説明

探索支援装置、探索支援方法、及びプログラム

【課題】物品の探索作業の効率性を簡便に向上させること。
【解決手段】所定の空間においてそれぞれ異なる位置に配置された複数の電波放射手段の電波強度を個別に変化させ、それぞれの前記電波放射手段ごとに、探索対象の識別情報が記憶されたICタグが検出される前記電波強度の境界値を探索する境界値探索手段と、前記所定の空間における位置情報と前記電波放射手段ごとの電波強度の組み合わせとの対応情報を記憶した対応情報記憶手段を用いて、前記境界値探索手段によって探索された前記境界値に対応する前記位置情報を特定する配置位置判定手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、探索支援装置、探索支援方法、及びプログラムに関し、特に物品の探索を支援する探索支援装置、探索支援方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特定の範囲に多数の管理物品があり、個々の物品の保管位置が決定されていないような保管状況の場合、多数の類似した形態の物品中から、人の目視により目的とする物品を探索することは多大な労力、及び時間を要してしまう。
【0003】
そこで、従来、ICタグを利用して物品を見つけ出す技術が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−195341号公報
【特許文献2】特開2009−137761号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、ICタグが応答して発信する電波強度を測定する必要がある。また、特許文献2に記載された技術では、アンテナの電波照射をスキャンする(方向を変える)必要がある。
【0006】
このように従来の技術では、比較的複雑な機構が必要とされる。
【0007】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであって、物品の探索作業の効率性を簡便に向上させることができる探索支援装置、探索支援方法、及びプログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで上記課題を解決するため、探索支援装置は、所定の空間においてそれぞれ異なる位置に配置された複数の電波放射手段の電波強度を個別に変化させ、それぞれの前記電波放射手段ごとに、探索対象の識別情報が記憶されたICタグが検出される前記電波強度の境界値を探索する境界値探索手段と、前記所定の空間における位置情報と前記電波放射手段ごとの電波強度の組み合わせとの対応情報を記憶した対応情報記憶手段を用いて、前記境界値探索手段によって探索された前記境界値に対応する前記位置情報を特定する配置位置判定手段とを有する。
【発明の効果】
【0009】
開示された技術によれば、物品の探索作業の効率性を簡便に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第一実施の形態における探索支援システムの構成例を示す図である。
【図2】物品の保管状態の例を示す図である。
【図3】第一の実施の形態におけるアンテナの配置例を示す図である。
【図4】第一の実施の形態における探索支援装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図5】第一の実施の形態における探索支援装置の機能構成例を示す図である。
【図6】分割空間の例を示す図である。
【図7】第一の実施の形態における物品の配置位置の判定方法を概念的に示す図である。
【図8】第一の実施の形態における探索支援装置による処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図9】対応情報記憶部の構成例を示す図である。
【図10】境界値探索処理の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図11】電波強度の刻み幅を変化させる意義を説明するための図である。
【図12】読取数に応じた刻み幅の設定処理の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図13】基準値記憶部の構成例を示す図である。
【図14】読取数の変化量に応じた刻み幅の設定処理の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図15】対応情報の作成方法の一例を説明するための図である。
【図16】第二の実施の形態における探索支援装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図17】第二の実施の形態における探索支援装置の機能構成例を示す図である。
【図18】第二の実施の形態の探索支援装置を利用した物品の探索方法を説明するための図である。
【図19】第二の実施の形態における探索支援装置による処理手順を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。図1は、第一実施の形態における探索支援システムの構成例を示す図である。探索支援システム1は、所定の空間(例えば、倉庫等の保管場所)に配置された複数の物品の中から、探索対象として指定された物品の探索を支援するシステムである。同図において、探索支援システム1は、電波放射手段としての複数のアンテナa1〜an(以下、それぞれを区別しない場合「アンテナa」という。)、及び探索支援装置10等を含む。各アンテナaと探索支援装置10とは、LAN(Local Area Network)等のネットワーク(有線又は無線の別は問わない。)を介して通信可能に接続されている。
【0012】
各アンテナaは、電波を放射し、当該電波を利用した無線通信によりRFID(Radio Frequency Identification)タグの検出及び読み取りを行うRFIDアンテナである。探索支援装置10は、各アンテナa等を利用して、所定の情報処理を行うことにより、所定の空間に配置された複数の物品の中から、探索対象として指定された物品の配置位置を判定する
図2は、物品の保管状態の例を示す図である。同図において直方体は物品を示す。同図には、保管場所S内において複数の物品が保管されている様子が示されている。各物品には、RFIDタグtが貼付されている。各RFIDタグtには、物品毎に一意な識別情報(以下「物品ID」という。)が記録されている。なお、物品は、整列されずに無造作に(規則性なく)配置されていてもよい。また、積み重ねられていてもよい。また、形状の異なるものが混在してもよい。
【0013】
図3は、第一の実施の形態におけるアンテナの配置例を示す図である。同図は、保管場所Sを上方から見た図(平面図)である。同図では、アンテナa1〜a4の4つのアンテナaが、保管場所Sの四隅に配置されている例が示されている。但し、アンテナaの配置位置は、同図の例に限定されない。2又は3つのアンテナaが配置されてもよいし、5以上のアンテナaが配置されてもよい。また、例えば、保管場所の天井等、3次元的にアンテナaが配置されてもよい。
【0014】
図4は、第一の実施の形態における探索支援装置のハードウェア構成例を示す図である。同図において、探索支援装置10は、それぞれバスBで相互に接続されているドライブ装置100、補助記憶装置102、メモリ装置103、CPU104、インタフェース装置105、表示装置106、及び入力装置107等を有する。
【0015】
探索支援装置10での処理を実現するプログラムは、CD−ROM等の記録媒体101によって提供される。プログラムを記録した記録媒体101がドライブ装置100にセットされると、プログラムが記録媒体101からドライブ装置100を介して補助記憶装置102にインストールされる。但し、プログラムのインストールは必ずしも記録媒体101より行う必要はなく、ネットワークを介して他のコンピュータよりダウンロードするようにしてもよい。補助記憶装置102は、インストールされたプログラムを格納すると共に、必要なファイルやデータ等を格納する。
【0016】
メモリ装置103は、プログラムの起動指示があった場合に、補助記憶装置102からプログラムを読み出して格納する。CPU104は、メモリ装置103に格納されたプログラムに従って探索支援装置10に係る機能を実現する。インタフェース装置105は、ネットワークに接続するためのインタフェースとして用いられる。表示装置106はプログラムによるGUI(Graphical User Interface)等を表示する。入力装置107はキーボード及びマウス等であり、様々な操作指示を入力させるために用いられる。
【0017】
図5は、第一の実施の形態における探索支援装置の機能構成例を示す図である。同図において、探索支援装置10は、探索指示受付部11、境界値探索部12、配置位置判定部13、出力部14、物品情報記憶部15、アンテナ情報記憶部16、基準値記憶部17、及び対応情報記憶部18等を有する。探索指示受付部11、境界値探索部12、配置位置判定部13、及び出力部14は、探索支援装置10にインストールされたプログラムがCPU104に実行させる処理によって実現される。
【0018】
探索指示受付部11は、表示装置106及び入力装置107等を用いて、ユーザより物品の探索指示を受け付ける。当該探索指示により、目的とする(探索対象とする)物品の物品IDが特定される。
【0019】
境界値探索部12は、アンテナ情報記憶部16にその属性情報(アンテナ情報)が記録されている各アンテナaの電波の強さ(以下、「電波強度」という。)を個別に変化させ、アンテナaごとに、探索対象の物品IDが記憶されたRFIDタグtが検出される電波強度の境界値を探索する。したがって、第一の実施の形態において、境界値探索部12による探索結果は、4つのアンテナa1〜a4ごとの電波強度(境界値)となる。なお、電波強度を「個別に」変化させるとは、電波強度の値について個別に変化させることをいい、タイミングについて限定するものではない。すなわち、各アンテナaの電波強度は、並行して(並列的に)変更されてもよい。
【0020】
アンテナ情報記憶部16は、補助記憶装置102を用いて、アンテナaごとにアンテナ情報を記憶する。アンテナ情報には、アンテナaの識別子(アンテナID)及びアンテナaの通信用の識別情報(IPアドレス等)等が含まれる。
【0021】
配置位置判定部13は、対応情報記憶部18を用いて、境界値探索部12による探索結果である4つの境界値の組み合わせ(以下、「境界値パターン」という。)に対応する、保管場所Sにおける位置を判定する。
対応情報記憶部18は、補助記憶装置102を用いて、電波強度の組み合わせ(電波強度パターン)と、保管場所Sを所定の単位で分割することにより形成される分割空間との対応情報を記憶する。したがって、配置位置判定部13による位置の判定結果は、分割空間単位となる。
【0022】
基準値記憶部17は、補助記憶装置102を用いて、境界値探索部12が電波強度を変化させる際の1段階分の変化量(刻み幅)を変化させるか否か判定するための基準値(閾値)を記憶する。例えば、刻み幅は、現在の電波強度によって読み取れたRFIDタグtの数と当該基準値との比較によって動的に変更される。
【0023】
出力部14は、配置位置判定部13による判定結果(分割空間を示す情報)を表示装置106に表示させる。物品情報記憶部15は、補助記憶装置102を用いて、保管場所Sに保管されている物品ごとに、物品の属性情報(物品情報)を記憶する。物品情報には物品IDが含まれる。
【0024】
図6は、分割空間の例を示す図である。同図では、保管場所Sが4×4=36個の分割空間L11〜L44に分割された例が示されている。なお、本実施の形態では、分割空間は2次元であるが、アンテナaを3次元的に配置する場合、分割空間を3次元としてもよい。
【0025】
また、図7は、第一の実施の形態における物品の配置位置の判定方法を概念的に示す図である。同図には、探索対象とされた物品に貼付されたRFIDタグt1が検出されたときの各アンテナaの境界値が示されている。すなわち、w1、w2、w3、w4は、順番に、アンテナa1、a2、a3、a4がRFIDタグt1を検出可能な電波強度の境界値を示す。配置位置判定部13は、境界値w1、w2、w3、及びw4を、対応情報記憶部18に記録された対応情報に当てはめる。この当てはめは、概念的に、同図における分割空間L11〜L44とのマッピングに相当する。その結果、分割空間L21に探索対象の物品が配置されていることが判定される。
【0026】
以下、探索支援装置10の処理手順について説明する。図8は、第一の実施の形態における探索支援装置による処理手順を説明するためのフローチャートである。
【0027】
ステップS101において、探索指示受付部11は、表示装置106及び入力装置107等を用いて、物品の探索指示をユーザより受け付ける。例えば、探索指示受付部11は、物品情報記憶部15に記録されている物品情報の一覧画面を表示装置106に表示させる。探索指示受付部11は、当該一覧画面において選択された物品の物品IDを探索対象の識別情報としてメモリ装置103に記録する。但し、物品IDもしくは物品IDと対応付けられた識別コードがユーザによって直接入力されてもよい。なお、探索対象とされた物品を以下「対象物品」といい、その物品IDを以下「対象物品ID」という。
【0028】
続いて、境界値探索部12は、アンテナ情報記憶部16に登録されている各アンテナaについて(S102、S104、S105)境界値探索処理(S103)を実行する。境界値探索処理は、対象物品IDが記録されたRFIDタグtを検出可能(読み取り可能)な電波強度の境界値(最小値)を探索する(調査する)処理である。境界値探索処理(S103)が、全てのアンテナaについて実行されることにより、境界値パターンが得られる。
【0029】
続いて、配置位置判定部13は、探索された境界値パターンと対応情報記憶部18に登録されているレコード(対応情報)と比較し、境界値パターンに対応するレコードを対応情報記憶部18より検索する(S106)。
【0030】
図9は、対応情報記憶部の構成例を示す図である。同図に示されるように、対応情報記憶部18には、分割空間と、当該分割空間を境界範囲に含む各アンテナaの電波強度(すなわち、電波強度パターン)との対応関係が記録されている。境界範囲とは、当該電波強度の境界線と一段下の電波強度の境界線との間をいう。換言すれば、対応情報記憶部18には、電波強度パターンに応じて、当該電波強度パターンに対応する分割空間(配置位置)が予め登録されているともいえる。一つの分割空間に対して、複数の電波強度パターンが対応しうる。したがって、同図では、枝番によって、同一の分割空間に対応する電波強度パターンが分類されている。対応情報の作成方法の一例については後述する。
【0031】
なお、同図における電波強度の値は、相対値(レベル値又は段階値)である。当該相対値は、例えば、電波強度を5段階に分けた場合の各段階によって示されている。但し、電波強度の絶対値(例えば、電界強度)が記録されていてもよい。
【0032】
ところで、境界値探索部12によって探索された境界値パターンと完全に一致する電波強度パターンが対応情報記憶部18に登録されているとは限らない。電波強度の段階数を詳細化すればするほど、電波強度パターンの組み合わせは膨大となる。また、電波強度を絶対値によって電波強度パターンを登録する場合、全ての組み合わせを登録するのは非現実的である。
【0033】
そこで、本実施の形態において、配置位置判定部13は、境界値パターンと、登録されている電波強度パターン(以下「登録パターン」という。)とのユークリッド距離を算出する。ユークリッド距離Uは、以下の式(1)によって算出される。
【0034】
【数1】

【0035】
式(1)において、Z、Z、Z、Zは、境界値パターンにおける、アンテナa1、a2、a3、a4のそれぞれの電波強度(境界値)である。また、K、K、K、Kは、登録パターンにおける、アンテナa1、a2、a3、a4のそれぞれの電波強度である。
【0036】
配置位置判定部13は、全ての登録パターンについて、境界値パターンとのユークリッド距離を算出し、ユークリッド距離が最小となる登録パターンを検索する。したがって、本実施の形態において、「探索された境界値パターンに対応するレコード」とは、境界値パターンとのユークリッド距離が最小である登録パターンが記録されたレコードをいう。
【0037】
なお、ユークリッド距離は、境界値パターンと登録パターンとの類似度、近似度、又は一致度を示す指標の一例として本実施の形態において採用されたものである。公知の他の指標によって、各登録パターンについて境界値パターンとの類似度等を比較可能であれば、当該他の指標が採用されてもよい。また、アンテナaの総数が少なく(例えば、2つ)、電波強度の段階も少ない場合等、全ての電波強度パターンを予め登録可能な場合は、境界値パターンと完全に一致する登録パターンが検索されてもよい。
【0038】
続いて、配置位置判定部13は、該当する(ユークリッド距離が最小である)登録パターンは複数か否かを判定する(S107)。該当する登録パターンが複数有る場合(S107でYes)、配置位置判定部13は、境界値が登録パターンの電波強度と一致する(すなわち、(Z−K)=0である)、アンテナaの数が最も多い登録パターンに係るレコードを探索対象の配置位置を示すレコードとして選択する(S108)。なお、これでも登録パターンが一つに絞れない場合は、複数のレコードが選択されてもよい。
【0039】
但し、該当する複数の登録パターンに対応する分割空間が一致していれば、上記の絞り込みは実行されなくてもよい。
【0040】
一方、該当する登録パターンが一つである場合(S107でNo)、配置位置判定部13は、当該登録パターンに係るレコードを探索対象の配置位置を示すレコードとして選択する(S109)。
【0041】
続いて、出力部14は、配置位置判定部13によって選択されたレコードに係る分割空間を示す情報を表示装置106に表示させる(S110)。分割空間を示す情報は、分割空間の識別情報でもよいし、当該分割空間の位置を図形的に示すものであってもよい。例えば、図6に示されるような図形において、当該分割空間がハイライト表示されてもよい。
【0042】
なお、ステップS101において、探索対象は複数指定されてもよい。この場合、ステップS102以降は、探索対象ごとに実行されればよい。
【0043】
続いて、ステップS103及び詳細について説明する。ステップS103の基本的な処理は、アンテナaの電波強度を変化させて、対象物品IDが記録されたRFIDタグtを検出可能な(読み取り可能な)電波強度の境界値を探索するものである。当該境界値は、対象物品IDが記録されたRFIDタグtを検出可能な電場強度の最小値となる。但し、当該最小値は、厳密な意味における最小値であるとは限らない。境界値探索部12は、探索の高速性を考慮して、アンテナaの電波強度を離散的に変化させるからである。離散的な変化量は、本実施の形態では、「刻み幅」という。したがって、最小値は、刻み幅単位で最小の電波強度となる。換言すれば、境界値は、刻み幅単位における境界値となる。
【0044】
図10は、境界値探索処理の処理手順を説明するためのフローチャートである。図8より明らかなように、同図の処理は、一つのアンテナaに関して実行される。同図において処理対象とされているアンテナaを、以下「対象アンテナa」という。
【0045】
ステップS201において、境界値探索部12は、電波強度の刻み幅を最大に設定する。続いて、境界値探索部12は、対象アンテナaの電波強度を最大とする(S202)。なお、対象アンテナaの制御は、アンテナ情報記憶部16に記録されているアンテナ情報に基づいて行われる。続いて、境界値探索部12は、対象アンテナaにRFIDタグtの読み取りを実行させる(S203)。その結果、例えば、各物品の各RFIDタグtより読み取られた物品IDの一覧が取得される。
【0046】
続いて、境界値探索部12は、読み取られた物品IDの一覧の中に対象物品IDが含まれているか否かを判定する(S204)。対象物品IDが含まれていない場合(S204でNo)、境界値探索部12は、検出不可(読み取り不可)を示す値(例えば、負の値)を境界値として記録する(S205)。この場合、対応情報記憶部18においても、検出不可を示す電波強度を登録可能とすればよい。
【0047】
一方、読み取られた物品IDの一覧の中に対象物品IDが含まれている場合(S204でYes)、境界値探索部12は、読み取られたRFIDタグtの数(読取数)に応じて、刻み幅を設定し直す(S206)。当該ステップの詳細については後述する。なお、読取数によっては、刻み幅が変更されない場合もある。
【0048】
続いて、境界値探索部12は、対象アンテナaの電波強度を一段階下げる(S207)。ここでいう一段階とは、現在の刻み幅における一刻み幅分である。続いて、境界値探索部12は、対象アンテナaにRFIDタグtの読み取りを実行させる(S208)。その結果、例えば、各物品の各RFIDタグtより読み取られた物品IDの一覧が取得される。続いて、境界値探索部12は、読み取られた物品IDの一覧の中に、対象物品IDが含まれているか否かを判定する(S209)。続いて、境界値探索部12は、読取数の変化量に応じて刻み幅を設定し直す(S210)読取数の変化量とは、前回の電波強度における読取数と、今回の電波強度における読取数との差分である。続いて、境界値探索部12は、ステップS207以降を繰り返す。したがって、対象物品IDが記録されているRFIDタグtが検出されなくなるまで(検出状態が変化するまで)、電波強度が下げられる。
【0049】
ステップS208において読み取られた物品IDの一覧の中に対象物品IDが含まれていない場合(S209でNo)、境界値探索部12は、現在の刻み幅は最小か否かを判定する(S211)。刻み幅の最小値は予め設定されている値である。現在の刻み幅が最小値である場合(S211でYes)、境界値探索部12は、前回の電波強度、すなわち、対象物品IDに係るRFIDタグtを最後に読み取れたときの電波強度を対象アンテナaの境界値としてメモリ装置103に記録する(S212)。
【0050】
一方、現在の刻み幅が最小値でない場合(S211でNo)、境界値探索部12は、刻み幅を一段階下げる(S213)。したがって、刻み幅は更に細かくなる。続いて、境界値探索部12は、対象アンテナaの電波強度を前回値以上の値に戻し(S214)、ステップS207以降を繰り返す。すなわち、対象物品IDに係るRFIDタグtを最後に読み取れたときの電波強度から、より細かい刻み幅によって、より正確な境界値を探索するためである。
【0051】
続いて、ステップS206及びS210について説明する。まず、電波強度の刻み幅を変化させる意義について説明する。
【0052】
図11は、電波強度の刻み幅を変化させる意義を説明するための図である。
【0053】
例えば、(1)に示されるように、保管対象が大型の物品である場合、又は設置状態が疎な場合等はRFIDタグt間の距離が大きくなる傾向にある。一方、(2)に示されるように、保管対象が小型の物品である場合、又は設置状態が密な場合はRFIDタグt間の距離が短くなる傾向にある。また、(3)又は(4)に示されるように、配置状況の疎密状態は、必ずしも一様ではない(偏りがある)場合も考えられる。
【0054】
したがって、以上を考慮して、電波の境界付近において、RFIDタグt間の距離が大きい場合は電波強度の刻み幅を大きくし、物品間隔が小さい場合は電波強度の刻み幅を小さくすれば探索時間の短縮化が期待できる。
【0055】
具体的には、読取数、読取数の変化量、及び対象物品の有無等に応じて刻み幅を変更することが考えられる。
【0056】
すなわち、読取数が基準値(閾値)より大きい場合、物品が小型又は密な状態であると判定し、刻み幅を1段階小さくする。一方、読取数が基準値より小さい場合、物品が大型又は疎な状態であると判定し、刻み幅設定を1段階大きくする。これは、ステップS206において実行される処理である。
【0057】
また、現在の電波強度から1段階電波強度を下げた場合、読取数の変化量が基準値より大きければ、刻み幅を1段階小さくする。一方、読取数の変化量が基準値より小さい場合、刻み幅を1段階大きくする。ステップS210において実行される処理である。
【0058】
また、電波強度を下げたときに、対象物品IDが読み取れる状態から読み取れない状態に変化した場合、電波強度を下げる前の電波強度の境界範囲内に対象物品が有ると考えられるため、刻み幅設定を1段階下げて、当該境界範囲内を再探索する。これにより、対象物品の配置位置をより小さい範囲に絞り込むことができる。これは、図10のステップS209〜S214において説明した処理である。
【0059】
ステップS206の詳細について説明する。図12は、読取数に応じた刻み幅の設定処理の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【0060】
ステップS301において、境界値探索部12は、図10のステップS203において読み取られたRFIDタグtの数(物品IDの数)を読取数として計数する。続いて、境界値探索部12は、読取数が現在の電波強度及び刻み幅に対する基準値を中心とした値の範囲より大きいか否かを基準値記憶部17を参照して判定する(S302)。
【0061】
図13は、基準値記憶部の構成例を示す図である。同図には3つのテーブルが示されている。各テーブルは、刻み幅が異なる。具体的には、テーブルT1の刻み幅は10である。テーブルT2の刻み幅は5である。テーブルT3の刻み幅は2である。すなわち、同図には、刻み幅毎に、電波強度に対する読取数の基準値が登録された例が示されている。なお、同図では、各刻み幅において、同一の電波強度には同一の基準値が与えられている。例えば、テーブルT1、T2、及びT3において、電波強度50に対する基準値は100である。また、本実施の形態において、刻み幅の最大値は10であり、最小値は2であるとする。
【0062】
例えば、ステップS302において、現在の刻み幅が10であり、電波強度が30である場合、境界値探索部12は、テーブルT1の電波強度30に対する基準値60にある範囲値dを加えた数と読取数とを比較する。読取数が基準値+範囲値dより大きい場合(S302でYes)、境界値探索部12は、現在の刻み幅は最小(すなわち、2)であるか否かを判定する(S303)。現在の刻み幅が最小である場合(S303でYes)、境界値探索部12は、刻み幅は変更することなく図12の処理を終了させる。現在の刻み幅は最小でない場合(S303でNo)、境界値探索部12は、刻み幅を1段階下げて図12の処理を終了させる(S304)。具体的には、現在の刻み幅が、10又は5の場合、5又は2に下げられる。ここで、ある範囲値dとは基準値記憶部17に記憶されている値である。ここではある定数dとしているが読取り電波強度に対応して動的に変化するような値としてもよい。
【0063】
一方、読取数が基準値+範囲値dよりおおきく無い場合(S302でNo)、境界値探索部12は、読取数が、当該基準値−範囲値d以上であり、かつ、基準値+範囲値d以下であるか否かを判定する(S305)。
【0064】
読取数が今回の基準値−範囲値d以上であり、かつ、基準値+範囲値d以下である場合(S305でYes)、境界値探索部12は、刻み幅を変更することなく図12の処理を終了させる。
【0065】
一方、読取数が基準値−範囲値dより小さい場合(S305でNo)、境界値探索部12は、現在の刻み幅は最大(すなわち、10)であるか否かを判定する(S306)。現在の刻み幅が最大である場合(S306でYes)、境界値探索部12は、刻み幅は変更することなく図12の処理を終了させる。現在の刻み幅は最大でない場合(S306でNo)、境界値探索部12は、刻み幅を1段階下げて図12の処理を終了させる(S307)。具体的には、現在の刻み幅が、5又は2の場合、10又は5に上げられる。
【0066】
続いて、図10のステップS210の詳細について説明する。図14は、読取数の変化量に応じた刻み幅の設定処理の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【0067】
ステップS401において、境界探索部は、今回の読取数から前回の読取数を減ずることにより、読取数の変化量を算出する。続いて、境界探索部は、当該変化量が、基準値の変化量を中心とした値の範囲より大きいか否かを判定する(S402)。
【0068】
基準値の変化量とは、今回の電波強度に対する基準値から前回の電波強度に対する基準値を減じた値である。このように算出される基準値の変化量を「基本基準値変化量」という。ステップS402等では、基本基準値変化量が読取数の変化量に対する比較対象とされてもよい。但し、電場強度が最大のときの読取数によって基本基準値変化量が補正されてもよい。具体的には、電波強度が最大のときの読み取り数を、電波強度の最大値に対する基準値によって除することにより得られる係数を、基本基準値に乗じたものを補正基準値とし、当該補正基準値をステップS402等における比較対象としてもよい。
【0069】
読取数の変化量が基準値の変化量にある範囲値eを加えた値より大きい場合(S402でYes)、境界値探索部12は、現在の刻み幅は最小(すなわち、2)であるか否かを判定する(S403)。現在の刻み幅が最小である場合(S403でYes)、境界値探索部12は、刻み幅は変更することなく図14の処理を終了させる。現在の刻み幅は最小でない場合(S403でNo)、境界値探索部12は、刻み幅を1段階下げて図14の処理を終了させる(S404)。ここで、ある範囲値eとは基準値記憶部17に記憶されている値である。ここではある定数eとしているが読取り電波強度に対応して動的に変化するような値としてもよい。
【0070】
一方、読取数の変化量が基準値の変化量+範囲値eより大きくない場合(S402でNo)、境界値探索部12は、読取数の変化量は、当該基準値の変化量−範囲値e以上であり、かつ、基準値の変化量+範囲値e以下であるか否かを判定する(S405)。
【0071】
読取数の変化量が、今回の基準値の変化量−範囲値e以上であり、かつ、基準値の変化量+範囲値e以下である場合(S405でYes)、境界値探索部12は、刻み幅を変更することなく図14の処理を終了させる。
【0072】
一方、読取数の変化量が、基準値の変化量−範囲値e未満である場合(S405でNo)、境界値探索部12は、現在の刻み幅は最大(すなわち、10)であるか否かを判定する(S406)。現在の刻み幅が最大である場合(S406でYes)、境界値探索部12は、刻み幅は変更することなく図14の処理を終了させる。現在の刻み幅が最大でない場合(S406でNo)、境界値探索部12は、刻み幅を1段階上げて図14の処理を終了させる(S407)。
【0073】
ところで、刻み幅の変更は、電波強度に応じて行われてもよい。すなわち、電波強度が大きい場合は刻み幅を大きくし、電波強度が弱い場合は、刻み幅設定を小さくすると効率的である。具体的には、電波強度の最小値から最大値を数段階(例えば、小レベル、中レベル、大レベルの3段階)に分け、当該段階に応じて刻み幅を変化させるとよい。
【0074】
次に、対応情報の作成方法の一例について説明する。図15は、対応情報の作成方法の一例を説明するための図である。同図では、保管場所Sが、8×8=64の分割空間に分割された例が示されている。
【0075】
まず、対応情報記憶部18に、分割空間ごとのレコードを作成し、分割空間の列に、分割空間の識別子(L11〜L88)を記録する。
【0076】
続いて、アンテナaごとに、電波強度を最低値(0)又は最大値から所定の刻み幅で変化させた場合にける電波強度ごとに、RFIDタグを読み取り可能な境界線を作成する。例えば、(1)では、アンテナa1について、境界線が作成された例が示されている。(2)、(3)、(4)では、アンテナa2、a3、a4について境界線が作成された例が示されている。なお、(1)〜(4)において、円内の数値(10〜50)は、電波強度の値を示す。
【0077】
続いて、例えば、アンテナa1から順に、分割空間ごとのレコードに、当該分割空間の少なくとも一部が含まれる境界範囲に対応する電波強度を記録する。境界範囲内に分割空間の少なくとも一部が含まれていれば、当該分割空間には当該境界範囲に対応する電波強度が記録されるため、一つの分割空間に対して複数(2つ)の電場強度が記録される場合がある。その場合は、当該分割空間に対応するレコードを分割し、すなわち、当該レコードの複製を作成し、各レコードに対して同一のアンテナaに関して異なる電波強度を記録する。
【0078】
例えば、(4)において、分割空間L11は、アンテナa4に関する二つの境界範囲に属する。したがって、アンテナa4の電波強度が記録される際、分割空間L11のレコードは分割される。分割の際、他のアンテナaの電波強度の値は、そのままコピーされる。
【0079】
以上に説明した対応情報の作成方法は、一例である。したがって、他の方法によって対応情報が作成されてもよい。
【0080】
上述したように、第一の実施の形態によれば、複数のアンテナaに関する対象物品IDを検出(読み取り)可能な電波強度の境界値のパターンを、対応情報と照合することにより、分割空間単位で対象物品の配置位置を特定することができる。したがって、ユーザは、当該分割範囲を探索範囲とすればよく、対象物品の探索作業を効率化することができる。
【0081】
なお、本実施の形態では、電波強度を最大値から所定の刻み幅で小さくしていく例について説明したが、最小値から所定の刻み幅で大きくしていくことにより、境界値が探索されてもよい。その場合の処理手順は上記の説明より自明であるため、ここでの説明は省略する。
【0082】
次に、第二の実施の形態について説明する。図16は、第二の実施の形態における探索支援装置のハードウェア構成例を示す図である。同図において、探索支援装置20は、それぞれバスBで相互に接続されている補助記憶装置201、メモリ装置202、CPU203、表示装置204、入力装置205、及びRFIDアンテナ206等を有する携帯型の端末である。補助記憶装置201、メモリ装置202、CPU203、表示装置204は、及び入力装置205は、第一の実施の形態における、補助記憶装置102、メモリ装置103、CPU104、表示装置106、又は入力装置107と同様でよい。但し、表示装置204及び入力装置205は、携帯端末に適したハードウェアが用いられる。RFIDアンテナ206は、電波を放射し、当該電波を利用した無線通信によりRFIDタグtの検出及び読み取りを行うアンテナである。
【0083】
図17は、第二の実施の形態における探索支援装置の機能構成例を示す図である。同図において、探索支援装置20は、探索指示受付部21、判定部22、出力部23、及び物品情報記憶部24等を有する。このうち、探索指示受付部21及び物品情報記憶部24の機能は、第一の実施の形態における探索指示受付部11又は物品情報記憶部15と同様でよいため、その説明は省略する。
【0084】
判定部22は、RFIDアンテナ206の電波強度を変化させ、対象物品IDが記録されているRIFDタグtが、読み取られたRIFDタグt内に含まれているか否かを判定する。すなわち、対象物品がRFIDアンテナ206の読み取り可能な範囲内に含まれているか否が判定される。出力部23は、判定部22による判定結果を表示装置204に表示させる。
【0085】
斯かる携帯型の探索支援装置20を利用して、ユーザは、次のように対象物品の探索を行う。
【0086】
図18は、第二の実施の形態の探索支援装置を利用した物品の探索方法を説明するための図である。同図では、対象物品(対象物品ID)は既に特定されていることとする。また、同図において、探索支援装置20は、ユーザによって携帯された状態にある。
【0087】
まず、(1)に示されるように、探索支援装置20は、最大の電波強度で各RFIDタグtより物品IDの読み取りを行う。探索支援装置20は、読み取られた物品IDの一覧の中に対象物品IDが含まれているか否かを表示装置204に表示させる。なお、ユーザは、対象物品IDが検出されたことが表示されるまで、RFIDアンテナ206の向きを変更したり、物品との距離を変えたりする。
【0088】
読み取られた物品IDの一覧の中に対象物品IDが含まれている場合、(2)に示されるように、探索支援装置20は、電波強度を1段階低くする。ユーザは、電波強度が1段階低くされた状態で、対象物品IDが検出されるまで探索支援装置20を移動させる。
【0089】
以降、対象物品IDが検出されたら電波強度が低くされ、当該電波強度において対象物品IDが検出されるまで移動するという動作が繰り返される(3)。
【0090】
その結果、(4)に示されるように、最小の電波強度において対象物品IDが検出されたときには、ユーザは対象物品の配置付近に到達していることになる。
【0091】
このように、第二の実施の形態では、徐々に電波強度が弱められ、探索範囲が絞り込まれる。
【0092】
なお、探索支援装置20が、指向性の有るRFIDアンテナを二つ備えていてもよい。この場合、探索支援装置20は、いずれのRFIDアンテナにおいて対象物品IDが検出されたかに基づいて、対象物品の配置方向を表示装置204に表示させてもよい。
【0093】
以下、探索支援装置20の処理手順について説明する。図19は、第二の実施の形態における探索支援装置による処理手順を説明するためのフローチャートである。
【0094】
ステップS501において、探索指示受付部21は、表示装置204及び入力装置205等を用いて、物品の探索指示をユーザより受け付ける。当該ステップの内容は、図8のステップS101と同様でよい。続いて、判定部22は、RFIDアンテナ206の電波強度を最大とする(S502)。続いて、判定部22は、RFIDアンテナ206にRFIDタグtの読み取りを実行させる(S503)。その結果、例えば、各物品の各RFIDタグtより読み取られた物品IDの一覧が取得される。
【0095】
続いて、判定部22は、読み取られた物品IDの一覧の中に対象物品IDが含まれているか否かを判定し(S504)、判定結果を表示装置204に表示させる(S505)。読み取られた物品IDの一覧の中に対象物品IDが含まれていない場合(S506でNo)、判定部22は、現在の電波強度によって、ステップS503以降を繰り返し実行する。
【0096】
一方、読み取られた物品IDの一覧の中に対象物品IDが含まれている場合(S506でYes)、判定部22は、電波強度の刻み幅をユーザによって予め設定されている値とする(S507)。続いて、判定部22は、電波強度を現在の刻み幅において1段階下げる(S508)。続いて、判定部22は、ステップS503以降を繰り返す。
【0097】
なお、電波強度の刻み幅は、ユーザの任意によって随時変更可能とすればよい。具体的には、表示装置204及び入力装置205を介して、電波強度の変更指示の入力を可能とすればよい。
【0098】
上述したように、第二の実施の形態によれば、予めアンテナを設置したり、対応情報の作成等を行ったりすることなく、目的とする物品の探索を効率化することができる。
【0099】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は斯かる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0100】
以上の説明に関し、更に以下の項を開示する。
(付記1)
所定の空間においてそれぞれ異なる位置に配置された複数の電波放射手段の電波強度を個別に変化させ、それぞれの前記電波放射手段ごとに、探索対象の識別情報が記憶されたICタグが検出される前記電波強度の境界値を探索する境界値探索手段と、
前記所定の空間における位置情報と前記電波放射手段ごとの電波強度の組み合わせとの対応情報を記憶した対応情報記憶手段を用いて、前記境界値探索手段によって探索された前記境界値に対応する前記位置情報を特定する配置位置判定手段とを有する探索支援装置。
(付記2)
前記境界値探索手段は、第一の変化幅により第一の電波強度から第二の電波強度へ変化させた場合に、前記電波強度の変化の前後で前記ICタグの検出状態が変化したときは、前記第一の変化幅より小さい変化幅で前記第一の電波強度又は前記第二の電波強度からの電波強度の変化を再実行する付記1記載の探索支援装置。
(付記3)
前記境界値探索手段は、検出されたICタグの数が第一の閾値より大きい場合は、前記電波強度の変化幅を小さくする付記1又は2記載の探索支援装置。
(付記4)
前記境界値探索手段は、検出されたICタグの数が第一の閾値より小さい場合は、前記電波強度の変化幅を大きくする付記1乃至3いずれか一項記載の探索支援装置。
(付記5)
前記境界値探索手段は、前記電波強度の変化の前後における前記ICタグの検出数の差分が第二の閾値より大きい場合は、前記電波強度の変化幅を小さくする付記1乃至4いずれか一項記載の探索支援装置。
(付記6)
前記境界値探索手段は、前記電波強度の変化の前後における前記ICタグの検出数の差分が前記第二の閾値より小さい場合は、前記電波強度の変化幅を大きくする付記1乃至5いずれか一項記載の探索支援装置。
(付記7)
コンピュータが、
所定の空間においてそれぞれ異なる位置に配置された複数の電波放射手段の電波強度を個別に変化させ、それぞれの前記電波放射手段ごとに、探索対象の識別情報が記憶されたICタグが検出される前記電波強度の境界値を探索する境界値探索手順と、
前記所定の空間における位置情報と前記電波放射手段ごとの電波強度の組み合わせとの対応情報を記憶した対応情報記憶手段を用いて、前記境界値探索手順において探索された前記境界値に対応する前記位置情報を特定する配置位置判定手順とを実行する探索支援方法。
(付記8)
前記境界値探索手順は、第一の変化幅により第一の電波強度から第二の電波強度へ変化させた場合に、前記電波強度の変化の前後で前記ICタグの検出状態が変化したときは、前記第一の変化幅より小さい変化幅で前記第一の電波強度又は前記第二の電波強度からの電波強度の変化を再実行する付記7記載の探索支援方法。
(付記9)
前記境界値探索手順は、検出されたICタグの数が第一の閾値より大きい場合は、前記電波強度の変化幅を小さくする付記7又は8記載の探索支援方法。
(付記10)
前記境界値探索手順は、検出されたICタグの数が第一の閾値より小さい場合は、前記電波強度の変化幅を大きくする付記7乃至9いずれか一項記載の探索支援方法。
(付記11)
前記境界値探索手順は、前記電波強度の変化の前後における前記ICタグの検出数の差分が第二の閾値より大きい場合は、前記電波強度の変化幅を小さくする付記7乃至10いずれか一項記載の探索支援方法。
(付記12)
前記境界値探索手順は、前記電波強度の変化の前後における前記ICタグの検出数の差分が第二の閾値より小さい場合は、前記電波強度の変化幅を大きくする付記7乃至11いずれか一項記載の探索支援方法。
(付記13)
コンピュータに、
所定の空間においてそれぞれ異なる位置に配置された複数の電波放射手段の電波強度を個別に変化させ、それぞれの前記電波放射手段ごとに、探索対象の識別情報が記憶されたICタグが検出される前記電波強度の境界値を探索する境界値探索手順と、
前記所定の空間における位置情報と前記電波放射手段ごとの電波強度の組み合わせとの対応情報を記憶した対応情報記憶手段を用いて、前記境界値探索手順において探索された前記境界値に対応する前記位置情報を特定する配置位置判定手順とを実行させるためのプログラム。
(付記14)
前記境界値探索手順は、第一の変化幅により第一の電波強度から第二の電波強度へ変化させた場合に、前記電波強度の変化の前後で前記ICタグの検出状態が変化したときは、前記第一の変化幅より小さい変化幅で前記第一の電波強度又は前記第二の電波強度からの電波強度の変化を再実行する付記13記載のプログラム。
(付記15)
前記境界値探索手順は、検出されたICタグの数が第一の閾値より大きい場合は、前記電波強度の変化幅を小さくする付記13又は14記載のプログラム。
(付記16)
前記境界値探索手順は、検出されたICタグの数が第一の閾値より小さい場合は、前記電波強度の変化幅を大きくする付記13乃至15いずれか一項記載のプログラム。
(付記17)
前記境界値探索手順は、前記電波強度の変化の前後における前記ICタグの検出数の差分が第二の閾値より大きい場合は、前記電波強度の変化幅を小さくする付記13乃至16いずれか一項記載のプログラム。
(付記18)
前記境界値探索手順は、前記電波強度の変化の前後における前記ICタグの検出数の差分が第二の閾値より小さい場合は、前記電波強度の変化幅を大きくする付記13乃至17いずれか一項記載のプログラム。
【符号の説明】
【0101】
1 探索支援システム
10、20 探索支援装置
11 探索指示受付部
12 境界値探索部
13 配置位置判定部
14 出力部
15 物品情報記憶部
16 アンテナ情報記憶部
17 基準値記憶部
18 対応情報記憶部
21 探索指示受付部
22 判定部
23 出力部
24 物品情報記憶部
100 ドライブ装置
101 記録媒体
102 補助記憶装置
103 メモリ装置
104 CPU
105 インタフェース装置
106 表示装置
107 入力装置
201 補助記憶装置
202 メモリ装置
203 CPU
204 表示装置
205 入力装置
206 RFIDアンテナ
a1、a2、a3、a4 アンテナ
B バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の空間においてそれぞれ異なる位置に配置された複数の電波放射手段の電波強度を個別に変化させ、それぞれの前記電波放射手段ごとに、探索対象の識別情報が記憶されたICタグが検出される前記電波強度の境界値を探索する境界値探索手段と、
前記所定の空間における位置情報と前記電波放射手段ごとの電波強度の組み合わせとの対応情報を記憶した対応情報記憶手段を用いて、前記境界値探索手段によって探索された前記境界値に対応する前記位置情報を特定する配置位置判定手段とを有する探索支援装置。
【請求項2】
前記境界値探索手段は、第一の変化幅により第一の電波強度から第二の電波強度へ変化させた場合に、前記電波強度の変化の前後で前記ICタグの検出状態が変化したときは、前記第一の変化幅より小さい変化幅で前記第一の電波強度又は前記第二の電波強度からの電波強度の変化を再実行する請求項1記載の探索支援装置。
【請求項3】
前記境界値探索手段は、検出されたICタグの数が第一の閾値より大きい場合は、前記電波強度の変化幅を小さくする請求項1又は2記載の探索支援装置。
【請求項4】
前記境界値探索手段は、検出されたICタグの数が第一の閾値より小さい場合は、前記電波強度の変化幅を大きくする請求項1乃至3いずれか一項記載の探索支援装置。
【請求項5】
前記境界値探索手段は、前記電波強度の変化の前後における前記ICタグの検出数の差分が第二の閾値より大きい場合は、前記電波強度の変化幅を小さくする請求項1乃至4いずれか一項記載の探索支援装置。
【請求項6】
コンピュータが、
所定の空間においてそれぞれ異なる位置に配置された複数の電波放射手段の電波強度を個別に変化させ、それぞれの前記電波放射手段ごとに、探索対象の識別情報が記憶されたICタグが検出される前記電波強度の境界値を探索する境界値探索手順と、
前記所定の空間における位置情報と前記電波放射手段ごとの電波強度の組み合わせとの対応情報を記憶した対応情報記憶手段を用いて、前記境界値探索手順において探索された前記境界値に対応する前記位置情報を特定する配置位置判定手順とを実行する探索支援方法。
【請求項7】
コンピュータに、
所定の空間においてそれぞれ異なる位置に配置された複数の電波放射手段の電波強度を個別に変化させ、それぞれの前記電波放射手段ごとに、探索対象の識別情報が記憶されたICタグが検出される前記電波強度の境界値を探索する境界値探索手順と、
前記所定の空間における位置情報と前記電波放射手段ごとの電波強度の組み合わせとの対応情報を記憶した対応情報記憶手段を用いて、前記境界値探索手順において探索された前記境界値に対応する前記位置情報を特定する配置位置判定手順とを実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2011−185825(P2011−185825A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−52950(P2010−52950)
【出願日】平成22年3月10日(2010.3.10)
【出願人】(000237156)株式会社富士通アドバンストエンジニアリング (100)
【Fターム(参考)】