説明

排熱回収装置

【課題】高さ方向への長さが短い排熱回収装置の提供を課題とする。
【解決手段】回転軸17は、バルブ室16を上方に向かって延ばした延長部28に貫通支持され、熱交換器12の本体であるコアケース21は、略コの字形状を呈すると共に、迂回路14の上方及び両側方に沿って延ばされている。
【効果】コアケース21で迂回路14を囲うため、伝熱チューブ22を複数の位置に分けて配置することができる。伝熱チューブ22を複数の位置に分けることで、迂回路14の上方に配置される伝熱チューブ22の数を少なくすることができる。迂回路14上方の伝熱チューブ22の数を少なくすることで、排熱回収装置10の高さ方向への長さを短くすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排気ガスの熱で媒体を温める排熱回収装置に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関で発生した排気ガスの熱で、熱交換器内の媒体を温める排熱回収装置が知られている(例えば、特許文献1(図3)参照。)。
【0003】
特許文献1を次図に基づいて説明する。
図10に示すように、排熱回収装置100は、排気ガスを導入する導入口101と、この導入口101から上方に向かって延ばされる第1通路102と、この第1通路102の一部に設けられ排気ガスと媒体とで熱交換を行う熱交換器103と、第1通路102を迂回するように設けられる第2通路104と、この第2通路104の下流に設けられ第1通路102及び第2通路104を開閉するバルブ105とからなる。
【0004】
バルブ105は、熱交換器103内の媒体の温度が所定の温度よりも高い場合に、第1通路102の出口102aを閉じる。第1通路102を閉じることで、排気ガスは、第2通路104を流れる。第2通路104を流れ、媒体との熱交換を行わずに外部へ排出される。
【0005】
熱交換器103は、第2通路104に対して離間して設けられる。離間して設けられることで、第2通路104を通過する排気ガスの熱が、熱交換器103に伝わることを防止することができる。
【0006】
ところで、排熱回収装置を車両に用いる場合に、排熱回収装置は車体の底部に取り付けられることが多い。車体の底部は路面からの距離が短く、底部に取り付けられる排熱回収装置は、路面に接地しやすい。
また、車体の底部は他の様々な部品があり、限られた空間の中でその空間に合わせてできるだけコンパクトにすることが望まれている。
【0007】
レイアウトに優れた排熱回収装置の提供が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−030569公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、レイアウトに優れた排熱回収装置の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に係る発明は、排気ガスが導入される分岐部と、この分岐部に接続され排気ガスの熱で媒体を温める熱交換器と、この熱交換器に対して離間して設けられ一端が分岐部に接続される迂回路と、この迂回路の下流側端部に取付けられ迂回路を開閉するバルブと、このバルブの下流に設けられバルブを収納するバルブ室と、媒体の温度によって作動し回転軸を回転させるアクチュエータとを備えている排熱回収装置において、
回転軸は、バルブ室を上方に向かって延ばした延長部に貫通支持され、
熱交換器の本体であるコアケースは、略コの字形状を呈すると共に、迂回路の上方及び両側方に沿って延ばされていることを特徴とする。
【0011】
請求項2に係る発明は、排気ガスが導入される分岐部と、この分岐部に接続され排気ガスの熱で媒体を温める熱交換器と、この熱交換器に対して離間して設けられ一端が分岐部に接続される迂回路と、この迂回路の下流側端部に取付けられ迂回路を開閉するバルブと、このバルブの下流に設けられバルブを収納するバルブ室と、媒体の温度によって作動し回転軸を回転させるアクチュエータとを備えている排熱回収装置において、
回転軸は、バルブ室を上方に向かって延ばした延長部に貫通支持され、
熱交換器の本体であるコアケースは、略L字形状を呈すると共に、迂回路の上方及び側方に沿って延ばされていることを特徴とする。
【0012】
請求項3に係る発明では、熱交換器は、分岐部に形成された接続口を介して分岐部に直接接続され、接続口は、コアケースと同じ形状を呈することを特徴とする。
【0013】
請求項4に係る発明では、迂回路の下端は、コアケースの下端よりも低い位置に設けられていることを特徴とする。
【0014】
請求項5に係る発明では、サーモアクチュエータは、迂回路の側面のうち、コアケースが設けられるのとは逆側の側面に沿って配置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に係る発明では、コアケースは、断面視で略コの字形状を呈し、迂回路の上方及び両側方に沿って延ばされている。コアケースで迂回路を囲うため、伝熱チューブを複数の位置に分けて配置することができる。伝熱チューブを複数の位置に分けることで、迂回路の上方に配置される伝熱チューブの数を少なくすることができる。迂回路上方の伝熱チューブの数を少なくすることで、排熱回収装置の高さ方向への長さを短くすることができる。即ち、高さの低いレイアウトに優れた排熱回収装置ということができる。
【0016】
加えて、回転軸は、バルブ室を上方に向かって延ばした延長部に貫通支持され、延長部の前方にコアケースの一部が配置されている。延長部の前方のスペースにコアケースを配置することで、スペースを有効に活用することができる。
【0017】
さらに、コアケースを略コの字形状とすることで、重量物である熱交換器をバランスよく配置することができる。
【0018】
請求項2に係る発明では、コアケースは、断面視で略L字形状を呈し、迂回路の上方及び片側方に沿って延ばされている。コアケースで迂回路を囲うため、伝熱チューブを複数の位置に分けて配置することができる。伝熱チューブを複数の位置に分けることで、迂回路の上方に配置される伝熱チューブの数を少なくすることができる。迂回路上方の伝熱チューブの数を少なくすることで、排熱回収装置の高さ方向への長さを短くすることができる。即ち、高さの低いレイアウトに優れた排熱回収装置ということができる。
【0019】
加えて、回転軸は、バルブ室を上方に向かって延ばした延長部に貫通支持され、延長部の前方にコアケースの一部が配置されている。延長部の前方のスペースにコアケースを配置することで、スペースを有効に活用することができる。
【0020】
請求項3に係る発明では、熱交換器が繋がれる接続口の形状は、コアケースと同じ形状を呈する。接続口の形状をコアケースと同じ形状にすることで、コアケース内に配置される伝熱チューブに、容易に排気ガスを導くことができる。即ち、円滑に排気ガスを流すことができる。
一方、コアケースは、迂回路の一部を囲うように配置されている。コアケースが迂回路の一部を囲う形状とされることで、コアケース内に配置される伝熱チューブは、それぞれ迂回路の近傍に配置される。迂回路の中心から近い位置で、迂回路を囲うように各伝熱チューブが配置されることで、各伝熱チューブに均一に排気ガスを送ることができる。
即ち、排気ガスを円滑に且つ各伝熱チューブに均一に流すことができる。
【0021】
請求項4に係る発明では、迂回路の下端は、コアケースの下端よりも低い位置に設けられている。通常の使用状態では、排熱回収装置が路面に接触することはない。ただし、想定外の突起に乗り上げるなどして、突起に排熱回収装置が接触する可能性は皆無とはいえない。この場合には、迂回路を低い位置に設けることで、コアケースよりも迂回路が先に接地する。迂回路を先に接地させることで、コアケースを保護する。
【0022】
請求項5に係る発明では、コアケースは、サーモアクチュエータが配置されるのとは逆側の側方に沿って延ばされている。即ち、コアケースが配置されない場所にサーモアクチュエータが配置される。コアケースの厚さの分、サーモアクチュエータを迂回路に近づけて配置することができる。サーモアクチュエータを迂回路に近づけることで、排熱回収装置をコンパクトにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る排熱回収装置の分解斜視図である。
【図2】本発明に係る排熱回収装置の斜視図である。
【図3】実施例1に係る排熱回収装置の断面図である。
【図4】図3の4−4線断面図である。
【図5】図3の5−5線断面図である。
【図6】バルブが迂回路を開いている状態を説明する図である。
【図7】本発明に係る排熱回収装置と比較例とを対比する図である。
【図8】実施例2に係る排熱回収装置の断面図である。
【図9】実施例3に係る排熱回収装置の断面図である。
【図10】従来の技術の基本構成を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
【実施例1】
【0025】
先ず、本発明の実施例1を図面に基づいて説明する。
図1に示されるように、排熱回収装置10は、導入された排気ガスを2つの流路に分岐する分岐部11と、この分岐部11の下流に接続され内部に媒体が流される熱交換器12と、この熱交換器12に繋がれ熱交換器12内の媒体の温度で作動するサーモアクチュエータ13と、このサーモアクチュエータ13が接続された熱交換器12を迂回する迂回路14と、この迂回路14が通されると共に熱交換器12の下流に接続される合流部15と、この合流部15の下流に接続されるバルブ室16と、このバルブ室16に支持される回転軸17と、この回転軸17に固定され迂回路14の下流端部14bを閉じるバルブ18とからなる。
【0026】
熱交換器12は、略コの字形状に形成されたコアケース21と、このコアケース21に収納された複数の伝熱チューブ22とからなる。
熱交換器12の上流端部12aは、分岐部11に接続され、下流端部12bは、合流部15に接続される。
【0027】
迂回路14は、筒状の本体部24と、本体部24の下流から拡径される拡径部25とからなる。
迂回路14の下流端部14bは、バルブ室16に収納されバルブ18で閉じられる。
【0028】
バルブ室16は、バルブ18が収納される室部27と、この室部27から上方に向かって延長され上方に突出する延長部28とからなる。この延長部28に回転軸17が貫通支持される。
【0029】
回転軸17の一端は、延長部28の側面に取り付けられたキャップ31に覆われる。回転軸17の他端に、バルブ18を閉じ方向に付勢するばね32が取り付けられると共にこのばね32の抜けを防止する抜け止め板33が取り付けられる。抜け止め板33に、バルブ18を開くためのレバー部材34が取り付けられる。詳細を次図で説明する。
【0030】
図2に示すように、熱交換器12の側方にサーモアクチュエータ13が取り付けられ、このサーモアクチュエータ13のロッド36がレバー部材34に接触している。
熱交換器12内の媒体の温度が高くなることで、サーモアクチュエータ13のロッド36は、矢印(1)で示すように前進する。ロッド36は、ばね32がバルブ(図1、符号18)を閉じようとする力に抗して前進する。
【0031】
なお、サーモアクチュエータ以外にも、任意のアクチュエータを用いることができる。また、アクチュエータの取付位置は、排熱回収装置本体(熱交換器12に直接繋がれる場合)に限られない。
それぞれの部材がどのように接続されているかについて詳細を次図で説明する。
【0032】
図3に示すように、分岐部11は、下流側に熱交換器12及び迂回路14が接続される第1の基体38と、この第1の基体38に重ね合わされ第1の基体38と共に閉断面を形成する第1の蓋体39とからなる。第1の基体38に第1の蓋体39を重ね合わせて、溶接することで分岐部11は形成される。
【0033】
第1の基体38には、熱交換器12が接続される接続口38aと、迂回路14に接続される接続口38bとが設けられる。
第1の蓋体39には、排気ガスを導入するための排ガス導入部39aが一体的に設けられる。
【0034】
分岐部11のそれぞれの接続口38a,38bに熱交換器12、迂回路14を溶接する。分岐部11を介して接続し溶接することで、熱交換器12及び迂回路14に単純な形状の部材を用いることができる。単純な形状の部材を分岐部11に接続し、溶接する。各部材の形状が単純であることにより、溶接作業を容易に行うことができる。
【0035】
加えて、第1の蓋体39を第1の基体38に被せることで、分岐部11は断面視略矩形の閉断面を形成する。閉断面を略矩形とした場合は、分岐部11の組み立てを容易に行うことができる上に、熱交換器12、迂回路14の溶接作業も容易に行うことができ、特に有益である。
【0036】
排ガス導入部39a側を第1の基体にし、熱交換器12、迂回路14が接続される部材を第1の蓋体とすることもできる。
即ち、閉断面状の分岐部11を形成することで、熱交換器12、迂回路14の溶接作業を容易に行うことができる。
【0037】
合流部15も分岐部11と基本的な構成及び作用は同じである。即ち、熱交換器12及び迂回路14が接続される第2の基体41と、この第2の基体41に重ね合わされ第2の基体41と共に閉断面を形成する第2の蓋体42とからなる。
【0038】
第2の基体41には、熱交換器12が接続される接続口41aと、迂回路14に接続される接続口41bとが設けられる。
第2の蓋体42には、バルブ室16が接続される接続口42aが一体的に設けられる。
【0039】
回転軸17は、バルブ室16を上方に向かって延ばした延長部28に貫通支持され、延長部28の前方(上流側)にコアケース21の一部が配置されている。延長部28の前方のスペースにコアケース21を配置することで、スペースを有効に活用することができる。
【0040】
熱交換器12のコアケース21と伝熱チューブ22との間に、媒体が流される。媒体の温度が低い場合は、バルブ18が閉じている。
バルブ18が閉じていることで、分岐部11に導入された排気ガスは、熱交換器12に向かって流れる。排気ガスは、熱交換器12の伝熱チューブ22内を流れる。伝熱チューブ22内を流れることで、伝熱チューブ22の外周を流れる媒体と熱交換を行う。即ち、媒体を温める。媒体を温め温度の下がった排気ガスは、合流部15を流れ、迂回路14の外周面に沿ってバルブ室16に流れる。
迂回路14が閉じられている場合の排気ガスの流れについてさらに詳細に次図で説明する。
【0041】
図4に示すように、迂回路14が閉じられている場合は、分岐部11に導入された排気ガスが、排ガス導入部(図3、符号39a)の中心Oから各伝熱チューブ22に向かって広がりながら流れる(矢印(2)参照)。又は、排気ガスは、第1の基体38に沿って広がりながら伝熱チューブ22に流れる。
【0042】
接続口38aの形状をコアケース21と同じ形状(コの字形状)にすることで、コアケース21内に配置される伝熱チューブ22に、容易に排気ガスを導くことができる。即ち、円滑に排気ガスを流すことができる。
一方、コアケース21は、迂回路14の一部を囲うように配置されている。コアケース21が迂回路14の一部を囲う形状とされることで、コアケース21内に配置される伝熱チューブ22は、それぞれ迂回路14の近傍に配置される。迂回路14の中心Oから近い位置で、迂回路14を囲うように各伝熱チューブ22が配置されることで、各伝熱チューブ22に均一に排気ガスを送ることができる。
即ち、排気ガスを円滑に且つ各伝熱チューブ22に均一に流すことができる。
分岐部11に迂回路14の上流端部14aと、熱交換器12の上流端部12aとを接続する。
コの字形状のコアケース21を用いる効果について詳細を次図で説明する。
【0043】
図5に示すように、迂回路14に対して所定の距離を保ちながら、コアケース21が迂回路14の周縁に設けられる。
コアケース21は、断面視で略コの字形状を呈する。略コの字形状とすることで、重量物である熱交換器12をバランスよく配置することができる。
【0044】
加えて、コの字形状のコアケース21で迂回路14を囲うため、迂回路14の一部を外気に接触させることができる。外気に接触させることで、迂回路14と熱交換器12との間に熱が篭もらない。熱が篭もらないため、熱交換を行わない状態の時に迂回路14から熱交換器12に向かって熱が移動することを防止できる。
【0045】
さらに、コアケース21は、迂回路14の上方及び両側方に沿って延ばされている。地面から排熱回収装置10を見上げた場合に、コアケース21の一部に迂回路14が重なる。迂回路14が重なることで、地面からの飛び石に対して、コアケース21を保護することができる。
【0046】
排気ガスで媒体を温め続けるうちに、媒体の温度が所定の温度に達する。所定の温度に達すると、熱交換を終了する。迂回路14を開放し排気ガスを迂回路に流すことで、熱交換を終了する。詳細は次図で説明する。
【0047】
図6に示すように、媒体の温度が所定の温度に達すると、サーモアクチュエータ13内のワックスが膨張し、ロッド36を前進させる。ロッド36が前進することで回転軸17を回転させ、バルブ18を開く。バルブ18が開かれることで、排気ガスは迂回路14を通過し、熱交換を終了する。
【0048】
再び、媒体の温度が下がると、サーモアクチュエータ13内のワックスが収縮する。ロッド36は、サーモアクチュエータ13内の戻しばねの作用により後退する。ロッド36が後退することで、バルブ18を閉じる。
【0049】
回転軸17は、バルブ室16を上方に向かって延ばした延長部28に貫通支持され、延長部28の前方にコアケース21の一部が配置されている。延長部28の前方のスペースにコアケース21を配置することで、延長部28前方のスペースを有効に活用することができる。
【0050】
バルブ室16を延ばした延長部28で回転軸17を支持するタイプの排熱回収装置10において、延長部28前方のデッドスペースを有効に活用することは、バルブ室16をコンパクトに保ちつつ、装置全体としてもコンパクトにするために有効である。
【0051】
排ガス導入部39a、分岐部11、迂回路14、バルブ室16は同一の軸44上に配置される。同一の軸44上に配置されることで、バルブ18が開放している場合の排気ガスの流れを円滑にすることができる。
このような排熱回収装置10のさらなる作用を次図で説明する。
【0052】
図7(a)の比較例に示すように、矩形のコアケース111内に複数の伝熱チューブ112を積層した場合は、路面Rから車体底部Bまでの長さが少なくともh1だけ必要になる。
【0053】
一方(b)の実施例に示すように、コの字形状のコアケース21を用いた場合は、迂回路14の側方に伝熱チューブ22sを配置することができる。迂回路14の側方に伝熱チューブ22sを配置することで、路面Rから車体底部Bまでの長さがh2だけあればよい。即ち、h2<h1とすることができる。
【0054】
即ち、伝熱チューブ22u,sを迂回路14に対して複数の位置に分けることで、迂回路14の上方に配置される伝熱チューブ22uの数を少なくすることができる。迂回路14上方の伝熱チューブ22uの数を少なくすることで、排熱回収装置10の高さ方向への長さを短くすることができる。
【0055】
図4も合わせて参照すると、迂回路14を囲うようにコアケース21が配置されることで、排ガス導入部(図3、符号39a)の中心Oから、各伝熱チューブまでの長さを略均一にすることができる。各伝熱チューブまでの長さを均一にすることで、各伝熱チューブ22に排気ガスを均一に流すことができる。各伝熱チューブ22に排気ガスを均一に流すことで、効率よく熱交換を行うことができる。また、各伝熱チューブ22に排気ガスを均一に流すため、排気ガスを円滑に流すことができる。
排熱回収装置10の別実施例について次図以降で説明する。
【実施例2】
【0056】
次に、本発明の実施例2を図面に基づいて説明する。
図8に示されるように、断面視略矩形である迂回路51の下端51cは、コアケース52の下端52cよりも低い位置に設けられている。
【0057】
通常の使用状態では、排熱回収装置50が路面に接触することはない。ただし、想定外の突起に乗り上げるなどして、突起に排熱回収装置50が接触する可能性は皆無とはいえない。この場合には、迂回路51を低い位置に設けることで、コアケース52よりも迂回路51が先に接地する。迂回路51を先に接地させることで、媒体が収納されたコアケース52を保護する。
更なる別実施例について次図で説明する。
【実施例3】
【0058】
次に、本発明の実施例3を図面に基づいて説明する。
図9に示されるように、排熱回収装置60は、熱交換器61の本体であるコアケース62が、略L字形状を呈すると共に、迂回路63の上方及び側方に沿って延ばされている。
【0059】
また、サーモアクチュエータ64は、迂回路63の側面のうち、コアケース62が設けられるのとは逆側の側面に沿って配置される。
【0060】
コアケース62の厚さの分、サーモアクチュエータ64を迂回路63に近づけて配置することができる。サーモアクチュエータ64を迂回路63に近づけることで、排熱回収装置60をさらにコンパクトにすることができる。
【0061】
なお、サーモアクチュエータ64は、迂回路63の側面のうち、コアケースが設けられるのと同側の側面に沿って配置することもできる。
この場合も、コアケース62を略L字形状にすることで、排熱回収装置60をコンパクトに配置することができる。
【0062】
尚、本発明に係る排熱回収装置は、排熱回収器の他、EGR(Exhaust Gas Recirculation)クーラ等にも適用可能であり、その他の用途に適用することは差し支えない。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明の排熱回収装置は、車両に好適である。
【符号の説明】
【0064】
10,50,60…排熱回収装置、11…分岐部、12,61…熱交換器、13,64…サーモアクチュエータ、14,51,63…迂回路、16…バルブ室、17…回転軸、18…バルブ、21,52,62…コアケース、28…延長部、38a…(熱交換器への)接続口。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
排気ガスが導入されると共に導入された排気ガスを分岐する分岐部と、この分岐部に接続され前記排気ガスの熱で媒体を温める熱交換器と、この熱交換器に対して離間して設けられ一端が前記分岐部に接続される迂回路と、この迂回路の下流側端部に取付けられ前記迂回路を開閉するバルブと、このバルブの下流に設けられ前記バルブを収納するバルブ室と、前記媒体の温度で作動し前記回転軸を回転させるアクチュエータとを備えている排熱回収装置において、
前記回転軸は、前記バルブ室を上方に向かって延ばした延長部に貫通支持され、
前記熱交換器の本体であるコアケースは、略コの字形状を呈すると共に、前記迂回路の上方及び両側方に沿って延ばされていることを特徴とする排熱回収装置。
【請求項2】
排気ガスが導入されると共に導入された排気ガスを分岐する分岐部と、この分岐部に接続され前記排気ガスの熱で媒体を温める熱交換器と、この熱交換器に対して離間して設けられ一端が前記分岐部に接続される迂回路と、この迂回路の下流側端部に取付けられ前記迂回路を開閉するバルブと、このバルブの下流に設けられ前記バルブを収納するバルブ室と、前記媒体の温度で作動し前記回転軸を回転させるアクチュエータとを備えている排熱回収装置において、
前記回転軸は、前記バルブ室を上方に向かって延ばした延長部に貫通支持され、
前記熱交換器の本体であるコアケースは、略L字形状を呈すると共に、前記迂回路の上方及び側方に沿って延ばされていることを特徴とする排熱回収装置。
【請求項3】
前記熱交換器は、前記分岐部に形成された接続口を介して前記分岐部に直接接続され、前記接続口は、前記コアケースと同じ形状を呈することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の排熱回収装置。
【請求項4】
前記迂回路の下端は、前記コアケースの下端よりも低い位置に設けられていることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の排熱回収装置。
【請求項5】
前記アクチュエータは、前記迂回路の側面のうち、前記コアケースが設けられるのとは逆側の側面に沿って配置されることを特徴とする請求項2記載の排熱回収装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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