説明

抗生物質組成物

本発明は、被覆されたマイクロペレットを含む抗生物質組成物および該抗生物質組成物の製造法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
技術分野
本発明は、被覆されたマイクロペレットを含む抗生物質組成物を提供する。
【0002】
背景技術
クラリスロマイシンおよびエリスロマイシンのような抗生物質は、小児の中耳および上気道上部における一般的な感染、ならびに高齢者を襲うある種の肺炎の処置に使用されている。しかしながら、このような抗生物質は非常に苦く、液体投与形に僅少量を溶解したときでさえ、しばしば不味いと認識される。このような抗生物質の小児および高齢者への投与は、これらの患者で固体経口投与形の嚥下が困難であるため、難問となる。これらの患者のために、抗生物質は典型的に溶液、エマルジョンおよび懸濁液のような液体形で提供され、これは通常味蕾に抗生物質をかなり暴露させる。
【0003】
治療中の患者のコンプライアンスを確実にするために、このような抗生物質の味をマスクする必要がある。甘味剤、アミノ酸および香味剤の使用のような慣用の味マスキング技術は、非常に苦い薬物の味のマスキングにしばしば役に立たず、他の技術がこれらの抗生物質の味のマスキングのために開発する必要がある。
【0004】
一つのこのような技術は、味マスキングのためにアミン薬物を吸着し、かつ持続放出させるためのポリスルホン酸およびポリカルボン酸ポリマーのようなカチオン交換樹脂の使用を含む。しかしながら、この技術の適用には限度があり、非常に苦い薬物の味のマスキングはできない。
【0005】
苦い薬物コーティングは、味マスキングのために報告されている他の方法である。この技術は単独では中程度に苦い薬物に、または、被覆された粒子が投与前に水性製剤として製剤されているかもしくは非水性媒体中に製剤されている製品において有効であることが立証され得る。この技術は、微粒子のコーティングが通常技術集約的であり、かつ被覆された顆粒が咀嚼および圧縮により容易に破裂するため、その限界がある。
【0006】
脂質ベースのマイクロカプセル化は、薬物の味のマスクに使用される他の技術である。この技術は、微粒子を製造するための非常に精巧なホット−メルト造粒を必要とし、熱感受性分子に不利な影響を有し得、または薬物放出を不利に制限し得る。米国特許4,865,851は、脂質または脂質混合物の不可欠なコーティングで被覆された粒子形のセフロキシムアキセチルを記載する。
【0007】
米国特許4,808,411は、クラリスロマイシンおよびカルボマーアクリル酸ポリマーを含む顆粒の形の、味がマスクされた組成物を記載する。クラリスロマイシンおよびカルボマーは、クラリスロマイシンのアミン基とカルボマーのカルボニル基の間のイオン性相互作用およびカルボマーのゲル特性の両方により互いに維持されると考えられている。この複合体は、さらにコーティングにより味がマスクされる。
【0008】
米国特許5,286,489は、1種またはそれ以上の苦味活性成分およびメチルメタクリル酸エステルコポリマーを活性成分対コポリマーの少なくとも1:1の重量比で混合することにより形成した多孔性薬物−ポリマーマトリックスが薬物の味のマスクに有効であることを記載する。米国特許5,286,489には、マトリックスからの薬物の放出におけるこのようなポリマーの影響について記載した実施例はない。このような薬物−ポリマーマトリックスは良好な味マスキングを提供し得るが、該マトリックスはまた該マトリックスからの薬物放出速度を、慣用の即時放出型製剤では許容されないであろう程度まで遅延させ得る。
【0009】
米国特許5,633,006は、アジスロマイシンのような苦い薬剤、酸化マグネシウムのようなアルカリ土類金属酸化物、および薬学的に許容される担体を含む、味がマスクされた組成物を記載する。
【0010】
米国特許6,565,877は、クラリスロマイシンのような苦味薬物、ならびにメタクリル酸コポリマーおよびフタレートポリマーを含む2個の腸溶性ポリマーの組み合わせ(ここで、メタクリル酸コポリマー対フタレートポリマーの比率は1:9または9:1である)を含む、味がマスクされた組成物を記載する。
【0011】
国際出願WO03/082248は、エリスロマイシンAまたはクラリスロマイシンのようなその誘導体、およびアルギン酸を含む医薬組成物を記載する。
【0012】
国際出願WO03/082241は、微粉化クラリスロマイシンを含む医薬組成物を記載する。該クラリスロマイシンは、35ミクロン未満の粒子サイズを有する。
【0013】
発明の概要
本発明は、被覆されたマイクロペレットおよび所望により1種またはそれ以上の賦形剤を含む抗生物質組成物であって、ここで、該被覆されたマイクロペレットが(i)少なくとも1個の抗生物質を含むコア;(ii)腸溶性コーティングポリマーではない少なくとも1個のセルロースポリマーを含む内側コーティング;および(iii)少なくとも1個の腸溶性コーティングポリマーを含む外側コーティングを含み、ここで、該被覆されたマイクロペレットが約100μmから約650μmの平均粒子サイズを有するものである、組成物を提供する。
【0014】
他の局面によって、本発明は、(a)被覆されたマイクロペレットおよび所望により1種またはそれ以上の賦形剤を含む抗生物質組成物、(b)付加的賦形剤、および(c)溶媒を含む経口懸濁液であって、ここで、該被覆されたマイクロペレットが(i)少なくとも1個の抗生物質を含むコア;(ii)腸溶性コーティングポリマーではない少なくとも1個のセルロースポリマーを含む内側コーティング;および(iii)少なくとも1個の腸溶性コーティングポリマーを含む外側コーティングを含み、ここで、該被覆されたマイクロペレットが約100μmから約650μmの平均粒子サイズを有するものである、経口懸濁液を提供する。
【0015】
他の局面によって、本発明は、被覆されたマイクロペレットおよび所望により1種またはそれ以上の賦形剤を含む抗生物質組成物の製造法であって、(A)少なくとも1個の抗生物質、および所望により1種またはそれ以上の賦形剤を混合してプレミックスを形成し;(B)溶媒、および所望により1種またはそれ以上の賦形剤を工程(A)で形成したプレミックスに添加し、少なくとも50rpmに設定されたインペラーの存在下で造粒して、湿式造粒を形成し;(C)湿式造粒を乾燥させて、所望により乾燥させた顆粒を製粉して篩ってマイクロペレットを形成し;そして(D)マイクロペレットを腸溶性コーティングポリマーではない少なくとも1個のセルロースポリマーを含む内側コーティングでコーティングし;そして(E)工程(D)で形成したマイクロペレットを少なくとも1個の腸溶性コーティングポリマーを含む外側コーティングでコーティングして被覆されたマイクロペレットを形成することを含み、ここで、該被覆されたマイクロペレットが約100μmから約650μmの平均粒子サイズを有するものである、方法を提供する。
本発明の経口懸濁液は、苦味がないことにより特徴付けられる。
【0016】
発明の開示
本発明は、被覆されたマイクロペレットおよび所望により1種またはそれ以上の賦形剤を含む抗生物質組成物であって、ここで、該被覆されたマイクロペレットが(i)少なくとも1個の抗生物質を含むコア;(ii)腸溶性コーティングポリマーではない少なくとも1個のセルロースポリマーを含む内側コーティング;および(iii)少なくとも1個の腸溶性コーティングポリマーを含む外側コーティング、を含み、ここで、該被覆されたマイクロペレットが約100μmから約650μmの平均粒子サイズを有するものである、組成物を提供する。本明細書で使用する“被覆されたマイクロペレット”は、約100μmから約650μm、好ましくは200μmから約500μmの平均粒子サイズを有する顆粒を意味する。より好ましくは、被覆されたマイクロペレットの少なくとも約90%、好ましくは95%が約100μmから約650μm、最も好ましくは、約200μmから約500μmの粒子サイズを有する。
【0017】
好ましい抗生物質は下記を含む:エリスロマイシン;クラリスロマイシン;シプロフロキサシンおよびノルフロキサシンのようなフルオロキノロン;セフロキシムおよびセフトリアキソンのようなセファロスポリン;およびテトラサイクリン系抗生物質、例えば、クロラムフェニコール、クロルプロマジンなど。抗生物質の組み合わせも使用し得る。好ましくは、抗生物質はクラリスロマイシンである。抗生物質は、好ましくは約0.1μmから約100μm、より好ましくは5μmから約40μmの粒子サイズを有する。
【0018】
抗生物質は、被覆されたマイクロペレットの総重量に基づいて、約1重量%から約80重量%の量で存在する。好ましくは、抗生物質は、被覆されたマイクロペレットの総重量に基づいて、約5重量%から約50重量%、より好ましくは、約20重量%から約35重量%の量で存在する。
【0019】
好ましいセルロースポリマーは下記を含む:ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースおよびエチルカルボキシエチルセルロース。セルロースポリマーの組み合わせも使用し得る。より好ましくは、セルロースポリマーはヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはヒドロキシプロピルセルロースである。最も好ましくは、セルロースポリマーはヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
【0020】
好ましい腸溶性コーティングポリマーは下記を含む:架橋ポリビニルピロリドン;非架橋ポリビニルピロリドン;ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート、セルロースアセテートスクシネート;セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート、セルロースアセテートトリメリタート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート;ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート;デンプンアセテートフタレート;ポリビニルアセテートフタレート;カルボキシメチルセルロース;メチルセルロースフタレート;メチルセルローススクシネート;メチルセルロースフタレートスクシネート;メチルセルロースフタル酸半エステル;エチルセルローススクシネート;カルボキシメチルアミド;カリウムメタクリレートジビニルベンゼンコポリマー;ポリビニルアルコール;ポリオキシエチレングリコール;ポリエチレングリコール;ナトリウムアルギネート;ガラクトマンノン;カルボキシポリメチレン;ナトリウムカルボキシメチルデンプン;アクリル酸および/またはメタクリル酸と、下記から選択されるモノマーのコポリマー:メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、エチルアクリレート、ブチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、デシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、フェニルメタクリレート、メチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、イソブチルアクリレート、またはオクタデシルアクリレート、例えばRohmから入手可能なEUDRAGIT(登録商標)−Lおよび−Sシリーズ、例えばL100-55、L30D55、L100、S100、L12,5およびS12,5;ポリビニルアセテート;脂肪;油;蝋;脂肪アルコール;セラック;グルテン;エチルアクリレート−マレイン酸無水物コポリマー;マレイン酸無水物−ビニルメチルエーテルコポリマー;スチロール−マレイン酸コポリマー;2−エチル−ヘキシル−アクリレートマレイン酸無水物;クロトン酸−ビニルアセテートコポリマー;グルタミン酸/グルタミン酸エステルコポリマー;カルボキシメチルエチルセルロースグリセロールモノオクタノエート;ポリアルギニン;ポリ(エチレン);ポリ(プロピレン);ポリ(エチレンオキシド);ポリ(エチレンテレフタレート);ポリ(ビニルイソブチルエーテル);ポリ(ビニルクロライド);およびポリウレタン。腸溶性コーティングポリマーの組み合わせも使用し得る。
【0021】
より好ましくは、腸溶性コーティングポリマーは、メタクリル酸とメチルメタクリレートのコポリマー、およびメタクリル酸とエチルアクリレートのコポリマーから選択される。最も好ましくは、腸溶性コーティングポリマーは、ポリ(メタクリル酸、エチルアクリレート)1:1(EUDRAGIT(登録商標)-L30D 55およびEUDRAGIT(登録商標)-L100-55)である。
【0022】
1種またはそれ以上の薬学的に許容される賦形剤を抗生物質組成物に包含させるのは本発明の範囲内である。このような賦形剤の例は、結合剤、希釈剤、可塑剤、アンチケーキング剤、増量剤、可溶化剤、崩壊剤、滑剤、界面活性剤、香味剤、甘味剤、安定化剤、抗酸化剤、抗接着剤、防腐剤、流動促進剤および色素である。賦形剤の組み合わせも使用し得る。このような賦形剤は当業者に既知であり、故に限られた数のものしか具体的に言及しない。
【0023】
好ましい結合剤はデンプン、例えば、ジャガイモデンプン、小麦デンプン、コーンデンプン;ガム、のようなトラガカントガム、アカシアガムおよびゼラチン;およびポリビニルピロリドン、例えば、ポビドンを含むが、これらに限定されない。ポリビニルピロリドンが特に好ましい結合剤である。
【0024】
好ましい可塑剤は、クエン酸および酒石酸エステル(アセチル−トリエチルシトレート、アセチルトリブチル−、トリブチル−、トリエチル−シトレート);グリセロールおよびグリセロールエステル(グリセロールジアセテート、−トリアセテート、アセチル化モノグリセリド、ヒマシ油);フタル酸エステル(ジブチル−、ジアミル−、ジエチル−、ジメチル−、ジプロピル−フタレート)、ジ−(2−メトキシ−または2−エトキシエチル)−フタレート、エチルフタリルグリコラート、ブチルフタリルエチルグリコラートおよびブチルグリコラート;アルコール(プロピレングリコール、様々な鎖長のポリエチレングリコール)、アジペート(ジエチルアジペート、ジ−(2−メトキシ−または2−エトキシエチル)−アジペート;ベンゾフェノン;ジエチル−およびジブチルセバケート、ジブチルスクシネート、ジブチルタートレート;ジエチレングリコールジプロピオネート;エチレングリコールジアセテート、−ジブチレート、−ジプロピオネート;トリブチルホスフェート、トリブチリン;ポリエチレングリコールソルビタンモノオレエート(Polysorbar 50のようなポリソルベート);ソルビタンモノオレエートを含むが、これらに限定されない。可塑剤の組み合わせも使用し得る。セルロースポリマーと使用するために好ましい可塑剤はポリエチレングリコール600のようなポリエチレングリコールである。腸溶性コーティングポリマーと使用するために好ましい可塑剤は、トリエチルシトレートおよびグリセロールモノステアレートの組み合わせである。
【0025】
好ましい増量剤は、微結晶性セルロース、デンプン、予めゼラチン化したデンプン、修飾デンプン、二塩基性カルシウムホスフェート二水和物、硫酸カルシウム三水和物、硫酸カルシウム二水和物、炭酸カルシウム、デキストロース、スクロース、ラクトース、マンニトールおよびソルビトールを含むが、これらに限定されない。ラクトースが特に好ましい増量剤である。
【0026】
崩壊剤の例は下記を含む:
(i)メイズデンプン、ジャガイモデンプンなどのような天然デンプン、直接圧縮可能なデンプン、例えば、Sta-rx(登録商標)1500;修飾デンプン、例えば、Primojel(登録商標)、Explotab(登録商標)、Explosol(登録商標)として入手可能なカルボキシメチルデンプンおよびナトリウムデンプングリコラート;およびアミロースのようなデンプン誘導体;
(ii)架橋ポリビニルピロリドン、例えば、Polyplasdone(登録商標)XLおよびKollidon(登録商標)CLのようなクロスポビドン;
(iii)アルギン酸およびナトリウムアルギネート;
(iv)メタクリル酸−ジビニルベンゼンコポリマー塩、例えば、Amberlite(登録商標)IRP-88;および
(v)例えば、Ac-di-sol(登録商標)、Primellose(登録商標)、Pharmacel(登録商標)XL、Explocel(登録商標)およびNymcel(登録商標)ZSXとして入手可能な、架橋ナトリウムカルボキシメチルセルロース。
【0027】
さらなる崩壊剤はまたヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、ナトリウムデンプングリコラート、ポラクリリンカリウム(polacrillin potassium)、ポリアクリレート、例えばCarbopol(登録商標)、マグネシウムアルミニウムシリケートおよびベントナイトを含む。
【0028】
界面活性剤の例は下記を含む:
1)天然または水素化ヒマシ油とエチレンオキシドの反応産物。CREMOPHOR RH 40およびCREMOPHOR RH 60のような商品名CREMOPHORの下で入手可能なポリエチレングリコール水素化ヒマシ油がとりわけ適当である。また適当なのは、商品名CREMOPHOR ELの下で入手可能なもののようなポリエチレングリコールヒマシ油である。
【0029】
2)ポリソルベートとも呼ばれるポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、例えば商品名TWEENの下に既知であり、かつ市販されているタイプの、モノおよびトリラウリル、パルミチル、ステアリルおよびオレイルエステル。
20[ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート]、
21[ポリオキシエチレン(4)ソルビタンモノラウレート]、
40[ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテート]、
60[ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート]、
65[ポリオキシエチレン(20)ソルビタントリステアレート]、
80[ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート]、
81[ポリオキシエチレン(5)ソルビタンモノオレエート]、
85[ポリオキシエチレン(20)ソルビタントリオレエート]。
このクラスの好ましい製品はTWEEN 80である。
【0030】
ポリエチレングリコール(PEG)自体は界面活性剤として機能しないが、様々なPEG−脂肪酸エステルは有用な界面活性特性を有する。PEG−脂肪酸モノエステルの中で、ラウリン酸、オレイン酸およびステアリン酸のエステルが最も有用である。表1の界面活性剤の中で、好ましい親水性界面活性剤は、PEG−8ラウレート、PEG−8オレエート、PEG−8ステアレート、PEG−9オレエート、PEG−10ラウレート、PEG−10オレエート、PEG−12ラウレート、PEG−12オレエート、PEG−15オレエート、PEG−20ラウレートおよびPEG−20オレエートを含む。
【0031】
3)ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、例えば商品名MYRJの下に既知であり、市販されているタイプのポリオキシエチレンステアリン酸エステル。
4)商品名PLURONIC、EMKALYXおよびPOLOXAMERの下に既知であり、市販されているタイプのポリオキシエチレンポリオキシプロピレンコポリマーおよびブロックコポリマー。このクラスの好ましい製品はPLURONIC F68およびPOLOXAMER 188である。
5)ジオクチルスルホスクシネートまたはジ[2−エチルヘキシル]−スクシネート。
6)リン脂質、特にレシチン。適当なレシチンは、特にダイズレシチンを含む。
【0032】
7)プロピレングリコールモノおよびジ脂肪酸エステルのようなプロピレングリコールジカプリレート(また商品名MIGLYOL 840下に既知であり、市販されている)、プロピレングリコールジラウレート、プロピレングリコールヒドロキシステアレート、プロピレングリコールイソステアレート、プロピレングリコールラウレート、プロピレングリコールリシノレート、およびプロピレングリコールステアレート。
8)商品名BRIJ、例えば、Brij 92VおよびBrij 35の下に市販されているもののようなポリオキシエチレンアルキルエーテル。
9)トコフェロールエステル、例えば、トコフェリルアセテートおよびトコフェリル酸スクシネート。
10)ドキュセート塩、例えば、ジオクチルスルホスクシネートまたはジ−[2−エチルヘキシル]−スクシネートのような関連化合物。
界面活性剤の組み合わせも使用し得る。
【0033】
好ましい甘味剤は、アスパルテーム、サッカリン、およびシクラメートのような人工甘味剤;スクロース、フルクトース、グルコース、ラクトース、マルトデキストリン、およびナトリウムグリコラートのような天然甘味剤;およびアスパルテームとスクロースの混合物のような人工と天然甘味剤の混合物を含むが、これらに限定されない。
【0034】
好ましい香味剤は、サクランボ、イチゴ、フルーツ・ポンチ、ブドウ、クリーム、バニラ、チョコレート、モカ、スペアミント、コーラなどを含むが、これらに限定されない。
好ましい色素は、二酸化チタン、酸化鉄、および植物色素を含むが、これらに限定されない。
【0035】
好ましい希釈剤は、デキストロース、ソルビトール、スクロース、ラクトース、マンニトール、ウレア、カリウムクロライド、ナトリウムクロライド、ゼラチン、デンプン、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、シリカ、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンおよびステアリン酸マグネシウムを含むが、これらに限定されない。
【0036】
本発明の抗生物質組成物は、当分野の当業者に既知の様々な異なる方法のいずれか一つを使用して製造する。抗生物質組成物は、好ましくは少なくとも1個の抗生物質、および所望により1種またはそれ以上の賦形剤を溶媒の存在下または非存在下に混合し、プレミックスを形成することにより製造する。該プレミックスは、好ましくは固体分散体または均質懸濁液の形である。該プレミックスを好ましくは高剪断造粒、溶融押し出し、湿式造粒またはローラー・コンパクションに付してマイクロペレットを形成する。該マイクロペレットを好ましくは乾燥させ、または溶融押し出しのときは冷却し、所望により製粉しおよび/または篩う。該マイクロペレットを、腸溶性コーティングポリマーではない少なくとも1個のセルロースポリマーを含む内側コーティング;および少なくとも1個の腸溶性コーティングポリマー外側コーティングで被覆して、被覆されたマイクロペレットを形成する。
【0037】
高剪断造粒の場合、該高剪断造粒は、好ましくは少なくとも50rpmに設定されたインペラーの存在下に行う。より好ましくは、該インペラーを約300rpmに設定する。最も好ましくは、該高剪断造粒を、さらにチョッパーの存在下で行い、それは好ましくは少なくとも1000rpmに設定され、より好ましくは該チョッパーは約2400rpmに設定される。
【0038】
本発明の一つの態様において、抗生物質組成物を:(A)少なくとも1個の抗生物質、および所望により1種またはそれ以上の賦形剤を混合してプレミックスを形成し;(B)溶媒、および所望により1種またはそれ以上の賦形剤を工程(A)で形成したプレミックスに添加し、少なくとも50rpmに設定されたインペラーの存在下で造粒して、湿式造粒を形成し;(C)湿式造粒を乾燥させて、所望により乾燥させた顆粒を製粉して篩ってマイクロペレットを形成し;そして(D)マイクロペレットを腸溶性コーティングポリマーではない少なくとも1個のセルロースポリマーを含む内側コーティングでコーティングし;そして(E)工程(D)で形成したマイクロペレットを少なくとも1個の腸溶性コーティングポリマーを含む外側コーティングでコーティングして被覆されたマイクロペレットを形成することを含む方法により製造する。
【0039】
乾燥法は、噴霧乾燥、流動床乾燥、気流乾燥、環状乾燥(ring drying)、ミクロン乾燥(micron drying)、トレイ乾燥、真空乾燥、高周波乾燥およびマイクロ波乾燥を含む。好ましい乾燥技術は流動床である。
【0040】
ミルのタイプは、流体エネルギーミル(fluid energy mill)、ボールミルまたはロッドミル、ハンマーミル、カッティングミルおよび振動造粒機を含む。より具体的に、適当なミルは、Quadro、Fryma、Glatt Quick Sieve、Fluidaire、Fitzpatrick(Fitzミル)、BTSミルおよびTornadoを含む。好ましいミルはFitzミルである。
【0041】
本発明の抗生物質組成物は、経口懸濁液、カプセル、カプレット、粉末または錠剤の形であり得る。好ましい態様において、該抗生物質組成物は経口懸濁液の形である。該経口懸濁液は、(a)被覆されたマイクロペレットおよび所望により1種またはそれ以上の賦形剤を含む抗生物質組成物、(b)付加的賦形剤、および(c)溶媒を含む経口懸濁液であって、ここで、該被覆されたマイクロペレットが(i)少なくとも1個の抗生物質を含むコア;(ii)腸溶性コーティングポリマーではない少なくとも1個のセルロースポリマーを含む内側コーティング;および(iii)少なくとも1個の腸溶性コーティングポリマーを含む外側コーティングを含み、ここで、該被覆されたマイクロペレットが約100μmから約650μmの平均粒子サイズを有するものである。経口懸濁液のための溶媒は、好ましくは水性溶媒である。該経口懸濁液は、一般に単に飲まれる。あるいは、該経口懸濁液を食事または飲料と混合し得る。
【0042】
付加的賦形剤の例は、結合剤、希釈剤、可塑剤、アンチケーキング剤、増量剤、可溶化剤、崩壊剤、滑剤、界面活性剤、香味剤、甘味剤、安定化剤、抗酸化剤、抗接着剤、防腐剤、流動促進剤および色素である。付加的賦形剤の組み合わせも使用し得る。好ましい付加的賦形剤は、スクロース、マルトデキストリン、ソルビン酸カリウム、シリカ、キサンタンガム、二酸化チタンおよび香味剤を含む。
【0043】
実施例
実施例1:クラリスロマイシン組成物の製造
【表1】

【0044】
クラリスロマイシン、ラクトース、デンプンおよびクロスカルメロースNaを、350rpmに設定したインペラーおよび2000rpmに設定したチョッパーを伴う2.5L高剪断VG5 Glatt造粒機で5分混合した。別に、ポリビニルピロリドンを水と室温で溶解するまで混合した。ポリビニルピロリドン溶液を3分にわたりクラリスロマイシン含有混合物に添加し、上記設定の造粒機で250mL/分で混合した。造粒機中の混合を上記の設定でさらに3分続け、湿った顆粒を形成した。湿った顆粒を取り出し、トレイ上に置き、それを55℃のオーブンに4時間置いて乾燥した顆粒を形成した。乾燥した顆粒をU.S.標準篩番号30、40、50、および80メッシュ篩で篩った。30メッシュ篩上に集めた顆粒を篩#62を備えたQuadro Co-millを使用して製粉し、マイクロペレットを形成した。マイクロペレットを上記の通りの篩い工程に付し、粒子サイズ分布を表Iに要約した。篩番号40から80上に残ったマイクロペレットの収率は成分の総量に基づいて83.5%と測定された。
【0045】
【表2】

【0046】
実施例2:クラリスロマイシン組成物の製造
【表3】

【0047】
クラリスロマイシン、ラクトース、デンプンおよびAc-Di-Solを、300rpmに設定したインペラーおよび2400rpmに設定したチョッパーを備えた2.5L高剪断VG5 Glatt造粒機で5分混合した。別に、ポリビニルピロリドンを水と室温で溶解するまで混合した。ポリビニルピロリドン溶液を3分にわたりクラリスロマイシン含有混合物に添加し、上記設定の造粒機で250mL/分で混合した。造粒機中の混合を上記の設定でさらに3分続け、湿った顆粒を形成した。湿った顆粒を取り出し、トレイ上に置き、それを55℃のオーブンに4時間置いて乾燥した顆粒を形成した。乾燥した顆粒をU.S.標準篩番号30、40、50、および80メッシュ篩で篩った。30メッシュ篩上に集めた顆粒を篩#65を備えたFitzpatrick Millを使用して製粉し、マイクロペレットを形成した。マイクロペレットを上記の通りの篩い工程に付し、粒子サイズ分布を表IIに要約した。篩番号40から80上に残ったマイクロペレットの収率は、成分の総量に基づいて81.15%と測定された。
【0048】
【表4】

【0049】
実施例3:クラリスロマイシン組成物の製造
【表5】

【0050】
クラリスロマイシン、ラクトース、デンプンおよびAc-Di-Solを、400rpmに設定したインペラーを備え、チョッパー・ブレードがない2.5L高剪断VG5 Glatt造粒機で5分混合した。別に、ポリビニルピロリドンおよびPolaxomer 188を水と室温で溶解するまで混合した。ポリビニルピロリドンおよびPolaxomer 188溶液を15分にわたりクラリスロマイシン含有混合物に添加し、上記設定の造粒機で62mL/分で混合した。造粒機中の混合を上記の設定でさらに3分続け、湿った顆粒を形成した。湿った顆粒を取り出し、トレイ上に置き、それを55℃のオーブンに4時間置いて乾燥した顆粒を形成した。乾燥した顆粒をU.S.標準篩番号30、40、50、および80メッシュ篩で篩った。30メッシュ篩上に集めた顆粒を篩#65を備えたFitzpatrick Millを使用して製粉し、マイクロペレットを形成した。マイクロペレットを上記の通りの篩い工程に付し、粒子サイズ分布を表IIIに要約した。篩番号40から80上に残ったマイクロペレットの収率は、成分の総量に基づいて58.0%であった。
【0051】
【表6】

【0052】
実施例4:クラリスロマイシン組成物の製造
【表7】

【0053】
クラリスロマイシンおよびPolaxomer 18を16rpmの回転速度のコンテナーミキサー中で、5分混合した。混合物を、押し出し成形機Theissonを70℃の温度で使用することにより造粒した。塊を集め、室温に冷却した。冷却した顆粒を振動しているFrewittを使用して0.5mm篩を通して篩った。顆粒を200μm篩を通して篩って集めた。
微粒子<200μmを反復押出成形法に使用できた。
【0054】
実施例5:クラリスロマイシン組成物の製造
【表8】

【0055】
Polaxomer 188およびポリビニルピロリドンK−30を溶解し、撹拌子を備えたステンレススチールコンテナーミキサー中で混合し、クラリスロマイシンをこの溶液に懸濁させた。
該溶液を次いで下記の通り噴霧乾燥させ、Glatt GPCG 30 - WSA Modul中でペレットに凝集させた:
【表9】

乾燥させたペレットを500μm篩を通して篩った。篩上に残ったペレットは再び溶解できた。
【0056】
実施例6:内側コーティングの製造(セルロースポリマー)
【表10】

ヒドロキシプロピルメチルセルロース、水およびシメチコンを混合した。
【0057】
実施例7:外側コーティングの製造(腸溶性コーティングポリマー)
【表11】

【0058】
ポリソルベート80、1.5gを250mL 水に70℃で加熱しながら溶解した。グリセリルモノステアレート、3.75gをポリソルベート溶液に70℃で添加し、混合した。混合物を撹拌しながら冷却した。30%水性分散の形であるEugragit L30 D55、419.25gをU.S.篩番号40メッシュ篩を通して篩い、40番メッシュ篩上に回収した粒子を集めた。トリエチルシトレート、18.75gを56.38mLの水と混合して溶液を形成し、Eugragit分散と合わせ、ポリソルベート80およびグリセリルモノステアレートを含む混合物に撹拌しながら添加した。
【0059】
実施例8:被覆マイクロペレットの製造
実施例1、2、3、4、5のマイクロペレットを、実施例6で製造したセルロースポリマーコーティング組成物でGlatt Fluid Bed Granulator中のWuster Columnを使用して被覆した。被覆されたマイクロペレットを、さらに実施例7で製造した腸溶性コーティング組成物で、Glatt Fluid Bed Granulator中のWuster Columnを使用してさらに被覆した。被覆されたマイクロペレットを、上記の通りの篩い工程に付し、粒子サイズ分布を表IVに要約する。
【0060】
【表12】

【0061】
実施例9:クラリスロマイシン経口懸濁液製品の製造
【表13】

【0062】
Polaxomer 188、ポビドンK−30、および水を撹拌子を備えたステンレススチールコンテナーミキサー中で混合し、クラリスロマイシンをこの溶液に懸濁させた。混合物を噴霧乾燥し、Glatt GPCG 30 - WSA Modul中でマイクロペレットに凝集させた。乾燥したマイクロペレットを500μm篩を通して篩った。
【0063】
別に、Pharmacoat 603、Macrogel 6000および二酸化チタンを混合し、内層コーティングを形成した。
【0064】
別に、Tween 80を250mL 水に70℃に加熱しながら溶解した。グリセリルモノステアレートをTween 80溶液に70℃で添加し、混合した。混合物を撹拌しながら冷却した。30%水性分散の形のEugragit L30 D55、419.25gをU.S.篩番号40メッシュ篩を通して篩い、40番メッシュ篩上に回収した粒子を集めた。トリエチルシトレートを水と混合して溶液を形成し、Eugragit分散と合わせて、Tween 80およびグリセリルモノステアレートを含む混合物に撹拌しながら添加し、腸溶性コーティングを形成した。
【0065】
上記の通りに製造したマイクロペレットを、最初に、Glatt Fluid Bed Granulator中のWuster Columnを使用して、内側コーティングで被覆した。被覆されたマイクロペレットを、さらにGlatt Fluid Bed Granulator中のWuster Columnを使用して腸溶性コーティングで被覆した。被覆されたマイクロペレットを、付加的賦形剤と、480回転でV-Blenderを使用して混合し、クラリスロマイシン粉末組成物を形成した。クラリスロマイシン粉末組成物をビンに入れた。水をビンに入れ、ビンを激しく振って経口懸濁液を形成した。経口懸濁液は苦味がないことにより特徴付けられる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
被覆されたマイクロペレットおよび所望により1種またはそれ以上の賦形剤を含む抗生物質組成物であって、ここで、該被覆されたマイクロペレットが
(i)少なくとも1個の抗生物質を含むコア;
(ii)腸溶性コーティングポリマーではない少なくとも1個のセルロースポリマーを含む内側コーティング;および
(iii)少なくとも1個の腸溶性コーティングポリマーを含む外側コーティング、
を含み、ここで、該被覆されたマイクロペレットが約100μmから約650μmの平均粒子サイズを有するものである、組成物。
【請求項2】
被覆されたマイクロペレットが約200μmから約500μmの平均粒子サイズを有する、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
被覆されたマイクロペレットの少なくとも約90%が約100μmから約650μmの粒子サイズを有する、請求項1記載の組成物。
【請求項4】
セルロースポリマーがヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、エチルカルボキシエチルセルロースおよびこれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項1記載の組成物。
【請求項5】
内側コーティングがさらに少なくとも1個の可塑剤を含む、請求項1記載の組成物。
【請求項6】
可塑剤がアセチル−トリエチルシトレート、アセチルトリブチル−、トリブチル−、トリエチル−シトレート、グリセロールジアセテート、グリセロールトリアセテート、アセチル化モノグリセリド、ヒマシ油、ジブチル−フタレート、ジアミル−フタレート、ジエチル−フタレート、ジメチル−フタレート、ジプロピル−フタレート、ジ−(2−メトキシ−または2−エトキシエチル)−フタレート、エチルフタリルグリコラート、ブチルフタリルエチルグリコラート、ブチルグリコラート、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジエチルアジペート、ジ−(2−メトキシ−または2−エトキシエチル)−アジペート、ベンゾフェノン、ジエチル−およびジブチルセバケート、ジブチルスクシネート、ジブチルタートレート、ジエチレングリコールジプロピオネート、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールジブチレート、エチレングリコールジプロピオネート、トリブチルホスフェート、トリブチリン、ポリエチレングリコールソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノオレエートおよびこれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項5記載の組成物。
【請求項7】
可塑剤がポリエチレングリコールである、請求項6記載の組成物。
【請求項8】
腸溶性コーティングポリマーが架橋ポリビニルピロリドン;非架橋ポリビニルピロリドン;ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート、セルロースアセテートスクシネート;セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート、セルロースアセテートトリメリタート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート;ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート;デンプンアセテートフタレート;ポリビニルアセテートフタレート;カルボキシメチルセルロース;メチルセルロースフタレート;メチルセルローススクシネート;メチルセルロースフタレートスクシネート;メチルセルロースフタル酸半エステル;エチルセルローススクシネート;カルボキシメチルアミド;カリウムメタクリレートジビニルベンゼンコポリマー;ポリビニルアルコール;ポリオキシエチレングリコール;ポリエチレングリコール;ナトリウムアルギネート;ガラクトマンノン;カルボキシポリメチレン;ナトリウムカルボキシメチルデンプン;アクリル酸および/またはメタクリル酸とメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、エチルアクリレート、ブチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、デシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、フェニルメタクリレート、メチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、イソブチルアクリレートおよびオクタデシルアクリレートから成る群から選択される少なくとも1個のモノマーのコポリマー;ポリビニルアセテート;脂肪;油;蝋;脂肪アルコール;セラック;グルテン;エチルアクリレート−マレイン酸無水物コポリマー;マレイン酸無水物−ビニルメチルエーテルコポリマー;スチロール−マレイン酸コポリマー;2−エチル−ヘキシル−アクリレートマレイン酸無水物;クロトン酸−ビニルアセテートコポリマー;グルタミン酸/グルタミン酸エステルコポリマー;カルボキシメチルエチルセルロースグリセロールモノオクタノエート;ポリアルギニン;ポリ(エチレン);ポリ(プロピレン);ポリ(エチレンオキシド);ポリ(エチレンテレフタレート);ポリ(ビニルイソブチルエーテル);ポリ(ビニルクロライド);ポリウレタンおよびこれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項1記載の組成物。
【請求項9】
腸溶性コーティングポリマーがメタクリル酸とメチルメタクリレートのコポリマーおよびメタクリル酸とエチルアクリレートのコポリマーから成る群から選択される、請求項8記載の組成物。
【請求項10】
外側コーティングがさらに少なくとも1個の可塑剤を含む、請求項1記載の組成物。
【請求項11】
可塑剤がトリエチルシトレートおよびグリセロールモノステアレートである、請求項10記載の組成物。
【請求項12】
抗生物質がクラリスロマイシンである、請求項1記載の組成物。
【請求項13】
(a)被覆されたマイクロペレットおよび所望により1種またはそれ以上の賦形剤を含む抗生物質組成物、(b)付加的賦形剤、および(c)溶媒を含む経口懸濁液であって、ここで、該被覆されたマイクロペレットが
(i)少なくとも1個の抗生物質を含むコア;
(ii)腸溶性コーティングポリマーではない少なくとも1個のセルロースポリマーを含む内側コーティング;および
(iii)少なくとも1個の腸溶性コーティングポリマーを含む外側コーティング、
を含み、ここで、該被覆されたマイクロペレットが約100μmから約650μmの平均粒子サイズを有するものである、経口懸濁液。
【請求項14】
溶媒が水性溶媒である、請求項13記載の経口懸濁液。
【請求項15】
被覆されたマイクロペレットおよび所望により1種またはそれ以上の賦形剤を含む抗生物質組成物の製造法であって、
(A)少なくとも1個の抗生物質、および所望により1種またはそれ以上の賦形剤を混合してプレミックスを形成し;
(B)溶媒、および所望により1種またはそれ以上の賦形剤を工程(A)で形成したプレミックスに添加し、少なくとも50rpmに設定されたインペラーの存在下で造粒して、湿式造粒を形成し;
(C)湿式造粒を乾燥させて、所望により乾燥させた顆粒を製粉して篩ってマイクロペレットを形成し;そして
(D)マイクロペレットを腸溶性コーティングポリマーではない少なくとも1個のセルロースポリマーを含む内側コーティングでコーティングし;そして
(E)工程(D)で形成したマイクロペレットを少なくとも1個の腸溶性コーティングポリマーを含む外側コーティングでコーティングして被覆されたマイクロペレットを形成することを含み、ここで、該被覆されたマイクロペレットが約100μmから約650μmの平均粒子サイズを有するものである、方法。
【請求項16】
造粒がさらにチョッパーの存在下で行われる、請求項15記載の方法。
【請求項17】
チョッパーが少なくとも1000rpmに設定されている、請求項16記載の方法。


【公表番号】特表2007−508351(P2007−508351A)
【公表日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−534711(P2006−534711)
【出願日】平成16年10月15日(2004.10.15)
【国際出願番号】PCT/EP2004/011653
【国際公開番号】WO2005/039536
【国際公開日】平成17年5月6日(2005.5.6)
【出願人】(305008042)サンド・アクチエンゲゼルシヤフト (54)
【Fターム(参考)】