振動構造ジャイロスコープの、又は振動構造ジャイロスコープに関する改良
振動構造ジャイロスコープは、リング構造体(52)、外側フレーム(58)及び可撓性支持体(56e)を有し、外側フレーム内にリング構造体を保持するように配置された1対の対称な従属脚(60a、60b)を含む。金属トラック(80)が、リング構造体、従属脚及び外側フレームの上面に、絶縁表面酸化層上に配置されている。各可撓性支持体(56e)は、単一の駆動又はピックオフトランスデューサと連結された金属トラックを支持するように配置されている。金属トラック(80)は、8つの回路に対して繰り返され、1つの回路に対して各トランスデューサがある。トランスデューサと連結された金属トラック(80)の各回路は、外側フレーム状の第1の結合パッド(82)で始まり、第1の従属脚(60a)に沿って延び、リング構造体の8分の1のセグメント(84)を横切って、外側フレームに第2の結合パッドに第2の従属脚(60b)に沿って戻る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動構造ジャイロスコープに、特に、限定的ではないが、微小電気機械システム技術を使用して構成されたコリオリタイプのジャイロスコープとしての使用に適した振動構造ジャイロスコープに関する。
【背景技術】
【0002】
微小電気機械システム(MEMS)技術を使用して製造されたコリオリタイプのジャイロスコープは、現在、大容量のアプリケーションの範囲で広く使用されている。例えば、自動車産業では、このようなジャイロスコープは、アドバンストブレーキシステム、アクティブサスペンション、転倒検出及び防止用のアプリケーション並びにナビゲーション用のアプリケーションで利用されることができる。このようなアプリケーションのためのジャイロスコープの性能要求は、特に、ジャイロスコープが誘導及び制御のために使用される代表的な航空宇宙用及び軍事用のアプリケーションと比較すると、比較的厳しくない。
【0003】
このようなアプリケーションのためのMEMSジャイロスコープの適合性は、大部分は、これらの低単価に基づいており、これは、主として、MEMSジャイロスコープが経済的に大量に生産されることを可能にするMEMS処理のウェーハレベル製造技術によって達成される。MEMSジャイロスコープの性能レベルは、スピニングホイール又は光ファイバジャイロスコープのような、他の部類のジャイロスコープと比較して比較的適度(modest)である。しかし、このようなジャイロスコープの単価は、大容量の自動車及び商業用のアプリケーションにとって高すぎると考えられるので、高度な仕様のジャイロスコープの使用は、代表的には、航空宇宙用及び軍事用のアプリケーションに限定される。逆に、MEMSジャイロスコープのより低い性能の能力(capability)は、大多数の航空宇宙用及び軍事用のアプリケーションでのこれらの使用を禁止する。
【0004】
英国特許第2322196号は、自動車及び商業用アプリケーションに使用されるMEMSジャイロスコープを説明している。このMEMSジャイロスコープの低コスト及び丈夫な特性(rugged nature)は、誘導及び制御、ナビゲーション及びプラットフォームの安定化アプリケーションでのそれの使用を魅力あるものにしている。しかし、性能の能力は、特に、速度バイアス安定性及び信号対雑音比の観点で、代表的には、これらの要求を満たすのに不十分である。それ故、このような従来技術の装置の性能を高めることは好ましい。
【0005】
図1を参照すると、英国特許第2322196号に説明されたのと同様の既知のMEMSジャイロスコープ10は、8つの従属脚(compliant leg)14aないし14hによって外部から支持された平面状のシリコンリング構造体12を有する検出要素を有する。そして、これら脚14aないし14hは、堅い外側フレーム16に取り付けられている。このジャイロスコープ10は、図2a並びに図2bを参照して示されるように、cos2θの振動モード対を使用して動作するように配置されている。振動モード対の1つは、1次キャリアモードPとして引き起こされ、図2aでは、点線が、この1次キャリアモードPでのリング構造体12の運動の両極端(extremes)を示している。リング構造体12が、このリング構造体12の平面に垂直な軸線18を中心として回転されたとき、コリオリ力が発生され、これは、エネルギを2次応答モードSへと結び付け、図2bでは、点線が、2次応答モードSでのリング構造体12の運動の両極端を示している。引き起こされた運動の振幅は、リング構造体12の平面に垂直な軸線を中心とした、与えられた回転速度に正比例する。
【0006】
1次キャリアモードPは、少なくとも1つの駆動トランスデューサを使用して発生され、また、2次応答モードSは、少なくとも1つのピックオフトランスデューサを使用して検出される。駆動及びピックオフトランスデューサは、リング構造体12を中心として配置されている。
【0007】
図3を参照すると、駆動トランスデューサとピックオフトランスデューサとの両方を与える(実行する)ために、金属トラックが、絶縁表面酸化層の上に、リング構造体20及び外側フレーム22の上面に設けられる。図3を参照して説明されたのと同じ参照符号を示すために同じ参照符号が使用されている図4を参照すると、金属トラック24が、各駆動及びピックオフトランスデューサに対して1つの回路で、8つの回路に対して繰り返されている。金属トラック24の各回路は、第1の結合パッド26で始まり、第1の従属脚28に沿って延び、リング構造体20の8分の1の(第8の)セグメント(an eighth segment)30を横切って延び、隣接している従属脚32に沿って延び、第2の結合パッド34につながっている。この回路の配置は、リング構造体20の各8分の1の(第8の)セグメント30に対して繰り返され、各従属脚28は、2つの隣接しているトランスデューサに対して金属トラック24を保持している(carry)。
【0008】
第3の金属トラック36は、隣接しているトランスデューサと連結された回路間のクロスカップリング効果を減少させるために、隣接しているトランスデューサと連結された金属トラック24間で、各従属脚28、32の中心に沿って位置されている。
【0009】
磁場Bは、リング構造体20の周縁の近くに印加され、リング構造体20の平面に垂直に配置されている。磁場は、リング構造体20の周囲の内側に位置された永久磁石38によって印加され、また、上側磁極片40及び下側磁極片42は、リング構造体20の周縁の近傍に、これら磁極片40、42間のギャップ中に磁場を集中させるように配置されている。
【0010】
リング構造体20、従属脚28、32及び外側フレーム22は、支持ガラス基板44上に結合されている。そして、このアセンブリは、永久磁石38及び磁極片40、42と一緒にガラス支持構造体46上に結合され、これらは、上側磁極片40と下側磁極片42との間のギャップに位置されたリング構造体20と一緒に組み立てられる。
【0011】
動作中、金属トラック24を通る交流電流の通過は、金属トラック24が磁場を通過するところにローレンツ力を発生させる。この力Flの大きさは、
【数1】
【0012】
で与えられる。
【0013】
ここで、Bは磁場であり、Iは電流であり、Lは磁場中の金属トラック24の長さである。交流の周波数が1次キャリアモードの共振周波数にあれば、リング構造体20は共振振動運動を引き起こす。このようにして配置された金属トラック24は、駆動トランスデューサを規定している。
【0014】
金属トラック24が磁場内で運動しているところでは、電圧Vは、金属トラック24を横切って発生され、これは、
【数2】
【0015】
で与えられる。
【0016】
ここで、vは磁場中の金属トラック24の振動運動のピーク速度であり、Bは磁場であり、Lは磁場中の金属トラック24の長さである。このようにして配置された金属トラック24は、ピックオフトランスデューサを規定している。
【0017】
このようなMEMSジャイロスコープ10は、代表的には、動作の閉ループモードで動作される。このモードでは、1次キャリアモードPは、位相ロックされたループによって制御される1次駆動トランスデューサを使用して共振最大値で駆動される。リング構造体12の運動の振幅は、自動利得制御ループによって一定値に維持され、これは、1次ピックオフトランスデューサで測定されるような、リング構造体12の運動の振幅と、一定の基準レベルと比較するように、かつ、一定の信号レベル、従って、リング構造体12の運動の一定の振幅を維持するために、1次駆動トランスデューサへの駆動信号を動的に調節するように配置されている。リング構造体12が、このリング構造体12の、従って、MEMSジャイロスコープ10のスケールファクタの平面に垂直な軸線18を中心として回転されたときに引き起こされるコリオリ力の大きさは、1次キャリアモードPの運動の振幅に正比例する。このコリオリ力は、2次応答モードSに運動を引き起こし、これは、2次ピックオフトランスデューサによって検出される。動作の閉ループモードでは、2次応答モードSの運動は、適切に制御された2次駆動トランスデューサによって無効にされる。2次応答モードSの無効状態を維持するのに必要な駆動力は、軸線18を中心として与えられた回転速度の直接表示を与える。
【0018】
一般的に、MEMSジャイロスコープ10の速度バイアス誤差の多くの考え得る原因がある。MEMSジャイロスコープ10の2つの最も重大な誤差は、直角位相バイアス誤差及びクロスカップリング誤差であることが知られており、直角位相バイアス誤差は、リング構造体12の配置の不備により発生し、また、クロスカップリング誤差は、レートチャネルで検出された2次ピックオフ信号への1次駆動信号の直接のカップリングにより発生する。
【0019】
理想的な場合には、電子回路は適切に同期され、リング構造体12に対して同一のキャリア及び応答モードの周波数があり、MEMSジャイロスコープ12が軸線18を中心とした回転に従わないとき、2次ピックオフトランスデューサで検出される運動はない。しかし、実際には、製造プロセス中に発生するリング構造体12の小さな配置上の不備は、1次キャリアP及び2次応答Sのモードの周波数のわずかな分裂(splitting)を生じる。分裂されたこの周波数もまた、α=0°のところに配置された1次駆動トランスデュー0差に関して、任意の角度αでの1次キャリアP及び2次応答Sのモードの角度位置を決める傾向にある。従って、任意の角度αが0でないならば、1次駆動トランスデューサによって与えられた1次駆動力は、1次キャリアPと2次応答Sとのモードの両方をある程度まで引き起こす。1次駆動トランスデューサと連結された、位相ロックされたループ回路は、1次キャリアP及び2次応答Sのモード間で90°の位相シフトを達成するように、駆動周波数を調節する。しかし、運動は、1次キャリアモードPに対して直角位相に支配される2次応答モードSの軸線に沿っている。閉ループシステムでは、この運動は、2次駆動トランスデューサによって印加された直角位相の力の成分によって無効にされる。
【0020】
2次応答モードSの軸線に沿った運動を無効にするのに必要とされる直角位相駆動レベルは、直角位相バイアスΩQUADと称され、
【数3】
【0021】
として定義される。
【0022】
ここで、外積Fはモードの周波数の分裂であり、Ωは1次駆動の軸線に対するモードの角度であり、Kはモードの結合係数及び2次駆動及び1次ピックオフ利得の項を含む定数である。
【0023】
直角位相バイアスΩQUADは、MEMSジャイロスコープが測定を必要とされる速度信号と比較して大きくなり得る。自動車のアプリケーションで使用されるMEMSジャイロスコープ10の代表的な速度測定範囲は、±100°/秒である。直角位相バイアスΩQUADは、毎秒程度で基準化される(scaled)ならば、速度信号と比較して、例えば、±100°/秒よりも大きくなり得、MEMSジャイロスコープ10の動作温度範囲にわたって著しく変化し得る。ここで、位相誤差φEが存在し、この誤差信号のわずかな比率が、レートチャネルに現われる。これは、速度バイアス誤差ΩErrを生じ、これは、
【数4】
【0024】
で与えられる。
【0025】
比較的小さな位相誤差φEでさえ、重大な速度バイアス誤差ΩErrを生じ得る。温度に対する直角位相信号又は位相誤差φEのいかなる変化も、MEMSジャイロスコープ10の正確性及び安定性を厳しく制限するように変化する直角位相バイアスΩQUADを引き起こす。この位相誤差φEは、代表的には、MEMSジャイロスコープ10の動作温度範囲にわたって、比較的安定している。しかし、直角位相バイアスΩQUADは、代表的には、かなりの量だけ変化する。この大きな変化は、直角位相バイアス誤差における相応の大きな変化、従って、速度バイアス性能の不安定性をもたらす。
【0026】
2次ピックアップへの、従ってレートチャネルへの、1次駆動信号のクロスカップリングへの支配的な寄与は、隣接しているトランスデューサと連結された金属トラック24の近接により発生し、これは、単一の従属脚28、32に沿って互いに平行に延びている。接地された第3の金属トラック36は、金属トラック24間の直接の容量カップリングを最小にするために、2つの平行な金属トラック24間に配置されている。しかし、重要な電気的カップリングが、なおも、2つの金属トラック24間に存在する。このカップリングから発生するクロスカップリングバイアス誤差ΩCの大きさは、
【数5】
【0027】
として定義される。
【0028】
ここで、φCは結合係数であり、Fは共振周波数であり、Qは共振モードの線質係数である。このメカニズムは、例えば、周囲温度での速度バイアスの毎秒1〜2度間で、速度バイアスに寄与することが知られている。この値は、1/Q2及び線質係数Qとして基準化され、重要な両、すなわち、MEMSジャイロスコープ10の動作温度範囲にわたって±50%だけ変化する。それ故、このメカニズムは、温度にわたって速度バイアス変化に重大な寄与をし、これは、その非線形性により、補正するのが難しい。
【0029】
英国特許出願公開第2322196号は、共振器を支持し、かつ電磁駆動手段及びセンサを支持している8つの従属脚を備えた振動構造ジャイロスコープを開示している。アクチュエータ及びセンサのトラックは、共通の脚にあり、中間のトラックによって互いに絶縁されている。この特徴は、脚の幅を増加させる傾向にある。
【0030】
国際公開第0120257号は、共振器及びピエゾ電気アクチュエータを支持している8つの従属脚と、複数のセンサとを備えた振動構造ジャイロスコープを開示している。しかし、一実施の形態では、磁気トランスデューサが、トランスデューサのコンダクタを保持し、かつ共振器のノードにまたがる(stradding)対の脚で利用される。しかし、これら脚は、対称ではない。
【0031】
英国特許出願公開第2276976号は、振動構造ジャイロスコープを開示している。この振動構造ジャイロスコープは、
ほぼ平面状の環状の共振器と、
基板と、
前記環状の共振器を、1次面内モード(a primary in-plane mode)で、1次モードの共振周波数で振動させるように配置され、間に径方向に延びた対称線(LS)を有する第1及び第2の脚部材を含む、連結された可撓性支持体を有する少なくとも1つの駆動トランスデューサと、
前記基板から前記環状の共振器を支持するように配置され、かつ、前記環状の共振器を前記1次面内モードで振動させ、かつ前記環状の共振器をこの環状の共振器の平面にほぼ垂直な軸線を中心として与えられた角速度に応答する2次面内モード(a secondary in-plane mode)で振動させる複数の可撓性支持体を含む支持構成体と、
前記2次面内モードでの前記環状の共振器の振動を検出するように配置され、間に径方向に延びた対称線を有する第1及び第2の脚部材を含む、連結された可撓性支持体を有する少なくとも1つのピックオフトランスデューサと、を具備し、
磁場が、前記駆動トランスデューサがこの磁場内に位置されるように、前記環状の共振器の前記平面に垂直に配置され、
前記少なくとも1つの駆動トランスデューサは、前記環状の共振器に、及び前記複数の可撓性支持体に金属トラックを有し、前記少なくとも1つの駆動トランスデューサは、前記基板から、前記第1の脚部材に沿って、前記環状の共振器のセクションに沿って、及び前記第2の脚部材に沿って、前記基板に戻るように延びた第1のトラックのセクションを有する連続的な金属トラックを有し、前記第1及び第2の脚部材は、単一の駆動トランスデューサと連結された前記金属トラックのみを保持している。
【発明の概要】
【0032】
本発明は、英国特許出願公開第2276976号の上述の要約でのような振動構造ジャイロスコープを提供する。本発明の振動構造ジャイロスコープは、前記少なくとも1つのピックオフトランスデューサが、前記磁場中に位置されており、前記少なくとも1つのトランスデューサは、前記基板から、前記第1の脚部材に沿って、前記環状の共振器のセクションに沿って、及び前記第2の脚部材に沿って、前記基板に戻るように延びた第1のトラックのセクションを有する連続的な金属トラックを有し、前記第1及び第2の脚部材は、単一のピックオフトランスデューサと連結された前記金属トラックのみを保持していることを特徴とする。
【0033】
上述の磁気ピックオフトランスデューサは、英国特許出願公開第2276976号で利用された容量トランスデューサを超えた利点を有する。なぜならば、各脚は、コンダクタのトラックを保持することができるが、英国特許出願公開第2276976号では、容量ピックオフトランスデューサを形成している対の脚のうち、1つだけがコンダクタのトラックを保持しているからであり、脚の対称性が改良されることができる。
【0034】
好ましくは、前記連続的な金属トラックは、前記基板から、前記第1の脚部材に沿って、前記環状の共振器のセクションに沿って、及び前記第2の脚部材に沿って、前記基板に戻るように連続している少なくとも1つの第2のトラックをさらに有する。前記トラックのセクションは、並列に接続され、互いに側方に離間されている。
【0035】
この特徴は、駆動振動及びピックオフ感度を高め、従って、信号対雑音比を増加させる。
【0036】
好ましくは、各脚部材は、前記基板から内側に延びた第1の径方向のセクションと、周囲のセクションと、第2の径方向のセクションと、を有し、前記第2の径方向のセクションは、前記第1の径方向のセクションとこの第2の径方向のセクションとが前記周囲のセクションを介して互いに接続されるように配置されており、前記第2の径方向のセクションは、前記磁場の外側に位置された前記周囲のセクションで前記環状の共振器の外周縁に接続されている。
【0037】
この脚の構成は、高度に従属性(柔軟性)があり(compliant)、前記周囲のセクションを通って流れる電流が、モータ、又は前記環状の共振器のセクションに沿って延びたトラックを通って流れる電流の発生動作を妨げないことを確実にする。さらに、磁場の外側に位置された第1の径方向のセクションは、同様に、前記環状の共振器の面内の径方向の振動に対する干渉を引き起こさない。また、逆平行である第1及び第2の径方向のセクションの両方で電流の流れの影響は、互いに打ち消す傾向にある。
【0038】
好ましくは、前記それぞれの脚部材の前記第2の径方向のセクションは、前記第2の径方向のセクションの長さよりも長い間隔で離間されている。
【0039】
この特徴は、前記環状の共振器のセクションに沿って延び、かつ前記径方向のセクション及びこれらの連結された導体トラックの長さに関して、(駆動トランスデューサの)所望のモータ動作又は(ピックオフトランスデューサの)信号を発生させるトラック部分の長さを最大にする傾向にある。
【0040】
好ましくは、前記それぞれの脚部材の前記第1の径方向のセクションは、前記第1の径方向のセクションの長さ未満である間隔で離間されている。
【0041】
この特徴は、前記第1の径方向のセクションに沿って延びた電流の誘導の取り消しを最大にする傾向にある。
【0042】
前記可撓性支持体は、好ましくは、前記環状の共振器を中心として等角度で離間されている。
【0043】
好ましい一実施の形態では、少なくとも1つの1次駆動トランスデューサが、前記環状の共振器を、1次モードで、この1次モードの共振周波数で振動させるように配置されており、また、少なくとも1つの1次ピックオフトランスデューサが、前記1次モードで前記環状の共振器の振動を検出するように、かつ前記1次モードの共振周波数で前記環状の共振器を維持するように配置されており、また、少なくとも1つの2次ピックオフトランスデューサが、角速度が前記環状の共振器にほぼ垂直な軸線を中心として与えられたときに引き起こされる2次モードの振動を検出するように配置されており、さらに、少なくとも1つの2次駆動トランスデューサが、前記引き起こされた2次モードの振動を無効にするように配置されている。
【0044】
前記環状の共振器、基板及び支持構成体は、互いにほぼ同じ平面に配置されることができる。駆動及びピックオフトランスデューサは、互いに、及び前記基板に対してほぼ同じ平面に配置されることができる。
【0045】
前記脚部材は、前記環状の共振器の内側に位置された前記基板の中央ハブから一端で選択的に支持されることができ、また、各脚部材は、前記環状の共振器の内周縁に他端で接続されている。代わって、各脚部材は、前記環状の共振器の外側の前記基板から一端で支持されることができ、また、各脚部材は、前記環状の共振器の外周縁に他端で接続されている。
【0046】
前記基板は、前記環状の共振器、支持構成体、並びに駆動及びピックオフトランスデューサを封じ込める(encapsulating)封止されたキャビティを形成するように封止されることができる。
【0047】
前記支持構成体、環状の共振器及び基板は、シリコンから形成されることができ、また、絶縁層は、金属トラックと支持構成体、環状の共振器と基板、との間に配置されることができる。
【0048】
本発明の好ましい実施の形態が、添付図面を参照して、単に例によって説明される。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】図1は、従来技術に従うMEMSジャイロスコープの概略的な平面図である。
【図2a】図2aは、従来技術に従うリング構造体及び1次キャリアモードPの径方向の移動の動作を概略的に示している。
【図2b】図2bは、従来技術に従うリング構造体及び2次応答モードSの径方向の移動の動作を概略的に示している。
【図3】図3は、従来技術に従うMEMSジャイロスコープを示す正面図である。
【図4】図4は、従来技術に従う金属トラック構成体の部分的な平面図である。
【図5】図5は、本発明に従う振動構造ジャイロスコープの平面図である。
【図6】図6は、グラフの形式での、従来技術に従うMEMSジャイロスコープと本発明に従う振動構造ジャイロスコープとの動作温度の関数としての直角位相バイアスの比較を示すグラフである。
【図7】図7は、本発明に従う金属トラック構成体を示す部分的な平面図である。
【図8】図8は、本発明に従う代わりの金属トラック構成体を示す部分的な平面図である。
【図9】図9は、本発明の一実施形態の磁場の垂直成分の径方向の変化を示すグラフである。
【図10】図10は、図5、図7並びに図8の実施の形態の電気信号処理の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
本発明者は、図1ないし図4を参照して説明された従来技術のMEMSジャイロスコープ10の直角位相バイアスの変化は、1次キャリアP及び2次応答Sのモードの周波数に分裂した周波数、及び温度にわたる2次応答モードSの位置の変化によって引き起こされることを認識した。外側フレーム22のシリコンとガラス支持構造体46との間の拡張の差は、外側フレーム22を歪ませる傾向にある。代わって、これは、1次キャリアP及び2次応答Sのモードが異なるように乱されて、これらの周波数、及びリング構造体又は環状の共振器12に関するモードのアライメント(alignment)に影響するようにして、従属脚14aないし14hを歪ませる。
【0051】
図5を参照すると、振動構造ジャイロスコープ50は、堅い外側フレーム58を規定している基板内にリング構造体を保持するように配置された8つの可撓性支持体56aないし56hを有する支持構成体54に外部から支持された平面状のシリコンリング構造体52を有する。各可撓性支持体56aないし56hは、リング構造体52の外周縁に一端で、かつ外側フレーム58の内周縁に他端で取り付けられた1対の従属脚60a及び60bを有する。この例では、従属脚60a及び60bは、互いに対称であり、また、各従属脚60a、60bは、第1の径方向のセクション62と、弧状のセクション64と、第2の径方向のセクション66と、を有している。第2の径方向のセクション66は、第1の径方向のセクション62及び第2の径方向のセクション66が、弧状のセクション64によって互いに接続されるように配置されている。第1の径方向のセクション62は、外側フレーム58の内周縁に接続されており、また、第2の径方向のセクション66は、リング構造体52の外周縁に接続されている。
【0052】
第1及び第2の径方向のセクションは、(軸線68を中心とした回転に対する感度を確実にするように)接戦方向に遊び(compliance)を与え、また、弧状のセクション64は、径方向に遊びを与える。第1の径方向のセクション62の近い間隔(好ましくは、これらの長さの半分未満)は、(図7に示される)これらの連結された金属トラック部分を通る電流の誘起効果が取り消されることを確実にする。
【0053】
リング構造体52、外側フレーム58及び支持構成体54は、MEMS製造技術を使用して、シリコン材料の単一の基板から全て形成されることができることが理解される。
【0054】
このようにして、従属脚60a及び60bの面内スチフネス(in-plane stiffness)が減少されるので、従属脚60a及び60bの歪みの影響、及びリング構造体52に関する1次キャリア及び2次応答モードの周波数のアライメントの必然的な影響は、減少され、かくして、比較的大きな程度まで、リング構造体52を外的な応力及び歪みから孤立させる。これは、従属脚60a及び60bの幅を減少させることによって達成される。しかし、1対の従属脚60a及び60bの使用は、従属脚60a及び60bによって与えられる平面のスチフネスの外部(the out of plane stiffness)で維持される。高い平面のスチフネスの外部の維持は、これが、リング構造体52の平面に垂直な軸線68に沿って与えられた衝撃及び振動の入力に応じたリング構造体52の運動を制限するので、効果的である。これは、外部的に与えられた機械的外乱への振動構造ジャイロスコープ50の感度を減少させるので、有益である。
【0055】
従って、図5に示された支持構成体54は、リング構造体52を中心として等角度で離間された8つの可撓性支持体56aないし56hを有し、組み合わせた面内スチフネスを備えた対称な対として配置された、2つの従属脚60a、60bを有する各可撓性支持体56a、56hは、図1ないし図4を参照して説明されたのと比較して著しく減少される。これは、熱により引き起こされた応力からの高められた孤立を与え、また、衝撃及び振動への感度を最小にするのに必要な平面のスチフネスの外部を維持する。それぞれの従属脚60a、60bの面内スチフネスは、おおよそ、従属脚60aの幅の3乗に比例して変化する。逆に、平面のスチフネスの外部は、従属脚60a、60bの幅に対して直線的に変化する。従って、従属脚60a、60bの幅を減少させることは、面内スチフネスを減少させる。例えば、英国特許第2322196号に説明された装置の従属脚14aないし14hの幅は、図5の構成体の従属脚60a、60bの20マイクロメートルの幅と比較して、名目上60マイクロメートルである。面内の移動に応じた支持構成体54の組み合わせたスチフネスは、英国特許第2322196号に説明された装置と比較して、4つのうちおおよそ1つのファクタだけ減少されている。対照的に、本構成体に従う支持構成体54の平面の移動の外部に応じた相対的なスチフネスは、英国特許第2322196号の装置と比較すると、約25%だけ、わずかにのみ減少される。
【0056】
図10を参照すると、1次ループは、それぞれ、脚56b及び56fに(図7又は図8に示される金属トラックのセクションによって構成された)1対の誘起ピックオフトランスデューサを有する。これらは、ループフィルタF(s)(132)の後、VCO(電圧制御発振器)134によってリングの振動の周波数を設定するために、増幅器118を介して、自動利得制御のための復調器144及び位相検出器PD(130)に接続されている。90度の位相シフトは、位相検出器130の基準に使用される。ゲイン調整148及びゲインステージ166を通過した後、(それぞれ、脚56d及び56hの上の図7又は図8にそれぞれ示される金属トラックのセクションによって構成された)1次駆動トランスデューサに与えられた駆動信号は、リング52を1次運動に設定する。
【0057】
P位相は、1次駆動に対して90度であり、また、1次ピックオフに対する位相である。Q位相は、1次駆動に対する位相であり、かつ1次ピックオフ信号に対する位相である。
【0058】
前記1次に対して45度で、(それぞれ、脚56c及び56gに金属トラックで構成された)2次誘起ピックオフトランスデューサからの信号は、それぞれ、増幅器120で増幅され、(位相Pで)2つの復調器154及び156(直角位相Q)によってループフィルタG(s)158及び160に進み、それぞれ、位相及び直角位相の復調器162及び164に進む。そして、これらの2つの信号は、脚56a及び56eの上の金属トラックによってそれぞれ構成されたトランスデューサを駆動させる2次駆動を形成するために連結される。
【0059】
復調器126からの出力レート信号は、2次駆動の同相信号P成分を使用する。
【0060】
使用時には、2次駆動トランスデューサは、角速度が受感軸線(sensitive axis)68を中心として与えられたときに引き起こされた2次モードの振動(S)を無効にするように配置されている。
【0061】
図6を参照すると、熱により引き起こされた歪みへのリング構造体52の高められた面内の機械的隔離の有益な影響が、線74として示された英国特許第2322196号の装置の横座標72に沿って示されたセ氏での温度に対して縦座標70に沿って示された1秒当たりの温度での直角位相バイアスと、線76として示された本発明に従う振動構造ジャイロスコープ50との比較から評価されることができる。線74は、線76と比較して、温度にわたる大きな変化を示している。例えば、本発明の直角位相バイアス温度安定性は、英国特許第2322196号の先行技術の装置の8つの折れ部の改良を示すことができる。
【0062】
図5の構成体では、1次キャリアモードは、少なくとも1つの駆動トランスデューサを使用して発生され、また、2次応答モードは、少なくとも1つのピックオフトランスデューサを使用して検出される。駆動及びピックオフトランスデューサは、リング構造体52を中心として配置され、この場合、リング構造体52を中心として等角度で離間された8つのトランスデューサがある。4つのトランスデューサ、リング構造体に2次駆動を供給すると配置されたトランスデューサ及び4つのピックオフトランスデューサのリング構造体52と1対に1次駆動を供給すると配置された1対のトランスデューサ、1次ピックオフ信号を提供すると配置された1対のトランスデューサ、及び第2のピックオフ信号を提供すると配置された1対のトランスデューサを駆動する。
【0063】
図5を参照して説明されたのと同じ参照符号を示すために同じ参照符号が使用されている図7を参照すると、駆動及びピックオフトランスデューサの両方を実行するために、図示されない、金属トラック80、リング構造体52、外側フレーム58及び個々の従属脚60a、絶縁表面酸化被膜上の60bの上面の上に与えられる。金属トラック80が、各駆動及びピックオフトランスデューサに対して1つの回路で、8つの回路に対して繰り返されている。図7は、図5の可撓性支持体56eと連結された金属トラック80を示している。金属トラック80の各回路は、外側フレーム58上の第1の結合パッド82で始まり、第1の従属脚60aに沿って延び、リング構造体52の8分の1の(第8の)セグメント84を横切って延び、第2の従属脚60bに沿って延び、外側フレーム58上の第2の結合パッド86につながっている。この回路の配置は、リング構造体52の各8分の1の(第8の)セグメント84に対して繰り返されるので、従属脚60a及び60bの各対は、単一のトランスデューサと連結された金属トラック80のみを保持している。
【0064】
従って、従来技術での場合のように、接地されたそれぞれの第3の金属トラック36は、互いに平行に延びた金属トラック24間のクロスカップリングを最小にするために必要とされず、各金属トラック24は、異なる駆動又はピックオフトランスデューサと連結される。これは、1次駆動トランスデューサと連結された金属トラック24が、同じ従属脚28又は32に沿った第2のピックオフトランスデューサと連結された金属トラック24に平行に延びているところで、特に重要である。
【0065】
それぞれの従属脚60a、60bに沿った異なるトランスデューサと連結された金属トラック80のルートは、クロスカップリングの、従ってクロスカップリングバイアス誤差の減少を与え、かくして、振動構造ジャイロスコープ50の全体的な速度バイアス温度安定性を改良する。
【0066】
従属脚は、対称線LSを中心として対称に配置され、また、前記対称線を中心としてほぼ対称に配置されたループを形成するために、各従属脚からリング構造体52上に延びた金属トラックの部分は、前記対称線から分岐している。この特徴は、従属脚に作用する妨げとなるモータ力を最小にし、かつ、トランスデューサの利得を最大にする。
【0067】
従来技術に関してのように、磁場は、リング構造体52の周囲の周りに印加され、リング構造体52の平面に垂直に向けられる。磁場は、永久磁石によって印加され、リング構造体52の周面の内部に位置され、リング構造体52の周囲の近傍で磁極片の間のギャップ中の磁場を集中させるように配置された上側磁極片及び下側磁極片である。
【0068】
リング構造体52、従属脚60a、60b及び外側フレーム58は、支持ガラス基板の上に接合される。代わって、このアセンブリは、永久磁石及び磁極片一緒にガラス支持構造体の上に接合され、これらは、上側磁極片と下側磁極片との間のギャップに位置されたリング構造体52と一緒に組み立てられる。
【0069】
既に述べられたように、金属トラック80を介して交流を通過させることは、金属トラック80が磁場を通過するところにローレンツ力を発生させる。交流の周波数が、1次キャリアモードの共振周波数にあれば、リング構造体52は共振振動運動を引き起こす。このようにして配置された金属トラック80は、駆動トランスデューサを規定する。
【0070】
金属トラック80が磁場内で運動しているところでは、電圧は、金属トラック80を横切って発生される。このようにして配置された金属トラック80は、ピックオフトランスデューサを規定する。
【0071】
このようなMEMSジャイロスコープ52は、代表的には、動作の閉ループモードで動作される。このモードでは、1次キャリアモードは、位相ロックされたループによって制御される1次駆動トランスデューサを使用して、共振最大値で駆動される。リング構造体52の運動の振幅は、自動利得制御ループによって一定値に保たれる。固定基準レベルに1次ピックオフトランスデューサで測定されるように、それはリング構造体52の運動の振幅を比較するために配置され、一定の信号レベル、そしてその結果リング構造体52の運動の一定の振幅を維持する1次駆動トランスデューサに、動的に駆動信号を調節する。リング構造体52がリング構造体52の平面、従って、MEMSジャイロスコープ50の基準化ファクタに垂直な軸線68を中心として回転したときに引き起こされるコリオリ力の大きさは、1次キャリアモードの運動の振幅に正比例する。このコリオリ力は、2次応答モードでの運動を引き起こし、これは、第2のピックオフトランスデューサによって検出される。動作の閉ループモードでは、2次応答モードの運動は、適切に制御された2次駆動トランスデューサによって無効にされる。2次応答モードの無効状態を維持するのに必要な駆動力は、軸線68を中心として与えられた回転速度の直接表示を与える。
【0072】
図5並びに図7を参照して説明されたのと同じ参照符号を示すために同じ参照符号が使用されている図8を参照すると、本発明の支持構成体54のさらなる利点は、2つの回転金属トラック80の回路、すなわち少なくとも1つの可撓性支持体56aないし56hの周りに、側方に離間された1対の平行な金属トラック80を製造するために、各従属脚60a、60bに十分な領域にあるということである。このような駆動又はピックオフトランスデューサを与えるために、金属トラック80は、図示されないリング構造体52、外側フレーム58及び各従属脚60a、絶縁表面酸化層の60bの上面に設けられている。図8は、図5の可撓性支持体56eと連結された金属トラック80を示している。各回路は、外側フレーム58上の第1の結合パッド82で始まり、第1の従属脚60aに沿って延び、リング構造体52の8分の1の(第8の)セグメント84を横切って延び、第2の従属脚60bに沿って延び、外側フレーム58上の第2の結合パッド86の周りに、リング構造体52の8分の1の(第8の)セグメント84を横切って、外側フレーム58上の第2の結合パッド86に第2の従属脚60bに沿って延びている。金属トラック80は、側方に離間され、リング構造体52の8分の1の(第8の)セグメント84を分けるように配置されていることが注意される。回路の配置は、リング構造体52の各8分の1の(第8の)セグメント84に対して繰り返されることができるので、各対の従属脚60a、60bは、単一のトランスデューサと連結された金属トラック80のみを保持している。
【0073】
これは、リング構造体52に印加された磁場内の金属トラック80の長さを効果的に2倍にする。従って、各駆動及びピックオフトランスデューサの利得もまた、これによって2倍にされる。このような配置は、製造プロセスによって課されるような、金属トラック24の配置に対する制限により、従来技術の装置にとって実際的ではなかった。これらの制限は、隣接している金属トラック24の確実な電気的絶縁を確実にするために、5マイクロメートル以上の隣接している金属トラック24間の最小距離と、金属トラック24の縁と従属脚28、32の縁との間の同様の距離とを必要とする。
【0074】
磁場中の金属トラック80の長さを2倍にすること、すなわち、上述の方程式1の長さLの成分を増加させることは、2つのファクタだけ駆動トランスデューサによって与えられる駆動利得を増加させる。これは、所定の1次キャリアモード振幅を達成するのに必要な駆動電流が減少されることを可能にする。レートチャネルへの駆動カップリング、従ってクロスカップリングバイアスΩCの大きさもまた、さらに減少されることができ、これは、速度バイアス温度安定性に利益を得る。
【0075】
さらに、磁場中の金属トラック80の長さを2倍にすること、すなわち、上述の方程式2の長さのLの成分を増加させることは、所定の振幅の運動に対して、2つのファクタだけ、ピックオフトランスデューサで与えられる信号も増加させる。閉ループモードで動作するこのような振動構造ジャイロスコープ50に関して、ノイズのレベルは、第2のピックオフ増幅器の電圧ノイズによって支配される。従って、ピックオフトランスデューサの信号レベルを2倍にすることは、レートにおいて、振動構造ジャイロスコープ50の同等の信号対雑音比を2つの折れ部の改良(two fold improvement)を与える。再び、これは、振動構造ジャイロスコープ50のさらなる性能の強化を与える。
【0076】
本発明の好ましい一実施の形態は、先行技術のMEMSジャイロスコープ10にさらなる効果を奏する。英国特許第2322196号に説明されたMEMSジャイロスコープ10では、各従属脚14aないし14hの重要な比率は、リング構造体12に、従って磁場強度が最大である領域のすぐ近くにある。図9を参照すると、磁場の垂直成分の径方向の変化は、リング構造体12及び従属脚14aないし14hの中心を通って、線88として示される。ミリメートル(mm)での磁場の半径は、横座標に沿って示され、また、ミリテラ(mT)での磁場の垂直成分は、縦座標に沿って示される。見られるように、磁場は、磁石の縁から、2mmの半径の増加であり、また、ギャップの領域において、3mmの半径で最大である。磁場は、増加する半径とともに3mmよりも大きく減少するが、なおも、半径4mmのピーク値の10パーセント付近である。従って、英国特許第2322196号のMEMSジャイロスコープに関して、各従属脚14aないし14hの重要な部分は、高い磁場の領域に位置されている。電流が従属脚14aないし14hを通過したとき、著しい力が、電流の経路に垂直に、リング構造体12の平面で発生される。これらの力は、従属脚14aないし14hの取り付けの点で力を働かせることにより、リング構造体12の運動を引き起こすので、これらの力は不適当である。これらの力は、リング構造体12上で発生された力とアライメントされず、所望のアライメントから離れた駆動トランスデューサによって加えられた正味の合成駆動力を回転させる傾向にある。これらの力はまた、駆動効率の減少をもたらすリング構造体12に駆動トランスデューサによって加えられた駆動力に反対する傾向がある。さらに、これが、リング構造体12の運動によって発生された所望の信号に干渉し、かくしてMEMSジャイロスコープ10の正確性を下げる信号を引き起こし得るので、ピックオフトランスデューサと連結された金属トラック24を支持している従属脚14aないし14hの運動もまた、問題である。
【0077】
本発明では、対称な対の従属脚60a、60bは、第2の径方向のセクション66が、磁場のギャップから第1の径方向のセクション62及び弧状のセクション64に対するより大きな距離を与えるように配置されている。それ故、磁場の領域内の従属脚60a、60bの大きさが減少され、かくして、発生された力の大きさ、及びピックオフトランスデューサと連結された金属トラック80に引き起こされたスプリアス信号のレベルを減少させる。従属脚60a、60bの対称な構造もまた、所定の可撓性支持体56aないし56hの各従属脚60a、60bに発生された力及び信号がほぼ等しくなり、反対であることを確実にする。従って、このような不適当な力及び信号は、ほぼ打ち消される。
【0078】
従って、改良された支持構成体54は、直角位相バイアス温度安定性、従って、振動構造ジャイロスコープ50の全体的な速度バイアス性能の改良を促進する。改良された支持構成体54は、さらに、駆動及びピックオフトランスデューサと連結された金属トラック80間のクロスカップリングを減少させる金属トラック80の回路の配置を可能にし、これによって、振動構造ジャイロスコープ50の速度バイアス温度安定性のさらなる改良を可能にする。改良された支持構成体54は、同じ永久磁石である上側磁極片及び下側磁極片を使用して、振動構造ジャイロスコープ50の製造又は組立プロセスの実質的な変化なしで実行されることができる。結果として生じる振動構造ジャイロスコープ50もまた、同じ制御エレクトロニクスを組み込むことができ、かくして、振動構造ジャイロスコープ50の単価を増加させることなく、改良された直角位相バイアス温度安定性を与える。
【0079】
また、可撓性支持体の他の配置が可能であることが理解される。例えば、8つの可撓性支持体は、リング構造体の内側に配置されることができ、これにより、従属脚は、リング構造体の内周縁に一端で、及びリング構造体の内側に位置された基板の中央ハブから他に取り付けられる。この実施の形態では、結合されたパッドは、ハブに与えられ、また、金属トラックは、ハブ、従属脚及びリング構造体に位置される。従属脚及びトラックの配置は、図5ないし図9を参照して説明されたのと同様である。
【0080】
さらに、外側フレーム58を規定している基板は、リング構造体52、可撓性支持体56aないし56h及び連結された金属トラック80を封じ込める封止されたキャビティを形成するために封止されることができ、これによって、封止されたキャビティ内への望ましくない材料の進入を禁じることができる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動構造ジャイロスコープに、特に、限定的ではないが、微小電気機械システム技術を使用して構成されたコリオリタイプのジャイロスコープとしての使用に適した振動構造ジャイロスコープに関する。
【背景技術】
【0002】
微小電気機械システム(MEMS)技術を使用して製造されたコリオリタイプのジャイロスコープは、現在、大容量のアプリケーションの範囲で広く使用されている。例えば、自動車産業では、このようなジャイロスコープは、アドバンストブレーキシステム、アクティブサスペンション、転倒検出及び防止用のアプリケーション並びにナビゲーション用のアプリケーションで利用されることができる。このようなアプリケーションのためのジャイロスコープの性能要求は、特に、ジャイロスコープが誘導及び制御のために使用される代表的な航空宇宙用及び軍事用のアプリケーションと比較すると、比較的厳しくない。
【0003】
このようなアプリケーションのためのMEMSジャイロスコープの適合性は、大部分は、これらの低単価に基づいており、これは、主として、MEMSジャイロスコープが経済的に大量に生産されることを可能にするMEMS処理のウェーハレベル製造技術によって達成される。MEMSジャイロスコープの性能レベルは、スピニングホイール又は光ファイバジャイロスコープのような、他の部類のジャイロスコープと比較して比較的適度(modest)である。しかし、このようなジャイロスコープの単価は、大容量の自動車及び商業用のアプリケーションにとって高すぎると考えられるので、高度な仕様のジャイロスコープの使用は、代表的には、航空宇宙用及び軍事用のアプリケーションに限定される。逆に、MEMSジャイロスコープのより低い性能の能力(capability)は、大多数の航空宇宙用及び軍事用のアプリケーションでのこれらの使用を禁止する。
【0004】
英国特許第2322196号は、自動車及び商業用アプリケーションに使用されるMEMSジャイロスコープを説明している。このMEMSジャイロスコープの低コスト及び丈夫な特性(rugged nature)は、誘導及び制御、ナビゲーション及びプラットフォームの安定化アプリケーションでのそれの使用を魅力あるものにしている。しかし、性能の能力は、特に、速度バイアス安定性及び信号対雑音比の観点で、代表的には、これらの要求を満たすのに不十分である。それ故、このような従来技術の装置の性能を高めることは好ましい。
【0005】
図1を参照すると、英国特許第2322196号に説明されたのと同様の既知のMEMSジャイロスコープ10は、8つの従属脚(compliant leg)14aないし14hによって外部から支持された平面状のシリコンリング構造体12を有する検出要素を有する。そして、これら脚14aないし14hは、堅い外側フレーム16に取り付けられている。このジャイロスコープ10は、図2a並びに図2bを参照して示されるように、cos2θの振動モード対を使用して動作するように配置されている。振動モード対の1つは、1次キャリアモードPとして引き起こされ、図2aでは、点線が、この1次キャリアモードPでのリング構造体12の運動の両極端(extremes)を示している。リング構造体12が、このリング構造体12の平面に垂直な軸線18を中心として回転されたとき、コリオリ力が発生され、これは、エネルギを2次応答モードSへと結び付け、図2bでは、点線が、2次応答モードSでのリング構造体12の運動の両極端を示している。引き起こされた運動の振幅は、リング構造体12の平面に垂直な軸線を中心とした、与えられた回転速度に正比例する。
【0006】
1次キャリアモードPは、少なくとも1つの駆動トランスデューサを使用して発生され、また、2次応答モードSは、少なくとも1つのピックオフトランスデューサを使用して検出される。駆動及びピックオフトランスデューサは、リング構造体12を中心として配置されている。
【0007】
図3を参照すると、駆動トランスデューサとピックオフトランスデューサとの両方を与える(実行する)ために、金属トラックが、絶縁表面酸化層の上に、リング構造体20及び外側フレーム22の上面に設けられる。図3を参照して説明されたのと同じ参照符号を示すために同じ参照符号が使用されている図4を参照すると、金属トラック24が、各駆動及びピックオフトランスデューサに対して1つの回路で、8つの回路に対して繰り返されている。金属トラック24の各回路は、第1の結合パッド26で始まり、第1の従属脚28に沿って延び、リング構造体20の8分の1の(第8の)セグメント(an eighth segment)30を横切って延び、隣接している従属脚32に沿って延び、第2の結合パッド34につながっている。この回路の配置は、リング構造体20の各8分の1の(第8の)セグメント30に対して繰り返され、各従属脚28は、2つの隣接しているトランスデューサに対して金属トラック24を保持している(carry)。
【0008】
第3の金属トラック36は、隣接しているトランスデューサと連結された回路間のクロスカップリング効果を減少させるために、隣接しているトランスデューサと連結された金属トラック24間で、各従属脚28、32の中心に沿って位置されている。
【0009】
磁場Bは、リング構造体20の周縁の近くに印加され、リング構造体20の平面に垂直に配置されている。磁場は、リング構造体20の周囲の内側に位置された永久磁石38によって印加され、また、上側磁極片40及び下側磁極片42は、リング構造体20の周縁の近傍に、これら磁極片40、42間のギャップ中に磁場を集中させるように配置されている。
【0010】
リング構造体20、従属脚28、32及び外側フレーム22は、支持ガラス基板44上に結合されている。そして、このアセンブリは、永久磁石38及び磁極片40、42と一緒にガラス支持構造体46上に結合され、これらは、上側磁極片40と下側磁極片42との間のギャップに位置されたリング構造体20と一緒に組み立てられる。
【0011】
動作中、金属トラック24を通る交流電流の通過は、金属トラック24が磁場を通過するところにローレンツ力を発生させる。この力Flの大きさは、
【数1】
【0012】
で与えられる。
【0013】
ここで、Bは磁場であり、Iは電流であり、Lは磁場中の金属トラック24の長さである。交流の周波数が1次キャリアモードの共振周波数にあれば、リング構造体20は共振振動運動を引き起こす。このようにして配置された金属トラック24は、駆動トランスデューサを規定している。
【0014】
金属トラック24が磁場内で運動しているところでは、電圧Vは、金属トラック24を横切って発生され、これは、
【数2】
【0015】
で与えられる。
【0016】
ここで、vは磁場中の金属トラック24の振動運動のピーク速度であり、Bは磁場であり、Lは磁場中の金属トラック24の長さである。このようにして配置された金属トラック24は、ピックオフトランスデューサを規定している。
【0017】
このようなMEMSジャイロスコープ10は、代表的には、動作の閉ループモードで動作される。このモードでは、1次キャリアモードPは、位相ロックされたループによって制御される1次駆動トランスデューサを使用して共振最大値で駆動される。リング構造体12の運動の振幅は、自動利得制御ループによって一定値に維持され、これは、1次ピックオフトランスデューサで測定されるような、リング構造体12の運動の振幅と、一定の基準レベルと比較するように、かつ、一定の信号レベル、従って、リング構造体12の運動の一定の振幅を維持するために、1次駆動トランスデューサへの駆動信号を動的に調節するように配置されている。リング構造体12が、このリング構造体12の、従って、MEMSジャイロスコープ10のスケールファクタの平面に垂直な軸線18を中心として回転されたときに引き起こされるコリオリ力の大きさは、1次キャリアモードPの運動の振幅に正比例する。このコリオリ力は、2次応答モードSに運動を引き起こし、これは、2次ピックオフトランスデューサによって検出される。動作の閉ループモードでは、2次応答モードSの運動は、適切に制御された2次駆動トランスデューサによって無効にされる。2次応答モードSの無効状態を維持するのに必要な駆動力は、軸線18を中心として与えられた回転速度の直接表示を与える。
【0018】
一般的に、MEMSジャイロスコープ10の速度バイアス誤差の多くの考え得る原因がある。MEMSジャイロスコープ10の2つの最も重大な誤差は、直角位相バイアス誤差及びクロスカップリング誤差であることが知られており、直角位相バイアス誤差は、リング構造体12の配置の不備により発生し、また、クロスカップリング誤差は、レートチャネルで検出された2次ピックオフ信号への1次駆動信号の直接のカップリングにより発生する。
【0019】
理想的な場合には、電子回路は適切に同期され、リング構造体12に対して同一のキャリア及び応答モードの周波数があり、MEMSジャイロスコープ12が軸線18を中心とした回転に従わないとき、2次ピックオフトランスデューサで検出される運動はない。しかし、実際には、製造プロセス中に発生するリング構造体12の小さな配置上の不備は、1次キャリアP及び2次応答Sのモードの周波数のわずかな分裂(splitting)を生じる。分裂されたこの周波数もまた、α=0°のところに配置された1次駆動トランスデュー0差に関して、任意の角度αでの1次キャリアP及び2次応答Sのモードの角度位置を決める傾向にある。従って、任意の角度αが0でないならば、1次駆動トランスデューサによって与えられた1次駆動力は、1次キャリアPと2次応答Sとのモードの両方をある程度まで引き起こす。1次駆動トランスデューサと連結された、位相ロックされたループ回路は、1次キャリアP及び2次応答Sのモード間で90°の位相シフトを達成するように、駆動周波数を調節する。しかし、運動は、1次キャリアモードPに対して直角位相に支配される2次応答モードSの軸線に沿っている。閉ループシステムでは、この運動は、2次駆動トランスデューサによって印加された直角位相の力の成分によって無効にされる。
【0020】
2次応答モードSの軸線に沿った運動を無効にするのに必要とされる直角位相駆動レベルは、直角位相バイアスΩQUADと称され、
【数3】
【0021】
として定義される。
【0022】
ここで、外積Fはモードの周波数の分裂であり、Ωは1次駆動の軸線に対するモードの角度であり、Kはモードの結合係数及び2次駆動及び1次ピックオフ利得の項を含む定数である。
【0023】
直角位相バイアスΩQUADは、MEMSジャイロスコープが測定を必要とされる速度信号と比較して大きくなり得る。自動車のアプリケーションで使用されるMEMSジャイロスコープ10の代表的な速度測定範囲は、±100°/秒である。直角位相バイアスΩQUADは、毎秒程度で基準化される(scaled)ならば、速度信号と比較して、例えば、±100°/秒よりも大きくなり得、MEMSジャイロスコープ10の動作温度範囲にわたって著しく変化し得る。ここで、位相誤差φEが存在し、この誤差信号のわずかな比率が、レートチャネルに現われる。これは、速度バイアス誤差ΩErrを生じ、これは、
【数4】
【0024】
で与えられる。
【0025】
比較的小さな位相誤差φEでさえ、重大な速度バイアス誤差ΩErrを生じ得る。温度に対する直角位相信号又は位相誤差φEのいかなる変化も、MEMSジャイロスコープ10の正確性及び安定性を厳しく制限するように変化する直角位相バイアスΩQUADを引き起こす。この位相誤差φEは、代表的には、MEMSジャイロスコープ10の動作温度範囲にわたって、比較的安定している。しかし、直角位相バイアスΩQUADは、代表的には、かなりの量だけ変化する。この大きな変化は、直角位相バイアス誤差における相応の大きな変化、従って、速度バイアス性能の不安定性をもたらす。
【0026】
2次ピックアップへの、従ってレートチャネルへの、1次駆動信号のクロスカップリングへの支配的な寄与は、隣接しているトランスデューサと連結された金属トラック24の近接により発生し、これは、単一の従属脚28、32に沿って互いに平行に延びている。接地された第3の金属トラック36は、金属トラック24間の直接の容量カップリングを最小にするために、2つの平行な金属トラック24間に配置されている。しかし、重要な電気的カップリングが、なおも、2つの金属トラック24間に存在する。このカップリングから発生するクロスカップリングバイアス誤差ΩCの大きさは、
【数5】
【0027】
として定義される。
【0028】
ここで、φCは結合係数であり、Fは共振周波数であり、Qは共振モードの線質係数である。このメカニズムは、例えば、周囲温度での速度バイアスの毎秒1〜2度間で、速度バイアスに寄与することが知られている。この値は、1/Q2及び線質係数Qとして基準化され、重要な両、すなわち、MEMSジャイロスコープ10の動作温度範囲にわたって±50%だけ変化する。それ故、このメカニズムは、温度にわたって速度バイアス変化に重大な寄与をし、これは、その非線形性により、補正するのが難しい。
【0029】
英国特許出願公開第2322196号は、共振器を支持し、かつ電磁駆動手段及びセンサを支持している8つの従属脚を備えた振動構造ジャイロスコープを開示している。アクチュエータ及びセンサのトラックは、共通の脚にあり、中間のトラックによって互いに絶縁されている。この特徴は、脚の幅を増加させる傾向にある。
【0030】
国際公開第0120257号は、共振器及びピエゾ電気アクチュエータを支持している8つの従属脚と、複数のセンサとを備えた振動構造ジャイロスコープを開示している。しかし、一実施の形態では、磁気トランスデューサが、トランスデューサのコンダクタを保持し、かつ共振器のノードにまたがる(stradding)対の脚で利用される。しかし、これら脚は、対称ではない。
【0031】
英国特許出願公開第2276976号は、振動構造ジャイロスコープを開示している。この振動構造ジャイロスコープは、
ほぼ平面状の環状の共振器と、
基板と、
前記環状の共振器を、1次面内モード(a primary in-plane mode)で、1次モードの共振周波数で振動させるように配置され、間に径方向に延びた対称線(LS)を有する第1及び第2の脚部材を含む、連結された可撓性支持体を有する少なくとも1つの駆動トランスデューサと、
前記基板から前記環状の共振器を支持するように配置され、かつ、前記環状の共振器を前記1次面内モードで振動させ、かつ前記環状の共振器をこの環状の共振器の平面にほぼ垂直な軸線を中心として与えられた角速度に応答する2次面内モード(a secondary in-plane mode)で振動させる複数の可撓性支持体を含む支持構成体と、
前記2次面内モードでの前記環状の共振器の振動を検出するように配置され、間に径方向に延びた対称線を有する第1及び第2の脚部材を含む、連結された可撓性支持体を有する少なくとも1つのピックオフトランスデューサと、を具備し、
磁場が、前記駆動トランスデューサがこの磁場内に位置されるように、前記環状の共振器の前記平面に垂直に配置され、
前記少なくとも1つの駆動トランスデューサは、前記環状の共振器に、及び前記複数の可撓性支持体に金属トラックを有し、前記少なくとも1つの駆動トランスデューサは、前記基板から、前記第1の脚部材に沿って、前記環状の共振器のセクションに沿って、及び前記第2の脚部材に沿って、前記基板に戻るように延びた第1のトラックのセクションを有する連続的な金属トラックを有し、前記第1及び第2の脚部材は、単一の駆動トランスデューサと連結された前記金属トラックのみを保持している。
【発明の概要】
【0032】
本発明は、英国特許出願公開第2276976号の上述の要約でのような振動構造ジャイロスコープを提供する。本発明の振動構造ジャイロスコープは、前記少なくとも1つのピックオフトランスデューサが、前記磁場中に位置されており、前記少なくとも1つのトランスデューサは、前記基板から、前記第1の脚部材に沿って、前記環状の共振器のセクションに沿って、及び前記第2の脚部材に沿って、前記基板に戻るように延びた第1のトラックのセクションを有する連続的な金属トラックを有し、前記第1及び第2の脚部材は、単一のピックオフトランスデューサと連結された前記金属トラックのみを保持していることを特徴とする。
【0033】
上述の磁気ピックオフトランスデューサは、英国特許出願公開第2276976号で利用された容量トランスデューサを超えた利点を有する。なぜならば、各脚は、コンダクタのトラックを保持することができるが、英国特許出願公開第2276976号では、容量ピックオフトランスデューサを形成している対の脚のうち、1つだけがコンダクタのトラックを保持しているからであり、脚の対称性が改良されることができる。
【0034】
好ましくは、前記連続的な金属トラックは、前記基板から、前記第1の脚部材に沿って、前記環状の共振器のセクションに沿って、及び前記第2の脚部材に沿って、前記基板に戻るように連続している少なくとも1つの第2のトラックをさらに有する。前記トラックのセクションは、並列に接続され、互いに側方に離間されている。
【0035】
この特徴は、駆動振動及びピックオフ感度を高め、従って、信号対雑音比を増加させる。
【0036】
好ましくは、各脚部材は、前記基板から内側に延びた第1の径方向のセクションと、周囲のセクションと、第2の径方向のセクションと、を有し、前記第2の径方向のセクションは、前記第1の径方向のセクションとこの第2の径方向のセクションとが前記周囲のセクションを介して互いに接続されるように配置されており、前記第2の径方向のセクションは、前記磁場の外側に位置された前記周囲のセクションで前記環状の共振器の外周縁に接続されている。
【0037】
この脚の構成は、高度に従属性(柔軟性)があり(compliant)、前記周囲のセクションを通って流れる電流が、モータ、又は前記環状の共振器のセクションに沿って延びたトラックを通って流れる電流の発生動作を妨げないことを確実にする。さらに、磁場の外側に位置された第1の径方向のセクションは、同様に、前記環状の共振器の面内の径方向の振動に対する干渉を引き起こさない。また、逆平行である第1及び第2の径方向のセクションの両方で電流の流れの影響は、互いに打ち消す傾向にある。
【0038】
好ましくは、前記それぞれの脚部材の前記第2の径方向のセクションは、前記第2の径方向のセクションの長さよりも長い間隔で離間されている。
【0039】
この特徴は、前記環状の共振器のセクションに沿って延び、かつ前記径方向のセクション及びこれらの連結された導体トラックの長さに関して、(駆動トランスデューサの)所望のモータ動作又は(ピックオフトランスデューサの)信号を発生させるトラック部分の長さを最大にする傾向にある。
【0040】
好ましくは、前記それぞれの脚部材の前記第1の径方向のセクションは、前記第1の径方向のセクションの長さ未満である間隔で離間されている。
【0041】
この特徴は、前記第1の径方向のセクションに沿って延びた電流の誘導の取り消しを最大にする傾向にある。
【0042】
前記可撓性支持体は、好ましくは、前記環状の共振器を中心として等角度で離間されている。
【0043】
好ましい一実施の形態では、少なくとも1つの1次駆動トランスデューサが、前記環状の共振器を、1次モードで、この1次モードの共振周波数で振動させるように配置されており、また、少なくとも1つの1次ピックオフトランスデューサが、前記1次モードで前記環状の共振器の振動を検出するように、かつ前記1次モードの共振周波数で前記環状の共振器を維持するように配置されており、また、少なくとも1つの2次ピックオフトランスデューサが、角速度が前記環状の共振器にほぼ垂直な軸線を中心として与えられたときに引き起こされる2次モードの振動を検出するように配置されており、さらに、少なくとも1つの2次駆動トランスデューサが、前記引き起こされた2次モードの振動を無効にするように配置されている。
【0044】
前記環状の共振器、基板及び支持構成体は、互いにほぼ同じ平面に配置されることができる。駆動及びピックオフトランスデューサは、互いに、及び前記基板に対してほぼ同じ平面に配置されることができる。
【0045】
前記脚部材は、前記環状の共振器の内側に位置された前記基板の中央ハブから一端で選択的に支持されることができ、また、各脚部材は、前記環状の共振器の内周縁に他端で接続されている。代わって、各脚部材は、前記環状の共振器の外側の前記基板から一端で支持されることができ、また、各脚部材は、前記環状の共振器の外周縁に他端で接続されている。
【0046】
前記基板は、前記環状の共振器、支持構成体、並びに駆動及びピックオフトランスデューサを封じ込める(encapsulating)封止されたキャビティを形成するように封止されることができる。
【0047】
前記支持構成体、環状の共振器及び基板は、シリコンから形成されることができ、また、絶縁層は、金属トラックと支持構成体、環状の共振器と基板、との間に配置されることができる。
【0048】
本発明の好ましい実施の形態が、添付図面を参照して、単に例によって説明される。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】図1は、従来技術に従うMEMSジャイロスコープの概略的な平面図である。
【図2a】図2aは、従来技術に従うリング構造体及び1次キャリアモードPの径方向の移動の動作を概略的に示している。
【図2b】図2bは、従来技術に従うリング構造体及び2次応答モードSの径方向の移動の動作を概略的に示している。
【図3】図3は、従来技術に従うMEMSジャイロスコープを示す正面図である。
【図4】図4は、従来技術に従う金属トラック構成体の部分的な平面図である。
【図5】図5は、本発明に従う振動構造ジャイロスコープの平面図である。
【図6】図6は、グラフの形式での、従来技術に従うMEMSジャイロスコープと本発明に従う振動構造ジャイロスコープとの動作温度の関数としての直角位相バイアスの比較を示すグラフである。
【図7】図7は、本発明に従う金属トラック構成体を示す部分的な平面図である。
【図8】図8は、本発明に従う代わりの金属トラック構成体を示す部分的な平面図である。
【図9】図9は、本発明の一実施形態の磁場の垂直成分の径方向の変化を示すグラフである。
【図10】図10は、図5、図7並びに図8の実施の形態の電気信号処理の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
本発明者は、図1ないし図4を参照して説明された従来技術のMEMSジャイロスコープ10の直角位相バイアスの変化は、1次キャリアP及び2次応答Sのモードの周波数に分裂した周波数、及び温度にわたる2次応答モードSの位置の変化によって引き起こされることを認識した。外側フレーム22のシリコンとガラス支持構造体46との間の拡張の差は、外側フレーム22を歪ませる傾向にある。代わって、これは、1次キャリアP及び2次応答Sのモードが異なるように乱されて、これらの周波数、及びリング構造体又は環状の共振器12に関するモードのアライメント(alignment)に影響するようにして、従属脚14aないし14hを歪ませる。
【0051】
図5を参照すると、振動構造ジャイロスコープ50は、堅い外側フレーム58を規定している基板内にリング構造体を保持するように配置された8つの可撓性支持体56aないし56hを有する支持構成体54に外部から支持された平面状のシリコンリング構造体52を有する。各可撓性支持体56aないし56hは、リング構造体52の外周縁に一端で、かつ外側フレーム58の内周縁に他端で取り付けられた1対の従属脚60a及び60bを有する。この例では、従属脚60a及び60bは、互いに対称であり、また、各従属脚60a、60bは、第1の径方向のセクション62と、弧状のセクション64と、第2の径方向のセクション66と、を有している。第2の径方向のセクション66は、第1の径方向のセクション62及び第2の径方向のセクション66が、弧状のセクション64によって互いに接続されるように配置されている。第1の径方向のセクション62は、外側フレーム58の内周縁に接続されており、また、第2の径方向のセクション66は、リング構造体52の外周縁に接続されている。
【0052】
第1及び第2の径方向のセクションは、(軸線68を中心とした回転に対する感度を確実にするように)接戦方向に遊び(compliance)を与え、また、弧状のセクション64は、径方向に遊びを与える。第1の径方向のセクション62の近い間隔(好ましくは、これらの長さの半分未満)は、(図7に示される)これらの連結された金属トラック部分を通る電流の誘起効果が取り消されることを確実にする。
【0053】
リング構造体52、外側フレーム58及び支持構成体54は、MEMS製造技術を使用して、シリコン材料の単一の基板から全て形成されることができることが理解される。
【0054】
このようにして、従属脚60a及び60bの面内スチフネス(in-plane stiffness)が減少されるので、従属脚60a及び60bの歪みの影響、及びリング構造体52に関する1次キャリア及び2次応答モードの周波数のアライメントの必然的な影響は、減少され、かくして、比較的大きな程度まで、リング構造体52を外的な応力及び歪みから孤立させる。これは、従属脚60a及び60bの幅を減少させることによって達成される。しかし、1対の従属脚60a及び60bの使用は、従属脚60a及び60bによって与えられる平面のスチフネスの外部(the out of plane stiffness)で維持される。高い平面のスチフネスの外部の維持は、これが、リング構造体52の平面に垂直な軸線68に沿って与えられた衝撃及び振動の入力に応じたリング構造体52の運動を制限するので、効果的である。これは、外部的に与えられた機械的外乱への振動構造ジャイロスコープ50の感度を減少させるので、有益である。
【0055】
従って、図5に示された支持構成体54は、リング構造体52を中心として等角度で離間された8つの可撓性支持体56aないし56hを有し、組み合わせた面内スチフネスを備えた対称な対として配置された、2つの従属脚60a、60bを有する各可撓性支持体56a、56hは、図1ないし図4を参照して説明されたのと比較して著しく減少される。これは、熱により引き起こされた応力からの高められた孤立を与え、また、衝撃及び振動への感度を最小にするのに必要な平面のスチフネスの外部を維持する。それぞれの従属脚60a、60bの面内スチフネスは、おおよそ、従属脚60aの幅の3乗に比例して変化する。逆に、平面のスチフネスの外部は、従属脚60a、60bの幅に対して直線的に変化する。従って、従属脚60a、60bの幅を減少させることは、面内スチフネスを減少させる。例えば、英国特許第2322196号に説明された装置の従属脚14aないし14hの幅は、図5の構成体の従属脚60a、60bの20マイクロメートルの幅と比較して、名目上60マイクロメートルである。面内の移動に応じた支持構成体54の組み合わせたスチフネスは、英国特許第2322196号に説明された装置と比較して、4つのうちおおよそ1つのファクタだけ減少されている。対照的に、本構成体に従う支持構成体54の平面の移動の外部に応じた相対的なスチフネスは、英国特許第2322196号の装置と比較すると、約25%だけ、わずかにのみ減少される。
【0056】
図10を参照すると、1次ループは、それぞれ、脚56b及び56fに(図7又は図8に示される金属トラックのセクションによって構成された)1対の誘起ピックオフトランスデューサを有する。これらは、ループフィルタF(s)(132)の後、VCO(電圧制御発振器)134によってリングの振動の周波数を設定するために、増幅器118を介して、自動利得制御のための復調器144及び位相検出器PD(130)に接続されている。90度の位相シフトは、位相検出器130の基準に使用される。ゲイン調整148及びゲインステージ166を通過した後、(それぞれ、脚56d及び56hの上の図7又は図8にそれぞれ示される金属トラックのセクションによって構成された)1次駆動トランスデューサに与えられた駆動信号は、リング52を1次運動に設定する。
【0057】
P位相は、1次駆動に対して90度であり、また、1次ピックオフに対する位相である。Q位相は、1次駆動に対する位相であり、かつ1次ピックオフ信号に対する位相である。
【0058】
前記1次に対して45度で、(それぞれ、脚56c及び56gに金属トラックで構成された)2次誘起ピックオフトランスデューサからの信号は、それぞれ、増幅器120で増幅され、(位相Pで)2つの復調器154及び156(直角位相Q)によってループフィルタG(s)158及び160に進み、それぞれ、位相及び直角位相の復調器162及び164に進む。そして、これらの2つの信号は、脚56a及び56eの上の金属トラックによってそれぞれ構成されたトランスデューサを駆動させる2次駆動を形成するために連結される。
【0059】
復調器126からの出力レート信号は、2次駆動の同相信号P成分を使用する。
【0060】
使用時には、2次駆動トランスデューサは、角速度が受感軸線(sensitive axis)68を中心として与えられたときに引き起こされた2次モードの振動(S)を無効にするように配置されている。
【0061】
図6を参照すると、熱により引き起こされた歪みへのリング構造体52の高められた面内の機械的隔離の有益な影響が、線74として示された英国特許第2322196号の装置の横座標72に沿って示されたセ氏での温度に対して縦座標70に沿って示された1秒当たりの温度での直角位相バイアスと、線76として示された本発明に従う振動構造ジャイロスコープ50との比較から評価されることができる。線74は、線76と比較して、温度にわたる大きな変化を示している。例えば、本発明の直角位相バイアス温度安定性は、英国特許第2322196号の先行技術の装置の8つの折れ部の改良を示すことができる。
【0062】
図5の構成体では、1次キャリアモードは、少なくとも1つの駆動トランスデューサを使用して発生され、また、2次応答モードは、少なくとも1つのピックオフトランスデューサを使用して検出される。駆動及びピックオフトランスデューサは、リング構造体52を中心として配置され、この場合、リング構造体52を中心として等角度で離間された8つのトランスデューサがある。4つのトランスデューサ、リング構造体に2次駆動を供給すると配置されたトランスデューサ及び4つのピックオフトランスデューサのリング構造体52と1対に1次駆動を供給すると配置された1対のトランスデューサ、1次ピックオフ信号を提供すると配置された1対のトランスデューサ、及び第2のピックオフ信号を提供すると配置された1対のトランスデューサを駆動する。
【0063】
図5を参照して説明されたのと同じ参照符号を示すために同じ参照符号が使用されている図7を参照すると、駆動及びピックオフトランスデューサの両方を実行するために、図示されない、金属トラック80、リング構造体52、外側フレーム58及び個々の従属脚60a、絶縁表面酸化被膜上の60bの上面の上に与えられる。金属トラック80が、各駆動及びピックオフトランスデューサに対して1つの回路で、8つの回路に対して繰り返されている。図7は、図5の可撓性支持体56eと連結された金属トラック80を示している。金属トラック80の各回路は、外側フレーム58上の第1の結合パッド82で始まり、第1の従属脚60aに沿って延び、リング構造体52の8分の1の(第8の)セグメント84を横切って延び、第2の従属脚60bに沿って延び、外側フレーム58上の第2の結合パッド86につながっている。この回路の配置は、リング構造体52の各8分の1の(第8の)セグメント84に対して繰り返されるので、従属脚60a及び60bの各対は、単一のトランスデューサと連結された金属トラック80のみを保持している。
【0064】
従って、従来技術での場合のように、接地されたそれぞれの第3の金属トラック36は、互いに平行に延びた金属トラック24間のクロスカップリングを最小にするために必要とされず、各金属トラック24は、異なる駆動又はピックオフトランスデューサと連結される。これは、1次駆動トランスデューサと連結された金属トラック24が、同じ従属脚28又は32に沿った第2のピックオフトランスデューサと連結された金属トラック24に平行に延びているところで、特に重要である。
【0065】
それぞれの従属脚60a、60bに沿った異なるトランスデューサと連結された金属トラック80のルートは、クロスカップリングの、従ってクロスカップリングバイアス誤差の減少を与え、かくして、振動構造ジャイロスコープ50の全体的な速度バイアス温度安定性を改良する。
【0066】
従属脚は、対称線LSを中心として対称に配置され、また、前記対称線を中心としてほぼ対称に配置されたループを形成するために、各従属脚からリング構造体52上に延びた金属トラックの部分は、前記対称線から分岐している。この特徴は、従属脚に作用する妨げとなるモータ力を最小にし、かつ、トランスデューサの利得を最大にする。
【0067】
従来技術に関してのように、磁場は、リング構造体52の周囲の周りに印加され、リング構造体52の平面に垂直に向けられる。磁場は、永久磁石によって印加され、リング構造体52の周面の内部に位置され、リング構造体52の周囲の近傍で磁極片の間のギャップ中の磁場を集中させるように配置された上側磁極片及び下側磁極片である。
【0068】
リング構造体52、従属脚60a、60b及び外側フレーム58は、支持ガラス基板の上に接合される。代わって、このアセンブリは、永久磁石及び磁極片一緒にガラス支持構造体の上に接合され、これらは、上側磁極片と下側磁極片との間のギャップに位置されたリング構造体52と一緒に組み立てられる。
【0069】
既に述べられたように、金属トラック80を介して交流を通過させることは、金属トラック80が磁場を通過するところにローレンツ力を発生させる。交流の周波数が、1次キャリアモードの共振周波数にあれば、リング構造体52は共振振動運動を引き起こす。このようにして配置された金属トラック80は、駆動トランスデューサを規定する。
【0070】
金属トラック80が磁場内で運動しているところでは、電圧は、金属トラック80を横切って発生される。このようにして配置された金属トラック80は、ピックオフトランスデューサを規定する。
【0071】
このようなMEMSジャイロスコープ52は、代表的には、動作の閉ループモードで動作される。このモードでは、1次キャリアモードは、位相ロックされたループによって制御される1次駆動トランスデューサを使用して、共振最大値で駆動される。リング構造体52の運動の振幅は、自動利得制御ループによって一定値に保たれる。固定基準レベルに1次ピックオフトランスデューサで測定されるように、それはリング構造体52の運動の振幅を比較するために配置され、一定の信号レベル、そしてその結果リング構造体52の運動の一定の振幅を維持する1次駆動トランスデューサに、動的に駆動信号を調節する。リング構造体52がリング構造体52の平面、従って、MEMSジャイロスコープ50の基準化ファクタに垂直な軸線68を中心として回転したときに引き起こされるコリオリ力の大きさは、1次キャリアモードの運動の振幅に正比例する。このコリオリ力は、2次応答モードでの運動を引き起こし、これは、第2のピックオフトランスデューサによって検出される。動作の閉ループモードでは、2次応答モードの運動は、適切に制御された2次駆動トランスデューサによって無効にされる。2次応答モードの無効状態を維持するのに必要な駆動力は、軸線68を中心として与えられた回転速度の直接表示を与える。
【0072】
図5並びに図7を参照して説明されたのと同じ参照符号を示すために同じ参照符号が使用されている図8を参照すると、本発明の支持構成体54のさらなる利点は、2つの回転金属トラック80の回路、すなわち少なくとも1つの可撓性支持体56aないし56hの周りに、側方に離間された1対の平行な金属トラック80を製造するために、各従属脚60a、60bに十分な領域にあるということである。このような駆動又はピックオフトランスデューサを与えるために、金属トラック80は、図示されないリング構造体52、外側フレーム58及び各従属脚60a、絶縁表面酸化層の60bの上面に設けられている。図8は、図5の可撓性支持体56eと連結された金属トラック80を示している。各回路は、外側フレーム58上の第1の結合パッド82で始まり、第1の従属脚60aに沿って延び、リング構造体52の8分の1の(第8の)セグメント84を横切って延び、第2の従属脚60bに沿って延び、外側フレーム58上の第2の結合パッド86の周りに、リング構造体52の8分の1の(第8の)セグメント84を横切って、外側フレーム58上の第2の結合パッド86に第2の従属脚60bに沿って延びている。金属トラック80は、側方に離間され、リング構造体52の8分の1の(第8の)セグメント84を分けるように配置されていることが注意される。回路の配置は、リング構造体52の各8分の1の(第8の)セグメント84に対して繰り返されることができるので、各対の従属脚60a、60bは、単一のトランスデューサと連結された金属トラック80のみを保持している。
【0073】
これは、リング構造体52に印加された磁場内の金属トラック80の長さを効果的に2倍にする。従って、各駆動及びピックオフトランスデューサの利得もまた、これによって2倍にされる。このような配置は、製造プロセスによって課されるような、金属トラック24の配置に対する制限により、従来技術の装置にとって実際的ではなかった。これらの制限は、隣接している金属トラック24の確実な電気的絶縁を確実にするために、5マイクロメートル以上の隣接している金属トラック24間の最小距離と、金属トラック24の縁と従属脚28、32の縁との間の同様の距離とを必要とする。
【0074】
磁場中の金属トラック80の長さを2倍にすること、すなわち、上述の方程式1の長さLの成分を増加させることは、2つのファクタだけ駆動トランスデューサによって与えられる駆動利得を増加させる。これは、所定の1次キャリアモード振幅を達成するのに必要な駆動電流が減少されることを可能にする。レートチャネルへの駆動カップリング、従ってクロスカップリングバイアスΩCの大きさもまた、さらに減少されることができ、これは、速度バイアス温度安定性に利益を得る。
【0075】
さらに、磁場中の金属トラック80の長さを2倍にすること、すなわち、上述の方程式2の長さのLの成分を増加させることは、所定の振幅の運動に対して、2つのファクタだけ、ピックオフトランスデューサで与えられる信号も増加させる。閉ループモードで動作するこのような振動構造ジャイロスコープ50に関して、ノイズのレベルは、第2のピックオフ増幅器の電圧ノイズによって支配される。従って、ピックオフトランスデューサの信号レベルを2倍にすることは、レートにおいて、振動構造ジャイロスコープ50の同等の信号対雑音比を2つの折れ部の改良(two fold improvement)を与える。再び、これは、振動構造ジャイロスコープ50のさらなる性能の強化を与える。
【0076】
本発明の好ましい一実施の形態は、先行技術のMEMSジャイロスコープ10にさらなる効果を奏する。英国特許第2322196号に説明されたMEMSジャイロスコープ10では、各従属脚14aないし14hの重要な比率は、リング構造体12に、従って磁場強度が最大である領域のすぐ近くにある。図9を参照すると、磁場の垂直成分の径方向の変化は、リング構造体12及び従属脚14aないし14hの中心を通って、線88として示される。ミリメートル(mm)での磁場の半径は、横座標に沿って示され、また、ミリテラ(mT)での磁場の垂直成分は、縦座標に沿って示される。見られるように、磁場は、磁石の縁から、2mmの半径の増加であり、また、ギャップの領域において、3mmの半径で最大である。磁場は、増加する半径とともに3mmよりも大きく減少するが、なおも、半径4mmのピーク値の10パーセント付近である。従って、英国特許第2322196号のMEMSジャイロスコープに関して、各従属脚14aないし14hの重要な部分は、高い磁場の領域に位置されている。電流が従属脚14aないし14hを通過したとき、著しい力が、電流の経路に垂直に、リング構造体12の平面で発生される。これらの力は、従属脚14aないし14hの取り付けの点で力を働かせることにより、リング構造体12の運動を引き起こすので、これらの力は不適当である。これらの力は、リング構造体12上で発生された力とアライメントされず、所望のアライメントから離れた駆動トランスデューサによって加えられた正味の合成駆動力を回転させる傾向にある。これらの力はまた、駆動効率の減少をもたらすリング構造体12に駆動トランスデューサによって加えられた駆動力に反対する傾向がある。さらに、これが、リング構造体12の運動によって発生された所望の信号に干渉し、かくしてMEMSジャイロスコープ10の正確性を下げる信号を引き起こし得るので、ピックオフトランスデューサと連結された金属トラック24を支持している従属脚14aないし14hの運動もまた、問題である。
【0077】
本発明では、対称な対の従属脚60a、60bは、第2の径方向のセクション66が、磁場のギャップから第1の径方向のセクション62及び弧状のセクション64に対するより大きな距離を与えるように配置されている。それ故、磁場の領域内の従属脚60a、60bの大きさが減少され、かくして、発生された力の大きさ、及びピックオフトランスデューサと連結された金属トラック80に引き起こされたスプリアス信号のレベルを減少させる。従属脚60a、60bの対称な構造もまた、所定の可撓性支持体56aないし56hの各従属脚60a、60bに発生された力及び信号がほぼ等しくなり、反対であることを確実にする。従って、このような不適当な力及び信号は、ほぼ打ち消される。
【0078】
従って、改良された支持構成体54は、直角位相バイアス温度安定性、従って、振動構造ジャイロスコープ50の全体的な速度バイアス性能の改良を促進する。改良された支持構成体54は、さらに、駆動及びピックオフトランスデューサと連結された金属トラック80間のクロスカップリングを減少させる金属トラック80の回路の配置を可能にし、これによって、振動構造ジャイロスコープ50の速度バイアス温度安定性のさらなる改良を可能にする。改良された支持構成体54は、同じ永久磁石である上側磁極片及び下側磁極片を使用して、振動構造ジャイロスコープ50の製造又は組立プロセスの実質的な変化なしで実行されることができる。結果として生じる振動構造ジャイロスコープ50もまた、同じ制御エレクトロニクスを組み込むことができ、かくして、振動構造ジャイロスコープ50の単価を増加させることなく、改良された直角位相バイアス温度安定性を与える。
【0079】
また、可撓性支持体の他の配置が可能であることが理解される。例えば、8つの可撓性支持体は、リング構造体の内側に配置されることができ、これにより、従属脚は、リング構造体の内周縁に一端で、及びリング構造体の内側に位置された基板の中央ハブから他に取り付けられる。この実施の形態では、結合されたパッドは、ハブに与えられ、また、金属トラックは、ハブ、従属脚及びリング構造体に位置される。従属脚及びトラックの配置は、図5ないし図9を参照して説明されたのと同様である。
【0080】
さらに、外側フレーム58を規定している基板は、リング構造体52、可撓性支持体56aないし56h及び連結された金属トラック80を封じ込める封止されたキャビティを形成するために封止されることができ、これによって、封止されたキャビティ内への望ましくない材料の進入を禁じることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ほぼ平面状の環状の共振器(52)と、
基板(58)と、
前記環状の共振器を、1次面内モードで、1次モードの共振周波数で振動させるように配置され、間に径方向に延びた対称中心線(LS)を有する第1及び第2の脚部材(60a、60b)を含む、連結された可撓性支持体を有する少なくとも1つの駆動トランスデューサと、
前記基板から前記環状の共振器を支持するように配置され、かつ、前記環状の共振器を前記1次面内モード(P)で振動させ、かつ前記環状の共振器をこの環状の共振器の平面にほぼ垂直な軸線(68)を中心として与えられた角速度に応答する2次面内モード(S)で振動させる複数の可撓性支持体(56aないし56h)を含む支持構成体(54)と、
前記2次面内モードでの前記環状の共振器の振動を検出するように配置され、間に径方向に延びた対称線(LS)を有する第1及び第2の脚部材(60a、60b)を含む、連結された可撓性支持体を有する少なくとも1つのピックオフトランスデューサと、を具備し、
磁場(B)が、前記駆動トランスデューサが前記磁場内に位置されるように、前記環状の共振器(52)の前記平面に垂直に配置され、
前記少なくとも1つの駆動トランスデューサは、前記環状の共振器に、及び前記複数の可撓性支持体に金属トラック(80)を有し、前記少なくとも1つの駆動トランスデューサは、前記基板から、前記第1の脚部材(60a)に沿って、前記環状の共振器(52)のセクションに沿って、及び前記第2の脚部材(60b)に沿って、前記基板に戻るように延びた第1のトラックセクションを有する連続的な金属トラックを有し、前記第1及び第2の脚部材は、単一の駆動トランスデューサと連結された前記金属トラック(80)のみを保持している、振動構造ジャイロスコープ(50)において、
前記少なくとも1つのピックオフトランスデューサは、前記磁場中に位置されており、前記少なくとも1つのピックオフトランスデューサは、前記基板から、前記第1の脚部材(60a)に沿って、前記環状の共振器(52)のセクション(84)に沿って、及び前記第2の脚部材(60b)に沿って、前記基板(58)に戻るように延びた第1のトラックのセクションを有する連続的な金属トラックを有し、前記第1及び第2の脚部材(60a、60b)は、単一のピックオフトランスデューサと連結された前記金属トラック(80)のみを保持していることを特徴とする振動構造ジャイロスコープ(50)。
【請求項2】
前記連続的な金属トラック(80)は、前記基板(58)から、前記第1の脚部材(60a)に沿って、前記環状の共振器(52)のセクションに沿って、及び前記第2の脚部材(60b)に沿って、前記基板に戻るように連続している少なくとも1つの第2のトラックのセクションをさらに有し、
前記トラックのセクションは、並列に接続され、互いに側方に離間されている請求項1の振動構造ジャイロスコープ(50)。
【請求項3】
各脚部材(60a、60b)は、
前記基板(58)から内側に延びた第1の径方向のセクション(62)と、
周囲のセクション(64)と、
第2の径方向のセクション(62)と、を有し、
前記第2の径方向のセクション(62)は、前記第1の径方向のセクション(62)とこの第2の径方向のセクション(66)とが前記周囲のセクション(64)を介して互いに接続されるように配置されており、
前記第2の径方向のセクション(66)は、前記磁場(B)の外側に位置された前記周囲のセクション(64)で前記環状の共振器(52)の外周縁に接続されている請求項1又は2の振動構造ジャイロスコープ(50)。
【請求項4】
前記それぞれの脚部材(60a、60b)の前記第2の径方向のセクション(66)は、前記第2の径方向のセクションの長さよりも長い間隔で離間されている請求項3の振動構造ジャイロスコープ(50)。
【請求項5】
前記それぞれの脚部材(60a、60b)の前記第1の径方向のセクション(62)は、前記第1の径方向のセクションの長さ未満である間隔で離間されている請求項3又は4の振動構造ジャイロスコープ(50)。
【請求項6】
リング磁極構成体(20)が、前記環状の共振器(52)に前記磁場(B)を集中させるように配置されている請求項1ないし5のいずれか1の振動構造ジャイロスコープ(50)。
【請求項7】
前記可撓性支持体(56aないし56h)は、前記環状の共振器(52)を中心として等角度で離間されている請求項1ないし6のいずれか1の振動構造ジャイロスコープ(50)。
【請求項8】
少なくとも1つの2次駆動トランスデューサが、角速度が前記軸線(68)を中心として与えられたときに引き起こされる前記2次モードの振動(S)を無効にするように配置されている請求項1ないし7のいずれか1の振動構造ジャイロスコープ(50)。
【請求項9】
前記環状の共振器(52)、基板(58)及び支持構造体(54)は、ほぼ同じ平面にある請求項1ないし8のいずれか1の振動構造ジャイロスコープ(50)。
【請求項10】
前記駆動及びピックオフトランスデューサは、互いに、かつ前記基板(58)とほぼ同じ平面にある請求項1ないし9のいずれか1の振動構造ジャイロスコープ(50)。
【請求項11】
前記脚部材(60a、60b)は、径方向の複数の従属脚であり、
各脚部材が、前記基板(58)に一端で接続され、他端で前記環状の共振器(52)を支持している請求項1ないし10のいずれか1の振動構造ジャイロスコープ(50)。
【請求項12】
前記環状の共振器(52)は、前記基板(58)内に配置され、
各脚部材(60a、60b)は、前記一端から前記他端へ、前記環状の共振器の外周縁に向かって径方向内側に延びている請求項11の振動構造ジャイロスコープ(50)。
【請求項13】
前記基板(58)は、前記環状の共振器(52)、前記支持構造体(54)並びに前記駆動及びピックオフトランスデューサを封じ込める封止されたキャビティを形成するように封止されている請求項1ないし12のいずれか1の振動構造ジャイロスコープ(50)。
【請求項14】
前記支持構成体(54)、環状の共振器(52)及び基板(58)は、シリコンから形成されている請求項1ないし13のいずれか1の振動構造ジャイロスコープ(50)。
【請求項1】
ほぼ平面状の環状の共振器(52)と、
基板(58)と、
前記環状の共振器を、1次面内モードで、1次モードの共振周波数で振動させるように配置され、間に径方向に延びた対称中心線(LS)を有する第1及び第2の脚部材(60a、60b)を含む、連結された可撓性支持体を有する少なくとも1つの駆動トランスデューサと、
前記基板から前記環状の共振器を支持するように配置され、かつ、前記環状の共振器を前記1次面内モード(P)で振動させ、かつ前記環状の共振器をこの環状の共振器の平面にほぼ垂直な軸線(68)を中心として与えられた角速度に応答する2次面内モード(S)で振動させる複数の可撓性支持体(56aないし56h)を含む支持構成体(54)と、
前記2次面内モードでの前記環状の共振器の振動を検出するように配置され、間に径方向に延びた対称線(LS)を有する第1及び第2の脚部材(60a、60b)を含む、連結された可撓性支持体を有する少なくとも1つのピックオフトランスデューサと、を具備し、
磁場(B)が、前記駆動トランスデューサが前記磁場内に位置されるように、前記環状の共振器(52)の前記平面に垂直に配置され、
前記少なくとも1つの駆動トランスデューサは、前記環状の共振器に、及び前記複数の可撓性支持体に金属トラック(80)を有し、前記少なくとも1つの駆動トランスデューサは、前記基板から、前記第1の脚部材(60a)に沿って、前記環状の共振器(52)のセクションに沿って、及び前記第2の脚部材(60b)に沿って、前記基板に戻るように延びた第1のトラックセクションを有する連続的な金属トラックを有し、前記第1及び第2の脚部材は、単一の駆動トランスデューサと連結された前記金属トラック(80)のみを保持している、振動構造ジャイロスコープ(50)において、
前記少なくとも1つのピックオフトランスデューサは、前記磁場中に位置されており、前記少なくとも1つのピックオフトランスデューサは、前記基板から、前記第1の脚部材(60a)に沿って、前記環状の共振器(52)のセクション(84)に沿って、及び前記第2の脚部材(60b)に沿って、前記基板(58)に戻るように延びた第1のトラックのセクションを有する連続的な金属トラックを有し、前記第1及び第2の脚部材(60a、60b)は、単一のピックオフトランスデューサと連結された前記金属トラック(80)のみを保持していることを特徴とする振動構造ジャイロスコープ(50)。
【請求項2】
前記連続的な金属トラック(80)は、前記基板(58)から、前記第1の脚部材(60a)に沿って、前記環状の共振器(52)のセクションに沿って、及び前記第2の脚部材(60b)に沿って、前記基板に戻るように連続している少なくとも1つの第2のトラックのセクションをさらに有し、
前記トラックのセクションは、並列に接続され、互いに側方に離間されている請求項1の振動構造ジャイロスコープ(50)。
【請求項3】
各脚部材(60a、60b)は、
前記基板(58)から内側に延びた第1の径方向のセクション(62)と、
周囲のセクション(64)と、
第2の径方向のセクション(62)と、を有し、
前記第2の径方向のセクション(62)は、前記第1の径方向のセクション(62)とこの第2の径方向のセクション(66)とが前記周囲のセクション(64)を介して互いに接続されるように配置されており、
前記第2の径方向のセクション(66)は、前記磁場(B)の外側に位置された前記周囲のセクション(64)で前記環状の共振器(52)の外周縁に接続されている請求項1又は2の振動構造ジャイロスコープ(50)。
【請求項4】
前記それぞれの脚部材(60a、60b)の前記第2の径方向のセクション(66)は、前記第2の径方向のセクションの長さよりも長い間隔で離間されている請求項3の振動構造ジャイロスコープ(50)。
【請求項5】
前記それぞれの脚部材(60a、60b)の前記第1の径方向のセクション(62)は、前記第1の径方向のセクションの長さ未満である間隔で離間されている請求項3又は4の振動構造ジャイロスコープ(50)。
【請求項6】
リング磁極構成体(20)が、前記環状の共振器(52)に前記磁場(B)を集中させるように配置されている請求項1ないし5のいずれか1の振動構造ジャイロスコープ(50)。
【請求項7】
前記可撓性支持体(56aないし56h)は、前記環状の共振器(52)を中心として等角度で離間されている請求項1ないし6のいずれか1の振動構造ジャイロスコープ(50)。
【請求項8】
少なくとも1つの2次駆動トランスデューサが、角速度が前記軸線(68)を中心として与えられたときに引き起こされる前記2次モードの振動(S)を無効にするように配置されている請求項1ないし7のいずれか1の振動構造ジャイロスコープ(50)。
【請求項9】
前記環状の共振器(52)、基板(58)及び支持構造体(54)は、ほぼ同じ平面にある請求項1ないし8のいずれか1の振動構造ジャイロスコープ(50)。
【請求項10】
前記駆動及びピックオフトランスデューサは、互いに、かつ前記基板(58)とほぼ同じ平面にある請求項1ないし9のいずれか1の振動構造ジャイロスコープ(50)。
【請求項11】
前記脚部材(60a、60b)は、径方向の複数の従属脚であり、
各脚部材が、前記基板(58)に一端で接続され、他端で前記環状の共振器(52)を支持している請求項1ないし10のいずれか1の振動構造ジャイロスコープ(50)。
【請求項12】
前記環状の共振器(52)は、前記基板(58)内に配置され、
各脚部材(60a、60b)は、前記一端から前記他端へ、前記環状の共振器の外周縁に向かって径方向内側に延びている請求項11の振動構造ジャイロスコープ(50)。
【請求項13】
前記基板(58)は、前記環状の共振器(52)、前記支持構造体(54)並びに前記駆動及びピックオフトランスデューサを封じ込める封止されたキャビティを形成するように封止されている請求項1ないし12のいずれか1の振動構造ジャイロスコープ(50)。
【請求項14】
前記支持構成体(54)、環状の共振器(52)及び基板(58)は、シリコンから形成されている請求項1ないし13のいずれか1の振動構造ジャイロスコープ(50)。
【図1】
【図2a】
【図2b】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2a】
【図2b】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公表番号】特表2011−528103(P2011−528103A)
【公表日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−517244(P2011−517244)
【出願日】平成21年7月10日(2009.7.10)
【国際出願番号】PCT/GB2009/050824
【国際公開番号】WO2010/007406
【国際公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【出願人】(508296554)アトランティック・イナーシャル・システムズ・リミテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】Atlantic Inertial Systems Limited
【住所又は居所原語表記】Clittaford Road, Southway, Plymouth, PL6 6DE, United Kingdom
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月10日(2009.7.10)
【国際出願番号】PCT/GB2009/050824
【国際公開番号】WO2010/007406
【国際公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【出願人】(508296554)アトランティック・イナーシャル・システムズ・リミテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】Atlantic Inertial Systems Limited
【住所又は居所原語表記】Clittaford Road, Southway, Plymouth, PL6 6DE, United Kingdom
【Fターム(参考)】
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