説明

抗緑内障薬としてのシクロペンタン誘導体

下記の式(1)を有する化合物を、本明細書において開示する:
【化1】


また、該化合物に関連する治療方法、組成物および医薬品も開示する。

【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【0001】
関連出願
本出願は、2006年7月11日に出願された米国仮出願第60/806,947号の権利を主張する;該出願は、その全体を参考として本明細書に合体させる。
【0002】
本明細書においては、下記の式を有する化合物、またはその製薬上許容し得る塩、またはそのプロドラッグを開示する:
【化1】

(式中、点線は、結合の存在または不存在を示し;
Yは、有機酸官能基またはその14個までの炭素原子を含むアミドもしくはエステルであるか;或いは、Yは、ヒドロキシメチルまたはその14個までの炭素原子を含むエーテルであるか;或いは、Yは、テトラゾリル官能基であり;
Aは、-(CH2)6-、シス-CH2CH=CH-(CH2)3-または-CH2C≡C-(CH2)3-であり、これらにおいて、1個または2個の炭素原子は、SまたはOによって置換することができ;或いは、Aは、-(CH2)m-Ar-(CH2)o-であり、Arはインター(中間)アリーレンまたはヘテロインターアリーレンであり、mとoの和は1、2、3または4であり、1個のCH2はSまたはOによって置換することができ;
U1は、個々に、水素;OH;O;S;F;Cl;Br;I;CN;または1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するO-アルキルであり;
J1は、水素;F;Cl;Br;I;O;OH;CN;1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するO-アルキル;1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するアルキル;またはCF3であり;
J2は、水素;F;Cl;Br;I;CN;1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するO-アルキル;1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するアルキル;またはCF3であり;
Bは、アリールまたはヘテロアリールである)。
【0003】
また、本明細書においては、下記の構造を有するカルボン酸またはそのバイオイソスター、またはその製薬上許容し得る塩、またはそのプロドラッグも開示する:
【化2】

(式中、点線は、結合の存在または不存在を示し;
Aは、-(CH2)6-、シス-CH2CH=CH-(CH2)3-または-CH2C≡C-(CH2)3-であり、これらにおいて、1個または2個の炭素原子はSまたはOによって置換することができ;或いは、Aは、-(CH2)m-Ar-(CH2)o-であり、Arはインターアリーレンまたはヘテロインターアリーレンであり、mとoの和は1、2、3または4であり、1個のCH2はSまたはOによって置換することができ;
U1は、個々に、水素;OH;O;S;F;Cl;Br;I;CN;または1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するO-アルキルであり;
J1は、水素;F;Cl;Br;I;O;OH;CN;1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するO-アルキル;1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するアルキル;またはCF3であり;
J2は、水素;F;Cl;Br;I;CN;1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するO-アルキル;1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するアルキル;またはCF3であり;
Bは、アリールまたはヘテロアリールである)。
本明細書において開示する構造体は、いずれも、単独であれまたは他の構造体と一緒に示すものであれ、個々の実施態様として意図する。
さらにまた、本明細書において示す各個々の構造体については、その構造を有する化合物、および/またはその構造を有する化合物の1種以上のプロドラッグ、および/またはその構造を有する化合物の1種以上の製薬上許容し得る塩を含む実施態様を意図する。
また、その構造を有する化合物、および/またはその構造を有する化合物の1種以上の製薬上許容し得る塩を含む実施態様も意図する。
また、その構造を有する化合物、および/またはその構造を有する化合物の1種以上のプロドラッグを含む実施態様も意図する。
【0004】
点線は結合の存在または不存在を示すので、下記の構造に従うもののような化合物が可能である:
【化3】

【0005】
【化4】

【0006】
“バイオイソスターは、化学的または物理的類似性を有し且つ広範囲の同様な生物学的特性を生じる置換基または基である”。Silverman, Richard B., The Organic Chemistry of Drug Design and Drug Action, 2nd Edition, Amsterdam: Elsevier Academic Press, 2004, p. 29。
限定するつもりはないが、有機酸官能基は、カルボン酸のバイオイソスターである。1つの有機酸官能基は、有機分子上の酸性官能基である。限定するつもりはないが、有機酸官能基は、炭素、イオウまたはリンの酸化物を含み得る。従って、本発明の範囲を如何なる形でも限定するものではないが、ある種の化合物においては、Yは、カルボン酸、スルホン酸またはホスホン酸官能基である。
【0007】
さらに、上記の有機酸の1つの14個までの炭素原子を含むアミドまたはエステルも意図する。エステルにおいては、ヒドロカルビル成分により、カルボン酸エステル、例えば、CO2Me、CO2Et等におけるような酸の水素原子を置換する。
アミドにおいては、アミン基により、上記酸のOHを置換する。アミドの例としては、CON(R2)2、CON(OR2)R2、CON(CH2CH2OH)2およびCONH(CH2CH2OH)があり、R2は、個々に、H、C1〜C6アルキル、フェニルまたはビフェニルである。また、CONHSO2R2のような成分は、スルホン酸R2-SO3Hのアミドであるとみなし得るという事実にもかかわらずカルボン酸のアミドである。また、次のアミド類もとりわけ意図する:CONSO2-ビフェニル、CONSO2-フェニル、CONSO2-ヘテロアリールおよびCONSO2-ナフチル。上記ビフェニル、フェニル、ヘテロアリールまたはナフチルは、置換しても置換しなくてもよい。
【0008】
Han等(Biorganic & Medicinal Chemistry Letters 15 (2005) 3487-3490)は、下記に示す基が、カルボン酸に対する適切なバイオイソスターであることを最近証明している。これらの基を有する化合物のHCV NS3プロテアーゼ抑制における活性は、その基をCO2Hによって置換している同様な化合物と匹敵するか或いはそれよりも優れていた。即ち、Yは、下記に示す任意の基であり得る。
Han等に従うカルボン酸バイオイソスター
【化5】

【0009】
また、本発明の範囲を如何なる形でも限定するつもりはないが、Yは、ヒドロキシメチルまたはその14個までの炭素原子を含むエーテルであり得る。エーテルは、ヒドロキシルの水素が炭素によって置換されている官能基であり、例えば、Yは、CH2OCH3、CH2OCH2CH3等である。また、これらの基も、カルボン酸のバイオイソスターである。
“14個までの炭素原子”とは、カルボン酸エステルまたはアミドのカルボニル炭素、およびエーテルの-CH2O-C中の両炭素原子を含むY成分全体が0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13または14個の炭素原子を有することを意味する。
最後に、本発明の範囲を如何なる形でも限定するつもりはないが、Yは、テトラゾリル官能基であり得る。
【0010】
限定するつもりはないが、上記で示したYを有する化合物の例を、下記に示す。これらの例においては、Rは、本明細書において定義した限定を条件として、Hまたはヒドロカルビルである。下記の各構造は、個々に意図する特定の実施態様、並びに下記の構造によって示される化合物の製薬上許容し得る塩類およびプロドラッグを下記に示す。しかしながら、下記に示す構造の範囲に属し得ない他の例も可能である。
【化6】

【0011】
テトラゾリル官能基は、カルボン酸のもう1つのバイオイソスターである。非置換テトラゾリル官能基は、2つの互変異性形を有し、水性または生物学的媒質中で急速に相互転換し得、従って、互いに等価である。これらの互変異性体を、下記に示す。
【化7】

さらに、R2がC1〜C6アルキル、フェニルまたはビフェニルである場合、下記に示すもののような他の異性体形のテトラゾリル官能基も可能であり、C12までの非置換およびヒドロカルビル置換テトラゾリルは、用語“テトラゾリル”の範囲内であるとみなす。
【化8】

【0012】
1つの実施態様においては、Yは、有機酸官能基またはその14個までの炭素原子を含むアミドもしくはエステルであるか;或いは、Yは、ヒドロキシメチルまたはその14個までの炭素原子を含むエーテルであるか;或いは、Yは、テトラゾリル官能基である。
もう1つの実施態様においては、Yは、CO2R2、CON(R2)2、CON(OR2)R2、CON(CH2CH2OH)2、CONH(CH2CH2OH)、CH2OH、P(O)(OH)2、CONHSO2R2、SO2N(R2)2、SO2NHR2、および下記である:
【化9】

(式中、R2は、個々に、H、C1〜C6アルキル、非置換フェニルまたは非置換ビフェニルである)。
【0013】
Silverman (p.30)によれば、下記に示す成分もカルボン酸のバイオイソスターである。
Silvermanに従うカルボン酸バイオイソスター
【化10】

【0014】
Orlek等(J. Med. Chem. 1991, 34, 2726-2735)は、カルボン酸に対する適切なバイオイソスターとしてのオキサジアゾール類を開示している。これらのエステル代替物は、改良された代謝安定性を有する強力なムスカリン作用薬であることが証明されている。また、オキサジアゾール類は、Anderson等(Eur. J. Med. Chem. 1996, 31, 417-425)によって、ベンゾジアゼピンレセプターにおいて改良された生体内有効性を有するカルボキサミド代替物としても説明されている。
【0015】
Orlek等に従うカルボン酸バイオイソスター
【化11】

Kohara等(J. Med. Chem. 1996, 39, 5228-5235)は、テトラゾールに対する適切なバイオイソスターとしての酸性複素環を開示している。これらのカルボン酸代替物は、改良された代謝安定性を有する強力なアンジオテンシンIIレセプター拮抗薬であることが証明されている。
【0016】
Kohara等に従うテトラゾールバイオイソスター
【化12】

Drysdale等(J. Med. Chem. 1992, 35, 2573-2581)は、非ペプチドCCK-Bレセプター拮抗薬のカルボン酸擬態物を開示している。これらのバイオイソスターの多くの結合親和性は、親カルボン酸と同様である。
【0017】
Drysdale等に従うカルボン酸バイオイソスター
【化13】

【0018】
Aは、-(CH2)6-、シス-CH2CH=CH-(CH2)3-または-CH2C≡C-(CH2)3-であり、これらにおいて、1個または2個の炭素原子はSまたはOによって置換することができ;或いは、Aは、-(CH2)m-Ar-(CH2)o-であり、Arはインターアリーレンまたはヘテロインターアリーレンであり、mとoの和は1、2、3または4であり、1個のCH2はSまたはOによって置換し得る。
限定するつもりはないが、Aは、-(CH2)6-、シス-CH2CH=CH-(CH2)3-、または-CH2C≡C-(CH2)3-であり得る。
また、Aは、炭素のいずれかがSまたはOによって置換されているこれら3つの成分の1つに関連する基であり得る。例えば、Aは、Sにより1個または2個の炭素原子を置換している下記の1つ等のような成分であり得る。
【化14】

【0019】
また、Aは、Oにより1個または2個の炭素原子を置換している下記の1つ等のような成分であり得る。
【化15】

また、Aは、下記の1つ等のように、1個の炭素原子を置換しているOおよびもう1個の炭素原子を置換しているSを有し得る。
【化16】

【0020】
また、本発明の範囲を如何なる形でも限定するものではないが、ある種の実施態様においては、Aは、-(CH2)m-Ar-(CH2)o-であり、Arはインターアリーレンまたはヘテロインターアリーレンであり、mとoの和は1、2、3または4であり、1個のCH2はSまたはOによって置換し得る。換言すれば、本発明の範囲を如何なる形でも限定するものではないが、1つの実施態様においては、Aは、1、2、3または4個のCH2成分とAr、例えば、-CH2-Ar-、-(CH2)2-Ar-、-CH2-Ar-CH2-、-CH2Ar-(CH2)2-、-(CH2)2-Ar-(CH2)2-等を含み;もう1つの実施態様においては、Aは、O;0、1、2または3個のCH2成分およびAr、例えば、-O-Ar-、Ar-CH2-O-、-O-Ar-(CH2)2-、-O-CH2-Ar-、-O-CH2-Ar-(CH2)2等を含み;或いは、もう1つの実施態様においては、Aは、S;0、1、2または3個のCH2成分およびAr、例えば、-S-Ar-、Ar-CH2-S-、-S-Ar-(CH2)2-、-S-CH2-Ar-、-S-CH2-Ar-(CH2)2、-(CH2)2-S-Ar等を含む。
【0021】
もう1つの実施態様においては、mとoの和は2、3または4であり、1個のCH2はSまたはOによって置換し得る。
もう1つの実施態様においては、mとoの和は3であり、1個のCH2はSまたはOによって置換し得る。
もう1つの実施態様においては、mとoの和は2であり、1個のCH2はSまたはOによって置換し得る。
もう1つの実施態様においては、mとoの和は4であり、1個のCH2はSまたはOによって置換し得る。
【0022】
インターアリーレンまたはヘテロインターアリーレンとは、分子の2つの他の部分と連結しているアリール環もしくは環系またはヘテロアリール環もしくは環系を称する、即ち、上記2つの部分は、環に2つの異なる環位置において結合している。インターアリーレンまたはヘテロインターアリーレンは、置換してもまたは置換しなくてもよい。非置換インターアリーレンまたはヘテロインターアリーレンは、これらのアリーレンが結合している分子の2つの部分以外の置換基を有さない。置換インターアリーレンまたはヘテロインターアリーレンは、これらのアリーレンが結合している分子の2つの部分以外の置換基を有する。
【0023】
1つの実施態様においては、Arは、置換または非置換のインターフェニレン、インターチエニレン、インターフリレン、インターピリジニレン、インターオキサゾリレンおよびインターチアゾリレンである。もう1つの実施態様においては、Arは、インターフェニレン(Ph)である。もう1つの実施態様においては、Aは、-(CH2)2-Ph-である。本発明の範囲を如何なる形でも限定するものではないが、置換基は、4個以下の重原子を有し得る;重原子は、任意の安定な組合せにおけるC、N、O、S、P、F、Cl、Brおよび/またはIである。また、特定の置換基において必要な任意の数の水素原子も含ませ得る。置換基は、当該化合物が本明細書において説明するように有用であるために十分に安定でなければならない。上記した原子以外に、置換基は、置換基が酸性でありその塩形が安定である場合、金属カチオンまたは上記していない原子を有する任意の他の安定なカチオンも有し得る。例えば、-OHは、-O-Na+塩を形成し得;或いは、CO2Hは、CO2-K+塩を形成し得る。上記塩の存在し得るカチオンは、上記“4個以下の重原子”には計数しない。即ち、置換基は、C4までのアルキル、アルケニル、アルキニル等のような、4個までの炭素原子を有するヒドロカルビル;C3までのヒドロカルビルオキシ;CO2H、SO3H、P(O)(OH)2等のような有機酸およびその塩類;CF3;F、ClまたはBrのようなハロヒドロキシルNH2およびC3までのアルキルアミン官能基;CN、NO2等のような他のNまたはS含有置換基等であり得る。
【0024】
1つの実施態様においては、Aは、-(CH2)m-Ph-(CH2)o-であり、mとoの和は1、2または3であり、1個のCH2はSまたはOによって置換し得る。
もう1つの実施態様においては、Aは、-CH2-Ar-OCH2-である。もう1つの実施態様においては、Aは-CH2-Ph-OCH2-であり、もう1つの実施態様においては、Phは、1および3位置で結合しており、或いは、Aが下記に示す構造を有するときのようなm-インターフェニレンとして知られる。
【化17】

【0025】
もう1つの実施態様においては、Aは、-(CH2)6-、シス-CH2CH=CH-(CH2)3-または-CH2C≡C-(CH2)3-であり、1個または2個の炭素原子はSまたはOによって置換することができ;或いは、Aは、-(CH2)2-Ph-であり、1個のCH2はSまたはOによって置換し得る。
もう1つの実施態様においては、Aは、-(CH2)6-、シス-CH2CH=CH-(CH2)3-または-CH2C≡C-(CH2)3-であり、1個または2個の炭素原子はSまたはOによって置換することができ;或いは、Aは、-(CH2)2-Ph-である。
他の実施態様においては、Aは下記に示す構造の1つを有し、Yは、芳香環または芳香族複素環に結合している。
【化18】

【0026】
もう1つの実施態様においては、Aは、-CH2OCH2Arである。
もう1つの実施態様においては、Aは、-CH2SCH2Arである。
もう1つの実施態様においては、Aは、-(CH2)3Arである。
もう1つの実施態様においては、Aは、-CH2O(CH2)4である。
もう1つの実施態様においては、Aは、-CH2S(CH2)4である。
もう1つの実施態様においては、Aは、-(CH2)6-である。
もう1つの実施態様においては、Aは、シス-CH2CH=CH-(CH2)3-である。
もう1つの実施態様においては、Aは、-CH2C≡C-(CH2)3-である。
もう1つの実施態様においては、Aは、-S(CH2)3S(CH2)2-である。
もう1つの実施態様においては、Aは、-(CH2)4OCH2-である。
もう1つの実施態様においては、Aは、シス-CH2CH=CH-CH2OCH2-である。
もう1つの実施態様においては、Aは、-CH2CH≡CH-CH2OCH2-である。
もう1つの実施態様においては、Aは、-(CH2)2S(CH2)3-である。
もう1つの実施態様においては、Aは、-CH2-Ph-OCH2-であり、Phはインターフェニレンである。
もう1つの実施態様においては、Aは、-CH2-mPh-OCH2-であり、mPhはm-インターフェニレンである。
もう1つの実施態様においては、Aは、-CH2-O-(CH2)4-である。
もう1つの実施態様においては、Aは、-CH2-O-CH2-Ar-であり、Arは2,5-インターチエニレンである。
もう1つの実施態様においては、Aは、-CH2-O-CH2-Ar-であり、Arは2,5-インターフリレンである。
【0027】
もう1つの実施態様においては、Aは、(3-メチルフェノキシ)メチルである。
もう1つの実施態様においては、Aは、(4-ブト-2-イニルオキシ)メチルである。
もう1つの実施態様においては、Aは、2-(2-エチルチオ)チアゾール-4-イルである。
もう1つの実施態様においては、Aは、2-(3-プロピル)チアゾール-5-イルである。
もう1つの実施態様においては、Aは、3-メトキシメチル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは、3-(3-プロピルフェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは、3-メチルフェネチルである。
もう1つの実施態様においては、Aは、4-(2-エチル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは、4-フェネチルである。
もう1つの実施態様においては、Aは、4-メトキシブチルである。
もう1つの実施態様においては、Aは、5-(メトキシメチル)フラン-2-イルである。
もう1つの実施態様においては、Aは、5-(メトキシメチル)チオフェン-2-イルである。
もう1つの実施態様においては、Aは、5-(3-プロピル)フラン-2-イルである。
もう1つの実施態様においては、Aは、5-(3-プロピル)チオフェン-2-イルである。
もう1つの実施態様においては、Aは、6-ヘキシルである。
もう1つの実施態様においては、Aは、(Z)-6-ヘックス-4-エニルである。
【0028】
下記に示す構造の各々に従う化合物が、可能である。
【化19】

【0029】
U1は、個々に、O;S;F;Cl;Br;I;CN;または1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するO-アルキルである。
1つの実施態様においては、U1は、水素である。
1つの実施態様においては、U1は、OHである。
1つの実施態様においては、U1は、Oである。
1つの実施態様においては、U1は、Sである。
1つの実施態様においては、U1は、Fである。
1つの実施態様においては、U1は、Clである。
1つの実施態様においては、U1は、Brである。
1つの実施態様においては、U1は、Iである。
1つの実施態様においては、U1は、CNである。
1つの実施態様においては、U1は、1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するO-アルキルである。
【0030】
J1は、水素;F;Cl;Br;I;O;OH;CN;1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するO-アルキル;1、2、3、4、4、5または6個の炭素原子を有するアルキル;またはCF3である。
1つの実施態様においては、J1は、Fである。
1つの実施態様においては、J1は、Clである。
1つの実施態様においては、J1は、Brである。
1つの実施態様においては、J1は、Iである。
1つの実施態様においては、J1は、Oである。
1つの実施態様においては、J1は、OHである。
1つの実施態様においては、J1は、CNである。
1つの実施態様においては、J1は、1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するO-アルキルである。
1つの実施態様においては、J1は、1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するアルキルである。
1つの実施態様においては、J1は、CF3である。
1つの実施態様においては、J2は、水素である。
1つの実施態様においては、J2は、Fである。
1つの実施態様においては、J2は、Clである。
1つの実施態様においては、J2は、Brである。
1つの実施態様においては、J2は、Iである。
1つの実施態様においては、J2は、CNである。
J2は、水素;F;Cl;Br;I;CN;1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するO-アルキル;1、2、3、4、4、5または6個の炭素原子を有するアルキル;またはCF3である。
1つの実施態様においては、J1は、水素である。
1つの実施態様においては、J2は、1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するO-アルキルである。
1つの実施態様においては、J2は、1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するアルキルである。
1つの実施態様においては、J2は、CF3である。
【0031】
従って、下記に示す構造に従う化合物が、可能である。
【化20】

Bは、アリールまたはヘテロアリールである。
【0032】
アリールは、フェニル、ナフチル、ビフェニル等のような芳香族環または環系である。
ヘテロアリールは、環中に1個以上のN、OまたはS原子を有するアリールである、即ち、1個以上の環炭素は、N、Oおよび/またはSによって置換されている。限定するつもりはないが、ヘテロアリールの例としては、チエニル、ピリジニル、フリル、ベンゾチエニル、ベンゾフリル、イミジゾールオリル(imidizololyl)、インドリル等がある。
【0033】
アリールまたはヘテロアリール置換基は、任意の安定な組合せにおいて各々20個までの非水素原子と必然なだけの水素原子を有し得る;非水素原子は、任意の安定な組合せにおけるC、N、O、S、P、F、Cl、Brおよび/またはIである。しかしながら、組合せた全ての置換基における非水素原子の総数も、20個以下でなければならない。置換基は、当該化合物が本明細書において説明するように有用であるために十分に安定でなければならない。上記の原子以外に、置換基は、置換基が酸性でありその塩形が安定である場合、金属カチオンまたは上記していない原子を有する他の安定なカチオンも有し得る。例えば、-OHは、-O-Na+塩を形成し得;或いは、CO2Hは、CO2-K+塩を形成し得る。上記塩の任意のカチオンは、20個の非水素原子に計数しない。従って、本発明の範囲を如何なる形でも限定するものではないが、置換基は、ヒドロカルビル、即ち、線状、枝分れまたは環状のヒドロカルビルを含むアルキル、アルケニル、アルキニル等およびこれらの組合せのような炭素と水素のみからなる成分;OCH3、OCH2CH3、O-シクロヘキシル等のようなO-ヒドロカルビルを意味する、19個までの炭素原子のヒドロカルビルオキシ;CH2OCH3、(CH2)2OCH(CH3)2等のような他のエーテル置換基;S-ヒドロカルビルおよび他のチオエーテル置換基のようなチオエーテル置換基;CH2OH、C(CH3)2OH等のようなヒドロカルビル-OHを意味する、19個までの炭素原子のヒドロキシヒドロカルビル;NO2、CN等のような、また、NH2、NH(CH2CH3OH)、NHCH3等のようなアミノも包含する窒素置換基;CO2H、エステル、アミド等のようなカルボニル置換基;クロロ、フルオロ、ブロモ等のようなハロゲン;CF3、CF2CF3等のようなフルオロカルビル;PO32-等のようなリン置換基;S-ヒドロカルビル、SH、SO3H、SO2-ヒドロカルビル、SO3-ヒドロカルビル等のようなイオウ置換基であり得る。
【0034】
置換アリールまたはヘテロアリールは、その環または環系が担持する限りの置換基を有し得、置換基は同一または異なるものであり得る。従って、例えば、アリール環またはヘテロアリール環は、クロロとメチル;メチル、OHおよびF;CN、NO2およびエチル等によって置換し得、本開示に照らして可能性のある任意の考えられる置換基または置換基の組合せを含み得る。
また、置換アリールまたは置換ヘテロアリールは、1個以上の環が芳香族であり、1個以上の環が芳香族ではない二環式または多環式環系も含む。例えば、インダノニル、インダニル、インダノリル、テトラロニル等は、置換アリールであり、また、置換フェニルでもある。このタイプの多環式環系においては、非芳香環ではない芳香環または芳香族複素環は、分子の残余、即ち、Bではない分子の部分に結合していなければならない。換言すれば、本明細書において-B(-は結合である)を示すいずれの構造においても、その結合は、芳香族環への直接結合である。
【0035】
もう1つの実施態様は、下記の構造に従う化合物、またはその製薬上許容し得る塩、またはそのプロドラッグである:
【化21】

(式中、Rは、水素またはC1-10ヒドロカルビルである)。
【0036】
もう1つの実施態様は、下記の構造に従う化合物、またはその製薬上許容し得る塩、またはそのプロドラッグである:
【化22】

(式中、Rは、水素またはC1-10ヒドロカルビルである)。
【0037】
もう1つの実施態様は、下記の構造に従う化合物、またはその製薬上許容し得る塩、またはそのプロドラッグである:
【化23】

(式中、Rは、水素またはC1-10ヒドロカルビルである)。
【0038】
もう1つの実施態様は、下記の構造に従う化合物である。
【化24】

【0039】
“C1-10”ヒドロカルビルは、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個の炭素原子を有するヒドロカルビルである。
ヒドロカルビルは、炭素と水素のみからなる成分であり、限定するものではないが、アルキル、アルケニル、アルキニル等;さらにある場合にはアリール;並びにこれらの組合せを包含する。
アルキルは、下記のような二重または三重結合を有さないヒドロカルビルである:
メチル、エチル、プロピル、n-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル等のような線状アルキル
イソプロピル、各枝分れブチル異性体(即ち、sec-ブチル、tert-ブチル等)、各枝分れペンチル異性体(即ち、イソペンチル等)、各枝分れヘキシル異性体およびより高級の枝分れアルキルフラグメントのような枝分れアルキル
シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等のようなシクロアルキル;および、
分子の残余に末端、内部または環炭素原子のような任意の利用可能な位置で結合し得る、線状または枝分れいずれかの環状および非環状成分の双方からなるアルキルフラグメント。
【0040】
アルケニルは、線状アルケニル、枝分れアルケニル、環状アルケニルおよびこれらのアルキル同様の組合せのような、1個以上の二重結合を有するヒドロカルビルである。
アルキニルは、線状アルキニル、枝分れアルキニル、環状アルキニルおよびこれらのアルキル同様の組合せのような、1個以上の三重結合を有するヒドロカルビルである。
アリールは、フェニル、ナフチル、ビフェニル等のような非置換または置換芳香族環または環系である。アリールは、アリールがヘテロ原子を含む置換基を有するかどうかによって、ヒドロカルビルであり得るか或いはあり得ない。
アリールアルキルは、アリールによって置換されたアルキルである。換言すれば、アルキルは、分子の残余部分にアリールを連結している。例としては、-CH2-フェニル、-CH2-CH2-フェニル等である。アリールアルキルは、アリール成分がヘテロ原子を含む置換基を有するかどうかによって、ヒドロカルビルであり得るか或いはあり得ない。
非共役ジエンまたはポリエン類は、共役していない1個以上の二重結合を有する。これらのジエンまたはポリエン類は、線状、枝分れまたは環状、或いはこれらの組合せであり得る。
また、上記の組合せも可能である。
C1-3アルキルは、メチル、エチル、プロピルおよびイソプロピルである。
C1-3ヒドロキシアルキルは、O-メチル、O-エチル、O-プロピルおよびO-イソプロピルである。
【0041】
もう1つの実施態様においては、Bは、置換または非置換フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Bは、置換または非置換チエニルである。
もう1つの実施態様においては、Bは、置換または非置換ナフチルである。
もう1つの実施態様においては、Bは、置換または非置換フリルである。
もう1つの実施態様においては、Bは、置換または非置換ピリジニルである。
もう1つの実施態様においては、Bは、置換または非置換ベンゾチエニルである。
もう1つの実施態様においては、Bは、置換または非置換インダニルである。
もう1つの実施態様においては、Bは、置換または非置換テトラロニルである。
もう1つの実施態様においては、Bは、1、2、3、4または5個の置換基を有し、各置換基は、1個以上の炭素、フッ素、塩素、臭素、酸素またはイオウ原子を有し、全ての置換基は、まとめると、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個の炭素原子;0、1、2、3、4、5、6、7、8または9個のフッ素原子;0、1、2または3個の塩素原子;0、1、2または3個の臭素原子;0、1、2または3個の酸素原子;そして、0、1、2または3個のイオウ原子、0、1、2または3個の窒素原子からなる。
もう1つの実施態様においては、Bは、1、2、3、4または5個の置換基を有し;各置換基は、1個以上の炭素、フッ素、塩素、臭素または酸素原子を有し、全ての置換基は、まとめると、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個の炭素原子;0、1、2、3、4、5、6、7、8または9個のフッ素原子;0、1、2または3個の塩素原子;0、1、2または3個の臭素原子;そして、0、1、2または3個の酸素原子からなる。
【0042】
もう1つの実施態様においては、Bは、式CaHbOcの置換基を有し;式中、aは、0、1、2、3、4、5、6、7、8または9であり;bは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18または19であり;そして、cは、0、1、2または3である。
もう1つの実施態様においては、Bは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個の炭素原子を有する1、2、3または4個のアルキル置換基を有する。
もう1つの実施態様においては、Bは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個の炭素原子と1または2個のヒドロキシ成分とを有するヒドロキシアルキル置換基を有する。
もう1つの実施態様においては、Bは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個の炭素原子を有するアルキル置換基を有する。
もう1つの実施態様においては、Bは、0、1、2、3または4個のハロゲン置換基を有する。
もう1つの実施態様においては、Bは、1、2、3または4個のクロロ置換基を有する。
もう1つの実施態様においては、Bは、1個のクロロ置換基を有する。
もう1つの実施態様においては、Bは、2個のクロロ置換基を有する。
もう1つの実施態様においては、Bは、1、2、3または4個のトリフルオロメチル置換基を有する。
もう1つの実施態様においては、Bは、1、2または3個のトリフルオロメチル置換基を有する。
もう1つの実施態様においては、Bは、1個のトリフルオロメチル置換基を有する。
もう1つの実施態様においては、Bは、2個のトリフルオロメチル置換基を有する。
もう1つの実施態様においては、Bは、ヒドロキシル置換基を有する。
【0043】
Bの有用な成分の例を下記に示す。各々を、個々に、1つの実施態様として意図する。
【化25】

【0044】
【化26】

【0045】
【化27】

【0046】
【化28】

上記実施態様においては、xは5、6または7であり、y+zは2x+1である。
1つの実施態様においては、xは5であり、y+zは11である。
もう1つの実施態様においては、xは6であり、y+zは13である。
もう1つの実施態様においては、xは7であり、y+zは15である。
【0047】
“製薬上許容し得る塩”とは、親化合物の活性を保持し、親化合物と比較して、投与する対象者に対してまた投与するのに関連して何らさらなる有害なまたは厄介な作用を与えない任意の塩である。また、製薬上許容し得る塩は、酸、他の塩、または酸もしくは塩に転換するプロドラッグの投与の結果として生体内で生じ得る任意の塩も称する。
酸性官能基の製薬上許容し得る塩類は、有機または無機塩基から誘導し得る。塩は、一価または多価イオンを含み得る。とりわけ興味あるのは、無機イオンのリチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウムおよびマグネシウムである。有機塩は、アミン類、とりわけモノ-、ジ-およびトリアルキルアミンまたはエタノールアミンのようなアンモニウム塩によって製造し得る。また、塩は、カフェイン、トロメタミンおよび同様な分子によっても形成し得る。塩酸またはある種の他の製薬上許容し得る酸は、アミンまたはピリジン環のような塩基性基を含有する化合物と塩を形成し得る。
【0048】
“プロドラッグ”は投与後に治療活性化合物に転換する化合物であり、この用語は、当該技術において一般に理解されているように本明細書においても広く解釈すべきである。本発明の範囲を限定するつもりはないが、転換は、エステル基またはある種の他の生物学的に不安定な基の加水分解によって生じ得る。一般的には(必然的ではなく)、プロドラッグは、転換する治療活性化合物よりも不活性であるかまたはあまり活性でない。本明細書において開示する化合物のエステルプロドラッグを、とりわけ意図する。エステルは、C1のカルボン酸(即ち、天然プロスタグランジンの末端カルボン酸)から誘導し得、或いはエステルは、フェニル環上のような分子の他の部分上のカルボン酸官能基から誘導し得る。限定するつもりはないが、エステルは、アルキルエステル、アリールエステルまたはヘテロアリールエステルであり得る。用語アルキルとは、当業者が一般的に理解している意味を有し、線状、枝分れまたは環状アルキル成分を称する。エステルのアルキル成分が1〜6個の炭素原子を有するC1-6アルキルエステルは、とりわけ有用であり、限定するものではないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソ-ブチル、t-ブチル、ペンチル異性体、ヘキシル異性体、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよび1〜6個の炭素原子を有するこれらの組合せ等がある。
【0049】
当業者であれば、医薬品の投与または製造に当っては、本明細書において開示する化合物を当該技術においてそれ自体周知である製薬上許容し得る賦形剤と混合し得ることは容易に理解し得るであろう。とりわけ、全身投与すべき薬物は、経口投与または非経口投与または吸入に適する粉末、ピル、錠剤等として、或いは、溶液、エマルジョン、懸濁液、エアゾール、シロップまたはエリキシル剤として調合し得る。
【0050】
固形の投与剤形または医薬品用には、無毒性固形担体として、限定するものではないが、製薬級のマンニトール、ラクトース、澱粉、ステアリン酸マグネシウム、サッカリン酸ナトリウム、ポリアルキレングリコール、タルカム、セルロース、グルコース、スクロースおよび炭酸マグネシウムがある。固形投与剤形は、コーティーングしてなくてもよく、或いは、既知の方法によってコーティーングして胃腸管内での崩壊および吸収を遅延させ、それによって、長期に亘る持続作用を付与し得る。例えば、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルのような時間遅延物質を使用し得る。。また、固形投与剤形は、米国特許第4,256,108号、第4,166,452号および第4,265,874号に記載された方法によってコーティーングして、制御放出用の浸透性治療用錠剤を調製することもできる。薬物投与可能な液体投与剤形は、例えば、例えば水、生理食塩水、含水デキストロース、グリセリン、エタノール等のような担体中の1種以上の現在有用な化合物および任意成分としての製薬用アジュバントの溶液または懸濁液を含み、それによって、溶液または懸濁液を調製することができる。必要に応じて、投与すべき製薬組成物は、湿潤剤または乳化剤、pH緩衝剤等のような少量の無毒性補助物質もまた含有し得る。そのような助剤の典型的な例は、酢酸ナトリウム、モノラウリン酸ソルビタン、トリエタノールアミン、酢酸ナトリウム、オレイン酸トリエタノールアミン等である。そのような投与剤形の実際の調製方法は、既知であり、当業者にとっては明白であろう;例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Company, Easton, Pa., 16th Edition, 1980を参照されたい。投与すべき製剤組成物は、いずれにしても、一定量の1種以上の現在有用な化合物を所望する治療効果を与える有効量で含有する。
【0051】
非経口投与は、一般的には、皮下、筋肉内または静脈内のいずれかの注射に特徴を有する。注射物質は、通常の剤形で、液体の溶液または懸濁液、注入前に液体中溶液または懸濁液にするのに適する固形剤形、またはエマルジョンのいずれかとして調製し得る。適切な賦形剤は、例えば、水、生理食塩水、デキストロース、グリセリン、エタノール等である。さらに、必要に応じて、投与する注射用製薬組成物は、湿潤剤または乳化剤、pH緩衝剤等のような少量の無毒性補助物質も含有し得る。
投与する現在有用な化合物(1種以上)の量は、所望する治療効果(単数または複数の)、治療する特定の哺乳類、哺乳類症状の重篤度および性質、投与方式、使用する特定化合物(1種以上)の有効性および薬力学、並びに処方医師の判断による。現在有用な化合物(1種以上)の製薬上有効な投与量は、約0.5または約1〜約100mg/kg/日の範囲内であり得る。
【0052】
眼科的に許容し得る液体を、眼に局所投与し得るように調合する。快適性を可能な限り最大限にするべきであるが、場合によって、製剤検討事項(例えば、薬物安定性)は、最適よりも低い快適性を必要とする。快適性を最大限にできない場合、液体は、液体が患者にとって局所眼科使用において寛容であるように調合すべきである。さらに、眼科的に許容し得る液体は、単回使用用に包装するか、或いは、多数回使用における汚染を防止するために防腐剤を含有しなければならない。
眼科用途においては、液剤または医薬品は、多くの場合、主ビヒクルとして生理食塩溶液を使用して調製し得る。眼科用液剤は、好ましくは、適切な緩衝系によって快適なpHに維持すべきである。また、製剤は、通常製薬上許容し得る防腐剤、安定剤および界面活性剤も含有し得る。
【0053】
本発明の製薬組成物において使用し得る防腐剤は、限定するものではないが、塩化ベンズアルコニウム、クロロブタノール、チメロサール、酢酸フェニル水銀および硝酸フェニル水銀がある。有用な界面活性剤は、例えば、Tween 80である。同様に、各種の有用なビヒクルを、本発明の眼科用調製物において使用し得る。これらのビヒクルとしては、限定するものではないが、ポリビニルアルコール、ポビドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポロキサマー、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースおよび精製水がある。
【0054】
張度調節剤は、必要に応じてまたは便宜上添加し得る。張度調節剤としては、限定するものではないが、塩類、とりわけ塩化ナトリウム、塩化カリウム;マンニトールまたはグリセリン;或いは任意の他の適切な眼科的に許容し得る張度調節剤がある。
pHを調整するための種々の緩衝液および手段は、得られる製剤が眼科的に許容し得る限り使用し得る。従って、緩衝液としては、酢酸塩緩衝液、クエン酸塩緩衝液、リン酸塩緩衝液およびホウ酸塩緩衝液がある。酸または塩基類は、これらの製剤のpHを必要に応じて調整するのに使用し得る。
【0055】
同様な趣旨において、本発明において使用する眼科的に許容し得る酸化防止剤としては、限定するものではないが、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、アセチルシステイン、ブチル化ヒドロキシアニソールおよびブチル化ヒドロキシトルエンがある。
眼科用製剤に含ませ得る他の賦形剤成分は、キレート剤である。有用なキレート剤は、エデト酸二ナトリウムであるが、他のキレート剤もエデト酸二ナトリウムの代りにまたは一緒に使用し得る。
上記の各成分は、通常、下記の量で使用する:
【0056】

【0057】
局所用途においては、本明細書において開示する化合物を含有するクリーム、軟膏、ゲル、液剤または懸濁液等を使用する。局所製剤は、一般に、製薬用担体、共溶媒、乳化剤、浸透促進剤、防腐剤系および皮膚軟化剤からなり得る。
本発明の活性化合物の実際の投与量は、特定の化合物および治療すべき症状による;適切な投与量の選択は、明らかに熟練技術者の知識範囲内である。
緑内障のような眼を侵す疾患の治療においては、これらの化合物は、局所、眼周囲、眼内、或いは、当該技術において既知の任意の他の有効手段によって投与し得る。
当業者であれば、ハッチ型ウェッジ/固形ウェッジ(hatched wedge/solid wegde)構造特性に関連する立体化学の意味は理解していることである。例えば、入門有機化学教本(Francis A. Carey, Organic Chemistry, New York: McGraw-Hill Book Company 1987, p. 63)は、“ウェッジは紙面から観察者に向かう結合を示す”、さらに“点線”として示されるハッチ型ウェッジは“観察者から後退する結合を示す”と説明している。
【0058】
化合物例
以下は、有用な化合物の推定例である:
化合物例1:下記の式を有する化合物、またはその製薬上許容し得る塩、またはそのプロドラッグ:
【化29】

(式中、点線は、結合の存在または不存在を示し;
【0059】
Yは、有機酸官能基またはその14個までの炭素原子を含むアミドもしくはエステルであるか;或いは、Yは、ヒドロキシメチルまたはその14個までの炭素原子を含むエーテルであるか;或いは、Yは、テトラゾリル官能基であり;
Aは、-(CH2)6-、シス-CH2CH=CH-(CH2)3-または-CH2C≡C-(CH2)3-であり、これらにおいて、1個または2個の炭素原子はSまたはOによって置換することができ;或いは、Aは、-(CH2)m-Ar-(CH2)o-であり、Arはインターアリーレンまたはヘテロインターアリーレンであり、mとoの和は1、2、3または4であり、1個のCH2はSまたはOによって置換することができ;
U1は、個々に、水素;OH;O;S;F;Cl;Br;I;CN;または1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するO-アルキルであり;
J1は、水素;F;Cl;Br;I;O;OH;CN;1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するO-アルキル;1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するアルキル;またはCF3であり;
J2は、水素;F;Cl;Br;I;CN;1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するO-アルキル;1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するアルキル;またはCF3であり;
Bは、アリールまたはヘテロアリールである)。
【0060】
化合物例2:下記の構造を有するカルボン酸またはそのバイオイソスターである化合物、またはその製薬上許容し得る塩、またはそのプロドラッグ:
【化30】

(式中、点線は、結合の存在または不存在を示し;
【0061】
Aは、-(CH2)6-、シス-CH2CH=CH-(CH2)3-または-CH2C≡C-(CH2)3-であり、これらにおいて、1個または2個の炭素原子はSまたはOによって置換することができ;或いは、Aは、-(CH2)m-Ar-(CH2)o-であり、Arはインターアリーレンまたはヘテロインターアリーレンであり、mとoの和は1、2、3または4であり、1個のCH2はSまたはOによって置換することができ;
U1は、個々に、水素;OH;O;S;F;Cl;Br;I;CN;または1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するO-アルキルであり;
J1は、水素;F;Cl;Br;I;O;OH;CN;1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するO-アルキル;1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するアルキル;またはCF3であり;
J2は、水素;F;Cl;Br;I;CN;1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するO-アルキル;1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するアルキル;またはCF3であり;
Bは、アリールまたはヘテロアリールである)。
【0062】
化合物例3:Yが、CO2R2、CON(R2)2、CON(OR2)R2、CON(CH2CH2OH)2、CONH(CH2CH2OH)、CH2OH、P(O)(OH)2、CONHSO2R2、SO2N(R2)2、SO2NHR2、下記:
【化31】

(式中、R2は、個々に、H、C1〜C6アルキル、非置換フェニルまたは非置換ビフェニルである)
から選ばれる、化合物例1に従う化合物。
化合物例4:下記の式の、化合物例1または3に従う化合物、またはその製薬上許容し得る塩、またはそのプロドラッグ:
【化32】

【0063】
化合物例5:下記の式を有する、化合物例1または3に従う化合物、またはその製薬上許容し得る塩、またはそのプロドラッグ:
【化33】

化合物例6:下記の式を有する、化合物例1または3に従う化合物、またはその製薬上許容し得る塩、またはそのプロドラッグ:
【化34】

【0064】
化合物例7:Aが(3-メチルフェノキシ)メチルである、化合物例1〜6のいずれか1つに従う化合物。
化合物例8:Aが(4-ブト-2-イニルオキシ)メチルである、化合物例1〜6のいずれか1つに従う化合物。
化合物例9:Aが2-(2-エチルチオ)チアゾール-4-イルである、化合物例1〜6のいずれか1つに従う化合物。
化合物例10:Aが2-(3-プロピル)チアゾール-5-イルである、化合物例1〜6のいずれか1つに従う化合物。
化合物例11:Aが3-(メトキシメチル)フェニルである、化合物例1〜6のいずれか1つに従う化合物。
化合物例12:Aが3-(3-プロピルフェニル)である、化合物例1〜6のいずれか1つに従う化合物。
化合物例13:Aが3-メチルフェネチルである、化合物例1〜6のいずれか1つに従う化合物。
化合物例14:Aが4-(2-エチル)フェニルである、化合物例1〜6のいずれか1つに従う化合物。
化合物例15:Aが4-フェネチルである、化合物例1〜6のいずれか1つに従う化合物。
化合物例16:Aが4-メトキシブチルである、化合物例1〜6のいずれか1つに従う化合物。
化合物例17:Aが5-(メトキシメチル)フラン-2-イルである、化合物例1〜6のいずれか1つに従う化合物。
化合物例18:Aが5-(メトキシメチル)チオフェン-2-イルである、化合物例1〜6のいずれか1つに従う化合物。
化合物例19:Aが5-(3-プロピル)フラン-2-イルである、化合物例1〜6のいずれか1つに従う化合物。
化合物例20:Aが5-(3-プロピル)チオフェン-2-イルである、化合物例1〜6のいずれか1つに従う化合物。
化合物例21:Aが6-ヘキシルである、化合物例1〜6のいずれか1つに従う化合物。
化合物例22:Aが(Z)-6-ヘックス-4-エニルである、化合物例1〜6のいずれか1つに従う化合物。
【0065】
化合物例23:下記の式を有する、化合物例1、3、4および7〜22のいずれか1つに従う化合物、またはその製薬上許容し得る塩、またはそのプロドラッグ:
【化35】

化合物例24:下記の式を有する、化合物例1、3および7〜22のいずれか1つに従う化合物、またはその製薬上許容し得る塩、またはそのプロドラッグ:
【化36】

【0066】
化合物例25:下記の式を有する、化合物例1、3および6〜22のいずれか1つに従う化合物、またはその製薬上許容し得る塩、またはそのプロドラッグ:
【化37】

化合物例26:下記の式を有する、化合物例1、3および6〜22のいずれか1つに従う化合物、またはその製薬上許容し得る塩、またはそのプロドラッグ:
【化38】

【0067】
化合物例27:下記の式を有する、化合物例1、3および6〜22のいずれか1つに従う化合物、またはその製薬上許容し得る塩、またはそのプロドラッグ:
【化39】

化合物例28:下記の式を有する、化合物例1、3および6〜22のいずれか1つに従う化合物、またはその製薬上許容し得る塩、またはそのプロドラッグ:
【化40】

【0068】
化合物例29:U1がOである、化合物例1〜3および7〜22のいずれか1つに従う化合物。
化合物例30:U1がSである、化合物例1〜3および7〜22のいずれか1つに従う化合物。
化合物例31:U1がFである、化合物例1〜3および7〜22のいずれか1つに従う化合物。
化合物例32:U1がClである、化合物例1〜3および7〜22のいずれか1つに従う化合物。
化合物例33:U1がBrである、化合物例1〜3および7〜22のいずれか1つに従う化合物。
化合物例34:U1がIである、化合物例1〜3および7〜22のいずれか1つに従う化合物。
化合物例35:U1がCNである、化合物例1〜3および7〜22のいずれか1つに従う化合物。
化合物例36:U1が、1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するO-アルキルである、化合物例1〜3および7〜22のいずれか1つに従う化合物。
【0069】
化合物例37:J1が水素である、化合物例1〜3、7〜22および29〜36のいずれか1つに従う化合物。
化合物例38:J1がFである、化合物例1〜3、7〜22および29〜36のいずれか1つに従う化合物。
化合物例39:J1がClである、化合物例1〜3、7〜22および29〜36のいずれか1つに従う化合物。
化合物例40:J1がBrである、化合物例1〜3、7〜22および29〜36のいずれか1つに従う化合物。
化合物例41:J1がIである、化合物例1〜3、7〜22および29〜36のいずれか1つに従う化合物。
化合物例42:J1がOである、化合物例1〜3、7〜22および29〜36のいずれか1つに従う化合物。
化合物例43:J1がOHである、化合物例1〜3、7〜22および29〜36のいずれか1つに従う化合物。
化合物例44:J1がCNである、化合物例1〜3、7〜22および29〜36のいずれか1つに従う化合物。
化合物例45:J1が、1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するO-アルキルである、化合物例1〜3、7〜22および29〜36のいずれか1つに従う化合物。
化合物例46:J1が、1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するアルキルである、化合物例1〜3、7〜22および29〜36のいずれか1つに従う化合物。
化合物例47:J1がCF3である、化合物例1〜3、7〜22および29〜36のいずれか1つに従う化合物。
【0070】
化合物例48:J2が水素である、化合物例1〜3、7〜22および29〜47のいずれか1つに従う化合物。
化合物例49:J2がFである、化合物例1〜3、7〜22および29〜47のいずれか1つに従う化合物。
化合物例50:J2がClである、化合物1〜3、7〜22および29〜47のいずれか1つに従う化合物。
化合物例51:J2がBrである、化合物例1〜3、7〜22および29〜47のいずれか1つに従う化合物。
化合物例52:J2がIである、化合物例1〜3、7〜22および29〜47のいずれか1つに従う化合物。
化合物例53:J2がCNである、化合物例1〜3、7〜22および29〜47のいずれか1つに記載の化合物。
化合物例54:J2が、1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するO-アルキルである、化合物例1〜3、7〜22および29〜47のいずれか1つに従う化合物。
化合物例55:J2が、1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するアルキルである、化合物例1〜3、7〜22および29〜47のいずれか1つに従う化合物。
化合物例56:J2がCF3である、化合物例1〜3、7〜22および29〜47のいずれか1つに従う化合物。
【0071】
化合物例57:Bが置換または非置換フェニルである、化合物例1〜56のいずれか1つに従う化合物。
化合物例58:Bが置換または非置換チエニルである、化合物例1〜56のいずれか1つに従う化合物。
化合物例59:Bが置換または非置換ナフチルである、化合物例1〜56のいずれか1つに従う化合物。
化合物例60:Bが置換または非置換フリルである、化合物例1〜56のいずれか1つに従う化合物。
化合物例61:Bが置換または非置換ピリジニルである、化合物例1〜56のいずれか1つに従う化合物。
化合物例62:Bが置換または非置換ベンゾチエニルである、化合物例1〜56のいずれか1つに従う化合物。
化合物例63:Bが置換または非置換インダニルである、化合物例1〜56のいずれか1つに従う化合物。
化合物例64:Bが置換または非置換テトラロニルである、化合物例1〜56のいずれか1つに従う化合物。
化合物例65:Bが、1、2、3、4または5個の置換基を有し;各置換基が、1個以上の炭素、フッ素、塩素、臭素または酸素原子を有し;全置換基が、まとめると、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個の炭素原子;0、1、2、3、4、5、6、7、8または9個のフッ素原子;0、1、2または3個の塩素原子;0、1、2または3個の臭素素原子;そして、0、1、2または3個の酸素原子からなる、化合物例1〜56のいずれか1つに従う化合物。
化合物例66:Bが、式CaHbOcの置換基を有し;aが、0、1、2、3、4、5、6、7、8または9であり;bが、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10,、11、12、13、14、15、16、17、18または19であり;そして、cが、0、1、2または3である、化合物例1〜56のいずれか1つに従う化合物。
【0072】
化合物例67:Bが、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個の炭素原子を有する1、2、3または4個のアルキル置換基を有する、化合物例1〜56のいずれか1つに従う化合物。
化合物例68:Bが、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個の炭素原子および1または2個のヒドロキシ成分を有するヒドロキシアルキル置換基を有する、化合物例1〜56のいずれか1つに従う化合物。
化合物例69:Bが、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個の炭素原子を有する1個のアルキル置換基を有する、化合物例1〜56のいずれか1つに従う化合物。
【0073】
化合物例70:Bが1、2、3または4個のハロゲン置換基を有する、化合物例1〜56のいずれか1つに従う化合物。
化合物例71:Bが1、2、3または4個のクロロ置換基を有する、化合物例1〜56のいずれか1つに従う化合物。
化合物例72:Bが1個のクロロ置換基を有する、化合物例1〜56のいずれか1つに従う化合物。
化合物例73:Bが2個のクロロ置換基を有する、化合物例1〜56のいずれか1つに従う化合物。
化合物例74:Bが1、2、3または4個のトリフルオロメチル置換基を有する、化合物例1〜56のいずれか1つに従う化合物。
化合物例75:Bが1、2または3個のトリフルオロメチル置換基を有する、化合物例1〜56のいずれか1つに従う化合物。
化合物例76:Bが1個のトリフルオロメチル置換基を有する、化合物例1〜56のいずれか1つに従う化合物。
化合物例77:Bが2個のトリフルオロメチル置換基を有する、化合物例1〜56のいずれか1つに従う化合物。
化合物例78:Bが1個のヒドロキシル置換基を有する、化合物例1〜56のいずれか1つに従う化合物。
【0074】
化合物例79:Bが非置換フェニルである、化合物例1〜57のいずれか1つに従う化合物。
化合物例80:Bが3,5-ジクロロフェニルである、化合物例1〜57のいずれか1項記載の化合物。
化合物例81:Bが3,5-ジ(トリフルオロメチル)フェニルである、化合物例1〜57のいずれか1つに従う化合物。
化合物例82:Bが2-クロロフェニルである、化合物例1〜57のいずれか1つに従う化合物。
化合物例83:Bが3-クロロフェニルである、化合物例1〜57のいずれか1つに従う化合物。
化合物例84:Bが4-クロロフェニルである、化合物例1〜57のいずれか1つに従う化合物。
化合物例85:Bが3-(トリフルオロメチル)フェニルである、化合物例1〜57のいずれか1つに従う化合物。
化合物例86:Bが3-イソプロピルフェニルである、化合物例1〜57のいずれか1つに従う化合物。
化合物例87:Bが3-tert-ブチルフェニルである、化合物例1〜57のいずれか1つに従う化合物。
化合物例88:Bが3-ヒドロキシフェニルである、化合物例1〜57のいずれか1つに従う化合物。
化合物例89:Bが3-メトキシフェニルである、化合物例1〜57のいずれか1つに従う化合物。
化合物例90:Bが3-(ベンゾイルオキシ)フェニルである、化合物例1〜57のいずれか1つに従う化合物。
【0075】
化合物例91:Bが2,3-ジメチルフェニルである、化合物例1〜57のいずれか1つに従う化合物。
化合物例92:Bが3,4-ジメチルフェニルである、化合物例1〜57のいずれか1つに従う化合物。
化合物例93:Bが2,4-ジメチルフェニルである、化合物例1〜57のいずれか1つに従う化合物。
化合物例94:Bが、2,5-ジメチルフェニルである、化合物例1〜57のいずれか1つの化合物例に従う化合物。
化合物例95:Bが3,5-ジメチルフェニルである、化合物例1〜57のいずれか1つに従う化合物。
化合物例96:Bが2,6-ジメチルフェニルである、化合物例1〜57のいずれか1つに従う化合物。
化合物例97:Bが3-(ヒドロキシメチル)フェニルである、化合物例1〜57のいずれか1つに従う化合物。
化合物例98:Bが、3-(1-ヒドロキシエチル)フェニルである、化合物例1〜57のいずれか1項記載の化合物。
化合物例99:Bが3-(1-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)フェニルである、化合物例1〜57のいずれか1つに従う化合物。
化合物例100:Bが2-(ヒドロキシメチル)フェニルである、化合物例1〜57のいずれか1つに従う化合物。
化合物例101:Bが4-(ヒドロキシメチル)-3,5-ジメチルフェニルである、化合物例1〜57のいずれか1つに従う化合物。
化合物例102:Bが4-(メトキシメチル)-3,5-ジメチルフェニルである、化合物例1〜57のいずれか1つに従う化合物。
【0076】
化合物例103:Bが3-(1-ヒドロキシブチル)フェニルである、化合物例1〜57のいずれか1つに従う化合物。
化合物例104:Bが4-(1-メトキシブチル)フェニルである、化合物例1〜57のいずれか1つに従う化合物。
化合物例105:Bが4-(1-ヒドロキシブチル)フェニルである、化合物例1〜57のいずれか1つに従う化合物。
化合物例106:Bが4-(2-ヒドロキシエチル)フェニルである、化合物例1〜57のいずれか1つに従う化合物。
化合物例107:Bが3-(2-ヒドロキシエチル)フェニルである、化合物例1〜57のいずれか1つに従う化合物。
化合物例108:Bが2-(2-ヒドロキシエチル)フェニルである、化合物例1〜57のいずれか1つに従う化合物。
化合物例109:Bが4-(2-ヒドロキシエチル)-3,5-ジメチルフェニルである、化合物例1〜57のいずれか1つに従う化合物。
化合物例110:Bが3-(1-ヒドロキシヘキシル)フェニルである、化合物例1〜57のいずれか1つに従う化合物。
化合物例111:Bが3-(アセトキシメチル)-5-クロロフェニルである、化合物例1〜57のいずれか1つに従う化合物。
化合物例112:Bが1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-4-イルである、化合物例1〜57のいずれか1つに従う化合物。
化合物例113:Bが1-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-4-イルである、化合物例1〜57のいずれか1つに従う化合物。
【0077】
化合物例114:Bが5-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-1-イルである、化合物例1〜57のいずれか1つに従う化合物。
化合物例115:Bが3-(1-ヒドロキシ-2-フェニルエチル)フェニルである、化合物例1〜57のいずれか1つに従う化合物。
化合物例116:Bが4-(2-フェニルプロパン-2-イル)フェニルである、化合物例1〜57のいずれか1つに従う化合物。
化合物例117:Bがナフタレン-2-イルである、化合物例1〜56のいずれか1つに従う化合物。
化合物例118:Bがナフタレン-1-イルである、化合物例1〜56のいずれか1つに従う化合物。
化合物例119:Bが4-クロロナフタレン-1-イルである、化合物例1〜56のいずれか1つに従う化合物。
化合物例120:U1が水素である、化合物例1〜3、7〜22および37〜119のいずれか1つに従う化合物。
化合物例121:U1がOHである、化合物例1〜3、7〜22および37〜119のいずれか1つに従う化合物。
【0078】
組成物例
化合物例1〜121のいずれか1つに従う化合物を含む組成物;該組成物は、眼科的に許容し得る液体である。
医薬品例
化合物例1〜121のいずれか1つに従う化合物の、哺乳類の緑内障または高眼圧症の治療用医薬品の製造における使用。
化合物例1〜121のいずれか1つに従う化合物を含む医薬品;該組成物は、眼科的に許容し得る液体である。
方法例
化合物例1〜121のいずれか1つに従う化合物を哺乳類に緑内障または高眼圧症の治療のために投与することを含む方法。
キット例
化合物例1〜121のいずれか1つに従う化合物を含む組成物、容器、並びに緑内障または高眼圧症の治療のために上記組成物を哺乳類に投与することについての使用説明書を含むキット。
本明細書において使用する“処置”、“処置する”または任意のこれらの単語の他の形態は、ヒトまたは他の動物における疾患の診断、治療、軽減、処置または予防を意味するものとする。
【0079】
下記のH1〜H64は、有用な化合物の推定例である。
【化41】

【0080】
【化42】

【0081】
【化43】

【0082】
【化44】

【0083】
【化45】

【0084】
【化46】

【0085】
【化47】

【0086】
【化48】

【0087】
合成方法:
【化49】

【0088】
合成例1
7-{(1R,2R,3R,5R)-5-クロロ-2-[2-(3,5-ジヒドロ-フェニル)-エチル]-3-ヒドロキシ-シクロペンチル}-ヘプテン酸(6)
工程1:2を得るための1の酸化
DMSO(94μL、1.21ミリモル)を、−78℃のCH2Cl2(0.5mL)中の塩化オキサリル(51μL、0.58ミリモル)の溶液に添加した。15分後、CH2Cl2(1.0mL+1.0mL洗浄液)中のアルコール1(250mg、0.485ミリモル)の溶液を添加した。−78℃で15分後、トリエチルアミン(541μL、3.88ミリモル)を添加し、反応物を室温に温めた。室温で1時間後、反応混合物を、飽和NaHCO3水溶液(3mL)とCH2Cl2(5mL)間に分配した。相を分離し、水性相をCH2Cl2で抽出した(2×5mL)。混ぜ合せた抽出物を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮した。粗残留物をシリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー(30%EtOAc/ヘキサン)により精製して、169mg(68%)のアルデヒド2を得た。
【0089】
工程2:アルケン3を得るためのウィッティング(Witting)反応
DMF(2mL)中のアルデヒド2(169mg、0.33ミリモル)の溶液を、0℃のDMF(1mL)中の炭酸カルシウム(99.99%、227mg、1.65ミリモル)と3,5-ジクロロフェニルメチルトリフェニルホスホニウムクロライド(Cullen等の米国特許第5,536,725号参照;129mg、0.66ミリモル)との混合物に添加した。混合物を室温に温めた。18時間後、反応混合物を、水(10mL)とEtOAc(10mL)間に分配した。相を分離し、水性相をEtOAcで抽出した(2×10mL)。混ぜ合せた抽出物を塩水(10mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮した。粗残留物をシリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー(12g、ヘキサン→EtOAc、勾配)により精製して、130mg(73%)のアルケン3を得た。
【0090】
工程3:4を得るためのトリエン3の水素化
炭素上のパラジウム(10質量%、2.5mg)を、EtOAc(5mL)中のアルケン3(130mg、0.24ミリモル)の溶液に添加した。水素雰囲気を抜気および水素再充填(10×)によって確立し、反応混合物を水素バルーン下に3時間撹拌した。反応混合物をセライトにより濾過し、EtOAcで洗浄し、濾液を真空中で濃縮して、110mg(83%)の飽和化合物4を得た。
【0091】
工程4:5を得るための4の脱保護
ピリジニウムp-トルエンスルホネート(PPT;23mg、0.092ミリモル)を、室温のメタノール(2.0mL)中の4(110mg、0.20ミリモル)の溶液に窒素下に添加した。溶液を40℃に18時間加熱し、次いで冷却し、真空中で濃縮した。粗残留物をシリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー(12g、ヘキサン→EtOAc、勾配)により精製して、59mg(58%)のアルコール5を得た。
【0092】
工程5:6を得るための5の鹸化
水酸化リチウム(0.46mLの1.0M 水溶液、0.46ミリモル)を、THF(0.5mL)中のエステル5(54mg、0.12ミリモル)の溶液に添加した。溶液を18時間40℃に加熱し、その後、室温に冷却した。混合物を10%HCl(5mL)とEtOAc(5mL)間に分配した。相を分離して、水性相をEtOAcで抽出した(2×5mL)。混ぜ合せた抽出物を塩水で洗浄し(5mL)、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮して、44mg(90%)の標示化合物を得た。
【0093】
合成例2
【化50】

5-(3-((1R,2R,3R,5R)-5-クロロ-2-(3,5-ジクロロフェネチル)-3-ヒドロキシシクロペンチル)プロピル)チオフェン-2-カルボン酸(11a)
工程1:8aを得るための7のウィッティング反応
炭酸カリウム(99.99%;216mg、1.56ミリモル)と3,5-ジクロロフェニルメチルトリフェニルホスホニウムクロライド(Cullen等の米国特許第5,536,725号参照;123mg、0.27ミリモル)を、室温のDMF(3.1mL)中のアルデヒド7(2007年7月3日に出願され、本明細書に参考として合体させる米国仮特許出願第60/947,904号参照;130mg、0.31ミリモル)の溶液に添加した。3日後、反応混合物を、水(10mL)とEtOAc(10mL)間に分配した。相を分離し、有機相を水で洗浄し(5×10mL)、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮した。粗残留物を4gのシリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン→EtOAc、勾配)により精製して、100mg(67%)のアルケン8aを得た。
【0094】
工程2:9aを得るための8aの水素化
炭素上のパラジウム(10質量%、2mg)を、EtOAc(5mL)中のアルケン8a (100mg、0.18ミリモル)の溶液に添加した。水素雰囲気を抜気および水素再充填(3×)によって確立し、反応混合物を水素バルーン下に18時間撹拌した。反応混合物をセライトにより濾過し、EtOAcで洗浄し、濾液を真空中で濃縮して、100mg(定量)の飽和化合物9aを得た。
【0095】
工程3:10aを得るための9aの脱保護
実施例1の工程4の手順に従い、THP-エーテル9a(100mg、0.18ミリモル)を、72mg(85%)のアルコール10aに転換した。
【0096】
工程4:11aを得るための10aの鹸化
水酸化リチウム(0.25mLの1.0M 水溶液、0.25ミリモル)を、THF(0.32mL)中のエステル10a (30mg、0.063ミリモル)の溶液に添加した。混合物を室温で18時間撹拌し、10%HCl(10mL)で酸性化し、EtOAcで抽出した(2×20mL)。混ぜ合せた抽出物を塩水(10mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮した。粗残留物を4gのシリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2→10%MeOH/CH2Cl2、勾配)により精製して、12mg(40%)の標示化合物(11a)を得た。1H NMR(300MHz、CDCl3)δppm 1.40〜1.67(m、3H)、1.65〜1.90(m、5H)、2.18(dd、J=6.74、5.57Hz、2H)、2.53〜2.78(m、2H)、2.80〜2.95(m、2H)、4.05(q、J=6.93Hz、1H)、4.10〜4.22(m、1H)、6.82(d、J=3.81Hz、1H)、7.07(d、J=1.76Hz、2H)、7.19(t、J=1.90Hz、1H)、7.72(d、J=3.81Hz、1H)。
【0097】
合成例3
5-(3-((1R,2R,3R,5R)-5-クロロ-2-(2-(2,6-ジクロロピリジン-4-イル)エチル)-3-ヒドロキシシクロペンチル)プロピル)-チオフェン-2-カルボン酸(11b)
工程1:9bを得るための8bの水素化
炭素上のパラジウム(10質量%、1.4mg)を、EtOAc(3.5mL)中のアルケン8b(米国仮特許出願第60/947,904号参照;78mg、0.14ミリモル)の溶液に添加した。水素雰囲気を抜気および水素再充填(3×)ことによって確立し、反応混合物を水素バルーン下に2日間撹拌した。反応混合物をセライトにより濾過し、EtOAcで洗浄し、濾液を真空中で濃縮して、71mg(91%)の飽和化合物9bを得た。
【0098】
工程2:10bを得るための9bの脱保護
実施例1の工程4の手順に従い、THP-エーテル9b (71mg、0.13ミリモル)を、31mg(51%)のアルコール10bに転換した。
【0099】
工程3:11bを得るための10bの鹸化
水酸化リチウム(0.26mLの1.0M 水溶液、0.26ミリモル)を、THF(0.65mL)中のエステル10b (31mg、0.065ミリモル)の溶液に添加した。混合物を40℃で3日間撹拌し、室温に冷却し、1.0N HCl(0.5mL)で酸性化し、EtOAcで抽出した(2×10mL)。混ぜ合せた抽出物を塩水(10mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮した。粗残留物を4gのシリカゲル上でのクロマトグラフィー(CH2Cl2→10%MeOH/CH2Cl2、勾配)により精製して、17mg(56%)の標示化合物(11b)を得た。1H NMR(300MHz、CDCl3)δppm 1.42〜1.66(m、3H)、1.64〜1.89(m、5H)、2.14〜2.55(m、2H)、2.58〜2.84(m、2H)、2.84〜2.96(m、2H)、4.05(q、J=6.55Hz、1H)、4.18(q、J=5.37Hz、1H)、6.83(d、J=3.81Hz、1H)、7.10(s、2H)、7.72(d、J=3.81Hz、1H)。
【0100】
合成例4
【化51】

5-(3-((1R,2R,3R,5R)-5-クロロ-2-(3-クロロ-5-(ヒドロキシメチル)フェネチル)-3-ヒドロキシシクロペンチル)プロピル)チオフェン-2-カルボン酸(11c)
工程1:10cを得るための12cの水素化
実施例2の工程2の手順に従い、アルケン12c(米国仮特許出願第60/947,904号参照;12mg、0.0026ミリモル)を、10mg(83%)のアルコール10aに転換した。
【0101】
工程2:11cを得るための10cの鹸化
水酸化リチウム(85μLの1.0M 水溶液、0.085ミリモル)を、THF(0.1mL)中のエステル10c (10mg、0.021ミリモル)の溶液に添加した。混合物を40℃で18時間撹拌して、室温に冷却し、0.5N HCl(2mL)で酸性化し、CH2Cl2で抽出した(2×2mL)。混ぜ合せた抽出物を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮した。粗残留物を4gのシリカゲル上でのクロマトグラフィー(CH2Cl2→10%MeOH/CH2Cl2、勾配)により精製して、3mg(31%)の標示化合物(11c)を得た。1H NMR(300MHz、CDCl3)δppm 1.19〜1.37(m、2H)、1.42〜1.65(m、4H)、1.67〜1.88(m、2H)、2.10〜2.23(m、2H)、2.50〜2.78(m、2H)、2.84〜2.93(m、2H)、3.97〜4.09(m、1H)、4.10〜4.20(m、1H)、4.65(s、2H)、6.82(d、J=4.40Hz、1H)、7.08(d、J=5.57Hz、2H)、7.18(s、1H)、7.70(d、J=3.81Hz、1H)。
【0102】
合成例5
5-(3-((1R,2R,3R,5R)-5-クロロ-2-(3,5-ジフロロフェネチル)-3-ヒドロキシシクロペンチル)プロピル)チオフェン-2-カルボン酸(11d)
工程1:10dを得るための12dの水素化
炭素上のパラジウム(10質量%、24mg)を、EtOAc(5mL)中のアルケン12d (本明細書に参考として合体させるAllergan ROI 2007-011参照;100mg、0.23ミリモル)の溶液に添加した。水素雰囲気を抜気および水素再充填(3×)によって確立し、反応混合物を水素バルーン下に3日間撹拌した。反応混合物をセライトにより濾過し、EtOAcで洗浄し、濾液を真空中で濃縮して、75mg(75%)の飽和化合物10dを得た。
【0103】
工程2:11dを得るための10dの鹸化
水酸化リチウム(0.68mLの1.0M 水溶液、0.68ミリモル)を、THF(0.7mL)中のエステル10d (75mg、0.17ミリモル)の溶液に添加した。室温で18時間後、混合物を1.0N HCl(20mL)とCH2Cl2(50mL)間に分配した。相を分離し、水性相をCH2Cl2 (50mL)で抽出した。混ぜ合せた有機相を塩水で洗浄し(20mL)、乾燥し(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮した。粗残留物を12gのシリカゲル上でのクロマトグラフィー(CH2Cl2→20%MeOH/CH2Cl2、勾配)により精製して、4mg(6%)の標示化合物(11d)を得た。1H NMR(300MHz、CDCl3)δppm 1.41〜1.67(m、3H)、1.63〜1.89(m、5H)、2.11〜2.26(m、2H)、2.52〜2.83(m、2H)、2.82〜2.94(m、2H)、3.99〜4.11(m、1H)、4.12〜4.27(m、1H)、6.54〜6.76(m、3H)、6.81(d、J=2.93Hz、1H)、7.71(d、J=2.93Hz、1H)。
【0104】
合成例6
5-(3-((1R,2R,3R,5R)-5-クロロ-2-(3,5-ジメチルフェネチル)-3-ヒドロキシシクロペンチル)プロピル)チオフェン-2-カルボン酸(11e)
工程1:10eを得るための12eの水素化
実施例2の工程2の手順に従い、アルケン12e (米国仮特許出願第60/947,904号参照;185mg、0.43ミリモル)を、160mg(86%)の飽和化合物10eに転換した。
工程2:11eを得るための10eの鹸化
実施例5の工程2の手順に従い、エステル10e (160mg、0.37ミリモル)を、120mg(75%)の回収10eおよび5mg(3%)の標示化合物(11e)に転換した。1H NMR(300MHz、CDCl3)δppm 1.44〜1.65(m、4H)、1.69〜1.87(m、6H)、2.17(s、3H)、2.28(s、3H)、2.47〜2.75(m、2H)、2.86(t、J=7.03Hz、2H)、4.04(q、J=6.84Hz、1H)、4.09〜4.21(m、1H)、6.82(d、J=4.10Hz、4H)、7.71(d、J=3.52Hz、1H)。
【0105】
合成例7
【化52】

(1R,2R,3R,4R)-4-クロロ-2-(3,5-ジクロロフェネチル)-3-(3-(5-(ヒドロキシメチル)チオフェン-2-イル)プロピル)シクロペンタノール(13)
水素化リチウムアルミニウム(44μLのEt2O中1.0M 水溶液、0.044ミリモル)を、0℃のTHF(0.15mL)中のエステル10a (21mg、0.044ミリモル)の溶液に添加した。0℃で1時間後、反応混合物を室温に温めた。室温で18時間後、反応物を、水(0.1mL)と15%NaOH(0.1mL)で失活させた。得られた混合物をセライトパッドにより濾過し、水(0.3mL)とTHF(5mL)で洗浄した。濾液を真空中で濃縮乾固させた。粗残留物を4gのシリカゲル上でのクロマトグラフィー(ヘキサン→EtOAc、勾配)により精製して、14mg(71%)の標示化合物(13)を得た。1H NMR(300MHz、CDCl3)δppm 1.41〜1.67(m、5H)、1.64〜1.88(m、6H)、2.16(dd、J=6.74、5.57Hz、2H)、2.53〜2.77(m、2H)、2.81(t、J=7.33Hz、2H)、4.05(q、J=6.64Hz、1H)、4.16(q、J=5.28Hz、1H)、4.75(s、2H)、6.63(d、J=3.22Hz、1H)、6.82(d、J=3.22Hz、1H)、7.07(d、J=1.76Hz、1H)、7.20(t、J=1.76Hz、1H)。
【0106】
合成例8
【化53】

5-(3-((1R,2R,3S,5R)-5-クロロ-2-(3,5-ジクロロフェネチル)-3-ヒドロキシシクロペンチル)プロピル)チオフェン-2-カルボン酸(17)
工程1:15を得るための14の光延(Mitsunobu)反応
トリフェニルホスフィン(120mg、0.46ミリモル)とジイソプロピルアゾジカルボキシレート(DIAD;67μL、0.35ミリモル)を、室温のTHF(4mL)中のアルコール14(米国仮特許出願第60/947,904号参照;54mg、0.11ミリモル)と4-ニトロ安息香酸(57mg、0.34ミリモル)の溶液に添加した。室温で18時間後、反応物を水(20mL)で希釈し、EtOAcで抽出した(3×20mL)。混ぜ合せた有機相を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮した。粗残留物を4gのシリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン→EtOAc、勾配)により精製して、70mg(99%)のベンゾエート15を得た。
【0107】
工程2:16を得るための15の水素化
実施例2の工程2の手順に従い、アルケン15(35mg、0.056ミリモル)を、6mg(17%)の飽和化合物16に転換した。
【0108】
工程3:17を得るための16の鹸化
水酸化リチウム(0.30mLの1.0M 水溶液、0.30ミリモル)を、1ドラム(1.77g)のバイアル内のTHF(0.3mL)中のエステル16(6mg、0.010ミリモル)の溶液に添加した。バイアルを密閉し、反応混合物を40℃で18時間加熱し、その後、室温に冷却した。混合物を1.5N HCl(3mL)とEtOAc(5mL)間に分配した。相を分離し、有機相を水(3mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮した。粗残留物をシリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー(10%MeOH/CH2Cl2)により精製して、4mg(90%)の標示化合物(17)を得た。
【0109】
合成例9
【化54】

イソプロピル 5-(3-((1R,2R,3R,5R)-5-クロロ-2-(3-クロロ-5-(ヒドロキシメチル)フェネチル)-3-ヒドロキシシクロペンチル)プロピル)チオフェン-2-カルボキシレート(18)
1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク-7-エン(DBU;5.4μL、0.036ミリモル)と2-ヨードプロパン(48μL、0.48ミリモル)を、室温のアセトン(0.3mL)中の酸11c (11mg、0.024ミリモル)の溶液に窒素下に添加した。室温で3時間後、反応混合物を真空中で濃縮した。残留物を1.0N HCl(5mL)で酸性化し、EtOAcで抽出した(10mL)。有機相を塩水(5mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮した。残留物を3gのシリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー(10%MeOH/CH2Cl2、勾配)により精製して、10mg(83%)の標示化合物(18)を得た。1H NMR(500MHz、CDCl3)δppm 1.21〜1.32(m、6H)、1.32(s、3H)、1.34(s、3H)、1.75〜1.80(m、6H)、2.62(ddd、J=13.91、9.69、6.72Hz、1H)、2.71(td、J=9.35、5.01Hz、1H)、2.84(t、J=7.40Hz、2H)、4.03(q、J=7.09Hz、1H)、4.08〜4.18(m、1H)、4.65(s、2H)、5.17(dt、J=12.47、6.24Hz、1H)、6.77(d、J=3.67Hz、1H)、7.08(d、J=9.54Hz、2H)、7.18(s、1H)、7.60(d、J=3.67Hz、1H)。
【0110】
α-鎖Aは、コーリー(Corey)ラクトンのアナログをウィッティング反応に対するプレカーサーとして使用してα-鎖の全ての原子を取込ませている米国仮特許出願第60/805,285号(本明細書に参考として合体させる)において見出される手順を追試し、適応化させることによって修飾または変換することができる;他のウィッティング反応および所要ホスホネート類の調製は、Collect. Czech. Chem. Commun. 1994, 58, 138-148およびCollect. Czech. Chem. Commun. 1994, 59, 2533-2544に記載されている。また、中間体コーリーラクトンアナログは、相応する第一級アルコールに還元し得、その後、このアルコールを、当該技術において既知の方法により、酸末端から5番目の原子において(アルコールまたは誘導化チオールのアルキル化により)、4番目の原子において(上記鎖を1原子延長することにより(例えば、相応するアルデヒドを介してホモログ化することにより))または6番目の原子において(上記鎖を1原子短縮することにより(例えば、相応するアルデヒドから誘導したエノールエーテルのオゾン分解により))ヘテロ原子を担持する化合物に操作することができる。
【0111】
α-鎖Aは、コーリーラクトンのアナログをウィッティング反応に対するプレカーサーとして使用してα-鎖の全ての原子を取込ませている2007年6月19日に出願された米国特許出願第60/805,285号(本明細書に参考として合体させる)において見出される手順を追試し、適応化させることによって修飾または変換することができる;他のウィッティング反応および所要ホスホネート類の調製は、Collect. Czech. Chem. Commun. 1994, 58, 138-148およびCollect. Czech. Chem. Commun. 1994, 59, 2533-2544に記載されている。また、中間体コーリーラクトンアナログは、相応する第一級アルコールに還元し得、その後、このアルコールを、当該技術において既知の方法により、酸末端から5番目の原子において(アルコールまたは誘導化チオールのアルキル化により)、4番目の原子において(上記鎖を1原子延長することにより(例えば、相応するアルデヒドを介してホモログ化することにより))または6番目の原子において(上記鎖を1原子短縮することにより(例えば、相応するアルデヒドから誘導したエノールエーテルのオゾン分解により))ヘテロ原子を担持する化合物に操作することができる。
【0112】
各種J1、J2およびU1置換基は、下記の文献において見出される手順を追試するかまたは適応化させることによって得ることができる;これらの文献は、全て、参考として本明細書に明確に合体させる:
【0113】
米国特許出願第11/764,929号;
2007年4月20日に出願された米国特許出願第11/738,307号;
2007年5月23日に出願された米国特許出願第11/690,678号;
2007年5月1日に出願された米国特許出願第11/742,987号;および、
2007年5月11日に出願された米国特許出願第11/747,478号。
【0114】
Bにおける各種の置換または非置換アリール基は、当該技術において周知の方法によって得ることができる。例えば、これは、ウィッティング試薬に対するアナログを工程2において調製することによって達成し得る。これらのアナログ類は、2のようなアルデヒドとアリールまたはヘテロアリールメチルホスホネートアニオンとの反応によって調製し得、後者は、トリフェニルホスフィンと適切なアリールまたはヘテロアリールメチルハライドとの反応から誘導する(例えば、Maryanoff, B. E. and Reitz, A. B.のChem Rev. 1989, 89, 863-927および該文献中の参照文献を参照されたい)。必要なアリールまたはヘテロアリールメチルハライドは、商業的に入手可能でない場合、商業的に入手可能なアリールまたはヘテロアリールメチルアルコールから(ハロゲン化により)、アリールまたはヘテロアリールハライドから(アリールまたはヘテロアリールメチルアルコールを介しての1炭素ホモゲイション(homogation)により)、またはアリールまたはヘテロアリールカルボキシレート化合物から(還元およびハロゲン化により)調製し得る。また、Bにおける各種置換または非置換アリール基は、米国特許第6,531,485号(例えば、化合物1〜4、図式3、第23〜24欄参照;該米国特許は、本明細書に参考として明確に合体させる)に記載された手順を使用して化合物3に対するアナログを得、J1、J2およびU1を上述したように変換することによっても取得し得る。また、スチリルハライド類の米国特許第6,531,485号における反応と同様な共役付加反応物を使用して、Bにおける各種置換アリールまたはヘテロアリール基を導入することもできる。必要なスチリルハライド類は、相応するアルキンから(ヒドロハロゲン化により)、或いは当該技術において既知の他の有機金属法により調製し得る。
【0115】
生物学例
結合性データ
Ki
競合結合試験を、300μlの総容量においてハンクス緩衝塩溶液、Hepes 20mM、pH7.3、ヒトEP2レセプターを安定発現するHEK293細胞由来の膜(約60μgタンパク質)または2×105細胞、[3H]PGE2 (10nM)および各濃度の試験化合物を含有する培地中で実施した。反応混合物を23℃で60分間インキュベートし、Whatman GF/Bフィルター上で真空下に濾過した。フィルターを、50mM Tris/HClを含有する5mlの氷冷緩衝液(pH7.3)で3回洗浄した。非特異結合性は、過剰のラベル化していないPGE2(10μM)の存在下に評価した。結合性データを、非線形回帰分析を使用して、単一群の結合部位に対する結合性モデルに適合させた。そのようにして得られたIC50値を、Ki = (IC50/(1+[L]/KD)の等式 (式中、[L]はPGE2濃度(10nM)を示し、KDはヒトEP2レセプター(40nM)における[3H]PGE2の解離定数を示す)を使用してKiに変換した。
【0116】
放射性リガンド結合性
EP1、EP2、EP4およびFPレセプターを安定発現する細胞
ヒトまたはネコFPレセプター、或いはEP1、EP2またはEP4レセプターを安定発現するHEK-293細胞を、TME緩衝液で洗浄し、フラスコ底部からすくい取り、ブリンクマン(Brinkman)PT 10/35ポリトロンを使用して30秒間均質化した。TME緩衝液を添加して、遠心分離チューブ内で最終の40ml容量を得た(TMEの組成は、100mM TRIS塩基、20mM MgCl2、2M EDTAである;10N HClを添加して7.4のpHを得る)。
細胞ホモジネートを、Beckman Ti-60ローターを使用して19000rpmにて4℃で20分間遠心分離した。得られたペレットを、TME緩衝液中に再懸濁させて、Bioradアッセイにより測定したときに1mg/mlの最終タンパク質濃度を得た。[3H-]17-フェニルPGF(5nM)に対する放射性リガンド結合性競合アッセイを、100μl容量で60分間実施した。結合反応は、原形質膜画分を添加することによって開始させた。反応を、4mlの氷冷TRIS-HCl緩衝液を添加し、Brandel細胞ハーベスターを使用してガラス繊維GF/Bフィルターにより急速濾過することによって終了させた。フィルターを氷冷緩衝液で3回洗浄し、1時間オーブン乾燥させた。
【0117】
[3H-]PGE2(特異性活性180Ciミリモル)を、各EPレセプターに対する放射性リガンドとして使用した。[3H]17-フェニルPGFを、FPレセプター結合性試験において使用した。EP1、EP2、EP4およびFPレセプターを使用する結合性試験を、少なくとも3回の別々の試験において正副二通りで実施した。200μlのアッセイ容量を使用した。インキュベーションは、25℃で60分間であり、4mlの氷冷50mM TRIS-HClを添加することによって終了させ、その後、WhatmanGF/Bフィルターによる急速濾過および細胞ハーベスター(Brandel)内での3回のさらなる4ml洗浄を行った。競合試験は、5nM [3H]-PGE2または5nM [3H]17-フェニルPGFの最終濃度を使用して実施し、非特異結合性は、試験するレセプターサブタイプに応じて10-5Mのラベル化していないPGE2または17-フェニルPGFによって測定した。
【0118】
FLIPRTM試験方法
(a) 細胞培養
組換えヒトプロスタグランジンレセプターの1つのタイプまたはサブタイプを安定発現するHEK-293(EBNA)細胞(発現させるプロスタグランジンレセプター:hDP/Gqs5;hEP1;hEP2/Gqs5;hEP3A/Gqi5;hEP4/Gqs5;hFP;hIP;hTP)を、100mm培養皿内で、10%ウシ胎仔血清、2mMのl-グルタミン、選択的マーカーとして250μg/mlのジェネティシン(G418)および200μg/mlのハイグロマイシンB、並びに100単位/mlのペニシリンG、100μg/mlストレプトマイシンおよび0.25μg/mlのアンフォテリシンBを含有する高グルコースDMEM培地中で培養した。
【0119】
(b) FLIPRTM上のカルシウムシグナル試験
細胞を、ウェル当り5×104個の細胞数密度でBiocoatR Poly-D-リシンコーティーング黒壁透明底96-ウェルプレート(Becton-Dickinson社)中に接種し、37℃のインキュベーター内で1夜結合させた。その後、細胞を、Denley Cellwashプレート洗浄器(Labsystems社)を使用して、HBSS-HEPES緩衝液(重炭酸塩とフェノールレッドを含まないハンクス平衡塩溶液、20mM HEPES、pH7.4)で2回洗浄した。カルシウム感受性染料Fluo-4 AMを2μMの最終濃度で使用して暗中で45分間染料を負荷させた後、プレートを、HBSS-HEPES緩衝液によって4回洗浄して過剰の染料を除去し、各ウェル中に100μlを残存させた。プレートを数分間37℃に再平衡化させた。
細胞を488nmのアルゴンレーザーで励起し、発光を、510〜570nm帯域幅発光フィルター(FLIPRTM;Molecular Devices社、カリフォルニア州サニーベール)により測定した。薬物溶液を50μlの容量で各ウェルに添加して、所望の最終濃度を得た。蛍光強度のピーク上昇を各ウェルにおいて記録した。各プレートにおいて、各々4個のウェルが、陰性対照(HBSS-HEPES緩衝液)および陽性対照(標準作用薬:レセプターに応じてのBW245C(hDP);PGE2(hEP1;hEP2/Gqs5;hEP3A/Gqi5;hEP4/Gqs5);PGF(hFP);カルバサイクリン(hIP);U-46619(hTP))として機能した。その後、各薬物含有ウェルのピーク蛍光変化を、対照と対比して表した。
化合物を、高スループット(HTS)または濃度応答(CoRe)フォーマットで試験した。HTSフォーマットにおいては、プレート当り44種の化合物を、10-5M濃度で正副二通り試験した。濃度応答曲線を描くためには、プレート当り4種の化合物を、10-5〜10-11M範囲の濃度で正副二通り試験した。正副値を平均した。HTSまたはCoReフォーマットのいずれにおいても、各化合物を、種々の継代に由来する細胞を使用して少なくとも3つの別々のプレート上で試験して、n≧3を得た。
【0120】
cAMPアッセイ
384ウェル薬物プレートを、Biomekステーションを使用して、3複製において、16回連続希釈で6種の試験化合物、PGE2およびcAMPを含有するように準備した。ターゲットPGレセプターサブタイプ(EP2またはEP4)を発現するHEK-EBNA細胞を、刺激緩衝液(HBSS、0.1% BSA、0.5mM IBMXおよび5mM HEPES、pH 7.4)中に104個細胞/5μlの密度で懸濁させた。反応を、ウェル中で5μLの薬物希釈物を5μlのHEK-EBNA細胞と混合することによって開始させ、室温で30分間実施し、その後、Tween-20を含む調整緩衝液(25mM NaCl、0.03% Tween-20、5mM HEPES、pH7.4)中の5μlの抗-cAMP受容体ビーズを添加した。室温で暗中の30分後、混合物を、溶解/検出緩衝液(0.1% BSA、0.3% Tween-20および5mM HEPES、pH7.4)中の15μlのビオチン化cAMP/ストレプトアビジン供与体ビーズと一緒に室温で45分間インキュベートした。蛍光変化を、Fusion-alpha HTマイクロプレートリーダーを使用して読み取った。
下記の表1に示す結合性および活性試験の結果は、本明細書において開示する化合物が、選択性プロスタグランジンEP2作用薬であり、従って、緑内障、高眼圧症および他の疾患または症状の治療において有用であることを実証している。
【0121】
【表1】



【0122】
生体内試験例
米国特許第7,091,231号は、これら生体内試験において使用する方法を記載している。
生体内試験例1
7-{(1R,2R,3R,5R)-5-クロロ-2-[2-(3,5-ジクロロ-フェニル)-エチル]-3-ヒドロキシ-シクロペンチル}-ヘプタン酸(6)を、正常血圧のイヌにおいて、5日間1日1回投与して0.01%で試験した。ベースラインからの最高眼内圧(IOP)降下は、102時間で480.0Pa (3.6mmHg) (18%)であり;最高眼表面充血(OSH)点数は、74時間で0.8であった。
【0123】
生体内試験例2
生体内試験例1の組成物は、該組成物をヒトに1日1回投与することにより、ヒトのIOPを低下させるのに使用することができる。
【0124】
生体内試験例3
5-(3-((1R,2R,3R,5R)-5-クロロ-2-(3,5-ジクロロフェネチル)-3-ヒドロキシシクロペンチル)プロピル)チオフェン-2-カルボン酸(11a)を、正常血圧のイヌにおいて、5日間1日1回投与して複数の濃度で試験した。0.01%においては、ベースラインからの最高眼内圧(IOP)降下は、28時間で1173.2Pa (8.8mmHg) (47%)であり;最高眼表面充血(OSH)点数は、26時間で2.5であった。0.001%においては、ベースラインからの最高眼内圧(IOP)降下は、54時間で826.6Pa (6.2mmHg) (34%)であり;最高眼表面充血(OSH)点数は、50時間で1.8であった。0.0005%においては、ベースラインからの最高眼内圧(IOP)降下は、54時間で746.6Pa (5.6mmHg) (36%)であり;最高眼表面充血(OSH)点数は、50時間で1.75であった。0.0001%においては、ベースラインからの最高眼内圧(IOP)降下は、76時間で480.0Pa (3.6mmHg) (24%)であり;最高眼表面充血(OSH)点数は、74時間で0.8であった。
【0125】
生体内試験例4
5-(3-((1R,2R,3R,5R)-5-クロロ-2-(3,5-ジクロロフェネチル)-3-ヒドロキシシクロペンチル)プロピル)チオフェン-2-カルボン酸(11a)を、レーザー誘発高血圧サルにおいて、単回の投与日量を使用して試験した。0.01%において、ベースラインからの最高IOP降下は、24時間で2746.3Pa (20.6mmHg) (55%)であった。
【0126】
生体内試験例5
生体内試験例3の組成物は、該組成物をヒトに1日1回投与することにより、ヒトのIOPを低下させるのに使用することができる。
【0127】
生体内試験例6
5-(3-((1R,2R,3R,5R)-5-クロロ-2-(2-(2,6-ジクロロピリジン-4-イル)エチル)-3-ヒドロキシシクロペンチル)プロピル)-チオフェン-2-カルボン酸(11b)を、正常血圧のイヌにおいて、4日間1日1回投与して0.001%で試験した。ベースラインからの最高眼内圧(IOP)降下は、78時間で946.6Pa (7.1mmHg) (36%)であり;最高眼表面充血(OSH)点数は、74時間で1.9であった。また、この化合物を、レーザー誘発高血圧サルにおいても、単回の投与日量を使用して試験した。0.001%において、ベースラインからの最高IOP降下は、24時間で1679.9Pa (12.6mmHg) (55%)であった。
【0128】
生体内試験例7
生体内試験例6の組成物は、該組成物をヒトに1日1回投与することにより、ヒトのIOPを低下させるのに使用することができる。
【0129】
生体内試験例8
5-(3-((1R,2R,3R,5R)-5-クロロ-2-(3-クロロ-5-(ヒドロキシメチル)フェネチル)-3-ヒドロキシシクロペンチル)プロピル)チオフェン-2-カルボン酸(11c)を、正常血圧のイヌにおいて、5日間1日1回投与して0.001%で試験した。ベースラインからの最高眼内圧(IOP)降下は、30時間で293.3Pa (2.2mmHg) (12%)であり;最高眼表面充血(OSH)点数は、50時間で0.8であった。
【0130】
生体内試験例9
生体内試験例8の組成物は、該組成物をヒトに1日1回投与することにより、ヒトのIOPを低下させるのに使用することができる。
【0131】
生体内試験例10
イソプロピル 5-(3-((1R,2R,3R,5R)-5-クロロ-2-(3-クロロ-5-(ヒドロキシメチル)フェネチル)-3-ヒドロキシシクロペンチル)プロピル)チオフェン-2-カルボキシレート(18)を、正常血圧のイヌにおいて、5日間1日1回投与して0.001%で試験した。ベースラインからの最高眼内圧(IOP)降下は、4時間で373.3Pa (2.8mmHg) (17%)であり;最高眼表面充血(OSH)点数は、26時間で0.9であった。
【0132】
生体内試験例11
イソプロピル 5-(3-((1R,2R,3R,5R)-5-クロロ-2-(3-クロロ-5-(ヒドロキシメチル)フェネチル)-3-ヒドロキシシクロペンチル)プロピル)チオフェン-2-カルボキシレート(18)を、レーザー誘発高血圧サルにおいて、単回の投与日量を使用して試験した。0.001%において、ベースラインからの最高IOP降下は、24時間で1226.6Pa (9.2mmHg) (24%)であった。
【0133】
生体内試験例12
生体内試験例11の組成物は、該組成物をヒトに1日1回投与することにより、ヒトのIOPを低下させるのに使用することができる。
【0134】
上記の説明は、本発明を実施するのに使用し得る特定の方法および組成物を詳述しており、意図する最良の形態を示している。しかしながら、当業者にとっては、所望の薬理特性を有するさらなる化合物を同様な方法で調製し得ること、また、開示した化合物は種々の出発化合物から種々の化学反応を介しても得ることができることが明白である。同様に、種々の製薬組成物も、実質的に同じ結果でもって調製し使用することができる。従って、詳細ではあるが、上記は、明細書に示されており、本発明の範囲全体を限定するものと解釈すべきではなく、むしろ、本発明の範囲は、特許請求の範囲の法的解釈によってのみ決定すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の式を有する化合物、その製薬上許容し得る塩またはそのプロドラッグ:
【化1】

(式中、点線は、結合の存在または不存在を示し;
Yは、有機酸官能基またはその14個までの炭素原子を含むアミドもしくはエステルであるか;或いは、Yは、ヒドロキシメチルまたはその14個までの炭素原子を含むエーテルであるか;或いは、Yは、テトラゾリル官能基であり;
Aは、-(CH2)6-、シス-CH2CH=CH-(CH2)3-、または-CH2C≡C-(CH2)3-であり、これらにおいて、1個または2個の炭素原子はSまたはOによって置換することができ;或いは、Aは、-(CH2)m-Ar-(CH2)o-であり、Arはインターアリーレンまたはヘテロインターアリーレンであり、mとoの和は1、2、3または4であり、1個のCH2はSまたはOによって置換することができ;
U1は、個々に、水素;OH;O;S;F;Cl;Br;I;CN;または1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するO-アルキルであり;
J1は、水素;F;Cl;Br;I;O;OH;CN;1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するO-アルキル;1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するアルキル;またはCF3であり;
J2は、水素;F;Cl;Br;I;CN;1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するO-アルキル;1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するアルキル;またはCF3であり;
Bは、アリールまたはヘテロアリールである)。
【請求項2】
下記の構造を有するカルボン酸またはそのバイオイソスターである化合物、またはその製薬上許容し得る塩、またはそのプロドラッグ:
【化2】

(式中、点線は、結合の存在または不存在を示し;
Aは、-(CH2)6-、シス-CH2CH=CH-(CH2)3-または-CH2C≡C-(CH2)3-であり、これらにおいて、1個または2個の炭素原子はSまたはOによって置換することができ;或いは、Aは、-(CH2)m-Ar-(CH2)o-であり、Arはインターアリーレンまたはヘテロインターアリーレンであり、mとoの和は1、2、3または4であり、1個のCH2はSまたはOによって置換することができ;
U1は、個々に、水素;OH;O;S;F;Cl;Br;I;CN;または1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するO-アルキルであり;
J1は、水素;F;Cl;Br;I;O;OH;CN;1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するO-アルキル;1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するアルキル;またはCF3であり;
J2は、水素;F;Cl;Br;I;CN;1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するO-アルキル;1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するアルキル;またはCF3であり;
Bは、アリールまたはヘテロアリールである)。
【請求項3】
Yが、CO2R2、CON(R2)2、CON(OR2)R2、CON(CH2CH2OH)2、CONH(CH2CH2OH)、CH2OH、P(O)(OH)2、CONHSO2R2、SO2N(R2)2、SO2NHR2、下記:
【化3】

(式中、R2は、個々に、H、C1〜C6アルキル、非置換フェニルまたは非置換ビフェニルである)
から選ばれる、請求項1記載の化合物。
【請求項4】
Aが、5-(3-プロピル)チオフェン-2-イルである、請求項3記載の化合物。
【請求項5】
Aが、6-ヘキシルである、請求項3記載の化合物。
【請求項6】
Bが、フェニルまたはピリジニルである、請求項4記載の化合物。
【請求項7】
Bが、F、Cl、C1-3アルキルおよびC1-3ヒドロキシアルキルから個々に選ばれる1〜5個の置換基を有するフェニルである、請求項4記載の化合物。
【請求項8】
J1が、水素である、請求項7記載の化合物。
【請求項9】
U1が、OHである、請求項8記載の化合物。
【請求項10】
J2が、Clである、請求項9記載の化合物。
【請求項11】
U1が、OHである、請求項3記載の化合物。
【請求項12】
U1が、Fである、請求項3記載の化合物。
【請求項13】
U1が、Clである、請求項3記載の化合物。
【請求項14】
J2が、Fである、請求項3記載の化合物。
【請求項15】
J2が、Clである、請求項3記載の化合物。
【請求項16】
J2が、OHである、請求項3記載の化合物。
【請求項17】
請求項1〜16のいずれか1項記載の化合物を、必要とする哺乳類に投与することを含む、眼内圧の降下方法。
【請求項18】
請求項1〜16のいずれか1項記載の化合物を、必要とする哺乳類に投与することを含む、緑内障の治療方法。
【請求項19】
請求項1〜16のいずれか1項記載の化合物および製薬上許容し得る賦形剤を含む、投与剤形。
【請求項20】
請求項1〜16のいずれか1項記載の化合物の、緑内障治療用または眼内圧降下用の医薬品の製造における使用。

【公表番号】特表2009−543795(P2009−543795A)
【公表日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−519615(P2009−519615)
【出願日】平成19年7月9日(2007.7.9)
【国際出願番号】PCT/US2007/073012
【国際公開番号】WO2008/008718
【国際公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願人】(390040637)アラーガン インコーポレイテッド (117)
【氏名又は名称原語表記】ALLERGAN,INCORPORATED
【Fターム(参考)】