説明

押出し複合異形材及び同時に押出された2つの個別管を巻取り装置により別々に巻取る方法

本発明は、押出し複合異形材(10)、及び同時に押出された2つの個別管(20,30)を巻取り装置により別々に巻取る方法に関する。本発明による押出し複合異形材(10)は、薄い結合個所を介して互いに結合されている少なくとも2つの個別管(20,30)から成っている。個別管(20,30)の結合により、押出しプレス(A)から出る個別管連続体(20,30)は、同じ押出し進出速度(v1)で出る。続いてこの押出し進出速度(v1)は速度調整装置(D)において均一な速度(v2)に調節され、それから分離装置(E)において複合異形材(10)が、個別管連続体(20,30)に分離され、個別管連続体(20,30)が巻取られる。押出し進出速度(v1)と(v2)に等しい巻取り速度(v3)の整合により、同時にプレスされる複数の押出し異形材の巻取りが安価に可能になる。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、特に同時に押出された2つの個別管を巻取り装置により別々に巻取る方法において使用するための押出し複合異形材に関する。
【0002】
押出し複合異形材の生産能力を高めかつ変形比を減少するため、多重押出し品をプレスすることは公知である。ドイツ連邦共和国特許第3131155号明細書には、多板ガラス化用間隔保持中空異形材として使用するためこのような多重押出し品の製造が記載されている。1つの実施例では、多重押出し品の結合体において4つの間隔保持中空異形材が並列になって示されている。結合体はウエブにより形成され、押出しダイを出た後形状が不変であるように、断面を設計されている。個別異形材を得るため、ウエブが分離される。そのためウエブ壁の端部に、連続する弱め切欠きが設けられている。これらの多重連続体のまっすぐな長さの押出しの際、これらの多重連続体は引張り装置により保持され、典型的に30〜100mmの長さで案内される。個別連続体を得るための準連続方法は示されていない。次に巻取りを伴う準連続押出しでは、数100〜数1000mの連続体長さが得られる。しかし一般に個別連続体が押出される。なぜならば、押出しプレスの個々の工具穴から出る個別連続体の速度差は、引張り装置によっては相殺されないからである。その場合巻取り装置による複数の連続体の巻取りは、加算される連続体長さの差のため、もはや不可能である。工具穴の数に相当する数の独立した巻取り装置を設置することにより、問題が解決される。しかしこれは高まる設備需要を意味する。それにより可能な連続体の数も、必要となる空間及び工具寸法のため限られている。
【0003】
本発明の課題は、同時に押出される複数の押出し異形材を巻取るためのできるだけ安価な方法を開発することである。
【0004】
この課題は請求項10に記載の方法によって解決され、第1の方法段階において、請求項1に記載の押出し複合異形材が製造される。この一片で押出される複合異形材はなるべくアルミニウム又はアルミニウム合金から成っている。この複合異形材は、狭く薄い結合個所を介して互いに結合されている少なくとも2つの個別管を持っている。個別管は同じ又は異なる外側形状及び内側形状を持っている。好ましい構成では、個別管が、2つの平行な長辺及びこれらの長辺を結ぶ平らな又は湾曲した短辺を持つ扁平異形断面を持ち、並列に設けられる個別管が、短辺の丸み範囲にある結合個所を介して互いに一片となるように結合されている。特に好ましい複合異形材では、個別管が短辺の丸み先端にある結合個所を介して互いに結合されている。複合異形材における個別管の結合により、押出しの際の個別管連続体の押出し速度従って押出し長さの絶対の同期化が行われる。
【0005】
必要に応じて押出しプレスから出る複合異形材の連続体は、続く乾燥/硬化及び冷却を伴う表面被覆部署を通ることができる。複合異形材連続体の冷却後これが速度調整装置を通り、そこで一定の通過速度に設定され、それから分離装置において複合異形材における個別管の結合の分離が行われる。
【0006】
この分離を容易にし、個別管の変形及び損傷を避けるため、結合個所は、当接する個別管の壁厚に比較して小さい壁厚を持っていなければならない。この壁厚に少なくとも20%だけ減少されるようにする。更に結合個所の幅が最小であり、即ち0.1〜1.5mmであるようにすると、有利なことがわかった。0.1mmより小さい結合個所幅は、個別管の壁が互いに移行していることに意味がある。これにより、分離の際個別管の壁の変形が必然的に生じる。1.5mmより大きい結合個所の幅も可能であるが、複合異形材の分離後結合個所の材料が残って、見て美しくない継ぎ目を形成し、付加的な再加工によってしか除去できないという理由から、不利である。更に大きく厚い異形材の場合、結合個所の壁厚を更に減少する少なくとも1つの所定破断個所を結合個所に設けることができる。
【0007】
個別管の連続体の分離は、種々の方法例えば裂開又は破開により行われる。裂開の場合、個別管連続体が、個別管相互の配置に対して水平又は垂直に引き離される。これは、分離装置において、案内ローラの適当な配置によって実現可能である。
【0008】
別の実施形態では、裂開の分離過程が、分離個所に楔状工具を設けることによって援助されるので、常に同じ個所で結合個所の確実な破開が行われる。
【0009】
別の実施形態では、結合個所の裂開が行われず、楔状工具のみによる分離が行われる。
【0010】
特に有利な変形実施形態では、結合個所の周りに個別管を1回又は複数回曲げることにより分離が行われる。このような曲げ運動を行うため、複合異形材連続体が成形ローラ対を通して導かれ、その際対向する成形ローラは所望の曲げ偏向に相当する周囲輪郭を持っている。例えば並列に設けられる複数の個別管から成る平らな複合異形材が押出される場合、個別管の結合個所の破開のため、ジグザグ輪郭を持つ成形ローラ対が使用されるので、成形ローラの間に、複合異形材を受入れるためのジグザグ状の間隙が生じる。以前は平らな複合異形材が成形ローラ対を通った後、複合異形材はジグザグ状断面に変形され、ジグザグ状推移における反転点は結合個所の所にある。この1回の曲げにより、一般に分離は行われないが、曲げ個所で曲げ硬化が行われ、これは結合個所における材料硬化を意味する。結合個所のこの材料硬化は、個別管連続体の間の結合の次の分離を容易にする。このような硬化段階は、裂開又は楔状工具での破開による前述した分離方法においても使用できる。
【0011】
その場合数回の往復曲げにより、個別管の間の結合個所が分離される。その際なるべく別の成形ローラ対が使用され、上ローラ及び下ローラの配置はそれぞれ後続の成形ロール対において交代する。
【0012】
特に好ましい実施形態では、後続の2つの成形ローラ対の間に、円筒状に形成されるローラ対が設けられる。それにより各成形ローラ対は、平らな輪郭から始まってジグザグ輪郭へ又は逆にジグザグ輪郭から平らな輪郭へ、最大で1回の屈曲運動を行うことが必要である。
【0013】
分離のための曲げ運動の回数は、結合個所の壁厚及び材質に合わされる。
【0014】
平らな押出し複合異形材が往復曲げにより個別管に分離されるのと同じように、これはジグザグに押出されるか又は他の形状に押出される複合異形材に対しても可能である。
【0015】
曲げ過程中に個別管の変形を避けるため、個別管は最大で隣接する個別管に接触するまで偏向される。平らな初期状態から上方へ2つの個別管の最大曲げ角は、結合個所の中心から出て個別管の壁に接する接線が結合個所より上で生じる角である。同様に平らな初期状態から下方へ2つの個別管の最大曲げ角は、結合個所の中心から出て個別管の壁に接する接線が結合個所より下で生じる角として定義される。同じ個別管を丸みの先端で結合すると、両方の曲げ角は同じ大きさである。
【0016】
個別連続体の分離後、これらは離して導かれ、別々の巻付け範囲で巻取られ、その際これらの範囲は、1つ又は複数の巻き枠上で巻取り装置の駆動装置を介して駆動される。これは、1つの巻取り装置しか必要でなく、従ってこのような設備の投資費用が低いレベルに保たれることを意味している。
【0017】
本発明のそれ以上の詳細及び利点は、従属請求項及び本発明の実施例を示す図面の以下の説明から明らかになる。しかし本発明はこれらの実施例に限定されない。
【0018】
図1には、押出しプレスにより得られるような押出し複合異形材10の断面が示されている。この複合異形材10は2つの個別管20,30から成り、これらの個別管は、それぞれ2つの平行な長辺21,22又は31,32及びこれらの長辺を結ぶ2つの短辺23,24又は33,34を持つそれぞれ1つの扁平異形断面を持っている。個別管20,30は、押出し複合異形材10において並列に設けられ、その短辺24、34において結合個所40を介して互いに結合されている。2つより多い個別管をそれぞれ1つの結合個所40を介して互いに結合することも当然考えられる。更に長辺21,22又は31,32を結合する短辺23,24又は33,34も平らに構成することができる。個別管20,30は、この実施例では同じ外側形状及び内側形状を持っている。個別管20,30は異なる外側形状及び/又は内側形状を持つこともできる。しかし一般に個別管20,30の高さは同じであり、個別管20,30の幅及び内側形状のみが変わる。図1に示す個別管20,30は、通路壁26,36により互いに分離されるそれぞれ4つの通路25,35を持っている。個別管の他の可能な内側形状が図4に示されている。
【0019】
個別管20,30は扁平異形断面を持っていなくてもよい。例えば円形又は長円形個別管のような他の断面形状も可能である。図11には、交互に並列に設けられかつ結合個所40′を介して互いに結合される個別管20′,30′を持つ複合異形材10′が示されている。すべての個別管20′,30′の外径は同じであるが、内径は異なっている。このような複合異形材10′は異なる媒体を通すのに適している。例えばこれは自動車の内部熱交換器として使用可能である。複合異形材10′の分離は、各個別管20′と30′の間で行うか、又は複合異形材の所望の幅を得るため、選ばれた結合個所40′のみで分離することができる。
【0020】
このような複合異形材の利点は、複合異形材を自動車に組込み、個別管20′,30′を接続片に結合する際、まだ結合されている個別管20′,30′が、必要な場合特定の長さにわたって、それぞれの結合個所40′の分離により分離可能であり、他の範囲では複合異形材10′における個別管20′,30′の結合が維持されることである。
【0021】
図1及び2による実施例では、個別管20,30の壁が均一な壁厚を持っている。個別管20,30の問題のないきれいな分離のため、短辺24の壁厚w2と結合個所40を介して互いに結合されている短辺34の壁厚w3が、結合個所40の壁厚w4より大きいと、有利である。結合個所40の壁厚w4は、当接する短辺24,34の壁厚w2及びw3より少なくとも20%だけ小さいようにする。結合個所40の幅bは最小に選ばれ、結合個所40の幅bはなるべく0.1〜1.5mm特に0.1〜0.5mmである。結合個所40のもっと大きい幅bも可能であるが、結合個所40のほぼ中央で分離する際、不必要に大きい材料が個別異形材20,30の丸みの所に残るという、欠点を持っている。丸みの所にざらざらした付加的な材料を持つこのような個別管20,30は、余分な加工段階で、例えばローラ又は滑り片又はかき取り刃により滑らかにされねばならない。薄く狭い結合個所40は、個別管20,30の分離の際一般に中心で分割される。
【0022】
厚肉の異形材及び結合個所の場合、結合個所40に1つ又は2つの所定破断個所42,43を有利なように設けることができ、その場合所定破断個所はなるべく中心に向き合って設けられる。図1及び2では、結合個所40は、段部41だけ引込んで設けられているので、個別管20,30の結合は丸みの範囲で行われる。
【0023】
図3には別の複合異形材が示され、平行な長辺と湾曲した短辺を持つ個別管20,30を持っている。結合個所40は、個別管30の丸み先端37まで達している。
【0024】
図4では、押出し複合異形材は3つの個別管から構成され、これらの個別管は1つの面内で並列に押出されているのではなく、複合異形材はジグザグ異形断面を持っている。この複合異形材における個別管の結合は、丸み範囲においてただし必ずしもそれぞれの丸み先端の所でなくて行われる。
【0025】
使用目的に応じて、前述した押出し複合異形材10は、図5に示すように、押出しプレスAの押出しダイを出た後、次の処理段階Bで被覆される。例えば亜鉛被覆、溶剤被覆又はろう被覆が用いられる。このような被覆装置Bが設けられると、複合異形材10は一般に乾燥装置Cを通る。図5には製造方法の原理図が示されている。複合異形材10は進出速度v1で押出しプレスAを通り、必要な場合被覆装置B及び乾燥又は冷却装置Cを通り、それから押出し複合異形材10は速度調整装置Dへ送られる。この速度調整装置Dにおいて、押出しプレスからの複合異形材10の押出し進出速度v1と巻取り装置Sの速度v3との整合が行われ、即ち複合異形材10は、巻取り装置Sの速度v3に一致する均一な速度v2で速度調整装置Dを出る。この場合速度の整合は、ダンサ装置即ち2つのローラを介して行われ、少なくとも1つのローラRは第2のローラに対して可動である。従ってこのローラRは、ダンサ装置Dにおいて複合異形材10が通過する行程を延長し、それにより速度の低下を行う。その代わりに他の速度調整装置D、即ち張力制御を介する調整例えばいわゆるトルク調整も使用可能である。
【0026】
均一な速度v2でダンサ装置Dから出る複合異形材10は、図5に示すように、続いて分離装置Eへ達する。図5の分離装置Eにおいて、複合異形材10は2つの個別管20,30の別個の連続体に裂開される。このような裂開は、個別管20,30の並列に設けられる2つの連続体の結合を結合個所40の所で水平にジッパ状に開くことによって行うことができる。この場合個別管20,30は側方へ互いに離れるように動かされる。しかし個別管20,30の並列に設けられる2つの連続体の結合を結合個所40の所で垂直に開くことも可能である。この場合一方の連続体例えば個別管20が上方へ動かされ、他方の連続体例えば個別管30が下方へ動かされる。しかし1つの連続体例えば個別管20のみを複合異形材10から離れるように動かすことも可能である。図5において、複合異形材10が案内ローラ対50により捕捉され、続いて互いに引離されるようにして、分離が行われる。個別管20,30の個別連続体を引離された位置に保って分離装置Eから出す2つの別な案内ローラ対51,52により、この引離しが援助される。
【0027】
図6は別の分離装置Eを示している。案内ローラ対50,51,52の加えて、楔状工具Kが設けられて、第1の案内ローラ対50と裂開のために設けられる案内ローラ対51,52との間に配置されている。この楔状工具Kは、個別管20,30の間の結合を均一に破開するのを援助する。
【0028】
結合個所40の分離は、図7に示すように、工具Kのみによって行うこともできる。その際案内ローラ対51,52は、分離装置から個別管20,30の連続体を出すためにのみ役立つ。
【0029】
しかし連続方法に対して図6及び7の実施例は、楔状工具Kが比較的速く摩耗し、交換されねばならない、という欠点を持っている。複合異形材10の分離を曲げにより行う分離装置Eが一層有利である。このため図8a及び8bからわかるように、平らな複合異形材10が異なるローラ対53,50,54を通って導かれる。図8aの実施例では、複合異形材は図1に示す押出し複合異形材10であり、1つの面に並列に設けられる2つの個別管20,30が、結合個所40を介して互いに結合されている。第1の成形ローラ対53において、以前は平らであった複合異形材10は、個別管20の壁が個別管30の壁に殆ど接触するまで、結合個所40の周りに曲げられる。そのため成形ローラに、適当な周面輪郭が設けられている。53の上部の円錐状成形ローラは、図8bに示すように、中央が凹の三角形状凹みを持ち、下部ローラは対応する凸の三角形状膨らみを持っている。これらローラの間隔は、複合異形材の高さ又は個別管の高さにほぼ等しい。凹の凹みと凸の膨らみは、結合個所40の周りに個別管20,30の所望の曲げ偏向を行い、その際結合個所40は三角形状凹み又は膨らみの先端に位置している。曲げ変形中における個別管20,30の変形は、成形ローラ対53及び後続のローラ対例えば54の成形ローラの輪郭が、複合異形材10のための最大曲げ角α又はβより小さい曲げ運動を許すことによって回避される。図3には、複合異形材10のためのこれらの最大曲げ角α,βが示されている。結合個所40の中心Mから出て、結合個所40より上及び下で個別管20又は30に接線が接すると、これらの最大曲げ角が生じる。結合個所40より上では最大曲げ角αが生じる。結合個所より上で平らな複合異形材10の個別管20,30の互いに近づく曲げ運動の際、曲げ角αだけの曲げにおいて、個別管20,30が接触する。もっと強い曲げでは、個別管の壁が変形するが、これは望ましくない。従って成形ローラは、最大曲げ角α又はβまでの曲げを許しさえすればよい。図8bの例では、下方へ向く屈曲のための成形ローラ対53において曲げ角βが考慮され、上方へ向く屈曲のための成形ローラ対54において曲げ角αが考慮されている。図8bからわかるように、異なる向きの曲げのために、同じ成形ローラ対が使用されるが、分離装置において複合異形材に関して交互に逆の配置で設けられる。こうして成形ローラ対53の上部ローラは、成形ローラ対54の下部ローラに一致している。同じことが相手ローラに対しても当てはまる。
【0030】
1回の曲げでは一般に結合個所40の分離が行われないので、複数回の往復曲げが行われる。2つの異形成形ローラ対53,54の間に円筒状ローラ対50を設けると有利なことがわかった。これは分離装置Eにおける複合異形材10の連続体の案内を容易にする。図8aには全部で3つのローラ対53,50,54が設けられている。分離装置Eにおける曲げ部署の数は任意に増大することができる。非常に小さい曲げ偏向では、大きい曲げの場合より比較的多くの曲げ段階が必要とされる。
【0031】
このような曲げ分離装置により、図4に示すような複合異形材も分離することができる。図4の押出し複合異形材は既にジグザグ状の断面を持っている。ここでは第1の曲げ段階は、第1の曲げ後に平らな複合異形材が得られるように選ぶことができる。図9にはこのために可能なローラ対が示されている。第1段階では円筒状ローラ対50が使用され、ジグザグ輪郭から平らな輪郭が得られる。ジグザグ輪郭を持つ成形ローラ対53が続き、続いて円筒状ローラ対50において、曲げられた複合異形材が再び平らな複合異形材に曲げられる。個別連続体が別々に得られるまで、このローラ対に別のローラ対が続く。
【0032】
曲げ変形により結合個所が脆くなるので、分離のため曲げが非常に有利なことがわかった。結合個所におけるこのような材料硬化は、図5〜7による上述した方法でも有利である。図10は、図7による方法における曲げ段階の直列接続、即ち曲げ装置と楔状工具Kの使用との組合わせを示している。楔状工具Kの位置ぎめされた作用のため、工具Kと成形ローラ対53との間に円筒状ローラ対50が設けられる。
【0033】
個別管20及び30の個別連続体は、それから別々に送られる。図5からわかるように、個別管連続体20,30はローラF及びGを経て、それから変位腕Hを経て、巻取り装置Sの方へ動かされる。個別管連続体の速度は、なお変らずに、分離装置Eの前における複合異形材10の速度v2である。個別管連続体20,30は、分離装置Eから塑性変形なしに巻取り装置Sへ達し、そこで各連続体が巻き枠へ別々に巻取られる。図5において個別管20の連続体は巻き枠S1に巻取られ、個別管30の連続体は巻き枠S2に巻取られる。巻き枠S1及びS2は、巻取り装置Sの部分であり、この場合並列に設けられている。これらは駆動装置(図示せず)を介して均一な速度v3で駆動される。巻き枠S1,S2のこの速度v3は、巻取り装置Sの前における個別連動体の速度v2に等しい。個々の巻き枠S1,S2は、図示したように並列に又は重ねて設けることができる。更に1つの巻き枠のみを使用することも可能で、その場合巻取るべき個別連続体は巻き枠の異なる巻付け範囲に属している。
【0034】
図5による実施例では、複合異形材10は少し太い線で示されている。分離装置Eの後で得られる個別連動体20,30は、区別するため細い線で示されている。同時に押出される2つの個別管20,30を巻取り装置Sにより別々に巻取る図5の方法は、方法の1つの実施形態である。
【0035】
こうして2つより多い連続体も製造される。更に被覆装置Bにおける複合異形材の被覆をやめることができる。
【0036】
後の時点に、又は例えば複合異形材の処理者への輸送後他の場所で巻戻すため、複合異形材10を間の時間に巻取ることも可能である。その場合押出しプレスAから出る複合異形材10は、被覆及び乾燥後巻き枠へ巻取られる。それから後で複合異形材10が巻戻され、分離装置Eへ送られる。分離された連続体は、巻取り装置のそれぞれ1つの巻き枠へ別々に送られる。
【0037】
2つの方法は、今までの方法に比較して一層安価である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】 押出し複合異形材の断面図を示す。
【図2】 図1による押出し複合異形材の断面図の一部の拡大図を示す。
【図3】 別の押出し複合異形材の断面図の一部の拡大図を示す。
【図4】 ジグザグ状押出し複合異形材の断面図を示す。
【図5】 本発明による方法の可能な実施形態の原理図を示す。
【図6】 分離装置の原理図を示す。
【図7】 別の分離装置の原理図を示す。
【図8a】 別の分離装置の原理図を示す。
【図8b】 図8aのそれぞれのローラ対の断面図を示す。
【図9】 別のローラ対の断面図を示す。
【図10】 別の分離装置の原理図を示す。
【図11】 別の複合異形材の断面図を示す。
【符号の説明】
【0039】
10,10′ 複合異形材
20,20′ 個別管
21 長辺
22 長辺
23 短辺
24 短辺
25 通路
26 通路壁
27 丸み先端
30,30′ 個別管
31 長辺
32 長辺
33 短辺
34 短辺
35 通路
36 通路壁
37 丸み先端
40,40′ 結合個所
41 段部
42 所定破断個所
43 所定破断個所
50 案内ローラ
51 案内ローラ
53 案内ローラ
54 案内ローラ
A 押出しプレス
B 表面被覆
C 乾燥/冷却
D 速度調整装置
E 分離装置
F ローラ
G ローラ
H 変位腕
K 楔
M 結合個所40の中心
R ローラ
S 巻取り装置
S1 巻き枠
S2 巻き枠
b 40の幅
w2 23,24の壁厚
w3 33,34の壁厚
w4 40の壁厚
v1 10の押出し進出速度
v2 Dの後の連続体速度
v3 巻取り速度
α 最大曲げ角
β 最大曲げ角

【特許請求の範囲】
【請求項1】
なるべくアルミニウム又はアルミニウムから成る押出し複合異形材であって、
押出し成形される一片の複合異形材(10,10′)が、同じ又は異なる外側形状及び内側形状を持つ少なくとも2つの個別管(20,30;20′,30′)から構成され、
個別管(20,20′)がその外壁により少なくとも1つの通路(25)を区画し、
個別管(30,30′)がその外壁により少なくとも1つの通路(35)を区画している
ものにおいて、
個別管(20,30;20′,30′)が並列に設けられ、結合個所(40,40′)を介して互いに結合され、
結合個所(40,40′)が、両方の個別管(20,30;20′,30′)の間隔に相当する最小幅(b)を持ち、
結合個所(40,40′)が、当接する個別管(20,30;20′,30′)の壁の壁厚(w2,w3)より少なくとも20%小さい壁厚(w4)を持っている
ことを特徴とする、押出し複合異形材。
【請求項2】
結合個所(40)が0.1〜1.5mmなるべく0.1〜0.3mmの幅(b)を持っていることを特徴とする、請求項1に記載の押出し複合異形材。
【請求項3】
個別管(20)が、2つの平行な長辺(21,22)及びこれらの長辺を結ぶ平らな又は湾曲した短辺(23,24)を持つ平異形断面を持ち、短辺(23,24)が壁厚(w2)を持ち、
個別管(30)が、2つの平行な長辺(31,32)及びこれらの長辺を結ぶ平らな又は湾曲した短辺(33,34)を持ち、短辺(33,34)が壁厚(w3)を持ち、
個別管(20,30)が並列に設けられ、その短辺(24,34)において結合個所(40)を介して互いに結合され、結合個所(40)が、当接する短辺(24)の壁厚(w2)より少なくとも20%小さくかつ当接する短辺(34)の壁厚(w3)より少なくとも20%小さい壁厚(w4)を持っている
ことを特徴とする、請求項2に記載の押出し複合異形材。
【請求項4】
個別管(20,30)が、丸み範囲にある結合個所(40)を介して互いに結合され、結合個所(40)の中心(M)から出て結合個所(40)より上で当接する個別管(20,30)の壁に接する接線が角(α)をなし、結合個所(40)の中心から出て結合個所(40)より下で当接する個別管(20,30)の壁に接する接線が角(β)をなしていることを特徴とする、請求項3に記載の押出し複合異形材。
【請求項5】
個別管(20,30)が丸み先端にある結合個所(40)を介して互いに結合され、角(α)及び(β)が同じ大きさであることを特徴とする、請求項4に記載の押出し複合異形材。
【請求項6】
個別管(20,30)が、連続する通路(25,35)を形成する複数の通路壁(26,36)を持っていることを特徴とする、請求項1〜5の1つに記載の押出し複合異形材。
【請求項7】
結合個所(40)が更に少なくとも1つの所定破断個所(42,43)を備えていることを特徴とする、請求項1〜6の1つに記載の押出し複合異形材。
【請求項8】
複合異形材(10,10′)が、その外側表面に、扁平異形断面を持つ個所管(20,30)では個別管(20,30)の長辺(21,22;31,32)に、被覆を備えていることを特徴とする、請求項1〜7の1つに記載の押出し複合異形材。
【請求項9】
被覆が亜鉛被覆及び/又は溶剤被覆及び/又はろう被覆であることを特徴とする、請求項8に記載の押出し複合異形材。
【請求項10】
同時に押出された2つの個別管(20,30)を巻取り装置により別々に巻取る方法であって、
同じか又は異なる外側形状及び内側形状の少なくとも2つの個別管(20,30)から構成され並列に設けられる個別管(20,30)が結合個所(40)を介して互いに結合されている、複合異形材(10)の連続体が、押出され、
押出しプレス(A)から押出し速度(v1)で出る複合異形材(10)の連続体が、速度調整装置(D)へ送られ、そこで複合異形材(10)の連続体が1つの速度(v2)に設定され、
続いて分離装置(E)において、複合異形材(10)の連続体が個別管(20,30)の別々の連続体に分離され、
それから個別管(20,30)の連続体が、不変な速度(v2)で別々に巻取り装置(S)へ送られ、そこで個別管(20,30)の連続体が、それぞれ1つの巻き枠(S1,S2)へ別々に巻取られ、その際巻取り装置(S)の両方の巻き枠(S1,S2)が、共通な駆動装置を介して、速度(v2)に相当する巻取り速度(v3)で駆動される
ことを特徴とする、方法。
【請求項11】
押出しプレス(A)から出る複合異形材(10)の連続体が、続く乾燥/硬化及び冷却(C)を伴う表面被覆部署(B)を通り、それから連続体が速度調整装置(D)へ送られ、表面被覆(B)がなるべく亜鉛めっき及び/又はろう被覆及び又は溶剤被覆であることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
押出しプレス(A)から出る複合異形材(10)の連続体、又は被覆されかつ/又は冷却された連続体がその間に巻き枠に巻取られ、後の時間又は別の場所で巻戻されて、分離装置(E)へ送られることを特徴とする、請求項10又は11に記載の方法。
【請求項13】
速度調整装置(D)がダンサ装置又はトルク調整装置であることを特徴とする、請求項10又は12に記載の方法。
【請求項14】
分離装置(E)において、並列に設けられる個別管(20,30)の連続体の結合を結合個所(40)で、水平にジッパ状に開くか又は垂直に開くことにより、一片の複合異形材(10)の連続体の裂開が行われることを特徴とする、請求項10〜13の1つに記載の方法。
【請求項15】
分離装置(E)において、並列に設けられる個別管(20,30)の連続体を結合個所(40)の中心(M)の周りに曲げることにより、一片の複合異形材(10)の連続体の破開が行われることを特徴とする、請求項10〜13の1つに記載の方法。
【請求項16】
成形ローラ(R)による複数回の曲げにより連続体の破開が行われ、その際曲げが最大曲げ角(α,β)に限定されることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
分離装置(E)において、楔状工具(K)により連続体の分離のみが行われるか、又は付加的に援助されることを特徴とする、請求項10〜16の1つに記載の方法。
【請求項18】
複合異形材(10)の連続体が分離装置(E)へ送られる前に、連続体が材料硬化を受け、その際硬化が曲げ硬化又は引張り硬化であることを特徴とする、請求項10〜17の1つに記載の方法。
【請求項19】
個別管連続体(20,30)が、ローラ(F,G)及び変位腕(H)を介して、別々に不変な速度(v2)で塑性変形なしに巻取り装置(S)へ送られることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項20】
個別管連続体(20,30)が、別々に不変な速度(v2)でそれぞれ1つの巻き枠(S1,S2)上へ巻取られ、巻取り装置(S)の両辺の巻き枠(S1,S2)が並んで又は重なって設けられていることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項21】
個別管連続体(20,30)が、別々に不変な速度(v2)で1つの巻き枠の異なる巻付け範囲へ巻取られることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項22】
複合異形材(10)の連続体の分離により個別管連続体(20,30)に生じる分離継ぎ目が、ローラ又は滑り片又はかき取り刃により滑らかにされることを特徴とする、請求項10〜21の1つに記載の方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同時に押出される少なくとも2つの個別管(20,30)を製造しかつ巻取り装置により別々に巻取る方法であって、
同じか又は異なる外側形状及び内側形状の少なくとも2つの個別管(20,30)から構成され並列に設けられる個別管(20,30)が最小幅の結合個所(40)を介して互いに結合されている、複合異形材(10)の連続体が、押出され、
押出しプレス(A)から押出し進出速度(v1)で出る複合異形材(10)の連続体が、速度調整装置(D)へ送られ、そこで複合異形材(10)の連続体が1つの速度(v2)に設定され、
続いて分離装置(E)において、複合異形材(10)の連続体が個別管(20,30)の別々の連続体に分離され、
それから個別管(20,30)の連続体が、不変な速度(v2)で別々に巻取り装置(S)へ送られ、そこで個別管(20,30)の連続体が、それぞれ1つの巻き枠(S1,S2)へ別々に巻取られ、その際巻取り装置(S)の両方の巻き枠(S1,S2)が、共通な駆動装置を介して、速度(v2)に相当する巻取り速度(v3)で駆動される
ことを特徴とする、方法。
【請求項2】
押出しプレス(A)から出る複合異形材(10)の連続体が、続く乾燥/硬化及び冷却(C)を伴う表面被覆部署(B)を通り、それから連続体が速度調整装置(D)へ送られ、表面被覆(B)がなるべく亜鉛めっき及び/又はろう被覆及び/又は溶剤被覆であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
押出しプレス(A)から出る複合異形材(10)の連続体、又は被覆されかつ/又は冷却された連続体がその間に巻き枠に巻取られ、後の時間又は別の場所で巻戻されて、分離装置(E)へ送られることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
速度調整装置(D)がダンサ装置又はトルク調整装置であることを特徴とする、請求項1〜3の1つに記載の方法。
【請求項5】
分離装置(E)において、並列に設けられる個別管(20,30)の連続体の結合を結合個所(40)で、水平にジッパ状に開くか又は垂直に開くことにより、一片の複合異形材(10)の連続体の裂開が行われることを特徴とする、請求項1〜4の1つに記載の方法。
【請求項6】
分離装置(E)において、並列に設けられる個別管(20,30)の連続体を結合個所(40)の中心(M)の周りに曲げることにより、一片の複合異形材(10)の連続体の破開が行われることを特徴とする、請求項1〜4の1つに記載の方法。
【請求項7】
成形ローラ(R)による複数回の曲げにより連続体の破開が行われ、その際曲げが最大曲げ角(α,β)に限定されることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
分離装置(E)において、楔状工具(K)により連続体の分離のみが行われるが、又は付加的に援助されることを特徴とする、請求項1〜7の1つに記載の方法。
【請求項9】
複合異形材(10)の連続体が分離装置(E)へ送られる前に、連続体が材料硬化を受け、その際硬化が曲げ硬化又は引張り硬化であることを特徴とする、請求項1〜8の1つに記載の方法。
【請求項10】
個別管連続体(20,30)が、ローラ(F,G)及び変位腕(H)を介して、別々に不変な速度(v2)で塑性変形なしに巻取り装置(S)へ送られることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
個別管連続体(20,30)が、別々に不変な速度(v2)でそれぞれ1つの巻き枠(S1,S2)上へ巻取られ、巻取り装置(S)の両辺の巻き枠(S1,S2)が並んで又は重なって設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
個別管連続体(20,30)が、別々に不変な速度(v2)で1つの巻き枠の異なる巻付け範囲へ巻取られることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
複合異形材(10)の連続体の分離により個別管連続体(20,30)に生じる分離継ぎ目が、ローラ又は滑り片又はかき取り刃により滑らかにされることを特徴とする、請求項1〜12の1つに記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2006−500226(P2006−500226A)
【公表日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−542295(P2004−542295)
【出願日】平成15年8月7日(2003.8.7)
【国際出願番号】PCT/EP2003/008734
【国際公開番号】WO2004/033122
【国際公開日】平成16年4月22日(2004.4.22)
【出願人】(503143219)エルプスロー・アルミニウム・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング (4)
【Fターム(参考)】