説明

掘削ヘッドおよび地盤改良装置

【課題】軸芯ずれを防止しながら効率良く掘削できる掘削ヘッドを提供する。
【解決手段】地盤に貫入される回転軸101の先端に設けられる掘削ヘッド120であって、回転軸線の外周に周方向に等間隔に配され且つ下端縁121aに掘削爪122の付いた複数条の螺旋翼121を有しており、各螺旋翼121の下端縁121aが、外周端から内周端に向かって上り傾斜した傾斜縁として形成されていることにより、複数の螺旋翼121の下端縁121aで構成されるヘッド先端部が、中心部が凹み、周縁部が突出した下向きの凹形状に形成されている。また、1つの螺旋翼121の背面側に、地上から供給される掘削抵抗軽減用の流体を掘削土壌に向けて噴射する噴射ボックス130が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転軸の先端に装備される掘削ヘッド、および、その掘削ヘッドを装備した地盤改良装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の地盤改良装置用の掘削ヘッドとして、特許文献1や特許文献2に記載されたものが知られている。
【0003】
図8は特許文献1に記載されたもので、回転軸501の先端に取り付けられた掘削ヘッド502は、回転軸線上の中心部が尖った下方に凸の山形をなしており、その斜めの稜線に沿って掘削爪503が配列されている。
【0004】
図9は特許文献2に記載されたもので、回転軸601の先端に取り付けられた掘削ヘッド602は、2枚の螺旋翼603を有しており、その同一平面内に位置する下端縁に、略同じ高さに先端が位置する掘削爪604を有している。
【特許文献1】特開2005−133367号公報
【特許文献2】特開2006−37708号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、図8の掘削ヘッド502は、中心部が下に尖った山形をなしているので、切り込み性能はよいが、局部的に硬い障害物に当たった場合に、軸ずれを起こしやすい。また、図9の掘削ヘッド602は、平面的に配置された掘削爪604で地盤を削り取るので、局部的に硬い障害物に当たっても、軸ずれしにくいが、中心領域と周縁領域の全面を同じ高さで削り取るので、掘削抵抗が大きくなりがちで、掘削効率が悪い。
【0006】
本発明は、上記事情を考慮し、軸芯ずれを防止しながら効率良く掘削できる掘削ヘッドと、その掘削ヘッドを備えた地盤改良装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明の掘削ヘッドは、地盤に貫入される回転軸の先端に設けられる掘削ヘッドであって、回転軸線の外周に周方向に等間隔に配され且つ下端縁に掘削爪の付いた複数条の螺旋翼を有しており、各螺旋翼の下端縁が、外周端から内周端に向かって上り傾斜した傾斜縁として形成されていることにより、複数の螺旋翼の下端縁で構成されるヘッド先端部が、中心部が凹み、周縁部が突出した下向きの凹形状に形成されていることを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載の掘削ヘッドであって、少なくとも1つの前記螺旋翼の背面側に、地上から供給される掘削抵抗軽減用の流体を掘削土壌に向けて噴射する噴射ボックスが設けられていることを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、請求項2に記載の掘削ヘッドであって、前記噴射ボックスに、螺旋翼の回転方向の前方へ向けて流体を吐出する吐出口、後方へ向けて流体を吐出する吐出口、螺旋翼の回転半径方向外方へ向けて流体を吐出する吐出口、の少なくとも1つが設けられていることを特徴とする。
【0010】
請求項4の発明は、請求項3に記載の掘削ヘッドであって、前記噴射ボックスに、螺旋翼の回転方向の前方へ向けて流体を吐出する吐出口と、後方へ向けて流体を吐出する吐出口と、螺旋翼の回転半径方向外方へ向けて流体を吐出する吐出口と、の3種の吐出口が、そのうちの1つのみを選択的に開放できるように設けられていることを特徴とする。
【0011】
請求項5の発明の地盤改良装置は、請求項1〜4のいずれかに記載の掘削ヘッドを先端に備えると共に掘削ヘッドの上側に攪拌翼を備える回転軸と、該回転軸を回転させつつ昇降させる駆動装置と、前記攪拌翼の回転高さに地上から送られて来た安定材を吐出する吐出手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明によれば、複数の螺旋翼の下端縁で構成されるヘッド先端部が、中心部が凹み、周縁部が突出した下向きの凹形状に形成されているので、下方に突出した周縁部が、凹んだ中心部よりも優先的に地盤掘削に関わることになる。その結果、たとえ地盤中に硬い障害物が局部的に存在していても、螺旋翼の下端縁に設けた掘削爪が大きな円形の周縁領域で地盤を優先的に掘削することになり、ヘッド先端部が障害物から逃げるような傾向が発生しなくなる。従って、回転軸の軸芯の振れをできるだけ防ぎながら、精度よく掘削を進めることができる。
【0013】
特に中心部が周縁部よりも凹んでいることにより、周縁領域と中央領域とで掘削強度に強弱ができるので、周縁部の掘削力が大きく発揮されて、メリハリが生じることにより、掘削効果が高まると共に、軸芯ずれの防止効果が大きくなる。また、複数条の螺旋翼の回転によって、効率よく排土を行うことができると共に、小さな垂直荷重であっても自力掘進力を発揮できるので、例えば砂質系硬質地盤を掘削する場合でも、大きな貫入速度で、能率よく掘削を進めることができる。
【0014】
請求項2の発明によれば、噴射ボックスから掘削抵抗軽減用の流体を掘削土壌に向けて噴射することにより、掘削効率をアップさせることができる。
【0015】
請求項3の発明によれば、噴射ボックスに流体の噴射方向を定める吐出口を設けているので、予め定めた方向に向かって流体を噴射することができる。
【0016】
請求項4の発明によれば、開放する吐出口と閉鎖する吐出口を予め決めることで、螺旋翼の回転方向の前方、または後方、あるいは螺旋翼の回転半径方向外方へ向けて流体を吐出することができる。従って、砂質系等の粘着力の小さい地盤を掘削する場合は、螺旋翼の回転方向の前方へ向けて圧水と圧縮空気の混合流体を吐出することにより、螺旋翼の前方での掘削抵抗を減らすことができる。また、粘性の強い地盤を掘削する場合は、螺旋翼の回転方向の後方へ向けて圧水と圧縮空気の混合流体を吐出することにより、螺旋翼の背面に沿って移動する土砂との抵抗を減らすことができ、それにより掘削抵抗を減らすことができる。また、接合杭を施工するための掘削を行う場合は、螺旋翼の径方向外方へ向けて水と空気の混合流体を吐出することにより、螺旋翼の外周の回転抵抗を減らすことができる。
【0017】
請求項5の発明によれば、回転軸の先端に請求項1〜4のいずれかに記載の掘削ヘッドを備えているので、回転軸の貫入時に上述の効果を発揮できる。また、掘削ヘッドの上側に配置した攪拌翼の回転高さで安定材を吐出できるようにしているので、掘削土壌中に安定材を注入し攪拌混合して地盤を改良することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
【0019】
図1は地盤改良装置の全体構成図、図2は地盤改良装置の回転軸の先端に装備された掘削攪拌手段の側面図、図3は掘削攪拌手段を構成する実施形態の掘削ヘッドの上下逆にして見た斜視図である。
【0020】
図1に示すように、この地盤改良装置は、ベースマシン102のリーダー103のガイド103aに沿って鉛直方向に昇降自在に支持された回転軸101と、該回転軸101を昇降させるワイヤー吊り下げ式の昇降駆動装置104と、該昇降駆動装置104の昇降部に装備された回転駆動装置105とを有し、昇降駆動装置104によって回転軸101を昇降させながら、回転駆動装置105で回転軸101を回転駆動することにより、回転軸101の先端に取り付けた掘削攪拌手段110により地盤を掘削し、その掘削土壌中に安定材を注入し、攪拌混合して地盤を改良するものである。回転軸101は、リーダー103の下部に設けた下部振れ止め機構150によって掘削と貫入を案内される。
【0021】
回転軸101の内部には、図示しないが、回転軸101に沿って安定材を流通させる安定材用の供給管路と、掘削摩擦軽減用の流体(圧水、圧縮空気、圧水と圧縮空気の混合体など)を流通させる供給管路とが設けられている。
【0022】
また、掘削攪拌手段110としては、図2に示すように、回転軸101の最先端に掘削ヘッド120が設けられると共に、その上側に、攪拌翼112と共回り板113とが、上下方向に複数段に交互に設けられている。本実施形態では、掘削ヘッド120の回転半径は、攪拌翼112の回転半径よりも小さく設定されている。
【0023】
攪拌翼112は、回転軸101から半径方向に直線的に延びるバー状のもので、回転軸101の軸線に対して傾斜した羽根板よりなる。最下段の攪拌翼112は、下端に掘削爪114を有しており、攪拌ばかりでなく掘削機能も果たせるようになっている。また、最下段の攪拌翼112の回転方向の背面には、回転軸101内の供給管路を通して送られてくる安定材の吐出ボックス(吐出手段)115が設けられている。安定材の吐出は、回転軸101の引き上げのときに、攪拌翼112の回転高さに対して行われる。
【0024】
また、掘削ヘッド120としては、下端縁121aに多数の掘削爪122を有した2条の螺旋翼121が設けられている。2条の螺旋翼121は、回転軸101を中心に180°対称に配置されており、それぞれが180°の角度範囲で巻いている。つまり、各螺旋翼121は半ピッチ分だけ設けられている。
【0025】
また、各螺旋翼121の下端縁121aは、外周端から内周端に向かって上り傾斜した直線状の傾斜縁で構成されており、2つの螺旋翼121の下端縁121aで構成されるヘッド先端部が、中心部が凹み、周縁部が突出した下向きの凹形状になっている。傾斜縁として形成された両螺旋翼121の下端縁121aは、ほぼ同じ垂直面内に位置しており、両下端縁121aの挟角αは、約180°未満で45°以上の範囲に設定されている。
【0026】
また、一方の螺旋翼121の回転方向の背面側には、図3に示すように、掘削摩擦軽減用の流体の噴射ボックス130が設けられている。この噴射ボックス130は、図4に示すように、長方形ブロック状のボックス本体131と、その外面の必要箇所にボルトで固定されたカバー141、142、143とからなる。
【0027】
ボックス本体131は、長手方向の一方の端面に流体の入口132、内部にその入口132に連なる分岐通路133を有し、短手方向の両端面と長手方向の他端面に、前記分岐通路133に連なる吐出口135、136、137を有しており、螺旋翼121の背面に取り付けられた状態で、吐出口135は螺旋翼121の回転方向の前方へ向き、吐出口136は螺旋翼121の回転方向の後方へ向き、吐出口137は螺旋翼121の回転半径方向外方へ向いている。また、ボックス本体131の入口132に、回転軸101を通して配設した掘削摩擦軽減用の流体の供給管路の先端の配管118が接続されている。
【0028】
カバー141、142、143は、各吐出口137に合わせて設けられており、任意に取り付けできるようになっている。図示例では、このうち1つのカバー141だけが、噴射口141aを有する開放用となっており、他のカバー142、143は閉鎖用となっている。開放用のカバー141を取り付けた場合は、その吐出口135を開放でき、閉鎖用のカバー142、143を取り付けた場合は、その吐出口136、137を閉鎖できるようになっている。つまり、カバー141〜143の付け替えにより、3種の吐出口のうちの1つのみを選択的に開放できるようになっている。
【0029】
次に上記構成の地盤改良装置を用いた地盤改良工法について説明する。
【0030】
地盤改良に際しては、まず、昇降駆動装置104および回転駆動装置105により回転軸101を回転させつつ、掘削ヘッド120を地盤に向けて下降させる。それにより、回転軸101の先端に装備した掘削ヘッド120で地盤を掘削し、地盤中に回転軸101を貫入していく。
【0031】
その貫入時には、地上の圧水供給装置および圧縮空気供給装置から圧水と圧縮空気を供給し、回転軸101内の供給管路を通して圧水と圧縮空気を掘削ヘッド120に送り込み、噴射ボックス130の開放された吐出口135、136、137から掘削土壌に向けて噴射する。図示例では、吐出口135が開放されているので、その吐出口135およびカバー141の噴射口141aを通して、螺旋翼121の回転方向の前方へ向けて流体が吐出される。
【0032】
このように、掘削ヘッド120に設けた流体の吐出口135〜137から、掘削土壌に向かって掘削摩擦軽減用の流体を噴射するので、掘削ヘッド120と土砂の間の摩擦を効率良く減らすことができ、掘削抵抗を小さくすることができ、掘削効率をアップさせることができる。
【0033】
また、この地盤改良装置で使用している掘削ヘッド120は、2条の螺旋翼121の下端縁121aで構成されるヘッド先端部が、中心部が凹み、周縁部が突出した下向きの凹形状に形成されているので、下方に突出した周縁部(外周部)が、凹んだ中心部(内周部)よりも優先的に地盤掘削に関わることになる。その結果、たとえ地盤中に硬い障害物が局部的に存在していても、螺旋翼121の下端縁121aに設けた掘削爪122が大きな円形の周縁領域で地盤を優先的に掘削することになり、ヘッド先端部が障害物から逃げるような傾向が発生しなくなる。
【0034】
従って、図1に示すような掘削抵抗の偏り等による回転軸101の軸芯の振れθ(軸ずれ)をできるだけ防ぎながら、精度よく掘削を進めることができる。特に中心部が周縁部よりも凹んでいることにより、周縁領域と中央領域とで掘削強度に強弱ができるので、周縁部の掘削力が大きく発揮されて、メリハリが生じることにより、掘削効果が高まると共に、軸芯ずれの防止効果が大きくなる。
【0035】
また、2条の螺旋翼121の回転によって、効率よく排土を行うことができると共に、小さな垂直荷重であっても自力掘進力を発揮できるので、例えば、砂質系硬質地盤を掘削する場合でも、大きな貫入速度で、能率よく掘削を進めることができる。
【0036】
また、掘削ヘッド120の螺旋翼121の背面側に流体の噴射ボックス130を設け、その噴射ボックス130に流体の噴射方向を定める吐出口135〜137を設けているので、予め定めた方向に向かって掘削摩擦軽減用の流体(圧水、圧縮空気、圧水と圧縮空気の混合体)を噴射することができる。また、噴射ボックス130に吐出口135〜137を設けていることから、無理のないレイアウトで必要な方向を向いた吐出口135〜137を配置することができる。
【0037】
また、開放する吐出口と閉鎖する吐出口を決め、開放する吐出口には噴射口のついた開放用のカバーを取り付け、閉鎖する吐出口には閉鎖用のカバーを取り付けることで、螺旋翼121の回転方向の前方、または後方、あるいは、螺旋翼121の回転半径方向外方へ向けて、選択的に流体を吐出することができる。
【0038】
従って、砂質系等の粘着力の小さい地盤を掘削する場合は、螺旋翼121の回転方向の前方へ向けて圧水と圧縮空気の混合流体を吐出することにより、螺旋翼121の前方での掘削抵抗を減らすことができる。また、粘性の強い地盤を掘削する場合は、螺旋翼121の回転方向の後方へ向けて圧水と圧縮空気の混合流体を吐出することにより、螺旋翼121の背面に沿って移動する土砂との抵抗を減らすことができ、それにより掘削抵抗を減らすことができる。さらに、接合杭を施工するための掘削を行う場合は、螺旋翼121の径方向外方へ向けて水と空気の混合流体を吐出することにより、螺旋翼121の外周の回転抵抗を減らすことができる。
【0039】
所定深度までの回転軸101の貫入が終了したら、次に、ミルクプラント圧送ポンプ202を運転し、安定材を供給しながら、回転軸101を引き上げていき、現地土と安定材を攪拌・混合し、円柱状に改良体(杭体)を構築していく。以上により、効率良く地盤改良を行うことができる。
【0040】
なお、図5に示すように、攪拌翼112よりも掘削ヘッド120の回転半径が小さい場合は、掘削した孔底部MAの径D1が改良体(杭体が構築される孔を符号MBで示す)の径D2よりも小さくなるので、所定径・所定深度の杭体を構築する場合は、掘削ヘッド120の高さ分だけ仕様外となり、そのため、その分だけ深さを余分に掘削しておく必要があるが、図6、図7に示す掘削攪拌手段110Bのように、攪拌翼112と掘削ヘッド120Bの回転半径をほぼ等しく設定しておけば、掘削した孔底部MAの径D1が改良体(杭体が構築される孔を符号MBで示す)の径D2と等しくなるので、孔内全長を有効径を有する杭体として構成することができる。従って、掘削抵抗が大きくなることを考慮しない場合は、その方が有利である。
【0041】
また、上記実施形態では、掘削ヘッド120、120Bの螺旋翼121の条数(枚数)を2本としたが、更に増やしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施形態の地盤改良工法を実施する地盤改良装置の全体構成の概要を示す側面図である。
【図2】地盤改良装置の回転軸の先端に設けた掘削攪拌手段の構成を示す側面図である。
【図3】実施形態の掘削ヘッドの上下逆にして見た斜視図である。
【図4】前記掘削ヘッドの螺旋翼の背面に設けられる噴射ボックスの構成図で、(a)は断面図、(b)は側面図である。
【図5】本発明の実施形態の地盤改良装置の掘削攪拌手段により地盤に孔掘削を行っている状態を示す断面図である。
【図6】本発明の他の実施形態の地盤改良装置の要部を拡大して示す側面図である。
【図7】図6の地盤改良装置の掘削攪拌手段により地盤に孔掘削を行っている状態を示す断面図である。
【図8】従来の掘削ヘッドの一例を示す側面図である。
【図9】従来の掘削ヘッドの他の一例を示す側面図である。
【符号の説明】
【0043】
101 回転軸
104 昇降駆動装置
105 回転駆動装置
110,110B 掘削攪拌手段
120,120B 掘削ヘッド
121 螺旋翼
121a 下端縁
122 掘削爪
130 噴射ボックス
135〜137 吐出口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地盤に貫入される回転軸の先端に設けられる掘削ヘッドであって、
回転軸線の外周に周方向に等間隔に配され且つ下端縁に掘削爪の付いた複数条の螺旋翼を有しており、各螺旋翼の下端縁が、外周端から内周端に向かって上り傾斜した傾斜縁として形成されていることにより、複数の螺旋翼の下端縁で構成されるヘッド先端部が、中心部が凹み、周縁部が突出した下向きの凹形状に形成されていることを特徴とする掘削ヘッド。
【請求項2】
請求項1に記載の掘削ヘッドであって、
少なくとも1つの前記螺旋翼の背面側に、地上から供給される掘削抵抗軽減用の流体を掘削土壌に向けて噴射する噴射ボックスが設けられていることを特徴とする掘削ヘッド。
【請求項3】
請求項2に記載の掘削ヘッドであって、
前記噴射ボックスに、螺旋翼の回転方向の前方へ向けて流体を吐出する吐出口、後方へ向けて流体を吐出する吐出口、螺旋翼の回転半径方向外方へ向けて流体を吐出する吐出口、の少なくとも1つが設けられていることを特徴とする掘削ヘッド。
【請求項4】
請求項3に記載の掘削ヘッドであって、
前記噴射ボックスに、螺旋翼の回転方向の前方へ向けて流体を吐出する吐出口と、後方へ向けて流体を吐出する吐出口と、螺旋翼の回転半径方向外方へ向けて流体を吐出する吐出口と、の3種の吐出口が、そのうちの1つのみを選択的に開放できるように設けられていることを特徴とする掘削ヘッド。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の掘削ヘッドを先端に備えると共に掘削ヘッドの上側に攪拌翼を備える回転軸と、該回転軸を回転させつつ昇降させる駆動装置と、前記攪拌翼の回転高さに地上から送られて来た安定材を吐出する吐出手段と、を備えることを特徴とする地盤改良装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−63870(P2008−63870A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−244141(P2006−244141)
【出願日】平成18年9月8日(2006.9.8)
【出願人】(000236610)株式会社不動テトラ (136)
【Fターム(参考)】