説明

抗微生物潤滑性コーティング

【課題】医療用デバイス分野で有用であるのに十分な潤滑性、および薬学的に受容可能な様式で放出され得る抗微生物化合物をそのコーティング内に取り込む能力を有する潤滑性コーティングを提供する。
【解決手段】エタノール、変性アルコール、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるアルコール;イソシアネート末端プレポリマー;イソシアネート末端プレポリマー以外の親水性ポリマー;および少なくとも1つの抗微生物剤、を含む潤滑性組成物組成物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、2006年11月3日に出願された米国特許出願第11/592,859号の一部継続出願であり、この米国特許出願第11/592,859号は、2003年10月23日に出願され今や米国特許第7,141,246号である米国特許出願第10/691,853号の継続出願であり、この米国特許出願第10/691,853号は、2000年12月18日に出願され今や米国特許第6,645,483号である米国出願第09/739,577号の一部継続出願であり、この米国出願第09/739,577号は、1998年10月7日に出願され今や放棄された米国出願第09/168,031号の一部継続出願である。前述の出願および特許の各々の全体の開示は、本明細書中に参考として援用される。
【0002】
(背景)
(技術分野)
本開示は、医療用デバイスのための潤滑性コーティングに、そしてより詳細には、医療用デバイスが湿ったときよく滑るようになることを支援する親水性ポリマーコーティングに関する。本開示の潤滑性コーティングは、カテーテル、動脈静脈シャント、胃腸用栄養チューブ、気管内チューブ、泌尿器科カテーテル、創傷ケアデバイス、およびその他の医療用インプラントまたはポリマー基体の摩擦係数を低減するために採用され得る。本開示のコーティングはまた、薬学的に受容可能な様式で放出され得る抗微生物剤のようなさらなる化合物を取り込み得る。主題の潤滑性コーティングの製造のための、そして医療用デバイスの表面へのその適用のための方法もまた提供される。
【背景技術】
【0003】
(関連技術の背景)
医療用デバイスの表面に塗布される公知の潤滑性コーティングは、ポリビニルピロリドン、ポリウレタン、アクリルポリエステル、ビニル樹脂、フルオロカーボン、シリコーンゴム、およびこれら物質の組合せを含む。例えば、Micklusらの特許文献1および特許文献2は、ポリイソシアネートを用いて形成されたポリビニルピロリドン−ポリウレタンのインターポリマーの親水性コーティングに関する。Ratnerらの特許文献3は、放射線を用いるポリマー基体への潤滑のためのヒドロゲルのグラフト化の方法に関する。Hungtonらの特許文献4は、潤滑剤としての使用のための親水性ポリウレタンポリマーに関する。Storeyらの特許文献5は、潤滑性ヒドロゲルコーティングを有する腱補綴具に関する。多くの公知の潤滑性コーティングは、医療分野で用いられるとき、種々の欠点が往々にしてある。このような公知の潤滑剤の欠点は、不十分に低い摩擦の係数、シリコーンまたはフルオロカーボンを基礎にしたコーティングの特徴であり得る耐久性の欠如、乾燥および湿潤時の滑りやすさであり、それ故取り扱いを困難にすること、その製造における危険な溶媒の利用およびその製造における不安定な反応性材料の利用を含み得る。不安定な反応性材料から医療使用のために生成された潤滑剤は、しばしば、コーティング溶液が、有用であるために毎日またはより頻繁に調製され得ることが要求され、そしてそれ故に廃棄物および費用が増大する。危険な溶媒を含む医療使用のために生成される潤滑剤は、患者毒性懸念およびOSHA問題に起因して所望されない。また、外来デバイスを、感染およびまたは血栓形成反応を受けやすい身体の種々の領域中に導入するために、提供される潤滑性コーティングは、抗微生物化合物および抗血栓形成化合物のための薬学的に受容可能なキャリアを提供できていない。
【特許文献1】米国特許第4,100,309号明細書
【特許文献2】米国特許第4,119,094号明細書
【特許文献3】米国特許第3,939,049号明細書
【特許文献4】米国特許第3,975,350号明細書
【特許文献5】米国特許第3,987,497号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
それらの全体の開示が本明細書によって本明細書中に援用されている上記で引用された特許の潤滑剤のような、公知の潤滑剤のこれらおよびその他の潜在的な欠点を解決するために、湿ったときに、医療用インプラントのためのような、医療用デバイス分野で有用であるのに十分な潤滑性、および薬学的に受容可能な様式で放出され得る抗微生物化合物をそのコーティング内に取り込む能力を有する潤滑性コーティングが必要である。この潤滑性コーティングは、広範な種々の基体に接着でき、ならびに湿潤磨耗に対する抵抗がなければならない。化学的に安定および生体適合性溶媒から調製されるような潤滑性コーティングを有することがまた所望される。さらに、健康に危険でない成分からのようなコーティングを調製することが有利である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(要旨)
本開示は、医療用デバイスのための潤滑性抗微生物コーティングを提供する。実施形態では、本開示の潤滑性組成物は、エタノール、変性アルコール、およびそれらの組み合わせのようなアルコール、イソシアネート末端プレポリマー、イソシアネート末端プレポリマー以外の親水性ポリマー、ならびに少なくとも1つの抗微生物剤を含み得る。イソシアネート末端プレポリマーとしては、ポリオキシエチレンを基礎にしたイソシアネートプレポリマー、トルエンジイソシアネートを基礎にしたプレポリマー、イソホロンジイソシアネートを基礎にしたプレポリマー、ヘキサメチレンイソシアネート末端ポリエーテルプレポリマー、およびそれらの組み合わせが挙げられ得る。イソシアネート末端プレポリマー以外の親水性ポリマーとしては、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレンオキシド、およびそれらの組み合わせが挙げられ得る。適切な抗微生物剤としては、ビグアニド、ビグアニド塩、銀、銀塩、アミノグリコシド、キノロン、ペニシリン、セファロスポリン、およびそれらの組み合わせが挙げられる。実施形態では、上記コーティングは溶液中に置かれ得、そして溶液として塗布され得る。
【0006】
これら組成物を生成する方法もまた、提供される。実施形態では、本開示の組成物を生成するための方法は、エタノール、変性アルコール、およびそれらの組み合わせのような選択されたアルコールを、イソシアネート末端プレポリマー、イソシアネート末端プレポリマー以外の親水性ポリマー、および少なくとも1つの抗微生物剤と接触させる工程、および潤滑剤組成物を回収する工程を包含する。
【0007】
本開示のコーティングを所有する医療用デバイスがまた提供される。実施形態では、本開示の医療用デバイスは、エタノール、変性アルコール、およびそれらの組み合わせのようなアルコール、イソシアネート末端プレポリマー、イソシアネート末端プレポリマー以外の親水性ポリマー、および少なくとも1つの抗微生物剤を含む潤滑性組成物で少なくとも部分的にコーティングされ得る。
【0008】
本開示は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)潤滑性組成物であって:
エタノール、変性アルコール、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるアルコール;
イソシアネート末端プレポリマー;
イソシアネート末端プレポリマー以外の親水性ポリマー;および
少なくとも1つの抗微生物剤、を含む組成物。
(項目2)前記イソシアネート末端プレポリマーが、ポリオキシエチレンを基礎にしたイソシアネートプレポリマー、トルエンジイソシアネートを基礎にしたプレポリマー、イソホロンジイソシアネートを基礎にしたプレポリマー、ヘキサメチレンイソシアネート末端ポリエーテルプレポリマー、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、項目1に記載の組成物。
(項目3)前記親水性ポリマーが、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレンオキシド、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、項目1に記載の組成物。
(項目4)ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、シクロヘキサノン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される溶媒をさらに含む、項目1に記載の組成物。
(項目5)前記抗微生物剤が、ビグアニド、ビグアニド塩、銀、銀塩、アミノグリコシド、キノロン、ペニシリン、セファロスポリン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、項目1に記載の組成物。
(項目6)前記抗微生物剤が、クロルヘキシジン、酢酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジン、硫酸クロルヘキシジン、ヘキサメチレンビグアニド、オリゴ−ヘキサメチルビグアニド、酢酸銀、安息香酸銀、炭酸銀、塩化銀、ヨウ素酸銀、ヨウ化銀、乳酸銀、ラウリン酸銀、硝酸銀、酸化銀、パルミチン酸銀、銀タンパク質、銀スルファジアジン、ポリミキシン、テトラサイクリン、トブラマイシン、ゲンタマイシン、リファムピシアン、バシトラシン、ネオマイシン、クロラムフェニコール、ミコナゾール、トルナフテート、オキソリン酸、ノルフロキサシン、ナリジクス酸、ペフロキサシン、エノキサシン、シプロフロキサシン、アンピシリン、アモキシリン、ピラシル、バンコマイシン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、項目1に記載の組成物。
(項目7)前記抗微生物剤が、ポリヘキサメチレンビグアニド、ポリヘキサメチレンビグアニド塩酸塩、ポリヘキサメチレンビグアニド臭化水素、ポリヘキサメチレンビグアニドホウ酸塩、ポリヘキサメチレンビグアニド酢酸塩、ポリヘキサメチレンビグアニドグルコン酸塩、ポリヘキサメチレンビグアニドスルホン酸塩、ポリヘキサメチレンビグアニドマレイン酸塩、ポリヘキサメチレンビグアニドアスコルビン酸塩、ポリヘキサメチレンビグアニドステアリン酸塩、ポリヘキサメチレンビグアニド酒石酸塩、ポリヘキサメチレンビグアニドクエン酸塩、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、項目1に記載の組成物。
(項目8)潤滑剤組成物を生成する方法であって:
エタノール、変性アルコール、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるアルコールを、イソシアネート末端プレポリマー、イソシアネート末端プレポリマー以外の親水性ポリマー、および少なくとも1つの抗微生物剤と接触させる工程、および
該潤滑剤組成物を回収する工程、を包含する、方法。
(項目9)前記イソシアネート末端プレポリマーが、ポリオキシエチレンを基礎にしたイソシアネートプレポリマー、トルエンジイソシアネートを基礎にしたプレポリマー、イソホロンジイソシアネートを基礎にしたプレポリマー、ヘキサメチレンイソシアネート末端ポリエーテルプレポリマー、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、項目8に記載の方法。
(項目10)前記親水性ポリマーが、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレンオキシド、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、項目8に記載の方法。
(項目11)ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、シクロヘキサノン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される溶媒を添加する工程をさらに包含する、項目8に記載の方法。
(項目12)前記抗微生物剤が、ビグアニド、ビグアニド塩、銀、銀塩、アミノグリコシド、キノロン、ペニシリン、セファロスポリン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、項目8に記載の方法。
(項目13)前記抗微生物剤が、クロルヘキシジン、酢酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジン、硫酸クロルヘキシジン、ヘキサメチレンビグアニド、オリゴ−ヘキサメチルビグアニド、酢酸銀、安息香酸銀、炭酸銀、塩化銀、ヨウ素酸銀、ヨウ化銀、乳酸銀、ラウリン酸銀、硝酸銀、酸化銀、パルミチン酸銀、銀タンパク質、銀スルファジアジン、ポリミキシン、テトラサイクリン、トブラマイシン、ゲンタマイシン、リファムピシアン、バシトラシン、ネオマイシン、クロラムフェニコール、ミコナゾール、トルナフテート、オキソリン酸、ノルフロキサシン、ナリジクス酸、ペフロキサシン、エノキサシン、シプロフロキサシン、アンピシリン、アモキシリン、ピラシル、バンコマイシン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、項目8に記載の方法。
(項目14)前記抗微生物剤が、ポリヘキサメチレンビグアニド、ポリヘキサメチレンビグアニド塩酸塩、ポリヘキサメチレンビグアニド臭化水素、ポリヘキサメチレンビグアニドホウ酸塩、ポリヘキサメチレンビグアニド酢酸塩、ポリヘキサメチレンビグアニドグルコン酸塩、ポリヘキサメチレンビグアニドスルホン酸塩、ポリヘキサメチレンビグアニドマレイン酸塩、ポリヘキサメチレンビグアニドアスコルビン酸塩、ポリヘキサメチレンビグアニドステアリン酸塩、ポリヘキサメチレンビグアニド酒石酸塩、ポリヘキサメチレンビグアニドクエン酸塩、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、項目8に記載の方法。
(項目15)前記潤滑剤組成物を硬化する工程をさらに包含する、項目8に記載の方法。
(項目16)潤滑剤組成物で少なくとも一部分がコーティングされた医療用デバイスであって、該潤滑剤組成物が:
エタノール、変性アルコール、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるアルコール、
イソシアネート末端プレポリマー、
イソシアネート末端レポリマー以外の親水性ポリマー、および
少なくとも1つの抗微生物剤
を含む、医療用デバイス。
(項目17)前記イソシアネート末端プレポリマーが、ポリオキシエチレンを基礎にしたイソシアネートプレポリマー、トルエンジイソシアネートを基礎にしたプレポリマー、イソホロンジイソシアネートを基礎にしたプレポリマー、ヘキサメチレンイソシアネート末端ポリエーテルプレポリマー、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、項目16に記載の医療用デバイス。
(項目18)前記親水性ポリマーが、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレンオキシド、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、項目16に記載の医療用デバイス。
(項目19)前記潤滑性組成物が、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、シクロヘキサノン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される溶媒をさらに含む、項目16に記載の医療用デバイス。
(項目20)前記抗微生物剤が、ビグアニド、ビグアニド塩、銀、銀塩、アミノグリコシド、キノロン、ペニシリン、セファロスポリン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、項目16に記載の医療用デバイス。
(項目21)前記抗微生物剤が、クロルヘキシジン、酢酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジン、硫酸クロルヘキシジン、ヘキサメチレンビグアニド、オリゴ−ヘキサメチルビグアニド、酢酸銀、安息香酸銀、炭酸銀、塩化銀、ヨウ素酸銀、ヨウ化銀、乳酸銀、ラウリン酸銀、硝酸銀、酸化銀、パルミチン酸銀、銀タンパク質、銀スルファジアジン、ポリミキシン、テトラサイクリン、トブラマイシン、ゲンタマイシン、リファムピシアン、バシトラシン、ネオマイシン、クロラムフェニコール、ミコナゾール、トルナフテート、オキソリン酸、ノルフロキサシン、ナリジクス酸、ペフロキサシン、エノキサシン、シプロフロキサシン、アンピシリン、アモキシリン、ピラシル、バンコマイシン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、項目16に記載の医療用デバイス。
(項目22)前記抗微生物剤が、ポリヘキサメチレンビグアニド、ポリヘキサメチレンビグアニド塩酸塩、ポリヘキサメチレンビグアニド臭化水素、ポリヘキサメチレンビグアニドホウ酸塩、ポリヘキサメチレンビグアニド酢酸塩、ポリヘキサメチレンビグアニドグルコン酸塩、ポリヘキサメチレンビグアニドスルホン酸塩、ポリヘキサメチレンビグアニドマレイン酸塩、ポリヘキサメチレンビグアニドアスコルビン酸塩、ポリヘキサメチレンビグアニドステアリン酸塩、ポリヘキサメチレンビグアニド酒石酸塩、ポリヘキサメチレンビグアニドクエン酸塩、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、項目16に記載の医療用デバイス。
(項目23)前記医療用デバイスが、カテーテル、動脈静脈シャント、胃腸用栄養チューブ、気管内チューブ、泌尿器科カテーテル、および創傷用包帯からなる群から選択される、項目16に記載の医療用デバイス。
(摘要)
本開示は、医療用デバイスの湿気へのその曝露に際し、このようなデバイスの摩擦の係数を低減し、およびこれらデバイスに抗微生物性質を与え得る医療用デバイスのための潤滑性抗微生物コーティングビヒクルを提供する。このコーティングビヒクルは、受容可能な薬物動態学的規準内にある放出速度を有する薬理学的添加物の導入を可能にする。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、湿ったときに、医療用インプラントのためのような、医療用デバイス分野で有用であるのに十分な潤滑性、および薬学的に受容可能な様式で放出され得る抗微生物化合物をそのコーティング内に取り込む能力を有する潤滑性コーティングが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(詳細な説明)
本開示の潤滑性コーティングは、留置胸部カテーテルおよびその他の医療用デバイスのような医療用デバイスの摩擦の係数を低下することで特に有用であることが見出された。この主題のコーティングは、アルコール、親水性および潤滑性を増大するポリマー、およびイソシアネート末端プレポリマーを含むブレンドから製造され得る。実施形態では、上記コーティングはまた、抗微生物添加物を含み得る。
【0011】
本開示によれば、上記潤滑性コーティングは、エタノール、変性アルコール、それらの組み合わせなどのようなアルコールを含む。実施形態では、上記アルコールは、無水またはほぼ無水であり得、例えば、約98%〜約100%で水を含まず、実施形態では、約99.5%で水を含まない。上記アルコールは、上記コーティング組成物中で特定のイソシアネート末端プレポリマーのより大きな溶解度を与え得ることが見出された。いくつかの実施形態では、上記アルコールは、当業者の知識の範囲内の他の溶媒と組み合わせて利用され得、これには、制限されないで、ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)、塩化メチレン、シクロヘキサノン、それらの組み合わせなどを含む。
【0012】
実施形態では、変性アルコールが利用され得る。当業者に容易に明らかであるように、変性アルコールは、一般に、メタノール、イソプロパノール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ナフサ、ピリジン、石油スピリット、酢酸エチル、炭化水素溶媒、トルエン、メチルイソブチルケトン、前述の組み合わせなどの添加物の添加により、毒性にされ、またはそうでなければ飲用不能にされたエタノールである。実施形態では、本開示に従って利用され得る適切な変性アルコールとしては、Ricca Chemical Company(Arlington、Texas)から市販され入手可能なものが挙げられる。
【0013】
本開示による潤滑性コーティング組成物を形成することで用いられ得るイソシアネート末端プレポリマーとしては、制限されないで、例えば、Dow Chemical Company(Marietta、GA)によりHYPOL(登録商標)の名の下で販売されるもの、またはChemtura,Inc.により製造される4,4−ジフェニルメタン−ジイソシアネート(MDI)ウレタンプレポリマーである、VIBRATHANE(登録商標)、またはChemtura,Inc.によって製造される、低−フリー(low−free)トルエンジイソシアネート(TDI)である、ADIPRENE(登録商標)のような、トルエンまたはイソホロンジイソシアネートを基礎にしたプレポリマーのようなポリオキシエチレンを基礎にしたイソシアネートが挙げられる。
【0014】
当業者の知識の範囲内のその他のイソシアネート末端プレポリマーを用い得ることが本開示の範囲内であることが企図される。これらのプレポリマーとしては、制限されないで、ポリテトラメチレンエーテルグリコール−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリテトラメチレンエーテルグリコールトルエンジイソシアネート(TDI)、ポリテトラメチレンエーテルグリコールイソホロンジイソシアネート、ポリ(1,4−オキシブレチン)グリコールジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリ(1,4−オキシブチレン)グリコールトルエンジイソシアネート(TDI)、ポリ(1,4−オキシブチレン)グリコールイソホロンジイソシアネート、ポリエチレングリコールジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリエチレングリコールトルエンジイソシアネート(TDI)、ポリエチレングリコールイソホロンジイソシアネート、ポリプロピレングリコールジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリプロピレングリコールトルエンジイソシアネート(TDI)、ポリプロピレングリコールイソホロンジイソシアネート、ポリカプロラクトンジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリカプロラクトントルエンジイソシアネート(TDI)、ポリカプロラクトンイソホロンジイソシアネート、ポリエチレンアジペートジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリエチレンアジペートトルエンジイソシアネート(TDI)、ポリエチレンアジペートイソホロンジイソシアネート、ポリテトラメチレンアジペートジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリテトラメチレンアジペートトルエンジイソシアネート(TDI)、ポリテトラメチレンアジペートイソホロンジイソシアネート、ポリエチレン−プロピレンアジペートジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリエチレン−プロピレンアジペートトルエン、ジイソシアネート(TDI)、またはポリエチレン−プロピレンアジペートイソホロンジイソシアネートポリウレタンが挙げられる。
【0015】
実施形態では、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)末端プレポリマーが用いられ得る。このヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)末端プレポリマーは、作業者安全性における改良を提供する。本開示に従うコーティングで有用であることが見出された適切なHDIプレポリマーとしては、制限されないで、Chemtura,Inc.(Middlebury,CT)からのADIPRENE(登録商標)LFH 749が挙げられる。このプレポリマーは、ポリエーテルのHDIとの反応産物である。このイソシアネート−末端プレポリマーは、実施形態では、ヘキサメチレンイソシアネート末端ポリエーテルプレポリマーであり、約0.1%より少ない遊離のHDIを有し得、これは、HDIへの作業者曝露の管理および制御において有益であり得る。この比較的低い遊離のHDIは、その他の先行技術のイソシアネート末端プレポリマーに付随し得る皮膚毒性を低減する。
【0016】
Dow Chemicalによって製造される芳香族エーテルポリウレタンであるPELLETHANE(登録商標)、またはCardio Tech Internationalによって製造されるHYDROTHANE(登録商標)のようなウレタンが、上記イソシアネート末端プレポリマーに加え、またはそれと同時に用いられ得、本開示の潤滑性コーティングの製造の結合強度を高めることが本開示の範囲内で企図される。当業者の知識の範囲内のその他のウレタンが用いられ得ることが本開示の範囲内で企図される。
【0017】
上記ウレタンは、上記コーティングの結合強度を増大し得、そして放出の速度を制御することを支援し、それによって、上記潤滑性コーティング組成物中の任意の抗微生物添加物またはその他の薬理学的添加物の薬物動態学が、受容可能な薬学的限度内であることを可能にし、そしてそれはまた、抗血栓形成添加物に共有結合し得、全身吸収を防ぐ。異なるウレタンは異なる性質を有し、そして異なる溶媒系を必要とし得るけれども、このポリウレタンの硬度(デュロメーター(durometer))は、コーティングされる医療用デバイスの硬度(デュロメーター)に一致すべきであるか、またはこの医療用デバイスの機能は、損なわれるようになり得る。
【0018】
本開示のコーティングを形成することで利用され得るイソシアネート末端プレポリマー以外の適切な親水性ポリマーとしては、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレンオキシド、それらの誘導体、それらの組み合わせなどが挙げられ、得られるコーティングの親水性および潤滑性を増大する。実施形態では、ポリビニルピロリドン(PVP)が、本開示のコーティング組成物中に含まれ得る。適切なPVPは、約12000〜約400000、実施形態では約50000〜約360000の分子量を有し得、そしてBASF CorporationによるKOLLIDON(登録商標)90Fとして販売されるものを含む。
【0019】
溶媒選択およびブレンド比は、上記潤滑性コーティングおよび添加物に対して適切な溶解度および不活性を提供するのに重要である。例えば、銀塩または抗生物質のような抗微生物添加物は、コーティング溶液内に均一に懸濁され得る。これら添加物は、湿気と接触して放出され、放出の速度およびコーティングの潤滑性性質は、ウレタンとPVPとの比を変えることにより制御される。適切なポリイソシアネートのさらなる例は、本明細書中に援用される、Encyclopedia of Polymer Science and Technology、H.F.Mark、N.G.GaylordおよびN.M.Bikeles(編)(1969)を参照のこと。
【0020】
本開示によれば、上記コーティング中で薬学的に受容可能な薬物動態学性質を有する抗微生物または抗血栓形成薬剤を取り込むことは、上記コーティングの潤滑性性質を妨害しない。
【0021】
本開示内で利用される抗微生物添加物としては、ビグアニド、特に、クロルヘキシジン、および酢酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジン、硫酸クロルヘキシジンを含むその塩、銀、および酢酸銀、安息香酸銀、炭酸銀、塩化銀、ヨウ素酸銀、ヨウ化銀、乳酸銀、ラウリル酸銀、硝酸銀、酸化銀、パルミチン酸銀、銀タンパク質、および銀スルファジアジンを含むその塩、ポリミキシン、テトラサイクリン、アミノグリコシド、例えば、トブラマイシンおよびゲンタマイシン、リファムピシアン、バシトラシン、ネオマイシン、クロラムフェニコール、ミコナゾール、トルナフテート、キノロン、例えば、オキソリン酸、ノルフロキサシン、ナリジクス酸、ペフロキサシン、エノキサシンおよびシプロフロキサシン、ペニシリン、例えば、アンピシリン、アモキシリンおよびピラシル、セファロスポリン、バンコマイシン、および上記の抗微生物剤のいずれかの組み合わせが挙げられる。
【0022】
その他の実施形態では、抗微生物添加物として利用され得る適切なビグアニドとしては、ヘキサメチレンビグアニド、オリゴ−ヘキサメチルビグアニド、および/または水溶性ポリマー、例えば、ポリヘキサメチレンビグアニド(PHMB)、またはその適切な塩が挙げられる。当業者の知識の範囲内の任意のポリマービグアニドが、本明細書中で用いられ得る。ポリマービグアニドは、それらが、少なくとも1つの、実施形態では約2以上の、以下の式に従うビグアニド部分を所有し得る点で特徴付けられる:
−NH−C(=NH)−NH−C(=NH)−NH− (I)
本明細書中で有用なポリマービグアニドは、オリゴ−もしくはポリアルキレンビグアニドまたはその塩またはその混合物を含み得る。適切な塩としては、無機酸または有機酸、例えば、塩酸、臭化水素、ホウ酸、酢酸、グルコン酸、硫酸、マレイン酸、アスコルビン酸、ステアリン酸、酒石酸またはクエン酸との水溶性塩が挙げられる。抗微生物剤として利用され得る特定のポリマービグアニドおよびその塩の例としては、ポリヘキサメチレンビグアニド、ポリヘキサメチレンビグアニド塩酸塩、ポリヘキサメチレンビグアニド臭化水素、ポリヘキサメチレンビグアニドホウ酸塩、ポリヘキサメチレンビグアニド酢酸塩、ポリヘキサメチレンビグアニドグルコン酸塩、ポリヘキサメチレンビグアニドスルホン酸塩、ポリヘキサメチレンビグアニドマレイン酸塩、ポリヘキサメチレンビグアニドアスコルビン酸塩、ポリヘキサメチレンビグアニドステアリン酸塩、ポリヘキサメチレンビグアニド酒石酸塩、ポリヘキサメチレンビグアニドクエン酸塩、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0023】
いくつかの実施形態では、塩酸PHMB、ステアリン酸PHMBなどが利用され得る。C18Cl(C18Cl)の分子式を有するポリヘキサメチレン塩酸ビグアニドが、約1800と約2400との間の分子量を有するポリマー材料であり、そしてArch Chemicals,Inc.(Norwalk、CT)の事業部であるARCH(登録商標)BiocidesからのCOSMOCIL(登録商標)CQとして市販され、そして入手可能である。塩酸PHMBは、広範な範囲の微生物に対して活性であり、それは、非常に低い哺乳動物毒性を有し、そしてそれは化学的に安定である。ポリヘキサメチレン塩酸ビグアニドはまた、Cosmetic Toiletries and Fragrances Association(CTFA)によってポリアミノプロピルビグアニドとも称される。
【0024】
実施形態では、本開示の潤滑性コーティングはまた、抗血栓形成添加物を含み得る。このような抗血栓形成添加物は、当業者の知識の範囲内であり、そして制限されないで、ヘパリンを含む。ヘパリンの改変された形態がその生物学的活性および抗血栓形成性質を確実にするために用いられ得ることが、本開示の範囲内に企図される。ポリウレタン成分が、ヘパリンまたは改変ヘパリン分子をより容易に受容するために改変され得ることがさらに企図される。本開示によれば、ヘパリンのような抗血栓形成添加物は、上記コーティング混合物のポリマー成分および/またはプレポリマー成分中にブレンドされ得る。任意の特定の理論に拘束されることなく、上記ヘパリン分子は、ポリマーまたはプレポリマーマトリックス内に閉じ込められ得ると考えられる。
【0025】
さらに、所望の薬理学的性質を有する植物および草本(ハーブ)由来の有機化合物が、本開示の潤滑性コーティング組成物中に利用され得る。植物および草本の抽出物は、抗微生物活性を所有することが知られ、そしてそれらの使用は、ヒトおよび動物の消費に対して安全であることが示されている。植物化学として知られるこのような植物の抽出物は、それらの抗微生物性質のために利用され得る。グレープフルーツ種子抽出物、茶の木の油、フトモモ科植物の油、それらの組み合わせのようなこれら抽出物のいくつか、およびその他は、潤滑性コーティングビヒクル中に取り込まれ得、そしてそれらの抗微生物性質が、効き目のある様式で周辺組織に放出され得る。
【0026】
本開示のいくつかの例示の実施形態では、当該技術分野内で周知である、顔料、乳化剤、界面活性剤、および色安定化剤が、コーティング処方物に添加される。染料または色素の形態にある顔料は、保存期間の変色または滅菌の影響に起因する変色を低減することを支援する。乳化剤および界面活性剤の添加は、潤滑性コーティングビヒクルおよび表面湿潤度の懸濁物中の安定性を支援する。色安定化剤は、上記抗微生物剤が銀塩であるとき、ときどき添加される。
【0027】
潤滑性コーティング内の薬理学的添加物の放出速度およびこのコーティングの潤滑度は、ウレタンプレポリマー、すなわち、イソシアネート末端プレポリマー、およびPVPのようなポリマーの濃度の調節により、制御され得る。
【0028】
本開示の潤滑性コーティングビヒクルは、一般に、最初、上記溶媒を調製するための混合バットを得ることにより調製され得る。実施形態では、上記アルコール、抗微生物剤、およびPVPは、最初、合わされて均一溶液を形成し得る。アルコールの量は、溶液の約50重量%〜約98重量%、実施形態では、溶液の約85重量%〜約96重量%であり得る。抗微生物剤の量は、溶液の約0.5重量%〜約20重量%、実施形態では、溶液の約1重量%〜約10重量%であり得る。親水性ポリマー、実施形態ではPVPの量は、溶液の約0.25重量%〜約0.75重量%、実施形態では、溶液の約0.3重量%〜約0.5重量%であり得る。最後に、次いで、イソシアネート末端プレポリマーの量が、それが、溶液の約0.25重量%〜約3重量%、実施形態では、溶液の約0.5重量%〜約1重量%の量で存在するように添加され得る。
【0029】
上記コーティング溶液を形成する方法は、当業者の知識の範囲内である。実施形態では、上記アルコール、親水性ポリマーおよび抗微生物剤は、最初、混合容器またはバット中で合わせられ得る。混合は、約1分〜約2時間、実施形態では約30分〜約1時間の時間の期間の間、実施され得る。実施形態では、これら成分は、逐次的に添加され得、均一分配を確実にするのを支援する。
【0030】
この時点で、次いで、イソシアネート末端プレポリマーがこの混合物に添加され得る。このイソシアネート末端プレポリマーは、添加され得、そして混合されて、約5分〜約2時間、実施形態では約15分〜約1時間の追加の期間、継続して混合され、本開示のコーティング溶液を得る。
【0031】
得られるコーティング溶液は透明であるべきである。このコーティング溶液は、本来、湿度敏感性であり、そして貯蔵の間にきつくキャップをされないと粘度が増加する。潤滑性コーティングから利益を受け得る任意の医療用デバイスが、本開示の組成物でコーティングされ得る。実施形態では、このような医療用デバイスとしては、制限されないで、留置胸部カテーテルを含むカテーテル、動脈静脈シャント、胃腸用栄養チューブ、気管内チューブ、泌尿器科カテーテル、創傷用包帯などが挙げられる。
【0032】
コーティングされるべき医療用デバイスは、任意の生体適合性材料から作製され得る。実施形態では、この医療用デバイスは、ポリマー材料、非ポリマー材料、それらの組み合わせなどから作製され得る。例えば、この医療用デバイスは、DuPontから市販され入手可能なMYLAR(登録商標)ポリエステルのようなポリエステルから作製され得る。その他の実施形態では、この医療用デバイスは、ポリ塩化ビニル(PVC)、シリコーン、ポリウレタン、それらの組み合わせなどを含む材料から作製され得る。
【0033】
上記医療用デバイスをコーティングするために、本開示の潤滑性コーティング組成物を塗布するための方法がまた、本明細書中に提供される。このような方法は、実施形態では、クリーニングすること、または洗浄すること、乾燥すること、浸漬コーティングすること、スプレーすること、または上記潤滑性コーティング組成物を同様に塗布すること、過剰の潤滑剤を風乾または除去すること、そして必要に応じて、医療用デバイスを、その滅菌前または滅菌後のいずれかで焼くことおよび梱包することを含み得る。
【0034】
例えば、実施形態では、本発明の潤滑性コーティング溶液で医療用デバイスをコーティングする前に、カテーテルのような特定の医療用デバイスは、最適結果のために、最初、コンテナを100%イソプロパノールで充填することにより清澄にされ得る。次いで、この医療用デバイスは、約5秒間このイソプロパノール中で浸漬洗浄され、そして適切に50〜90℃で強制空気によって乾燥され、表面残存イソプロパノールおよび残渣を除去する。このデバイスは、この時点で、イソプロパノールが完全にないようにすべきである。
【0035】
本開示のコーティングで医療用デバイスをコーティングするための方法は、当業者の知識の範囲内であり、そして、例えば、浸漬すること、スプレーすること、拭くこと(wiping)、それらの組み合わせなどを含む。例えば、コーティング溶液が、MYLAR(登録商標)膜または特定のその他の類似の非多孔性基体から作製される医療用デバイスに塗布される場合の実施形態では、上記コーティングは、スプレーすることで塗布され得る。医療用デバイスがポリマー材料から作製されるような場合を含むその他の実施形態では、浸漬することが、この医療用デバイスに本開示のコーティングを塗布するために利用され得る。実施形態では、浸漬することが、本開示のコーティングを医療用デバイスに塗布するために利用される場合、この医療用デバイスは、約1秒〜約5分、実施形態では約5秒〜約2.5分の時間の期間の間、上記潤滑性コーティングビヒクル溶液中に浸漬コーティングされ得、そして溶液バットから約0.5インチ/秒の速度でゆっくりと除去される。
【0036】
一旦、コーティング溶液が塗布されると、実施形態では、その上にコーティング溶液を備えた医療用デバイスを、約30℃〜約70℃、実施形態では約37℃〜約60℃の温度に、約20分〜約2時間、実施形態では約30分〜約90分間の時間の期間の間、加熱することが有用であり得る。この加熱が行われた後、任意の過剰の潤滑性コーティング溶液は、なくなるはずである。実施形態では、過剰の潤滑剤はまた、汚れのないウィッキング剤(non−linting wicking agent)を用いて除去され得る。このコーティングされた医療用デバイスは、次いで、必要に応じて、強制空気オーブン中で、約45℃〜約65℃+/−5℃で、約30分〜約3時間、実施形態では約1時間の時間の期間焼かれ得、そして次にオーブンから取り出され得る。
【0037】
硬化温度および時間は、本開示のコーティング溶液を形成することで利用される特定のアルコール、親水性ポリマー、抗微生物剤、およびイソシアネート末端プレポリマー、ならびに本開示のコーティング溶液中のこれら成分の量に依存する。上記コーティング溶液がポリマー性の医療用デバイスをコーティングするために利用される場合、イソシアネート末端プレポリマーのジイソシアネートは、この医療用デバイスのポリマー構造と反応し得、そしてその一部となり得る。
【0038】
本開示に従ってコーティングされた医療用デバイスは、適切な透明度について周期的にチェックされ得、そして所望されない香りが存在しないことを確実にする。
【0039】
本開示に従ってコーティングされた主題の医療用デバイスを梱包することで、このデバイスは、互いに触れるようにされるべきではない。これは、環境湿度が高い場合に特に当てはまり、この場合、潤滑性コーティングによる所望されない湿気吸収を引き起こし得る。コーティングされた医療用デバイス間のこのような接触を防ぐか、または避けるために、各デバイスは、この特定のデバイスの形状に依存して、紙、ポリエチレン管材などのいずれかに梱包され得る。必要であれば、高い雰囲気湿度に起因して、乾燥剤が、梱包中にさらに必要であり得る。
【0040】
本開示のコーティングは広範な種々の基体に接着し、そして湿潤摩耗に耐える。主題の潤滑性コーティングは、化学的に安定であり、そして生体適合性である。
【0041】
本開示はまた、医療用デバイスを提供し、それによって、その少なくとも一部分は、約50%より多い、実施形態では約50%〜約90%、その他の実施形態では約65%〜約85%の摩擦の減少とともに湿った潤滑性を達成し得るとして特徴付けられる、主題の潤滑性コーティングでコーティングされる。さらに、MYLAR(登録商標)膜は、元来、非接着性の膜であるが、PVPの添加は、このような膜または類似の材料から作製された基体の摩擦の係数、ならびにそれらの非接着性質を低減することで相乗効果を提供し得る。さらに、PVPはまた、創傷ケア設置条件でさらなる有益な効果のために利用され得、例えば、本開示のコーティングからの薬理学的薬剤の溶出を支援するその能力を含む。
【0042】
一旦、本開示の潤滑性コーティングビヒクルでコーティングされた医療用デバイスは、梱包され得、そして適切な滅菌技法を用いて滅菌されるか、または滅菌され得、そして次に無菌技法を用いて梱包される。滅菌および梱包の適切な方法は、当業者の知識の範囲内にあり、そしてγ線照射、電子ビーム、エレチンオキシドなどの方法を含む。実施形態では、主題のコーティングでコーティングされた医療用デバイスは梱包され得、そして次に、1〜3mradの、実施形態では約2mradのコバルト60によるγ線照射を用い、優れた結果のために2つの独立の曝露サイクルで滅菌される。
【0043】
主題のコーティングされた医療用デバイスのための適切な梱包は、当業者の知識の範囲内のアルミニウムホイルパウチのような金属ホイルパウチ、ポリエチレンフィルム、エチレン酢酸ビニルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、TYVEK(登録商標)などの梱包を含む。実施形態では、適切な梱包は、コーティングによる湿気吸収を防ぐためのエチレン酢酸ビニルフィルム内側ライナーを備えたアルミニウムホイルカバーパウチを含み得る。
【0044】
いくつかの薬学的添加物が光敏感性であり、そしてそれ故、このような添加物でコーティングされた医療用デバイスが、当業者の知識の範囲内の適切な光梱包物中に梱包されるべきであることが本開示の範囲内に企図される。
【0045】
主題のコーティングされた医療用デバイスを用いる方法は、その梱包からこのデバイスを取り出すこと、このデバイスの潤滑にされた表面に湿気を付与すること、およびこのデバイスを特定の医療手順のために必要に応じて配置することを含む。
【0046】
それ故、医療用デバイスのための本発明の潤滑性コーティングビヒクルは、有効な湿潤摩耗耐性、医療用デバイスのための低い摩擦の係数のコーティングおよび抗微生物剤およびその他の薬理学的活性化合物のような添加物を送達するためのビヒクルを提供することが理解される。本明細書中に開示かつ説明されるような、上記潤滑性コーティングビヒクル、この潤滑性コーティングビヒクルを作製および使用する方法、コーティングされた医療用デバイスならびにこのコーティングされた医療用デバイスを使用する方法は、医療用デバイスのためのこれまでに知られた潤滑剤に対して特定の利点を有する。主題の潤滑性コーティングビヒクルは、湿潤摩耗に抵抗し、種々の表面に接着し、湿ったときのみに摩擦の減少した係数を有し、生体適合性であり、そして受容可能な薬物動態学的性質をもち薬理学的に活性な薬剤を送達し得る。これ故、これらの理由およびその他のため、本発明の潤滑性コーティングビヒクルは、実質的な商業的重要性を有する、当該技術分野において有意な進歩を呈示する。
【0047】
本明細書中の例示の実施形態に記載される潤滑性コーティングビヒクルは、抗微生物添加物および薬物動態学が効き目のある範囲であることを確実にするための方法に関係があるコーティングを含むけれども、この潤滑性コーティングビヒクル内の添加物は、局所麻酔薬、非ステロイド系およびステロイド系両方の抗炎症性化合物、殺精子化合物などのような、その他の所望される薬学的に活性な化合物であり得ることが認識されるべきである。同様に、伝統的な薬学的化合物よりはむしろ、これら添加物は、所望の薬理学的効果をもつ有機化合物であり得る。
【0048】
本開示の潤滑性コーティングビヒクルを作製および使用するための適切な方法は、以下の実施例でなおより詳細に説明され、これらは、さらなる例示の目的のために提供される。説明されるような以下の例示の実施例は、本開示の範囲を制限するとして解釈されることは意図されない。
【実施例】
【0049】
(実施例1)
抗微生物潤滑性コーティングを、室温で、混合バット中で以下の成分を、結晶の透明溶液を形成するために完全に溶解されるまで約1時間の間ブレンドすることにより調製した。
成分 %(wt)
エチルアルコール 97.25
PVP 0.25
PHMB 1.5
イソシアネート末端プレポリマー 1

MYLAR(登録商標)フィルムから作製された創傷ケアフィルムサンプルを、上記の溶液中で約10秒間浸漬コーティングした。浸漬後、過剰のコーティングを汚れのないウィッキング剤を用いて除去した。これらフィルムサンプルを、次いで、約55℃で約35分間オーブンで硬化した。得られたコーティングは、良好な結合とともに透明でかつ無色であった。
【0050】
(実施例2)
植物化学品を用いる抗微生物潤滑性コーティングを、室温で、混合バット中で以下の成分を、結晶の透明溶液を形成するために完全に溶解されるまで約1時間の間ブレンドすることにより調製した。
成分 %(wt)
エチルアルコール 93.75
PVP 0.25
ギンバイカ(フトモモ科の各種低木)の油/茶の木抽出物 5
イソシアネート末端プレポリマー 1

MYLAR(登録商標)フィルムから作製された創傷ケアフィルムサンプルを、上記の溶液中で約10秒間浸漬コーティングした。浸漬後、過剰のコーティングを汚れのないウィッキング剤を用いて除去した。
【0051】
これらフィルムサンプルを、次いで、約55℃で約35分間オーブンで硬化した。得られたコーティングは、良好な結合とともに透明でかつ無色であった。
【0052】
(実施例3)
医療用デバイス上の使用のために銀塩を含む潤滑性コーティングビヒクルを、室温で、混合バット中で以下の成分を、結晶の透明〜淡い黄色の溶液を形成するために完全に溶解されるまで約60分間ブレンドすることにより調製した。これら成分の組み合わせの順序は、銀塩のウレタンへの共有結合の欠如に起因して必須ではない。この銀塩の放出は、この塩の閉じ込め/イオン結合に起因するPVP比調整によって調節される。適切な銀塩としては:Giltech Powder 01−07(これは、Giltech Ltd.によって生産される水溶性のガラス銀塩である);AlphaSanRC2000(これは、Milliken Chemicalによって生産されるジルコニウム/リン酸結晶であある);SSD(Kendallからの銀スルファジアジン);および塩化銀(Fisher Scientificから得られる)が挙げられる。
【0053】
SSDを用いて処方された特定の実施例は以下である:
成分 %(wt)
エチルアルコール 96.75
PVP 0.25
SSD 2
イソシアネート末端プレポリマー 1

上記成分を、室温で上記の順序で混合した。PVPレベルは約2.5%を超えるべきではないことが見出された。なぜなら、より高いレベルは、コーティング接着および銀放出に有害に影響したからである。上記処方物に添加された銀複合体の量は、この銀複合体内の銀充填の全体のパーセントにより決定された。この銀複合体の粒子サイズは、それはコーティング接着において問題を引き起こし得る点で非常に重要であった。すなわち、より大きな粒子サイズは、乏しいコーティング接着および均一性を生じた。SSDは、この塊を構成するスルファジアジンとともに30%の銀充填を有した。
【0054】
種々の上記に開示される特徴および機能、ならびにその他の特徴および機能、またはそれらの代替物が、所望により、多くのその他の異なるシステムまたは適用に組み合わされ得ることが認識される。また、それらにおける、種々の現在予測できないまたは予期できない改変物、修飾物、変形例または改良が、当業者によって引き続いてなされ得、これらもまた、添付の請求項に包含されることが意図される。請求項に特に記載されなければ、請求項の工程または構成要素は、任意の特定の順序、数、位置、サイズ、または材料に関して、明細書または任意のその他の請求項から含意または取り込まれるべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
潤滑性組成物であって:
エタノール、変性アルコール、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるアルコール;
イソシアネート末端プレポリマー;
イソシアネート末端プレポリマー以外の親水性ポリマー;および
少なくとも1つの抗微生物剤、を含む組成物。
【請求項2】
前記イソシアネート末端プレポリマーが、ポリオキシエチレンを基礎にしたイソシアネートプレポリマー、トルエンジイソシアネートを基礎にしたプレポリマー、イソホロンジイソシアネートを基礎にしたプレポリマー、ヘキサメチレンイソシアネート末端ポリエーテルプレポリマー、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記親水性ポリマーが、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレンオキシド、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、シクロヘキサノン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される溶媒をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記抗微生物剤が、ビグアニド、ビグアニド塩、銀、銀塩、アミノグリコシド、キノロン、ペニシリン、セファロスポリン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記抗微生物剤が、クロルヘキシジン、酢酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジン、硫酸クロルヘキシジン、ヘキサメチレンビグアニド、オリゴ−ヘキサメチルビグアニド、酢酸銀、安息香酸銀、炭酸銀、塩化銀、ヨウ素酸銀、ヨウ化銀、乳酸銀、ラウリン酸銀、硝酸銀、酸化銀、パルミチン酸銀、銀タンパク質、銀スルファジアジン、ポリミキシン、テトラサイクリン、トブラマイシン、ゲンタマイシン、リファムピシアン、バシトラシン、ネオマイシン、クロラムフェニコール、ミコナゾール、トルナフテート、オキソリン酸、ノルフロキサシン、ナリジクス酸、ペフロキサシン、エノキサシン、シプロフロキサシン、アンピシリン、アモキシリン、ピラシル、バンコマイシン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記抗微生物剤が、ポリヘキサメチレンビグアニド、ポリヘキサメチレンビグアニド塩酸塩、ポリヘキサメチレンビグアニド臭化水素、ポリヘキサメチレンビグアニドホウ酸塩、ポリヘキサメチレンビグアニド酢酸塩、ポリヘキサメチレンビグアニドグルコン酸塩、ポリヘキサメチレンビグアニドスルホン酸塩、ポリヘキサメチレンビグアニドマレイン酸塩、ポリヘキサメチレンビグアニドアスコルビン酸塩、ポリヘキサメチレンビグアニドステアリン酸塩、ポリヘキサメチレンビグアニド酒石酸塩、ポリヘキサメチレンビグアニドクエン酸塩、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
潤滑剤組成物を生成する方法であって:
エタノール、変性アルコール、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるアルコールを、イソシアネート末端プレポリマー、イソシアネート末端プレポリマー以外の親水性ポリマー、および少なくとも1つの抗微生物剤と接触させる工程、および
該潤滑剤組成物を回収する工程、を包含する、方法。
【請求項9】
前記イソシアネート末端プレポリマーが、ポリオキシエチレンを基礎にしたイソシアネートプレポリマー、トルエンジイソシアネートを基礎にしたプレポリマー、イソホロンジイソシアネートを基礎にしたプレポリマー、ヘキサメチレンイソシアネート末端ポリエーテルプレポリマー、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記親水性ポリマーが、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレンオキシド、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、シクロヘキサノン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される溶媒を添加する工程をさらに包含する、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記抗微生物剤が、ビグアニド、ビグアニド塩、銀、銀塩、アミノグリコシド、キノロン、ペニシリン、セファロスポリン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記抗微生物剤が、クロルヘキシジン、酢酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジン、硫酸クロルヘキシジン、ヘキサメチレンビグアニド、オリゴ−ヘキサメチルビグアニド、酢酸銀、安息香酸銀、炭酸銀、塩化銀、ヨウ素酸銀、ヨウ化銀、乳酸銀、ラウリン酸銀、硝酸銀、酸化銀、パルミチン酸銀、銀タンパク質、銀スルファジアジン、ポリミキシン、テトラサイクリン、トブラマイシン、ゲンタマイシン、リファムピシアン、バシトラシン、ネオマイシン、クロラムフェニコール、ミコナゾール、トルナフテート、オキソリン酸、ノルフロキサシン、ナリジクス酸、ペフロキサシン、エノキサシン、シプロフロキサシン、アンピシリン、アモキシリン、ピラシル、バンコマイシン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記抗微生物剤が、ポリヘキサメチレンビグアニド、ポリヘキサメチレンビグアニド塩酸塩、ポリヘキサメチレンビグアニド臭化水素、ポリヘキサメチレンビグアニドホウ酸塩、ポリヘキサメチレンビグアニド酢酸塩、ポリヘキサメチレンビグアニドグルコン酸塩、ポリヘキサメチレンビグアニドスルホン酸塩、ポリヘキサメチレンビグアニドマレイン酸塩、ポリヘキサメチレンビグアニドアスコルビン酸塩、ポリヘキサメチレンビグアニドステアリン酸塩、ポリヘキサメチレンビグアニド酒石酸塩、ポリヘキサメチレンビグアニドクエン酸塩、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
前記潤滑剤組成物を硬化する工程をさらに包含する、請求項8に記載の方法。
【請求項16】
潤滑剤組成物で少なくとも一部分がコーティングされた医療用デバイスであって、該潤滑剤組成物が:
エタノール、変性アルコール、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるアルコール、
イソシアネート末端プレポリマー、
イソシアネート末端レポリマー以外の親水性ポリマー、および
少なくとも1つの抗微生物剤
を含む、医療用デバイス。
【請求項17】
前記イソシアネート末端プレポリマーが、ポリオキシエチレンを基礎にしたイソシアネートプレポリマー、トルエンジイソシアネートを基礎にしたプレポリマー、イソホロンジイソシアネートを基礎にしたプレポリマー、ヘキサメチレンイソシアネート末端ポリエーテルプレポリマー、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項16に記載の医療用デバイス。
【請求項18】
前記親水性ポリマーが、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレンオキシド、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項16に記載の医療用デバイス。
【請求項19】
前記潤滑性組成物が、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、シクロヘキサノン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される溶媒をさらに含む、請求項16に記載の医療用デバイス。
【請求項20】
前記抗微生物剤が、ビグアニド、ビグアニド塩、銀、銀塩、アミノグリコシド、キノロン、ペニシリン、セファロスポリン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項16に記載の医療用デバイス。
【請求項21】
前記抗微生物剤が、クロルヘキシジン、酢酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジン、硫酸クロルヘキシジン、ヘキサメチレンビグアニド、オリゴ−ヘキサメチルビグアニド、酢酸銀、安息香酸銀、炭酸銀、塩化銀、ヨウ素酸銀、ヨウ化銀、乳酸銀、ラウリン酸銀、硝酸銀、酸化銀、パルミチン酸銀、銀タンパク質、銀スルファジアジン、ポリミキシン、テトラサイクリン、トブラマイシン、ゲンタマイシン、リファムピシアン、バシトラシン、ネオマイシン、クロラムフェニコール、ミコナゾール、トルナフテート、オキソリン酸、ノルフロキサシン、ナリジクス酸、ペフロキサシン、エノキサシン、シプロフロキサシン、アンピシリン、アモキシリン、ピラシル、バンコマイシン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項16に記載の医療用デバイス。
【請求項22】
前記抗微生物剤が、ポリヘキサメチレンビグアニド、ポリヘキサメチレンビグアニド塩酸塩、ポリヘキサメチレンビグアニド臭化水素、ポリヘキサメチレンビグアニドホウ酸塩、ポリヘキサメチレンビグアニド酢酸塩、ポリヘキサメチレンビグアニドグルコン酸塩、ポリヘキサメチレンビグアニドスルホン酸塩、ポリヘキサメチレンビグアニドマレイン酸塩、ポリヘキサメチレンビグアニドアスコルビン酸塩、ポリヘキサメチレンビグアニドステアリン酸塩、ポリヘキサメチレンビグアニド酒石酸塩、ポリヘキサメチレンビグアニドクエン酸塩、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項16に記載の医療用デバイス。
【請求項23】
前記医療用デバイスが、カテーテル、動脈静脈シャント、胃腸用栄養チューブ、気管内チューブ、泌尿器科カテーテル、および創傷用包帯からなる群から選択される、請求項16に記載の医療用デバイス。

【公開番号】特開2009−131625(P2009−131625A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−278820(P2008−278820)
【出願日】平成20年10月29日(2008.10.29)
【出願人】(501289751)タイコ ヘルスケア グループ リミテッド パートナーシップ (320)
【Fターム(参考)】