説明

抗炎症剤

【課題】安全且つ確実に、有効成分を経皮から簡便に患部へ浸透・吸収させることにより、関節痛などの炎症に伴う痛みの予防・軽減、これらに伴う不快感を緩和させる無臭性の抗炎症剤を提供する。
【解決手段】健康食品として使用されている天然由来のメチルサルフォニルメタン(MSM)及びアファニゾメノンフロスアクア(AFA)を相乗効果が出るように配合した混合粉末に動物性の油脂として人間の皮脂の組成に近い馬油を混合して軟膏状あるいはこれに準ずる粘性を持つ混合物にし、これを経皮により生体の細胞内に浸透・吸収させ、関節痛などの炎症に伴う痛みの予防・軽減、また不快感の緩和を可能とする。また、経皮へは直接塗布することの他に粘着性・伸縮性・通気性に優れるテーピングテープなどを利用して貼着することが含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広範囲の関節痛・神経痛・腰痛などの炎症の予防、軽減又はこれらに伴う不快感を緩和させることを目的として、経皮から有効成分を生体の細胞内に浸透・吸収させる抗炎症剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、いわゆる健康食品と呼ばれる商品が注目され、いろいろな種類のものが販売されている。これらは、栄養の偏った人の食生活を補うためのもの、或いは生活習慣病などの予防・対応のために有効成分を経口摂取するものとしてその多くが知られている。(特許文献1)
またその他、関節痛・神経痛・腰痛などの炎症の予防・軽減のために生体の経皮に直接に塗布し抗炎症作用を有するものも知られている。(特許文献2)
【0003】
上述のような炎症による痛みの原因は、食生活の変化、運動不足、体重の増加、体の柔軟性・筋力の低下、骨密度の低下、骨粗鬆症、組織の損傷、運動などによる損傷などの様々な要因が考えられている。そして上述の要因が複合的に関連しあって、炎症による痛みを引き起こしている。また、食生活での栄養成分の偏りが本来生体の持つ防御機能・代謝能力を低下させていることにも起因している。従って、炎症による痛みの原因に直接的に働きかける即効性のある生体の経皮的な抗炎症剤が望まれる。
【0004】
本発明者はメチルサルフォニルメタン(以下MSMという)が、自然界に存在し生体に不可欠な有機硫黄化合物であること。また新鮮な牛乳、緑黄色野菜、茶葉などに含まれ、更に人の尿中にも極微量に含まれていること。また、MSMの分子が小さく水溶性で、細胞膜の内圧と外圧を均一化しその浸透性を高める働きから、細胞内の有害物質を速やかに排泄し栄養素の取り入れを容易にする特性を積極的に利用せんとしたものである。
【0005】
一般的な痛みのメカニズムを、図1の細胞膜の構造図及び図2の炎症に関わるアラキドン酸の代謝経路説明図をもとに述べる。図1の細胞膜の構造図に示される細胞膜1は、細胞内に独立した環境を作る役割を果たし細胞内外に於けるホメオスタシス(恒常性)を保ちながら、外界と物質交換・情報交換をする仕組みを持っている。細胞膜1の主な構成要素が、二重になった極性及び非極性のリン脂質2と、細胞膜に埋め込まれた構成蛋白質3である。更に、外界との交換を担当するのが周辺蛋白質4で、そのアンテナ役が糖鎖5である。一般に、細胞膜1へ物理的・化学的な刺激が与えられると、図2のアラキドン酸の代謝経路に示されるように酵素ホスホリパーゼA2が活性化し、非極性のリン脂質2から細胞膜リン脂質のアラキドン酸6が遊離してくる。細胞質内へ遊離したアラキドン酸7から、酵素シクロオキシゲナーゼ(COX)の活性化によりエンドパーオキサイドプロスタグランジンG2、H2(符合8)が生成され、プロスタグランジンI2、E2、F2(符合9)により炎症、発熱・発痛10が発生する。また、トロンボキサンA2(符合11)により血栓形成、喘息発作12が発生する。他の代謝経路では酵素5-リポキシゲナーゼ(LOX)の活性化により、5−HPETE(5−ハイドロパーオキシイコサテトラエン)13が生成されロイコトリエンA4,B4、C4、D4、E4(符号14)により炎症、喘息発作15の発生原因となる。
【0006】
従来の外用の抗炎症剤は、前述の遊離したアラキドン酸を化学反応的に酵素の活性化を抑制することで炎症による痛みなどを緩和するものである。一方、MSMは細胞膜の内圧と外圧を均一化しその浸透性を高めることから、本発明者は細胞内の過剰の遊離アラキドン酸を物理的に膜外へ速やかに排泄する効果に着目した。本発明者は、これにアファニゾメノンフロスアクア(以下AFAという)を付加・混合することにより細胞膜内への必要成分の補給強化を更に効果的にすることを見出したものである。
【0007】
従来の健康食品は経口摂取が主であり、消化・吸収されたのち各成分が全て効果的・効率的に生体の必要部位に運ばれて利用されるとは限らない。更に、生体の個体差によっては、当該成分の摂取により消化・吸収の過程で生体の各器官の機能バランスが崩れる可能性も否定できない。
【0008】
このため、上述の炎症は殆どの場合、皮膚に比較的近い生体の部位で起こるので炎症による痛みに対し皮膚を通してMSM粉末を用いて患部に直接、浸透させ炎症の緩和効果(即効性)を持たせ、更にAFA粉末を混合して炎症の予防効果(遅効性)を調節し、これらを一定の割合で動物性の油脂として人間の皮脂の組成に近い馬油に混合したものを生体表皮に塗布して浸透性を上げ、当該成分の相乗効果により炎症の緩和効果、即効性と治癒性を持たせることが必要であった。
【0009】
【特許文献1】特開2004−113141号公報
【特許文献2】特開2004−149441号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明者は、AFAが35億年前より生息する地球最古の生物であり、体細胞の原型であると考えられていることから、このような体細胞そのものともいえるAFAを経皮から直接に補給させることにより、損傷した体細胞の速やかな修復を促進せんとしたものである。そして炎症による痛みに対して、抗炎症作用の強化を含めた健康維持、栄養補給などを目的としたMSM粉末及び前記AFA粉末とを動物性の油脂として人間の皮脂の組成に近い馬油に混合し、経皮的に塗布、貼付可能とした直接的で即効性の高い抗炎症剤を提供することにある。
【0011】
また本発明の目的は、ユーザーが簡便に皮膚を通して患部に前述の健康食品を浸透・吸収させて、従来の経口用、外用の抗炎症剤と異なる物理的なメカニズムによって、痛みなどの直接の原因とされる過剰の遊離アラキドン酸を細胞外へ排泄させ、且つ細胞の機能を修復させることである。また、この方法により、効果的な無臭性の抗炎症剤を提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
以上のような目的を達成するために、本発明は、健康食品として使用されている天然由来成分の物質を相乗的な効果を得るために適正に混合し、最適な方法を用いて皮膚から速やかに炎症による痛みなどの症状をもつ部位に、吸収・浸透させる無臭性の抗炎症剤を提供するものである。
【0013】
請求項1記載の本発明は、天然由来のMSM粉末及びAFA粉末を一定の割合で混合した混合粉末を、人間の皮脂の組成(特に脂肪酸の組成)に近い皮膚への浸透性に優れた動物性の油脂に一定の割合で混入して軟膏状あるいはこれに準ずる粘性を持つ混合物にし、これを生体の経皮に塗布可能とした抗炎症剤を得るにある。
【0014】
請求項2記載の本発明は、MSM粉末及びAFA粉末の混合比率が重量比で1対0.25〜4であることを特徴とする請求項1記載の抗炎症剤を得るにある。
【0015】
請求項3記載の本発明は、少なくともMSM粉末が天然由来の30〜90メッシュの白色粉末でMSM純度が99.0%以上、融点が107℃以上で、灰分は0.2%以下、水分が0.3%以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の抗炎症剤を得るにある。
【0016】
請求項4記載の本発明は、少なくともAFA粉末が天然素材の30〜90メッシュ緑色粉末であり、栄養素は100gあたり蛋白質が60〜70g、炭水化物が15〜25g、脂質が1〜8g、ビタミン・ミネラルが2〜8g、クロロフィルaが0.5〜1.2gで、水分が1〜5gであることを特徴とする請求項1又は2記載の抗炎症剤を得るにある。
【0017】
請求項5記載の本発明は、生体の経皮への浸透・吸収を促進するため、動物性の油脂として人間の皮脂の組成に近い馬油1重量部に対し、MSM粉末及びAFA粉末を一定の割合で配合した混合粉末を0.1〜4重量部の割合で混合分散させ軟膏状あるいはこれに準ずる粘性を持つ混合物にしたことを特徴とする請求項1乃至4に記載の抗炎症剤を得るにある。
【0018】
請求項6記載の本発明は、粘着性・伸縮性・通気性を有するテーピングテープの粘着面に、動物性の油脂として人間の皮脂の組成に近い馬油とMSM粉末及びAFA粉末を一定の割合で混合し軟膏状にしたものを配置し、生体の経皮に貼着可能としたことを特徴とする請求項1乃至5に記載の抗炎症剤を得るにある。
【0019】
請求項の各項について、以下に本発明を詳細に説明する。上記請求項1から請求項6記載に係る本発明において、必須有効成分としてMSM粉末及びAFA粉末を後述のごとく相乗効果の生ずるように適正な割合で混合されたものに、動物性の油脂として人間の皮脂の組成に近い馬油を一定の割合で混入し、軟膏状あるいはこれに準ずる粘性を持つ混合物にすることが必要である。
【0020】
MSMは、生体に不可欠な有機硫黄化合物であり、ほとんど全ての生体内に存在する天然栄養成分である。MSMは多くの食物に含まれる物質であるが、加工食品の摂取が増加している現在、有機硫黄の大部分が洗浄、加工、調理などにより破壊されるため、生体に必要な硫黄が欠乏状態にあり、この生体に不可欠な有機硫黄化合物を別途補給するために必要な要素である。
【0021】
また、MSMは関節炎やリュウマチなどの炎症による痛みの緩和、改善に非常に効果がある。硫黄成分に抗炎症効果のあることは、硫黄分を多く含む温泉に浸かることにより、あらゆる痛みが緩和されるという対処法からも明らかであり、本発明者はこれを発明の構成の一つにした。
【0022】
MSMが関節痛などの炎症を抑える効果を有しているのは、MSMの分子が非常に小さく、且つ水溶性であるために、細胞内に吸収されやすい特性を有しているからである。また、細胞内に吸収されたMSMは、細胞膜の内圧と外圧を均一化し、細胞、組織、関節内での圧力の蓄積を防ぐことが可能となる。更に、当該細胞膜の浸透性を高める働きを有しており、その結果、細胞内から過剰物を排出し、細胞内への栄養素の流入を促すことができるのである。これにより、炎症に伴う痛みを和らげ、更に予防への対応が可能になる。
【0023】
以下に本発明に応用されるMSMの規格を述べる。
【0024】
【表1】

【0025】
次に、AFAはたんぱく質、炭水化物、脂質はもとより、ビタミン(特にB類)、ミネラルのほか、色素、活性酵素を豊富に含有し、生体の細胞に必須な栄養素のほとんど全てをバランスよく含む自然食品であり、更にこれらの栄養素は、体細胞に近い成分構成であって生体にほぼ100%近く消化・吸収されるものである。
【0026】
関節痛などの炎症の間接的要因の一つとされているのは、細胞の酸性化を引き起こす過剰活性酸素の存在である。これらをコントロールする機能は、もともと細胞にあり加齢ないしは食生活の歪みなどによってこの機能が衰えてくるが、日常から抗酸化物質あるいは酵素SODなどの摂取が機能の劣化を補うことになる。AFAの効用はこのような一旦損傷した細胞を修復・再生するために効果的で細胞の新陳代謝を促進させるものであり、本発明者はかかるAFAの効用を活用することを構成の要素とした。
【0027】
AFAにおける必須アミノ酸及び必須脂肪酸のバランスは、細胞に必要とされる理想値に近く、また、ビタミン、ミネラルも細胞に必要なもの全てを有し、更には、抗酸化・抗炎症作用に関わる酵素、色素、核酸などをも含有している。従って、機能強化及び細胞の新陳代謝を補強する成分を単体でもれなく摂取できる物質であることを発見し積極的に用いたものである。
【0028】
次にAFAの規格を述べる。
AFAは、アメリカ・オレゴン州にあるクラマス湖に自生する純粋な天然の藍藻(Blue Green Algae)である。
【0029】
【表2】

【0030】
次に、AFAの製造方法について述べる。
第1ステップ:採集
オレゴン州クラマス湖で凡そ7月から10月の期間、水面下1〜2mに浮遊するAFAをロータリー式ベルトコンベアーで採取したものを用いる。
第2ステップ:フィルターによるミクロ濾過
特別製の約0.1ミクロン程度の専有フィルターの組み合わせを使用して、採集されたAFAから、微粒子の異物を除去する。
第3ステップ:遠心分離
次に、遠心分離濾過装置を使用し常温で、砂、沈泥などの不純物をAFAから除去する。濾過されたAFAの大きさは、8〜12ミクロン程度である。
第4ステップ:凍結保管
濾過されたAFAは、−40℃で瞬間冷凍されたのち冷凍庫内にてフリーズドライ工程まで保管される。
第5ステップ:フリーズドライ方式乾燥
凍結物をフリーズドライ装置で、1気圧の1000分の1の真空状態で水分子を昇華乾燥させる。
また、他の乾燥方法としてスプレードライ方式乾燥、即ち遠心分離濾過装置を通したあと、スプレードライ装置の乾燥塔上から噴霧し、150〜200℃の熱風で瞬間乾燥させてもよい。
第6ステップ:ふるい(篩)分
粉末30〜90メッシュに篩い分ける。
【0031】
次に、馬油の性状について述べる。馬油は、動物性油脂でありながら不飽和脂肪酸のαリノレン酸を多く含み、更に飽和脂肪酸とのバランスも含め人間の皮脂の脂肪酸組成に近く皮膚への浸透力が非常に優れていることを積極的に利用したものである。また、脱酸、脱ガム、脱臭、ろ過、抽出などの工程を経て精製され、比重は50℃にて0.90〜0.95である。融点は室温以下特に10℃以下であって、室温において液状のものが皮膚への浸透性を向上させる。なお、生体表皮への塗布用として適正な粘性を有するために融点を調整する方法としては、水素添加することあるいは蜜蝋などの高融点蝋分を配合することなどがある。
【0032】
まず、MSMとAFAを混合することによって相乗効果が生ずるメカニズムを図をもとに述べる。図1は一般的な細胞膜の構造を表し、図3は藍藻(AFA)の細胞構造、図4はMSMを含む硫黄の変換過程を示している。藍藻は、自然界において硫黄の循環サイクルに重要な役割を果たしている。即ち、藍藻は図3の細胞壁16を通してDNA17を含む細胞内へ無機の硫黄18を外部より吸収して有機硫黄に変換させ、揮発性のジメチルサルファイド(DMS)19を外部に放出する。このDMSは図4に示すように大気中のオゾン層で、ジメチルサルフォキサイド(DMSO)20を経由して、ジメチルサルフォン(DMSO、これはMSMの別名で化学式は21に示す)21に変換される。これらは、大気中の水蒸気に溶解し、雨に溶けこみ地上にもどって植物に吸収、濃縮される。
このように、藍藻の一種であるAFAは、硫黄の循環サイクルの中でMSMと密接な関係があり、図5にあるように有機硫黄化合物であるMSMはこの関係からAFAの細胞に積極的に取り込まれるものである。
更に、AFAに含有される蛋白質の多くは、グリコプロティン(糖蛋白質)と呼ばれるもので、図1の細胞膜の構造図に示されている細胞膜中に於いて外部との情報交換役であり受容体である周辺蛋白質4の糖鎖5に受容され易い。図6に示すようにMSMを取り込んだAFAは細胞膜の受容部に容易に受容される。次に、図7に示すようにAFA から細胞質23に移動したMSMの特性により細胞膜の浸透機能を高める。従って、夫々を単独に使用するよりMSM及びAFAを混合させることにより、生体の細胞膜により速く受容され効率的に細胞膜外へ過剰物を排出し、細胞膜内へ新陳代謝を促進する有効成分を補給することができることを発見し、積極的に利用したものである。
【0033】
本発明の製造方法は、前記MSM粉末及びAFA粉末を所定量混合したものに人間の皮脂の組成に近い馬油を指定された配合比で混入し、通常のインペラー式撹拌機などで常温にて混合分散させ軟膏状あるいはこれに準ずる粘性を持つ混合物にするものである。
【0034】
本発明は、まず上述の二成分のMSM粉末及びAFA粉末を相乗効果が発揮できるように混合するものである。即ち、MSM を取り込んだAFAは、細胞膜に迅速に認識・誘導され速やかに細胞膜に受容され、次にMSMの効果により細胞膜の浸透性を高め、細胞膜内から過剰物質を排出し必要な物質を細胞膜内へ浸透させる。更に、これらの成分を経皮により皮膚内に効率的・効果的に吸収・浸透させるために人間の皮脂の組成に近い馬油に混合分散させるものである。
【0035】
以上のように、関節痛その他の炎症などの緩和、且つ新陳代謝を促す成分も含まれているので抗炎症作用を補強し、関節炎などの発症を予防することが可能である。
【0036】
上述の必須成分、MSM粉末及びAFA粉末を混合する場合の本発明が実施可能な混合比率の応用範囲は、図8符合A記載の如く重量比でMSM粉末1対AFA粉末0.25(図8符合C)〜4(図8符号F)であり、本発明の望ましい推奨範囲は図8符合B記載の如く重量比でMSM粉末1対AFA粉末0.5(図8符合D)〜1(図8符合E)である。但し、必ずしもこの推奨範囲であることが必要でなく、この場合は炎症に対する緩和及び予防効果のバランスを考慮した上で即効性に重きを置いて算出したものである。
【0037】
図8に、MSM粉末及びAFA粉末の重量比率による、炎症に対する緩和及び予防の効果についての評価を示してある。 MSM粉末の重量比率は左の1から右の5〜7へと増加するにつれて炎症の緩和効果、即ち即効性が大きくなるが、7〜10(MSM粉末単体)は即効性が減少するものである。このようにAFA粉末を加えることにより、MSM粉末単体での効果より大きくなる混合比率(MSM粉末が重量比率で2以上の範囲)がある。一方、AFA粉末の重量比率は右の1から左の5へと増加するにつれ炎症の予防効果、即ち遅効性が高くなるが、5〜10(AFA粉末単体)は遅効性が減少するものである。このようにMSM粉末を加えることによりAFA粉末単体での効果より大きくなる混合比率(AFA粉末が重量比率で2以上の範囲)がある。
図8において、符号AはMSM粉末が重量比率で2〜8の範囲でありAFA粉末が重量比率で8〜2の範囲である。即ち、MSM粉末1対AFA粉末0.25(符合C)〜4(符合F)で、単体それぞれより効果が出る本発明による混合比率の応用範囲である。また、符号BはMSM粉末が重量比率で5〜6.7の範囲でありAFAが重量比率で5〜3.3の範囲である。即ち、MSM粉末1対AFA粉末0.5(符合D)〜1(符合E)で、本発明での好ましい混合比率の推奨範囲である。これらの混合比率は、即効性を主体に考慮した場合に推奨される処方である。
【0038】
本発明の請求項1及び5乃至6記載において使用される馬油は、人間の皮脂とその脂肪酸の組成が非常に似ている。特に、不飽和脂肪酸であるαリノレン酸の比率も似かよっており、生体の皮膚に滑らかに浸透し細胞を保護したり新陳代謝を活発にして、細菌類などの侵入も防ぐ効果があることを積極的に利用した。この馬油は、古代から世界各地で民間伝承薬として使われてきたのは周知の事実である。
【0039】
図9に、MSM粉末及びAFA粉末の混合物を馬油に混合した場合の、炎症に対する緩和・予防効果並びに混合物の皮膚への吸収・浸透性を示した。図9において符号Gは、馬油の重量比率が9〜2でありMSM粉末及びAFA粉末の混合物が重量比率で1〜8である。即ち、馬油1対混合物0.11(符合I)〜4(符合L)の範囲である。馬油の重量比率が9を超えると皮膚への吸収・浸透性は飽和状態となり、また混合物が重量比率で8を超えると炎症の予防・緩和効果は飽和状態となる。従って、この符号Gの範囲が本発明の混合比率の応用範囲である。また、符号Hは馬油の重量比率が8〜5でありMSM粉末及びAFA粉末の混合物が重量比率で2〜5である。即ち、馬油1対混合物0.25(符合J)〜1(符合K)で、本発明の好ましい混合比率の推奨範囲である。これは炎症に対する緩和・予防の効果を必要限度維持しながら、皮膚への吸収・浸透性を重視した結果から得られた範囲である。但し、状況に応じては、必ずしもこの比率に限定されるものではない。
【0040】
次に、請求項6に係る発明は、皮膚を通して炎症による痛みなどの症状をもつ部位に速やかに吸収・浸透させるため、粘着性・伸縮性・通気性などに優れたテーピングテープに、通常の軟膏タイプ(軟膏状)とほぼ同等の粘性を有するように調整したものを塗布して使用する。テーピングテープは、特に関節を動かす筋肉をサポートする目的で広く利用されているもので、有効成分を付着させたものは皮膚への接触時間の調整・選択を可能にする。
【発明の効果】
【0041】
請求項1から5記載の発明によれば、関節痛、神経痛、腰痛などの炎症の予防・緩和効果のあるMSMとAFAの天然由来成分からなる夫々の物質を相乗効果が得られるように混合したものに人間の皮脂の組成に近い馬油を混合して軟膏状あるいはこれに準ずる粘性を持つ混合物にし、直接生体の経皮から炎症による痛みなどの症状をもつ部位に、浸透・吸収させることができたため痛みの回復が早く即効性がある。また、無臭性の抗炎症剤のため使用にも便利である。更に、本発明に係る抗炎症剤は天然由来の成分であり、生体への副作用などがなくユーザーも安心して利用できる。
【0042】
請求項6に記載の発明によれば粘着性・伸縮性・通気性を有するテーピングテープの粘着面に、人間の皮脂の組成に近い馬油とMSM粉末及びAFA粉末の混合物を一定の割合で混合分散させ軟膏状にしたものを配置したので、抗炎症剤として使用に便利である。
【0043】
このように本発明によれば、関節痛、神経痛、腰痛などの炎症の予防・緩和効果のある天然由来のMSM粉末とAFA粉末の夫々の物質を相乗効果が得られるように混合したものに、人間の皮脂の組成に近い馬油を混合して軟膏状あるいはこれに準ずる粘性を持つ混合物にし、これらを直接経皮から炎症による痛みなどの症状をもつ部位に浸透・吸収させることにより、痛みの回復が早く即効性があり且つ治癒性のある抗炎症剤が得られた。また、無臭性の抗炎症剤のため使用に便利である。更に、本発明に係る抗炎症剤は天然由来の成分であり、生体への副作用などがなくユーザーも安心して利用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
次に、本発明に係わる抗炎症剤の実施例につき、表とともに説明する。
【実施例1】
【0045】
本発明に係る抗炎症剤についての各成分の配合例を変えたもの及びその効果を表3の(1)〜(30)に示す。
【0046】
【表3】

【0047】
前記表3は、MSMとAFAの粉末の配合の異なる抗炎症剤を、毎日就寝前に患部に塗りこみ、痛みの状況を時間経過とともに観察したものである。被験者は、関節痛・腰痛・肩こりなどの痛みを持つ40代、50代、及び60代の男女が各々3名、計18名である。また、抗炎症作用に於ける即効性の出現とは、痛みが和らいだと被験者が感じた開始日数を表し、遅効性の出現とは、痛みの再発があまり感じられなくなった治癒月数を示している。
【0048】
表3において(1)〜(6)はMSM単体のもので80メッシュ粉末、(25)〜(30)はAFA単体のもので60メッシュ粉末である。
(7)〜(12)はMSMが800mg、30メッシュの粉末で純度が99.8%、融点が107℃、灰分0.1%、水分が0.1%である。 また、AFAは200mg、90メッシュの粉末で栄養素は100gあたり蛋白質が70g、炭水化物が25g、脂質が1g、ビタミン・ミネラルが2g、クロロフィルaが1.2gで、水分が1gのものを用いた。
(13)〜(18)はMSMが500mg、80メッシュの粉末で純度が99.8%、融点が107℃、灰分0.2%、水分が0.3%である。また、AFAは500mg、60メッシュの粉末で栄養素は100gあたり蛋白質が70g、炭水化物が15g、脂質が5g、ビタミン・ミネラルが5g、クロロフィルaが1gで、水分が4gのものを用いた。
(19)〜(24)はMSMが200mg、90メッシュの粉末で純度が99.0%、融点が107℃、灰分0.1%、水分が0.3%である。AFAは800mg、30メッシュの粉末で栄養素は100gあたり蛋白質が60g、炭水化物が20g、脂質が8g、ビタミン・ミネラルが8g、クロロフィルaが0.5gで、水分が3.5gのものを用いた。
このようにMSM粉末は、少なくとも天然由来の30〜90メッシュの粉末で、純度が99.0%以上、融点が107℃以上、灰分0.2%以下、水分が0.3%以下であればよい。またAFA粉末は、少なくとも天然素材の30〜90メッシュ緑色粉末であり、栄養素は100gあたり蛋白質が60〜70g、炭水化物が15〜25g、脂質が1〜8g、ビタミン・ミネラルが2〜8g、クロロフィルaが0.5〜1.2gで、水分が1〜5gであればよい。
【0049】
表3より、MSMの粉末を単独で用いた(1)〜(6)については、即効性が3〜4日、遅効性が7〜8ヶ月と効き目が遅い。また、AFAの粉末を単独で用いた(25)〜(30)の場合については、即効性が5〜6日、遅効性が7〜8ヶ月と遅い。これらに比較して、本発明の実施例(7)〜(24)は、MSMとAFAの相乗的な効果により即効性が1〜3日と早く効き、遅効性は3〜5ヶ月と治癒月数が早く優れた抗炎症作用を有する。(請求項1乃至5に対応)
なお、表3において炎症に対する即効性及び遅効性を効果的に発揮させるために、皮膚への吸収・浸透性を補強する馬油は、MSM粉末とAFA粉末の混合物に対して1対1の割合で混合した。
【実施例2】
【0050】
次に、表4にMSM粉末及びAFA粉末に人間の皮脂の組成に近い馬油を混合したものについて、直接塗布、テーピングテープへの使用に於ける、適合性の評価を示した。また、備考欄にこれらの評価に加えて夫々の混合物についての皮膚への浸透・吸収性並びに通常使用されている軟膏タイプ(軟膏状)のものに比較した粘性を示した。なお、粘性比較の欄において「やや高い」、「やや低い」、「かなり低い」は、本発明においては「軟膏状に準ずる粘性」を意味するものとする。
【0051】
【表4】

【0052】
直接塗布用の混合物を製造するには、通常使用されている軟膏タイプ(軟膏状)と同等乃至はやや低い粘性を有するようにMSM粉末とAFA粉末の混合物を人間の皮脂の組成に近い馬油に混合分散させる。
また、テーピングテープ用の混合物を製造するには、通常使用されている軟膏タイプ(軟膏状)と同等乃至これに準ずる粘性を有するようにMSM粉末とAFA粉末の混合物を人間の皮脂の組成に近い馬油に混合分散させる。
【0053】
表4に於いて、直接塗布での「適」とは、皮膚に塗布する際表皮にしっかりとどまる粘性を持ち、「適に準ず」とは、その粘性範囲からやや外れるが使用に供し得るものである。
また、テープ貼着での「適」とは、テープの粘着面に配置する際粘着面にしっかりとどまる粘性を持ち、「適に準ず」とは、その粘性範囲からやや外れるが使用に供し得るものである。なお、浸透・吸収性での「適」とは、皮膚に塗り込む際若干こする程度で皮膚にスムーズに浸透することを示し、「適に準ず」とは、その摩擦の程度がやや大きいが使用に供し得るものである。
【0054】
表4において、(1)から(18)でMSM粉末は800〜200mg、AFA粉末は同じく200〜800mgである。また、 馬油は500〜5000mgである。
(1)〜(3)において、MSMは天然由来の80メッシュの粉末で、純度が99.8%、融点が107℃、灰分0.2%、水分が0.3%である。また、AFAは60メッシュの粉末で栄養素は100gあたり蛋白質が70g、炭水化物が15g、脂質が5g、ビタミン・ミネラルが5g、クロロフィルaが1gで、水分が4gである。
(4)〜(18)において、MSMは天然由来の30メッシュの粉末で、純度が99.8%、融点が107℃、灰分0.1%、水分が0.1%である。また、AFAは80メッシュの粉末であり栄養素は100gあたり蛋白質が70g、炭水化物が25g、脂質が1g、ビタミン・ミネラルが2g、クロロフィルaが1.2gで、水分が1gである。
このようにMSM粉末は、少なくとも天然由来の30〜90メッシュの白色粉末で、純度が99.0%以上、融点が107℃以上で、灰分0.2%以下、水分が0.3%以下であればよい。また、AFA粉末は少なくとも天然素材の30〜90メッシュ緑色粉末であり、栄養素は100gあたり蛋白質が60〜70g、炭水化物が15〜25g、脂質が1〜8g、ビタミン・ミネラルが2〜8g、クロロフィルaが0.5〜1.2gで、水分は1〜5gであればよい。
【0055】
直接塗布並びにテープ貼着使用の場合は、馬油をMSM粉末とAFA粉末の混合物に1〜1.5倍混合した(4)〜(9)が適度な粘性を有している。これらの配合例が1日あたりの使用量の目安となる。(請求項5乃至6に対応)
【0056】
MSMは、American Ingredient社製で、この製品はテーダ松からの生成物であり、健康食品として経口から摂取する場合、1日あたりの摂取量は通常1〜1.5gが推奨されているが本発明のごとくAFAと混合し経皮的な方法で用いた場合は1g以下で十分である。
表5に、MSM粉末の成分組成とその特徴を示す。
【0057】
【表5】

【0058】
表5に於いて、浸透性での「最適」とは、皮膚に塗り込む際皮膚にスムーズに浸透することを示し、「適」とは、その摩擦が若干こする程度で浸透することを示し、「適に準ず」とは、その摩擦の程度がやや大きいが使用に供し得るものであり、「不適」とは、長時間の摩擦を行っても浸透しにくいことを示す。また、混合性での「最適」とは、AFA粉末及び馬油と混合する際若干の撹拌で十分であることを示し、「適」とは、一般的な機械的撹拌で十分であり、「適に準ず」とは、機械的な撹拌でも時間を要するが使用に供し得るものである。
なお、MSM粉末はメッシュ数が大きくなるにつれ固結し易いが、二酸化ケイ素を0.5%添加することにより使用に供することができる。
【0059】
表5に示される通り、MSM粉末について純度99.8%、80メッシュ程度で水分が0.3%以下で、二酸化ケイ素を0.5%加えた(5)及び(6)の組成が皮膚への浸透性、他成分との混合性に優れ、更に粉末が固結しにくく使用に最適とされるが、それ以外の組成でも適応は可能である。例えば、MSMの純度は99.0%以上、水分は0.3%以下、灰分0.2%以下で、30〜90メッシュであれば使用に供し得る。
【0060】
次に、AFAは、Klamath Valley Botanicals社製のBlue Green Algaeを用いた。健康食品として経口から摂取する場合、1日あたりの摂取量は通常1〜1.5gが推奨されているが本発明のごとくMSMと混合し経皮的な方法で用いた場合は1g以下で十分である。
表6に、AFA粉末の成分内容とその特徴を示す。
【0061】
【表6】

【0062】
表6に於いて、浸透性での「適」とは、皮膚に塗り込む際皮膚に若干こする程度でスムーズに浸透することを示し、「適に準ず」とは、その摩擦の程度がやや大きいが使用に供し得るものである。また、混合性での「適」とは、MSM粉末及び馬油と混合する際に一般的な機械的撹拌で十分であり、「適に準ず」とは、機械的な撹拌でも時間を要するが使用に供し得るもので、「不適」とは、長時間の機械的撹拌を要することを示す。
【0063】
表6に示されるとおり、AFA粉末について60メッシュで水分が5g以下の(5)及び(6)の組成が皮膚への浸透性、他成分との混合性に優れるが、それ以外の組成でも適応は可能である。例えば、栄養素は100gあたり蛋白質が60〜70g、炭水化物が15〜25g、脂質が1〜8g、ビタミン・ミネラルが2〜8gで、水分は1〜5g、30〜90メッシュであれば使用に供し得る。
【0064】
表7に、馬油の特徴について示す。
【0065】
【表7】

【0066】
表7に於いて、浸透・吸収性での「最適」とは、皮膚に塗り込む際皮膚にスムーズに浸透することを示し、「適」とは、その摩擦が若干こする程度で浸透することを示し、「適に準ず」とは、その摩擦の程度がやや大きいが使用に供し得るものである。また、伸び性での「最適」とは、皮膚に対する伸びが非常に優れていることを示し、「適」とは、その伸びが優れていることを示し、「適に準ず」とは、その伸びの程度がやや劣るが使用に供し得るものである。
なお、混合性での「最適」とは、MSM粉末及びAFA粉末と混合する際若干の撹拌で十分であることを示し、「適」とは、一般的な機械的撹拌で十分であり、「適に準ず」とは、機械的な撹拌でも時間を要するが使用に供し得るものである。
【0067】
実施例において、馬油は有限会社人吉農産の純馬油を用いた。また、実施例において貼付用として使用したテープは、ニチバン株式会社製のBattlewinセラポアテープ、幅75mm・長さ100mmである。なお、実施例での貼着タイプは表4の配合による成分の半量を均一に塗布したものを、約12時間患部に貼着した。1日あたりの使用頻度としては、これらを2回貼着することが目安となる。
【0068】
上述した実施例は、本発明における抗炎症剤の一例に過ぎず、含有する成分及び配合比率並びに構成素材・材料、更に工程は、上述のものには限られない。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】細胞膜の構造図。
【図2】炎症に関わるアラキドン酸の代謝経路説明図。
【図3】藍藻(AFA)の細胞構造図。
【図4】硫黄の変換過程説明図。
【図5】藍藻(AFA)へのMSMの浸透図。
【図6】体細胞への藍藻(AFA)の浸透図。
【図7】細胞質へのMSM、AFA成分の浸透図。
【図8】MSM粉末及びAFA粉末の混合比率による炎症の予防・緩和効果の評価図。
【図9】MSM粉末及びAFA粉末(混合物)と馬油の混合比率による皮膚への吸収・浸透性及び炎症の予防・緩和効果の評価図。
【符号の説明】
【0070】
1 細胞膜
2 リン脂質
3 構成蛋白質
4 周辺蛋白質
5 周辺蛋白質の糖鎖
6 細胞膜リン脂質のアラキドン酸
7 細胞質内へのアラキドン酸の遊離
8 エンドパーオキサイドプロスタグランジンG2、H2
9 プロスタグランジンI2、E2、F2
10 炎症、発熱、発痛
11 トロンボキサンA2
12 血栓形成、喘息発作
13 5−HPETE(5−ハイドロパーオキシイコサテトラエン)
14 ロイコトリエンA4,B4、C4,D4,E4
15 炎症、喘息発作
16 細胞壁
17 DNA
18 硫黄
19 ジメチルサルファイド(DMS)
20 ジメチルサルフォキサイド(DMSO)
21 ジメチルサルフォン(DMSO2
= メチルサルフォニルメタン(MSM)及びMSMの化学式
22 MSM(浸透の促進)
23 細胞質
24 AFA
25 老廃物の細胞外への排出
26 MSM、AFA成分の細胞質への移動
A MSM粉末及びAFA粉末の混合比率の応用範囲
B MSM粉末及びAFA粉末の混合比率の推奨範囲
C 重量比率MSM粉末8対AFA粉末2の点
D 重量比率MSM粉末6.7対AFA粉末3.3の点
E 重量比率MSM粉末5対AFA粉末5の点
F 重量比率MSM粉末2対AFA粉末8の点
G MSM粉末及びAFA粉末(混合物)と馬油の混合比率の応用範囲
H MSM粉末及びAFA粉末(混合物)と馬油の混合比率の推奨範囲
I 重量比率馬油9対混合物1の点
J 重量比率馬油8対混合物2の点
K 重量比率馬油5対混合物5の点
L 重量比率馬油2対混合物8の点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天然由来のメチルサルフォニルメタン(MSM)粉末及びアファニゾメノンフロスアクア(AFA)粉末を一定の割合で配合した混合粉末を、人間の皮脂の組成(特に脂肪酸の組成)に近い動物性の油脂に一定の割合で混入して軟膏状あるいはこれに準ずる粘性を持つ混合物にし、これを生体の経皮に塗布可能とした抗炎症剤。
【請求項2】
メチルサルフォニルメタン(MSM)粉末及びアファニゾメノンフロスアクア(AFA)粉末の混合比率は、重量比で1対0.25〜4であることを特徴とする請求項1記載の抗炎症剤。
【請求項3】
メチルサルフォニルメタン(MSM)粉末は、少なくとも天然由来の30〜90メッシュの白色粉末で、メチルサルフォニルメタン(MSM)純度が99.0%以上、融点が107℃以上で、灰分は0.2%以下、水分が0.3%以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の抗炎症剤。
【請求項4】
アファニゾメノンフロスアクア(AFA)粉末は、少なくとも天然素材の30〜90メッシュの緑色粉末で、栄養素は100gあたり蛋白質が60〜70g、炭水化物が15〜25g、脂質が1〜8g、ビタミン・ミネラルが2〜8g、クロロフィルaが0.5〜1.2gで、水分が1〜5gであることを特徴とする請求項1又は2記載の抗炎症剤。
【請求項5】
生体の経皮への浸透・吸収を促進するため、動物性の油脂として人間の皮脂の組成に近い馬油1重量部に対し、メチルサルフォニルメタン(MSM)粉末及びアファニゾメノンフロスアクア(AFA)粉末を一定の割合で配合した混合粉末を0.1〜4重量部の割合で混合分散させ、軟膏状あるいはこれに準ずる粘性を持つ混合物にしたことを特徴とする請求項1乃至4に記載の抗炎症剤。
【請求項6】
粘着性・伸縮性・通気性を有するテーピングテープの粘着面に、動物性の油脂として人間の皮脂の組成に近い馬油とメチルサルフォニルメタン(MSM)粉末及びアファニゾメノンフロスアクア(AFA)粉末を一定の割合で混合し軟膏状にした混合物を配置し、生体の経皮に貼着可能としたことを特徴とする請求項1乃至5に記載の抗炎症剤。

【図2】
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【図4】
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【図1】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−105996(P2008−105996A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−290201(P2006−290201)
【出願日】平成18年10月25日(2006.10.25)
【出願人】(505132769)合資会社 ティーエム イースト (5)
【Fターム(参考)】