説明

接続端子台

【課題】携帯電子機器のセット方向と端子の出没方向とを異ならせ、端子に手が触れる機会を極力なくし、かつ、携帯電子機器の画面を立ち上げて見ることを可能にした接続端子台を提供すること。
【解決手段】携帯電子機器を横向きに寝かせてセットするセット凹部は、後方が高くなるように傾斜して形成し、セット凹部の前壁部の内側に係止爪を設け、側壁部の内側にセット保持用フックを設け、セット凹部の載置板部の後部を立ち上がらせて端子カバー部を設け、端子カバー部に形成した押圧釦出没窓の内側に臨ませて押圧釦を、携帯電子機器の着脱により回転軸を支点として揺動自在に設け、押圧釦に、端子付勢ばねに付勢されて押圧釦出没窓の載置板部側から突出する押圧突部と、押圧突部を携帯電子機器のセット時の押下げにより正面部側から横向きに接続端子を突出せしめる端子出没溝を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機、ディジタルカメラなどの携帯電子機器をセット凹部に横向きに寝かせた状態でセットして充電や通信信号の授受を行い、かつ、必要に応じて携帯電子機器の画面を立ち上げてTV等として見ることを可能にした接続端子台に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本出願人は、携帯電話機などの携帯電子機器12をハウジング10に横向き状態でセットして充電を行い、かつ、必要に応じて画面18でTVを見ることを可能にした横置き方式充電装置を提案した(特許文献1)。
この特許文献1の横置き方式充電装置には、図8に示すように、ハウジング10のセット凹部11に携帯電子機器12を横向きにして突条15にガイドされつつセットすると、両側のフック17に携帯電子機器12が係止し、かつ、携帯電子機器12で押圧子出没孔14から突出した押圧子13を押し込む。すると、ハウジング10内のシーソーアームの他端に設けられた給電端子が給電端子出没孔16から突出して携帯電子機器12の電極に接続して充電を行うものである。
携帯電子機器12は、横向きで垂直にセットするので充電しながら前面の画面18を楽しむことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−283752号公報。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1記載の横置き方式充電装置には、次のような解決しようとする若干の問題点を有していた。
(1)携帯電子機器12の充電電極が長手方向側面に設けられているため、ハウジング10の給電端子がセット凹部11の床面の給電端子出没孔16から出没するように設けられている。このように、携帯電子機器12のセット方向と給電端子の出没方向とが同一方向であるため、押圧子13を押して給電端子出没孔16から給電端子が飛び出して手に触れたりすると低温やけどの恐れがある。
(2)携帯電子機器12を垂直にセットするため、画面18を上から見下ろすようになり、画像が見にくい。特に、画面18が携帯電子機器12に折り畳み方式になっているものでは、長手方向のヒンジを180度以上回動するように構成しなければならず、ヒンジの構造が複雑になる。
(3)画面18が短手方向にも折り畳み自在の携帯電子機器12では、携帯電子機器12を充電しながら画面18を短手方向に起こしてTV等として見ることができない。
【0005】
本発明は、携帯電子機器のセット方向と端子の出没方向とを異ならせるとともに、携帯電子機器のセット時の端子の飛び出しを遅らせて端子に手が触れる機会を極力なくし、かつ、携帯電子機器の画面を立ち上げて見ることを可能にした接続端子台を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、携帯電子機器12の充電、通信等の電極が長手方向側面に設けられている場合において、好ましくは、この携帯電子機器12を横向きで、かつ、寝かせてハウジング10にセットし、接続端子28を、ハウジング10の側方のセット方向とは異なる方向で、かつ、携帯電子機器12をハウジング10にセット完了する直前にできるだけ遅れて突出するように構成し、接続端子28に手が触れるのを極力なくすることが好ましい。
ハウジング10から接続端子28を突出させるために携帯電子機器12で押圧釦29を押圧するとき、押圧釦29を押圧する携帯電子機器12の接触部分は、携帯電子機器12の平面の塗装部分がはげるのを避けるため接触面積の小さい角部とすることが好ましい。
また、携帯電子機器12をハウジング10にセットしつつワンセグメントの画面18を見るときには、画面18を長手方向にも、また、短手方向にも起き上がらせられることが望ましい。
【0007】
これらの要望を達成するため、本発明は、ハウジング10の上面に、携帯電子機器12のセット凹部11を設け、前記携帯電子機器12の電極52に接離する接続端子28を、ハウジング10から出没するように構成した接続端子台において、前記セット凹部11は、後方が高くなるように傾斜して形成し、このセット凹部11の前壁部19の内側に、携帯電子機器12をセットするときの係止爪24を設け、かつ、前壁部19の中央部に前面切欠き21を設け、前記セット凹部11の側壁部20の内側に、携帯電子機器12のセットを保持するフック17を設け、前記セット凹部11の載置板部30の後部の一部を立ち上がらせて端子カバー部23を設ける。
この端子カバー部23の正面部55と載置板部30の一部に連続する押圧釦出没窓31を形成し、この押圧釦出没窓31に臨ませて前記端子カバー部23の内部に、押圧釦29を、前記携帯電子機器12の着脱により回転軸35を支点として揺動自在に設け、この押圧釦29に、端子付勢ばね36に付勢されて前記押圧釦出没窓31の載置板部30側から突出する押圧突部32と、この押圧突部32を前記携帯電子機器12のセット時の押下げにより前記正面部55側から横向きに前記接続端子28を突出せしめる端子出没溝34とを形成し、前記載置板部30を、前記端子カバー部23を除いて延長して指掛け部22を形成する。
【発明の効果】
【0008】
請求項1記載の発明によれば、ハウジングの上面に、携帯電子機器のセット凹部を設け、前記携帯電子機器の電極に接離する接続端子を、携帯電子機器の着脱に応じてハウジングから出没するように構成した接続端子台において、前記セット凹部の載置板部の後部から立ち上がらせて端子カバー部を設け、この端子カバー部の正面部と載置板部の一部に連続する押圧釦出没窓を形成し、この押圧釦出没窓に臨ませて前記端子カバー部の内部に、回転軸を支点とする押圧釦を前記携帯電子機器の着脱に応じて揺動自在に設け、この押圧釦に、端子付勢ばねに付勢されて前記押圧釦出没窓の載置板部側から突出する押圧突部と、この押圧突部を前記携帯電子機器のセット時に押下げたとき前記正面部側から前記携帯電子機器の側面に前記接続端子を突出せしめる端子出没溝とを形成したので、携帯電子機器のセット時に、接続端子がハウジングの側方の携帯電子機器のセット方向とは異なる方向から突出し、接続端子に手が触れるのを極力なくすることができる。
携帯電子機器を横向きに寝かせてセットする場合に、特に、画面が携帯電子機器に折り畳み方式になっているものでは、長手方向にも、短手方向にも最も見やすい方向に起き上がらせてTV等として見ることができる。
ハウジングから接続端子を突出させるために携帯電子機器で押圧釦を押圧するとき、携帯電子機器の接触部分は、接触面積の小さい角部とすることができ、携帯電子機器の平面の塗装部分がはげたり、傷ついたりすることを避けることができる。
【0009】
請求項2記載の発明によれば、接続端子は、導電性ばね線材を用い、下端部をプリント基板に接続固定し、端部の端子接触部を押圧釦の端子出没溝から突出する方向にばね力を有するように形成され、この接続端子の端子接触部を、接続端子のばね力に抗して押圧釦の端子付勢ばねにより端子カバー部の内部に引き込ませるようにしたので、導電性ばね線材からなる接続端子は、自身のばね力により外部へ突出しようとするが、通常は、押圧釦の端子付勢ばねにより内部に引き込ませられ、押圧釦の端子付勢ばねに抗して押圧突部が押し下げられた時接続端子は、自身のばね力により確実に外部へ突出して携帯電子機器の電極に接触して電気的に接続される。
【0010】
請求項3記載の発明によれば、接続端子の上端部の端子接触部は、U字形に折り返し、この端子接触部の端部を折曲して係止端部を形成し、この係止端部を、端子接触部が押圧釦の端子出没溝から所定量だけ突出するように押圧釦の背面の端子係止部に係止し、この端子係止部に連続して端子滑り部を形成し、押圧突部の押し下げによる押圧釦の一定角度の回動後に係止端部を、端子係止部から端子滑り部に移動させて端子接触部を急速に突出せしめるようにしたので、接続端子は、携帯電子機器をハウジングにセット完了直前に突出し、接続端子に手で触れるのを極力なくすることができる。
【0011】
請求項4記載の発明によれば、載置板部の後部の一側部を立ち上がらせて端子カバー部を設け、この端子カバー部の他側部に前記載置板部を延長した携帯電子機器取り外し用の指掛け部を設けたので、セット凹部にセットした携帯電子機器の取り外しが容易に行える。
【0012】
請求項5記載の発明によれば、ハウジングの上面に、携帯電子機器を横向きに寝かせてセットするセット凹部を設け、前記携帯電子機器の電極に接離する接続端子を、携帯電子機器の着脱に応じてハウジングから出没するように構成した接続端子台において、前記セット凹部の載置板部は、後方が高くなるように傾斜して形成し、このセット凹部の前壁部の内側に、携帯電子機器をセットするときの係止爪を設け、かつ、前壁部の中央部に前面切欠きを設け、前記セット凹部の側壁部の内側に、携帯電子機器のセットを保持するフックを設け、前記セット凹部の載置板部の後部から立ち上がらせて端子カバー部を設け、この端子カバー部の正面部と載置板部の一部に連続する押圧釦出没窓を形成し、この押圧釦出没窓に臨ませて前記端子カバー部の内部に、一体の回転軸を支点とする押圧釦を前記携帯電子機器の着脱により揺動自在に設け、この押圧釦に、端子付勢ばねに付勢されて前記押圧釦出没窓の載置板部側から突出する押圧突部と、この押圧突部を前記携帯電子機器のセット時に押下げたとき前記正面部側から横向きに前記接続端子を突出せしめる端子出没溝とを形成し、前記載置板部を、前記端子カバー部を除いて延長して指掛け部を形成したので、携帯電子機器を接続端子台のセット凹部にセットするときは、携帯電子機器を横向きにして手前側を前壁部の係止爪に係合しつつ後方の下側の角部を押圧釦2押圧突部に載せて、携帯電子機器の後方を上から押しこむ。また、セット凹部にセットした携帯電子機器を取り外すときには、前壁部の前面切欠きに親指をかけ、携帯電子機器の後面の指掛け部の位置に他の指をかけて引き起こすと、携帯電子機器は、前壁部の係止爪に係止した位置を支点として持ち上がり、フックから外れて簡単に抜き取ることができる。携帯電子機器の抜き取りにより携帯電子機器がわずかに浮き上がっただけで、押圧釦と一体に接続端子が端子付勢ばねにより端子カバー部の内側に引き込まれ、同時に、押圧釦の押圧突起が押圧釦出没窓から突出する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明による接続端子台の実施例1を示す斜視図である。
【図2】本発明による接続端子台のセット凹部11への携帯電子機器12の装着後を示す一部切り欠いた側面図である。
【図3】本発明による接続端子台のセット凹部11への携帯電子機器12の装着前を示す一部切り欠いた側面図である。
【図4】本発明の接続端子台に組み込まれる各部品を示すもので、(a)は、シャッター枠26の斜視図、(b)は、押圧釦29を前面からみた斜視図、(c)は、押圧釦29を後面からみた斜視図、(d)は、接続端子28の斜視図である。
【図5】本発明の接続端子台における端子カバー部23の一部を切欠いた正面図である。
【図6】(a)は、図5におけるA−A線断面図、(b)は、図5におけるB−B線断面図である。
【図7】本発明の実施例2を示す要部の側断面図である。
【図8】従来の接続端子台の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明による接続端子台は、ハウジングの上面に、携帯電子機器のセット凹部を設け、前記携帯電子機器の電極に接離する接続端子を、携帯電子機器の着脱に応じてハウジングから出没するように構成した接続端子台において、前記セット凹部の載置板部の後部から立ち上がらせて端子カバー部を設け、この端子カバー部の正面部と載置板部の一部に連続する押圧釦出没窓を形成し、この押圧釦出没窓に臨ませて前記端子カバー部の内部に、回転軸を支点とする押圧釦を前記携帯電子機器の着脱に応じて揺動自在に設け、この押圧釦に、端子付勢ばねに付勢されて前記押圧釦出没窓の載置板部側から突出する押圧突部と、この押圧突部を前記携帯電子機器のセット時に押下げたとき前記正面部側から前記携帯電子機器の側面に前記接続端子を突出せしめる端子出没溝とを形成する。
【0015】
接続端子は、導電性ばね線材を用い、下端部をプリント基板に接続固定し、端部の端子接触部を押圧釦の端子出没溝から突出する方向にばね力を有するように形成され、この接続端子の端子接触部を、接続端子のばね力に抗して押圧釦の端子付勢ばねにより端子カバー部の内部に引き込ませるようにする。
【0016】
接続端子の上端部の端子接触部は、U字形に折り返し、この端子接触部の端部を折曲して係止端部を形成し、この係止端部を、端子接触部が押圧釦の端子出没溝から所定量だけ突出するように押圧釦の背面の端子係止部に係止し、この端子係止部に連続して端子滑り部を形成し、押圧突部の押し下げによる押圧釦の一定角度の回動後に係止端部を、端子係止部から端子滑り部に移動させて端子接触部を急速に突出せしめるようにする。
【0017】
セット凹部の載置板部は、後方が高くなるように傾斜して形成し、このセット凹部の前壁部の内側に、携帯電子機器をセットするときの係止爪を設け、かつ、前壁部の中央部に前面切欠きを設け、前記セット凹部の側壁部の内側に、携帯電子機器のセットを保持するフックを設ける。前記載置板部を、前記端子カバー部を除いて延長して指掛け部を形成して携帯電子機器の着脱をより確実に行わしめる。
【実施例】
【0018】
以下、本発明の実施例1を図面に基づき説明する。
図1ないし図7において、ハウジング10のセット凹部11における載置板部30は、好ましくは、携帯電子機器12を横向きで、かつ、寝かせてセットするように構成されている。この載置板部30は、例えば、10度の角度をもって奥行きが高くなるように傾斜して構成されている。この載置板部30の外周には、セットする携帯電子機器12の厚さと略等しい高さで前壁部19、側壁部20が設けられている。このうち前壁部19は、中央部分が携帯電子機器12の着脱のために指を入れる前面切欠き21が形成され、また、この両側の前壁部19には、携帯電子機器12のセット時の係止爪24が設けられている。前記両側の側壁部20の内側には、携帯電子機器12のセット時のガイドのための突条15と、携帯電子機器12を係止するフック17が進退自在に設けられている。前記載置板部30には、携帯電子機器12をセットしたときに載置板部30との間にわずかな隙間を作るための突条15と、携帯電子機器12のセット時に押圧されて電源を投入する電源釦25が設けられている。
【0019】
前記載置板部30の後部側には、略3分の1が端子カバー部23で、残りが携帯電子機器12を着脱するための指掛け部22となっている。この指掛け部22は、載置板部30がやや傾斜しているのに対して略水平であり、セットした携帯電子機器12を外すときに前記前面切欠き21と指掛け部22に指をかけて後部を持ち上げて外す。
なお、携帯電子機器12をハウジング10のセット凹部11にセットした場合における携帯電子機器12の指掛け部22側には、コネクタ接続部(図示せず)が設けられ、指掛け部22は、携帯電子機器12のコネクタ接続部に接続されているコネクタとこのコネクタの配線コードを引き回す部分としても兼用されている。
前記端子カバー部23は、その正面部55から載置板部30の一部に連続するようにして押圧釦出没窓31が切欠かれている。この押圧釦出没窓31は、正面部55側が載置板部30側よりやや幅広に形成され、この幅広部分に後述するシャッター枠26の垂直枠部44が臨ませられる。この押圧釦出没窓31に臨ませた端子カバー部23の内部に押圧釦29、シャッター枠26及び接続端子28が設けられている。
【0020】
前記押圧釦29は、前記押圧釦出没窓31から突出する押圧突部32と、正面部55の後方に位置する垂直片部33とを有し、載置板部30に軸支された回転軸35により揺動自在に取り付けられている。この押圧釦29の垂直片部33から押圧突部32にかけて両側に端子出没溝34が形成され、この端子出没溝34は、図6(b)、図4(b)(c)に示すように、後面まで連通開口している。前記両側の回転軸35には、端子付勢ばね36が巻きつけられ、この端子付勢ばね36の先端の連結端部56が載置板部30の下面のばね係止部53に係止し、他端部が押圧釦29の両側上端のばね係止部37に係止し、押圧釦29を図3に示すように右回りに付勢して通常は、押圧突部32が押圧釦出没窓31における載置板部30と端子カバー部23の正面部55との角部から突出している。
【0021】
前記押圧釦29の端子出没溝34には、背面から接続端子28が挿入されている。この押圧釦29は、中間部分が図4(d)に示すように、プリント基板27に取り付けられた端子保持部42の軸58に複数回巻きつけられ、先端がプリント基板27の配線に接続され、上端部の端子接触部40が端子出没溝34から外方に突出し、この端子接触部40の先端の係止端部41が前記垂直片部33の背面の端子係止部38に係止している。そして接続端子28は、自身のばね力で端子接触部40が左回りに付勢されているが、この接続端子28のばね力よりも端子付勢ばね36のばね力を十分大きく設定することにより、押圧釦29は、通常は、図3のように右回りに付勢されるので、端子接触部40が正面部55の押圧釦出没窓31よりも内側に引き込まれている。また、前記垂直片部33の背面には、端子係止部38に連続した上部に傾斜した端子滑り部39が形成されている。そして、図3において、接続端子28の巻きつけられた軸58が押圧釦29の回転軸35と係止端部41を結ぶ線よりも図中左側にあるように形成して、押圧釦29が所定角度だけ図中左回転すると、係止端部41が端子係止部38から端子滑り部39へ移動して端子接触部40が急速に端子出没溝34から外方に突出するようになっている。
【0022】
前記シャッター枠26は、水平枠部43と垂直枠部44を一体に有し、水平枠部43の側面には、揺動軸48が載置板部30の下面の軸受部57に揺動自在に軸支され、水平枠部43の上面の左右の突起部49と突起部50が載置板部30の下面とわずかな隙間をもって形成されている。前記垂直枠部44は、図5に示すように、前記押圧釦出没窓31の内側で、押圧釦29の両側に位置して配置され、上端部側方に目隠し突条45が形成されるとともに、下向きにシャッター片46が設けられ、このシャッター片46の両側に前記端子出没溝34に連通する端子出没溝47が形成されている。このシャッター枠26の垂直枠部44は、通常、揺動軸48を支点として突起部49が載置板部30の下面に接するまで下降し、この結果、目隠し突条45は、端子カバー部23の正面部55と略面位置が一致した状態となる。
【0023】
次に、接続端子台への携帯電子機器12の着脱動作を説明する。
ハウジング10のセット凹部11に携帯電子機器12を装着していない状態では、押圧釦29、接続端子28は、図3のように端子付勢ばね36に付勢されて押圧釦出没窓31の内側に位置している。このとき、シャッター枠26は、垂直枠部44側が自重により図3の右回りに回動し、突起部49が載置板部30の下面に接しているので、図6に示すように、目隠し突条45は正面部55から突出せず、また、シャッター片46で正面部55の内側が遮蔽されている。
【0024】
この状態で、図3の鎖線で示すように、携帯電子機器12を横向きにして手前側を前壁部19の係止爪24に係合しつつ後方の下側の角部を押圧釦29の押圧突部32に寝かせて載せる。この状態で、携帯電子機器12の後方を上から押しこむ。
【0025】
押圧釦29の押圧突部32が携帯電子機器12の後方の下側の角部で押し込まれると、図2に示すように、携帯電子機器12の下面で電源釦25を押し込み、電源スイッチ(図示せず)がオンし、押圧釦29が端子付勢ばね36に抗して図中左回りに回動する。押圧釦29が左回りに回動すると、接続端子28は、自身が左回りに付勢されているので、押圧釦29の回動に追随し、かつ、係止端部41が端子係止部38に係止したまま左回りに回動する。すると、端子接触部40がシャッター枠26の端子出没溝47を経て正面部55から突出する。ここで、端子接触部40は、係止端部41が端子係止部38に係止しているときには、押圧釦29の回動と同じ速度で突出するが、接続端子28の軸58が押圧釦29の回転軸35と係止端部41を結ぶ線よりも図中左側にあるので、携帯電子機器12の底面が載置板部30に達する直前に係止端部41が端子係止部38から端子滑り部39へ移動して端子接触部40が急速に端子出没溝34から外方に突出し、携帯電子機器12の側面の電極52に圧接する。
【0026】
同時に、端子接触部40の突出時に目隠し突条45の下面に端子接触部40の上部が接触して目隠し突条45を押し出す。そのため、正面部55と携帯電子機器12とに生じた隙間51は目隠し突条45で瞬時に目隠しされる。一般に、正面部55と携帯電子機器12の間に生じる隙間51は、少なすぎると、携帯電子機器12の着脱時に互いに干渉して押圧釦29や接続端子28の稼働部分に無理がかかり、破損したり、変形したりする恐れがあるので、ある程度の隙間51をもって形成される。ところが、隙間51が大きすぎると、この隙間51に書類の綴じ針などが落ち込み短絡事故の原因になる。
しかし、本発明では、端子接触部40の突出と同時に目隠し突条45で目隠しをしてこれらの不都合を解決している。
【0027】
このような充電をしている状態で、図1に示すように、画面18を長手方向に起こして最も見やすい角度にしてTV等の映像を楽しむことができる。画面18を一旦閉じて、短手方向に起こして映像を楽しむこともできる。
【0028】
セット凹部11にセットした携帯電子機器12を取り外すときには、前壁部19の前面切欠き21に親指をかけ、携帯電子機器12の後面の指掛け部22の位置に他の指をかけて引き起こすと、携帯電子機器12は、前壁部19の係止爪24に係止した位置を支点として持ち上がり、フック17から外れて簡単に携帯電子機器12を抜き取ることができる。携帯電子機器12の抜き取りにより押圧釦29が端子付勢ばね36により図中右回りに回動し、接続端子28の係止端部41が端子滑り部39から端子係止部38へ移動し、端子接触部40が端子カバー部23の内側に引き込まれる。同時に、押圧釦29の押圧突起32が押圧釦出没窓31から突出する。また、シャッター枠26は、垂直部44側が自重により揺動軸48を支点として下降し、目隠し突条45が押圧釦出没窓31から退出する。
【0029】
前記実施例では、図2に示すように、端子接触部40の突出時に目隠し突条45の下面に端子接触部40の上部が接触して目隠し突条45を押し出すようにした。
本発明は、これに限られるものではなく、図7に示すように、押圧釦29における垂直片部33の前面に突部54を一体に設け、押圧釦29が起き上がった時にこの突部54でシャッター枠26の垂直枠部44の目隠し突条45を押し出し、正面部55と携帯電子機器12とに生じた隙間51を瞬時に目隠しするようにしてもよい。
【符号の説明】
【0030】
10…ハウジング、11…セット凹部、12…携帯電子機器、13…押圧子、14…押圧子出没孔、15…突条、16…給電端子出没孔、17…フック、18…画面、19…前壁部、20…側壁部、21…前面切欠き、22…指掛け部、23…端子カバー部、24…係止爪、25…電源釦、26…シャッター枠、27…プリント基板、28…接続端子、29…押圧釦、30…載置板部、31…押圧釦出没窓、32…押圧突部、33…垂直片部、34…端子出没溝、35…回転軸、36…端子付勢ばね、37…ばね係止部、38…端子係止部、39…端子滑り部、40…端子接触部、41…係止端部、42…端子保持部、43…水平枠部、44…垂直枠部、45…目隠し突条、46…シャッター片、47…端子出没溝、48…揺動軸、49…突起部、50…突起部、51…隙間、52…電極、53…ばね係止部、54…突部、55…正面部、56…連結端部、57…軸受部、58…軸。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングの上面に、携帯電子機器のセット凹部を設け、前記携帯電子機器の電極に接離する接続端子を、携帯電子機器の着脱に応じてハウジングから出没するように構成した接続端子台において、前記セット凹部の載置板部の後部から立ち上がらせて端子カバー部を設け、この端子カバー部の正面部と載置板部の一部に連続する押圧釦出没窓を形成し、この押圧釦出没窓に臨ませて前記端子カバー部の内部に、回転軸を支点とする押圧釦を前記携帯電子機器の着脱に応じて揺動自在に設け、この押圧釦に、端子付勢ばねに付勢されて前記押圧釦出没窓の載置板部側から突出する押圧突部と、この押圧突部を前記携帯電子機器のセット時に押下げたとき前記正面部側から前記携帯電子機器の側面に前記接続端子を突出せしめる端子出没溝とを形成したことを特徴とする接続端子台。
【請求項2】
接続端子は、導電性ばね線材を用い、下端部をプリント基板に接続固定し、端部の端子接触部を押圧釦の端子出没溝から突出する方向にばね力を有するように形成され、この接続端子の端子接触部を、接続端子のばね力に抗して押圧釦の端子付勢ばねにより端子カバー部の内部に引き込ませるようにしたことを特徴とする請求項1記載の接続端子台。
【請求項3】
接続端子の上端部の端子接触部は、U字形に折り返し、この端子接触部の端部を折曲して係止端部を形成し、この係止端部を、端子接触部が押圧釦の端子出没溝から所定量だけ突出するように押圧釦の背面の端子係止部に係止し、この端子係止部に連続して端子滑り部を形成し、押圧突部の押し下げによる押圧釦の一定角度の回動後に係止端部を、端子係止部から端子滑り部に移動させて端子接触部を急速に突出せしめるようにしたことを特徴とする請求項2記載の接続端子台。
【請求項4】
載置板部の後部の一側部を立ち上がらせて端子カバー部を設け、この端子カバー部の他側部に前記載置板部を延長した携帯電子機器取り外し用の指掛け部を設けたことを特徴とする請求項1、2又は3記載の接続端子台。
【請求項5】
ハウジングの上面に、携帯電子機器を横向きに寝かせてセットするセット凹部を設け、前記携帯電子機器の電極に接離する接続端子を、携帯電子機器の着脱に応じてハウジングから出没するように構成した接続端子台において、前記セット凹部の載置板部は、後方が高くなるように傾斜して形成し、このセット凹部の前壁部の内側に、携帯電子機器をセットするときの係止爪を設け、かつ、前壁部の中央部に前面切欠きを設け、前記セット凹部の側壁部の内側に、携帯電子機器のセットを保持するフックを設け、前記セット凹部の載置板部の後部から立ち上がらせて端子カバー部を設け、この端子カバー部の正面部と載置板部の一部に連続する押圧釦出没窓を形成し、この押圧釦出没窓に臨ませて前記端子カバー部の内部に、一体の回転軸を支点とする押圧釦を前記携帯電子機器の着脱により揺動自在に設け、この押圧釦に、端子付勢ばねに付勢されて前記押圧釦出没窓の載置板部側から突出する押圧突部と、この押圧突部を前記携帯電子機器のセット時に押下げたとき前記正面部側から横向きに前記接続端子を突出せしめる端子出没溝とを形成し、前記載置板部を、前記端子カバー部を除いて延長して指掛け部を形成したことを特徴とする接続端子台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−178409(P2010−178409A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−14993(P2009−14993)
【出願日】平成21年1月27日(2009.1.27)
【出願人】(000102500)SMK株式会社 (528)
【出願人】(504149100)株式会社カシオ日立モバイルコミュニケーションズ (893)
【Fターム(参考)】