説明

抗菌剤組成物

【課題】繊維製品や硬質表面を含む製品に対して優れた抗菌作用を呈する抗菌剤組成物を提供する。
【解決手段】下記一般式(I)で表される化合物(A)、界面活性剤(B)、並びに、次亜塩素酸及び/又は次亜塩素酸塩及び/又は水中で次亜塩素酸を放出する化合物(C)を含有し、(A)成分と(B)成分の重量比率が、(A)成分の重量/(B)成分の重量で2以下である、抗菌剤組成物。
R−OH (I)
(式中、Rは炭素数8〜14の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗菌剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
我々の身の回りにある繊維製品や硬質表面を有する製品は洗浄を行っても、例えば、繊維製品であれば少し時間が経つとニオイが発生し、又、硬質表面を有するシンク、風呂、洗面台やこれらの周辺などではあまり時間が経たないうちにヌメリやいやなニオイが発生するようになる。これらのヌメリやニオイは菌由来のものが多く、普段の洗濯や洗浄行為を行っても漂白剤や除菌成分を含む洗剤を使用しても十分に落としきれず、時間とともにまたヌメリやニオイが発生する。特許文献1には、医療用器具の洗浄に適した、漂白剤と非イオン性界面活性剤を含有する抗菌性の洗浄剤組成物が開示されている。
【特許文献1】特開2001−72996号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
繊維製品や硬質表面における経時で発生するヌメリやニオイは、繊維表面や内部、硬質表面に菌類が残存し、増殖し、その過程で代謝によって産出する化学物質に起因しているものと考えられる。従来、多様な汚れに対して、種々の界面活性剤が用いられる。特許文献1は、汚れ除去に対しては界面活性剤が、また、洗浄水に浮遊してきた菌の殺菌に対しては漂白剤が、それぞれ効果的であると考えられるが、繊維製品の繊維中や比較的入り組んだ形状からなる硬質表面を有する製品等に付着した菌類に対しては効果が及びにくいものと考えられる。
【0004】
本発明の課題は、繊維製品や硬質表面製品の洗浄過程において、繊維製品の繊維中や、硬質表面を有する製品の比較的入り組んだ箇所等に付着した菌類に対しても優れた抗菌作用を呈する抗菌剤組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、下記一般式(I)で表される化合物(A)〔以下、(A)成分という〕、界面活性剤(B)〔以下、(B)成分という〕、並びに、次亜塩素酸、次亜塩素酸塩及び水中で次亜塩素酸を放出する化合物から選ばれる1種以上の化合物(C)〔以下、(C)成分という〕を含有し、(A)成分と(B)成分の重量比率が、(A)成分の重量/(B)成分の重量で2以下である、抗菌剤組成物に関する。
R−OH (I)
(式中、Rは炭素数8〜14の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示す。)
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ヌメリやニオイの原因となる菌を減少させることができ、繊維製品や硬質表面に対して優れた抗菌効果を示す抗菌剤組成物が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
<(A)成分>
(A)成分は、上記一般式(I)で表される化合物であり、Rの炭素数は8〜14が好ましい。また、Rは、直鎖、分岐鎖のうち直鎖が好ましい。本発明では、(C)成分の存在下、(A)成分と(B)成分を特定比率で用いることで、優れた抗菌効果が得られることを見出したものである。
【0008】
<(B)成分>
本発明で用いる(B)成分の界面活性剤としては、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤及び両性界面活性剤からなる群より選ばれる1種以上が挙げられる。これらの界面活性剤は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0009】
陰イオン性界面活性剤としては特に限定されないが、下記のものを挙げることができる。
【0010】
(1)直鎖又は分岐鎖アルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸塩類であって、アルキル基の平均炭素数が8〜18のもの。
【0011】
(2)ポリオキシアルキレン基を有する陰イオン性界面活性剤であって、ポリオキシアルキレンエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルケニルアリールエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンモノ−又はジアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシアルキレンモノ−又はジアルケニルエーテルリン酸塩、ポリオキシアルキレンモノ−又はジフェニルエーテルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル酢酸塩、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル酢酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルアミドエーテルカルボン酸塩、ポリオキシアルキレンアルケニルアミドエーテルカルボン酸塩等。
【0012】
これらの陰イオン性界面活性剤におけるアルキル基又はアルケニル基としては、炭素数4〜26のものが好ましく、炭素数8〜24のものが特に好ましい。また、これらのアルキル基又はアルケニル基は直鎖でも分岐鎖でもよい。また、上記陰イオン性界面活性剤におけるポリオキシアルキレン基としては、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基、ポリオキシブチレン基を挙げることができるが、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基が好ましい。また、ポリオキシアルキレン基の付加モル数は、好ましくは1〜20であり、特に好ましくは1〜10である。さらに、上記陰イオン性界面活性剤における塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、モノ−、ジ−又はトリエタノールアミン等のアルカノールアミン等を挙げることができる。
【0013】
(3)アルキル又はアルケニル硫酸塩であって、アルキル基又はアルケニル基の平均炭素数が8〜20のもの。
【0014】
(4)オレフィンスルホン酸塩類であって、平均10〜20の炭素原子を有するもの。
【0015】
(5)アルカンスルホン酸塩類であって、平均10〜20の炭素原子を有するもの。
【0016】
(6)飽和又は不飽和脂肪酸塩類であって、平均10〜24の炭素原子を有するもの。
【0017】
(7)下記の一般式(II)で表されるα−スルホ脂肪酸塩類又はα−スルホ脂肪酸エステル類。
【0018】
【化1】

【0019】
〔式中、Yは炭素数1〜3のアルキル基又は対イオンを示し、Zは対イオンを示し、R1は炭素数10〜20のアルキル基又はアルケニル基を示す。〕
ここで陰イオン性界面活性剤の対イオンとしては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属イオン等を挙げることができる。
【0020】
(8)一般式(III)で表されるジフェニルエーテルジスルホン酸型陰イオン性界面活性剤。
【0021】
【化2】

【0022】
〔式中、R2、R3は、炭素数6〜22の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基又は水素原子を示し(ただし、R2、R3は両方が水素原子となることはない)、M及びM’は、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム基又はアルカノール置換アンモニウム基を示す〕
【0023】
陰イオン性界面活性剤としては上記したものの中でも、洗浄力及び洗浄後の仕上がり性の面から、(1)、(2)、(3)、(6)及び(8)が好ましい。また、(2)の中でも、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル酢酸塩、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル酢酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルアミドエーテルカルボン酸塩、ポリオキシアルキレンアルケニルアミドエーテルカルボン酸塩が特に好ましい。ここで、ポリオキシアルキレンアルキルアミドエーテルカルボン酸塩及びポリオキシアルキレンアルケニルアミドエーテルカルボン酸塩としては、下記の一般式(IV)で表されるアミドエーテルカルボン酸塩を挙げることができる。
【0024】
【化3】

【0025】
〔式中、R4は、炭素数5〜21の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、x及びyは、それぞれ独立に平均付加モル数0〜20であり、且つ、1≦x+y≦20であり、Aは(C24O)k(C36O)jCH2COOM、(C24O)k(C36O)jCH2CH2OH、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示し、k及びjは、それぞれ独立に平均付加モル数0〜20であり、且つ、0≦k+j≦20であり、M及びM’は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基又はアルカノール置換アンモニウム基を示す。〕
【0026】
また、上記のアミドエーテルカルボン酸塩には、製造中間体である、一般式(IV)に−CH2COOMが付加していない化合物が若干量混入している場合があるが、このような混合物を使用してもよい。
【0027】
さらに好ましい陰イオン性界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレン(エチレンオキサイド平均付加モル数1〜10)アルキル(炭素数8〜24)エーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン(エチレンオキサイド平均付加モル数1〜10)アルキル(炭素数8〜24)エーテル酢酸塩、ポリオキシエチレン(エチレンオキサイド平均付加モル数1〜10)アルキル(炭素数8〜24)アミドエーテルカルボン酸塩、アルキル(炭素数8〜20)硫酸塩を挙げることができる。
【0028】
非イオン性界面活性剤としては特に限定されないが、ポリオキシエチレンアルキル又はアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキル又はアルケニルエーテル、ポリオキシブチレンアルキル又はアルケニルエーテル、アルキレンオキシド付加アルキル基又はアルケニル基含有非イオン性界面活性剤混合物、蔗糖脂肪酸エステル、脂肪族アルカノールアミド、脂肪酸グリセリンモノエステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、酸化エチレン縮合型界面活性剤及びアルキルグリコシドの中から選ばれる1種又は2種以上が好ましい。かかる非イオン性界面活性剤をさらに具体的に示すと以下の(1)〜(11)を挙げることができる。
【0029】
(1)ポリオキシエチレンアルキル又はアルケニルエーテル類であって、アルキル基又はアルケニル基の平均炭素数が10〜20であり、エチレンオキサイド付加モル数が平均で1〜30モルであるもの。
【0030】
(2)ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類であって、アルキル基の平均炭素数が6〜12であり、エチレンオキサイド付加モル数が平均で1〜25モルであるもの。
【0031】
(3)ポリオキシプロピレンアルキル又はアルケニルエーテル類であって、アルキル基又はアルケニル基の平均炭素数が10〜20であり、プロピレンオキサイド付加モル数が平均で1〜20モルであるもの。
【0032】
(4)ポリオキシブチレンアルキル又はアルケニルエーテル類であって、アルキル基又はアルケニル基の平均炭素数が10〜20であり、ブチレンオキサイド付加モル数が平均で1〜20モルであるもの。
【0033】
(5)アルキル基又はアルケニル基を有し、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイド(モル比:0.1/9.9〜9.9/0.1)及び又はエチレンオキサイドとブチレンオキサイド(モル比:0.1/9.9〜9.9/0.1)が付加されてなる非イオン性界面活性剤混合物であって、アルキル基又はアルケニル基の平均炭素数が10〜20であり、1分子当たりのアルキレンオキサイドの総付加モル数が平均で1〜30モルであるもの。
【0034】
(6)下記の一般式(V)で表される高級脂肪酸アルカノールアミド類又はそのアルキレンオキサイド付加物。
【0035】
【化4】

【0036】
〔式中、R5は炭素数10〜20のアルキル基又はアルケニル基を示し、R6、R7は同一又は異なる水素原子又はCH3を示し、pは1〜3の数、qは0〜3の数を示す。〕
【0037】
(7)蔗糖脂肪酸エステル類であって、脂肪酸部分の平均炭素数が10〜20であるもの。
【0038】
(8)ポリグリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸グリセリンモノエステル類であって、脂肪酸部分の平均炭素数が10〜20であり、グリセリン単位は、1〜20であるもの。
【0039】
(9)酸化エチレン及び酸化プロピレンを縮合して得られる「プルロニック」(旭電化(株))の商品名の非イオン性界面活性剤。
【0040】
(10)アルキル多糖類。例えば、下記の一般式(VI)で表されるアルキル多糖類。
8(OR9x1y1 (VI)
〔式中、R8は、直鎖又は分岐鎖の総炭素数8〜18のアルキル基、アルケニル基又はアルキルフェニル基を示し、R9は炭素数2〜4のアルキレン基を示し、Gは炭素数5〜6を有する還元糖に由来する残基を示し、x1(平均値)は0〜5を示し、y1(平均値)は1〜5を示す。〕
【0041】
式(VI)中のx1はその平均値が0〜5であるが、この値を変えることにより、洗浄剤組成物の水溶性及び結晶性を調整できる。つまり、x1の値が大きいもの程、水溶性が高くなり、かつ結晶性が低くなる傾向にある。好ましいx1の値は0〜2であり、特に好ましくは0である。
【0042】
式(VI)中のy1は、その平均値が1より大きい場合、つまり2糖類以上の糖鎖を親水性基とする場合、糖鎖の結合様式が1−2、1−3、1−4、1−6結合のもの、さらにα−、β−ピラノシド結合又はフラノシド結合及びこれらの混合された結合様式を有する任意の混合物を含むことが可能である。また、一般式(VI)中のy1の平均値は1〜5、好ましくは1〜1.5、より好ましくは1.1〜1.4である。なお、y1の測定値はプロトンNMR法によるものである。
【0043】
式(VI)中のR8は、溶解性及び洗浄性の点から炭素数10〜14のアルキル基が好ましい。R9は、水溶性の点から炭素数2〜3のアルキレン基が好ましい。
【0044】
式(VI)中のGは単糖類若しくは2糖類以上の原料によってその構造が決定されるが、このGの原料としては、単糖類ではグルコース、フルクトース、ガラクトース、キシロース、マンノース、リキソース、アラビノース、ソルビタン、ソルビトール及びこれらの混合物等を挙げることができ、2糖類以上ではマルトース、キシロビオース、イソマルトース、セロビオース、ゲンチビオース、ラクトース、スクロース、ニゲロース、ツラノース、ラフィノース、ゲンチアノース、メレジトース及びこれらの混合物等を挙げることができる。これらのうち、好ましい原料は、それらの入手容易性及びコストの点から、単糖類ではグルコース及びフルクトースであり、2糖類以上ではマルトース及びスクロースである。これらの中でも特に入手容易性の点からグルコースが好ましい。
【0045】
さらに、次の一般式(VII)
【0046】
【化5】

【0047】
〔式中、R10は炭素数6〜24のアルキル基である。〕
で表されるアルキルメチルグルカミド、ペンタエリスリトール・イソステアリルグリシジルエーテルの1モル付加体、ソルビトール・イソステアリルグリシジルエーテルの1モル付加体、マンニトール・2−オクチルドデシルグリシジルエーテルの1モル付加体、メチルグルコシド・イソステアリルグリシジルエーテルの1モル付加体、ジグリセリン・イソステアリルグリシジルエーテルの1モル付加体、フィタントリオール等の1分子中に少なくとも1個の長鎖分岐アルキル基又はアルケニル基及び少なくとも3個の水酸基を有する非イオン性界面活性剤を挙げることができる。
【0048】
これらの非イオン性界面活性剤の中でも(1)、(8)、及び(10)の非イオン性界面活性剤が好ましく、(1)及び(10)の非イオン性界面活性剤が特に好ましい。
【0049】
両性界面活性剤としては特に限定されないが、アミンオキサイド類、ベタイン類から選ばれる1種又は2種以上を挙げることができる。
【0050】
(1)アミンオキサイド類。例えば炭素数1〜24の直鎖又は分岐鎖アルキル基又はアルケニル基を有するアルキル又はアルケニルアミンオキサイドを挙げることができる。より好ましいアミンオキサイドとしては、下記の一般式(VIII)で表されるアルキルアミンオキサイドを挙げることができる。
【0051】
【化6】

【0052】
〔式中、R11は炭素数8〜24のアルキル基又はアルケニル基を示し、R12及びR13は同一又は異なる炭素数1〜3のアルキル基を示し、Dは−NHC(=O)−基又は−C(=O)NH−基を示し、Eは炭素数1〜5のアルキレン基を示し、a及びbはa=0かつb=0又はa=1かつb=1を示す。〕
【0053】
上記一般式(VII)において、R11は炭素数8〜24のアルキル基又はアルケニル基であるが、特に炭素数12〜18のアルキル基が好ましい。R12、R13は炭素数1〜3のアルキル基であるが、特に炭素数1のメチル基が好ましい。
【0054】
(2)ベタイン類。本発明においては下記の一般式(IX)、(X)、(XI)及び(XII)で表されるベタイン類から選ばれる1種又は2種以上を挙げることができる。
【0055】
【化7】

【0056】
〔式中、R14は炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、R15、R16は同一又は異なって水酸基が置換していてもよい炭素数1〜5のアルキル基を示し、R17は炭素数7〜21の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、Yは水素原子又は水酸基を示し、r、s、tは1〜3の数を示し、uは1〜5の数を示し、vは1以上の数を示し、w、xは、0≦w+x≦4である数を示す。〕
【0057】
一般式(IX)中、R14は洗浄力の点で炭素数8〜18の飽和アルキル基が好ましく、特に炭素数10〜16の飽和アルキル基が好ましい。同様の理由で、R15、R16はそれぞれメチル基、エチル基又はヒドロキシエチル基が好ましく、rは1が好ましい。
【0058】
一般式(X)中、R14は洗浄力の点で炭素数8〜18の飽和アルキル基が好ましく、特に炭素数10〜16の飽和アルキル基が好ましい。同様の理由で、R15、R16はそれぞれメチル基、エチル基又はヒドロキシエチル基が好ましく、sは1が好ましく、tは1が好ましい。
【0059】
一般式、(XI)及び(XII)中、R17は洗浄力の点で炭素数9〜15の飽和アルキル基が好ましい。同様の理由で、R15、R16はそれぞれメチル基、エチル基又はヒドロキシエチル基が好ましく、uは2又は3が好ましく、vは1が好ましく、wは1が好ましく、xは1が好ましい。これらの具体例として、アルキルアミドプロピル−N,N−ジメチル酢酸ベタイン、アルキルアミドプロピル−N,N−ジメチル−2−ヒドロキシプロピルスルホベタイン、アルキルアミドプロピル−N,N−ジメチル−プロピルスルホベタイン等を挙げることができる。これらの中でも、洗浄力、起泡力の点で、ラウリン酸アミドプロピル−N,N−ジメチル酢酸ベタイン、ミリスチン酸アミドプロピル−N,N−ジメチル酢酸ベタイン、コカミドアミドプロピル−N,N−ジメチル酢酸ベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン、ラウリン酸アミドプロピル−N,N−ジメチル−2−ヒドロキシプロピルベタイン等が好ましい。
【0060】
これらの両性界面活性剤の中でも(1)の両性界面活性剤が好ましい。
【0061】
(B)成分としては、上記したものの中でも洗浄性の点から非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤が好ましく、特に非イオン性界面活性剤が好ましい。
【0062】
<(C)成分>
本発明の(C)成分は、次亜塩素酸、次亜塩素酸塩及び水中で次亜塩素酸を放出する化合物から選ばれる1種以上の化合物である。次亜塩素酸塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩が挙げられ、なかでもナトリウム塩が好ましい。水中で次亜塩素酸を放出する化合物としては、ジクロロイソシアヌル酸が挙げられる。(C)成分としては、次亜塩素酸塩、更に次亜塩素酸ナトリウムが好ましい。
【0063】
<抗菌剤組成物>
本発明の抗菌剤組成物は、(A)成分と(B)成分の重量比率が、(A)成分の重量/(B)成分の重量で2以下である。好ましくは0.01〜2、より好ましくは0.05〜2、より更に好ましくは0.05〜1、特に好ましくは0.05〜0.5である。この範囲で優れた抗菌効果が得られる。
【0064】
なお、上記の通り、(A)成分は(B)成分の非イオン界面活性剤であるポリオキシエチレンアルキル又はアルケニルエーテル中に存在し得るが、(B)成分として(A)成分を含むような非イオン界面活性剤を用いる場合、当該非イオン界面活性剤中の(A)成分に該当する化合物は(A)成分として取り扱う。従って、このようなポリオキシエチレンアルキル又はアルケニルエーテル中(A)成分に該当する化合物の重量比と、それ以外の化合物の重量比が上記の(A)成分と(B)成分の重量比率を満たすものは、(A)成分と(B)成分の混合物としてそのまま使用することができる。
【0065】
上記の重量比率を満たした上で、本発明の抗菌剤組成物は、(A)成分を0.01〜10重量%、更に0.1〜10重量%、より更に0.5〜5重量%含有することが好ましい。また、(B)成分を0.01〜30重量%、更に0.01〜20重量%、より更に1〜20重量%含有することが好ましい。また、(C)成分を次亜塩素酸として0.1〜10重量%、更に0.01〜5重量%、より更に0.5〜5重量%含有することが好ましい。
【0066】
また、(A)成分と(C)成分(ただし次亜塩素酸として)の重量比率は、(A)成分の重量/(C)成分の重量で0.01〜1が好ましく、更に0.02〜1、より更に0.03〜1が好ましい。
【0067】
本発明の抗菌剤組成物は、(A)成分〜(C)成分を混合した粉末状態、成形されたペレット状態、ペースト状態で使用できるが、残部として更に水を含有する液体組成物、好ましくは水溶液とする事ができる。保存安定性の上で、微量に存在する金属イオンなどを除去したイオン交換水や蒸留水が好ましい。液体組成物の場合、水の含有量は抗菌剤組成物中50〜99重量%、更に70〜99重量%が好ましい。
【0068】
本発明の抗菌剤組成物は、上記(A)成分〜(C)成分以外に以下の成分を含有する事ができる。
【0069】
本発明の抗菌剤組成物には他の殺菌剤や抗菌剤を併用することも可能である。繊維製品や硬質表面においては、菌類が産生する分泌物等によって殺菌剤が効きにくい状態が起こる事がある。本発明の抗菌剤組成物はこのような分泌物の洗浄或いは産生抑制等により、(A)成分の効果が十分に発揮され、また、他の殺菌剤や抗菌剤を併用した場合にも、優れた殺菌、抗菌効果を得ることができる。
【0070】
上記の殺菌剤や抗菌剤としては、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ジデシルジメチルアンモニウム、塩化セチルピリジニウム、塩酸クロルヘキシジン等の四級塩、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸ポリヘキサメチレンビグアニジン、トリクロサン、イソプロピルメチルフェノール、トリクロロカルバニリド、エタノール、イソプロピルアルコール等が挙げられる。
【0071】
本発明の抗菌剤組成物には、その粘度を上昇させて対象物への付着性を向上させるために、増粘剤を用いることも可能である。
【0072】
更に、本発明の抗菌剤組成物にはキレート剤を加えてもよい。該キレート剤としては、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、コハク酸、サリチル酸、シュウ酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、グルコン酸、トリポリリン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、ポリアクリル酸、アクリル酸/マレイン酸共重合物及びそれらの塩が挙げられる。
【0073】
本発明の抗菌剤組成物は水溶液、すなわち水性組成物として用いることが好ましい。水性組成物では、(A)成分の重量濃度が0.1〜10重量%である水溶液とするのが好ましい。
【0074】
本発明の水性抗菌剤組成物の20℃におけるpHは、6〜14、更に8〜13.5が好ましい。本発明の水性抗菌剤組成物のpHは、20℃の該組成物を(株)堀場製作所製pHメーターF52、pH電極6367−S004を用いて測定する事ができる。又、該組成物のpHは、pH調整剤を用いて調整することができる。pH調整剤としては塩酸、硫酸、燐酸や有機酸などを酸剤として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどをアルカリ剤として用いることが出来る。
【0075】
本発明の水性抗菌剤組成物の20℃における粘度は、3〜100mPa・s、更に3〜50mPa・sが好ましい。本発明の水性抗菌剤組成物の粘度は、20℃の該組成物を(株)東京計器製B型粘度計(形式BM)、ローターNo.1を用いて測定することができる。又、該組成物の粘度は、(A)成分の重量濃度を0.1〜10重量%の範囲で適宜設定する事によって調整することができる。
【0076】
本発明の抗菌剤組成物は、硬質表面用、繊維製品用として好適である。硬質表面は、プラスチック、ゴム、金属、タイル、レンガ、コンクリート、セメント、ガラス、木等からなる床、階段、壁等の固定物のほか、それらからなる各種器械、器具、道具、家具、食器等の人が接触するもの全般における硬質表面を挙げることができる。例えば、トイレ、風呂、洗面台、台所などの硬質表面に適用することができる。本発明の抗菌剤組成物は、台所まわり用抗菌剤、浴室用抗菌剤、床用抗菌剤、食器用抗菌剤、全自動洗濯機洗濯槽の抗菌剤、排水パイプの抗菌剤、台所や洗面所の小物の抗菌剤等として使用することができる。また、繊維製品の場合も、衣料、寝具、布地を含む靴、布地を含む布製鞄など、各種繊維製品(部分的に繊維を含む製品も含む)に適用することができる。
【0077】
本発明の抗菌剤組成物は、噴霧、塗布、浸漬などにより、対象物に接触させて用いられる。本発明の抗菌剤組成物の使用方法としては、(1)トリガー等の噴霧器(スプレーヤー)を用いて組成物又は組成物を水で希釈した希釈組成物を対象物に噴霧する方法、(2)吸水性の可撓性材料に組成物又は組成物を水で希釈した希釈組成物を染み込ませ対象物を擦る方法、及び(3)組成物又は組成物を水で希釈した希釈組成物に対象物を浸漬させる方法、が好適であり、特に(1)の方法が簡便性の点から良好である。これにより、本発明の抗菌剤組成物をスプレー容器に充填してなる、容器入り抗菌剤が得られる。噴霧量は、例えば、対象物1m2に対して、0.5〜5gの割合が好ましい。
【0078】
本発明の抗菌剤組成物は水で希釈した希釈組成物(水希釈液)として用いるのが効果的である。該組成物の水希釈液を一定量溜めて対象物を浸漬して使用する。対象物が広範に亘る場合には、スプレー機器を用いてミストを吹き付けたり、発泡機を用いて泡状にしたものを吹き付けたりしてもよい。又、該組成物の水希釈液を流したり、はけ等により塗布してもよい。その他、タオルなどに該水希釈液を含浸させて、対象物を拭き取っても良い。微生物と接触させる条件が満足されるならば、微生物が存在しうる表面に該組成物の水希釈液を付着させたり、塗り付けたりすることも可能である。該組成物の水希釈液は、その使用時の(A)成分の重量濃度が1〜10,000ppmであることが好ましく、5〜10,000ppmがより好ましい。よって、本発明により、上記本発明の抗菌剤組成物の水希釈液を、硬質表面又は繊維製品(通常これらの表面には微生物が存在する)と接触させる抗菌方法が提供される。
【実施例】
【0079】
<用いた成分>
〔1〕(A)成分
(a−1):炭素数8のアルコール〔カルコール0898、花王(株)製、一般式(I)中、Rが炭素数8のアルキル基の化合物〕
(a−2):炭素数10のアルコール〔カルコール1098、花王(株)製、一般式(I)中、Rが炭素数10のアルキル基の化合物〕
(a−3):炭素数12のアルコール〔カルコール2098、花王(株)製、一般式(I)中、Rが炭素数12のアルキル基の化合物〕
(a−4):炭素数14のアルコール〔カルコール4098、花王(株)製、一般式(I)中、Rが炭素数14のアルキル基の化合物〕
(a−5):炭素数12の不飽和アルコール〔trans−2−ドデセン−1−オール、和光純薬工業(株)製、一般式(I)中、Rが炭素数12のアルケニル基の化合物〕
(a−6):炭素数12のアルコール(2級)〔2−ドデカノール、和光純薬工業(株)、一般式(I)中、Rが炭素数12のアルキル基(2級)の化合物〕
(a−7):炭素数12の分岐鎖アルコール〔2−ブチル−1−オクタノール、シグマアルドリッチInc.製、一般式(I)中、Rが炭素数12の分岐鎖アルキル基の化合物〕
(a’−8):炭素数4のアルコール〔1−ブタノール、和光純薬工業(株)製、一般式(I)中、Rが炭素数4のアルキル基の化合物〕
(a’−9):炭素数16のアルコール〔カルコール6098、花王(株)製、一般式(I)中、Rが炭素数16のアルキル基の化合物〕
【0080】
〔2〕(B)成分
<陰イオン性界面活性剤>
(b−1):ラウリル硫酸ナトリウム〔エマール0、花王(株)製〕
(b−2):ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム〔エマール20C、花王(株)製;有効分25重量%〕
(b−3):ポリオキシエチレン(4.5)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム〔カオーアキポRLM45−NV、花王(株)製;有効分24重量%〕
<非イオン性界面活性剤>
(b−4):ポリオキシエチレン(6)ラウリルエーテル〔エマルゲン106、花王(株)製〕
(b−5):ポリオキシエチレン(12)ラウリルエーテル〔エマルゲン120、花王(株)製〕
(b−6):ラウリルグルコシド〔マイドール12、花王(株)製〕
(b−7):デシルグリセリンモノカプリレート〔SYグリスターMCA750、阪本薬品工業(株)製〕
(b−8):ソルビタンモノラウレート〔レオドールSP−L10、花王(株)製〕
(b−9):ポリオキシエチレン(6)ソルビタンモノラウレート〔レオドールTW−L106、花王(株)製〕
(b−10):ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート〔レオドールTW−L120、花王(株)製〕
なお、( )内の数字はエチレンオキシド平均付加モル数を示す。また、表には有効分量を示した。
【0081】
〔3〕(C)成分
次亜塩素酸ナトリウム;南海化学工業(株)製
【0082】
<評価>
〔1〕抗菌剤溶液(評価サンプル)の準備
表1、2の抗菌剤組成物を調製し、(A)成分が100ppmになるよう((A)成分が未配合の比較例については実施例1と同希釈倍率で希釈した)に水で希釈したものを抗菌剤溶液として用意した。なお、各抗菌剤組成物(原液)は、20℃でのpHが12〜13、20℃での粘度が3〜20mPa・sであった。また、表中では、(a’−8)、(a’−9)を(A)成分として(A)/(B)重量比率を示した。
【0083】
〔2〕菌液の準備
緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa NBRC13275)を大豆−カゼイン・ダイジェスト・アガー(Soybean-Casein Digest Agar)〔SCD寒天培地:日本製薬(株)製〕を用いて、37℃、24時間前培養してコロニー形成したものから極少量の菌塊を、滅菌済みのディスポループ(アズワン(株)製、10型)を用いて滅菌生理食塩水にいれ、およそ105cfu/50μlになるように調整したものを用意した。
【0084】
〔3〕繊維製品での除菌試験
50mlの滅菌遠心管容器中で、滅菌済みメリヤス布(3cm×3cm)に液培地を200μl滴下、その後菌液を50μl滴下して37℃、24時間培養する。その後、用意した抗菌剤溶液をスプレーバイアル(マルエム(株)製、No.6)にて吐出量0.02gスプレーして10分静置する。その後、遠心管に20mlLP希釈液を入れて、1分間攪拌機で攪拌して布より菌の抽出を行う。抽出液は適宜希釈して上記と同じ寒天培地に接種して37℃、24時間培養して、菌数をカウントし、未処理サンプルにおける菌数と比較を行った。処理布は再度LP液で抽出して菌が残っていないことを確認した。除菌性能は下記の基準で評価した。下記の評価基準では2で除菌効果があると判断され、1が最も除菌効果が高い。
【0085】
除菌性能の評価基準
1:未処理サンプルに比べて菌数が103以上減少
2:未処理サンプルに比べて菌数が102以上103未満の減少
3:未処理サンプルに比べて菌数が102未満の減少
【0086】
〔4〕硬質表面での除菌試験
50mlの滅菌遠心管容器表面(硬質表面)において、液培地を200μl滴下、その後菌液を50μl滴下して37℃、24時間培養する。その後、用意した抗菌剤溶液をスプレーバイアル(マルエム(株)製、No.6)にて吐出量0.1gでスプレーして10分静置する。その後、遠心管に20mlLP希釈液を入れて、1分間攪拌機で攪拌後、適宜希釈して上記と同じ寒天培地に接種して37℃、24時間培養して、菌数をカウントし、未処理サンプルとの比較を行った。除菌性能は下記の基準で評価した。下記の評価基準では2で除菌効果があると判断され、1が最も除菌効果が高い。
【0087】
除菌性能の評価基準
1:未処理サンプルに比べて菌数が103以上減少
2:未処理サンプルに比べて菌数が102以上103未満の減少
3:未処理サンプルに比べて菌数が102未満の減少
【0088】
〔5〕繊維製品の変褪色性試験
二槽式洗濯機(東芝銀河3.6 VH−360S1)を準備し、洗濯槽に40リットルの20℃水道水を入れ、これに1.4kgの綿製の未着用肌着及び0.6kgの綿/ポリエステル混紡の未着用ワイシャツを入れる。30cm×30cmの綿布に、評価用の試験布〔ブラックTシャツ(株式会社ユニクロ製)を10cm×10cm裁断したもの〕を、前記綿布の中央と四隅に5枚縫い付けたものを1枚用意し、試験布に抗菌剤溶液1g/枚になるようにスプレーして10分静置したのち洗濯槽に入れ、アタック(粉末タイプ)Lot.W153137を標準使用濃度入れて、10分間普通洗浄する。その後1分脱水し、4分間ためすすぎを2回繰り返す。その後5分間脱水し、室内で自然乾燥させる。この工程を1工程とし、5回累積洗浄を行った。測色は、色差計(日本電色工業株式会社:ND(F)-300A)を用いてL値、a値及びb値を測色し、次式によりΔE値を求め、以下の基準で評価した。ΔE値が小さいほど、累積洗浄での変褪色が少ないことを意味する。ΔE値が2より大きくなると目視で褪色が確認できる。
ΔE={(ΔL)2+(Δa)2+(Δb)21/2
ΔL;(洗浄後の布のL値)−(洗浄前の布のL値)
Δa;(洗浄後の布のa値)−(洗浄前の布のa値)
Δb;(洗浄後の布のb値)−(洗浄前の布のb値)
評価基準
1:ΔE値が2以下
2:ΔE値が2より大きい
【0089】
〔6〕硬質表面の変色試験
変褪色試験用の試験片はJISG4305(SUS316)日本テストパネル株式会社製を用いた。SUS316に抗菌剤溶液を前記のスプレーバイアルにて1g/回スプレーして10分間静置した。その後水道水ですすぎ、乾いた布で拭き取った。この工程を30回累積して行い、変褪色を目視で観察し、以下の基準で判定した。下記の評価基準では、2では品質上の問題が生じる水準であると判断され、1ではそのような問題が生じないと判断される。
評価基準
1:変褪色なし
2:くすみや変色が見られる
【0090】
【表1】

【0091】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(I)で表される化合物(A)〔以下、(A)成分という〕、界面活性剤(B)〔以下、(B)成分という〕、並びに、次亜塩素酸、次亜塩素酸塩及び水中で次亜塩素酸を放出する化合物から選ばれる1種以上の化合物(C)〔以下、(C)成分という〕を含有し、(A)成分と(B)成分の重量比率が、(A)成分の重量/(B)成分の重量で2以下である、抗菌剤組成物。
R−OH (I)
(式中、Rは炭素数8〜14の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示す。)
【請求項2】
(B)成分が、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤及び両性界面活性剤からなる群より選ばれる1種以上である、請求項1記載の抗菌剤組成物。
【請求項3】
(A)成分を0.1〜10重量%、(C)成分を次亜塩素酸として0.1〜10重量%含有する、請求項1又は2記載の抗菌剤組成物。
【請求項4】
(A)成分と(C)成分(ただし次亜塩素酸として)の重量比率が、(A)成分の重量/(C)成分の重量で0.01〜1である、請求項1〜3の何れか1項記載の抗菌剤組成物。

【公開番号】特開2010−138101(P2010−138101A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−315304(P2008−315304)
【出願日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】