説明

振動波モータ、レンズ鏡筒およびカメラ

【課題】良好な性能を有する振動波モータ、レンズ鏡筒およびカメラを提供する。
【解決手段】本発明の振動波モータ、レンズ鏡筒およびカメラは、電気機械変換素子13の励振により、弾性体14に振動を発生する振動子11と、前記振動子11に加圧接触され、前記振動により、その振動子11との間で相対運動を行う相対運動部材20と、前記振動子11と前記相対運動部材20とを加圧接触させる加圧部材50と、を備えた振動波モータ10において、前記振動子11と前記相対運動部材20の摺動部16a,25の動摩擦係数が0.02〜0.15であり、前記相対運動部材20の外径がφ5〜20mmであり、前記加圧部材の横弾性係数が70×10N/mm〜85×10N/mmであることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾性体に振動を発生させて弾性体に振動エネルギーを生じさせ、この振動エネルギーを出力として取り出し駆動力を得る振動波モータ振動波モータ、レンズ鏡筒およびカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
振動波モータは、特許文献1等で公知のように圧電体の伸縮を利用して、弾性体の駆動面に進行性振動波を発生させるものである。この進行波によって、弾性体の駆動面には楕円運動が生じ、楕円運動の波頭に加圧接触した移動子は駆動される。また、特許文献2等には小型振動波モータにおいて、圧縮ばねを用いた加圧機構の構成が開示されている。
【0003】
弾性体表面に潤滑塗装膜として塗布する熱硬化性樹脂膜は、鍍金処理等と比較し摩擦係数が小さい。このため、移動子に十分に駆動力を伝達するためには加圧力(荷重)を大きくする必要がある。しかし、一方で、小型振動波モータは、省スペース化が求められており、加圧部材であるばね部材の有効巻き数、コイル径を大きくするとスペース効率が悪くなるため、可能な限り線径を大きくする以外は、横弾性係数の大きい材料を用いる必要がある。そのため、これまでは、熱硬化性樹脂膜を用いた小型振動波モータに用いるばね部材として、ピアノ線に防錆処理として表面処理し、ばね定数を高くしたばね部材が用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特公平1−17354号公報
【特許文献2】特開2006−333658号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、ピアノ線に表面処理を施したばねは、表面処理の影響により、経時変化等によってばねのヘタリが発生する可能性がある。従来とは異なり、周速度が大きい出力が求められる小型振動波モータにおいては、ヘタリにより加圧力が減少し、加圧ばらつきが10%を超えると、トルクの低下・異音の発生等、モータ性能が変化する問題が生じる。
【0006】
本発明の課題は、良好な性能を有する振動波モータ、レンズ鏡筒およびカメラを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下のような解決手段により前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
【0008】
請求項1に記載の発明は、電気機械変換素子(13)の励振により、弾性体(14)に振動を発生する振動子(11)と、前記振動子(11)に加圧接触され、前記振動により、その振動子(11)との間で相対運動を行う相対運動部材(20)と、前記振動子(11)と前記相対運動部材(20)とを加圧接触させる加圧部材(50)と、を備えた振動波モータ(10)において、前記振動子(11)と前記相対運動部材(20)の摺動部(16a,25)の動摩擦係数が0.02〜0.15であり、前記相対運動部材(20)の外径がφ5〜20mmであり、前記加圧部材の横弾性係数が70×10N/mm〜85×10N/mmであることを特徴とする振動波モータ(10)である。
請求項2に記載の発明は、電気機械変換素子(13)の励振により、弾性体(14)に振動を発生する振動子(11)と、前記振動子(11)に加圧接触され、前記振動により、その振動子(11)との間で相対運動を行う相対運動部材(20)と、前記振動子(11)と前記相対運動部材(20)とを加圧接触させる加圧部材(50)と、を備えた振動波モータ(10)において、前記振動子(11)と前記相対運動部材(20)の摺動部(16a,25)の動摩擦係数が0.02〜0.15であり、前記振動子(11)と前記相対運動部材(20)の摺動部(16a,25)の間の面圧が10〜30N/mmであり、前記加圧部材の横弾性係数が70×10N/mm〜85×10N/mmであることを特徴とする振動波モータ(10)である。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の振動波モータ(10)において、前記加圧部材(50)は、非表面処理のステンレス材で製造されていること、を特徴とする振動波モータ(10)である。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の振動波モータ(10)において、前記加圧部材(50)は、SUS301またはSUS631で製造されていること、を特徴とする振動波モータ(10)である。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の振動波モータ(10)を備えるレンズ鏡筒(3)である。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の振動波モータ(10)を備えるカメラ(1)である。
なお、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、良好な性能を有する振動波モータ、レンズ鏡筒およびカメラを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施形態のカメラを説明する図である。
【図2】振動波モータを説明する図である。
【図3】本実施形態の振動波モータの駆動装置を説明するブロック図である。
【図4】ばね部材の横弾性係数と、加圧力との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明にかかる振動波モータ10の一実施形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本実施形態のカメラ1を説明する図である。
カメラ1は、撮像素子8を有するカメラボディ2と、レンズ7を有するレンズ鏡筒3とを備えている。
レンズ鏡筒3は、カメラボディ2に着脱可能な交換レンズである。なお、本実施形態では、レンズ鏡筒3は、交換レンズである例を示したが、これに限らず、例えば、カメラボディと一体型のレンズ鏡筒としてもよい。
【0012】
レンズ鏡筒3は、レンズ7、カム筒6、ギア4,51、振動波モータ10等を備えている。本実施形態では、振動波モータ10は、カメラ1のフォーカス動作時にレンズ7を駆動する駆動源として用いられており、振動波モータ10から得られた駆動力は、ギア4,51を介してカム筒6に伝えられる。レンズ7は、カム筒6にレンズ枠7aを介して保持されており、振動波モータ10の駆動力により、光軸方向(図1中に示す、矢印L方向)に略平行に移動して、焦点調節を行うフォーカスレンズである。
図1において、レンズ鏡筒3内に設けられた不図示のレンズ群(レンズ7を含む)によって、撮像素子8の撮像面に被写体像が結像される。撮像素子8によって、結像された被写体像が電気信号に変換され、その信号をA/D変換することによって、画像データが得られる。
【0013】
図2は、振動波モータ10を説明する図である。
本実施形態では振動子11側を固定とし、移動子20を駆動する。
振動子11は、後述するように電気エネルギーを機械エネルギーに変換する圧電素子や電歪素子等を例とした電気−機械変換素子(以下、圧電体と称する)13と、圧電体13を接合した弾性体14とから構成され、振動子11には進行性振動波が発生される。
【0014】
弾性体14は、共振先鋭度が大きな金属材料から成り、形状は円環形状である。弾性体14には、摺動部材として潤滑塗装膜30が施されている。
弾性体14は、圧電体13に接合される接合面15が設けられたベース部18、およびそのベース部18から移動子20側に連続するとともに径方向に延びる溝17が周方向に一定の間隔で形成された櫛歯部19を有する。
この櫛歯部19の先端面が駆動面16aとなり移動子20に加圧接触される。ベース部18から内径側にフランジ部22が延伸され、フランジ部22の最内径部にて固定部材23により固定されている。
【0015】
圧電体13は、一般的には通称PZTと呼ばれるチタン酸ジルコン酸鉛といった材料から構成されているが、近年では環境問題から鉛フリーの材料であるニオブ酸カリウムナトリウム、ニオブ酸カリウム、ニオブ酸ナトリウム、チタン酸バリウム、チタン酸ビスマスナトリウム、チタン酸ビスマスカリウム等から構成されることもある。圧電体13表面には電極(図示せず)が配置され、それは円周方向に沿って2つの相(A相、B相)に分かれている。各相においては、1/2波長毎に交互に分極され、A相とB相との間には1/4波長分間隔が空くように電極が配置されている。
【0016】
移動子20は、アルミニウムといった軽金属からなり、駆動面16aと接触する摺動面25の表面には耐摩耗性向上のための表面処理が成されている。本実施形態では、移動子20の外径はφ5〜20mmである。
【0017】
出力軸40は、ゴム部材41と出力軸40のDカットにはまるように挿入されたストッパー部材42を介して移動子20に結合され、出力軸40とストッパー部材42はEクリップ43等により固定されていて、移動子20と一体に回転する。ストッパー部材42と移動子20との間のゴム部材41は、粘着性で移動子20とストッパー部材42と結合する機能があり、かつ移動子20からの振動を出力軸40へ伝えないための振動吸収との機能があるブチルゴム等が好適である。
【0018】
加圧部材は、出力軸40のギア部51とベアリング52の間に設けられたばね部材50である。この構造により、移動子20が振動子11の駆動面16aに加圧接触される。なお、ばね部材50については後述する。
【0019】
図3は、本実施形態の振動波モータ10の駆動装置100を説明するブロック図である。まず、振動波モータ10の駆動/制御部について説明する。
発振部101は、制御部102の指令により所望の周波数の駆動信号を発生する。
移相部103は、発振部101で発生した駆動信号を位相の異なる2つの駆動信号に分ける。
【0020】
増幅部104は、移相部103によって分けられた2つの駆動信号をそれぞれ所望の電圧に昇圧する。
増幅部104からの駆動信号は、振動波モータ10に伝達され、この駆動信号の印加により振動子に進行波が発生し、移動子20が駆動される。
【0021】
回転検出部105は、光学式エンコーダや磁気エンコーダ等により構成され、移動子20の駆動によって駆動された駆動物の位置や速度を検出し、検出値を電気信号として制御部102に伝達する。
【0022】
制御部102は、レンズ鏡筒内またはカメラ本体のCPUからの駆動指令を基に振動波モータ10の駆動を制御する。制御部102は、回転検出部105からの検出信号を受け、その値を基に、位置情報と速度情報を得て、目標位置に位置決めされるように発振部101の周波数を制御する。
【0023】
次に、本実施形態の振動波モータ10の動作を説明する。
制御部102からの駆動指令により、発振部101から駆動信号が発生される。その駆動信号は移相部103により90度位相の異なる2つの駆動信号に分割され、増幅部104により所望の電圧に増幅される。駆動信号は、振動波モータ10の圧電体13に印加され、圧電体13は励振され、その励振によって弾性体14には4次の曲げ振動が発生する。
【0024】
圧電体13はA相とB相とに分けられており、駆動信号はそれぞれA相とB相に印加される。A相から発生する4次曲げ振動とB相から発生する4次曲げ振動とは位置的な位相が1/4波長ずれるようになっており、また、A相駆動信号とB相駆動信号とは90度位相がずれているため、2つの曲げ振動は合成され、4波の進行波となる。
【0025】
進行波の波頭には楕円運動が生じている。従って、駆動面16aに加圧接触された移動子20は、この楕円運動によって摩擦により駆動される。本実施形態で移動子20は、周速度250〜300mm/secで回転する。
移動子20の駆動により駆動された移動子20には、光学式エンコーダが配置されており、そこから、電気パルスが発生し、制御部102に伝達される。制御部102は、この信号を基に、現在の位置と現在の速度を得ることが可能となる。
【0026】
次に、本実施形態の、振動波モータのばね部材50について説明する。
上述したが、弾性体14には、摺動部材として潤滑塗装膜30が施されている。潤滑塗装膜30として、熱硬化性樹脂膜を使用する場合、鍍金処理等と比較し摩擦係数が小さい。本実施形態では、振動子11の駆動面16aと移動子20の摺動面25との間の動摩擦係数は0.02〜0.15である。
【0027】
このため、移動子20に十分な駆動力を伝達するためには、ばね部材50の加圧力(荷重)を大きくする必要がある。一方で、小型振動波モータは、省スペース化が求められており、加圧部材であるばねの有効巻き数、コイル径を大きくするとスペース効率が悪くなる。したがって、横弾性係数の大きい材料を用いる必要がある。ばね部材の加圧力は、ばね定数により定まるが、ばね定数は以下の式で表される。

k=P/δ=Gd/8・N・D

ここで
k:ばね定数(N/mm)
P:荷重(N)
δ:変位(mm)
G:ばね部材の材料の横弾性係数(N/mm
d:ばねの線径(mm)
N:有効巻き数
D:平均コイル径(mm)
である。
【0028】
図4は、ばね部材50の横弾性係数と、加圧力及びバネ定数との関係を示すグラフである。
ばね部材50の加圧力は、7N以下の場合、加圧力が小さすぎて十分な駆動力を得ることができないため、φ5〜20mmの振動波モータのばね部材50としては、横弾性係数が70×10N/mm以上の材料が求められる。一方で、バネ定数が2.4N/mmより大きいと、つぶし量による加圧力の変化量が大きすぎることで、振動波モータの性能のばらつきが大きくなってしまう。たとえば、加圧力が大きくなると、振動波モータの起動性が悪くなる傾向がある。
【0029】
ばね部材50における、加圧力7N以上に対応する横弾性係数Gは、グラフより70×10N/mm以上であり、バネ定数が2.4N/mm以下に対応する横弾性係数Gは、グラフより85×10N/mm以下である。したがって、本実施形態におけるばね部材の好適な横弾性係数は70×10N/mm〜85×10N/mmである。
【0030】
また、本実施形態のような、移動子20の外径はφ5〜20mmである小型振動波モータにおいては、周速度が大きい出力が求められ、加圧ばらつきが10%を超えると、ヘタリによる加圧力の減少から、トルクの低下・異音の発生等、モータ性能が変化する問題が生じる。したがって、ばね部材50の経時的なばらつきが10%以内となる材料が好ましい。
【0031】
上記の条件を満たす材料として、本実施形態としては、以下の材質が適切である。
1)SUS301(オーステナイト系:SUS304からクロムとニッケルを低減させることにより、高い硬度、及び強さをもち耐久性に優れている)
2)SUS631(析出硬化系:熱処理によって強度を高めている)
これらの横弾性係数は、それぞれ、G=73.5×10N/mmであり、上述の70×10N/mm〜85×10N/mmの範囲に含まれる。また加圧部材の経時的なばらつきも10%以内である。
【0032】
汎用コストを考慮した場合、SUS301は、SUS631材と比較し、コストが高いため、SUS301がより好適と考えられる。
また、SUS301であるハーキュリー材は、ばね用ステンレス鋼線に比べ、更なる高強度・高靭性を達成し、ピアノ線並のばね特性があり、高温でのヘタリ性はピアノ線を遥かにしのぐ。また、耐食性においては6価クロム被膜などの防錆処理の必要がなく環境にやさしい材料であるため、小型化、高荷重、高温でのヘタリ防止、低コスト化を、併せ持つ材料として最適である。
【0033】
次に、比較形態1として、ばね部材にピアノ線を用いる場合について説明する。
ピアノ線は、横弾性係数が、78.5×10N/mmであり、十分な横弾性係数を有する。しかし、錆やすいため、防錆処理として、表面処理(例としてBZn鍍金等)が必要となる。防錆処理を行うと、信頼性(経時変化、温度サイクルが繰り返されると、表面処理の劣化により、へたりが発生し、加圧力が10%程度劣化する。したがって、ピアノ線は、ばね部材としては好ましくない。
【0034】
比較形態2として、ばね部材にSUS304を用いる場合について説明する。
SUS304は、耐食性が良く、硬鋼線・ピアノ線に比較し、錆びにくい。しかし、SUS304は、横弾性係数が、68.6×10N/mmであり、十分な加圧力を得ることはできない。したがって、SUS304はばね部材としては好ましくない。
【0035】
以上、本実施形態によると、以下の効果を有する。
(1)本実施形態では、移動子20の外径がφ5〜20mm程度であり、周速度250〜300mm/secで回転し、振動子11の駆動面16aと移動子20の摺動面25との間の動摩擦係数が0.02〜0.15である小型振動波モータにおいて、横弾性係数が70×10N/mm〜85×10N/mmのばね部材を加圧部材として用いる。これにより、低摩擦係数による十分な高荷重が得ることができる。
(2)また、SUS301やSUS631といった、横弾性係数70×10N/mm〜85×10N/mmを満たしつつ、非表面処理のばね部材使用することで、小型化、高荷重、高温におけるヘタリ防止、低コスト化を、実現することができる。さらに、ヘタリが生じないため、加圧力が減少せず、加圧ばらつきが10%以下となり、トルクの低下・異音の発生等、モータ性能が変化が低減される。
【0036】
(変形形態)
以上、説明した実施形態に限定されることなく、以下に示すような種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の範囲内である。
(1)本実施形態では、SUS301またはSUS631を用いたがこれに限らず、横弾性係数は70×10N/mm〜85×10N/mmであって、ばね部材50の経時的なばらつきが10%以内となる材料であれば他の材料であってもよい。
なお、実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した実施形態によって限定されることはない。
【符号の説明】
【0037】
1:カメラ、3:レンズ鏡筒、10:振動波モータ、11:振動子、13:移動子、14:弾性体、20:移動子、50:加圧ばね

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機械変換素子の励振により、弾性体に振動を発生する振動子と、
前記振動子に加圧接触され、前記振動により、その振動子との間で相対運動を行う相対運動部材と、
前記振動子と前記相対運動部材とを加圧接触させる加圧部材と、
を備えた振動波モータにおいて、
前記振動子と前記相対運動部材の摺動部の動摩擦係数が0.02〜0.15であり、
前記相対運動部材の外径がφ5〜20mmであり、
前記加圧部材の横弾性係数が70×10N/mm〜85×10N/mmであることを特徴とする振動波モータ。
【請求項2】
電気機械変換素子の励振により、弾性体に振動を発生する振動子と、
前記振動子に加圧接触され、前記振動により、その振動子との間で相対運動を行う相対運動部材と、
前記振動子と前記相対運動部材とを加圧接触させる加圧部材と、
前記相対運動部材を支持する相対運動部材側支持部材と、を備えた振動波モータにおいて、
前記振動子と前記相対運動部材の摺動部の動摩擦係数が0.02〜0.15であり、
前記振動子と前記相対運動部材の摺動部の面圧が10〜30N/mmであり、
前記加圧部材の横弾性係数が70×10N/mm〜85×10N/mmであることを特徴とする振動波モータ。
【請求項3】
請求項1または2に記載の振動波モータにおいて、
前記加圧部材は、非表面処理のステンレス材で製造されていること、
を特徴とする振動波モータ。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の振動波モータにおいて、
前記加圧部材は、SUS301またはSUS631で製造されていること、
を特徴とする振動波モータ。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の振動波モータを備えるレンズ鏡筒。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の振動波モータを備えるカメラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−166907(P2011−166907A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−25468(P2010−25468)
【出願日】平成22年2月8日(2010.2.8)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】