説明

抗原生動物剤としての二価陽イオン性2,5−ジアリールフランアザ−アナログ

式(I):
【化1】


〔式中:
XはO、SおよびNR17からなる群から選択され、ここで、R17は水素または低級アルキルであり;
、C、AおよびYはCH、N、NR17、OまたはSであり、ここで、CおよびCは同一または異なり;
、D、BおよびZは、CH、NまたはNR17であり、ここで、DおよびDは同一または異なるが、ただし、A、YまたはAとYの両方がO、SまたはNR17であるならば、B、Z、またはBとZの両方は存在せず;
13、R14、R15、R16、RおよびRは、H、低級アルキル、ハロゲン、アルコキシル、アリールオキシル、アラルコキシおよびヒドロキシルからなる群から選択され;
およびRは、H、ヒドロキシ、低級アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、アルコキシル、ヒドロキシシクロアルキル、アルコキシシクロアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アシルオキシ、アセトキシおよびアルキルアミノアルキルからなる群から各々独立して選択され;そしてR、R、RおよびRは、H、低級アルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキルおよびアルキルアミノアルキルからなる群から各々独立して選択されるか、またはRとRは一緒に、またはRとRは一緒にC−C10アルキル、ヒドロキシアルキルまたはアルキレンを意味するか、またはRとRは一緒に、またはRとRは一緒に:
(式中、nは1から3の数であり、そしてRはHまたは−CONHR10NR1112であり、ここで、R10は低級アルキルであり、そしてR11およびR12は、Hおよび低級アルキルからなる群から各々独立して選択される)
である。〕
の化合物。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
関連出願
本出願は、2002年11月27日出願の米国仮出願第60/429,717号の利益を請求する;その内容は、本明細書にその全体を引用して包含させる。
【0002】
技術分野
本発明は、二価陽イオン性化合物で、微生物感染に対抗する方法に関する。より具体的に、本発明は、ヘテロアリールジアミジンプロドラッグで微生物感染に対抗する方法、および新規ヘテロアリールジアミジンプロドラッグそれ自体に関する。
【0003】
背景技術
免疫無防備集団の微生物感染(例えば、マイコバクテリア、真菌および原生動物感染)の発病率はここ数年著しく増加している。特に、カンジダ(Candida)種、とりわけカンジダ・アルビカンズ(Candida albicans)は、しばしば、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染している患者において重大な病原体である。他の病原体、ニューモシスティス・カリニ(Pneumocystis carinii)は、AIDSに罹患している患者の死亡の主要原因の一つと考えられている肺炎の形(PCP)の原因である。
【0004】
ヒトアフリカトリパノソーマ症(HAT)は、6000万を超える人々を脅かすものとして再出現している。現在の概算では、350,000人から450,000人の間の人々が感染している。
【0005】
他の重篤で生命を脅かす微生物感染は、マイコバクテリウム・ツベルクローシス(Mycobacterium tuberculosis)、アスペルギルス属(Aspergillus spp.)、クリプトスポリジウム・パルバム(Cryptosporidium parvum)、ジアルジア・ランブリア(Giardia lamblia)、プラスモジウム属(Plasmodium spp.)、トキソプラズマ・ゴンディ(Toxoplasma gondii)、フサリウム・ソラニ(Fusarium solani)およびクリプトコッカス・ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)により引き起こされる。
【0006】
二価陽イオン性分子の抗微生物特性は、1930代から試験されている。このタイプの化合物は典型的にアミジン基を陽イオン部分として用い、クリプトスポリジウム・パルバム、ジアルジア・ランブリア、リーシュマニア属(Leishmania spp.)、プラスモジウム属、ニューモシスティス・カリニ、トキソプラズマ・ゴンディ、トリパノゾーマ属(Trypanosoma spp.)、カンジダ・アルビカンズ、アスペルギルス属およびクリプトコッカス・ネオフォルマンスを含む多くの病原体へのそれらの活性が報告されている。例えば、King, H. et al., Ann. Trop. Med. Parasitol. 1938, 32, 177-192; Blagburn, B. L. et al., Antimicrob. Agents Chemother. 1991, 35, 1520-1523; Bell, C. A. et al., Antimicrob. Agents Chemother. 1991, 35, 1099-1107; Bell, et al., Antimicrob. Agents Chemother. 1990, 34, 1381-1386; Kirk, R. et al., Ann. Trop. Med. Parastiol. 1940, 34, 181-197; Fulton, J. D. Ann. Trop. Med. Parasitol. 1940, 34, 53-66; Ivady, V. G. et al., Monatschr. Kinderheilkd. 1958, 106, 10-14; Boykin, D. W. et al., J. Med. Chem. 1995, 38, 912-916; Boykin, D. W. et al., J. Med. Chem. 1998, 41, 124-129; Francesconi et al., J. Med. Chem. 1999, 42, 2260-2265; Lindsay, D. S. et al., Antimicrob. Agents Chemother. 1991, 35, 1914-1916; Lourie, E. M. et al., Ann. Trop. Med. Parasitol. 1939, 33, 289-304; Lourie, E. M. et al., Ann. Trop. Med. Parasitol. 1939, 33, 305-312; Das, B. P. et al., J Med. Chem. 1976, 20, 531-536; Del Poeta, M. et al., J. Antimicrob. Chemother. 1999, 44, 223-228; Del Poeta, M. et al., Antimicrob. Agents Chemother. 1998, 42, 2495-2502; Del Poeta, M. et al., Antimicrob. Agents Chemother. 1998, 42, 2503-2510参照。
【0007】
ジアミジンにより広範囲の活性が示されるにもかかわらず、この化学タイプの化合物で一つだけ、ペンタミジンが重要な臨床的使用が見られている。ペンタミジンは、アフリカトリパノソーマ症、アンチモン耐性リーシュマニア症およびニューモシスティス・カリニ肺炎に対して臨床的に使用されている。例えば、Apted, F. I. C., Pharmacol. Ther. 1980, 11, 391-413; Bryceson, A. D. M. et al., Trans. Roy. Soc. Trop. Med. Hyg. 1985, 79, 705-714; Hughes, W. T. et al., Antimicrob. Agents Chemother. 1974, 5, 289-293参照。
【0008】
このように、上記の代表的病原体に対してであれ、他の病原体に対してであれ、望ましい抗微生物活性を有するさらなる化合物のための技術の改善の必要性が続いている。特に興味深いのは、ヒトアフリカトリパノソーマ症の処置に活性を有する化合物であり、これは現在その第2期では利用できる経口処置はない。本発明は当分野におけるこのおよび他の必要性を扱う。
【0009】
発明の要約
したがって、本発明の第一の態様は、式(I):
【化1】

〔式中:
Xは、O、SおよびNR17からなる群から選択され、ここで、R17は水素または低級アルキルであり;
、C、AおよびYはCH、N、NR17、O、またはSであり、ここで、CおよびCは同一または異なり;
、D、BおよびZはCH、N、またはNR17であり、ここで、DおよびDは同一または異なるが、ただし、A、YまたはAとYの両方がO、SまたはNR17であるならば、B、Z、またはBとZの両方は存在せず;
13、R14、R15、R16、RおよびRは、H、低級アルキル、ハロゲン、アルコキシル、アリールオキシル、アラルコキシおよびヒドロキシルからなる群から選択され;
およびRは、H、ヒドロキシ、低級アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、アルコキシル、ヒドロキシシクロアルキル、アルコキシシクロアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アシルオキシ、アセトキシおよびアルキルアミノアルキルからなる群から各々独立して選択され;そしてR、R、RおよびRは、H、低級アルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキルおよびアルキルアミノアルキルからなる群から各々独立して選択されるか、またはRとRは一緒に、またはRとRは一緒にC−C10アルキル、ヒドロキシアルキル、またはアルキレンを意味するか、またはRとRは一緒に、またはRとRは一緒に:
【化2】

(式中、nは1から3の数であり、そしてRはHまたは−CONHR10NR1112であり、ここで、R10は低級アルキルであり、そしてR11およびR12は、Hおよび低級アルキルからなる群から各々独立して選択される)
である。〕
の化合物である。
【0010】
本発明の第二の態様は、式Iの化合物の有効量を必要とする対象に投与することを含む、微生物感染の処置法である。
【0011】
本発明の第三の態様は、薬学的に許容される担体中に式1の化合物を含む医薬製剤である。
【0012】
本発明の他の態様は、微生物感染の処置用医薬の製造のための、上記の活性化合物の使用を含む。
【0013】
本発明のいくつかの態様および目的を上に記載しており、これらは全体としてまたは部分的に本発明により扱われ、他の態様および目的は、できるだけ下記に示した不随する実施例と組み合わせて考慮したとき、前記から明らかとなろう。
【0014】
発明の詳細な説明
本発明を、本発明の好ましい実施態様を示す不随する実施例を引用して、より完全に以下に記載する。本発明は、しかしながら異なる形で具体化され、本明細書に記載の実施態様に限定するものと解釈してはならない。むしろ、これらの実施態様は、当業者に対して、記載が完全で完璧であり、本発明の範囲を十分にカバーするように提供する。
【0015】
特記しない限り、本明細書で使用する技術的および科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者が共通して理解しているものと同じ意味を有する。本明細書に記載するすべての刊行物、特許出願、特許および他の引用文献は、引用してその全体を包含させる。
【0016】
明細書および特許請求の範囲を通して、記載の化学式または名称はすべての光学異性体および立体異性体ならびにラセミ体混合物を、このような異性体および混合物が存在する場合は包含する。
【0017】
本明細書に記載するのは、式(I):
【化3】

〔式中:
Xは、O、SおよびNR17からなる群から選択され、ここで、R17は水素または低級アルキルであり;
、C、AおよびYはCH、N、NR17、O、またはSであり、ここで、CおよびCは同一または異なり;
、D、BおよびZはCH、N、またはNR17であり、ここで、DおよびDは同一または異なるが、ただし、A、YまたはAとYの両方がO、SまたはNR17であるならば、B、Z、またはBとZの両方は存在せず;
13、R14、R15、R16、RおよびRは、H、低級アルキル、ハロゲン、アルコキシル、アリールオキシル、アラルコキシおよびヒドロキシルからなる群から選択され;
およびRは、H、ヒドロキシ、低級アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、アルコキシル、ヒドロキシシクロアルキル、アルコキシシクロアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アシルオキシ、アセトキシおよびアルキルアミノアルキルからなる群から各々独立して選択され;そしてR、R、RおよびRは、H、低級アルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキルおよびアルキルアミノアルキルからなる群から各々独立して選択されるか、またはRとRは一緒に、またはRとRは一緒にC−C10アルキル、ヒドロキシアルキル、またはアルキレンを意味するか、またはRとRは一緒に、またはRとRは一緒に:
【化4】

(式中、nは1から3の数であり、そしてRはHまたは−CONHR10NR1112であり、ここで、R10は低級アルキルであり、そしてR11およびR12は、Hおよび低級アルキルからなる群から各々独立して選択される)
である。〕
の化合物である。
【0018】
本明細書で使用する“アルキル”はC1−20(1個と20個を含む)、直鎖状、分枝鎖状、または環状、飽和または不飽和(すなわち、アルケニルおよびアルキニル)炭化水素鎖を意味し、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、オクテニル、ブタンジエニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニルおよびアレニル基を含む。“低級アルキル”なる用語は、1個から約8個の炭素原子、すなわち1、2、3、4、5、6、7または8個の炭素原子を有するアルキル基を意味する。“高級アルキル”なる用語は、約10個から約20個の炭素原子を有するアルキル基を意味する。
【0019】
アルキル基は、所望により同一または異なり得る1個またはそれ以上のアルキル基置換基で置換されていてもよく、ここで、“アルキル基置換基”は、アルキル、ハロ、アリールアミノ、アシル、ヒドロキシ、アリールオキシ、アルコキシル、アルキルチオ、アリールチオ、アラルキルオキシ、アラルキルチオ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、オキソおよびシクロアルキルを含む。所望により、アルキル鎖に沿って、1個またはそれ以上の酸素、硫黄または置換もしくは非置換窒素原子を挿入し得、ここで、窒素置換基は水素、低級アルキル(本明細書では“アルキルアミノアルキル”とも呼ぶ)、またはアリールである。“分枝”なる用語は、メチル、エチルまたはプロピルのような低級アルキル基が、直鎖状アルキル鎖に結合していることを意味する。
【0020】
“アリール”は、約5個から約10個の炭素原子を含む環状芳香族性を意味し、5および6−員炭化水素およびヘテロ環式芳香環を含む。アリール基は、所望により同一または異なり得る1個またはそれ以上のアリール基置換基で置換されていてもよく、ここで、“アリール基置換基”は、アルキル、アリール、アラルキル、ヒドロキシ、アルコキシル、アリールオキシ、アラルコキシル、カルボキシ、アシル、ハロ、ニトロ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アラルコキシカルボニル、アシルオキシル、アシルアミノ、アロイルアミノ、カルバモイル、アルキルカルバモイル、ジアルキルカルバモイル、アリールチオ、アルキルチオ、アルキレンおよび−NRR'(ここで、RおよびR'は各々独立して水素、アルキル、アリールおよびアラルキルであり得る)を含む。
【0021】
アリール基の具体例は、シクロペンタジエニル、フェニル、フラン、チオフェン、ピロール、ピラン、ピリジン、イミダゾール、イソチアゾール、イソキサゾール、ピラゾール、ピラジン、ピリミジンなどを含むが、これらに限定されない。
【0022】
このように、本明細書で使用する“置換アルキル”および“置換アリール”なる用語は、アリールまたはアルキル基の1個またはそれ以上の原子または官能基が、他の原子または、例えば、ハロゲン、アリール、アルキル、アルコキシル、ヒドロキシ、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、スルフェートおよびメルカプトを含む官能基で置換された、本明細書で定義のアルキルおよびアリール基を意味する。
【0023】
本明細書で使用する“アシル”なる用語は、カルボキシル基の−OHが他の置換基で置換されている有機酸基(すなわち、RCOで示され、ここで、Rは本明細書で定義のアルキルまたはアリール基である)を意味する。“アシル”なる用語それ自体、明確にアリールアシル基を含む。アシル基の具体例は、アセチルおよびベンゾイルを含む。
【0024】
“環式”および“シクロアルキル”なる用語は、約4個から約10個の炭素原子の非芳香族性単−または多環式環を意味する。シクロアルキル基は、所望により部分的に不飽和であり得る。シクロアルキル基は、所望により、本明細書で定義のアルキル基置換基、オキソおよび/またはアルキレンで置換されてもよい。所望により、環状アルキル鎖に沿って、1個またはそれ以上の酸素、硫黄または置換もしくは非置換窒素原子を挿入してもよく、ここで、窒素置換基は水素、低級アルキル、またはアリールであり、したがって、ヘテロ環式基を提供する。代表的単環式シクロアルキル環は、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルを含む。好ましい多環式シクロアルキル環は、アダマンチル、オクタヒドロナフチル、デカリン、カンファー、カンファンおよびノルアダマンチルを含む。
【0025】
“アルコキシル”なる用語は、アルキル−O−基(ここで、アルキルは先に記載の通りである)を意味する。本明細書で使用する“アルコキシル”なる用語は、C1−20(1個と20個を含む)、直鎖状、分枝鎖状、または環状、飽和または不飽和オキソ−炭化水素鎖を意味し得、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、t−ブトキシおよびペントキシを含む。
【0026】
“アリールオキシル”なる用語は、アリール−O−基(ここで、アリール基は先に記載の通りである)を意味する。本明細書で使用する“アリールオキシル”なる用語は、フェニルオキシルまたはヘキシルオキシルおよびアルキル、ハロ、またはアルコキシル置換フェニルオキシルまたはヘキシルオキシルを意味し得る。
【0027】
“アラルキル”なる用語は、アリール−アルキル−基(ここで、アリールおよびアルキルは先に記載の通りである)を意味する。例示的アラルキル基は、ベンジル、フェニルエチルおよびナフチルメチルを含む。
【0028】
“アラルキルオキシル”は、アラルキル−O−基(ここで、アラルキル基は先に記載の通りである)を意味する。例示的アラルキルオキシ基は、ベンジルオキシである。
【0029】
“ジアルキルアミノ”は、−NRR'基(ここで、各RおよびR'は、独立して先に記載したアルキル基である)を意味する。例示的アルキルアミノ基は、エチルメチルアミノ、ジメチルアミノおよびジエチルアミノを含む。
【0030】
“アルコキシカルボニル”は、アルキル−O−CO−基を意味する。例示的アルコキシカルボニル基は、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ブチルオキシカルボニルおよびt−ブチルオキシカルボニルを含む。
【0031】
“アリールオキシカルボニル”は、アリール−O−CO−基を意味する。例示的アリールオキシカルボニル基は、フェノキシ−およびナフトキシ−カルボニルを含む。
【0032】
“アラルコキシカルボニル”は、アラルキル−O−CO−基を意味する。例示的アラルコキシカルボニル基は、ベンジルオキシカルボニルである。
“カルバモイル”は、HN−CO−基を意味する。
【0033】
“アルキルカルバモイル”は、R'RN−CO−基(ここで、RおよびR'の一つが水素であり、RおよびR'の他方が、先に記載したアルキルである)を意味する。
【0034】
“ジアルキルカルバモイル”は、R'RN−CO−基(ここで、RおよびR'の各々は独立して先に記載のアルキルである)を意味する。
【0035】
“アシルオキシル”は、アシル−O−基(ここで、アシルは先に記載の通りである)を意味する。
【0036】
“アシルアミノ”は、アシル−NH−基(ここで、アシルは先に記載の通りである)を意味する。
【0037】
“アロイルアミノ”は、アロイル−NH−基(ここで、アロイルは先に記載の通りである)を意味する。
【0038】
“アルキレン”は、1個から約20個の炭素原子を有する直鎖状または分枝鎖状二価脂肪族炭化水素基を意味する。アルキレン基は、直鎖状、分枝鎖状または環状であり得る。アルキレン基は所望により不飽和であり得、および/または1個またはそれ以上の“アルキル基置換基”で置換されていてもよい。所望により、アルキレン基に沿って、1個またはそれ以上の酸素、硫黄または置換もしくは非置換窒素原子(本明細書ではまた“アルキルアミノアルキル”と呼ぶ)を挿入してもよく、ここで、窒素置換基は、先に記載したアルキルである。例示的アルキレン基はメチレン(−CH−);エチレン(−CH−CH−);プロピレン(−(CH)−);シクロヘキシレン(−C10−);−CH=CHCH=CH−;−CH=CH−CH−;−(CH)−N(R)−(CH)−(ここで、mおよびnの各々は、独立して0から約20の整数であり、そしてRは水素または低級アルキルである);メチレンジオキシ(−O−CH−O−);およびエチレンジオキシ(−O−(CH)−O−)を含む。アルキレン基は、約2個からから約3個の炭素原子を有し得、さらに、6−20炭素を有し得る。
【0039】
本明細書で使用する“ハロ”、“ハライド”、または“ハロゲン”なる用語は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨード基を意味する。
【0040】
特定の実施態様において、本発明は、式(II):
【化5】

の化合物を含む。
【0041】
特定の実施態様において、本発明は、式(III):
【化6】

の化合物を含む。
【0042】
代表的実施態様において、いくつかの非対称性(disymmetric)ヘテロアリールジアミジンが合成されている。例えば、6−[5−(4−カルバミミドイルフェニル)フラン−2−イル]ニコチンアミジンが、6−[5−(4−シアノフェニル)フラン−2−イル]ニコチノニトリルから、ビス−O−アセトキシアミドキシムを介して、続く水素化により合成されている。6−[5−(4−シアノフェニル)フラン−2−イル]ニコチノニトリルは、6−(フラン−2−イル)ニコチノニトリルの臭素化、続く4−シアノフェニルボロン酸との鈴木カップリングにより製造されている。6−[5−(4−シアノ−2−メチルフェニル)フラン−2−イル]ニコチノニトリルは、6−(フラン−2−イル)ニコチノニトリルから、4−ブロモ−3−メチルベンゾニトリルとのヘックカップリング反応により製造されている。
【0043】
代表的実施態様において、本明細書に記載の化合物はプロドラッグである。プロドラッグは、受け手への投与により、本発明の化合物または阻害活性代謝物もしくは残基を(直接または間接的に)提供できる化合物を意味する。プロドラッグは、例えば、このような化合物を対象に投与したとき本発明の化合物のバイオアベイラビリティーを増加でき(例えば、経口投与した化合物を、より容易に血中に吸収するようにさせることにより)、または、代謝体と比較して、生物学的区画(例えば、脳またはリンパ系へ)への親化合物の送達を促進できる。実施例1−8に記載の多くの化合物(例えば化合物4、5、11、12、22および27)はプロドラッグである。
【0044】
さらに、活性化合物は薬学的に許容される塩として投与できる。このような塩は、グルクロン酸塩、乳酸塩、酢酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、硝酸塩、硫酸塩および塩酸塩を含む。本発明の塩は、一般に、塩基化合物の2当量の化合物を、所望の酸と溶液中で反応させて製造できる。反応が完了した後、塩を溶液から、塩が不溶性である溶媒を適当量添加して、結晶化する。
【0045】
微生物感染している対象を、本発明の方法により処置できる。これらの感染は、真菌、藻、原生動物、細菌およびウイルスを含む多くの微生物である。本発明の方法により処置できる例示的微生物感染は、トリパノソーマ種(例えばトリパノソーマ・ブルセイ・ローデシエンス(Trypanosoma brucei rhodesiense))、ニューモシスティス・カリニ、ジアルジア・ランブリア、クリプトスポリジウム・パルバム、クリプトコッカス・ネオフォルマンス、カンジダ・アルビカンズ、カンジダ・トロピカリス(Candida tropicalis)、サルモネラ・チフィムリウム(Salmonella typhimurium)、プラスモジウム・ファルシパルム(Plasmodium falciparum)、リーシュマニア・ドノバニ(Leishmania donovani)およびリーシュマニア・メキシカーナ・アマゾネンシス(Leishmania mexicana amazonensis)による感染を含むが、これらに限定されない。本発明の方法は、病気の発症、増殖、または広がりを阻害し、病気の緩解をもたらし、病気を処置し、そうでなければ病気にかかっているまたはかかる危険性のある対象の一般的な健康を改善する点で、これらの病気の処置に有用である。
【0046】
多くの実施態様において本発明で処置する対象は、望ましくはヒト対象であるが、本発明の原則は、本発明が“対象”なる用語に含むことを意図する、すべての脊椎動物種に有効であることを示唆することは理解すべきである。
【0047】
本発明の方法は、温血脊椎動物の感染症の処置および/または予防に特に有用である。したがって、本発明は哺乳動物および鳥類を考慮する。
【0048】
より特異的に、ヒトのような哺乳類、ならびに絶滅危惧種のため重要な(アムールトラのような)、ヒトにとって経済的に重要な(ヒトが消費するために農家で飼育されている動物)および/または社会的に重要な(ペットとしてまたは動物園で飼育されている動物)哺乳動物、例えば、ヒト以外の肉食動物(ネコおよびイヌのような)、ブタ類(子ブタ(pig)、親ブタ(hog)およびイノシシ)、反芻動物(畜牛(cattles)、雄牛(oxes)、ヒツジ、キリン、シカ、ヤギ、バイソンおよびラクダ)およびウマの処置を提供する。また提供されるのは、鳥類の処置であり、絶滅危惧種、動物園で飼育されている種類の鳥類、ならびに家禽、より具体的には飼い慣らされた家禽、すなわち、七面鳥、ニワトリ、アヒル、ガチョウ、ホロホロ鳥などのような飼鳥類、ならびに、ヒトに経済的に重要である種類の鳥類の処置を含む。したがって、家畜ブタ類((子ブタ(pig)および親ブタ(hog))、反芻動物、ウマ、飼鳥類などを含むが、これらに限定されない家畜の処置が企図される。
【0049】
上記のように、本発明は、上記活性化合物、またはその薬学的に許容される塩を、薬学的に許容される担体中に含む、経口、静脈内、またはエアロゾル投与用の下記に詳述する医薬製剤を提供する。また、本発明は、凍結乾燥させ、静脈内または筋肉内注射によって投与されるための薬学的に許容される製剤を形成するために再構築できる、このような化合物またはその塩を提供する。
【0050】
その使用は本発明の範囲内である、任意の具体的化合物の治療的有効量は、化合物毎におよび患者毎に幾分異なり、患者の状態および送達の経路に依存する。一般的立場から、約0.1から約50mg/kgの投与量が治療効果を有し、全重量は、塩を用いる例も含み、活性化合物の重量に基づいて計算する。より高用量で懸念される毒性により、静脈内投与量は約10mg/kgまでのような低レベルに制限され得、全重量は、塩を用いる例も含み、活性化合物の重量に基づいて計算する。約10mg/kgから約50mg/kgの投与量を経口投与で用い得る。典型的に、約0.5mg/kgから5mg/kgの投与量を静脈内注射に用い得る。好ましい投与量は、静脈内または経口投与のために、1μmol/kgから50μmol/kg、およびより好ましくは22μmol/kgおよび33μmol/kgの化合物である。処置の期間は、通常、1日1回、2から3週間の期間、または状態が本質的に制御されるまでである。低頻度で投与する低投与量を、感染の予防または再発の発生率の減少のために予防的に使用できる。
【0051】
本発明の方法にしたがい、本明細書に記載の薬学的に活性な化合物または薬学的に許容されるその塩は、固体または液体として経口で投与でき、または溶液、懸濁液、またはエマルジョンとして筋肉内または静脈内に投与できる。あるいは、本化合物または塩をリポソーム懸濁液として吸入、静脈内または筋肉内投与できる。吸入により投与する場合、活性化合物または塩は、約0.5から約5ミクロンおよび好ましくは約1から約2ミクロンの粒子径を有する多くの固体粒子または小滴の形でなければならない。
【0052】
本発明はまた静脈内または筋肉内注射に適した医薬組成物も提供する。医薬組成物は、本明細書の任意の式(I)−(III)の化合物またはその薬学的に許容される塩を、任意の薬学的に許容される担体中に含む。溶液が望ましい場合、水溶性の化合物または塩に関して、水が最適な担体である。水不溶性化合物または塩に関して、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、またはこれらの混合物のような有機媒体が適し得る。後者の場合、有機媒体は相当な量の水を含み得る。いずれの場合の溶液も、次いで、当業者に既知の適当な方法で、典型的に0.22ミクロンフィルターを通して濾過することにより滅菌できる。滅菌に続き、溶液を発熱物質を除いた(depyrogenated)ガラス容器のような適当な容器に分配できる。もちろん、分配は好ましくは無菌法で行う。滅菌クロージャーを次いでバイアル上に置き得、望ましい場合、バイアル内容物を凍結乾燥し得る。
【0053】
式(I)−(III)の化合物またはその塩に加えて、医薬組成物はpH調節用添加剤のような他の添加剤を含み得る。特に、有用なpH調節剤は塩酸のような塩、塩基または乳酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウムまたはグルコン酸ナトリウムのような緩衝液を含む。さらに、組成物は抗微生物防腐剤を含むことができる。有用な抗微生物防腐剤は、メチルパラベン、プロピルパラベンおよびベンジルアルコールを含む。抗微生物防腐剤は、典型的に、製剤を複数回使用のために設計されたバイアル内に入れる場合に用いる。もちろん、示されるように、本発明の医薬組成物は、当分野で既知の技術を使用して凍結乾燥できる。
【0054】
本発明の別の態様において、式(I)−(III)の化合物、またはその塩を、密封容器中に単位投与形で含む、注射可能、安定、滅菌組成物を提供する。組成物または塩は、凍結乾燥の形で提供され、それは適当な薬学的に許容される担体で再構築し、対象に注射するのに適した液体組成物を形成できる。単位投与形は、典型的に約10mgから約10グラムの化合物塩を含む。化合物または塩が実質的に水不溶性である場合、十分量の生理学的に許容される乳化剤を、水性担体中に化合物または塩を乳化させるのに十分な量で用いることができる。一つのこのような有用な乳化剤はホスファチジルコリンである。
【0055】
水性ベースのエマルジョンのような、他の医薬組成物が、本明細書に記載の水不溶性化合物またはその塩から製造できる。このような場合、組成物は、所望の量の化合物または塩を乳化するための、十分な量の薬学的に許容される乳化剤を含む。特に有用な乳化剤は、ホスファチジルコリンおよびレシチンを含む。
【0056】
さらに、本発明は、本明細書に記載の化合物およびその塩のリポソーム製剤を提供する。リポソーム懸濁液を形成する技術は当分野で既知である。化合物またはその塩が水溶性塩である場合、慣用のリポソーム技術を使用して、それを脂質小胞に挿入できる。このような場合、化合物または塩の水溶性のため、化合物または塩は実質的に完全にリポソームの親水性中心またはコアに入る。用いる脂質層は、任意の組成のものであり得、コレステロールを含み得、または無コレステロールであり得る。目的の化合物または塩が水不溶性である場合、塩は実質的に、リポソームの構造を形成する疎水性脂質バリアー内に入る。いずれの場合も、製造されたリポソームのサイズを、例えば、標準超音波技術およびホモジネーション技術の使用を介して、減少できる。
【0057】
もちろん、本明細書に記載の化合物またはその塩を含むリポソーム製剤を凍結乾燥し、凍結乾燥物を製造し、それを、水のような薬学的に許容される担体で再構築し、リポソーム懸濁液を再生できる。
【0058】
エアロゾルとして吸入により投与されるのに適した医薬製剤がまた提供される。これらの製剤は、本明細書に記載の所望の化合物もしくはその塩の溶液または懸濁液、または化合物もしくは塩の多くの固体粒子を含む。望む製剤を小さいチャンバーに入れ、吸入できる。吸入は、化合物または塩を含む多くの液滴または固体粒子を形成するための圧縮空気により、または、超音波エネルギーにより達成できる。液滴または固体粒子は、約0.5から約10ミクロン、より好ましくは約0.5から約5ミクロンの範囲の粒子サイズを有しなければならない。固体粒子は、固体化合物またはその塩を、微粉化のような当分野で既知の適当な方法で処理することにより得ることができる。最も好ましくは、固体粒子または液滴のサイズは、約1から約2ミクロンである。これに関して、市販のネブライザーがこの目的を達成するのに利用可能である。化合物は、米国特許第5,628,984号(その記載をその全体を本明細書に引用して包含する)に記載の方法により吸入用粒子のエアロゾル懸濁液を介して投与できる。
【0059】
好ましくは、エアロゾルとしての投与に適した医薬製剤は液体の形であり、製剤は、水を含む担体中に水溶性化合物またはその塩を含む。対象が吸入したときに所望のサイズ範囲の滴の形成をもたらすのに十分に製剤の表面張力を低下させる、界面活性剤が存在できる。
【0060】
示されるように、本発明は水溶性および水不溶性化合物およびその塩の両方を提供する。本明細書で使用する“水溶性”なる用語は、水に約50mg/mLまたはそれ以上の量で溶解する任意の組成を定義することを意味する。また、本明細書で使用する“水不溶性”なる用語は、水への溶解度が約20mg/mLより少ない任意の組成を定義することを意味する。ある適応において、水溶性化合物または塩が望まれ得るが、他の適用においては、水不溶性化合物または塩が同様に望まれ得る。
【0061】
実施例
以下の実施例は、本発明の形態を説明するために包含している。以下の実施例のある態様は、本発明のよりよい実施のために、本共同発明者により発見されたまたは企図された技術および方法の観点を記載する。これらの実施例は共同発明者の標準研究業務を説明する。本明細書の記載および当分野の一般的技術レベルに照らして、当業者は、以下の実施例が例示のみを意図し、多くの変化、修飾および置換を本発明の範囲から逸脱することなく用いることができることを認め得る。
【0062】
実施例中、mMはミリモル濃度を意味し、mLはミリリットルを意味し、mmはミリメートルを意味し、cmはセンチメートルを意味し、℃は摂氏温度を意味し、gはグラムを意味し、kgはキログラムを意味し、m.p.は融点を意味し、MHzはメガヘルツを意味し、Mはモル濃度を意味し、hは時間を意味し、NMRは核磁気共鳴を意味し、FABは高速原子衝撃を意味し、DMFはジメチルホルムアミドを意味し、EtOHはエチルアルコールを意味し、DMSOはジメチルスルホキシドを意味し、HPLCは高速液体クロマトグラフィーを意味し、TLCは薄層クロマトグラフィーを意味し、decは分解点を意味し、NBSはN−ブロモスクシンイミドを意味し;KO−t−Buはカリウムtert−ブトキシドを意味し;Buはブチルを意味し;NHOH・HClはヒドロキシルアミン塩酸塩を意味し;Meはメチルを意味し;MeOはメトキシを意味し;Acはアセチルを意味し;AcOはアセトキシを意味し;AcOHは酢酸を意味し;AcOは無水酢酸を意味し;Bはスキーム中でホウ素を意味し;Pd/Cは10%パラジウム/炭素を意味し;Hzはヘルツを意味し;δは化学シフトを意味し;TMSはトリメチルシリルを意味し;P.f.はプラスモジウム・ファルシパルムを意味し;T.br.はトリパノソーマ・ブルセイ・ローデシエンスを意味し;L.d.はリーシュマニア・ドノバニを意味し;MSは質量分光分析を意味し;calcdは計算値を意味し;EtOAcは酢酸エチルを意味し;THFはテトラヒドロフランを意味し;psiはポンド/平方インチを意味し;UVは紫外線を意味する。
【0063】
実施例1
スキーム1
【化7】

【0064】
実施例2
スキーム2
【化8】

【0065】
実施例3
スキーム3
【化9】

【0066】
実施例4
スキーム4
【化10】

【0067】
実施例5
スキーム5
【化11】

【0068】
実施例6
スキーム6
【化12】

【0069】
実施例7
スキーム7
【化13】

【0070】
実施例1−7の実験の項
融点をTHOMAS-HOOVER UNI-MELTTMキャピラリー融点装置を使用して測定し、未補正である。TLC分析はシリカゲル60F254プレコートアルミニウムシート上で行い、UV光下で検出した。Hおよび13C NMRスペクトルはVarian GX400またはVarian Unity Plus 300スペクトロメーター(Varian, Inc. of Palo Alto, California, United States of Americaから入手可能)を用いて記録し、化学シフト(δ)は、内部標準としてのTMSに対するppmである。マススペクトルはVG分析的70-SEスペクトロメーター(Varian, Inc. of Palo Alto, California, United States of Americaから入手可能)で記録した。元素分析はAtlantic Microlab Inc. (Norcross, Georgia, United States of America)から得、理論値の±0.4の範囲内である。すべての化学試薬および溶媒はAldrich Chemical Company, St. Louis, Missouri, United States of AmericaまたはFisher Scientific of Suwanee, Georgia, United States of Americaから購入した。
【0071】
6−(フラン−2−イル)ニコチノニトリル(1)。次に、スキーム1に関し、6−クロロニコチノニトリル(4.155g、30mmol)、2−トリブチルスズフラン(10.7g、30mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(Pd)(500mg)の乾燥ジオキサン(100mL)中の混合物を、窒素下、乾留温度(100−110℃)で24時間(h)加熱した。溶媒を減圧下蒸発し、固体をトルエンに溶解し、溶液をセライトを通してPdを除去した。溶液を蒸発し、固体を濾過して1を80.6%収率で得た、mp 116.5−117℃(ヘキサン/エーテル)。1H nmr(DMSO-d6); δ 6.71(dd, J = 3.6, 1.8 Hz, 1H), 7.32(d, J = 3.6 Hz, 1H), 7.85(d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.94(d, J = 1.8 Hz, 1H), 8.29(dd, J = 8.1, 2.1 Hz, 1H), 8.96(d, J = 2.1 Hz, 1H)。13C nmr; δ 152.7, 151.6, 150.8, 146.1, 140.8, 117.8, 117.2, 112.9, 112.5, 106.5。C10Oの計算値:C、70.58;H、3.55。実測値C、70.51;H、3.49。
【0072】
6−(5−ブロモ−フラン−2−イル)−ニコチノニトリル(2)。スキーム1の続きで、1(5.1g、30mmol)のDMF(20mL)溶液に少しずつN−ブロモスクシンイミド(5.87g、33mmol)を撹拌しながら添加した。反応混合物を一晩撹拌し、次いで冷水に注いだ。形成した沈殿を集め、水で洗浄し、乾燥して分析的に純粋な生成物2を90.4%収率で得た、mp 196℃。1H nmr(DMSO-d6); δ 6.86(d, J = 3.6 Hz, 1H), 7.38(d, J = 3.6 Hz, 1H), 7.86(d, J = 8.1 Hz, 1H), 8.33(dd, J = 8.1, 2.1 Hz, 1H). 8.98(d, J = 2.1 Hz, 1H)。13C nmr; δ 153.4, 152.7, 149.6, 140.9, 125.4, 117.9, 117.0, 115.0, 114.9, 106.9. MS(m/z, rel.int.); 248(M+, 100), 220(10), 169(25), 141(80), 114(30)。C10BrNOの計算値:C、48.22;H、2.02;N、11.25。実測値C、48.47;H、2.01;N、11.34。
【0073】
6−[5−(4−シアノ−フェニル)−フラン−2−イル]−ニコチノニトリル(3)。手順:J. Org. Chem. 49(26), 5237(1984)。スキーム1の続きで、2(1.245g、5mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(288mg)のトルエン(10mL)中の撹拌した溶液中、窒素雰囲気下、5mLの2M NaCO水溶液、続いて4−シアノフェニルボロン酸(821mg、4.6mmol)の5mLのメタノール溶液を添加した。激しく撹拌している混合物を80℃に24h暖め、次いで冷却し、沈殿を濾過した。沈殿を塩化メチレン(300mL)と3mLの濃アンモニアを含む2M水性NaCO(25mL)に分配した。有機層を乾燥し(NaSO)、次いで減圧下で濃縮乾固し、3を76%収率で得た;mp 301−302℃(DMF)。1H nmr(DMSO-d6); δ 7.44(d, J = 3.6 Hz, 1H), 7.49(d, J = 3.6 Hz, 1H), 7.92(d, J = 8.4 Hz, 2H), 8.07(d, J = 8.4 Hz, 2H). 8.12(d, J = 8.4 Hz 1H), 8.36(dd, J = 8.4, 1.5 Hz, 1H), 9.0(d, J = 1.5 Hz, 1H)。13C nmr; δ 153.4, 152.6, 152.3, 150.1, 140.7, 133.1, 132.7, 124.4, 118.3, 116.9, 114.6, 111.8, 110.2, 106.7. MS(m/z, rel.int.); 271(M+, 100), 243(10), 140(20), 103(20)。C17Oの高分解能質量の計算値:271.07456。観察値271.07392。C17Oの計算値:C、75.26;H、3.34;N、15.49。実測値C、74.95;H、3.43;N、15.23。
【0074】
N−ヒドロキシ−6−{5−[4−(N−ヒドロキシカルバミミドイル)−フェニル]−フラン−2−イル}−ニコチンアミジン(4)。スキーム1の続きで、ヒドロキシルアミン塩酸塩(10.4g、150mmol、10当量)の無水DMSO(80mL)中の混合物を、5℃に窒素下で冷却し、カリウムt−ブトキシド(KO−t−Bu)(16.8g、150mmol、10当量)を少しずつ添加した。混合物を30分撹拌した。この混合物をビスシアノ誘導体3(15mmol、1当量)に添加した。反応混合物を一晩室温で撹拌した。反応混合物を次いでゆっくり氷水に注いだ(200mL 水および200mL 氷)。沈殿を濾過し、水、次いでエタノールで洗浄し、4(遊離塩基)を91%収率で得た;mp 252−253℃。1H nmr(DMSO-d6); δ 5.87(s, 2H), 6.01(s, 2H), 7.20(d, J = 3.6 Hz, 1H), 7.26(d, J = 3.6 Hz, 1H), 7.77(d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.86(d, J = 8.1 Hz, 2H). 7.92(d, J = 8.1 Hz, 1H), 8.10(dd, J = 8.1, 2.1 Hz, 1H), 8.88(d, J = 2.1 Hz, 1H), 9.72(s, 1H), 9.89(s, 1H)。13C nmr; δ 153.7, 152.5, 150.3, 148.7, 148.1, 146.7, 133.6, 132.6, 130.0, 127.2, 125.8, 123.4, 117.8, 111.7, 109.0. MS(m/z, rel.int.); 337(M+, 100), 312(10), 273(5), 137(20), 109(30)。高分解能質量の計算値C1715:337.11749。観察値337.11560。
【0075】
(4)の塩。Mp 281−282℃dec。C1715−3HCl−0.8HOの計算値:C、44.27;H、4.28;N、15.18;Cl、23.06。実測値C、44.28;H、4.26;N、15.14;Cl、22.87。13C nmr; δ 158.7, 156.8, 153.6, 152.4, 151.0, 148.8, 137.2, 133.6, 128.8, 124.4, 124.2, 120.1, 118.2, 114.2, 111.6。
【0076】
N−メトキシ−6−{5−[4−(N−メトキシ−カルバミミドイル)−フェニル]−フラン−2−イル}−ニコチンアミジン(5)。スキーム1の続きで、4(10mmol)のジオキサン(15mL)および2N NaOH(80mL)中の溶液に0−5℃で、ジメチルスルフェート(30mmol)のジオキサン(5mL)溶液をゆっくり添加した。反応混合物をさらに2h撹拌し、次いで酢酸エチル(500mL、3回)で抽出した。溶媒を蒸発し、残渣を(SiO、ヘキサン/EtOAc、40:60)精製し、5(遊離塩基)を50%収率で得た;mp 166−167℃。1H nmr(DMSO-d6); δ 3.77(s, 3H), 3.80(s, 3H), 6.12(s, 2H), 6.28(s, 2H), 7.23(d, J = 3.6 Hz, 1H), 7.29(d, J = 3.6 Hz, 1H), 7.75(d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.87(d, J = 8.4 Hz, 2H). 7.92(d, J = 8.1 Hz, 1H), 8.10(d, J = 8.1 Hz, 1H), 8.84(s, 1H)。13C nmr; δ 153.6, 152.5, 150.5, 149.0, 148.5, 146.9, 134.1, 131.8, 130.3, 126.5, 126.2, 123.5, 117.8, 112.0, 109.3, 60.7, 60.6. MS(m/z, rel.int.); 365(M+, 100), 334(20), 318(20), 287(35)。高分解能質量の計算値C1919:365.14879。観察値:365.14927。
【0077】
(5)の塩。Mp 196−198℃dec。C1919−3HCl−1HOの計算値:C、46.30;H、4.90;N,14.21;Cl、21.58。実測値C、45.95;H、4.83;N,14.00;Cl、21.53。
【0078】
N−アセトキシ−6−{5−[4−(N−アセトキシカルバミミドイル)−フェニル]−フラン−2−イル}−ニコチンアミジン(6)。手順:Synthetic Communications 26(23), 4351-4367(1996)。スキーム1の続きで、4(337mg、1mmol)の氷酢酸(10mL)溶液に、無水酢酸(0.35mL)をゆっくり添加した。一晩撹拌後、TLCは、出発物質の完全なアシル化を示した。反応混合物を氷水に注ぎ、沈殿を濾過し、水で洗浄し、乾燥して6を98%収率で得た、mp 283℃。1H nmr(DMSO-d6); δ 2.18(s, 6H), 6.85(s, 2H), 7.05(s, 2H), 7.25(d, J = 3.6 Hz, 1H), 7.29(d, J = 3.6 Hz, 1H), 7.82(d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.95(d, J = 8.1 Hz, 2H). 8.00(d, J = 8.1 Hz, 1H), 8.20(dd, J = 8.1, 1.8 Hz, 1H), 8.90(d, J = 1.8 Hz, 1H)。13C nmr; δ 168.49, 168.45, 155.9, 154.4, 153.7, 152.5, 149.4, 147.8, 135.4, 131.3, 130.9, 127.3, 125.7, 123.7, 117.9, 112.6, 109.9, 19.88, 19.84。C2119−0.25CHCOHの計算値:C、59.17;H、4.61;N、16.04。実測値C、58.89;H、4.53;N、16.09。
【0079】
6−[5−(4−カルバミミドイル−フェニル)−フラン−2−イル]−ニコチンアミジン酢酸塩(7)。手順:Synthetic communications 26(23):4351-4367(1996)。スキーム1の続きで、6(330mg、0.784mmol)の氷酢酸(13mL)およびエタノール(20mL)溶液に、10%パラジウム/炭素(Pd/C)(80mg)を添加した。混合物をParr水素化装置に50psiで4h、室温で入れた。混合物をHYFLO(登録商標)マトリックスを通して濾過し、フィルターパッドを水で洗浄した。濾液を減圧下蒸発し、沈殿を回収し、エーテルで洗浄して7を84%収率で得た、mp 264−266℃dec.1H nmr(DMSO-d6); δ 1.80(s, 6H), 7.43(s, 2H), 7.89(d, J = 8.1 Hz, 2H), 8.08(d, J = 8.1 Hz, 2H), 8.11(d, J = 7.8 Hz, 1H), 8.26(d, J = 7.8 Hz, 1H), 8.98(s, 1H)。13C nmr(D2O/DMSO-d6); δ 166.7, 165.1, 155.4, 153.0, 152.7, 149.7, 138.9, 135.5, 130.0, 128.1, 125.9, 123.9, 120.5, 116.5, 113.0, 25.0, 20.4。C1715O−2.0CHCOH−1.7HOの計算値:C、55.30;H、5.83;N、15.35。実測値C、55.30;H、5.78;N、15.15。
【0080】
6−[5−(4−カルバミミドイル−フェニル)−フラン−2−イル]−ニコチンアミジン(7)。スキーム1の続きで、塩基7を、7(50mg)を水(5mL)に溶解し、1N NaOHで中和して生成した。沈殿を濾過し、乾燥して7の遊離アミジンを得た、mp 232℃。1H nmr(DMSO-d6); δ 7.39(s, 2H), 7.89(d, J = 8.1 Hz, 2H), 8.05(d, J = 8.1 Hz, 3H), 8.25(d, J = 8.1 Hz, 1H), 8.99(s, 1H). MS(m/z, rel.int.); 306(M++1, 100), 289(10), 236(10)。高分解能質量の計算値C1716O:306.13549。観察値:306.13583。
【0081】
6−(チオフェン−2−イル)ニコチノニトリル(8)。次に、スキーム2に関して、1に関する記載と同じ手順を使用して、2−トリブチルスズチオフェンを2−トリブチルスズフランの代わりに用いた。収率82%、mp 110−111℃(ヘキサン/エーテル)。1H nmr(DMSO-d6); d 7.24(dd, J = 3.9, 2.1 Hz, 1H), 7.83(d, J = 3.9 Hz, 1H), 8.02(d, J = 2.1 Hz, 1H), 8.13(d, J = 8.4 Hz, 1H), 8.32(dd, J = 8.4, 2.1 Hz, 1H), 8.95(d, J = 2.1 Hz, 1H)。13C nmr; d 154.7, 152.5, 142.7, 140.5, 131.2, 128.9, 128.2, 118.4, 117.2, 106.4。C10Sの計算値:C、64.49;H、3.24。実測値C、64.54;H、3.20。
【0082】
6−(5−ブロモ−チオフェン−2−イル)ニコチノニトリル(9)。スキーム2の続きで、2に関する記載と同じ手順を使用して、8から出発した。収率95%、mp 172−173℃。1H nmr(DMSO-d6); d 7.38(d, J = 3.9 Hz, 1H), 7.88(d, J = 3.9 Hz, 1H), 8.14(d, J = 8.4 Hz, 1H), 8.35(dd, J = 8.4, 2.1 Hz, 1H), 8.94(d, J = 2.1 Hz, 1H)。13C nmr; d 153.7, 152.6, 144.3, 140.9, 132.4, 128.9, 118.1, 117.3, 117.1, 106.9。C10BrNSの計算値:C、45.30;H、1.90。実測値C、45.30;H、1.86。
【0083】
6−[5−(4−シアノ−フェニル)−チオフェン−2−イル]ニコチノニトリル(10)。スキーム2の続きで、3に関する記載と同じ手順を使用して、9から出発した。収率77.7%;mp 316−318℃(DMF)。1H nmr(DMSO-d6); δ 7.84(d, J = 3.9 Hz, 1H), 7.90(d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.96(d, J = 8.7 Hz, 2H), 8.07(d, J = 3.9 Hz, 1H). 8.18(d, J = 8.4 Hz, 1H), 8.34(dd, J = 8.4 Hz, J = 2.1 Hz, 1H), 8.97(d, J = 2.1 Hz, 1H)。C17Sの計算値:C、71.05;H、3.15。実測値C、70.73;H、3.21。
【0084】
N−ヒドロキシ−6−{5−[4−(N−ヒドロキシカルバミミドイル)−フェニル]−チオフェン−2−イル}−ニコチンアミジン(11)。スキーム2の続きで、4に関する記載と同じ手順を使用して、10から出発した。収率97%;mp 293−295℃dec1H nmr(DMSO-d6); δ 5.86(s, 2H), 6.01(s, 2H), 7.64(d, J = 3.9 Hz, 1H), 7.74(m, 4H), 7.86(d, J = 3.9 Hz, 1H), 7.98(d, J = 8.7 Hz, 1H). 8.06(dd, J = 8.7, 1.8 Hz, 1H), 8.82(d, J = 1.8 Hz, 1H), 9.73(s, 1H), 9.89(s, 1H)。13C nmr; δ 151.5, 150.2, 148.7, 146.3, 144.8, 143.4, 133.8, 133.5, 132.7, 127.3, 126.8, 126.0, 125.2, 124.9, 117.8。
【0085】
(11)の塩。mp 301−303℃dec。C1715S−3HCl−1HOの計算値:C、42.46;H、4.19;N、14.56。実測値C、42.37;H、4.32;N、14.22。
【0086】
N−メトキシ−6−{5−[4−(N−メトキシ−カルバミミドイル)−フェニル]−チオフェン−2−イル}−ニコチンアミジン(12)。スキーム2の続きで、5に関する記載と同じ手順を使用して、11から出発した。収率52%;mp 188−189℃. 1H nmr(DMSO-d6); δ 3.76(s, 3H), 3.79(s, 3H), 6.16(s, 2H), 6.28(s, 2H), 7.65(d, J = 3.9 Hz, 1H), 7.71-7.78(m, 4H), 7.88(d, J = 3.9 Hz, 1H), 7.98(d, J = 8.4 Hz, 1H). 8.05(dd, J = 8.4, 2.1 Hz, 1H), 8.78(d, J = 2.1 Hz, 1H)。13C nmr; δ 151.9, 150.4, 148.9, 146.5, 144.8, 143.4, 134.2, 134.0, 131.8, 127.0, 126.5, 126.3, 125.4, 124.9, 117.8, 60.7, 60.6。
【0087】
(12)の塩。Mp 230−231℃dec。C1919S−3HCl−0.3EtOHの計算値:C、46.65;H、4.75;N、13.87。実測値C、47.05;H、4.92;N、13.87。
【0088】
5−ブロモ−ピリジン−2−カルボニトリル:次に、スキーム3に関して、2,5−ジブロモピリジン(20mmol)およびCu(1)CN(20mmol)のDMF(120mL)中の混合物を、12時間、120℃で還流した。反応混合物を水に注ぎ、形成した固体を酢酸エチル(250mL、3回)を使用して抽出した。溶媒を蒸発し、沈殿を精製(SiO、ヘキサン/EtOAc 90:10)した。収率74%、mp 125−126℃。1H nmr(DMSO-d6); δ 8.03(d, J = 8.1 Hz, 1H), 8.37(dd, J = 8.1, 2.1 Hz, 1H). 8.92(d, J = 2.1 Hz, 1H)。13C nmr; δ 152.2, 140.6, 131.1, 130.3, 125.1, 117.0。
【0089】
5−(フラン−2−イル)ピリジン−2−カルボニトリル(14)。スキーム3の続きで、1に関する記載と同じ手順を使用して、5−ブロモ−ピリジン−2−カルボニトリルから出発した。収率83%、mp 115−116℃。1H nmr(DMSO-d6); δ 6.74(dd, J = 3.6, 1.8 Hz, 1H), 7.40(d, J = 3.6 Hz, 1H), 7.96(d, J = 1.8 Hz, 1H), 8.08(d, J = 8.1 Hz, 1H), 8.27(dd, J = 8.1, 2.1 Hz, 1H). 9.11(d, J = 2.1 Hz, 1H)。13C nmr; δ 148.8, 146.0, 145.6, 131.1, 130.1, 129.2, 129.1, 117.6, 112.8, 110.9。C10Oの計算値:C、70.58;H、3.55;N、16.46。実測値C、70.40;H、3.60;N、16.35。
【0090】
5−(5−ブロモ−フラン−2−イル)ピリジン−2−カルボニトリル(15)。スキーム3の続きで、2に関する記載と同じ手順を使用して、14から出発した。収率93%、mp 173℃。1H nmr(DMSO-d6); δ 6.85(d, J = 3.6 Hz, 1H), 7.43(d, J = 3.6 Hz, 1H), 8.06(d, J = 8.4 Hz, 1H), 8.23(dd, J = 8.4, 2.1 Hz, 1H). 9.06(d, J = 2.1 Hz, 1H)。13C nmr; δ 150.9, 145.8, 131.0, 130.4, 129.2, 128.1, 124.8, 117.5, 114.9, 113.4。C10BrNOの計算値:C、48.22;H、2.02;N、11.25。実測値C、48.34;H、2.10;N、11.13。
【0091】
5−[5−(4−シアノ−フェニル)−フラン−2−イル]−ピリジン−2−カルボニトリル(16)。スキーム3の続きで、15(1.245g、5mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(288mg)のトルエン(15mL)中の撹拌した溶液に、窒素雰囲気下、10mLの1M NaHCO水溶液、続いて4−シアノフェニルボロン酸(821mg、4.6mmol)の5mLのメタノール溶液を添加した。激しく撹拌している混合物を80℃に24h暖め、次いで冷却し、沈殿を濾過した。沈殿を塩化メチレン(300mL)と1M水性NaHCO(50mL)に分配した。有機層を乾燥し(NaSO)、次いで減圧下で濃縮乾固し、16を64%収率で得た;mp 276−277℃(DMF)。1H nmr(DMSO-d6); δ 7.49(d, J = 3.6 Hz, 1H), 7.59(d, J = 3.6 Hz, 1H), 7.95(d, J = 8.7 Hz, 2H), 8.10(d, J = 8.7 Hz, 2H). 8.14(d, J = 8.1 Hz 1H), 8.49(dd, J = 8.1, 1.5 Hz, 1H), 9.29(d, J = 1.5 Hz, 1H)。13C nmr; δ 153.0, 149.7, 146.3, 133.1, 132.8, 131.4, 130.4, 129.0, 128.5, 124.4, 118.6, 117.4, 113.2, 111.8, 110.0。C17Oの計算値:C、75.26;H、3.34;N、15.49。実測値C、75.02;H、3.35;N、15.39。
【0092】
N−ヒドロキシ−5−{5−[4−(N−ヒドロキシカルバミミドイル)−フェニル]−フラン−2−イル}−ピリジン−2−カルボキシアミジン(17)。スキーム3の続きで、4に関する記載と同じ手順を使用して、16から出発した。収率93%;mp 276−279℃。1H nmr(DMSO-d6); δ 5.85(s, 4H), 7.20(d, J = 3.3 Hz, 1H), 7.31(d, J = 3.3 Hz, 1H), 7.77(d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.88(d, J = 8.4 Hz, 2H). 7.92(d, J = 8.4 Hz, 1H), 8.21(dd, J = 8.4, 1.8 Hz, 1H), 9.04(d, J = 1.8 Hz, 1H), 9.72(s, 1H), 10.0(s, 1H)。13C nmr; δ 153.3, 150.3, 149.9, 149.2, 148.4, 143.4, 132.5, 130.9, 130.0, 126.0, 125.8, 123.3, 119.4, 110.3, 108.9. MS(m/z, rel.int.); 337(M+, 40), 322(25), 288(100), 272(95), 246(25)。高分解能質量の計算値C1715:337.11749。観察値337.11544。
【0093】
(17)の塩。Mp 257−260℃。C1715−2HCl−0.9HOの計算値:C、47.87;H、4.44;N、16.42。実測値C、47.99;H、4.27;N、16.10。
【0094】
N−メトキシ−5−{5−[4−(N−メトキシカルバミミドイル)−フェニル]−フラン−2−イル}−ピリジン−2−カルボキシアミジン(18)。スキーム3の続きで、5に関する記載と同じ手順を使用して、17から出発した。収率50%;mp 142−143℃。1H nmr(DMSO-d6); δ 3.78(s, 3H), 3.82(s, 3H), 6.11(s, 4H), 7.20(s, 1H), 7.33(s, 1H), 7.77(d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.87(d, J = 8.4 Hz, 2H). 7.92(d, J = 8.1Hz, 1H), 8.22(dd, J = 8.1, 2.1 Hz, 1H), 9.03(d, J = 2.1Hz, 1H)。13C nmr; δ 153.3, 150.5, 149.9, 149.0, 147.4, 143.5, 131.6, 131.0, 130.3, 126.3, 126.2, 123.3, 119.8, 110.6, 109.1, 61.1, 60.6。
【0095】
(18)の塩。Mp 235−237℃。C1919−2HClの計算値:C、52.06;H、4.82;N、15.97、Cl、16.17。実測値C、51.91;H、4.82;N、16.08;Cl、15.91。
【0096】
N−アセトキシ−5−{5−[4−(N−アセトキシカルバミミドイル)−フェニル]−フラン−2−イル}−ピリジン−2−カルボキシアミジン(19)。スキーム3の続きで、6に関する記載と同じ手順を使用して、17から出発した。収率89%、mp 267−270℃。1H nmr(DMSO-d6); δ 2.17(s, 3H), 2.19(s, 3H), 6.88(s, 2H), 6.95(s, 2H), 7.31(d, J = 3.3 Hz, 1H), 7.43(d, J = 3.3 Hz, 1H), 7.82(d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.95(d, J = 8.4 Hz, 2H). 8.01(d, J = 8.7 Hz, 1H), 8.33(dd, J = 8.7, 2.1 Hz, 1H), 9.13(d, J = 2.1 Hz, 1H)。13C nmr; δ 168.4, 168.2, 155.9, 153.8, 153.3, 149.9, 146.6, 143.9, 131.3, 130.7, 128.2, 127.3, 123.5, 121.0, 111.2, 109.7, 19.9, 19.8。C2119の計算値:C、59.85;H、4.54。実測値C、59.62;H、4.47。
【0097】
5−[5−(4−カルバミミドイル−フェニル)−フラン−2−イル]−ピリジン−2−カルボキシアミジン酢酸塩(20):スキーム3の続きで、19(380mg、0.90mmol)の氷酢酸(13mL)およびエタノール(25mL)の溶液に、10%パラジウム/炭素(120mg)を添加した。混合物をParr水素化装置に50psiで4h、室温で入れた。混合物をHYFLO(登録商標)マトリックスを通して濾過し(Word Minerals Corporation of Santa Barbara, California, United States of Americaから入手可能)、フィルターパッドを水で洗浄した。濾液を減圧下蒸発し、沈殿を回収し、エーテルで洗浄して20を68%収率で得た、mp 266−268℃dec1H nmr(DMSO-d6); δ 1.80(s, 9H), 7.41(d, J = 3.6 Hz, 1H), 7.51(d, J = 3.6Hz, 1H), 7.94(d, J = 8.7 Hz, 2H), 8.12(d, J = 8.7 Hz, 2H), 8.28(d, J = 8.4 Hz, 1H), 8.51(d, J = 8.4 Hz, 1H), 9.28(s, 1H)。C1715O−3CHCOH−2.1HOの計算値:C、52.78;H、6.00;N、13.38。実測値C、52.43;H、5.62;N、13.75。
【0098】
2,5−ビス(5−シアノ−2−ピリジル)フラン(21)。次に、スキーム4に関して、6−クロロニコチノニトリル(1.38g、10mmol)、2,5−ビス(トリ−n−ブチルスタニル)フラン(3.2g、5mmol)およびテトラキス(トリフェニル−ホスフィン)パラジウム(0)(125mg)の乾燥1,4−ジオキサン(40mL)中の混合物を、窒素下、還流温度(100−110℃)で24h還流した。溶媒を減圧下蒸発し、残渣を塩化メチレンに溶解し、溶液をCELITE(登録商標)マトリックス(Word Minerals Corporation of Santa Barbara, California, United States of Americaから入手可能)を通し、Pdを除去した。溶液を蒸発し、濾過し、沈殿をヘキサンで洗浄して21を85%収率で得た、mp 311−312℃(DMF)。1H nmr(DMSO-d6); δ 7.55(s, 2H), 8.20(d, J = 8.4 Hz, 2H), 8.44(dd, J = 8.4, 2.1 Hz, 2H). 9.06(d, J = 2.1 Hz, 2H)。13C nmr; δ 153.5, 152.8, 150.0, 141.0, 118.8, 117.1, 114.8, 107.3。C16Oの計算値:C、70.58;H、2.96;N、20.57。実測値C、70.35;H、3.04;N、20.35。
【0099】
2,5−ビス[5−(N−ヒドロキシカルバミミドイル)−2−ピリジル)フラン(22)。スキーム4の続きで、4に関する記載と同じ手順を使用して、21から出発した。収率96%、mp 272−274℃dec1H nmr(DMSO-d6); δ 6.00(s, 4H), 7.31(s, 2H), 7.96(d, J = 8.4 Hz, 2H), 8.13(dd, J = 8.4, 2.1 Hz, 2H). 8.91(d, J = 2.1 Hz, 2H), 9.88(s, 2H)。13C nmr; δ 153.5, 148.7, 147.9, 146.7, 133.6, 127.6, 118.0, 111.7. MS(m/z, rel.int.); 338(M+, 40), 306(45), 289(100), 246(10), 219(15), 141(45), 103(88)。高分解能質量の計算値C1614:338.11274。観察値338.11255.MA−199塩(22、DB 840)。Mp 283−285℃dec。C1614−3.65HCl−1HOの計算値:C、39.27;H、4.04;N,17.17;Cl、26.44。実測値C、39.67;H、4.04;N,16.89;Cl、26.46。
【0100】
2,5−ビス[5−(N−アセトキシカルバミミドイル)−2−ピリジル)フラン(23)。スキーム4の続きで、6に関する記載と同じ手順を使用して、22から出発した。収率94%、mp 299−300℃。1H nmr(DMSO-d6); δ 2.18(s, 6H), 6.95(s, 4H), 7.38(s, 2H), 8.03(d, J = 8.4 Hz, 2H), 8.19(dd, J = 8.4, 2.1 Hz, 2H), 8.92(d, J = 2.1 Hz, 2H)。13C nmr; δ 168.2, 154.2, 153.5, 149.1, 147.7, 135.2, 126.0, 118.1, 112.4, 19.6。C2018の計算値:C、56.86;H、4.29。実測値C、56.45;H、4.25。
【0101】
2,5−ビス[5−アミジン−2−ピリジル)フラン(24)。スキーム4に続いて、7について記載と同じ手順を使用して、23から出発して製造した24.AcOH塩(230mg)を、水(10mL)に溶解し、1N NaOHで中和して遊離アミジン24を得た。沈殿を濾過し、乾燥して24(108mg)の遊離アミジンを得た、mp 239−241℃。MS(m/z, rel.int.); 307(M++1, 90), 247(25), 237(100)。
【0102】
HCl塩(24):mp 316−317℃。1H nmr(DMSO-d6); δ 7.56(s, 2H), 8.22(d, J = 8.7 Hz, 2H), 8.33(dd, J = 8.7 Hz, J = 2.1 Hz, 2H). 8.96(d, J = 2.1 Hz, 2H)。13C nmr; δ 165.3, 154.4, 152.7, 149.8, 139.1, 124.6, 121.1, 116.3。C1614O−3.3HCl−2.2HOの計算値:C、41.23;H、4.69;N,18.00;Cl、25.02。実測値C、41.61;H、4.64;N,17.62;Cl、24.89。
【0103】
6−クロロ−N−ヒドロキシ−ニコチンアミジン(25)。次に、スキーム5に関して、4に関する記載と同じ手順を使用して、6−クロロニコチノニトリルから出発した。収率93%、mp 185−186℃(EtOAc)。1H nmr(DMSO-d6); δ 6.05(s, 2H), 7.54(d, J = 8.4 Hz, 1H), 8.07(dd, J = 8.4, 2.4 Hz, 1H). 8.67(d, J = 2.4 Hz, 1H), 9.95(s, 1H)。13C nmr; δ 150.2, 147.9, 146.6, 136.3, 128.5, 123.7。
【0104】
6−クロロ−N−メトキシ−ニコチンアミジン(26)。スキーム5の続きで、5に関する記載と同じ手順を使用して、25から出発した。収率70%、mp 105−105.5℃(ヘキサン)。1H nmr(DMSO-d6); δ 3.79(s, 3H), 6.32(s, 2H), 7.55(d, J = 8.4 Hz, 1H), 8.06(dd, J = 8.4 Hz, J = 2.4 Hz, 1H). 8.65(d, J = 2.4 Hz, 1H)。13C nmr; δ 150.6, 148.1, 146.9, 136.7, 127.7, 123.8, 60.7。CClNOの計算値:C、45.29;H、4.34;N、22.63。実測値C、45.56;H、4.32;N、22.47。
【0105】
2,5−ビス[5−(N−メトキシカルバミミドイル)−2−ピリジル)フラン(27)。スキーム5の続きで、26(6、mmol)、2,5−ビス(トリ−n−ブチルスタニル)フラン(3mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(0)(150mg)の乾燥1,4−ジオキサン(20mL)中の混合物を、窒素下、還流温度(100−110℃)で24h還流した。溶媒を減圧下蒸発し、塩化メチレンに溶解し、溶液をセライトを通してPdを除去した。溶液を蒸発し、固体を濾過し、ヘキサンで洗浄して27 (SiO、ヘキサン/EtOAc、1:1) を、収率35%で得た、mp 228−230℃。1H nmr(DMSO-d6); δ 3.80(s, 6H), 6.31(s, 4H), 7.34(s, 2H), 7.98(d, J = 8.4 Hz, 2H), 8.13(dd, J = 8.4, 2.4 Hz, 2H). 8.88(d, J = 2.4 Hz, 2H)。13C nmr; δ 153.5, 148.9, 148.3, 147.0, 134.1, 126.8, 118.1, 112.0, 60.7. MS(m/z, rel.int.); 366(M+, 100), 335(25), 319(30), 288(40)。高分解能質量の計算値C1818:366.14404。観察値:366.14012。
【0106】
塩(27)。Mp 201−202℃dec。C1818−3.25HCl−3HO−0.1COHの計算値:C、40.21;H、5.16;N、15.46;Cl、21.19。実測値C、40.18;H、5.01;N、15.08;Cl、20.99。
【0107】
6−[5−(4−シアノ−2−メチル−フェニル)−フラン−2−イル]−ニコチノニトリル(28)。スキーム6に関して、1(680mg、4mmol)、4−ブロモ−3−メチルベンゾニトリル(784mg、4mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(0)(228mg)および酢酸カリウム(981.5mg、10mmol)の乾燥DMF(15mL)中の混合物を窒素下、120℃で16h加熱した。反応混合物を次いで冷水に注いだ。形成した沈殿を集め、塩化メチレンに溶解し、溶液をセライトを通してPdを除去した。溶液を蒸発し、固体を濾過し、精製(SiO、ヘキサン/EtOAc、1:1)して28を収率40%で得た、mp 233−234℃。1H nmr(DMSO-d6); δ 2.61(s, 3H), 7.25(d, J = 3.6 Hz, 1H), 7.51(d, J = 3.6 Hz, 1H), 7.77(d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.82(s, 1H). 8.03-8.07(m, 2H), 8.36(dd, J = 8.1, 2.1 Hz, 1H), 9.02(d, J = 2.1 Hz, 1H)。13C nmr; δ 153.2, 152.7, 151.9, 150.2, 140.8, 135.6, 134.8, 132.5, 129.8, 127.3, 118.3, 117.0, 114.4, 110.2, 106.8, 21.2。
【0108】
N−ヒドロキシ−6−{5−[4−(N−ヒドロキシカルバミミドイル)−2−メチル−フェニル]−フラン−2−イル}−ニコチンアミジン(29)。スキーム6の続きで、4に関する記載と同じ手順を使用して、28から出発した。収率98%;mp 196−198℃。1H nmr(DMSO-d6); δ 2.60(s, 3H), 5.84(s, 2H), 6.04(s, 2H), 7.01(d, J = 3.6 Hz, 1H), 7.30(d, J = 3.6 Hz, 1H), 7.63(d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.66(s, 1H). 7.85-7.89(m, 2H), 8.11(dd, J = 8.4, 2.1 Hz, 1H), 8.88(d, J = 2.1 Hz, 1H), 9.70(s, 1H), 9.92(s, 1H)。
【0109】
N−アセトキシ−6−{5−[4−(N−アセトキシカルバミミドイル)−2−メチル−フェニル]−フラン−2−イル}−ニコチンアミジン(30)。スキーム6の続きで、6に関する記載と同じ手順を使用して、29から出発した。収率95%、mp 203−205℃。1H nmr(DMSO-d6); δ 2.15(s, 3H), 2.16(s, 3H), 2.61(s, 3H), 6.86(s, 2H), 7.04(s, 2H), 7.10(d, J = 3.6 Hz, 1H), 7.39(d, J = 3.6 Hz, 1H), 7.67(d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.71(s, 1H). 7.94-7.98(m, 2H), 8.17(dd, J = 8.4, 2.1 Hz, 1H), 8.91(d, J = 2.1 Hz, 1H)。
【0110】
6−[5−(4−カルバミミドイル−2−メチル−フェニル)−フラン−2−イル]−ニコチンアミジン酢酸塩(31)。スキーム6の続きで、7に関する記載と同じ手順を使用して、30から出発した。収率66%、mp 226−229℃dec1H NMR(DMSO-d6); δ 1.80(s, 6H), 2.63(s, 3H), 7.20(d, J = 3.6 Hz, 1H), 7.43(d, J = 3.6 Hz, 1H), 7.69(d, 8.1 Hz, 1H), 7.79(s, 1H), 8.04(m, 2H), 8.27(d, J = 8.1 Hz, 1H), 8.98(s, 1H)。C1817O−2.0CHCOH−2.6HO−0.25EtOHの計算値:C、54.28;H、6.41;N、14.06。実測値C、54.33;H、6.33;N、13.77。
【0111】
6−(5−スチリル−フラン−2−イル)−ニコチノニトリル(32)。次に、スキーム7に関して、3に関する記載と同じ手順を使用して、trans−2−フェニルビニルボロン酸をp−シアノフェニルボロン酸の代わりに使用した。収率69%、mp 154−155℃。1H nmr(DMSO-d6); d 6.79(d, J = 3.6 Hz, 1H), 7.18-7.62(m, 8H), 8.01(d, J = 8.4 Hz, 1H), 8.34(dd, J = 8.4 Hz, 2.1 Hz, 1H), 8.98(d, J = 2.1 Hz, 1H)。13C nmr; d 155.4, 152.8, 151.0, 150.4, 140.7, 136.2, 129.3, 128.8, 128.2, 126.6, 118.0, 117.3, 115.9, 114.9, 112.3, 106.2。C1812Oの計算値:C、79.39;H、4.44;N、10.28。実測値C、79.12;H、4.58;N、10.42。
【0112】
N−ヒドロキシ−6−(5−スチリル−フラン−2−イル)−ニコチンアミジン(33)。スキーム7の続きで、4に関する記載と同じ手順を使用して、32から出発した。収率94%、mp 230−231℃。1H nmr(DMSO-d6); d 6.02(s, 2H), 6.73(d, J = 3.6 Hz, 1H), 7.20-7.61(m, 8H), 7.86(d, J = 8.4 Hz, 1H), 8.09(dd, J = 8.4 Hz, 2.1 Hz, 1H), 8.87(d, J = 2.1 Hz, 1H), 9.90(s, 1H)。13C nmr; d 153.8, 152.3, 148.7, 148.1, 146.7, 136.4, 133.5, 128.8, 127.9, 127.8, 127.2, 126.5, 117.7, 116.2, 112.0, 111.6。
【0113】
HCl塩(33)。mp 224−226℃dec。C1815−2HCl−0.5HOの計算値:C、55.82;H、4.68;N、10.85。実測値C、55.88;H、4.70;N、10.72。
【0114】
6−[5−(4−シアノベンジル)フラン−2−イル]ニコチノニトリル(35)。スキーム7の続きで、2(996mg、4mmol)のテトラヒドロフラン(25mL)溶液に、パラジウムテトラキス(トリフェニル−ホスフィン)(228mg)およびp−シアノベンジル亜鉛ブロミド(12mL、THF中0.5M、6mmol)を添加した。反応混合物を24h、室温で撹拌した。混合物をジクロロメタンで希釈し、飽和NHClで洗浄し、有機層を無水NaSOで乾燥した。濾過し、濃縮後、残渣をクロマトグラフィー(SiO)、ヘキサン(100−40%)/EtOAc(0−60%)で精製し35を48%収率で得た、mp 204−206℃。1H nmr(DMSO-d6); d 4.23(s, 2H), 6.46(d, J = 3.3 Hz, 1H), 7.27(d, J = 3.3 Hz, 1H), 7.51(d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.77(d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.79(d, J = 8.4 Hz, 1H), 8.25(dd, J = 8.4 Hz, 1.8 Hz, 1H), 8.92(d, J = 1.8 Hz, 1H)。13C nmr; d156.3, 152.6, 150.9, 150.6, 143.2, 140.5, 132.4, 129.6, 118.6, 117.5, 117.1, 113.5, 110.3, 109.5, 106.0, 33.5。
【0115】
N−ヒドロキシ−6−{5−[4−(N−ヒドロキシカルバミミドイル)ベンジル]−フラン−2−イル}−ニコチンアミジン(36)。スキーム7の続きで、4に関する記載と同じ手順を使用して、35から出発した。収率85%、mp 214−216℃。1H nmr(DMSO-d6); d 4.08(s, 2H), 5.76(s, 2H), 5.96(s, 2H), 6.33(d, J = 3.3 Hz, 1H), 7.05(d, J = 3.3 Hz, 1H), 7.29(d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.62(d, J = 8.4 Hz, 3H), 8.02(dd, J = 8.4 Hz, 2.1 Hz, 1H), 8.79(d, J = 2.1 Hz, 1H), 9.57(s, 1H), 9.84(s, 1H)。13C nmr; d 155.7, 151.8, 150.6, 148.7, 148.4, 146.5, 138.5, 133.6, 131.7, 128.3, 126.9, 125.6, 117.1, 110.3, 109.3, 33.5。
【0116】
N−アセトキシ−6−{5−[4−(N−アセトキシカルバミミドイル)ベンジル]−フラン−2−イル}−ニコチンアミジン(37)。6に関する記載と同じ手順を使用して、36から出発した。収率98%、mp 194−196℃。1H nmr(DMSO-d6); d 2.15(s, 3H), 2.17(s, 3H), 4.17(s, 2H), 6.37(d, J = 3.3 Hz, 1H), 6.71(s, 2H), 6.92(s, 2H), 7.13(d, J = 3.3 Hz, 1H), 7.39(d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.66-7.70(m, 3H), 8.09(dd, J = 8.4, 2.1 Hz, 1H), 8.83(d, J = 2.1 Hz, 1H)。13C nmr; d 168.3, 156.2, 156.0, 154.3, 151.6, 149.7, 147.6, 140.1, 135.2, 129.9, 128.5, 126.9, 125.2, 117.2, 111.1, 109.5, 19.8。
【0117】
6−[5−(4−カルバミミドイルベンジル)−フラン−2−イル]−ニコチンアミジン酢酸塩(38)。37(170mg、mmol)の氷酢酸(8mL)およびエタノール(10mL)の溶液に、10%パラジウム/炭素(70mg)を添加した。混合物をParr水素化装置に50psiで4h、室温で入れた。混合物をHYFLOを通して濾取した。濾液を減圧下蒸発し、沈殿を回収し、エーテルで洗浄して38を60%収率で得た、mp 213−216℃dec1H nmr(DMSO-d6); δ 1.78(s, 6H), 6.43(d, J = 3.3 Hz, 1H), 7.23(d, J = 3.3 Hz, 1H), 7.43(d, J = 7.8 Hz, 2H), 7.49-7.73(m, 3H), 8.17(d, J = 7.8 Hz, 1H), 8.89(s, 1H)。C1817O−2AcOH−3HO−0.35EtOHの計算値:C、53.50;H、6.54;N、13.74。実測値C、53.57;H、6.51;N、13.37。
【0118】
実施例8
表1は、実施例1−7の化合物の強力なインビトロデータを示す。二つの化合物(7、20)は、トリパノソーマ・ブルセイ・ローデシエンス(T.b.r.)に対して、10ng/mlより低いIC−50値を示す。4つの化合物(7、4、5、27)は、プラスモジウム・ファルシプラム(p.f.)に対して10ng/mlより低いIC−50値を示す。L−6細胞に関する細胞毒性も試験した。化合物7およびそのプロドラッグ5は、T.b.r.の毒性STIB900株を、マウスモデルで治癒した。180日登録した実験で、プロドラッグ5は、120日までに、CNSモデルで、無寄生マウスをつくった。このように、化合物5はアフリカトリパノソーマ症の第2期の経口処置として用いることができる。
【0119】
表1−インビトロ抗原生動物データ

【表1】

a)Y−Z環のアミジンがメタ;)Y−Z環のアミドキシムがメタ。
【0120】
本発明の種々の詳細が本発明の範囲から逸脱することなくなし得ることは理解されるべきである。さらに、前記の記載は説明の目的のためだけであり、限定の目的ではない−本発明は添付の特許請求の範囲により定義される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

〔式中:
XはO、SおよびNR17からなる群から選択され、ここで、R17は水素または低級アルキルであり;
、C、AおよびYはCH、N、NR17、OまたはSであり、ここで、CおよびCは同一または異なり;
、D、BおよびZは、CH、NまたはNR17であり、ここで、DおよびDは同一または異なるが、ただし、A、YまたはAとYの両方がO、SまたはNR17であるならば、B、Z、またはBとZの両方は存在せず;
13、R14、R15、R16、RおよびRは、H、低級アルキル、ハロゲン、アルコキシル、アリールオキシル、アラルコキシおよびヒドロキシルからなる群から選択され;
およびRは、H、ヒドロキシ、低級アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、アルコキシル、ヒドロキシシクロアルキル、アルコキシシクロアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アシルオキシ、アセトキシおよびアルキルアミノアルキルからなる群から各々独立して選択され;そしてR、R、RおよびRは、H、低級アルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキルおよびアルキルアミノアルキルからなる群から各々独立して選択されるか、またはRとRは一緒に、またはRとRは一緒にC−C10アルキル、ヒドロキシアルキルまたはアルキレンを意味するか、またはRとRは一緒に、またはRとRは一緒に:
【化2】

(式中、nは1から3の数であり、そしてRはHまたは−CONHR10NR1112であり、ここで、R10は低級アルキルであり、そしてR11およびR12は、Hおよび低級アルキルからなる群から各々独立して選択される)
である。〕
の化合物。
【請求項2】
式中、AおよびBが異なって、NまたはCHであり;YおよびZがCHであり;XがOまたはSであり;R、R、RおよびRが互いにHであり;そしてR、R、RおよびRが、H、OH、メチル、メトキシおよびアセトキシからなる群から選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
式中、AおよびBがCHであり;XがOであり;YがOであり;R、R、RおよびRが互いにHであり;そしてR、R、RおよびRが、H、OH、メチル、メトキシおよびアセトキシからなる群から選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項4】
さらに薬学的に許容される担体を含む、請求項1記載の化合物。
【請求項5】
必要とする対象における微生物感染の処置法であり、対象に、式(I):
【化3】

〔式中:
Xは、O、SおよびNR17からなる群から選択され、ここで、R17は水素または低級アルキルであり;
、C、AおよびYはCH、N、NR17、O、またはSであり、ここで、CおよびCは同一または異なり;
、D、BおよびZはCH、N、またはNR17であり、ここで、DおよびDは同一または異なるが、ただし、A、Y、またはAとYの両方がO、S、またはNR17であるならば、B、Z、またはBとZの両方は存在せず;
13、R14、R15、R16、RおよびRは、H、低級アルキル、ハロゲン、アルコキシル、アリールオキシル、アラルコキシおよびヒドロキシルからなる群から選択され;
およびRは、H、ヒドロキシ、低級アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、アルコキシル、ヒドロキシシクロアルキル、アルコキシシクロアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アシルオキシ、アセトキシおよびアルキルアミノアルキルからなる群から各々独立して選択され;そしてR、R、RおよびRは、H、低級アルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキルおよびアルキルアミノアルキルからなる群から各々独立して選択されるか、またはRとRは一緒に、またはRとRは一緒に、C−C10アルキル、ヒドロキシアルキル、またはアルキレンを意味するか、またはRとRは一緒に、またはRとRは一緒に:
【化4】

(式中、nは1から3の数であり、そしてRはHまたは−CONHR10NR1112であり、ここで、R10は低級アルキルであり、そしてR11およびR12は、Hおよび低級アルキルからなる群から各々独立して選択される)
である。〕
の有効量を投与することを含む、方法。
【請求項6】
式中、AおよびBが異なって、NまたはCHであり;YおよびZがCHであり;XがOまたはSであり;R、R、RおよびRは互いにHであり;そしてR、R、RおよびRが、H、OH、メチル、メトキシおよびアセトキシからなる群から選択される、請求項5記載の方法。
【請求項7】
式中、AおよびBがCHであり;XがOであり;YがOであり;R、R、RおよびRが各々Hであり;そしてR、R、RおよびRが、H、OH、メチル、メトキシおよびアセトキシからなる群から選択される、請求項5記載の方法。
【請求項8】
微生物感染が、トリパノソーマ・ブルセイ・ローデシエンス(Trypanosoma brucei rhodesiense)感染またはプラスモジウム・ファルシプラム(Plasmodium falciparum)感染である、請求項5記載の方法。
【請求項9】
(a)式(I):
【化5】

〔式中:
Xは、O、SおよびNR17からなる群から選択され、ここで、R17は水素または低級アルキルであり;
、C、AおよびYはCH、N、NR17、O、またはSであり、ここで、CおよびCは同一または異なり;
、D、BおよびZはCH、N、またはNR17であり、ここで、DおよびDは同一または異なるが、ただし、A、Y、またはAとYの両方がO、S、またはNR17であるならば、B、Z、またはBとZの両方は存在せず;
13、R14、R15、R16、RおよびRは、H、低級アルキル、ハロゲン、アルコキシル、アリールオキシル、アラルコキシおよびヒドロキシルからなる群から選択され;
およびRは、H、ヒドロキシ、低級アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、アルコキシル、ヒドロキシシクロアルキル、アルコキシシクロアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アシルオキシ、アセトキシおよびアルキルアミノアルキルからなる群から各々独立して選択され;そしてR、R、RおよびRは、H、低級アルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキルおよびアルキルアミノアルキルからなる群から各々独立して選択されるか、またはRとRは一緒に、またはRとRは一緒に、C−C10アルキル、ヒドロキシアルキル、またはアルキレンを意味するか、またはRとRは一緒に、またはRとRは一緒に:
【化6】

(式中、nは1から3の数であり、そしてRはHまたは−CONHR10NR1112であり、ここで、R10は低級アルキルであり、そしてR11およびR12は、Hおよび低級アルキルからなる群から各々独立して選択される)
である。〕
の化合物;および
(b)薬学的に許容される担体
を含む、医薬製剤。
【請求項10】
式中、AおよびBが異なって、NまたはCHであり;YおよびZがCHであり;XがOまたはSであり;R、R、RおよびRが各々Hであり;そしてR、R、RおよびRが、H、OH、メチル、メトキシおよびアセトキシからなる群から選択される、請求項9記載の医薬製剤。
【請求項11】
式中、AおよびBがCHであり;XがOであり;YがOであり;R、R、RおよびRは各々Hであり;そしてR、R、RおよびRが、H、OH、メチル、メトキシおよびアセトキシからなる群から選択される、請求項9記載の医薬製剤。

【公表番号】特表2006−508164(P2006−508164A)
【公表日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−557293(P2004−557293)
【出願日】平成15年11月25日(2003.11.25)
【国際出願番号】PCT/US2003/037691
【国際公開番号】WO2004/050018
【国際公開日】平成16年6月17日(2004.6.17)
【出願人】(500459410)ユニバーシティ オブ ノース カロライナ アット チャペル ヒル (16)
【出願人】(503164982)ジョージア・ステイト・ユニバーシティ・リサーチ・ファウンデーション・インコーポレイテッド (11)
【氏名又は名称原語表記】GEORGIA STATE UNIVERSITY RESEARCH FOUNDATION, INC.
【Fターム(参考)】