説明

担持メタロセン触媒、その製造方法及びそれを用いたポリオレフィンの製造方法

本発明は、担持メタロセン触媒、その製造方法、及びそれを用いたポリオレフィンの製造方法に関するもので、担体と、前記担体に積層されて形成された助触媒第1層と、前記助触媒第1層に積層されて形成されたメタロセン化合物第1層と、前記メタロセン化合物第1層に積層されて形成された助触媒第2層とを含む担持メタロセン触媒、その製造方法、及びそれを用いたポリオレフィンの製造方法を提供する。本発明の担持メタロセン触媒は、既存の担持メタロセン触媒に、アルコキシドまたはアリールオキシドなどが置換されたリガンドを有するメタロセン化合物を含め、ボレート系化合物を第2の助触媒として担持させることによって、触媒の活性が既存のメタロセン担持触媒に比べて著しく高く、分子量分布の調節が容易である効果を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、担持メタロセン触媒に係り、より詳細には、高活性担持メタロセン触媒、その製造方法及びそれを用いたポリオレフィンの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
1976年ドイツのカミンスキー教授がトリメチルアルミニウムを部分加水分解して得たメチルアルミノキサン(MAO)化合物を助触媒として使用し、二塩化ジルコノセン化合物を触媒として使用してオレフィン重合に使用できるということを報告した(非特許文献1)。
【0003】
以後、エクソンでは、シクロペンタジエニル配位子に多様な置換体を有しているメタロセン化合物を用いたオレフィン重合に関する特許(特許文献1)を出願した。
【0004】
このようなメタロセン触媒は、均一な活性点を有するため、重合体の分子量分布が狭く、共重合が容易で、また、第2単量体の分布が均一であり、プロピレン重合の場合、触媒の対称性によって重合体の立体構造を調節できるという長所がある。特に、既存のチーグラー・ナッタ触媒は、アイソタクチックポリプロピレンのみを製造できるが、メタロセン触媒を用いれば、アイソタクチック(isotactic)、シンジオタクチック(syndiotactic)、アタクチック(atactic)はもとより、へミアイソタクチック(hemiisotactic)など多様なポリプロフィレンを立体規則的に製造することができる。例えば、メタロセンを用いて合成したシンジオタクチックポリプロフィレンの場合は、結晶度が低く、適当な剛性と硬度を有し、透明性が良く、耐衝撃性が高いという特徴がある。すなわち、メタロセン触媒を用いると、ポリオレフィンの製造時に立体調節が可能であり、高分子の物性調節が容易になるという長所があるので、現在、メタロセン触媒に関する研究が活発になされている。
【0005】
しかし、このような均一系触媒を用いたオレフィン重合技術は、気相工程やスラリー工程の場合には重合体の形状維持が難しく、メタロセン触媒の最大活性を示すために過量のMAOが必要であるという問題点がある。このような問題を解決するためには、メタロセン触媒は適当な担体に担持させて使用しなければならないが、このように触媒を担持させる場合には、生成した重合体の形状を調節できるだけでなく、用途によって分子量の分布を調節することができ、得られた高分子の見掛け密度を向上させることができ、反応器内のファウリング現象を減少させることができるという利点がある。
【0006】
一般に、担持メタロセン触媒を製造する方法は、担体にまずメタロセン化合物を物理的、化学的に結合させた後、アルミノキサンを接触させて製造する方法、担体にアルミノキサンを担持した後、メタロセン化合物と反応させる方法、及びメタロセン化合物とアルミノキサンをまず接触させた後、これを担体に担持する方法などが知られている。このような担持触媒が均一系触媒と同じ高活性及び共重合効率を有するためには、担持の後にも単一活性点触媒構造を維持しなければならず、反応器のファウリングを防止するためには、重合過程で触媒が担体から分離されてはならない。また、重合体の粒度、粒度分布及び見掛け密度は、担持触媒の粒子の形状と機械的性質に左右される。
【0007】
特許文献2には、シラシクロアルキル置換体を有するメタロセン化合物及びそれを用いた担持触媒が開示されているが、気相工程またはスラリー工程に使用する場合には、触媒が担体から遊離するため、反応器のファウリング現象が発生する恐れがある。
【0008】
一方、特許文献3には、担体の表面に化学結合で配位子を先に担持させた後、該配位子に金属を結合させて担持メタロセン触媒を製造する方法が開示されている。この方法は、触媒を作る過程が非常に複雑で、担体上に多量の触媒を担持させにくいという短所がある。
【0009】
上記の様々な担持触媒の製造方法のうち、担体にアルミノキサンを担持した後にメタロセン化合物と反応させる方法は、不均一系単一活性点触媒を作る最古の方法である。例えば、シリカをアルミノキサン溶液と反応させ、ろ液をろ過した後、それをトルエン又は脂肪族炭化水素溶媒に溶解したジルコノセンと反応させて担持触媒を作るが、これは、他の処理なしに、気相工程あるいはスラリー工程のエチレン重合または共重合に使用され得る。この担持方法は、助触媒が担体の表面に物理的/化学的に固定されており、触媒は、均一系と同様に、助触媒とイオン結合の形態に存在するので、相対的に高い活性を示し、重合反応器に追加でアルミノキサンを使用する必要のない単一相触媒を製造できるので、既存のスラリーや気相工程に適用しやすい。しかし、触媒の遊離を完全に防止できないため、反応器のファウリングが発生する場合があり、シリカに結合され得るアルミノキサンにも限界があるため、それだけ結合可能なメタロセン化合物も限界があるしかないという問題点があった。
【0010】
特許文献4は、メタロセン化合物とMAOなどの担持された活性剤とdimethylaniliniumtetra(pentafluorophenyl)borate、triphenylcarbeniumtetra(pentafluorophenyl)borateなどのイオン化活性剤と担体とを含むオレフィン重合触媒を開示し、特許文献5は、シリカなどの担体とメチルアルミノキサンとビス(インデニル)ジルコニウムジクロライドなどの遷移金属化合物と[PhNMeH][B(C)]とを含むオレフィン重合体製造用触媒を開示し、特許文献6は、担体と、アルミノキサンとtetrakis(pentafluorophenyl)borateなどのイオン性化合物の組み合せである助触媒と、メタロセン化合物とを含むオレフィン重合用メタロセン触媒を開示し、Akihiro Yanoは、非特許文献2で、dimethylanilinium tetrakis(pentafluorophenyl)borate(MePhNH・B(C))/triisobutylaluminum(i−BuAl)助触媒とメタロセン化合物とを含むエチレン重合触媒を開示しているが、これらの触媒は、活性が低いという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第5,324,800号
【特許文献2】大韓民国登録特許第10−0404780号
【特許文献3】特開平6−56928号
【特許文献4】国際特許公開WO2002/040549号
【特許文献5】特開2008−121027号
【特許文献6】米国公開特許2006/0116490号
【非特許文献1】A.Anderson,J.G.Corde,J.Herwig,W.Kaminsky,A.Merck,R.Mottweiler,J.Pein,H.Sinn,and H.J.Vollmer,Angew.Chem.Int.Ed.Engl.,15,630,1976
【非特許文献2】Journal of Molecular Catalysis A:Chemical 156_2000.133−141
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、このような問題点を解決するために、既存の担持メタロセン触媒に、アルコキシドまたはアリールオキシドなどが置換されたリガンドを有するメタロセン化合物を含め、ボレート系化合物を第2の助触媒として担持させることによって、触媒の活性が既存のメタロセン担持触媒に比べて著しく高い効果を有する高活性担持メタロセン触媒を提供しようとする。
【0013】
また、本発明の高活性担持メタロセン触媒の製造方法を提供しようとする。
【0014】
また、本発明によって製造された担持メタロセン触媒をポリオレフィンの製造方法に使用することによって、低圧又は高圧で重合されるポリオレフィン重合工程において適用可能であり、製造されるポリオレフィンの分子量が小さく、分子量の分布が狭く、製造工程時に、ファウリングを防止するポリオレフィンの製造方法を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、上記の第1の技術的課題を達成するために、
担体と、
前記担体に積層されて形成された助触媒第1層と、
前記助触媒第1層に積層されて形成されたメタロセン化合物第1層と、
前記メタロセン化合物第1層に積層されて形成された助触媒第2層と、を含み、
前記メタロセン化合物第1層は、下記化学式1ないし3で表されるメタロセン化合物からなる群から選択された1種以上で構成されたことを特徴とする担持メタロセン触媒を提供する。
【0016】
【化1】

【0017】
【化2】

【0018】
【化3】

【0019】
化学式1、2又は3において、
【0020】
CpとCp’は、互いに同一または異なるシクロペンタジエニル、インデニル、4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル及びフルオレニルラジカルからなる群から選択されたいずれか一つであり;RとRは、互いに同一または異なる水素ラジカル、炭素数1〜20のアルキル、シクロアルキル、アリール、アルケニル、アルキルアリール、アリールアルキル、アリールアルケニルラジカルまたはアルキルシリルラジカルであり;RとRは、互いに同一または異なる水素又は炭素数1〜6のヒドロカルビルラジカルであり;a、a’、bまたはb’は、それぞれ1〜4の整数であり、
【0021】
Mは、周期律表の第4B族、第5B族または第6B族の遷移金属であり、
【0022】
Qは、ハロゲンラジカル、または炭素数1〜20のアルキルラジカル、アルケニルラジカル、アリールラジカル、アルキルアリールラジカル、アリールアルキルラジカル;または炭素数1〜20のアルキリデンラジカルであり、kは、2または3で、zは、0または1であり、kが3であるとき、zは0であり、
【0023】
Bは、炭素数1〜4のアルキルラジカル、または、シリコン、ゲルマニウム、リン、窒素、ホウ素またはアルミニウムを含有するヒドロカルビルラジカルからなる群から選択されたいずれか一つであり、
【0024】
化学式3において、Jは、NR、O、PR及びSからなる群から選択されたいずれか一つであり、前記Rは、炭素数1〜20のアルキルラジカル、または置換されたアルキルラジカルであり、
【0025】
前記R、R、BまたはRの中に存在するいずれか一つの水素ラジカルが、化学式4、5又は6の化合物であり、
【0026】
【化4】

【0027】
化学式4において、
【0028】
Zは、酸素原子または硫黄原子であり、好ましくは酸素原子であり、
【0029】
R及びR’は、互いに同一または異なる水素ラジカル;炭素数1〜20のアルキル、シクロアルキル、アリール、アルケニル、アルキルアリール、アリールアルキル;またはアリールアルケニルラジカルであり、好ましくは、互いに同一または異なる炭素数1〜20のアルキルラジカルであり;2つのR’は、互いに連結されて環を形成することができ、
【0030】
Gは、炭素数1〜20のアルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、フェニルまたは置換されたフェニルであり、好ましくは、炭素数1〜20のアルコキシであり、R’と連結されて環を形成することができ、
【0031】
Zが硫黄原子であれば、Gは必ずアルコキシまたはアリールオキシであり、
【0032】
Gがアルキルチオ、アリールチオ、フェニルまたは置換されたフェニルであれば、Zは必ず酸素原子であり、
【0033】
【化5】

【0034】
化学式5において、
【0035】
Z’は、酸素原子または硫黄原子であり、好ましくは酸素原子であり、2つのZ'のうち少なくともいずれか一つは酸素原子であり、
【0036】
R及びR”は、互いに同一または異なる、水素ラジカル;炭素数1〜20のアルキル、シクロアルキル、アリール、アルケニル、アルキルアリール、アリールアルキルまたはアリールアルケニルラジカルであり、好ましくは、互いに同一または異なる炭素数1〜20のアルキルラジカルであり、
【0037】
RとR”または2つのR”は、互いに連結されて環を形成することができ、
【0038】
【化6】

【0039】
化学式6において、
【0040】
Z”は、酸素、硫黄、窒素、リンまたはヒ素原子であり、好ましくは酸素原子であり、
【0041】
R'''は、互いに同一または異なる、水素ラジカル、炭素数1〜40のアルキル、シクロアルキル、アリール、アルケニル、アルキルアリール、アリールアルキルまたはアリールアルケニルラジカルであり、好ましくは、互いに同一または異なる炭素数1〜40のアルキルラジカルであり、
【0042】
R''''は、水素ラジカル、炭素数1〜40のアルキル、アリール、アルケニル、アルキルアリール、アルキルシリル、アリールシリル、フェニルまたは置換されたフェニルであり、好ましくは、炭素数1〜40のアルキルラジカルであり、
【0043】
nは、1または2であり、好ましくは1であり、Z”が酸素または硫黄であれば、nは1であり、Z”が窒素、リンまたはヒ素であれば、nは2である。
【0044】
また、本発明の好ましい様態として、
担体と、
前記担体に積層されて形成された助触媒第1層と、
前記助触媒第1層に積層されて形成されたメタロセン化合物第1層と、
前記メタロセン化合物第1層に積層されて形成された助触媒第2層と、を含み、
前記メタロセン化合物第1層は、下記化学式1で表されるメタロセン化合物及び、化学式2又は3で表されるメタロセン化合物で構成されたことを特徴とする担持メタロセン触媒を提供する。
【0045】
本発明は、上記の第2の技術的課題を達成するために、
担体に、アルミニウムを含む有機金属化合物である助触媒1を反応させて、助触媒1が担持された担体を製造するステップと、
前記助触媒第1層が担持された担体に、請求項1または2によるメタロセン化合物を反応させて、助触媒第1層とメタロセン化合物とが担持された担体を製造するステップと、
前記助触媒第1層とメタロセン化合物とが担持された担体に、ホウ素を含む有機金属化合物である助触媒2を反応させて、助触媒第1層、メタロセン化合物及び助触媒第2層が担持された担持メタロセン触媒を製造するステップと、
を含む、担持メタロセン触媒の製造方法を提供する。
【0046】
本発明は、上記の第3の技術的課題を達成するために、
本発明による担持メタロセン触媒の存在下で、オレフィン系単量体を重合することを特徴とするポリオレフィンの製造方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下、本発明を実施例と併せて詳細に説明する。
【0048】
本発明の好ましい実施例によれば、上記の化学式1ないし3で表される化合物において、Mは、チタン、ジルコニウムまたはハフニウムであり、Qは、好ましくはハロゲン、最も好ましくは塩素であり、kは、好ましくは2である。
【0049】
一方、本発明の上記化学式1で表されるメタロセン化合物の代表例は、[A−O−(CH−CZrClまたは[A−O−(CH−C]ZrClであり、上記において、aは4〜8の整数であり、Aは、メトキシメチル、t−ブトキシメチル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、1−エトキシエチル、1−メチル−1−メトキシエチル及びt−ブチルからなる群から選択されるいずれか一つであってもよい。
【0050】
一方、上記化学式2で表される化合物において、Bは、触媒内でC環に立体堅固性を付与する2個のC環の間の構造的架橋であり、メタロセン触媒中のC環は、本質的に互いに異なる方式で置換され、2つのC環の間に立体的な差が存在するようにし、Rは、(C)が(C)とは本質的に互いに異なるように置換された環となるように選択される。
【0051】
本発明の好ましい実施例によれば、上記化学式2で表されるメタロセン化合物の代表例は、[A−O−(CH−C]C(CH[C13]ZrCl、[A−O−(CH−C]Si(CH[C13]ZrCl、[C]C(CH)(A−O−(CH)[C13]ZrClまたは[C]Si(CH)(A−O−(CH)[C13]ZrClであり、上記において、aは、4〜8の整数であり、Aは、メトキシメチル、t−ブトキシメチル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、1−エトキシエチル、1−メチル−1−メトキシエチル及びt−ブチルからなる群から選択されるいずれか一つであってもよい。
【0052】
本発明の好ましい実施例によれば、上記化学式3で表されるメタロセン化合物の代表例は、[(A’−D−(CH)](CH)X(CMe)(NCMe)]TiClであり、Xは、メチレン、エチレンまたはケイ素で、Dは、酸素または窒素原子であり、A’は、水素、炭素数1〜20のアルキル、アルケニル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、アルキルシリル、アリールシリル、メトキシメチル、t−ブトキシメチル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、1−エトキシエチル、1−メチル−1−メトキシエチル及びt−ブチルからなる群から選択されたいずれか一つであってもよい。
【0053】
本発明に使われる担体は、乾燥して表面に水分を除去した後、反応性が高いヒドロキシ基とシロキサン基を有している。具体的には、高温で乾燥したシリカ、シリカ−アルミナ、シリカ−マグネシアなどを使用することができ、これらは通常的にNaO、KCO、BaSO、Mg(NOなどの酸化物、炭酸塩、硫酸塩、窒酸塩成分を含有することができる。このときの乾燥温度は、200ないし800℃で、好ましくは300ないし600℃であり、より好ましくは300ないし400℃であるが、200℃未満では水分が多すぎて表面の水分と助触媒とが反応し、800℃を超える場合には表面にヒドロキシ基が多く無くなり、シロキサン基のみが残って助触媒との反応場が減少するため好ましくない。
【0054】
このように乾燥した担体は、下記化学式7で示される助触媒1と混合して、助触媒1が担持された担体を形成することができる。助触媒1は、アルミニウムを含む有機金属化合物であって、一般的なメタロセン触媒下にオレフィンを重合するときに使用される助触媒と同一である。このような助触媒1を担持させると、担持体にあるヒドロキシ基と前記アルミニウム金属との間に結合が生成する。
【0055】
【化7】

【0056】
化学式7において、Rは、互いに同一または異なる、ハロゲンラジカル、炭素数1ないし20のヒドロカルビルラジカル、またはハロゲンに置換された炭素数1ないし20のヒドロカルビルラジカルであり、nは、2以上の整数である。
【0057】
前記化学式7の化合物は、線状、円形または網状に存在可能であり、このような化合物の例は、メチルアルミノキサン(MAO)、エチルアルミノキサン、イソブチルアルミノキサン、ブチルアルミノキサンなどがある。
【0058】
助触媒第1層が担持された担体に、本発明のメタロセン化合物を担持して、助触媒第1層及びメタロセン化合物が担持された担体を製造した後、ここに、下記化学式8の助触媒2を混合し、助触媒第1層、メタロセン化合物及び助触媒第2層が担持された担持メタロセン触媒を製造することができる。
【0059】
[化学式8]
[BQ
【0060】
化学式8において、Tは、+1価の多原子イオンで、Bは、+3形式の酸化状態のホウ素であり、Qは、それぞれ独立して、ヒドリド、ジアルキルアミド、ハライド、アルコキシド、アリールオキシド、ヒドロカルビル、ハロカルビル及びハロ置換されたヒドロカルビルラジカルのうちから選択され、前記Qは、20個以下の炭素を有するが、但し、一つ以下の位置でQはハライドである。
【0061】
前記化学式8で表される化合物の例として、本発明の触媒の製造において活性化助触媒として使用可能なプロトン供与性カチオンを含むイオン形成化合物の非制限的な例は、三置換されたアンモニウム塩、例えば、トリメチルアンモニウムテトラフェニルボレート、メチルジオクタデシルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリエチルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリプロピルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラフェニルボレート、メチルテトラジシクロオクタデシルアンモニウムテトラフェニルボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラフェニルボレート、N,N−ジエチルアニリニウムテトラフェニルボレート、N,N−ジメチル(2,4,6−トリメチルアニリニウム)テトラフェニルボレート、トリメチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、メチルジテトラデシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、メチルジオクタデシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(sec−ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジエチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチル(2,4,6−トリメチルアニリニウム)テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリメチルアンモニウムテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、ジメチル(t−ブチル)アンモニウムテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジエチルアニリニウムテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート及びN,N−ジメチル−(2,4,6−トリメチルアニリニウム)テトラキス−(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート;ジアルキルアンモニウム塩、例えば、ジオクタデシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジテトラデシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート及びジシクロヘキシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート;及び三置換されたホスホニウム塩、例えば、トリフェニルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、メチルジオクタデシルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート及びトリ(2,6−ジメチルフェニル)ホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートである。長鎖アルキル一置換及び二置換されたアンモニウム錯体、特に、C14−C20アルキルアンモニウム錯体、特に、メチルジ(オクタデシル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート及びメチルジ(テトラデシル)−アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、またはこれらを含む混合物が好ましい。これらの混合物は、2個のC14、C16またはC18アルキル基及び1個のメチル基を含むアミンから誘導されたプロトン化したアンモニウムカチオンを含む。このようなアミンは、Witco Corp.からKemamine(登録商標)T9701という商品名で及びAkzo−Nobel社からArmeen(登録商標)M2HTという商品名で購入可能である。
【0062】
一方、前記担持メタロセン触媒内の[ホウ素]/[遷移金属]のモル比は、0.01ないし1,000であってもよく、好ましくは0.1ないし100であり、より好ましくは0.2ないし10であるが、前記モル比が0.01未満である場合には、ホウ素の含量が少なすぎて活性増加の効果が非常に低く、1,000を超える場合には、活性がこれ以上増加せず、担持されないまま残留するボレート化合物の含量が高くなり、重合中に、反応器内のファウリングを誘発する恐れがある。
【0063】
また、本発明の担持メタロセン触媒は、それ自体としてオレフィン重合に使用可能であり、別途に触媒をエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどのようなオレフィン系単量体と接触させて、予備重合された触媒として製造して使用してもよい。
【0064】
本発明によるポリオレフィン重合用担持メタロセン触媒を製造する方法は、担体に、アルミニウムを含む有機金属化合物である助触媒1を反応させて、助触媒1が担持された担体を製造するステップ(a)と、助触媒1が担持された担体に、本発明によるメタロセン化合物を反応させて、助触媒1とメタロセン化合物とが担持された担体を製造するステップ(b)と、助触媒1とメタロセン化合物とが担持された担体に、ホウ素を含む有機金属化合物である助触媒2を反応させて、助触媒1、2及びメタロセン化合物が担持された担持メタロセン触媒を製造するステップ(c)と、を含むことを特徴とする。
【0065】
本発明は、担体に、アルミニウムを含む有機金属化合物である助触媒1を反応させた後、酸素ドナー(O−donor)としてルイス塩基の役割をすることができるアルコキシのような作用基がシクロペンタジエン、シクロペンタジエン誘導体、または橋かけ基に置換されたメタロセン化合物を、前記担持された助触媒と反応させて、助触媒第1層とメタロセン化合物とが担持された担体を製造し、ここに、ホウ素を含む有機金属化合物である助触媒2を反応させて、助触媒第1層、メタロセン化合物及び助触媒第2層が担持された担持メタロセン触媒を製造することをその特徴とし、オレフィンを重合するときに担持された触媒が遊離しないので、反応器のファウリングを発生させることなく、重合活性に優れた担持メタロセン触媒を提供することができる。
【0066】
前記担体と助触媒1との反応(a)は、溶媒を使用してもよく、溶媒なしに反応させてもよい。使用可能な溶媒は、ヘキサン、ペンタンのような脂肪族炭化水素溶媒、トルエンのような芳香族炭化水素溶媒である。
【0067】
前記(a)ステップの反応温度は、−20℃ないし100℃であってもよい。これは、反応溶媒が液体として存在する範囲が前記温度範囲内であるからである。好ましくは、−10℃ないし100℃であり、より好ましくは、0℃ないし80℃である。これは、前記温度範囲で反応が最適に進行できるからである。一方、前記反応時間は、10分ないし24時間であってもよい。
【0068】
このように製造された助触媒担持触媒は、ろ過または減圧蒸留を通じて反応溶媒を除去し、そのまま使用することができ、必要であれば、トルエンのような芳香族炭化水素でソックスレー(soxhlet)フィルタリングして使用することができる。
【0069】
助触媒1が担持された担体とメタロセン触媒との反応(b)において使用可能な溶媒は、ヘキサン、ペンタンのような脂肪族炭化水素溶媒、トルエン、ベンゼンのような芳香族炭化水素溶媒、ジクロロメタンのような塩素原子に置換された炭化水素溶媒、ジエチルエーテル、THFのようなエーテル系溶媒、アセトン、エチルアセテートなどのほとんど有機溶媒であり、ヘキサン、ヘプタン、トルエンが好ましい。
【0070】
前記(b)ステップの反応温度は、0℃ないし100℃であってもよく、反応時間は、5分ないし24時間であることが好ましい。
【0071】
助触媒1及びメタロセン化合物が担持された担体と助触媒2との反応により担持メタロセン触媒を製造するステップ(c)において使用可能な溶媒は、ヘキサン、ペンタンのような脂肪族炭化水素溶媒、トルエン、ベンゼンのような芳香族炭化水素溶媒、ジクロロメタンのような塩素原子に置換された炭化水素溶媒、ジエチルエーテル、THFのようなエーテル系溶媒、アセトン、エチルアセテートなどのほとんど有機溶媒であり、ヘキサン、ヘプタン、トルエンが好ましい。
【0072】
前記(c)ステップの反応温度は、0℃ないし100℃であってもよく、反応時間は、5分ないし24時間であることが好ましい。
【0073】
このように製造されたメタロセン担持触媒は、ろ過または減圧蒸留を通じて反応溶媒を除去し、そのまま使用することができ、必要であれば、トルエンのような芳香族炭化水素でソックスレー(soxhlet)フィルタリングして使用することができる。
【0074】
本発明の担持メタロセン触媒を用いたポリオレフィンの重合工程は、溶液工程以外に、スラリーまたは気相工程、及びスラリーと気相の混合工程などをいずれも使用することができ、好ましくは、スラリーまたは気相工程による。
【0075】
本発明の担持メタロセン触媒は、オレフィン重合工程に適した炭素数5ないし12の脂肪族炭化水素溶媒、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ノナン、デカン及びこれらの異性質体と、トルエン、ベンゼンのような芳香族炭化水素溶媒、ジクロロメタン、クロロベンゼンのような塩素原子に置換された炭化水素溶媒などにスラリー状に希釈して注入可能である。ここに使われる溶媒は、少量のアルキルアルミニウム処理を行うことによって、触媒毒として作用する少量の水、空気などを除去して使用することが好ましく、助触媒をさらに使用して行うことも可能である。
【0076】
本発明の担持メタロセン触媒を用いて重合可能なオレフィン系単量体は、エチレン、プロピレン、アルファオレフィン、環状オレフィンなどがあり、二重結合を2個以上有しているジエンオレフィン系単量体またはトリエンオレフィン系単量体なども重合が可能である。このような単量体の例としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−へプテン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−アイコセン、ノボネン、ノボナジエン、エチリデンノボネン、ビニルノボネン、ジシクロペンタジエン、1,4−ブタジエン、1,5−ペンタジエン、1,6−ヘキサジエン、スチレン、アルファ−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、3−クロロメチルスチレンなどがあり、これら単量体を2種以上混合して共重合してもよい。
【0077】
以下、好ましい実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明がこれにより制限されるものではない。
【0078】
下記の実施例において、触媒の製造及び重合に必要な有機試薬と溶媒は、Aldrich社製品で標準方法により精製し、エチレンは、Applied Gas Technology社の高純度製品を水分及び酸素ろ過装置を通過させた後重合し、触媒の合成、担持及び重合の全てのステップにおいて空気と水分の接触を遮断して実験の再現性を高めた。
【0079】
一方、触媒の構造を立証するために、300MHz NMR(Bruker)を用いてスペクトルを求めた。
【0080】
一方、担持触媒の分析のために、GBC社で製造したXMP integraというモデルのICP−AES(誘導結合プラズマ−原子発光分光計(Inductively Coupled Plasma−Atomic Emission Spectrometer))を使用した。このようなICP分析を通じて、担持触媒と反応した後、ろ液のジルコニウム及びホウ素の含量が分かった。
【0081】
以下、本発明の理解を助けるために好ましい実施例を提示するが、下記の実施例は、本発明を例示することに過ぎず、本発明の範疇及び技術思想の範囲内で様々な変更及び修正が可能であるということは当業者にとって明らかであり、このような変形及び修正が添付の特許請求の範囲に属することも当然なものである。
【実施例】
【0082】
触媒の製造及び重合に必要な有機試薬と溶媒は、Aldrich社製品を標準方法により精製して使用し、エチレンは、Applied Gas Technology社の高純度製品を水分及び酸素ろ過装置を通過させて使用した。触媒の合成、担持及びオレフィン重合の全てのステップにおいて空気と水分の接触を遮断して実験の再現性を高めた。
【0083】
<製造例1>[t−Bu−O−(CH−CZrClの合成
【0084】
6−クロロヘキサノールを使用して文献(Tetrahedron Lett.2951(1988))に提示された方法でt−Butyl−O−(CH−Clを製造し、ここに、NaCpを反応させて、t−Butyl−O−(CH−Cを得た(収率60%、b.p.80℃/0.1mmHg)。また、−78℃でt−Butyl−O−(CH−CをTHFに溶かし、ノルマルブチルリチウム(n−BuLi)を徐々に加えた後、室温に昇温させた後、8時間反応させた。その溶液を再び−78℃でZrCl(THF)2(1.70g、4.50mmol)/THF(30ml)のサスペンション(suspension)溶液に既に合成されたリチウム塩(lithium salt)溶液を徐々に加え、室温で6時間さらに反応させた。全ての揮発性物質を真空乾燥し、得られた油性液体物質にヘキサン(hexane)溶媒を加えてろ過した。ろ過した溶液を真空乾燥した後、ヘキサンを加えて低温(−20℃)で沈殿物を誘導した。得られた沈殿物を低温でろ過して白色の固体形態の[tBu−O−(CH−CZrCl化合物を得た(収率92%)。
【0085】
H NMR(300MHz、CDCl):6.28(t、J=2.6Hz、2H)、6.19(t、J=2.6Hz、2H)、3.31(t、6.6Hz、2H)、2.62(t、J=8Hz)、1.7−1.3(m、8H)、1.17(s、9H)。
【0086】
13C NMR(CDCl):135.09、116.66、112.28、72.42、61.52、30.66、30.61、30.14、29.18、27.58、26.00。
【0087】
<製造例2>[methyl(6−t−buthoxyhexyl)silyl(η−tetramethylCp)(t−Butylamido)TiClの合成
【0088】
常温で50gのMg(s)を10L反応器に加えた後、THF300mLを加えた。Iを0.5g程度加えた後、反応器の温度を50℃に維持した。反応器の温度が安定化した後、250gの6−t−ブトキシヘキシルクロライドを注入ポンプ(feeding pump)を用いて5mL/minの速度で反応器に加えた。6−t−ブトキシヘキシルクロライドを加えることによって反応器の温度が4〜5℃程度上昇することを観察できた。継続的に6−t−ブトキシヘキシルクロライドを加えながら12時間攪拌した。反応12時間後、黒色の反応溶液を得ることができた。生成した黒色の溶液2mLを取った後、水を加えて有機層を得て、H−NMRを通じて6−t−ブトキシヘキサンを確認することができた。また、6−t−ブトキシヘキサンからグリニャール反応がよく進行したことが分かった。その後、6−t−ブトキシヘキシルマグネシウムクロライドを合成した。
【0089】
MeSiCl 500gと1LのTHFを反応器に加えた後、反応器の温度を−20℃まで冷却した。合成した6−t−ブトキシヘキシルマグネシウムクロライドの中の560gを注入ポンプを用いて5mL/minの速度で反応器に加えた。グリニャール試薬の注入が終わった後、反応器の温度を徐々に常温に上げながら12時間攪拌した。反応12時間後、白色のMgCl塩が生成することを確認した。ヘキサン4Lを加え、実験用加圧脱水ろ過装置(labdori、HANGANG ENG CO.,LTD.)を通じて塩を除去して、フィルター溶液を得ることができた。得られたフィルター溶液を反応器に加えた後、70℃でヘキサンを除去して、淡い黄色の液体を得ることができた。得られた液体を、H−NMRを通じて、所望のメチル(6−t−ブトキシヘキシル)ジクロロシラン化合物であることを確認できた。
【0090】
H−NMR(CDCl):3.3(t、2H)、1.5(m、3H)、1.3(m、5H)、1.2(s、9H)、1.1(m、2H)、0.7(s、3H)。
【0091】
テトラメチルシクロペンタジエン1.2モル(150g)と2.4LのTHFを反応器に加えた後、反応器の温度を−20℃に冷却した。n−BuLi 480mLを注入ポンプを用いて5mL/minの速度で反応器に加えた。n−BuLiを加えた後、反応器の温度を徐々に常温に上げながら12時間攪拌した。反応12時間後、当量のMethyl(6−t−buthoxyhexyl)dichlorosilane(326g、350mL)を素早く反応器に加えた。反応器の温度を徐々に常温に上げながら12時間攪拌した後、再び反応器の温度を0℃に冷却させた後、2当量のt−BuNHを加えた。反応器の温度を徐々に常温に上げながら12時間攪拌した。反応12時間後、THFを除去し、4Lのヘキサンを加えて、labdoriを通じて塩を除去したフィルター溶液を得ることができた。フィルター溶液を再び反応器に加えた後、ヘキサンを70℃で除去して黄色の溶液を得ることができた。得られた黄色の溶液を、H−NMRを通じて、Methyl(6−t−buthoxyhexyl)(tetramethylCpH)t−Butylaminosilane化合物であることを確認できた。
【0092】
n−BuLiと、リガンドDimethyl(tetramethylCpH)t−ButylaminosilaneからTHF溶液において合成した−78℃のリガンドのジリチウム塩とにTiCl(THF)(10mmol)を素早く加えた。反応溶液を徐々に−78℃から常温に上げながら12時間攪拌した。12時間攪拌した後、常温で当量のPbCl(10mmol)を反応溶液に加えた後、12時間攪拌した。12時間攪拌した後、青色を帯びる濃い黒色の溶液を得ることができた。生成した反応溶液からTHFを除去した後、ヘキサンを加えて生成物をフィルタリングした。得られたフィルター溶液からヘキサンを除去した後、H−NMRから所望の[methyl(6−t−buthoxyhexyl)silyl(η−tetramethylCp)(t−Butylamido)]TiCl化合物であることを確認した。
【0093】
H−NMR(CDCl):3.3(s、4H)、2.2(s、6H)、2.1(s、6H)、1.8〜0.8(m)、1.4(s、9H)、1.2<136>(s、9H)、0.7(s、3H)
【0094】
<製造例3>[(CH−CZrClの製造
【0095】
Aldrich社から購入して使用した。
【0096】
<製造例4>6−t−butoxyhexylmethylsilylbisindenyl zirconium dichlorideの合成
【0097】
2.5M n−BuLi溶液17.5mlを20mlのエーテルに溶けている5mlのインデンに20分間0℃で投入した後、常温で2時間攪拌する。t−ブトキシヘキシルメチルジクロロシラン5.25gを10mlのヘキサンに溶かした後、−78℃で10分にわたってインデニルリチウム溶液に投入した。この反応溶液を常温で3時間攪拌した後、塩化リチウムをフィルタリングして除去し、溶媒を真空乾燥して、構造異性体が混合された生成物を得た。構造異性体は、H NMRを通じて確認した。
【0098】
1H NMR(500MHz、CDCl):1.17(t−BuO、9H、s)、3.59(Indene、2H、m)、0.21(MeSi、3H、s)、0.47(CH、2H、m)、0.89(CH、2H、m)、1.28(CH、2H、m)、1.56(CH、4H、m)、3.26(OCH、t、JHH=0.014)、7.48(ArH、2H、m)、7.38(ArH、2H、m)、7.26(ArH、2H、m)、7.16(ArH、2H、m)、6.90(indene、H、m)、6.60(ArH、2H、m)。
【0099】
上記で、H NMRを通じて確認した物質を40mlのエーテルに溶かし、−78℃で2.5M n−BuLi溶液17.5mlを20分間投入した。常温で3時間攪拌した後、ヘキサンを入れて固体に作った後、フィルタリングして物質を得た。
【0100】
塩化ジルコニウム1gをトルエン20mlに入れて攪拌する。上記で作ったリガンド固体2.3gにトルエン/エーテル1:2溶液30mlを入れ、温度を−78℃状態で塩化ジルコニウム混合液に20分間投入した。これを常温で16時間攪拌した後、フィルタリングした。ヘキサンで物質を再結晶し、最終触媒を得た。
【0101】
1H NMR(500MHz、C):1.15(t−BuO、9H、s)、1.12(MeSi、3H、s)、1.34(CH、6H、m)、1.47(CH、2H、m)、1.60(CH、2H、m)、3.26(OCH、t、JHH=0.014、7.40(ArH、2H、m)、7.33(ArH、2H、m)、7.28(ArH、2H、m)、7.16(ArH、2H、m)、6.90(indene、H、m)、5.83(ArH、2H、m)
【0102】
<製造例5>[t−Bu−O−(CH−CHfClの合成
【0103】
6−クロロヘキサノールを使用して文献(Tetrahedron Lett.2951(1988))に提示された方法でt−Butyl−O−(CH−Clを製造し、ここに、NaCpを反応させてt−Butyl−O−(CH−Cを得た(収率60%、b.p.80℃/0.1mmHg)。また、−78℃でt−Butyl−O−(CH−CをTHFに溶かし、ノルマルブチルリチウム(n−BuLi)を徐々に加えた後、室温に昇温させた後、8時間反応させた。その溶液を再び−78℃でHfCl(1.44g、4.50mmol)/THF(30ml)のサスペンション(suspension)溶液に既に合成されたリチウム塩(lithium salt)溶液を徐々に加え、室温で6時間さらに反応させた。全ての揮発性物質を真空乾燥し、得られた油性液体物質にヘキサン(hexane)溶媒を加えてろ過した。ろ過した溶液を真空乾燥した後、ヘキサンを加えて低温(−20℃)で沈殿物を誘導した。得られた沈殿物を低温でろ過して白色の固体形態の[tBu−O−(CH−CHfCl化合物を得た(収率88%)。
【0104】
1H−NMR(300MHz、CDCl):6.19(t、J=2.6Hz、2H)、6.08(t、J=2.6Hz、2H)、3.31(t、6.6Hz、2H)、2.65(t、J=8Hz)、1.56−1.48(m、4H)、1.34(m、4H)、1.17(s、9H)。
【0105】
13C−NMR(CDCl):134.09、116.06、111.428、72.42、61.33、30.42、30.67、30.14、29.20、27.52、26.01。
【0106】
実施例1
【0107】
280m/gの表面積に1.47ml/gの細孔容積を有する焼成処理されたシリカ(Sylopol 2212、Grace Davison)3gにトルエン10mlを入れて、70℃で2時間MAO 15ml(10wt%トルエン溶液)と反応させた後、トルエンを使用して洗浄し、未反応のMAO溶液を除去した。ここに、tert−ブトキシ基を有する製造例1のメタロセン化合物0.72mmolを50℃で1時間反応させた後、トルエンで洗浄した。ここに、トリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(TB)を1.2mmolを50℃で1時間反応させた後、50℃で減圧下に乾燥して固体状態の触媒を製造した。ホウ素(B)/遷移金属(Zr)のモル比は1.3であった。
【0108】
実施例2
【0109】
トリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(TB)を処理するにおいて0.6mmolを処理したことを除いては、実施例1と同様に行った。ホウ素(B)/遷移金属(Zr)のモル比は0.7であった。
【0110】
実施例3
【0111】
トリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(TB)を処理するにおいて0.15mmolを処理したことを除いては、実施例1と同様に行った。ホウ素(B)/遷移金属(Zr)のモル比は0.2であった。
【0112】
実施例4
【0113】
TBの代わりに、ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(AB)を使用したことを除いては、実施例1と同様に行った。
【0114】
実施例5
【0115】
製造例1のメタロセン化合物の代わりに、tert−ブトキシ基を有する製造例2のメタロセン化合物を使用したことを除いては、実施例1と同様に行った。
【0116】
実施例6
【0117】
製造例1のメタロセン化合物の代わりに、製造例4のビスインデニル系メタロセン化合物を使用したことを除いては、実施例1と同様に行った。
【0118】
実施例7
【0119】
280m/gの表面積に1.47ml/gの細孔容積を有する焼成処理されたシリカ(Sylopol 2212、Grace Davison)3gにトルエン10mlを入れて、70℃で2時間MAO 15ml(10wt%トルエン溶液)と反応させた後、トルエンを使用して洗浄し、未反応のMAO溶液を除去した。ここに、tert−ブトキシ基を有する製造例1のメタロセン化合物0.48mmolと製造例2のメタロセン化合物0.24mmolとを50℃で1時間反応させた後、トルエンで洗浄した。ここに、トリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(TB)を1.2mmolを50℃で1時間反応させた後、50℃で減圧下に乾燥して固体状態の触媒を製造した。
【0120】
比較例1
【0121】
MAOを15mlの代わりに30mlを処理したこと及びTB処理を行わないことを除いては、実施例1と同様に行った。
【0122】
比較例2
【0123】
トリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(TB)を使用する代わりに、MAO(10wt%トルエン溶液)15mlを50℃で1時間反応させた後、未反応のMAOを除去した後、トルエンで洗浄した後、50℃で減圧した後乾燥したことを除いては、実施例1と同様に行った。
【0124】
比較例3
【0125】
TB処理を行わないことを除いては、実施例5と同様に行った。
【0126】
比較例4
【0127】
製造例3のメタロセン化合物を使用したことを除いては、実施例1と同様に行った。
【0128】
比較例5
【0129】
TB処理を行わないことを除いては、比較例4と同様に行った。
【0130】
比較例6
【0131】
TB処理を行わないことを除いては、実施例6と同様に行った。
【0132】
比較例7
【0133】
TB処理を行わないことを除いては、実施例7と同様に行った。
【0134】
<ポリエチレンの製造及び物性評価>
【0135】
1)溶融指数(MI、2.16kg):測定温度190℃、ASTM 1238を基準として測定した。
【0136】
2)高荷重溶融指数(HLMI、21.16kg):測定温度190℃、ASTM 1238を基準として測定した。
【0137】
3)MFR(HLMI/MI):HLMI溶融指数(MI、21.6kg荷重)をMI(MI、2.16kg荷重)で除した比率である。
【0138】
実施例8
【0139】
5Lの体積の高圧反応器に空気及び酸素が接触しないようにして3Lのノルマルヘキサンを投入し、トリエチルアルミニウムの濃度がノルマルヘキサンに対して0.6mmol/Lになるようにトリエチルアルミニウムを投入した後、上記実施例1から製造された固体状態の触媒30mgを投入した。その後、80℃でエチレンを連続的に投入し、9barの圧力を維持しながら2時間重合した。その後、エチレンの供給を中断し、圧力を除去した後、終結した。これから得られた懸濁液を分離及び乾燥してポリエチレン粒子を製造した。
【0140】
実施例9
【0141】
実施例1から製造された触媒の代わりに、実施例2から製造された触媒を使用したことを除いては、実施例8と同様に行った。
【0142】
実施例10
【0143】
実施例1から製造された触媒の代わりに、実施例3から製造された触媒を使用したことを除いては、実施例8と同様に行った。
【0144】
実施例11
【0145】
実施例1から製造された触媒の代わりに、実施例4から製造された触媒を使用したことを除いては、実施例8と同様に行った。
【0146】
実施例12
【0147】
実施例1から製造された触媒の代わりに、実施例5から製造された触媒を使用したことを除いては、実施例8と同様に行った。
【0148】
実施例13
【0149】
実施例1から製造された触媒の代わりに、実施例6から製造された触媒を使用したことを除いては、実施例8と同様に行った。
【0150】
実施例14
【0151】
実施例1から製造された触媒の代わりに、比較例1から製造された固体状態の触媒30mgを投入し、その後、TBをモル比でB/Zr=2に該当する量をさらに投入したことを除いては、実施例8と同様に行った。
【0152】
実施例15
【0153】
40barでエチレン重合したことを除いては、実施例8と同様に行った。
【0154】
実施例16
【0155】
TBの代わりに、ABを使用したことを除いては、実施例15と同様に行った。
【0156】
実施例17
【0157】
実施例1から製造された触媒の代わりに、実施例7から製造された触媒を使用したことを除いては、実施例8と同様に行った。
【0158】
実施例18
【0159】
40barでエチレン重合したことを除いては、実施例17と同様に行った。
【0160】
比較例8
【0161】
実施例1から製造された触媒の代わりに、比較例1から製造された触媒を使用したことを除いては、実施例8と同様に行った。
【0162】
比較例9
【0163】
実施例1から製造された触媒の代わりに、比較例4から製造された触媒を使用したことを除いては、実施例8と同様に行った。
【0164】
比較例10
【0165】
実施例1から製造された触媒の代わりに、比較例3から製造された触媒を使用したことを除いては、実施例8と同様に行った。
【0166】
比較例11
【0167】
実施例1から製造された触媒の代わりに、比較例5から製造された触媒を使用したことを除いては、実施例8と同様に行った。
【0168】
比較例12
【0169】
実施例1から製造された触媒の代わりに、比較例6から製造された触媒を使用したことを除いては、実施例8と同様に行った。
【0170】
比較例13
【0171】
実施例1から製造された触媒の代わりに、比較例2から製造された触媒を使用したことを除いては、実施例8と同様に行った。
【0172】
比較例14
【0173】
40barでエチレン重合したことを除いては、比較例8と同様に行った。
【0174】
比較例15
【0175】
実施例7から製造された触媒の代わりに、比較例7から製造された触媒を使用したことを除いては、実施例8と同様に行った。
【0176】
比較例16
【0177】
40barでエチレン重合したことを除いては、実施例15と同様に行った。
【0178】
表1は、エチレン重合反応時の圧力が9barである低圧重合特性を示す表で、表2は、エチレン重合反応時の圧力が40barである高圧重合特性を示す表である。
【0179】
【表1】

【0180】
表1において、TBは、トリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートであり、ABは、ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートである。
【0181】
表1において、実施例11及び比較例8の場合、製造されたポリエチレンの分子量が非常に高いので、MIだけでなくHLMIの正確な測定が不可能であった。
【0182】
【表2】

【0183】
表1及び表2を参照して説明すれば、ボレートを適用しない触媒である比較例8を使用して重合した場合に比べて、製造例1を使用し、ボレート(AB、TB)をZrと対比してモル比で0.2ないし1.3さらに担持した担持触媒である実施例8ないし11を使用して重合した場合は、活性が2ないし13倍増加した。MAOを追加的に処理することにより活性を増加させた比較例13と比較するとき、実施例8は、4倍程度高い活性を示した。
【0184】
ボレートを適用しない比較例8に比べて、製造例2を使用し、TBをZrと対比してモル比で1.3さらに担持する実施例8の活性が13倍程度増加した。しかし、アルコキシアルキルリガンドを含まない製造例3を使用した担持触媒を使用して重合する比較例11は活性が減少した。
【0185】
実施例14は、ボレートを触媒に適用せずに重合時に投入する方法を通じて製造され、比較例8に比べて活性が3倍程度増加したことを確認した。
【0186】
表2のように、40barの高圧重合においても、実施例15、16のようにボレートを適用した担持触媒の場合、先の結果と同様に、比較例14に比べて6ないし9倍程度の活性が増加したことを確認した。
【0187】
また、メタロセン担持触媒を製造するにおいて、比較例15及び比較例16のようにMAOのみを使用する場合よりも、実施例17及び実施例18のようにボレートをさらに担持した場合、触媒の活性を10倍程度増加させることができた。
【0188】
実施例17及び実施例18でのように2種以上のメタロセン化合物を同時に担持したハイブリッド担持メタロセン触媒を使用してエチレンを重合する場合、重合体のMFRを大きくすることができるだけでなく、様々な2種以上のメタロセン化合物を同時に担持した触媒を使用する場合、重合体のMFRを調節することができる。
【0189】
したがって、本発明のハイブリッド担持メタロセン触媒において、それぞれのメタロセン触媒の組成比率を調整すれば、触媒の活性を調節することができ、多様な物性及び分子量分布を有する重合体を製造することができ、これは、結局、単一の反応器で分子量の分布を調節することができるメタロセン担持触媒を製造できるということを意味する。
【産業上の利用可能性】
【0190】
本発明の担持メタロセン触媒は、既存の担持メタロセン触媒に、アルコキシドまたはアリールオキシドなどが置換されたリガンドを有するメタロセン化合物を含め、ボレート系化合物を第2の助触媒として担持させることによって、触媒の活性が既存のメタロセン担持触媒に比べて著しく高い効果を有する。また、既存の担持メタロセン触媒に、アルコキシドまたはアリールオキシドなどが置換されたリガンドを有する互いに異なる2種以上のメタロセン化合物を含め、ボレート化合物を第2の助触媒として担持させた場合も、触媒の活性が既存のメタロセン担持触媒に比べて著しく高い効果がある。
【0191】
また、本発明の高活性担持メタロセン触媒の製造方法は、簡単な工程で高活性担持メタロセン触媒を製造することができる。
【0192】
また、本発明によって製造された担持メタロセン触媒を用いた本発明のポリオレフィンの製造方法は、低圧又は高圧で重合されるポリオレフィン重合工程において適用可能であり、製造されるポリオレフィンの分子量が小さく、分子量分布の調節が容易であり、分子量の分布が狭く、製造工程時に、ファウリングを防止する効果がある。
【0193】
以上、本発明は、記載された具体例を中心として詳細に説明したが、本発明の範疇及び技術思想の範囲内で様々な変形及び修正が可能であるということは当業者にとって明らかであり、このような変形及び修正が添付の特許請求の範囲に属することも当然なものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
担体と、
前記担体に積層されて形成された助触媒第1層と、
前記助触媒第1層に積層されて形成されたメタロセン化合物第1層と、
前記メタロセン化合物第1層に積層されて形成された助触媒第2層と、を含み、
前記メタロセン化合物第1層は、下記化学式1ないし3で表されるメタロセン化合物からなる群から選択された1種以上で構成されたことを特徴とする、担持メタロセン触媒。
【化1】

【化2】

【化3】

化学式1、2又は3において、
CpとCp’は、互いに同一または異なるシクロペンタジエニル、インデニル、4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル及びフルオレニルラジカルからなる群から選択されたいずれか一つであり;RとRは、互いに同一または異なる水素ラジカル、炭素数1〜20のアルキル、シクロアルキル、アリール、アルケニル、アルキルアリール、アリールアルキル、アリールアルケニルラジカルまたはアルキルシリルラジカルであり;RとRは、互いに同一または異なる水素又は炭素数1〜6のヒドロカルビルラジカルであり;a、a’、bまたはb’は、それぞれ1〜4の整数であり、
Mは、周期律表の第4B族、第5B族または第6B族の遷移金属であり、
Qは、ハロゲンラジカル、または炭素数1〜20のアルキルラジカル、アルケニルラジカル、アリールラジカル、アルキルアリールラジカル、アリールアルキルラジカル;または炭素数1〜20のアルキリデンラジカルであり、kは、2または3で、zは、0または1であり、kが3であるとき、zは0であり、
Bは、炭素数1〜4のアルキルラジカル、または、シリコン、ゲルマニウム、リン、窒素、ホウ素またはアルミニウムを含有するヒドロカルビルラジカルからなる群から選択されたいずれか一つであり、
化学式3において、Jは、NR、O、PR及びSからなる群から選択されたいずれか一つであり、前記Rは、炭素数1〜20のアルキルラジカル、または置換されたアルキルラジカルであり、
前記R、R、BまたはRの中に存在するいずれか一つの水素ラジカルが、化学式4、5又は6の化合物であり、
【化4】

化学式4において、
Zは、酸素原子または硫黄原子であり、
R及びR’は、互いに同一または異なる水素ラジカル;炭素数1〜20のアルキル、シクロアルキル、アリール、アルケニル、アルキルアリール、アリールアルキル;またはアリールアルケニルラジカルであり;2つのR’は、互いに連結されて環を形成することができ、
Gは、炭素数1〜20のアルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、フェニルまたは置換されたフェニルであり、R’と連結されて環を形成することができ、
Zが硫黄原子であれば、Gは必ずアルコキシまたはアリールオキシであり、
Gがアルキルチオ、アリールチオ、フェニルまたは置換されたフェニルであれば、Zは必ず酸素原子であり、
【化5】

化学式5において、
Z’は、酸素原子または硫黄原子であり、2つのZ’のうち少なくともいずれか一つは酸素原子であり、
R及びR”は、互いに同一または異なる、水素ラジカル;炭素数1〜20のアルキル、シクロアルキル、アリール、アルケニル、アルキルアリール、アリールアルキルまたはアリールアルケニルラジカルであり、
RとR”または2つのR”は、互いに連結されて環を形成することができ、
【化6】

化学式6において、
Z”は、酸素、硫黄、窒素、リンまたはヒ素原子であり、
R'''は、互いに同一または異なる、水素ラジカル、炭素数1〜40のアルキル、シクロアルキル、アリール、アルケニル、アルキルアリール、アリールアルキルまたはアリールアルケニルラジカルであり、
R''''は、水素ラジカル、炭素数1〜40のアルキル、アリール、アルケニル、アルキルアリール、アルキルシリル、アリールシリル、フェニルまたは置換されたフェニルであり、
nは、1または2であり、Z”が酸素または硫黄であれば、nは1であり、Z”が窒素、リンまたはヒ素であれば、nは2である。
【請求項2】
担体と、
前記担体に積層されて形成された助触媒第1層と、
前記助触媒第1層に積層されて形成されたメタロセン化合物第1層と、
前記メタロセン化合物第1層に積層されて形成された助触媒第2層と、を含み、
前記メタロセン化合物第1層は、下記化学式1で表されるメタロセン化合物及び、化学式2又は3で表されるメタロセン化合物で構成されたことを特徴とする、請求項1に記載の担持メタロセン触媒。
【化7】

【化8】

【化9】

化学式1、2又は3において、
CpとCp’は、互いに同一または異なるシクロペンタジエニル、インデニル、4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル及びフルオレニルラジカルからなる群から選択されたいずれか一つであり;RとRは、互いに同一または異なる水素ラジカル、炭素数1〜20のアルキル、シクロアルキル、アリール、アルケニル、アルキルアリール、アリールアルキル、アリールアルケニルラジカルまたはアルキルシリルラジカルであり;RとRは、互いに同一または異なる水素又は炭素数1〜6のヒドロカルビルラジカルであり;a、a’、bまたはb’は、それぞれ1〜4の整数であり、
Mは、周期律表の第4B族、第5B族または第6B族の遷移金属であり、
Qは、ハロゲンラジカル、または炭素数1〜20のアルキルラジカル、アルケニルラジカル、アリールラジカル、アルキルアリールラジカル、アリールアルキルラジカル;または炭素数1〜20のアルキリデンラジカルであり、kは、2または3で、zは、0または1であり、kが3であるとき、zは0であり、
Bは、炭素数1〜4のアルキルラジカル、または、シリコン、ゲルマニウム、リン、窒素、ホウ素またはアルミニウムを含有するヒドロカルビルラジカルからなる群から選択されたいずれか一つであり、
化学式3において、Jは、NR、O、PR及びSからなる群から選択されたいずれか一つであり、前記Rは、炭素数1〜20のアルキルラジカル、または置換されたアルキルラジカルであり、
前記R、R、BまたはRの中に存在するいずれか一つの水素ラジカルが、化学式4、5又は6の化合物であり、
【化10】

化学式4において、
Zは、酸素原子または硫黄原子であり、
R及びR’は、互いに同一または異なる水素ラジカル;炭素数1〜20のアルキル、シクロアルキル、アリール、アルケニル、アルキルアリール、アリールアルキル;またはアリールアルケニルラジカルであり;2つのR’は、互いに連結されて環を形成することができ、
Gは、炭素数1〜20のアルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、フェニルまたは置換されたフェニルであり、R’と連結されて環を形成することができ、
Zが硫黄原子であれば、Gは必ずアルコキシまたはアリールオキシであり、
Gがアルキルチオ、アリールチオ、フェニルまたは置換されたフェニルであれば、Zは必ず酸素原子であり、
【化11】

化学式5において、
Z’は、酸素原子または硫黄原子であり、2つのZ’のうち少なくともいずれか一つは酸素原子であり、
R及びR”は、互いに同一または異なる、水素ラジカル;炭素数1〜20のアルキル、シクロアルキル、アリール、アルケニル、アルキルアリール、アリールアルキルまたはアリールアルケニルラジカルであり、
RとR”または2つのR”は、互いに連結されて環を形成することができ、
【化12】

化学式6において、
Z”は、酸素、硫黄、窒素、リンまたはヒ素原子であり、
R'''は、互いに同一または異なる、水素ラジカル、炭素数1〜40のアルキル、シクロアルキル、アリール、アルケニル、アルキルアリール、アリールアルキルまたはアリールアルケニルラジカルであり、
R''''は、水素ラジカル、炭素数1〜40のアルキル、アリール、アルケニル、アルキルアリール、アルキルシリル、アリールシリル、フェニルまたは置換されたフェニルであり、
nは、1または2であり、Z”が酸素または硫黄であれば、nは1であり、Z”が窒素、リンまたはヒ素であれば、nは2である。
【請求項3】
前記化学式4において、Zは、酸素原子であり、R及びR”は、互いに同一または異なる炭素数1〜20のアルキルラジカルであり、Gは、炭素数1〜20のアルコキシであり、化学式5において、Z’は、酸素原子であり、R及びR”は、互いに同一または異なる炭素数1〜20のアルキルラジカルであり、化学式6において、Z”は、酸素原子であり、R'''は、互いに同一または異なる炭素数1〜40のアルキルラジカルであり、R''''は、炭素数1〜40のアルキルラジカルであり、nは、1であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の担持メタロセン触媒。
【請求項4】
前記化学式1、2及び3において、前記Mは、チタン、ジルコニウムまたはハフニウムで、Qは、ハロゲンで、kは、2であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の担持メタロセン触媒。
【請求項5】
前記化学式1で表される化合物が、[A−O−(CH−CZrClまたは[A−O−(CH−C]ZrClであり、上記において、aは4〜8の整数であり、Aは、メトキシメチル、t−ブトキシメチル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、1−エトキシエチル、1−メチル−1−メトキシエチル及びt−ブチルからなる群から選択されるいずれか一つであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の担持メタロセン触媒。
【請求項6】
前記化学式2で表される化合物が、[A−O−(CH−C]C(CH[C13]ZrCl、[A−O−(CH−C]Si(CH[C13]ZrCl、[C]C(CH)(A−O−(CH)[C13]ZrClまたは[C]Si(CH)(A−O−(CH)[C13]ZrClであり、上記において、aは、4〜8の整数であり、Aは、メトキシメチル、t−ブトキシメチル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、1−エトキシエチル、1−メチル−1−メトキシエチル及びt−ブチルからなる群から選択されるいずれか一つであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の担持メタロセン触媒。
【請求項7】
前記化学式3で表される化合物が、[(A’−D−(CH)](CH)X(CMe)(NCMe)]TiClであり、Xは、メチレン、エチレンまたはケイ素で、Dは、酸素または窒素原子であり、A’は、水素、炭素数1〜20のアルキル、アルケニル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、アルキルシリル、アリールシリル、メトキシメチル、t−ブトキシメチル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、1−エトキシエチル、1−メチル−1−メトキシエチル及びt−ブチルからなる群から選択されたいずれか一つであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の担持メタロセン触媒。
【請求項8】
前記担体が、200℃ないし800℃で乾燥したものであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の担持メタロセン触媒。
【請求項9】
前記担体が、シリカ、シリカ−アルミナ及びシリカ−マグネシアからなる群から選択された1種以上であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の担持メタロセン触媒。
【請求項10】
前記助触媒第1層が、化学式7で表される化合物であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の担持メタロセン触媒。
【化13】

化学式7において、Rは、互いに同一または異なる、ハロゲンラジカル、炭素数1ないし20のヒドロカルビルラジカル、またはハロゲンに置換された炭素数1ないし20のヒドロカルビルラジカルであり、nは、2以上の整数である。
【請求項11】
前記化学式7で表される化合物が、メチルアルミノキサン(MAO)、エチルアルミノキサン、イソブチルアルミノキサン及びブチルアルミノキサンからなる群から選択されたいずれか一つであることを特徴とする、請求項10に記載の担持メタロセン触媒。
【請求項12】
前記助触媒第2層は、下記化学式8で表されるボレート化合物であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の担持メタロセン触媒。
[化学式8]
[BQ
化学式8において、Tは、+1価の多原子イオンで、Bは、+3形式の酸化状態のホウ素であり、Qは、それぞれ独立して、ヒドリド、ジアルキルアミド、ハライド、アルコキシド、アリールオキシド、ヒドロカルビル、ハロカルビル及びハロ置換されたヒドロカルビルラジカルのうちから選択され、前記Qは、20個以下の炭素を有し、但し、一つ以下の位置でQはハライドである。
【請求項13】
前記助触媒第2層は、トリメチルアンモニウムテトラフェニルボレート、メチルジオクタデシルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリエチルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリプロピルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラフェニルボレート、メチルテトラジシクロオクタデシルアンモニウムテトラフェニルボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラフェニルボレート、N,N−ジエチルアニリニウムテトラフェニルボレート、N,N−ジメチル(2,4,6−トリメチルアニリニウム)テトラフェニルボレート、トリメチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、メチルジテトラデシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、メチルジオクタデシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(sec−ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジエチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチル(2,4,6−トリメチルアニリニウム)テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリメチルアンモニウムテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、ジメチル(t−ブチル)アンモニウムテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジエチルアニリニウムテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチル−(2,4,6−トリメチルアニリニウム)テトラキス−(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、ジオクタデシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジテトラデシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、メチルジオクタデシルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(2,6−ジメチルフェニル)ホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、メチルジ(オクタデシル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、及びメチルジ(テトラデシル)−アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートからなる群から選択された1種以上であることを特徴とする、請求項12に記載の担持メタロセン触媒。
【請求項14】
前記助触媒第2層の担持量は、助触媒第2層に含有されたホウ素を基準として、メタロセン化合物に含有された遷移金属1モルに対して0.1ないし10,000モルであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の担持メタロセン触媒。
【請求項15】
担体に、アルミニウムを含む有機金属化合物である助触媒1を反応させて、助触媒第1層が担持された担体を製造するステップと、
前記助触媒第1層が担持された担体に、請求項1または2によるメタロセン化合物を反応させて、助触媒第1層とメタロセン化合物とが担持された担体を製造するステップと、
前記助触媒第1層とメタロセン化合物とが担持された担体に、ホウ素を含む有機金属化合物である助触媒2を反応させて、助触媒第1層、メタロセン化合物及び助触媒第2層が担持された担持メタロセン触媒を製造するステップと、
を含む、担持メタロセン触媒の製造方法。
【請求項16】
前記担体は、シリカ、シリカ−アルミナ、またはシリカ−マグネシアであることを特徴とする、請求項15に記載の担持メタロセン触媒の製造方法。
【請求項17】
前記助触媒1は、メチルアルミノキサン(MAO)、エチルアルミノキサン、イソブチルアルミノキサンまたはブチルアルミノキサンであることを特徴とする、請求項15に記載の担持メタロセン触媒の製造方法。
【請求項18】
前記助触媒2は、トリメチルアンモニウムテトラフェニルボレート、メチルジオクタデシルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリエチルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリプロピルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラフェニルボレート、メチルテトラジシクロオクタデシルアンモニウムテトラフェニルボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラフェニルボレート、N,N−ジエチルアニリニウムテトラフェニルボレート、N,N−ジメチル(2,4,6−トリメチルアニリニウム)テトラフェニルボレート、トリメチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、メチルジテトラデシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、メチルジオクタデシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(sec−ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジエチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチル(2,4,6−トリメチルアニリニウム)テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリメチルアンモニウムテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、ジメチル(t−ブチル)アンモニウムテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジエチルアニリニウムテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチル−(2,4,6−トリメチルアニリニウム)テトラキス−(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、ジオクタデシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジテトラデシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、メチルジオクタデシルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(2,6−ジメチルフェニル)ホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、メチルジ(オクタデシル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、及びメチルジ(テトラデシル)−アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートからなる群から選択された1種以上であることを特徴とする、請求項15に記載の担持メタロセン触媒の製造方法。
【請求項19】
請求項1又は2による担持メタロセン触媒の存在下で、オレフィン系単量体を重合することを特徴とする、ポリオレフィンの製造方法。
【請求項20】
前記重合が、スラリー工程または気相工程で行われることを特徴とする、請求項19に記載のポリオレフィンの製造方法。
【請求項21】
前記担持メタロセン触媒が、炭素数5ないし12の脂肪族炭化水素溶媒、芳香族炭化水素溶媒、または塩素原子に置換された炭化水素溶媒に希釈させて製造されたスラリー状態でオレフィン系単量体に注入されることを特徴とする、請求項19に記載のポリオレフィンの製造方法。

【公表番号】特表2013−521398(P2013−521398A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−556971(P2012−556971)
【出願日】平成23年3月8日(2011.3.8)
【国際出願番号】PCT/KR2011/001591
【国際公開番号】WO2011/111980
【国際公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【出願人】(500239823)エルジー・ケム・リミテッド (1,221)
【Fターム(参考)】