説明

抗炎症作用をもつ置換フロクロメン化合物

本発明は、全ての立体異性体及び互変異性体を含め式(I)で示される新規化合物、その製薬学的に許容し得る塩及び溶媒和物、その製造方法及び反応中間体並びにそのヒトの喘息及びその他の炎症性疾患及び/又は病気の予防及び治療における使用に関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式(I)

で示される新規化合物(その立体異性体及び互変異性体を包含する)、その製薬学的に許容し得る塩及び溶媒和物、その製造方法及び反応中間体並びにその治療作用並びにその喘息及びヒトの免疫系の障害から生じるその他の疾患及び/又は病気の予防及び治療における使用に関する。
【背景技術】
【0002】
喘息は、ヒトの呼吸気道の慢性の炎症性疾患である。臨床的には、過敏性のヒトでは、炎症は、周期的な咳き込み、呼吸困難、喘鳴、胸苦しさ及び胸痛を引き起こす。炎症は、アレルゲン、化学刺激物質、タバコの煙、冷気及び労作によって引き起こされる刺激に対して呼吸気道をよりいっそう過敏にする。これらの刺激に暴露された呼吸気道は、浮腫状になり、収縮し、粘液で満たされ、そして過敏性になる。
【0003】
喘息の病因は複雑であり、病因としては炎症細胞、メディエータの相互作用及び呼吸気道の組織と細胞の相互作用が挙げられる。喘息のプロセスにおいて、初期相の応答と後期相の応答が区別される。アレルギー疾患及びアレルゲン誘導性喘息は、特異型のIgE抗体の合成に特徴がある。アレルゲンの吸入後直ちに、アレルゲン及びアレルゲン特異的IgEの複合体が、好塩基球、マスト細胞及び好酸球表面に存在する高親和性IgE受容体(Fcε受容体I型)に結合される。受容体に結合することによって、シグナル伝達カスケードの活性化が生じ、これにより
1.炎症誘発性の遺伝子(例えば、インターロイキン-4及びインターロイキン-5)デノボ合成、
2.細胞質顆粒の内容物のエキソサイトーシス − 脱顆粒
が惹起される。
【0004】
前記の顆粒は、炎症性メディエータ、例えばヒスタミン、セロトニン、ロイコトリエンC4、D4及びE4、並びにタンパク質、例えば主要塩基性タンパク質及びミエロペルオキシダーゼを含有する。これらの炎症性メディエータは、血管拡張、気管支収縮、炎症プロセスの引き金及び制御並びに細胞の活性化のプロセスにおいて協力し且つ炎症組織に損傷を与える。これらのプロセスは、初期の喘息反応を形成する。脱顆粒の阻害は、症状を抑え且つ炎症の進行を阻止し得、これは脱顆粒阻害剤(クロモグリク酸ナトリウム、ネドクロミルナトリウム及びケトチフェン)の臨床使用によって証明されている。
【0005】
遅発型喘息反応としては、気道の永久的閉塞、気管支の機能亢進及び炎症変化の進行、例えば呼吸器系における好中球、好酸球、リンパ球及び単球/マクロファージの蓄積が挙げられる。炎症細胞の蓄積は、リンホカイン(TNF-α、IL-4、IL-5)、白血球の表面の付着分子(インテグリン類)及び内皮細胞の表面の接着分子(セレクチン類)、並びにケモカイン(エオタキシン、RANTES)の調和の取れた相互作用に起因する。喘息におけるT-リンパ球の役割及び重要性は、喘息を患っている患者の気管支肺胞洗浄液及び気管支生検中の活性化されたCD4+T細胞の個数の増加が存在することによって確認された。CD4+細胞の2つの亜集団は、これらが分泌するサイトカインのプロフィールに関して異なる。Th1細胞は、IL-2、IL-3、GM-CSF、INF-γを分泌する。Th1細胞の活性化は、細胞内生物、ウイルス及び新生物に対する宿主の防衛に重要である。研究により、喘息においては、Th2細胞応答がアレルギー性炎症に典型的な好酸球浸潤の形成に重要であるIL-5の高められた発現にまさる(prevail)ことが実証された。
【0006】
喘息において表れる形態学的変化としては、炎症細胞(マスト細胞、Tリンパ球及び好酸球が主要執行細胞である)による気管支の浸潤、分泌による呼吸気道の詰まり、間質性浮腫及び高められた微小循環透過性が挙げられる。病理組織学的所見に基づいて、好酸球浸潤が特異的であり且つ喘息を別の型の炎症と区別することが立証されている。
【0007】
喘息のコントロールにおいて、2つの型の薬剤、すなわち対症薬及び基礎薬が存在する。対症薬としては、収縮した呼吸気道を迅速に弛緩させ且つ急性の症状を緩和させる短時間作用性の気管支拡張薬、例えばβ2-作動薬、抗コリン作用薬、テオフィリンが挙げられる。基礎薬としては、抗炎症薬及び長期作用性気管支拡張薬が挙げられる。抗炎症薬は、炎症反応を緩和し且つ抑えるものであり、抗炎症薬としては吸入コルチコステロイド、全身性コルチコステロイド、及びクロモグリク酸ナトリウム及びネドクロミルナトリウムの吸入が挙げられる。
【0008】
ステロイド系抗炎症性化合物は、喘息などの炎症性の疾患及び病気の治療において最も有効な薬剤であると未だに考えられている。しかし、前記の型の薬剤の良好な効力及び効能は、多数の好ましくない副作用、例えば炭水化物の代謝障害、カルシウムの吸収障害、内因性コルチコステロイドの分泌障害並びに脳下垂体、副腎中心及び胸腺の生理学的機能障害を伴う。文献(国際公開第WO94/13690号、同第WO94/14834号、同第WO92/13872号及び同第WO92/13873号各公報)には局所作用を有する、いわゆる“ソフト”ステロイドすなわち加水分解性コルチコステロイドが記載されている。これらの全身性の好ましくない効果は、血清中の“ソフト”ステロイドの安定性により軽減され、血清中では活性ステロイドが不活性型に迅速に加水分解される。しかし、長期使用においてマイナスの副作用のないステロイドが、今も尚発見されなければならない。
【0009】
クマリン類のある種の化合物(米国特許第4,200,577号;同第4.263,299号;同第4,731,375号;同第5,428,038号公報)は、種々のアレルギー性疾患、例えばアレルギー性喘息、アレルギー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎又は腸炎、アレルギー性結膜炎あるいはアレルギー性湿疹の予防及び治療において抗アレルギー作用を示す。
【0010】
また、中心のアルキル又はアリールリンカーによって非対称的に結合されたヒドロキシクマリンのより複雑な二量体及び四量体誘導体が知られており、これらは抗HIV作用を実証している(Zhao, H. et al., J. Med. Chem., 1997, 40, 242-249)。また、同様の抗HIV作用は、芳香族又は脂肪族モノ又はジアルデヒドを有するクマリン単位当たり2個以上のヒドロキシ基を有するヒドロキシクマリンの数種の縮合生成物によっても示されている(米国特許第6,100,409号公報及び国際公開第WO03/029237号公報)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の化合物に最もよく類似している化合物が、国際公開第WO03/029237号公報に記載されており、これはフラン環のC/2位がメトキシ基又はエトキシ基で置換されている3-(4,7-ジヒドロキシ-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロ-フロ[3,2-c]クロメン-4-オン類に関する。前記化合物は、アルコール−水媒体中、高温で、対応するヒドロキシクマリンとグリオキサールの縮合反応によって製造され、そこでは反応の経過中に同時にアルコールの結合と対応するアルコキシ置換基の形成が生じる。
【0012】
アルコールを存在させない反応媒体中でヒドロキシクマリンとグリオキサールの縮合反応を行うことによって、フラン環のC/2位における好ましくないアルコキシ置換基の形成が抑えられ、従ってこの位置に、式(I)で示される化合物(これは本発明の対象である)の必須構成部分としてヒドロキシ置換基が形成される。
【0013】
本発明者らの知見や確立された従来技術によれば、フラン環のC/2位にヒドロキシ基を有する化合物であってクマリン環がヒドロキシ基の他に又はヒドロキシ基の代わりに別の置換基、例えばアルキル基及びアルコキシ基又はハロゲン原子で置換されている化合物〔これは、式(I)で示される〕及びその製薬学的に許容し得る塩並びにこれらを組成物中に含有する医薬製剤は、これまでに報告されていない。特に、クマリン環が別の単純な芳香族環もしくは複素環又は置換された芳香族環もしくは複素環と縮合されている化合物〔これはまた、式(I)で示され且つ本発明の目的物に相当する〕は、報告されていない。同様に、本発明の化合物は、強い抗炎症作用を有する物質として又は喘息及びその他の炎症性疾患及び状態の予防及び治療における有効な薬剤としてこれまで報告されていない。
【0014】
応用された生体外(in vitro)及び生体内(in vivo)モデルは、喘息において存在する病態生理学的出現を究めて首尾よく実証し、これらのモデルで試験された物質はヒトの病気の治療に有効であろうということが予測できる。
【0015】
発明の要約
本発明の目的は:下記の通りである:
a)式(I)で示される化合物、
b)これらの製造方法及び反応中間体、
c)炎症のプロセス又は状態を軽減するのに十分な量の製造された化合物の混合物、
d)炎症プロセスによって誘発される疾患又は病気の治療における製造された化合物の使用方法。
【0016】
発明の詳細な説明
本発明は、特に、式(I)

〔式中、A及びBはこれらを結合しているC原子と一緒になって芳香族部分を表し、前記芳香族部分は1個、2個又はそれ以上の同一又は異なる置換基を有していてもよく、前記置換基はハロゲン原子、C〜C-アルキル基、C〜C-アルケニル基、C〜C-アルキニル基、ハロ-C〜C-アルキル基、ヒドロキシ基、C〜C-アルコキシ基、トリフルオロメトキシ基、C〜C-アルカノイル基、アミノ基、アミノ-C〜C-アルキル基、N-(C〜C-アルキル)アミノ基、N,N-ジ(C〜C-アルキル)アミノ基、スルファニル基、C〜C-アルキルスルファニル基、スルホ基、C〜C-アルキルスルホ基、スルフィノ基、C〜C-アルキルスルフィノ基、カルボキシ基、C〜C-アルコキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基であってもよく;あるいは前記芳香族部分は場合により置換されていてもよい芳香族複素環部分又は複素環に縮合していてもよい〕
で示される新規化合物に関する。
【0017】
本発明の文脈において、使用する一般的な用語は、主として下記の意味を有する:
“ハロゲン”という用語は、ハロゲン原子に関するものであり、これは弗素、塩素、臭素又はヨウ素であり得る。
【0018】
“アルキル”という用語は、基が誘導されるアルカンの意義を有するアルキル基に関するものであり、該基は直鎖、分岐鎖又は環状であってもよいし、あるいは直鎖と環の組み合わせ又は分岐鎖及と環の組み合わせであってもよい。好ましい直鎖又は分岐鎖アルキルは、例えばメチル、エチル、プロピル、iso-プロピル、ブチル、sec-ブチル及びtert-ブチルである。好ましい環状アルキルは、例えばシクロペンチル又はシクロヘキシルである。アルキルは、場合により1個、2個又は3個の置換基でさらに置換されていてもよい。かかる置換基は、ハロゲン原子(好ましくは弗素原子又は塩素原子)、ヒドロキシ基、C〜C-アルコキシ基(好ましくはメトキシ基又はエトキシ基)、スルファニル基、C〜C-アルキルスルファニル基(好ましくはメチルスルファニル基又はエチルスルファニル基)、アミノ基、N-(C〜C-アルキル)アミノ基(好ましくはN-メチルアミノ基又はN-エチルアミノ基)、N,N-ジ(C〜C-アルキル)アミノ基(好ましくはジメチルアミノ基又はジエチルアミノ基)、スルホ基、C〜C-アルキルスルホ基(好ましくはメチルスルホ基又はエチルスルホ基)、スルフィノ基、C〜C-アルキルスルフィノ基(好ましくはメチルスルフィノ基)であり得る。
【0019】
“アルケニル”という用語は、炭化水素基の意義を有するアルケニル基に関するものであり、これは直鎖、分岐鎖又は環状鎖であってもよいし、あるいは直鎖と環状鎖の組み合わせ又は分岐鎖及と環状鎖の組み合わせであってもよいが、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有するものである。最も頻度の高いアルケニルは、エテニル、プロペニル、ブテニル又はシクロヘキセニルである。アルケニルは、場合により1個、2個又は3個のハロゲン原子でさらに置換されていてもよい。かかる置換基は、例えば2-クロロエテニル基、1,2-ジクロロエテニル基又は2-ブロモプロペン-1-イル基である。
【0020】
“アルキニル”という用語は、炭化水素基の意義を有するアルキニル基に関し、これは直鎖又は分岐鎖であり且つ少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を有する。最も頻度の高いアルキニルは、例えばエチニル、プロピニル又はブチニルである。
【0021】
“アルコキシ”という用語は、直鎖又は分岐鎖のアルコキシ基に関する。かかる基の例は、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、プロパ-2-オキシ基、ブトキシ基、ブタ-2-オキシ基又はメチルプロパ-2-オキシ基である。
【0022】
“芳香族部分”という用語は、芳香族環の基、例えばベンゼン、及びその他の縮合芳香族環に関するものである。前記の芳香族部分は、少なくとも6個の炭素原子を有する環を一つ有するか、又は全体で10個の炭素原子を有する2個の環を有し且つ炭素原子同士の間に交互二重(共鳴)結合を有する2個の環を含有する。最も頻繁に使用される芳香族部分は、例えばベンゼン環又はナフタレン環である。芳香族基は、分子の残部の位置A及びBに任意の2個の利用し得る隣り合った炭素原子を介して結合される。芳香族部分という用語は、場合により置換されていてもよいシクロアルキル基、最も頻繁にはシクロヘキサンに縮合したベンゼン環であると解釈されるべきである。
【0023】
“芳香族複素環部分”は、4〜12個の原子(その少なくとも一つは異種原子、例えばO原子、S原子又はN原子である)を有する単環式又は二環式の環の芳香族基及び部分芳香族基の意義を有する基に関する。この場合には、2個の利用し得る隣り合った炭素原子が分子の残部の位置A及びBに対する基の結合位置である。この種の例は、チオフェン、ピロール、イミダゾール、ピリジン、オキサゾール、チアゾール、ピラゾール、テトラゾール、ピリミジン、ピラジン、キノリン又はトリアジン環である。
【0024】
“複素環”という用語は、少なくとも1個の異種原子、例えばO原子、S原子又はN原子を含有する5員又は6員の完全飽和又は部分的不飽和の複素環式基に関する。2個の利用し得る隣り合った炭素原子が分子の残部の位置A及びBに対する基の結合位置である。その最も頻度の高い例は、モルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、ピラジニル又はイミダゾリルである。
【0025】
“アルカノイル”基という用語は、直鎖のアシル基、例えばホルミル基、アセチル基又はプロパノイル基に関する。
【0026】
“アロイル”基という用語は、ベンゾイル基などの芳香族アシル基に関する。
【0027】
前記の芳香族複素環部分又は複素環は、場合により1個、2個又は3個の置換基でさらに置換されていてもよい。前記置換基は、ハロゲン原子(弗素原子、塩素原子、ヨウ素原子又は臭素原子)、C〜C-アルキル基(好ましくは、メチル基、エチル基又はイソプロピル基)、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、C〜C-アルコキシ基(好ましくはメトキシ基又はエトキシ基)、C〜C-アルキルオキシカルボニル基(好ましくはメチルオキシカルボニル基)、スルファニル基、C〜C-アルキルスルファニル基(好ましくはメチルスルファニル基又はエチルスルファニル基)、アミノ基、N-(C〜C)アルキルアミノ基(好ましくはN-メチルアミノ基又はN-エチルアミノ基)、N,N-ジ(C〜C-アルキル)アミノ基(好ましくはN,N-ジメチルアミノ基又はN,N-ジエチルアミノ基)、スルホ基、C〜C-アルキルスルホ基(好ましくはメチルスルホ基又はエチルスルホ基)、スルフィノ基、C〜C-アルキルスルフィノ基(好ましくはメチルスルフィノ基)であり得る。
【0028】
本発明の別の目的は、前記の式(I)で示される化合物の製薬学的に許容し得る塩に関する。本発明の目的に相当する化合物は、クマリン核に少なくとも1個の酸性ヒドロキシ基を含有し、従って製薬学的に許容し得る塩基を形成することができる。ヒドロキシ置換基について形成されるかかる塩の例は、例えばアルミニウム塩、対応するアルカリ金属塩、例えばナトリウム塩又はカリウム塩、アルカリ土類金属塩、例えばカルシウム塩又はマグネシウム塩、亜鉛及び銅などの遷移金属の製薬学的に許容し得る塩、アンモニアとの塩、又は低級有機アミン、例えば環状アミン、モノ、ジ又はトリ置換低級アルキルアミン、さらには低級ヒドロキシアルキルアミン、例えば低級モノ、ジ又はトリヒドロキシアルキルアミン、低級(ヒドロキシアルキル)アルキルアミン又は低級ポリヒドロキシアルキルアミンとの塩並びにアミノ酸との塩である。環状アミンの例は、モルホリン、チオモルホリン、ピペリジン又はピロリジンである。適当な低級モノアルキルアミンは、例えばエチルアミン及びtert-ブチルアミンであり、適当な低級ジアルキルアミンは、例えばジエチルアミン 及びジイソプロピルアミンであり、また適当な低級トリアルキルアミンは、例えばトリメチルアミン及びトリエチルアミンである。対応する低級ヒドロキシルアルキルアミンは、例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミンであり、低級(ヒドロキシアルキル)アルキルアミンは、例えばN,N-ジメチルアミノエタノール及びN,N-ジエチルアミノエタノールである。アミノ酸は、例えばリシン、アルギニン、メチルグルタミン、アラニン又はセリンである。これらの塩は、本発明の化合物の最終的な単離及び精製中にその場で調製することができるし、又は適当な無機塩基又は有機塩基との反応中に当業者に公知の方法で別々に調製することができる。
【0029】
“低級”という接頭語は、7個以下、特別には4個以下の炭素原子を有する鎖を表す。低級アルキルは、例えばn-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、ネオペンチル、n-ヘキシル又はn-ヘプチルであり、最も頻繁にはエチル又はメチルである。
【0030】
式(I)で示される化合物の遊離の形及び塩の形の間の密接な関係から見て、本発明においては、式(I)で示される化合物の遊離の形及びその塩は、同じ形であると解釈されるべきであり、対応する内容において、本発明の遊離の形の化合物及びその対応する塩は同義語であるとみなすことが適当である。
【0031】
本発明はまた、式(I)で示される化合物又はその塩によって形成し得る溶媒和物(最も頻繁には水和物)に関する。
【0032】
式(I)で示される化合物及びその塩は、種々の物理的形態で(例えば、種々の結晶形態で)存在し得、本発明は式(I)で示される化合物の全ての物理的形態(例えば、全ての結晶形態)及びこれらの混合物に関する。
【0033】
本発明は、式(I)で示される化合物の全てのプロドラッグの形態、すなわち哺乳動物に生体内投与されると生体内において式(I)で示される活性薬物を放出する化合物を包含する。プロドラッグの形態は、式(I)で示される化合物中に存在する任意の官能基を、修飾された基が生体内で出発活性化合物を放出しながら容易に分解することができるように修飾することによって調製することができる。ヒドロキシ基が、かかる化合物のプロドラッグ形態を形成するために適した部位である。
【0034】
本発明の化合物は、種々の異性体(これは種々の互変異性体を意味する)の形で存在し得、また種々の幾何異性体又は立体異性体を形成することができる。異性体(これは、不斉中心の周りの空間での原子の配置に関してのみ異なる)は、“立体異性体”と呼ばれる。対象物(subject)及びその鏡像として相互に関連がない2個の立体異性体は、“ジアステレオマー”と呼ばれ、これに対して対象物及びその鏡像として相互に関連がある2個の立体異性体は“鏡像異性体”と呼ばれる。それぞれの鏡像異性体は、Cahn-Ingold-Prelog優先規則の使用によって不斉中心の絶対配置を決定することによって特定することができ、従ってR-異性体又はS-異性体として特定することができる。立体異性体の特定の別の方法は、分子の中を通る偏光面の回転の測定、すなわち右旋性(+)-異性体又は左旋性(-)-異性体としての測定である。キラル化合物は、単一の鏡像異性体として存在してもよいし又は鏡像異性体の混合物として存在してもよい。等量の鏡像異性体を含有する混合物は、“ラセミ混合物”と呼ばれる。本発明は、式(I)で表すことができる全ての立体異性体に関し、単一の鏡像異性体として単離された立体異性体又はラセミ混合物又はある種のその他の混合物で存在する立体異性体に関する。立体化学配置の決定方法及び立体異性体の分離方法は、文献から周知である。
【0035】
式(I)で示される化合物はまた、2個又はそれ以上の構造異性体(これらは平衡状態にある)を形成し得るが、互変異性の結果として形成し得る。しかし、最も頻度の高いものは鎖状の異性体であるが、鎖−環の異性体もまた知られている。動的平衡により、かかる異性体(互変異性体)は、一方の異性体から他方の異性体に容易に変換することができる。どの異性体が混合物中で優先するかは、化合物の種類、化合物が遊離の形態であるかその任意の塩の形態であるか否か、塩の種類、化合物が溶解する溶媒、及び溶液のpH値に左右される。本発明において、式(I)で示される化合物という用語の下では、別々に単離されるか種々の割合の相互の平衡混合物の全ての互変異性体、鎖状の形態又は環状の形態が理解されるべきである。
【0036】
本発明の別の目的は、式(II)

で示される化合物又はその塩と、式(III)

で示されるグリオキサールを、水性有機溶媒中で縮合させる及び/又は塩の形で存在し得るような性質を有する得られる式(I)で示される遊離の化合物を塩に転化させる、及び/又は場合により得られる塩を遊離の化合物又は別の塩に転化させることからなる前記の式(I)で示される化合物及びその塩の製造方法に関する。
【0037】
前記反応は、欧州特許第0906909号公報に記載の修飾方法に基づいているが、使用する化学試薬に不活性な溶媒の存在下で行うことが好ましい。このような溶媒は、芳香族溶媒、例えばトルエン、キシレン又は双極性非プロトン性溶媒、例えば脂肪族もしくは脂環式エーテル、カルボン酸のジアルキルアミド(例えば N,N-ジメチルホルムアミド)あるいはジメチルスルホキシドである。水と混和性の低沸点溶媒、例えばアセトニトリルと水の混合物が特に適している。反応においては、ヒドロキシクマリンに対して、市販の40%水溶液の形態のグリオキサールを等モル量で、又は好ましくは相当な過剰量で(最も適して比率は2:1)で使用する。グリオキサールに代えて、その誘導体例えば2,3-ジヒドロキシ-1,4-ジオキサンを使用することができる。反応は、室温から90℃までの温度で(最も適当には反応混合物の沸点で)行われる。反応時間は、1〜24時間であり、反応混合物の温度に左右される(アセトニトリルと水の場合には、3〜6時間が十分である)。生成物は最も頻繁には、反応混合物を冷却することによって沈殿させ、その際には沈殿物を吸引することによって徐々に分離し、洗浄することによって精製し、次いで乾燥する。調製有機化学において一般的なその他の単離及び精製方法も使用することができる。
【0038】
本発明で使用する式(II)で示される化合物の幾つかは、市販の製品であるか又は既に合成されているか報告されている製品であり、その他の化合物は類似の化合物について記載されている方法に従って得られる。従って、例えば式(II)で示される化合物は、式(IV)

で示される対応するエナミンから、調製有機化学の当業者にそれ自体理解し得る方法で又は文献から知られている方法で、例えば強酸性媒体中で、例えば50%硫酸水溶液中で(Desai, N.J. et al., J. Org. Chem., 1957, 22, 388-390)又は25%塩酸水溶液中で(Sonn, A., Ber., 1917, 50, 1292-1305)加水分解することによって製造することができる。式(IV)で示されるエナミンは、文献によく記載されている方法で、例えば市販のフェノールと、シアノ酢酸(Sonn, A., Ber., 1917, 50, 1292-1305)又はそのアルキルエステル、例えばシアノ酢酸エチルエステル(Desai, N.J. et al., J. Org. Chem., 1957, 22, 388-390)それぞれとの縮合反応によって製造することができる。
【0039】
さらに詳細に記載されたヒドロキシクマリンの種々の誘導体の別の製造方法もある、例えばマロン酸を置換フェノール(Buckle, D. et al., J. Med、Chem., 1975, 18, 391-394) を作用させる直接的な方法、あるいは置換o-ヒドロキシアセトフェノン類 (Boyd, J. et al., J. Chem. Soc., 1948, 174-176; Hennodson, M. et al., J. Med. Chem., 1971, 14, 167-169) 又はヒドロキシ安息香酸 (Appendino, G. et al., J. Nat Prod., 1999, 62, 1627-1631; 欧州特許出願公開第0694257A1号公報) から出発するより直接的な方法もある。
【0040】
化学反応において望ましくない関与を回避するために、反応に先立って、ある種の反応性基、例えばヒドロキシクマリン類に存在し得る複数のヒドロキシ基の中の幾つかあるいはグリオキサールの2個のアルデヒド基の中の一つを保護することが必要な場合が多い。
【0041】
この目的に、多数の保護基 (Green, T.W.; Wuts, P.G.M., Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley and Sons, 1999) が使用できる。これらの選択、使用及び反応を行った後の除去は、化学合成において常用の方法である。
【0042】
式(I)で示される化合物の塩は、一般的に知られている方法、例えば式(I)で示される化合物と対応する塩基との、適当な溶媒又は溶媒混合物、例えばエーテル類(ジエチルエーテル)又はアルコール類(エタノール、プロパノール又はイソプロパノール)中での反応によって、あるいは当量の反応剤同士の混合、次いで混合物の凍結乾燥及び精製によって製造することができる。
【0043】
本発明はまた、式(I)で示される化合物及びその製薬学的に許容し得る塩の製造中に製造される反応中間体に関する。かかる中間体は、単離し、規定することができるし、又は単離せずに化学合成の別の段階で使用することができる。
【0044】
本発明の別の目的は、ヒトにおいて免疫系の障害により生じる疾患及び/又は病気、特に炎症性の疾患及び病気(特に喘息)の予防及び治療における治療有効量の式(I)で示される化合物及びその製薬学的に許容し得る塩の使用に関する。
【0045】
本発明の別の目的は、病気の部位に応じて種々に投与することができ例えば経口、非経口、経皮、口腔、直腸投与することができ又は呼吸器系における局所投与の場合には吸入によって投与することができる抗炎症剤、抗アナフィラキシー剤及び免疫調節剤としての式(I)で示される化合物及びその製薬学的に許容し得る塩の使用に関する。
【0046】
本発明の別の目的は、式(I)で示される活性化合物の最適生体利用性を達成するような方法で製剤された本発明化合物の医薬製剤の製造に関する。経皮使用については、式(I)で示される活性化合物は、軟膏、クリーム、ゲル又はローションの形態に製剤することができる。軟膏、クリーム及びゲルは、水基剤又は油基材を用いて適当な乳化剤又はゲルを製剤する場合にはゲル化剤の添加の下で製剤することができる。式(I)で示される活性化合物が加圧下でエアゾールの形態である製剤は、吸入によって使用するのに特に重要である。エアゾール製剤の全ての形態について、式(I)で示される活性化合物の超微粉化をラクトース、グルコース、高級脂肪酸、ジオクチルスルホコハク酸のナトリウム塩中で、又は最も好ましくはカルボキシメチルセルロース中で、粒子の大部分が5μmの大きさを有するように予め均質化することが提案される。
【0047】
吸入製剤については、エアゾールは、活性物質の噴霧を目的とする噴射剤と混合することができる。
【0048】
吸入使用については、式(I)で示される活性化合物は微粒化粒子を有する乾燥粉末の形態で使用することができる。
【0049】
本発明の化合物の適当な調剤は、幾つかの炎症疾患及び病理学的アレルギー状態の予防及び治療に使用することができる。このような状態及び病気の例は、制限無く、喘息、慢性の閉塞性肺疾患、炎症性鼻疾患、例えばアレルギー性鼻炎、鼻ポリープ、皮膚炎症、例えば湿疹、乾癬、アレルギー性皮膚炎、神経皮膚炎、かゆみ、結膜炎、慢性関節リウマチ、腸疾患、例えばクローン病、大腸炎及び潰瘍性大腸炎、さらにインスリン依存性糖尿病、自己免疫甲状腺炎、エリテマトーデス、多発性硬化症 、白蝋病、レイノー病、リウマチ様脊椎炎、椎骨炎、化膿性関節炎、多発性関節炎、網膜炎、炎症性脳疾患、例えば髄膜炎及び脳炎、急性外傷、例えば脳、心臓収縮(miocard)及び肺損傷により誘発される病気、炎症を伴う感染症、例えば敗血症、糸球体腎炎である。
【0050】
式(I)で示される化合物は、単独で使用できるし又は前記の疾患及び/又は病気を治療するのに適したその他の市販の製品と組み合わせて使用できる。
【0051】
式(I)で示される活性化合物は、本発明の延長で開示される生体外及び生体内研究によって裏付けられた有用な薬理学的性質を有する。
【0052】
RBL-2H3細胞の脱顆粒の阻害の分析方法
Fcε受容体I型又はカルシウムイオノフォアの活性化によって誘発される脱顆粒の阻害の研究に、ラットの好塩基性白血病のRBL-2H3細胞株(ATCC) を使用した。RBL-2H3細胞株を、10%のウシ胎児血清を補足したDMEM培地(Invitrogen Corporation)中で、37℃、5%CO、90%相対湿度で培養した。細胞を24ウエルプレートの上記と同じ培地に、ウエル当たり50000個を接種し、80〜90%の密集(confluence)に達するまで放置した。
【0053】
化合物の希釈物を、フェノールレッドを含有していないDMEM培地(Invitrogen Corporation)中で200μM〜1μMの濃度で調製した。純粋なDMEMを加えた陽性対照及び陰性対照以外は、培地を細胞から除去し、これに化合物の希釈物を加えた。次いで、全てのウエルに、純粋なDMEMを加えた陰性対照以外は、
1.Fcε受容体I型によるIgE誘発脱顆粒については、SPE-1(ジニトロフェニル特異IgE)抗体(Sigma)とジニトロフェニルアルブミン(Sigma)の溶液を、両方共に最終濃度0.5μg/mLで加え、
2.カルシウムイオノフォアによるCa2+誘発脱顆粒については、溶液A23187(Calbiochem)を最終濃度250μg/mlで加えた。細胞を、37℃、5%CO、90%相対湿度で1時間インキュベートした。それぞれの希釈物並びに陽性対照及び陰性対照を、三重反復試験で行った。
【0054】
上清(50μL)を二重反復試験で96ウエルプレートに移した。これに1mg/mLのp-ニトロフェニル-N-アセチル-β-D-グルコサミニド(Calbiochem)を含有する50mMクエン酸ナトリウム緩衝液100μLを加え、37℃で1時間インキュベートした。飽和炭酸ナトリウム溶液100μLを用いて反応を停止させた。吸光度を405nmで測定した。阻害%は、下記の式で表した:
阻害%=〔1−(OD405試料−OD405陽性対照)/(OD405陽性対照−OD405陰性対照)〕*100
大部分の化合物は、RBL-2H3細胞の脱顆粒を阻止したが、100〜3μMの用量で作用を実証する化合物6、7、12、15、17、34、36、38、40が最も活性であった。標準としてのケトチフェンは、200〜50μMの濃度で脱顆粒を阻害する。
【0055】
気管支の過敏性
気管支の過敏性を、プレチスモ分析法(Buxco pletismometer)で測定した。この方法は圧力差に基づくものであり、意識があり且つ束縛されていない動物で行った。種々の濃度のエアゾール型のメタコリンメタコリン(Sigma)で誘発される気管支の過敏性に対する化合物の作用を、ベースラインよりも上の高められた休止値(PENH)の増大の%で表した。これはコリン作動性刺激なしで測定された。
【0056】
化合物6を誘発試験2日前から始まり試験の終わりまでの全体として4日間の期間内に10 mg/kgの用量でマウスにおいてi.p.使用した。気管支の過敏性を、誘発試験後の24時間にわたってプレチスモ分析法で測定した。化合物6は、メタコリン濃度25 mg/mLで、呼吸気道の過敏性を陽性対照群に比べて統計的に有意に(t-test、p<0.05)低下させた。
【0057】
化合物36を誘発試験2日前から始まり試験の終わりまでの全体として4日間の期間内に10 mg/kgの用量でマウスにおいてi.p.使用した。気管支の過敏性を、誘発試験後の24時間にわたってプレチスモ分析法で測定した。化合物36は、メタコリン濃度50 mg/mLで、呼吸気道の過敏性を陽性対照群に比べて統計的に有意に(t-検定、p<0.01)低下させた。
【0058】
実施例で用いた製造方法
本発明を以下の実施例により例証する。実施例は単に例示として示すものであり、決して本発明の範囲を限定するものではない。製造方法は、大部分は常圧及び室温で実施した。それぞれの実施例において、最終生成物は、下記の方法の一つの方法又は幾つかの方法で特定した:高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)及び/又は質量分析計(HPLC-MSに連結した高性能液体クロマトグラフィー及び核磁気共鳴(NMR)分光分析法。温度は℃で表し、反応時間は時間で表わした:DMSO=ジメチルスルホキシド、THF=テトラヒドロフラン、LDA=リチウムジイソプロピルアミド、DMF=N,N-ジメチルホルムアミド。
【実施例】
【0059】
化合物1: 2-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3.2-c]クロメン-4-オン

実施例1
4-ヒドロキシクマリン(Aldrich)(810mg、5.0ミリモル) を、グリオキサールの40%水溶液(Aldrich)(575μL;5.0ミリモル)と混合した。これにアセトニトリル(10 mL) を加え、反応混合物を6時間還流した。得られた溶液を室温まで冷却することによって、白色沈殿物が沈殿した。これを濾過し、アセトニトリルで洗浄した。670mg(収率73.%)の化合物1が得られた。これはさらに精製する必要がなかった。
H-NMR(300 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:4.84(s, 1H); 6.29(bs, 1H); 7.28-7.58(m, 4H); 7.63-7.80(m, 3H); 8.04(d. J=7.6 Hz, 1H), 12.02(bs, 1H);
MS m/z:ES-(アセトニトリル:水)[M-H]-:363.2。
【0060】
化合物2: 2-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-5-メチル-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-9-メチル-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3,2-c]クロメン-4-オン

実施例2
4-ヒドロキシ-5-メチルクマリン(100 mg;0.57ミリモル)を、グリオキサールの40%水溶液(130μL;1.1ミリモル)と混合した。これにアセトニトリル(6ml)を加え、反応混合物を9時間還流した。得られた溶液を室温まで冷却することによって、白色沈殿物が沈殿した。これを濾過し、アセトニトリルで洗浄した。化合物2が33.5mg(収率29%)得られた。これはさらに精製する必要がなかった。
H-NMR(300 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:2.71(s, 3H); 2.76(s, 3H); 4.83(d, J=3.8 Hz, 1H); 6.29(d, J=3.5 Hz, 1H); 7.15-7.20(m, 2H); 7.26(d, J=8.4 Hz, 1H);7.47(dd, J=8.0 Hz, J=8.0 Hz, 1H); 7.53(dd, J=8.0 Hz, J=8.0 Hz, 1H); 8.26(bs, 1H); 11.7(bs, 1H);
13C-NMR(75.4 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:20.7; 23.4; 42.8; 101.5; 102.0; 108.6; 111.4;114.5; 114.5; 115.0; 126.4; 127.6; 131.3; 131.9; 135.7; 137.3; 153.4; 155.3; 158.2; 160.7; 164.7; 166.2;
MS m/z:ES-(アセトニトリル:水)[M-H]-:392.8。
【0061】
化合物3: 2-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-6-メチル-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-8-メチル-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3.2-c]クロメン-4-オン

実施例3:
4-ヒドロキシ-6-メチルクマリン(88mg;0.5ミリモル)を、グリオキサールの40%水溶液(288μL;2.5ミリモル)と混合した。これにアセトニトリル(3mL)を加え、反応混合物を3時間還流した。得られた溶液を室温まで冷却することによって、白色沈殿物が沈殿した。これを濾過し、アセトニトリルで洗浄した。化合物3が84mg(収率86%)得られた。これはさらに精製する必要がなかった。
H-NMR(300 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:2.38(s, 3H); 2.41(s, 3H); 4.78(s, 1H); 6.26(s, 1H); 7.28(d, J=8.5 Hz, 1H); 7.35(d, J=8,2 Hz, 1H); 7.45-7.52(m, 2H); 7.55(bs, 1H); 7.82(bs, 1H); 8.20(bs, 1H); 11.90(bs, 1H);
MS m/z:ES-(アセトニトリル:水)[M-H]-:391.1。
【0062】
化合物4: 2-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-7-メチル-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-7-メチル-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3,2-c]クロメン-4-オン

実施例4
4-ヒドロキシ-7-メチルクマリン(88 mg;0.5ミリモル)を、グリオキサールの40%水溶液(288μL;2.5ミリモル)と混合した。これにアセトニトリル(10mL)を加え、反応混合物を3時間還流した。得られた溶液を室温まで冷却することによって、白色沈殿物が沈殿した。これを濾過し、アセトニトリルで洗浄した。化合物4が46mg(収率47%)得られた。これはさらに精製する必要がなかった。
H-NMR(300 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:2.41(s, 3H); 2.44(s, 3H); 4.76(bs, 1H); 6.25(bs, 1H); 7.11-7.29(m, 4H); 7.64(d, J=7.7 Hz, 1H); 7.91(d, J=7.7 Hz, 1H); 8.20(bs, 1H); 11.80(bs, 1H);
13C-NMR(75.4 MHz、DMSO-d6) δ/ppm:21.0; 21.2; 43.7; 100.7; 100.9; 109.4; 109.6; 113.3; 116.3; 116.6; 122.3; 123.1; 125.0; 125.3; 143.1; 143.5; 152.2; 154.6; 158.5; 161.6; 162.0; 165.0;
MS m/z:ES-(アセトニトリル:水)[M-H]-:391.0。
【0063】
化合物5: 2-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-8-メチル-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-6-メチル-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3,2-c]クロメン-4-オン

実施例5
4-ヒドロキシ-8-メチルクマリン(88 mg;0.5ミリモル)を、グリオキサールの40%水溶液(288μL;2.5ミリモル)と混合した。これにアセトニトリル(3mL)を加え、反応混合物を3時間還流した。得られた溶液を室温まで冷却することによって、白色沈殿物が沈殿した。これを濾過し、アセトニトリルで洗浄した。化合物5が80mg(収率81%)得られた。これはさらに精製する必要がなかった。
H-NMR(300 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:2.34(s, 3H); 2.37(s, 3H); 4.80(bs, 1H); 6.28(bs, 1H); 7.26-7.35(m, 2H); 7.51-7.62(m, 3H); 7.86(d, J=7,7 Hz, 1H); 8.28(bs, 1H);11.99(bs, 1H);
MS m/z:ES-(アセトニトリル:水)[M-H]-:391.1。
【0064】
化合物6: 2-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-5,7-ジメチル-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-7,9-ジメチル-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3,2-c]クロメン-4-オン

実施例6
4-ヒドロキシ-5,7-ジメチルクマリン(190mg;1.0ミリモル)を、グリオキサールの40%水溶液(288μL;2.5ミリモル)と混合した。これにアセトニトリル(10mL)を加え、反応混合物を2.5時間還流した。得られた溶液を室温まで冷却することによって、ベージュ色沈殿物が沈殿した。これを濾過し、アセトニトリルで洗浄した。化合物6が150mg(収率71%)得られた。これはさらに精製する必要がなかった。
H-NMR(300 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:2.28(s, 3H); 2.33(s, 3H); 2.65(s, 3H); 2.71(s, 3H); 4.78(d, J=3.8 Hz, 1H); 6.25(d. J=3.6 Hz, 1H); 7.01(s, 1H); 7.03(s, 1H); 7.09(s, 1H); 7.16(s, 1H);
MS m/z:ES(アセトニトリル:水)[M-H]:420.8。
【0065】
化合物7: 2-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-5,8-ジメチル-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-6,9-ジメチル-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3,2-c]クロメン-4-オン

実施例7
4-ヒドロキシ-5,8-ジメチルクマリン(190mg;1.0ミリモル)を、グリオキサールの40%水溶液(288μL;2.5ミリモル)と混合した。これにアセトニトリル(5mL)を加え、反応混合物を2.5時間還流した。反応混合物を蒸発させ、得られた粗生成物をアセトン:水の混合物から再結晶させ、白色結晶質の化合物7を132mg(収率63%)得た。
H-NMR(300 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:2.26(s, 3H); 2.31(s, 3H); 2.66(s. 3H); 2.72(s, 3H); 4.84(d, J=3.5 Hz, 1H); 6.28(d, J=3.1 Hz, 1H); 7.05(d, J=7.8 Hz, 1H); 7.9(d, J=7.9 Hz, 1H); 7.35(d, J=7.6 Hz, 1H); 7.42(d, J=7.6 Hz, 1H); 8.24(bs, 1H); 12.00(bs, 1H);
MS m/z:ES(アセトニトリル:水)[M-H]:420.8。
【0066】
化合物8: 2-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-6,7-ジメチル-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-7,8-ジメチル-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3.2-c]クロメン-4-オン

実施例8
4-ヒドロキシ-6,7-ジメチルクマリン(Aldrich) (190mg;1.0ミリモル)を、グリオキサールの40%水溶液(288μL;2.5ミリモル)と混合した。これにアセトニトリル(10mL)を加え、反応混合物を4時間還流した。得られた溶液を室温まで冷却することによって、白色沈殿物が沈殿した。これを濾過し、アセトニトリルで洗浄した。化合物8が182mg(収率86%)得られた。これはさらに精製する必要がなかった。
H-NMR(300 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:2.28(s, 3H); 2.32(s, 6H); 2.34(s. 3H); 4.75(d. J=3.3 Hz, 1H); 6.23(d, 1H); 7.20(s, 1H); 7.27(s. 1H); 7.51(s, 1H); 7.77(s, 1H); 8.97(bs, 1H); 11.87(bs, 1H);
13C-NMR(75.4 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:18.6; 18.9; 19.5; 19.8; 43.7; 100.7; 100.9; 109.3; 109.6; 113.3; 116.6; 116.9; 122.3; 123.2; 132.3; 132.9; 142.0; 142.4; 150.5; 153.0; 158.6; 161.6; 161.9; 164.9;
MS m/z:ES-(アセトニトリル:水)[M-H]-:419.4。
【0067】
化合物9: 2-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-7,8-ジメチル-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-6,7-ジメチル-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3,2-c]クロメン-4-オン

実施例9
4-ヒドロキシ-7,8-ジメチルクマリン(95mg;0.5ミリモル)を、グリオキサールの40%水溶液(144μL;1.25ミリモル)と混合した。これにアセトニトリル(10mL)を加え、反応混合物を3時間還流した。得られた溶液を室温まで冷却することによって、白色沈殿物が沈殿した。これを濾過し、アセトニトリルで洗浄した。化合物9が85mg(収率80%)得られた。これはさらに精製する必要がなかった。
H-NMR(300 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:2.25(s, 3H); 2.28(s, 3H); 2.35(s, 3H); 2.39(s, 3H); 4.77(d, J=3.1 Hz, 1H); 6.26(d, J=3.5 Hz, 1H); 7.19(d, J=8.3 Hz, 1H); 7.22(d, J=8.2 Hz, 1H); 7.50(d. J=8.0 Hz, 1H); 7.75(d, J=8.1 Hz, 1H);
MS m/z:ES(アセトニトリル:水)[MH]:421.2。
【0068】
化合物10: 2-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-6,8-ジメチル-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-6,8-ジメチル-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3.2-c]クロメン-4-オン

実施例10
4-ヒドロキシ-6,8-ジメチルクマリン(190mg;1.0ミリモル)を、グリオキサールの40%水溶液(288μL;2.5ミリモル)と混合した。これにアセトニトリル(5mL)を加え、反応混合物を2時間還流した。得られた溶液を室温まで冷却することによって、白色沈殿物が沈殿した。これを濾過し、アセトニトリルで洗浄した。化合物10が156mg(収率74%)得られた。これはさらに精製する必要がなかった。
H-NMR(300 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:2.30(s, 3H); 2.32(s, 3H); 2.34(s, 3H); 2.37(s, 3H); 4.79(d, J=3.5 Hz, 1H); 6.26(d, J=3.6 Hz, 1H); 7.34(s, 1H); 7.39(s, 2H); 7.65(s, 1H); 11.85(bs, 1H);
MS m/z:ES(アセトニトリル:水)[MH]:420.8。
【0069】
化合物11: 8-エチル-3-(6-エチル-4-ヒドロキシ-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-2-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3.2-c]クロメン-4-オン

実施例11
6-エチル-4-ヒドロキシクマリン(95 mg;0.5ミリモル)を、グリオキサールの40%水溶液(288μL;2.5ミリモル)と混合した。これにアセトニトリル(2mL)を加え、反応混合物を3時間還流した。得られた溶液を室温まで冷却することによって、白色沈殿物が沈殿した。これを濾過し、アセトニトリルで洗浄した。化合物11が57mg(収率54.2%)得られた。これはさらに精製する必要がなかった。
H-NMR(300 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:1.22(m, 6H); 2.71(m, 4H); 4.80(d. J=3.4 Hz, 1H); 6.28(d, J=3.5 Hz, 1H); 7.31(d, J=8.4 Hz, 1H); 7.38(d, J=8.3 Hz, 1H); 7.50(d, J=8.0 Hz. 1H); 7.55(d, J=8.0 Hz, 1H); 7.57(s, 1H); 7.87(s, 1H);
13C-NMR(75.4 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:15.5; 15.6; 27.3; 27.6; 43.9; 101.4; 101.8; 109.4; 111.9; 115.5; 116.2; 116.5; 120.9; 121.9; 132.1; 132.5; 139.5; 140.0; 150.4; 152.8; 158.5; 161.5; 161.9; 164.9;
MS m/z:ES(アセトニトリル:水)[MH]:420.9。
【0070】
化合物12: 6-エチル-3-(8-エチル-4-ヒドロキシ-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-2-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3.2-c]クロメン-4-オン

実施例12
8-エチル-4-ヒドロキシクマリン(95 mg;0.5ミリモル)を、グリオキサールの40%水溶液(288μL;2.5ミリモル)と混合した。これにアセトニトリル(2mL)を加え、反応混合物を3時間還流した。得られた溶液を室温まで冷却することによって、白色沈殿物が沈殿した。これを濾過し、アセトニトリルで洗浄した。化合物12が64mg(収率61%)得られた。これはさらに精製する必要がなかった。
H-NMR(300 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:1.21(m, 6H); 2.78(m, 4H); 4.82(d, J=3.2 Hz, 1H); 6.30(d, J=3.5 Hz. 1H); 7.32(t. J=7.8 Hz, 1H); 7.36(t, J=7.6 Hz, 1H); 7.53(d, J=7.3 Hz, 1H); 7.58(d, J=7.8, 1H); 7.62(d, J=7.8 Hz, 1H); 7.87(d, J =7.8 Hz, 1H); 11.80(bs, 1H);
13C-NMR(75.4 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:14.0 (2C); 22.0; 22.3; 43.8; 101.3; 101.7; 109.4; 111.9; 115.7; 120.4; 121.1; 123.5; 124.0; 131.0; 131.4; 131.8; 132.1; 149.9; 152.3; 158.3; 161.3; 162.2; 165.3;
MS m/z:ES(アセトニトリル:水)[MH]:420.8。
【0071】
化合物13: 2-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-6-イソプロピル-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-8-イソプロピル-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3.2-c]クロメン-4-オン

実施例13
4-ヒドロキシ-6-イソプロピルクマリン(102 mg;0.5ミリモル)を、グリオキサールの40%水溶液(230μL;2.0ミリモル)と混合した。これにアセトニトリル(1mL)を加え、反応混合物を5時間還流した。得られた溶液を室温まで冷却することによって、白色沈殿物が沈殿した。これを濾過し、アセトニトリルで洗浄した。化合物13が34mg(収率13%)得られた。これはさらに精製する必要がなかった。
H-NMR(300 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:1.23(d, J=7.2 Hz, 6H); 1.26(d, J=7.4 Hz, 6H); 3.00(m, 2H); 4.79(d, J=2.4 Hz, 1H); 6.28(d, J=3.3 Hz, 1H); 7.31(d, J=8.4 Hz, 1H); 7.38(d, J=8.5 Hz, 1H); 7.57(m, 3H); 7.92(s, 1H); 12.00(bs, 1H);
13C-NMR(75.4 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:23.8 (4C); 32.7; 33.0; 43.9; 101.5; 101.8; 109.4; 111.8; 115.5; 116.2; 116.6; 119.4; 120.4; 130.9; 131.2; 144.2; 144.5; 150.4; 152.8; 158.5; 161.6; 162.0; 164.9;
MS m/z:ES-(アセトニトリル:水)[M-H]-:447.0。
【0072】
化合物14: 2-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-8-イソプロピル-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-6-イソプロピル-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3,2-c]クロメン-4-オン

実施例14
4-ヒドロキシ-8-イソプロピルクマリン(102 mg;0.5ミリモル)を、グリオキサールの40%水溶液(288μL;2.5ミリモル)と混合した。これにアセトニトリル(1.5mL)を加え、反応混合物を5時間還流した。得られた溶液を室温まで冷却することにより、白色沈殿物が沈殿した。これを濾過し、アセトニトリルで洗浄した。化合物14が184mg(収率16%)得られた。これはさらに精製する必要がなかった。
H-NMR(300 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:1.25(m. 12H); 3.44(m, 2H); 4.82(d, J=3.0 Hz, 1H); 6.30(d, J=3.4 Hz, 1H); 7.35(dd, J=7.9 Hz, J=7.8 Hz, 1H); 7.39(dd, J=7.8 Hz, J=7.5 Hz, 1H); 7.61(m, 3H); 12.00(bs, 1H);
H-NMR(300 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:22.3 (2C); 22.4 (2C); 26.2; 26.4; 43.8; 101.3; 101.6; 109.4; 111.9; 115.7; 120.3; 121.0; 123.7; 124.1; 129.2; 129.5; 135.6; 135.8; 149.3; 151.7; 158.2; 159.4; 162.2; 165.4;
MS m/z:ES(アセトニトリル:水)[MH]:448.9。
【0073】
化合物15: 2-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-5-イソプロピル-8-メチル-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-9-イソプロピル-6-メチル-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3,2-c]クロメン-4-オン

実施例15
4-ヒドロキシ-5-イソプロピル-8-メチルクマリン(109 mg;0.5ミリモル)を、グリオキサールの40%水溶液(288μL;2.5ミリモル)と混合した。これにアセトニトリル(2mL)を加え、反応混合物を3時間還流した。得られた溶液を室温まで冷却することによって、白色沈殿物が沈殿した。これを濾過し、アセトニトリルで洗浄した。化合物15が22mg(収率18.5%)得られた。これはさらに精製する必要がなかった。
H-NMR(300 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:1.25(d、J=6.9 Hz, 6H); 1.28(d, J=6.8 Hz, 6H); 2.27(s, 3H); 2.32(s, 3H); 4.08(sept, J=6.8 Hz, 1H); 4.39(sept, J=6.7 Hz, 1H), 4.86(d, J=3.4 Hz, 1H); 6,30(d, J=3.2 Hz, 1H); 7.25(d, J=7.9 Hz, 2H); 7.43(d, J=7.9 Hz, 1H); 7.49(d, J=7.9 Hz, 1H);
13C-NMR (75.4 MHz、DMSO-d6) δ/ppm: 15.3; 15.6; 23.4; 24.3; 28.8; 29.1; 42.6; 100.8; 102.2; 108.2; 110.2; 113.6; 120.5; 121.4; 122.6; 123.1; 132.5; 133.1; 144.4; 146.0; 151.3; 153.4; 158.1; 160.4; 164.8; 166.3;
MS m/z:ES(アセトニトリル:水)[MH]:476.9。
【0074】
化合物16: 2-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-6,8-ジイソプロピル-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-6,8-ジイソプロピル-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3.2-c]クロメン-4-オン

実施例16
4-ヒドロキシ-6,8-ジイソプロピルクマリン(86 mg;0.35ミリモル)を、グリオキサールの40%水溶液(200μL;1.05ミリモル)と混合した。これにアセトニトリル(3mL)を加え、反応混合物を3時間還流した。得られた反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水で抽出した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で蒸発させた。得られた黄色油状残留物(12g)を、シリカゲルカラムを用いクロロホルム:アセトン:酢酸 (60:20:1)の溶媒系で精製した後に、白色粉末状の化合物16が35mg(38%)得られた。
MS m/z:ES(アセトニトリル:水)[MH]:533.1。
【0075】
化合物17: 2-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-8-イソプロピル-5-メチル-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-6-イソプロピル-9-メチル-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3,2-c]クロメン-4-オン

実施例17
4-ヒドロキシ-8-イソプロピル-5-メチルクマリン(109 mg;0.5ミリモル)を、グリオキサールの40%水溶液(230μL;2.0ミリモル)と混合した。これにアセトニトリル(2mL)を加え、反応混合物を6時間還流した。反応混合物から、固体担体(Supelco、Supelclean LC-18、1g)を用いて抽出することにより、化合物17(10.5 mg;8.8%)を得た。
H-NMR(300 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:1.22(m, 12H); 2.67(s, 3H); 2.73(s, 3H);
3.39(m, 2H); 4.83(d, J=3.6 Hz, 1H); 6.28(bs, 1H); 7.12(d, J=7.7 Hz, 1H); 7.16(d, J=7.9 Hz, 1H); 7.40(d, J=7.8 Hz, 1H); 7.47(d, J=7.9 Hz, 1H); 約12.0(bs, 1H);
MS m/z:ES(アセトニトリル:水)[MH]:477.1。
【0076】
化合物18: 2-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-5-メトキシ-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-9-メトキシ-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3,2-c]クロメン-4-オン

実施例18
4-ヒドロキシ-5-メトキシクマリン(96 mg;0.5ミリモル)を、グリオキサールの40%水溶液(288μL;2.5ミリモル)と混合した。これにアセトニトリル(5mL)を加え、反応混合物を1時間還流した。得られた溶液を室温まで冷却することによって、白色沈殿物が沈殿した。これを濾過し、アセトニトリルで洗浄した。化合物18が63mg(収率59%)得られた。これはさらに精製する必要がなかった。
H-NMR(300 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:3.92(s, 3H); 4.01(s, 3H); 4.59(d, J=4.0 Hz, 1H); 6.18(bs, 1H); 6.97-7.04(m, 4H); 7.60(m, 2H); 8.18(d, J=7.3 Hz, 1H); 10.36(bs, 1H);
13C-NMR(75.4 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:42.0; 56.2; 56.9; 100.5; 101.0; 102.8; 104.0; 106.3; 106.5; 108.7; 108.9; 109.5; 133.0; 153.0; 155.9; 156.1; 156.2; 158.1; 162.2; 165.1;
MS m/z:ES-(アセトニトリル:水)[M-H]-:423.0。
【0077】
化合物19: 2-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-6-メトキシ-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-8-メトキシ-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3.2-c]クロメン-4-オン

実施例19
4-ヒドロキシ-6-メトキシクマリン(96 mg;0.5ミリモル)を、グリオキサールの40%水溶液(288μL;2.5ミリモル)と混合した。これにアセトニトリル(5mL)を加え、反応混合物を4時間還流した。得られた溶液を室温まで冷却することによって、白色沈殿物が沈殿した。これを濾過し、アセトニトリルで洗浄した。化合物19が74mg(収率70%)得られた。これはさらに精製する必要がなかった。
H-NMR(300 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:3.86(3H, s); 3.81(3H, s); 4.49(1H, bs); 6.27(1H, m); 7.15-7.54(6H, m); 11.80(bs, 1H);
13C-NMR(75.4 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:44.0; 55.6 (2H); 101.8; 102.2; 104.1; 105.7; 109.4; 112.4; 116.2; 117.5; 118.0; 119.9; 120.7; 146.4; 148.9; 155.3; 155.4; 158.4; 161.6; 161.7; 164.6;
MS m/z:ES-(アセトニトリル:水)[M-H]-:423.0。
【0078】
化合物20: 2-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-7-メトキシ-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-7-メトキシ-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3.2-c]クロメン-4-オン

実施例20
4-ヒドロキシ-7-メトキシクマリン(96 mg;0.5ミリモル)を、グリオキサールの40%水溶液(288μL;2.5ミリモル)と混合した。これにアセトニトリル(5mL)を加え、反応混合物を2時間還流した。得られた溶液を室温まで冷却することによって、白色沈殿物が沈殿した。これを濾過し、アセトニトリルで洗浄した。化合物20が80mg(収率75%)得られた。これはさらに精製する必要がなかった。
H-NMR(300 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:3.86(s, 6H); 4.71(bs, 1H); 6.22(bs, 1H);
6.87-7.05(m, 4H); 7.67(d, J=8.6 Hz, 1H); 7.92(d, J=8.8 Hz, 1H); 11.89(bs, 1H);
MS m/z:ES-(アセトニトリル:水)[M-H]-:423.0。
【0079】
化合物 21: 2-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-8-メトキシ-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-6-メトキシ-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3,2-c]クロメン-4-オン

実施例21
4-ヒドロキシ-8-メトキシクマリン(96 mg;0.5ミリモル)を、グリオキサールの40%水溶液(288μL;2.5ミリモル)と混合した。これにアセトニトリル(5mL)を加え、反応混合物を45分間還流した。得られた溶液を室温まで冷却することによって、白色沈殿物が沈殿した。これを濾過し、アセトニトリルで洗浄した。化合物21が95mg(収率90%)得られた。これはさらに精製する必要がなかった。
H-NMR(300 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:3.84(s, 3H); 3.87(s, 3H); 4.71(d, J=3.2 Hz, 1H); 6.22(d, J=3.2 Hz, 1H); 6.86-7.05(m, 4H); 7.66(d, J=8.7 Hz, 1H);
7.92(d, J=9.9 Hz, 1H); 11.89(bs, 1H);
13C-NMR(75.4 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:43.5; 55.8(2C); 99.0; 100.4; 100.8; 105.3; 109.0; 109.4; 111.9; 112.3; 123.7; 124.6; 154.0; 156.4; 158.6; 161.7; 162.2; 162.5; 162.9; 165.2;
MS m/z:ES-(アセトニトリル:水)[M-H]-:423.3。
【0080】
化合物22: 2-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-5,7-ジメトキシ-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-7,9-ジメトキシ-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3.2-c]クロメン-4-オン

実施例22
4-ヒドロキシ-5,7-ジメトキシクマリン(111 mg; 0.5ミリモル)を、グリオキサールの40%水溶液(288μL;2.5ミリモル)と混合した。これにアセトニトリル(5mL)を加え、反応混合物を室温まで冷却した後に、溶媒を減圧下で蒸発させ、粗製残留物をアセトン:水の溶媒混合物から再結晶し、化合物22を90mg(74%)得た。
【0081】
H-NMR(300 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:3.85(s, 3H); 3.85(s, 3H); 3.88(s, 3H); 3.97(s, 3H); 4.51(d, J=4.0 Hz, 1H); 6.12(m, 1H); 6.52(d, J=2.2 Hz, 1H); 6.57(d, J=2.2 Hz, 1H); 6.61(d, J=2.2 Hz, 1H); 6.63(d, J=2.2 Hz. 1H); 8.08(d, J=2.2 Hz, 1H); 10.2(bs, 1H);
13C-NMR(75.4 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:42.1; 55.9; 56.0; 56.2; 56.9; 93.4; 93.8; 95.0; 95.3; 96.8; 97.8; 98.2; 98.2; 108.7; 154.8; 157.2; 157.3; 157.6; 158.2; 162.4; 163.1; 163.4; 165.4;
MS m/z:ES(アセトニトリル:水)[MH]:484.7。
【0082】
化合物23: 2-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-6,7-ジメトキシ-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-7,8-ジメトキシ-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3.2-c]クロメン-4-オン

実施例23
4-ヒドロキシ-6,7-ジメトキシクマリン(111 mg; 0.5ミリモル)を、グリオキサールの40%水溶液(288μL;2.5ミリモル)と混合した。これにアセトニトリル(5mL)を加え、反応混合物を2時間還流した。得られた溶液を室温まで冷却することによって、白色沈殿物が沈殿した。これを濾過し、アセトニトリルで洗浄した。化合物23が60mg(収率50%)得られた。これはさらに精製する必要がなかった。
H-NMR(300 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:3.81(s, 3H); 3.86(s, 3H); 3.87(s, 6H); 4.72(d, J=3.0 Hz, 1H); 6.22(d, J=3.3 Hz, 1H); 6.96(s, 1H); 7.05(s, 1H); 7.10(s, 1H); 7.52(s, 1H); 11.7(bs, 1H);
13C-NMR(75.4 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:42.6; 54.6; 54.8; 55.0; 98.3; 98.8; 95.0; 99.3; 101.6; 102.8; 103.1; 106.5; 108.3; 144.5; 144.8; 146.9; 149.5; 151.5; 152.0; 157.7; 161.1; 164.1;
MS m/z:ES(アセトニトリル:水)[MH]:484.8。
【0083】
化合物24: 3-(4,5-ジヒドロキシ-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-2,9-ジヒドロキシ-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3,2-c]クロメン-4-オン

実施例24
4,5-ジヒドロキシクマリン(100 mg; 0.56ミリモル)を、グリオキサールの40%水溶液(299μL;2.8ミリモル)と混合した。これにアセトニトリル(5mL)を加え、反応混合物を室温で一夜攪拌した。得られた白色沈殿物を濾過し、アセトニトリルで洗浄した。化合物24が40mg(収率36%)得られた。これはさらに精製する必要がなかった。
H-NMR(300 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:4.55(bs, 1H); 6.15(bs, 1H); 6.75-6.82(m, 4H); 7.38-7.43(m, 2H); 10.89(bs, 1H);
13C-NMR(75.4 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:42.8; 98.6; 101.1; 102.3; 104.0; 106.8;
107.3; 109.1; 109.4; 110.1; 132,5 (2C); 153.1; 154.9; 155.3; 155.9; 158.3; 160.3; 164.7; 165.5;
MS m/z:ES(アセトニトリル:水)[MH]:396.8。
【0084】
化合物25: 3-(4,6-ジヒドロキシ-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-2,8-ジヒドロキシ-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3.2-c]クロメン-4-オン

実施例25
4,6-ジヒドロキシクマリン(178mg; 1.0ミリモル)を、グリオキサールの40%水溶液(288μL;2.5ミリモル)と混合した。これにアセトニトリル(10mL)を加え、反応混合物を3時間還流した。得られた溶液を室温まで冷却することによって、白色沈殿物が沈殿した。これを濾過し、アセトニトリルで洗浄した。化合物25が154mg(収率78%)得られた。これはさらに精製する必要がなかった。
H-NMR(300 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:4.76(bs, 1H); 6.23(d, J=3.0 Hz, 1H); 7.01-7.33(m, 6H); 9.90(bs, 1H); 11.85(bs, 2H); 12.39(bs, 1H);
MS m/z:ES(アセトニトリル:水)[MH]:396.7。
【0085】
化合物26: 3-(4,7-ジヒドロキシ-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-2,7-ジヒドロキシ-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3,2-c]クロメン-4-オン

実施例26
4,7-ジヒドロキシクマリン(178mg; 1.0ミリモル)を、グリオキサールの40%水溶液(288μL;2.5ミリモル)と混合した。これにアセトニトリル(10mL)を加え、反応混合物を1時間還流した。得られた溶液を室温まで冷却することによって、白色沈殿物が沈殿した。これを濾過し、アセトニトリルで洗浄した。化合物26が170mg(収率86%)得られた。これはさらに精製する必要がなかった。
H-NMR(300 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:4.67(d, J=3.2 Hz, 1H); 6.18(d, 7=2.9 Hz, 1H); 6.68(s, 1H); 6.75(s, 1H); 6.81-6.91(m, 2H); 7.58(d, J=8.6 Hz, 1H); 7.83(d, J=8.7 Hz, 1H); 10.58(bs, 1H); 10.64(bs, 1H); 11.73(bs, 1H);
MS m/z:ES-(アセトニトリル:水)[M-H]-:395。
【0086】
化合物27: 3-(4,7-ジヒドロキシ-8-メチル-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-2,7-ジヒドロキシ-6-メチル-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3,2-c]クロメン-4-オン

実施例27
4,7-ジヒドロキシ-8-メチルクマリン(96 mg; 0.5ミリモル)を、グリオキサールの40%水溶液(288μL;2.5ミリモル)と混合した。これにアセトニトリル(5mL)を加え、反応混合物を3時間還流した。得られた溶液を室温まで冷却することによって、白色沈殿物が沈殿した。これを濾過し、アセトニトリルで洗浄した。化合物27が58mg(収率50%)得られた。これはさらに精製する必要がなかった。
H-NMR(300 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:2.13(s, 3H); 2.15(s, 3H); 4.70(d, J=3.5 Hz, 1H); 6.19(d, J=3.6 Hz, 1H); 6.87(d, J=8.8 Hz, 1H); 6.91(d, J=8.5 Hz, 1H); 7,44(d, J=8.6 Hz, 1H); 7.69(d, J=8.8 Hz, 1H); 10.40(bs, 1H); 10.51(bs, 1H); 11.59(bs, 1H);
13C-NMR(75.4 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:7.94; 8.17; 43.5; 98.1; 98.2; 104.1; 107.8; 109.3; 110.4; 111.0; 111.4; 111.8; 120.5; 121.3; 151.9; 154.4; 158.8; 158.9; 159.3; 162.0; 162.6; 165.7;
MS m/z:ES(アセトニトリル:水)[MH]:424.8。
【0087】
化合物28: 3-(4,7-ジヒドロキシ-5-メチル-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-2,7-ジヒドロキシ-9-メチル-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3,2-c]クロメン-4-オン

実施例28
4,7-ジヒドロキシ-5-メチルクマリン(200mg;0.5ミリモル)を、グリオキサールの40%水溶液(597μL;13ミリモル)と混合した。これにアセトニトリル(5mL)を加え、反応混合物を8時間還流した。得られた溶液を室温まで冷却することによって、白色沈殿物が沈殿した。これを濾過し、アセトニトリルで洗浄した。化合物28が175mg(収率79%)得られた。これはさらに精製する必要がなかった。
H-NMR(300 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:2.61(s, 3H); 2.156(s, 3H); 4.69(d, J=3.9 Hz, 1H); 6.20(d, J=3.8 Hz, 1H); 6.49(d, J=2.2 Hz, 1H); 6.58(m, 2H); 6.63(s, 1H); 8.00(bs, 1H); 10.41(bs, 1H); 11.50(bs, 1H);
13C-NMR(75.4 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:19.8; 22.5; 41.4; 96.4; 97.4; 98.9; 99.3; 102.6; 106.2; 107.4; 113.9; 115.0; 136.1; 137.8; 154.3; 156.4; 157.5; 158.8; 159.6; 160.0; 164.0; 165.7;
MS m/z:ES(アセトニトリル:水)[MH]:424.8。
【0088】
化合物29: 2,6,7-トリヒドロキシ-3-(4,7,8-トリヒドロキシ-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-2,3-ジヒドロ-4-フロ[3,2-c]クロメン-4-オン

実施例29
4,7,8-トリヒドロキシクマリン(97mg;0.5ミリモル)を、グリオキサールの40%水溶液(288μL;2.5ミリモル)と混合した。これにアセトニトリル(10mL)を加え、反応混合物を3時間還流した。溶媒を減圧下で蒸発させ、得られた油状沈殿物を冷水と共に磨砕した。分離した沈殿物を濾過し、水洗した。黄色化合物29が50mg(46%)得られた。
H-NMR(300 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:4.89(d, J=3.7 Hz, 1H); 6.18(d, J=3.4 Hz, 1H); 6.80(d, J=8.7 Hz, 1H); 6.85(d, J=8.6 Hz, 1H); 7-07(d, J=8.6 Hz, 1H); 7.35(d, J=8.7 Hz, 1H); 9.32(bs, 2H); 10.10(bs, 2H); 11.59(bs, 1H);
MS m/z:ES(アセトニトリル:水)[MH]:428.9。
【0089】
化合物30: 9-フルオロ-3-(5-フルオロ-4-ヒドロキシ-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-2-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3.2-c]クロメン-4-オン

実施例30
5-フルオロ-4-ヒドロキシクマリン(53mg;0.3ミリモル)を、グリオキサールの40%水溶液(173μL;1.5ミリモル)と混合した。これにアセトニトリル(2.5mL)を加え、反応混合物を4時間還流した。得られた溶液を室温まで冷却することによって、白色沈殿物が沈殿した。これを濾過し、アセトニトリルで洗浄した。化合物30が23mg(収率38%)得られた。これはさらに精製する必要がなかった。
H-NMR(300 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:4.80(bs, 1H); 5.25(bs, 1H, アルデヒド型);
6.30(d, J=2.3 Hz, 1H); 6.96-7.34(m. 4H); 7.56-7.75(m, 2H); 8.30(bs, 1H); 9.15(bs, 1H, アルデヒド型);
MS m/z:ES(アセトニトリル:水)[MH]:400.8。
【0090】
化合物31: 8-フルオロ-3-(6-フルオロ-4-ヒドロキシ-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-2-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3.2-c]クロメン-4-オン

実施例31
6-フルオロ-4-ヒドロキシクマリン(180mg;1.0ミリモル)を、グリオキサールの40%水溶液(574μL;5.0ミリモル)と混合した。これにアセトニトリル(8mL)を加え、反応混合物を6時間還流した。得られた溶液を室温まで冷却することによって、白色沈殿物が沈殿した。これを濾過し、アセトニトリルで洗浄した。化合物31が62mg(収率31%)得られた。これはさらに精製する必要がなかった。
H-NMR(300 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:4.85(bs, 1H); 6.35(bs, 1H); 7.40-7.84(m, 6H); 9.36(bs, 1H);
13C-NMR(75.4 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:42.8; 101.0; 101.6; 107.1 (d, J=24.8 Hz); 108.1(d, J=25.7 Hz); 108.6; 111.9 (d); 115.9(d); 117.4(d); 117.8(d); 118.7 (d, J=23.0 Hz); 119.0(d, J=20 Hz); 147.4; 149.7; 156.7(d, 241 Hz); 158.1(d, 236 Hz); 160.2; 162.2; 163.1; 165.4;
MS m/z:ES-(アセトニトリル:水)[M-H]-:399.0。
【0091】
化合物32: 2-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-6-クロロ-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-8-クロロ-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3.2-c]クロメン-4-オン

実施例32
4-ヒドロキシ-6-クロロクマリン(98mg;0.5ミリモル)を、グリオキサールの40%水溶液(288μL;2.5ミリモル)と混合した。これにアセトニトリル(5mL)を加え、反応混合物を4時間還流した。得られた溶液を室温まで冷却することによって、白色沈殿物が沈殿した。これを濾過し、アセトニトリルで洗浄した。化合物32が31.8mg(収率29%)得られた。これはさらに精製する必要がなかった。
H-NMR(300 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:4.81(bs, 1H); 6.31(bs, 1H); 7.33-7.77(m, 5H); 8.06(s, 1H), 9.31(bs, 1H);
MS m/z:ES-(アセトニトリル:水)[M-H]-:431.2; 433.2; 435.2。
【0092】
化合物33: 8-ブロモ-3-(6-ブロモ-4-ヒドロキシ-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-2-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3,2-c]クロメン-4-オン

実施例33
6-ブロモ-4-ヒドロキシクマリン(120mg;0.5ミリモル)を、グリオキサールの40%水溶液(288μL;2.5ミリモル)と混合した。これにアセトニトリル(5mL)を加え、反応混合物を4時間還流した。得られた溶液を室温まで冷却することによって、白色沈殿物が沈殿した。これを濾過し、アセトニトリルで洗浄した。化合物33が20mg(収率24%)得られた。これはさらに精製する必要がなかった。
H-NMR(300 MHz, DMSO-d6)δ/ppm:4.82(bs, 1H); 5.34(bs, 1H. アルデヒド型); 6.33(bs, 1H); 7.25-7.40(m, 2H); 7.72-7.88(m, 3H); 8.19(bs, 1H); 9.26(bs, 1H, アルデヒド型);
13C-NMR(75.4 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:42.7; 101.1; 101.6; 108.6; 112.7; 114.7; 115.0; 116.7; 117-6; 117.9; 122.9; 124.2; 133.8; 134.2; 149.7; 152.3; 156.7; 160.0; 162.6; 164.9;
MS m/z:ES-(アセトニトリル:水)[M-H]-:518.6、520.6; 522.6。
【0093】
化合物34: 2-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-6-ヨード-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-8-ヨード-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3,2-c]クロメン-4-オン

実施例34
4-ヒドロキシ-6-ヨードクマリン(200mg;0.7ミリモル)を、グリオキサールの40%水溶液(401μL;3.5ミリモル)と混合した。これにアセトニトリル(5mL)を加え、反応混合物を3時間還流した。得られた溶液を室温まで冷却することによって、白色沈殿物が沈殿した。これを濾過し、アセトニトリルで洗浄した。化合物34が70mg(収率32%)得られた。これはさらに精製する必要がなかった。
H-NMR(300 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:4.78(bs, 1H); 6.28(bs, 1H); 6.91-7.31(m, 2H); 7.70-8.16(m, 4H), 9.33(bs, 1H);
MS m/z:ES(アセトニトリル:水)[MH]:617.2。
【0094】
化合物35: 7-フルオロ-3-(7-フルオロ-4-ヒドロキシ-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-2-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3,2-c]クロメン-4-オン

実施例35
7-フルオロ-4-ヒドロキシクマリン(140mg;0.77ミリモル)を、グリオキサールの40%水溶液(442μL;3.85ミリモル)と混合した。これにアセトニトリル(5mL)を加え、反応混合物を5時間還流した。得られた溶液を室温まで冷却することによって、白色沈殿物が沈殿した。これを濾過し、アセトニトリルで洗浄した。化合物35が66mg(収率42%)得られた。これはさらに精製する必要がなかった。
H-NMR(300 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:4.57(bs, 1H); 6.69(bs, 1H); 7.15-7.17(m, 6H); 8.20(bs, 1H);
MS m/z:ES-(アセトニトリル:水)[M-H]-:399.3。
【0095】
化合物36: 2-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-7-クロロ-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-7-クロロ-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3,2-c]クロメン-4-オン

実施例36
4-ヒドロキシ-7-クロロクマリン(196mg;1.0ミリモル)を、グリオキサールの40%水溶液(574μL;5.0ミリモル)と混合した。これにアセトニトリル(8mL)を加え、反応混合物を4時間還流した。得られた溶液を室温まで冷却することによって、白色沈殿物が沈殿した。これを濾過し、アセトニトリルで洗浄した。化合物36が145mg(収率67%)得られた。これはさらに精製する必要がなかった。
H-NMR(300 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:4.79(bs, 1H); 6.30(bs, 1H); 7.32-8.13(m, 6H), 9.30(bs, 1H);
MS m/z:ES-(アセトニトリル:水)[M-H]-:430.8; 432.8; 434.7。
【0096】
化合物37: 2-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-8-クロロ-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-6-クロロ-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3.2-c]クロメン-4-オン

実施例37
4-ヒドロキシ-8-クロロクマリン(98mg;0.5ミリモル)を、グリオキサールの40%水溶液(288μL;2.5ミリモル)と混合した。これにアセトニトリル(5mL)を加え、反応混合物を5時間還流した。得られた溶液を室温まで冷却することによって、白色沈殿物が沈殿した。これを濾過し、アセトニトリルで洗浄した。化合物37が53mg(収率49%)得られた。これはさらに精製する必要がなかった。
H-NMR(300 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:4.85(bs, 1H); 5.34(bs, 1H, アルデヒド型); 6.42(bs, 1H); 7.28-7.48(m, 2H); 7.72-7.89(m, 3H); 7.99(d, J=7.9 Hz, 1H); 9.25(bs, 1H, アルデヒド型):
13C-NMR(75.4 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:43.8; 101.7; 102.2; 109.8; 113.6; 117.6; 119.9; 120.2; 121.8; 122.6; 124.4; 125.5; 132.3; 132.8; 147.6; 149.8; 157.2; 160.5; 161.8; 164.7
MS m/z:ES-(アセトニトリル:水)[M-H]-:430.9; 432.8; 435.1。
【0097】
化合物38: 2-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-6-クロロ-7-メチル-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-8-クロロ-7-メチル-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3.2-c]クロメン-4-オン

実施例38
4-ヒドロキシ-6-クロロ-7-メチルクマリン(210mg;1.0ミリモル)を、グリオキサールの40%水溶液(288μL;2.5ミリモル)と混合した。これにアセトニトリル(4mL)を加え、反応混合物を3時間還流した。得られた溶液を室温まで冷却することによって、白色沈殿物が沈殿した。これを濾過し、アセトニトリルで洗浄した。化合物37が31.8mg(収率29%)得られた。これはさらに精製する必要がなかった。
H-NMR(300 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:4.79(bs, 1H); 6.29(bs, 1H); 7.45(s, 1H);
7.53(s, 1H); 7.74(s, 1H); 8.05(s, 1H), 8.98(bs, 1H);
13C-NMR(75.4 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:19.7; 20.1; 43.8; 101.4; 101.9; 109.6; 111.2; 115.2; 118.6; 119.0; 121.8; 123.0; 128.6; 128.9; 140.5; 140.9; 150.9; 152.9; 158.0; 161.0; 163.9;
MS m/z:ES(アセトニトリル:水)[MH]:460.7、462.7、464.6。
【0098】
化合物39: 2-ヒドロキシ-3-(1-ヒドロキシ-3-オキソ-3H-ベンゾ[f]クロメン-2-イル)-2,3-ジヒドロ-4H-ベンゾ[f]フロ[3,2-c]クロメン-4-オン

実施例39
1-ヒドロキシ-3H-ベンゾ[f]クロメン-3-オン(150mg;0.7ミリモル)を、グリオキサールの40%水溶液(401μL;3.5ミリモル)と混合した。これにアセトニトリル(5mL)を加え、反応混合物を4.5時間還流した。得られた溶液を室温まで冷却することによって、白色沈殿物が沈殿した。これを濾過し、アセトニトリルで洗浄した。化合物39が135mg(収率82%)得られた。これはさらに精製する必要がなかった。
H-NMR(300 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:5.06(bs, 1H); 6.52(bs, 1H); 7.51-7.80(m, 6H); 8.06-8.28(m, 4H); 9.03(d, J=8.5 Hz、1H); 9.44(d, J=8.4 Hz、1H);
MS m/z:ES(アセトニトリル:水)[MH]:465.4。
【0099】
化合物40: 2-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-2-オキソ-2H-ベンゾ[g]クロメン-3-イル)-2,3-ジヒドロ-4H-ベンゾ[g]フロ[3,2-c]クロメン-4-オン

実施例40
4-ヒドロキシ-2H-ベンゾ[g]クロメン-2-オン(150mg;0.7ミリモル)を、グリオキサールの40%水溶液(401μL;3.5ミリモル)と混合した。これにアセトニトリル(5mL)を加え、反応混合物を4.5時間還流した。得られた溶液を室温まで冷却することによって、白色沈殿物が沈殿した。これを濾過し、アセトニトリルで洗浄した。化合物40が130mg(収率79%)得られた。これはさらに精製する必要がなかった。


H-NMR(300 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:4.94(bs, 1H); 6.40(bs, 1H); 7.56-7.67(m, 4H); 7.78(s, 1H); 7.90-8.09(m, 4H); 8.20(d, J=7.4 Hz, 1H); 8.47(s, 1H); 8.67(s, 1H); 12.2(bs, 1H);
MS m/z:ES(アセトニトリル:水)[MH]:465.2。
【0100】
化合物 41: 2-ヒドロキシ-1-(4-ヒドロキシ-2-オキソ-2H-ベンゾ[h]クロメン-3-イル)-1,2-ジヒドロ-11H-ベンゾ[h]フロ[3,2-c]クロメン-11-オン

実施例41
4-ヒドロキシ-2H-ベンゾ[h]クロメン-2-オン(42.4mg;0.2ミリモル)を、グリオキサールの40%水溶液(115μL;0.2ミリモル)と混合した。これにアセトニトリル(5mL)を加え、反応混合物を2時間還流した。得られた溶液を室温まで冷却することによって、白色沈殿物が沈殿した。これを濾過し、アセトニトリルで洗浄した。化合物41が39mg(収率84%)得られた。これはさらに精製する必要がなかった。
H-NMR(300 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:4.94(bs, 1H); 6.43(bs, 1H); 7.45-7.81(m, 4H); 7.91-7.96(m, 2H); 8.04-8.11(m, 3H); 8.36(m, 3H);
MS m/z:ES-(アセトニトリル:水)[M-H]-:463.
化合物42: 2-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-7-メトキシ-2-オキソ-2H-ベンゾ[g]クロメン-2-イル)-9-メトキシ-2,3-ジヒドロ-4H-ベンゾ[g]フロ[3,2-c]クロメン-4-オン

実施例42
4-ヒドロキシ-7-メトキシ-2H-ベンゾ[g]クロメン-2-オン(121mg;0.5ミリモル)を、グリオキサールの40%水溶液(288μL;2.5ミリモル)と混合した。これにアセトニトリル(5mL)を加え、反応混合物を4時間還流した。得られた溶液を室温まで冷却することによって、黄色沈殿物が沈殿した。これを濾過し、アセトニトリルで洗浄した。化合物42が95mg(収率72%)得られた。これはさらに精製する必要がなかった。
H-NMR(300 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:3.91(s, 6H); 4.91(bs, 1H); 6.37(bs, 1H); 7.03-8.62(10H, m, Ar);
MS m/z:ES(アセトニトリル:水)[MH]:525.3。
【0101】
化合物43: 2-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-9-メトキシ-2-オキソ-2H-ベンゾ[g]クロメン-2-イル)-7-メトキシ-2,3-ジヒドロ-4H-ベンゾ[g]フロ[3,2-c]クロメン-4-オン

実施例43
4-ヒドロキシ-9-メトキシ-2H-ベンゾ[g]クロメン-2-オン(121mg;0.5ミリモル)を、グリオキサールの40%水溶液(288μL;2.5ミリモル)と混合した。これにアセトニトリル(5mL)を加え、反応混合物を2時間還流した。得られた溶液を室温まで冷却することによって、黄色沈殿物が沈殿した。これを濾過し、アセトニトリルで洗浄した。化合物43が108mg(収率82%)得られた。これはさらに精製する必要がなかった。
H-NMR(300 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:4.00 (s, 6H); 4.93(bs, 1H); 6.39(bs, 1H);
7.10(m, 2H); 7.47(m, 2H); 7.62(d, J=7.7 Hz, 1H); 7.75(d, J=5.5 Hz, 1H) 7.89(s, 1H); 7.99(s, 1H); 8.42(s, 1H), 8.61(s, 1H);
MS m/z:ES(アセトニトリル:水)[MH]:525.1。
【0102】
化合物44: 3-(4,9-ジヒドロキシ-2-オキソ-2H-ベンゾ[g]クロメン-2-イル)-2,7-ジヒドロキシ-2,3-ジヒドロ-4H-ベンゾ[g]フロ[3.2-c]クロメン-4-オン

実施例44
4,9-ジヒドロキシ-2H-ベンゾ[g]クロメン-2-オン(114mg;0.5ミリモル)を、グリオキサールの40%水溶液(288μL;2.5ミリモル)と混合した。これにアセトニトリル(3mL)を加え、反応混合物を2時間還流した。得られた溶液を室温まで冷却することによって、黄色沈殿物が沈殿した。これを濾過し、アセトニトリルで洗浄した。化合物44が78mg(収率63%)得られた。これはさらに精製する必要がなかった。
H-NMR(300 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:4.92(1H, bs); 6.39(1H, bs); 6.91-8.57(10H, m); 10.45(3H, bs);
MS m/z:ES-(アセトニトリル:水)[M-H]-:495.1。
【0103】
化合物45: 3-(4.7-ジヒドロキシ-2-オキソ-2H-ベンゾ[g]クロメン-2-イル)-2,9-ジヒドロキシ-2,3-ジヒドロ-4H-ベンゾ[g]フロ[3,2-c]クロメン-4-オン

実施例45
4,7-ジヒドロキシ-2H-ベンゾ[g]クロメン-2-オン(114mg;0.5ミリモル)を、グリオキサールの40%水溶液(288μL;2.5ミリモル)と混合した。これにアセトニトリル(5mL)を加え、反応混合物を6時間還流した。得られた溶液を室温まで冷却することによって、黄色沈殿物が沈殿した。これを濾過し、アセトニトリルで洗浄した。84mg(収率68%)の化合物45が得られた。これはさらに精製する必要がなかった。
H-NMR(300 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:4.89(bs, 1H); 6.34(bs, 1H); 6.91-8.57(m, 10H); 9.98(bs, 2H); 12.19(bs, 1H);
MS m/z:ES(アセトニトリル:水)[MH]:497.2。
【0104】
化合物46: 2-ヒドロキシ-3-(5-ヒドロキシ-4,9-ジメトキシ-7-オキソ-7H-フロ[3,2-g]クロメン-6-イル)-6,10-ジメトキシ-2,3-ジヒドロ-4H-ビスフロ[3,2-c:3,2-g]クロメン-4-オン

実施例46
5-ヒドロキシ-4,9-ジメトキシ-7-オキソ-7H-フロ[3,2-g]クロメン(131mg;0.5ミリモル)を、グリオキサールの40%水溶液(230μL;2.0ミリモル)と混合した。これにアセトニトリル(2mL)を加え、反応混合物を3時間還流した。得られた溶液を室温まで冷却することによって、黄色沈殿物が沈殿した。これを濾過し、アセトニトリルで洗浄した。化合物46が73mg(収率52%)得られた。これはさらに精製する必要がなかった。
H-NMR(300 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:4.04(s, 6H); 4.11(s, 3H); 4.31(s, 3H); 4.66(d, J=3.9 Hz, 1H); 6.24(bs, 1H); 7.36(d, J=2.3 Hz, 1H); 7.44(d, J=2.3 Hz, 1H); 8.12(d, J=2.3 Hz, 1H); 8.13(d, J=2.3 Hz, 1H); 8.21(d, J=6.4 Hz, 1H); 10.67(bs, 1H);
13C-NMR(75.4 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:42.0; 60.1; 60.1; 60.5; 60.6; 97.9; 98.7; 100.7; 100.9; 104.4; 104.7; 107.7; 113.0; 115.2; 126.6; 127.1; 140.7; 143.2; 143.3; 143.3; 145.4; 145.4; 147.8; 147.8; 156.8; 161.7; 164.3;
MS m/z:ES(アセトニトリル:水)[MH]:564.8。
【0105】
化合物47: 7-エチル-3-(7-エチル-4-ヒドロキシ-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-2-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3,2-c]クロメン-4-オン

実施例47
7-エチル-4-ヒドロキシクマリン(100mg;0.53ミリモル)を、グリオキサールの40%水溶液(302μL;2.6ミリモル)と混合した。これにアセトニトリル(5mL)を加え、反応混合物を室温で9日間攪拌した。分離した白色沈殿物を濾過し、アセトニトリルで洗浄した。化合物47が24mg(収率11%)得られた。これはさらに精製する必要がなかった。
H-NMR(300 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:1.18-1.25(m, 6H); 2.67-2.77(m, 4H); 4.77(d, J=2.9 Hz, 1H); 6.25(d, J=3.3 Hz, 1H); 7.14-7.31(m, 4H); 7.67(d, J=7.8 Hz, 1H); 7.93(d, J=8.6, 1H);
MS m/z:ES(アセトニトリル:水)[MH]:421.0。
【0106】
化合物48: 6,8-ジブロモ-3-(6,8-ジブロモ-4-ヒドロキシ-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-2-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3.2-c]クロメン-4-オン

実施例48
6,8-ジブロモ-4-ヒドロキシクマリン(200mg;0.62ミリモル)を、グリオキサールの40%水溶液(358μL;3.12ミリモル)と混合した。これにアセトニトリル(5mL)を加え、反応混合物を24時間還流した。得られた溶液を室温まで冷却することによって、白色沈殿物が沈殿した。これを濾過し、アセトニトリルで洗浄した。化合物48が10mg(収率4.5%)得られた。これはさらに精製する必要がなかった。
H-NMR(300 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:5.69(s, 1H); 7.67(s, 1H); 7.67(d, J=2.3 Hz. 2H); 7.85-7.88(m, 3H); 8.19(bs. 1H); 9.26(bs, 1H);
MS m/z:ES-(アセトニトリル:水)[M-H]-:618.8.
化合物49: 2-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-6,8-ジクロロ-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-6,8-ジクロロ-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3,2-c]クロメン-4-オン

実施例49
4-ヒドロキシ-6,8-ジクロロクマリン(115.5mg;0.5ミリモル)を、グリオキサールの40%水溶液(288μL;2.5ミリモル)と混合した。これにアセトニトリル(15mL)を加え、反応混合物を12時間還流した。溶媒を最小限の容量まで蒸発させて、得られた反応混合物を同じ容量の水で希釈した。+4℃で一夜冷却することによって、ベージュ色沈殿物が分離した。これを濾過し、水洗した。化合物49が24mg(収率19%)得られた。これはさらに精製する必要がなかった。
H-NMR(300 MHz、アセトン-d6)δ/ppm:4.93(d, J=3.6 Hz, 1H); 6.57(d, J=3.3 Hz, 1H); 7.70(d, J=2.3 Hz, 1H); 7.84(d, J=2.3 Hz, 1H); 7.86(d, J=2.4 Hz, 1H); 8.01(d, J=2.3Hz, 1H);
MS m/z:ES-(アセトニトリル:水)[M-H]-:500.9; 502.9; 504.9; 506.4。
【0107】
化合物 50: 8-ヒドロキシ-7-(4-ヒドロキシ-8,8-ジメチル-2-オキソ-2H,7H-ピラノ[2,3-h]クロメン-3-イル)-2,2-ジメチル-7,8-ジヒドロ-2H,6H-ピラノ[2.3-h]フロ[3,2-c]クロメン-6-オン

実施例50
4-ヒドロキシ-8,8-ジメチル-2H,6H-ピラノ[2,3-h]クロメン-2-オン(122mg;0.5ミリモル)を、グリオキサールの40%水溶液(288μL;2.5ミリモル)と混合した。これにアセトニトリル(3mL)を加え、反応混合物を4時間還流した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発乾固した。残留物を、シリカゲルカラム(10g)を用いて溶出液としてクロロホルム:t-ブタノール(8:1)を使用して精製した。化合物50が96mg(収率73%)得られた。
H-NMR(300 MHz、CDCl3-d6)δ/ppm:1.47(bs, 12H); 5.01(bs, 1H); 5.71(d, J=8.9 Hz, 2H); 6.83(m, 4H); 7.75(d, J=8.9 Hz, 2H); 9.72(s, 1H); 11.10(bs. 2H);
MS m/z:ES-(アセトニトリル:水)[M-H]-:529.1。
【0108】
出発化合物の製造
方法A
8-エチル-4-ヒドロキシクマリン
2-エチルフェノール(Aldrich)(6.1g;50ミリモル)、マロン酸(Aldrich)(5.2g;50ミリモル)、塩化亜鉛(20.4g、150ミリモル) 及びオキシ塩化リン(Merck)(14mL;150ミリモル)の混合物を、攪拌下に70〜75℃で24時間加熱した。次いで、反応を停止させ、水と氷の混合物を加えた。反応混合物を室温でさらに2時間攪拌し、次いで濾過した褐色沈殿物に攪拌しながら10%炭酸ナトリウム(150mL)を加えた。不溶物を濾過し、濾液を濃塩酸で酸性化し、そこで褐色沈殿物が沈殿し、次いでこれを濾過し、冷水で洗浄した。50%エタノールから再結晶することによって、褐色粉末状の8-エチル-4-ヒドロキシクマリンが2.29g(収率24%)得られた。
H-NMR(300 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:1.22(t, J=7.5 Hz, 3H); 2.78(q, J=7.5 Hz, 2H); 5.62(s, 1H); 7.27(dd, J=7.7 Hz, J=7.7 Hz, 1H); 7.52(dd, J=7.5 Hz, J=1.6 Hz, 1H); 7.68(dd, J=7.9 Hz. J=1.6 Hz, 1H); 12.00(bs, 1H);
13C-NMR(75.4 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:14.0; 22.0; 90.6; 115.5; 120.8; 123.4; 130.9; 132.0; 151.3; 161.7; 165.9.
4-ヒドロキシ-8-イソプロピルクマリン
2-イソプロピルフェノール(Aldrich)から出発し且つ得られた沈殿物を50%エタノールから再結晶することによって、黄色粉末状の4-ヒドロキシ-8-イソプロピルクマリンが1.75g(収率17.1%)得られた。
H-NMR(300 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:1.24(d, J=7.2 Hz, 6H); 3.45(sept, J=6.9 Hz, 1H); 5.64(s, 1H); 7.31(dd, J=7.7 Hz, J=7.7 Hz, 1H); 7.57(dd. J=7.6 Hz, J=1.6 Hz, 1H); 7.69(dd, J=7.8 Hz, J=1.6 Hz. 1H);
13C-NMR(75.4 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:22.3; 26.2; 90.6; 115.5; 120.7; 123.5;
129.3; 135.3; 150.7; 161.7; 168.0。
【0109】
4-ヒドロキシ-5-イソプロピル-8-メチルクマリン
5-イソプロピル-2-メチルフェノール(Aldrich)から出発し且つ得られた油状物をメタノールと水の混合物と共に磨砕することによって、褐色粉末状の4-ヒドロキシ-5-イソプロピル-8-メチルクマリンが853mg(7.8%)得られた。
H-NMR(300 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:1.22(d, J=6.8 Hz, 6H); 2.31(s, 3H); 4.26(sept, J=6.8 Hz, 1H); 5.61(s, 1H); 7.20(d, J=7.9 Hz, 1H); 7.43(d, J=7.9 Hz, 1H); 12.00(bs, 1H);
13C-NMR(75.4 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:15.1; 24.1; 28.7; 91.5; 112.7; 120.8;
122.9; 132.9; 145.8; 153.0; 161.1; 168.7.
4-ヒドロキシ-8-クロロ-5-メチルクマリン
2-クロロ-5-メチルフェノール(Aldrich)から出発し且つ得られた沈殿物をアセトニトリルから再結晶し、褐色粉末状の生成物4-ヒドロキシ-8-クロロ-5-メチルクマリンが1.33g(収率12.6%)得られた。
H-NMR(300 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:2.65(s, 3H); 5.65(s, 1H); 7.10(d, J=8.2 Hz, 1H); 7.62(d, J=8.2 Hz, 1H); 12.60(bs, 1H);
13C-NMR(75.4 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:22.5; 91.3; 115.8; 117.9; 127.3; 131.5;
136.3; 149.9; 160.3; 168.3。
【0110】
方法B1
5-フルオロ-4-ヒドロキシクマリン
触媒量のN-ベンジル-ベンズアミド (Aldrich) と乾燥THF (Aldrich) (20mL) とを三つ口フラスコ(不活性雰囲気)に入れた。この冷却溶液(−60℃)に、ヘプタン(5mL)に溶解したLDA(Aldrich)(10ミリモル)の2.0M溶液を加えた。次いで、酢酸tert-ブチル(Aldrich)(1.3mL、10ミリモル)を乾燥THF(4mL)に溶解した溶液を、反応溶液に徐々に滴加し、攪拌を−60℃の温度で50分間続けた。溶液の色が赤褐色から黄色に変化した。メチル-6-フルオロサリチレート(474mg;2.4ミリモル)を乾燥THF(10 mL)に溶解することによって得られた溶液を、カルバニオン溶液に徐々に加え、攪拌を一夜続けた。反応混合物の温度が室温に達した。この混合物に、酢酸エチル(50mL)と、塩化アンモニウム(50mL)の飽和溶液とを加え、分液し、次いで有機相を飽和塩化ナトリウム溶液(2×50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下で蒸発させることにより除去した。残った褐色油状生成物をトリフルオロ酢酸(3mL)と混合し、得られた混合物を室温で4時間攪拌し、ヘキサン:エーテル(2:1)溶媒混合物(30mL)で希釈した。淡褐色沈殿物が沈殿した。これを、シリカゲルカラム(12g)を用い、溶媒系としてクロロホルム:メタノール:酢酸(60:10:1)を使用して精製して、淡褐色無定形の5-フルオロ-4-ヒドロキシクマリン54mg(収率12.5%)を得た。
H-NMR(300 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:5.66 (s, 1H); 7.09 (ddd, J=1.0 Hz; J=8.4 Hz, J=11.2 Hz, 1H); 7.17 (m, 1H); 7.64 (dt, J=6.7 Hz, J=8.4 Hz, 1H); 11.00(bs, 1H);
13C-NMR(75.4 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:93.2; 106.7 (d, J=12.7 Hz); 112.0 (d, J=11.5 Hz); 130.6 (d, J=3.5 Hz); 133.7 (d, J=10.6 Hz); 156.2 (d, J=4.5 Hz); 159.9 (d, J=263.0 Hz); 161.6; 165.7。
【0111】
方法B2
4-ヒドロキシ-7-メトキシベンゾ[g]クマリン
3-ヒドロキシ-7-メトキシ-2-ナフトエ酸ナトリウム(Fluka)(4.36g;20ミリモル) をメタノール(50 ml)に懸濁した。これに濃硫酸(3mL)を加え、反応混合物を還流下で加熱を5時間続け、次いで室温まで冷却した。得られた混合物に、酢酸エチル(100mL)と飽和炭酸水素ナトリウム溶液(100mL)を加えた。攪拌した後に、分液し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム溶液(100mL)で再度洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥した後に、溶媒を減圧下で蒸発させた。フラスコに、結晶質生成物(3.1g、収率67%)が残り、これを方法B1に記載の方法に従って及びメタノールから再結晶により、淡褐色結晶質の4-ヒドロキシ-7-メトキシベンゾ[g]クマリン1.4g(収率58%)が得られた。
H-NMR(300 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:3.89 (s、3H); 5.65 (s、1H); 7.30 (dd、J=2.5 Hz; J=9.0 Hz、1H); 7.54 (d、J=2.4 Hz、1H); 7.81 (s、1H); 7.91 (d、J=9.0 Hz、1H); 8.35 (s、1H); 12.59 (bs、1H);
MS m/z:ES-(アセトニトリル:水)[M-H]-:241.1。
【0112】
方法B3
4-ヒドロキシ-9-メトキシベンゾ[g]クマリン
3,5-ジヒドロキシ-2-ナフトエ酸メチル(3.27g;15ミリモル)を炭酸カリウム(3g;22ミリモル)と混合し、アセトン(50mL)を加え、次いで硫酸ジメチル(Merck)(1.56 mL;16.5ミリモル) 徐々に滴加した。反応混合物を2時間還流し、室温まで冷却し、これに水(100mL)を加えた。全ての炭酸カリウムが溶解した。得られた溶液にジクロロメタン(100mL)を加え、分液した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を蒸発乾固した。固体残留物をメタノールから再結晶し、3-ヒドロキシ-5-メトキシ-2-ナフトエ酸メチルが2.4g(収率70%)得られた。
H-NMR(300 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:3.93(s, 3H); 3.95(s, 3H); 7.00(d, J=7.5 Hz, 1H); 7.28(t, J=8.0 Hz, 1H); 7.51(s, 1H); 7.53(d, J=9.0 Hz, 1H); 8.41(s, 1H)。
【0113】
方法B2に記載の方法に従って3-ヒドロキシ-5-メトキシ-2-ナフトエ酸メチルを処理して、4-ヒドロキシ-9-メトキシ-ベンゾ[g]クマリン1.0g(収率84%)を得た。
H-NMR(300 MHz, DMSO-d6)δ/ppm:3.99(s, 3H); 5.66(s, 1H); 7.06(d, J=7.6 Hz, 1H); 7.44(t, J=7.9 Hz, 1H); 7.67(d, J=8.3 Hz, 1H); 7.87(s, 1H); 8.41(s, 1H); 12.67(bs, 1H);
MS m/z:ES-(アセトニトリル:水)[M-H]-:241.1。
【0114】
方法B4
4,7-ジヒドロキシ-ベンゾ[g]クマリン
3,7-ジヒドロキシ-2-ナフトエ酸メチル(2.2g;10ミリモル)、塩化ベンジル(Merck)(1.26mL;11.0ミリモル)、ヨウ化カリウム(1.8g;11.0ミリモル)及び炭酸カリウム(2.0g;15ミリモル)をアセトン(30mL)に懸濁した懸濁液を、7時間還流し、次いで室温まで冷却した。無機沈殿物を濾過し、アセトンで洗浄し、濾液を蒸発乾固した。固体残留物を酢酸エチルに溶解し、得られた溶液を1M塩酸で洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥した後に、有機層を蒸発させ、乾燥残留物をメタノールから再結晶し、7-ベンジルオキシ-3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸メチルを1.2g(収率39%)得た。
H-NMR(300 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:3.95(s, 3H); 5.20(s, 2H); 7.29-7.45(m, 5H); 7.51-7.56(m, 3H); 7.73(d, J=9.3 Hz, 1H); 8.37(s, 1H); 10.08(bs, 1H);
MS m/z:ES(アセトニトリル:水)[MH]:309.2。
【0115】
得られた7-ベンジルオキシ-3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸メチルを、方法B1に記載の方法に従って処理し、1.1g(91%)の7-ベンジルオキシ-4-ヒドロキシベンゾ[g]クマリンを得た。
H-NMR(300 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:5.23(s, 2H); 5.65(s, 1H); 7.36-7.45(m, 6H); 7.53(d, J=6.8 Hz, 3H); 7.81(s, 1H); 7.93(d, J=6.7 Hz, 1H); 8.33(s, 1H); 12.61(bs, 1H)。
【0116】
7-ベンジルオキシ-4-ヒドロキシベンゾ[g]クマリン(1g;3.14ミリモル)をエタノール(100mL)に溶解し、これにシクロヘキセン(Merck)(1.54mL)と10%パラジウム担持活性炭(150mg)を加えた。反応混合物を5時間還流した。触媒を濾過し、エタノールで洗浄し、濾液を蒸発乾固した。固体残留物を酢酸エチルから再結晶し、4,7-ジヒドロキシ-ベンゾ[g]クマリンを263mg(33%)得た。
H-NMR(300 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:5.63(s, 1H); 7.22(dd, J=2.4 Hz, J=8.9 Hz, 1H); 7.30(d, J=2.1 Hz. 1H); 7.74(s, 1H); 7.85(d, J=9.0 Hz, 1H); 8.21(s, 1H); 9.88(bs, 1H); 12.53(bs, 1H);
MS m/z:ES(アセトニトリル:水)[MH]:229.2。
【0117】
4,9-ジヒドロキシ-ベンゾ[g]クマリン
方法B4に記載の方法に従って3,5-ジヒドロキシ-2-ナフトエ酸メチルから出発して、5-ベンゾキシ-3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸メチルを267mg(8%)得た。
H-NMR(300 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:3.87(s, 3H); 5.31(s, 2H); 7.12(d, J=7.2 Hz, 1H); 7.27-7.56(m, 8H); 7.74(s, 1H); 10.25(bs, 1H),
これを、環化させて9-ベンジルオキシ-4-ヒドロキシベンゾ[g]クマリンを1.28g(収率82%)得た。
MS m/z:ES-(アセトニトリル:水)[M-H]-:317.2
9-ベンジルオキシ-4-ヒドロキシベンゾ[g]クマリンを脱ベンジル化することにより、4,9-ジヒドロキシベンゾ[g]クマリンを275mg(収率74%)得た。
H-NMR(300 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:5.66(s, 1H); 6.96(dd, J=2.4 Hz, J=9.0 Hz, 1H); 7.33(t, J=7.6 Hz, 1H); 7.56(d, J=8.5 Hz, 1H); 7.88(s, 1H); 8.38(s, 1H); 10.37(bs, 1H); 12.62(bs, 1H)。
【0118】
方法C
4-ヒドロキシ-6,8-ジイソプロピルクマリン
3,5-ジイソプロピルサリチル酸(Aldrich)(10ミリモル、2.2g)とジクロロメタン(20mL)との溶液に、塩化オキサリル(Merck)(11.0ミリモル、1.03mL) とDMF(Aldrich)(80μL) を加えた。反応混合物を1時間還流し、溶媒と過剰の塩化オキサリルとを減圧下で除去した。得られた油状生成物をジクロロメタン(50mL)に溶解し、この反応混合物に冷却下でアンモニアガスを導入した。得られた溶液を水で希釈し、硫酸ナトリウムで乾燥した後に、有機層を減圧下で蒸発させた。黄色残留物をn-ヘキサンから再結晶し、3,5-ジイソプロピルサリチルアミドを白色結晶質生成物の形で876mg(収率40%)得た。
H-NMR(300 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:1.22(d, J=6.9 Hz, 6H); 1.23(d, J=6.9 Hz, 6H); 2.83(sept, J=6.9 Hz, 1H); 3.38(sept, J=6.9 Hz. 1H); 5.80(bs, 2H); 7-00(d, J=2.1 Hz. 1H); 7.22(d, J=2.1 Hz, 1H); 12.00(bs, 1H)
オキシ塩化リン酸(1.35g、8.8ミリモル)と乾燥ピリジン(12mL)との溶液を0℃に冷却し、3,5-ジイソプロピルサリチルアミド(1.10g、5ミリモル)と乾燥ピリジン(5mL)との溶液を徐々に滴加した。反応混合物を室温で攪拌した。溶液の色が無色から全体に紫色〜赤色に変化した。酢酸エチルで抽出し、飽和塩化ナトリウム溶液及び2N塩酸で洗浄した後に、有機層を乾燥し、減圧下で蒸発させた。得られた固体残留物をアセトニトリルから再結晶した。2-ヒドロキシ-3,5-ジイソプロピルベンゾニトリルが610mg(収率60%)得られた。
H-NMR(300 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:1.15(d, J=6.9 Hz, 6H); 1.19(d, J=6.9 Hz, 6H); 2.90(sept, J=6.9 Hz, 1H); 3.52(sept, J=6.9 Hz, 1H); 7.48(d, J=2.2 Hz, 1H); 7.50(d. J=2.2 Hz, 1H);
IR (KBr):2234 cm-1
【0119】
乾燥THF(10mL)に、臭化メチルマグネシウムの3.0Mジエチルエーテル溶液(Aldrich)(10.9mL;32.8ミリモル) に加え、次いで予め調製した2-ヒドロキシ-3,5-ジイソプロピル ベンゾニトリル(2.78g、13.7ミリモル)と乾燥THF(70mL)との溶液を加えた。還流下で7時間後に、反応混合物を水(100mL)と混合し、濃塩酸(50mL)で酸性化し且つ1時間以上還流した。冷却し、酢酸エチルで抽出した後に、油状生成物が得られ、これをシリカゲルカラムを用いて精製し、2-ヒドロキシ-3´,5´-ジイソプロピルアセトフェノンを380mg(収率12.5%)得た:
H-NMR(300 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:1.23(d, J=6.9 Hz, 6H); 1.25(d, J=6.9 Hz, 6H); 2.64(s, 3H); 2.87(sept, J=6.9 Hz, 1H); 3.36(sept, J=6.9 Hz, 1H); 7.29(d, J=2.2 Hz, 1H); 7.40(d, J=2.2 Hz, 1H), 12.55(s, 1H)
2´-ヒドロキシ-3´,5´-ジイソプロピルアセトフェノン(380mg、1.7ミリモル)を炭酸ジエチル(Aldrich)(5mL) に溶解し、反応混合物を0℃に冷却した。次いで、水素化ナトリウムを鉱油に懸濁した60%懸濁液(Aldrich)(165mg、4.1ミリモル)を少しずつ加えた。1時間還流した後に、反応混合物を冷却し、水(40mL)と混合し、ジエチルエーテル(2×20mL)で抽出した。水性抽出液を酸性化し、酢酸エチルで抽出した。有機抽出液を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下で蒸発させ、黄色粉末305 mgを得た。これをシリカゲルカラムを用いて精製して、白色結晶質の4-ヒドロキシ-6,8-ジイソプロピルクマリンを240mg(収率57%)得た。
H-NMR(300 MHz、DMSO-d6)δ/ppm:1.23(d, J=6.9 Hz, 6H); 1.26(d, J=6.9 Hz, 6H); 2.98(sept, J=6.9 Hz, 1H); 3.41(sept, J=6.9 Hz, 1H); 5.59(s, 1H); 7.44(d, J=2.2 Hz, 1H); 7.51(d. J=2.2 Hz, 1H). 12.3(bs, 1H)。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)

〔式中、A及びBはこれらを結合しているC原子と一緒になって芳香族部分を表し、前記芳香族部分は1個、2個又はそれ以上の同一又は異なる置換基を有していてもよく、前記置換基はハロゲン原子、C〜C-アルキル基、C〜C-アルケニル基、C〜C-アルキニル基、ハロ-C〜C-アルキル基、ヒドロキシ基、C〜C-アルコキシ基、トリフルオロメトキシ基、C〜C-アルカノイル基、アミノ基、アミノ-C〜C-アルキル基、N-(C〜C-アルキル)アミノ基、N,N-ジ(C〜C-アルキル)アミノ基、スルファニル基、C〜C-アルキルスルファニル基、スルホ基、C〜C-アルキルスルホ基、スルフィノ基、C〜C-アルキルスルフィノ基、カルボキシ基、C〜C-アルコキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基であってもよく;あるいは前記芳香族部分は場合により置換されていてもよい芳香族複素環部分又は複素環に縮合していてもよい〕
で示される新規化合物、その全ての立体異性体及び互変異性体並びにその製薬学的に許容し得る塩及び溶媒和物。
【請求項2】
記号A及びBが関連するC原子と一緒になって2個の同一の縮合した芳香族環又は芳香族複素環の意義を有するものである請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
芳香族環がベンゼン環又はナフタレン環である請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
芳香族複素環がベンゾフラン環又はベンゾピラン環である請求項2に記載の化合物。
【請求項5】
芳香族環又は芳香族複素環がアルキル基、ヒドロキシ基又はメトキシ基及び/又は弗素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子の中から選択される1個又は2個の同一又は異なる置換基で置換されるものである請求項2〜4に記載の化合物。
【請求項6】
同じ置換基が縮合芳香族環又は芳香族複素環それぞれの同じ位置に存在するものである請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
アルキル基が独立してメチル基、エチル基又はプロピル基の中から選択されるものである請求項5に記載の化合物。
【請求項8】
2-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3,2-c]クロメン-4-オン;
2-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-5-メチル-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-9-メチル-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3,2-c]クロメン-4-オン;
2-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-6-メチル-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-8-メチル-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3,2-c]クロメン-4-オン;
2-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-7-メチル-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-7-メチル-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3,2-c]クロメン-4-オン;
2-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-8-メチル-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-6-メチル-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3,2-c]クロメン-4-オン;
2-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-5,7-ジメチル-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-7,9-ジメチル-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3,2-c]クロメン-4-オン;
2-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-5,8-ジメチル-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-6,9-ジメチル-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3,2-c]クロメン-4-オン;
2-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-6,7-ジメチル-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-7,8-ジメチル-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3,2-c]クロメン-4-オン;
2-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-7,8-ジメチル-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-6,7-ジメチル-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3,2-c]クロメン-4-オン;
2-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-6,8-ジメチル-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-6,8-ジメチル-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3,2-c]クロメン-4-オン;
8-エチル-3-(6-エチル-4-ヒドロキシ-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-2-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3,2-c]クロメン-4-オン;
6-エチル-3-(8-エチル-4-ヒドロキシ-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-2-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3,2-c]クロメン-4-オン;
2-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-6-イソプロピル-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-8-イソプロピル-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3,2-c]クロメン-4-オン;
2-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-8-イソプロピル-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-6-イソプロピル-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3,2-c]クロメン-4-オン;
2-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-6,8-ジイソプロピル-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-6,8-ジイソプロピル-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3,2-c]クロメン-4-オン;
2-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-5-イソプロピル-8-メチル-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-9-イソプロピル-6-メチル-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3,2-c]クロメン-4-オン;
2-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-8-イソプロピル-5-メチル-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-6-イソプロピル-9-メチル-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3,2-c]クロメン-4-オン;
2-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-5-メトキシ-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-9-メトキシ-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3,2-c]クロメン-4-オン;
2-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-6-メトキシ-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-8-メトキシ-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3,2-c]クロメン-4-オン;
2-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-7-メトキシ-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-7-メトキシ-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3,2-c]クロメン-4-オン;
2-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-8-メトキシ-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-6-メトキシ-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3,2-c]クロメン-4-オン;
2-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-5,7-ジメトキシ-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-7,9-ジメトキシ-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3,2-c]クロメン-4-オン;
2-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-6,7-ジメトキシ-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-7,8-ジメトキシ-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3,2-c]クロメン-4-オン;
3-(4,5-ジヒドロキシ-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-2,9-ジヒドロキシ-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3,2-c]クロメン-4-オン;
3-(4,6-ジヒドロキシ-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-2,8-ジヒドロキシ-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3,2-c]クロメン-4-オン;
3-(4,7-ジヒドロキシ-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-2,7-ジヒドロキシ-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3,2-c]クロメン-4-オン;
3-(4,7-ジヒドロキシ-8-メチル-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-2,7-ジヒドロキシ-6-メチル-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3,2-c]クロメン-4-オン;
3-(4,7-ジヒドロキシ-5-メチル-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-2,7-ジヒドロキシ-9-メチル-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3,2-c]クロメン-4-オン;
2,6,7-トリヒドロキシ-3-(4,7,8-トリヒドロキシ-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3,2-c]クロメン-4-オン;
9-フルオロ-3-(5-フルオロ-4-ヒドロキシ-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-2-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3,2-c]クロメン-4-オン;
8-フルオロ-3-(6-フルオロ-4-ヒドロキシ-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-2-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3,2-c]クロメン-4-オン;
2-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-6-クロロ-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-8-クロロ-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3,2-c]クロメン-4-オン;
8-ブロモ-3-(6-ブロモ-4-ヒドロキシ-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-2-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3,2-c]クロメン-4-オン;
2-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-6-ヨード-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-8-ヨード-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3,2-c]クロメン-4-オン;
7-フルオロ-3-(7-フルオロ-4-ヒドロキシ-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-2-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3,2-c]クロメン-4-オン;
2-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-7-クロロ-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-7-クロロ-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3,2-c]クロメン-4-オン;
2-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-8-クロロ-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-6-クロロ-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3,2-c]クロメン-4-オン;
2-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-6-クロロ-7-メチル-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-8-クロロ-7-メチル-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3,2-c]クロメン-4-オン;
2-ヒドロキシ-3-(1-ヒドロキシ-3-オキソ-3H-ベンゾ[f]クロメン-2-イル)-2,3-ジヒドロ-4H-ベンゾ[f]フロ[3,2-c]クロメン-4-オン;
2-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-2-オキソ-2H-ベンゾ[g]クロメン-3-イル)-2,3-ジヒドロ-4H-ベンゾ[g]フロ[3,2-c]クロメン-4-オン;
2-ヒドロキシ-1-(4-ヒドロキシ-2-オキソ-2H-ベンゾ[h]クロメン-3-イル)-1,2-ジヒドロ-11H-ベンゾ[h]フロ[3,2-c]クロメン-11-オン;
2-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-7-メトキシ-2-オキソ-2H-ベンゾ[g]クロメン-2-イル)-9-メトキシ-2,3-ジヒドロ-4H-ベンゾ[g]フロ[3,2-c]クロメン-4-オン;
2-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-9-メトキシ-2-オキソ-2H-ベンゾ[g]クロメン-2-イル)-7-メトキシ-2,3-ジヒドロ-4H-ベンゾ[g]フロ[3,2-c]クロメン-4-オン;
3-(4,9-ジヒドロキシ-2-オキソ-2H-ベンゾ[g]クロメン-2-イル)-2,7-(ジヒドロキシ-2,3-ジヒドロ-4H-ベンゾ[g]フロ[3,2-c]クロメン-4-オン;
3-(4,7-ジヒドロキシ-2-オキソ-2H-ベンゾ[g]クロメン-2-イル)-2,9-ジヒドロキシ-2,3-ジヒドロ-4H-ベンゾ[g]フロ[3,2-c]クロメン-4-オン;
2-ヒドロキシ-3-(5-ヒドロキシ-4,9-ジメトキシ-7-オキソ-7H-フロ[3,2-g]クロメン-6-イル)-6,10-ジメトキシ-2,3-ジヒドロ-4H-ビスフロ[3,2-c;3,2-g]クロメン-4-オン;
7-エチル-3-(7-エチル-4-ヒドロキシ-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-2-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3,2-c]クロメン-4-オン;
6,8-ジブロモ-3-(6,8-ジブロモ-4-ヒドロキシ-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-2-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3,2-c]クロメン-4-オン;
2-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-6,8-ジクロロ-2-オキソ-2H-クロメン-3-イル)-6,8-ジクロロ-2,3-ジヒドロ-4H-フロ[3,2-c]クロメン-4-オン;
8-ヒドロキシ-7-(4-ヒドロキシ-8,8-ジメチル-2-オキソ-2H,7H-ピラノ[2,3-h]クロメン-3-イル)-2,2-ジメチル-7,8-ジヒドロ-2H,6H-ピラノ[2,3-h]フロ[3,2-c]クロメン-6-オン
の中から選択される請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
式(I)

〔式中、A及びBはこれらを結合しているC原子と一緒になって芳香族部分を表し、前記芳香族部分は、1個、2個又はそれ以上の同一又は異なる置換基を有していてもよく、前記置換基はハロゲン原子、C〜C-アルキル基、C〜C-アルケニル基、C〜C-アルキニル基、ハロ-C〜C-アルキル基、ヒドロキシ基、C〜C-アルコキシ基、トリフルオロメトキシ基、C〜C-アルカノイル基、アミノ基、アミノ-C〜C-アルキル基、N-(C〜C-アルキル)アミノ基、N,N-ジ(C〜C-アルキル)アミノ基、スルファニル基、C〜C-アルキルスルファニル基、スルホ基、C〜C-アルキルスルホ基、スルフィノ基、C〜C-アルキルスルフィノ基、カルボキシ基、C〜C-アルコキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基であってもよいし;あるいは前記芳香族部分は場合により置換されていてもよい芳香族複素環部分又は複素環に縮合していてもよい〕
で示される化合物、その全ての立体異性体及び互変異性体並びにその製薬学的に許容し得る塩及び溶媒和物の製造法であって、式(II)

で示される化合物又はその塩と、式(III)

で示されるグリオキサールを、水性有機溶媒中で縮合させる及び/又は得られる式(I)で示される遊離の化合物と対応する塩に転化させる及び/又は得られる塩を遊離の化合物又は別の塩に転化させることからなる前記の式(I)で示される化合物の製造方法。
【請求項10】
有機溶媒がアセトニトリルである請求項9に記載の方法。
【請求項11】
反応混合物の温度がアセトニトリルの沸点温度である請求項9に記載の方法。
【請求項12】
請求項1に記載の式(I)で示される化合物の一つ又はそれ以上を含有する医薬組成物であって、該組成物に、活性物質、その製薬学的に許容し得る塩又は溶媒和物及び製薬学的に許容し得る希釈剤及び担体を使用する医薬組成物。
【請求項13】
炎症性の疾患及び病気を有する患者の予防及び治療における請求項1に記載の式(I)で示される化合物の使用。
【請求項14】
喘息、アレルギー性鼻炎、鼻ポリープ、湿疹、乾癬、皮膚炎、神経皮膚炎、かゆみ症、結膜炎、慢性関節リウマチ、炎症性腸疾患、自己免疫疾患及び急性外傷によって誘発される炎症を有する患者の予防及び治療における請求項13に記載の式(I)で示される化合物の使用。
【請求項15】
適当な医薬製剤を局所、非経口又は経口的に使用できる炎症性の疾患及び病気の予防及び治療における請求項1に記載の式(I)で示される化合物の使用。


【公表番号】特表2006−528619(P2006−528619A)
【公表日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−520910(P2006−520910)
【出願日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【国際出願番号】PCT/HR2004/000020
【国際公開番号】WO2005/010006
【国際公開日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願人】(504378294)プリバ−イストラツイヴアツキー インスティテュト デイ.オー.オー (17)
【Fターム(参考)】