説明

持続性化粧品形成用組成物

少なくとも1種のロジン酸エステル、(イソステアリン酸ポリグリセリル-2/ダイマージリノール酸)コポリマー、および顔料または着色剤を含む、着色化粧品組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、着色化粧品(例えばリップスティック、リップグロス、リップライナー、ファンデーション、頬紅、アイシャドウ、マスカラ、アイライナーなど)の形成に好適な化粧品組成物、より好ましくは無水化粧品組成物に関する。そのように形成された着色化粧品は、並外れた持続性および光沢または輝きのある外観によって特徴付けられる。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
着色化粧品は、使用者の特定の顔の特徴(例えば唇、目、頬など)を引き立て、また強調するために長年使用されている。近年は、持続性(long wear)化粧品(例えばリップスティック、リップグロス、リップライナー、ファンデーション、頬紅、アイシャドウ、マスカラ、アイライナーなど)の人気が高まっている。これらの種類の製品は、より長持ちする色を与え、消費者による塗布回数の低減を可能とする。さらに、持続性化粧品は転移耐性が高いため、カップまたは衣服に望ましくない跡を残しにくい。
【0003】
ある種の化粧品製剤は、着色剤の量を増すことにより持続性を達成する。しかし、大量の着色剤を含む化粧品製剤は乾燥し過ぎ、また皮膚に乾燥し、不均一で、「粉っぽい」外観を与える傾向にある。これは、現在のファッショントレンドが、唇の「濡れた」または「湿った」外観を好むため、唇製品に関しては特に望ましくない。乾燥を低減するためかかる化粧品製剤に保湿剤および/またはコンディショニング剤を添加することができるが、これらは化粧品製剤の持続性を損ない、かかる製剤の皮膚上での耐久性を低下させる可能性がある。
【0004】
別の種類の化粧品製剤は、大量の揮発性溶媒(化粧品製剤を皮膚に適用した後すぐに蒸発し、皮膚上に耐水性および転移耐性の皮膜を残す)を用いることにより持続性および転移耐性の特性を達成する。しかし、このような化粧品製剤は、溶媒が蒸発すると、新鮮で光沢または輝きのある外観を失う傾向にある。さらに、かかる化粧品製剤によって形成される耐水性および転移耐性の皮膜は、唇または皮膚上の不快にこわばった感触の原因となりがちである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、持続性および転移耐性の特性だけでなく、長続きする光沢または輝きならびに快適なまたは心地良い感触も有する化粧品に対する継続的な必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の要約
本発明は、1つの態様において、少なくとも1種のロジン酸エステル、(イソステアリン酸ポリグリセリル-2/ダイマージリノール酸)コポリマー、および顔料または着色剤を含む着色化粧品組成物に関する。1つの好ましい実施形態において、この組成物は、以下:(a) 約0.1重量%〜約50重量%のロジン酸エステル;(b) 約0.1重量%〜約45重量%の(イソステアリン酸ポリグリセリル-2/ダイマージリノール酸)コポリマー;および(c) 約0.1重量%〜約90重量%の顔料または着色剤を含み得る。好ましくは、必ずしも必要ではないが、本発明の着色化粧品組成物は無水ベースである。
【0007】
好ましくは、ロジン酸エステルは、ロジン酸グリセリル、ロジン酸ペンタエリスリチル、ロジン酸シリコーン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。より好ましくは、ロジン酸エステルはロジン酸グリセリルであり、また最も好ましくは、ロジン酸グリセリルは完全にまたは部分的に水素添加されている。ロジン酸エステルと(イソステアリン酸ポリグリセリル-2/ダイマージリノール酸)コポリマーとの重量比は、好ましくは約2:1〜約1:5であり、より好ましくは約1.5:1〜約1:2.5である。
【0008】
本発明の着色化粧品組成物は、リンゴ酸ジイソステアリル、トリメリット酸トリデシル、トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2、ジイソステアリン酸ネオペンチルグリコール、およびジオクタン酸ネオペンチルグリコールからなる群から選択される1種以上の可塑剤をさらに含み得る。存在する場合、かかる可塑剤は約0.1重量%〜約30重量%の量で存在し得る。
【0009】
別の態様において、本発明は、以下:(a) 約0.1重量%〜約50重量%のロジン酸エステル;(b) 約0.1重量%〜約45重量%の(イソステアリン酸ポリグリセリル-2/ダイマージリノール酸)コポリマー;および(c) 約0.1重量%〜約90重量%の顔料または着色剤を含む無水スティック型着色化粧品に関する。
【0010】
本発明の他の態様および目的は、確実な説明、実施例、および特許請求の範囲からさらに明らかとなるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0011】
発明の詳細な説明および好ましい実施形態
本発明は、並外れた持続性および転移耐性の特性を有する着色化粧品組成物を形成するため、2種類の皮膜形成剤、すなわちロジン酸エステルおよび(イソステアリン酸ポリグリセリル-2/ダイマージリノール酸)コポリマーの独特の組み合わせを用いる。さらに重要なことには、本発明の着色化粧品組成物は、従来の持続性着色化粧品では得られない、改善された光沢または輝きのある外観および快適な/心地良い感触を与えることができる無水組成物である。
【0012】
本発明の化粧品組成物において用いられる第1の皮膜形成剤はロジン酸エステルであり、以下「ロジン酸エステル(rosinate)」という。ロジン酸は、松の木および他の一部の植物(主に針葉樹)から得られる天然の樹脂であるロジンから誘導される酸である。具体的には、ロジンは、新鮮な液体樹脂を加熱して揮発性の液体テルペン成分を蒸発させることによって生成することが可能であり、結果として得られる半透明の固形残渣は、様々な異なる樹脂酸(アビエチン酸、ピマル酸およびそれぞれの異性体など)の混合物を含む。本発明の化粧品組成物中で使用し得る例示的ロジン酸としては、限定するものではないが、水素添加されているまたは水素添加されていないエステル、例えばロジン酸グリセリル、ロジン酸ペンタエリスリチル、ロジン酸シリコーン(米国特許第6465673号に開示され、その内容は全体として参照により本明細書に組み込まれるものとする)、ロジン酸ジエチレングリコール、ダイマージリノレイル水添ロジン縮合物、ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル、(ジベヘン酸/水添ロジン酸)グリセリル、(ジイソステアリン酸/水添ロジン酸)グリセリル、トリ水添ロジン酸グリセリル、ロジン酸グリコール、水添ロジン酸メチル、ロジン酸メチル、水添ロジン酸ペンタエリスリチル、水添ロジン酸トリエチレングリコール等が挙げられる。より好ましいのは、ロジン酸グリセリル、ロジン酸ペンタエリスリチル、ロジン酸シリコーンおよびそれらの組み合わせであり、とりわけロジン酸グリセリルが最も好ましい。
【0013】
本発明の好ましいが必ずしも必要ではない実施形態において、本発明の化粧品組成物は、完全にまたは部分的に水素添加されたロジン酸グリセリルを含む。天然のロジンは不飽和結合を含み、これが熱および酸化に曝されると、結果として得られるロジン酸エステルの安定性に悪影響を及ぼす可能性がある。ロジンの水素添加は、熱および酸化に対してロジンをより安定にさせる。本発明の実施のために特に好ましいロジン酸エステルは、「ENDERE(登録商標)S」の商品名でPinova Solutions(Brunswick, GA)から市販されている高水添ロジン酸グリセリルである。
【0014】
上記のロジン酸エステル(1つまたは複数)は、本発明の化粧品組成物中に、約0.1重量%〜約50重量%、好ましくは約1重量%〜約15重量%の量で存在し得る。本明細書中に記載される全ての重量パーセントは、組成物または製品の総重量のパーセントを指すことに留意されたい。
【0015】
本発明の化粧品組成物において用いられる第2の皮膜形成剤は、(イソステアリン酸ポリグリセリル-2/ダイマージリノール酸)コポリマーである。(イソステアリン酸ポリグリセリル-2/ダイマージリノール酸)コポリマーは、ジグリセリン、イソステアリン酸と、水添ダイマージリノール酸との縮合反応によって生成することができる。本発明の化粧品組成物における使用に好ましく適した(イソステアリン酸ポリグリセリル-2/ダイマージリノール酸)コポリマーの一種は、約4000〜約5000g/モルの数平均分子量によって特徴付けられ、「HAILUCENT ISDA」の商品名で日本のKokyu Alcohol Kogyo Co.から市販されている。
【0016】
上記の(イソステアリン酸ポリグリセリル-2/ダイマージリノール酸)コポリマーは、本発明の化粧品組成物中に、約0.1重量%〜約45重量%、好ましくは約1重量%〜約15重量%の量で存在し得る。本発明の化粧品組成物において、ロジン酸エステルと(イソステアリン酸ポリグリセリル-2/ダイマージリノール酸)コポリマーとの重量比を約2:1〜約1:5の範囲内に維持することが特に好ましいことに留意されたい。任意の特定の理論に拘束されることを望むものではないが、発明者らは、皮膚への十分な付着と十分な輝きを有する柔軟な皮膜を形成するには、ロジン酸エステルと(イソステアリン酸ポリグリセリル-2/ダイマージリノール酸)コポリマーとをこのような特定範囲の重量比内で組み合わせて使用することが重要であると考えている。
【0017】
着色化粧品を形成するため、本発明の化粧品組成物は、1種以上の有機顔料もしくは無機顔料または着色剤をさらに含む。好適な無機顔料の例としては、限定するものではないが:酸化鉄(黄色、赤、茶色または黒)、二酸化チタン(白)、酸化亜鉛、酸化クロム(緑)、クロム水和物(緑)、ウルトラマリン、マンガンバイオレット、フェロシアン化鉄、カルミン40、フェロシアン化鉄アンモニウム、またはそれらの組み合わせが挙げられる。また、干渉顔料(高屈折率を有する薄板状の層状粒子であり、特定の厚さにおいては、当該板の異なる層からの典型的には2つ(時にはそれ以上)の光反射の干渉による干渉色を生じさせる)を添加して、製品に真珠光沢を与えることもできる。本発明の組成物において使用するための好適な有機顔料としては、限定するものではないが:天然着色剤、合成モノマーおよびポリマー着色剤(例えばフタロシアニンブルーおよびグリーン顔料、ジアリーリドイエローおよびオレンジ顔料、ならびにアゾ系レッドおよびイエロー顔料(トルイジンレッド、リトレッド、ナフトールレッドなど)ならびにブラウン顔料)が挙げられる。また、アルミナ、バリウム、またはカルシウム水和物などの不溶性塩基上に有機染料を沈殿および吸収させることによって形成される顔料であるレーキも有用である。特に好ましいレーキは、一次FD&CまたはD&Cレーキおよびそれらのブレンドである。ブロモ染料およびフルオレセイン染料などの染料も使用することができる。本発明の化粧品組成物は、1種以上の化粧品的に許容可能なグリッター(すなわち、透明なまたは着色された固形有機材料(例えばポリ(エチレン)テレフタレート、ポリメタクリレート、およびポリ(ビニルブチラール))の粒子、金属粒子、または金属コーティングされたフィルムまたは紙の粒子)も含み得る。本発明の化粧品組成物中の顔料または着色剤の総量は、約0.1重量%〜約90重量%、より好ましくは約2 重量%〜約80重量%であり得る。
【0018】
本発明の化粧品組成物は、無機粉末(ソフトフォーカス粉末、または板状非球状粉末(例えばオキシ塩化ビスマス、窒化ホウ素、硫酸バリウム、雲母、絹雲母、白雲母、合成雲母、酸化チタンコーティング雲母、酸化チタンコーティングオキシ塩化ビスマス、酸化チタンコーティングタルク、板状酸化鉄)、金属粉末(例えばアルミニウム、ラウロイルリシンおよび板状タルク)など)も含み得る。このような無機粉末の量は重要ではないが、使用する場合、通常は約0.5〜約5%の量で用いられる。
【0019】
皮膚上での本発明の化粧品組成物の展延性および感触を高めるため、かかる組成物に1種以上の可塑剤(ロジン酸エステルによって形成される皮膜を可塑化する)を組み込むことが望ましい。好適な可塑剤の例としては、モノ-、ジ-、または多価C2-20アルコールのC2-30モノ-、ジ-、またはトリカルボン酸エステルが挙げられる。カルボン酸の例としては、リンゴ酸、トリメリット酸、イソステアリン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、オクタン酸、ペンタン酸、ベヘン酸などが挙げられる。アルコールの例としては、多価アルコール(例えばグリセリンまたは2〜10個の繰り返し基を有するポリグリセリン;ネオペンチルグリコールなど)が挙げられる。好ましい可塑剤としては、限定するものではないが:リンゴ酸ジイソステアリル、トリメリット酸トリデシル、トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2、ジイソステアリン酸ネオペンチルグリコール、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、および中〜高粘度を有する他の類似のエステルが挙げられる。本発明の化粧品組成物において用いられる可塑剤の推奨量は、約0.1重量%〜約30重量%、より好ましくは約5重量%〜約25重量%の範囲である。
【0020】
本発明の着色化粧品組成物は、流し込み型またはスティック型の無水化粧品(例えばリップスティック、リップライナー、ファンデーションスティック、頬紅スティック、ボディメイクアップスティック、アイシャドウスティック、アイライナーなど)の形成に特に適している。化粧品組成物の保形特性を増大させるため、本発明の組成物は、好ましくは1種以上の構造化剤(例えば天然ワックスまたは合成ワックス)を含む。存在する場合、推奨範囲は約0.1〜70%、好ましくは約0.5〜50%である。本発明において使用し得る好適な天然ワックスとしては、限定するものではないが:カンデリラ、カルナウバワックス、蜜蝋、鯨蝋、カルナウバ、ベイズベリー(baysberry)、モンタン、オゾケライト、セレシン、パラフィン、ホホバワックス、キャスターワックス、ソバワックス、サトウキビワックス、または任意の水素添加植物油が挙げられる。本発明において使用し得る好適な合成ワックスとしては、限定するものではないが:フィッシャー・トロプシュワックス(例えば合成ワックスまたはポリエチレン)、シリコーンワックス(例えばDow Corningから市販されているDC2503)、微結晶ワックス、ポリエチレンワックス、ポリスチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリウレタンワックス、糖類/単糖類/多糖類誘導体などが挙げられる。また、室温で固体または半固体の脂肪アルコール(例えばステアリルアルコール、セチルアルコール、オレイルアルコール、イソセチルアルコールなど)も好適である。高ワックス濃度は、化粧品組成物の光沢または輝きを損なう可能性があるため、本発明の組成物中のワックスの総量は10%以下、より好ましくは8%以下に保つことが好ましい。
【0021】
本発明の化粧品組成物は、スティック型ではない半液状、ペースト状、粉状、または液状の着色化粧品を形成するために使用することもできる。例えば、本発明の化粧品組成物は、単独では用いられないが通常は従来の着色化粧品と組み合わせて用いられる液状もしくは半液状の光沢トップコート化粧品、または高色強度と光沢もしくは輝きのある外観との両方を与える特別に設計されたベースコート化粧品を形成するために使用することができる。
【0022】
本発明の化粧品組成物は、1種以上のスキンケア添加剤(単にかかる組成物の物理的または美的特性を高めるというよりもむしろ皮膚に利益を与える剤)を含み得る。存在する場合、かかるスキンケア活性剤は、全組成物の約0.01〜50重量%、好ましくは約0.05〜35重量%の範囲であり得る。本発明の化粧品組成物において使用し得る例示的スキンケア添加剤としては、限定するものではないが:日焼け止め剤、セルフタンニング剤、老化防止剤、皺取り剤、抗ニキビ剤(例えばレゾルシノール、サリチル酸など)、酵素阻害剤、コラーゲン促進剤、染みおよび角化症の根絶用の薬剤、鎮痛剤、麻酔剤、抗菌剤(例えば抗細菌剤、抗酵母剤、抗真菌剤、および抗ウイルス剤)、フケ防止剤、抗皮膚炎剤、鎮痒剤、制吐剤、抗炎症剤、抗過剰角質溶解剤、制汗剤、抗乾癬剤、抗脂漏剤、抗ヒスタミン剤、皮膚美白剤、脱色素剤、皮膚鎮静/治癒剤(例えばアロエベラ抽出物、アラントインなど)、コルチコステロイド、ホルモン、抗酸化物質、タンパク質またはペプチド、ビタミンおよびそれらの誘導体(例えばビタミンA、ビタミンE、ビタミンB3、ビタミンB5など)、剥離剤、レチノイド(例えばレチノイン酸およびレチノール)、ファルネソール、ビサボロール、フィタントリオール、グリセロール、尿素、グアニジン(例えばアミノグアニジン)、クロトリマゾール、ケトコナゾール、ミコノゾール、グリセオフルビン、ヒドロキシジン、ジフェンヒドラミン、プラモキシン、リドカイン、プロカイン、メピバカイン、モノベンゾン、エリスロマイシン、テトラサイクリン、クリンダマイシン、メクロシリン、ミノサイクリン、ヒドロキノン、ナプロキセン、イブプロフェン、テオフィリン、クロモリン、アルブテロール、局所ステロイド(例えばヒドロコルチゾン、21-酢酸ヒドロコルチゾン、17-吉草酸ヒドロコルチゾン、および17-酪酸ヒドロコルチゾン)、吉草酸ベタメタゾン、ベタメタゾンジプロピオネート、過酸化ベンゾイル、クロタミトン、プロプラノロール、プロメタジンおよびそれらの混合物または誘導体が挙げられる。本発明の好ましいが必ずしも必要ではない実施形態において、局所組成物は、日焼け止め剤、セルフタンニング剤、老化防止剤、皺取り剤、抗ニキビ剤、抗菌剤、抗炎症剤、皮膚美白剤、抗酸化剤、タンパク質またはペプチド、ビタミンおよびそれらの誘導体、剥離剤、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される1種以上のスキンケア活性剤を含む。
【0023】
ケラチン繊維に適用するためのマスカラまたは類似の化粧品を形成するために使用する場合、本発明の化粧品組成物は、1種以上のヘアケア活性剤(例えばヘア矯正剤、ヘアカーリング剤、ヘアコンディショニング剤、育毛剤など)も含み得る。存在する場合、かかるヘアケア活性剤は、組成物の全重量の約0.01%〜約50%、好ましくは約0.05%〜約35%の範囲であり得る。
【0024】
本発明の化粧品組成物は、好ましくは約0.1重量%〜約85重量%、より好ましくは5重量%〜約85重量%、および最も好ましくは約10重量%〜約75重量%の、上記の成分または原料を可溶化もしくは分散させるための化粧品的に許容可能な担体を含む。かかる化粧品的に許容可能な担体は、好ましくは1種以上の油または他の液状物質を含む。より好ましくは、化粧品的に許容可能な担体は無水液体である。本明細書中で用いられる用語「無水」は、組成物に対して水が意図的には添加されないことを意味する。
【0025】
様々な揮発性油、不揮発性油、およびそれらの混合物は、本発明における化粧品的に許容可能な担体として容易に使用することができる。存在する場合、推奨範囲は約0.1〜80%である。例えば、化粧品的に許容可能な担体は、揮発性または不揮発性シリコーン(例えばシクロメチコン;メチルトリメチコン;オクタメチルトリシロキサン;デカメチルテトラシロキサン;ドデカメチルペンタシロキサン;ジメチコン;フェニルトリメチコン;トリメチルシロキシフェニルジメチコン;フェニルジメチコン;セチルジメチコン;ジメチコンコポリオール、セチルジメチコンコポリオール);グリセロール化シリコーン(例えばラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン);またはそれらの混合物を含み得る。別の例として、化粧品的に許容可能な担体は、様々な揮発性または不揮発性炭化水素(例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、デカン、ドデカン、イソドデカン、テトラデカン、トリデカン、C8-C20イソパラフィン)、モノマーもしくはポリマーオレフィンまたはアルファオレフィン(例えばポリイソブテン、ポリデセン、ポリブテン、またはそれらの水素添加誘導体)を含み得る。さらに他の例として、化粧品的に許容可能な担体としては、C4-30脂肪酸とモノ-、ジ-、または多価C1-20アルコールとのモノ-、ジ-、またはトリエステルを含むエステル(例えばグリセリンの脂肪酸(例えばステアリル、ベヘニル、およびイソステアリル)エステル、またはアルファヒドロキシ酸(例えばクエン酸、リンゴ酸、もしくは乳酸)の脂肪酸エステルなど)を挙げることができる。このようなエステルとしては、テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイルビス(ベヘニル/イソステアリル/フィトステアリル)、モノステアリン酸グリセリル、イソステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸、イソステアリン酸、ステアリン酸イソセチル、(イソステアリン酸/コハク酸)ヒマシ油、ステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸デシル、パルミチン酸イソブチル、パルミチン酸セチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸、ジメチルポリシロキサン、モノリシンオレイン酸グリセリル、セバシン酸ジ-n-ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、ミリスチン酸ミリスチル、リノール酸イソプロピル、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、ポリエチレングリコール、トリエチレングリコール、ラノリン、アセチル化ラノリン、ゴマ油、ココナッツオイル、ラッカセイ油、ヒマシ油、ミンクオイル、鉱油、ザクロステロール、および石油が挙げられる。上記の無水液体担体の中でもとりわけ、揮発性パラフィン系炭化水素(例えばイソドデカン)が特に好ましい。
【0026】
化粧品的に許容可能な担体は、1種以上の保湿剤を含み得る。存在する場合、これらの担体は全組成物の約0.1〜20重量%であってよく、多価アルコール(グリセロール、C1-4アルキレングリコール(例えばブチレン、プロピレン、エチレングリコール、グリセリンなど)、ポリアルキレングリコールおよびアルキレンポリオールならびにそれらの混合物など)、ヒアルロン酸、尿素、ソルビトール、2-ピロリドン-5-カルボン酸ナトリウム、可溶性コラーゲン、フタル酸ジブチルおよびゼラチンが挙げられる。
【0027】
本発明の化粧品組成物に様々な水溶性防腐剤を添加して、保存期間を延ばすことができる。好適な防腐剤としては、限定するものではないが、ソルビン酸カリウム、イミダゾリジニル尿素、p-ヒドロキシベンゾエート、p-ヒドロキシ安息香酸のエステル類、様々なパラベン類(CTFA国際化粧品成分辞典およびハンドブックの第12版に開示される)、エチルヘキシルグリセリン、カプリリルグリコール/フェノキシエタノール/ヘキシレングリコールなどが挙げられる。本発明の化粧品組成物における使用に適した他の防腐剤は、CTFA国際化粧品成分辞典およびハンドブックの第12版に開示されている(この文献の開示は全て参照により本明細書に組み込まれるものとする)。
【0028】
本発明の化粧品組成物は、場合により消費者に対する魅力が増した組成物を作成するのに十分な量の香料を含み得る。好ましくは、香料は、組成物の全重量の約0.001%〜約10%の量で含まれる。
【0029】
本発明の最も好ましい実施形態は無水のオイルベースの組成物であるが、本発明の組成物をエマルション(例えば油中水型エマルション、水中油型エマルションなど)として製剤化することが可能であり、この場合上記の原料は、かかるエマルションの油相を形成するために使用することができる。このエマルションの水相は、水溶性活性剤も含み得る。さらに、本発明の化粧品組成物の特に好ましい使用はリップスティックの形成における使用であるが、他の種類のスティック型化粧品(例えばファンデーションスティック、頬紅スティック、アイシャドウスティック、アイライナー、ボディメイクアップスティックなど)の形成に使用することもできる。また、本発明の化粧品組成物は、上述の非スティック型化粧品の形成に使用することもできる。
【0030】
本発明の特に好ましい(が必ずしも必要ではない)実施形態によるスティック型無水化粧品は、スティック型化粧品を作成するために従来用いられている方法によって容易に製造することができる。特に、本発明のスティック型化粧品は、以下のステップ:
(a) 1回以上の混合ステップにより上記の化粧品組成物を形成するステップ;
(b) 上記の化粧品組成物を、1つ以上のスティック型の空洞を有する型に流し込むステップ;および
(c) 上記の化粧品組成物を型の中で固め、これにより1つ以上のスティック型化粧品を形成するステップ
によって形成することができる。
【0031】
以下の実施例は、本発明の様々な具体的実施形態を、その広い範囲を限定することなくさらに説明する。
【実施例】
【0032】
実施例1:無水リップスティック組成物
【表1】

【表2】

【0033】
本発明は、本明細書中で例示的実施形態および特徴に関して様々に開示されているが、上述の実施形態および特徴は、本発明の範囲を限定することを意図するものではなく、他の変形、改変および他の実施形態は当業者に自明であることが理解されるだろう。従って本発明は、以下に示す特許請求の範囲と矛盾することなく広く解釈されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種のロジン酸エステル、イソステアリン酸ポリグリセリル-2/ダイマージリノール酸;および顔料を含む着色化粧品組成物。
【請求項2】
請求項1に記載の着色化粧品組成物であって、以下:
(a)約0.1重量%〜約50重量%のロジン酸エステル;
(b)約0.1重量%〜約45重量%の(イソステアリン酸ポリグリセリル-2/ダイマージリノール酸)コポリマー;および
(c)約0.1重量%〜約90重量%の顔料または着色剤
を含む、前記着色化粧品組成物。
【請求項3】
前記組成物が無水である、請求項1に記載の着色化粧品組成物。
【請求項4】
ロジン酸エステルが、ロジン酸グリセリル、ロジン酸ペンタエリスリチル、ロジン酸シリコーン、ロジン酸ジエチレングリコール、ダイマージリノレイル水添ロジン縮合物、ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル、(ジベヘン酸/水添ロジン酸)グリセリル、(ジイソステアリン酸/水添ロジン酸)グリセリル、トリ水添ロジン酸グリセリル、ロジン酸グリコール、水添ロジン酸メチル、ロジン酸メチル、水添ロジン酸ペンタエリスリチル、水添ロジン酸トリエチレングリコール;およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の着色化粧品組成物。
【請求項5】
ロジン酸エステルが、ロジン酸グリセリル、ロジン酸ペンタエリスリチル、ロジン酸シリコーン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の着色化粧品組成物。
【請求項6】
ロジン酸エステルがロジン酸グリセリルである、請求項1に記載の着色化粧品組成物。
【請求項7】
ロジン酸グリセリルが部分的にまたは完全に水素添加されている、請求項6に記載の着色化粧品組成物。
【請求項8】
ロジン酸エステルが、約1重量%〜約15重量%の量で存在する、請求項1に記載の着色化粧品組成物。
【請求項9】
(イソステアリン酸ポリグリセリル-2/ダイマージリノール酸)コポリマーが、約1重量%〜約10重量%の量で存在する、請求項1に記載の着色化粧品組成物。
【請求項10】
ロジン酸エステルと(イソステアリン酸ポリグリセリル-2/ダイマージリノール酸)コポリマーとの重量比が約2:1〜約1:5である、請求項1に記載の着色化粧品組成物。
【請求項11】
1種以上の可塑剤をさらに含む、請求項1に記載の着色化粧品組成物。
【請求項12】
可塑剤が、モノ-、ジ-、または多価C2-20アルコールのC2-30モノ-、ジ-、またはトリカルボン酸エステルからなる群から選択される、請求項11に記載の着色化粧品組成物。
【請求項13】
前記可塑剤が、リンゴ酸ジイソステアリル、トリメリット酸トリデシル、トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2、ジイソステアリン酸ネオペンチルグリコール、およびジオクタン酸ネオペンチルグリコールからなる群から選択される、請求項12に記載の着色化粧品組成物。
【請求項14】
前記可塑剤が約0.1重量%〜約30重量%の量で存在する、請求項11に記載の無水着色化粧品組成物。
【請求項15】
無水スティック型着色化粧品であって、以下:
(a) 約0.1重量%〜約50重量%のロジン酸エステル;
(b) 約0.1重量%〜約45重量%の(イソステアリン酸ポリグリセリル-2/ダイマージリノール酸)コポリマー;および
(c) 約0.1重量%〜約90重量%の顔料または着色剤
を含む、前記無水スティック型着色化粧品。
【請求項16】
ロジン酸エステルが、ロジン酸グリセリル、ロジン酸ペンタエリスリチル、ロジン酸シリコーン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項15に記載の無水スティック型着色化粧品。
【請求項17】
ロジン酸エステルが、部分的にまたは完全に水素添加されたロジン酸グリセリルである、請求項16に記載の無水スティック型着色化粧品。
【請求項18】
ロジン酸エステルと(イソステアリン酸ポリグリセリル-2/ダイマージリノール酸)コポリマーとの重量比が約2:1〜約1:5である、請求項15に記載の無水スティック型着色化粧品。
【請求項19】
1種以上の可塑剤をさらに含む、請求項15に記載の無水スティック型着色化粧品。
【請求項20】
前記可塑剤が、リンゴ酸ジイソステアリル、トリメリット酸トリデシル、トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2、ジイソステアリン酸ネオペンチルグリコール、およびジオクタン酸ネオペンチルグリコールからなる群から選択される、請求項19に記載の無水スティック型着色化粧品。
【請求項21】
少なくとも1種のシリコーンもしくは炭化水素油またはそれらの混合物をさらに含む、請求項15に記載の無水スティック型着色化粧品。

【公表番号】特表2011−525490(P2011−525490A)
【公表日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−514802(P2011−514802)
【出願日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際出願番号】PCT/US2009/047772
【国際公開番号】WO2010/008753
【国際公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【出願人】(598100128)イーエルシー マネージメント エルエルシー (112)
【Fターム(参考)】