−tert−ブチル−4,6−ジヨードフェノールの調製。
【0110】
2−tert−ブチルフェノール(99.95g、665.36mmol)を1250mLのメタノール中に溶解し、水酸化ナトリウム31.96g(799.0mmol、1.2当量)を用いて、水酸化ナトリウムのペレットを室温で撹拌し、次いで反応混合物を氷/塩浴中で冷却することよって対応するフェノキシドに変換した。ヨウ化ナトリウム(299.34g、1997.07mmol、3.0当量)および8.3%漂白剤(1265.83g、1411.39mmol、2.1当量)を、冷反応溶液に同分量で4回に分けて添加したが、該漂白剤は、反応混合物を<0℃に保持しながら添加した。20%(w/w)チオ硫酸ナトリウム溶液500mLを18分間かけて添加し、温度が−0.6℃から2.5℃に上昇した。97分間かけて濃HCl 197.5mLを添加することによって、反応混合物のpHをおよそ3に調節し、反応温度が1.2℃から4.1℃になった。生じたスラリーを濾過し、ウェットケーキを約2Lの水で洗浄した。ウェットケーキをブフナー漏斗上にて真空下で終夜(およそ15時間)放置することにより、標題生成物289.33g(効力調節収量=254.61g)を生成した。
パートB.1−tert−ブチル−3,5−ジヨード−2−メトキシベンゼンの調製。
【0111】
パートAからの生成物(93%アッセイ、21.6g、50mmol)をアセトン140mL中に溶解した。ヨウ化メチル(4.2mL、67.5mmol、1.35当量)、続いて50%水性水酸化ナトリウム(5.0g、62.5mmol、1.25当量)を添加した。反応物を終夜撹拌し、次いで、およそ50−60mLに濃縮した。ヘプタン80mL、続いて水50mLを添加し、該層を振盪および分離し、水層をヘプタン20mLで逆抽出した。有機層を合わせ、各50mLの10%水性NaClで2回洗浄することにより、ヘプタン溶液91.1グラムが得られ、これは標題化合物19.1gと定量された。
パートC.1−(3−tert−ブチル−5−ヨード−4−メトキシフェニル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオンの調製。
【0112】
ウラシル(33.3g、297mmol、1.2当量)、KPO(106g、500mmol、2.1当量)、CuI(4.6g、24.2mmol、0.1当量)およびN−(2−シアノフェニル)ピコリンアミド(6.4g、28.7mmol、0.12当量)をフラスコに投入し、アルゴンで不活性化した。1−tert−ブチル−3,5−ジヨード−2−メトキシベンゼンは、溶媒をMeCNに変え、1LのDMSO中に溶解し、アルゴンでスパージし、該固体に添加した。反応物を60℃に16時間加熱した。冷却した後、反応物を2LのEtOAcで希釈し、2.6Lの水で洗浄した(3×1LのEtOAcで逆抽出した。)。合わせた有機層を、2×1Lの0.25M(CuOAc)、次いで2×830mLの15%NHCl、次いで800mLのブラインで洗浄した。有機層を次いで濃縮し、1Lのヘプタンを加え、次いで、還流する85:15(v/v)ヘプタン:iPrOAcで4時間粉砕した。冷却した後、生成物を濾過によって回収し、追加の330mLの85:15v/vヘプタン:EtOAcで洗浄することにより、乾燥後、生成物66.9g(70%収率)を白色固体として生成した。
【実施例2】
【0113】
1−(3−tert−ブチル−4−メトキシ−5−((トリメチルシリル)エチニル)フェニル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオンの調製。
【0114】
【化16】

【0115】
濃縮器付きのフラスコに、1−(3−tert−ブチル−5−ヨード−4−メトキシフェニル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(3)(30g;75mmol)、ヨウ化銅(I)(0.086g;0.450mmol)およびビス(トリフェニルホスフィン)塩化パラジウム(II)(0.158g;0.225mmol)を連続して投入し、次いで、テトラヒドロフラン(60ml)およびトリエチルアミン(55.4ml;397mmol)の、窒素で予めパージした溶液を投入した。混合物を25℃で15分間撹拌した。溶液にエチニルトリメチルシラン(8.83g;90mmol)を滴下により添加し、溶液を25℃で15分間混合した後、温度を45℃に18.5時間調節した。反応混合物を周囲温度に冷却し、酢酸エチル(230mL)で希釈した。反応混合物を1%l−システイン/5%重炭酸塩溶液で2回、続いて5%炭酸水素ナトリウム、および次いで15%塩化ナトリウム溶液で洗浄した。有機層を活性炭で処理し、減圧下で濃縮した。残留酢酸エチルにヘプタンを投入し、減圧下で適切な容量に濃縮した。ヘプタンスラリーを還流で2時間加熱し、次いで、25℃に12時間冷却した。固体を濾過し、ヘプタンで洗浄し、真空濾過によって乾燥させることにより、25グラムの標題化合物4aを得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ8.8(s,1H)、7.34−7.27(m,2H)、7.21(d,J=2.8,1H)、5.83(d,J=7.9,1H)、4.13(s,3H)、1.41(s,9H)、0.29(s,9H)。MS(APCI)m/z 371.2(M+H)+。
【実施例3】
【0116】
1−(3−tert−ブチル−5−エチニル−4−メトキシフェニル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオンの調製。
【0117】
【化17】

【0118】
容器に、実施例4a(11g;29.7mmol)およびメタノール(60ml)を投入した。混合物に、19%リン酸三カリウム水溶液(30ml)を添加し、次いで、温度を45℃に調節し、3時間混合した。反応温度を35℃に冷却し、13%酢酸溶液(69ml)を混合物に滴下により添加した。スラリーを55℃で90間分混合し、25℃に冷却し、12時間撹拌した。固体を濾過し、洗浄し、乾燥させることにより、8.78グラムの標題化合物4を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ8.77(bs,1H)、7.30(d,J=2.7,1H),7.27(d,J=7.9)、7.21(d,J=2.7,1H)、5.80(d,J=7.9,1H)、4.09(s,3H)、3.41(s,1H)、1.38(s,9H)。MS(APCI)m/z 299.2(M+H)+。
【実施例4】
【0119】
N−(4−((3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)エチニル)フェニル)メタンスルホンアミドの調製。
【0120】
【化18】

【0121】
フラスコに、1−(3−tert−ブチル−5−エチニル−4−メトキシフェニル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(4)(6.0g;20.11mmol)およびN−(4−ヨードフェニル)メタンスルホンアミド(2)(6.0g;20.11mmol)を添加した。これに、ビス(トリフェニルホスフィン)塩化パラジウム(II)(0.141g;0.201mmol)および塩化銅(I)(0.077g;0.402mmol)を添加した。これに、窒素で予めパージしたテトラヒドロフラン(60ml)およびトリエチルアミン(17.8ml;121mmol)の溶液を投入した。反応物を終夜25℃で撹拌した。
【0122】
固体の単離:反応混合物は、溶媒をメタノールに交換し、生じたスラリーを濾過した。固体をメタノールで洗浄し、次いで、固体1グラム当たりおよそ7.5mLのメタノール中に再スラリー化した。これを加熱還流し、周囲温度に冷却し、濾過し、メタノールで洗浄することにより、標題化合物6を得た。1H NMR(400MHz,DMSO)δ11.40(bs,1H)、10.08(bs,1H)、7.71(d,J=7.8,1H)、7.57−7.51(m,2H)、7.45(d,J=2.6,1H)、7.31−7.21(m,3H)、5.63(d,J=7.8,1H)、4.08(s,3H)、3.05(s,3H)、1.35(s,9H)。MS(APCI)m/z 468.2(M+H)+
【実施例5】
【0123】
(E)−N−(4−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシスチリル)フェニル)メタンスルホンアミドの調製。
【0124】
【化19】

【0125】
フラスコに、N−(4−((3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)エチニル)フェニル)メタンスルホンアミド(6)(20g;42.60mmol);塩化アリルパラジウム(II)(0.39g;1.06mmol);トリフェニルホスフィン(1.12g;4.26mmol)、および窒素で予めパージしたジメチルアセトアミド(80ml)/水(2.3ml)の溶液を連続して添加した。溶液を70℃で30分間加熱した。反応混合物に、次いで3時間かけてトリエチルシラン(7.42g;63.90mmol)を添加した。混合物を12時間70℃で撹拌した。反応物を23℃に冷却し、次いで、テトラヒドロフラン(180ml)で希釈し、1%システイン/2.5%NaHCO/7%NaCl、および2.5%NaHCO/7%NaClの溶液で連続洗浄した。有機層を活性炭で処理し、濾液を濃縮し、溶媒をメタノールに変えた。スラリーを62℃で60分間混合し、25℃に冷却し、2時間混合し、濾過し、メタノールで洗浄することにより、標題化合物を得た。H NMR(400MHz,DMSO−D6)δppm 1.35(s,9H)2.99(s,3H)3.76(s,3H)5.62(d,J=7.82Hz,1H)7.12−7.29(m,5H)7.51−7.65(m,3H)7.72(d,J=7.82Hz,1H)9.83(s,1H)11.39(s,1H)MS(APCI)m/z 470.1(M+H)+。
【実施例6】
【0126】
(E)−N−(4−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシスチリル)フェニル)メタンスルホンアミドの調製。
【0127】
【化20】

【0128】
フラスコに、塩化アリルパラジウム(II)(0.98g;2.67mmol)およびトリフェニルホスフィン(2.8g;10.69mmol)を添加した。真空および窒素でパージした。スパージしたジメチルアセトアミド(50ml)(窒素で気泡にした。)を添加し、溶液を室温で2時間混合した。N−(4−((3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)エチニル)フェニル)メタンスルホンアミド(6)(50g;107mmol)を、別のフラスコ中の窒素スパージしたジメチルアセトアミド100mL中に溶解した。これを、溶解後に窒素で不活性にした。触媒溶液を、基質(6)を含有する第二フラスコに移した。水(5ml)および1,1,1,2,2,2−ヘキサメチルジシラン(16.1mL;160mmol)を次いで反応混合物に添加した。混合物を81℃に合計18時間加熱した。反応混合物を冷却して周囲温度にし、500mlのTHF、ならびに7%NaCl、2.5%NaHCOおよびシステイン1%の溶液500mlでクエンチした。クエンチした混合物を1時間撹拌し、濾過することにより、粒子を除去した。濾液を分離した。水層を250mLのTHFで逆抽出し、合わせた有機層を、7%NaCl、2.5%NaHCOおよびシステイン1%の溶液250mlで再び洗浄した。有機物を活性炭で処理し、濾液を濃縮し、溶媒をメタノール500mlに変えた。スラリーを50℃で60分間混合し、周囲温度に終夜冷却した。スラリーを濾過し、固体をメタノールで洗浄し、乾燥させることにより、標題化合物43.86グラムを得た。H NMR(400MHz,DMSO−D6)δppm 1.35(s,9H)2.99(s,3H)3.76(s,3H)5.62(d,J=7.82Hz,1H)7.12−7.29(m,5H)7.51−7.65(m,3H)7.72(d,J=7.82Hz,1H)9.83(s,1H)11.39(s,1H)MS(APCI)m/z 470.1(M+H)+。
【実施例7】
【0129】
(E)−N−(4−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシスチリル)フェニル)メタンスルホンアミドの調製。
【0130】
【化21】

【0131】
容器に、N−(4−((3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)エチニル)フェニル)メタンスルホンアミド(6)(5.00g;10.69mmol)およびビス(トリフェニルホスフィン)塩化パラジウム(II)(0.375g;5.35mmol)を投入し、容器を窒素でパージした。窒素パージしたジメチルアセトアミド(20ml)および水(0.578g、32.1mmol)を該容器に投入し、混合物を70℃に加熱した。トリエチルシラン(2.49g、21.4mmol)を2時間かけて70℃の温度で投入した。混合物を70℃でおよそ5時間加熱し、周囲温度に冷却した。混合物をテトラヒドロフラン(40g)で希釈し、1%システイン/2.5%NaHCO/7%NaClの溶液で抽出した。形成した固体を濾過によって除去し、テトラヒドロフラン(18g)で洗浄した。水層をテトラヒドロフラン(18g)で抽出した。合わせたテトラヒドロフラン抽出物を、1%システイン/2.5%NaHCO/7%NaClの溶液、および2.5%NaHCO/7%NaClの溶液で連続して洗浄した。メタノール(28g)を投入し、溶液を28gに濃縮した。メタノール(28g)を投入し、生成物を結晶させた。メタノール(28g)を投入し、スラリーを45gに濃縮した。メタノール(60g)を投入し、混合物を75gに濃縮した。スラリーを60℃で30分間加熱し、次いで、周囲温度に冷却した。固体を濾過によって単離し、メタノール(2×8gm)で洗浄し、50℃で真空乾燥させることにより、標題化合物4.42gが得られた。H NMR(400MHz,DMSO−D6)δppm 1.35(s,9H)2.99(s,3H)3.76(s,3H)5.62(d,J=7.82Hz,1H)7.12−7.29(m,5H)7.51−7.65(m,3H)7.72(d,J=7.82Hz,1H)9.83(s,1H)11.39(s,1H)。MS(APCI)m/e 470.1(M+H)+。
【実施例8】
【0132】
遺伝毒性試験。
【0133】
上記で考察されている通り、化合物I(この塩を含める。)は、ヒトにおけるHCVを治療するための薬物として有用である。したがって、ヒトへの投与に安全であるように調製されることが重要である。当業者が理解している通り、1つの薬物安全面は、所定の薬物の製造に伴うために薬物製品にも存在し得る遺伝毒性不純物の量の極小化である。一組の確立した試験を使用することにより、化合物の遺伝毒性を測定する。1つのこうした試験は、コンピューターに基づくDerek分析、およびその他、化合物の変異原性潜在力を評価するバイオアッセイであるAmes試験である。下記の結果から見て分かる通り、本発明の化合物I(またはこの塩)(下記のスキーム3および4に示されている。)を調製する方法は、下記のスキーム1および2に示されている方法より遺伝毒性の少ない不純物の使用および/または形成をもたらす。
【0134】
【化22】

【0135】
【化23】

【0136】
スキーム2における5種の下線化合物は、Derek分析およびAmes試験に基づいた遺伝毒性である。
【0137】
【化24】

【0138】
スキーム2における化合物1aおよび2aは、Amesの試験において陰性の結果であった。化合物3a、4および6は、Derek分析において安全の結果であり、したがって、Ames試験は行わなかった。
【0139】
【化25】

【0140】
上記で引用されている全ての(特許および非特許)文献を参照により本特許出願に組み込む。これらの文献の考察は、これらの著者によってなされた主張を要約することを単に意図するものである。いずれの文献(または文献の一部)も関連の従来技術(または全くの従来技術)であるとは認められない。出願人らは、引用文献の正確性および適切性に挑戦する権利を保有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
N−(4−((3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)エチニル)フェニル)メタンスルホンアミド(化合物6)を還元することを含む、(E)−N−(4−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシスチリル)フェニル)メタンスルホンアミド(化合物I)またはこの塩を調製する方法。
【化1】

【請求項2】
化合物6がシランを使用して還元される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
シランが、トリエチルシラン、フェニルシラン、ジフェニルシラン、トリプロピルシラン、トリフェニルシラン、トリベンジルシラン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、トリブチルシラン、ジ−tert−ブチルシラン、ジエチルオキシシラン、ジメトキシシラン、フェニルジエトキシエチルシラン、ジメチルシラン、ハロシランおよびトリス(トリメチルシリル)シランからなる群から選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
化合物6がジシランを使用して還元される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
ジシランが、ヘキサメチルジシラン、ヘキサフェニルジシラン、1,2−ジフェニルテトラメチルジシラン、1,2−ジメチル−1,1,2,2,−テトラフェニルジシラン、1,1,2,2−テトラメチルジシラン、1,2−ジエトキシ−1,1,2,2−テトラメチルジシラン、1,2−ジメトキシ−1,1,2,2−テトラメチルジシランおよびヘキサメトキシジシランからなる群から選択される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
化合物6が触媒の存在下で還元される、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
触媒がパラジウム触媒である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
触媒が、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ジクロロビス(トリ−o−トリルホスフィン)パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、ジクロロ(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(II)、ジクロロトリス(シクロヘキシルホスフィン)−パラジウム(II)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)およびクロロ(η3−アリル)パラジウム(II)二量体−トリフェニルホスフィンからなる群から選択される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
化合物6が溶媒の存在下で還元される、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
溶媒がテトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドおよびN−メチルピロリドンからなる群から選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
化合物6が、1−(3−tert−ブチル−5−エチニル−4−メトキシフェニル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(化合物4)を、N−(4−ヨードフェニル)メタンスルホンアミド(化合物2a)、N−(4−ブロモフェニル)メタンスルホンアミド(化合物2b)、N−(4−クロロフェニル)メタンスルホンアミド(化合物2c)、N−(4−[(アリールスルホニル)オキシ]フェニル)メタンスルホンアミド(化合物2d)およびN−(4−[(ペルフルオロアルキルスルホニル)オキシ]フェニル)メタンスルホンアミド(化合物2e)からなる群から選択される化合物2と反応させることによって調製される、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【化2】

【請求項12】
化合物4および化合物2を塩基の存在下で反応させる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
化合物4および化合物2を溶媒の存在下で反応させる、請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
化合物4が、エチニルトリメチルシラン
【化3】

(化合物7)を、1−(3−tert−ブチル−5−ヨード−4−メトキシフェニル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(化合物3a)、1−(3−ブロモ−5−tert−ブチル−4−メトキシフェニル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(化合物3b)および1−(3−tert−ブチル−5−クロロ−4−メトキシフェニル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(化合物3c)からなる群から選択される化合物3と反応させることで、1−(3−tert−ブチル−4−メトキシ−5−((トリメチルシリル)エチニル)フェニル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(化合物8)を形成すること、
【化4】

形成された1−(3−tert−ブチル−4−メトキシ−5−((トリメチルシリル)エチニル)フェニル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(化合物8)からトリメチルシリル(TMS)基を除去すること
によって調製される、請求項11から13のいずれか一項に記載の方法。
【化5】

【請求項15】
化合物6が、N−(4−エチニルフェニル)メタンスルホンアミド(化合物5)を、1−(3−tert−ブチル−5−ヨード−4−メトキシフェニル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(化合物3a)、1−(3−ブロモ−5−tert−ブチル−4−メトキシフェニル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(化合物3b)および1−(3−tert−ブチル−5−クロロ−4−メトキシフェニル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(化合物3c)からなる群から選択される化合物3と反応させることでN−(4−((3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)エチニル)フェニル)メタンスルホンアミド(化合物6)を形成することによって調製される、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【化6】

【請求項16】
化合物5が、エチニルトリメチルシラン
【化7】

(化合物7)を、N−(4−ヨードフェニル)メタンスルホンアミド(化合物2a)、N−(4−ブロモフェニル)メタンスルホンアミド(化合物2b)、N−(4−クロロフェニル)メタンスルホンアミド(化合物2c)、N−(4−[(アリールスルホニル)オキシ]フェニル)メタンスルホンアミド(化合物2d)およびN−(4−[(ペルフルオロアルキルスルホニル)オキシ]フェニル)メタンスルホンアミド(化合物2e)からなる群から選択される化合物2を反応させることでN−(4−((トリメチルシリル)エチニル)フェニル)メタンスルホンアミド(化合物9)を形成すること、
【化8】

形成されたN−(4−((トリメチルシリル)エチニル)フェニル)メタンスルホンアミド(化合物9)からトリメチルシリル(TMS)基を除去すること
によって調製される、請求項15に記載の方法。
【化9】

【請求項17】
構造において以下の式に対応する化合物またはこの塩。
【化10】

【請求項18】
構造において以下の式に対応する化合物またはこの塩。
【化11】

【請求項19】
構造において以下の式に対応する化合物またはこの塩。
【化12】

【請求項20】
構造において以下の式に対応する化合物またはこの塩。
【化13】


【公表番号】特表2012−521990(P2012−521990A)
【公表日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−502196(P2012−502196)
【出願日】平成22年3月24日(2010.3.24)
【国際出願番号】PCT/US2010/028433
【国際公開番号】WO2010/111348
【国際公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(391008788)アボット・ラボラトリーズ (650)
【氏名又は名称原語表記】ABBOTT LABORATORIES
【Fターム(参考)】