説明

排気ガス浄化用触媒及びその製造方法

【課題】触媒性能を維持ないし向上させつつ、従来よりもコート層形成材料の使用量を削減し得る排気ガス浄化用触媒及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】セル断面形状が多角形ないしはサイン波形状であるモノリス担体のセル内に、2以上のコート層を積層形成して成り、コート層の少なくとも1つの層が触媒コート層であり、コート層のうち少なくとも該セル壁と接する層のセルコーナー部位に、最大内径が10〜300μmの空孔を有する排気ガス浄化用触媒。
スラリー粘度を60〜100psに調整してセル壁と接するコート層を形成する下層用スラリーを作成し、(2)他のコート層を形成する上層用スラリーを作成し、(3)セル断面形状が多角形ないしはサイン波形状であるモノリス担体のセル内に、下層用及び上層用スラリーをこの順で、コートし、乾燥し、焼成して、コート層を積層形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排気ガス浄化用触媒及びその製造方法に係り、更に詳細には、触媒性能を維持ないし向上させつつ、従来よりもコート層形成材料の使用量を削減し得る排気ガス浄化用触媒及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、モノリス担体としては、そのセル断面形状が三角形ないし六角形形状の多角形であるセラミックス製モノリス担体や、サイン波形状であるメタル製モノリス担体が代表的に用いられており、これらのセルにはコーナー部位が存在する。
【0003】
一般に、モノリス担体のセル内にコート層を形成するに際しては、塗布するスラリーの表面張力によってコーナー部位の塗布厚さが大きくなることから、コート層形状は全体に丸みを帯びたものとなって、セル形状と相似形とはならず、コート層の厚さは必ずしも一定ではなく、コーナー部位近傍において厚いものとなる。
【0004】
コーナー部位の触媒コート層偏りにより、フラット部位の触媒コート層が薄くなり、触媒性能が悪化するという問題があった。その対策として、セラミックス製モノリス担体の場合には、セル断面形状の六角形状化やプリコート層による角埋めが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
また、プリコート層のガス拡散性を向上させるため、カーボンを混入して2μm程度の空孔を設けたものが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【特許文献1】特開平10−263416号公報
【特許文献2】特開昭63−156544号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、メタル製モノリス担体の場合には、セル断面形状の六角形状化は困難であり、プリコート層による角埋めは、熱容量を増加させ、メタル製モノリス担体の特長である早期に昇温し易いといった昇温特性を低下させるという問題点があった。
また、プリコート層を形成する場合には、セラミックス製及びメタル製の違いを問わず、コストが高くなるという問題があった。
【0007】
一方で、本発明者は、通常コーナー部位の空孔の発生を完全に防ぐことは困難であり、これ以上の空孔削減による触媒性能の飛躍的な向上は望めないと考え、逆に発生する空孔の有効利用について研究を重ねた結果、発生する空孔の位置及び大きさを制御することにより、触媒性能の向上や剥離防止に用いられているプリコート層の削減が可能であるという新たな技術知見を得た。
【0008】
本発明は、このような従来技術の有する課題や技術知見に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、触媒性能を維持ないし向上させつつ、従来よりもコート層形成材料の使用量を削減し得る排気ガス浄化用触媒及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意研究を重ねた結果、コート層のうち少なくともセル壁と接する層を形成するためのスラリーの粘度の所定値に調整し、コート層のコーナー部位に所定の空孔を設けることなどにより、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
即ち、本発明の排気ガス浄化用触媒は、セル断面形状が多角形ないしはサイン波形状であるモノリス担体のセル内に、2以上のコート層を積層形成して成り、かかるコート層の少なくとも1つの層が触媒コート層であり、コート層のうち少なくとも該セル壁と接する層のセルコーナー部位に、最大内径が10〜300μmの空孔を有するものである。
【0011】
また、本発明の排気ガス浄化用触媒の製造方法は、上記本発明の排気ガス浄化用触媒を製造する方法であって、下記の(1)〜(3)を含むものである。
(1)スラリー粘度を60〜100psに調整してセル壁と接するコート層を形成するための下層用スラリーを作成する工程。
(2)他のコート層を形成するための上層用スラリーを作成する工程。
(3)セル断面形状が多角形ないしはサイン波形状であるモノリス担体のセル内に、(1)及び(2)工程で得られた下層用スラリー及び上層用スラリーをこの順で、コートし、乾燥し、焼成して、コート層を積層形成する工程。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、コート層のうち少なくともセル壁と接する層を形成するためのスラリーの粘度を所定値にし、コート層のコーナー部位に所定の空孔を設けるなどとしたため、触媒性能を維持ないし向上させつつ、従来よりもコート層形成材料の使用量を削減し得る排気ガス浄化用触媒及びその製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の排気ガス浄化用触媒について詳細に説明する。なお、本明細書及び特許請求の範囲において、「%」は特記しない限り質量百分率を表すものとする。
上述の如く、本発明の排気ガス浄化用触媒は、セル断面形状が多角形ないしはサイン波形状であるモノリス担体のセル内に、2以上のコート層を積層形成して成り、かかるコート層の少なくとも1つの層が触媒コート層であり、且つコート層のうち少なくとも該セル壁と接する層のセルコーナー部位に、最大内径が10〜300μmの空孔を有するものである。
ここで、本発明において「空孔の最大内径」とは、空孔における間隙の最大長さをいう。
また、用いるモノリス担体としては、セルコーナー部位を有する担体であれば、メタル製及びセラミックス製のいずれかに限定されるものではないが、六角形状化が困難であり、従来からプリコート層の形成が必要とされてきたメタル製モノリス担体を用いた場合に、特に顕著な効果を得ることができる。
【0014】
セルコーナー部位のコート層は、例えば、排気ガス浄化性能などの触媒性能を発揮し難いため、セル壁と接する層のセルコーナー部位に最大内径が10〜300μmの空孔を設けることにより、触媒の排気ガス浄化性能をほぼ維持したまま、コート層形成材料の使用量を削減することができる。
また、コート層形成材料の使用量を削減することによって、排気ガス浄化用触媒の熱容量が低下するため、触媒の昇温特性を向上させることが可能となる。これにより、排気ガス浄化性能をより向上させることができる。
【0015】
形成される空孔の最大内径が、10μm未満の場合には、コート層形成材料の使用量を十分削減するには至らず、また、触媒の昇温特性を十分に向上させることができない可能性がある。
一方、形成される空孔の最大内径が、300μmを超える場合には、コート層の形成が十分にできず、また、プリコート層を設けた場合とほぼ同じ程度の剥離抑制効果を得ることができず、触媒の排気ガス浄化性能が低下する可能性がある。
触媒の排気ガス浄化性能向上及びコート層形成材料使用量の削減という双方の観点から、空孔の最大内径は50〜250μmであることが好ましく、150〜250μmであることがより好ましい。
【0016】
また、2以上のコート層のうち少なくとも1つの層が、触媒コート層であれば他の層は特に限定されるものではなく、全ての層が触媒コート層であってもよい。また、触媒成分を含まないプリコート層や排気ガス中のHCやNOxをトラップする吸着材を含有する層であってもよい。
【0017】
即ち、本発明の排気ガス浄化用触媒は、種々の成分を含み、種々の積層構造を有するものとすることができる。
例えば、排気ガス中のHC、CO又はNOx及びこれらの任意の組み合わせに係る成分を効果的に浄化する触媒に適用することができるだけでなく、HCやNOxを吸着・浄化する触媒や排気ガス中のH/CO比を向上させるような触媒にも適用することができる。
【0018】
一方で、本発明の2以上のコート層が全て同一成分及び同一濃度の触媒コート層であってもよく、その場合は、セル壁に接する層がセルコーナー部位に所定の空孔を有することのみが異なるため、2以上のコート層が積層形成されていない、つまり単一層の触媒コート層が形成されているとも考えられるが、上述の如く特別な場合として、本発明の範囲に属することとしても疑義を生じないであろう。
【0019】
ここで、本発明の排気ガス浄化用触媒を図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の排気ガス浄化用触媒のセル断面形状の一例を示す部分拡大図である。同図に示すようにモノリス担体のセル10内に、コート層20が積層形成されており、コート層20は、プリコート層22と触媒コート層24を備える。また、セル壁12に接する層(プリコート層22)はセルコーナー部位Cに空孔Vを有する。
なお、「セルコーナー部位」とは、セルコーナー近傍であって、従来方法によりコート層を形成した場合に、コート層厚みが比較的厚い範囲をいう。
このように、セルコーナー部位に空孔を有するプリコート層を設けることにより、その上に積層形成される触媒コート層が均一に形成され易く且つGSAが小さくなるため、触媒コート層が排気ガス浄化性能を十分に発揮することができ、触媒性能を向上させることが可能となる。
【0020】
本発明の排気ガス浄化用触媒において、ガス流れ方向に対してほぼ垂直な任意のセル断面における、コート層の断面積に対する空孔の断面積の割合(空孔断面積/コート層断面積×100)が20〜90%であることが好ましく、50〜80%であることがより好ましく、60〜80%であることが特に好ましい。
空孔占有率(空孔断面積/コート層断面積×100)が20%未満であると、コート層形成材料の削減が十分でなく、90%を超えるとコート層の形成が十分にできず、触媒の浄化性能を低下させてしまう場合がある。
【0021】
次に、本発明の排気ガス浄化用触媒の製造方法について説明する。
上述の如く、本発明の排気ガス浄化用触媒の製造方法は、上記本発明の排気ガス浄化用触媒を製造する方法であって、下記の(1)〜(3)を含むものである。
(1)スラリー粘度を60〜100psに調整してセル壁と接するコート層を形成するための下層用スラリーを作成する工程。
(2)他のコート層を形成するための上層用スラリーを作成する工程。
(3)セル断面形状が多角形ないしはサイン波形状であるモノリス担体のセル内に、(1)及び(2)工程で得られた下層用スラリー及び上層用スラリーをこの順で、コートし、乾燥し、焼成して、コート層を積層形成する工程。
【0022】
下層用スラリーのスラリー粘度を60〜100psとすることによって、コート層のセルコーナー部位に最大内径が10〜300μmの空孔を形成することができ、意図的な空孔形成の観点から、70〜100psとすることが好ましい。
また、上層用スラリーの粘度は特に限定されるものではないが、下層用スラリーに対して比較的低粘度であるスラリーを用いることが均一な触媒コート層を積層形成し易いという観点から好ましい。例えば、粘度を40〜50psとすることが好ましく、30〜40psとすることが特に好ましい。
【0023】
ここで、スラリー粘度は、例えばスラリー酸量を調整することによって制御することができる。
図2は、硝酸添加量とスラリー粘度の関係を示したグラフである。なお、横軸の硝酸添加量は、コート層形成材料の固形分1000(g)に対しての硝酸の添加量(g)である。硝酸の添加量が30g以下の場合には、スラリー粘度は添加量を減らすに従って増加する傾向がある。25g以下において、特に所望の空孔(ボイド)が発生し易い。
【0024】
また、本発明において、セルコーナー部位に所定の空孔を有するコート層を形成する際には、上記所定のスラリーを用いることが必要であるが、貴金属や助触媒など触媒成分を担持させる場合には、予め基材に担持させたものでスラリーを作成しコートしても、溶液含浸など従来公知の方法によりコート層形成後に担持してもよいが、スラリーにより担持させる方が、触媒コート層の分散状態を制御し易い。
【実施例】
【0025】
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0026】
(実施例1)
[空孔形成]
Ce3mol%を含むアルミナ粉末(Al97mol%)に、硝酸パラジウム水溶液を含浸或いは高速撹拌中で噴霧し、150℃で24時間乾燥した後、400℃で1時間、次いで、600℃で1時間焼成し、Pd担持アルミナ粉末(粉末a)を得た。この粉末aのPd濃度は4.0%であった。
La1mol%とZr32mol%含有セリウム酸化物粉末(Ce67mol%)に、硝酸パラジウム水溶液を含浸或いは高速撹拌中で噴霧し、150℃で24時間乾燥した後、400℃で1時間、次いで600℃で1時間焼成し、Pd担持セリウム酸化物粉末(粉末b)を得た。この粉末bのPd濃度は2.0%であった。
上記Pd担持アルミナ粉末(粉末a)314g、Pd担持セリウム酸化物粉末(粉末b)314g、硝酸酸性アルミナゾル320g(ベーマイトアルミナ10%に硝酸を20g以下添加調整することによって得られたゾルでAl換算で32g)及び炭酸バリウム51.5g(BaOとして40g)を純水2000gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕して、スラリー液を得た。このスラリー液をモノリス担体(セル数:400セル/4ミル、リブ厚さ:104μm)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて乾燥し、400℃で1時間焼成し、コート層重量150g/Lを塗布し、本例の排気ガス浄化用触媒(三元触媒)を得た。
【0027】
(比較例1)
[プリコート層なし]
Ce3mol%を含むアルミナ粉末(Al97mol%)に、硝酸パラジウム水溶液を含浸或いは高速撹拌中で噴霧し、150℃で24時間乾燥した後、400℃で1時間、次いで、600℃で1時間焼成し、Pd担持アルミナ粉末(粉末a)を得た。この粉末aのPd濃度は4.0%であった。
La1mol%とZr32mol%含有セリウム酸化物粉末(Ce67mol%)に、硝酸パラジウム水溶液を含浸或いは高速撹拌中で噴霧し、150℃で24時間乾燥した後、400℃で1時間、次いで600℃で1時間焼成し、Pd担持セリウム酸化物粉末(粉末b)を得た。この粉末bのPd濃度は2.0%であった。
上記Pd担持アルミナ粉末(粉末a)314g、Pd担持セリウム酸化物粉末(粉末b)314g、硝酸酸性アルミナゾル320g(ベーマイトアルミナ10%に硝酸を30〜40g添加調整することによって得られたゾルでAl換算で32g)及び炭酸バリウム51.5g(BaOとして40g)を純水2000gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕して、スラリー液を得た。このスラリー液をモノリス担体(セル数:400セル/4ミル、リブ厚さ:104μm)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて乾燥し、400℃で1時間焼成し、コート層重量150g/Lを塗布し、本例の排気ガス浄化用触媒(三元触媒)を得た。
【0028】
(比較例2)
[プリコート層あり]
アルミナ粉末と硝酸溶液を磁性ボールミルに投入し、混合粉砕してスラリーを得、このスラリー液をモノリス担体(セル数:400セル/4ミル、リブ厚さ:104μm)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて乾燥し、400℃で1時間焼成し、コート層重量150g/Lを塗布し、最下層(第1層)を形成したモノリス担体を用いた以外は、比較例1と同様の操作を繰り返して、本例の排気ガス浄化用触媒(三元触媒)を得た。
【0029】
[性能評価]
(コールドHC性能評価)
上記各例の排気ガス浄化触媒を下記条件で急速劣化させて、下記の評価条件でHC転化率が50%となる温度(HC/T50(℃))を測定した。得られた結果を表1に示す。
【0030】
(耐久条件)
・エンジン排気量 3000cc
・燃料 無鉛ガソリン
・触媒入口温度 700℃
・耐久時間 100時間
・入口ガス組成 CO :0.5±0.1vol%
:0.5±0.1vol%
HC :1100ppm
NO :1300ppm
CO:15vol%
・A/F変動 5500回(周期65秒/回)
周期:A/F=14.6 ;55秒
:燃料カット ;5秒
:リッチスパイク ;5秒(CO:2vol%)
【0031】
(評価条件)
・エンジン排気量 2400cc
・燃料 無鉛ガソリン
・触媒入口温度150℃から10℃/minで昇温させて400℃までの区間で転化率を計測した。
【0032】
(排気ガス浄化性能評価)
上記各例の排気ガス浄化触媒を上記耐久条件と同条件で急速劣化させて、下記の評価条件でHC転化率、CO転化率及びNOx転化率を測定した。得られた結果を表1に併記する。
【0033】
(評価条件)
・エンジン排気量 2400cc
・燃料 無鉛ガソリン
・触媒入口温度 400℃
・A/F=13.5〜16の範囲で転化率を計測した(振幅は1Hz当たり±1.0)
【0034】
【表1】

【0035】
表1より、HC/T50(℃)の温度に関して、本発明の範囲に属するプリコート層にセルコーナー部位に所定の空孔を設けた実施例1は、本発明外のプリコート層を有さない比較例1に近いものとなり、同じようにプリコート層を有する(所定の空孔を設けていない)比較例2に対して、昇温特性格段に向上していることが分かる。
また、HC、CO及びNOxの転化率ついても、従来と比較して同等以上であることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の排気ガス浄化用触媒のセル断面形状の一例を示す部分拡大図である。
【図2】硝酸添加量とスラリー粘度の関係を示したグラフである。
【符号の説明】
【0037】
10 セル
12 セル壁
20 コート層
22 プリコート層
24 触媒コート層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セル断面形状が多角形ないしはサイン波形状であるモノリス担体のセル内に、2以上のコート層を積層形成して成る排気ガス浄化用触媒であって、
上記コート層のうち少なくとも1つの層が触媒コート層であり、
上記コート層のうち少なくとも上記セル壁と接する層のセルコーナー部位に、最大内径が10〜300μmの空孔を有することを特徴とする排気ガス浄化用触媒。
【請求項2】
ガス流れ方向に対してほぼ垂直な任意のセル断面における、上記コート層の断面積に対する空孔の断面積の割合(空孔断面積/コート層断面積×100)が20〜90%であることを特徴とする請求項1に記載の排気ガス浄化用触媒。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の排気ガス浄化用触媒を製造するに当たり、
(1)スラリー粘度を60〜100psに調整してセル壁と接するコート層を形成するための下層用スラリーを作成し、
(2)他のコート層を形成するための上層用スラリーを作成し、
(3)しかる後、セル断面形状が多角形ないしはサイン波形状であるモノリス担体のセル内に、(1)及び(2)工程で得られた下層用スラリー及び上層用スラリーをこの順で、コートし、乾燥し、焼成して、コート層を積層形成する、
ことを特徴とする排気ガス浄化用触媒の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−159070(P2006−159070A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−352927(P2004−352927)
【出願日】平成16年12月6日(2004.12.6)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】