説明

排出部内の弁を備えた分離弁

【課題】新規な構成の流体分離弁を提供する。
【解決手段】第1の冷水ポート502、第2の冷水ポート504および排出弁501を備えた冷水排出ポート506を備えた弁体を有する冷水分離弁500。弁体は、冷水流れチャネル503、冷水排出チャネル505および弁部分508を規定し、弁部分508は、第1の冷水ポート502、上記第2の冷水ポート504および冷水排出ポート506と連絡するように弁体内に配置される。流体分岐デバイス509が第1の構成にあるとき、第1の冷水ポート502が第2の冷水ポート504と連絡するような構成となり得る。流れ分岐デバイス509が第2の構成にあるとき、第1の冷水ポート502は、冷水排出ポート506と連絡する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本特許出願は、2003年9月23日に出願された米国仮出願番号第60/505,193号(この内容はそれらの全体が本明細書中に参考として援用される)への優先権を主張し、そしてまた、2002年3月14日に出願された米国特許出願第10/097,762号の一部継続出願(これは、2001年6月22日に出願された米国仮特許出願番号第60/300,345号および2001年6月25日に出願された米国仮出願番号第60/300,622号からの優先権を主張する)である。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、一般に分離弁に関し、そしてより詳細には、インライン設備のための分離弁に関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
分離弁は周知であり、そして給排水(plumbing)および加熱適用で伝統的に用いられ、維持、置換または修復の目的に、インライン設備または設備の一部に、あるいはそれからの水またはその他の流体の流れを制御する。不幸なことに、しかし、現在の設計は大きくかつかさばり、そして十分な流体流れを可能にしない。これは、多くの理由のために所望されない。インライン設備は、代表的には、限られたスペース中に配置され、それ故、現在の設計の大きなかさばるサイズは、それらを、限られたスペース中に設置することを厄介および困難にする。いくつかの場合には、この限られたスペースは、それらを、設置、除去そして/または修復することを不可能にする。さらに、いくつかのインライン設備、例えば、タンクのない水加熱器は、流体流れ速度および温度計算によって試験される。不利なことに、現在の設計の部分的流体流れ能力は、インライン設備が正確に試験されることを困難にする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
(発明の要旨)
第1の流体流れポート、第2の流体流れポートおよび流体排出ポート中の弁を備えた流体排出ポートを備えた弁体を有する流体分離弁が提供される。この弁体はまた、流体流れチャネル、排出流れチャネルおよび弁部分を規定し、ここで、この弁部分は、この弁体中に配置され、上記第1の流体流れポート、上記第2の流体流れポートおよび上記流体排出ポートとの流体連絡を容易にする。流れ分岐デバイスがまた提供され、そして上記弁部分内に配置される。この流れ分岐デバイスは、上記第1の流体流れポートが上記第2の流体流れポートと連絡している第1の構成にある。結果として、この流れ分岐デバイスが第2の構成あるとき、上記第1の流れポートは、上記流体排出ポートと連絡している。
【0005】
有利には、本発明による流れ分離は、設置されたインライン設備の試験、および任意のこのようなインライン設備の容易な洗浄およびフラッシュングを可能にする。
より特定すれば、本願発明は以下の項目に関し得る
(項目1)
流体分離弁であって:
弁体であって、第1の流体流れポート、第2の流体流れポートおよび流体排出ポートを有し、ここで、上記弁体が、流体流れチャネル、排出流れチャネルおよび弁部分を規定し、上記弁部分が、上記第1の流体流れポート、上記第2の流体流れポートおよび上記流体排出ポートと連絡するように配置される弁体;および
上記弁部分内に配置される流れ分岐デバイスであって、第1の構成と第2の構成との間で、上記流体分岐デバイスが上記第1の構成にあるとき、上記第1の流体流れポートが上記第2の流体流れポートと連絡し、そして上記流れ分岐デバイスが上記第2の構成にあるとき、上記第1の流体流れポートが上記流体排出ポートと連絡するような構成をとり得る流れ分岐デバイス、を備える、流体分離弁。
(項目2)
上記流体分岐デバイスが:
玉セクションであって、ステムチャンバおよび玉チャンバを規定し、上記ステムチャンバが上記玉チャンバに隣接して配置され、そして上記玉チャンバから外側に延びる玉セクション;
上記ステムチャンバ内に配置され、そして上記ステムチャンバから外側に延び、そして上記玉チャンバ内に配置された玉に連結されるステムであって、上記ステムの剥き出た部分が上記ステムチャンバを超えて延びるステム;
上記ステムチャンバ内に配置される上記ステムの剥き出た部分に連結され、そして上記玉に連結されるハンドルであって、ここで、上記ハンドルの作動が、玉弁ユニットを作動するために上記玉の作動を行うハンドル;
上記玉セクションから分離してかつそれに隣接して配置される主要セクション;および
上記主要セクションと連絡する排出ポート、を備える、玉弁ユニットである、項目1に記載の流体分離弁。
(項目3)
上記排出ポートが、その中に配置された排出ポート弁を有する、項目2に記載の流体分離弁。
(項目4)
上記排出ポート弁が、玉弁ユニットである、項目3に記載の流体分離弁。
(項目5)
上記排出ポート弁が、ステムおよびシート弁である、項目3に記載の流体分離弁。
(項目6)
フランジが、上記主要セクションおよび上記玉セクションの少なくとも1つの連続部分として形成され、上記玉セクションが上記ステムチャンバおよび上記玉チャンバを含み、ここで、上記フランジ、上記主要セクション、ならびに上記ステムチャンバおよび上記玉チャンバを含む上記玉セクションが、そして上記玉チャンバが剛直性の材料から形成される単一片として形成される、項目2に記載の流体分離弁。
(項目7)
上記主体セクションおよび上記玉セクションが、真鍮から作製される、項目1に記載の流体分離弁。
(項目8)
上記主要セクションおよび上記玉セクションの少なくとも1つに取り付けられた端部キャップをさらに含む、項目1に記載の流体分離弁。
(項目9)
上記主要セクションが、真鍮から作製される、項目8に記載の流体分離弁。
(項目10)
上記第1の流体流れポートがユニオン連結と適合され、そして上記第2の流体流れポートがねじ連結で適合される、項目1に記載の流体分離弁。
(項目11)
上記ユニオン連結が、ユニオン連結絶縁体をさらに備える、項目10に記載の流体分離弁。
(項目12)
上記ハンドルが翼形状である、項目1に記載の流体分離弁。
(項目13)
上記排出ポート玉弁が、単一の翼であるハンドルを有する、項目4に記載の流体分離弁。
(項目14)
上記チャンバの内径が、上記端部キャップの内径に実質的に等しい、項目4に記載の流体分離弁。
(項目15)
上記玉弁ユニットが、第1の弁座、第2の弁座、第3の弁座および第4の弁座を有する、項目2に記載の流体分離弁。
(項目16)
上記弁座が、上記弁ユニット内に上記玉を密封して位置決めする、項目15に記載の流体分離弁。
(項目17)
上記弁座が、ポリマー材料から作製される、項目15に記載の流体分離弁。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】図1は、第1の構成にある本発明による熱水分離弁の第1の実施形態の斜視図である。
【図2】図2は、第2の構成にある図1の熱水分離弁の斜視図である。
【図3】図3は、第1の構成にある本発明による冷水分離弁の第2の実施形態の斜視図である。
【図4】図4は、第2の構成にある図3の冷水分離弁の斜視図である。
【図5A】図5Aは、本発明による冷水分離弁の第3の実施形態の斜視図である。
【図5B】図5Bは、本発明による冷水分離弁の第3の実施形態の側面図である。
【図6A】図6Aは、本発明による熱水分離弁の第3の実施形態の斜視図である。
【図6B】図6Bは、本発明による熱水分離弁の第3の実施形態の側面図である。
【図7】図7は、水供給源と給排水システムとの間に配置されたタンクレス水加熱器の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の前述の特徴および利点ならびにその他の特徴および利点は、添付の図面を組み合わせて考慮する例示の実施形態の以下の詳細な説明からより完全に理解され得る。
【0008】
(詳細な説明)
図1を参照して、熱水分離弁100が示され、そして第1の熱水ポート102、第2の熱水ポート104、熱水逃がしポート106および熱水排出ポート108を含む。熱水分離弁100は、熱水流れチャネル101および熱水排出チャネル103を規定する。この熱水流れチャネル101は、上記第1の熱水ポート102と上記第2の熱水ポート104との間の流体連絡を提供する。上記熱水排出チャネル103は、上記第1の熱水ポート102と上記熱水排出ポート108との間の流体連絡を提供する。上記熱水分離弁100は、第1の熱水ポート102、第2の熱水ポート104、熱水逃がしポート106と、熱水排出ポート108との間に配置された弁部分110内に配置された、玉弁のような流れ分岐デバイス(示さず)を含む。さらに、この流れ分岐デバイスは、バタフライハンドルのような流れ調節手段112を経由して、第1の構成と第2の構成との間の構成であり得る。
【0009】
図1では、この流れ分岐デバイスが第1の構成で示され、ここで、熱水流れは、第1の熱水ポート102と第2の熱水ポート104との間で流れる。図2では、流れ分岐デバイスが第2の構成で示され、ここで、熱水流れは、第1の熱水ポート102および熱水排出ポート108との間にある。熱水逃がしポート106は、熱水逃がし弁を受容するためのねじ部分(雌)を含むことが注目されるべきである。しかし、熱水逃がしポート106は、ねじ(雌)部分を有して示されるが、熱水逃がしポート106は、ねじ部分(雄)、摩擦ばめコネクタ、圧着コネクター、クランプコネクター、迅速離脱コネクターなどのような、所望の最終目的に適切な任意の様式で熱水逃がし弁と連結されるための構成であり得ることが認識されるべきである。
【0010】
図3を参照して、冷水分離弁200が示され、そして第1の冷水ポート202、第2の冷水ポート204および冷水排出ポート206を含む。冷水分離弁200は、冷水流れチャネル201および冷水排出チャネル203を規定し、ここで、冷水流れチャネル201は、第1の冷水ポート202を第2の冷水ポート204と連絡するために配置され、そしてここで、冷水排出チャネル203は、第1の冷水ポート202を冷水排出ポート206と連絡するために配置される。冷水分離弁200はまた、弁部分208内に配置される玉弁のような流れ分岐デバイスを含む。弁部分208は、第1の冷水ポート202と、第2の冷水ポート204と、冷水排出ポート206との間に配置される。さらに、流れ分岐デバイスは、流れ調節手段210を経由して第1の構成と第2の構成との間の構成をとり得る。図3では、第1の構成にある流れ分岐デバイスが示され、ここで、冷水流れは、第1の冷水ポート202と第2の冷水ポート204との間にある。図4では、第2の構成にある流れ分岐デバイスが示され、ここで、冷水流れは、第2の冷水ポート204と冷水排出ポート206との間にある。
【0011】
図5Aおよび5Bを参照すると、本発明に従うさらなる例示的な冷水分離弁500が示され、この弁は、第1の冷水ポート502、第2の冷水ポート504および排出弁501を有する冷水排出ポート506を備える。このさらなる例示的実施形態において、この排出弁501は、排出弁ハンドル507と適合した玉弁である。この排出弁ハンドル507は、より小型の弁設計において排出弁501の作動を可能にする一枚自在板ハンドル(a
one leaf handle)である。この排出弁501が、ハンドルなしであり得ること、および止めネジなどによって作動され得ることは、本発明の範囲内であると企図される。排出弁501が、玉弁以外のもの(例えば、従来のステムおよび座の設計など)であり得ることも本発明の範囲内であると企図される。
【0012】
冷水分離弁500は、冷水流れチャネル503および冷水排出チャネル505を規定し、ここでこの冷水流れチャネル503は、第1の冷水ポート502を第2の冷水ポート504と連絡させるように配置され、この冷水排出チャネル505は、この第1の冷水ポート502をこの冷水排出ポート506と連絡させるように配置される。この冷水分離弁500はまた、流れ分岐デバイス(例えば、玉弁509)を備え、このデバイスは、弁部分508内に配置される。この玉弁509は、バタフライハンドル511で作動される。この玉弁509は、シングルレバーハンドル、止めネジ、円形ハンドルなどで作動され得ることが、本発明の範囲内であることが企図される。この弁部分508は、第1の冷水ポート502と、第2の冷水ポート504と冷水排出ポート506との間に配置される。さらに、この流れ分岐デバイスは、この玉弁509を介して第1の構成と第2の構成との間で変更可能である。
【0013】
図5Bに戻ると、流れ分岐デバイスの一方向断面図が示される。第1の構成において、この冷水流れは、第1の冷水ポート502と第2の冷水ポート504との間にある。この玉弁509は、第2の構成を有し、この構成において、冷水流れは、第2の冷水ポート504と冷水排出ポート506との間にある。有利なことに、この排出ポート506は、排出弁501と適合されており、この排出弁は、弁500の操作者が、排水デバイスまたはポンプ作動デバイスを、冷水排出ポート506に付けながら、第2の構成の範囲内で流れをチェックすることを可能にする。この第1の冷水ポート502は、ねじ切り部分(雌)を有するユニオン接続533を有し、この接続は、給排水システム内の冷水分離弁500の信頼性の高い密閉を可能にする。このユニオン接続533は、ユニオンナット534を有し、このユニオンナットは、ユニオンワッシャー513の使用により冷水分離弁を給排水システムに密閉可能に取り付ける。このユニオン接続533は、ポリマー材料から形成された絶縁材(insulator)505をさらに備える。この絶縁材505は、ガルバニー作用を予め排除する。この作用は、この弁500につながっているニップルまたはパイプが、鉄、または弁500と異なる金属である場合に生じ得る。
【0014】
この第2の冷水ポート504は、ねじ切り部分(雌)を有する。このねじ切り部分は、給排水システムへの螺合係合を可能にする。冷水ポート502、504のいずれかが、ユニオン接続またはねじ接続を有し得ることは、本発明の範囲内であることが企図される。冷水ポート502、504のいずれかが、当該分野で公知の他取り付け手段(例えば、ねじ切り部分(雄)、摩擦ばめコネクタ、ハンダ接続(sweat connection)、圧着コネクタ、クランプコネクタ、迅速離脱コネクター、フランジなど)を有し得ることは、本発明の範囲内であることがさらに企図される。
【0015】
本発明によれば、この玉弁509は、流体流れの少なくとも2種類の構成が考慮に入れられる。玉弁509を形成する玉520は、弁体内に位置し、この弁体は、第1のポリマー弁座522、第2のポリマー弁座523、第3のポリマー弁座527および第4のポリマー弁座528を備える。1つの例示的な実施形態において、弁座522、523、527、528は、Teflon(登録商標)から形成される。十分な密閉特性を有する任意のポリマー材料が使用され得ることは、本発明の範囲内であることが企図される。この玉弁509は、玉弁キャップ530によって弁ハウジング内に位置する。
【0016】
弁棒524が玉520に付けられる。この弁棒524は、ポリマー弁棒座526および弁棒ナット529で弁体に適切に位置づけられる。バタフライハンドル511が弁棒524に取り付けられ、このバタフライハンドルは、ハンドルナット531の使用によって固定される。玉520内で、幾何学的なチャネルは、種々の流れ分岐がポート502、504および冷水排出ポート508から出入りすることを可能にする。
【0017】
図6Aおよび6Bを参照すると、熱水分離弁600が示され、この弁は、第1の熱水ポート602、第2の熱水ポート604、熱水逃がしポート606および熱水排出ポート608を備える。この熱水排出ポート608は、排出ポート弁601と適合される。この熱水分離弁600は、熱水流れチャネル603および熱水排出チャネル605を規定する。この熱水流れチャネル603は、第1の熱水ポート602と第2の熱水ポート604との間に流体連絡を提供する。この熱水排出チャネル605は、この第1の熱水ポート602と排出ポート弁601を有する熱水排出ポート608との間に流体連絡を提供する。この熱水分離弁600は、流れ分岐デバイスとして玉弁609を備え、このデバイスは、第1の熱水ポート602と、第2の熱水ポート604と、熱水逃がしポート606と、排出ポート弁601を有する熱水排出ポート608との間に配置された弁部分610内に配置される。さらに、この玉弁609は、バタフライハンドル612を介して、第1の構成と第2の構成との間で変更可能である。第1の構成において、この熱水流れは、第1の熱水ポート602と第2の熱水ポート604との間にある。第2の構成において、この熱水流れは、第1の熱水ポート602と熱水排出ポート608との間にある。本発明によれば、この熱水逃がしポート606は、熱水逃がし弁を受容するためのねじ切り部分(雌)を備える。ねじ切り(雌)部分を有する熱水逃がしポート606が示されるが、熱水逃がしポート606が、所望の最終目的に適した任意の様式で(例えば、ねじ切り部分(雄)、摩擦ばめコネクター、圧着コネクター、クランプコネクター、迅速離脱コネクターなど)、熱水逃がし弁と接続するために構成され得ることが理解されるべきである。
【0018】
図6Bに戻ると、流れ分岐デバイスの一方向断面図が示される。第1の構成において、熱水流れは、第1の熱水ポート602と第2の熱水ポート604との間にある。この流れ分岐デバイス、すなわち、玉弁609は、第2の構成を有し、この構成において、熱水流れは、第2の熱水ポート604と熱水排出ポート608との間にある。有利には、この排出ポート608は、排出弁(示さず)と適合されており、この排出弁は、熱水分離弁600のユーザーが、排水デバイスまたはポンプ作動デバイスを、熱水排出ポート608に付けながら、第2の構成の範囲内で流れをチェックすることを可能にする。
【0019】
この第1の熱水ポート602は、ねじ切り部分(雌)を有するユニオン接続633を有し、この接続は、給排水システム内の熱水分離弁600の信頼性の高い密閉を可能にする。このユニオン接続633は、ユニオンナット634を有し、このユニオンナットは、ユニオンワッシャー613の使用により熱水分離弁600を給排水システムに密閉可能に取り付ける。このユニオン接続633は、ポリマー材料から形成された絶縁材605をさらに備える。この絶縁材605は、ガルバニー作用を予め排除する。この作用は、この弁600につながっているニップルまたはパイプが、鉄、または弁600と異なる金属である場合に生じ得る。
【0020】
この第2の熱水ポート604は、ねじ切り部分(雌)を有する。このねじ切り部分は、給排水システムへのネジでの係合を可能にする。熱水ポート602、604のいずれかが、ユニオン接続またはねじ切り接続を有し得ることは、本発明の範囲内であることが企図される。熱水ポート602、604のいずれかが、当該分野で公知の取り付け具(例えば、ねじ切り部分(雄)、摩擦ばめコネクター、圧着コネクター、クランプコネクター、迅速離脱コネクターなど)の他の手段を有し得ることは、本発明の範囲内であることがさらに企図される。
【0021】
本発明に従って、玉弁609は、少なくとも2つの流体流れ構成を可能にする。玉弁609を形成する玉620は、第1のポリマー弁座622と、第2のポリマー弁座623と、第3のポリマー弁座627と、第4のポリマー弁座628とともに、弁体内に位置する。一例示実施形態において、弁座622、623、627、628は、Teflon(登録商標)から形成される。充分な密閉能力を有する任意のポリマー材料が使用され得ることが、本発明の範囲内で企図される。玉弁609は、玉弁キャップ630によって、弁ハウジング内に位置する。玉620に、弁棒624が取り付けられている。弁棒624は、ポリマー弁座626と、弁棒ナット628とともに、弁体中に密閉可能に位置する。玉620中において、幾何的チャネルによって、ポート602、604および熱水排出ポート608への、ならびにこれらのポートからの、種々の流れ分岐が可能である。
【0022】
図7を参照すると、代表的なインライン設備構成が、示される。これは、水供給源302(例えば、井戸または給水本管)と給排水システム304(例えば、ビルに給水する給排水システム)との間に接続された、タンクレス水加熱器300を備える。タンクレス水加熱器300は、第1のタンクレス水ポート306および第2のタンクレス水ポート308を備える。
【0023】
図1〜7を参照すると、冷水分離弁200が、第1の冷水ポート202を介して水供給源302に接続され、第2の冷水ポート204を介してタンクレス水加熱器300に接続されている。第2の冷水ポート204は、第1のタンクレス水ポート306に接続されている。冷水分離弁200の流れ分岐デバイスが、第1の構成状態にある場合、冷水は、水供給源302から、第1の冷水ポート202中へと流れ、冷水流れチャネル201を通って、第2の冷水ポート204から外へ出て、第1のタンクレス水ポート306へと流れる。上記のように、冷水分離弁200の流れ分岐デバイスが、第2の構成状態にある場合、冷水分離弁200の流路は、冷水排出ポート206と第2の冷水ポート204との間にあって、上記システムの冷水側を排水するのを促進する。冷水分離弁200の第2の位置または第2の構成において、冷水は、第1の冷水ポート202を介してタンクレス水加熱器300中へと流れるのを防止される。冷水排出流れ止め212(図3)または排水弁501(図5A)が、冷水排出ポート206を密封するために備えられ得、それにより、冷水が冷水分離弁200を通って流れるのを完全に防ぐ。
【0024】
熱水分離弁100、600が、第2のタンクレス水ポート308を介してタンクレス水加熱器300へと接続される。第2のタンクレス水ポート308は、第1の熱水ポート102に接続される。さらに、熱水分離弁100は、第2の熱水ポート104を介して給排水システム304へと接続される。熱水分離弁100の流れ分岐デバイスが、第1の構成状態にある場合、熱水が、第2のタンクレス水ポート308から、第1の熱水ポート102中へ流れ、熱水流れチャネル101を通って、第2の熱水ポート104から出て、給排水システム304中へと流れる。熱水分離弁100の流れ分岐デバイスが、第2の構成状態にある場合、熱水が、第2のタンクレス水ポート308から、熱水排出チャネル103を通って第1の熱水ポート102中へと流れ、熱水排出ポート108から外に出て、上記システムの熱水側を排出すること(および上記タンクを空にすること)を促進する。同様に、水は、給排水システム304中へと流されるのを防止される。熱水排出流れ止め114(図1)または排出弁601(図6A)が、熱水排出ポート108を密封するために備えられ得、それによって、熱水分離弁100を通って水が流れるのが防止される。
【0025】
この上記設計によって、有利なことに、タンクレス水加熱器300および/または給排水システム304が排出またはフラッシュされるのが可能になる。例えば、冷水分離弁200の流れ分岐デバイスが、第2の構成状態にある場合、フラッシュ用流体(例えば、水または化学溶媒)を含むフラッシュデバイスが、冷水排出ポート206に接続されて、フラッシュ用流体が、冷水排出ポート206中へと注入され得る。このフラッシュ用流体は、冷水排出チャネル203を通り、第2の冷水ポート204から出て第1のタンクレス水ポート306へと流れ、タンクレス水加熱器300を通る。その後、フラッシュ用流体は、第2のタンクレス水ポート308から出て、第1の熱水ポート102中へと流れる。熱水分離弁100の流れ分岐デバイスが、第2の構成状態にある場合、フラッシュ用流体の許容可能な流路は、第1の熱水ポート102と、熱水排出ポート108との間にあり、これによって、有利なことには、タンクレス水加熱器300がフラッシュされるのが可能になる。上記のフラッシュはまた、熱水排出ポート108を入口流れポートとして使用し、冷水排出ポート206を出口流れポートとして使用して、逆の様式で実施され得ることが、認識されるべきである。
【0026】
この弁の目的の1つは、冷水供給を、給排水システムへの熱水配管と分離して、水加熱器を交換し得るようにすることであるのが、企図される。これらのタンクレスオンデマンド水加熱器は、代表的には、固定デバイスで壁に取り付けられる。そのユニットを交換するために、上記弁は、閉められ得、ユニオン(例えば、第1の熱水ポート102および第2の冷水ポート204)の接続が外され得、水加熱器が、壁から取り外され得る。弁を有する排出ポートが、上記システムを試験するため、そして給水および熱水供給が止まった場合に水加熱器を化学物質でフラッシュするために、使用される。排出ポート弁は、排出ポートのステム内において流体の流れを操作者が制御するのを可能にする。これは、操作者に、より簡便なことおよび安全性を可能にする。熱水分離弁中に螺合された圧力逃がし弁は、どのような位置に玉が存在しても、常に水加熱器に対して開いている。なぜなら、穴が、ステムと反対側にあるからである。
【0027】
この革新的設計は、有利なことに、空間および時間を節約し、そして完全な流体流れを提供する。排液の完全な流体流れは、重要である。なぜなら、熱水加熱器が、流体流れおよび温度計算によって試験されるからである。さらに、空間もまた、重要である。なぜなら、これらのユニットは、小さな空間に設置されるからである。この設計は、現行の設計の長さの半分未満であり、これによって、有利なことには、これらの分離弁が小さな空間中で使用されるのが可能になる。
【0028】
冷水分離弁および熱水分離弁が、一緒にパッケージングされ得る。さらに、望ましい最終目的に適切な任意のサイズの弁および構成が、使用され得ることが、認識されるべきである。
【0029】
第1の熱水ポート102、602および第1の冷水ポート204、502は、当該分野で公知であるように、ユニオン接続であり、これは、熱水分離弁100および冷水分離弁200をタンクレス水加熱器300に接続するためであることが、認識されるべきである。
【0030】
熱水分離弁100、600および冷水分離弁200、500の例示的実施形態は、鍛造された真鍮構造物を備えるが、熱水分離弁100、600および冷水分離弁200、500は、全体として、部分的に、または組み合わせて、望ましい最終目的に適した任意の材料(例えば、鋳造された真鍮、銅、鉄、プラスチック、および/または複合材料(例えば、ポリカーボネート))を使用して構築され得る。さらに、熱水分離弁100、600と、冷水分離弁200、500と、給排水システム304と、タンクレス水加熱器300との間の接続は、ねじ切りされたねじ型接続として示されるが、これらの接続は、望ましい最終目的に適した任意の接続(例えば、摩擦ばめコネクタ、圧着コネクタ、クランプコネクタ、迅速離脱コネクタなど)であり得ることが、認識されるべきである。
【0031】
熱水分離弁100、600および冷水分離弁200、500の例示的実施形態は、タンクレス水加熱器を給排水システムに接続する際にこれらの弁を使用することを示すが、本発明の分離弁は、当該分野で公知である他の給排水設備または給排水システムを、全体的給排水システムにおいて取り付けおよび分離するために使用され得ることが、当業者によって認識されるべきである。
【0032】
本発明は、その例示的実施形態に関して示され記載されているが、その形態および詳細における他の種々の変化、省略、および付加が、本発明の趣旨および精神から逸脱することなくそれらの例示的実施形態においてなされ得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
図5Aに示される流体分離弁。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−266073(P2010−266073A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−157334(P2010−157334)
【出願日】平成22年7月9日(2010.7.9)
【分割の表示】特願2006−528150(P2006−528150)の分割
【原出願日】平成16年9月23日(2004.9.23)
【出願人】(506097874)ウェブストーン カンパニー, インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】