説明

排気処理装置付きエンジンとその排気処理装置の取り付け方法

【課題】エンジン後上部への排気処理装置の取り付け作業が簡単になる、排気処理装置付きエンジンを提供する。
【解決手段】横他側支持ステー載置面9で横他側支持ステー12の前部12aを案内しながら、切欠き溝20にその開口23から横他側支持ステー締結具13を進入させた場合に、排気処理装置2の横他側部50の荷重によって生じる横他側支持ステー12の回転モーメントを切欠き溝20の縁部21を介して横他側支持ステー締結具13で受け止めて、排気処理装置2の横他側部50の荷重を横他側支持ステー12で支えることができるようにし、横一側支持ステー10に横一側仮載置部22を設けることにより、エンジン排気出口フランジ3や横一側支持ステー10に取り付ける前の排気処理装置2の横一側部4を横一側仮載置部22に一時的に仮載置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排気処理装置付きエンジンとその排気処理装置の取り付け方法に関し、詳しくは、エンジン後上部への排気処理装置の取り付け作業が簡単になる、排気処理装置付きエンジンとその排気処理装置の取り付け方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、排気処理装置付きエンジンとして、クランク軸の架設方向を前後方向、フライホイールのある方を後、エンジンの幅方向を左右横方向とし、エンジンの後上方に横向きの排気処理装置を配置し、エンジンの横一側にエンジン排気出口フランジを配置し、排気処理装置の横一側部に排気入口フランジを配置し、エンジン排気出口フランジに排気入口フランジを排気フランジ締結具で取り付け、エンジン後上部に横一側支持ステー載置面と横他側支持ステー載置面とを設け、横一側支持ステー載置面に横一側支持ステーの前部を載置して、横一側支持ステー締結具で取り付け、横他側ステー載置面に横他側支持ステーの前部を載置して、横他側支持ステー締結具で取り付け、横一側支持ステーと横他側支持ステーとを介して排気処理装置をエンジン後上部に支持したものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この種のエンジンによれば、エンジン後上部のデッドスペースに排気処理装置をコンパクトに配置することができる利点がある。
しかし、この従来技術では、特許文献1の明細書の段落「0022」に記載されているように、横一側支持ステーと横他側支持ステーとがいずれも排気処理装置に溶接されているため、問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−71175号公報(図15、16、18参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
《問題》 エンジン後上部への排気処理装置の取り付け作業が繁雑になる。
前記従来技術では、横一側支持ステーと横他側支持ステーとがいずれも排気処理装置に溶接されているため、エンジン後上部への排気処理装置の取り付け作業中、排気処理装置をクレーン等の外部支持装置で常に支持しておく必要があり、エンジン後上部への排気処理装置の取り付け作業が繁雑になる。
【0006】
本発明の課題は、エンジン後上部への排気処理装置の取り付け作業が簡単になる、排気処理装置付きエンジンとその排気処理装置の取り付け方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(請求項1に係る発明)
請求項1に係る発明の発明特定事項は、次の通りである。
図1(A)(B)に例示するように、クランク軸の架設方向を前後方向、フライホイール(1)のある方を後、エンジンの幅方向を左右横方向とし、
エンジンの後上方に横向きの排気処理装置(2)を配置し、
エンジンの横一側にエンジン排気出口フランジ(3)を配置し、排気処理装置(2)の横一側部(4)に排気入口フランジ(5)を配置し、エンジン排気出口フランジ(3)に排気入口フランジ(5)を排気フランジ締結具(6)(6)(6)で取り付け、
エンジン後上部(7)に横一側支持ステー載置面(8)と横他側支持ステー載置面(9)とを設け、横一側支持ステー載置面(8)に横一側支持ステー(10)の前部(10a)を載置して、横一側支持ステー締結具(11)で取り付け、横他側ステー載置面(9)に横他側支持ステー(12)の前部(12a)を載置して、横他側支持ステー締結具(13)で取り付け、横一側支持ステー(10)と横他側支持ステー(12)とを介して排気処理装置(2)をエンジン後上部(7)に支持した、排気処理装置付きエンジンにおいて、
【0008】
図1(A)(B)に例示するように、横一側支持ステー(10)に横一側支持部(14)(14)を、横他側支持ステー(12)に横他側支持部(15)(15)をそれぞれ設け、
排気処理装置(2)に横一側被支持部(16)(16)と横他側被支持部(17)(17)とを設け、
横一側支持ステー(10)の横一側支持部(14)(14)に排気処理装置(2)の横一側被支持部(16)(16)を横一側被支持部締結具(18)(18)で取り付け、横他側支持ステー(12)の横他側支持部(15)(15)に排気処理装置(2)の横他側被支持部(17)(17)を横他側被支持部締結具(19)(19)で取り付けるに当たり、
【0009】
図1(A)に例示するように、横他側支持ステー(12)の前部(12a)に一端に開口(23)を有する切欠き溝(20)を設け、この切欠き溝(20)に横他側支持ステー載置面(9)に取り付けた横他側支持ステー締結具(13)を挿通することにより、
横他側支持ステー載置面(9)で横他側支持ステー(12)の前部(12a)を案内しながら、切欠き溝(20)にその開口(23)から横他側支持ステー締結具(13)を進入させた場合に、排気処理装置(2)の横他側部(50)の荷重によって生じる横他側支持ステー(12)の回転モーメントを切欠き溝(20)の縁部(21)を介して横他側支持ステー締結具(13)で受け止めて、排気処理装置(2)の横他側部(50)の荷重を横他側支持ステー(12)で支えることができるようにし、
【0010】
図2(A)に例示するように、横一側支持ステー(10)に横一側仮載置部(22)(22)を設けることにより、
エンジン排気出口フランジ(3)や横一側支持ステー(10)に取り付ける前の排気処理装置(2)の横一側部(4)を横一側仮載置部(22)(22)に一時的に仮載置することができるようにした、ことを特徴とする排気処理装置付きエンジン。
【0011】
(請求項11に係る発明)
請求項11に係る発明の発明特定事項は、次の通りである。
請求項1に記載した排気処理装置付きエンジンの排気処理装置(2)をエンジン後上部(7)に取り付ける排気処理装置の取り付け方法であって、
図1(A)(B)に例示するように、横一側支持ステー載置面(8)に横一側支持ステー(10)の前部(10a)を載置して、横一側支持ステー締結具(11)で取り付け、
横他側支持ステー載置面(9)に横他側支持ステー締結具(13)を取り付け、
排気処理装置(2)の横他側被支持部(17)(17)に横他側支持ステー(12)の横他側支持部(15)(15)を横他側被支持部締結具(19)(19)で緩く取り付けて、排気処理装置(2)に横他側支持ステー(12)を揺動可能に連結し、
【0012】
図1(A)に例示するように、横他側支持ステー載置面(9)で横他側支持ステー(12)の前部(12a)を案内しながら、切欠き溝(20)にその開口(23)から横他側支持ステー締結具(13)を進入させることにより、排気処理装置(2)の横他側部(50)の荷重によって生じる横他側支持ステー(12)の回転モーメントを切欠き溝(20)の縁部(21)を介して横他側支持ステー締結具(13)で受け止めて、排気処理装置(2)の横他側部(50)の荷重を横他側支持ステー(12)で支え、
【0013】
図1(B)に例示する横他側支持ステー(12)に支持された横他側被支持部締結具(19)を支点にして、排気処理装置(2)の横一側部(4)を降ろして、エンジン排気出口フランジ(3)や横一側支持ステー(10)に取り付ける前の排気処理装置(2)の横一側部(4)を横一側仮載置部(22)(22)に一時的に仮載置し、
【0014】
図1(B)に例示する横他側支持ステー(12)に支持された横他側被支持部締結具(19)を支点にして、図2(A)に例示する横一側仮載置部(22)(22)に仮載置していた排気処理装置(2)の横一側部(4)を持ち上げ、図1(A)に例示するように、エンジン排気出口フランジ(3)に排気入口フランジ(5)を排気フランジ締結具(6)(6)(6)で取り付ける、ことを特徴とする排気処理装置付きエンジンの排気処理装置の取り付け方法。
【発明の効果】
【0015】
(請求項1に係る発明)
請求項1に係る発明は、次の効果を奏する。
《効果》 エンジン後上部への排気処理装置の取り付け作業が簡単になる。
請求項1に係る発明によれば、請求項11に係る発明の通り、図1(A)(B)に例示するように、エンジン後上部(7)への排気処理装置(2)の取り付け作業中に、排気処理装置(2)の横他側部(50)の荷重を横他側支持ステー(12)で支え、排気処理装置(2)の横一側部(4)の荷重を横一側支持ステー(10)で支えることができるので、排気処理装置(2)はクレーン等の外部支持装置で支持しておく必要はなく、エンジン後上部(7)への排気処理装置(2)の取り付け作業が簡単になる。
【0016】
《効果》 排気処理装置の横他側部の支持作業が簡単である。
請求項1に係る発明によれば、請求項11に係る発明の通り、図1(A)に例示するように、横他側支持ステー載置面(9)で横他側支持ステー(12)の前部(12a)を案内しながら、切欠き溝(20)にその開口(23)から横他側支持ステー締結具(13)を進入させることにより、排気処理装置(2)の横他側部(50)の荷重を横他側支持ステー(12)で支えることができるので、排気処理装置(2)の横他側部(50)の支持作業が簡単である。
【0017】
(請求項2に係る発明)
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 横他側被支持部締結具がエンジンの振動で緩むのを防止することができる。
請求項2に係る発明によれば、請求項12に係る発明の通り、図1(A)(B)に例示するように、横他側支持ステー(12)の横方向の位置調節で、排気処理装置(2)の横他側被支持部(17)(17)の合わせ面(25)(25)に横他側支持ステー(12)の横他側支持部(15)(15)の合わせ面(24)(24)を横側方から重ね合わせ、横他側被支持部締結具(19)(19)は軸線を横向きにして締結することができるので、横他側支持部(15)(15)と横他側被支持部(17)(17)とを両合わせ面(24)(25)が密着する適正な取付姿勢にして、これらを横他側被支持部締結具(19)(19)で両横側から適正に締め付けることができ、横他側被支持部締結具(19)(19)がエンジンの振動で緩むのを防止することができる。
【0018】
(請求項3に係る発明)
請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 後側の横他側被支持部締結具の位置合わせ作業が簡単である。
請求項3に係る発明によれば、請求項13に係る発明の通り、図1(A)(B)に例示するように、エンジン排気出口フランジ(3)への取り付けで上下方向と左右方向の位置決めがなされている排気フランジ締結具(6)で、排気処理装置(2)の横一側部(4)の荷重を支え、前側の丸孔と前後方向長孔の重なり位置で上下方向の位置合わせがなされている前側の横他側被支持部締結具(19)を介して排気処理装置(2)の横他側部(50)の荷重を横他側支持ステー(12)で支え、排気処理装置(2)を前後方向と左右横方向と上下方向が位置決めされた所定の取り付け姿勢に保持し、これにより、図2(B)に例示するように、後側の横他側被支持部締結具(19)が後側の前後方向長孔と上下方向長孔の交差位置に位置合わせされるようにすることができるので、後側の横他側被支持部締結具(19)の位置合わせ作業が簡単である。
【0019】
(請求項4に係る発明)
請求項4に係る発明は、請求項2または請求項3に係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 横一側被支持部締結具がエンジンの振動で緩むのを防止することができる。
請求項4に係る発明によれば、請求項14に係る発明の通り、図1(A)(B)に例示するように、横一側支持ステー(10)の横方向の位置調節で、排気処理装置(2)の横一側被支持部(16)(16)の合わせ面(29)(29)に横一側支持ステー(10)の横一側支持部(14)(14)の合わせ面(28)(28)を横側方から重ね合わせ、横一側被支持部締結具(18)(18)は軸線を横向きにして締結することができるので、横一側支持部(14)(14)と横一側被支持部(16)(16)とを両合わせ面(28)(29)が密着する適正な取付姿勢にして、これらを横一側被支持部締結具(18)(18)で両横側から適正に締め付けることができ、横一側被支持部締結具(18)(18)がエンジンの振動で緩むのを防止することができる。
【0020】
(請求項5に係る発明)
請求項5に係る発明は、請求項4に係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 前後一対の横一側被支持部締結具の位置合わせ作業が簡単である。
請求項5に係る発明によれば、請求項15に係る発明の通り、図1(A)に例示するように、所定の取り付け姿勢に保持した排気処理装置(2)の横一側被支持部(16)(16)の合わせ面(29)(29)に、前後方向に位置合わせした横一側支持ステー(10)の横一側支持部(14)(14)の合わせ面(28)(28)を横側方から重ね合わせることにより、図2(A)に例示するように、前側の上下方向長孔と前後方向長孔の交差位置が位置合わせされるとともに、後側の上下方向長孔と前後方向長孔の交差位置が位置合わせされ、この位置合わせされた前後一対の交差位置に前後一対の横一側被支持部締結具(18)(18)を挿通して取り付け、横一側支持部(14)(14)に横一側被支持部(16)(16)を固定することができるようにしているので、前後一対の横一側被支持部締結具(18)(18)の位置合わせ作業が簡単である。
【0021】
(請求項6に係る発明)
請求項6に係る発明は、請求項2から請求項5のいずれかに係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 排気処理装置がエンジン後上部に安定して支持される。
請求項6に係る発明によれば、請求項16に係る発明の通り、図2(A)(B)に例示するように、排気処理装置(2)の横他側部(50)の荷重によって生じる横他側支持ステー(12)の回転モーメントの一部を横他側支持ステー位置決め片(36)を介してエンジン後面(32)の横他側ステー受圧面(34)で受け止め、排気処理装置(2)の横一側部(4)の荷重によって生じる横一側支持ステー(10)の回転モーメントの一部を横一側支持ステー位置決め片(35)を介してエンジン後面(32)の横一側ステー受圧面(33)で受け止めることができるようにしたので、横他側支持ステー(12)と横一側支持ステー(10)とを介して排気処理装置(2)がエンジン後上部(7)に安定して支持される。
【0022】
(請求項7に係る発明)
請求項7に係る発明は、請求項1から請求項6のいずれかに係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 排気処理装置がエンジン後上部に安定して支持される。
図1(A)(B)、図2(A)(B)に例示するように、所定の連結フランジ(41)(42)から排気処理装置(2)の横一側被支持部(16)(16)と横他側被支持部(17)(17)とを導出したので、高剛性に形成されている連結フランジ(41)(42)を介して排気処理装置(2)がエンジン後上部(7)に安定して支持される。
【0023】
(請求項8に係る発明)
請求項8に係る発明は、請求項7に係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 DPFや排気処理装置のケーシング内のメンテナンスを簡単に行うことができる。
図1(A)(B)に例示するように、DPF収容ケーシング部分(38)から排気入口側ケーシング部分(37)と排気出口側ケーシング部分(39)とを取り外せるようにしたので、DPF(51)や排気処理装置(2)のケーシング内のメンテナンスを簡単に行うことができる。
【0024】
(請求項9に係る発明)
請求項9に係る発明は、請求項8に係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 エンジン搭載機種に適合する排気出口管の突出方向を容易に選択することができる。
図2(B)に例示するように、排気出口側ケーシング部分(39)を上記離間角度単位で周方向にずらし、DPF収容ケーシング部分(38)の連結フランジ(42)の被締結部(46)(46)(46)(46)(46)(46)に、排気出口側ケーシング部分(39)の連結フランジ(43)の被締結部(47)(47)(47)(47)(47)(47)を合わせて、フランジ締結具(45)(45)(45)(45)(45)(45)で、排気出口側ケーシング部分(39)をDPF収容ケーシング部分(38)に連結することにより、排気出口側ケーシング部分(39)の外周面からの排気出口管(44)の突出方向を選択できるようにしたので、エンジン搭載機種に適合する排気出口管(44)の突出方向を自由に選択することができる。
【0025】
(請求項10に係る発明)
請求項10に係る発明は、請求項9に係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 補強片で横他側支持部付近の横他側支持ステーの剛性を高めながらも、補強片と排気出口管との干渉は避けることができる。
図1(B)に例示するように、水平片(48)の横外側縁から横他側支持部(15)と対向する補強部(49)を上向きに折り曲げ形成し、エンジン後方から見て、補強部(49)の位置を排気出口管(44)よりも横内側に位置させたので、補強部(49)で横他側支持部(15)付近の横他側支持ステー(12)の剛性を高めながらも、補強部(49)と排気出口管(44)との干渉は避けることができる。
【0026】
(請求項11に係る発明)
請求項11に係る発明は、次の効果を奏する。
《効果》 エンジン後上部への排気処理装置の取り付け作業が簡単になる。
図1(A)(B)に例示するように、エンジン後上部(7)への排気処理装置(2)の取り付け作業中に、排気処理装置(2)の横他側部(50)の荷重を横他側支持ステー(12)で支え、排気処理装置(2)の横一側部(4)の荷重を横一側支持ステー(10)で支えるので、排気処理装置(2)をクレーン等の外部支持装置で支持しておく必要はなく、エンジン後上部(7)への排気処理装置(2)の取り付け作業が簡単になる。
【0027】
《効果》 排気処理装置の横他側部の支持作業は簡単である。
図1(A)に例示するように、横他側支持ステー載置面(9)で横他側支持ステー(12)の前部(12a)を案内しながら、切欠き溝(20)にその開口(23)から横他側支持ステー締結具(13)を進入させることにより、排気処理装置(2)の横他側部(50)の荷重を横他側支持ステー(12)で支えるので、排気処理装置(2)の横他側部(50)の支持作業は簡単である。
【0028】
(請求項12に係る発明)
請求項12に係る発明は、請求項11に係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 横他側被支持部締結具がエンジンの振動で緩むのを防止することができる。
図1(A)(B)に例示するように、横他側支持ステー(12)の横方向の位置調節で、排気処理装置(2)の横他側被支持部(17)(17)の合わせ面(25)(25)に横他側支持ステー(12)の横他側支持部(15)(15)の合わせ面(24)(24)を横側方から重ね合わせ、軸線を横向きにした横他側被支持部締結具(19)(19)を取り付けるので、横他側支持部(15)(15)と横他側被支持部(17)(17)とを両合わせ面(24)(25)が密着する適正な取付姿勢にして、これらを横他側被支持部締結具(19)(19)で両横側から適正に締め付けることができ、横他側被支持部締結具(19)(19)がエンジンの振動で緩むのを防止することができる。
【0029】
(請求項13に係る発明)
請求項13に係る発明は、請求項12に係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 後側の横他側被支持部締結具の位置合わせ作業が簡単である。
図1(A)(B)に例示するように、エンジン排気出口フランジ(3)への取り付けで上下方向と左右方向の位置決めがなされている排気フランジ締結具(6)で、排気処理装置(2)の横一側部(4)の荷重を支え、前側の丸孔と前後方向長孔の重なり位置で上下方向の位置合わせがなされている前側の横他側被支持部締結具(19)を介して排気処理装置(2)の横他側部(50)の荷重を横他側支持ステー(12)で支え、排気処理装置(2)を前後方向と左右横方向と上下方向が位置決めされた所定の取り付け姿勢に保持し、これにより、図2(B)に例示するように、後側の横他側被支持部締結具(19)が後側の前後方向長孔と上下方向長孔の交差位置に位置合わせされるので、後側の横他側被支持部締結具(19)の位置合わせ作業が簡単である。
【0030】
(請求項14に係る発明)
請求項14に係る発明は、請求項12または請求項13に係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 横一側被支持部締結具がエンジンの振動で緩むのを防止することができる。
図1(A)(B)に例示するように、横一側支持ステー(10)の横方向の位置調節で、排気処理装置(2)の横一側被支持部(16)(16)の合わせ面(29)(29)に横一側支持ステー(10)の横一側支持部(14)(14)の合わせ面(28)(28)を横側方から重ね合わせ、横一側被支持部締結具(18)(18)は軸線を横向きにして取り付けるので、横一側支持部(14)(14)と横一側被支持部(16)(16)とを両合わせ面(28)(29)が密着する適正な取付姿勢にして、これらを横一側被支持部締結具(18)(18)で両横側から適正に締め付けることができ、横一側被支持部締結具(18)(18)がエンジンの振動で緩むのを防止することができる。
【0031】
(請求項15に係る発明)
請求項15に係る発明は、請求項14に係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 前後一対の横一側被支持部締結具の位置合わせ操作が簡単である。
図1(A)に例示するように、所定の取り付け姿勢に保持した排気処理装置(2)の横一側被支持部(16)(16)の合わせ面(29)(29)に、前後方向に位置合わせした横一側支持ステー(10)の横一側支持部(14)(14)の合わせ面(28)(28)を横側方から重ね合わせることにより、図2(A)に例示するように、前側の上下方向長孔と前後方向長孔の交差位置が位置合わせされるとともに、後側の上下方向長孔と前後方向長孔の交差位置が位置合わせされ、この位置合わせされた前後一対の交差位置に前後一対の横一側被支持部締結具(18)(18)を挿通して取り付け、横一側支持部(14)(14)に横一側被支持部(16)(16)を固定するようにしたので、前後一対の横一側被支持部締結具(18)(18)の位置合わせ作業が簡単である。
【0032】
(請求項16に係る発明)
請求項16に係る発明は、請求項12から請求項15のいずれかに係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 排気処理装置がエンジン後上部に安定して支持される。
請求項16に係る発明によれば、図2(A)(B)に例示するように、排気処理装置(2)の横他側部(50)の荷重によって生じる横他側支持ステー(12)の回転モーメントの一部を横他側支持ステー位置決め片(36)を介してエンジン後面(32)の横他側ステー受圧面(34)で受け止め、排気処理装置(2)の横一側部(4)の荷重によって生じる横一側支持ステー(10)の回転モーメントの一部を横一側支持ステー位置決め片(35)を介してエンジン後面(32)の横一側ステー受圧面(33)で受け止めるので、横他側支持ステー(12)と横一側支持ステー(10)とを介して排気処理装置(2)がエンジン後上部(7)に安定して支持される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】図1(A)は本発明の実施形態に係る排気処理装置付き立形エンジンの排気処理装置とその付近の模式平面図、図1(B)は模式後面図である。
【図2】図2(A)は図1(B)を左側から見た図、図2(B)は図1(B)を右側から見た図である。
【図3】図3(A)は本発明の実施形態に係る排気処理装置付き立形エンジンで用いる第1支持ステーの平面図、図3(B)は図3(A)のB方向矢視図、図3(C)は図3(A)のC方向矢視図、図3(D)は図3(A)のD方向矢視図、図3(E)は図3(A)のE方向矢視図である。
【図4】図4(A)は本発明の実施形態に係る排気処理装置付き立形エンジンで用いる第2支持ステーの平面図、図4(B)は図4(A)のB方向矢視図、図4(C)は図4(A)のC方向矢視図、図4(D)は図4(A)のD方向矢視図、図4(E)は図4(A)のE方向矢視図である。
【図5】本発明の実施形態に係る排気処理装置付き立形エンジンの後面図である。
【図6】図5のエンジンの平面図である。
【図7】図5のエンジンの横一側面図である。
【図8】図5のエンジンの横他側面図である。
【図9】図5のエンジンの前面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1〜図9は本発明の実施形態に係る排気処理装置付きエンジンを説明する図であり、この実施形態では、DPF(51)を収容した排気処理装置付き直列多気筒立形ディーゼルエンジンについて説明する。
図1(A)(B)に示すように、クランク軸の架設方向を前後方向、フライホイール(1)のある方を後、エンジンの幅方向を左右横方向とする。
図7に示すように、シリンダブロック(53)の上部のシリンダヘッド(54)を組み付け、シリンダヘッド(54)の上部にヘッドカバー(55)を組み付け、シリンダブロック(53)の前部にギヤケース(56)を組み付け、ギヤケース(56)の前方にエンジン冷却ファン(67)を配置し、シリンダブロック(53)の後部にフライホイールハウジング(57)を組み付け、シリンダブロック(53)の下部にオイルパン(58)を組み付けている。
図6に示すように、シリンダヘッド(54)の左側に排気マニホルド(59)を組み付け、シリンダヘッド(54)の右側に吸気マニホルド(73)を組み付け、排気マニホルド(59)の上部に過給器(60)を組み付けている。
【0035】
実施形態の以下の説明では、横一側は左側を、横他側方は右側を意味する。
図1(A)(B)に示すように、エンジンの後上方に横向きの排気処理装置(2)を配置している。
エンジンの横一側にエンジン排気出口フランジ(3)を配置し、排気処理装置(2)の横一側部(4)に排気入口フランジ(5)を配置し、エンジン排気出口フランジ(3)に排気入口フランジ(5)を排気フランジ締結具(6)(6)(6)で取り付けている。
エンジン排気出口フランジ(3)は、過給機(60)に取り付けたエンジン排気出口管(71)の後端に設け、排気入口フランジ(5)は排気処理装置(2)の横一端部(4)から前側に導出した排気入口管(72)の前端に設けている。
エンジン後上部(7)に横一側支持ステー載置面(8)と横他側支持ステー載置面(9)とを設け、横一側支持ステー載置面(8)に横一側支持ステー(10)の前部(10a)を載置して、横一側支持ステー締結具(11)で取り付け、横他側ステー載置面(9)に横他側支持ステー(12)の前部(12a)を載置して、横他側支持ステー締結具(13)で取り付け、横一側支持ステー(10)と横他側支持ステー(12)とを介して排気処理装置(2)をエンジン後上部(7)に支持している。
【0036】
図1(B)に示すように、排気処理装置(2)の内部にDOC(52)とDPF(51)とを収容している。DOC(52)は上流側に、DPF(51)は下流側にそれぞれ配置している。
DOC(52)はディーゼル酸化触媒の略称、DPF(51)はディーゼル・バティキュレート・フィルタの略称である。
排気処理装置(2)では、DPF(51)で排気中に含まれるPM(粒子状物質)を捕捉するとともに、燃焼室から吹き抜けた未燃燃料や排気経路中に噴射した未燃燃料をDOC(52)で酸化させ、その酸化熱で排気の温度を上昇させ、DPF(51)に堆積したPMを焼却して、DPF(51)の再生を図るようになっている。
排気処理装置(2)は、排気マフラや触媒コンバータであってもよい。
【0037】
図1(A)(B)に示すように、横一側支持ステー(10)に横一側支持部(14)(14)を、横他側支持ステー(12)に横他側支持部(15)(15)をそれぞれ設けている。
排気処理装置(2)に横一側被支持部(16)(16)と横他側被支持部(17)(17)とを設けている。
横一側支持ステー(10)の横一側支持部(14)(14)に排気処理装置(2)の横一側被支持部(16)(16)を横一側被支持部締結具(18)(18)で取り付け、横他側支持ステー(12)の横他側支持部(15)(15)に排気処理装置(2)の横他側被支持部(17)(17)を横他側被支持部締結具(19)(19)で取り付けるに当たり、次のようにしている。
【0038】
図1(A)に例示するように、横他側支持ステー(12)の前部(12a)に一端に開口(23)を有する切欠き溝(20)を設け、この切欠き溝(20)に横他側支持ステー載置面(9)に取り付けた横他側支持ステー締結具(13)を挿通する。
これにより、横他側支持ステー載置面(9)で横他側支持ステー(12)の前部(12a)を案内しながら、切欠き溝(20)にその開口(23)から横他側支持ステー締結具(13)を進入させた場合に、排気処理装置(2)の横他側部(50)の荷重によって生じる横他側支持ステー(12)の回転モーメントを切欠き溝(20)の縁部(21)を介して横他側支持ステー締結具(13)で受け止めて、排気処理装置(2)の横他側部(50)の荷重を横他側支持ステー(12)で支えることができるようにしている。
【0039】
図2(A)に示すように、横一側支持ステー(10)に横一側仮載置部(22)(22)を設ける。
これにより、エンジン排気出口フランジ(3)や横一側支持ステー(10)に取り付ける前の排気処理装置(2)の横一側部(4)を横一側仮載置部(22)(22)に一時的に載置することができるようにしている。
排気処理装置(2)の横一側部(4)の荷重によって生じる横一側支持ステー(10)の回転モーメントを後述する締結具挿通孔(62)の縁部を介して横一側支持ステー締結具(11)で受け止めて、排気処理装置(2)の横一側部(4)の荷重を横一側支持ステー(10)で支える。
図1(A)(B)に示すように、排気フランジ締結具(6)(6)(6)はボルトであり、排気入口フランジ(5)のボルト挿通孔(5a)(5a)(5a)を貫通し、エンジン排気出口フランジ(3)のネジ孔にネジ嵌合させている。ボルト挿通孔(5a)(5a)(5a)は、角度毎に排気入口フランジ(5)の周方向に120°の離隔角度で3個配置され、排気フランジ締結具(6)(6)(6)も3個配置されている。
横一側支持ステー締結具(11)はボルトであり、横一側支持ステー(10)の前部(10a)の締結具挿通孔を貫通して、横一側支持ステー載置面(8)のネジ孔にネジ嵌合させている。
横一側被支持部締結具(18)(18)と横他側被支持部締結具(19)(19)は、いずれもボルトナットである。
【0040】
図1(A)(B)に例示するように、横他側支持ステー(12)の切欠き溝(20)を横向きに形成する。
これにより、前記横他側支持ステー載置面(9)への前記横他側支持ステー(12)の前部(12a)の載置に当たり、切欠き溝(20)にその開口(23)から横他側支持ステー締結具(13)を横向きに進入させ、横他側支持ステー(12)の横方向の位置を調節可能としている。
切欠き溝(20)は、前後方向水平軸線であるクランク軸軸線(70)と直交する横方向水平軸線と平行な向きである。開口(23)は、切欠き溝(20)の横他側に設けられている。
図1(A)に示すように、エンジン排気出口フランジ(3)を後向きに形成し、排気入口フランジ(5)を前向きに形成している。
これにより、前記エンジン排気出口フランジ(3)への排気入口フランジ(5)の取り付けに当たり、エンジン排気出口フランジ(3)と排気入口フランジ(5)との間にガスケット(3a)を挟み、エンジン排気出口フランジ(3)に排気入口フランジ(5)を排気フランジ締結具(6)(6)(6)で取り付けた場合に、排気処理装置(3)の前後方向の位置決めがなされるようにしている。
【0041】
図1(A)(B)に例示するように、エンジン後面(32)に横他側ステー受圧面(34)を設け、横他側支持ステー(12)に横他側支持ステー位置決め片(36)を設ける。
これにより、横他側ステー受圧面(34)に横他側支持ステー位置決め片(36)を後側から接当させた場合に、横他側支持ステー(12)の前後方向の位置決めがなされるようにしている。
エンジン排気出口フランジ(3)、排気入口フランジ(5)、横他側ステー受圧面(34)、横他側支持ステー位置決め片(36)は、いずれも前後方向水平軸線であるクランク軸軸線(70)と直交する前後向き垂直面と平行な向きである。
【0042】
図1(A)(B)に例示するように、横他側支持ステー(12)の横他側支持部(15)(15)に合わせ面(24)(24)を、排気処理装置(2)の横他側被支持部(17)(17)に合わせ面(25)(25)をそれぞれ設け、両合わせ面(24)(25)を横側方に向けて相互に対向させる。
これにより、横他側支持ステー(12)の横方向の位置調節で、排気処理装置(2)の横他側被支持部(17)(17)の合わせ面(25)(25)に横他側支持ステー(12)の横他側支持部(15)(15)の合わせ面(24)(24)を横側方から重ね合わせることができるようにしている。
横他側被支持部締結具(19)(19)は軸線を横向きにして締結することができるようにしている。
両合わせ面(24)(25)は、前後方向の軸線に対して直交する垂直面に沿う向きに形成されている。
【0043】
図1(B)に示すように、前後一対の横他側被支持部締結具(19)(19)を設けている。
前側の横他側被支持部締結具(19)を挿通する横他側被支持部(17)の締結具挿通孔(26)と、横他側支持部(15)の締結具挿通孔(27)のうち、前者を前後方向長孔とし、後者を丸孔として、これらを横に重ね、この前側の前後方向長孔と丸孔とが重なる位置に前側の横他側被支持部締結具(19)を収めている。
前者を丸孔とし、後者を前後方向長孔としてもよい。
前後方向長孔は前後方向水平軸線であるクランク軸軸線(70)と平行な向きである。
【0044】
後側の横他側被支持部締結具(19)を挿通する横他側被支持部(17)の締結具挿通孔(26)と、横他側支持部(15)の締結具挿通孔(27)のうち、前者を前後方向長孔とし、後者を上下方向長孔として、これらを交差させて横に重ね、この後側の前後方向長孔と上下方向長孔とが交差する位置に後側の横他側被支持部締結具(19)を収めている。
前者を上下方向長孔とし、後者を前後方向長孔としてもよい。
前後方向長孔は前後方向水平軸線であるクランク軸軸線(70)と平行な向き、上下方向長孔は垂直軸線と平行な向きである。
【0045】
図1(A)に例示するように、横一側支持ステー(10)の前部(10a)に左右方向長孔の締結具挿通孔(62)を設ける。
これにより、前記横一側支持ステー載置面(8)への横一側支持ステー(10)の前部(10a)の載置に当たり、左右方向長孔の締結具挿通孔(62)に横一側支持ステー締結具(11)を挿通させ、この横一側支持ステー締結具(11)で横一側支持ステー載置面(8)に横一側支持ステー(10)を横方向の位置調節可能に取り付けることができるようにしている。
図1(A)(B)に示すように、エンジン後面(32)に横一側ステー受圧面(33)を設け、横一側支持ステー(10)の前部(10a)に横一側支持ステー位置決め片(35)を設けている。
これにより、横一側ステー受圧面(33)に横一側支持ステー位置決め片(35)を後側から接当させた場合に、横一側支持ステー(10)の前後方向の位置決めがなされるようにしている。
横一側ステー受圧面(33)、横一側支持ステー位置決め片(35)は、いずれもいずれも前後方向水平軸線であるクランク軸軸線(70)と直交する前後向き垂直面と平行な向きである。
【0046】
図1(A)(B)に示すように、横一側支持ステー(10)の横一側支持部(14)(14)に合わせ面(28)(28)を、排気処理装置(2)の横一側被支持部(16)(16)に合わせ面(29)(29)をそれぞれ設け、両合わせ面(28)(29)を横側方に向けて相互に対向させている。
これにより、横一側支持ステー(10)の横方向の位置調節で、排気処理装置(2)の横一側被支持部(16)(16)の合わせ面(29)(29)に横一側支持部(14)(14)の合わせ面(28)(28)を横側方から重ね合わせることができるようにしている。
横一側被支持部締結具(18)(18)は軸線を横向きにして取り付けることができるようにしている。
両合わせ面(28)(29)は、左右横方向の軸線に対して直交する垂直面に沿う向きに形成されている。
【0047】
図2(A)に示すように、前後一対の横一側被支持部締結具(18)(18)を設けている。
前側の横一側被支持部締結具(18)を挿通する横一側被支持部(16)の締結具挿通孔(30)と、横一側支持部(14)の締結具挿通孔(31)のうち、前者を前後方向長孔、後者を上下方向長孔として、これらを交差させて横に重ね、この前側の前後方向長孔と上下方向長孔とが交差する位置に前側の横一側被支持部締結具(18)を収めている。
前者を上下方向長孔とし、後者を前後方向長孔としてもよい。
前後方向長孔は前後方向水平軸線であるクランク軸軸線(70)と平行な向き、上下方向長孔は垂直軸線と平行な向きである。
【0048】
後側の横一側被支持部締結具(18)を挿通する横一側被支持部(16)の締結具挿通孔(30)と、横一側支持部(14)の締結具挿通孔(31)のうち、前者を前後方向長孔、後者を上下方向長孔として、これらを交差させて横に重ね、この後側の前後方向長孔と上下方向長孔とが交差する位置に後側の横一側被支持部締結具(18)を収めている。
前者を上下方向長孔とし、後者を前後方向長孔としてもよい。
前後方向長孔は前後方向水平軸線であるクランク軸軸線(70)と平行な向き、上下方向長孔は垂直軸線と平行な向きである。
【0049】
図1(A)(B)に示すように、排気処理装置(2)の横他側部(50)の荷重によって生じる横他側支持ステー(12)の回転モーメントの一部を横他側支持ステー位置決め片(36)を介してエンジン後面(32)の横他側ステー受圧面(34)で受け止め、排気処理装置(2)の横一側部(4)の荷重によって生じる横一側支持ステー(10)の回転モーメントの一部を横一側支持ステー位置決め片(35)を介してエンジン後面(32)の横一側ステー受圧面(33)で受け止めることができるようにしている。
【0050】
図3(A)−(E)に示すように、横一側支持ステー(10)は、水平板(64)の左縁部から下向きに左垂直板(61)を折り曲げて形成し、左垂直板(61)の後端縁から左向きに横一側支持ステー位置決め片(35)を折り曲げて形成し、水平板(64)の右縁部から上向きに前後一対の横一側支持部(14)(14)と横一側仮載置部(22)(22)を折り曲げて形成している。横一側支持ステー(10)の前部(10a)には締結具挿通孔(62)を設け、この締結具挿通孔(62)は左右方向長孔で形成している。横一側支持部(14)(14)にも締結具挿通孔(31)(31)を設け、この締結具挿通孔(31)(31)は上下方向長孔で形成している。横一側支持ステー位置決め片(35)にも締結具挿通孔(63)を設け、この締結具挿通孔(63)は左右方向長孔で形成している。
【0051】
図4(A)−(E)に示すように、横他側支持ステー(12)は、水平板(48)の左縁部から上向きに前後一対の横他側支持部(15)(15)を折り曲げて形成している。横他側支持部(15)(15)には締結具挿通孔(27)(27)を設け、前側の締結具挿通孔(27)は丸孔、後側の締結具挿通孔(27)は上下方向長孔である。前側の横他側支持部(15)には締結具挿通孔(27)と同心の締結ナット(66)を溶接で固定している。この締結ナット(66)は、ボルトと組み合わせて、横他側被支持部締結具(19)を構成する。
横他側支持ステー(12)の前部(12a)は後部よりも幅広に形成し、右側に開口(23)のある切欠き溝(20)を設け、前部の後縁部から下向きに横他側支持ステー位置決め片(36)を折り曲げ形成している。この横他側支持ステー位置決め片(36)に締結具挿通孔(64)を設け、この締結具挿通孔(64)は左右方向長孔で形成している。
【0052】
図1(A)(B)に示すように、排気処理装置(2)のケーシングを分割可能な複数のケーシング部分(37)(38)(39)で構成し、複数のケーシング部分(37)(38)(39)の分割箇所に連結フランジ(40)(41)(42)(43)を設けている。
図1(A)(B)、図2(A)(B)に示すように、連結フランジ(41)(42)から排気処理装置(2)の横一側被支持部(16)(16)と横他側被支持部(17)(17)とを導出している。
この連結フランジ(41)(42)は、後述するDPF収容ケーシング部分(38)の両端の連結フランジである。
排気入口フランジ(5)の連結フランジ(40)や排気出口側ケーシング部分(39)の連結フランジ(43)から排気処理装置(2)の横一側被支持部(16)(16)と横他側被支持部(17)(17)とを導出してもよい。
【0053】
図1(A)(B)に示すように、排気処理装置(2)のケーシングを、排気入口フランジ(5)を備えた排気入口側ケーシング部分(37)とDPF収容ケーシング部分(38)と排気出口管(44)を備えた排気出口側ケーシング部分(39)とで構成している。
図1(A)(B)に示すように、DPF収容ケーシング部分(38)から排気入口側ケーシング部分(37)と排気出口側ケーシング部分(39)とを取り外せるようにしている。
【0054】
図1(B)、図2(B)に示すように、排気出口側ケーシング部分(39)の外周面から排気出口管(44)を突出させ、DPF収容ケーシング部分(38)と排気出口側ケーシング部分(39)との分割箇所の連結フランジ(42)(43)を複数のフランジ締結具(45)(45)(45)(45)(45)(45)の締結で連結している。
図2(B)に示すように、DPF収容ケーシング部分(38)の連結フランジ(42)にその周方向に等しい離間角度で複数の被締結部(46)(46)(46)(46)(46)(46)を配置し、排気出口側ケーシング部分(39)の連結フランジ(43)にその周方向に等しい離間角度で複数の被締結部(47)(47)(47)(47)(47)(47)を配置している。
【0055】
図2(B)に示すように、排気出口側ケーシング部分(39)を上記離間角度単位で周方向にずらし、DPF収容ケーシング部分(38)の連結フランジ(42)の被締結部(46)(46)(46)(46)(46)(46)に、排気出口側ケーシング部分(39)の連結フランジ(43)の被締結部(47)(47)(47)(47)(47)(47)を合わせて、フランジ締結具(45)(45)(45)(45)(45)(45)の締結で、排気出口側ケーシング部分(39)をDPF収容ケーシング部分(38)に連結することにより、排気出口側ケーシング部分(39)の外周面からの排気出口管(44)の突出方向を選択できるようにしている。
【0056】
図1(B)、図4(A)−(E)に示すように、横他側支持ステー(12)に水平片(48)を設け、この水平片(48)の横内側縁から横他側支持部(15)を上向きに折り曲げ形成するに当たり、次のようにしている。
図1(B)に示すように、水平片(42)の横外側縁から横他側支持部(15)と対向する補強部(49)を上向きに折り曲げ形成し、エンジン後方から見て、補強部(49)の位置を排気出口管(44)よりも横内側に位置させている。
【0057】
DPF収容ケーシング部分(38)と排気入口側ケーシング部分(37)との分割箇所の連結フランジ(40)(41)を複数のフランジ締結具(65)(65)(65)(65)(65)(65)の締結で連結している。各フランジ締結具(65)は連結フランジ(40)(41)の周方向に等しい離間角度で配置している。
【0058】
次に、このエンジンのエンジン後上部(7)への排気処理装置(2)の取付方法について説明する。
図1(A)(B)に示すように、横一側支持ステー載置面(8)に横一側支持ステー(10)の前部(10a)を載置して、横一側支持ステー締結具(11)で取り付ける。
横一側ステー受圧面(33)に横一側支持ステー位置決め片(35)を後側から接当させて、横一側位置決め片締結具(68)で取り付ける。
横他側支持ステー載置面(9)に横他側支持ステー締結具(13)を取り付ける。
排気処理装置(2)の横他側被支持部(17)(17)に横他側支持ステー(12)の横他側支持部(15)(15)を横他側被支持部締結具(19)(19)で緩く取り付けて、排気処理装置(2)に横他側支持ステー(12)を揺動可能に連結する。
【0059】
図1(A)に示すように、横他側支持ステー載置面(9)で横他側支持ステー(12)の前部(12a)を案内しながら、切欠き溝(20)にその開口(23)から横他側支持ステー締結具(13)を進入させることにより、排気処理装置(2)の横他側部(50)の荷重によって生じる横他側支持ステー(12)の回転モーメントを切欠き溝(20)の縁部(21)を介して横他側支持ステー締結具(13)で受け止めて、排気処理装置(2)の横他側部(50)の荷重を横他側支持ステー(12)で支える。
横他側ステー受圧面(34)に横他側支持ステー位置決め片(36)を後側から接当させて、横一側位置決め片締結具(69)で取り付ける。
【0060】
図2(B)に示す横他側支持ステー(12)に支持された前側の横他側被支持部締結具(19)を支点にして、排気処理装置(2)の横一側部(4)を降ろして、エンジン排気出口フランジ(3)や横一側支持ステー(10)に取り付ける前の排気処理装置(2)の横一側部(4)を横一側仮載置部(22)(22)に一時的に仮載置する。
排気処理装置(2)の横一側部(4)の載置は、排気入口側ケーシング部分(37)とDPF収容ケーシング部分(38)との分割箇所の連結フランジ(40)(41)を連結する下側の前後一対のフランジ締結具(65)(65)を横一側仮載置部(22)(22)に載置して行う。
【0061】
図1(B)に示す横他側支持ステー(12)に支持された前側の横他側被支持部締結具(19)を支点にして、図2(A)に例示する横一側仮載置部(22)(22)に仮載置していた排気処理装置(2)の横一側部(4)を持ち上げ、図1(A)に例示するように、エンジン排気出口フランジ(3)に排気入口フランジ(5)を排気フランジ締結具(6)(6)(6)で取り付ける。
【0062】
具体的には次のようにする。
前記横他側支持ステー載置面(9)への前記横他側支持ステー(12)の前部(12a)の載置に当たり、図1(A)に例示するように、切欠き溝(20)にその開口(23)から横他側支持ステー締結具(13)を横向きに進入させ、横他側支持ステー(12)を横方向の位置調節可能としている。
図1(A)に例示するように、前記エンジン排気出口フランジ(3)への排気入口フランジ(5)の取り付けに当たり、エンジン排気出口フランジ(3)と排気入口フランジ(5)との間にガスケット(3a)を挟み、エンジン排気出口フランジ(3)に排気入口フランジ(5)を排気フランジ締結具(6)(6)(6)で取り付けて、排気処理装置(3)の前後方向の位置決めをする。
エンジン排気出口フランジ(3)への排気入口フランジ(5)の取り付けは、排気フランジ締結具(6)(6)(6)の仮締結で行う。このため、排気フランジ締結具(6)(6)(6)と排気入口フランジ(5)のボルト挿通孔(5a)とのガタにより、排気処理装置(2)の横他端部(50)は、いずれかの排気フランジ締結具(6)を支点にして揺動可能となっている。
仮締結とは、被締結物が締結具の締め付け方向には動かないが、締め付け方向と直交する方向には摺動できる締結状態をいう。
これに対し、後述する本締結とは、被締結物が締結具の締め付け方向には動かないことはもとより、締め付け方向と直交する方向にも摺動できない締結状態をいう。
【0063】
図1(A)(B)に例示するように、横他側ステー受圧面(34)に横他側支持ステー位置決め片(36)を後側から接当させて、横他側支持ステー(12)の前後方向の位置決めをする。
図1(A)(B)に例示するように、この横他側支持ステー(12)の横方向の位置調節で、排気処理装置(2)の横他側被支持部(17)(17)の合わせ面(25)(25)に横他側支持ステー(12)の横他側支持部(15)(15)の合わせ面(24)(24)を横側方から重ね合わせる。
横他側被支持部締結具(19)(19)は軸線を横向きにして締結する。
この締結は仮締結で行う。
【0064】
図1(A)(B)に例示するように、エンジン排気出口フランジ(3)への取り付けで上下方向と左右方向の位置決めがなされている排気フランジ締結具(6)で、排気処理装置(2)の横一側部(4)の荷重を支え、前側の丸孔と前後方向長孔の重なり位置で上下方向の位置合わせがなされている前側の横他側被支持部締結具(19)を介して排気処理装置(2)の横他側部(50)の荷重を横他側支持ステー(12)で支える。
排気処理装置(2)を前後方向と左右横方向と上下方向が位置決めされた所定の取り付け姿勢に保持する。
これにより、図2(B)に例示するように、後側の横他側被支持部締結具(19)が後側の前後方向長孔と上下方向長孔の交差位置に位置合わせされる。
その後、前後一対の横他側被支持部締結具(19)(19)の締結を強めて、横他端側支持部(15)(15)に横他側被支持部(17)(17)を固定する。
この締結は本締結で行う。
横他側支持ステー(12)の前後方向の位置決めや、横方向の位置合わせ中は、締結具は仮締結しておき、位置決めや位置合わせが終了したら、締結具を本締結する。
具体的な締結の手順の一例は、次の通りである。
前側の横他側被支持部締結具(19)の仮締結、後側の横他側被支持部締結具(19)の仮締結、横他側支持ステー締結具(13)の仮締結を順に行い、横他側支持ステー(12)の前後方向の位置決めや、横方向の位置合わせを行った後、横他側位置決め片締結具(69)の本締結、横他側支持ステー締結具(13)の本締結、前側の横他側被支持部締結具(19)の本締結、後側の横他側被支持部締結具(19)の本締結を順に行う。
その後、排気フランジ締結具(6)(6)(6)の本締結を行う。
【0065】
前記横一側支持ステー載置面(8)への横一側支持ステー(10)の前部(10a)の載置に当たり、次のようにする。
図1(A)に例示するように、左右方向長孔の締結具挿通孔(62)に横一側支持ステー締結具(11)を挿通させ、この横一側支持ステー締結具(11)で横一側支持ステー載置面(8)に横一側支持ステー(10)を横方向の位置調節可能に取り付ける。
図1(A)(B)に例示するように、横一側ステー受圧面(33)に横一側支持ステー位置決め片(35)を後側から接当させて、横一側支持ステー(10)の前後方向の位置決めをする。
横一側支持ステー(10)の横方向位置の調節で、排気処理装置(2)の横一側被支持部(16)(16)の合わせ面(29)(29)に横一側支持ステー(10)の横一側支持部(14)(14)の合わせ面(28)(28)を横側方から重ね合わせる。
軸線を横向きにした横一側被支持部締結具(18)(18)を取り付ける。
【0066】
図1(A)に例示するように、前記所定の取り付け姿勢に保持した排気処理装置(2)の横一側被支持部(16)(16)の合わせ面(29)(29)に、前後方向の位置決めがなされた横一側支持ステー(10)の横一側支持部(14)(14)の合わせ面(28)(28)を横側方から重ね合わせる。
これにより、図2(A)に例示するように、前側の上下方向長孔と前後方向長孔の交差位置が位置合わせされるとともに、後側の上下方向長孔と前後方向長孔の交差位置が位置合わせされる。
この位置合わせされた前後一対の交差位置に前後一対の横一側被支持部締結具(18)(18)を挿通して取り付け、横一側支持部(14)(14)に横一側被支持部(16)(16)を固定する。
横一側支持ステー(10)の前後方向の位置決めや、横方向の位置合わせ中は、締結具は仮締結しておき、位置決めや位置合わせが終了したら、締結具を本締結する。
具体的な手順の一例は、次の通りである。
横一側位置決め片締結具(68)の仮締結、横一側支持ステー締結具(11)の仮締結、後側の横一側被支持部締結具(18)の仮締結を順に行い、横一側支持ステー(10)の前後方向の位置決めや、横方向の位置合わせを行った後、前側の横一側被支持部締結具(18)の本締結、横一側位置決め片締結具(68)の本締結、横一側支持ステー締結具(11)の本締結、後側の横一側被支持部締結具(18)の本締結を順に行う。
【0067】
図1(A)(B)に例示するように、排気処理装置(2)の横他側部(50)の荷重によって生じる横他側支持ステー(12)の回転モーメントの一部を横他側支持ステー位置決め片(36)を介してエンジン後面(32)の横他側ステー受圧面(34)で受け止め、排気処理装置(2)の横一側部(4)の荷重によって生じる横一側支持ステー(10)の回転モーメントの一部を横一側支持ステー位置決め片(35)を介してエンジン後面(32)の横一側ステー受圧面(33)で受け止める。
【符号の説明】
【0068】
(1) フライホイール
(2) 排気処理装置
(3) エンジン排気出口フランジ
(3a) ガスケット
(4) 排気処理装置の横一側部
(5) 排気入口フランジ
(6) 排気フランジ締結具
(7) エンジン後上部
(8) 横一側支持ステー載置面
(9) 横他側支持ステー載置面
(10) 横一側支持ステー
(10a) 前部
(11) 横一側支持ステー締結具
(12) 横他側支持ステー
(12a) 前部
(13) 横他側支持ステー締結具
(14) 横一側支持部
(15) 横他側支持部
(16) 横一側被支持部
(17) 横他側被支持部
(18) 横一側被支持部締結具
(19) 横他側被支持部締結具
(20) 切欠き溝
(21) 縁部
(22) 横一側仮載置部
(23) 開口
(24) 合わせ面
(25) 合わせ面
(26) 締結具挿通孔
(27) 締結具挿通孔
(28) 合わせ面
(29) 合わせ面
(30) 締結具挿通孔
(31) 締結具挿通孔
(32) エンジン後面
(33) 横一側支持ステー受圧面
(34) 横他側支持ステー受圧面
(35) 横一側支持ステー位置決め片
(36) 横他側支持ステー位置決め片
(37) 排気入口側ケーシング部分
(38) DPF収容ケーシング部分
(39) 排気出口側ケーシング部分
(40) 連結フランジ
(41) 連結フランジ
(42) 連結フランジ
(43) 連結フランジ
(44) 排気出口管
(45) フランジ締結具
(46) 被締結部
(47) 被締結部
(48) 水平片
(49) 補強部
(50) 排気処理装置の横他側部
(62) 締結具挿通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クランク軸の架設方向を前後方向、フライホイール(1)のある方を後、エンジンの幅方向を左右横方向とし、
エンジンの後上方に横向きの排気処理装置(2)を配置し、
エンジンの横一側にエンジン排気出口フランジ(3)を配置し、排気処理装置(2)の横一側部(4)に排気入口フランジ(5)を配置し、エンジン排気出口フランジ(3)に排気入口フランジ(5)を排気フランジ締結具(6)(6)(6)で取り付け、
エンジン後上部(7)に横一側支持ステー載置面(8)と横他側支持ステー載置面(9)とを設け、横一側支持ステー載置面(8)に横一側支持ステー(10)の前部(10a)を載置して、横一側支持ステー締結具(11)で取り付け、横他側ステー載置面(9)に横他側支持ステー(12)の前部(12a)を載置して、横他側支持ステー締結具(13)で取り付け、横一側支持ステー(10)と横他側支持ステー(12)とを介して排気処理装置(2)をエンジン後上部(7)に支持した、排気処理装置付きエンジンにおいて、
横一側支持ステー(10)に横一側支持部(14)(14)を、横他側支持ステー(12)に横他側支持部(15)(15)をそれぞれ設け、
排気処理装置(2)に横一側被支持部(16)(16)と横他側被支持部(17)(17)とを設け、
横一側支持ステー(10)の横一側支持部(14)(14)に排気処理装置(2)の横一側被支持部(16)(16)を横一側被支持部締結具(18)(18)で取り付け、横他側支持ステー(12)の横他側支持部(15)(15)に排気処理装置(2)の横他側被支持部(17)(17)を横他側被支持部締結具(19)(19)で取り付けるに当たり、
横他側支持ステー(12)の前部(12a)に一端に開口(23)を有する切欠き溝(20)を設け、この切欠き溝(20)に横他側支持ステー載置面(9)に取り付けた横他側支持ステー締結具(13)を挿通することにより、
横他側支持ステー載置面(9)で横他側支持ステー(12)の前部(12a)を案内しながら、切欠き溝(20)にその開口(23)から横他側支持ステー締結具(13)を進入させた場合に、排気処理装置(2)の横他側部(50)の荷重によって生じる横他側支持ステー(12)の回転モーメントを切欠き溝(20)の縁部(21)を介して横他側支持ステー締結具(13)で受け止めて、排気処理装置(2)の横他側部(50)の荷重を横他側支持ステー(12)で支えることができるようにし、
横一側支持ステー(10)に横一側仮載置部(22)(22)を設けることにより、
エンジン排気出口フランジ(3)や横一側支持ステー(10)に取り付ける前の排気処理装置(2)の横一側部(4)を横一側仮載置部(22)(22)に一時的に仮載置することができるようにした、ことを特徴とする排気処理装置付きエンジン。
【請求項2】
請求項1に記載した排気処理装置付きエンジンにおいて、
横他側支持ステー(12)の切欠き溝(20)を横向きに形成することにより、
前記横他側支持ステー載置面(9)への前記横他側支持ステー(12)の前部(12a)の載置に当たり、
切欠き溝(20)にその開口(23)から横他側支持ステー締結具(13)を横向きに進入させ、横他側支持ステー(12)の横方向の位置を調節可能とし、
エンジン排気出口フランジ(3)を後向きに形成し、排気入口フランジ(5)を前向きに形成することにより、
前記エンジン排気出口フランジ(3)への排気入口フランジ(5)の取り付けに当たり、
エンジン排気出口フランジ(3)と排気入口フランジ(5)との間にガスケット(3a)を挟み、エンジン排気出口フランジ(3)に排気入口フランジ(5)を排気フランジ締結具(6)(6)(6)で取り付けた場合に、排気処理装置(3)の前後方向の位置決めがなされるようにし、
エンジン後面(32)に横他側ステー受圧面(34)を設け、横他側支持ステー(12)に横他側支持ステー位置決め片(36)を設けることにより、
横他側ステー受圧面(34)に横他側支持ステー位置決め片(36)を後側から接当させた場合に、横他側支持ステー(12)の前後方向の位置決めがなされるようにし、
横他側支持ステー(12)の横他側支持部(15)(15)に合わせ面(24)(24)を、排気処理装置(2)の横他側被支持部(17)(17)に合わせ面(25)(25)をそれぞれ設け、両合わせ面(24)(25)を横側方に向けて相互に対向させることにより、
横他側支持ステー(12)の横方向の位置調節で、排気処理装置(2)の横他側被支持部(17)(17)の合わせ面(25)(25)に横他側支持ステー(12)の横他側支持部(15)(15)の合わせ面(24)(24)を横側方から重ね合わせることができるようにし、
横他側被支持部締結具(19)(19)は軸線を横向きにして締結することができるようにした、ことを特徴とする排気処理装置付きエンジン。
【請求項3】
請求項2に記載した排気処理装置付きエンジンにおいて、
前後一対の横他側被支持部締結具(19)(19)を設け、
前側の横他側被支持部締結具(19)を挿通する横他側被支持部(17)の締結具挿通孔(26)と、横他側支持部(15)の締結具挿通孔(27)のうち、一方を前後方向長孔とし、他方を丸孔として、これらを横に重ね、この前側の前後方向長孔と丸孔とが重なる位置に前側の横他側被支持部締結具(19)を収め、
後側の横他側被支持部締結具(19)を挿通する横他側被支持部(17)の締結具挿通孔(26)と、横他側支持部(15)の締結具挿通孔(27)のうち、一方を前後方向長孔とし、他方を上下方向長孔として、これらを交差させて横に重ね、この後側の前後方向長孔と上下方向長孔とが交差する位置に後側の横他側被支持部締結具(19)を収めた、ことを特徴とする排気処理装置付きエンジン。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載した排気処理装置付きエンジンにおいて、
横一側支持ステー(10)の前部(10a)に左右方向長孔の締結具挿通孔(62)を設けることにより、
前記横一側支持ステー載置面(8)への横一側支持ステー(10)の前部(10a)の載置に当たり、
左右方向長孔の締結具挿通孔(62)に横一側支持ステー締結具(11)を挿通させ、この横一側支持ステー締結具(11)で横一側支持ステー載置面(8)に横一側支持ステー(10)を横方向の位置調節可能に取り付けることができるようし、
エンジン後面(32)に横一側ステー受圧面(33)を設け、横一側支持ステー(10)の前部(10a)に横一側支持ステー位置決め片(35)を設けることにより、
横一側ステー受圧面(33)に横一側支持ステー位置決め片(35)を後側から接当させて、横一側支持ステー(10)の前後方向の位置決めがなされるようにし、
横一側支持ステー(10)の横一側支持部(14)(14)に合わせ面(28)(28)を、排気処理装置(2)の横一側被支持部(16)(16)に合わせ面(29)(29)をそれぞれ設け、両合わせ面(28)(29)を横側方に向けて相互に対向させることにより、
横一側支持ステー(10)の横方向の位置調節で、排気処理装置(2)の横一側被支持部(16)(16)の合わせ面(29)(29)に横一側支持部(14)(14)の合わせ面(28)(28)を横側方から重ね合わせることができるようにし、
横一側被支持部締結具(18)(18)は軸線を横向きにして取り付けることができるようにした、ことを特徴とする排気処理装置付きエンジン。
【請求項5】
請求項4に記載した排気処理装置付きエンジンにおいて、
前後一対の横一側被支持部締結具(18)(18)を設け、
前側の横一側被支持部締結具(18)を挿通する横一側被支持部(16)の締結具挿通孔(30)と、横一側支持部(14)の締結具挿通孔(31)のうち、一方を前後方向長孔、他方を上下方向長孔として、これらを交差させて横に重ね、この前側の前後方向長孔と上下方向長孔とが交差する位置に前側の横一側被支持部締結具(18)を収め、
後側の横一側被支持部締結具(18)を挿通する横一側被支持部(16)の締結具挿通孔(30)と、横一側支持部(14)の締結具挿通孔(31)のうち、一方を前後方向長孔、他方を上下方向長孔として、これらを交差させて横に重ね、この後側の前後方向長孔と上下方向長孔とが交差する位置に後側の横一側被支持部締結具(18)を収めた、ことを特徴とする排気処理装置付きエンジン。
【請求項6】
請求項4または請求項5に記載した排気処理装置付きエンジンにおいて、
排気処理装置(2)の横他側部(50)の荷重によって生じる横他側支持ステー(12)の回転モーメントの一部を横他側支持ステー位置決め片(36)を介してエンジン後面(32)の横他側ステー受圧面(34)で受け止め、排気処理装置(2)の横一側部(4)の荷重によって生じる横一側支持ステー(10)の回転モーメントの一部を横一側支持ステー位置決め片(35)を介してエンジン後面(32)の横一側ステー受圧面(33)で受け止めることができるようにした、ことを特徴とする排気処理装置付きエンジン。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれかに記載した排気処理装置付きエンジンにおいて、
排気処理装置(2)のケーシングを分割可能な複数のケーシング部分(37)(38)(39)で構成し、複数のケーシング部分(37)(38)(39)の分割箇所に連結フランジ(40)(41)(42)(43)を設け、
所定の連結フランジ(41)(42)から排気処理装置(2)の横一側被支持部(16)(16)と横他側被支持部(17)(17)とを導出した、ことを特徴とする排気処理装置付きエンジン。
【請求項8】
請求項7に記載した排気処理装置付きエンジンにおいて、
排気処理装置(2)のケーシングを、排気入口フランジ(5)を備えた排気入口側ケーシング部分(37)とDPF収容ケーシング部分(38)と排気出口管(44)を備えた排気出口側ケーシング部分(39)とで構成し、
DPF収容ケーシング部分(38)から排気入口側ケーシング部分(37)と排気出口側ケーシング部分(39)とを取り外せるようにした、ことを特徴とする排気処理装置付きエンジン。
【請求項9】
請求項8に記載した排気処理装置付きエンジンにおいて、
排気出口側ケーシング部分(39)の外周面から排気出口管(44)を突出させ、DPF収容ケーシング部分(38)と排気出口側ケーシング部分(39)との分割箇所の連結フランジ(42)(43)を複数のフランジ締結具(45)(45)(45)(45)(45)(45)の締結で連結し、
DPF収容ケーシング部分(38)の連結フランジ(42)にその周方向に等しい離間角度で複数の被締結部(46)(46)(46)(46)(46)(46)を配置し、排気出口側ケーシング部分(39)の連結フランジ(43)にその周方向に等しい離間角度で複数の被締結部(47)(47)(47)(47)(47)(47)を配置し、
排気出口側ケーシング部分(39)を上記離間角度単位で周方向にずらし、DPF収容ケーシング部分(38)の連結フランジ(42)の被締結部(46)(46)(46)(46)(46)(46)に、排気出口側ケーシング部分(39)の連結フランジ(43)の被締結部(47)(47)(47)(47)(47)(47)を合わせて、フランジ締結具(45)(45)(45)(45)(45)(45)で、排気出口側ケーシング部分(39)をDPF収容ケーシング部分(38)に連結することにより、排気出口側ケーシング部分(39)の外周面からの排気出口管(44)の突出方向を選択できるようにした、ことを特徴とする排気処理装置付きエンジン。
【請求項10】
請求項9に記載した排気処理装置付きエンジンにおいて、
横他側支持ステー(12)に水平板(48)を設け、この水平板(48)の横内側縁から横他側支持部(15)を上向きに折り曲げ形成するに当たり、
水平板(48)の横外側縁から横他側支持部(15)と対向する補強部(49)を上向きに折り曲げ形成し、エンジン後方から見て、補強部(49)の位置を排気出口管(44)よりも横内側に位置させた、ことを特徴とする排気処理装置付きエンジン。
【請求項11】
請求項1に記載した排気処理装置付きエンジンの排気処理装置(2)をエンジン後上部(7)に取り付ける排気処理装置の取り付け方法であって、
横一側支持ステー載置面(8)に横一側支持ステー(10)の前部(10a)を載置して、横一側支持ステー締結具(11)で取り付け、
横他側支持ステー載置面(9)に横他側支持ステー締結具(13)を取り付け、
排気処理装置(2)の横他側被支持部(17)(17)に横他側支持ステー(12)の横他側支持部(15)(15)を横他側被支持部締結具(19)(19)で緩く取り付けて、排気処理装置(2)に横他側支持ステー(12)を揺動可能に連結し、
横他側支持ステー載置面(9)で横他側支持ステー(12)の前部(12a)を案内しながら、切欠き溝(20)にその開口(23)から横他側支持ステー締結具(13)を進入させることにより、排気処理装置(2)の横他側部(50)の荷重によって生じる横他側支持ステー(12)の回転モーメントを切欠き溝(20)の縁部(21)を介して横他側支持ステー締結具(13)で受け止めて、排気処理装置(2)の横他側部(50)の荷重を横他側支持ステー(12)で支え、
横他側支持ステー(12)に支持された横他側被支持部締結具(19)を支点にして、排気処理装置(2)の横一側部(4)を降ろして、エンジン排気出口フランジ(3)や横一側支持ステー(10)に取り付ける前の排気処理装置(2)の横一側部(4)を横一側仮載置部(22)(22)に一時的に仮載置し、
横他側支持ステー(12)に支持された横他側被支持部締結具(19)を支点にして、横一側仮載置部(22)(22)に仮載置していた排気処理装置(2)の横一側部(4)を持ち上げ、エンジン排気出口フランジ(3)に排気入口フランジ(5)を排気フランジ締結具(6)(6)(6)で取り付ける、ことを特徴とする排気処理装置付きエンジンの排気処理装置の取り付け方法。
【請求項12】
請求項2に記載した排気処理装置付きエンジンの排気処理装置(2)をエンジン後上部(7)に取り付ける排気処理装置の取り付け方法であって、
請求項11に記載した排気処理装置付きエンジンの排気処理装置の取り付け方法において、
前記横他側支持ステー載置面(9)への前記横他側支持ステー(12)の前部(12a)の載置に当たり、
切欠き溝(20)にその開口(23)から横他側支持ステー締結具(13)を横向きに進入させ、横他側支持ステー(12)の横方向の位置を調節可能とし、
前記エンジン排気出口フランジ(3)への排気入口フランジ(5)の取り付けに当たり、
エンジン排気出口フランジ(3)と排気入口フランジ(5)との間にガスケット(3a)を挟み、エンジン排気出口フランジ(3)に排気入口フランジ(5)を排気フランジ締結具(6)(6)(6)で取り付けて、排気処理装置(3)の前後方向の位置決めをし、
横他側ステー受圧面(34)に横他側支持ステー位置決め片(36)を前側から接当させて、横他側支持ステー(12)の前後方向の位置決めをし、
横他側支持ステー(12)の横方向の位置調節で、排気処理装置(2)の横他側被支持部(17)(17)の合わせ面(25)(25)に横他側支持ステー(12)の横他側支持部(15)(15)の合わせ面(24)(24)を横側方から重ね合わせ、
横他側被支持部締結具(19)(19)は軸線を横向きにして締結した、ことを特徴とする排気処理装置付きエンジンの排気処理装置の取り付け方法。
【請求項13】
請求項3に記載した排気処理装置付きエンジンの排気処理装置(2)をエンジン後上部(7)に取り付ける排気処理装置の取り付け方法であって、
請求項12に記載した排気処理装置付きエンジンの排気処理装置の取り付け方法において、
エンジン排気出口フランジ(3)への取り付けで上下方向と左右方向の位置決めがなされている排気フランジ締結具(6)で、排気処理装置(2)の横一側部(4)の荷重を支え、前側の丸孔と前後方向長孔の重なり位置で上下方向の位置合わせがなされている前側の横他側被支持部締結具(19)を介して排気処理装置(2)の横他側部(50)の荷重を横他側支持ステー(12)で支え、
排気処理装置(2)を前後方向と左右横方向と上下方向が位置決めされた所定の取り付け姿勢に保持し、
これにより、後側の横他側被支持部締結具(19)が後側の前後方向長孔と上下方向長孔の交差位置に位置合わせされ、
その後、前後一対の横他側被支持部締結具(19)(19)の締結を強めて、横他端側支持部(15)(15)に横他側被支持部(17)(17)を固定する、ことを特徴とする排気処理装置付きエンジンの排気処理装置の取り付け方法。
【請求項14】
請求項4に記載した排気処理装置付きエンジンの排気処理装置(2)をエンジン後上部(7)に取り付ける排気処理装置の取り付け方法であって、
請求項12または請求項13に記載した排気処理装置付きエンジンの排気処理装置の取り付け方法において、
前記横一側支持ステー載置面(8)への横一側支持ステー(10)の前部(10a)の載置に当たり、
左右方向長孔の締結具挿通孔(62)に横一側支持ステー締結具(11)を挿通させ、この横一側支持ステー締結具(11)で横一側支持ステー載置面(8)に横一側支持ステー(10)を横方向の位置調節可能に取り付け、
横一側ステー受圧面(33)に横一側支持ステー位置決め片(35)を前側から接当させて、横一側支持ステー(10)の前後方向の位置決めをし、
横一側支持ステー(10)の横方向位置の調節で、排気処理装置(2)の横一側被支持部(16)(16)の合わせ面(29)(29)に横一側支持ステー(10)の横一側支持部(14)(14)の合わせ面(28)(28)を横側方から重ね合わせ、
横一側被支持部締結具(18)(18)は軸線を横向きにして取り付ける、ことを特徴とする排気処理装置付きエンジンの排気処理装置の取り付け方法。
【請求項15】
請求項5に記載した排気処理装置付きエンジンの排気処理装置(2)をエンジン後上部(7)に取り付ける排気処理装置の取り付け方法であって、
請求項14に記載した排気処理装置付きエンジンの排気処理装置の取り付け方法において、
前記所定の取り付け姿勢に保持した排気処理装置(2)の横一側被支持部(16)(16)の合わせ面(29)(29)に、前後方向の位置決めがなされた横一側支持ステー(10)の横一側支持部(14)(14)の合わせ面(28)(28)を横側方から重ね合わせることにより、
前側の上下方向長孔と前後方向長孔の交差位置が位置合わせされるとともに、後側の上下方向長孔と前後方向長孔の交差位置が位置合わせされ、
この位置合わせされた前後一対の交差位置に前後一対の横一側被支持部締結具(18)(18)を挿通して取り付け、横一側支持部(14)(14)に横一側被支持部(16)(16)を固定するようにした、ことを特徴とする排気処理装置付きエンジンの排気処理装置の取り付け方法。
【請求項16】
請求項2から請求項6のいずれかに記載した排気処理装置付きエンジンの排気処理装置(2)をエンジン後上部(7)に取り付ける排気処理装置の取り付け方法であって、
請求項12から請求項16のいずれかに記載した排気処理装置付きエンジンの排気処理装置の取り付け方法において、
排気処理装置(2)の横他側部(50)の荷重によって生じる横他側支持ステー(12)の回転モーメントの一部を横他側支持ステー位置決め片(36)を介してエンジン後面(32)の横他側ステー受圧面(34)で受け止め、排気処理装置(2)の横一側部(4)の荷重によって生じる横一側支持ステー(10)の回転モーメントの一部を横一側支持ステー位置決め片(35)を介してエンジン後面(32)の横一側ステー受圧面(33)で受け止める、ことを特徴とする排気処理装置付きエンジンの排気処理装置の取り付け方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−62809(P2012−62809A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−207036(P2010−207036)
【出願日】平成22年9月15日(2010.9.15)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】