説明

折り畳まれた紙片を製造する方法及び装置

【課題】 製造が簡単化され、よりフレキシブルに構成され、コストが削減される紙片を折り畳む方法および装置を提供。
【解決手段】 折り畳まれた紙片を製造する方法であって、紙片(1)が供給、配向位置合せ及び折り畳みされる方法において、前記供給中、紙片(1)が、走行方向(A)に対し斜めに配向されること、前記斜めに配向された紙片(1)が、配向位置合せされること、及び前記配向位置合せされた紙片(1)が折畳装置(3)に移送され、該紙片(1)の複数の縁(5,6)に対し所与の角度をなして延在する少なくとも1つの折り目(4)が形成されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折り畳まれた紙片(シート:Bogen)を製造する方法であって、紙片が供給、配向位置合せ及び折り畳みされる方法に関する。本発明は、更に、とりわけそのような方法を実施するための、折り畳まれた紙片を製造する装置であって、供給装置と、配向位置合せ装置と、少なくとも1つの折畳装置とを有する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
実用上多数の折畳方法および折畳装置が知られているが、これらにおいては、折り目は、紙またはボール紙の紙片(シート)の縁(複数)に対し平行に延在する。しかしながら、紙片の縁に対し斜めに(所与の角度をなして)延在する1つまたは複数の折り目を有する紙製品に対する需要も相当に存在する。そのような需要は、例えば、紙の特異な折畳み状態によって注目を集めることを意図する広告宣伝業界にある。とりわけ何重もの(何回もの)筋交い(斜め)折り(三角折り:Ueber-Eck-Faltung)等の特殊な折畳みのような審美的な目的以外にも、紙片を狭い空間に折り込むことにより、折り畳んだ後に自然に広がってしまうことを阻止するという全く実用上の背景も存在する。特に医薬産業の場合、小容積の仮綴じ(Broschueren)に対する大きな需要が存在する。なぜならば、とりわけ折畳み紙片を薬剤包装内に入れて戻す必要がある場合、折畳み紙片が該包装内にうまく収まることができないからである。
【0003】
紙片の縁に対し斜めに(所与の角度をなして)延在する折り目を有する折畳まれた紙片を作製する装置の一例がDE 10 2004 027 199 A1に記載されている。基本的な操作工程も、該文献の開示内容から導き出すことができるが、以下の基本的工程が含まれる:
− 送り装置からブレード式自動折畳装置内への紙片の供給
− ブレード式自動折畳装置の内部において方向合せ手段によりブレード式自動折畳装置のブレードに対し斜めにする、紙片の配向位置合せ
− 折り畳み。
【0004】
この方法では折り目は1つしか形成することができないため、好ましくは何重にも(何回も)斜めに折り畳まれた最終製品の所望のオリジナリティの達成は極めて制限されている。従って、付加的に、以下の工程が行われうる:
− ブレード式自動折畳装置から、その内部で紙片が回転される方向転換ステーションへの折り畳まれた紙片の移送
− 方向転換ステーションの内部において紙片の縁(複数)に対し平行にする、回転されかつ折り畳まれた紙片の配向位置合せ
− ポケット式自動折畳装置への紙片の移送
− 新たな折り畳み
【0005】
ポケット式自動折畳装置は、複数のポケットを有するので、複数の折り目を形成することができる。しかしながら、この場合、従来のポケット折畳装置は夫々その内部係止エッジが紙片の(走行方向に対し直角ないし横断方向に)直線的に延在する縁にしか適合されていないので、1回の回転および新たな配向位置合せを更に行わなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】DE 10 2004 027 199 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
既知の装置は、原理的に、供給装置と、配向位置合せ装置と、自動折畳装置とを有し、矩形の紙片の縁に対し斜めに1つの折り目を形成することは可能である。
【0008】
しかしながら、既知の方法の場合、多重に(多数回)折畳まれた製品は、多数の操作工程、とりわけ2つの配向位置合せ工程および少なくとも2種類の折畳装置を必要とし、従って、高コストになる。更に不都合なことに、斜め配向位置合せはブレード式自動折畳装置で行うことが不可避であり、そのためそもそも折畳装置に関する選択の余地がない。
【0009】
本発明の課題は、製造が簡単化され、よりフレキシブルに構成され、コストが削減される上記の種類の方法および装置を提供することである。本発明の一選択肢に係る装置によれば、品質の改善による製造コストの削減が達成されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題は、方法に関して、請求項1の特徴によって解決される。これによれば、上記の種類の方法において、供給中、紙片(シート:Bogen)が、走行方向に対し斜めに配向されること、前記斜めに配向された紙片が、配向位置合せ(位置決め)されること、及び前記配向位置合せされた紙片が折畳装置に移送され、該紙片の縁に対し傾斜して(所与の角度をなして)延在する少なくとも1つの折り目が形成されることを特徴とする。
【0011】
上記の課題は、装置に関して、2つの独立の請求項13及び19の夫々の特徴によって解決される。
【0012】
請求項13によれば、第1の選択肢における上記の種類の装置において、折畳装置は、ポケット(ないし袋)折畳装置(Taschenfalzwerk)であり、該ポケット折畳装置の第1ポケットの成形受け(Formgebung)は、紙片(シート:Bogen)の斜めに配向された複数の縁に適合されていることを特徴とする。
【0013】
請求項19によれば、第2の視点における上記の種類の装置において、配向位置合せ装置は、配向位置合せされた紙片(シート:Bogen)の走行方向において回転軸線のまわりで旋回可能な複数の(少なくとも1つの)ストッパを有することを特徴とする。
【発明を実施するための形態】
【0014】
DE 10 2004 027 199 A1から既知の先行技術から出発して、ブレード式自動折畳装置の内部において相応に配向位置合せした後、原理的にただ1つの折り畳みしか紙片の縁に対し斜めに形成することができず、後続する更なる回転及び配向位置合せ工程を経由しなければ、更なる折畳装置における次の折畳工程を行うことができないと云うことが、最初に認識された。これに対し、本発明により、そのような製造工程は、供給の際に既に紙片の傾斜状態(斜め配向)が実現され、該紙片が独立の配向位置合せ装置によって配向位置合せされ、次いで直ちに(直接的に)2回以上の折畳みも実現できる折畳装置に移送されれば、単純化(容易化)及び価格的により妥当にかつよりフレキシブルに構成することができると云うことが見出された。従って、上述の先行技術に比べて、1つの折畳装置および1つの配向位置合せ工程が削減される(不要になる)。更に、有利なことに、配向位置合せ装置に接続される折畳装置の種類の選択は不要になり(配向位置合せ装置に任意の種類の折畳装置を接続でき)、従って、製造のフレキシビリティが向上される。
【0015】
第1の選択肢の装置に関しては、本発明にもとづき、とりわけ本発明の方法を実施するために、折畳装置としてポケット折畳装置を備え、該ポケット折畳装置の第1のポケットが、斜めに配向されかつ配向位置合せされた紙片の複数の縁に適合されることが見出された。従来のポケット折畳装置が備えているのは、縁(複数)に平行な内部成形受け(係止エッジ:Innenformgebung)である。これに対し、第1の選択肢に係る本発明の装置では、配向位置合せされた紙片の斜めに配向された複数の縁を受容できる第1のポケット(Tasche)が利用される。
【0016】
第2の選択肢(視点)に係る装置に関しては、本発明にもとづき、本発明に係る独立の配向位置合せ(配向位置決め)装置が特定のストッパ(複数)を有していれば、製造コストが品質改善によって最少化できることが見出された。これらのストッパの特殊性は、その新規な運動可能性(運動態様)に関連する。実用上既知の先行技術のストッパ(複数)は、後続する処理ステーションへの紙片の経路を開放するため、紙片の載置面に対し直角に下降される。その際、紙片の縁は損傷されることがある。これに対し、第2の視点の本発明の装置は、配向位置合せされた紙片の走行方向において回転軸線のまわりに旋回可能なストッパ(複数)を備えている。これらのストッパは旋回して離隔(解除)されるので、紙片の縁との接触が持続されない。かくして、有利な態様で、損傷(破損)が阻止され、不良品の(発生の)回避によってコストも低下される。
【0017】
紙片の斜め配向を形成するために、紙片は、互いに速度が異なる2つのコンベヤベルト上に配(載置)されて配向位置合せ装置に供給されることも可能である。配向位置合せ装置は、種々異なる供給装置および/または折畳装置と組合せることができる独立の構造ユニットとして構成されると有利である。
【0018】
これらのコンベヤベルト(複数)の運動は、配向位置合せ装置への搬入の際に紙片を更に駆動するために利用されることも可能である。本発明の方法の一形態によれば、紙片は、配向位置合せ装置への搬入の際に、部分的にコンベヤベルト(複数)上に留まり、該コンベヤベルトから送り力を受けることが可能である。(この形態に対し)代替的に又は付加的に、配向位置合せ装置の内部で紙片を運動させるために、配向位置合せ装置の内部に独自に駆動されるベルトまたはロールを設ける形態も勿論可能である。何れの場合においても保証されるべきことは、紙片が配向位置合せ装置のストッパ(複数)に到達し、該ストッパにおいて縁(複数)が配向位置合せされることである。
【0019】
紙片がストッパに到達し、かくして、配向位置合せ工程が終了した後、所望の位置を維持するために、紙片に真空が印加され、かくして、ストッパによって形成された配向位置合せ状態に紙片を固定することも可能である。真空を形成するために、吸引(吸着)ベルトまたは吸引(吸着)ローラを設けることも可能である。折畳装置に紙片を移動するために、ストッパは移送路から解除されることができ、かくして、折畳装置に移送するための経路が開放される。
【0020】
折畳装置への移送は、吸引ベルトまたは吸引ローラを介して行うことも可能である。配向位置合せおよび吸引後、運動するベルトの突然の運動開始を回避するために、紙片が供給装置から来る際には既に吸引ベルトが運動状態にあるよう構成することも可能である。尤も、この場合、吸引工程が阻害されないように、高々1m/min程度の極めて低い速度が想定されている。折畳装置において、紙片は少なくとも1回、縁(辺)に対して所与の角度をなして折り畳まれることができる。
【0021】
方法の一変形形態に基づき、スキ式折畳装置(Pflugfalzwerk)が選択される場合、予め折れ目が形成された(折れ溝を有する)紙片が使用されるべきであり、或いは、紙片はスキ式折畳装置に搬入される前に折れ目形成機を経由する必要がある。何れの場合でも、スキ式折畳装置は、互いに平行な2つの成形ブレードを備え、1回の通過によって2つの折れ部を形成し、対応して紙片を折畳むことができる。
【0022】
方法の更なる変形形態に基づき、折畳装置としてポケット(ないし袋)折畳装置(Taschenfalzwerk)が選択される場合、ポケット折畳装置の種々異なるポケットにおいて複数の折畳工程を実施する可能性(形態)もある。しかしながら、紙片の複数の縁の1つに対し平行に配向されていない(1つの)折り目を形成するために、紙片は斜めに配向されているので、ポケット折畳装置の第1のポケットは、その成形受け(ないしポケット角部受け)が、斜めに配向された紙片の縁に適合されている必要がある。いわば「角を跨ぐ(Ueber-Eck)」受け(角部受け)がポケットの内部に備えられている必要がある。
【0023】
上述のとおり、同じポケット折畳装置の他のポケットにおいて更なる折畳工程を続けて行うことも可能である。この場合、同じポケット折畳装置の第1のポケットに後続するポケットは、特別な構成を必要としない。なぜなら、この場合、第1の折り目によって、再び、(紙片走行方向に対し直角ないし横断方向に)直線的な(直線的に延在する)縁が得られるからである。
【0024】
出発紙片が矩形である場合、直ちに紙片が第1の折り目を経て第2のポケットに運ばれるが、しかしその際その走行距離が大きくされて第1の折り目に対し平行に第2の折り目を形成することにより、第1の折り目に対向する角の部分は第2のポケットは特別な内部成形受け(係止エッジ)がなくても折り畳まれることができる。この矩形紙片において残りの2つの90°の角の部分もまた折り目が形成されないし折り畳まれることが望まれる場合、この例では2回折り畳まれた紙片はポケット折畳装置から離れ、その第1のポケットに「角を跨ぐ」受け(角部受け)を有する第2のポケット折畳装置に移送されることができる。この第2のポケット折畳装置は、第1のポケット折畳装置に対して90°だけずらされた方向に配置されることが可能であるため、紙片は回転される必要はない。折り畳みの後、折り畳まれた紙片が排出されることは勿論である。
【0025】
配向位置合せ装置に後置されるポケット折畳装置および/または更なるポケット折畳装置は、最大12個のポケットを有することができる。かくして、1つの折畳装置の内部で、直接に、複数の折り目を形成することができ、とりわけ広告宣伝のために魅力的であり得る複雑な形状が得られ得る。
【0026】
第1のポケット折畳装置から修正された第1のポケットを有する第2のポケット折畳装置への移送路の接続ないし移送に関する、即ち、第1のポケット折畳装置に対する第2のポケット折畳装置の位置決めに関する本発明の装置の種々の形態は方法に関連して既に説明した。
【0027】
本発明の装置のとりわけ大きなフレキシビリティは、配向位置合せ装置を独立の構造ユニットとすれば、達成されることができる。かくして、−必要に応じて−種々異なる供給装置および/または折畳装置と組合せることが可能なユニットが得られる。
【0028】
配向位置合せ装置は、有利な態様で、斜めに配向された紙片の縁(複数)に適合されたストッパ(複数)を有することができる。紙片の縁の品質にとりわけ有利な一実施形態によれば、ストッパ(複数)は、配向位置合せされた紙片の走行方向において回転軸線のまわりに回転(旋回)可能に構成されている。ストッパ(複数)は、紙片の縁と接触した状態が持続することなく、即座に旋回されて離隔される。かくして、有利な態様で、損傷(破損)が阻止され、不良品の回避によってコストも低下される。この場合、ストッパ(複数)の回転軸線(複数)は、配向位置合せされた紙片の走行方向に対し直角に(横断方向に)延在する。ストッパ(の回転軸)が紙片の載置面の下側に固定(枢支)される場合、ストッパは、下方に旋回される。ストッパ(の回転軸)が紙片の載置面の上側に固定(枢支)される場合、ストッパは、折畳装置への経路を開放するために、上方に回転(旋回)される。有利な態様で、ストッパの運動が適切な時点に行われるよう同期調整する制御システムを設けることも可能である。
【0029】
本発明の装置のすべてのコンポーネントは、−独立の配向位置合せ装置を除いて−標準の作業ユニットに依拠する。ポケット折畳装置の本発明にもとづき修正された第1のポケットも、大掛かりな作業を要することなく組み込むことができる。
【0030】
本発明の教示を有利な態様で構成及び展開する可能性は多々存在する。このため、一方では請求項1、13および19に従属する各請求項、他方では図面を用いた本発明の実施例の以下の説明が参酌されるべきである。本発明の以下の実施例の説明に関連して、更に、本発明の教示の一般的に好ましい実施形態および発展形態もまた説明される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の装置および本発明の方法の一例の模式的概略図。
【図2】図1の細部を拡大してより正確に示した模式図、即ち、部分的にコンベヤベルト(複数)上に存在しかつ部分的に配向位置合せ装置上に存在する紙片の平面図。
【図3】選択された1つのストッパの一例に関する図2の細部の模式的側面図。
【実施例】
【0032】
図1は、本発明の方法の工程および本発明の装置を模式的に示す。この実施例において多重に(複数回)折畳まれた紙片1の製造が対象とされているが、この場合、紙片1は、まず供給され、次いで配向位置合せされ、最後に折り畳まれる。
【0033】
本発明にもとづき、紙片1は、供給中、コンベヤベルト7,8によって、走行方向Aに対して斜めに配向されるが、その際、紙片1は回転方向Bのまわりに正確に90°[sic.:45°]だけ回転されることにより、この実施例では四角形の紙片1の1つの角が配向位置合せ装置2の方向に指向される。図2に示したコンベヤベルト7,8は、回転方向Bの回転を実現するために、互いに異なる速度を有する。具体的には、コンベヤベルト7は、コンベヤベルト8よりも速く走行する。そして、斜めに配向された紙片1は、配向位置合せ装置2において配向位置合せされ、次いで、折畳装置3に移送され、かくして、折り目4(破線で示した)が形成される、ないしは紙片1の縁(辺)5,6に対して所与の角度をなして延在する折畳みが該折り目4に沿って形成される。
【0034】
配向位置合せ装置2は、種々異なる供給装置および/または折畳装置3と組合せ可能な独立の構造ユニットである。図2に示したように、紙片1は、配向位置合せ装置2に搬入される際、部分的に複数のコンベヤベルト7,8上にとどまり、これらのコンベヤベルトによって送り力(推進力)を受ける。紙片1は、配向位置合せ装置2の3つのストッパ9にまで到達し、該ストッパ9において、紙片1の縁5,6が配向位置合せされる。配向位置合せ後、紙片1に真空が印加され、かくして、3つのストッパ9によって形成された配向位置合せ状態に紙片1が固定される。真空は、4つの吸引ベルト10を介して印加される。これらの吸引ベルト10は、一時的に解除可能なストッパ9によって経路が開放された後、紙片1を折畳装置3に移送する。
【0035】
折畳装置3では、紙片1は、まず、折り目4に従って、縁5,6に対し所与の角度をなして1回折り畳まれる。この実施例では、折畳装置3はポケット(ないし袋)折畳装置であり、このポケット折畳装置の図1に示した第1のポケット11は、点線で示したそのポケット成形受け(角部受け:Formgebung)11Aが、紙片1の斜め配向された縁5,6に適合されている。言わば、第1のポケット11は「角を跨ぐ(Ueber-Eck)」受け(角部受け)を含んでいる。第1の折り目4ないし折り畳みの後、紙片1は、折畳装置3の第2のポケット12に到達する。ポケット12の内部成形受け(係止エッジ)12Aは従来どおり直線的であるが、それが可能であるのは、この実施例では第1の折り目4によって形成された紙片1の新たな縁19が接触するからである。かくして2回折り目の形成が行われかつ折り畳まれた紙片1は六角形の輪郭を有し、折畳装置3の排出領域13に到達する。
【0036】
紙片1は、排出領域13から、移送路14を介して更なるポケット折畳装置15に移送される。この更なるポケット折畳装置15の第1のポケット16には、紙片1の斜めに配向された縁5,6に適合された点線で示した成形受け(係止エッジ)16A、いわゆる「角を跨ぐ」受け(角部受け)がある。
【0037】
第3の折り目4の形成または折り畳みの後、紙片1は、折畳装置15の第2のポケット17に到達する。このポケット17の内部成形受け(係止エッジ)17Aは従来どおり直線的である。この場合、第3の折り目4によって形成された紙片1の新たな縁20が接触する。かくして4回折り目の形成が行われかつ折り畳まれた紙片1は八角形の輪郭を有し、排出領域18に到達する。ポケット折畳装置15の構造幅は、紙片1の幅が2回の折り畳みにより既に減少されているので、折畳装置3の構造幅よりも小さく構成されている。
【0038】
更なるポケット折畳装置15は、折畳装置3に対して90°だけずらした方向に配置されており、その走行方向はFで図示されている。この配置によって、紙片1の再度の回転は不要となる。
【0039】
図2及び図3から明らかなとおり、配向位置合せ装置2のストッパ9は、折畳装置3への経路を開放する。回転(旋回)は、回転方向G及び走行方向Aにおいて、配向位置合せされた紙片1の走行方向Aに対し横断方向(半径方向)に延在する回転軸線C、D、Eのまわりで行われる。
【0040】
ストッパ(複数)9は、吸引ベルト(複数)10より上側の、各吸引ベルト10間の隙間の上方に(その回転軸が)固定され、回転方向Gにおいて上方に向かって回転(旋回)可能に構成されている。この実施例では、90°[sic. 45°]に調整された回転(旋回)が行われる。
【0041】
図示されていない更なる特徴に関しては、本書の概説部分が参照されるべきである。
【0042】
最後に、本発明の教示は上述の実施例に限定して解釈されるべきでないことに留意すべきである。とりわけ、種々異なる折畳装置が種々異なる配置で組み合わせることが可能であり、旋回可能なストッパ(複数)も多種多様に構成変更することが可能であり、
【符号の説明】
【0043】
1 紙片
2 配向位置合せ(位置決め)装置
3 折畳装置
4 折り目
5 縁
6 縁
7 コンベヤベルト
8 コンベヤベルト
9 ストッパ
10 吸引ベルト
11 3の第1のポケット
11A (ポケット)成形受け(角部受け)
12 3の第2のポケット
12A (ポケット)成形受け(係止エッジ)
13 排出領域
14 移送路
15 (更なる)ポケット折畳装置
16 15の第1のポケット
16A (ポケット)成形受け(角部受け)
17 15の第2のポケット
17A (ポケット)成形受け(係止エッジ)
18 排出領域
19 縁
20 縁
A 走行方向
B 回転方向
C 回転軸線
D 回転軸線
E 回転軸線
F 走行方向
G 回転方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り畳まれた紙片を製造する方法であって、紙片(1)が供給、配向位置合せ及び折り畳みされる方法において、
前記供給中、紙片(1)が、走行方向(A)に対し斜めに配向されること、
前記斜めに配向された紙片(1)が、配向位置合せされること、及び
前記配向位置合せされた紙片(1)が折畳装置(3)に移送され、該紙片(1)の複数の縁(5,6)に対し所与の角度をなして延在する少なくとも1つの折り目(4)が形成されること
を特徴とする方法。
【請求項2】
紙片は、互いに速度が異なる2つのコンベヤベルト(7,8)上に配されて配向位置合せ装置(2)に供給されること
を特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記配向位置合せ装置(2)は、種々異なる供給装置及び/又は折畳装置(3)と組合せ可能な独立の構造ユニットであること
を特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
紙片(1)は、前記配向位置合せ装置(2)に搬入される際、部分的に前記2つのコンベヤベルト(7,8)上にとどまり、これらのコンベヤベルトから送り力を受けること
を特徴とする請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
紙片(1)は、前記配向位置合せ装置(2)の複数のストッパ(9)まで到達し、該ストッパにおいて、該紙片(1)の縁(5,6)が配向位置合せされること
を特徴とする請求項2〜4の何れか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記配向位置合せ後、紙片(1)が前記ストッパ(9)によって形成された配向位置合せ状態に固定されるよう、該紙片(1)に真空が施されること
を特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ストッパ(9)は、前記固定後一時的に解除され、紙片(1)の前記折畳装置(3)への移送路を開放すること
を特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
紙片(1)は、前記配向位置合せ装置(2)の少なくとも1つの吸引ベルト(10)又は吸引ローラを介して前記折畳装置(3)に移送されること
を特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
紙片(1)は、前記折畳装置(3)において、前記縁(5,6)に対し所与の角度をなして少なくとも1回折り畳まれること
を特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記折畳装置は、互いに対し平行な2つの成形プレートを有するスキ式折畳装置であること、
折り目を有する紙片が使用されるか、または、スキ式折畳装置による折畳みの前に、折り目形成工程が行われること
を特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記折畳装置(3)はポケット折畳装置であり、該ポケット折畳装置の第1ポケット(11)の成形受け(11A)は、前記紙片(1)の斜めに配向された縁(5,6)に適合されていること
を特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項12】
第1の折畳後に、更なる移送及び/又は折畳工程が行われること
を特徴とする請求項1〜11の何れか1項に記載の方法。
【請求項13】
とりわけ請求項1〜12の何れか1項に記載の方法を実施するための、折り畳まれた紙片を製造する装置であって、供給装置(7,8)と、配向位置合せ装置(2)と、折畳装置(3)とを有する装置において、
前記折畳装置(3)は、ポケット折畳装置であり、該ポケット折畳装置の第1ポケット(11)の成形受け(11A)は、紙片(1)の斜めに配向された複数の縁(5,6)に適合されていること
を特徴とする装置。
【請求項14】
前記ポケット折畳装置は、最大12個のポケットを有すること
を特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記ポケット折畳装置には、移送区間(14)及び更なるポケット折畳装置(15)が後置され、該後置されたポケット折畳装置(15)の第1のポケットの成形受け(16A)は、紙片(1)の斜めに配向された複数の縁(5,6)に適合されていること
を特徴とする請求項13又は14に記載の装置。
【請求項16】
前記更なるポケット折畳装置(15)は、前記折畳装置(3)に対し90°だけずらされて配置されること
を特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記配向位置合せ装置(2)は、独立の構造ユニットであること
を特徴とする請求項13〜16の何れか1項に記載の装置。
【請求項18】
前記配向位置合せ装置(2)は、紙片(1)の斜めに配向された縁(5,6)に適合されておりかつ配向位置合せされた紙片(1)の走行方向において回転軸線(C,D,E)のまわりで旋回可能な複数のストッパ(9)を有すること
を特徴とする請求項13〜17の何れか1項に記載の装置。
【請求項19】
とりわけ請求項1〜12の何れか1項に記載の方法を実施するための、折り畳まれた紙片を製造する装置であって、供給装置(7,8)と、配向位置合せ装置(2)と、折畳装置(3)とを有する装置において、
前記配向位置合せ装置(2)は、配向位置合せされた紙片(1)の走行方向において回転軸線(C,D,E)のまわりで旋回可能な少なくとも1つのストッパ(9)を有すること
を特徴とする装置。
【請求項20】
前記回転軸線(C,D,E)は、配向位置合せされた紙片(1)の走行方向に対し直角に延在すること
を特徴とする請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記ストッパは、紙片の載置面の下側において固定枢支されており、下方に旋回可能であること
を特徴とする請求項18又は19に記載の装置。
【請求項22】
前記ストッパ(9)は、紙片(1)の載置面の上側において固定枢支されており、上方に旋回方向(G)に旋回可能であること
を特徴とする請求項18又は19の装置。
【請求項23】
前記配向位置合せ装置(2)は、種々異なる供給装置及び/又は折畳装置と組合せ可能な独立の構造ユニットであること
を特徴とする請求項19〜21の何れか1項に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−530321(P2010−530321A)
【公表日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−512507(P2010−512507)
【出願日】平成20年6月17日(2008.6.17)
【国際出願番号】PCT/DE2008/000985
【国際公開番号】WO2008/154901
【国際公開日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(509348993)ブヒビンデライ クナイプ ゲーエムベーハー (1)
【Fターム(参考)】