説明

探知装置およびその表示制御方法

【課題】記憶部に記憶された画像データの中から、利用者が表示部に表示させたい画像を容易に探すことが可能な探知装置を提供する。
【解決手段】表示部40の表示領域41の全体に、連続する複数の画像を右側から左側に送るように表示させる第1の表示モードと、表示部40の表示領域41を3段に分割して、分割された表示領域41a、41b、および41cに順に、連続する複数の画像を右側から左側に送るように表示させる第2の表示モードとを切り替えることが可能なように構成され、第2の表示モードにおいてカーソル46で選択された画像が、第1の表示モードにおいて拡大されて表示領域41の全体に表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、探知対象物で反射した信号を受信する受信器を備えた魚群探知機等の探知装置およびその表示制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、超音波信号を送受信する送受信器と、送受信器により受信された反響波情報を記憶する測定情報用メモリと、画像表示器とを備えた魚群探知機が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1に開示された魚群探知機では、画像表示器の表示画面は、表示領域が3つに分割されており、航跡表示領域と通常反響波表示領域と縮小反響波表示領域とを有する。
【0004】
縮小反響波表示領域は、表示画面の下部に全幅にわたるように配置されている。そして、縮小反響波表示領域には、送受信器により受信された反響波情報に基づいて、連続する複数の画像が右側から左側へ送られるように表示される。すなわち、縮小反響波表示領域には、右側から左側へ時間順に、反響波情報に基づく画像が表示されている。ここで、縮小反響波表示領域には、約30分間の反響波情報に基づく画像が表示されている。
【0005】
通常反響波表示領域は、表示画面の右上部に配置されており、縮小反響波表示領域に表示された画像の一部を拡大して表示している。なお、通常反響波表示領域には、約60秒間の反響波情報に基づく画像が表示されている。航跡表示領域は、表示画面の左上部に配置されており、自船位置の周辺の地図を二次元的に表示している。
【0006】
そして、この魚群探知機では、利用者がキー操作部を操作することにより、測定情報用メモリに記憶された反響波情報の中から、利用者が表示させたい反響波情報に基づく画像を、縮小反響波表示領域および通常反響波表示領域に表示させることが可能である。
【0007】
【特許文献1】特開2008−134068号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、一般的に測定情報用メモリに記憶された反響波情報の量が多いので、上記特許文献1に開示された魚群探知機では、測定情報用メモリに記憶された反響波情報の中から、利用者が表示画面に表示させたい反響波情報に基づく画像を探すことが困難であるという問題点がある。
【0009】
本発明は、上述した課題を解決するものであって、その目的とするところは、記憶部に記憶された画像データの中から、利用者が表示部に表示させたい画像を容易に探すことが可能な探知装置およびその表示制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の探知装置は、探知対象物で反射した信号を受信する受信器と、受信器により受信した信号に基づく画像データを記憶する第1の記憶部と、第1の記憶部に記憶された画像データを読み出すことにより、表示部に連続する複数の画像を一方側から他方側に送るように表示させるための制御部と、を備えた探知装置において、制御部は、表示部の表示領域の全体に、連続する複数の画像を一方側から他方側に送るように表示させる第1の表示モードと、表示部の表示領域を複数段に分割して、分割された各表示領域に順に、連続する複数の画像を一方側から他方側に送るように表示させる第2の表示モードと、を切り替えることが可能なように構成されている。
【0011】
このように構成することによって、第1の記憶部に記憶された画像データの量が多い場合にも、第2の表示モードで画像を表示することにより、1画面内に画像データに基づく画像を多く表示させることができるので、第1の記憶部に記憶された画像データの中から、利用者が表示部に表示させたい画像を容易に探すことができる。
【0012】
上記探知装置において、好ましくは、制御部は、第2の表示モードにおいて表示部の表示領域の所定位置にカーソルを表示させ、第2の表示モードから第1の表示モードへ切り替えられたときに、カーソルで選択された部分の画像を拡大して表示領域に表示させる。
【0013】
このように構成することによって、第2の表示モードにおいて、表示させたい画像が表示領域に送られてきた場合、その画像がカーソルで選択されることにより、第1の表示モードにおいて、その画像が拡大されて表示領域に表示されるので、表示させたい画像がカーソルで選択された状態で表示モードを第2の表示モードから第1の表示モードに切り替えることによって、所望する画像を容易かつ確実に表示することができる。
【0014】
上記探知装置において、好ましくは、第1の表示モードにおいて第1の記憶部に記憶された画像データが読み出された場合に、読み出された画像データがそのままの状態で一時的に記憶され、第2の表示モードにおいて第1の記憶部に記憶された画像データが読み出された場合に、読み出された画像データが圧縮された状態で一時的に記憶される第2の記憶部をさらに備える。
【0015】
このように構成することによって、第2の表示モードにおいて第2の記憶部に記憶される情報量が、第1の表示モードにおいて第2の記憶部に記憶される情報量に比べて多くなるのを抑制することができる。
【0016】
上記探知装置において、好ましくは、制御部は、第2の表示モードにおいて、分割された表示領域のうちの所定の表示領域に表示された連続する複数の画像が、所定の表示領域と隣接する表示領域に表示されるように、表示部に表示される画像をスキップさせることが可能なように構成されている。
【0017】
このように構成することによって、画像をスキップさせることにより、第1の記憶部に記憶された画像データの中から、利用者が表示部に表示させたい画像をより容易に探すことができる。
【0018】
上記探知装置において、好ましくは、第1の記憶部は、受信器により受信した信号に基づく画像データを記憶する際に、画像データと関連付けられた所定の情報も記憶することが可能なように構成され、制御部は、第1の記憶部に記憶された所定の情報に基づいて、表示部に表示される画像をスキップさせることが可能なように構成されている。
【0019】
このように構成することによって、画像をスキップさせることにより、第1の記憶部に記憶された画像データの中から、利用者が表示部に表示させたい画像をより容易に探すことができる。
【0020】
また、本発明の探知装置の表示制御方法は、探知対象物で反射した信号を受信する受信器と、受信器により受信した信号に基づく画像データを記憶する第1の記憶部と、第1の記憶部に記憶された画像データを読み出すことにより、表示部に連続する複数の画像を一方側から他方側に送るように表示させるための制御部と、を備えた探知装置の表示制御方法において、制御部により、表示部の表示領域を複数段に分割して、分割された各表示領域に順に、連続する複数の画像を一方側から他方側に送るように表示させた後、切替部が操作された場合に、制御部により、表示部の表示領域の全体に、連続する複数の画像を一方側から他方側に送るように表示させる。
【0021】
このように構成することによって、第1の記憶部に記憶された画像データの量が多い場合にも、分割された各表示領域に画像を表示することにより、1画面内に画像データに基づく画像を多く表示させることができるので、第1の記憶部に記憶された画像データの中から、利用者が表示部に表示させたい画像を容易に探すことができる。そして、利用者が表示部に表示させたい画像を発見した場合には、切替部を用いて、表示部の表示領域の全体に画像を表示させることができる。
【0022】
また、本発明の探知装置は、探知対象物で反射した信号を受信する受信器と、受信器により受信した信号に基づく画像データを記憶する第1の記憶部と、第1の記憶部に記憶された画像データを読み出すことにより、表示部に連続する複数の画像を表示させるための制御部と、を備えた探知装置において、制御部は、表示部の表示領域を複数段に分割して、分割された各表示領域に順に、連続する複数の画像を一方側から他方側に送るように表示させる。
【0023】
このように構成することによって、第1の記憶部に記憶された画像データの量が多い場合にも、画像を複数段に分割して表示することにより、1画面内に画像データに基づく画像を多く表示させることができるので、第1の記憶部に記憶された画像データの中から、利用者が表示部に表示させたい画像を容易に探すことができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、記憶部に記憶された画像データの中から、利用者が表示部に表示させたい画像を容易に探すことが可能な探知装置およびその表示制御方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態では、探知装置の一例である魚群探知機に本発明を適用した場合について説明する。
【0026】
図1は、本発明の一実施形態による魚群探知機の全体構成を示したブロック図である。まず、図1を参照して、本実施形態による魚群探知機100の構成について説明する。
【0027】
本発明の一実施形態による魚群探知機100は、図1に示すように、振動子10と、送受信部20と、制御部30と、表示部40と、ハードディスク50と、操作部60とを備えている。この魚群探知機100は、海面を航行する船舶(図示省略)に設けられている。なお、振動子10は、本発明の「受信器」の一例であり、ハードディスク50は、本発明の「第1の記憶部」の一例である。
【0028】
振動子10は、船舶の船底に設けられており、海底に向けて超音波信号を送信する。また、振動子10は、海底や魚群などの探知対象物で反射した超音波信号を受信する機能を有する。
【0029】
送受信部20は、送信部および受信部を含んでいる。送信部は、所定周波数の送信信号を生成するとともに、その生成された送信信号を振動子10に供給するように構成されている。すなわち、送信部は、送信信号により振動子10を駆動することによって、超音波信号を送信するために設けられている。受信部は、振動子10により受信した超音波信号(以下、「受信信号」という)に対して所定の処理を施して制御部30に出力するために設けられている。具体的には、受信信号が中間周波数に変換されるとともに、中間周波数に変換された受信信号がA/D変換される。
【0030】
制御部30は、送受信部20から入力された受信信号に処理を施すことにより、受信信号に基づく画像データを生成する機能を有する。また、制御部30は、CPU31と、ROM32と、RAM33と、ビデオRAM34と、ディスプレイドライバ35と、インターフェース(以下、「IF」という)36〜39とを含んでおり、これらはバス30aを介して接続されている。なお、ビデオRAM34は、本発明の「第2の記憶部」の一例である。
【0031】
CPU31は、魚群探知機100の動作を制御するために設けられている。ROM32は、魚群探知機100の動作を制御するためのプログラムなどが記憶されている。RAM33は、プログラムが実行される際にデータを一時的に記憶するために設けられている。ビデオRAM34は、表示部40に出力される画像データを一時的に記憶するために設けられている。ディスプレイドライバ35は、表示部40の規格に応じて、ビデオRAM34に記憶された画像データを変換して表示部40に出力するために設けられている。IF36〜39は、それぞれ、送受信部20、表示部40、ハードディスク50、および操作部60とデータのやり取りを行うために設けられている。
【0032】
表示部40は、液晶パネルなどを含み、制御部30から出力された画像データに基づいて画像を表示するように構成されている。ハードディスク50は、制御部30から出力された画像データを記憶するために設けられている。操作部60は、利用者が魚群探知機100を操作するために設けられている。この操作部60は、記録開始ボタン61、マーカーボタン62、再生ボタン63、送りボタン64、切替ボタン65、および探知開始ボタン66を有する。なお、切替ボタン65は、本発明の「切替部」の一例である。
【0033】
ここで、本実施形態では、魚群探知機100は、表示部40の表示領域41の全体に、連続する複数の画像を右側(一方側)から左側(他方側)に送るように表示させる第1の表示モード(図3参照)と、表示部40の表示領域41を3段に分割して、分割された表示領域41a、41b、および41cに順に、連続する複数の画像を右側から左側に送るように表示させる第2の表示モード(図7参照)とを切り替え可能に構成されている。
【0034】
次に、図1を参照して、本実施形態による魚群探知機100の魚群探知動作について説明する。なお、以下の魚群探知動作では、魚群探知機100は、第1の表示モードで表示を行う。
【0035】
まず、操作部60の探知開始ボタン66が利用者により操作されることによって、魚群探知動作が開始される。
【0036】
そして、送受信部20の送信部から送信信号が振動子10に供給される。これにより、振動子10が駆動されるので、振動子10から超音波信号が送信される。その後、振動子10により探知対象物で反射した超音波信号が受信される。そして、送受信部20の受信部により受信信号に対して所定の処理が施される。その後、制御部30により受信信号に対して演算処理や画像処理が施されることによって、受信信号に基づく画像データが生成される。次に、受信信号に基づく画像データがビデオRAM34に記憶される。
【0037】
そして、上記した動作が所定の周期で繰り返し行われることにより、表示部40には、連続する複数の画像が右側から左側へ送るように表示される。具体的には、ビデオRAM34には、受信信号に基づく画像データが順に記憶される。そして、たとえば、図2に示すように、ビデオRAM34に最新の画像データとして「画像データD6」が記憶された場合には、最新の画像データ(画像データD6)を含む所定の数の画像データ(画像データD2〜D6)が表示部40に出力される。これにより、表示部40の表示領域41には、図3に示すように、画像データD2〜D6に基づく画像P2〜P6が表示される。その結果、表示領域41には、探知対象物である海底42や魚群43が表示される。なお、第1の表示モードでは、1画面内に5個の画像データに基づく画像が表示される。
【0038】
ここで、1画面が5個の画像データにより構成されることは、本発明を説明するための便宜上のものであり、実際には、1画面は多数の画像データにより構成されている。したがって、図3では、画像データD2〜D6に基づく画像P2〜P6をそれぞれ2次元的な画像として示しているが、実際には、画像データに基づく画像は1次元的な線状の画像データである(後述の図5においても同様)。
【0039】
その後、図4に示すように、ビデオRAM34に最新の画像データとして「画像データD7」が記憶された場合には、最新の画像データ(画像データD7)を含む所定の数の画像データ(画像データD3〜D7)が表示部40に出力される。これにより、表示部40の表示領域41には、図5に示すように、画像データD3〜D7に基づく画像P3〜P7が表示される。したがって、表示領域41の全体に連続する複数の画像が右側から左側に送るように表示される。なお、図4において、ビデオRAM34の右端まで画像データが記憶され、ビデオRAM34の記憶領域が一杯になった場合には、ビデオRAM34の左端に戻って画像データが上書きされる。
【0040】
そして、魚群探知動作中に、操作部60の記録開始ボタン61が利用者により操作されることによって、受信信号の記録(保存)が開始される。具体的には、制御部30により生成された受信信号に基づく画像データがビデオRAM34に記憶されるとともに、ハードディスク50に記憶される。
【0041】
そして、たとえば、図3に示すように、表示部40の表示領域41に画像データD2〜D6に基づく画像P2〜P6が表示されたときに、操作部60のマーカーボタン62が利用者により操作された場合には、中央の画像P4に対応する「画像データD4」に関連付けられたマークがハードディスク50に記憶される。なお、マークは、本発明の「所定の情報」の一例である。
【0042】
その後、受信信号の記録が終了された場合には、ハードディスク50に記憶された一連の画像データが1つのファイルとして記憶される。このとき、ファイルナンバーや日付などの付加情報も記憶される。
【0043】
次に、図1を参照して、本実施形態による魚群探知機100のファイルの再生動作について説明する。
【0044】
まず、操作部60の再生ボタン63が利用者により操作されることによって、選択されたファイルの再生が第2の表示モードで開始される。
【0045】
そして、ハードディスク50に記憶された画像データが順に制御部30に出力される。そして、制御部30に入力された画像データが1/3に圧縮された状態でビデオRAM34に記憶される。
【0046】
具体的には、図6に示すように、ビデオRAM34の1段目、2段目、および3段目に、それぞれ、1/3に圧縮された画像データが順に記憶される。なお、画像データDsは、画像データDを縦方向および横方向に1/3に圧縮した画像データである。また、2段目の先頭には、1段目において表示部40に出力される画像データDs1〜Ds15の次の画像データである画像データDs16が記憶される。また、3段目の先頭には、2段目において表示部40に出力される画像データDs16〜Ds30の次の画像データである画像データDs31が記憶される。
【0047】
そして、ビデオRAM34に記憶された画像データDs1〜Ds45が表示部40に出力される。これにより、図7に示すように、表示部40の表示領域41の1段目の表示領域41aには、画像データDs1〜Ds15に基づく画像が表示される。また、表示領域41の2段目の表示領域41bには、画像データDs16〜Ds30に基づく画像が表示される。また、表示領域41の3段目の表示領域41cには、画像データDs31〜Ds45に基づく画像が表示される。なお、第2の表示モードでは、1画面内に45個の画像データに基づく画像が表示される。
【0048】
すなわち、表示領域41が3つの表示領域41a、41b、および41cに分割される。そして、表示領域41aに表示された画像と表示領域41bに表示された画像とが連続するとともに、表示領域41bに表示された画像と表示領域41cに表示された画像とが連続するように表示される。
【0049】
なお、表示領域41aの右端には、表示領域41bとの連続性を示す三角形のマーク44aが表示されるとともに、表示領域41bの左端には、表示領域41aとの連続性を示す三角形のマーク44bが表示される。また、表示領域41bの右端には、表示領域41cとの連続性を示す円形のマーク45aが表示されるとともに、表示領域41cの左端には、表示領域41bとの連続性を示す円形のマーク45bが表示される。
【0050】
46は表示領域41の中央に表示される枠形のカーソルを示している。後述するように、表示モードを第2の表示モードから第1の表示モードへ切り替えることにより、カーソル46で選択された(囲まれた)部分の画像が拡大されて表示領域41の全体に表示される。なお、本実施形態では、カーソル46の位置は固定されており、画像が順次送られることにより、カーソル46の位置に来た画像が選択されるようになっている。
【0051】
その後、図8に示すように、ビデオRAM34に記憶された画像データDs2〜Ds46が表示部40に出力される。具体的には、ビデオRAM34の1段目に記憶された画像データDs2〜Ds16が出力され、2段目に記憶された画像データDs17〜Ds31が出力され、3段目に記憶された画像データDs32〜Ds46が出力される。これにより、表示領域41c、41b、41aの順に連続する複数の画像が右側から左側に送るように表示される。なお、画像が送られる速度については、画像データがハードディスク50から出力されていることから、利用者が所望の速さに設定することが可能である。
【0052】
そして、ファイルの再生中に、操作部60の送りボタン64が利用者により操作されることによって、表示部40に表示される画像がスキップする。たとえば、図6に示すように、ビデオRAM34に記憶された画像データDs1〜Ds45が表示部40に出力されているときに、送りボタン64が操作された場合には、図9に示すように、ビデオRAM34に記憶された画像データDs16〜Ds60が表示部40に出力される。
【0053】
具体的には、ビデオRAM34の1段目に記憶された画像データDs16〜Ds30が出力され、2段目に記憶された画像データDs31〜Ds45が出力され、3段目に記憶された画像データDs46〜Ds60が出力される。この場合、2段目の表示領域41bに表示されていた画像データDs16〜Ds30に基づく画像が、1段目の表示領域41aに表示されるとともに、3段目の表示領域41cに表示されていた画像データDs31〜Ds45に基づく画像が、2段目の表示領域41bに表示される。そして、3段目の表示領域41cには、画像データDs46〜Ds60に基づく画像が表示される。
【0054】
また、ファイルの再生中に、操作部60のマーカーボタン62が利用者により操作されることによって、マークされた画像データに基づく画像が表示されるように、表示部40に表示される画像がスキップする。たとえば、画像データD50がマークされており、図6に示すように、ビデオRAM34に記憶された画像データDs1〜Ds45が表示部40に出力されているときに、マーカーボタン62が操作された場合には、図10に示すように、ビデオRAM34に記憶された画像データDs28〜Ds72が表示部40に出力される。
【0055】
具体的には、ビデオRAM34の1段目に記憶された画像データDs28〜Ds42が出力され、2段目に記憶された画像データDs43〜Ds57が出力され、3段目に記憶された画像データDs58〜Ds72が出力される。これにより、画像データDs50に基づく画像が表示部40の表示領域41の中央に表示される。なお、その後、マーカーボタン62が操作された場合には、画像データD50の次にマークされた画像データに基づく画像が表示されるようにスキップする。
【0056】
また、ファイルの再生中に、操作部60の切替ボタン65が利用者により操作されることによって、制御部30により第2の表示モードが第1の表示モードに切り替えられる。たとえば、図6に示すように、ビデオRAM34に記憶された画像データDs1〜Ds45が表示部40に出力されているとき(図7の状態)に、切替ボタン65が操作された場合には、図11に示すように、ハードディスク50から読み出された画像データD21〜D25が、圧縮されずにそのままの状態でビデオRAM34に記憶される。そして、ビデオRAM34に記憶された画像データD21〜D25が表示部40に出力される。これにより、図7において、カーソル46で選択されていた画像が、図12に示すように、拡大されて表示領域41の全体に表示される。
【0057】
その後、ハードディスク50から順に画像データが読み出されるとともに、読み出された画像データが圧縮されることなくそのままの状態でビデオRAM34に記憶される。そして、ビデオRAM34に記憶された画像データが表示部40に出力されることにより、表示領域41の全体に連続する複数の画像が右側から左側に送るように表示される(図5の状態)。
【0058】
本実施形態では、上記のように、表示領域41を3つの表示領域41a、41b、および41cに分割することによって、ハードディスク50に記憶されたファイル内の画像データの量が多い場合にも、1画面内に画像データに基づく画像を多く表示させることができるので、ファイル内の画像データの中から、利用者が表示部40に表示させたい画像を容易に探すことができる。
【0059】
また、本実施形態では、第2の表示モードにおいて、表示させたい画像が表示領域41に送られてきた場合、その画像がカーソル46で選択されることにより、第1の表示モードにおいて、その画像が拡大されて表示領域41に表示されるので、表示させたい画像がカーソル46で選択された状態で切替ボタン65を操作し、表示モードを第2の表示モードから第1の表示モードに切り替えることによって、所望する画像を容易かつ確実に表示することができる。
【0060】
また、本実施形態では、第2の表示モードにおいて、ハードディスク50に記憶された画像データを読み出した後、画像データを圧縮してビデオRAM34に記憶させることによって、第2の表示モードにおいてビデオRAM34に記憶される情報量が、第1の表示モードにおいてビデオRAM34に記憶される情報量に比べて多くなるのを抑制することができる。これにより、第2の表示モードで用いられる記憶部を別途設ける必要や、ビデオRAM34の容量を大きくする必要がない。
【0061】
また、本実施形態では、マーカーボタン62および送りボタン64を設けることによって、表示部40に表示される画像をスキップさせることができるので、利用者が表示部40に表示させたい画像をより容易に探すことができる。
【0062】
本発明は、上述した以外にも種々の実施形態を採用することができる。たとえば、上記実施形態では、本発明を魚群探知機100に適用する例を示したが、これに限らず、本発明を海底の深度を測定する測深機やレーダ装置に適用してもよい。
【0063】
また、上記実施形態では、第2の表示モードにおいて、表示領域41を3段に分割する例を示したが、これに限らず、第2の表示モードにおいて、表示領域41を2段に分割してもよいし、4段以上に分割してもよい。
【0064】
また、上記実施形態では、第2の表示モードにおいて、画像データDを横方向に1/3に圧縮する例を示したが、これに限らず、たとえば、画像データDを横方向に1/5に圧縮してもよい。このように構成すれば、画像データに基づく画像を1画面内により多く表示させることができる。
【0065】
また、上記実施形態において、画像データに関連付けられた時間情報を記憶するとともに、その時間情報に基づいて表示部40に表示される画像をスキップさせてもよい。なお、時間情報は、本発明の「所定の情報」の一例である。また、時間情報を表示部40に表示させてもよい。
【0066】
また、上記実施形態では、表示部40に表示された画像を送る場合について説明したが、表示部40に表示された画像を戻す場合についても同様である。
【0067】
また、上記実施形態において、魚群探知中に、第1の表示モードで表示を行う例を示したが、これに限らず、魚群探知中に、第2の表示モードで表示を行うようにしてもよい。
【0068】
また、上記実施形態では、画像データDs1〜Ds45が表示部40に出力されているときに、送りボタン64が操作された場合に、画像データDs16〜Ds60が表示部40に出力される例を示したが、これに限らず、画像データDs1〜Ds45が表示部40に出力されているときに、送りボタン64が操作された場合に、画像データDs46〜Ds90が表示部40に出力されるようにしてもよい。具体的には、ビデオRAM34の1段目に記憶された画像データDs46〜Ds60が出力され、2段目に記憶された画像データDs61〜Ds75が出力され、3段目に記憶された画像データDs76〜Ds90が出力されるようにしてもよい。
【0069】
また、上記実施形態においては、第2の表示モードにおいて表示されるカーソル46の位置を表示領域41の中央としたが、カーソル46は表示領域41の任意の位置に表示させることができる。また、上記実施形態ではカーソル46の位置を固定としたが、カーソル46を移動させることが可能なようにしてもよい。
【0070】
また、上記実施形態において、ファイルの再生中に、第2の表示モードが第1の表示モードに切り替えられた後、第1の表示モードから再度第2の表示モードに切り替えることも可能である。
【0071】
また、上記実施形態では、選択されたファイルの再生が第2の表示モードで開始される例を示したが、これに限らず、選択されたファイルの再生が第1の表示モードで開始されてもよい。
【0072】
また、上記実施形態では、第1の表示モードと、第2の表示モードとを切り替え可能に構成する例を示したが、これに限らず、常に第2の表示モードで表示されるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の一実施形態による魚群探知機の全体構成を示したブロック図である。
【図2】図1の魚群探知機のビデオRAMを示した図である。
【図3】図1の魚群探知機の表示部を示した図である。
【図4】図1の魚群探知機のビデオRAMを示した図である。
【図5】図1の魚群探知機の表示部を示した図である。
【図6】図1の魚群探知機のビデオRAMを示した図である。
【図7】図1の魚群探知機の表示部を示した図である。
【図8】図1の魚群探知機のビデオRAMを示した図である。
【図9】図1の魚群探知機のビデオRAMを示した図である。
【図10】図1の魚群探知機のビデオRAMを示した図である。
【図11】図1の魚群探知機のビデオRAMを示した図である。
【図12】図1の魚群探知機の表示部を示した図である。
【符号の説明】
【0074】
10 振動子(受信器)
30 制御部
34 ビデオRAM(第2の記憶部)
40 表示部
41、41a、41b、41c 表示領域
46 カーソル
50 ハードディスク(第1の記憶部)
65 切替ボタン(切替部)
100 魚群探知機(探知装置)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
探知対象物で反射した信号を受信する受信器と、
前記受信器により受信した信号に基づく画像データを記憶する第1の記憶部と、
前記第1の記憶部に記憶された前記画像データを読み出すことにより、表示部に連続する複数の画像を一方側から他方側に送るように表示させるための制御部と、を備えた探知装置において、
前記制御部は、
前記表示部の表示領域の全体に、連続する複数の画像を一方側から他方側に送るように表示させる第1の表示モードと、
前記表示部の表示領域を複数段に分割して、分割された各表示領域に順に、連続する複数の画像を一方側から他方側に送るように表示させる第2の表示モードと、を切り替えることが可能なように構成されていることを特徴とする探知装置。
【請求項2】
請求項1に記載の探知装置において、
前記制御部は、前記第2の表示モードにおいて前記表示部の表示領域の所定位置にカーソルを表示させ、第2の表示モードから第1の表示モードへ切り替えられたときに、前記カーソルで選択された部分の画像を拡大して前記表示領域に表示させることを特徴とする探知装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の探知装置において、
前記第1の表示モードにおいて前記第1の記憶部に記憶された前記画像データが読み出された場合に、読み出された前記画像データがそのままの状態で一時的に記憶され、前記第2の表示モードにおいて前記第1の記憶部に記憶された前記画像データが読み出された場合に、読み出された前記画像データが圧縮された状態で一時的に記憶される第2の記憶部をさらに備えることを特徴とする探知装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の探知装置において、
前記制御部は、前記第2の表示モードにおいて、分割された表示領域のうちの所定の表示領域に表示された連続する複数の画像が、前記所定の表示領域と隣接する表示領域に表示されるように、前記表示部に表示される画像をスキップさせることが可能なように構成されていることを特徴とする探知装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の探知装置において、
前記第1の記憶部は、前記受信器により受信した信号に基づく画像データを記憶する際に、前記画像データと関連付けられた所定の情報も記憶することが可能なように構成され、
前記制御部は、前記第1の記憶部に記憶された前記所定の情報に基づいて、前記表示部に表示される画像をスキップさせることが可能なように構成されていることを特徴とする探知装置。
【請求項6】
探知対象物で反射した信号を受信する受信器と、
前記受信器により受信した信号に基づく画像データを記憶する第1の記憶部と、
前記第1の記憶部に記憶された前記画像データを読み出すことにより、表示部に連続する複数の画像を一方側から他方側に送るように表示させるための制御部と、を備えた探知装置の表示制御方法において、
前記制御部により、前記表示部の表示領域を複数段に分割して、分割された各表示領域に順に、連続する複数の画像を一方側から他方側に送るように表示させた後、
切替部が操作された場合に、前記制御部により、前記表示部の表示領域の全体に、連続する複数の画像を一方側から他方側に送るように表示させることを特徴とする探知装置の表示制御方法。
【請求項7】
探知対象物で反射した信号を受信する受信器と、
前記受信器により受信した信号に基づく画像データを記憶する第1の記憶部と、
前記第1の記憶部に記憶された前記画像データを読み出すことにより、表示部に連続する複数の画像を表示させるための制御部と、を備えた探知装置において、
前記制御部は、前記表示部の表示領域を複数段に分割して、分割された各表示領域に順に、連続する複数の画像を一方側から他方側に送るように表示させることを特徴とする探知装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−139481(P2010−139481A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−318686(P2008−318686)
【出願日】平成20年12月15日(2008.12.15)
【出願人】(000166247)古野電気株式会社 (441)
【Fターム(参考)】