排ガス用熱交換器
【課題】排ガス流通路となる偏平チューブに内装されたインナーフィンであって、排ガスの流通にともなう圧損が少なく、熱交換性能の良いものの提供。
【解決手段】偏平チューブ内に横断面波形に曲折形成されたインナーフィン5が、その頂部6および谷部7を排ガス流通方向に向けて、介装され、それらの波の頂部6および谷部7は平坦に形成されて、その波の立ち上がり面8、立ち下がり面9に多数の凸条10を排ガスの流通方向に対して斜めに形成する。
【解決手段】偏平チューブ内に横断面波形に曲折形成されたインナーフィン5が、その頂部6および谷部7を排ガス流通方向に向けて、介装され、それらの波の頂部6および谷部7は平坦に形成されて、その波の立ち上がり面8、立ち下がり面9に多数の凸条10を排ガスの流通方向に対して斜めに形成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、EGRクーラとして用いる排ガス用熱交換器であって、その排ガスが流通する偏平チューブ内に介装されるインナーフィンに関する。
【背景技術】
【0002】
EGRクーラは、一例として一対のヘッダプレートに、並列された多数の偏平チューブの両端が貫通されてコアを構成し、そのコアの外周にケーシングを被嵌する。そして、ヘッダプレートにヘッダ本体の開口を接続し、各偏平チューブ内に排ガスを流通させ、その外面側には冷却水を流通する。偏平チューブにはインナーフィンが介装されることが多い。
そのインナーフィンの伝熱性能を向上させるため、図9に示す如く、横断面を波形に形成するとともに、その稜線を蛇行させたものや、壁面に多数の縦条を定ピッチで形成したものが存在していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−263616号公報
【特許文献2】特開2008−275183号公報
【特許文献3】特開2008−14566号公報
【特許文献4】特開2009−19580号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図9に示す、従来の熱交換器の偏平チューブ2のインナーフィン15は、横断面矩形の波形フィンであって、その稜線が蛇行したものである。それにより、排ガス流路が蛇行したものとなる。しかしながら、このインナーフィン15は、図10に示すごとく、蛇行する山部の前後で排ガス中の粒子状物質16が付着し、流通抵抗が増大する欠点があった。
また、蛇行しないストレートフィンの壁面に定ピッチで多数の突条を縦に形成した垂直ウェーブにおいては、比較的排ガスの流通にともなう圧損が大きいとともに、熱交換性能も十分なものとは言えなかった。
そこで、本発明は係る問題を解決することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の本発明は、一対のヘッダ(1) 間に複数の排ガス流通用の偏平チューブ(2)の両端が連通されたコア(3)と、そのコア(3)の外周を被嵌して内部に冷却水が流通するケーシング(4)とを有する排ガス用熱交換器において、
前記偏平チューブ(2)内に横断面波形に曲折形成されたインナーフィン(5)が、その頂部(6)および谷部(7)を排ガス流通方向に向けて、介装され、
それらの波の頂部(6)および谷部(7)は平坦に形成されて、それらが偏平チューブ(2)内面にろう付け固定され、その波の立ち上がり面(8)および立ち下がり面(9)に、排ガスの流通方向に対して傾斜する多数の凸条(10)が曲折形成されたことを特徴とする排ガス用熱交換器である。
【0006】
請求項2に記載の本発明は、請求項1において、
前記インナーフィン(5)の波の頂部(6)おび谷部(7)が排ガスの流通方向に直線的に形成された排ガス用熱交換器である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の排ガス用熱交換器は、その排ガスの流通する偏平チューブ2内に、その頂部6および谷部7を排ガス流通方向に向けて断面波形のインナーフィンが介装され、そのインナーフィン5の波の立ち上がり面8および立ち下がり面9に排ガス流通方向に対して傾斜する多数の凸条10が曲折形成されたから、排ガスの流通にともなう圧力損失を低下させつつ、熱交換性能を向上することができる。これは多数の凸条10が排ガスの流通方向に対して傾斜するので、それが直行する場合に比べて、排ガスを斜め方向に円滑に案内して圧力損失を減じることができる。それとともに、その傾斜する凸条によって排ガスを攪拌し、フィンとの伝熱性を向上するものである。さらに、排ガスの流れを円滑に行うため、排ガス中の粒子状物質がインナーフィン5に付着することを抑制できる。
【0008】
上記構成において、インナーフィン5の波の頂部6および谷部7を排ガスの流通方向に直線的に形成することができる。この場合には、さらに排ガスの流通にともなう圧力損失を低減することができる。それとともに、排ガスに含まれる微粒子成分がインナーフィン5に付着することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の排ガス用熱交換器の要部縦断面図。
【図2】図1のII−II矢視略図。
【図3】同熱交換器に用いられるインナーフィン5の要部拡大斜視図。
【図4】同正面図。
【図5】そのインナーフィンの展開状態を示す説明図。
【図6】本発明の他の熱交換器の偏平チューブ2の要部斜視図。
【図7】同側面の断面図であって、ヘッダ側から見たもの
【図8】本発明の熱交換器のインナーフィン5のさらに他の例を示す正面図。
【図9】従来型熱交換器の偏平チューブ2の要部分解斜視図。
【図10】同インナーフィン15内部の排ガス13の流れと、粒子状物質16の付着状況説明図。
【図11】本発明のインナーフィン5と従来型フィンの温度効率と排ガス流量との関係を示す図。
【図12】同従来型フィンと本発明のインナーフィンとの排ガス流量に対する圧損の比較図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、図面に基づいて本発明の実施の形態につき説明する。
図1〜図5は本発明の第1の実施の形態を示すものであり、多数の並列した偏平チューブ2の両端が一対のヘッダプレート11(左側を省略)を貫通して、コア3を構成する。各偏平チューブ2の内部には図2〜図4に示すインナーフィン5が介装され、その頂部6、谷部7が偏平チューブ2内面にろう付け固定されている。
このインナーフィン5は横断面矩形波状に形成され、その頂部6、谷部7は平坦に形成され、立ち上がり面8および立ち下がり面9にはその長手方向に進行する波状の凸条10が曲折形成され、その凸条10間に相対的に凹条が形成されている。
このようなインナーフィン5を製造するには図5に示すごとく、金属帯板14の表面に定間隔に波状部を形成する。その成形はプレス成形によりまたは、一対の成形ロール間に金属帯板を通過させることより行える。そして、図5の波状部と平坦部との境で曲折することにより図3のインナーフィン5を得る。
【0011】
このようにしてなる偏平チューブ2の並列体からなるコア3の外周には、ケーシング4が被嵌され、その端部にそれぞれヘッダ1の開口端が接合される。ケーシング4には図1においては図示しない冷却水の出入口パイプが一対その端部に取付けられ、そこから冷却水12が矢印のごとく各プレートフィン2間を流通する。また、ヘッダ1には排ガス13が導かれ、それが各偏平チューブ2の内部を流通し、冷却水12との間に熱交換が行われる。このとき排ガス13は多数の凸条10によって波状に案内され、攪拌されて熱伝達を良好に行うことができる。また、凸条10は排ガス13に対して傾斜しているため、排ガス13の流通にともなう圧損が少ない。
【0012】
図11は排気ガスの流速を横軸にとり、縦軸に温度効率、すなわち熱交換性能を取ったものである。そして、本発明の熱交換器は、同図で斜めウェーブとして記載され、従来の垂直ウェーブに比べて温度効率が高いことがわかる。また、排気ガスの流通にともなう圧損は図12に示され、横軸にガス流量をとり、縦軸に圧損を取っている。従来型の垂直なウェーブに比べて、本発明の斜めウェーブはその圧損が低いことを実験により同図のごとく確認している。
【0013】
次に図8は、本発明の熱交換器の各プレートフィン2に収納されるインナーフィン5の他の例であり、この例のインナーフィン5は、その立ち上がり面8および立ち下がり面9の多数の凸条10が、排ガスの流通方向に山形に定ピッチで形成されたものである。この例も排ガスの流通方向に対して凸条10が傾斜している。そのため、凸条10が垂直な従来型のインナーフィンに比べて排ガスの流通にともなう圧力損失が低下するとともに、熱交換性能が向上する。
なお、凸条10のV字は、図8において、流体の流れ方向に沿って対象形状で図示されているが、非対称形状の場合も同様な効果が得られる。即ち、フィン高さの中心に対して上下対称であるが、それを非対称としても良い。
また、この例で突条の平面山形の向きは、排ガス流通方向(下流側の方向)に形成されているが、その逆(上流方向)に山形の向きを形成しても同様の効果が得られる。また、立ち上がり面と立下り面に形成される平面山形の向きは同一でも、逆向きでもよい。
【0014】
次に、図6および図7は、本発明の熱交換器のさらに他の例であり、ヘッダプレートを不要とするものである。そのために、各偏平チューブ2の両端部には拡開部2aが形成され、偏平チューブ2の拡開部2aどうしが互いに積層されるものである。
この例では図7に示すごとく一対の出入口パイプ17がケーシング4の両端部位置に配置され、その一方の出入口パイプ17から冷却水12が流入し、各プレートフィン2外周を流通して他方の出入口パイプ17からそれが流出する。また、この例では偏平チューブ2に介装されるインナーフィン5が全体としてその横断面がサインカーブ状に曲折されている。その壁面には、図1または図8に示す多数の凸条10が曲折形成されている。そしてインナーフィン5の頂部および谷部には凸条10が存在せず平坦であり、その頂部および谷部において、インナーフィン5が各偏平チューブ2の内面に一体にろう付け固定されている。
図1では、ヘッダ1とケーシング4は、分割構造で図示したものであるが、それぞれ一体構造の場合も含まれ、また、図6のチューブを組み合わせた構造も含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0015】
本発明の熱交換器は、EGRクーラとして利用できる。
【符号の説明】
【0016】
1 ヘッダ
2 偏平チューブ
2a 拡開部
3 コア
4 ケーシング
5 インナーフィン
6 頂部
7 谷部
8 立ち上がり面
9 立ち下がり面
【0017】
10 凸条
11 ヘッダプレート
12 冷却水
13 排ガス
14 金属帯板
15 インナーフィン
16 粒子状物質
17 出入口パイプ
【技術分野】
【0001】
本発明は、EGRクーラとして用いる排ガス用熱交換器であって、その排ガスが流通する偏平チューブ内に介装されるインナーフィンに関する。
【背景技術】
【0002】
EGRクーラは、一例として一対のヘッダプレートに、並列された多数の偏平チューブの両端が貫通されてコアを構成し、そのコアの外周にケーシングを被嵌する。そして、ヘッダプレートにヘッダ本体の開口を接続し、各偏平チューブ内に排ガスを流通させ、その外面側には冷却水を流通する。偏平チューブにはインナーフィンが介装されることが多い。
そのインナーフィンの伝熱性能を向上させるため、図9に示す如く、横断面を波形に形成するとともに、その稜線を蛇行させたものや、壁面に多数の縦条を定ピッチで形成したものが存在していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−263616号公報
【特許文献2】特開2008−275183号公報
【特許文献3】特開2008−14566号公報
【特許文献4】特開2009−19580号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図9に示す、従来の熱交換器の偏平チューブ2のインナーフィン15は、横断面矩形の波形フィンであって、その稜線が蛇行したものである。それにより、排ガス流路が蛇行したものとなる。しかしながら、このインナーフィン15は、図10に示すごとく、蛇行する山部の前後で排ガス中の粒子状物質16が付着し、流通抵抗が増大する欠点があった。
また、蛇行しないストレートフィンの壁面に定ピッチで多数の突条を縦に形成した垂直ウェーブにおいては、比較的排ガスの流通にともなう圧損が大きいとともに、熱交換性能も十分なものとは言えなかった。
そこで、本発明は係る問題を解決することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の本発明は、一対のヘッダ(1) 間に複数の排ガス流通用の偏平チューブ(2)の両端が連通されたコア(3)と、そのコア(3)の外周を被嵌して内部に冷却水が流通するケーシング(4)とを有する排ガス用熱交換器において、
前記偏平チューブ(2)内に横断面波形に曲折形成されたインナーフィン(5)が、その頂部(6)および谷部(7)を排ガス流通方向に向けて、介装され、
それらの波の頂部(6)および谷部(7)は平坦に形成されて、それらが偏平チューブ(2)内面にろう付け固定され、その波の立ち上がり面(8)および立ち下がり面(9)に、排ガスの流通方向に対して傾斜する多数の凸条(10)が曲折形成されたことを特徴とする排ガス用熱交換器である。
【0006】
請求項2に記載の本発明は、請求項1において、
前記インナーフィン(5)の波の頂部(6)おび谷部(7)が排ガスの流通方向に直線的に形成された排ガス用熱交換器である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の排ガス用熱交換器は、その排ガスの流通する偏平チューブ2内に、その頂部6および谷部7を排ガス流通方向に向けて断面波形のインナーフィンが介装され、そのインナーフィン5の波の立ち上がり面8および立ち下がり面9に排ガス流通方向に対して傾斜する多数の凸条10が曲折形成されたから、排ガスの流通にともなう圧力損失を低下させつつ、熱交換性能を向上することができる。これは多数の凸条10が排ガスの流通方向に対して傾斜するので、それが直行する場合に比べて、排ガスを斜め方向に円滑に案内して圧力損失を減じることができる。それとともに、その傾斜する凸条によって排ガスを攪拌し、フィンとの伝熱性を向上するものである。さらに、排ガスの流れを円滑に行うため、排ガス中の粒子状物質がインナーフィン5に付着することを抑制できる。
【0008】
上記構成において、インナーフィン5の波の頂部6および谷部7を排ガスの流通方向に直線的に形成することができる。この場合には、さらに排ガスの流通にともなう圧力損失を低減することができる。それとともに、排ガスに含まれる微粒子成分がインナーフィン5に付着することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の排ガス用熱交換器の要部縦断面図。
【図2】図1のII−II矢視略図。
【図3】同熱交換器に用いられるインナーフィン5の要部拡大斜視図。
【図4】同正面図。
【図5】そのインナーフィンの展開状態を示す説明図。
【図6】本発明の他の熱交換器の偏平チューブ2の要部斜視図。
【図7】同側面の断面図であって、ヘッダ側から見たもの
【図8】本発明の熱交換器のインナーフィン5のさらに他の例を示す正面図。
【図9】従来型熱交換器の偏平チューブ2の要部分解斜視図。
【図10】同インナーフィン15内部の排ガス13の流れと、粒子状物質16の付着状況説明図。
【図11】本発明のインナーフィン5と従来型フィンの温度効率と排ガス流量との関係を示す図。
【図12】同従来型フィンと本発明のインナーフィンとの排ガス流量に対する圧損の比較図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、図面に基づいて本発明の実施の形態につき説明する。
図1〜図5は本発明の第1の実施の形態を示すものであり、多数の並列した偏平チューブ2の両端が一対のヘッダプレート11(左側を省略)を貫通して、コア3を構成する。各偏平チューブ2の内部には図2〜図4に示すインナーフィン5が介装され、その頂部6、谷部7が偏平チューブ2内面にろう付け固定されている。
このインナーフィン5は横断面矩形波状に形成され、その頂部6、谷部7は平坦に形成され、立ち上がり面8および立ち下がり面9にはその長手方向に進行する波状の凸条10が曲折形成され、その凸条10間に相対的に凹条が形成されている。
このようなインナーフィン5を製造するには図5に示すごとく、金属帯板14の表面に定間隔に波状部を形成する。その成形はプレス成形によりまたは、一対の成形ロール間に金属帯板を通過させることより行える。そして、図5の波状部と平坦部との境で曲折することにより図3のインナーフィン5を得る。
【0011】
このようにしてなる偏平チューブ2の並列体からなるコア3の外周には、ケーシング4が被嵌され、その端部にそれぞれヘッダ1の開口端が接合される。ケーシング4には図1においては図示しない冷却水の出入口パイプが一対その端部に取付けられ、そこから冷却水12が矢印のごとく各プレートフィン2間を流通する。また、ヘッダ1には排ガス13が導かれ、それが各偏平チューブ2の内部を流通し、冷却水12との間に熱交換が行われる。このとき排ガス13は多数の凸条10によって波状に案内され、攪拌されて熱伝達を良好に行うことができる。また、凸条10は排ガス13に対して傾斜しているため、排ガス13の流通にともなう圧損が少ない。
【0012】
図11は排気ガスの流速を横軸にとり、縦軸に温度効率、すなわち熱交換性能を取ったものである。そして、本発明の熱交換器は、同図で斜めウェーブとして記載され、従来の垂直ウェーブに比べて温度効率が高いことがわかる。また、排気ガスの流通にともなう圧損は図12に示され、横軸にガス流量をとり、縦軸に圧損を取っている。従来型の垂直なウェーブに比べて、本発明の斜めウェーブはその圧損が低いことを実験により同図のごとく確認している。
【0013】
次に図8は、本発明の熱交換器の各プレートフィン2に収納されるインナーフィン5の他の例であり、この例のインナーフィン5は、その立ち上がり面8および立ち下がり面9の多数の凸条10が、排ガスの流通方向に山形に定ピッチで形成されたものである。この例も排ガスの流通方向に対して凸条10が傾斜している。そのため、凸条10が垂直な従来型のインナーフィンに比べて排ガスの流通にともなう圧力損失が低下するとともに、熱交換性能が向上する。
なお、凸条10のV字は、図8において、流体の流れ方向に沿って対象形状で図示されているが、非対称形状の場合も同様な効果が得られる。即ち、フィン高さの中心に対して上下対称であるが、それを非対称としても良い。
また、この例で突条の平面山形の向きは、排ガス流通方向(下流側の方向)に形成されているが、その逆(上流方向)に山形の向きを形成しても同様の効果が得られる。また、立ち上がり面と立下り面に形成される平面山形の向きは同一でも、逆向きでもよい。
【0014】
次に、図6および図7は、本発明の熱交換器のさらに他の例であり、ヘッダプレートを不要とするものである。そのために、各偏平チューブ2の両端部には拡開部2aが形成され、偏平チューブ2の拡開部2aどうしが互いに積層されるものである。
この例では図7に示すごとく一対の出入口パイプ17がケーシング4の両端部位置に配置され、その一方の出入口パイプ17から冷却水12が流入し、各プレートフィン2外周を流通して他方の出入口パイプ17からそれが流出する。また、この例では偏平チューブ2に介装されるインナーフィン5が全体としてその横断面がサインカーブ状に曲折されている。その壁面には、図1または図8に示す多数の凸条10が曲折形成されている。そしてインナーフィン5の頂部および谷部には凸条10が存在せず平坦であり、その頂部および谷部において、インナーフィン5が各偏平チューブ2の内面に一体にろう付け固定されている。
図1では、ヘッダ1とケーシング4は、分割構造で図示したものであるが、それぞれ一体構造の場合も含まれ、また、図6のチューブを組み合わせた構造も含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0015】
本発明の熱交換器は、EGRクーラとして利用できる。
【符号の説明】
【0016】
1 ヘッダ
2 偏平チューブ
2a 拡開部
3 コア
4 ケーシング
5 インナーフィン
6 頂部
7 谷部
8 立ち上がり面
9 立ち下がり面
【0017】
10 凸条
11 ヘッダプレート
12 冷却水
13 排ガス
14 金属帯板
15 インナーフィン
16 粒子状物質
17 出入口パイプ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対のヘッダ(1) 間に複数の排ガス流通用の偏平チューブ(2)の両端が連通されたコア(3)と、そのコア(3)の外周を被嵌して内部に冷却水が流通するケーシング(4)とを有する排ガス用熱交換器において、
前記偏平チューブ(2)内に横断面波形に曲折形成されたインナーフィン(5)が、その頂部(6)および谷部(7)を排ガス流通方向に向けて、介装され、
それらの波の頂部(6)および谷部(7)は平坦に形成されて、それらが偏平チューブ(2)内面にろう付け固定され、その波の立ち上がり面(8)および立ち下がり面(9)に、排ガスの流通方向に対して傾斜する多数の凸条(10)が曲折形成されたことを特徴とする排ガス用熱交換器。
【請求項2】
請求項1において、
前記インナーフィン(5)の波の頂部(6)おび谷部(7)が排ガスの流通方向に直線的に形成された排ガス用熱交換器。
【請求項1】
一対のヘッダ(1) 間に複数の排ガス流通用の偏平チューブ(2)の両端が連通されたコア(3)と、そのコア(3)の外周を被嵌して内部に冷却水が流通するケーシング(4)とを有する排ガス用熱交換器において、
前記偏平チューブ(2)内に横断面波形に曲折形成されたインナーフィン(5)が、その頂部(6)および谷部(7)を排ガス流通方向に向けて、介装され、
それらの波の頂部(6)および谷部(7)は平坦に形成されて、それらが偏平チューブ(2)内面にろう付け固定され、その波の立ち上がり面(8)および立ち下がり面(9)に、排ガスの流通方向に対して傾斜する多数の凸条(10)が曲折形成されたことを特徴とする排ガス用熱交換器。
【請求項2】
請求項1において、
前記インナーフィン(5)の波の頂部(6)おび谷部(7)が排ガスの流通方向に直線的に形成された排ガス用熱交換器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−112331(P2011−112331A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−271449(P2009−271449)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(000222484)株式会社ティラド (289)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(000222484)株式会社ティラド (289)
【Fターム(参考)】
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