説明

抗腫瘍薬としての5,6,又は7−置換−3−(ヘテロ)アリールイソキノリンアミン誘導体

本発明は、一般式Dによって表される5,6,又は7−置換−3−(ヘテロ)アリールイソキノリンアミン誘導体、薬学的に許容されるその塩、及びかかる化合物を含有する組成物に関する。前記化合物を投与することによる高増殖性疾患の治療方法も含まれる。式(I)。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な5,6,又は7−置換−3−(ヘテロ)アリール−イソキノリンアミン化合物、その薬学的に許容される塩、及びかかる化合物を含有する組成物、並びに癌を含む高増殖性疾患を治療するための、5,6,又は7−置換−3−(ヘテロ)アリール−イソキノリンアミン化合物を投与することによる治療方法に関する。
【背景技術】
【0002】
化学療法薬は、細胞分裂過程の様々な段階を妨げて、腫瘍細胞を死滅させる。アルキル化剤(例えば、シクロホスファミド、カルムスチン、シスプラチン)、代謝拮抗薬(例えば、メトトレキサート、5−FU、ゲムシタビン)、細胞傷害性抗生物質(例えば、ドキソルビシン、マイトマイシン)、及び植物誘導体(例えば、パクリタキセル、ビンクリスチン、エトポシド)を含め、いくつかの部類の化学療法薬が存在する。化学療法は、白血病、他の血液癌、並びに手術不能又は転移性の固形癌の一次治療として用いられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
現在の化学療法剤は、限られた有効性、衰弱させる有害な副作用、及び多剤耐性の出現を含めて、いくつかの問題点を有する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一連の5,6,又は7置換−3−(ヘテロ)アリールイソキノリンアミン化合物を合成し、抗癌活性を含む治療活性を分析した。本発明の5,6,又は7−置換−3−(ヘテロ)アリールイソキノリンアミン化合物は、前立腺腫瘍、大腸腫瘍、膵臓腫瘍、及び卵巣腫瘍などの腫瘍を含む高増殖性疾患の治療に有用であることが実証されている。
【0005】
本発明は、新規な5,6,又は7−置換−3−(ヘテロ)アリール−イソキノリンアミン化合物及び誘導体に関する。本発明はまた、5,6,又は7−置換−3−(ヘテロ)アリールイソキノリンアミン誘導体の抗腫瘍薬としての使用にも関する。
【発明を実施するための形態】
【0006】
「5,6,又は7−置換−3−(ヘテロ)アリールイソキノリンアミン」、「5,6,又は7−置換−3−(ヘテロ)アリールイソキノリンアミン化合物」、及び「5,6,又は7−置換−3−(ヘテロ)アリールイソキノリンアミン誘導体」という用語は、本出願では互換的に用いられ、以下に定義する式Dの化合物を意味する。本出願で使用する科学技術用語はすべて、別段の指定がない限り、当技術分野で通常使用される意味を有する。本出願で使用するとき、以下の語句又は表現は、特定の意味を有する。
【0007】
本明細書では、「薬学的に許容される担体」とは、本発明の化合物と組み合わせた場合、前記化合物が、マスト細胞及びマクロファージの抗菌活性を増強する能力等の生物活性を維持できる、任意の固体又は液体の物質を意味する。例としては、標準の医薬担体のいずれか、例えば、リン酸緩衝溶液、水、水中油乳濁液等の乳濁液、及び様々なタイプの湿潤剤が挙げられるがこの限りではない。そのような担体を含む組成物は、周知の従来の方法によって製剤される(例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, Chapter 43, 14th Ed.、Mack Publishing社、ペンシルヴェニア州イーストンを参照されたい)。
【0008】
「コンジュゲート」という用語は、2つ以上の分子の複合体として生成した化合物を意味する。より詳細には、本発明では、5,6,又は7−置換−3−(ヘテロ)アリールイソキノリンアミン誘導体を、細胞特異的なターゲティング部分に結合、例えば共有結合させ、所望の細胞にこの物質を効率的かつ特異的に送達するためのコンジュゲート化合物を生成することができる。
【0009】
「ターゲティング部分」という表現は、所望の活性に特異的な部位に本発明の化合物を送達するのに役立つ分子を意味する。ターゲティング部分には、例えば、特定の細胞表面上の分子を特異的に結合する分子が含まれる。本発明において有用なそのようなターゲティング部分には、抗細胞表面抗原抗体が含まれる。インターロイキン、及び顆粒球/マクロファージ刺激因子(GMCSF)などの因子を含むサイトカインも、特異的なターゲティング部分であり、これらの受容体を高レベルで発現する特定の細胞に結合することが知られている。
【0010】
用語「プロドラッグ部分」は、例えば薬物の細胞への侵入又は化合物の投与を円滑にすることによって本発明の化合物の使用を容易にする置換基である。プロドラッグ部分は、例えば開裂酵素によって、インビボで化合物から切断することができる。プロドラッグ部分の例には、リン酸基、ペプチドリンカー、及び糖が含まれ、これらの部分は、インビボで加水分解され得る。
【0011】
「高増殖性疾患」という用語は、細胞の異常又は病的な増殖を特徴とする疾患、例えば、腫瘍、癌、腫瘍性組織、並びに他の前癌性及び非腫瘍性又は良性の高増殖性疾患を指す。
【0012】
本発明によって治療することのできる腫瘍、癌、及び腫瘍性組織の例には、悪性疾患、例えば、乳癌、骨肉腫、血管肉腫、線維肉腫及び他の肉腫、白血病、リンパ腫、洞腫瘍、卵巣癌、尿道癌、膀胱癌、前立腺癌、及び他の泌尿生殖器の癌、大腸食道癌、胃癌及び他の消化器癌、肺癌、骨髄腫、膵癌、肝癌、腎癌、内分泌癌、皮膚癌、並びに神経膠腫及び神経芽細胞腫を含む悪性又は良性の脳又は中枢性及び末梢神経(CNS)系の腫瘍が含まれるがこの限りではない。
【0013】
前癌性及び非腫瘍性又は良性の高増殖性疾患の例には、骨髄異形成障害、上皮内子宮頸癌、ガードナー症候群などの家族性腸ポリープ症、口腔白斑症、組織球増加症、ケロイド、血管腫、高増殖性の動脈狭窄、炎症性関節炎;関節炎を含む過角化及び丘疹鱗屑性の発疹が含まれるがこの限りではない。ウイルスによる高増殖性疾患、例えばいぼやEBVによって誘発される疾患(すなわち伝染性単核球症)、瘢痕形成なども含まれる。本明細書で開示する治療法は、本明細書で定義した高増殖性疾患に罹患したことが判明しているか、若しくは疑われる、又は発症のリスクがある任意の対象に使用することができる。
【0014】
本明細書では、高増殖性疾患の「治療」とは、高増殖性細胞の本体若しくは集団の成長若しくは大きさの増加又は腫瘍若しくは癌の増殖を阻止し、抑制し、又は緩慢にし、高増殖性細胞数を減少させ、又は他の解剖学的部位への広がりを予防するだけでなく、高増殖性の成長の規模又は高増殖性細胞の数を減少させる方法を指す。本明細書では、「治療」は、必ずしも高増殖性の成長の治癒又は完全な消滅を意味しない。本明細書では、治療有効量は、高増殖性細胞の成長の阻止、その速度の緩慢化、高増殖性細胞本体の大きさの縮小、及び/又は高増殖性細胞の数の減少をもたらすのに有効な量である。強化薬(又は強化薬類)は第1の化合物の活性を強化するのに十分な量で含まれ、したがって、2種(又はそれ以上)の化合物を組み合わせて投与した場合の治療効果は、個々の化合物を単独で投与した場合よりも大きくなる(例えば、相乗的な相互作用、組み合わせた場合の毒性の低下等)。
【0015】
新規な5,6,又は7−置換−3−(ヘテロ)アリールイソキノリンアミン化合物は、腫瘍等の疾患を治療するための強力な新しい治療用分子となり得る。抗腫瘍薬の新たな開発に関連して、韓国特許第0412319号明細書は、Rが水素又は6−メチルであり、Rが水素、モノ2−、3−、又は4−メチルであり、Rがアミン、ベンジルアミン、4−メトキシベンジルアミン、ピペリジン、トリメチルエタンジアミン、モルホリン、4−メチルピペラジン、又は4−メチルホモピペラジンである式(A)を有する3−アリールイソキノリンアミン化合物を開示している。韓国特許第0412319号明細書で開示されている化合物の中でも、6−メチル−3−(2−メチルフェニル)−1−イソキノリンアミンが、ヒトA549肺癌、ヒトHCT−15大腸腺癌、ヒトSK−OV−3卵巣腺癌、及びヒトSK−MEL−2黒色腫に対して有意な治療活性を有する抗癌剤として特許請求の範囲に記載されている。
【0016】
【化1】

(A)
【0017】
Carl H.Behrensらによる1990年7月17日発行の米国特許第4942163号明細書は、式(B)の3−(1−ナフタレニル)−1(2H)イソキノリノン及び3−(1−ナフタレニル)−1−イソキノリンアミンを有用な癌化学療法薬として開示している。
【0018】
【化2】

(B)
【0019】
さらに、PCT国際出願第WO2005/075431号パンフレット及び第WO2005/075432号パンフレットでは、式(C)を有する1−(2H)−イソキノロン誘導体の調製が示されている。
【0020】
【化3】

(C)
【0021】
本発明は、顕著な抗腫瘍活性を有し、毒性が非常に低く、水への溶解性が十分な5,6,又は7−置換−3−(ヘテロ)アリールイソキノリンアミン誘導体に関し、韓国特許第0412319号明細書及び米国特許第4942163号明細書の特許請求の範囲に記載されていない新規な5,6,又は7−置換−3−(ヘテロ)アリールイソキノリンアミン誘導体、かかる新規化合物の調製方法及び強力な抗腫瘍活性について示す。
【0022】
より詳細には、本発明は、5,6,又は7−置換−3−(ヘテロ)アリールイソキノリンアミン化合物、並びに対象(例えばヒト患者又は他の動物対象)における高増殖性の障害、疾患、又は病態の治療におけるその使用に関する。本発明による方法は、対象に、有効量の本発明による5,6,又は7−置換−3−(ヘテロ)アリールイソキノリンアミン化合物を投与することを含む。そのような治療は、例えば、高増殖性病態を予防し、寛解させ、及び/若しくはその症状を抑制することができ、かつ/又は例えば悪性腫瘍などの腫瘍において細胞増殖若しくは成長を阻止又は抑制することができる。本発明の治療戦略は、全身腫瘍組織量(tumor burden)を少なくとも測定可能な程度軽減し、高増殖性病態を有する患者の生存時間を延長させる。本発明の薬剤による治療に感受性高い疾患、障害、及び状態の例としては、新生物、より詳細には様々な起源の腫瘍(肺、大腸、胃、平滑筋、食道、非ホジキンリンパ腫(non-Hodgkin's lymphoma)、非小細胞肺癌等)が挙げられる。
【0023】
本発明の方法において有用な化合物には、式Dを有する5,6,又は7−置換−3−(ヘテロ)アリールイソキノリンアミンが含まれる。
【0024】
【化4】


【0025】
[式中、
nは、0又は1であり
Xは独立に、N、C、O、又はSであり、
、R、及びRは、独立に、H、ハロゲン、NH、NHR、N(R、−O−R、又は−ORで置換されていてもよいRであり、
は、H、3,4−メチレンジオキシド、ハロゲン、−O−R、又は−O−Rで置換されていてもよいRから選択される1又は2個の置換基であり、
はC−Cアルキルである。ここで、化合物が複数のR基を含む場合、R基はそれぞれ、同じでも異なっていてもよい]。
【0026】
上の規定において、「ハロゲン」という呼称は、F、Cl、Br、又はIを表す。
【0027】
本明細書では、C−Cアルキルは、1〜6個の炭素原子を有する直鎖状、分枝状、及び環状のアルキル基を表し、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシル、及びシクロヘキシルがこれに含まれる。
【0028】
本発明の範囲から特に除外されるのは、(a)R=R=R=H、n=1、X=C、かつR=H、2−メチル、3−メチル、又は4−メチルである化合物及び、(b)R=R=H、R=メチル、n=1、X=C、かつR=H、2−メチル、又は3−メチルである化合物である。
【0029】
本発明は、これらの化合物の薬学的に許容される塩も含む。一般式(D)の化合物の薬学的に許容される塩は、薬学的に許容される無機酸、有機酸、アルカリ金属、及びアンモニウム塩であり、例えば、塩酸、臭素酸、硫酸、硫酸水素ナトリウム、リン酸、硝酸、炭酸等の無機酸との塩、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、コハク酸、安息香酸、クエン酸、マレイン酸、マロン酸、酒石酸、グルコン酸、乳酸、フマル酸、ラクトビオン酸、サリチル酸、アセチルサリチル酸(アスピリン)等の有機酸との塩、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、システイン、シスチン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リジン、アルギニン、チロシン、プロリン等のアミノ酸との塩、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸等のスルホン酸との塩、ナトリウム又はカリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム又はマグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、及びメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ピペリジン、モルホリン又はトリス−(2−ヒドロキシエチル)アミン等との塩といった、生理的に許容される塩をもたらす有機塩基との塩である。
【0030】
本発明の化合物は、腫瘍を含めた広範囲な高増殖性疾患に対して非常に活性があると言え、抗腫瘍薬として使用することができる。例えば、本発明による化合物は、卵巣腫瘍、前立腺腫瘍、乳房腫瘍、腎臓腫瘍、大腸腫瘍、膵臓腫瘍、脳腫瘍、及び黒色腫に対して活性をもち得る。非常に活性があるとは、特定の腫瘍の少なくとも1種の細胞株に関して、化合物のIC50が、5.0μM以下、2.0μM以下、1.0μM以下、0.5μM以下、0.2μM以下、又は0.1μM以下となり得ることを意味する。
【0031】
一般式(D)の新規な化合物及び薬学的に許容されるその塩は、担体、アジュバント、及び/又は賦形剤などの、薬学的に許容される非毒性の媒体と合わせることができ、次いで混合物を、錠剤、カプセル剤、トローチ、溶液、懸濁液の形で経口的又は非経口的に投与して、ヒト又は哺乳動物の様々な種類の腫瘍を予防又は治療することができる。
【0032】
一般式(D)の化合物を活性成分として含有する薬剤組成物の調製で使用することができる媒体には、甘味剤、結合剤、溶解剤、溶解助剤、湿潤剤、乳化剤、等張化剤、吸着剤、崩壊剤(degrading agent)、酸化防止剤、防腐剤、滑沢剤、充填剤、香料等、例えば、ラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロース、グリシン、シリカ、タルク、ステアリン酸、ステアリン、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、デンプン、ゼラチン、トラガカントガム、グリシン、シリカ、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、寒天、水、エタノール、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、塩化ナトリウム、塩化カリウム、オレンジエッセンス、ストロベリーエッセンス、バニラ香等を含めることができる。
【0033】
本発明の5,6,又は7−置換−3−(ヘテロ)アリールイソキノリンアミン化合物は、医薬組成物として製剤し、治療を必要とする対象、例えばヒト患者などの哺乳動物に、選択された投与経路に適合させた様々な形態で、例えば、経口的若しくは非経口的に、静脈内、筋肉内、局所、若しくは皮下の経路によって、又は高増殖性の組織若しくは細胞への直接の注射によって投与することができる。
【0034】
したがって、本発明の5,6,又は7−置換−3−(ヘテロ)アリールイソキノリンアミン化合物は、例えば、不活性希釈剤や同化できる可食性担体などの薬学的に許容される媒体と組み合わせて経口的に、又は吸入若しくはガス注入によって全身に投与することができる。化合物は、硬若しくは軟シェルゼラチンカプセル封入してもよいし、圧縮して錠剤にしてもよいし、又は患者の食事の食物と直接混ぜてもよい。治療的な経口投与では、5,6,又は7−置換−3−(ヘテロ)アリールイソキノリンアミン化合物は、1又は複数の賦形剤と合わせ、摂取可能な錠剤、バッカル錠、トローチ、カプセル剤、エリキシル、懸濁液、シロップ、ウェーハなどの形で使用することができる。5,6,又は7−置換−3−(ヘテロ)アリールイソキノリンアミン化合物は、微細な不活性粉末担体と合わせ、対象によって吸入されてもよいし、又は吹き込んでもよい。そのような組成物及び製剤は、少なくとも0.1%の5,6,又は7−置換−3−(ヘテロ)アリールイソキノリンアミン化合物を含有すべきである。組成物及び製剤の百分率は当然、様々でよく、所与の単位剤形の重量の約2%〜約60%の間にあることが好都合である。このような治療上有用な組成物中の5,6,又は7−置換−3−(ヘテロ)アリールイソキノリンアミン化合物の量は、有効投与量レベルが得られる量である。
【0035】
錠剤、トローチ、丸剤、カプセル剤等は、トラガカントゴム、アカシア、トウモロコシデンプン、ゼラチンなどの結合剤、リン酸二カルシウム(dicalcium phosphate)等の賦形剤、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、アルギン酸などの崩壊剤、ステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤、及びスクロース、フルクトース、ラクトース、アスパルテーム等の甘味剤も含有してよく、又はハッカ、冬緑油、チェリーフレーバー等の香料を加えてもよい。単位剤形がカプセル剤であるとき、上記種類の材料に加え、植物油及びポリエチレングリコール等の液体担体も含有してよい。コーティングとしての、又は固形単位剤形の物理形態を別な形で変更するための、他の様々な材料が存在する場合もある。例えば、錠剤、丸剤、又はカプセル剤は、ゼラチン、ワックス、セラック、又は糖等でコーティングすることができる。シロップ又はエリキシルは、活性化合物、甘味剤としてのスクロース又はフルクトース、保存剤としてのメチルパラベン及びプロピルパラベン、色素、及びチェリーフレーバーやオレンジフレーバー等の香料を含有してよい。当然、単位剤形を調製する際に使用するどんな材料も、薬学的に許容され、用いられる量では実質的に非毒性であるべきである。さらに、5,6,又は7−置換−3−(ヘテロ)アリールイソキノリンアミン化合物は、徐放性製剤及びデバイスに組み込むこともできる。
【0036】
5,6,又は7−置換−3−(ヘテロ)アリールイソキノリンアミン化合物は、注入又は注射によって静脈内又は腹腔内に投与することもできる。5,6,又は7−置換−3−(ヘテロ)アリールイソキノリンアミン化合物の溶液は水で調製することができ、必要に応じて非毒性の界面活性剤と混合されていてもよい。分散液は、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、トリアセチン、及びこれらの混合物中に、また油中に調製することもできる。貯蔵及び使用の通常の条件では、これらの製剤は、微生物の増殖を防ぐために保存剤を含有してよい。
【0037】
注射又は注入に適する医薬品剤形は、5,6,又は7−置換−3−(ヘテロ)アリールイソキノリンアミン化合物を含む無菌の水性溶液若しくは分散液又は無菌粉末を含むことができる。かかる無菌の水性溶液若しくは分散液又は無菌粉末は、無菌の注射若しくは注入用溶液又は分散液の要時調合用製剤(extemporaneous preparation)に適し、必要に応じてリポソームにカプセル封入されていてもよい。すべての場合において、最終的な剤形は、製造及び貯蔵条件下で無菌、液体、安定であるべきである。液体担体又は媒体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えばグリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコールなど)、植物油、非毒性のグリセリルエステル、及びこれらの適切な混合物を含む溶媒又は液体分散媒でよい。例えば、リポソームを生成し、分散液の場合では必要な粒径を保ち、又は界面活性剤を使用して、適切な流動度を維持することができる。微生物の作用は、様々な抗菌剤及び抗かび剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなどによって防止することができる。多くの場合では、等張化剤、例えば、糖、緩衝剤、又は塩化ナトリウムを含めることが好ましい。注射用組成物の持続性吸収は、組成物中に吸収を遅らせる物質、例えば、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンを使用して実現することができる。
【0038】
無菌の注射用溶液は、必要な量の5,6,又は7−置換−3−(ヘテロ)アリールイソキノリンアミン化合物を、必要に応じて、上で列挙した他の成分のいく種類かと共に適切な溶媒中に包含させた後、フィルター滅菌にかけて調製する。無菌注射用溶液を調製するための無菌粉末の場合では、好ましい調製方法は、真空乾燥法及び凍結乾燥法であるが、これらの方法では、以前には除菌された溶液中に存在した活性成分と任意の所望の追加成分の粉末が得られる。
【0039】
局所投与では、5,6,又は7−置換−3−(ヘテロ)アリールイソキノリンアミン化合物は、純粋な形で適用することができる。しかし、一般に、皮膚科学的に許容される担体と組み合わせて、固体でも液体でもよい組成物又は製剤として皮膚に投与することが望ましい。
【0040】
有用な固体担体には、タルク、粘土、微結晶セルロース、シリカ、アルミナなどの、砕かれた固体が含まれる。他の固体担体としては、非毒性の高分子ナノ粒子又は微粒子が挙げられる。有用な液体担体としては、水、アルコール、グリコール、又は水/アルコール/グリコールブレンドが挙げられるが、5,6,又は7−置換−3−(ヘテロ)アリールイソキノリンアミン化合物は、必要に応じて非毒性界面活性剤を採用して、これに有効なレベルで溶解又は分散させることができる。香料や追加の抗菌剤などのアジュバントを加えると、その性質を所与の用途向けに最適化することができる。得られる液体組成物は、吸収性のパッドから適用し、絆創膏及び他の包帯剤に含浸させるのに使用し、又はポンプ型噴霧器若しくはエアロゾル噴霧器を使用して患部に噴霧することができる。
【0041】
液体担体と共に、合成ポリマー、脂肪酸、脂肪酸の塩及びエステル、脂肪アルコール、化工セルロース、改質された鉱物材料などの増粘剤も使用すると、使用者の皮膚に直接適用するための、のびのよいペースト、ゲル、軟膏、石鹸などを調製することができる。
【0042】
5,6,又は7−置換−3−(ヘテロ)アリールイソキノリンアミン化合物の皮膚への送達に使用することのできる有用な皮膚科用組成物の例は、当業者に知られており、例えば、Jacquetら(米国特許第4608392号明細書)、Geria(米国特許第4992478号明細書)、Smithら(米国特許第4559157号明細書)、及びWortzman(米国特許第4820508号明細書)を参照されたい。
【0043】
5,6,又は7−置換−3−(ヘテロ)アリールイソキノリンアミン化合物の有用な投与量は、そのインビトロ活性及び動物モデルでのインビボ活性を比較して求めることができる。マウス及び他の動物においてヒトの有効投与量を推定する方法は、当業者に知られており、例えば、米国特許第4938949号明細書を参照されたい。
【0044】
一般に、ローションなどの液体組成物中の5,6,又は7−置換−3−(ヘテロ)アリールイソキノリンアミン化合物の濃度は、約0.1〜25重量%、又は約0.5〜10重量%となる。ゲルや粉末などの半固体又は固体組成物中の濃度は、約0.1〜5重量%、又は約0.5〜2.5重量%であってよい。
【0045】
治療の用途に必要な5,6,又は7−置換−3−(ヘテロ)アリールイソキノリンアミン化合物の量は、選択される特定の塩及び投与経路、治療対象となる病体の性質、並びに患者の年齢及び状態に応じて様々であり、最終的に担当医師又は臨床医の裁量によるところとなる。
【0046】
本発明の薬剤の有効投与量及び投与経路は、標準的である。5,6,又は7−置換−3−(ヘテロ)アリールイソキノリンアミン化合物の正確な量(有効量)は、例えば、対象の種、年齢、体重、一般的また臨床的な状態、治療対象となる疾患の重症度又は機序、使用する特定の薬剤又は媒体、方法及び投与スケジュールなどに応じて対象によって様々となる。治療有効量は、当業者に知られている従来の手順によって経験的に求めることができる。例えば、The Pharmacological Basis of Therapeutics, Goodman and Gilman, eds., Macmillan Publishing Co., New Yorkを参照されたい。例えば、有効量は、最初に細胞培養アッセイ又は適切な動物モデルにおいて推定することができる。動物モデルを使用して、適切な濃度範囲及び投与経路を求めることもできる。次いで、そのような情報を使用して、ヒトにおける有用な用量及び投与経路を求めることができる。治療量は、同等の治療薬の投与量からの類推によって選択することもできる。
【0047】
特定の投与方式及び投与計画は、診療する臨床医によって、症例の詳細(例えば、対象、疾患、関わる疾患状態、及び治療が予防的であるかどうか)を考慮して選択される。治療では、1日量又は複数回の1日量(multi-daily dose)の化合物を、2〜3日から数カ月、又は数年の期間にわたり使用することができる。
【0048】
しかし、一般には、適切な用量は、体重1kgあたり1日約0.5〜約100mg、例えば約10〜約75mg、例えばレシピエントの体重1キログラムあたり1日3〜約50mg、6〜90mg/kg/日の範囲、又は15〜60mg/kg/日の範囲にある。例えば、適切な用量は、1日あたり0.5、5、10、25、50、100、250、又は500mg/体重kgとすることができる。
【0049】
5,6,又は7−置換−3−(ヘテロ)アリールイソキノリンアミン化合物は、例えば、単位剤形あたり5〜1000mg、10〜750mg、又は50〜500mgの活性成分を含有する単位剤形にして投与すると好都合である。
【0050】
5,6,又は7−置換−3−(ヘテロ)アリールイソキノリンアミン化合物は、約0.5〜約75μM、約1〜50μM、又は約2〜約30μMのピーク血漿濃度を実現するように投与することができる。好例となる望ましい血漿濃度としては、0.25、0.5、1、5、10、25、50、75、100、又は200μM以上又は以下が挙げられる。これは、例えば、5,6,又は7−置換−3−(ヘテロ)アリールイソキノリンアミン化合物の0.05〜5%溶液(任意選択で食塩水溶液)を静脈内注射して実現し、又は約1〜100mgの5,6,又は7−置換−3−(ヘテロ)アリールイソキノリンアミン化合物を含有するボーラス投与として経口的投与することができる。望ましい血中濃度は、約0.01〜5.0mg/kg/hr、例えば0.005、0.01、0.1、2.5、5.0、又は10.0mg/kg/hr以上又は以下をもたらす連続的な注入によって維持することができる。或いは、そのようなレベルは、約0.4〜15mg/kg、例えば0.25、0.5、1.0、5.0、10.0、15.0、又は25.0mg/kg以上又は以下の5,6,又は7−置換−3−(ヘテロ)アリールイソキノリンアミン化合物を含有する断続的な注入によって実現することもできる。
【0051】
5,6,又は7−置換−3−(ヘテロ)アリールイソキノリンアミン化合物は、1回で、又は適切な間隔で投与される分割された用量、例えば1日あたり2、3、4回、又はそれ以上の部分用量として好都合に投与することができる。部分用量それ自体も、例えば、注入器からの複数回の吸入などの、漠然と間隙を挟んだ幾回かの別々の投与に、又は眼への複数の液滴の適用によって、さらに分けることができる。
【0052】
[5,6,又は7−置換−3−(ヘテロ)アリールイソキノリンアミンの細胞への標的指向化]
好例となる実施形態では、5,6,又は7−置換−3−(ヘテロ)アリールイソキノリンアミン化合物を、治療が所望される細胞、例えば、ヒト癌細胞に標的指向化する。化合物は、所望の細胞を特異的に結合するターゲティング部分に結合させ、それによってコンジュゲート分子の投与が振り向けられることにより、所望の細胞に標的指向化される。有用なターゲティング部分は、細胞抗原を特異的に結合するリガンド、又は細胞表面リガンド、例えば、B細胞抗原に対する抗体、CD19(B43など)などである。
【0053】
本発明のコンジュゲートを生成するには、ターゲティング部分を、5,6,又は7−置換−3−(ヘテロ)アリールイソキノリンアミン化合物上の部位に共有結合させる。ターゲティング部分は、ポリペプチド分子であることが多く、本発明の化合物に、NH、SH、CHO、COOH等を含む反応部位で結合させる。化合物を連結する特定の連結剤(linking agent)を使用する。連結剤は、ターゲティング部分を結合させる反応部位にしたがって選択する。
【0054】
本発明の化合物にターゲティング部分を結合させるのに適する連結剤及び反応部位を選択する方法は、知られており、例えば、Hermanson, et al., Bioconjugate Techniques, Academic Press, 1996、Hermanson, et al., Immobilized Affinity Ligand Techniques, Academic Press, 1992、及びPierce Catalog and Handbook, 1996, pp. T155-T201に記載されている。
[実施例]
【0055】
本発明は、以下の実施例を参照することでさらに明快になり得るが、好ましい実施形態の一部を例示するのに役立てるものであり、いかなる点でも本発明を限定しない。
【0056】
実施例1〜3.
[イソキノリンアミン誘導体の合成]
すべての化学薬品は、試薬一級(reagent grade)であり、Aldrich Chemical Company(ウィスコンシン州ミルウォーキー)、Sigma Chemical Company(ミズーリ州セントルイス)、又はTrans World Chemicals(メリーランド州ロックヴィル)から購入した。溶媒は、使用前に常法どおりに蒸留した。無水THFは、使用前にナトリウム/ベンゾフェノンから蒸留した。
【0057】
融点は、Electrothermal IA9200融点測定装置で求め、補正していない。核磁気共鳴スペクトルは、テトラメチルシラン(TMS)をゼロppmでの内部標準として使用して、Varian 300分光計で記録し、化学シフトは百万分率(ppm)で報告し、結合定数(J)はヘルツで示し、略語のs、d、t、q、及びmは、それぞれ一重線、二重線、三重線、四重線、及び多重線を指す。
【0058】
IRスペクトルは、KBrペレットを使用して、パーキン・エルマー783分光計及びニコレット機器で記録した。元素分析は、CaHo Erba元素分析計で実施した。カラムクロマトグラフィーは、Merck社製シリカゲル60(70〜230メッシュ)で実施した。TLCは、Merck社から購入したシリカゲル60F254でコートしたプレートを使用して実施した。
【実施例1】
【0059】
[化合物1〜化合物12の一般合成手順]
化合物1〜化合物12は、スキーム1で論述するとおりに合成し、特徴付けた。構造及び物性データを以下に示す。
【0060】
スキーム1
【化5】

【0061】
表1
【表1】

【0062】
3−(2−クロロフェニル)イソキノリン−1−アミン(化合物1)の調製−無水THF(20mL)に、−70℃でLiNMe(5%のヘキサン懸濁液5mL、3.3mmol)を加えた。HMPA(590mg、3.3mmol)を加えた後、反応混合物をo−トルニトリル(350mg、3mmol)の無水THF(10mL)溶液で処理した。得られる赤色−青紫色の溶液を30分間撹拌し、次いで2−クロロベンゾニトリル(825mg、6mmol)のTHF溶液で処理した。反応混合物を60℃で1時間加熱し、10%のHCl(20mL)を使用して加水分解した。得られる塩酸塩懸濁液を、ジエチルエーテルで3回洗浄した。次いで、懸濁液をNaOHで中和し、酢酸エチルで抽出した。有機抽出物を合わせて水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を除去した後、残渣を、n−ヘキサン−酢酸エチル(1:1)でのカラムクロマトグラフィーによって精製して、1−アミノ化合物を得た。1−アミノ化合物のアセトン(5mL)溶液にc−HClを加えて、沈殿を得た。沈殿を収集し、アセトンで洗浄して、アミン塩酸塩(183.4mg、21%)を得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 7.80-7.29 (m, 9H), 5.41 (s, 2H).
【0063】
以下の化合物2〜12は、化合物1と同様の方法に従って調製した。
【0064】
3−(3−クロロフェニル)イソキノリン−1−アミン(化合物2)の調製−o−トルニトリルを3−クロロベンゾニトリルと反応させると、化合物2(白色固体、53%)が得られた。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 8.05-7.29 (m, 9H), 5.49 (s, 2H).
【0065】
3−(4−クロロフェニル)イソキノリン−1−アミン(化合物3)の調製−o−トルニトリルを4−クロロベンゾニトリルと反応させると、化合物3(白色固体、32%)が得られた。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 8.00 (m, 2H), 7.78 (m, 2H), 7.61 (m, 1H), 7.49-7.40 (m, 4H), 5.26 (s, 2H)
【0066】
3−(3−メトキシフェニル)イソキノリン−1−アミン(化合物4)の調製−o−トルニトリルを3−メトキシベンゾニトリルと反応させると、化合物4(白色固体、36%)が得られた。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 7.99 (d, 1H), 7.95-7.30 (m, 7H), 6.96 (d, 1H), 5.26 (s, 2H), 3.90 (s, 3H).
【0067】
3−(3,4−ジメトキシフェニル)イソキノリン−1−アミン(化合物5)の調製−o−トルニトリルを3,4−ジメトキシベンゾニトリルと反応させると、化合物5(黄色の固体、52%)が得られた。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 8.04 (d, 1H), 7.71-7.46 (m, 5H), 7.21 (s, 1H), 6.96 (d, 1H), 5.24 (s, 2H), 4.02 (s, 3H), 3.94 (s, 3H).
【0068】
3−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−6−イル)イソキノリン−1−アミン(化合物6)の調製−o−トルニトリルをベンゾ[1,3]ジオキソール−5−カルボニトリルと反応させると、化合物6(黄色の固体、30%)が得られた。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 7.71 (m, 2H), 7.59-7.54 (m, 3H), 7.40 (m, 1H), 7.35 (s, 1H), 6.89 (m, 1H), 5.98 (s, 2H), 5.25 (s, 2H).
【0069】
3−(ピリジン−3−イル)イソキノリン−1−アミン(化合物7)の調製−o−トルニトリルを3−シアノピリジンと反応させると、化合物7(黄色の固体、62%)が得られた。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 9.24 (s, 1H), 8.58 (d, 1H), 8.32 (m, 1H), 7.81-7.45 (m, 6H), 5.57 (s, 2H).
【0070】
3−(チオフェン−2−イル)イソキノリン−1−アミン(化合物8)の調製−o−トルニトリルをチオフェン−2−カルボニトリルと反応させると、化合物8(黄色の固体、20%)が得られた。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 7.58 (m, 3H), 7.49 (m, 1H), 7.35(s, 1H), 7.29 (m, 2H), 7.07 (m, 1H), 5.35 (s, 2H).
【0071】
3−(フラン−2−イル)イソキノリン−1−アミン(化合物9)の調製−o−トルニトリルを2−フロニトリルと反応させると、化合物9(黄色の固体、20%)が得られた。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 7.73-7.70 (m, 2H), 7.49- 7.57 (m, 2H), 7.43 (s, 1H), 7.26 (m, 1H), 6.99 (m, 1H), 6.47 (m, 1H), 5.47 (s, 2H).
【0072】
7−クロロ−3−(5−クロロ−2−メチルフェニル)イソキノリン−1−アミン(化合物10)の調製−5−クロル−2−メチルベンゾニトリルを5−クロロ−2−メチルベンゾニトリルと反応させると、化合物10(黄色の固体、22%)が得られた。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 7.81 (s, 1H), 7.68 (d, 1H), 7.61 (d, 1H), 7.44 (d, 1H), 7.23 (m, 2H), 7.09 (s, 1H), 5.19 (s, 2H), 2.53 (s, 3H).
【0073】
6−メトキシ−3−フェニルイソキノリン−1−アミン(化合物11)の調製−4−メトキシ−2−メチルベンゾニトリルをベンゾニトリルと反応させると、化合物11(黄色の固体、33%)が得られた。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 8.02 (m, 2H), 7.57 (d, 1H), 7.44-7.30 (m, 4H), 6.93 (m, 2H), 5.40 (s, 2H), 3.79 (s, 3H).
【0074】
6−メトキシ−3−(3,4−ジメトキシフェニル)イソキノリン−1−アミン(化合物12)の調製−4−メトキシ−2−メチルベンゾニトリルを3,4−ジメトキシベンゾニトリルと反応させると、化合物12(黄色の固体、35%)が得られた。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 7.72 (s, 1H), 7.60-7.52 (m, 2H), 7.25 (s, 1H), 6.92-6.81 (m, 3H), 5.69 (s, 2H), 3.87(s, 3H), 3.77(s, 3H), 3.74(s, 3H).
【実施例2】
【0075】
[置換2−メチル−N,N−ジメチルベンズアミドの合成]
【0076】
スキーム2
【化6】

【0077】
a)2,N,N−トリメチル−5−ニトロベンズアミド(2)の調製
2,N,N−トリメチル−5−ニトロベンズアミドの調製では、米国特許第4942163号明細書に記載の手順を利用した。2−メチル−5−ニトロ安息香酸(5g、27.6mmol)と塩化チオニル(16.4g、138mmol)の反応混合物を終夜還流させた。減圧蒸留によって過剰の塩化チオニルを除去して、塩化2−メチル−5−ニトロ−ベンゾイルを固体残渣として得た。この材料を塩化メチレン(30mL)に溶解させ、温度を0〜12℃に保ちながら、市販の40%ジメチルアミン溶液(30g、270mmol)に撹拌しながら滴下した。加え終えた後、反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、塩化メチレンで抽出した。有機抽出物を合わせて水で洗浄し、乾燥させ、濃縮した。残渣を、n−ヘキサン−酢酸エチル(3:1)を用いるカラムクロマトグラフィーによって精製して、アミドを固体(5.46g、95%)として得た。同一性をH NMRによって検証した。
【0078】
b)5−アミノ−2,N,N−トリメチルベンズアミド(3)の調製
アミド(5.45g、26.2mmol)のメタノール(30mL)溶液を、60psiのH中にて5%のPd/C(0.3g)の存在下、Parr社製水素化装置を使用して終夜水素化した。反応混合物をセライトで濾過し、濾過ケーキをメタノールで洗浄した。濃縮した後、残渣を、n−ヘキサン−酢酸エチル(1:1)を用いるカラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物を固体(4.63g、99%)として得た。同一性をH NMRによって検証した。
【0079】
c)5−ジメチルアミノ−2,N,N−トリメチルベンズアミド(4)の調製
アミン(4.63g、26mmol)及びHCHO(7.02g、78mmol)の0℃のメタノール(40mL)溶液に、NaBHCN(3.22g、52mmol)及びZnCl(3.53g、26mmol)のメタノール(30mL)溶液を滴下した。加え終えた後、反応混合物を室温に温めた。反応混合物を1.0N NaOH(100mL)で失活させ、メタノールを除去した。残渣を酢酸エチルで抽出し、有機抽出物を合わせて水で洗浄し、乾燥させ、濃縮した。残渣を、n−ヘキサン−酢酸エチル(3:1)を用いるカラムクロマトグラフィーによって精製して、アミドを油(5.04g、94%)として得た。同一性をH NMRによって検証した。
【0080】
他の3又は4−ジメチルアミノ−2,N,N−トリメチルベンズアミドは、5−ジメチルアミノ−2,N,N−トリメチルベンズアミド(4)と同様の方法に従って調製した。3−ジメチルアミノ−2,N,N−トリメチルベンズアミドの合成は、Bioorganic & Medicinal Chemistry paper (vol. 6、2449 (1998))に記載されている。4−ジメチルアミノ−2,N,N−トリメチルベンズアミドの合成は、国際公開第WO2005/075432号パンフレットに記載されている。5−ジメチルアミノ−2,N,N−トリメチルベンズアミドの合成は、米国特許第4942163号明細書に記載されている。
【実施例3】
【0081】
[化合物13〜化合物56の合成]
化合物13〜化合物56は、スキーム3で論述するとおりに合成し、特徴付けた。構造及び物性データを以下に示す。
【0082】
スキーム3
【化7】

【0083】
表2
【表2】


【0084】
[3−(3−メトキシフェニル)−N,N−ジメチルイソキノリン−1,7−ジアミン塩酸塩(化合物13)の調製]
【0085】
a)7−ジメチルアミノ−3−(3−メトキシフェニル)−2H−イソキノリン−1−オン(I)
ジイソプロピルアミン(1.5g、15mmol)の無水THF(10mL)溶液に、−78℃でn−BuLi(ヘキサン中2.5Mを6mL、15mmol)を加えた。30分後、5−ジメチルアミノ−2,N,N−トリメチルベンズアミド(2.06g、10mmol)のTHF(15mL)溶液を−78℃で滴下し、赤橙色の溶液を同温度で1時間撹拌した。3−メトキシベンゾニトリル(1.7g、13mmol)の無水THF(10mL)溶液を加え、反応混合物を−78℃で2時間撹拌した。反応液を水で失活させ、酢酸エチルで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を除去した後、残渣を、n−ヘキサン−酢酸エチル(3:1)を用いるカラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物Iを黄色の固体(596mg、20%)として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 9.73 (s, 1H), 7.61 (s, 1H), 7.50 (d, J= 8.7 Hz, 1H), 7.38 (m, 1H), 7.23-7.22 (m, 3H), 6.96 (m, 1H), 6.74 (s, 1H), 3.90 (s, 3H), 3.09 (s, 6H).
【0086】
b)[1−クロロ−3−(3−メトキシフェニル)イソキノリン−7−イル]ジメチルアミン(II)
3−アリールイソキノリノンI(550mg、1.9mmol)とPOCl(10mL)の反応混合物を50℃で終夜撹拌した。POClを減圧蒸留によって除去し、残渣を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせて水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を除去した後、残渣を、n−ヘキサン−酢酸エチル(3:1)を用いるカラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物IIを黄色の固体(530mg、90%)として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 7.85 (s, 1H), 7.72 (d, J= 8.7 Hz, 1H), 7.64-7.62 (m, 2H), 7.39-7.35 (m, 2H), 7.22 (d, J = 2Hz, 1H), 6.92 (m, 1H), 3.91 (s, 3H), 3.13 (s, 6H).
【0087】
c)N−(4−メトキシベンジル)−3−(3−メトキシフェニル)−N,N−ジメチルイソキノリン−1,7−ジアミン(III)
1−クロロイミンイソキノリンII(500mg、1.6mmol)、4−メトキシベンジルアミン(877mg、6.4mmol)、及び炭酸カリウム(2g、15mmol)をDMFに混ぜた混合物を、終夜還流させた。反応混合物を室温に冷却し、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機抽出物を合わせて水で洗浄し、乾燥させ、濃縮した。残渣を、n−ヘキサン−酢酸エチル(3:1)を用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物III(310mg、47%)を得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 7.74-7.62 (m, 3H), 7.45-7.33 (m, 4H), 7.22 (m, 1H), 6.92 (m, 3H), 6.66 (m, 1H), 5.24 (s, 1H), 4.91 (d, 2H) , 3.91 (s, 3H), 3.85 (s, 3H), 3.09 (s, 6H).
【0088】
d)3−(3−メトキシフェニル)−N,N−ジメチルイソキノリン−1,7−ジアミン塩酸塩(IV、化合物13)
−(4−メトキシベンジル)−イソキノリンアミン化合物III(300mg、0.73mmol)及びトリフルオロ酢酸(5mL)を塩化メチレン(5mL)に混ぜた反応混合物を、2日間還流させた。NaHCOの溶液を加え、反応混合物を塩化メチレンで抽出した。有機抽出物を合わせて水で洗浄し、乾燥させ、濃縮した。残渣を、n−ヘキサン−酢酸エチル(1:1)を用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、1−アミノイソキノリン(151mg、71%)を得た。1−アミノ化合物をアセトン(5mL)に溶解させ、濃HCl 5滴を加えた。塩酸塩を濾過し、濾過ケーキをアセトンで洗浄した。乾燥後、120mgの1−アミノイソキノリン塩酸塩が得られた(化合物13、50%)。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ: 13.57 (s, 1H), 9.37 (s, 2H), 7.79 (d, 1H), 7.55-7.39 (m, 6H), 7.02 (m, 1H), 3.87 (s, 3H), 3.06 (s, 6H).
【0089】
以下の化合物14〜56は、化合物22〜56の調製ではステップ(a)でジイソプロピルアミンを利用しなかったことを除き、化合物13と同様の方法に従って調製した。
【0090】
,N−ジメチル−3−m−トリルイソキノリン−1,7−ジアミン塩酸塩(化合物14)−5−ジメチルアミノ−2,N,N−トリメチルベンズアミドをm−トルニトリルと反応させると、化合物14(黄色の固体、62%)が得られた。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 7.85 (s, 1H), 7.80 (d, 1H), 7.63 (d, 1H), 7.38 (s, 1H), 7.35-7.24 (m, 2H), 7.15 (m, 1H), 6.76 (m, 1H), 5.30 (s, 2H), 3.06 (s, 6H), 2.43 (s, 3H).
【0091】
3−(3,4−ジメトキシフェニル)−N,N−ジメチルイソキノリン−1,7−ジアミン塩酸塩(化合物15)−5−ジメチルアミノ−2,N,N−トリメチルベンズアミドを3,4−ジメトキシベンゾニトリルと反応させると、化合物15(黄色の固体、63%)が得られた。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ: 13.56 (s, 1H), 9.34 (s, 2H), 7.75 (d, 1H), 7.58-7.46 (m, 5H), 7.06 (d, 1H), 3.90 (s, 3H), 3.85 (s, 3H), 3.06 (s, 6H).
【0092】
3−(3,5−ジメトキシフェニル)−N,N−ジメチルイソキノリン−1,7−ジアミン塩酸塩(化合物16)−5−ジメチルアミノ−2,N,N−トリメチルベンズアミドを3,5−ジメトキシベンゾニトリルと反応させると、化合物16(黄色の固体、76%)が得られた。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ: 13.50 (s, 1H), 9.31 (s, 2H), 7.79 (d, 1H), 7.59 (s, 1H), 7.54-7.47 (m, 2H), 7.14 (d, 2H), 6.58 (t, 1H), 3.84 (s, 6H), 3.07 (s, 6H).
【0093】
,N−ジメチル−3−フェニルイソキノリン−1,5−ジアミン(化合物17)−3−ジメチルアミノ−2,N,N−トリメチルベンズアミドをベンゾニトリルと反応させると、化合物17(黄色の固体、73%)が得られた。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 8.08 (m, 2H), 7.82 (s, 1H), 7.48-7.33 (m, 5H), 7.18 (m, 2H), 5.24 (s, 2H), 2.89 (s, 6H).
【0094】
,N−ジメチル−3−o−トリルイソキノリン−1,5−ジアミン(化合物18)−3−ジメチルアミノ−2,N,N−トリメチルベンズアミドをo−トルニトリルと反応させると、化合物18(黄色の固体、60%)が得られた。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ: 13.87 (s, 1H), 8.42 (d, 1H), 7.82-7.71 (m, 2H), 7.50-7.33 (m, 5H), 2.91 (s, 6H), 2.42 (s, 3H).
【0095】
3−(3,4−ジメトキシフェニル)−N,N−ジメチルイソキノリン−1,5−ジアミン(化合物19)−3−ジメチルアミノ−2,N,N−トリメチルベンズアミドを3,4−ジメトキシベンゾニトリルと反応させると、化合物19(黄色の固体、40%)が得られた。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ: 9.69 (s, 2H), 8.40 (d, 1H), 7.93-7.91 (m, 2H), 7.75-7.67 (m, 3H), 7.13 (d, 1H), 3.94 (s, 3H), 3.82 (s, 3H), 3.03 (s, 6H).
【0096】
,N−ジメチル−3−(2,6−ジメチルフェニル)イソキノリン−1,5−ジアミン(化合物20)−3−ジメチルアミノ−2,N,N−トリメチルベンズアミドを2,6−ジメチルベンゾニトリルと反応させると、化合物20(黄色の固体、60%)が得られた。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 7.46-7.41 (m, 2H), 7.29-7.09 (m, 5H), 5.58 (s, 2H), 2.83 (s, 6H), 2.14 (s, 6H).
【0097】
3−(3−メトキシフェニル)−N,N−ジメチル−イソキノリン−1,6−ジアミン(化合物21)−4−ジメチルアミノ−2,N,N−トリメチルベンズアミドを3−メトキシベンゾニトリルと反応させると、化合物21(褐色の固体、35%)が得られた。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ: 7.70 (d J = 8.4 Hz, 1H), 7.57-7.51 (m, 2H), 7.38 (d J = 8.4 Hz, 1H), 7.22 (s, 1H), 7.03 (dd, J = 8.1 Hz, J = 2.8 Hz, 1H), 6.94 (m, 1H), 6.74 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 3.86 (s, 3H), 3.11 (s, 6H).
【0098】
3−(3,4−ジメトキシフェニル)−5−メチルイソキノリン−1−アミン(化合物22)−N,N−ジエチル−2,3−ジメチルベンズアミドを3,4−ジメトキシベンゾニトリルと反応させると、化合物22(黄色の固体、65%)が得られた。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 7.70(m, 1H), 7.57-7.62 (m, 2H), 7.48 (s, 1H), 7.40 (m, 1H), 7.28 (m, 1H), 6.94 (d, J= 8.4Hz, 1H), 5.42 (s, 2H), 3.98 (s, 3H), 3.88(s, 3H), 2.63 (s, 3H).
【0099】
6−メチル−3−o−トリルイソキノリン−1−アミン塩酸塩(化合物23)−N,N−ジエチル−2,4−ジメチルベンズアミドをo−トルニトリルと反応させると、化合物23(黄色の固体、67%)が得られた。Mp 269.1-270.2℃. IR (cm-1): 3300, 1650. 1H NMR (DMSO-d6) δ: 13.84 (s, 1H), 9.40 (s, 1H), 8.79-7.57 (m, 7H), 7.38 (s, 1H), 2.75 (s, 3H), 2.61 (s, 3H). 13C NMR (DMSO-d6) δ: 153.4, 144.4, 137.0, 135.9, 134.8, 131.6, 129.4, 128.7, 128.5, 128.4, 125.7, 124.8, 124.0, 113.0, 109.5. MS, m/e (%): 248 (M+, 100), 232 (87), 230 (54). C17H17ClN2(C, H, N)の元素分析計算値: 71.70, 6.02, 9.84. 実測値: 71.58, 6.27, 9.58.
【0100】
3−(2−メトキシフェニル)−6−メチルイソキノリン−1−アミン(化合物24)−N,N−ジエチル−2,4−ジメチルベンズアミドを2−メトキシベンゾニトリルと反応させると、化合物24(黄色の固体、64%)が得られた。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 8.03 (d, J= 8.5Hz, 1H), 7.64 (m, 1H), 7.45 (s, 1H), 7.35-7.23 (m, 3H), 7.05- 6.97 (m, 2H), 3.88 (s, 3H), 2.47 (s, 3H).
【0101】
3−(3−メトキシフェニル)−6−メチルイソキノリン−1−アミン(化合物25)−N,N−ジエチル−2,4−ジメチルベンズアミドを3−メトキシベンゾニトリルと反応させると、化合物25(黄色の固体、68%)が得られた。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 7.67-7.59 (m, 3H), 7.51 (s, 1H), 7.38-7.24 (m, 3H), 6.94-6.90 (m, 1H), 5.26 (bs, 2H), 3.88 (s, 3H), 2.48 (s, 3H).
【0102】
3−(4−メトキシフェニル)−6−メチルイソキノリン−1−アミン(化合物26)−N,N−ジエチル−2,4−ジメチルベンズアミドを4−メトキシベンゾニトリルと反応させると、化合物26(黄色の固体、60%)が得られた。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 8.04 (d, J= 8.1Hz, 2H), 7.65 (d, J= 8.5Hz, 1H), 7.42 (s, 1H), 7.24 (s, 1H), 7.17 (d, J= 8.2Hz, 1H), 6.95 (d, J= 8.5Hz, 2H), 3.81 (s, 3H), 2.43 (s, 3H).
【0103】
3−(3,4−ジメトキシフェニル)−6−メチルイソキノリン−1−アミン(化合物27)−N,N−ジエチル−2,4−ジメチルベンズアミドを3,4−ジメトキシベンゾニトリルと反応させると、化合物27(黄色の固体、79%)が得られた。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 7.67-7.64 (m, 2H), 7.54 (m, 1H), 7.45 (s, 1H), 7.27 (s, 1H), 7.18 (m, 1H), 6.91 (d, J= 8.5Hz, 1H), 5.76 (s, 2H), 3.96(s, 3H), 3.89 (s, 3H), 2.50(s, 3H).
【0104】
3−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−6−イル)−6−メチルイソキノリン−1−アミン(化合物28)−N,N−ジエチル−2,4−ジメチルベンズアミドをベンゾ[1,3]ジオキソール−5−カルボニトリルと反応させると、化合物28(黄色の固体、71%)が得られた。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 7.63 (d, J= 8.5Hz, 1H), 7.54 (m, 2H), 7.45 (s, 1H), 7.22 (m, 2H), 6.88 (d, J= 8.5Hz, 1H), 5.98 (s, 2H), 5.40 (s, 2H), 2.46 (s, 3H).
【0105】
3−(4−エトキシフェニル)−6−メチルイソキノリン−1−アミン(化合物29)−N,N−ジエチル−2,4−ジメチルベンズアミドを4−エトキシベンゾニトリルと反応させると、化合物29(黄色の固体、67%)が得られた。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 7.96 (m, 2H), 7.66 (d, J= 8.5Hz, 1H), 7.47(s, 1H), 7.30 (s, 1H), 7.23(m, 1H), 6.97(m ,2H), 5.36 (s, 2H), 4.05 (q, J= 7.0Hz, 2H), 2.48 (s, 3H), 1.43 (t, J= 7.0Hz, 3H).
【0106】
3−(3,5−ジメトキシフェニル)−6−メチルイソキノリン−1−アミン(化合物30)−N,N−ジエチル−2,4−ジメチルベンズアミドを3,5−ジメトキシベンゾニトリルと反応させると、化合物30(黄色の固体、90%)が得られた。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ: 8.42 (d, J= 8.5Hz, 1H), 7.72 (s, 1H), 7.60 (m, 2H), 7.11 (m, 2H), 6.62 (s, 1H), 3.45 (s, 6H), 2.49 (s, 3H).
【0107】
3−(4−メトキシ−2−メチルフェニル)−6−メチルイソキノリン−1−アミン(化合物31)−N,N−ジエチル−2,4−ジメチルベンズアミドを4−メトキシ−2−メチルベンゾニトリルと反応させると、化合物31(黄色の固体、67%)が得られた。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 7.97 (d, J= 8.5Hz, 1H), 7.42 (s, 1H), 7.37-7.28 (m, 2H), 7.15-6.91 (b, 2H), 6.85 (s, 1H), 6.76 (m, 2H), 3.78 (s, 3H), 2.47 (s, 3H), 2.37 (s, 3H).
【0108】
3−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−6−メチルイソキノリン−1−アミン(化合物32)−N,N−ジエチル−2,4−ジメチルベンズアミドを3,4,5−トリメトキシベンゾニトリルと反応させると、化合物32(黄色の固体、26%)が得られた。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 7.73 (d, 1H), 7.54 (s, 1H), 7.32-7.25 (m, 3H), 6.97-6.71 (m, 1H), 5.63 (s, 2H ), 4.04 (s, 6H), 3.90 (s, 3H), 2.52 (s, 3H).
【0109】
3−(2−フルオロフェニル)−6−メチルイソキノリン−1−アミン(化合物33)−N,N−ジエチル−2,4−ジメチルベンズアミドを2−フルオロベンゾニトリルと反応させると、化合物33(黄色の固体、69%)が得られた。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 8.00 (m, 1H), 7.70 (d, 1H), 7.54 (s, 1H), 7.48 (d, 1H), 7.34-7.14 (m, 4H), 5.39 (s, 2H), 2.51 (s, 3H).
【0110】
6−メチル−3−(2,6−ジメチルフェニル)イソキノリン−1−アミン(化合物34)−N,N−ジエチル−2,4−ジメチルベンズアミドを2,6−ジメチルベンゾニトリルと反応させると、化合物34(黄色の固体、68%)が得られた。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 7.72 (d, 1H), 7.48 (s, 1H), 7.32 (d, 1H), 7.20-7.08 (m, 3H), 6.89 (s, 1H), 5.26 (s, 2H), 2.52 (s, 3H), 2.12 (s, 6H).
【0111】
6−メチル−3−m−トリルイソキノリン−1−アミン(化合物35)−N,N−ジエチル−2,4−ジメチルベンズアミドをm−トルニトリルと反応させると、化合物35(白色固体、89%)が得られた。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 9.36 (s, 2H), 8.44 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.83-7.79 (m, 2H), 7.55 (s, 1H), 7.46-7.39 (m, 2H), 7.28 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.14 (s, 1H), 2.57 (s, 3H), 2.46 (s, 3H).
【0112】
6−メチル−3−p−トリルイソキノリン−1−アミン(化合物36)−N,N−ジエチル−2,4−ジメチルベンズアミドをp−トルニトリルと反応させると、化合物36(白色固体、75%)が得られた。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 7.94 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.70 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.51 (s, 1H), 7.35 (s, 1H), 7.29-7.24 (m, 3H), 5.43 (s, 2H), 2.50 (s, 3H), 2.40 (s, 3H).
【0113】
3−(2−メトキシフェニル)−7−メチルイソキノリン−1−アミン(化合物37)−N,N−ジエチル−2,5−ジメチルベンズアミドを2−メトキシベンゾニトリルと反応させると、化合物37(黄色の固体、38%)が得られた。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 8.00 (s, 1H), 7.63-7.50 (m, 3H), 7.41 (m, 1H), 7.11 (s, 1H), 7.06-7.00 (m, 2H), 3.87(s, 3H), 2.50 (s, 3H).
【0114】
3−(3−メトキシフェニル)−7−メチルイソキノリン−1−アミン(化合物38)−N,N−ジエチル−2,5−ジメチルベンズアミドを3−メトキシベンゾニトリルと反応させると、化合物38(黄色の固体、92%)が得られた。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 7.74 (s, 1H), 7.61 (d, 1H), 7.54-7.45 (m, 3H), 7.37 (t, 1H), 7.29 (s, 1H), 6.93 (m, 1H), 3.89 (s, 3H), 2.49 (s, 3H).
【0115】
3−(4−メトキシフェニル)−7−メチルイソキノリン−1−アミン(化合物39)−N,N−ジエチル−2,5−ジメチルベンズアミドを4−メトキシベンゾニトリルと反応させると、化合物39(黄色の固体、54%)が得られた。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 7.97 (d, 2H), 7.63 (d, 1H), 7.58 (s, 1H), 7.46 (m, 1H), 7.35 (s, 1H), 6.97 (d, 2H), 3.86 (s, 3H), 2.51 (s, 3H).
【0116】
3−(4−エトキシフェニル)−7−メチルイソキノリン−1−アミン(化合物40)−N,N−ジエチル−2,5−ジメチルベンズアミドを4−エトキシベンゾニトリルと反応させると、化合物40(黄色の固体、67%)が得られた。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 7.97 (d, 2H), 7.62 (d, 1H), 7.54 (s, 1H), 7.43 (m, 1H), 7.36 (s, 1H), 6.96 (d, 2H), 5.26 (s, 2H), 4.06 (q, 2H), 2.49 (s, 3H), 1.43 (t, 3H).
【0117】
3−(2−フルオロフェニル)−7−メチルイソキノリン−1−アミン(化合物41)−N,N−ジエチル−2,5−ジメチルベンズアミドを2−フルオロベンゾニトリルと反応させると、化合物41(黄色の固体、79%)が得られた。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 8.05 (m, 1H), 7.67 (d, 1H), 7.57 (s, 1H), 7.56 (s, 1H), 7.48 (m, 1H), 7.31-7.06 (m, 3H), 5.17 (s, 2H), 2.52 (s, 3H).
【0118】
3−(4−メトキシ−2−メチルフェニル)−7−メチルイソキノリン−1−アミン(化合物42)−N,N−ジエチル−2,5−ジメチルベンズアミドを4−メトキシ−2−メチルベンゾニトリルと反応させると、化合物42(黄色の固体、90%)が得られた。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 7.93 (s, 2H), 7.57-7.55 (d, 2H), 7.32 (d, 1H), 6.82-6.78 (m, 3H), 3.82 (s, 3H), 2.53 (s, 3H), 2.36 (s, 3H).
【0119】
7−メチル−3−(2,6−ジメチルフェニル)イソキノリン−1−アミン(化合物43)−N,N−ジエチル−2,5−ジメチルベンズアミドを2,6−ジメチルベンゾニトリルと反応させると、化合物43(黄色の固体、68%)が得られた。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 7.63-7.46 (m, 3H), 7.19-7.08 (m, 3H), 6.93 (s, 1H), 5.17 (s, 2H), 2.54 (s, 3H), 2.12 (s, 6H).
【0120】
3−(3,4−ジメトキシフェニル)−7−メチルイソキノリン−1−アミン(化合物44)−N,N−ジエチル−2,5−ジメチルベンズアミドを3,4−ジメトキシベンゾニトリルと反応させると、化合物44(黄色の固体、46%)が得られた。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 7.80 (s, 1H), 7.62 (d, 1H), 7.55-7.46 (m, 3H), 7.19 (s, 1H), 6.94 (d, 1H), 4.02 (s, 1H), 3.93 (s, 3H), 2.52 (s, 3H).
【0121】
3−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−6−イル)−7−メチルイソキノリン−1−アミン(化合物45)−N,N−ジエチル−2,5−ジメチルベンズアミドをベンゾ[1,3]ジオキソール−5−カルボニトリルと反応させると、化合物45(黄色の固体、70%)が得られた。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 7.62-7.55 (m, 4H), 7.45 (m, 1H), 7.34 (s, 1H), 6.90 (m, 1H), 6.00 (s, 2H), 5.16 (s, 2H), 2.51 (s, 3H).
【0122】
3−(3,5−ジメトキシフェニル)−7−メチルイソキノリン−1−アミン(化合物46)−N,N−ジエチル−2,5−ジメチルベンズアミドを3,5−ジメトキシベンゾニトリルと反応させると、化合物46(黄色の固体、71%)が得られた。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 7.85 (s, 1H), 7.50 (d, 1H), 7.38 (d, 1H), 6.86 (d, 1H), 6.69-6.67 (d, 2H), 3.93 (s, 3H), 3.83 (s, 3H), 2.52 (s, 3H).
【0123】
3−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−7−メチルイソキノリン−1−アミン(化合物47)−N,N−ジエチル−2,5−ジメチルベンズアミドを3,4,5−トリメトキシベンゾニトリルと反応させると、化合物47(黄色の固体、95%)が得られた。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 7.66 (d, 1H), 7.57 (s, 1H), 7.48 (d, 1H), 7.40 (s, 1H), 7.29 (s, 2H), 3.96 (s, 6H), 3.89 (s, 3H), 2.52 (s, 3H).
【0124】
7−メチル−3−o−トリルイソキノリン−1−アミン(化合物48)−N,N−ジエチル−2,5−ジメチルベンズアミドをo−トルニトリルと反応させると、化合物48(黄色の固体、91%)が得られた。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 7.63-7.58 (m, 2H), 7.47-7.40 (m, 2H), 7.27-7.20 (m, 3H), 7.05 (s, 1H), 5.41 (s, 2H), 2.51 (s, 3H), 2.38 (s, 3H).
【0125】
7−メチル−3−m−トリルイソキノリン−1−アミン(化合物49)−N,N−ジエチル−2,5−ジメチルベンズアミドをm−トルニトリルと反応させると、化合物49(黄色の固体、97%)が得られた。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 7.82 (s, 1H), 7.78 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.63-7.58 (m, 2H), 7.43-7.32 (m, 3H), 7.17 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 5.86 (s, 2H), 2.47 (s, 3H), 2.42 (s, 3H).
【0126】
3−(5−メトキシ−2−メチルフェニル)−7−メチル−イソキノリン−1−アミン(化合物50)−N,N−ジエチル−2,5−ジメチルベンズアミドを5−メトキシ−2−メチルベンゾニトリルと反応させると、化合物50(黄色の固体、77%)が得られた。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 7.64-7.60 (m, 2H), 7.46 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.46 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.06 (s, 1H), 7.02 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 6.83 (dd, J = 8.1 Hz, J = 2.8 Hz, 1H), 5.41 (s, 2H), 3.81 (s, 3H), 2.52 (s, 3H), 2.31 (s, 3H).
【0127】
6,7−ジメトキシ−3−フェニルイソキノリン−1−アミン(化合物51)−N,N−ジエチル−4,5−ジメトキシ−2−メチルベンズアミドをベンゾニトリルと反応させると、化合物51(黄色の固体、71%)が得られた。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 7.97-7.95 (m, 2H), 7.45-7.30 (m, 4H), 7.05 (s, 1H), 6.94 (s, 1H), 5.29 (s, 2H), 3.94 (s, 3H), 3.82 (s, 3H).
【0128】
6,7−ジメトキシ−3−(3−メトキシフェニル)イソキノリン−1−アミン(化合物52)−N,N−ジエチル−4,5−ジメトキシ−2−メチルベンズアミドを3−メトキシベンゾニトリルと反応させると、化合物52(黄色の固体、60%)が得られた。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 7.53-7.46 (m, 2H), 7.30 (m, 1H), 7.22 (s, 1H), 7.18 (s, 1H), 6.90 (s, 1H), 6.88 (m, 1H), 3.92 (s, 3H), 3.89 (s, 3H), 3.82 (s, 3H).
【0129】
6,7−ジメトキシ−3−(2,6−ジメチルフェニル)イソキノリン−1−アミン(化合物53)−N,N−ジエチル−4,5−ジメトキシ−2−メチルベンズアミドを2,6−ジメチルベンゾニトリルと反応させると、化合物53(黄色の固体、56%)が得られた。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 7.23-7.07 (m, 4H), 7.01 (s, 1H), 6.90 (s, 1H), 5.07 (s, 2H), 4.03 (s, 3H), 4.02 (s, 3H), 2.12 (s, 6H).
【0130】
6,7−ジメトキシ−3−m−トリルイソキノリン−1−アミン(化合物54)−N,N−ジエチル−4,5−ジメトキシ−2−メチルベンズアミドを3−メチルベンゾニトリルと反応させると、化合物54(黄色の固体、43%)が得られた。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 8.93 (s, 2H), 7.92 (s, 1H), 7.68-7.64 (m, 2H), 7.37-7.20 (m, 2H), 7.11 (s, 1H), 7.07 (s, 1H), 3.98 (s, 3H), 3.97 (s, 3H), 2.38 (s, 3H).
【0131】
6,7−ジメトキシ−3−(3,5−ジメトキシフェニル)イソキノリン−1−アミン(化合物55)−N,N−ジエチル−4,5−ジメトキシ−2−メチルベンズアミドを3,5−ジメトキシベンゾニトリルと反応させると、化合物55(黄色の固体、48%)が得られた。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 7.38 (s, 1H), 7.24 (s, 1H), 7.21 (s, 1H), 7.06 (s, 1H), 7.04 (s, 1H), 6.49 (s, 1H), 5.10 (s, 2H), 4.00 (s, 3H), 3.98 (s, 3H), 3.86 (s, 6H).
【0132】
6,7−ジメトキシ−3−o−トリルイソキノリン−1−アミン(化合物56)−N,N−ジエチル−4,5−ジメトキシ−2−メチルベンズアミドを2−メチルベンゾニトリルと反応させると、化合物56(黄色の固体、68%)が得られた。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 7.45-7.03 (m, 7H), 5.01 (s, 2H), 4.02 (s, 3H), 4.02 (s, 3H), 2.40 (s, 3H).
【0133】
[医薬製剤]
以下では、式(D)の化合物又はその薬学的に許容される塩(以下では化合物X)を含有する、ヒトにおける治療的又は予防的な使用のための代表的な医薬品剤形を例示する。製剤は、製薬業界でよく知られている従来の手順によって実現することができ、その代表的な医薬品剤形に限定されない。
【0134】
1)錠剤(直接圧縮)
ふるいにかけた化合物X(5.0mg)を、ラクトース(14.1mg)、クロスポビドンUSNF(0.8mg)、及びステアリン酸マグネシウム(0.1mg)と混合する。混合物を圧縮して錠剤にする。
【0135】
2)錠剤(湿式法(Hydroassembly))
ふるいにかけた化合物X(5.0mg)を、ラクトース(16.0mg)、デンプン(4.0mg)、及びポリソルベート80(0.3mg)と混合する。純水を混合物に加え、混合物を溶解させた。混合物を粒子にし、粒子を乾燥させ、ふるいにかけ、コロイド状二酸化ケイ素(2.7mg)及びステアリン酸マグネシウム(2.0mg)と混合する。粒子を錠剤に圧縮する。
【0136】
3)粉末及びカプセル剤
ふるいにかけた化合物X(5.0mg)を、ラクトース(14.8mg)、ポリビニルピロリドン(10.0mg)、及びステアリン酸マグネシウム(0.2mg)と混合する。混合物を、適切な機器を使用してNo.5ゼラチンカプセルに詰める。
【0137】
4)注射
化合物X(100mg)、マンニトール(180mg)、及びNaHPO・12HO(26mg)を約2974mlの蒸留水に溶解させる。
【0138】
[生物学的試験]
1)癌細胞株の成長
5,6,又は7−置換−3−(ヘテロ)アリールイソキノリンアミン化合物の効果を判定するための癌細胞株は、以下の供給源から得た。アメリカ培養細胞系統保存機関(ATCC、American Type Culture Collection)(バージニア州マナッサス)からのヒトMDA−MB−231(乳房)、PC3(前立腺)、HCT−15(結腸)、HCT116(結腸)、OVCAR−3(卵巣)、Caki−1(腎臓)、PANC−1(膵臓)、SNB−19(膠芽細胞腫)、及びSK−MEL−28(黒色腫)。PC3、OVCAR−3、SK−MEL−28、及びSNB−19は、10%のウシ胎児血清(「FBS」、fetal bovine serum)、1mMのピルビン酸ナトリウム、10mMのHEPES、並びに100U/mlのペニシリンと100のμg/mlのストレプトマイシン(「P/S」)を補充したRPMI1640培地(Invitrogen、カリフォルニア州カールズバッド)中で成長させた。MDA−MB−231、Caki−1、HCT−15(結腸)、及びPANC−1細胞は、10%のFBS、P/S、及び10mMのHEPESを補充したダルベッコ変法イーグル培地(「DMEM」、Dulbecco's modified Eagle's medium、Invitrogen)で維持した。HCT116細胞は、インビトロ細胞増殖アッセイについては10%のFBS、P/S、及び10mMのHEPESを補充したDMEM中で、インビトロ細胞周期分析については10%のFBS、1mMのピルビン酸ナトリウム、10mMのHEPES、及びP/Sを補充したRPMI1640培地で維持した。すべての細胞は、加湿した5%CO中にて37℃でインキュベートした。
【0139】
2)ヒト腫瘍細胞株に対するインビトロ細胞増殖アッセイ
5,6,又は7−置換−3−(ヘテロ)アリールイソキノリンアミン誘導体の様々なヒト腫瘍細胞に対する増殖抑制を評価して、化合物上の特定の置換基の相対的な重要性を調査した。上述のように調製した5,6,又は7−置換−3−(ヘテロ)アリールイソキノリンアミン誘導体を、対照としてDMSOで試験した。
【0140】
代表的な5,6,又は7−置換−3−(ヘテロ)アリールイソキノリンアミン誘導体のヒト腫瘍細胞株に対する増殖抑制アッセイは、スルホローダミンB(「SRB」Sulforhodamine B)法(Skehan et al., J. National Cancer Institute, 82: 1107-1112 (1990))を使用して実施した。簡潔に述べると、指数関数的に成長している腫瘍細胞を、2〜3×10細胞/ウェルの密度で96ウェルプレートに播種し、5,6,又は7−置換−3−(ヘテロ)アリールイソキノリンアミン化合物で翌日に処理した。各処理に3通りのウェルを使用した。細胞を種々の化合物と共に、加湿した5%CO雰囲気中にて37℃で96時間インキュベートした。96時間インキュベートした後、細胞を10%のトリクロロ酢酸(「TCA」、trichloroacetic acid)で固定した、4℃で1時間インキュベートし、水道水で3回洗浄した。その後、細胞を1%酢酸中の0.4%スルホローダミンBで30分間染色し、1%の酢酸で4回洗浄し、再度風乾した。10mMのトリス溶液中で5分間撹拌した後、Benchmark Plus Microplate読取り装置(Bio-Rad Laboratories、カリフォルニア州Hercules)を使用して、各ウェルの吸光度を530nmで測定した。
【0141】
OD530値を各ウェル中の生細胞数に変換するために、OD530値を、各細胞株について作成した標準のOD530対細胞数曲線上の値と対照した。生存度(パーセント)は、次式を使用して算出した。
生存度(%)=生細胞数[試験]/生細胞数[対照]×100
IC50値は、非線形回帰分析によって算出した。
【0142】
QSAR及び医薬品化学技術を使用して、上の表1〜2に示す化合物を含む非常に多くの化合物が合成された。合成された化合物を、約1μMの濃度で少なくとも4種の癌細胞株、PANC−1、MDA−MB−231、HCT116、及びCaki−1に対してスクリーニングした。これらの細胞株の少なくとも1つにおいて活性を示す化合物を、新たなスクリーニング用に選択した。それらの化合物から、30種の化合物を選択して、以下の表3に示すように広域スペクトル抗増殖薬としてさらに評価した。
【0143】
表3
【表3】


【0144】
表3に示す本発明の5,6,又は7−置換−3−(ヘテロ)アリールイソキノリンアミン誘導体は、広範囲の腫瘍細胞株に対して活性を有する。化合物の多くは、IC50値によって決定される活性が、1μM、0.5μM、又は0.1μMよりも著しく小さい。表3にある化合物の中でも、化合物10、化合物13、化合物14、化合物15、化合物16、化合物21、化合物25、化合物28、化合物31、化合物34、化合物36、化合物42、化合物43、化合物45、化合物48、化合物50、化合物52などの17種の化合物は、ヒト癌細胞の増殖抑制において、韓国特許第0412319号明細書の特許請求の範囲に記載の化合物23、6−メチル−3−(2−メチルフェニル)−1−イソキノリンアミンと同等又はそれより良好な活性を示した。特に、化合物13及び化合物14は、試験した細胞株において化合物23の5〜13倍の活性を有する。表3からわかるように、試験した他の化合物の多くは、いくつかの細胞株でIC50<1μMであり、いくつかでIC50<0.3μMであった。2.0μM、1.5μM、1.0μM、又は0.5μM以下のIC50値は、有意な治療活性を表す。したがって、表3の化合物のIC50は、有意な治療活性を示す。
【0145】
3)インビトロの細胞周期分析
このアッセイを使用して、5,6,又は7−置換−3−(ヘテロ)アリールイソキノリンアミン化合物が細胞を細胞周期の特定の期で静止させる能力を測定した。薬物処理の前の日に、HCT116細胞を、10cmシャーレの10%FBS含有RPMI1640培地に50〜70%の飽和度で播き、次いで加湿した37℃のインキュベーターに入れて5%CO雰囲気中で終夜インキュベートした。翌日、DMSOに可溶化した適切な濃度の試験化合物を含むRPMI1640培地(10%FBS含有)をシャーレに加えた。化合物なしの対照処理も含まれた(0.25%DMSO)。次いで、細胞を12時間インキュベートし、7000rpmで5分間の遠心分離によって収集した。細胞ペレットを、0.1%のグルコース及び2%のFBSを含有する0.2mlのPBSに再懸濁した。その後、振盪しながら5mlの氷冷70%エタノールを滴下し、処理した細胞を−20℃で少なくとも30分間保存した。細胞を、2000rpmで5分間遠心分離し、0.1%のグルコース及び2%のFBSを含有する1mlのPBSで1回洗浄した。上清を除去した後、細胞を、0.1%のトリトンX100、40mMのクエン酸ナトリウム、pH7.4を含有する70μMのヨウ化プロピジウム(PI)溶液0.5mlに再懸濁した。RNaseを50μg/mlの最終濃度で加え、細胞を37℃で30分間インキュベートした。PIで染色した細胞を、PCA-AFP機器によって、その細胞周期ソフトウェアプログラム(Guava Technologies、カリフォルニア州ヘイワード)を使用して分析し、細胞周期のG1、S、及びG2/M期にある細胞の百分率として示した。以下の表4は、HCT116細胞を化合物14又は43で処理したときの細胞周期のパーセントの変化を示す。
【0146】
表4
【表4】

【0147】
4)パクリタキセル抵抗性のHCT−15ヒト直腸結腸癌細胞に対するインビトロ抗腫瘍効果
化合物13及び14を大腸癌細胞で試験し、その抗腫瘍活性をパクリタキセル(タキソール(登録商標))と比較した。表5に示すように、化合物13及び14は、インビトロで強力な抗増殖活性を示し、IC50値が両方の細胞で低ナノモル範囲にあり、パクリタキセル抵抗性のHCT−15直腸結腸癌細胞に対する抗腫瘍活性がパクリタキセルより高かった。IC50値を両方の大腸癌細胞で比較したとき、パクリタキセルは、HCT−15細胞でその活性が70分の1になったが、化合物13及び14は両方とも、依然としてこの細胞の成長を強力に抑制した。
【0148】
表5
【表5】

【0149】
5)エキソビボ異種移植研究
動物モデルにおいて腫瘍成長の抑制を観察するために、化合物13を利用して、ヌードマウスのエキソビボ異種移植研究を行った。0日目に、パクリタキセル抵抗性HCT15細胞懸濁液(0.2mlのRPMI中1×10細胞)を、6週齢の雌胸腺欠損マウス(BALB/c nu/nu)の右側腹部に皮下注射した。処置開始日に、可能な限り狭い体積範囲で試験用の腫瘍を選択するのに十分な数のマウスに、HCT15細胞懸濁液を注射した。適切なサイズ範囲の腫瘍を有する動物を種々の処置群に割り振った。パクリタキセルを陽性対照として使用した。化合物13及びパクリタキセルをPBS中の5%Cremophor及び5%エタノールに溶解させ、溶媒のみを媒体対照として利用した。すべての研究薬物(媒体対照、パクリタキセル:10mg/kg/日、化合物13:10mg/kg/日)は、腹腔内投与によって週3回与え、HCT15細胞の接種後10日目から出発し、29日目に終えた。腫瘍成長を定量化するために、腫瘍の垂直方向の3通りの直径を3〜5日毎にキャリパーで測定し、毒性についてはマウスの体重をモニターした。式:腫瘍体積(mm)=(幅)×(長さ)×(高さ)×π/6を使用して腫瘍体積を算出した。
【0150】
各群の動物の腫瘍体積(平均±SEM)を表5に示すが、腫瘍体積の測定値は、HCT15ヒト結腸癌異種移植片に対する化合物13の有効性の指標として示される。化合物13での処置では、死亡することなく十分に耐容性が示され、1g以下の体重変動しか認められなかった。29日目にヌードマウスにおいてHCT−15ヒト直腸結腸癌に対する抗腫瘍作用を測定した結果として、以下の表6に示すように、化合物13の抗腫瘍効力(69.2%抑制)が、対照薬物のパクリタキセル(48.8%抑制)より高いことがわかった。
【0151】
表6
【表6】

【0152】
本発明の新規な化合物は、5,6,又は7−置換−3−(ヘテロ)アリールイソキノリンアミン誘導体又はその薬学的に許容される塩であるが、これらの化合物は、強力な抗増殖性効果を有し、5,6,又は7−置換−3−(ヘテロ)アリールイソキノリンアミン化合物を投与することによる、癌を含めた過剰増殖性障害の治療に有用である。本明細書で例示し、論述した実施形態は、本発明を実施し、使用するための、発明者にわかっている最良の方法を当業者に教示するものにすぎない。本明細書では、本発明の範囲を限定するものはないと考えるべきである。提供する例はすべて、典型であり、非限定的である。上述の本発明の実施形態は、上記教示に照らして当業者に得心されるように、本発明から逸脱することなく改変し、又は様々に変更することができる。したがって、請求項及びその相当物の範囲内で、本発明を詳細に記載したものとは別な形で実施してもよいことは理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Dによる化合物又はその薬学的に許容される塩
【化1】

D
[式中、nは、0又は1であり、
Xは独立に、N、C、O、又はSであり、R、R、及びRは独立に、H、ハロゲン、NH、NHR、N(R、−O−R、又は−ORで置換されていてもよいRであり、
は、H、3,4−メチレンジオキシド、ハロゲン、−O−R、及び−O−Rで置換されていてもよいRからそれぞれ独立に選択される1又は2個の置換基であり、
はC−Cアルキルであり、
複数のR基が存在するとき、R基はそれぞれ、同じでも異なっていてもよく、
但し、この化合物は、(a)R=R=R=H、n=1、X=C、R=H、2−メチル、3−メチル、若しくは4−メチルである化合物、又は(b)R=R=H、R=メチル、n=1、X=C、R=H、2−メチル、若しくは3−メチルである化合物ではない]。
【請求項2】
以下の(a)〜(l)を含む群から選択される、請求項1に記載の化合物又はその塩。
(a)n=0、X=O又はSであり、R=R=R=R=Hである、
(b)n=1、X=N、R=R=R=R=Hである、
(c)n=1、X=C、R=R=R=Hであり、Rが、2−クロロ、3−クロロ、4−クロロ、3−メトキシ、3,4−ジメトキシ、及び3,4−メチレンジオキシドから選択される、
(d)n=1、X=C、R=R=H、R=クロロ、R=5−クロロ−2−メチルである、
(e)n=1、X=C、R=R=H、R=メトキシ、R=水素又は3,4−ジメトキシである、
(f)n=1、X=C、R=メチル、R=R=H、R=3,4−ジメトキシである、
(g)n=1、X=C、R=R=H、R=メチルであり、Rが、4−メチル、2−メトキシ、3−メトキシ、4−メトキシ、3,4−ジメトキシ、3,4−メチレンジオキシド、4−エトキシ、3,5−ジメトキシ、4−メトキシ−2−メチル、3,4,5−トリメトキシ、2−フルオロ、及び2,6−ジメチルから選択される、
(h)n=1、X=C、R=R=H、R=メチルであり、Rが、2−メチル、3−メチル、2−メトキシ、3−メトキシ、4−メトキシ、4−エトキシ、2−フルオロ、4−メトキシ−2−メチル、5−メトキシ−2−メチル、2,6−ジメチル、3,4−ジメトキシ、3,4−メチレンジオキシド、3,5−ジメトキシ、及び3,4,5−トリメトキシから選択される、
(i)n=1、X=C、R=ジメチルアミノ、R=R=Hであり、Rが、水素、2−メチル、3,4−ジメトキシ、及び2,6−ジメチルから選択される、
(j)n=1、X=C、R=R=H、R=ジメチルアミノ、R=3−メトキシである、
(k)n=1、X=C、R=H、R=R=メトキシ、R=水素、2−メチル、3−メチル、2,6−ジメチル、3−メトキシ、又は3,5−ジメトキシである、並びに
(l)n=1、X=C、R=R=H、R=ジメチルアミノであり、Rが、3−メトキシ、3−メチル、3,4−ジメトキシ、及び3,5−ジメトキシから選択される
【請求項3】
以下の(a)〜(f)を含む群から選択される、請求項1に記載の化合物又はその塩。
(a)n=1、X=C、R=R=R=H、R=クロロ、R=5−クロロ−2−メチルである、
(b)n=1、X=C、R=R=H、R=メチルであり、Rが、4−メチル、3−メトキシ、4−メトキシ−2−メチル、2,6−ジメチル、及び3,4−メチレンジオキシドから選択される、
(c)n=1、X=C、R=R=H、R=ジメチルアミノ、R=3−メトキシである、
(d)n=1、X=C、R=H、R=R=メトキシ、R=3−メトキシである、
(e)n=1、X=C、R=R=H、R=ジメチルアミノであり、Rが、3−メトキシ、3−メチル、3,4−ジメトキシ、及び3,5−ジメトキシから選択される、並びに
(f)n=1、X=C、R=R=H、R=メチルであり、Rが、2−メチル、4−メトキシ−2−メチル、5−メトキシ−2−メチル、2,6−ジメチル、及び3,4−メチレンジオキシドから選択される
【請求項4】
以下の(a)〜(c)を含む群から選択される、請求項1に記載の化合物又はその塩。
(a)n=1、X=C、R=R=H、R=ジメチルアミノ、R=3−メトキシである、
(b)n=1、X=C、R=R=H、R=ジメチルアミノであり、Rが、3−メトキシ、3−メチル、及び3,5−ジメトキシから選択される、
(c)n=1、X=C、R=R=H、R=メチルであり、Rが、2−メチル、4−メトキシ−2−メチル、5−メトキシ−2−メチル、及び2,6−ジメチルから選択される
【請求項5】
以下を含む群から選択される、請求項1に記載の化合物又はその塩。
n=1、X=C、R=R=H、R=ジメチルアミノであり、Rが、3−メトキシ及び3−メチルから選択される
【請求項6】
乳房腫瘍、前立腺腫瘍、結腸腫瘍、卵巣腫瘍、腎臓腫瘍、膵臓腫瘍、膠芽細胞腫、及び黒色腫から選択される1種の腫瘍の、少なくとも1つの細胞株に関するIC50が0.2μM以下である、請求項1に記載の化合物又はその塩。
【請求項7】
細胞株が、ヒトMDA−MB−231、PC3、HCT116、HCT−15、OVCAR−3、Caki−1、PANC−1、SNB−19、及びSK−MEL−28から選択される、請求項6に記載の化合物又は塩。
【請求項8】
乳房腫瘍、前立腺腫瘍、結腸腫瘍、卵巣腫瘍、腎臓腫瘍、膵臓腫瘍、膠芽細胞腫、及び黒色腫から選択される1種の腫瘍の、少なくとも1つの細胞株に関するIC50が0.1μM以下である、請求項1に記載の化合物又はその塩。
【請求項9】
細胞株が、ヒトMDA−MB−231、PC3、HCT116、HCT−15、OVCAR−3、Caki−1、PANC−1、SNB−19、及びSK−MEL−28から選択される、請求項8に記載の化合物又は塩。
【請求項10】
治療有効量の請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体又は希釈剤とを含む医薬組成物。
【請求項11】
式Dによる化合物又はその薬学的に許容される塩を含む組成物の投与を含む、高増殖性疾患の治療方法
【化2】


[式中、nは、0又は1であり、
Xは独立に、N、C、O、又はSであり、R、R、及びRは独立に、H、ハロゲン、NH、NHR、N(R、−O−R、又は−ORで置換されていてもよいRであり、
は、H、3,4−メチレンジオキシド、ハロゲン、−O−R、及び−O−Rで置換されていてもよいRから選択される1又は2個の置換基であり、
は、C−Cアルキルであり、
複数のR基が存在するとき、R基はそれぞれ、同じでも異なっていてもよく、
但し、この化合物は、(a)R=R=R=H、n=1、X=C、R=H、2−メチル、3−メチル、若しくは4−メチルである化合物、又は(b)R=R=H、R=メチル、n=1、X=C、R=H、2−メチル、若しくは3−メチルである化合物ではない]。
【請求項12】
化合物又はその塩が、以下の(a)〜(l)を含む群から選択される、請求項11に記載の方法。
(a)n=0、X=O又はS、R=R=R=R=Hである、
(b)n=1、X=N、R=R=R=R=Hである、
(c)n=1、X=C、R=R=R=Hであり、Rが、2−クロロ、3−クロロ、4−クロロ、3−メトキシ、3,4−ジメトキシ、及び3,4−メチレンジオキシドから選択される、
(d)n=1、X=C、R=R=H、R=クロロ、R=5−クロロ−2−メチルである、
(e)n=1、X=C、R=R=H、R=メトキシ、R=水素又は3,4−ジメトキシである、
(f)n=1、X=C、R=メチル、R=R=H、R=3,4−ジメトキシである、
(g)n=1、X=C、R=R=H、R=メチルであり、Rが、4−メチル、2−メトキシ、3−メトキシ、4−メトキシ、3,4−ジメトキシ、3,4−メチレンジオキシド、4−エトキシ、3,5−ジメトキシ、4−メトキシ−2−メチル、3,4,5−トリメトキシ、2−フルオロ、及び2,6−ジメチルから選択される、
(h)n=1、X=C、R=R=H、R=メチルであり、Rが、2−メチル、3−メチル、2−メトキシ、3−メトキシ、4−メトキシ、4−エトキシ、2−フルオロ、4−メトキシ−2−メチル、5−メトキシ−2−メチル、2,6−ジメチル、3,4−ジメトキシ、3,4−メチレンジオキシド、3,5−ジメトキシ、及び3,4,5−トリメトキシから選択される、
(i)n=1、X=C、R=ジメチルアミノ、R=R=Hであり、Rが、水素、2−メチル、3,4−ジメトキシ、及び2,6−ジメチルから選択される、
(j)n=1、X=C、R=R=H、R=ジメチルアミノ、R=3−メトキシである、
(k)n=1、X=C、R=H、R=R=メトキシ、R=水素、2−メチル、3−メチル、2,6−ジメチル、3−メトキシ、又は3,5−ジメトキシである、並びに
(l)n=1、X=C、R=R=H、R=ジメチルアミノであり、Rが、3−メトキシ、3−メチル、3,4−ジメトキシ、及び3,5−ジメトキシから選択される
から選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
化合物又はその塩が、以下の(a)〜(f)を含む群から選択される、請求項11に記載の方法。
(a)n=1、X=C、R=R=R=H、R=クロロ、R=5−クロロ−2−メチルである、
(b)n=1、X=C、R=R=H、R=メチルであり、Rが、4−メチル、3−メトキシ、4−メトキシ−2−メチル、2,6−ジメチル、及び3,4−メチレンジオキシドから選択される、
(c)n=1、X=C、R=R=H、R=ジメチルアミノ、R=3−メトキシである、
(d)n=1、X=C、R=H、R=R=メトキシ、R=3−メトキシである、
(e)n=1、X=C、R=R=H、R=ジメチルアミノであり、Rが、3−メトキシ、3−メチル、3,4−ジメトキシ、及び3,5−ジメトキシから選択される、並びに
(f)n=1、X=C、R=R=H、R=メチルであり、Rが、2−メチル、4−メトキシ−2−メチル、5−メトキシ−2−メチル、2,6−ジメチル、及び3,4−メチレンジオキシドから選択される
【請求項14】
化合物又はその塩が、以下の(a)〜(c)を含む群から選択される、請求項11に記載の方法。
(a)n=1、X=C、R=R=H、R=ジメチルアミノ、R=3−メトキシである、
(b)n=1、X=C、R=R=H、R=ジメチルアミノであり、Rが、3−メトキシ、3−メチル、及び3,5−ジメトキシから選択される、並びに
(c)n=1、X=C、R=R=H、R=メチルであり、Rが、2−メチル、4−メトキシ−2−メチル、5−メトキシ−2−メチル、及び2,6−ジメチルから選択される
から選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
化合物又はその塩が、以下を含む群から選択される請求項11記載の方法。
n=1、X=C、R=R=H、R=ジメチルアミノであり、Rが、3−メトキシ及び3−メチルから選択される
【請求項16】
高剰増殖性疾患が腫瘍を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
腫瘍が、乳房腫瘍、前立腺腫瘍、結腸腫瘍、卵巣腫瘍、腎臓腫瘍、膵臓腫瘍、膠芽細胞腫、及び黒色腫から選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
化合物又はその塩を、必要に応じて連結剤を介してターゲティング部分にコンジュゲートさせる、請求項11に記載の方法。

【公表番号】特表2010−510217(P2010−510217A)
【公表日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−537215(P2009−537215)
【出願日】平成19年11月16日(2007.11.16)
【国際出願番号】PCT/US2007/024041
【国際公開番号】WO2008/063548
【国際公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願人】(509131395)レグザン ファーマシューティカルズ,インク. (1)
【氏名又は名称原語表記】REXAHN PHARMACEUTICALS, INC.
【Fターム(参考)】