説明

指紋照合装置、方法およびプログラム

【課題】 照合精度の向上が可能な指紋照合装置、方法およびプログラムを提供すること。
【解決手段】 照合対象となる照合指紋画像を取り込む指紋画像入力部110と、取り込まれた照合指紋画像に含まれる隆線に含まれる分岐点および端点を特徴点として抽出する前処理部132、特徴点抽出部134と、隣接する2つの特徴点に挟まれた隆線を部分線として抽出する部分線抽出部136と、抽出された部分線の形状を一あるいは複数の関数で近似する接合点抽出処理部138、関数近似処理部140と、関数近似処理に関連する特徴情報に基づいて照合指紋画像に類似する登録指紋画像あるいはこの登録指紋画像に対応する付随情報を検索する類似度判定処理部142とが備わっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力された指紋画像に一致する登録済みの指紋を抽出する指紋照合装置、方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、金融機関のキャッシュカードの不正使用や家屋に対するピッキング被害等を防止するための一つの手法として指紋認証が用いられている。指紋認証は、あらかじめ登録しておいた指紋認証データと、入力された指紋画像から抽出した特徴データとを比較することにより、指紋画像と一致する登録済みの指紋に対応する本人を特定する技術であり、従来から様々な手法が用いられている(例えば、特許文献1、2参照。)。
【特許文献1】特開2004−145447号公報(第2−11頁、図1−12)
【特許文献2】特開2004−5532号公報(第2−11頁、図1−7)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、家屋への進入許可に指紋認証技術を用いる場合には登録済みの指紋の数はそれほど多くないが、金融機関における本人確認に指紋認証を用いる場合には登録済みの指紋の数が飛躍的に増大し、これに伴って処理時間が長くなるとともに、照合精度の低下が懸念される。また、従来から用いられている各種の指紋認証技術(例えば、周波数解析法、パタンマッチング法、マニューシャ法等)は、現状では処理時間や照合精度の上で完全なものはなく改良の余地がある。そこで、これらの従来手法に代わる、あるいは併用することができる指紋認証技術が望まれている。
【0004】
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、照合精度の向上が可能な指紋認証装置、方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、本発明の指紋照合装置は、照合対象となる照合指紋画像を取り込む指紋画像取込手段と、指紋画像取込手段によって取り込まれた照合指紋画像に含まれる隆線あるいは谷線に含まれる分岐点および端点を特徴点として抽出する特徴点抽出手段と、隣接する2つの特徴点に挟まれた隆線あるいは谷線を部分線として抽出する部分線抽出手段と、部分線抽出手段によって抽出された部分線の形状を一あるいは複数の関数で近似する関数近似手段と、関数近似手段による近似処理に関連する特徴情報に基づいて、照合指紋画像に類似する登録指紋画像あるいはこの登録指紋画像に対応する付随情報を検索する検索手段とを備えている。
【0006】
また、本発明の指紋照合方法は、照合対象となる照合指紋画像を取り込む指紋画像取込ステップと、指紋画像取込ステップにおいて取り込まれた照合指紋画像に含まれる隆線あるいは谷線に含まれる分岐点および端点を特徴点として抽出する特徴点抽出ステップと、隣接する2つの特徴点に挟まれた隆線あるいは谷線を部分線として抽出する部分線抽出ステップと、部分線抽出手段によって抽出された部分線の形状を一あるいは複数の関数で近似する関数近似ステップと、関数近似ステップにおける近似処理に関連する特徴情報に基づいて、照合指紋画像に類似する登録指紋画像あるいはこの登録指紋画像に対応する付随情報を検索する検索ステップとを備えている。
【0007】
また、本発明の指紋照合プログラムは、コンピュータを、指紋画像取込手段によって取り込まれた照合指紋画像に含まれる隆線あるいは谷線に含まれる分岐点および端点を特徴点として抽出する特徴点抽出手段と、隣接する2つの特徴点に挟まれた隆線あるいは谷線を部分線として抽出する部分線抽出手段と、部分線抽出手段によって抽出された部分線の形状を一あるいは複数の関数で近似する関数近似手段と、関数近似手段による近似処理に関連する特徴情報に基づいて、照合指紋画像に類似する登録指紋画像あるいはこの登録指紋画像に対応する付随情報を検索する検索手段として機能させる。
【0008】
指紋の隆線や谷線を分岐点や端点で区画することによって抽出される部分線の形状を関数近似してその結果を用いて指紋照合を行うことにより、指紋の詳細な形状に基づく精度の高い指紋照合を行うことが可能になる。
【0009】
また、上述した登録指紋画像に含まれる部分線の形状を一あるいは複数の関数で近似する処理に関連して作成された特徴情報が、複数の登録指紋画像毎に格納された特徴情報格納手段をさらに備え、検索手段は、照合指紋画像に対応する特徴情報と、特徴情報格納手段に格納されている複数の登録指紋画像に対応する特徴情報とを比較することが望ましい。これにより、あらかじめ格納された登録指紋画像の特徴情報を順番に読み出して、照合指紋画像の特徴情報と比較することにより、容易に類似する登録指紋画像の検索を行うことができ、比較対象となる登録指紋画像が多い場合であっても処理が煩雑にならず、処理の簡略化が可能になる。
【0010】
また、上述した指紋画像取込手段、特徴点抽出手段、部分線抽出手段、関数近似手段を用いて登録指紋画像に対応する特徴情報が取得されたときに、この特徴情報を特徴情報格納手段に格納する特徴情報格納処理手段をさらに備えることが望ましい。これにより、照合対象となる登録指紋画像を適宜追加することが可能になる。
【0011】
また、上述した部分線抽出手段は、部分線を構成する各画素のX座標とY座標のそれぞれについて座標値を別々に抽出し、関数近似手段は、部分線抽出手段によって抽出された座標値に基づいて、X座標に対応する関数近似処理とY座標に対応する関数近似処理を別々に行うことが望ましい。これにより、一変数に着目して関数近似処理を行うことができるため、処理の簡略化が可能になる。
【0012】
また、上述した検索手段は、照合指紋画像に含まれる部分線と、登録指紋画像に含まれる部分線との一致/不一致を調べ、一致する部分線の数が所定値を超えたときに、この登録指紋画像が照合指紋画像に一致するものとする判定を行うことが望ましい。これにより、隆線あるいは谷線の大部分の形状が一致した登録指紋画像を照合指紋画像に一致するものとして判定することができ、指紋照合の精度を向上させることができる。
【0013】
また、上述した特徴情報には、部分線の長さとしての部分線長が含まれており、検索手段は、部分線の一致/不一致を、部分線長の値が近い部分線について調べることが望ましい。これにより、一致/不一致を調べる部分線の数を減らすことができ、処理の簡略化および処理時間の短縮が可能になる。
【0014】
また、上述した特徴情報には、部分線を構成する複数の関数の順番が含まれており、検索手段は、部分線の一致/不一致を、複数の関数の順番に基づいて調べることが望ましい。あるいは、上述した特徴情報には、部分線を構成する複数の関数のそれぞれに対応する区間長の並びが含まれており、検索手段は、部分線の一致/不一致を、区間長の並びに基づいて調べることが望ましい。また、上述した検索手段は、部分線の一致/不一致を、部分線を構成する関数を特定するパラメータを用いて計算したマッチング距離あるいは相関度に基づいて調べることが望ましい。部分線を構成する複数の関数の順番、それぞれの区間長の並び、複数の関数を特定するパラメータは、部分線の形状を表す重要な特徴であると考えられる。したがって、これらを用いることにより、精度の高い指紋照合を行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を適用した一実施形態の指紋照合装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0016】
図1は、一実施形態の指紋照合装置の構成を示す図である。図1に示す指紋照合装置は、指紋画像が入力されたときにこの画像に類似する登録済みの指紋画像(登録指紋画像)あるいはこの登録指紋画像に対応する付随情報を検索して検索結果を出力するためのものであり、指紋画像入力部110、指紋DB(データベース)120、指紋照合処理部130、操作部150、表示部160を備えている。
【0017】
指紋画像入力部110は、指紋照合処理部130に指紋画像(この照合対象となる指紋画像を「照合指紋画像」と称する)を取り込むためのものであり、指紋の隆線(あるいは隣接する隆線に挟まれた谷線)の模様に対応する指紋画像データの入力を行う。例えば、光学的に隆線形状を読み取る光学スキャナとしての指紋画像入力部110が用いられる。なお、結果的に指紋に含まれる隆線形状(あるいは谷線形状)を読み取ることができればよいため、指先を検出面に押圧したときに指紋の隆線の接触による静電容量の変化を読み取って指紋画像を取得するようにしてもよい。また、これら以外の各種センサを用いて指紋画像を取得して入力したり、既にビットマップ形式等になっている指紋画像を指紋画像入力部110によって読み込むようにしてもよい。
【0018】
指紋DB120は、照合処理に際して、取り込まれた照合指紋画像と類似度が比較される複数の指紋画像(これらの画像を「登録指紋画像」と称する)に対応して抽出された特徴量を格納する。特徴量の具体例については後述する。また、この指紋DB120には、それぞれの登録指紋画像に対応する各種の付随情報が格納されている。例えば、付随情報には登録指紋画像に対応する個人情報(氏名、性別、住所等)が含まれる。指紋照合処理部130による処理に先だって、指紋DB120に複数の登録指紋画像の特徴量を登録する必要がある。この登録処理の詳細については後述する。
【0019】
指紋照合処理部130は、取り込んだ照合指紋画像の特徴量を抽出し、この特徴量に基づいてこの照合指紋画像に類似する登録指紋画像を検索する処理を行う。このために、指紋照合処理部130は、前処理部132、特徴点抽出部134、部分線抽出部136、接合点抽出処理部138、関数近似処理部140、類似度判定処理部142、照合結果出力処理部144を備えている。
【0020】
前処理部132は、指紋画像入力部110を用いて取り込まれた照合指紋画像に対して所定の前処理を行う。例えば、前処理として、取り込まれた指紋画像の二値化する処理や細線化する処理が行われる。特徴点抽出部134は、前処理部132による前処理が終了した後の照合指紋画像に含まれる特徴点の抽出を行う。ここで、特徴点とは、細線化された隆線の端点および分岐点を指している。
【0021】
図2は、照合指紋画像に含まれる特徴点の具体例を示す図である。特徴点抽出部134は、前処理が終了した後の照合指紋画像に含まれる分岐点と端点を抽出する。図2に示した照合指紋画像には、分岐点1、3、4、6と端点2、7、10、13が含まれている。
【0022】
部分線抽出部136は、同一の隆線に沿って隣接する2つの特徴点に挟まれた隆線を部分線として抽出する。図2に示した照合指紋画像の場合には、例えば、分岐点1と端点13で挟まれた隆線の一部が部分線として抽出される。ところで、1つの分岐点のみが含まれる閉じた隆線については、この閉じた隆線全体が部分線として抽出される。同様に、分岐点や端点が一つも含まれない閉じた隆線もその全体が部分線として抽出される。このようにして、照合指紋画像に含まれる全ての部分線が抽出される。
【0023】
図3は、部分線抽出部136によって抽出された部分線の概略を示す図である。また、図4は抽出された部分線のX座標を媒介変数を用いて分離した変化の様子を示す図である。図5は、抽出された部分線のY座標を媒介変数を用いて分離した変化の様子を示す図である。
【0024】
図3では、丸印(○)が部分線を構成する画素を示しており、各丸印に付された数字は部分線を一方の端部から追跡した場合の画素の順番を示している。なお、実際の部分線は図3に示す例に比べて多くの画素によって構成されているが、図3では説明を簡略化するために少ない数の画素によって部分線が構成されているものとする。
【0025】
例えば、部分線抽出部136は、一方端に存在する特徴点(隆線の分岐点あるいは端点)に対応する画素に番号「1」を付して走査を開始する。図3に示した例では、部分線抽出部136は、番号「1」の画素を追跡開始画素として時計回り方向に部分線を追跡しながら、部分線を構成する各画素を検出するとともにこれらの各画素に検出順に通し番号「2」、「3」、…を付す。この部分線に沿った画素の検出動作は、検出する画素が部分線の他方端に到達するまで行われる。部分線を構成する各画素の番号を横軸に、各画素のX座標値を縦軸にプロットしたものが図4である。また、部分線を構成する各画素の番号を横軸に、各画素のY座標値を縦軸にプロットしたものが図5である。このように、部分線抽出部136は、部分線を構成する各画素に付した検出順番を示す通し番号を媒介変数として、X座標値とY座標値を別々に記録することにより、部分線の抽出を行う。なお、上述した説明では、一例として媒介変数を用いてX座標値とY座標値を別々に記録するようにしたが、媒介変数を用いずに、X座標値とY座標値の組み合わせを記録するようにしてもよい。
【0026】
接合点抽出処理部138は、部分線抽出部136によって抽出されたそれぞれの部分線について、部分線の傾向が変化する接合点を抽出する。例えば、部分線の角度が急に変化する角点が接合点として抽出される。接合点の抽出処理や関数近似処理は、図4に示すX座標に着目した部分線と図5に示すY座標に着目した部分線のそれぞれについて別々に行われる。
【0027】
関数近似処理部140は、1つの部分線に沿って隣接する2つの接合点で区分される部分的な領域(区分領域)を、直線、円弧、自由曲線のいずれかの関数を用いて近似し、この近似処理に関連する特徴情報を作成する。例えば、区分領域が直線で近似可能な場合には近似関数として直線が用いられ、直線で近似不可能であって円弧で近似可能な場合には近似関数として円弧が用いられる。円弧でも近似不可能な場合には近似関数として自由曲線が用いられる。近似関数として直線を用いた場合には、用いた関数が直線であることを示す符号と、直線で近似される区分領域の形状を示すパラメータとが、この区分領域に対応する近似関数に関する特徴情報として作成される。同様に、近似関数として円弧を用いた場合には、用いた関数が円弧であることを示す符号と、円弧で近似される区分領域の形状を示すパラメータとが、この区分領域に対応する近似関数に関する特徴情報として作成される。近似関数として自由曲線を用いた場合には、用いた関数が自由曲線であることを示す符号と、自由曲線で近似される区分領域の形状を示すパラメータとが、この区分領域に対応する近似関数に関する特徴情報として作成される。
【0028】
なお、着目している区分領域がどの関数で近似可能であるか否かの判定は、区分領域と近似関数との間の誤差(最小二乗法で求めた誤差)が所定値以下であるか否かを調べることにより行われる。また、区分領域の形状を示すパラメータは、この区分領域の形状を特定することが可能であればよいが、例えば、特許第2646475号公報に開示されているように、以下に示すものを用いるようにしてもよい。
(1)直線の場合:直線を示すフラグ、区分領域の始点の座標
(2)円弧の場合:円弧を示すフラグ、円弧の始点の座標、接合点間の中心角の係数、接合点間に存在する画素数、近似関数の係数(円弧を例えば三角関数の線形結合の式で表現した場合の各係数)
(3)自由曲線の場合:接合点間の自由曲線を示す近似関数の次元数(≧3)、接合点間に存在する画素数、接合点間における画素列の変動の中心、近似関数の係数。
【0029】
類似度判定処理部142は、照合指紋画像に対応して抽出される特徴情報に基づいて、照合指紋画像と各登録指紋画像との類似度を判定し、照合指紋画像と一致する登録指紋画像を決定する。この類似度判定に用いられる特徴情報には、上述した区間領域の形状を示すパラメータの他に、各部分線の部分線長(各部分線の長さ)、区分線を構成する複数の関数の順番、区分線を構成する複数の関数のそれぞれに対応する区間長(区分領域の長さ)の並び、照合指紋画像と登録指紋画像のそれぞれを構成する関数のマッチング距離や相関度などが含まれている。
【0030】
図6および図7は、部分線抽出部136、接合点抽出処理部138、関数近似処理部140の各処理によって抽出される特徴情報の概要を示す図である。図6に示すひとまとまりの特徴情報が一の照合指紋画像について抽出される。図6に示す例では、着目している照合指紋画像には、部分線1、2、3、…で示される複数の部分線が含まれている(それぞれの部分線長が部分線長1、2、3…で示されている)。また、各部分線には、X軸関数表とY軸関数表とが対応付けられている。
【0031】
図7に示すように、X軸関数表には、関数総数、部分線長、総標本点数、直線個数、直線総長、円弧個数、円弧総長、曲線個数、曲線総長の他に、各部分線毎の区間長、標本点数、始点標本番号(図3や図4において示した通し番号)、各関数に対応する区間長やパラメータが含まれている。関数総数は、着目している部分線に含まれる関数の総数であって区分領域の数に等しい。部分線長は、着目している部分線の長さである。直線個数は、着目している部分線を構成する各区分領域の中で直線によって近似される区分領域の数である。直線総長は、着目している部分線を構成する各区分領域の中で直線によって近似される区分領域の長さの合計値である。円弧個数は、着目している部分線を構成する各区分領域の中で円弧によって近似される区分領域の数である。円弧総長は、着目している部分線を構成する各区分領域の中で円弧によって近似される区分領域の長さの合計値である。曲線個数は、着目している部分線を構成する各区分領域の中で自由曲線によって近似される区分領域の数である。曲線総長は、着目している部分線を構成する各区分領域の中で自由曲線によって近似される区分領域の長さの合計値である。また、図7において、「X軸関数」に対応する複数の関数は、着目している部分線を構成する各区分領域を近似する関数を示しており、これらの配置順が各区分領域の並びに対応している。
【0032】
類似度判定処理部142は、図6に示すテーブルを参照することにより部分線の数を知ることができる。また、類似度判定処理部142は、図7に示すテーブルを参照することにより、各部分線を構成する複数の関数の順番や、各部分線を構成する複数の関数のそれぞれに対応する区間長(区分領域の長さ)の並びを知ることができる。なお、Y軸関数表も同様の内容を有している。
【0033】
照合結果出力処理部144は、検索結果(指紋照合結果)を表示部160の画面上に表示したり、操作部150を用いた印刷操作がなされた場合には印刷装置(図示せず)に対して検索結果の印刷を指示する。
【0034】
ところで、図6および図7に示した特徴情報は、指紋画像入力部110から入力される照合指紋画像の画像データに基づいて作成されるが、この特徴情報を用いて照合指紋画像と一致する登録指紋画像を特定するためには、多くの登録指紋画像について同じ内容の特徴情報をあらかじめ抽出して指紋DB120に登録しておく必要がある。
【0035】
図8は、登録指紋画像についてあらかじめ特徴情報の抽出を行って指紋DB120に対する登録を行うデータベース作成装置の構成を示す図である。なお、図8に示す構成は、図1に示した指紋照合装置の一部として備わっている場合が考えられるが、図1に示した指紋照合装置とは別に構築するようにしてもよい。図8に示すデータベース作成装置は、指紋DB120に多くの登録指紋画像の特徴情報を登録するために、指紋画像入力部210、データベース作成部220、操作部230、表示部240を備えている。
【0036】
指紋画像入力部210は、登録指紋画像を構成する各画素毎の濃淡情報を示す画像データの入力を行う。図1に示した指紋画像入力部110と同様に、この指紋画像入力部210として光学的スキャナやその他の各種センサ類を用いることができる。
【0037】
データベース作成部220は、登録指紋画像の特徴情報を抽出して指紋DB120に登録する処理を行う。このために、データベース作成部220は、前処理部221、特徴点抽出部222、部分線抽出部223、接合点抽出処理部224、関数近似処理部225、ファイル作成処理部226を備えている。この中で、ファイル作成処理部226を除く前処理部221、特徴点抽出部222、部分線抽出部223、接合点抽出処理部224、関数近似処理部225の基本的な動作は、図1に示した指紋照合処理部130内の同一名称の各構成部と同じであり、詳細な動作説明は省略する。
【0038】
ファイル作成処理部226は、抽出された登録指紋画像毎の特徴情報をひとまとまりのファイルとして指紋DB120に登録する。操作部230は、登録指紋画像に対応する特徴情報の抽出、登録に必要な動作指示等を行うために用いられる。また、操作部230は、各登録指紋画像に対応する付随情報としての個人情報を入力するために用いられる。表示部240は、特徴情報や付随情報の登録内容を確認したり、登録に必要な各種の操作画面を表示するために用いられる。
【0039】
このような構成を有するデータベース作成装置を用いることにより、図6および図7に示した照合指紋画像の特徴情報と基本的に同じ内容を有する複数の登録指紋画像の特徴情報や各登録指紋画像に対応する付随情報が指紋DB120に登録される。
【0040】
上述した指紋画像入力部110、210が指紋画像取込手段に、前処理部132、221、特徴点抽出部134、222が特徴点抽出手段に、部分線抽出部136、223が部分線抽出手段に、接合点抽出処理部138、224、関数近似処理部140、225が関数近似手段に、類似度判定処理部142が検索手段に、指紋DB120が特徴情報格納手段に、ファイル作成処理部226が特徴情報格納処理手段にそれぞれ対応する。また、指紋画像入力部110、210によって行われる動作が指紋画像取込ステップの動作に、前処理部132、221、特徴点抽出部134、222によって行われる動作が特徴点抽出ステップの動作に、部分線抽出部136、223によって行われる動作が部分線抽出ステップの動作に、接合点抽出処理部138、224、関数近似処理部140、225によって行われる動作が関数近似ステップの動作に、類似度判定処理部142によって行われる動作が検索ステップの動作にそれぞれ対応する。
【0041】
本実施形態の指紋照合装置はこのような構成を有しており、次にその動作を説明する。図9は、照合指紋画像について特徴情報を抽出する動作手順を示す流れ図である。まず、前処理部132は、指紋画像入力部110から入力される照合指紋画像を取得すると(ステップ100)、細線化等の前処理を行う(ステップ101)。次に、特徴点抽出部134は、前処理が終了した後の照合指紋画像に含まれる分岐点と端点を特徴点として抽出する(ステップ102)。また、部分線抽出部136は、細線化された隆線に含まれる分岐点と端点によって区分される隆線の一部を部分線として抽出する(ステップ103)。この部分線の抽出は、取得された照合指紋画像の全範囲あるいは所定範囲(例えば照合指紋画像の中心を含む一定範囲)に含まれる全ての隆線について行われる。
【0042】
次に、接合点抽出処理部138は、一の部分線を選択し(ステップ104)、この部分線に含まれる接合点を抽出する(ステップ105)。関数近似処理部140は、抽出された接合点によって区分されるそれぞれの区分領域に対して関数近似処理を行って特徴情報を作成する(ステップ106)。その後、接合点抽出処理部138は、未処理の他の部分線があるか否かを判定し(ステップ107)、ある場合には肯定判断を行ってステップ104の部分線の選択処理を繰り返す。また、未処理の部分線がない場合にはステップ107の判定において否定判断が行われ、照合指紋画像の取り込みから特徴情報の作成までの一連の処理が終了する。
【0043】
図10は、照合指紋画像から作成された特徴情報を用いて指紋照合を行う類似度判定処理部142の動作手順を示す流れ図である。まず、類似度判定処理部142は、一の登録指紋画像を選択するとともに(ステップ200)、照合指紋画像に含まれる一の部分線を選択し(ステップ201)、この部分線の部分線長に近い長さを有する部分線が登録指紋画像に含まれているか否かを判定する(ステップ202)。含まれている場合には肯定判断が行われ、照合指紋画像と登録指紋画像に含まれるこれら2本の部分線が一致するか否かを以下の手順にしたがって判定する。なお、長さが一致する部分線が複数本存在する場合には、それぞれの部分線についてこの判定が行われる。
【0044】
まず、類似度判定処理部142は、照合指紋画像の部分線に対応する第1の特徴情報と、登録指紋画像の部分線に対応する第2の特徴情報とを用いてマッチング処理を行い、マッチング距離Mと相関度Sを以下の式を用いて計算する(ステップ203)。
【0045】
M=‖f−g‖
S=<f、g>/(‖f‖×‖g‖)
ここで、‖・‖はノルムを示しており、<・>は内積を示している。また、fは第1の特徴情報(3つの関数1〜3)を成分とするベクトルである。gは第2の特徴情報を成分とするベクトルである。例えば、図7に示すパラメータ(部分線を構成する関数を特定するパラメータ)が第1および第2の特徴情報として用いられる。
【0046】
マッチング距離Mは2つのベクトルfとgの差ベクトルの長さを示す。また、相関Sは2つのベクトルfとgのなす角θの余弦値(cosθ)を示す。照合指紋画像の部分線に対応する第1の特徴情報と登録指紋画像の部分線に対応する第2の特徴情報とが非常に近い場合には、2つのベクトルf、gの長さおよび方向が類似したものになるため、マッチング距離Mが小さく、かつ相関度Sが1に近い値になる。部分線に対応する特徴情報は2組以上あるため、それぞれの特徴情報を用いてマッチング距離Mや相関度Sを計算し、この計算結果を全ての特徴情報について合計すればよい。
【0047】
次に、類似度判定処理部142は、着目している部分線全体について合計されたマッチング距離Mが所定値以下か否かを判定する(ステップ204)。所定値以下の場合とは、2つの部分線の形状が非常に近く、ほぼ一致している場合である。この場合には肯定判断が行われ、次に、類似度判定処理部142は、一致する部分線分のカウント値Nを更新した後(ステップ205)、このカウント値Nが所定値に達したか否かを判定する(ステップ206)。カウント値Nが所定値に達した場合とは、照合指紋画像に含まれる所定値分の部分線と、登録指紋画像に含まれる所定値分の部分線の形状が一致する場合であり、この場合には照合指紋画像と登録指紋画像とが一致するものと判定される。この場合にはステップ206の判定において肯定判断が行われ、照合結果出力処理部144は、この登録指紋画像に対応する付随情報を照合結果として出力(表示)する(ステップ207)。
【0048】
一方、形状が一致する部分線の数が所定値に達しない場合にはステップ206において否定判断が行われ、次に、類似度判定処理部142は、照合指紋画像に含まれる未処理の他の部分線があるか否かを判定する(ステップ208)。他の部分線がある場合には肯定判断が行われ、ステップ201に戻って他の部分線の選択動作が繰り返される。また、照合指紋画像に含まれる全ての部分線について形状の一致判定が終了するとステップ208の判定において否定判断が行われ、次に、類似度判定処理部142は、照合処理をしていない他の登録指紋画像があるか否かを判定する(ステップ209)。他の登録指紋画像がある場合には肯定判断が行われ、ステップ200に戻って他の登録指紋画像の選択動作が繰り返される。他の登録指紋画像がない場合にはステップ209の判定において否定判断が行われ、照合指紋画像と一致する登録指紋画像が存在しない旨の照合結果が出力される(ステップ207)。このようにして一連の指紋照合動作が終了する。
【0049】
このように、指紋の隆線に含まれる分岐点と端点は指紋を特定するための大きな特徴であるとともに、これらの分岐点や端点で挟まれた隆線の形状も指紋を特定するための大きな特徴と考えられる。本実施形態の指紋照合装置では、これらの分岐点や端点で区画される部分線を抽出するとともにこの部分線の形状を関数近似してその結果としての特徴情報を用いて指紋照合を行うことにより、指紋の詳細な形状に基づく精度の高い指紋照合を行うことが可能になる。
【0050】
また、あらかじめ格納された登録指紋画像の特徴情報を順番に読み出して、照合指紋画像の特徴情報と比較することにより、容易に類似する登録指紋画像の検索を行うことができ、比較対象となる登録指紋画像が多い場合であっても処理が煩雑にならず、処理の簡略化が可能になる。また、図8に示したデータベース作成装置を用いることにより、照合対象となる登録指紋画像を適宜追加することが可能になる。
【0051】
また、部分線の抽出処理や関数近似処理をX座標とY座標とで別々に行うことにより、一変数に着目して関数近似処理を行うことができるため、処理の簡略化が可能になる。
【0052】
また、上述した検索手段は、照合指紋画像に含まれる部分線と、登録指紋画像に含まれる部分線との一致/不一致を調べ、一致する部分線の数が所定値を超えたときに、この登録指紋画像が照合指紋画像に一致するものとする判定を行うことが望ましい。これにより、隆線あるいは谷線の大部分の形状が一致した登録指紋画像を照合指紋画像に一致するものとして判定することができ、指紋照合の精度を向上させることができる。
【0053】
また、上述した特徴情報には、部分線の長さとしての部分線長が含まれており、検索手段は、部分線の一致/不一致を、部分線長の値が近い部分線について調べることが望ましい。これにより、一致/不一致を調べる部分線の数を減らすことができ、処理の簡略化および処理時間の短縮が可能になる。
【0054】
また、本実施形態では、部分線の一致/不一致を、部分線を構成する関数を特定するパラメータを用いて計算したマッチング距離に基づいて判定している。部分線を構成する複数の関数を特定するパラメータは、部分線の形状を表す重要な特徴であると考えられる。したがって、これらを用いることにより、精度の高い指紋照合を行うことが可能となる。
【0055】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、上述した実施形態の指紋照合処理部130やデータベース作成部220の各動作を、CPU、ROM、RAM等を備えたコンピュータによって実施するようにしてもよい。この場合には、ROMやRAMあるいはその他の記憶装置(ハードディスク装置等)に格納された指紋照合プログラム(図9および図10に示す各ステップを実行したり、指紋照合処理部130やデータベース作成部220の各部の機能を実現するためのプログラム)をCPUで実行すればよい。
【0056】
また、上述した実施形態では、指紋画像の隆線に含まれる分岐点と端点を特徴点として抽出したが、隣接する隆線に挟まれた谷線にも同じような分岐点や端点が含まれるため、これらを特徴点として抽出して指紋照合を行うようにしてもよい。
【0057】
また、上述した実施形態では、部分線の一致/不一致の判定を、部分線を構成する複数の関数を特定するパラメータを用いて計算したマッチング距離Mに基づいて行ったが、相関度Sを用いるようにしてもよい。あるいは、部分線を構成する複数の関数の順番やそれぞれの区間長の並びを用いるようにしてもよい。すなわち、部分線を構成する複数の関数の順番が一致する場合や、接合点で区分される各区分領域の長さの並び(接合点の位置に相当する)が一致する場合には、2つの区分線の形状が一致するものとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】一実施形態の指紋照合装置の構成を示す図である。
【図2】照合指紋画像に含まれる特徴点の具体例を示す図である。
【図3】部分線抽出部によって抽出された部分線の概略を示す図である。
【図4】抽出された部分線のX座標を媒介変数を用いて分離した変化の様子を示す図である。
【図5】抽出された部分線のY座標を媒介変数を用いて分離した変化の様子を示す図である。
【図6】部分線抽出部、接合点抽出処理部、関数近似処理部の各処理によって抽出される特徴情報の概要を示す図である。
【図7】部分線抽出部、接合点抽出処理部、関数近似処理部の各処理によって抽出される特徴情報の概要を示す図である。
【図8】登録指紋画像についてあらかじめ特徴情報の抽出を行って指紋DBに対する登録を行うデータベース作成装置の構成を示す図である。
【図9】照合指紋画像について特徴情報を抽出する動作手順を示す流れ図である。
【図10】照合指紋画像から作成された特徴情報を用いて指紋照合を行う類似度判定処理部の動作手順を示す流れ図である。
【符号の説明】
【0059】
110、210 指紋画像入力部
120 指紋DB(データベース)
130 指紋照合処理部
132、221 前処理部
134、222 特徴点抽出部
136、223 部分線抽出部
138、224 接合点抽出処理部
140、225 関数近似処理部
142 類似度判定処理部
144 照合結果出力処理部
150、230 操作部
160、240 表示部
220 データベース作成部
226 ファイル作成処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照合対象となる照合指紋画像を取り込む指紋画像取込手段と、
前記指紋画像取込手段によって取り込まれた前記照合指紋画像に含まれる隆線あるいは谷線に含まれる分岐点および端点を特徴点として抽出する特徴点抽出手段と、
隣接する2つの前記特徴点に挟まれた前記隆線あるいは前記谷線を部分線として抽出する部分線抽出手段と、
前記部分線抽出手段によって抽出された前記部分線の形状を一あるいは複数の関数で近似する関数近似手段と、
前記関数近似手段による近似処理に関連する特徴情報に基づいて、前記照合指紋画像に類似する登録指紋画像あるいはこの登録指紋画像に対応する付随情報を検索する検索手段と、
を備えることを特徴とする指紋照合装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記登録指紋画像に含まれる部分線の形状を一あるいは複数の関数で近似する処理に関連して作成された特徴情報が、複数の前記登録指紋画像毎に格納された特徴情報格納手段をさらに備え、
前記検索手段は、前記照合指紋画像に対応する特徴情報と、前記特徴情報格納手段に格納されている複数の前記登録指紋画像に対応する特徴情報とを比較することにより検索処理を行うことを特徴とする指紋照合装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記指紋画像取込手段、前記特徴点抽出手段、前記部分線抽出手段、前記関数近似手段を用いて前記登録指紋画像に対応する特徴情報が取得されたときに、この特徴情報を前記特徴情報格納手段に格納する特徴情報格納処理手段をさらに備えることを特徴とする指紋照合装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかにおいて、
前記部分線抽出手段は、前記部分線を構成する各画素のX座標とY座標のそれぞれについて座標値を別々に抽出し、
前記関数近似手段は、前記部分線抽出手段によって抽出された座標値に基づいて、X座標に対応する関数近似処理とY座標に対応する関数近似処理を別々に行うことを特徴とする指紋照合装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかにおいて、
前記検索手段は、前記照合指紋画像に含まれる前記部分線と、前記登録指紋画像に含まれる前記部分線との一致/不一致を調べ、一致する前記部分線の数が所定値を超えたときに、この登録指紋画像が前記照合指紋画像に一致するものとする判定を行うことを特徴とする指紋照合装置。
【請求項6】
請求項5において、
前記特徴情報には、前記部分線の長さとしての部分線長が含まれており、
前記検索手段は、前記部分線の一致/不一致を、前記部分線長の値が近い前記部分線について調べることを特徴とする指紋照合装置。
【請求項7】
請求項5または6において、
前記特徴情報には、前記部分線を構成する複数の関数の順番が含まれており、
前記検索手段は、前記部分線の一致/不一致を、前記複数の関数の順番に基づいて調べることを特徴とする指紋照合装置。
【請求項8】
請求項5または6において、
前記特徴情報には、前記部分線を構成する複数の関数のそれぞれに対応する区間長の並びが含まれており、
前記検索手段は、前記部分線の一致/不一致を、前記区間長の並びに基づいて調べることを特徴とする指紋照合装置。
【請求項9】
請求項5または6において、
前記検索手段は、前記部分線の一致/不一致を、前記部分線を構成する関数を特定するパラメータを用いて計算したマッチング距離あるいは相関度に基づいて調べることを特徴とする指紋照合装置。
【請求項10】
照合対象となる照合指紋画像を取り込む指紋画像取込ステップと、
前記指紋画像取込ステップにおいて取り込まれた前記照合指紋画像に含まれる隆線あるいは谷線に含まれる分岐点および端点を特徴点として抽出する特徴点抽出ステップと、
隣接する2つの前記特徴点に挟まれた前記隆線あるいは前記谷線を部分線として抽出する部分線抽出ステップと、
前記部分線抽出手段によって抽出された前記部分線の形状を一あるいは複数の関数で近似する関数近似ステップと、
前記関数近似ステップにおける近似処理に関連する特徴情報に基づいて、前記照合指紋画像に類似する登録指紋画像あるいはこの登録指紋画像に対応する付随情報を検索する検索ステップと、
を備えることを特徴とする指紋照合方法。
【請求項11】
コンピュータを、
指紋画像取込手段によって取り込まれた照合指紋画像に含まれる隆線あるいは谷線に含まれる分岐点および端点を特徴点として抽出する特徴点抽出手段と、
隣接する2つの前記特徴点に挟まれた前記隆線あるいは前記谷線を部分線として抽出する部分線抽出手段と、
前記部分線抽出手段によって抽出された前記部分線の形状を一あるいは複数の関数で近似する関数近似手段と、
前記関数近似手段による近似処理に関連する特徴情報に基づいて、前記照合指紋画像に類似する登録指紋画像あるいはこの登録指紋画像に対応する付随情報を検索する検索手段と、
して機能させる指紋照合プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−330872(P2006−330872A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−150401(P2005−150401)
【出願日】平成17年5月24日(2005.5.24)
【出願人】(503360115)独立行政法人科学技術振興機構 (1,734)
【Fターム(参考)】